説明

印刷システムおよび色調整装置

【課題】複数の印刷機に対してインキ供給量等の印刷制御量を速やかに通知することのできる印刷制御システムおよび印刷制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の印刷機と、複数の前記印刷機とネットワークを介して接続される複数の色調整装置とを備え、色調整装置は、自己の管理下にある各印刷機に対して、各印刷機の色調整に関する制御指令をそれぞれ個別に送信する印刷システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の印刷機と複数の色調整装置とを備える印刷システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
枚葉印刷機や輪転印刷機等の印刷機では、インキ供給装置に備えられたインキキーとインキ元ローラとの隙間量(以下、「インキキー開度」という。)を調節することにより、インキ壷から印刷胴に供給するインキ供給量を調節している。
従来、上記インキ供給量は、オペレータが、印刷見本と実際に印刷された紙面との色調を目視にて確認することにより調節していた。また、近年では、インキキー開度を自動で調節することのできるインキ供給量の自動設定装置が開発され(特許文献1等)、オペレータの負担軽減や定量性の確保を容易にしている。
特許文献1の技術では、印刷シートの走行ライン上に設けられたラインセンサ型IRGB濃度計によって印刷シートのキーゾーン毎の実混色網濃度を計測し、実混色網濃度の計測結果に基づいて各インキ色の実単色網濃度を検出し、実単色網濃度が目標単色網濃度となるように、それぞれのキーゾーンに対応するインキキーの開度を調節するようにフィードバックを行っている。
【特許文献1】特開2004−106523号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、新聞を印刷する輪転印刷機等においては、印刷する紙面の頁数等が多いことから、複数台(例えば、5台)の輪転印刷機を同時に用いて大量に印刷を行うことが一般的に行われている。このような多数の輪転印刷機を用いて印刷を行う場合に、上述のようなインキ供給量の自動調整を適用しようとすると、各輪転印刷機に対して如何に効率よくインキ供給量を通知するかという問題が生ずる。
更に、新聞輪転機等では、印刷頁数や白黒・カラー印刷の別に応じて、折機に連結する輪転印刷機の台数を変更することが一般的に行われる。このような場合、色調整についても連結変更に速やかに対応することが要求される。
このような問題は上述した輪転印刷機に限ったことではなく、種々の印刷機においても同様に生ずる問題であった。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、複数の印刷機に対してインキ供給量等の印刷制御量を速やかに通知することのできる印刷システムおよび色調整装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、複数の印刷機と、複数の前記印刷機とネットワークを介して接続される複数の色調整装置とを備え、前記色調整装置は、自己の管理下にある各前記印刷機に対して、各前記印刷機の色調整に関する制御指令をそれぞれ個別に送信する印刷システムを提供する。
【0006】
本発明によれば、複数の印刷機と複数の色調整装置とがネットワークを介して接続されており、各色調整装置は、自己の管理下にある印刷機に対してのみ、その印刷機の色調整に関する制御指令を送信するので、関係のある印刷機に対してのみ効率よく情報を送信することが可能となる。更に、各色調整装置は、自己の管理下にある印刷機だけでなく、その他の印刷機ともネットワークを介して接続されているので、例えば、自己の管理下にある印刷機が変更となった場合でも、その変更に速やかに追従することが可能となる。これにより、例えば、連結状態が変更になった場合においても、速やかにその変更に追従でき、かつ、関係のある印刷機にのみ色調整に関する制御指令を送信することが可能となる。
【0007】
更に、本発明によれば、色調整に関する制御指令の送信単位を印刷機単位としたので、各印刷機が備える複数の印刷ユニットの色調整を略同時に行うことが可能となる。換言すると、色調整を印刷機単位で一括して行うことが可能となるので、印刷物の色調が除々に変化することを回避でき、安定した品質を保つことが可能となる。加えて、表裏両面の印刷を行う印刷機については、表裏の品質についても安定させることが可能となる。また、複数の印刷機を1単位として取り扱うときに比べて、データ伝送の効率を高めることが可能となるので、迅速に色調整を行うことができる。更に、印刷機にとっても、自己に無関係な情報(例えば、他の印刷機に関する色調整に関する制御指令等)を受信する必要がなくなるので、データ処理の負担を軽減することができる。
「色調整に関する制御指令」とは、例えば、インキの供給量に関する情報であるインキキー開度や、スプレー式湿しノズル毎の設定水量などの湿し水の供給量に関する情報をいう。
【0008】
本発明の印刷システムは、複数の折機を備えていても良く、前記色調整装置は、前記折機の各々に対応して設けられており、かつ、自己に対応する前記折機に連結されている前記印刷機を自己の管理下として取り扱うこととしても良い。
【0009】
このような構成によれば、各色調整装置は、折機にそれぞれ対応して設けられており、自己に対応する折機に連結されている全ての印刷機を自己の管理下として取り扱うこととなる。これにより、連結条件に応じて、管理下におく印刷機を自由に切り替えることが可能となる。
