説明

半田付け装置とこの半田付け装置を用いたエリアアレイ型部品の半田付け方法及びエリアアレイ型部品の取り外し方法。

【課題】 使い勝手のよいエリアアレイ型部品をフレキシブルプリント配線板に
半田付けする装置とその半田付け方法を提供する。
【解決手段】 本発明になる半田付け装置は、エリアアレイ型部品を位置決めす
るモジュール位置決め台、フレキシブルプリント配線板吸着用の貫通孔をが設け
られた加熱ツール、フレキシブルプリント配線板位置決め治具、前記貫通孔を介
してフレキシブルプリント配線板を加熱ツールに吸着する真空吸着ツール、エリ
アアレイ型部品をピックアップし、フレキシブルプリント配線板の実装位置まで
搬送し、位置合わせしてこの実装位置に載置し、予め決められた時間このエリア
アレイ型部品をフレキシブルプリント配線板に押し付ける荷重を印加する搬送・
加圧ツールからなり、本発明になる半田付け方法はこの半田付け装置を使用する
ものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像モジュール等のエリアアレイ型部品のフレキシブルプリント配
線板への半田付け装置とこの装置を用いた半田付け方法と半田付けされた部品の
取り外し方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固体撮像素子を使用したデジタルカメラやビデオカメラが普及している。また
、パーソナルコンピュータや携帯電話、電子手帳等の電子機器に、固体撮像素子
とメモリとを組み込み、撮影機能を付加することも行なわれている。このような
、デジタルカメラ以外の電子機器への撮影機能の組み込みを容易にするため、固
体撮像素子と、撮像光学系が組み込まれた光学ユニットと、制御回路が設けられ
た回路基板とを予め組み立て、ユニット化したカメラモジュールが提供されてい
る。
【0003】
固体撮像素子は、シリコンからなる半導体基板上に、受光素子と外部接続端子
とが形成されてなる。受光素子が保護されていない状態の固体撮像素子(ベアチ
ップ)では、受光素子に塵芥や汚れが付着して故障の原因となる。そのため、従
来の固体撮像素子では、セラミック等で形成されたパッケージ内にベアチップの
固体撮像素子を組み込み、固体撮像素子とパッケージとの間をワイヤーボンディ
ングで配線し、パッケージの開口部分にカバーガラスを取り付けて密封した状態
で供給されている。
【0004】
また、固体撮像素子を小型化する実装方式の一つとして、パッケージを使用せ
ずに固体撮像素子の実装を完了するチップサイズパッケージ構造(以下、CSP
と略称する)がある。このCSPタイプの固体撮像素子は、半導体基板の上面に
、受光素子の周囲を取り囲むようにスペーサーを配置し、このスペーサーの上に
カバーガラスを取り付けて受光素子を密封している。
【0005】
固体撮像素子の性能を有効に利用して高画質な撮影画像を得るには、撮像光学
系の撮影光軸と固体撮像素子の受光領域の中心とが一致し、かつ撮像光学系の撮
影光軸に対して固体撮像素子の受光素子が垂直に対峙することが必要である。撮
像光学系の撮影光軸と固体撮像素子の受光領域の中心とが一致しないと、光量や
解像度の低下、感度ムラによるシェーディング等が発生する。また、撮影光軸に
対して固体撮像素子が傾斜すると、いわゆる「あおり撮影」のような状態となり
、適切な画像を得ることができない。
【0006】
従来は、固体撮像素子と光学ユニットとを高精度に組み立てるために、組み立
て作業中に固体撮像素子で撮像を行ない、この撮像画像を見ながら固体撮像素子
と撮像光学系との相対位置を決定する作業(調芯作業)を行なっていた。しかし
ながら、この調芯作業は時間がかかるため、コストアップ及び歩留り悪化の要因
となっていた。
【0007】
そこでこのような調芯作業を行なわなくても済むような固体撮像素子と光学ユ
ニットと各種制御回路部を一体化したVGAカメラモジュール(例えば、東芝製
TCM8230MDなど)が販売され始めている(この製品については、非特許
文献1参照)。この製品も「カメラモジュール」と呼ばれているが、従来の「固
体撮像素子と、撮像光学系が組み込まれた光学ユニットと、制御回路が設けられ
た回路基板とを予め組み立て、ユニット化したカメラモジュール」と区別するた
めに、便宜的に「撮像モジュール」と呼ぶ。
【0008】
このような撮像モジュールであっても、携帯電話等の電子機器に組込むために
は、基板に搭載する必要があり、この基板としては従来通りフレキシブルプリン
