説明

原料ガス発生装置及び成膜装置

【課題】固体原料を加熱して蒸発させて成膜用の原料ガスを得るにあたって、熱による劣化や変質を抑えながら長時間に亘って安定した量の原料ガスを得ること。
【解決手段】固体原料を貯留する粉体貯留部と、この粉体貯留部から供給される固体原料を溶融させて液体原料を得る粉体受け入れ室と、この粉体受け入れ室から取り出した液体材料を気化させることにより原料ガスを得る気化室と、を設けて、気化室では成膜処理に必要な生成量となるように液体材料に大きな熱量を加えて原料ガスを発生させる一方、粉体受け入れ室では固体原料が溶融できる程度の小さな熱量を加えて熱劣化を抑えながら液体原料を得て、この液体原料を粉体受け入れ室から気化室に向かって通流させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体原料を液化させ、その液体を気化させて成膜用の原料ガスを得る原料ガス発生装置及びこの原料ガスを基板に供給して成膜処理を行う成膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばFPD(Flat Panel Display)や携帯電話などの映像表示用デバイスとして、液晶ディスプレイなどと共に、例えば有機EL(Electro Luminescence)材料を用いたディスプレイが知られている。この有機ELディスプレイを製造するにあたり、固体原料である例えば有機物を含む有機EL材料を加熱して蒸発あるいは昇華により原料ガスを発生させ、例えばガラス基板上においてこの原料ガスを凝固させることにより薄膜を成膜する工程がある。
【0003】
蒸発により原料ガスを得て有機EL材料を成膜する場合には、具体的には例えば粉末状の固体原料例えばアルミキノリノール錯体、低分子量アリールアミン誘導体、イリジウム錯体などを原料容器内に収納し、この固体原料を例えば300℃程度に加熱して溶融させて液体原料を得ると共に、原料容器内に例えばアルゴン(Ar)ガスなどのキャリアガスを通流させる。そして、真空雰囲気に保たれた処理容器内の載置台に載置された基板に対して、液体原料の表面から蒸発して生成する原料ガスをキャリアガスと共に処理ガスとして供給する。処理容器内では、基板上にこの原料ガスが吸着し、次いで凝固して薄膜が形成されていく。この場合、原料容器内の加熱温度を高くしすぎると原料の劣化や変質が起こりやすくなり、逆に加熱温度が低すぎると処理ガス中の原料ガスの濃度が低くなって成膜速度が遅くなることから、この原料容器内の加熱温度としては、顕著な原料の劣化などが起こらない範囲においてできるだけ高い温度に設定される。
【0004】
そして、成膜処理が行われる基板間において薄膜の膜厚を揃えるために、例えば処理容器内に供給する処理ガス中の原料ガスの濃度のばらつきを抑えるようにしている。具体的には、液体原料から蒸発する原料ガスの量が一定化するように、この液体原料の加熱温度が上記の温度となるように厳密に温度調整を行っている。
ここで、成膜処理により原料容器内の液体原料の液量が減少した場合には、例えば所定の枚数の基板の成膜処理を行う度に、原料容器内に固体原料を補充する必要がある。この時、原料容器内の液体原料は既述のように加熱されて高温となっており、一方固体原料は例えば常温であり液体原料よりも低温なので、この低温の固体原料を成膜途中に原料容器内に投入すると、液体原料の温度が低下して処理容器内に供給される原料ガスの量が減少してしまうおそれがある。そこで、例えば所定の枚数の基板に対して成膜処理を行う毎に原料容器を大気開放して固体原料の補充を行い、その後成膜処理を再開している。このように、固体原料をバッチ式で補充すると成膜処理が中断するので、スループットを高めるためにはこの固体原料の補充頻度を少なくする必要がある。
【0005】
しかし、固体原料の補充頻度を少なくしようとすると、液体原料の貯留量を多くしておく必要があり、その場合にはこの液体原料が長時間に亘って高い温度に加熱されることになるので、劣化や変質が起こりやすくなる。また、液体原料の貯留量を多くすると、成膜処理を続けるにつれて液体原料の液面レベルが徐々に下降していくので、原料容器内における原料ガスの滞留スペースが大きくなり、そのため発生した原料ガスが当該スペースにおいて例えば下側に偏析してキャリアガスとの混合が良好に行われずに処理容器内に供給される原料ガスの濃度が変化しまうおそれがある。一方、加熱による劣化や変質を抑えるために原料容器内の液量を少なくすると、固体原料の補充頻度が多くなり、スループットが低下してしまう。また、固体原料を補充するために大気開放する機会が多いと、処理容器内に例えば大気中の水分が入り込んでしまうおそれが多くなり、その場合には処理容器内を真空排気して成膜処理を再開するまでに極めて長い時間が必要になってしまう。
【0006】
