説明

印刷システム、印刷制御装置、印刷装置、印刷ジョブ管理方法、ドライバプログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体

【課題】印刷ジョブを適切に管理し、印刷ジョブを格納するメモリを効率的に使用することができる印刷システム、印刷制御装置、印刷装置、印刷ジョブ管理方法、ドライバプログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供すること。
【解決手段】有効期限時間情報を含む印刷ジョブのデータを受信中に実行する印刷ジョブ管理処理において、入力バッファに記憶されている未実行の印刷ジョブについて有効期限が切れていると判断すると(S302:Yes)、印刷ジョブのデータを入力バッファから削除する。そして、有効期限が切れたと判断した印刷ジョブが未だデータ受信中であれば、当該印刷ジョブについて以降のデータを入力バッファに記憶することを拒否する。これにより、入力バッファを効率的に活用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
印刷ジョブの実行を管理する印刷システム、印刷制御装置、印刷装置、印刷ジョブ管理方法、ドライバプログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタおよびホスト装置を含む印刷システムでは、プリンタは受信した印刷ジョブをいったんメモリに記憶させ、メモリに記憶した印刷ジョブを順次実行するようにジョブを管理している。ジョブ管理においては、実行された印刷ジョブはメモリより削除するようにして、有限なメモリ容量を効率的に活用している。
【0003】
ここで、印刷装置に、印刷用紙の紙詰まりなどのためにエラーが発生して、印刷を実行できなくなった場合、未実行の印刷ジョブをメモリより削除することができないので、受信した印刷ジョブがメモリに次々に蓄積されて、メモリ容量が不足してしまうことがある。
【0004】
そこで、印刷ジョブに実行が許可される時間を設定可能にして、印刷ジョブを管理することがある。例えば、特許文献1に記載の技術では、ドライバがプリンタに対して印刷要求を出す際に、印刷要求に印刷開始期限を含めている。そして、プリンタは、印刷要求を受信した時に、印刷開始期限より遅ければ印刷要求を拒否して印刷しないようにしている。
【0005】
また、特許文献2に記載の技術では、印刷ジョブにパスワードを設定しておき、印刷装置に備わる操作部よりパスワードが入力されると当該印刷ジョブを実行するように制御することにより、印刷内容の漏洩を防ぐ印刷方法、いわゆる親展印刷において、印刷ジョブにジョブを削除する時刻又は時間の情報を含めて、ジョブを削除する時刻又は時間になれば未出力のジョブを削除している。
【0006】
【特許文献1】特開2001−67171号公報(第4頁、段落(0023))
【特許文献2】特開2003−196050号公報(第4頁、段落(0024))
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、印刷要求を受信した際に、印刷開始期限より遅いかを判断することにより処理するので、印刷要求受信後のジョブの状況を考慮した適切なジョブ管理を行うことができない。すなわち、印刷要求を受信してから印刷ジョブの実行を完了するまでの間に印刷装置にエラーなどが発生して、印刷を継続することができなくなった場合、印刷ジョブが完了しないので印刷ジョブが削除されることなく、受信した印刷ジョブをメモリに格納し続ける。したがって、メモリ容量が不足する可能性がある。
【0008】
また、特許文献2に記載の技術は親展印刷を前提とするものであり、パスワードの入力を要しない通常の印刷を想定したものではない。さらに、特許文献2に記載の技術は、削除する時間が到来したと判断したときに、ジョブメモリに格納されたジョブを削除するので、ジョブを受信中に判断された場合、判断後に受信したデータはジョブメモリに残ってしまう。このとき、判断時前に受信したデータについては削除する時間に関するデータを含めて削除するので、判断時後に受信したデータについては削除する時間が到来したかを判断できなくなり、結果、メモリに滞留させてしまう。したがって、特許文献2に記載の技術では、ジョブを構成するデータを次々に受信しながらメモリに格納し、格納されたデータについて逐次処理する場合に、ジョブを適切に管理できなくなることがある。
【0009】
そこで、本発明は、印刷ジョブを適切に管理し、印刷ジョブを格納するメモリを効率的に使用することができる印刷システム、印刷制御装置、印刷装置、印刷ジョブ管理方法、ドライバプログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、印刷対象の印刷ジョブの実行を管理する印刷システムであって、印刷を実行する期限を定める有効期限情報を設定する有効期限設定手段、及び有効期限情報を含む印刷ジョブを生成し、生成した印刷ジョブを構成するデータを送信する印刷処理手段を有する印刷制御装置と、受信したデータを逐次記憶する記憶部に記憶された未実行の印刷ジョブについて、有効期限情報が定める期限を経過したか否かを判定する有効期限判定手段、及び未実行且つ期限が経過したと判定された印刷ジョブを記憶部より削除する印刷ジョブ削除手段を有する印刷装置と、を備えることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、印刷制御装置は有効期限情報を含む印刷ジョブを生成し、印刷ジョブを構成するデータを送信する。印刷装置は、受信したデータを逐次記憶部に記憶し、記憶されたデータの有効期限情報より、印刷を未実行の印刷ジョブのうち印刷を実行する期限が経過した印刷ジョブを削除する。したがって、印刷ジョブを記憶するメモリをより効率的に使用することができるようになる。
