説明

反転磁界システムでの金属不感受性

【課題】目標物の追跡方法および追跡システムを提供する。
【解決手段】目標物を追跡する方法は、位置を示す磁界を送信するための送信器を目標物に固定する過程と、目標物によって引き起こされた位置を示す磁界のひずみのマップを提供する過程と、を含む。目標物から送信された歪んだ磁界が検出される。歪んだ磁界は、目標物によって引き起こされた歪にさらされた位置を示す磁界を含んでいる。検出された歪んだ磁界に基づく目標物の推定された座標が、求められる。推定された座標およびマップが、補正された座標を計算するために用いられる。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、大まかに言って、磁界を用いた目標物の位置の検出に関し、より詳しく言うと、医療手技中の磁気反応性の目標物の追跡に関する。
【0002】
〔背景技術〕
磁界の検出は、医療手技に伴う目標物の座標を追跡するための十分に確立された方法になってきた。追跡される目標物に固定された位置センサーは、外部で生み出された磁界の相対的な強さを測定するために、典型的には、用いられる。その場合、このような磁界の測定は、目標物の座標を導き出すために用いられる。このような方式で動作するシステムが、例えば、ベン−ハイム(Ben-Haim)に付与された米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、および、同第6,788,967号、ベン−ハイムらに付与された米国特許第6,690,963号、エイカーら(Acker et al.)に付与された米国特許第5,558,091号、および、ゴバリ(Govari)に付与された米国特許第6,177,792号、に記載されていて、これら特許の開示内容は参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0003】
磁気的な追跡のための別のシステムでは、追跡される目標物が、磁界を放射し、その磁界が外部の受信機によって検出される。例えば、ベッツら(Besz et al.)に付与された米国特許第5,099,845号は、その開示内容が参照することによって本明細書に組み込まれ、位置決定装置を記載していて、その位置決定装置は、目標物(患者の体など)内に挿入されるべきその装置の一部を形成する放射要素を有する。その放射要素が信号を放射して、その信号が少なくとも一つの受信要素によって検出される。受信された信号のエネルギーのレベルが、放射要素が受信要素から離れている距離を測定するために用いられ、その距離が、次に、目標物内での装置の位置を確認するために操作者に示される。
【0004】
ポルヴァニー(Polvani)に付与された米国特許第5,762,064号は、その開示内容が参照することによって本明細書に組み込まれ、体内の磁気プローブの位置を求めるための医療用磁気的位置決めシステムおよび方法を記載している。間隔をあけられた少なくとも2つの磁力計が、体内のプローブの望ましい位置の近くの体の外側部分の表面の領域に固定される。プローブの3次元磁界が、磁力計のところで検出され、プローブの位置が、検出された3次元磁界の位置に基づいて求められる。
【0005】
エイカーらに付与された米国特許第6,453,190号は、その開示内容が参照することによって本明細書に組み込まれ、磁界の検出または生成のどちらでもできる磁界送信器が、器具の特徴部に対して任意の位置で器具に固定された、システムを記載している。器具の特徴部と磁界との間の関係が、器具の特徴部の位置が磁界に基づいて求められるように、較正される。
【0006】
正確な磁界位置検出は、金属製の器具のような磁気反応性の物体が磁界の空間に入ると、妨害される。金属製の物体中に誘起される渦電流が、寄生磁界(parasitic fields)を生み出し、その寄生磁界が位置測定に誤差を生み出すことがある。これらの誤差を補正または回避するための方法が、従来技術によって示唆されてきた。例えば、ブラッド(Blood)に付与された米国特許第4,849,692号、および、同第4,945,305号は、その開示内容が参照することによって本明細書に組み込まれ、パルス状のDC磁界を用いて、渦電流の問題を克服している、追跡システムを記載している。DC磁界を検出できるセンサーがそのシステムで用いられていて、渦電流はその減衰特性および大きさを用いて検出される。
【0007】
デュムーリン(Dumoulin)に付与された米国特許第6,201,987号は、その開示内容が参照することによって本明細書に組み込まれ、交流磁界発生器を用いて渦電流を補償するシステムを提供している。第1のシステムでは、渦電流の補償は、渦電流のないシステムを最初に較正し、次に、渦電流が検出されたときに生み出される磁界を修正することによって、行われる。第2のシステムでは、渦電流は、交流磁界発生器の近くに配置された一つ以上の遮蔽コイルを用いて、打ち消される。
【0008】
ハンセンら(Hansen et al.)に付与された米国特許第5,767,669号は、その開示内容が参照することによって本明細書に組み込まれ、位置測定での渦電流歪を検出する方法を記載している。その方法は、位置検出のためにパルス状の磁界を用いている。検出された磁界の変化率が、渦電流を検出するために測定されている。渦電流歪の補償は、磁界パルスの持続時間を調節することによって行われる。
【0009】