有機EL膜の需要が増えてきていることから、有機EL材料の成膜処理において熱による原料の劣化や変質を抑えると共に、長時間に亘って安定した量の原料ガスを得ることのできる技術が求められており、また基板が大型化するに従って成膜に要する原料ガスの量も多くなることからこのような技術が特に必要となる。
特許文献1には、エンドレスベルト30上に有機材料の粉体を保持してこの粉体を移動させると共に、このエンドレスベルト30に対向するように保持した基体60の表面にこの有機材料を成膜する技術が記載されているが、このようにエンドレスベルト30上に粉体を保持するとこの粉体の全量を一度に気化させる必要があるため、粉体に加えられる熱量が多くなって熱劣化のおそれが大きくなるし、また粉体の移動速度により成膜量を調整しているので、基体60への原料ガスの供給量(濃度)を一定に保つことが難しい。
【0007】
【特許文献1】特開平10−330920号公報(段落0036、0037、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような背景の下になされたものであり、その目的は固体原料を液化させ、その液体を気化させて成膜用の原料ガスを得るにあたって、劣化や変質を抑えると共に、長時間に亘って安定した量の原料ガスを得ることができる原料ガス発生装置及びこの原料ガス発生装置を用いることにより安定した成膜処理を行うことができる成膜装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の原料ガス発生装置は、
固体原料を液化させ、その液体を気化させて成膜用の原料ガスを得る原料ガス発生装置において、
前記固体原料を液化して得られた液体原料が収容される液体収容部と、
この液体収容部内の第1の領域を前記固体原料の融点の温度となるようにエネルギーを供給する第1のエネルギー供給手段と、
前記液体収容部内における第1の領域から液体移動領域を介して離れた第2の領域を前記第1の領域よりも高い温度となるようにエネルギーを供給する第2のエネルギー供給手段と、
前記液体収容部の第1の領域に固体原料を供給する固体原料供給部と、
前記液体収容部の第2の領域にて液体原料の蒸発により得られた原料ガスを取り出すための取り出し口と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
上記原料ガス発生装置は、
前記液体収容部の液面レベルを検出する液面検出部と、
この液面検出部の検出結果に基づいて前記固体原料供給部における固体原料の供給動作を制御する制御部と、を備えていることが好ましい。
また、この原料ガス発生装置は、前記第1の領域の液体の体積が前記第2の領域の液体の体積よりも大きくなるように構成されていることが好ましい。
前記第1の領域と前記第2の領域とは横方向に離れて設けられ、
前記液体移動領域の天井面は、当該液体移動領域を液体原料で満たすために第2の領域の天井面よりも低く設定されていることが好ましい。この場合には、前記第1の領域の液体の体積が前記第2の領域の液体の体積よりも大きくなるように構成され、前記第1の領域の底面は前記第2の領域の底面よりも低いことが好ましい。
【0011】
本発明の成膜装置は、
固体原料を液化させ、その液体を気化させて得られる成膜用の原料ガスを基板の表面に供給して成膜処理を行う成膜装置において、
上記の原料ガス発生装置と、
基板を載置するための載置台が内部に設けられた処理容器と、
前記原料ガス発生装置の前記気体取り出し口から取り出された原料ガスを前記載置台上の基板の表面に供給するガス供給路と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、固体原料を液化させ、その液体を気化させて成膜用の原料ガスを得るにあたり、固体原料を液化して得られた液体原料が収容される液体収容部を、固体原料が供給される領域(第1の領域)と、液体材料を気化させて原料ガスを得る領域(第2の領域)と、に液体移動領域を介して離間させて、第2の領域では成膜処理に必要な生成量となるように液体材料に大きなエネルギーを供給して原料ガスを発生させる一方、第1の領域では固体原料が溶融できる程度のエネルギーを供給して熱劣化を抑えながら液体原料を得ている。そのため、多数枚の基板の成膜処理に使用する液体材料の全量ではなく、必要な液量だけに対してその都度大きな熱量を加えることができるので、また第2の領域内の液体材料の温度低下を抑えて連続的に第1の領域に固体原料を補充できるので、原料の劣化や変質を抑えながら長時間に亘って一定量の原料ガスを得ることができる。また、この第2の領域において得られた原料ガスにより成膜処理を行うことによって、液体収容部への固体原料の供給のために成膜処理を中断する必要がないので、高いスループットで成膜処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の原料ガス発生装置を適用した成膜装置について、図1を参照して簡単に説明する。この成膜装置は、蒸着により成膜を行うために従来から用いられている蒸着装置であり、図1に示すように、真空雰囲気に保たれた処理容器11と、この処理容器11に搬送口12を介して気密に接続され、大気側と処理容器11との間で基板Gを搬送するアーム1を有するロードロック搬送室13と、を備えている。尚、図1中13aは開口部、11a、13bはゲートバルブである。
