収納容器
【課題】 洗浄、乾燥時の作業性を向上させる。
【解決手段】 容器本体内に半導体ウエハを収納する収納容器である。容器本体に、ハンドル21及びトップフランジが設けられると共に、これらが上記容器本体に対して着脱可能に装着される着脱機構部23を備え、当該着脱機構部23を、上記容器本体側の被嵌合部に直接嵌合される嵌合板と、当該嵌合板が上記被嵌合部に嵌合された状態でこれらを固定するロック部28とから構成した。当該ロック部28は、上記容器本体側に設けられた嵌合穴34と、上記嵌合板側に揺動可能に設けられると共に一端部に上記嵌合穴34に嵌合する嵌合爪35を有する揺動片36と、当該揺動片36が一方へ揺動して上記嵌合爪35が嵌合穴34に嵌合した状態と他方へ揺動して上記嵌合爪が嵌合穴から外れた状態とでそれぞれ固定するストッパとから構成した。
【解決手段】 容器本体内に半導体ウエハを収納する収納容器である。容器本体に、ハンドル21及びトップフランジが設けられると共に、これらが上記容器本体に対して着脱可能に装着される着脱機構部23を備え、当該着脱機構部23を、上記容器本体側の被嵌合部に直接嵌合される嵌合板と、当該嵌合板が上記被嵌合部に嵌合された状態でこれらを固定するロック部28とから構成した。当該ロック部28は、上記容器本体側に設けられた嵌合穴34と、上記嵌合板側に揺動可能に設けられると共に一端部に上記嵌合穴34に嵌合する嵌合爪35を有する揺動片36と、当該揺動片36が一方へ揺動して上記嵌合爪35が嵌合穴34に嵌合した状態と他方へ揺動して上記嵌合爪が嵌合穴から外れた状態とでそれぞれ固定するストッパとから構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ等の被収納物を収納して搬送、保管、出荷する収納容器に関し、特に作業者が持ち上げるためのハンドル又は装置によって自動で持ち上げるためのフランジを備えた収納容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハ等の収納、搬送に用いられる収納容器は一般に知られている。この収納容器に半導体ウエハ等を複数枚収納して、作業者が上記収納容器を手で持って持ち上げたり、移動したりする。
【0003】
このような収納容器においては、作業者が上記収納容器を手で持つためのハンドルが設けられている。このハンドルの例としては特許文献1がある。この例を図2,3に示す。
【0004】
このハンドルは、把持部1と平面部2とからなり、平面部1の両側にくさび部材3が4つ設けられている。容器本体の側壁4には、平面部2が嵌合する凹状の溝部5が設けられている。この溝部5の両側の4カ所に係合部材6が設けられている。
【0005】
この構造により、ハンドルは、その平面部2が溝部5に嵌合されて、溝部5内でずらされることで、係合部材6に支持されて容器本体側に固定される。このとき、くさび部材3が係合部材6に係止して、平面部2が溝部5から抜け落ちるのを防止する。
【特許文献1】特開平11−91864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記構成の収納容器のハンドルでは、くさび部材3が係合部材6に係止した後は、くさび部材3を係合部材6から外して、ハンドルを容器本体から取り外すのが容易ではない。このため、半導体ウエハを搬送する収納容器等のように、一度搬送に供した後に洗浄する必要のある収納容器の場合は、ハンドルを取り外して洗浄を行うが、ハンドルを取り外すのが容易ではないため、作業性が悪いという問題点がある。
【0007】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたもので、ハンドルの着脱を容易にした収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、容器本体内に被収納物を収納して搬送、保管される収納容器において、上記容器本体に、当該容器本体を手動で持ち上げるためのハンドル又は自動で持ち上げるためのフランジの一方又は両方が設けられると共に、これらハンドル又はフランジの一方又は両方が上記容器本体に対して着脱可能に装着される着脱機構部を備え、当該着脱機構部が、上記容器本体側の被嵌合部に直接嵌合される嵌合板と、当該嵌合板が上記被嵌合部に嵌合された状態でこれらを固定するロック部とからなるものである。
【0009】
この収納容器において、上記ロック部を、上記容器本体側に設けられた嵌合穴又は嵌合爪と、上記嵌合板側に揺動可能に設けられると共に一端部に上記嵌合穴又は嵌合爪に嵌合する嵌合爪又は嵌合穴を有する揺動片と、当該揺動片が一方へ揺動して上記嵌合爪が嵌合穴に嵌合した状態と他方へ揺動して上記嵌合爪が嵌合穴から外れた状態とでそれぞれ固定するストッパとを備えて構成した。
【0010】
この構成により、上記ハンドルの着脱機構部の嵌合板を上記容器本体側の被嵌合部に嵌合させて、ロック部で固定する。このロック部では、上記揺動片を一方へ揺動させて上記嵌合爪を上記嵌合穴に嵌合させる。このとき、上記揺動片は上記ストッパによって一方へ揺動させた状態で固定される。これにより、ハンドルが容器本体側に確実に固定される。ハンドルを取り外すときは、上記揺動片を他方へ揺動させる。このとき、揺動片は他方へ揺動した状態で、ストッパによって固定される。これにより、固定解除され、嵌合板を被嵌合部から取り外す。
【0011】
また、上記ロック部は、上記容器本体側に設けられた嵌合爪と、可撓性を有しその基端部が上記嵌合板側に設けられると共に先端部に上記嵌合爪に嵌合する嵌合穴を有する可撓板と、当該可撓板を撓ませて上記嵌合爪を上記嵌合穴から外して固定解除するツマミとを備えて構成してもよい。
【0012】
上記構成により、上記ハンドルの着脱機構部の嵌合板を上記容器本体側の被嵌合部に嵌合させると、上記可撓板が撓んで嵌合爪が嵌合穴に嵌合する。上記嵌合板を上記被嵌合部から取り外すときは、上記ツマミを押さえて上記可撓板を撓ませ、上記嵌合爪を上記嵌合穴から外して固定解除させる。この状態で、上記嵌合板をずらして上記被嵌合部から取り外す。
【0013】
また、上記ロック部は、可撓性を有しその基端部が上記容器本体側に設けられると共に先端部に上記嵌合爪を有する本体側可撓片と、基端部が上記嵌合板側に設けられると共に先端部に上記嵌合爪に嵌合する嵌合穴を有するハンドル側嵌合板と、上記本体側可撓板を撓ませて上記嵌合爪を上記嵌合穴から外して固定解除するツマミとを備えて構成してもよい。