ト配線板が用いられる。
そこで、この撮像モジュールをフレキシブルプリント配線板に実装するのであ
るが、従来固体撮像素子をフレキシブルプリント配線板に実装しているような方
法は採用できないという問題が生じた。固体撮像素子は前記したようにそれ自体
の高さが大した問題とならないCSPタイプを用いることができるが、この撮像
モジュールは光学ユニット等と一体構造であるため、ある程度の高さ(例えば4
mm程度であるが、CSPタイプの固体撮像素子と比較すると格段の高さがある
。)があるからである。
【0009】
このような問題を解決するために、この撮像モジュールの電気的な接続部分と
なる端子部以外のほとんどを収容する撮像モジュール収納部をざぐり加工により
設けた受け治具を作製し、この撮像モジュール収納部に撮像モジュールを収容し
て半田付けする方法が考えられる。
【0010】
図4はこの方法の概要を示す要部断面図である。図3において31は受け治具
、31aは撮像モジュール収納部、32は撮像モジュール、32aは撮像モジュ
ール32に設けられた接続端子部、33は撮像モジュール32を実装するフレキ
シブルプリント配線板、33aはフレキシブルプリント配線板33に設けられた
接続端子部、34は撮像モジュール32をフレキシブルプリント配線板33にパ
ルスヒート方式で熱圧着するヒータツールである。ヒータツール34は撮像モジ
ュール32の外形に応じて個々に製作する場合もあり、直線状に並んだ接続端子
部毎に熱圧着する横長のものを製作する場合もある。
【0011】
次に、受け治具31を用いた撮像モジュール32のフレキシブルプリント配線
板33への実装方法について説明する。ここでは、撮像モジュール32の外形に
合わせたヒータツール34を用いることを前提に説明する。
まず、撮像モジュール32を受け治具31の撮像モジュール収納部31aに収
納する。次に、撮像モジュール32の接続端子部32aとフレキシブルプリント
配線板33の接続端子部33aを対応する接続端子に位置あわせして、フレキシ
ブルプリント配線板33を受け治具31上に載置する。そして、フレキシブルプ
リント配線板33の上から接続端子部32a、33aに対応する部分にヒータツ
ール34を位置あわせして載せ、適当な加圧を加えつつ、パルス状にヒータツー
ル34に電流を流し、ヒータツール34を加熱し、この熱で接続端子部32a、
33a間を半田付けする。
こうして、撮像モジュール32がフレキシブルプリント配線板33に実装され
る。
【非特許文献1】TCM8230MDカタログ(株式会社 東芝)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
以上のようにして、撮像モジュールはフレキシブルプリント配線板に実装する
ことが可能であるが、この方法には次のような欠点があった。
第1に、撮像モジュールを受け治具の撮像モジュール収納部に収納するわけで
あるが、この撮像モジュールと撮像モジュール収納部の接触部分の面精度がでな
いと撮像モジュールの上にその実装位置を位置合わせしてフレキシブルプリント
配線板を載置し、接続端子部に相当するリフロ部に剛性のヒータツールを押し当
てたとき適当な接触を得ることが困難である。
第2にヒータツールを押し当てるリフロ部は単純なポイントやラインで形成さ
れているわけではなく、面状に形成されているので、この部分の接触状態が均一
になるように調整することは非常に煩雑な作業を必要とし、手間暇がかかる。ま
た、実装対象であるワークが変更されるとその度に、ワークに合わせた治具を用
意するとともに、前述したような煩雑な調整が必要となる。
【0013】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、受け治具を用いず、ヒ
ータツールの外形を大きくし、撮像モジュールとフレキシブルプリント配線板の
位置関係を反対にすることで、面精度の問題とそれに伴う接触状態の均一化を図
るための調整作業をなくすことができるから簡単に接続信頼性の高い撮像モジュ
ールの実装を可能とする装置とこの装置を用いた実装方法と実装部品を取り外し
方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明になるエリアアレイ型部品のフレキシブルプリント配線板への半田付け
装置は次の構成からなることを特徴とするものである。
a)前記エリアアレイ型部品を位置決めするモジュール位置決め台。
b)前記エリアアレイ型部品が載置される部分の中心部に前記フレキシブルプ