【0014】
この処理容器11内の底面には、例えばFPD(Flat Panel Display)用の基板例えば730mm×920mm程度の大きさの角型のガラス基板Gを載置するための載置台をなす例えばベルトコンベアなどの基板搬送機構14が図示しない支持部材により支持されており、この基板搬送機構14は、駆動機構15により基板Gを上記の搬送口12に近接する位置と、この搬送口12に対向する処理容器11の内壁に近接する位置と、の間において水平に搬送できるように構成されている。また、この基板搬送機構14には、搬送口12に近接する位置において当該基板搬送機構14上と搬送口12の側方位置との間で基板Gを昇降させるための図示しない昇降手段が設けられており、この昇降手段とロードロック搬送室13内のアーム1とによって、処理容器11とロードロック搬送室13との間において基板Gの受け渡しが行われることになる。
【0015】
また、処理容器11内には、基板搬送機構14により基板Gが水平方向に搬送される搬送路に対向するように、処理容器11の天壁から垂直に伸びる複数本例えば3本のガス供給路16a〜16cの一端側が基板Gの搬送方向に沿って搬送口12側からこの順番で等間隔に離間して開口しており、このガス供給路16a〜16cの他端側は、処理容器11の天壁を気密に貫通すると共に夫々バルブV1〜V3等を含むガス供給機器を介して後述の原料ガス発生装置(気化装置)20a〜20cに接続されている。これらの原料ガス発生装置20a〜20cは、基板Gに対して例えば互いに種類の異なる多層のこの例では3層の積層膜を成膜するために、各々種類の異なる薄膜を成膜するためのものである。尚、処理容器11内におけるこれらのガス供給路16a〜16cの各々の開口端の間には、各々のガス供給路16a〜16cから供給される各々の処理ガスの混合を抑えるために、例えば板状の隔壁11bなどが設けられている。また、上記のバルブV1〜V3と原料ガス発生装置20a〜20cとの間には、各々バルブが介設された分岐路(図示せず)が接続されており、処理容器11内への処理ガスの供給を停止する時には、バルブV1〜V3が閉じられて分岐路から処理ガスが排出されることになる。
【0016】
処理容器11の底面には、排気口17が開口しており、この排気口17から伸びる排気管18には、圧力調整手段である圧力調整バルブ18aを介して真空ポンプ等を含む真空排気手段19が接続されている。また、後述するように、この圧力調整バルブ18aの上流側(処理容器11側)における排気管18には、分岐管25の一端側が接続されており、この分岐管25の他端側は、更に3本に分岐して、後述するように夫々が圧力調整手段である圧力調整バルブ26a〜26cを介して原料ガス発生装置20a〜20cに接続されている。
【0017】
次に、本発明の原料ガス発生装置20(20a〜20c)について説明する。各々の原料ガス発生装置20a〜20cは、同じ装置構成であるため代表して原料ガス発生装置20aを原料ガス発生装置20として説明する。この原料ガス発生装置20は、図2に示すように、固体原料を供給するための固体原料供給部21と、この固体原料供給部21から供給される固体原料を溶融させて液体原料を得ると共にこの液体原料を蒸発させて原料ガスを得るための液体収容部28と、を備えている。
前記固体原料供給部21は、上記の固体原料として、例えば粉末状の有機EL(Electro Luminescence)材料を成膜するための有機物例えば低分子量アリールアミン誘導体などを例えば常温で貯留する気密な貯留室21aと、この貯留室21aの底部に水平に設けられ、固体原料を定量供給するためのスクリューフィーダー31と、を備えている。この貯留室21aの上面には排気口29が形成されており、この排気口29には、既述の圧力調整バルブ26(26a)から伸びる分岐管25が接続されている。既述の真空排気手段19によりこの排気口29を介してこの貯留室21a内(詳しくは貯留室21a内及び後述の第1の液槽22内の気相)を真空引きすることにより、後述のように第1の液槽22の液面と第2の液槽23の液面とがほとんど同じ高さとなる。原料ガス発生装置20b、20cにおいては、この固体原料として夫々例えばイリジウム錯体、アルミキノリノール錯体が貯留されている。
【0018】