【0010】
本発明の印刷システムにおいて、前記色調整装置は、自己の管理下にある各前記印刷機による印刷が開始される際に、該印刷機の各々に対して通信回線の接続要求を出力し、該印刷機の各々による印刷が終了した際に、該印刷機の各々に対して該通信回線の切断要求を出力することとしても良い。
【0011】
このような構成によれば、色調整装置は、自己の管理下に印刷機がおかれている状況下において、各印刷機との回線を接続し、色調整に関する制御指令を送信する。この結果、印刷機が管理下におかれていない状況においては回線を開放することにより、他の装置に対して回線資源を提供することができる。
【0012】
本発明の印刷システムは、前記色調整装置の各々に対応して設けられた遠隔操作装置を備えていても良く、前記色調整装置が、自己に対応する前記遠隔操作装置から前記色調整に関する割込制御指令が出力された場合に、各前記印刷機に対する前記制御指令の送信を停止することとしても良い。
【0013】
このような構成によれば、色調整装置は、遠隔操作装置から色調整に関する割込制御指令が出力された場合には、その印刷機に対する制御指令の送信を停止するので、印刷機には、遠隔操作装置からの割込制御指令のみが送信され、この遠隔操作装置からの制御指令に基づく色調整が行われることとなる。これにより、遠隔操作装置がオペレータにより操作され、オペレータ自らによる色調整の指示が出された場合には、オペレータによる色調整を優先して採用することが可能となる。
【0014】
本発明の印刷システムは、前記色調整装置の各々に対応して設けられた遠隔操作装置を備えていても良く、前記遠隔操作装置が、オペレータから前記色調整に関する割込制御指令を受け付けた場合に、前記割込制御指令を対応する印刷機に対して送信し、前記印刷機は、前記遠隔操作装置および前記色調整装置の双方から前記色調整に関する制御指令を受け付けた場合に、前記遠隔操作装置から受信した色調整に関する割込制御指令を優先して採用することとしても良い。
【0015】
このような構成によれば、印刷機は、色調整装置および遠隔操作装置の双方から色調整に関する制御指令を受信した場合に、遠隔操作装置からの色調整に関する制御指令である割込制御指令を優先させて採用するので、遠隔操作装置からの割込制御指令に基づく色調整が行われることとなる。これにより、印刷物の色調をオペレータの趣向に応じた色調に仕上げることができる。
【0016】
本発明の印刷システムにおいて、前記印刷機は、オペレータからの前記色調整に関する割込制御指令を受け付けるための操作パネルを備えていても良く、前記色調整装置は、前記操作パネルから色調整に関する割込制御指令が印刷機に出力された場合に、当該印刷機に対する前記制御指令の送信を停止することとしても良い。
【0017】
このような構成によれば、色調整装置は、自己の管理下にある印刷機に対して、操作パネルから色調整に関する割込制御指令が出力された場合には、その印刷機に対する制御指令の送信を停止するので、印刷機には、操作パネルからの割込制御指令のみが送信され、この操作パネルからの割込制御指令に基づく色調整が行われることとなる。これにより、操作パネルがオペレータにより操作され、オペレータ自らによる色調整の指示が出された場合には、オペレータによる色調整を優先して採用することが可能となる。
【0018】
本発明の印刷システムにおいて、前記印刷機は、オペレータからの前記色調整に関する割込制御指令を受け付けるための操作パネルを備えていても良く、前記操作パネルから色調整に関する割込制御指令を受け付けた場合に、前記操作パネルからの割込制御指令を優先して採用することとしても良い。
【0019】
このような構成によれば、印刷機には、オペレータからの色調整に関する割込制御指令を受け付ける操作パネルが設けられているので、オペレータはこの操作パネルを操作することにより自由に色調整に関する指示を与えることができる。また、操作パネルにより受け付けられた色調整に関する割込制御指令は、上述の色調整装置からの割込制御指令よりも優先されるので、オペレータの趣向に応じた色調とすることができる。
【0020】
本発明は、複数の印刷機とネットワークを介して接続される色調整装置であって、複数の前記印刷機のうち、自己の管理下にある各前記印刷機に対して、各前記印刷機の色調整に関する制御指令をそれぞれ個別に送信する色調整装置を提供する。
【0021】
上記の色調整装置は、複数の印刷機が連結された折機に対応して設けられており、かつ、前記印刷機に連結されている複数の前記印刷機を自己の管理下として取り扱うこととしても良い。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数の印刷機に対してインキ供給量等の制御指令を速やかに通知することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の印刷システムを新聞印刷に用いられる印刷システムに適用した場合の一実施形態について、図を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る印刷システムの概略構成を示した図である。この図に示すように、印刷システム1は、複数の輪転印刷機2a乃至2j(以下、各輪転印刷機を区別しない場合には単に符号「2」を付し、各輪転印刷機を区別して表現するときは符号「2a」、「2b」等を付す。以下、他の構成要素についても同様とする。)と、複数のターンバー列部3a、3bと、複数の折機4a、4bとを備えている。更に、印刷システム1は、各折機4a、4bに対応して設けられ、該折機4a、4bにそれぞれ連結される輪転印刷機2を支配下において制御する色調整装置50a、50bを備えている。また、色調整装置50a,50bのそれぞれに対応して遠隔操作卓51a、51bが設けられている。遠隔操作卓51a、51bは、例えば、オペレータが色調整に関する制御指令を入力するためのものである。