ゴバリ(Govari)に付与された米国特許第6,373,240号は、その開示内容が参照することによって本明細書に組み込まれ、寄生磁界を検出する方法を提供している。信号を駆動することによって生み出される寄生磁界は、信号に対して位相がシフトしている。コンピュータプロセスは、ある範囲の周波数に亘って駆動信号を生み出す。各周波数で、位相シフトが、駆動信号および寄生磁界を含む組み合わされた位置信号で測定される。コンピュータプロセスが、最小の位相シフトを生み出す周波数を求め、したがって、寄生磁界の最小の影響を求める。この周波数が、目標物の位置を計算するのに用いられる。それに代わって、組み合わされた信号の測定が、複数の周波数で行われる。得られた値は、方程式中の未知数の一つとして位置信号を含む複数の連立方程式を解くために用いられる。
【0010】
アッシュ(Ashe)に付与された米国特許第6,172,499号は、その開示内容が参照することによって本明細書に組み込まれ、受信アンテナの位置および姿勢を測定する方法を提供している。互いの位置および姿勢が既知の2つ以上の送信アンテナが、AC励振によって駆動される。受信アンテナが、送信されたAC磁界および金属製の物体によって引き起こされた歪を測定する。信号処理手段が、渦電流歪によって引き起こされた位置の誤差を実質的に打ち消すために、磁界の位相分離された成分の相対的な値を確かめるために用いられる。
【0011】
ゴバリによる米国特許公開2004/0254453、および同2004/0239314は、その開示内容が参照することによって本明細書に組み込まれ、寄生磁界の調和周波数の検出を含む位置検出方法を提供している。磁気反応性要素によって生み出された寄生磁界が、その要素を示す調和周波数のパターンによって検出される。検出された周波数のパターンは、プローブによって受信された位置信号から取り除かれ、その結果のクリーンな信号がプローブの位置を計算するのに用いられる。
【0012】
ゴバリによる米国特許公開2004/0102696は、その開示内容が参照することによって本明細書に組み込まれ、寄生磁界を補償するための別の方法を提供している。プローブの近くの既知の位置に配置された基準要素が、測定された基準位置を示す位置信号を受信する。測定された基準位置は、寄生磁界の妨害を原因として既知の基準位置とは異なっている。測定された位置と既知の位置との間の差が、補正因子を提供し、その補正因子がプローブの測定された位置を補正するのに用いられる。
【0013】
現在利用可能な磁気ベースの位置検出システムには、バイオセンス・ウェブスター(アメリカ合衆国カリフォルニア州ダイアモンド・バー:Diamond Bar, CA)によって製造された、CARTO(商標)EPナビゲーションおよびアブレーションシステム(CARTOTM EP Navigation and Ablation System)、および、LASSO(商標)円形マッピングカテーテル(LASSOTM Circular Mapping Catheter)、などがある。
【0014】
〔発明の概要〕
本発明の実施の形態では、金属製器具のような磁気反応性の目標物が、医療手技の間に追跡される。追跡は、追跡される目標物に小型の磁界送信器を固定することによって実行される。送信器は、位置を示す磁界を放射し、その磁界が患者の体の近くにある磁界センサーによって検出される。
【0015】
送信器によって生み出された磁界は、追跡される目標物内に渦電流を誘起する。渦電流は、次に、寄生磁界を生み出し、その寄生磁界が位置を示す磁界をゆがめる。しかし、送信器は追跡される目標物に固定されているので、この寄生磁界の物理的特性(大きさおよび向き)は、目標物に関して一定であり、事前にマッピングできる。したがって、追跡される目標物の真の位置は、事前に較正された寄生磁界マップに基づく寄生磁界の推定値を、検出された歪んだ磁界から減算することによって、求められる。
【0016】
典型的には、目標物に固定された送信器は小型で、送信器が生み出す位置を示す磁界は、比較的弱く、送信器から離れるにしたがって急激に減少する。したがって、この磁界は、手技の間に存在し得るその他の磁界反応性の物体中に最小の渦電流のみを誘起する。その結果、例えば、その他の器具が、追跡システムの正確さに影響を及ぼさずに、医療手技の近傍に導入されることもある。一つ以上の追加の目標物が、システムの正確さに影響を及ぼさずに、同時に追跡されてもよい。
【0017】
本発明のいくつかの実施の形態では、寄生磁界のマップが、医療手技の前に実行される較正プロセスで測定される。較正プロセスは、3つの過程、すなわち、送信器が器具に固定されずに動作しているときに送信器によって生み出された、歪んでいない磁界を測定する、第1の過程と、送信器を器具に固定し、歪んでいない磁界と器具に起因する寄生磁界との組み合わせを含む歪んだ磁界を測定する、第2の過程と、第1の過程で測定された、歪んでいない磁界を、第2の過程で測定された、歪んだ磁界から、減算することによって、寄生磁界のマップを導き出す過程と、を含む。
【0018】
較正の後に、寄生磁界マップは、歪んだ磁界を処理する制御ユニットに、または、送信器内に含まれるマイクロコントローラに、記憶されてよい。
【0019】
較正に続いて、器具の真の位置を求める反復手順は、受信された磁界に基づいて器具の最初の位置を推定する、第1の過程と、推定された位置から、および、寄生磁界のマップから、受信された磁界に含まれる歪の推定値を導き出す、第2の過程と、磁界のより歪の少ない表現を導き出すために、歪の推定値を受信された磁界から取り除く、第3の過程と、導かれた磁界の表現から器具の位置の新たな推定値を導き出す、第4の過程と、を含む。新たな位置の推定値が、次に、歪の推定値を改善するために用いられてよく、一連の位置の推定値の差異が、予め決められた閾値より小さくなるまで、上記のプロセスが反復されてよい。
