説明

印刷装置

【課題】インクミストをより適切に吸引できるようにすること。
【解決手段】吸気発生用ファン27の吸気風量の検出結果に基づいて、吸気発生用ファン27及びチューブポンプ18を切り替えて作動させるようにした。そのため、例えば、吸気発生用ファン27の吸気流路にインクミストが付着し、吸気流路がインクで塞がれ、インクミストを吸引するための吸気風量が低下しているときに、キャップ部材20内に負圧を発生することで、吸気流路を塞いでいるインクを負圧吸引によって除去でき、インクミストをより適切に吸引できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷媒体に液体噴射ヘッドのノズルから液体を吐出して印刷を行う印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の印刷装置としては、例えば、乾燥により液体が増粘することを防止するために、ノズル面に密着して負圧を発生し、液体噴射ヘッド内の液体をノズルから吸い出す負圧発生手段を有するキャップを備えるものがある。
このような印刷装置にあっては、キャップに、フラッシング時に発生するミストを吸引する吸気発生手段を有するものもある(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−276381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の印刷装置にあっては、ミストの吸引時に、キャップ内に配される液体吸収材の吸収量が多くなると、吸気発生手段の吸気風量が低下し、ミストを適切に吸引できなくなる恐れがある。
本発明は、上記従来の印刷装置に鑑みてなされたものであって、ミストをより適切に吸引できる印刷装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本実施形態の印刷装置は、印刷媒体に液体噴射ヘッドのノズルから液体を吐出して印刷を行う印刷装置であって、前記液体噴射ヘッドのノズル面に対向して配置され、当該ノズル面に対向する面が開放され、前記液体噴射ヘッドのノズルからの液体を液体吸収材に受けるキャップと、前記キャップ内の空気を吸引する吸気発生用ファンと、前記吸気発生用ファンの吸気風量を検出する風量検出手段と、前記キャップ内に負圧を発生する負圧発生手段と、前記風量検出手段の検出結果に基づいて前記吸気発生用ファン及び前記負圧発生手段を切り替えて作動させる切り替え手段と、を備えたことを特徴とする。
【0005】
また、前記風量検出手段は、前記吸気発生用ファンの吸気流路に配置され、当該吸気流路の吸気風量を検出する風量センサであってもよい。
さらに、前記液体吸収材を挟んで配置された一対の電極と、前記一対の電極間の抵抗値を検出する抵抗値検出手段と、を備え、前記風量検出手段は、前記抵抗値検出手段の検出結果に基づいて前記吸気発生用ファンの吸気風量を検出するものでもよい。
【0006】
また、前記吸気発生用ファンは、モータで駆動され、前記モータに供給される電流を検出する電流検出手段を備え、前記風量検出手段は、前記電流検出手段の検出結果に基づいて前記吸気発生用ファンの吸気風量を検出するものであってもよい。
さらに、前記吸気発生用ファンが作動しているときに、前記風量検出手段で検出された吸気風量が所定閾値以上であるか否かを判定する判定手段を備え、前記切り替え手段は、前記判定手段によって前記風量検出手段で検出された吸気風量が所定閾値以上であると判定されると、前記吸気発生用ファンが作動している状態を保持すると共に、前記液体噴射ヘッドにフラッシングを実行させ、前記判定手段によって前記風量検出手段で検出された吸気風量が前記所定閾値より小さいと判定されると、前記吸気発生用ファンを停止させ且つ前記負圧発生手段を作動させるものであってもよい。
【0007】
また、前記キャップの開放面に密着して、当該キャップを密閉可能なシャッタを備え、前記切り替え手段は、前記判定手段によって前記風量検出手段で検出された吸気風量が前記所定閾値より小さいと判定された回数が設定回数以上になると、前記シャッタによって前記キャップを密閉し、且つ、前記負圧発生手段を作動させるものであってもよい。
さらに、前記キャップは、前記液体噴射ヘッドのノズル面に密着可能であり、前記切り替え手段は、前記液体噴射ヘッドのノズル面に前記キャップが密着されると、前記負圧発生手段を作動させ、前記液体噴射ヘッドのノズルから液体を吸引し、前記ノズル面から前記キャップが外されると、前記負圧発生手段を停止させ且つ前記吸気発生用ファンを作動させるものであり、前記判定手段は、前記液体噴射ヘッドのノズルから液体が吸引された後に前記判定を行うものであってもよい。
【0008】
このような構成によれば、例えば、液体吸収材の吸収量が多くなることで、吸気流路が液体で塞がれ、ミストを吸引するための吸気風量が低下しているときに、負圧手段によってキャップ内に負圧を発生することで、吸気流路を塞いでいる液体を負圧吸引によって除去でき、ミストをより適切に吸引することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の印刷装置の一例として、インク滴を吐出して印刷媒体に文字や画像等を印刷するインクジェットプリンタを用いて、その実施形態を図面に基づいて説明する。
<構成>
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの概略構成を示す正面図であり、図2は、インクジェットプリンタの内部構成を示すブロック図である。
【0010】