【0012】
また、特許文献1に記載の技術と異なり、期限が経過したかの判定を未実行のジョブについて行うとしたことにより、印刷装置が印刷ジョブを受け取った後についてもジョブを適切に管理することができる。
【0013】
ここで、印刷制御装置は、時刻を計測する時刻計測手段をさらに備え、有効期限設定手段は、印刷を実行する期限に関し、期限の時刻又は期限までの時間のいずれかの指定を受け付け、期限の時刻の指定を受け付けた場合、指定された時刻と時刻計測手段により計測した時刻との時間差を有効期限情報とし、期限までの時間の指定を受け付けた場合、指定された時間を有効期限情報とすることが好ましい。
【0014】
このようにすれば、期限を、期限の時刻又は期限までの時間により指定可能とし、時刻が指定された場合には、時刻計測手段を用いて計測した時刻から指定された時刻までの時間差を有効期限情報とすることにより、時刻又は時間のいずれの形式で指定されても、有効期限情報を時間で指定することができる。
【0015】
ここで、印刷装置は、時間差を計測する時間差計測手段をさらに備え、有効期限判定手段は、印刷制御装置より印刷ジョブを受け取ると、時間差計測手段に計測を開始させるようにして、期限の経過を判定することが好ましい。
【0016】
このようにすれば、時間差計測手段を用いることにより、期限の経過を印刷ジョブを受信してからの時間で判定することができる。
【0017】
ここで、印刷ジョブ削除手段は、未実行且つ期限が経過したと判定された印刷ジョブが受信中であった場合に、受信した当該印刷ジョブのデータを記憶部に記憶することなく、削除することが好ましい。
【0018】
このようにすれば、実行されることなく削除すると判定された印刷ジョブについて、判定後に受信したデータは記憶部に記憶することなく削除されるので、当該印刷を実行しない印刷ジョブのために使用するメモリ容量を減らすこともできる。また、削除すると決定された印刷ジョブについては、データを記憶部に記憶する処理を省くので、不要な処理が少なくなり、印刷ジョブの途中からのデータがメモリに滞留することがなくなる。したがって、特許文献2に記載の技術と異なり、受信中に印刷ジョブの削除を判断した場合であっても、適切にジョブを管理することができる。
【0019】
ここで、印刷ジョブ削除手段は、有効期限判定手段が未実行の印刷ジョブについて期限が経過したと判定した場合に、印刷装置の状態に基づいて当該印刷ジョブを記憶部より削除することが好ましい。
【0020】
このようにすれば、印刷装置の状態に基づき適宜印刷ジョブを削除することにより、印刷装置の状態に応じて適切にジョブを管理することができる。
【0021】
また、本発明は、印刷システムを構成する印刷制御装置、又は印刷装置とすることもできる。すなわち、本発明の印刷制御装置は、印刷対象の印刷ジョブを生成する印刷制御装置であって、時刻を計測する時刻計測手段と、印刷を実行する期限に関し、期限の時刻又は期限までの待ち時間のいずれかの指定を受け付け、期限の時刻の指定を受け付けた場合、指定された時刻と時刻計測手段により計測した時刻との時間差を有効期限情報に設定し、期限までの待ち時間の指定を受け付けた場合、指定された待ち時間を有効期限情報に設定する有効期限設定手段と、有効期限情報を含む印刷ジョブを生成し、生成した印刷ジョブを構成するデータを送信する印刷処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0022】
本発明の印刷装置は、印刷対象の印刷ジョブの実行を管理する印刷装置であって、受信したデータを逐次記憶する記憶部に記憶された未実行の印刷ジョブについて、有効期限情報が定める期限が経過したか否かを判定する有効期限判定手段と、未実行且つ期限が経過したと判定された印刷ジョブを記憶部より削除する印刷ジョブ削除手段と、を備えることを特徴とする。
【0023】
本発明は方法の発明とすることもできる。すなわち、本発明は、印刷対象の印刷ジョブの実行を管理する印刷ジョブ管理方法であって、印刷を実行する期限を定める有効期限情報を設定する有効期限設定工程と、有効期限情報を含む印刷ジョブを生成し、生成した印刷ジョブを構成するデータを送信する印刷処理工程と、受信したデータを逐次記憶する記憶部に記憶された未実行の印刷ジョブについて、有効期限情報が定める期限が経過したか否かを判定する有効期限判定工程と、未実行且つ期限が経過したと判定された印刷ジョブを記憶部より削除する印刷ジョブ削除工程と、を備えることを特徴とする。
【0024】