【0014】
上記構成により、上記ハンドルの着脱機構部の嵌合板を上記容器本体側の被嵌合部に嵌合させると、上記本体側可撓片が撓んで嵌合爪が嵌合穴に嵌合する。上記嵌合板を上記被嵌合部から取り外すときは、上記ツマミを押さえて上記本体側可撓片を撓ませ、上記嵌合爪を上記嵌合穴から外して固定解除させる。この状態で、上記嵌合板をずらして上記被嵌合部から取り外す。
【発明の効果】
【0015】
以上詳述したように、本発明の収納容器によれば、次のような効果を奏する。
【0016】
上記揺動片を揺動させて上記嵌合爪を上記嵌合穴に着脱させると共に、上記ストッパで揺動片を固定するため、固定、固定解除を確実に行うことができ、嵌合板を被嵌合部に対して容易に着脱することができる。この結果、ハンドルを容器本体に対して容易に着脱させることができ、収納容器の洗浄作業等の効率を向上させることができる。
【0017】
また、上記可撓板が撓むことで、嵌合爪を嵌合穴に嵌合させ、又は取り外して固定、固定解除させ、上記嵌合板を上記被嵌合部に着脱させるため、ハンドルを容器本体に対して容易に着脱させることができ、収納容器の洗浄作業等の効率を向上させることができる。
【0018】
さらに、上記本体側可撓片が撓むことで、嵌合爪を嵌合穴に嵌合させ、又は取り外して固定、固定解除させ、上記嵌合板を上記被嵌合部に着脱させるため、ハンドルを容器本体に対して容易に着脱させることができ、収納容器の洗浄作業等の効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0020】
[第1実施形態]
本実施形態では、被収納物として半導体ウエハを収納する収納容器を例に説明する。図1は本実施形態に係るハンドルを示す正面図、図4は本実施形態に係る収納容器の容器本体を示す斜視図、図5は本実施形態に係る収納容器の容器本体を示す斜視図、図6は本実施形態に係るハンドルを示す一部破断側面図、図7はロック部の動作を説明する模式図である。
【0021】
本実施形態に係る収納容器は主に、半導体ウエハを内部に収納する容器本体11と、当該容器本体11に取り付けられて内部を密封する蓋体(図示せず)とから構成されている。
【0022】
蓋体は、四角形の皿状に形成され、容器本体11にその上側から取り付けられて容器本体11内を密閉する。蓋体は、容器本体11に固定するための固定手段を備えている。この固定手段としては、フック等の手動式のものと、着脱装置によって自動的に着脱させるものとがある。いずれのタイプでも本発明を適用することができる。
【0023】
容器本体11は、図4,5に示すように、全体をほぼ立方体状に形成されている。この容器本体11は、垂直方向に縦置きされた状態(図4,5の状態)で、周囲の壁となる4枚の側壁部11A,11B,11C,11Dと底板部(図示せず)とから構成されている。各側壁部11A,11B,11C,11Dには、補強のための縦溝12が設けられている。この容器本体11は、半導体ウエハの製造ライン等において必要に応じて水平方向に横置きされる。この横置き状態で底部となる側壁部11Aの外側面には、位置決め手段(図示せず)が設けられている。横置き状態で天井部となる側壁部11Bの外側面には、ウエハ搬送装置用のトップフランジ13が着脱可能に取り付けられる。横置き状態で横壁部となる側壁部11C,11Dの外側面には、ハンドル取付部15が設けられ、このハンドル取付部15にハンドル21(図1参照)が着脱自在に取り付けられる。横置き状態で上壁部となる側壁部11Bの外側面には、フランジ取付部16が設けられ、このフランジ取付部16にトップフランジ13が着脱自在に取り付けられる。
【0024】
ハンドル取付部15は、側壁部11C,11Dの三本の縦溝12のうち中央の縦溝12に設けられた2つの内側フランジ部18と、両側の縦溝12に設けられた2つの外側フランジ部19と、両側の縦溝12のうち上記内側フランジ部18に対向する位置に設けられた2つの中間フランジ部20とから構成されている。2つの内側フランジ部18は、後述するハンドル21の2つの内側係止板32にそれぞれ係止するための部材である。2つの内側フランジ部18は、互いに向き合うように対向して配設されている。2つの外側フランジ部19は、後述するハンドル21の2つの外側係止板31にそれぞれ係止するための部材である。外側フランジ部19は、両側の縦溝12の外側壁に1つずつ設けられ、互いに向き合うように対向して配設されている。一方(図中の右側)の外側フランジ部19には、ロック部28の嵌合爪35が嵌合する嵌合穴34が設けられている。なお、中間フランジ部20は、他の構造のハンドルが係止するための部材である。
【0025】
フランジ取付部16は、側壁部11Bの中央の縦溝12に、互いに対向した状態で2つ設けられたフランジ部16Aによって構成されている。
【0026】
ハンドル21は、作業者が収納容器を持ち上げたり、運んだりするときに掴む部材である。このハンドル21は、図1、図6及び図7に示すように主に、作業者が手で掴む把持部22と、容器本体11の両側に着脱自在に取り付ける着脱機構部23とから構成されている。
【0027】
把持部22は、作業者が直接手で掴む円盤部24と、この円盤部24を着脱機構部23に一体的に固定する円筒状連結部25とから構成されている。
【0028】
着脱機構部23は、容器本体11側に嵌合する嵌合板27と、この嵌合板27が容器本体11のハンドル取付部15に嵌合した状態で容器本体11側に係止して固定するロック部28とから構成されている。
【0029】
嵌合板27は、全体をV字状に形成され、その両端部に外側係止板31が、その中央部に内側係止板32が形成されている。この外側係止板31及び内側係止板32は、ハンドル取付部15の内側フランジ部18と外側フランジ部19とにそれぞれ整合する位置に形成されている。外側係止板31は、断面L字状に形成されて、嵌合板27との間で外側フランジ部19を挟むように支持する。内側係止板32は、外側係止板31と同様に、断面L字状に形成されて、嵌合板27との間で内側フランジ部18を挟むように支持する。
【0030】
嵌合板27の一方の端部にはロック部28が設けられている。このロック部28は、容器本体11側に設けられた嵌合穴34と、ハンドル21の嵌合板27側に揺動可能に設けられると共に一端部に上記嵌合穴34に嵌合する嵌合爪35を有する揺動片36と、この揺動片36を固定するストッパ37とから構成されている。