液体収容部28は、固体原料供給部21の下方側に設けられており、第1の領域をなす例えば直方体の第1の液槽22と、この第1の液槽22に対して横方向に離れて設けられた第2の領域をなす直方体形状の第2の液槽23と、これらの第1の液槽22と第2の液槽23とを連通させるための液体移動領域をなす連通路46と、を備えている。連通路46は、第1の液槽22の高さ方向における中段部位でありかつ図3に示すように平面的には第1の液槽22の四隅の1つの角部に寄った位置に連結されており、角型の筒状体を横に寝かせた構造となっている。第1の液槽22は天井面22aを備えており、この天井面22aにおける前記1つの角部に対して対角線方向に対向する角部付近には、固体原料供給路35をなす縦型の角筒部の下端部が気密に接続されている。この固体原料供給路35の上端側は垂直に伸びて既述の固体原料供給部21の側壁に向かって水平にL字型に屈曲すると共に、先端部には既述の固体原料供給部21の送り出し口が、即ち液体収容部28側から見た時の供給口41が形成されている。従って、固体原料供給部21に供給された固体原料は、スクリューフィーダー31により前記送り出し口(供給口41)に送り出され、固体原料供給路35内を落下して第1の液槽22に供給されることになる。
【0019】
この第1の液槽22は、この例では底面が第2の液槽23の底面よりも低くなるように(深くなるように)設置されている。第2の液槽23は、内部において液体原料を加熱して蒸発により原料ガスを発生させるためのものである。また、この第2の液槽23は、内部に貯留されて加熱される液体原料の液量をできるだけ少なくして熱劣化を抑えると共に、蒸発面を広くして蒸発量を多く確保するために、液槽の深さを浅くして且つ表面積を大きくしている。この第2の液槽23の天井面は、この第2の液槽23内にて生成する原料ガスが連通路46に回り込まないように、連通路46の天井面よりも高くなっており、また後述の液面高さ検出器48aにより第1の液槽22内の液体原料の液面レベルを介して当該第2の液槽23内の液体原料の液面レベルを検出できるように、第1の液槽22の天井面よりも低くなっている。尚、固体原料供給部21内を真空排気しており、第1の液槽22の気相部分と第2の液槽23の気相部分とが両方真空雰囲気であることから、両者の間に差圧が存在していてもその大きさは小さく、従って第1の液槽22の液面と第2の液槽23の液面とはほとんど同じレベルになる。
【0020】
第1の液槽22の周囲には、供給口41から供給される固体原料に対して、当該固体原料の熱劣化を抑えながら溶融させるために、この固体原料の融点よりも例えば5℃〜10℃好ましくは5℃高い温度で且つ融点に近い加熱温度例えば280℃〜285℃好ましくは280℃に加熱するための第1のエネルギー供給手段をなす第1のヒーター42が設けられており、このヒーター42には電源43が接続されている。
また、この第1の液槽22には、固体原料の溶融により生成する液体材料の温度を検出するために、例えば熱電対からなる温度検出器44が設けられており、ヒーター42の発熱量は後述の制御部5によりこの温度検出器44の温度検出値に基づいて電源43を介してコントロールされることとなる。
【0021】
また、この連通路46の周囲には、当該連通路46内を通流する液体原料が冷えて凝固しないように、第1の液槽22と同様にヒーター42が設けられている。この連通路46の長さ寸法Lは、第1の液槽22から第2の液槽23に液体原料が供給された時の当該第2の液槽23の温度低下を抑えるために、つまり液体原料が連通路46を通流して第2の液槽23に近づくにつれて所定の温度に安定化するように、また第2の液槽23内の高温の液体材料が拡散により逆流することが抑えられるように設定されている。また、例えば連通路46に対向する第1の液槽22の側壁における当該連通路46の天井面よりも高い部位には、透明材料例えば石英などからなる透明窓48が設けられており、この透明窓48を介して外部の液面検出部をなす液面高さ検出器48aにより第1の液槽22内の液面高さを検出できるように構成されている。
【0022】
この液面高さ検出器48aは、例えば複数の高さ位置に対応してレーザー光の発受光部が配列され、各レーザー光の反射光に基づいていずれの反射光が液体を反射しているかを把握して、結果として液面レベルの高さ位置を検出できるように構成されている。この液面高さ検出器48aにより検出した液面レベルが予め設定した設定レベルを下回った場合には、後述の制御部5により固体原料供給部21に例えば一定時間供給動作をするように、即ちスクリューフィーダー31を回転させて第1の液槽22内に所定の量の固体原料を投入するように制御信号を出力する。前記液面レベルの高さ位置に基づいて固体原料の供給制御を行う手法は、下限の液面レベルを検出した後、予め設定した上限液面レベルを検出するまで供給動作を行う手法であっても良い。また、この液面高さ検出器48aとしては、このような光学的方法以外にも、例えば電気的に液面高さを検出する液面検出計例えばリミットスイッチなどであっても良い。
【0023】
第2の液槽23の周囲には、当該第2の液槽23内の液体原料を既述の第1の液槽22内の液体原料よりも高い温度例えば300℃〜350℃好ましくは320℃に加熱するために、第2のエネルギー供給手段をなす第2のヒーター53が設けられており、このヒーター53には電源54が接続されている。従って、この第2の液槽23の液体原料の加熱温度と、既述の第1の液槽22の液体原料の加熱温度と、の間における加熱温度差は、20℃〜65℃程度となる。
