説明

取り付け式スケールバー

スケールバー加工品は、ベースと、構造部材と、構造部材に配置されて、中心を持つ球形物体を収容するように構成される少なくとも2つのネストと、それぞれが第1部位及び第2部位を含む少なくとも3つの取り付けアセンブリとを含むことができる。各取り付けアセンブリの第2部位は、ベースに連結される。各取り付けアセンブリの第1部位は、構造部材に連結される。各取り付けアセンブリの第1部位と第2部位は、互いに接している。各取り付けアセンブリは、回転中心を有する。3つの取り付けアセンブリの回転中心は、球形物体の中心と共通の平面を共有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2009年10月20日に出願された「SCALE BAR(スケールバー)」という名称の米国仮出願第61/253,295号の利益を請求するものであり、前記出願は、その開示内容全体を本願明細書の一部として援用する。
【0002】
本開示は、寸法測定装置の較正に用いられるスケールバー加工品に関する。
【背景技術】
【0003】
各種の加工品を利用して、座標測定機(CMM:Coordinate Measuring Machine)、多関節腕CMM、レーザ追跡装置、及び3Dスキャナ等の寸法測定装置を計測することができる。スケールバー、ボールバー、ゲージブロック、ステップゲージ、及びボールプレートをはじめとする多くのタイプの加工品を利用できる。
【0004】
あるタイプのスケールバーは、2つ以上のネスト(nest)が配設されたバーを含み、この各ネストは、形状が球形の物体を保持することができる。ネスト内に保持された球体の中心間距離を正確に測定する従来の方法の一つは、レーザ追跡装置内の較正された干渉計を利用することを含む。レーザ追跡装置は、通常は、球面状に装着される再帰反射器(SMR:Spherically Mounted Retroreflector)である再帰反射標的までの距離及び2つの角度を測定する装置である。SMRは、鋼球内に埋め込まれたキューブコーナ再帰反射器を含み、このキューブコーナの頂点は球体の中心に位置する。スケールバー上のSMRの位置に合わせてレーザ追跡装置を配置することによって、追跡装置干渉計の読み取り値に基づいた極めて精度の高い測定値が得られる。
【0005】
スケールバー上のネストの中心間距離を測定する場合、オペレータは、2つの各ネストにSMRを装着する際に、そのSMRにレーザビームを整列させる。オペレータは、第1のネストにおいてSMRまでの距離を読み取り、その後、SMRを第2のネストまで移動するが、その際にレーザビームを遮ると、計数漏れが生じて測定が無効になるため、レーザビームを遮ることがないようにSMRを移動する。次に、オペレータは第2のネストまでの距離を読み取る。測定した距離の差が、2つのネストの中心間距離である。このSMRの移動を可能にするため、スケールバーは、追跡装置からのレーザビームが、いずれの障害物にも遭遇せずにネストの中心間を伝播することが可能であるように設計される。
【0006】
ほとんどのスケールバーは、動的取り付け台に載置するように設計されている。動的取り付け台は、スケールバーを取り外し、その後で再び同じ位置にスケールバーを載置できるようにするものである。従来から、多くの動的取り付け方法が存在する。一つの方法では、第1取り付け台上の球体を平面と接触させ、第2取り付け台上の球体をVブロックと接触させ、第3取り付け台上の球体を、120度ごとに配置された3つの小さい球体と接触させる。スケールバーは、テーブル等の平坦な面に取り付けることができる。大きい方の3つの球体は、スケールバーの底面に取り付けることができ、3つの相補形表面(平面、Vブロック、3球構造体)は、テーブルに配置されて大きい方の球体と接することができる。第1の代替例は、テーブルに大きい球体を取り付け、スケールバーの底面に3つの相補形表面を取り付けることである。第2の代替例は、大きい球体のうちのいくつかをテーブルに取り付け、残りをスケールバーの底面に取り付けることである。
【0007】