【0020】
したがって、本発明のある実施の形態に基づけば、目標物の追跡方法が提供され、その方法は、
目標物を、位置を示す磁界を送信するための送信器に、固定する過程と、
目標物の基準フレームを基準とする、物体によって引き起こされた位置を示す磁界の歪のマップ、を提供する過程と、
物体から送信された歪んだ磁界を検出する過程であって、歪んだ磁界が、目標物によって引き起こされた歪にさらされた、位置を示す磁界を含む、物体から送信された歪んだ磁界を検出する過程と、
検出された歪んだ磁界に基づいて、目標物の推定された座標を求める過程と、
推定された座標に、および、マップに、応答して、目標物の補正された座標を計算する過程と、
を具備する。
【0021】
典型的には、補正された座標を計算する過程は、推定された座標を補正された座標で置き換えることと、正確な値の補正された座標を求めるために反復計算を実行することと、を含む。
【0022】
いくつかの実施の形態では、歪のマップを提供する過程は、目標物に関連した歪をマッピングするために、較正手順を適用すること、を含む。典型的には、その較正手順は、
目標物をジグ上に配置して、歪んだ磁界を測定する過程と、
目標物なしで、ジグに送信器を配置して、歪んでいない磁界を測定する過程と、
歪んだ磁界を、歪んでいない磁界から、減算して、歪のマップを導き出す過程と、
を具備している。
【0023】
いくつかの実施の形態では、歪のマップを提供する過程は、所与の空間的座標での歪を表現したデータ点の表を提供することを含む。
【0024】
それに代わって、歪のマップを提供する過程は、歪を記述した数学的モデルの変数の表を提供することを含む。
【0025】
典型的には、歪んだ磁界を検出する過程は、磁界の大きさおよび向きを測定して、目標物の位置および姿勢座標を求めることを含む。
【0026】
いくつかの実施の形態では、上記方法は、目標物の位置を表示する画像出力を生み出すことを含む。
【0027】
典型的には、目標物は、患者の体内に挿入するように構成されていて、補正された座標を計算する過程は、体内での目標物を追跡することを含む、
【0028】
目標物の追跡装置がさらに提供され、その装置は、
目標物に固定されるように構成された送信器であって、前記送信器が、
位置を示す磁界を送信するように動作する送信アンテナ、および、
送信アンテナを駆動するように構成されたマイクロコントローラ、
を含む、送信器と、
目標物によって引き起こされた歪にさらされた、位置を示す磁界を含む、歪んだ磁界を検出するように構成された磁界センサーと、
検出された歪んだ磁界に基づいて目標物の座標を推定し、推定された座標に、および、目標物によって引き起こされた歪のマップに、応答して、目標物の補正された座標を計算する、ように構成されたプロセッサと、
を具備する。
【0029】
典型的には、プロセッサは、推定された座標を補正された座標で置き換えて、正確な値の補正された座標を求めるために、反復計算を実行するように構成されている。
【0030】
いくつかの実施の形態では、歪のマップは、所与の空間的座標での歪を表現するデータ点の表である。
【0031】
それに代わって、歪のマップは、歪を記述した数学モデルの変数の表である。
【0032】
典型的には、マイクロコントローラおよびプロセッサの一方が、歪のマップを記憶するように構成されている。
【0033】
典型的には、磁界センサーは、目標物の位置および姿勢座標を求めるために、磁界の大きさおよび向きを測定して、歪んだ磁界を検出するように構成されている。
【0034】
いくつかの実施の形態では、プロセッサは、目標物の位置を表示する画像出力を生み出すように構成されている。
【0035】
いくつかの実施の形態では、目標物は金属製の器具である。
【0036】
本発明が、添付の図面と共に考慮される本発明の実施の形態の以下の詳細な説明から、より十分に理解されるはずである。
【0037】
〔実施の形態の詳細な説明〕
図1は、本発明のある実施の形態に基づく、外科手術に用いられる磁気的追跡システム20の模式的な絵解き図である。外科医22は、マレット、チゼル、鉗子、などの、金属製の器具24を用いて、患者23に医療手技を施す。移植片26も、手術部位のところで患者の体内に導入されてよく、手術部位はこの例では患者の脚30に配置されている。追跡システムは、器具24および移植片26の位置を測定し表示することによって、外科医が、この例では膝関節手術である手術手技を実行するのを案内する。システムは、手術部位を含む作業体積全体に亘る位置および姿勢座標を測定する。
【0038】
器具24は、小型の無線式磁界送信器を収容していて、その磁界送信器は、以下により詳しく記載される。移植片26が、同様の送信器を含んでいてもよい。器具24内の位置送信器は、以下に記載される一つ以上の送信アンテナを含んでいてよく、その送信アンテナは、位置を示す磁界を生み出すように駆動される。器具24の座標は、位置パッド34のような磁界センサーに対して求められてよく、磁界センサーは、患者の体に固定されていて、位置送信器によって生み出された磁界を検出する。図1に示された例では、位置パッドは、移植片26の近くの患者のふくらはぎと大腿とに配置されている。位置パッドは、コイルなどの検出アンテナを含んでいる。それに代わって、または、それに加えて、磁界センサーは、手術台、または、患者23の近くの別の構造、に固定されていてもよい。
【0039】