また、この第2の液槽23には、例えば熱電対などの温度検出器56が設けられており、ヒーター53の発熱量(液体材料の加熱温度)は、後述の制御部5により温度検出器56の温度検出値に基づいて電源54を介してコントロールされ、例えば上記の加熱温度±0.05℃程度に調整されることになる。
【0024】
第2の液槽23の天井面には、キャリアガス供給口51と、気体取り出し口52と、が形成されており、このキャリアガス供給口51から液体原料の液面と第2の液槽23の天井面との間の領域に対してキャリアガス例えばアルゴン(Ar)ガスを通流させて、このキャリアガスと液体原料の液面から蒸発して生成した原料ガスとを処理ガスとして気体取り出し口52から既述の成膜装置に供給するように構成されている。このキャリアガス供給口51から伸びるキャリアガス供給路55には、バルブや流量調整部を介してキャリアガス供給源(いずれも図示せず)が接続されており、気体取り出し口52には、既述のガス供給路16(16a〜16c)が接続されている。このガス供給路16の周囲には、図示しないヒーターが設けられており、当該ガス供給路16内を通流する処理ガス中の原料ガスが凝固しないように処理ガスを例えば300℃程度に加熱できるように構成されている。
【0025】
この成膜装置には、図1及び図2に示すように、既述の制御部5が設けられており、この制御部5は、例えばCPU、メモリ、作業用のワークメモリ(いずれも図示せず)及びプログラム9などを備えたコンピュータとして構成されている。このメモリには、例えば原料ガス発生装置20a〜20c毎に液体原料の加熱温度(電源43、54の出力値)やキャリアガスの流量、また基板搬送機構14による基板Gの搬送速度などが記憶されている。また、プログラム9は、このメモリからレシピを読み出して、各原料ガス発生装置20a〜20c毎に、温度検出器44、56によって検出された第1の液槽22及び第2の液槽23の液体原料の温度検出値に基づいて、電源43、54からヒーター42、53に供給する各々の電力値を調整したり、液面高さ検出器48aによる液体原料の液面レベルの検出結果に基づいて、第1の液槽22への固体原料の給断(スクリューフィーダー31の回転及び停止)を行ったりすることにより、基板Gに対して後述の成膜処理を行うために成膜装置の各部に制御信号を出力するように命令が組み込まれている。このプログラム9は、記憶媒体例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスク、メモリーカード等の記憶部10に格納され、この記憶部10からコンピュータにインストールされる。
【0026】
次に、上記の成膜装置の作用について、図4及び図5を参照して説明する。初めに、原料ガス発生装置20において原料ガスが生成する様子について、既に固体原料が投入されて原料ガスが生成している状態を例に挙げて説明する。固体原料供給部21には予め所定の量の固体原料が貯留されており、第1の液槽22内では、図4に示すように、この固体原料供給部21から投入された固体原料が溶融して液体原料が生成している。この第1の液槽22内では、既述のように固体原料が当該固体原料の融点以上で且つこの融点に近い温度となるように穏やかに加熱されているので、劣化や変質の起こりやすい温度よりも低い温度となっており、従って固体原料の劣化や変質が抑えられている。また、このように第1の液槽22における加熱温度が低いので、当該第1の液槽22内で原料ガスが生成したとしてもその生成量は僅かであり、また固体原料供給部21に向かって上昇するに従って例えば固体原料供給路35の内壁に冷やされて凝固するので固体原料供給部21に到達する量は僅かである。
【0027】
この第1の液槽22内では、既述のように液体原料の液面高さが連通路46の天井面よりも高くなっているので、この第1の液槽22内において溶融した液体原料は、連通路46内において床面から天井面まで満たされた状態で、第2の液槽23で蒸発した量に応じて当該第2の液槽23に向かって流れていくこととなる。第2の液槽23内では、既述のように第1の液槽22よりも高い加熱温度に液体原料が加熱されているので、連通路46内の液体原料は、当該第2の液槽23に近づくにつれて強く加熱されることになる。そのため、連通路46において、この第2の液槽23の近傍領域では、あるいは第1の液槽22から第2の液槽23に亘って、徐々に温度が高くなる温度勾配が形成されていると言える。
【0028】