選択する方法がいずれであっても、剛体を動的に取り付けることに関する原則は、完全な拘束ではあるが、過剰ではなく剛体を拘束することである。この例ではスケールバーである剛体は、過剰な拘束ではない完全な拘束のために除去すべき6自由度を有する。3つの小球体を備える取り付け台が大きい球体を拘束するため、その大きい球体の位置では並進運動を行なうことができない。すなわち、スケールバーの6自由度のうちの3つが取り除かれたことになる。Vブロックを備える取り付け台は、直線に沿って移動するように第2の球体を拘束するため、更に2つの自由度を除去する。平坦な表面を持つ取り付け台は、平面上で移動するように第3の球体を拘束するため、1自由度を除去する。これら3つの取り付け台を同時に利用することにより6自由度が除去されて、スケールバーは、完全ではあるが過剰ではなく拘束される。
【0008】
他の動的取り付け方法は、3つの円筒体ペアを利用するもので、その各ペアは、他のペアから120度離れて、中心点を指し示すように配置される。この3つの円筒体ペアをそれぞれ球体と接触させる。各円筒体は、直線に沿って移動するように球体を拘束して、それぞれが2自由度を除去するため、3つの取り付け台は、スケールバーとテーブルの間に配置されたときに、スケールバーの動きを完全に拘束する。
【0009】
通常、3つの取り付け台は、スケールバーの、本明細書に記載するような磁性ネストを保持する側とは反対の側に配置される。例えば、取り付け台がスケールバーの底面に配置される場合、ネストはスケールバーの上面に配置される。ネストの反対側への取り付け台のこの配置は、一つのネストから別のネストにSMRを動かすときにレーザビームが遮られることを防ぐものである。
【0010】
ただし、ネストの反対側で、スケールバーに取り付け台を装着するこの配置は、スケールバーの使用時の誤差を増大させ得る。このような誤差の一つは、バーに加えられた力がバーを湾曲させる場合に生じる。このような力は、オペレータが被検査機器のプローブ(例えば、多関節腕座標測定機(CMM)のプローブ)でスケールバーに触れたときに、オペレータによって印加される可能性がある。また、この力は、スケールバーを異なる向きに動かした場合に重力によってもたらされたり、スケールバーの取り付け台が装着されるベース部品の熱膨張に由来したりする。
【0011】
更に他のタイプの誤差は、スケールバーが支持構造体に取り付けられた2つのスケールバー区画を含む場合に生じ得る。この場合、構造体上の力は、これらの区画のうちの一方を動かし、その結果、ネストの中心間の長さを変化させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
現在のところ、(1)力が加えられたときにも長さが変化し難く、(2)障害物が存在しないため、レーザ追跡装置の干渉計を用いてネストの中心間距離を測定できる加工品が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
例示的実施形態は、ベースと、構造部材と、前記構造部材に配設されて、中心を持つ球形物体を収容するように構成される少なくとも2つのネストと、それぞれが第1部位及び第2部位を含む少なくとも3つの取り付けアセンブリとを備えるスケールバー加工品を含む。各取り付けアセンブリの第2部位は、ベースに連結される。各取り付けアセンブリの第1部位は、構造部材に連結される。各取り付けアセンブリの第1部位と第2部位は、互いに接している。各取り付けアセンブリは回転中心を有する。3つの取り付けアセンブリの回転中心は、球形物体の中心と共通の平面を共有する。
【0014】
更なる例示的実施形態は、ベースと、第1構造部材区画と、第2構造部材区画と、中心を持つ球形物体を収容するように構成される少なくとも2つのネストであって、この少なくとも2つのネストのうちの第1のものが第1構造部材区画に連結され、少なくとも2つのネストのうちの第2のものが第2構造部材区画に連結される2つのネストと、各取り付けアセンブリが第1部位及び第2部位を含む、少なくとも3つの取り付けアセンブリの第1セットと、少なくとも3つの取り付けアセンブリの第2セットと、を有するスケールバー加工品を含む。各取り付けアセンブリの第2部位はベースに連結される。3つの取り付けアセンブリの第1セット内の各取り付けアセンブリの第1部位は、第1構造部材区画に連結される。