リント配線板吸着用の貫通孔をが設けられた半田付け用の熱の供給源となる加熱
ツール。
c)前記加熱ツールと同一平面上に並置される前記フレキシブルプリント配線
板を位置決めするフレキシブルプリント配線板位置決め治具。
d)前記貫通孔を介して前記フレキシブルプリント配線板を前記加熱ツールに
吸着する真空吸着ツール。
e)前記モジュール位置決め台上の前記エリアアレイ型部品をピックアップし
、前記フレキシブルプリント配線板の実装位置まで搬送し、位置合わせしてこの
実装位置に載置し、予め決められた時間このエリアアレイ型部品を前記フレキシ
ブルプリント配線板に押し付ける荷重を印加する搬送・加圧ツール。
【0015】
本発明になるエリアアレイ型部品のフレキシブルプリント配線板へのはんだ付
け方法は、上記装置を用い次の工程からなることを特徴とするものである。
a)前記エリアアレイ型部品をモジュール位置決め台に位置決めして載置する
工程。
b)前記フレキシブルプリント配線板をフレキシブルプリント配線板位置決め
治具を使用して加熱ツール上に位置決めして載置し、真空吸着ブロックを用いて
フレキシブルプリント配線板を加熱ツールに密着させる工程。
c)搬送・加圧ツールを用いて、エリアアレイ型部品をモジュール位置決め台
からピックアップし、前記フレキシブルプリント配線板の実装位置に搬送し、エ
リアアレイ型部品をフレキシブルプリント配線部に押圧する工程。
d)予め決められた時間加熱ツールを発熱させ、この発熱により前記エリアア
レイ型部品を前記フレキシブルプリント配線板に半田付けする工程。
e)工程dの時間経過後、予め決められた温度まで加熱ツールの温度が低下し
た後に工程cの押圧を解除する工程。
【0016】
本発明になるエリアアレイ型部品のフレキシブルプリント配線板からの取り外
し方法は、上記装置を用い次の工程からなることを特徴とするものである。
a)前記フレキシブルプリント配線板をフレキシブルプリント配線板位置決め
治具を使用して加熱ツール上に位置決めして載置し、真空吸着ブロックを用いて
フレキシブルプリント配線板を加熱ツールに密着させる工程。
b)搬送・加圧ツールを前記フレキシブルプリント配線板に半田付けされたエ
リアアレイ型部品の実装位置まで移動し、エリアアレイ型部品をフレキシブルプ
リント配線部に押圧する工程。
c)予め決められた時間加熱ツールを発熱させ、この発熱により前記エリアア
レイ型部品を前記フレキシブルプリント配線板に半田付けしている半田を溶融す
る工程。
d)工程cの時間内の予め決められた時間に搬送・加圧ツールを押圧を解除し
、この搬送・加圧ツールで前記エリアアレイ型部品をピックアップすることで前
記フレキシブルプリント配線板から取り外す工程。
【発明の効果】
【0017】
本発明になるエリアアレイ型部品のフレキシブルプリント配線板への半田付け
装置によれば、一つにはフレキシブルプリント配線板とエリアアレイ型部品の位
置関係を上下逆にするとともに、加熱ツールに真空吸着機能を設けたので、加熱
ツールとフレキシブルプリント配線板の密着性が改善される。また、点で吸着す
るようにしてエリアアレイ型部品の上面(半田接続面の反対側の面)を利用して
平行度を合わせることをなくしたので、平行度再現性や段取り換えが容易となり
、メンテナンス時間を大幅に削減できる。もう一つには、加熱ツールの外形を大
きくしたので、温度分布や平行度調整の要素からワークに応じて一品一様で対応
する必要がなくなったから、ワーク変更に伴うツール交換作業が必要ではなくな
る。
以上のようなことから、メンテナンス性がよく、生産コストを低減できるエリ
アアレイ型部品のフレキシブルプリント配線板への半田付け装置およびこの装置
を用いた半田付け方法と半田付けされた部品の取り外し方法を提供することがで
きる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明について図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明になるエリアアレイ型部品のフレキシブルプリント配線板への半
田付け装置(以下半田付け装置と略称する。)の概要図、図2はこの半田付け装
置を用いたエリアアレイ型部品のフレキシブルプリント配線板への半田付け方法
の概要を示す工程図、図3はこの半田付け装置を用いたエリアアレイ型部品のフ
レキシブルプリント配線板からの取り外し方法の概要を示す工程図である。図1
において、(a)は半田付け装置を上方から見たときの概要図、(b)は半田付