第2の液槽23内では、加熱により液体原料が盛んに蒸発し、生成した原料ガスが液体原料の液面と第2の液槽23の天井面との間の領域に滞留し、キャリアガス供給口51から所定の流量で供給されたキャリアガスと共に処理ガスとして気体取り出し口52から処理容器11に向かって通流していく。この時、連通路46内には既述のように液体原料により上下に亘って液体原料が常時満たされているので、蒸発領域の面積即ち原料ガスの発生面積が一定化され、また第2の液槽23の液体原料が既述のように温度調整されているので、原料ガスの発生量が安定化する。尚、基板Gに対して成膜処理を行っていない時例えば処理容器11に対して基板Gの搬入出を行う時などは、例えばバルブVを閉じてガス供給路16に介設された図示しない分岐路から処理ガスが例えば系外に排出される。
【0029】
ここで、第2の液槽23内の液体原料の液面と第1の液槽22内の液体原料の液面とが実質同じ高さレベルになっているので、第2の液槽23の液面レベルは、液面高さ検出器48aにより検出されることとなる。そして、液体原料の液面レベルが例えば下限設定レベルよりも低くなると、図5に示すように、一定時間だけあるいは液面レベルが上限レベルに達するまでスクリューフィーダー31を回転させて、所定の量あるいは液体原料の液面がレーザー光の照射高さを超えるまで、固体原料供給部21から固体原料を第1の液槽22内に投入する。この時、常温の固体原料の投入により第1の液槽22の液体原料の温度が僅かに下降するが、既述のように連通路46の長さ寸法Lを長く取っているので、第2の液槽23に液体原料が到達する時には第2の液槽23内の液体原料と同程度の温度に昇温して、第2の液槽23内の液体原料の温度の低下が抑えられることになる。
【0030】
このように原料ガスの供給中であっても固体原料を投入しているので、原料ガスの滞留するスペースが成膜中あるいは成膜を行う複数枚の基板G間において大きく減少しない。従って、例えば当該スペースにおける原料ガスの偏析が抑えられるため原料ガスと第2の液槽23内に供給されるキャリアガスとが均一に混合され、このため処理ガスとして処理容器11に向かって供給される原料ガスの量(処理ガス中の原料ガスの濃度)は、複数枚の基板Gの成膜を行っている長時間に亘ってほぼ一定に保たれることになる。
【0031】
次に、この原料ガスを用いて基板Gに対して成膜処理を行う例について説明する。先ず、成膜装置の外部からロードロック搬送室13内に基板Gを搬入し、図示しない真空ポンプによりこのロードロック搬送室13内を真空引きして所定の真空度に調整した後、ゲートバルブ11aを開放して真空排気手段19により所定の真空度に保たれた処理容器11内の基板搬送機構14上に基板Gを載置する。次いで、バルブV1〜V3を開放して、ガス供給路16a〜16cの夫々からキャリアガスと共に所定の濃度の原料ガス例えば夫々低分子量アリールアミン誘導体、イリジウム錯体及びアルミキノリノール錯体を処理ガスとしてガス供給路16a〜16cを介して処理容器11内に供給すると共に、処理容器11内を所定の真空度に調整する。そして、基板搬送機構14により基板Gを左側に向けて所定の搬送速度で搬送する。基板Gに対して供給された原料ガスは、基板G上に吸着すると共に凝固して薄膜となっていく。そのため、基板搬送機構14により基板Gがガス供給路16a〜16cの下方側の各処理領域を右側から左側に通過するに従って、夫々のガス供給路16a〜16cから供給される例えば互いに種類の異なる原料ガスが順番に凝固して薄膜となり、基板G上に3層の積層膜が形成される。
【0032】
その後、バルブV1〜V3を閉じて図示しない分岐路側に処理ガスを通流させると共に処理容器11内を真空排気して処理ガスを排出し、搬入した順序と逆の順序で基板Gを成膜装置から搬出する。次いで、後続の成膜前の基板Gを処理容器11内に搬入してバルブV1〜V3を開放して同様に成膜処理を行い、順次複数枚の基板Gに対して成膜処理を行う。そして、第1の液槽22(第2の液槽23)内の液体原料の液面が下降した場合には、既述のように固体原料が第1の液槽22内に投入され、液体原料が第2の液槽23に向かって補充されることになる。こうして複数枚の基板Gに対して、固体原料の投入のために中断することなく連続して成膜処理が行われていくことになる。
【0033】
上述の実施の形態によれば、固体原料を蒸発させて成膜用の原料ガスを得るにあたり、固体原料を貯留する固体原料供給部21と、この固体原料供給部21から供給される固体原料を溶融させて液体原料を得る第1の液槽22と、この第1の液槽22から通流する液体材料を蒸発させることにより原料ガスを得る第2の液槽23と、を設けている。そして、第2の液槽23では成膜処理に必要な生成量となるように液体材料を高い温度に加熱して原料ガスを発生させる一方、第1の液槽22では固体原料が溶融できる程度の低い温度に加熱して熱劣化を抑えながら液体原料を得て、この液体原料を第1の液槽22から第2の液槽23に向かって通流させている。そのため、多数枚の基板Gの成膜処理に使用する液体材料の全量ではなく、必要な液量だけに対してその都度大きな熱量を加えることができるので、また第2の液槽23内の液体材料の温度低下を抑えて連続的に第1の液槽22に固体原料を補充できるので、原料の劣化や変質を抑えながら長時間に亘って一定量の原料ガスを得ることができる。また、複数枚の基板Gに対して成膜処理を行っている間に亘って、第2の液槽23内において原料ガスが滞留するスペース(液体原料の液面と第2の液槽23の天井面との間の領域)の変化を抑えているので、例えば原料ガスがキャリアガスと均一に混合し、更に原料ガスの供給量を一定化することができる。このように第2の液槽23内に液体原料を供給するにあたって、連通路46の長さ寸法Lを既述のように長く取っているので、連通路46を通流するに従って液体原料の温度が安定すると共に第2の液槽23内の液体原料と同程度の温度に昇温していくため、当該第2の液槽23内の液体原料の温度低下を抑えることができる。