インクジェットプリンタの内部構成は、例えば図2に示すように、パーソナルコンピュータ等のホストコンピュータから入力された印刷データに基づいて、印刷装置や給紙装置等を制御することにより印刷媒体に印刷処理を行うものである。そして、ホストコンピュータから入力された印刷データを受取る入力インタフェース部と、この入力インタフェース部から入力された印刷データに基づいて印刷処理を実行する例えばマイクロコンピュータで構成される制御部32と、各搬送ベルト41〜46、51〜55を駆動するベルトモータ9を駆動制御するベルト駆動回路と、ベルトや記録紙の位置を検知するエンコーダとエンコーダの検知信号を処理するエンコーダ検出回路と、インクジェットヘッド111〜116、121〜125を駆動制御するヘッド駆動回路と、ヘッドをメンテナンスするキャップを昇降させヘッドノズル面に密着させる昇降用モータを駆動するキャップ昇降駆動回路と、シャッタによってキャップの開口部(吸引口)を遮蔽するシャッタ用モータを駆動するシャッタ駆動回路と、ミスト吸引用のファンモータを駆動する吸気発生手段の駆動回路と、キャップ内のインクやヘッド内のインクを吸引するチューブポンプを駆動する負圧発生手段の駆動回路と、負圧発生手段や吸気発生手段等を選択するバルブを駆動するバルブ駆動回路と、キャップ内に溜まったインク量を推定するための風量センサやその他のセンサ類の検出回路と、記録紙を給紙させる給紙ユニットモータを駆動する給紙ユニット駆動回路と、印刷の状態を表示する表示パネルと、印刷の指示を入力する操作パネルとを備えて構成される。
【0011】
制御部32は、印刷処理等の各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、入力インタフェースを介して入力された印刷データ或いは当該印刷データ印刷処理等を実行する際の各種データを一時的に格納し、或いは印刷処理等のアプリケーションプログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)と、CPUで実行する制御プログラム等を格納する不揮発性半導体メモリで構成されるROM(Read-Only Memory)とを備えている。この制御部32は、インタフェース部を介してホストコンピュータから印刷データ(画像データ)を入手すると、CPUが、この印刷データに所定の処理を実行して、何れのノズルからインク滴を吐出するか或いはどの程度のインク滴を吐出するかという印字データを出力し、この印字データ及び各種センサからの入力データに基づいて、各駆動回路に制御信号を出力する。各駆動回路から制御信号が出力されると、これらが駆動信号に変換されてインクジェットヘッド111〜116、121〜125の複数のノズルに対応するヘッドのアクチュエータ、ベルトモータ、給紙ユニットモータ、キャップ昇降駆動回路、シャッタ駆動回路、バルブ駆動回路、負圧発生手段の駆動回路、吸気発生手段の駆動回路が夫々作動して、印刷媒体に印刷処理が実行される。なお、制御部32内の各構成要素は、図示しないバスを介して電気的に接続されている。
【0012】
図4に示すインクジェットヘッドの具体的な構成について説明する。このインクジェットヘッドは、圧電式アクチュエータを用いたものである。インクジェットヘッドは、図4に示すように、振動板と、この振動板を変位させる圧電式アクチュエータと、内部に液体であるインクが充填され且つ振動板の変位により内部の圧力が増減されるキャビティ(圧力室)と、このキャビティに連通し且つ当該キャビティ内の圧力の増減によりインクを液滴として吐出するノズルとを少なくとも備えている。
【0013】
更に詳述すると、インクジェットヘッドは、ノズルが形成されたノズル基板と、キャビティ基板と、振動板と、複数の圧電素子を積層した積層型の圧電式アクチュエータとを備えている。キャビティ基板は、図示のように所定形状に形成され、これにより、キャビティと、これに連通するリザーバとが形成されている。また、リザーバは、インク供給チューブを介してインクカートリッジに接続されている。圧電式アクチュエータは、対向して配置される櫛歯状の電極と、その電極の各櫛歯と交互に配置される圧電素子とからなる。また、圧電式アクチュエータは、その一端側が図4に示すように、中間層を介して振動板と接合されている。
【0014】
このような構成からなる圧電式アクチュエータでは、第1電極と第2電極との間に印可される駆動信号源からの駆動信号により、図4に矢印で示すように上下方向に伸び縮みするモードを利用している。従って、圧電式アクチュエータでは、例えば、図4に示すような駆動信号が印可されると、振動板に変位が生じてキャビティ内の圧力が変化し、ノズルからインク滴が吐出されるようになっている。
【0015】
図1に示すように、インクジェットプリンタは、搬送ユニット1、インク滴吐出ユニット2、及び回復ユニット3を含んで構成される。
搬送ユニット1は、上流側搬送ユニット4、及び上流側搬送ユニット4よりも下流側に配置された下流側搬送ユニット5を含んで構成される。
上流側搬送ユニット4は、図3に示すように、複数の搬送ベルト41〜45を含んで構成され、各搬送ベルト41〜45は、印刷媒体6の搬送方向の上流側に配置されて当該搬送方向に回転する上流側従動ローラ7と前記搬送方向の下流側に配置されて当該搬送方向に回転する駆動ローラ8とに、前記搬送方向と交差する方向に互いに一定距離を隔てて巻回され、駆動ローラ8に取り付けられたベルトモータ9によって当該駆動ローラ8が回転駆動されることで、前記搬送方向に沿って回転する。
【0016】