3つの取り付けアセンブリの第2セット内の各取り付けアセンブリの第1部位は、第2構造部材区画に連結される。各取り付けアセンブリの第1部位と第2部位は、互いに接している。各取り付けアセンブリは、回転中心を有する。少なくとも3つの取り付けアセンブリの第1セット内及び少なくとも3つの取り付けアセンブリの第2セット内の取り付けアセンブリの回転中心と、球形物体の中心とが、共通の平面を共有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】スケールバーに加えられた力が、ネストの中心間距離を変化させ得る様子を示す模式図である。
【図1B】スケールバーに加えられた力が、ネストの中心間距離を変化させ得る様子を示す模式図である。
【図2A】区画化されたスケールバーの支持構造に加えられた力が、ネストの中心間距離を変化させ得る様子を示す模式図である。
【図2B】区画化されたスケールバーの支持構造に加えられた力が、ネストの中心間距離を変化させ得る様子を示す模式図である。
【図3】一つの区画を含む例示的取り付け式加工品(スケールバー)の斜視図である。
【図4】2つの区画を含む例示的取り付け式加工品(スケールバー)の斜視図である。
【図5】2つの区画を含む例示的取り付け式加工品の正面図である。
【図6A】力の印加に起因する誤差を抑制できる、加工品の取り付け方式を示す模式図である。
【図6B】力の印加に起因する誤差を抑制できる、加工品の取り付け方式を示す模式図である。
【図7】2つの取り付けアセンブリの上部を結合する構造を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、図面を参照すると例示的実施形態が記載されているが、これらの実施形態は、本開示の範囲全体についての限定であると見なされるべきではない。図面において、要素には、複数の図を通して同様の番号が付されている。
【0017】
例示的実施形態は、力が加えられたときに長さが変化し難く、その結果、後述するように、アッベ誤差が大幅に低減される取り付け式加工品を含む。本明細書に記載するように、取り付けアセンブリの回転中心と、球形物体の中心とを整列させることで、取り付け式加工品に力が加えられた場合のアッベ誤差が低減される。本明細書に記載する例示的取り付け式加工品は、障害物が存在しないため、遮られることのない見通し線を提供して、レーザ追跡装置の干渉計を用いたネストの中心間距離の測定を可能にする。
【0018】
図1Aに、取り付け式加工品100の模式図を示す。取り付け式加工品100は、構造部材150、構造部材150に配設されたネスト110A,110B、構造部材150が装着される取り付け台アセンブリ120A,120B,120C、及び取り付け台アセンブリ120A,120B,12Cを支持するベース160を含む。各取り付け台アセンブリ120A,120B,12Cは、第1部位121A,121B,121C及び第2部位122A,122B,122Cを含む。個々の取り付け台アセンブリ120A,120B,120Cの各第1部位121A,121B,121Cは、構造部材150に取り付けられる。個々の取り付け台アセンブリ120A,120B,120Cの各第2部位122A,122B,122Cは、ベース160に取り付けられる。各アセンブリ120A,120B,120Cの第1部位121A,121B,121Cと第2部位122A,122B,122Cは、互いに接している。
【0019】
また、各取り付け台アセンブリ120A,120B,120Cは、回転中心123A,123B,123Cを有する。この3つの回転中心は、同一直線上にない。本明細書に記載するように、一般的な動的取り付け構造の多くは、上部と下部が回転する際の中心となる球体を含む。この場合、球体の中心は、取り付け台アセンブリの中心でもある。例えば、本明細書に記載する取り付け台アセンブリの一つのタイプは、互いに120度離隔して配置される3つの小球体を含み、この小球体の上により大きい球体が配置される。具体的事例として、取り付け台アセンブリの第1部位は、大きい方の球体に取り付けられてよく、第2部位は、3つの小球体に取り付けられてよい。第1部位と第2部位とが互いに接することで、第1部位又は第2部位の一方は、他方を中心として回転することができる。ただし、いずれの場合においても、回転中心は大きい球体の中心である。ここで説明したように、図1Aにおいて、各取り付け台アセンブリ120A,120B,120Cは、回転中心123A,123B,123Cを有する。ただし、取り付け台アセンブリは、回転中心を持つために、球体を含まなくてもよいことは理解されよう。どのような機構であっても、点を中心とした各種の回転は、マウストアセンブリの回転中心として認識される。