【0031】
嵌合穴34は、嵌合爪35が嵌合するための穴である。嵌合穴34は、容器本体11の一方の外側フランジ部19に設けられている。
【0032】
揺動片36は、揺動してロック及びロック解除をするために板材である。嵌合板27の一方には、揺動片36を装着するために四角形の装着穴27Aが設けられている。揺動片36は、装着穴27Aに装着された状態で、回転軸36Aによって揺動可能に支持されている。揺動片36の一端部(図7中の右側端部)に嵌合爪35が設けられている。この嵌合爪35が、揺動片36の揺動によって嵌合穴34に嵌合する。
【0033】
ストッパ37は、揺動片36が一方へ揺動して嵌合爪35が嵌合穴34に嵌合した状態(図7中の実線の状態)と、他方へ揺動して嵌合爪35が嵌合穴34から外れた状態(図7中の一点鎖線の状態)とでそれぞれ固定するための部材である。このストッパ37は、揺動片36の両側面の前後にそれぞれ4つ設けられた半球状の凸部37Aと、各凸部37Aに嵌合する半球状の凹部37Bとから構成されている。凹部37Bは、装着穴27Aの内壁のうち、揺動片36が一方へ揺動して嵌合爪35が嵌合穴34に嵌合した状態で嵌合して揺動片36を固定する位置と、他方へ揺動して嵌合爪35が嵌合穴34から外れた状態で嵌合して揺動片36を固定する位置とにそれぞれ設けられている。
【0034】
トップフランジ13は、搬送装置(図示せず)のアーム部で捕まれる把持部13Aと、この把持部13Aと一体的に設けられてフランジ取付部16に嵌合する嵌合板(図示せず)と構成されている。嵌合板には、フランジ取付部16のフランジ部16Aに嵌合する断面L字状の係止板(図示せず)と、上記ロック部28と同様の構成のロック部(図示せず)が設けられている。
【0035】
[動作]
以上のように構成された収納容器は、次のようにして、ハンドル21及びトップフランジ13を着脱させる。
【0036】
収納容器に半導体ウエハを収納して搬送されると、収納容器は洗浄されるために、ハンドル21やトップフランジ13等が取り外される。
【0037】
このときは、まず、ロック部28の揺動片36を、指で押して揺動させて図7中の一点鎖線の状態にして、ストッパ37で固定する。これにより、ハンドル21のロックが解除される。この状態で、ハンドル21を下方へずらすと、ハンドル21は容器本体11から外れてしまう。トップフランジ13も同様にして取り外す。
【0038】
そして、これら、容器本体11、トップフランジ13、ハンドル21等を純粋等で洗浄して、乾燥させる。
【0039】
次いで、ハンドル21の外側係止板31と内側係止板32を縦溝12に挿入した状態で、上方へずれして、内側フランジ部18と外側フランジ部19とにそれぞれ嵌合させる。次いで、ロック部28の揺動片36を、指で押して揺動させて図7中の実線の状態にして、ストッパ37で固定する。これにより、嵌合爪35が嵌合穴34に嵌合して、ハンドル21が容器本体11に固定される。
【0040】
トップフランジ13も同様にして固定する。
【0041】
以上により、この結果、ハンドル21を容器本体11に対して容易に着脱させることができ、収納容器の洗浄作業等の効率を向上させることができる。
【0042】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図8及び図9に基づいて説明する。
【0043】
本実施形態の収納容器の全体構成は上記第1実施形態と同様であるため、同一部材には同一符号を付して説明を省略し、本実施形態の特徴部分のみを説明する。
【0044】
本実施形態は、ロック部を改良したものである。本実施形態のロック部41は、嵌合爪42と、嵌合穴43と、可撓板44と、ツマミ45とを備えて構成されている。
【0045】
嵌合爪42は、可撓板44の嵌合穴43に嵌合するための部材である。この嵌合爪42は、容器本体11側に設けられたフランジ部46の下側に設けられている。
【0046】
嵌合穴43は、嵌合爪42に嵌合してハンドルを固定するための穴である。この嵌合穴43は、可撓板44の先端に設けられている。
【0047】
可撓板44は、嵌合爪42が嵌合穴43に嵌合した状態で支持するための部材である。可撓板44は、可撓性を有する板材で構成され、その基端部が上記嵌合板27側に設けられている。即ち、可撓板44の基端部が、嵌合板27の縁部から垂直に折り返された立て板部27Aで支持されている。これにより、可撓板44と嵌合板27との間には一定の間隔を有しており、その間にフランジ部46が挿入される。可撓板44の先端部に上記嵌合爪42に嵌合する嵌合穴43が設けられている。
【0048】
ツマミ45は、ロックを解除するための部材である。ツマミ45は、可撓板44の先端に設けられ、この可撓板44を撓ませて嵌合爪42を嵌合穴43から外して固定解除する。
【0049】
以上のように構成された収納容器では、ハンドル21の着脱機構部23の嵌合板27と可撓板44との間に、容器本体11側のフランジ部46を嵌合させると、可撓板44が撓んで嵌合爪42が嵌合穴43に嵌合する。これにより、ハンドルがロックされる。
【0050】
嵌合板27を取り外すときは、ツマミ45を押さえて可撓板44を撓ませ、嵌合爪42を嵌合穴43から外して固定解除させる。この状態で、嵌合板27をずらして取り外す。
【0051】
これにより、上記第1実施形態と同様に、ハンドル21を容器本体11に対して容易に着脱させることができ、収納容器の洗浄作業等の効率を向上させることができる。
【0052】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図10及び図11に基づいて説明する。
【0053】
本実施形態の収納容器の全体構成は上記第1実施形態と同様であるため、同一部材には同一符号を付して説明を省略し、本実施形態の特徴部分のみを説明する。
【0054】
本実施形態は、ロック部を改良したものである。本実施形態のロック部51は、嵌合爪52と、本体側可撓片53と、ツマミ54と、ハンドル側嵌合板55と、嵌合穴56とを備えて構成されている。
【0055】
嵌合爪52は、ハンドル側嵌合板55の嵌合穴56に嵌合するための部材である。この嵌合爪52は、本体側可撓片53の下側に設けられている。
【0056】