そして、上流側搬送ユニット4は、給紙ユニット(不図示)から給紙される印刷媒体6にコロトロン等の静電気付与部によって静電電荷を付与し、印刷媒体6の下面を各搬送ベルト41〜45の上側の外周面に静電吸着させて、上流側インク滴吐出ユニット11(後述)の各インクジェットヘッド111〜116(後述)の下方→下流側搬送ユニット5の各搬送ベルト51〜56上の順、つまり、図1の矢印方向に印刷媒体6を搬送する。
【0017】
下流側搬送ユニット5は、複数の搬送ベルト51〜56を含んで構成され、各搬送ベルト51〜56は、上流側搬送ユニット4の各搬送ベルト41〜45が巻回されている駆動ローラ8と前記搬送方向の下流側に配置されて当該搬送方向に回転する下流側従動ローラ10とに、前記各搬送ベルト41〜45と平面視で交互に千鳥状に配置されることで、印刷媒体6の搬送方向と交差する方向に互いに一定距離を隔てて巻回され、駆動ローラ8がベルトモータ9によって回転駆動されることで、前記搬送方向に沿って回転する。
【0018】
そして、下流側搬送ユニット5は、上流側搬送ユニット4によって搬送されてくる印刷媒体6を取得し、さらに、印刷媒体6の下面を各搬送ベルト51〜56上部の外周面に静電吸着させて、下流側インク滴吐出ユニット12(後述)の各インクジェットヘッド121〜126(後述)の下方→排紙ユニット(不図示)の順に印刷媒体6を搬送する。
インク滴吐出ユニット2は、上流側搬送ユニット4の上方に配置された上流側インク滴吐出ユニット11、及び下流側搬送ユニット5の上方に配置された下流側インク滴吐出ユニット12を含んで構成される。
【0019】
上流側インク滴吐出ユニット11は、複数のインクジェットヘッド111〜116を含んで構成され、各インクジェットヘッド111〜116は、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、及びシアン(C)の各色毎に印刷媒体6の搬送方向と交差する方向に沿って形成された複数のノズル列が前記搬送方向の上流側から順に形成され、上流側搬送ユニット4の搬送ベルト41〜45それぞれの間の上方に配置されている。
【0020】
そして、上流側インク滴吐出ユニット11は、印刷の実行要求が発生すると、各インクジェットヘッド111〜116から下方、つまり、印刷媒体6上の各搬送ベルト41〜45の間に位置している領域にインク滴を吐出して当該接触領域に印刷を行う(図4参照)。
また、上流側インク滴吐出ユニット11は、フラッシングの実行要求があると、搬送ユニット1によって搬送される印刷媒体6が途切れたときに、各インクジェットヘッド111〜116の全ノズルから各搬送ベルト41〜45の間にインク滴を吐出する。
【0021】
下流側インク滴吐出ユニット12は、複数のインクジェットヘッド121〜125を含んで構成され、各インクジェットヘッド121〜125は、K、Y、M及びCの各色毎に印刷媒体6の搬送方向と交差する方向に沿って形成された複数のノズル列が前記搬送方向の上流側から順に形成され、下流側搬送ユニット5の搬送ベルト51〜55それぞれの間の上方に配置されている。
【0022】
そして、下流側インク滴吐出ユニット12は、印刷の実行要求が発生すると、各インクジェットヘッド121〜125から下方、つまり、印刷媒体6上の各搬送ベルト41〜45の間に位置している領域(上流側インク滴吐出ユニット11で印刷が行われなかった残り領域)にインク滴を吐出して、当該残り領域に印刷を行う。
また、下流側インク滴吐出ユニット12は、フラッシングの実行要求があると、搬送ユニット1によって搬送される印刷媒体6が途切れたときに、各インクジェットヘッド121〜125の全ノズルから各搬送ベルト51〜55の間にインク滴を吐出する。
【0023】
回復ユニット3は、複数の上流側回復ユニット131〜135及び複数の下流側回復ユニット141〜146を含んで構成され、各上流側回復ユニット131〜135及び各下流側回復ユニット141〜146は、図5に示すように、キャップ15、インク排出用チューブ16、大気開放チューブ17、チューブポンプ18、及び吸気発生部19を含んで構成される。
【0024】
キャップ15は、キャップ部材20、インク吸収材21、及びキャップホルダ22を含んで構成される。
キャップ部材20は、上流側搬送ユニット4及び下流側搬送ユニット5の各搬送ベルト41〜45、51〜55の間それぞれに配置され、各インクジェットヘッド111〜116、121〜125のノズル面に上面が対向して開放された方形状に形成されている。
【0025】
なお、キャップ部材20の素材としては、ゴム素材等の弾性物質が用いられる。
インク吸収材21は、インクを吸収する多孔質材料であり、キャップ部材20に収容され、キャップ部材20に一体成型された保持体(不図示)によって保持され、インクジェットヘッド111〜116、121〜125のノズルからキャップ部材20に吐出されるインク及びキャップ部材20によってノズルから吸い出されるインクを受けて吸収する。
【0026】
キャップホルダ22は、キャップ部材20の下部を覆って収容・支持する。
インク排出用チューブ16は、上端がキャップ部材20の下底部に連通され、下部が下方向と横方向とに分岐しており、下方向に分岐している端部が第1バルブ23を介してチューブポンプ18の吸い込み口に連通され、横方向に分岐している端部が第2バルブ24を介して吸気発生部19の吸い込み口に連通されている。
そして、インク排出用チューブ16は、第1バルブ23が開放されることで、キャップ部材20とチューブポンプ18の吸い込み口とを連通し、第1バルブ23が閉鎖されることで、キャップ部材20とチューブポンプ18の吸い込み口とを遮断する。
【0027】
また、同様に、インク排出用チューブ16は、第2バルブ24が開放されることで、キャップ部材20内と吸気発生部19の吸い込み口とを連通し、第2バルブ24が閉鎖されることで、キャップ部材20内と吸気発生部19の吸い込み口とを遮断する。