さらに、本発明は、プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体とすることもできる。すなわち、本発明は、印刷対象の印刷ジョブを生成するためのドライバプログラムであって、コンピュータを、印刷を実行する期限に関し、期限の時刻又は期限までの待ち時間のいずれかの指定を受け付け、期限の時刻の指定を受け付けた場合、指定された時刻と時刻を計測する時刻計測手段が計測した時刻との差より有効期限までの待ち時間を算出し、当該待ち時間を有効期限情報として記憶部に記憶し、期限までの待ち時間の指定を受け付けた場合、指定された待ち時間を有効期限情報として記憶部に記憶する有効期限設定手段、記憶部より有効期限情報を読み出して、有効期限情報を含む印刷ジョブを生成し、生成した印刷ジョブを構成するデータを送信する印刷処理手段、として機能させることを特徴とする。ドライバプログラムを記録した記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、DVD−ROM、ICカード、メモリカード(登録商標)など、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(第1の実施形態)
以下、本発明に係る第1の実施形態について図面を参照して説明する。
【0026】
図1は、第1の実施形態に係る印刷システムのハードウェア構成を示した模式図である。図1に示すように、印刷システム1は、印刷制御装置として機能するホストコンピュータ10と印刷装置として機能するプリンタ20とを備えている。また、ホストコンピュータ10とプリンタ20はケーブル60により接続されている。
【0027】
ホストコンピュータ10は、主制御装置であるCPU11、プログラム等が記録されたROM12、メインメモリとしてデータ等を一時的に格納するRAM13、ハードディスク装置等の補助記憶装置14、画像の表示を制御する表示制御装置15、プリンタ20等との入出力を制御するインターフェイス16、年月日時分を計測する時計17と、CD−ROMドライブ18と、を備えている。ホストコンピュータ10の各構成はシステムバス19により相互にデータ授受可能に接続されている。
【0028】
また、ホストコンピュータ10は、表示制御装置15を介して液晶モニタ等の表示装置30が接続され、インターフェイス16にはマウス、キーボード等の入力装置40、及びケーブル60を介してプリンタ20が接続されている。
【0029】
プリンタ20は、主制御装置であるCPU21と、プログラム等が記録されたROM22と、メインメモリとしてのRAM23と、ハードディスク装置等の補助記憶装置24と、印刷用紙などの媒体に印刷を行うプリンタエンジン25、ホストコンピュータ10との入出力を制御するインターフェイス26と、時間を計測するタイマ27と、表示装置や操作ボタン等を備えた操作パネル28と、を備えている。プリンタ20の各構成はシステムバス29により相互にデータ授受可能に接続されている。また、RAM23のメモリ領域上には、画像データ等を一時的に格納するための入力バッファ23aとしての領域が確保されている。さらに、タイマ27は、時刻を計測可能でなくとも、指定された時間の計測が可能であれば足り、具体的にはカウンタ回路などで構成されている。もっとも、時刻を計測可能なタイマ27であってもよい。
【0030】
図2は、印刷システム1の機能構成を示した図である。図2に示すように、ホストコンピュータ10は、オペレーションシステム部110と、アプリケーション部120と、プリンタドライバ部130と、を備えている。
【0031】
なお、図2に示した各機能は、CPU11が補助記憶装置14又はROM12に記憶されたプログラムを実行することにより機能するものであり、特に、プリンタドライバ部130はドライバプログラムを実行することにより機能するものである。このドライバプログラムは予め補助記憶装置14又はROM12に記憶されていてもよいし、ドライバプログラムを記録したCD−ROM50(図1参照)の状態で供給され、CD−ROMドライブ18が読み出すようにして補助記憶装置14に記憶してもよい。もっとも、CD−ROMに限られることなく、ドライバプログラムが記録されたDVD−ROM、フレキシブルディスク、メモリカード(登録商標)などの様々な記録媒体により供給されてもよい。
【0032】
オペレーションシステム部110は、ホストコンピュータ10の基本的なユーザインターフェイス、ファイル管理等を提供する基本ソフトウェアとしての機能を担う。
【0033】
アプリケーション部120は、例えば、ワードプロセッサ、グラフィック処理等の目的に用いられる機能部であり、ユーザの操作に従って印刷対象となるデータを生成する処理などを行う。
【0034】
プリンタドライバ部130は、プリンタ20を制御するための機能部であり、ユーザから印刷に関する各種設定や指示を受け付けたり、ドキュメントなどの印刷対象のデータをプリンタに出力させるための印刷対象となる印刷ジョブを生成する処理を行う。
【0035】
このため、プリンタドライバ部130は、ユーザから指示を受け付けたり、印刷に関する情報をユーザに提示するユーザインターフェイス部131と、印刷対象のデータより印刷ジョブを生成し、プリンタ20に送信することにより、プリンタ20に印刷を実行させる印刷処理を行う印刷処理部133とを備えている。