本体側可撓片53は、嵌合爪52が嵌合穴56に嵌合した状態で支持するための部材である。本体側可撓片53は、可撓性を有する板材で構成され、その基端部が、容器本体11側に設けられたフランジ部57に設けられている。
【0057】
ツマミ54は、ロックを解除するための部材である。ツマミ54は、本体側可撓片53の先端に設けられ、この本体側可撓片53を撓ませて嵌合爪52を嵌合穴56から外して固定解除する。
【0058】
ハンドル側嵌合板55は、嵌合爪52に嵌合する嵌合穴56を先端に設けて支持するための部材である。このハンドル側嵌合板55は、嵌合板27の縁部から垂直に折り返された立て板部27Aで支持されている。これにより、ハンドル側嵌合板55と嵌合板27との間には一定の間隔を有しており、その間にフランジ部57が挿入される。
【0059】
以上のように構成された収納容器では、ハンドル21の着脱機構部23の嵌合板27とハンドル側嵌合板55との間に、容器本体11側のフランジ部57を嵌合させると、本体側可撓片53が撓んで嵌合爪52が嵌合穴56に嵌合する。これにより、ハンドルがロックされる。
【0060】
嵌合板27を取り外すときは、ツマミ54を手前に引いて本体側可撓片53を撓ませ、嵌合爪52を嵌合穴56から外して固定解除させる。この状態で、嵌合板27をずらして取り外す。
【0061】
これにより、上記第1実施形態と同様に、ハンドル21を容器本体11に対して容易に着脱させることができ、収納容器の洗浄作業等の効率を向上させることができる。
【0062】
[変形例]
上記各実施形態では、半導体ウエハの収納容器を例に説明したが、本発明はこれに限らず、他の収納物を収納するための収納容器であってもよい。この場合も、上記実施形態同様の作用、効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1実施形態に係るハンドルを示す正面図である。
【図2】従来の収納容器のハンドルを示す正面図である。
【図3】従来の収納容器のハンドルを示す断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る収納容器の容器本体を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る収納容器の容器本体を示す斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るハンドルを示す一部破断側面図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係るロック部の動作を説明する模式図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るロック部を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るロック部を示す断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係るロック部を示す斜視図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係るロック部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0064】
11:容器本体、11A,11B,11C,11D:側壁部、12:縦溝、13:トップフランジ、13A:把持部、15:ハンドル取付部、16:フランジ取付部、16A:フランジ部、18:内側フランジ部、19:外側フランジ部、20:中間フランジ部、21:ハンドル、22:把持部、23:着脱機構部、24:円盤部、25:円筒状連結部、27:嵌合板、27A:装着穴、28:ロック部、31:外側係止板、32:内側係止板、34:嵌合穴、35:嵌合爪、36:揺動片、36A:回転軸、37:ストッパ、37A:凸部、37B:凹部、41:ロック部、42:嵌合爪、43:嵌合穴、44:可撓板、45:ツマミ、46:フランジ部、51:ロック部、52:嵌合爪、53:本体側可撓片、54:ツマミ、55:ハンドル側嵌合板、56:嵌合穴、57:フランジ部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ等の被収納物を収納して搬送、保管、出荷する収納容器に関し、特に作業者が持ち上げるためのハンドル又は装置によって自動で持ち上げるためのフランジを備えた収納容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハ等の収納、搬送に用いられる収納容器は一般に知られている。この収納容器に半導体ウエハ等を複数枚収納して、作業者が上記収納容器を手で持って持ち上げたり、移動したりする。
【0003】
このような収納容器においては、作業者が上記収納容器を手で持つためのハンドルが設けられている。このハンドルの例としては特許文献1がある。この例を図2,3に示す。
【0004】
このハンドルは、把持部1と平面部2とからなり、平面部1の両側にくさび部材3が4つ設けられている。容器本体の側壁4には、平面部2が嵌合する凹状の溝部5が設けられている。この溝部5の両側の4カ所に係合部材6が設けられている。
【0005】
この構造により、ハンドルは、その平面部2が溝部5に嵌合されて、溝部5内でずらされることで、係合部材6に支持されて容器本体側に固定される。このとき、くさび部材3が係合部材6に係止して、平面部2が溝部5から抜け落ちるのを防止する。
【特許文献1】特開平11−91864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記構成の収納容器のハンドルでは、くさび部材3が係合部材6に係止した後は、くさび部材3を係合部材6から外して、ハンドルを容器本体から取り外すのが容易ではない。このため、半導体ウエハを搬送する収納容器等のように、一度搬送に供した後に洗浄する必要のある収納容器の場合は、ハンドルを取り外して洗浄を行うが、ハンドルを取り外すのが容易ではないため、作業性が悪いという問題点がある。