【0024】
このような印刷システム1において、各折機4a,4bに連結される輪転印刷機2は、印刷内容によって任意に選択することが可能な構成とされている。例えば、図1では、連結の一態様として、輪転印刷機2a乃至2eを折機4aに、輪転印刷機2f乃至2jを折機4bに連結している。なお、連結方式については、主駆動モータによりラインシャフトを通じて各輪転印刷機、折機等を同期させながら駆動するシャフト駆動式のものでもよく、或いは、上述のラインシャフトではなく、それぞれ個別の電動モータによって互いに同期して作動するように駆動させるシャフトレス式のものであっても良い。
【0025】
上記印刷システム1において、各輪転印刷機2は、給紙装置6と、印刷部7とを備えている。給紙装置6は、例えば、ウェブWがロール状に巻かれた巻取紙を回動自在に保持する3対のアームおよび紙継装置をそれぞれ備えている。印刷部7は、複数の印刷ユニット8がタワー状に積層された構造となっている。印刷部7が備える印刷ユニット8の台数は、印刷する色に応じて決定される。例えば、両面4色印刷を行なう場合には、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、及びK(ブラック)からなる4色をウェブWの表裏両面に印刷する必要があることから、印刷部7は、合計で8つの印刷ユニット8を備えることとなる。また、両面2色印刷を行う場合には、K(ブラック)ともう一色からなる2色をウェブWの表裏両面に印刷する必要があることから、印刷部7は、合計で4つの印刷ユニット8を備えることとなる。
【0026】
図2は、対向配置された2つの印刷ユニットの概略構成を示す模式的な側面図である。図2に示すように、印刷ユニット8は、インキを供給するインキ供給装置11と、湿し水を供給する湿し装置(図示せず)と、インキ供給装置11および湿し装置に対向配置された版胴13と、この版胴13に対向配置されたゴム胴(ブランケット胴)14とを備えている。
【0027】
以下、印刷ユニット8が備える各部について図3乃至図7を参照して説明する。
図3乃至図6は、インキ供給装置11を示す図であり、図3はインキ供給装置から版胴までのインキ供給に係る構成を示す模式的な側面図、図4はウェブとインキキーユニットの関係を示す図、図5はインキキーユニットの概略構成を示す図、図6はインキキー開度を調整するインキキー開度調整装置の概略構成を示す図である。
インキ供給装置11は、図3に示すように、インキキーユニット20、インキ壷29、インキ元ローラ21、インキ移しローラ22、インキ練りローラ群23、揺動ローラ24、および印刷時に版胴13に対して接触する3本のインキ着けローラ25を備えている。
【0028】
上記インキキーユニット20は、例えば、ウェブWに印刷する頁数に応じて設けられている。本実施形態では、輪転機システム1は、新聞印刷用のものである。したがって、図4に示すように、ウェブWは、4頁分の印刷幅を有している。このため、インキ供給装置11は、インキ元ローラ21の回転軸方向に沿って並設された4つのインキキーユニット20を備えている。
【0029】
各インキキーユニット20は、図5に示すように、8つのインキキー26a乃至26hを備えている。隣り合うインキキー26a乃至26h、並びに、端部のインキキー26aと側板27とは互いに摺接している。また、図6に示すように、各インキユニット20における各インキキー26a乃至26hは、支点軸28を中心にしてそれぞれ独立して揺動できるように構成されている。これにより、各インキキー26a乃至26hとインキ元ローラ21の周面との隙間、換言すると、インキキー開度を個別に調節できるようになっている。各インキキー26の下方には、インキキー開度を調節するための機構であるインキキー開度調節装置30がそれぞれ設けられている。
【0030】
インキキー開度調節装置30は、各インキキー26の先端下面に当接する押上金具31と、押上金具31に先端を当接し、前後方向に伸縮することにより押上金具31を揺動昇降させるプッシャ32と、動転駆動することによってプッシャ32を前進または後退させるように接続されたアクチュエータとしてのモータ33とを備えている。モータ33は、例えば、ステッピングモータ等である。このモータ33は、後述するローカルCPU38に電気的に接続されている。ローカルCPU38は、図1に示した色調整装置50a、50bからの制御指令(後述の「カラム調整データ」に相当する。)に基づいて、モータ33に励磁信号を出力することによりモータ33を駆動し、上述のインキキー開度をインキキー毎に独立に制御する構成とされている。
【0031】
また、モータ33の回転軸はギアを介して駆動伝達可能に回転軸の回転角位置を検知するポテンショメータ34に接続されている。ポテンショメータ34によって検知されたモータ33の回転角はプッシャ32の前進後退位置すなわち、各インキキー26の揺動角度に対応しており、これによって各インキキー26のモータ開度を検知することができる。ポテンショメータ34は、ローカルCPU38に電気的に接続されている。これにより、ポテンショメータ34による検知結果がローカルCPU38に転送される構成となっている。