器具24内の位置送信器によって生み出された位置を示す磁界は、器具24内に渦電流を誘起することがある。渦電流は、次に、寄生磁界を生み出し、その寄生磁界が位置を示す磁界をゆがめる。位置パッド34は、歪んだ磁界を検出し、対応する位置信号を、信号処理コンソール38のような制御ユニットへ送信する。コンソール38は、歪んだ磁界中に存在する寄生磁界を求め、寄生磁界を歪んだ磁界から減算して、位置を示す磁界のより正確な表現を提供することによって、器具の真の位置を導き出す。寄生磁界を求めることは、以下に記載される(図4)較正プロセスで得られる寄生磁界のマップによって、容易にされる。
【0040】
追跡システムのコンピュータ41(コンソール38の機能をも実行してよい)は、位置情報を画像的にディスプレイ42上で外科医に提供する。例えば、ディスプレイは、外科医22が手術手技中に器具24を操作したときに移植片26に対する器具24の位置および姿勢を示してよい。
【0041】
システム20は、例示の目的で、整形外科手術に関して、図示されているが、本発明の原理は、その他の無線式位置検出システムおよび用途にも同様に用いられてよい。例えば、本明細書に記載された種類の送信器は、心臓血管用のカテーテルのような医療用移植片および器具として用いられるその他の種類の磁気反応性の物体内に組み込まれてもよく、さらに、医療以外の用途でも同様に用いられてよい。
【0042】
図2は、本発明のある実施の形態に基づく、器具24内に収容された位置送信器50の模式的な絵解き図である。それに代わって、送信器50は、別の種類の器具、移植片、および、その他の侵襲的装置の中に収容され、または、別の方式で器具、移植片、および侵襲的装置に取り付けられていてもよい。送信器50は、この実施の形態では、一つ以上の送信アンテナ52を含み、送信アンテナ52は、典型的には、磁性コアに巻かれたコイル線を含んでいる。送信器50は、さらに、一つ以上の電力コイル62と、無線通信コイル60と、を含んでいる。それらのコイルは、柔軟なプリント回路基板(PCB)のような適切な基板56上に取り付けられ、そして、マイクロコントローラ58および周辺回路要素59に接続されていて、マイクロコントローラ58および周辺回路要素59も同様に基板56上に取り付けられている。送信器50は、典型的には、器具24内のキャビティ内に固定されている。それに代わって、送信器50は器具24の外側に取り付けられていてもよい。
【0043】
マイクロコントローラ58は、位置を示す磁界を生み出すために、送信コイル52を駆動する。マイクロコントローラ58は、電力コイル62によって受信された無線周波数(RF)エネルギーによって電力を供給され、通信コイル60によって受信された制御信号を用いて制御されている。典型的には、RFエネルギーおよび制御信号は、送信コイル52によって生み出された磁界を検出するという位置パッド34の役割に加えて、位置パッド34によって送信される。RFエネルギーおよび制御信号は、例えば、2005年7月14日に出願された米国特許出願第11/181,256号「デジタル信号方式を用いた無線式位置トランスデューサ(WIRELESS POSITION TRANSDUCER WITH DIGITAL SIGNALING)」に記載された方法およびプロトコルによって、送信されてよく、上記の米国特許出願の開示内容は参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0044】
さらにその代わりに、または、それに加えて、送信器50は、マイクロコントローラに電力を供給するためのバッテリー(図示されていない。)を含んでいてもよい。別の選択肢として、回路要素59が、メモリーを含んでいて、マイクロコントローラが、いずれの通信入力もなしに、送信器50内のメモリーに記憶されたマイクロコードに基づいて独自に動作してもよい。
【0045】
送信器50内のメモリーは、それに加えて、または、それに代わって、以下にさらに記載されるように、寄生磁界のマップを含む較正データを収容していてもよい。それに代わって、較正データは、コンソール38のメモリーに記憶されていて、制御信号と共に送信器へ通信されてもよい。
【0046】
簡単化のために、図2は送信器および電力コイルのアセンブリの各々に対してただ一つのコイルを示しているが、実際には、各アセンブリは、典型的には、3つの送信コイルおよび3つの電力コイルというような、複数のコイルを含んでいる。送信コイルは、ある一つのコアに、相互に直交した方向で、一緒に巻かれていてよく、一方、電力コイルは、別の一つのコアに相互に直交した方向で、一緒に巻かれていてよい。それに代わって、送信コイルおよび電力コイルは、例えば、2004年1月9日に出願された米国特許出願第10/754,751号に記載されているように、同じコアに重ねられて巻かれていてもよく、上記米国特許出願の開示内容は参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0047】
図3aおよび図3bは、本発明の実施の形態に基づく、較正プロセスの間に寄生磁界のマップを導き出すために用いられる、較正システム60を示す模式的な絵解き図である。較正システム60は、図に示された測定テーブルのような非金属製のジグ62と、一つ以上の磁界較正センサー64と、を含んでいる。較正センサー64は、既知の位置に配置され、較正プロセスの間に手動でまたは自動的に別の位置に移動されてよい。較正コンピュータ66は、検出された磁界を示す較正センサー64からの信号を受信するように接続されている。較正コンピュータ66は、寄生磁界のマップを含む較正データを生み出すために、信号を処理する。追跡システムのコンピュータ41は、較正コンピュータ66の機能をも実行してよいが、追跡システム20および較正システム60は、典型的には別個であり、較正データは、一般的に、手術手技に先立って提供される。