【0020】
各ネスト110A,110Bは、中心140A,140Bを有する球形物体130A,130Bを収容するように構成される。球形物体130A,130Bは、例えば、鋼球、又は球面状に装着される再帰反射器(SMR)であってよい。各ネスト110A,110Bは、強磁性の球形物体を保持する力を印加する一つ以上の磁石を含むことができる。これらの磁石は、ネスト110A,110Bと一体に組み込まれても、又は、ネスト110A,110Bに追加される部品であってもよい。
【0021】
図1Bに、力170が加えられた後の、スケールバー100の右側部分の模式図を示す。力170の作用は、構造部材150を湾曲させることである。この湾曲の結果、球形物体130Bの中心140Bが、新しい中心位置140B’に移動するが、この移動の一部は、加工品の方向に沿った移動である。この種の誤差180、本例では球の中心140A,140B間の距離を変化させることになる誤差180は、アッベ誤差と呼ばれることが多い。加工品100の目的は、2つのネスト110A,110Bの中心間の較正された基準距離を正確に提示することである。従って、力170が加えられた結果として生じる、誤差180に起因する、ネスト110A、110B間の距離の変動は、極めて望ましくないものである。
【0022】
図2Aに、取り付け式加工品200の模式図を示す。この加工品200は、構造部材250A,250B、前記構造部材250A,250Bに配設されたネスト210A,210B、取り付け台アセンブリ220A,220B,220C,220D,220E,220F、及びベース260を含む。図示するように、構造部材250Aは、取り付け台アセンブリ220A,220B,220Cに取り付けられ、構造部材250Bは、取り付け台アセンブリ220D,220E,220Fに取り付けられる。各取り付け台アセンブリ220A,220B,220C,220D,220E,220Fは、第1部位221A,221B,221C,221D,221E,221F及び第2部位222A,222B,222C,222D,222E,222Fを含む。各取り付け台アセンブリ220A,220B,220C,220D,220E,220Fの第1部位221A,221B,221C,221D,221E,221Fは、構造部材250A,250Bにそれぞれ取り付けられる。各取り付け台アセンブリ220A,220B,220C,220D,220E,220Fの第2部位222A,222B,222C,222D,222E,222Fは、ベース260に取り付けられる。各アセンブリ220A,220B,220C,220D,220E,220Fの第1部位221A,221B,221C,221D,221E,221F及び第2部位222A,222B,222C,222D,222E,222Fは、互いに接している。取り付け台アセンブリ220A,220B,220C,220D,220E,220Fは、回転中心223A,223B,223C,223D,223E,223Fをそれぞれ含む。回転中心223A,223B,223Cは、同一直線上にない。回転中心223D,223E,223Fは同一直線上にない。
【0023】
各ネスト210A,210Bは、中心240A,240Bをそれぞれ有する球形物体230A,230Bを収容するように構成される。球形物体230A,230Bは、例えば、鋼球又はSMRであってよい。各ネスト210A,210Bは、強磁性の球形物体を所定の位置に保持する力を印加する一つ以上の磁石を含むことができる。この磁石は、ネスト210A,210Bと一体に組み込まれても、又はネスト210A,210Bに追加される部品であってもよい。
【0024】