【0007】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたもので、ハンドルの着脱を容易にした収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、容器本体内に被収納物を収納して搬送、保管される収納容器において、上記容器本体に、当該容器本体を手動で持ち上げるためのハンドル又は自動で持ち上げるためのフランジの一方又は両方が設けられると共に、これらハンドル又はフランジの一方又は両方が上記容器本体に対して着脱可能に装着される着脱機構部を備え、当該着脱機構部が、上記容器本体側の被嵌合部に直接嵌合される嵌合板と、当該嵌合板が上記被嵌合部に嵌合された状態でこれらを固定するロック部とからなるものである。
【0009】
この収納容器において、上記ロック部を、上記容器本体側に設けられた嵌合穴又は嵌合爪と、上記嵌合板側に揺動可能に設けられると共に一端部に上記嵌合穴又は嵌合爪に嵌合する嵌合爪又は嵌合穴を有する揺動片と、当該揺動片が一方へ揺動して上記嵌合爪が嵌合穴に嵌合した状態と他方へ揺動して上記嵌合爪が嵌合穴から外れた状態とでそれぞれ固定するストッパとを備えて構成した。
【0010】
この構成により、上記ハンドルの着脱機構部の嵌合板を上記容器本体側の被嵌合部に嵌合させて、ロック部で固定する。このロック部では、上記揺動片を一方へ揺動させて上記嵌合爪を上記嵌合穴に嵌合させる。このとき、上記揺動片は上記ストッパによって一方へ揺動させた状態で固定される。これにより、ハンドルが容器本体側に確実に固定される。ハンドルを取り外すときは、上記揺動片を他方へ揺動させる。このとき、揺動片は他方へ揺動した状態で、ストッパによって固定される。これにより、固定解除され、嵌合板を被嵌合部から取り外す。
【0011】
また、上記ロック部は、上記容器本体側に設けられた嵌合爪と、可撓性を有しその基端部が上記嵌合板側に設けられると共に先端部に上記嵌合爪に嵌合する嵌合穴を有する可撓板と、当該可撓板を撓ませて上記嵌合爪を上記嵌合穴から外して固定解除するツマミとを備えて構成してもよい。
【0012】
上記構成により、上記ハンドルの着脱機構部の嵌合板を上記容器本体側の被嵌合部に嵌合させると、上記可撓板が撓んで嵌合爪が嵌合穴に嵌合する。上記嵌合板を上記被嵌合部から取り外すときは、上記ツマミを押さえて上記可撓板を撓ませ、上記嵌合爪を上記嵌合穴から外して固定解除させる。この状態で、上記嵌合板をずらして上記被嵌合部から取り外す。
【0013】
また、上記ロック部は、可撓性を有しその基端部が上記容器本体側に設けられると共に先端部に上記嵌合爪を有する本体側可撓片と、基端部が上記嵌合板側に設けられると共に先端部に上記嵌合爪に嵌合する嵌合穴を有するハンドル側嵌合板と、上記本体側可撓板を撓ませて上記嵌合爪を上記嵌合穴から外して固定解除するツマミとを備えて構成してもよい。
【0014】
上記構成により、上記ハンドルの着脱機構部の嵌合板を上記容器本体側の被嵌合部に嵌合させると、上記本体側可撓片が撓んで嵌合爪が嵌合穴に嵌合する。上記嵌合板を上記被嵌合部から取り外すときは、上記ツマミを押さえて上記本体側可撓片を撓ませ、上記嵌合爪を上記嵌合穴から外して固定解除させる。この状態で、上記嵌合板をずらして上記被嵌合部から取り外す。
【発明の効果】
【0015】
以上詳述したように、本発明の収納容器によれば、次のような効果を奏する。
【0016】
上記揺動片を揺動させて上記嵌合爪を上記嵌合穴に着脱させると共に、上記ストッパで揺動片を固定するため、固定、固定解除を確実に行うことができ、嵌合板を被嵌合部に対して容易に着脱することができる。この結果、ハンドルを容器本体に対して容易に着脱させることができ、収納容器の洗浄作業等の効率を向上させることができる。
【0017】
また、上記可撓板が撓むことで、嵌合爪を嵌合穴に嵌合させ、又は取り外して固定、固定解除させ、上記嵌合板を上記被嵌合部に着脱させるため、ハンドルを容器本体に対して容易に着脱させることができ、収納容器の洗浄作業等の効率を向上させることができる。
【0018】
さらに、上記本体側可撓片が撓むことで、嵌合爪を嵌合穴に嵌合させ、又は取り外して固定、固定解除させ、上記嵌合板を上記被嵌合部に着脱させるため、ハンドルを容器本体に対して容易に着脱させることができ、収納容器の洗浄作業等の効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0020】
[第1実施形態]
本実施形態では、被収納物として半導体ウエハを収納する収納容器を例に説明する。図1は本実施形態に係るハンドルを示す正面図、図4は本実施形態に係る収納容器の容器本体を示す斜視図、図5は本実施形態に係る収納容器の容器本体を示す斜視図、図6は本実施形態に係るハンドルを示す一部破断側面図、図7はロック部の動作を説明する模式図である。
【0021】
本実施形態に係る収納容器は主に、半導体ウエハを内部に収納する容器本体11と、当該容器本体11に取り付けられて内部を密封する蓋体(図示せず)とから構成されている。
【0022】
蓋体は、四角形の皿状に形成され、容器本体11にその上側から取り付けられて容器本体11内を密閉する。蓋体は、容器本体11に固定するための固定手段を備えている。この固定手段としては、フック等の手動式のものと、着脱装置によって自動的に着脱させるものとがある。いずれのタイプでも本発明を適用することができる。
【0023】
容器本体11は、図4,5に示すように、全体をほぼ立方体状に形成されている。この容器本体11は、垂直方向に縦置きされた状態(図4,5の状態)で、周囲の壁となる4枚の側壁部11A,11B,11C,11Dと底板部(図示せず)とから構成されている。各側壁部11A,11B,11C,11Dには、補強のための縦溝12が設けられている。この容器本体11は、半導体ウエハの製造ライン等において必要に応じて水平方向に横置きされる。この横置き状態で底部となる側壁部11Aの外側面には、位置決め手段(図示せず)が設けられている。横置き状態で天井部となる側壁部11Bの外側面には、ウエハ搬送装置用のトップフランジ13が着脱可能に取り付けられる。横置き状態で横壁部となる側壁部11C,11Dの外側面には、ハンドル取付部15が設けられ、このハンドル取付部15にハンドル21(図1参照)が着脱自在に取り付けられる。横置き状態で上壁部となる側壁部11Bの外側面には、フランジ取付部16が設けられ、このフランジ取付部16にトップフランジ13が着脱自在に取り付けられる。
【0024】