【0048】
図3aは、送信器50が器具24なしで単独で動作しているときに、歪んでいない磁界を較正するために用いられている較正システム60の例を示している。送信器50は、非金属製のクランプ68によって、ジグ62上に配置されていてよく、それによって、寄生磁界を生み出す金属製の物体が所定の領域内に存在しないことを確実にしている。送信器50によって生み出された磁界が、較正センサー64によって検出され、以下に記載される(図4)較正プロセスに基づいて、歪んでいない磁界のマップを生み出すために、コンピュータ66によって使用される。
【0049】
図3bは、送信器50が金属製の器具24に固定されているときの、歪んだ磁界を較正するのに用いられている較正システム60の例を示している。器具24は、非金属製のクランプ68によってジグ62上に配置されている。送信器50によって生み出された磁界が、器具24中に渦電流を生み出し、その渦電流が、次に、位置を示す磁界をゆがめる寄生磁界を生み出す。歪んだ磁界は、較正センサー64によって検出されて、歪んだ磁界のマップを生み出すためにコンピュータ66によって使用される。それに続いて、コンピュータ66が、歪んだ磁界を歪んでいない磁界から減算することによって、寄生磁界のマップを導き出す。
【0050】
図4は、本発明のある実施の形態に基づく、較正プロセス70を模式的に示すフロー図である。較正プロセス70は、典型的には、較正システム60を用いて、装置製造業者によって実行されるが、最終使用者(エンドユーザー)によって実行されてもよい。寄生磁界のマップを含む較正データは、較正プロセス70によって求められ、それに続いて、追跡プロセス80(図5)で用いるために提供される。上述したように、較正データは、送信器50のメモリーに、または、コンソール38のメモリーに、記憶されてよい。
【0051】
較正プロセス70の第1のステップ72では、送信器50は、一つ以上の較正センサー64に対して既知の空間的座標でジグ62に配置される。送信器50は、位置を示す磁界を生み出すように動作させられ、較正センサー64が、寄生磁界による歪のないこの磁界を検出する。較正コンピュータ66は、歪んでいない検出された磁界を示す較正センサーからの信号を獲得し、その信号を処理して、送信器50の位置および姿勢座標に関する歪んでいない磁界のマップを生み出す。マップは、データ点を含み、各データ点は、送信器50に対する空間内の点とその点での検出された磁界との対応を示している。追加のデータ点が、較正センサー64を送信器50に対して別の空間的座標に移動し、または、送信器50を較正センサー64に関して別の空間的座標に移動し、その別の空間的座標での歪んでいない磁界を検出することによって、マップに追加されてもよい。
【0052】
第2のステップ74では、送信器50を含む器具24がジグ62に配置され、送信器50が、位置を示す磁界を生み出すために動作させられる。送信器50は器具24に固定されているので、渦電流が器具24内に誘起され、寄生磁界が生み出される。較正センサー64が、位置を示す磁界および寄生磁界を含む歪んだ磁界を検出するように動作させられる。コンピュータ66は、歪んだ磁界を示す較正センサー64からの信号を獲得し、その信号を処理して、器具24の位置および姿勢座標に関する歪んだ磁界のマップを生み出す。追加のデータ点が、較正センサー64を器具24に対して別の空間的座標に移動し、その別の空間的座標での磁界を検出することによって、マップに追加されてもよい。典型的には、ステップ74でマッピングされた相対的な空間的座標は、ステップ72でマッピングされたものと同じである。それに代わって、異なる座標がマッピングされて、内挿プロセスが用いられて、対応する座標が導かれてもよい。
【0053】
それに続いて、ステップ76では、コンピュータ66は、歪んだ磁界のマップ中の各座標で測定された磁界を、歪んでいない磁界のマップ中の対応する測定値から、減算することによって、寄生磁界のマップを導き出す。マップは、器具24の基準のフレーム内で生み出され、すなわち、マップの座標は、基準となるある外部のフレームではなく、器具の幾何学的形状を基準にしている。寄生磁界のマップは、上述したように、マップを送信器50のメモリーに、または、コンソール38のメモリーに、記憶することによって、システム20で利用可能にされる。典型的には、マップは、器具の基準フレームの3次元の空間的座標を器具に対する所与の空間的座標での寄生磁界を表す3次元の値に関連付けるデータ点の表を含む。それに代わって、または、それに加えて、較正コンピュータ66は、ステップ76において、寄生磁界を記述した数学的モデルの変数の形態で、マップを計算してもよい。例えば、上述されたマップのデータ点は、磁界を記述した多項式を生み出すために用いられてもよい。そのマップは、次に、それらのモデルの変数の形態で、システム20に提供されてよい。
【0054】
図5は、本発明のある実施の形態に基づく、追跡プロセス80を模式的に示すフロー図である。
【0055】
典型的には、追跡プロセス80は、図1に示された整形外科手術などの医療手技と共に実行される。追跡プロセス80の磁界検出ステップ82では、器具24に固定された送信器50が、位置を示す磁界の送信を開始する。上述されたように、磁界は器具によって生み出された寄生磁界によってゆがめられる。位置パッド34が、歪んだ磁界を検出し、磁界を示す信号をコンソール38に送る。