このように構成されたインキキー開度調節装置30においては、ローカルCPU38により各モータ33がそれぞれ独立して駆動される。この駆動状態に応じてプッシャ32は前後方向に伸縮し、押上金具31の先端が揺動昇降することとなる。これにより、各インキキー開度が個別に調節され、好適なインキ量がインキ壷からインキ元ローラ21の周面へ転写されることとなる。
【0032】
次に、図2に示した本実施形態に係る印刷ユニットが備える湿し装置、版胴13、およびゴム胴14について図7を参照してそれぞれ説明する。図7は、インキ着けローラからゴム胴までのインキ供給に係る構成を示す模式的な側面図である。
図7に示すように、湿し装置38は、水着ローラ40、水ライダローラ41、水揺動ローラ42などの複数のローラと印刷頁に応じたスプレーノズルを複数有するスプレーダンプナ39を備えており、印刷頁毎に個々に湿し水の量を調整して供給するようになっている。また、間欠式噴霧やその噴霧時間を制御することにより、印刷速度や絵柄に応じた水量調整を実現している。
【0033】
版胴13は、印刷用画像が形成された刷版が外周に巻回されるように円筒状とされている。刷版は、印刷すべき画像毎に作成され、交換される。版胴13は、外周の一部の角度範囲が軸線方向に切り欠かれた状態となっており、この位置45に、刷版の上流端である版頭および刷版の下流端である版尻を掴んで固定する版締め装置(図示せず)が設けられている。
【0034】
ゴム胴14は、版胴13の刷版上のインキを受け取り、図2に示すように、互いに対抗配置された他のゴム胴14との間を通過するウェブWに対してインキを転移する。ゴム胴14の外周には、ブランケットとしてゴムが巻回されている。ゴム胴14は、図7に示すように、外周の一部の角度範囲が軸線方向に切り欠かれた状態となっており、この位置46に、ゴムの上流端および下流端を掴んで固定するゴム締め装置(図示せず)が設けられている。ゴム胴14は、印刷を行わない非印刷時等には、版胴13及び対向配置されたゴム胴14から離間させる(胴抜き)ことができるようになっている。
【0035】
上述したような種々の構成要素を備える輪転印刷機2においては、図1に示すように、給紙装置6から送り出されるウェブWは印刷部7に供給される。印刷部7では、図3および図6に示したように、各印刷ユニット8において、インキ供給装置11のインキキー開度がインキキー開度調節装置30により適度な開度に調節されることにより、適量のインキがインキ壷29からインキ元ローラ21の周面に供給される。インキ元ローラ21に供給されたインキは、図3に示すように、インキ移しローラ22を介してインキ練りローラ群23に供給され、インキ練りローラ群23の周面を通過する間に適度に練られる。続いて、インキ揺動ローラ24により、各キーゾーンの境界線におけるインキ膜厚についての極端なインキ膜厚変化が緩和された後に、インキ着けローラ25を介して版胴13の版面に供給され、版面13に付着したインキが、図7および図2に示すようにゴム胴14を介して絵柄としてウェブWに転写される。
【0036】
このようにして、ウェブWは、図2に示すように、各印刷ユニット8の対抗配置されたゴム胴15の間を通過する際に、表面および裏面にゴム胴14から像がそれぞれ転写され、表面および裏面に4色または2色の印刷が施される。そして両面印刷が施されたウェブWは、図1に示すように、それぞれ連結されたターンバー列部3に供給される。
ターンバー列部3は、多数のターンバーを備えており、各輪転印刷機2からのウェブWの走行ルートを変更し、その重なり順番を変えられるように構成されている。このようにしてターンバー列部3から排出された各ウェブWは、連結される折機4に供給される。折機4では、ターンバー列部3から送られる複数のウェブWが重ねられた後、縦折り、縦切断、横折り、横切断等されて、所望の折帳とされ、排出される。
【0037】
上記印刷システム1において、上記各輪転印刷機2とターンバー列部3との間には、各輪転印刷機2により印刷された各紙面の混色網濃度(以下、「実混色網濃度」という。)を計測するためのIRGB濃度計10が各輪転印刷機2に対応してそれぞれ設けられている。具体的には、IRGB濃度計10は、ウェブWの搬送経路を挟むようにして表裏両側に配置されているので、本実施形態に係る印刷システム1では、合計20個のIRGB濃度計10が配置されていることとなる。
このIRGB濃度計10は、ウェブW上に転写されたインキの反射光をI(赤外光)、R(赤)、G(緑)、B(青)の反射濃度として計測する計測器であり、ウェブWの全幅の実混色網濃度を計測するほか、任意の位置の実混色網濃度を計測することも可能な構成となっている。
【0038】
図8に示すように、上述した各IRGB濃度計10を備えるセンサ群52は、ネットワークを介して色調整装置50a、50bと接続されている。色調整装置50a、50bは、IRGB濃度計10により計測された各紙面のインキキーごとの実混色網濃度に基づいて各インキ色の実単色網濃度を検出し、実単色網濃度と目標単色網濃度とを比較することにより、自己の管理下におかれた各輪転印刷機2に対応するインキ供給量を調節するための色調整データを作成し、これら色調整データを各輪転印刷機2の制御装置に対してそれぞれ個別に出力することにより、各輪転印刷機2の自動色調整を実現させる。そして、このような処理を一定時間間隔で繰り返し行うことにより、色調整のフィードバック制御を実現させる。
【0039】
次に、上述した輪転印刷機2におけるインキ供給量を制御するための制御システムについて図を参照して更に詳しく説明する。図8は、輪転印刷機2を制御する制御システムのネットワーク構成を示す図である。