【0036】
また、プリンタドライバ部130のユーザインターフェイス部131は、印刷を実行する有効期限を設定する有効期限設定部132を有している。有効期限設定部132は、ユーザから印刷実行の有効期限、具体的には、いつまでに印刷を実行するかの指示を時間又は時刻、についての入力を受けて設定する。そして、有効期限設定部132は、ユーザからの指示に従ってプリンタ20が印刷を実行する時間を管理するための有効期限時間情報を生成する。このとき、印刷処理部133は、設定された有効期限に対応した印刷ジョブを実行するため、生成した有効期限時間情報を含めた印刷ジョブデータを生成する。
【0037】
次に、印刷処理部133が生成する印刷ジョブデータについて説明する。図3は、印刷ジョブデータのデータ構成を示した図である。図3(a)に示すように、印刷ジョブデータIJDは、データの先頭から順に、当該印刷ジョブを管理するためのヘッダ情報と、及び描画対象ごとに描画命令及び描画データを有する描画情報と、により構成されている。
【0038】
ヘッダ情報は、図3(b)に示すように、印刷ジョブの先頭データであることをプリンタに宣言するジョブ開始宣言と、ジョブID、タイムスタンプ、ユーザ名等の印刷ジョブに関するジョブ情報とを有している。特に、ジョブ情報には、ジョブ保存情報が含まれている。
【0039】
ジョブ保存情報は、図3(c)に示すように、ユーザ識別名やジョブタイトルなどの情報に加えて、当該ジョブに関して設定された有効期限を示す有効期限時間情報LTDを有している。
【0040】
ここで、印刷処理部133は、上述したデータ構成の印刷ジョブデータIJDを先頭のデータから順番に送信する処理を行う。すなわち、まず、ヘッダ情報から送信してから、次に描画情報を送信するようにして、プリンタ20に印刷対象となる印刷ジョブを受け渡す。
【0041】
次に、プリンタ20の機能構成について説明する。図2に示すように、プリンタ20は、印刷制御部210、印刷実行部220を備えている。印刷制御部210は、受信したデータを入力バッファ23aに逐次記憶させる処理や入力バッファ23aに記憶された印刷ジョブデータIJDに従ってイメージデータに展開する処理や、展開済みのデータを入力バッファ23aより削除する処理など、印刷に必要な各種処理を行う部分である。特に、本実施形態の印刷制御部210は、印刷ジョブデータIJDに含まれる有効期限時間情報LTDに応じたジョブ管理を行うため、有効期限判定部211及び期限切れデータ削除部212を有している。
【0042】
有効期限判定部211は、入力バッファ23aに記憶された印刷ジョブデータIJDに関し、有効期限時間情報LTDに設定された期限が過ぎていないかを判断して、印刷ジョブが有効期限内であるか否かを判定する処理を行う。
【0043】
期限切れデータ削除部212は、有効期限を過ぎていた印刷ジョブについては、入力バッファ23aよりデータを削除する処理等を行う。
【0044】
印刷実行部220は、主としてプリンタエンジン25により実現され、印刷用紙の給排紙を行うとともに、印刷制御部210によって展開されたイメージデータに応じて印刷を実行する。
【0045】
次に、本印刷システム1が行う処理についてフローチャートを用いて詳細に説明する。まずは、ホストコンピュータ10より印刷ジョブデータIJDを送信する際の処理について説明する。
【0046】
図4は、印刷ジョブデータIJDを送信する際の処理の流れを示したフローチャートである。プリンタドライバ部130が、ユーザからアプリケーション部120で処理したデータについて印刷設定指示を受け付けると、図4のフローチャートの処理を開始して、まずは、ステップS100において、ユーザインターフェイス部131が表示装置30に印刷設定画面を表示して、入力装置40からのユーザの入力を受け付ける。
【0047】
このとき、ユーザインターフェイス部131の有効期限設定部132は、例えば、図5に示す印刷設定画面70を表示装置30に表示して、ユーザからの印刷設定を受け付ける。この印刷設定画面70は、例えば、アプリケーション部120を介したメニュー操作により表示することができる。
【0048】
印刷設定画面70には、印刷品質、カラーモード、給排紙装置の指定等を受け付ける領域に加えて、特に、印刷する有効期限の設定を受け付ける設定領域71が配置されている。設定領域71には、有効期限を指定するか否かを指定するチェックボックス72、有効期限時刻を設定する設定欄73などが含まれる。なお、図5の例では、有効期限を時刻で指定する例について示しているが、図6に示すように、有効期限時間を指定してもよい。また、有効期限を指定する単位については、時間単位、分単位、秒単位の指定であってもよい。
【0049】
ユーザは、設定領域71の、チェックボックス72及び設定欄73に設定を入力することにより、有効期限の設定を行う。そして、有効期限設定部132は、設定された内容を示す設定情報をRAM13に記憶する。
【0050】