【0056】
ステップ84では、コンソール38が、寄生磁界の効果を補償せずに、受信された磁界に基づいて、信号を処理し、器具の位置(位置座標および姿勢座標の両方を含む。)を推定する。器具の位置の推定は、上記のベン−ハイムに付与された米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、および、同第6,788,967号に記載されているもののような、磁気的位置検出方法によって実行されてよい。
【0057】
次に、ステップ86では、コンソール38は、器具の推定された位置を用いて、受信された磁界中に存在する寄生磁界の成分を推定する。コンソール38は、基準として、較正プロセス70のステップ76で求められた器具24に関する寄生磁界のマップを使用する。コンソール38は、マップを空間内で平行移動し、および、方角を定めて配置して、マップの源および姿勢がステップ84で推定された位置座標および姿勢座標と一致するようにする。寄生磁界のマップの座標の間の内挿が必要なこともあり、その理由は、器具に対する磁界センサーの推定された位置が、マップによって提供された座標点に正確に一致しないことがあるからである。
【0058】
本発明の別の実施の形態では、コンソール38は、寄生磁界の成分を推定するために、上述された寄生磁界の数学的モデルの形態のマップを用いてもよい。
【0059】
それに続くステップ88では、寄生磁界の推定された成分が、ステップ82で測定された歪んだ磁界から減算され、それによって、よりゆがみの少ない磁界の表現であるデータが提供される。このよりゆがみの少ない磁界のデータは、ステップ90での入力として用いられ、ステップ90では、ステップ84で用いられたものと同様の方法で磁界データから直接器具の位置を推定する。
【0060】
判定ステップ92では、ステップ90で導かれた新たな位置の推定値が、以前の位置の推定値と比較されて、推定値が正確であるとみなせるだけ十分に収束しているか否かが判定される。収束は、新たな推定値と以前の推定値との差を予め設定された閾値と比較することで判定され、その閾値は、推定値の百分率によって、または、0.5mmというような空間的な距離の絶対値によって、表されてよい。収束が十分な場合、ステップ92で導き出された最後の推定された位置が、ステップ94で追跡コンピュータ41に出力されて、ディスプレイ42上で外科医に対して画像として表示される。ステップ92で収束が不十分であると判定されると、処理はステップ92の後に、ステップ86に続き、ステップ86からステップ92までの処理が、十分な収束が得られるまで、繰り返される。別の実施の形態では、追跡コンピュータは、さらに収束することが不可能であることを判定して、最良の推定値または失敗の表示を出力するようにもプログラムされていてよい。
【0061】
ステップ94の後に、追跡プロセスはステップ82に続き、ステップ82からステップ94までの追跡ステップが、追跡が必要とされる限り、繰り返される。
【0062】
追跡プロセス80の原理は、必要な変更を施して、複数の金属製の目標物の追跡に用いられてもよい。異なる周波数での送信というような、位置を示す信号を区別するためのさまざまな手段が、位置を示す磁界、および、対応する複数の目標物の関連する寄生磁界、を識別するために用いられてよい。
【0063】
送信器50によって生み出された磁界は弱く近距離なので、追加の追跡されない金属製の物体が、追跡システムの正確さに有意な影響を及ぼさずに、医療手技の近傍内に導入されてもよい。そのような追加の物体中に誘起される渦電流は、一般的に、その物体によって放射される寄生磁界が無視できるほど、小さい。したがって、本発明は、複数の金属製の物体が磁気に基づく追跡システムで用いられた場合に、金属に対する不感受性(metal immunity)を保証するための簡単な手段を提供する。
【0064】
さらに、上述された実施の形態の原理は、当業者に知られた別の位置検出方法と共に実施されてもよい。例えば、寄生磁界の較正は、上述されたエイカーらに付与された米国特許第6,453,190号に記載されたような追跡される器具の特徴部の較正と共に実施されてもよい。両方の種類の較正が、追跡プロセスの間に追跡される器具の位置を求めるために、コンソール38によって用いられてよい。
【0065】
したがって、上述された実施の形態が例示のために記載されたこと、および、本発明がこれまでに具体的に示され記載されたものに限定されないこと、が適正に評価されるはずである。むしろ、本発明の範囲は、上述されたさまざまな特徴の組み合わせおよび部分的な組み合わせの両方、および、これまでの記載を読むことによって当業者が思いつくかもしれない従来技術で開示されていない上述されたさまざまな特徴の変形および変更、を含む。
【0066】
〔実施の態様〕
この発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
(1)目標物を追跡するための方法において、
位置を示す磁界を送信するための送信器を前記目標物に固定する過程と、
前記目標物の基準フレームを基準とする、前記目標物によって引き起こされた前記位置を示す磁界の歪のマップ、を提供する過程と、
前記目標物から送信された歪んだ磁界を検出する過程であって、前記歪んだ磁界が、前記目標物によって引き起こされた歪にさらされた前記位置を示す磁界を含む、過程と、