大気開放チューブ17は、上端がキャップ部材20の下底部に連通され、下端が大気開放バルブ25を介して外部に開放されている。
【0028】
そして、インク排出用チューブ16は、大気開放バルブ25が開放されることで、キャップ部材20内と外部とを連通し、キャップ部材20内に大気を流入させ、また、第1バルブ23が閉鎖されることで、キャップ部材20内と外部とを遮断する。
チューブポンプ18は、吸い込み口がインク排出用チューブ16の下方向に分岐している端部に連通され、排出口が廃インクタンク26に連通されている。
【0029】
そして、チューブポンプ18は、第1バルブ23が開放され、キャップ部材20とチューブポンプ18とが連通されているときに、インク排出用チューブ16及びインク吸収材21を介してキャップ部材20内に負圧を発生する。
吸気発生部19は、吸気発生用ファン27を備え、吸い込み口がインク排出用チューブ16の横方向に分岐している端部に連通され、排出口が外部に開放されている。
【0030】
そして、吸気発生部19は、第2バルブ24が開放状態となり、キャップ部材20と吸気発生部19とが連通されているときに、インク排出用チューブ16及びインク吸収材21を介してキャップ部材20内の空気を吸気発生用ファン27で吸引する。
また、吸気発生部19は、吸気発生部19の吸気口に配置され、インクミストを捕集するフィルタ28、吸気発生用ファン27とフィルタ28との間の吸気流路に配置され、吸気発生用ファン27の吸気風量を検出するための風量センサ29、及び風量センサ29の検出結果に基づいて前記吸気風量を検出する検出回路30を含んで構成される。
具体的には、風量センサ29としては、白金測温抵抗体やサーミスタ等、温度変化に対して素子自身の抵抗値が変化する材料を用いる。
【0031】
また、検出回路30では、図6に示すように、定電流回路31によって風量センサ29に定電流を流して風量センサ29自身を発熱させ、風量センサ29に風が当たっていないときの抵抗値を基準とし、風量センサ29に風が当たり、風量センサ29の熱量が奪い取られることで変化した風量センサ29の抵抗値に基づいて風速を計測し、その風速に風量センサ29が配置されている吸気流路の断面積を乗じて吸気風量を算出する。
なお、その際、風量センサ29には、一定電流が流れているため、風量センサ29の抵抗値の変化は電圧変化として検出される。
【0032】
<動作>
次に、本実施形態のインクジェットプリンタの制御部32で実行されるインクミスト捕集処理を図面に基づいて説明する。このインクミスト捕集処理は、図7に示すように、印刷が開始されると実行される処理であって、まず、そのステップS101では、第1バルブ23を閉鎖し、第2バルブ24を開放し、大気開放バルブ25を閉鎖する。
【0033】
次にステップS102に移行して、印刷時に空気中を浮遊するインクミストがキャップ部材20で吸引・捕集されるように吸気発生用ファン27を作動させる。
次にステップS103に移行して、吸気発生用ファン27によってインクミストを吸引できる吸気風量が得られているか否かを判定する。インクミストを吸引できる吸気風量が得られている場合には(Yes)ステップS104に移行し、インクミストを吸引できる吸気風量が得られていない場合には(No)ステップS106に移行する。
【0034】
前記ステップS104では、フラッシングが前回実行されてから所定時間が経過すると、搬送ユニット1によって搬送される印刷媒体6が途切れたときに、インク滴吐出ユニット2にフラッシングの実行要求を出力する。
なお、初期状態にあっては、印刷が開始されてから所定時間が経過したときに、インク滴吐出ユニット2にフラッシングの実行要求を出力する。
【0035】
次にステップS105に移行して、フラッシングが終了したか否かを判定する。フラッシングが終了した場合には(Yes)ステップS107に移行し、フラッシングが終了していない場合には(No)前記ステップS102に移行する。
一方、前記ステップS106では、吸気発生用ファン27によってインクミストを吸引できる吸気風量が得られなくなった回数を示す風量NG回数に「1」を加算してから、前記ステップS107に移行する。
【0036】
なお、初期状態にあっては、風量NG回数は「0」にセットされている。
前記ステップS107では、吸気発生用ファン27を停止する。
前記ステップS108では、第1バルブ23を開放し、第2バルブ24を閉鎖し、大気開放バルブ25を閉鎖する。
前記ステップS109では、風量NG回数が所定閾値以下であるか否かを判定する。所定閾値以下である場合には(Yes)ステップS110に移行し、所定閾値より多い場合には(No)ステップS112に移行する。
【0037】
前記ステップS110では、チューブポンプ18を作動させる。
次にステップS111に移行して、チューブポンプ18が作動開始してから所定時間が経過したか否かを判定する(負圧吸引が終了したか否かを判定する)。負圧吸引が終了した場合には(Yes)ステップS118に移行し、負圧吸引が終了していない場合には(No)前記ステップS110に移行する。
一方、前記ステップS112では、フラッシングを停止する。
【0038】
次にステップS113に移行して、シャッタ33をキャップ部材20の上面に密着させて当該キャプ部材20を密閉する。
次にステップS114に移行して、チューブポンプ18を作動させる。
次にステップS115に移行して、チューブポンプ18によってキャップ部材20内の負圧が所定閾値以上になったか否かを判定する(負圧吸引が終了したか否かを判定する。所望の負圧状態になっている事を判定する。)。負圧吸引が終了した場合には(Yes)ステップS116に移行し、終了していない場合には(No)前記ステップS114に移行する。廃棄できた場合には、再び吸気吸引状態となりフラッシングの実行を許可する。