【0034】
また、長時間に亘って一定量の原料ガスを得るにあたって、第2の液槽23内の液体原料の温度を調整する必要があるが、第1の液槽22ではこの第2の液槽23よりも大まかな温度調整で済むので、例えば成膜を行う多数枚の基板Gに使用する液体原料の全量を第2の液槽23と同様に温度調整する場合よりも温度調整を容易に行うことができる。更に、第2の液槽23に液体原料を供給するにあたって、既述のように、第2の液槽23からの液体原料の蒸発により、あるいは第1の液槽22への固体原料の投入により、液体原料が第1の液槽22から第2の液槽23に向かって自然に通流するようにしているので、連通路46に液体原料の給断や流量調整のための高温に耐える高価なバルブなどの部材を設けなくて済むので、装置構成を簡略化して安価にこの成膜装置を得ることができる。
【0035】
また、この第2の液槽23から搬出した原料ガスにより成膜処理を行うことによって、第2の液槽23への固体原料の供給のために成膜処理を中断する必要がないので、高いスループットで成膜処理を行うことができる。また、一定量の原料ガスを長時間に亘って安定して得ることができることから、成膜処理を行う複数枚の基板G間において薄膜の膜厚を揃えることができる。従って、例えば3000mm×3320mm程度までに基板Gが大型化して、成膜に必要な原料ガスの量が多くなっても、連続して安定した成膜処理を行うことができる。
【0036】
上記の例では、複数の原料ガス発生装置20a〜20cを設けて互いに異なる種類の薄膜を成膜したが、各々同じ種類の薄膜を形成するようにしても良いし、あるいは1基の原料ガス発生装置20だけを設けても良い。この場合には、処理容器11内に一度に複数枚の基板Gを搬入し、これらの複数枚の基板Gに対して同時に成膜処理を行うようにしても良い。
【0037】
上記の原料ガス発生装置20としては、水平に伸びる連通路46を介して第1の液槽22と第2の液槽23とを離間させたが、この連通路46を垂直に形成するようにしても良い。この場合には、図6に示すように、例えば円筒形状の真空容器71を設置して、この真空容器71内に第1の液槽22と第2の液槽23とを配置しても良い。具体的には、この真空容器71内の概略中央位置に当該真空容器71の天井面と床面に近接する位置との間で垂直に伸びる垂直壁72を設けて、この垂直壁72により真空容器71内を左右に区画することによりその一方(左側)に第1の液槽22を形成し、他方(右側)に第2の液槽23を形成する。そして、第2の液槽23において、垂直壁72に近接する位置から当該第2の液槽23の側壁までに亘って、床面を例えばこの真空容器71内に貯留される液面に近接する位置まで高く形成する。こうして第2の液槽23と垂直壁72との間に連通路46が形成される。
このような原料ガス発生装置20においても、上記の例と同様に原料ガスが発生し、同様に成膜処理が行われて同様の効果が得られる。尚、この図6において図2と同じ構成の部位については同じ符号を付して説明を省略する。
【0038】
また、このように連通路46を垂直に形成するにあたり、図7に示すように、第1の液槽22を水平方向に長く形成すると共にこの第1の液槽22の上方に例えば断熱材81を介して第2の液槽23を配置し、第2の液槽23から下方に向けて連通路46を形成しても良い。この例においても、同様に原料ガスの発生及び成膜処理が行われ、同様の効果が得られる。尚、この図7において、82は固体原料を融点以上で融点に近い温度に加熱するためのヒーターであり、液面レベルの検出は固体原料供給路35において行われる。また、この図7において、図2と同じ構成の部位については同じ符号を付して説明を省略する。
【0039】
更に、上記の例においては第2の液槽23内にキャリアガスを供給して、原料ガスと共に処理ガスとして処理容器11に供給したが、例えばキャリアガスを供給せずに、蒸発により生成した原料ガスを真空排気手段19の吸引により処理容器11内に取り込むようにしても良い。この場合には、例えば図8に示すようにガス供給路16にキャリアガス供給路91を介設し、このキャリアガス供給路91から供給されるキャリアガスと共に原料ガスを処理ガスとして処理容器11に供給しても良い。尚、この図8において92はバルブである。
【0040】