次に、ステップS101では、有効期限設定部132は有効期限設定がなされているか否かを判断する。RAM13に記憶された設定情報を参照して、有効期限設定されていると判断すると(Yes)、ステップS102に進む。有効期限設定がなされていなければ(No)、有効期限時間情報LTDを含まない印刷ジョブデータIJDを生成してから(ステップS106)、印刷要求及び有効期限時間情報LTDを含まない印刷ジョブデータIJDを送信して処理を終了する(ステップS105)。このとき、図3のデータ構造における有効期限時間情報LTDとしては、初期値又は未設定のまま印刷ジョブデータIJDを送信する。
【0051】
有効期限設定されている場合には(ステップS101:Yes)、ステップS102に進んで、有効期限設定部132は、設定された有効期限が時刻により指定されているか否かを判断する。RAM13に記憶された設定情報を参照して、時刻により指定されていれば(Yes)、ステップS103に進んで、設定された有効期限時刻と時計17に計測させた現在時間との時間差を有効期限時間に換算して、有効期限時間情報LTDとする。
【0052】
ステップS103において有効期限時間情報LTDに換算するか、又はステップS102において、時間により指定されている場合は当該指定された時間を有効期限時間情報LTDとすると、ステップS104に進む。ステップS104では、印刷処理部133は、図3に例として示した有効期限時間情報LTDを含めた印刷ジョブデータIJDを生成する。
【0053】
次に、ステップS105では、印刷処理部133は、印刷する旨の印刷要求及び印刷ジョブデータIJDをプリンタ20に送信する。このとき、印刷処理部133は、印刷要求のデータを送信してから、印刷ジョブデータIJDのヘッダ情報を送信し、次に印刷ジョブデータIJDの描画情報を送信するようにして、次々にデータを送信する。
【0054】
以上に説明したように、ホストコンピュータ10は、印刷ジョブに有効期限を設定し、有効期限を送信時からの時間で表した有効期限時間情報LTDを含む印刷ジョブデータIJDをプリンタ20に送信することにより、プリンタ20に印刷を行わせる処理を行う。
【0055】
次に、プリンタ20が、印刷要求及び印刷ジョブデータIJDを受信する際に行う処理について、説明する。
【0056】
プリンタ20は、ホストコンピュータ10より印刷要求を受信すると、印刷要求に続けて受信したデータを入力バッファ23aに逐次記憶させる処理と並行して、図7のフローチャートに示す処理を行う。なお、以下に説明する処理は、CPU21がROM22に記憶されたプログラムを読み出して、実行することにより行われるものである。
【0057】
処理を開始すると、まず、ステップS200では、有効期限判定部211は、タイマ27にカウントを開始させる。
【0058】
次に、ステップS201では、有効期限判定部211は、ホストコンピュータ10より送信されて入力バッファ23aに記憶されたデータを監視して、ヘッダ情報の受信が完了して入力バッファ23aに記憶されたことを確認すると、ステップS202に進んで、有効期限が設定されているか否かを判断する。具体的には、CPU21は、入力バッファ23aに記憶されたヘッダ情報のうち有効期限時間情報LTDを読み出して、有効期限が設定されていればステップS203に進み(Yes)、印刷ジョブ管理処理を行う。有効期限が設定されていなければステップS204に進んで(No)、通常のジョブ管理により、受信した印刷ジョブを順番に実行するようにして、印刷する。
【0059】
図8は、本実施形態に係るプリンタ20が行う特徴的な処理である印刷ジョブ管理処理の流れを示したフローチャートである。印刷ジョブ管理処理が開始されると、有効期限判定部211は、入力バッファ23aに記憶された印刷ジョブの実行状態を監視して(ステップS300)、当該印刷ジョブが未実行であるか否かを判断する(ステップS301)。未実行であればステップS302に進み(Yes)、実行済みであれば既に処理済であるので印刷ジョブ管理処理を終了する(No)。
【0060】
ステップS302に進むと、有効期限判定部211は、有効期限時間情報LTDおよびステップS200でカウントを開始したカウント値とを参照して、設定された有効期限が切れているか、すなわち有効期限を過ぎたか否かを判断する。なお、有効期限時間情報LTDは時間により指定されているので、有効期限時間情報LTDが示す時間と、印刷要求を受信してから開始したカウント値に対応する時間と、を比較することにより判断を行う。比較の結果、有効期限が過ぎていなければ、ステップS303に進んで所定の時間の経過を待ってから、ステップS300に戻って、ジョブの実行状況を監視する処理以降の処理を再び実行する。ステップS302において有効期限が過ぎたと判断するとステップS304に進む(Yes)。
【0061】
ステップS304では、期限切れデータ削除部212は、有効期限が過ぎたと判断した印刷ジョブについて、既に入力バッファ23aに記憶されているデータをメモリ領域より消去することによりジョブを削除する処理を行う。
【0062】