け装置を正面から見たときの概要図である。
[実施例1]
【0019】
図1において、11は半田付けされるエリアアレイ型部品、12はエリアアレ
イ型部品11が半田付けにより実装されるフレキシブルプリント配線板(図2、
図3においては、FPCと略してある。)、1はエリアアレイ型部品11が載置
される部分の中心部にフレキシブルプリント配線板12吸着用の貫通孔1aが設
けられた半田溶融用の熱の供給源となる加熱ツール、2は加熱ツール1などの架
台となるシャンク、3は加熱ツール1と同一平面上に並置されるフレキシブルプ
リント配線板12を加熱ツール1の所定の位置に位置決めするフレキシブルプリ
ント配線板位置決め治具である。
【0020】
4は加熱ツール1の下部に配設され、貫通孔1aを介して空気を吸い込むよう
にしてフレキシブルプリント配線板12を加熱ツール1に吸着する真空吸着ツー
ル、5はこの半田付け装置全体の揺れを吸収し、半田付けの位置が変動すること
を防止する台座、6はエリアアレイ型部品11を搬送・加圧ツールでピックアッ
プするときのために位置決めをしておくモジュール位置決め台、7はエリアアレ
イ型部品11の半田付けの場合は、モジュール位置決め台6上のエリアアレイ型
部品11をピックアップし、フレキシブルプリント配線板12の実装位置まで搬
送し、位置合わせしてこの実装位置に載置し、予め決められた時間エリアアレイ
型部品11をフレキシブルプリント配線板12に押し付ける荷重を印加する搬送
・加圧ツールである。また、エリアアレイ型部品の取り外しの場合は、予め決め
られた時間エリアアレイ型部品11をフレキシブルプリント配線板12に押圧し
、予め決められた時間加熱ツール1で加熱した後にエリアアレイ型部品11をピ
ックアップし、モジュール位置決め台6まで搬送する。
【0021】
この搬送・加圧ツール7は門型アーム9を介して台座5に固定されている摺動
機構部8に取り付けられ、図面の左右方向に移動可能な構成を採用することで、
上述のようなエリアアレイ型部品11の搬送を可能にする。また、ピックアップ
部7aを備え、モジュール位置決め台6上に載置されたエリアアレイ型部品11
を吸着などによって保持する。そして上下移動機構部を備え、ピックアップ部7
aで保持したエリアアレイ型部品11を適当な高さに上下動させる。
【0022】
次にこの半田付け装置を使用したエリアアレイ型部品11をフレキシブルプリ
ント配線板12の所定の位置に半田付けする方法についてこの半田付け装置の動
作とともに説明する。半田付けは全て自動化されているわけではなく、一部手作
業を含んでいる。図2の工程図において(a)のから(e)のまでの工程と(l
)の工程は手作業である。そして、図2においてはエリアアレイ型部品として撮
像モジュールを例にしている。また予め半田付けするエリアアレイ型部品11お
よびフレキシブルプリント配線板12の種類に応じて、半田付け装置の自動実行
に必要なパラメータを設定し、動作をプログラムしておく。
【0023】
まず、撮像モジュールをモジュール位置決め台6に載置する(図2工程(a)
)。次にフレキシブルプリント配線板12を所定の位置に位置決めするようにフ
レキシブルプリント配線板位置決め治具に載置する(図2工程(b))。ここで
、フレキシブルプリント配線板12を加熱ツール1に密着させるために真空吸着
ブロックの駆動を開始する(図2工程(c))。続いて、フレキシブルプリント
配線板12の前記撮像モジュールを実装する接続端子部に半田濡れを向上させる
ためにフラックスを塗布する(図2工程(d))。こうして、手作業による準備
作業に相当する作業が終了する。
【0024】
次に、この半田付け装置を自動的に動かすために別途設けた半田付け装置のス
タートスイッチをオンにし、半田付け動作を開始させる(図2工程(e))。
ここからは予め設定されたパラメータと動作プログラムにしたがって半田付け
が実行される。
搬送・加圧ツール7は設定されたパラメータにしたがってモジュール位置決め
台6に載置されているエリアアレイ型部品11上に移動し、エリアアレイ型部品
11をピックアップし、その位置で設定されたパラメータにしたがってエリアア
レイ型部品11を上昇させる(図2工程(f))。そして、搬送・加圧ツール7
は、エリアアレイ型部品11の垂直方向の位置を維持しつつ、設定されたパラメ
ータにしたがってエリアアレイ型部品11をフレキシブルプリント配線板12の
実装位置まで搬送する(図2工程(g))。
【0025】
搬送・加圧ツール7は、この位置を保持しつつ、設定されたパラメータにした