検出された前記歪んだ磁界に基づいて前記目標物の推定された座標を求める過程と、
前記推定された座標および前記マップに応答して、前記目標物の補正された座標を計算する過程と、
を含む、目標物の追跡方法。
(2)前記実施態様(1)に記載の方法において、
前記補正された座標を計算する過程は、
前記推定された座標を前記補正された座標で置き換える過程と、
正確な値の前記補正された座標を求めるために、反復計算を実行する過程と、
を含む、
方法。
(3)前記実施態様(1)に記載の方法において、
前記歪のマップを提供する過程は、
前記目標物に関連する前記歪をマッピングするために、較正手順を適用する過程、
を含む、
方法。
(4)前記実施態様(3)に記載の方法において、
前記較正手順は、
前記目標物をジグに配置し、前記歪んだ磁界を測定する過程と、
前記目標物なしで、前記送信器を前記ジグに配置し、歪んでいない磁界を測定する過程と、
前記歪んだ磁界を前記歪んでいない磁界から減算して、前記歪のマップを導き出す過程と、
を含む、
方法。
(5)前記実施態様(1)に記載の方法において、
前記歪のマップを提供する過程は、
所与の空間的座標での前記歪を表示するデータ点の表を提供する過程、
を含む、
方法。
(6)前記実施態様(1)に記載の方法において、
前記歪のマップを提供する過程は、
前記歪を記述する数学的モデルの変数の表を提供する過程、
を含む、
方法。
(7)前記実施態様(1)に記載の方法において、
前記歪んだ磁界を検出する過程は、
前記磁界の大きさおよび向きを測定して、前記目標物の位置座標および姿勢座標を求める過程、
を含む、
方法。
(8)前記実施態様(1)に記載の方法において、
前記目標物の前記位置を表示する画像出力を生み出す過程、
をさらに含む、方法。
(9)前記実施態様(1)に記載の方法において、
前記目標物が、患者の体内に挿入するように構成されていて、
前記補正された座標を計算する過程は、前記体内での前記目標物を追跡する過程、を含む、
方法。
(10)目標物を追跡するための装置において、
前記目標物に固定されるように構成された送信器であって、
位置を示す磁界を送信するように動作する送信アンテナ、および、
前記送信アンテナを駆動するように構成されたマイクロコントローラ、
を含む、前記送信器と、
前記目標物によって引き起こされた歪にさらされた前記位置を示す磁界を含む、歪んだ磁界を検出するように構成された、磁界センサーと、
検出された前記歪んだ磁界に基づいて前記目標物の座標を推定し、前記推定された座標、および、前記目標物によって引き起こされた前記歪のマップ、に応答して前記目標物の補正された座標を計算するように構成された、プロセッサと、
を具備する、装置。
【0067】
(11)前記実施態様(10)に記載の装置において、
前記プロセッサは、前記推定された座標を前記補正された座標で置き換え、正確な値の前記補正された座標を求めるために、反復計算を実行するように構成されている、
装置。
(12)前記実施態様(10)に記載の装置において、
前記歪のマップは、所与の空間的座標での前記歪を表現するデータ点の表である、
装置。
(13)前記実施態様(10)に記載の装置において、
前記歪のマップは、前記歪を記述する数学的モデルの変数の表である、
装置。
(14)前記実施態様(10)に記載の装置において、
前記マイクロコントローラおよび前記プロセッサの一方は、前記歪のマップを記憶するように構成されている、
装置。
(15)前記実施態様(10)に記載の装置において、
前記磁界センサーは、前記磁界の大きさおよび向きを測定することによって前記歪んだ磁界を検出して、前記目標物の位置座標および姿勢座標を求めるように構成されている、
装置。
(16)前記実施態様(10)に記載の装置において、
前記プロセッサは、前記目標物の前記位置を表示する画像出力を生み出すように構成されている、
装置。
(17)前記実施態様(10)に記載の装置において、
前記目標物、金属製の器具である、
装置。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明のある実施の形態に基づく、位置検出システムの模式的な絵解き図である。
【図2】本発明のある実施の形態に基づく、磁界送信器の詳細を示す模式的な絵解き図である。
【図3a】本発明のある実施の形態に基づく、較正装置の構成を示す模式的な絵解き図である。
【図3b】本発明のある実施の形態に基づく、較正装置の構成を示す模式的な絵解き図である。
【図4】本発明のある実施の形態に基づく、寄生マップを較正する方法を模式的に示したフロー図である。
【図5】本発明のある実施の形態に基づく、磁気反応性の目標物を追跡する方法を模式的に示したフロー図である。
【符号の説明】
【0069】
20 磁気的追跡システム
22 外科医
23 患者
24 器具
26 移植片
30 脚
34 位置パッド
38 コンソール
41 コンピュータ
42 ディスプレイ
50 送信器
52 送信アンテナ
56 基板
58 マイクロコントローラ
59 周辺回路要素
60 無線通信コイル(較正システム)
62 電力コイル(ジグ)
64 磁界較正センサー
66 コンピュータ
68 クランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標物を追跡するための方法において、
位置を示す磁界を送信するための送信器を前記目標物に固定する過程と、
前記目標物の基準フレームを基準とする、前記目標物によって引き起こされた前記位置を示す磁界の歪のマップ、を提供する過程と、