次に、ステップS305では、期限切れデータ削除部212は、有効期限が過ぎたと判断した印刷ジョブについて、ステップS305の処理時にデータを受信中であるか否かを判断する。すなわち、ステップS201においてヘッダ情報を入力バッファ23aに記憶してから、ステップS201以降の処理に並行して描画情報を受信し、受信したデータを入力バッファ23aに逐次記憶する処理が行われるが、ステップS305の処理時にまだ描画情報の受信中であるのかを判断する。そして、描画情報の受信中であれば受信したデータを入力バッファ23aに記憶する処理を行わせないようにして、当該印刷ジョブについて印刷ジョブデータIJDの受信を拒否する(ステップS306)。受信を拒否するか(ステップS306)、又は当該印刷ジョブのデータを受信中でなかった場合(ステップS305:No)、印刷ジョブ管理処理を終了する。印刷ジョブ管理処理を終了すると、図7に示した処理が終了する。
【0063】
なお、ステップS100からステップS103までの処理が請求項に記載の有効期限設定工程、ステップS104及びS105の処理が請求項に記載の印刷処理工程、ステップS300からステップS303までの処理が請求項に記載の有効期限判定工程、ステップS304からステップS306までの処理が請求項に記載の印刷ジョブ削除工程に相当する。
【0064】
以上に説明したように、本印刷システム1では、プリンタ側において、設定された有効期限を過ぎた未実行の印刷ジョブについては、当該印刷ジョブの印刷ジョブデータIJDを入力バッファ23aより削除している。さらに、当該印刷ジョブについてデータを受信中であれば、当該印刷ジョブの以後のデータを受信拒否することにより、有効期限を過ぎた印刷ジョブを実行しないようにしている。
【0065】
以下、第1の実施形態における効果を記載する。
【0066】
(1)有効期限を過ぎた未実行の印刷ジョブについては、ジョブを実行することなく、入力バッファ23aよりデータを削除しているので、RAM23のメモリ容量を効率的に活用することができる。例えば、プリンタ20にエラーなどが発生して新たなジョブを実行できなくなり、実行後のジョブを削除することがなくなった場合でも、受信したデータを入力バッファ23aに次々に蓄積して、メモリ容量が不足してしまう可能性が低減する。
【0067】
(2)有効期限を過ぎた未実行の印刷ジョブについては、有効期限が過ぎたと判断してから以後に受信したデータについては、入力バッファ23aに記憶させないようにして受信を拒否しているので、RAM23のメモリ容量をより効率的に活用することができる。また、入力バッファ23aへのデータ格納に要する処理量を減らすことにもなる。
【0068】
(3)有効期限を過ぎた未実行の印刷ジョブは削除されるので、エラーが発生して、入力バッファ23aに滞留したジョブを削除して、ホストコンピュータ10から印刷ジョブを再送しなければならないような場合でも、ユーザにジョブを削除する煩わしい操作を強いることがない。
【0069】
(4)有効期限を過ぎた未実行の印刷ジョブは削除されるので、ユーザが意図しないタイミングで印刷ジョブが実行されることを防ぐことができる。
【0070】
(5)有効期限は、送信してからの時間で印刷ジョブに含めるようにしているので、プリンタ20は、ジョブを受信してからの時間を計測することにより、ジョブを管理することができる。これにより、プリンタ20は、時刻を計測する時計を必要とすることなく、カウンタ回路などで簡易に構成できるタイマ27を用いたジョブ管理が可能となるので、コストを低減することができる。
【0071】
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、印刷ジョブ管理処理において、有効期限切れと判定された印刷ジョブについて、プリンタ20の状態を参照して、削除するか否かを判断する。以下、第2の実施形態に係る印刷ジョブ管理処理について、図9に示すフローチャートに従って説明する。
【0072】
印刷ジョブ管理処理を開始すると、有効期限判定部211は、印刷ジョブの実行状態を監視して(ステップS400)、印刷ジョブが未実行であるかを判断する(ステップS401)。実行していれば(S401:No)印刷ジョブ管理処理を終了し、未実行であれば(S401:Yes)、ステップS402に進む。
【0073】
ステップS402では、有効期限判定部211が、印刷ジョブが有効期限切れであるかを判断する。有効期限を過ぎていなければ(No)、ステップS403に進んで一定時間を待ってから、ステップS400に戻って処理を繰り返す。有効期限切れであれば(Yes)、ステップS404に進む。なお、ステップS400からS403までの処理は、第1の実施形態に係るステップS300からS303までの処理と同様である。
【0074】
ステップS404では、期限切れデータ削除部212は、有効期限が切れた印刷ジョブに対して、プリンタ20の状態を参照して印刷可能性がないか否かを判断する。例えば、エラーが発生していなければ、有効期限が切れた印刷ジョブが実行できる可能性があるので印刷可能性があると判断する。または、プリンタ20にエラーが発生していてもユーザからの操作を待つことなくプリンタ自身で復旧可能なエラーであれば、印刷可能性があると判断してもよい。復旧にユーザの操作が必要となるエラーであれば、印刷可能性がないと判断する。
【0075】
期限切れデータ削除部212は、プリンタ20の各構成の状態を参照して印刷可能性がないと判断すると(Yes)、ステップS405に進んで当該印刷ジョブの印刷ジョブデータIJDを入力バッファ23aから削除してから、ステップS406に進む。