ハンドル取付部15は、側壁部11C,11Dの三本の縦溝12のうち中央の縦溝12に設けられた2つの内側フランジ部18と、両側の縦溝12に設けられた2つの外側フランジ部19と、両側の縦溝12のうち上記内側フランジ部18に対向する位置に設けられた2つの中間フランジ部20とから構成されている。2つの内側フランジ部18は、後述するハンドル21の2つの内側係止板32にそれぞれ係止するための部材である。2つの内側フランジ部18は、互いに向き合うように対向して配設されている。2つの外側フランジ部19は、後述するハンドル21の2つの外側係止板31にそれぞれ係止するための部材である。外側フランジ部19は、両側の縦溝12の外側壁に1つずつ設けられ、互いに向き合うように対向して配設されている。一方(図中の右側)の外側フランジ部19には、ロック部28の嵌合爪35が嵌合する嵌合穴34が設けられている。なお、中間フランジ部20は、他の構造のハンドルが係止するための部材である。
【0025】
フランジ取付部16は、側壁部11Bの中央の縦溝12に、互いに対向した状態で2つ設けられたフランジ部16Aによって構成されている。
【0026】
ハンドル21は、作業者が収納容器を持ち上げたり、運んだりするときに掴む部材である。このハンドル21は、図1、図6及び図7に示すように主に、作業者が手で掴む把持部22と、容器本体11の両側に着脱自在に取り付ける着脱機構部23とから構成されている。
【0027】
把持部22は、作業者が直接手で掴む円盤部24と、この円盤部24を着脱機構部23に一体的に固定する円筒状連結部25とから構成されている。
【0028】
着脱機構部23は、容器本体11側に嵌合する嵌合板27と、この嵌合板27が容器本体11のハンドル取付部15に嵌合した状態で容器本体11側に係止して固定するロック部28とから構成されている。
【0029】
嵌合板27は、全体をV字状に形成され、その両端部に外側係止板31が、その中央部に内側係止板32が形成されている。この外側係止板31及び内側係止板32は、ハンドル取付部15の内側フランジ部18と外側フランジ部19とにそれぞれ整合する位置に形成されている。外側係止板31は、断面L字状に形成されて、嵌合板27との間で外側フランジ部19を挟むように支持する。内側係止板32は、外側係止板31と同様に、断面L字状に形成されて、嵌合板27との間で内側フランジ部18を挟むように支持する。
【0030】
嵌合板27の一方の端部にはロック部28が設けられている。このロック部28は、容器本体11側に設けられた嵌合穴34と、ハンドル21の嵌合板27側に揺動可能に設けられると共に一端部に上記嵌合穴34に嵌合する嵌合爪35を有する揺動片36と、この揺動片36を固定するストッパ37とから構成されている。
【0031】
嵌合穴34は、嵌合爪35が嵌合するための穴である。嵌合穴34は、容器本体11の一方の外側フランジ部19に設けられている。
【0032】
揺動片36は、揺動してロック及びロック解除をするために板材である。嵌合板27の一方には、揺動片36を装着するために四角形の装着穴27Aが設けられている。揺動片36は、装着穴27Aに装着された状態で、回転軸36Aによって揺動可能に支持されている。揺動片36の一端部(図7中の右側端部)に嵌合爪35が設けられている。この嵌合爪35が、揺動片36の揺動によって嵌合穴34に嵌合する。
【0033】
ストッパ37は、揺動片36が一方へ揺動して嵌合爪35が嵌合穴34に嵌合した状態(図7中の実線の状態)と、他方へ揺動して嵌合爪35が嵌合穴34から外れた状態(図7中の一点鎖線の状態)とでそれぞれ固定するための部材である。このストッパ37は、揺動片36の両側面の前後にそれぞれ4つ設けられた半球状の凸部37Aと、各凸部37Aに嵌合する半球状の凹部37Bとから構成されている。凹部37Bは、装着穴27Aの内壁のうち、揺動片36が一方へ揺動して嵌合爪35が嵌合穴34に嵌合した状態で嵌合して揺動片36を固定する位置と、他方へ揺動して嵌合爪35が嵌合穴34から外れた状態で嵌合して揺動片36を固定する位置とにそれぞれ設けられている。
【0034】
トップフランジ13は、搬送装置(図示せず)のアーム部で捕まれる把持部13Aと、この把持部13Aと一体的に設けられてフランジ取付部16に嵌合する嵌合板(図示せず)と構成されている。嵌合板には、フランジ取付部16のフランジ部16Aに嵌合する断面L字状の係止板(図示せず)と、上記ロック部28と同様の構成のロック部(図示せず)が設けられている。
【0035】
[動作]
以上のように構成された収納容器は、次のようにして、ハンドル21及びトップフランジ13を着脱させる。
【0036】
収納容器に半導体ウエハを収納して搬送されると、収納容器は洗浄されるために、ハンドル21やトップフランジ13等が取り外される。
【0037】
このときは、まず、ロック部28の揺動片36を、指で押して揺動させて図7中の一点鎖線の状態にして、ストッパ37で固定する。これにより、ハンドル21のロックが解除される。この状態で、ハンドル21を下方へずらすと、ハンドル21は容器本体11から外れてしまう。トップフランジ13も同様にして取り外す。
【0038】
そして、これら、容器本体11、トップフランジ13、ハンドル21等を純粋等で洗浄して、乾燥させる。
【0039】
次いで、ハンドル21の外側係止板31と内側係止板32を縦溝12に挿入した状態で、上方へずれして、内側フランジ部18と外側フランジ部19とにそれぞれ嵌合させる。次いで、ロック部28の揺動片36を、指で押して揺動させて図7中の実線の状態にして、ストッパ37で固定する。これにより、嵌合爪35が嵌合穴34に嵌合して、ハンドル21が容器本体11に固定される。
【0040】
トップフランジ13も同様にして固定する。
【0041】
以上により、この結果、ハンドル21を容器本体11に対して容易に着脱させることができ、収納容器の洗浄作業等の効率を向上させることができる。
【0042】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図8及び図9に基づいて説明する。
【0043】
本実施形態の収納容器の全体構成は上記第1実施形態と同様であるため、同一部材には同一符号を付して説明を省略し、本実施形態の特徴部分のみを説明する。
【0044】
本実施形態は、ロック部を改良したものである。本実施形態のロック部41は、嵌合爪42と、嵌合穴43と、可撓板44と、ツマミ45とを備えて構成されている。
【0045】
嵌合爪42は、可撓板44の嵌合穴43に嵌合するための部材である。この嵌合爪42は、容器本体11側に設けられたフランジ部46の下側に設けられている。