がってエリアアレイ型部品11を下降させ、フレキシブルプリント配線板12の
所定の半田付け位置に載置する(図2工程(h))。そして、設定されたパラメ
ータにしたがって搬送・加圧ツール7に下方に荷重を印加してエリアアレイ型部
品11をフレキシブルプリント配線板12に押し付けるとともに加熱ツール1に
も押し付ける(図2工程(i))。続いて、設定されたパラメータにしたがって
別途設けた電源を駆動して所定の時間だけ電流を加熱ツール1に流して、加熱ツ
ール1を発熱させ、エリアアレイ型部品11の接続端子とこれに対応するフレキ
シブルプリント配線板12の接続端子に付いている半田を溶融し、半田付けを実
行する(図2(j))。
【0026】
その後設定されたパラメータにしたがって前述の荷重を解除し、搬送・加圧ツ
ール7を上昇させ、所定の位置に移動させる(図2工程(k))。
このようにして、半田付け装置の自動作業部分が完了する。
最後にエリアアレイ型部品11が半田付けされたフレキシブルプリント配線板
12を手作業で取り出す(図2工程(l))。これで、一連の半田付け作業が全
て完了することになる。
この半田付け作業を繰り返して実行するときは、前述の工程を繰り返すことで
実現できる。
[実施例2]
【0027】
次にこの半田付け装置を使用したエリアアレイ型部品11をフレキシブルプリ
ント配線板12から取り外す方法についてこの半田付け装置の動作とともに説明
する。半田付けは全て自動化されているわけではなく、一部手作業を含んでいる
のは実施例1の場合と同様である。図3の工程図において(a)、(b)の工程
と(i)の工程は手作業である。そして、図3においてはエリアアレイ型部品と
して撮像モジュールを例にしている。また予め半田付けするエリアアレイ型部品
11およびフレキシブルプリント配線板12の種類に応じて、半田付け装置の自
動実行に必要なパラメータを設定し、動作をプログラムしておく。
【0028】
まず、ワークとなる撮像モジュールが実装されたフレキシブルプリント配線板
12をフレキシブルプリント配線板位置決め治具を用いて加熱ツール1に載置す
る(図3工程(a))。そして、フレキシブルプリント配線板12を加熱ツール
1に密着させるために真空吸着ブロックの駆動を開始する(図3工程(b))。
こうして、手作業による準備作業に相当する作業が終了する。
【0029】
次に、この半田付け装置を自動的に動かすために別途設けた半田付け装置のス
タートスイッチをオンにし、取り外し動作を開始させる(図3工程(c))。
ここからは予め設定されたパラメータと動作プログラムにしたがってエリアア
レイ型部品11の取り外しが実行される。
設定されたパラメータにしたがって搬送・加圧ツール7をフレキシブルプリン
ト配線板12に実装されたエリアアレイ型部品11の上まで移動する(図3工程
(d))。
【0030】
搬送・加圧ツール7は、この位置を保持しつつ、設定されたパラメータにした
がって下降し、エリアアレイ型部品11を吸着する(図3工程(e))。そして
、設定されたパラメータにしたがって搬送・加圧ツール7に下方に荷重を印加し
てエリアアレイ型部品11をフレキシブルプリント配線板12に押し付けるとと
もに加熱ツール1にも押し付ける(図3工程(f))。続いて、設定されたパラ
メータにしたがって別途設けた電源を駆動して所定の時間だけ電流を加熱ツール
1に流して、加熱ツール1を発熱させ、エリアアレイ型部品11をフレキシブル
プリント配線板12に半田付けしている半田を溶融させる(図3(g))。
【0031】
その後設定されたパラメータにしたがって搬送・加圧ツール7はエリアアレイ
型部品11を吸着したまま、上昇し、モジュール位置決め治具6の所定の位置の
上まで移動した後、下降し所定の位置にエリアアレイ型部品11を載置し、吸着
を解除する(図3工程(h))。このとき、エリアアレイ型部品11を上昇させ
るのに合わせて加熱ツール1への電流の流れを停止させる。
このようにして、半田付け装置の自動作業部分が完了する。
最後にワークとなっていたフレキシブルプリント配線板12を手作業で取り出
す(図3工程(i))。これで、一連のエリアアレイ型部品11の取り外し作業
が全て完了することになる。
この取り外し作業を繰り返して実行するときは、前述の工程を繰り返すことで
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明になるエリアアレイ型部品のフレキシブルプリント配線板への半田付け装置の概要図である。