前記目標物から送信された歪んだ磁界を検出する過程であって、前記歪んだ磁界が、前記目標物によって引き起こされた歪にさらされた前記位置を示す磁界を含む、過程と、
検出された前記歪んだ磁界に基づいて前記目標物の推定された座標を求める過程と、
前記推定された座標および前記マップに応答して、前記目標物の補正された座標を計算する過程と、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記補正された座標を計算する過程は、
前記推定された座標を前記補正された座標で置き換える過程と、
正確な値の前記補正された座標を求めるために、反復計算を実行する過程と、
を含む、
方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記歪のマップを提供する過程は、
前記目標物に関連する前記歪をマッピングするために、較正手順を適用する過程、
を含む、
方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、
前記較正手順は、
前記目標物をジグに配置し、前記歪んだ磁界を測定する過程と、
前記目標物なしで、前記送信器を前記ジグに配置し、歪んでいない磁界を測定する過程と、
前記歪んだ磁界を前記歪んでいない磁界から減算して、前記歪のマップを導き出す過程と、
を含む、
方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記歪のマップを提供する過程は、
所与の空間的座標での前記歪を表示するデータ点の表を提供する過程、
を含む、
方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
前記歪のマップを提供する過程は、
前記歪を記述する数学的モデルの変数の表を提供する過程、
を含む、
方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
前記歪んだ磁界を検出する過程は、
前記磁界の大きさおよび向きを測定して、前記目標物の位置座標および姿勢座標を求める過程、
を含む、
方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記目標物の前記位置を表示する画像出力を生み出す過程、
をさらに含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、
前記目標物が、患者の体内に挿入するように構成されていて、
前記補正された座標を計算する過程は、前記体内での前記目標物を追跡する過程、を含む、
方法。
【請求項10】
目標物を追跡するための装置において、
前記目標物に固定されるように構成された送信器であって、
位置を示す磁界を送信するように動作する送信アンテナ、および、
前記送信アンテナを駆動するように構成されたマイクロコントローラ、
を含む、前記送信器と、
前記目標物によって引き起こされた歪にさらされた前記位置を示す磁界を含む、歪んだ磁界を検出するように構成された、磁界センサーと、
検出された前記歪んだ磁界に基づいて前記目標物の座標を推定し、前記推定された座標、および、前記目標物によって引き起こされた前記歪のマップ、に応答して前記目標物の補正された座標を計算するように構成された、プロセッサと、
を具備する、装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置において、
前記プロセッサは、前記推定された座標を前記補正された座標で置き換え、正確な値の前記補正された座標を求めるために、反復計算を実行するように構成されている、
装置。
【請求項12】
請求項10に記載の装置において、
前記歪のマップは、所与の空間的座標での前記歪を表現するデータ点の表である、
装置。
【請求項13】
請求項10に記載の装置において、
前記歪のマップは、前記歪を記述する数学的モデルの変数の表である、
装置。
【請求項14】
請求項10に記載の装置において、
前記マイクロコントローラおよび前記プロセッサの一方は、前記歪のマップを記憶するように構成されている、
装置。
【請求項15】
請求項10に記載の装置において、
前記磁界センサーは、前記磁界の大きさおよび向きを測定することによって前記歪んだ磁界を検出して、前記目標物の位置座標および姿勢座標を求めるように構成されている、
装置。
【請求項16】
請求項10に記載の装置において、
前記プロセッサは、前記目標物の前記位置を表示する画像出力を生み出すように構成されている、
装置。
【請求項17】
請求項10に記載の装置において、
前記目標物は、金属製の器具である、
装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−163462(P2007−163462A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−284068(P2006−284068)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【出願人】(500520846)バイオセンス・ウェブスター・インコーポレイテッド (75)
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster, Inc.
【住所又は居所原語表記】3333 Diamond Canyon Road, Diamond Bar, California 91765, U.S.A.
【Fターム(参考)】