【0046】
嵌合穴43は、嵌合爪42に嵌合してハンドルを固定するための穴である。この嵌合穴43は、可撓板44の先端に設けられている。
【0047】
可撓板44は、嵌合爪42が嵌合穴43に嵌合した状態で支持するための部材である。可撓板44は、可撓性を有する板材で構成され、その基端部が上記嵌合板27側に設けられている。即ち、可撓板44の基端部が、嵌合板27の縁部から垂直に折り返された立て板部27Aで支持されている。これにより、可撓板44と嵌合板27との間には一定の間隔を有しており、その間にフランジ部46が挿入される。可撓板44の先端部に上記嵌合爪42に嵌合する嵌合穴43が設けられている。
【0048】
ツマミ45は、ロックを解除するための部材である。ツマミ45は、可撓板44の先端に設けられ、この可撓板44を撓ませて嵌合爪42を嵌合穴43から外して固定解除する。
【0049】
以上のように構成された収納容器では、ハンドル21の着脱機構部23の嵌合板27と可撓板44との間に、容器本体11側のフランジ部46を嵌合させると、可撓板44が撓んで嵌合爪42が嵌合穴43に嵌合する。これにより、ハンドルがロックされる。
【0050】
嵌合板27を取り外すときは、ツマミ45を押さえて可撓板44を撓ませ、嵌合爪42を嵌合穴43から外して固定解除させる。この状態で、嵌合板27をずらして取り外す。
【0051】
これにより、上記第1実施形態と同様に、ハンドル21を容器本体11に対して容易に着脱させることができ、収納容器の洗浄作業等の効率を向上させることができる。
【0052】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図10及び図11に基づいて説明する。
【0053】
本実施形態の収納容器の全体構成は上記第1実施形態と同様であるため、同一部材には同一符号を付して説明を省略し、本実施形態の特徴部分のみを説明する。
【0054】
本実施形態は、ロック部を改良したものである。本実施形態のロック部51は、嵌合爪52と、本体側可撓片53と、ツマミ54と、ハンドル側嵌合板55と、嵌合穴56とを備えて構成されている。
【0055】
嵌合爪52は、ハンドル側嵌合板55の嵌合穴56に嵌合するための部材である。この嵌合爪52は、本体側可撓片53の下側に設けられている。
【0056】
本体側可撓片53は、嵌合爪52が嵌合穴56に嵌合した状態で支持するための部材である。本体側可撓片53は、可撓性を有する板材で構成され、その基端部が、容器本体11側に設けられたフランジ部57に設けられている。
【0057】
ツマミ54は、ロックを解除するための部材である。ツマミ54は、本体側可撓片53の先端に設けられ、この本体側可撓片53を撓ませて嵌合爪52を嵌合穴56から外して固定解除する。
【0058】
ハンドル側嵌合板55は、嵌合爪52に嵌合する嵌合穴56を先端に設けて支持するための部材である。このハンドル側嵌合板55は、嵌合板27の縁部から垂直に折り返された立て板部27Aで支持されている。これにより、ハンドル側嵌合板55と嵌合板27との間には一定の間隔を有しており、その間にフランジ部57が挿入される。
【0059】
以上のように構成された収納容器では、ハンドル21の着脱機構部23の嵌合板27とハンドル側嵌合板55との間に、容器本体11側のフランジ部57を嵌合させると、本体側可撓片53が撓んで嵌合爪52が嵌合穴56に嵌合する。これにより、ハンドルがロックされる。
【0060】
嵌合板27を取り外すときは、ツマミ54を手前に引いて本体側可撓片53を撓ませ、嵌合爪52を嵌合穴56から外して固定解除させる。この状態で、嵌合板27をずらして取り外す。
【0061】
これにより、上記第1実施形態と同様に、ハンドル21を容器本体11に対して容易に着脱させることができ、収納容器の洗浄作業等の効率を向上させることができる。
【0062】
[変形例]
上記各実施形態では、半導体ウエハの収納容器を例に説明したが、本発明はこれに限らず、他の収納物を収納するための収納容器であってもよい。この場合も、上記実施形態同様の作用、効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1実施形態に係るハンドルを示す正面図である。
【図2】従来の収納容器のハンドルを示す正面図である。
【図3】従来の収納容器のハンドルを示す断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る収納容器の容器本体を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る収納容器の容器本体を示す斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るハンドルを示す一部破断側面図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係るロック部の動作を説明する模式図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るロック部を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るロック部を示す断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係るロック部を示す斜視図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係るロック部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0064】
11:容器本体、11A,11B,11C,11D:側壁部、12:縦溝、13:トップフランジ、13A:把持部、15:ハンドル取付部、16:フランジ取付部、16A:フランジ部、18:内側フランジ部、19:外側フランジ部、20:中間フランジ部、21:ハンドル、22:把持部、23:着脱機構部、24:円盤部、25:円筒状連結部、27:嵌合板、27A:装着穴、28:ロック部、31:外側係止板、32:内側係止板、34:嵌合穴、35:嵌合爪、36:揺動片、36A:回転軸、37:ストッパ、37A:凸部、37B:凹部、41:ロック部、42:嵌合爪、43:嵌合穴、44:可撓板、45:ツマミ、46:フランジ部、51:ロック部、52:嵌合爪、53:本体側可撓片、54:ツマミ、55:ハンドル側嵌合板、56:嵌合穴、57:フランジ部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体内に被収納物を収納して搬送、保管される収納容器において、