【図2】図1の装置を用いたエリアアレイ型部品のフレキシブルプリント配線板への半田付け方法の概要を示す工程図である。
【図3】図1の装置を用いたエリアアレイ型部品の半田付けされたフレキシブルプリント配線板からエリアアレイ型部品の取り外し方法の概要を示す工程図である。
【図4】本発明の契機となった問題点を解決するために考え出された半田付け方法を用いた時の半田付け時の要部断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1・・・加熱ツール
2・・・シャンク
3・・・フレキシブルプリント配線板位置決め治具
4・・・真空吸着ツール
5・・・台座
6・・・モジュール位置決め台
7・・・搬送・加圧ツール
9・・・門型アーム
8・・・摺動機構部
11・・・エリアアレイ型部品
12・・・フレキシブルプリント配線板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の構成からなることを特徴とするエリアアレイ型部品のフレキシブルプリン
ト配線板への半田付け装置。
a)前記エリアアレイ型部品を位置決めするモジュール位置決め台。
b)前記エリアアレイ型部品が載置される部分の中心部に前記フレキシブルプ
リント配線板吸着用の貫通孔が設けられた半田付け用の熱の供給源となる加熱ツ
ール。
c)前記加熱ツールと同一平面上に並置される前記フレキシブルプリント配線
板を位置決めするフレキシブルプリント配線板位置決め治具。
d)前記貫通孔を介して前記フレキシブルプリント配線板を前記加熱ツールに
吸着する真空吸着ツール。
e)前記モジュール位置決め台上の前記エリアアレイ型部品をピックアップし
、前記フレキシブルプリント配線板の実装位置まで搬送し、位置合わせしてこの
実装位置に載置し、予め決められた時間このエリアアレイ型部品を前記フレキシ
ブルプリント配線板に押し付ける荷重を印加する搬送・加圧ツール。
【請求項2】
請求項1記載の半田付け装置を用い、次の工程からなることを特徴とするフレ
キシブルプリント配線板へのエリアアレイ型部品の半田付け方法。
a)前記エリアアレイ型部品をモジュール位置決め台に位置決めして載置する
工程。
b)前記フレキシブルプリント配線板をフレキシブルプリント配線板位置決め
治具を使用して加熱ツール上に位置決めして載置し、真空吸着ブロックを用いて
フレキシブルプリント配線板を加熱ツールに密着させる工程。
c)搬送・加圧ツールを用いて、エリアアレイ型部品をモジュール位置決め台
からピックアップし、前記フレキシブルプリント配線板の実装位置に搬送し、エ
リアアレイ型部品をフレキシブルプリント配線部に押圧する工程。
d)予め決められた時間加熱ツールを発熱させ、この発熱により前記エリアア
レイ型部品を前記フレキシブルプリント配線板に半田付けする工程。
e)工程dの時間経過後、予め決められた温度まで加熱ツールの温度が低下し
た後に工程cの押圧を解除する工程。
【請求項3】
請求項1記載の半田付け装置を用い、次の工程からなることを特徴とするエリ
アアレイ型部品が半田付けされたフレキシブルプリント配線板からこのエリアア
レイ型部品の取り外し方法。
a)前記フレキシブルプリント配線板をフレキシブルプリント配線板位置決め
治具を使用して加熱ツール上に位置決めして載置し、真空吸着ブロックを用いて
フレキシブルプリント配線板を加熱ツールに密着させる工程。
b)搬送・加圧ツールを前記フレキシブルプリント配線板に半田付けされたエ
リアアレイ型部品の実装位置まで移動し、エリアアレイ型部品をフレキシブルプ
リント配線部に押圧する工程。
c)予め決められた時間加熱ツールを発熱させ、この発熱により前記エリアア
レイ型部品を前記フレキシブルプリント配線板に半田付けしている半田を溶融す
る工程。
d)工程cの時間内の予め決められた時間に搬送・加圧ツールを押圧を解除し
、この搬送・加圧ツールで前記エリアアレイ型部品をピックアップすることで前
記フレキシブルプリント配線板から取り外す工程。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−250704(P2007−250704A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−70202(P2006−70202)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(000227836)日本アビオニクス株式会社 (197)
【Fターム(参考)】