図8に示すように、各輪転印刷機2a乃至2jにそれぞれ設けられたIRGB濃度計10等からなるセンサ群52は、データ伝送媒体(以下、「ネットワーク」という。)を介して色調整装置50a、50bとそれぞれ接続されている。更に、色調整装置50a、50bの各々は、輪転印刷機2a乃至2jの各々がそれぞれ備える制御装置35a乃至35jとネットワーク100を介して接続されている。この制御装置35a乃至35jは、主に、輪転印刷機2が備える各インキキー開度を制御するものであり、例えば、8台の印刷ユニット8を備える輪転印刷機2に対応する制御装置35においては、合計256本(印刷ユニット8の台数*各印刷ユニットが備えるインキユニット20の数*各インキユニット20が備えるインキキー26の本数=8*4*8=256)のインキキーの開度を制御する能力を備えている。
更に、上記ネットワーク100には、オペレータが遠隔から色調整等を手動で行うための遠隔操作卓51a、51bが接続されている。
このように、本実施形態の印刷システム1においては、色調制御装置50a,50b、遠隔操作卓51a、51b、ならびに全ての制御装置35a乃至35jの間において、双方向通信を可能とするネットワークが構築されている。上記ネットワークは、無線、有線のいずれでも良く、一例としてLAN、イーサネット(登録商標)等が挙げられる。
【0040】
このような制御システムを備える印刷システム1においては、まず、印刷を開始するに当たり、図示しない上位の装置から各色調整装置50a、50bに対して、管理下におかれる輪転印刷機2の情報が通知される。
ここで、色調整装置50a、50bの管理下に属する各輪転印刷機2は、色調整装置50a、50bと対をなして設置された折機4a、4bに連結されている輪転印刷機となる。本実施形態では、図1に示したように、色調整装置50aに対応する折機4aには、輪転印刷機2a乃至2eが連結されているので、色調整装置50aには、輪転印刷機2a乃至2eが管理下におかれる旨の情報が通知される。同様に、色調整装置50bに対しては、輪転印刷機2f乃至2jが管理下におかれる旨の情報が通知される。なお、この情報は、例えば、遠隔操作卓51a、51bからそれぞれ通知されるものでも良いし、図示しない上位のコンピュータから通知されるものでも良い。
【0041】
このようにして、自己の管理下に置かれる輪転印刷機2の情報が通知されると、色調整装置50a,50bは、内蔵されたメモリ等にこの情報を保存することにより、当該情報を保持する。
続いて、色調整装置50a,50bは、自己の管理下であると通知された各輪転印刷機2の制御装置35に対して、データ伝送を行うための回線接続の要求を出力する。本実施形態では、図9に示すように、色調整装置50aは、輪転印刷機2a乃至2eの各制御装置35a乃至35eに対して回線#1乃至#5の接続要求をそれぞれ出力し、色調整装置50bは、輪転印刷機2f乃至2jの各制御装置35f乃至35jに対して回線#6乃至#10の接続要求を出力する。
【0042】
この回線の接続要求を受け付けた各制御装置35a乃至35jは、この要求に応じることにより、色調整装置50aと各制御装置35a乃至35eとの間で1:5の通信回線が確立され、同様に、色調整装置50bと制御装置35f乃至35jとの間で1:5の通信回線が確立される。これにより、色調整装置50aは、各制御装置35a乃至35eに対して略同時にデータを送信することが可能であり、かつ、各制御装置35a乃至35eは、色調整装置50aに対してデータを送信することが可能となる。同様に、色調整装置50bは、各制御装置35f乃至35jに対して略同時にデータを送信することが可能であり、かつ、各制御装置35f乃至35jは色調整装置50bに対してデータを送信することが可能となる。
【0043】
続いて、色調整装置50a、50bは、自己の管理下に置かれた輪転印刷機2ごとに、インキ供給量に関する制御指令を含む送信データ(以下、「色調整データ」という。)を作成する。
図10は、8つの印刷ユニット8を備える輪転印刷機2に対して送信される色調整データの構造を模式的に示した図である。図10において、色調整データは、8つの印刷ユニット用データから構成されている。この印刷ユニット用データの各々は、4つのインキキーユニットデータから構成されており、更に、このインキキーユニットデータの各々は、8つのカラム調整データから構成されている。このカラム調整データは、インキキー26の一つ一つに対応するインキキー開度に関する制御指令である。
【0044】
上述のように、8つの印刷ユニット8を備える輪転印刷機2に対する色調整データは、合計256個のカラム調整データ等から構成されることとなる。また、上記色調整データにおいて、各印刷ユニット用データには、各印刷ユニット8のアドレス情報が付加されているとともに、各インキキーユニットデータには各インキキーユニット20のアドレス情報が付加されている。また、色調整データには、上述した付加情報の他に、スタート符号、アドレスデータ、訂正符号、エンド符号等からなるデータ通信を可能とする種々の情報が含まれている。
【0045】
色調整装置50a,50bは、自己の管理下にある各輪転印刷機2に対応する色調整データをそれぞれ作成すると、各輪転印刷機2の制御装置35に対して色調整データを個別に送信する。これにより、色調整装置50aから各回線#1乃至#5を介して各制御装置35a乃至35eに色調整データがそれぞれ個別に送信され、同様に、色調整装置50bから各回線#6乃至#10を介して各制御装置35f乃至35jに色調整データがそれぞれ個別に送信される。
【0046】
各制御装置35は、図10に示すようなデータ構造を有する色調整データを受信すると、この色調整データに基づいて図4に示した各インキキー調整装置を制御することにより、各インキキー開度を調節する。