上記容器本体に、当該容器本体を手動で持ち上げるためのハンドル又は自動で持ち上げるためのフランジの一方又は両方が設けられると共に、これらハンドル又はフランジの一方又は両方が上記容器本体に対して着脱可能に装着される着脱機構部を備え、
当該着脱機構部が、上記容器本体側の被嵌合部に直接嵌合される嵌合板と、当該嵌合板が上記被嵌合部に嵌合された状態でこれらを固定するロック部とからなり、
当該ロック部が、上記容器本体側に設けられた嵌合穴又は嵌合爪と、上記嵌合板側に揺動可能に設けられると共に一端部に上記嵌合穴又は嵌合爪に嵌合する嵌合爪又は嵌合穴を有する揺動片と、当該揺動片が一方へ揺動して上記嵌合爪が嵌合穴に嵌合した状態と他方へ揺動して上記嵌合爪が嵌合穴から外れた状態とでそれぞれ固定するストッパとを備えて構成されたことを特徴とする収納容器。
【請求項2】
容器本体内に被収納物を収納して搬送、保管される収納容器において、
上記容器本体に、当該容器本体を手動で持ち上げるためのハンドル又は自動で持ち上げるためのフランジの一方又は両方が設けられると共に、これらハンドル又はフランジの一方又は両方が上記容器本体に対して着脱可能に装着される着脱機構部を備え、
当該着脱機構部が、上記容器本体側の被嵌合部に直接嵌合される嵌合板と、当該嵌合板が上記被嵌合部に嵌合された状態でこれらを固定するロック部とからなり、
当該ロック部が、上記容器本体側に設けられた嵌合爪と、可撓性を有しその基端部が上記嵌合板側に設けられると共に先端部に上記嵌合爪に嵌合する嵌合穴を有する可撓板と、当該可撓板を撓ませて上記嵌合爪を上記嵌合穴から外して固定解除するツマミとを備えて構成されたことを特徴とする収納容器。
【請求項3】
容器本体内に被収納物を収納して搬送、保管される収納容器において、
上記容器本体に、当該容器本体を手動で持ち上げるためのハンドル又は自動で持ち上げるためのフランジの一方又は両方が設けられると共に、これらハンドル又はフランジの一方又は両方が上記容器本体に対して着脱可能に装着される着脱機構部を備え、
当該着脱機構部が、上記容器本体側の被嵌合部に直接嵌合される嵌合板と、当該嵌合板が上記被嵌合部に嵌合された状態でこれらを固定するロック部とからなり、
当該ロック部が、可撓性を有しその基端部が上記容器本体側に設けられると共に先端部に上記嵌合爪を有する本体側可撓片と、基端部が上記嵌合板側に設けられると共に先端部に上記嵌合爪に嵌合する嵌合穴を有するハンドル側嵌合板と、上記本体側可撓板を撓ませて上記嵌合爪を上記嵌合穴から外して固定解除するツマミとを備えて構成されたことを特徴とする収納容器。
【請求項1】
容器本体内に被収納物を収納して搬送、保管される収納容器において、
上記容器本体に、当該容器本体を手動で持ち上げるためのハンドル又は自動で持ち上げるためのフランジの一方又は両方が設けられると共に、これらハンドル又はフランジの一方又は両方が上記容器本体に対して着脱可能に装着される着脱機構部を備え、
当該着脱機構部が、上記容器本体側の被嵌合部に直接嵌合される嵌合板と、当該嵌合板が上記被嵌合部に嵌合された状態でこれらを固定するロック部とからなり、
当該ロック部が、上記容器本体側に設けられた嵌合穴又は嵌合爪と、上記嵌合板側に揺動可能に設けられると共に一端部に上記嵌合穴又は嵌合爪に嵌合する嵌合爪又は嵌合穴を有する揺動片と、当該揺動片が一方へ揺動して上記嵌合爪が嵌合穴に嵌合した状態と他方へ揺動して上記嵌合爪が嵌合穴から外れた状態とでそれぞれ固定するストッパとを備えて構成されたことを特徴とする収納容器。
【請求項2】
容器本体内に被収納物を収納して搬送、保管される収納容器において、
上記容器本体に、当該容器本体を手動で持ち上げるためのハンドル又は自動で持ち上げるためのフランジの一方又は両方が設けられると共に、これらハンドル又はフランジの一方又は両方が上記容器本体に対して着脱可能に装着される着脱機構部を備え、
当該着脱機構部が、上記容器本体側の被嵌合部に直接嵌合される嵌合板と、当該嵌合板が上記被嵌合部に嵌合された状態でこれらを固定するロック部とからなり、
当該ロック部が、上記容器本体側に設けられた嵌合爪と、可撓性を有しその基端部が上記嵌合板側に設けられると共に先端部に上記嵌合爪に嵌合する嵌合穴を有する可撓板と、当該可撓板を撓ませて上記嵌合爪を上記嵌合穴から外して固定解除するツマミとを備えて構成されたことを特徴とする収納容器。
【請求項3】
容器本体内に被収納物を収納して搬送、保管される収納容器において、
上記容器本体に、当該容器本体を手動で持ち上げるためのハンドル又は自動で持ち上げるためのフランジの一方又は両方が設けられると共に、これらハンドル又はフランジの一方又は両方が上記容器本体に対して着脱可能に装着される着脱機構部を備え、
当該着脱機構部が、上記容器本体側の被嵌合部に直接嵌合される嵌合板と、当該嵌合板が上記被嵌合部に嵌合された状態でこれらを固定するロック部とからなり、
当該ロック部が、可撓性を有しその基端部が上記容器本体側に設けられると共に先端部に上記嵌合爪を有する本体側可撓片と、基端部が上記嵌合板側に設けられると共に先端部に上記嵌合爪に嵌合する嵌合穴を有するハンドル側嵌合板と、上記本体側可撓板を撓ませて上記嵌合爪を上記嵌合穴から外して固定解除するツマミとを備えて構成されたことを特徴とする収納容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−173331(P2006−173331A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−363258(P2004−363258)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(000140890)ミライアル株式会社 (74)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(000140890)ミライアル株式会社 (74)
【Fターム(参考)】
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