前記ステップS116では、大気開放バルブ25を開放する。
【0039】
次にステップS117に移行して、密着させていたシャッタ33をキャップ部材20の上面から外し、また、風量NG回数を「0」とした後、前記ステップS118に移行する。
前記ステップS118では、印刷が終了したか否かを判定する。印刷が終了した場合には(Yes)この演算処理を終了し、印刷が終了していない場合には(No)前記ステップS101に移行する。
【0040】
次に、本実施形態のインクジェットプリンタの制御部32で実行されるインク吸引処理を図8のフローチャートに基づいて説明する。このインク吸引処理は、インクジェットヘッド111〜116、121〜125内のインクを新しいインクに入れ替える要求があると実行される処理であって、まず、そのステップS201では、第1バルブ23を開放し、第2バルブ24を閉鎖し、大気開放バルブ25を閉鎖する。
次にステップS202に移行して、キャップ部材20を上方に移動させてノズル面に密着させる。
【0041】
次にステップS203に移行して、チューブポンプ18を作動させる。
次にステップS204に移行して、チューブポンプ18が作動開始してから所定時間が経過したか否かを判定する(負圧吸引が終了したか否かを判定する。所望の負圧状態になっている事を判定する。)。負圧吸引によってヘッド内の気泡や古いインクが新しいインクの充填に伴ってノズルから吸い出される。負圧吸引が終了した場合には(Yes)ステップS205に移行し、負圧吸引が終了していない場合には(No)前記ステップS203に移行する。
前記ステップS205に移行して、大気開放バルブ25を開放する。
【0042】
次にステップS206に移行して、密着させていたキャップ部材20を下方に移動させ、また、ワイピングを実行する。
次にステップS207に移行して、第1バルブ23を閉鎖し、第2バルブ24を開放し、大気開放バルブ25を閉鎖する。
次にステップS208に移行して、吸気発生用ファン27を動作状態とする。
【0043】
次にステップS209に移行して、吸気発生用ファン27によってインクミストを吸引できる吸気風量が得られているか否かを判定する。インクミストを吸引できる吸気風量が得られている場合には(Yes)ステップS210に移行し、インクミストを吸引できる吸気風量が得られていない場合には(No)ステップS214に移行する。
前記ステップS210では、搬送ユニット1によって搬送される印刷媒体6が途切れたときに、インク滴吐出ユニット2にフラッシングの実行要求を出力する。
【0044】
次にステップS211に移行して、フラッシングが終了したか否かを判定する。フラッシングが終了した場合には(Yes)ステップS212に移行し、フラッシングが終了していない場合には(No)前記ステップS210に移行する。
前記ステップS212では、吸気発生用ファン27を停止する。
次にステップS213に移行して、印刷が開始されるまで待機する待機状態となって、この演算処理を終了する。
【0045】
一方、前記ステップS214では、吸気発生用ファン27を停止する。
次にステップS215に移行して、第1バルブ23を開放し、第2バルブ24を閉鎖し、大気開放バルブ25を閉鎖する。
次にステップS216に移行して、シャッタ33をキャップ部材20の上面に密着させて当該キャプ部材20を密閉する。
次にステップS217に移行して、チューブポンプ18を作動させる。
【0046】
次にステップS218に移行して、チューブポンプ18によってキャップ部材20内の負圧が所定閾値以上になったか否かを判定する(負圧吸引が終了したか否かを判定する。所望の負圧状態になっている事を判定する。)。負圧吸引が終了した場合には(Yes)ステップS219に移行し、負圧吸引が終了していない場合には(No)ステップS217に移行する。
前記ステップS219では、大気開放バルブ25を開放する。
次にステップS220に移行して、密着させていたシャッタ33をキャップ部材20の上面から外してから、前記ステップS207に移行する。
【0047】
<具体的動作>
次に、本発明のインクジェットプリンタの動作を具体的状況に基づいて説明する。
まず、印刷が開始されたとする。すると、インクジェットプリンタの制御部32でインクミスト捕集処理が実行され、図7に示すように、まず、そのステップS101で、第1バルブ23が閉鎖され、第2バルブ24が開放され、大気開放バルブ25が閉鎖され、ステップS102で、吸気発生用ファン27が作動され、インク排出用チューブ16及びインク吸収材21を介してキャップ部材20内の空気が吸引されることで、印刷時に空気中を浮遊するインクミストがキャップ部材20で吸引・捕集され、ステップS103の判定が「Yes」となり、ステップS104で、待機状態とされる。
【0048】
そして、印刷が開始されてから所定時間が経過したとする。すると、前記ステップS104で、搬送ユニット1によって搬送される印刷媒体6が途切れたときに、インク滴吐出ユニット2にフラッシングの実行要求が出力され、上流側インク滴吐出ユニット11及び下流側インク滴吐出ユニット12の各インクジェットヘッド111〜114、121〜125のノズルからインク滴が上流側回復ユニット131〜135及び下流側回復ユニット141〜146のキャップ部材20に吐出され、吐出されたインク滴がインク吸収材21によって吸収される。
【0049】