具体的には、制御装置35は、図11に示すように、色調整装置50とのインタフェース等として機能するリモートCPU36、および各印刷ユニット8に対応して設けられた印刷ユニット制御装置37を備えている。つまり、印刷ユニット8を8台備えてなる輪転印刷機2の場合、印刷ユニット制御装置37は8個設けられることとなる。この印刷ユニット制御装置37の各々は、32個のローカルCPU38をそれぞれ管轄する。
【0047】
詳細には、このローカルCPU38は、各印刷ユニット8が備える32本のインキキーにそれぞれ対応して設けられている。各ローカルCPU38は、対応するインキキーのインキキー開度を制御する。具体的には、各インキキー26aから26hの個々に対応して設けられたインキキー調整装置30のモータ33に対して制御指令を与えることにより、インキキー開度を好適な値に調節する。
更に、各制御装置35には、各輪転印刷機2における色調整を手動で行うための操作パネル60が接続されている。この操作パネル60は、各制御装置35が備えるリモートCPU36に接続されている。
【0048】
このような構成からなる制御装置35において、リモートCPU36は色調整装置50から図10に示すデータ構造を有する色調整データを受信すると、この色調整データを各印刷ユニット制御装置37に対して並行して出力する。印刷ユニット制御装置37の各ローカルCPU38は、この色調整データの内、自己に対応するインキキーカラム調整データのみを取り込み、この各カラム調整データに基づいて、各モータ33に励磁信号を出力する。これにより、各モータ33が色調整装置50からの制御指令に基づいて駆動されることとなり、インキキー開度が好適な状態に調整され、好適なインキ量による印刷が順次行われて、高品質な印刷物が折機4から排出されることとなる。
【0049】
続いて、上述のような色調整のフィードバック制御が自動で行われている最中において、操作パネル60がオペレータにより操作された場合には、手動制御を通知する旨の信号が制御装置35のリモートCPU36に出力される。リモートCPU36は、当該信号を受け付けると、上述した色調整データに基づくインキキー開度の制御を停止し、操作パネル60から入力されたインキキー開度の制御指令(割込制御指令)に基づく制御を開始する。またこれと略同時に、色調整データの送信元である色調整装置50に対して、色調整データの送信停止要求を送信する。これにより、ネットワーク100を介して送信停止要求が自己を管理下としている色調整装置50に通知される。この送信停止要求を受け付けた色調整装置50は、送信停止要求の送信元に当たる制御装置35へのデータ伝送を停止する。
以上の処理が実施されることにより、色調整装置50からの色調整データに基づくインキキー開度の制御から操作パネル60から与えられた割込制御指令に基づくインキキー開度の制御へと速やかに移行することが可能となる。
【0050】
また、同様に、遠隔操作卓51がオペレータにより操作され、所定の輪転印刷機2に対するインキキー開度の制御指令(割込制御指令)が入力された場合には、手動制御を通知する旨の信号が遠隔操作卓51から該当する輪転印刷機2の制御装置35に対してネットワーク100を介して送信される。
制御装置35は、当該信号を受け付けると、上述した色調整データに基づくインキキー開度の制御を停止し、遠隔操作卓51から送信されてくるインキキー開度の制御指令に基づく制御を開始する。また、これと略同時に、色調整データの送信元である色調整装置50に対して色調整データの送信停止要求を送信する。これにより、色調整装置50によるデータ伝送が停止され、遠隔操作卓51からの割込制御指令に基づくインキキー開度の制御が行われる。
【0051】
そして、オペレータによる操作パネルの操作、或いは、遠隔操作卓51といった遠隔操作装置の操作が終了したことにより、上述した操作卓60や遠隔操作卓51から手動色調整の終了通知が制御装置35にて受け付けられると、制御装置35のリモートCPU36は、自己を管理下におく色調整装置50に対して送信再開要求を送信する。これにより、色調整装置50による色調整データの送信処理が再開され、色調整データに基づくインキキー開度の制御が再開されることとなる。
そして、上述したように、印刷物の色濃度等が常に管理されながら、印刷が進められることにより、予定枚数の印刷が終了すると、その旨が上位装置等から色調整装置50へネットワーク100を介して通知される。
この印刷終了通知を受信した色調整装置50は、色調整処理を終了するとともに、今まで接続していた各制御装置35との回線接続を切断する。これにより、次の印刷が開始されるまで、ネットワーク資源は他の通信装置(図示せず)に対して開放されることとなる。
【0052】
なお、回線接続の手順については、上述した印刷開始、終了を基準としたシーケンスに限られるものではなく、例えば、通常運転時の印刷機と折機の接続状態から印刷内容に応じて印刷機や折機の組み合わせを変更しその連結範囲を設定する運用を行う場合には、印刷が開始される前の連結範囲が決定され、どの印刷機や折機が管理下に置かれたかが判明した印刷開始前の段階で通信回線の接続要求を行い、その後、連結対象から印刷機または折機が外れその対象機が印刷終了後となった段階で通信回線の切断要求を出力するシーケンスを採用しても良い。
【0053】