図2Bに、構造部材250Bに力270が印加された後の、取り付け式加工品200の右側部分の模式図を示す。この力によって湾曲が生じ、その結果生じる球形物体230Bの新しい中心位置240B’への移動の一部は、加工品の方向に沿ったものである。この移動は、球体の中心240A,240B間距離の変化に起因する誤差を発生させるもので、アッベ誤差のもう一つの例である。本明細書に記載するように、加工品200の目的は、2つのネスト210A,210Bの中心間の較正された基準距離を正確に提示することである。繰り返すが、力270が印加された結果として生じる、誤差280に起因するネスト210A,210B間の距離の変動は望ましいものではない。
【0025】
図3は、例示的取り付け式加工品300の斜視図であり、この加工品300は、構造部材350、前記構造部材350に配設されたネスト310A,310B、構造部材350が装着される取り付け台アセンブリ320A,320B,320C、及びベース360を含む。各取り付け台アセンブリ320A,320B,320Cは、第1部位321A,321B,321C及び第2部位322A,322B,322Cを含む。各取り付け台アセンブリ320A,320B,320Cの第1部位321A,321B,321Cは、構造部材350に取り付けられる。各取り付け台アセンブリ320A,320B,320Cの第2部位322A,322B,322Cは、ベース360に取り付けられる。各取り付け台アセンブリ320A,320B,320Cの第1部位321A,321B,321C及び第2部位322A,322B,322Cは互いに接している。取り付け台アセンブリ320A,320B,320Cは、回転中心323A,323B,323Cを含む。
【0026】
各ネスト310A,310Bは、球形物体を収容するように構成される。図3に示す例において、球形物体は、球面状に装着される再帰反射器(SMR)370である。レーザ追跡装置から飛来してよいレーザビーム380は、SMRの中心375に向かって送り出される。ネスト310A,310Bに装着された球形物体の中心間距離を特定するために、オペレータは、まず、SMR370が2つのネスト310A,310Bにそれぞれ配置されたときに、そのSMR370の中心を通る直線に、レーザビーム380を整列させる。オペレータは、ネスト310Bに載置されたSMR370を用いて、追跡装置からSMRの中心375までの距離を、レーザ追跡装置で測定する。次に、オペレータはネスト310Aまでレーザビーム380を移動するが、その際にレーザビーム380がSMR370の位置を追跡する。SMR370がネスト310Aに載置された後、追跡装置が再び距離を読み取る。手前側のネストと奥側のネスト、すなわち、ネスト310A,310Bにおける干渉計による距離の読み取り値の差は、ネスト310A,310Bに装着された2つの球形物体の中心間距離の正確な測定値である。
【0027】
例示的実施形態において、構造部材350は、任意の断面を持つことができ、任意の材料で形成されてよいが、高剛性で熱膨張率(CTE:Coeffieient of Thermal Expansion)の小さい炭素繊維複合材料から成る管であると好ましい。CTEは、温度変化に対応して生じる、材料の長さ変化の測定値である。炭素繊維複合材料の中には、10−6/℃未満のCTEを持つものもある。例示的実施形態において、ネスト310A,310Bは、加工品300が動かされた場合にも、鋼性のSMRまたは球体を所定の位置に保持する磁石を含むことができる。例示的実施形態において、ネスト310A,310Bは、SMR370又は他の所望の球形物体を取り外すことができ、その後、SMR370又は球体の中心375の座標を極めて僅かしか変化させずに、繰り返し同じ場所に戻すことができるように、動的であると好ましい。ネスト内に球面を保持する、一般的な動的取り付け台は、3点支持取り付け台である。多くの場合、ネスト内に3つの球体が装着されて、この3つの接触点を提供する。これらの球体は、互いに120度の間隔で配置されてよい。
【0028】