尚、連通路46には第1の液槽22と同じヒーター42を設けたが、このヒーター42とは別のヒーターを設けて、ヒーター42、53とは別個に温度調整しても良い。この場合には、この連通路46では液体原料は、例えば第1の液槽22における液体原料の加熱温度と第2の液槽23における液体原料の加熱温度との間の温度に加熱されることになる。また、この連通路46では、ヒーターを長さ方向に多段に構成して、第2の液槽23に近づくにつれて徐々に昇温するように、液体原料の温度を細かく調整しても良い。更に、第1の液槽22に固体原料を投入する装置(粉体供給部)としては、既述のスクリューフィーダー31以外にも、例えば超音波振動により供給する装置などであっても良い。また、固体原料としては、粉末以外にも、例えばフレーク状であっても良いし、粒状であっても良い。
【0041】
また、FPD用の基板G以外にも、例えばロール上のプラスチックフィルムに対して成膜処理を行う場合に本発明を適用しても良い。更に、上記の例においては、第1のエネルギー供給手段及び第2のエネルギー供給として夫々ヒーター42、53を用いたが、これらのエネルギー供給手段としてはプラズマによりエネルギーを供給する手段やレーザーによりエネルギーを供給する手段であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の成膜装置の一例を示す縦断面図である。
【図2】上記の成膜装置における原料ガス発生装置の一例を示す全体構成図である。
【図3】上記の原料ガス発生装置を示す平面図である
【図4】上記の原料ガス発生装置の作用を示す模式図である。
【図5】上記の原料ガス発生装置の作用を示す模式図である。
【図6】上記の成膜装置の他の例を示す概略図である。
【図7】上記の成膜装置の他の例を示す概略図である。
【図8】上記の成膜装置の他の例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0043】
G 基板
11 処理容器
16 ガス供給路
20 原料ガス発生装置
21 固体原料供給部
22 第1の液槽
23 第2の液槽
46 連通路
51 キャリアガス供給口
52 気体取り出し口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体原料を液化させ、その液体を気化させて成膜用の原料ガスを得る原料ガス発生装置において、
前記固体原料を液化して得られた液体原料が収容される液体収容部と、
この液体収容部内の第1の領域を前記固体原料の融点の温度となるようにエネルギーを供給する第1のエネルギー供給手段と、
前記液体収容部内における第1の領域から液体移動領域を介して離れた第2の領域を前記第1の領域よりも高い温度となるようにエネルギーを供給する第2のエネルギー供給手段と、
前記液体収容部の第1の領域に固体原料を供給する固体原料供給部と、
前記液体収容部の第2の領域にて液体原料の蒸発により得られた原料ガスを取り出すための取り出し口と、を備えたことを特徴とする原料ガス発生装置。
【請求項2】
前記液体収容部の液面レベルを検出する液面検出部と、
この液面検出部の検出結果に基づいて前記固体原料供給部における固体原料の供給動作を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の原料ガス発生装置。
【請求項3】
前記第1の領域の液体の体積が前記第2の領域の液体の体積よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の原料ガス発生装置。
【請求項4】
前記第1の領域と前記第2の領域とは横方向に離れて設けられ、
前記液体移動領域の天井面は、当該液体移動領域を液体原料で満たすために第2の領域の天井面よりも低く設定されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の原料ガス発生装置。
【請求項5】
前記第1の領域の液体の体積が前記第2の領域の液体の体積よりも大きくなるように構成され、前記第1の領域の底面は前記第2の領域の底面よりも低いことを特徴とする請求項4に記載の原料ガス発生装置。
【請求項6】
固体原料を液化させ、その液体を気化させて得られる原料ガスを基板の表面に供給して成膜処理を行う成膜装置において、
請求項1ないし5のいずれか一つに記載の原料ガス発生装置と、
基板を載置するための載置台が内部に設けられた処理容器と、
前記原料ガス発生装置の前記気体取り出し口から取り出された原料ガスを前記載置台上の基板の表面に供給するガス供給路と、を備えたことを特徴とする成膜装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−144221(P2010−144221A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322852(P2008−322852)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】