また、ステップS105の判定が「No」となり、上記フローが前記ステップS102から繰り返し実行され、フラッシングが継続されることで、インク吸収材21による吸収インク量が増加して、インク吸収材21の吸気流路がインクで塞がれ、吸気発生用ファン27の吸気風量が徐々に低下する。
そして、インクミストを吸引できる吸気風量が得られなくなったとすると、前記ステップS103の判定が「No」となり、ステップS106で、風量NG回数に「1」が加算され、ステップS107で、吸気発生用ファン27が停止され、ステップS108で、第1バルブ23が開放され、第2バルブ24が閉鎖され、大気開放バルブ25が閉鎖される。
【0050】
また、ステップS109の判定が「Yes」となり、ステップS110で、チューブポンプ18が作動され、インク排出用チューブ16を介してインク吸収材21に吸収されているインクが負圧吸引されて、廃インクタンク26に廃棄され、吸気発生用ファン27の吸気流路が正常に保たれ、吸気発生用ファン27の吸気風量が回復され、インクミストを安定して吸引することができる。
そして、チューブポンプ18が作動開始されてから、所定時間が経過したとする。すると、ステップS111の判定が「Yes」となり、また、印刷が終了していないとすると、ステップS118の判定が「No」となり、前記ステップS101から上記フローが繰り返し実行され、インクミストの吸引やインクの廃棄が繰り返される。
【0051】
上記フローが繰り返されるうち、キャップ部材20の上面が開放されているために、チューブポンプ18による負圧吸引が十分に働かず、インク吸収材21に含まれているインクを廃棄できなくなってしまい、風量NG回数が所定閾値よりも大きくなったとする。すると、前記ステップS109の判定が「No」となり、ステップS112で、フラッシングが停止され、ステップS113で、シャッタ33がキャップ部材20の上面に密着され、ステップS114で、チューブポンプ18が作動される。
【0052】
そして、キャップ部材20内の負圧が所定閾値以上になると、ステップS115の判定が「Yes」となり、ステップS116で、大気開放バルブ25が開放され、大気がキャップ部材20内に引き入れられるとともに、インク吸収材21に吸収されていたインクが一気に廃インクタンク26に廃棄され、吸気発生用ファン27の吸気流路が正常に保たれ、吸気発生用ファン27の吸気風量が回復され、ステップS117で、密着されていたシャッタ33がキャップ部材20の上面から外され、また、風量NG回数を「0」とされ、前記ステップS101から上記フローが繰り返し実行される。
【0053】
一方、上流側インク滴吐出ユニット11及び下流側インク滴吐出ユニット12の各インクジェットヘッド111〜116、121〜125にインクが充填された状態で長期間使用されていなかったときに、印刷が実行される前工程として、各インクジェットヘッド111〜116、121〜125内のインクを新しいインクに入れ替える要求があったとする。すると、インクジェットプリンタの制御部32でインク吸引処理が実行され、図8に示すように、まず、そのステップS201で、第1バルブ23が閉鎖され、第2バルブ24が開放され、大気開放バルブ25が閉鎖され、ステップS202で、キャップ部材20が上方に移動されてノズル面に密着され、ステップS203で、チューブポンプ18が作動され、インク排出用チューブ16及びインク吸収材21を介してキャップ部材20内に負圧が発生され、図9(b)に示すように、各インクジェットヘッド111〜116、121〜125内のインクがノズルから吸い出される(負圧吸引される)。
【0054】
そして、チューブポンプ18が作動開始されてから、所定時間が経過し、キャップ部材20内の負圧が所定閾値以上になったとする。すると、ステップS204の判定が「Yes」となり、ステップS205で、大気開放バルブ25が開放され、大気がキャップ部材20内に引き入れられるとともに、各インクジェットヘッド111〜116、121〜125のノズルから吸い出されたインクが一気に廃インクタンク26に廃棄される。
【0055】
また、ステップS206で、密着させていたキャップ部材20が下方に移動され、また、混色されたインクが付着したノズル面がワイピングされ、ステップS207で、第1バルブ23が閉鎖され、第2バルブ24が開放され、大気開放バルブ25が閉鎖され、ステップS208で、吸気発生用ファン27が作動され、吸気発生用ファン27によってインクミストを吸引できる吸気風量が得られていると、ステップS209の判定が「Yes」となり、ステップS210で、搬送ユニット1によって搬送される印刷媒体6が途切れたときに、インク滴吐出ユニット2にフラッシングの実行要求が出力され、上流側インク滴吐出ユニット11及び下流側インク滴吐出ユニット12の各インクジェットヘッド111〜114、121〜125でフラッシングが行われ、ノズル内の混色されたインクが廃棄される。
【0056】
そして、フラッシングが終了すると、ステップS211の判定が「Yes」となり、ステップS212で、吸気発生用ファン27が停止され、ステップS213で、印刷が開始されるまで待機する待機状態とされる。
一方、インクミストを吸引できる吸気風量が得られていなかったとすると、前記ステップS209の判定が「No」となり、ステップS214で、吸気発生用ファン27が停止され、ステップS215で、第1バルブ23が開放され、第2バルブ24が閉鎖され、大気開放バルブ25が閉鎖され、ステップS216で、シャッタ33がキャップ部材20の上面に密着され、ステップS217で、チューブポンプ18が作動される。
【0057】