図3に示した実施形態において、第1部位321Bは、第1部位321Cと単一構造に結合され、第2部位322Bは、第2部位322Cと単一構造に結合される。他の例示的実施形態において、取り付け台アセンブリ320B及び320Cは、取り付け台アセンブリ310Aが図3に示されているような方式でそれぞれ個別に、構造部材350及びベース360に取り付けられてよいことは理解されよう。図3に記載した取り付け台アセンブリ320A,320B,320Cは、この分野で知られている任意の取り付け構造であってよいことは理解されよう。例示的実施形態において、取り付け台アセンブリ320A,320B,320Cは、動的取り付け構造である。例えば、図3の実施形態において、取り付け台アセンブリ320Aは、この分野で知られるように、3つの小球体と接する大球体を含むことができる。取り付け台アセンブリ320Bも、3つの小球体と接する大球体を含み得るが、この取り付け台アセンブリ320Bは、ボールスライド324Bを更に含んでよい。ボールスライド324Bは、直線に沿って滑らかに低摩擦で移動する。3点球面取り付け台は3自由度において拘束されるが、ボールスライド324Bは2自由度のみで拘束されるため、取り付け台アセンブリ320Bは、全体的として2自由度で拘束される。したがって、取り付け台アセンブリ320Bは、同様に2自由度を持つVブロック取り付け台と等価であり得る。取り付け台アセンブリ320Cは、平坦部に接する球体を含んでよい。この組み合わせの取り付け台アセンブリによって、加工品(すなわち、スケールバー)300は、完全ではあるが過剰ではなく拘束される。また、取り付け台アセンブリ320B及び320Cは連結されているため、ボールスライド324Bは、連結された構造に接して配置できることに留意されたい。ここで説明したように、他の例示的実施形態において各種の取り付け構造を考えられることは理解されよう。
【0029】
図6A,6Bに、図3の例示的取り付け式加工品(すなわち、スケールバー)300のいくつかの利点を模式的に示す。図6A,6Bにおいて、例示的加工品600は、構造部材650、構造部材650に配設されたネスト610A,610B、構造部材650が装着される取り付け台アセンブリ620A,620B,620C、及びベース660を含む。各取り付け台アセンブリ620A,620B,620Cは、第1部位621A,621B,621C及び第2部位622A,622B,622Cを含む。各取り付け台アセンブリ620A,620B,620Cの第1部位621A,621B,621Cは、構造部材650に取り付けられる。各取り付け台アセンブリ620A,620B,620Cの第2部位622A,622B,622Cは、ベース660に取り付けられる。各取り付け台アセンブリ620A,620B,620Cの第1部位621A,621B,621Cと第2部位622A,622B,622Cは、互いに接している。取り付け台アセンブリ620A,620B,620Cは回転中心623A,623B,623Cを含む。各ネスト610A,610Bは、球形物体630A,630Bを収容するように構成される。
【0030】
図1A,1Bにおいて、共通の平面が回転中心123A,123B,123Cを保持し、球形物体130A,130Bの中心140Bとベース160の間に位置する。これとは対照的に、図6A,6Bでは、回転中心623A,623B,623Cを保持する共通の平面は、少なくとも概ね、中心640A,640Bを横断するため、回転中心623A,623B,623Cは、中心640A,640Bに有利に整列される。図6Bでは、構造部材650の右側に力670が加えられると、球体630Bがほぼ完全に垂直方向に移動するため、球体の中心640Bは、位置640Bから位置640B’まで移動する。このタイプの変化では、球形物体630B,630Aの中心640B,640A間の距離に誤差680が生じる。この場合、誤差680は、主に、三角形の斜面と底面の差分として定義されるコサイン誤差である。この場合の、回転中心623Cと中心640B,640B’とによって画定される三角形は極めて長尺で薄いため、このコサイン誤差は無視することができる。これに対し、図1Bの球体130Bは、構造部材150に沿って部分的に水平方向に移動する。このタイプの変化では、球形物体140B及び140Aの中心間距離にアッベ誤差170が生じる。例示的実施形態において、取り付け台アセンブリ620A,620B,620Cの回転中心623A,623B,623Cを位置合わせして、球形物体630A,630Bの中心640A,640Bと一致させることで、ネスト610A,610B間の長さ方向の誤差が、大幅に削減される。