次に、上述とは異なる新聞を印刷するに当たり、その新聞の部数や種別に応じて折機に連結される輪転印刷機が変更され、例えば、図12に示すように、輪転印刷機2a乃至2gが折機4aに連結され、輪転印刷機2h乃至2gが折機4bに連結された場合には、色調整装置50aに対して輪転印刷機2a乃至2gが管理下になった旨が、色調整装置50bには、輪転印刷機2h乃至2gが管理下になった旨が上位装置等から通知される。これにより、各色調整装置50とその管理下に置かれた輪転印刷機2の制御装置35との回線がそれぞれ接続され、上述したような色調整データの送信処理が開始されることとなる。
【0054】
更に、輪転印刷機2の連結状態として、図13に示すように、輪転印刷機の一部が他の折機4に連結される場合もある。例えば、図13では、輪転印刷機2が備える8つの印刷ユニット8のうち、上段の4つの印刷ユニットAが折機4aに連結され、下段の4つの印刷ユニットBが折機4bに連結される場合もある。このような場合には、各色調整装置50に対して、管理下におかれた輪転印刷機2の情報に加えて、管理下におかれた印刷ユニット8の情報が通知されることとなる。
【0055】
このような場合、輪転印刷機2の単位で考えると、1つの輪転印刷機2が2つの色調整装置50a、50bの管理下におかれることとなる。この場合、輪転印刷機2の制御装置35は、2つの色調整装置50a、50bとの回線をそれぞれ個別に接続し、各色調整装置50a,50bの双方から色調整データを受信することとなる。具体的には、色調整装置50aからは上段における印刷ユニットAに対応する色調整データを受信し、色調整装置50bからは下段における印刷ユニットBに対応する色調整データを受信することとなる。
【0056】
このように、1台の輪転印刷機2が複数の色調整装置50により管理される場合においても、各制御装置35は各色調整装置50a、50bとの間でそれぞれ個別に通信回線を確立させるので、色調整装置50a、50bからの色調整データを高効率で受信することが可能となる。
【0057】
以上、説明してきたように、本実施形態に係る印刷システムによれば、複数の制御装置35と複数の色調整装置50とがネットワーク100を介して接続されており、各色調整装置50a,50bは、自己の管理下にある輪転印刷機2の制御装置35に対してのみ、その輪転印刷機2の色調整に関する制御指令を送信するので、効率よく情報を送信することが可能となる。更に、各色調整装置50は、自己の管理下にある輪転印刷機2だけでなく、その他の輪転印刷機2ともネットワーク100を介して接続されているので、例えば、自己の管理下にある輪転印刷機2が変更となった場合でも、その変更に速やかに追従することが可能となる。これにより、上述したように、連結状態が変更になった場合においても、速やかにその変更に追従でき、かつ、関係のある輪転印刷機2にのみ色調整に関する制御指令を送信することが可能となる。
【0058】
また、色調整に関する制御指令の送信単位を印刷機単位としたので、各輪転印刷機2が備える複数の印刷ユニット8の色調整を略同時に行うことが可能となる。換言すると、色調整を輪転印刷機単位で一括して行うことが可能となるので、印刷物の色調が除々に変化することを回避でき、安定した品質を保つことが可能となる。加えて、表裏両面の印刷を行う印刷機については、表裏の品質についても安定させることが可能となる。
更に、複数の輪転印刷機2を1単位として取り扱うときに比べて、データ伝送の効率を高めることが可能となるので、迅速に色調整を行うことができる。また、輪転印刷機2にとっても、自己に無関係な情報(例えば、他の印刷機に関する色調整に関する制御指令等)を受信する必要がなくなるので、データ処理の負担を軽減することができる。
【0059】
なお、上述した実施形態においては、操作パネル60或いは遠隔操作卓51から色調整に関する指令を受け付けた場合に、各色調整装置50に対して送信停止要求を送信していたが、送信停止要求を送信しない態様を取ることも可能である。この場合、制御装置35は、操作卓60或いは遠隔操作卓51からの制御指令を色調整装置50からの色調整データよりも優先させて採用することにより、インキキー開度の制御を円滑に行う。
【0060】
また、上述した実施形態においては、色調整装置50からの色調整データに基づいてインキキー開度を制御する場合について述べたが、例えば、色調整装置50が印刷ユニット8の湿し水の供給量についても制御可能な構成としても良い。このような場合、色調整装置50からは上記カラム調整データに代えて、湿し水の供給量に関する制御指令、例えば、スプレーノズルからの単位時間あたりの噴出水量、噴出時間、噴出間隔、噴出ノズル数などの設定指令情報が送信されることになる。そして、制御装置35は、この設定指令情報に基づいて湿し水の供給量が好適な値に調整することができ、ひいては高品質な印刷を実現させることが可能となる。
【0061】
また、図8に示した制御システムは、図14に示すように、各色調整装置50a,50bに対応してインタフェース装置70a,70bをそれぞれ有し、各色調整装置50a,50bがインタフェース装置70a,70bを介して管理下にある各制御装置35a乃至35jとデータの送受を行うようなネットワーク構成としても良い。ここで、インタフェース装置70は、色調整装置50と制御装置35との間にデータの互換性がない場合に設けられるものであり、色調整装置50から出力された色調整データを制御装置35に適応するデータ形式に変換して各制御装置35へ送信するものである。
このように、インタフェース装置70を設けることにより、自動色調整の適用範囲を拡大することが可能となる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷システムの概略構成を示した図である。
【図2】対向位置された2つの印刷ユニットの概略構成を示す模式的な側面図である。