そして、キャップ部材20内の負圧が所定閾値以上になると、ステップS218の判定が「Yes」となり、ステップS219で、大気開放バルブ25が開放され、大気がキャップ部材20内に引き入れられるとともに、インク吸収材21に吸収されていたインクが一気に廃インクタンク26に廃棄され、吸気発生用ファン27の吸気流路が正常に保たれ、吸気発生用ファン27の吸気風量が回復され、ステップS220で、密着されていたシャッタ33がキャップ部材20の上面から外され、再び前記ステップS207から上記フローが繰り返し実行され、インクの廃棄が繰り返される。
【0058】
上記フローが繰り返されるうちに、吸気発生用ファン27によってインクミストを吸引できる吸気風量が得られるようになったとする。すると、前記ステップS209の判定が「Yes」となり、前記ステップS210〜S213を経て、フラッシングが行われ、印刷が開始されるまで待機する待機状態とされる。
なお、ノズル内の混色されたインクを廃棄するためのフラッシングによって、インク吸収材21に付着するインクは微量であるため、吸気発生用ファン27によってインクミストの吸引に用いられる吸気風量は殆ど変化しない。
上記実施形態では、図5の風量センサ29が特許請求の範囲に記載の風量検出手段を構成し、以下同様に、図5のチューブポンプ18が負圧発生手段を構成し、図5の第1バルブ23及び第2バルブ24、図2の制御部32が切り替え手段を構成する。
【0059】
<作用・効果>
(1)このように、本実施形態のインクジェットプリンタにあっては、吸気発生用ファン27の吸気風量の検出結果に基づいて、吸気発生用ファン27及びチューブポンプ18を切り替えて作動させるようにした。そのため、例えば、吸気発生用ファン27の吸気流路(インク排出用チューブ16、インク吸収材21)にインクミストが付着し、吸気流路がインクで塞がれ、インクミストを吸引するための吸気風量が低下しているときに、キャップ部材20内に負圧を発生することで、吸気流路を塞いでいるインクを負圧吸引によって除去でき、インクミストをより適切に吸引できる。
【0060】
(2)また、吸気発生用ファン27の吸気流路に配置された風量センサ29で当該吸気流路の吸気風量を検出するようにしたため、吸気流路の吸気風量を容易に検出できる。
(3)さらに、本実施形態では、風量センサ29を用いて吸気発生用ファン27の吸気流路の吸気風量を検出する例を示したが、これに限られるものではない。例えば、図10に示すように、インク吸収材21を挟んで一対の電極34を配置し、それら一対の電極34間の抵抗値を検出回路35で検出し、その検出結果に基づいて吸気発生用ファン27の吸気風量を検出するようにしてもよい。
【0061】
具体的には、検出回路35では、図11に示すように、定電流回路36によって一対の電極34間に定電流を流し、インク吸収材21にインクが付着していないときの一対の電極34間の抵抗値を基準とし、インク吸収材21にインクが付着し、インクの導電性によって変化した一対の電極34間の抵抗値に基づいてインク吸収材21に吸収されているインク量を計測し、そのインク量が吸気流路を塞ぐ程度を推定することで吸気風量を算出する。
【0062】
なお、その際、一対の電極34間には、一定電流が流れているため、電極34間の抵抗値の変化は電圧変化として検出される。
また、インクの導電率は、約0.4〜1.3mS/cmであり、ほぼ導電体である。
さらに、例えば、フラッシング時に吐出したインク滴の数をカウントし、そのカウント結果に基づいてインク吸収材21に吸収されているインク量を算出し、そのインク量が吸気流路を塞ぐ程度を推定することで吸気風量を算出するようにしてもよい。そのようにすれば、吸気風量の検出をより簡単な構成で実現できる。
【0063】
(4)また、例えば、図12に示すように、吸気発生用ファン27を駆動するモータに供給される電流を検出回路37で検出し、その検出結果に基づいて吸気発生用ファン27の吸気風量を検出するようにしてもよい。そのようにすれば、負荷電流は吸気風量に反比例するため、比較的簡単な構成で吸気風量を正確に検出できる。
具体的には、検出回路37で、図13に示すように、インク吸収材21にインクが吸収され、吸気発生用ファン27の吸気流路が塞がれて、吸気発生用ファン27の負荷が増加することで増加した駆動電流に基づいてインク吸収材21に吸収されているインク量を計測し、そのインク量が吸気流路を塞ぐ程度を推定することで吸気風量を算出する。
【0064】
なお、その際、吸気発生用ファン27の駆動電流の変化は、電流センサ(電線を流れる電流の磁界を検知するホール素子、磁界によってコイルに誘電起電圧を発生させるサーチコイル等)、及びシャント抵抗(モータと駆動電源間に挿入された抵抗)による電圧変化として検出される。
また、上流側インク滴吐出ユニット11及び下流側インク滴吐出ユニット12の各インクジェットヘッド111〜116、121〜125をそれぞれ上流側搬送ユニット4及び下流側搬送ユニット5の上方に配置する例を示したが、これに限られるものではない。例えば、図14及び図15に示すように、各インクジェットヘッド111〜116、121〜125をそれぞれ上流側のミニヘッド111’〜116’、121’〜125’と下流側のミニヘッド111”〜116”、121”〜125”とに分割し、上流側のミニヘッド111’〜116’、121’〜125’をそれぞれ上流側搬送ユニット4及び下流側搬送ユニット5の下方に配置し、下流側のミニヘッド111”〜116”、121”〜125”をそれぞれ上流側搬送ユニット4及び下流側搬送ユニット5の上方に配置する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】インクジェットプリンタの概略構成を示す正面図である。
【図2】インクジェットプリンタの内部構成を示すブロック図である。
【図3】搬送ユニットの概略構成を示す平面図である。