【0031】
図6Bに、回転中心623Cと球形物体630Bの中心640Bとを結ぶ線が構造部材650と平行になる位置に、回転中心623Cが配置されていることを示した。この図とその対応する説明は、アッベ誤差を抑制することを基準に提示したものであるが、この問題に関連があるのは、回転中心623A,623Bの位置である。この回転中心623A,623Bの位置は、些末の事項ではない。図6で模式的に描写した実施形態である図3を再び参照して説明すると、取り付け台アセンブリ320Aを、構造部品350の下方に回動点を有する取り付け台アセンブリと入れ替えたとすると、ある種の違いが顕現する。構造部品350の右側に力を加えると、SMR370(又はいずれか他の球形物体)は、3つの回転中心を結んだ平面上で、回転中心323B,323Cを結ぶ線を中心に回動することになる。回転中心を結んだ平面の傾斜により、SMR370は、真下に回転するのではなく、角度を持って回転する。その結果、SMR370の移動は構造部品350に沿った成分を持つことになり、望ましくないアッベ誤差が生じる。このように、アッベ誤差は、ネスト610A,610Bに配置された球形物体630A,630Bの中心が、少なくとも概ね、取り付け台アセンブリ620A,620B,620Cの回転中心623A,623B,623Cを結んだ平面に位置する場合に低減される。
【0032】
図6A及び図6Bは、図3の取り付け式加工品300の模式的表現として示したものである。したがって、ネスト310A,310Bに載置された球形物体の中心(例えば、SMR370の中心375)は、少なくとも概ね、取り付け台アセンブリ320A,320B,320Cの回転中心323A,323B,323Cを保持する平面と一致するため、図6A及び図6Bを参照して説明した原理は、図3の実施形態に適用されることは理解されよう。
【0033】
また、本明細書に記載する例示的取り付け式スケールバーは、SMR(例えば、SMR375)をネスト320Bから320Aに移動する際に、レーザビームの経路を遮ることがない。したがって、ネスト310A,310Bに載置された球形物体の中心間の経路には、いずれの障害物も存在しない。このため、球形物体の間に、遮られない見通し線が存在する。これにより、レーザ追跡装置を用いて、精度よく、容易にスケールバー300を測定することができる。
【0034】
図3の例示的実施形態において、3つの取り付け台アセンブリ320A,320B,320Cの回転中心は、球体の中心に対応する。ただし、球体ではなく、円筒体などの回転要素を用いて、動的構造を形成することもできる。例えば、よく知られているタイプの動的取り付け機構の一つは、それぞれが一つの球体ペアに取り付けられる円筒体を3セット含む。各セットは互いに対して120度の位置で取り付けられる。この場合、各円筒体は、自身の対象軸に対応する回転線を持つ。ただし、動的構造の載置位置から始まる、各取り付け台から離れる方向への2つの円筒体の微小移動は、3つ目の円筒体の回転中心を顕現させる。これにより、動的取り付け機構内の3つの円筒体それぞれに、回転中心が特定され得る。言い換えると、各円筒体そのものは、回転中心(又は回転ポイント)ではなく、対象軸を持つが、動的取り付け機構の文脈において、各円筒体は、回転中心(又は回転ポイント)も有する。この問題は、あらゆるタイプの取り付け構造に該当し得る。取り付け機構の文脈において、各種の動的取り付け台アセンブリは、どのような構成方法であるのかに関わらず、回転中心を持つと考えることができる。
【0035】