【0076】
ステップS406では、ステップS305と同様に削除する印刷ジョブのデータがなお受信中であれば(Yes)、当該印刷ジョブについて入力バッファ23に格納することなく、受信したデータの受け取りを拒否する。データの受け取りを拒否又はデータを受信中でない(S406:No)場合には、当該印刷ジョブについての印刷ジョブ管理処理を終了する。
【0077】
期限切れデータ削除部212が印刷可能性があると判断すると(ステップS404:No)、ステップS204に進んで通常のジョブ管理により、受信した印刷ジョブを順番に実行するようにして印刷してから処理を終了する。
【0078】
第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
【0079】
(6)有効期限を過ぎた未実行の印刷ジョブについても、印刷できる可能性が残っていれば、印刷するので、プリンタ20の状態に応じて印刷ジョブをより適切に管理することができる。
【0080】
以上、本発明の第1及び第2の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施することもできる。以下、変形例を挙げて説明する。
【0081】
(変形例1)プリンタ20が、有効期限設定部132及び印刷処理部133としての機能を有していてもよい。すなわち、プリンタ20が請求項記載の印刷制御装置を含んだ構成となる。この場合、プリンタ20の操作パネル28からの入力により有効期限を設定し、プリンタ20内の有効期限設定部132は有効期限時間情報LTDを生成する。そして、プリンタ20内の印刷処理部133が印刷ジョブを生成し、印刷制御部210に送信する。これによれば、プリンタ側で有効期限の設定及び印刷データの生成が可能である。これにより、例えば、メモリカード(登録商標)などの記録媒体を読み取り可能であり、メモリカード(登録商標)に記憶された画像をホストコンピュータ10を介することなく印刷可能なプリンタであっても、有効期限を定めた印刷が可能となる。
【0082】
(変形例2)有効期限を過ぎた印刷ジョブについては、有効期限が過ぎたと判断してから以後に受信したデータについて、入力バッファ23aにいったん記憶させてから当該データを用いた処理を行うことなく削除するようにしてもよい。このようにしても、ジョブを適切に管理した処理を行うことができる。
【0083】
(変形例3)前記実施形態では、有効期限判定部211、期限切れデータ削除部212、有効期限判定部211、及び期限切れデータ削除部212としての機能をソフトウェアにより実現する例について説明した。これらの各構成のうちの一部又は全部を、ASICなどのハードウェアにより実現してもよい。
【0084】
(変形例4)本発明の印刷装置としては、プリンタに限られることなく複写機やファックスに適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】第1の実施形態に係る印刷システムのハードウェア構成を示した模式図。
【図2】印刷システムの機能構成を示した図。
【図3】印刷ジョブのデータ構成を示した図。
【図4】印刷ジョブを送信する際の処理の流れを示したフローチャート図。
【図5】印刷設定画面を示した図。
【図6】時間により設定する設定画面の一例を示した図。
【図7】印刷要求を受信した際の処理の流れを示したフローチャート図。
【図8】本実施形態に係るプリンタ20が行う特徴的な処理である印刷ジョブ管理処理の流れを示したフローチャート図。
【図9】第2の実施形態に係る印刷ジョブ管理処理の処理の流れを示したフローチャート図。
【符号の説明】
【0086】
1…印刷システム、10…印刷制御装置としてのホストコンピュータ、11…コンピュータとしてのCPU、12…ROM、13…記憶部としてのRAM、14…補助記憶装置、15…表示制御装置、16…インターフェイス、17…時刻計測手段としての時計、19…システムバス、20…印刷装置としてのプリンタ、21…CPU、23…RAM、23a…記憶部としての入力バッファ、24…補助記憶装置、25…プリンタエンジン、26…インターフェイス、27…時間差計測手段としてのタイマ、28…操作パネル、29…システムバス、30…表示装置、40…入力装置、60…ケーブル、70…印刷設定画面、71…設定領域、72…チェックボックス、73…設定欄、110…オペレーションシステム部、120…アプリケーション部、130…プリンタドライバ部、131…ユーザインターフェイス部、132…有効期限設定手段としての有効期限設定部、133…印刷処理手段としての印刷処理部、210…印刷制御部、211…有効期限判定手段としての有効期限判定部、212…印刷ジョブ削除手段としての期限切れデータ削除部、220…印刷実行部、IJD…印刷ジョブデータ、LTD…有効期限情報としての有効期限時間情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷対象の印刷ジョブの実行を管理する印刷システムであって、
印刷を実行する期限を定める有効期限情報を設定する有効期限設定手段、及び前記有効期限情報を含む印刷ジョブを生成し、前記生成した印刷ジョブを構成するデータを送信する印刷処理手段を有する印刷制御装置と、