【図4】インクジェットヘッドを破断して示す断面図である。
【図5】上流側回復ユニット及び下流側回復ユニットを破断して示す断面図である。
【図6】検出回路の内部構成を示すブロック図である。
【図7】インクミスト捕集処理のフローを示すフローチャートである。
【図8】インク吸収処理のフローを示すフローチャートである。
【図9】インクジェットプリンタの動作を説明するための説明図である。
【図10】上流側回復ユニット及び下流側回復ユニットの変形例を破断して示す断面図である。
【図11】変形例の検出回路の内部構成を示すブロック図である。
【図12】上流側回復ユニット及び下流側回復ユニットの変形例を破断して示す断面図である。
【図13】変形例の検出回路の内部構成を示すブロック図である。
【図14】インクジェットプリンタの変形例の概略構成を示す正面図である。
【図15】搬送ユニットの変形例の概略構成を示す平面図である。
【符号の説明】
【0066】
1は搬送ユニット、2はインク滴吐出ユニット、3は回復ユニット、4は上流側搬送ユニット、5は下流側搬送ユニット、6は印刷媒体、7は上流側従動ローラ、8は駆動ローラ、9はベルトモータ、10は下流側従動ローラ、11は上流側インク滴吐出ユニット、12は下流側インク滴吐出ユニット、13は上流側回復ユニット、14は下流側回復ユニット、15はキャップ、16はインク排出用チューブ、17は大気開放チューブ、18はチューブポンプ、19は吸気発生部、20はキャップ部材、21はインク吸収材、22はキャップホルダ、23は第1バルブ、24は第2バルブ、25は大気開放バルブ、26は廃インクタンク、27は吸気発生用ファン、28はフィルタ、29は風量センサ、30は検出回路、31は定電流回路、33はシャッタ、34は電極、35は検出回路、36は定電流回路、37は検出回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体に液体噴射ヘッドのノズルから液体を吐出して印刷を行う印刷装置であって、
前記液体噴射ヘッドのノズル面に対向して配置され、当該ノズル面に対向する面が開放され、前記液体噴射ヘッドのノズルからの液体を液体吸収材に受けるキャップと、前記キャップ内の空気を吸引する吸気発生用ファンと、前記吸気発生用ファンの吸気風量を検出する風量検出手段と、前記キャップ内に負圧を発生する負圧発生手段と、前記風量検出手段の検出結果に基づいて前記吸気発生用ファン及び前記負圧発生手段を切り替えて作動させる切り替え手段と、を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記風量検出手段は、前記吸気発生用ファンの吸気流路に配置され、当該吸気流路の吸気風量を検出する風量センサであることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記液体吸収材を挟んで配置された一対の電極と、前記一対の電極間の抵抗値を検出する抵抗値検出手段と、を備え、
前記風量検出手段は、前記抵抗値検出手段の検出結果に基づいて前記吸気発生用ファンの吸気風量を検出することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記吸気発生用ファンは、モータで駆動され、
前記モータに供給される電流を検出する電流検出手段を備え、
前記風量検出手段は、前記電流検出手段の検出結果に基づいて前記吸気発生用ファンの吸気風量を検出することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記吸気発生用ファンが作動しているときに、前記風量検出手段で検出された吸気風量が所定閾値以上であるか否かを判定する判定手段を備え、
前記切り替え手段は、前記判定手段によって前記風量検出手段で検出された吸気風量が所定閾値以上であると判定されると、前記吸気発生用ファンが作動している状態を保持すると共に、前記液体噴射ヘッドにフラッシングを実行させ、
前記判定手段によって前記風量検出手段で検出された吸気風量が前記所定閾値より小さいと判定されると、前記吸気発生用ファンを停止させ且つ前記負圧発生手段を作動させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記キャップの開放面に密着して、当該キャップを密閉可能なシャッタを備え、
前記切り替え手段は、前記判定手段によって前記風量検出手段で検出された吸気風量が前記所定閾値より小さいと判定された回数が設定回数以上になると、前記シャッタによって前記キャップを密閉し、且つ、前記負圧発生手段を作動させることを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記キャップは、前記液体噴射ヘッドのノズル面に密着可能であり、
前記切り替え手段は、前記液体噴射ヘッドのノズル面に前記キャップが密着されると、前記負圧発生手段を作動させ、前記液体噴射ヘッドのノズルから液体を吸引し、前記ノズル面から前記キャップが外されると、前記負圧発生手段を停止させ且つ前記吸気発生用ファンを作動させるものであり、
前記判定手段は、前記液体噴射ヘッドのノズルから液体が吸引された後に前記判定を行うこと特徴とする請求項5に記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−246831(P2008−246831A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−90665(P2007−90665)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】