【図3】インキ供給装置を示す図であり、インキ供給装置から版胴までのインキ供給に係る構成を示す模式的な側面図である。
【図4】インキ供給装置を示す図であり、ウェブとインキキーユニットの関係を示す図である。
【図5】インキ供給装置を示す図であり、インキキーユニットの概略構成を示す図である。
【図6】インキ供給装置を示す図であり、インキキー開度を調整するインキキー開度調整装置の概略構成を示す図である。
【図7】インキ着けローラからゴム胴までのインキ供給に係る構成を示す模式的な側面図である。
【図8】輪転印刷機を制御する制御システムのネットワーク構成を示す図である。。
【図9】各色調整装置と各輪転印刷機との間で確立される通信回線の接続態様を示した図である。
【図10】8つの印刷ユニットを備える輪転印刷機に対して送信される色調整データの構造を模式的に示した図である。
【図11】制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図12】輪転印刷機の連結状態の他の態様を示した図である。
【図13】輪転印刷機の連結状態の他の態様を示した図である。
【図14】図8に示した制御システムにインタフェース装置を更に追加した例を示した図である。
【符号の説明】
【0064】
1 印刷システム
2a乃至2j 輪転印刷機
4 折機
8 印刷ユニット
10 IRGB濃度計
20 インキキーユニット
21 インキ元ローラ
26a乃至26h インキキー
30 インキキー開度調整装置
33 モータ
35 制御装置
36 リモートCPU
37 印刷ユニット制御装置
38 ローカルCPU
39 スプレーダンプナ
40 水着ローラ
41 水ライダローラ
42 水揺動ローラ
50a、50b 色調整装置
51a、51b 遠隔操作卓
60 操作パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の印刷機と、
複数の前記印刷機とネットワークを介して接続される複数の色調整装置と
を備え、
前記色調整装置は、自己の管理下にある各前記印刷機に対して、各前記印刷機の色調整に関する制御指令をそれぞれ個別に送信する印刷システム。
【請求項2】
複数の折機を備え、
前記色調整装置は、前記折機の各々に対応して設けられており、かつ、自己に対応する前記折機に連結されている前記印刷機を自己の管理下として取り扱う請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記色調整装置は、自己の管理下にある各前記印刷機による印刷が開始される前に、該印刷機の各々に対して通信回線の接続要求を出力し、該印刷機の各々による印刷が終了した後に、該印刷機の各々に対して該通信回線の切断要求を出力する請求項1または請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記色調整装置の各々に対応して設けられた遠隔操作装置を備え、
前記色調整装置は、自己に対応する前記遠隔操作装置から前記色調整に関する割込制御指令が前記印刷機に対して出力された場合に、該印刷機に対する前記制御指令の送信を停止する請求項1から請求項3のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項5】
前記色調整装置の各々に対応して設けられた遠隔操作装置を備え、
前記遠隔操作装置は、オペレータから前記色調整に関する割込制御指令を受け付けた場合に、当該割込制御指令を対応する印刷機に対して送信し、
前記印刷機は、前記遠隔操作装置および前記色調整装置の双方から前記色調整に関する制御指令を受け付けた場合に、前記遠隔操作装置から受信した色調整に関する割込制御指令を優先して採用する請求項1から請求項3のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項6】
前記印刷機は、オペレータからの前記色調整に関する割込制御指令を受け付けるための操作パネルを備え、
前記色調整装置は、前記操作パネルから色調整に関する割込制御指令が印刷機に出力された場合に、当該印刷機に対する前記制御指令の送信を停止する請求項1から請求項5のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項7】
前記印刷機は、オペレータからの前記色調整に関する割込制御指令を受け付けるための操作パネルを備えており、前記操作パネルから色調整に関する割込制御指令を受け付けた場合に、前記操作パネルからの割込制御指令を優先して採用する請求項1から請求項5のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項8】
複数の印刷機とネットワークを介して接続される色調整装置であって、
複数の前記印刷機のうち、自己の管理下にある各前記印刷機に対して、各前記印刷機の色調整に関する制御指令をそれぞれ個別に送信する色調整装置。
【請求項9】
複数の印刷機が連結された折機に対応して設けられており、かつ、前記印刷機に連結されている複数の前記印刷機を自己の管理下として取り扱う請求項8に記載の色調整装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2007−188450(P2007−188450A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−8031(P2006−8031)
【出願日】平成18年1月16日(2006.1.16)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】