受信したデータを逐次記憶する記憶部に記憶された未実行の印刷ジョブについて、前記有効期限情報が定める期限が経過したか否かを判定する有効期限判定手段、及び未実行且つ期限が経過したと判定された印刷ジョブを前記記憶部より削除する印刷ジョブ削除手段を有する印刷装置と、を備えることを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷システムにおいて、
前記印刷制御装置は、時刻を計測する時刻計測手段をさらに備え、
前記有効期限設定手段は、印刷を実行する期限に関し、期限の時刻又は期限までの時間のいずれかの指定を受け付け、
期限の時刻の指定を受け付けた場合、指定された時刻と前記時刻計測手段により計測した時刻との時間差を有効期限情報とし、
期限までの時間の指定を受け付けた場合、指定された時間を有効期限情報とすることを特徴とする印刷システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の印刷システムにおいて、
前記印刷装置は、時間差を計測する時間差計測手段をさらに備え、
有効期限判定手段は、前記印刷制御装置より前記印刷ジョブを受け取ると、前記時間差計測手段に計測を開始させるようにして、期限の経過を判定することを特徴とする印刷システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の印刷システムにおいて、
前記印刷ジョブ削除手段は、未実行且つ期限が経過したと判定された印刷ジョブが受信中であった場合に、受信した当該印刷ジョブのデータを前記記憶部に記憶することなく、削除することを特徴とする印刷システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の印刷システムにおいて、
印刷ジョブ削除手段は、有効期限判定手段が未実行の印刷ジョブについて期限が経過したと判定した場合に、前記印刷装置の状態に基づいて当該印刷ジョブを前記記憶部より削除することを特徴とする印刷システム。
【請求項6】
印刷対象の印刷ジョブを生成する印刷制御装置であって、
時刻を計測する時刻計測手段と、
印刷を実行する期限に関し、期限の時刻又は期限までの待ち時間のいずれかの指定を受け付け、
期限の時刻の指定を受け付けた場合、指定された時刻と前記時刻計測手段により計測した時刻との時間差を有効期限情報に設定し、
期限までの待ち時間の指定を受け付けた場合、指定された待ち時間を有効期限情報に設定する有効期限設定手段と、
前記有効期限情報を含む印刷ジョブを生成し、前記生成した印刷ジョブを構成するデータを送信する印刷処理手段と、を備えることを特徴とする印刷制御装置。
【請求項7】
印刷対象の印刷ジョブの実行を管理する印刷装置であって、
受信したデータを逐次記憶する記憶部に記憶された未実行の印刷ジョブについて、前記有効期限情報が定める期限が経過したか否かを判定する有効期限判定手段と、
未実行且つ期限が経過したと判定された印刷ジョブを前記記憶部より削除する印刷ジョブ削除手段と、を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
印刷対象の印刷ジョブの実行を管理する印刷ジョブ管理方法であって、
印刷を実行する期限を定める有効期限情報を設定する有効期限設定工程と、
前記有効期限情報を含む印刷ジョブを生成し、前記生成した印刷ジョブを構成するデータを送信する印刷処理工程と、
受信したデータを逐次記憶する記憶部に記憶された未実行の印刷ジョブについて、前記有効期限情報が定める期限が経過したか否かを判定する有効期限判定工程と、
未実行且つ期限が経過したと判定された印刷ジョブを前記記憶部より削除する印刷ジョブ削除工程と、を備えることを特徴とする印刷ジョブ管理方法。
【請求項9】
印刷対象の印刷ジョブを生成するためのドライバプログラムであって、
コンピュータを、
印刷を実行する期限に関し、期限の時刻又は期限までの待ち時間のいずれかの指定を受け付け、
期限の時刻の指定を受け付けた場合、指定された時刻と時刻を計測する時刻計測手段が計測した時刻との差より有効期限までの待ち時間を算出し、当該待ち時間を有効期限情報として記憶部に記憶し、
期限までの待ち時間の指定を受け付けた場合、指定された待ち時間を有効期限情報として記憶部に記憶する有効期限設定手段、
前記記憶部より前記有効期限情報を読み出して、前記有効期限情報を含む印刷ジョブを生成し、前記生成した印刷ジョブを構成するデータを送信する印刷処理手段、として機能させることを特徴とするドライバプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のドライバプログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−189495(P2007−189495A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−5768(P2006−5768)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】