図4及び図5は、それぞれ、取り付け式加工品400の斜視図及び正面図で、第1ネスト410Aを含む第1構造部材区画450A、第2ネスト410Bを含む第2構造部材区画450B、第1構造部材区画450Aを支持する第1セットの取り付け台アセンブリ420A,420B,420C、第2構造部材区画450Bを支持する第2セットの取り付け台アセンブリ420D,420E,420F、及び取り付け台アセンブリ420A,420B,420C,420D,420E,420Fに連結されるベース460を示したものである。各取り付け台アセンブリ420A,420B,420C,420D,420E,420Fは、一つの第1部位421A,421B,421C,421D,421E,421Fと、一つの第2部位422A,422B,422C,422D,422E,422Fとを含む。第1セットの取り付け台アセンブリ420A,420B,420Cにおいて、各取り付け台アセンブリの第1部位421A,421B,421Cは、第1構造部材区画450Aに取り付けられる。第2セットの取り付け台アセンブリ420D,420E,420Fにおいて、各取り付け台アセンブリの第1部位421D,421E,421Fは、第2構造部材区画450Bに取り付けられる。各取り付け台アセンブリ420A,420B,420C,420D,420E,420Fの第2部位422A,422B,422C,422D,422E,422Fは、ベース460に取り付けられる。各取り付け台アセンブリ420A,420B,420C,420D,420E,420Fの第1部位421A,421B,421C,421D,421E,421Fと第2部位422A,422B,422C,422D,422E,422Fは、互いに接している。各取り付け台アセンブリ420A,420B,420C,420D,420E,420Fは、回転中心423A,423B,423C,423D,423E,423Fを含む。
【0036】
各ネスト410A,410Bは、球形物体を収容するように構成される。図4に示した例において、球形物体は、球面状に装着される再帰反射器(SMR)470である。レーザ追跡装置から飛来してよいレーザビーム480は、SMRの中心475に向けて送り出される。ネスト410A,410Bに装着された球形物体の中心間距離を特定する場合、オペレータは、まず、SMRが2つのネスト410A,410Bに装着された際に、追跡装置のレーザビーム480がSMRの中心を通る直線上を移動するように、追跡装置を位置合わせする。次に、オペレータは、ネスト410Bに載置されたSMRを用いて、追跡装置からSMR中心475までの距離をレーザ追跡装置で測定する。オペレータは、次に、レーザビーム480をネスト410Aに移動するが、その際にレーザビーム480がSMR470の位置を追跡する。ネスト410AにSMR470が載置された後、追跡装置は、再び距離を読み取る。手前側のネストと奥側のネストにおける干渉計の距離の読み取り値の差が、ネスト410A,410Bに装着された2つの球形物体の中心間距離の正確な測定値である。
【0037】
例示的実施形態において、第1構造部材区画450A及び第2構造部材区画450Bは、任意の断面の持つことができ、任意の材料で形成されてよいが、高剛性で熱膨張率(CTE)の低い管状の炭素繊維複合材料で形成されると好ましい。CTEは、温度変化に対応して生じる、材料の長さ変化の測定値である。炭素繊維複合材料の中には、10−6/℃未満のCTEを持つものもある。例示的実施形態において、ネスト410A,410Bは、スケールバーが移動された場合においても、鋼性のSMR又は球体を所定の位置に保持する磁石を含むことが好ましい。例示的実施形態において、ネストは、SMR又は球形物体を取り外すことができ、その後、SMR470又は球体の中心475の座標を極めて僅かしか変化させずに、繰り返し同じ場所に戻すことができるように、動的であると好ましい。ネスト内に球面を保持する一般的な動的取り付け台は、3点支持取り付け台である。多くの場合、ネスト内に3つの球体が装着されて、この3点接触を提供する。これらの球体は、互いに120度の間隔で配置されてよい。
【0038】
図4に示す実施形態において、第1部位421Aは、第2部位421Bと単一構造に結合され、第2部位422Aは、第2部位422Bと単一構造に結合される。同様に、第1部位421Eは、第1部位421Fと単一構造に結合され、第2部位422Eは、第2部位422Fと単一構造に結合される。他の例示的実施形態において、取り付け台アセンブリ420A及び420Bは、それぞれ個別に、第1構造部材区画450A及びベース460に取り付けられてよいことは理解されるであろう。同様に、取り付け台アセンブリ420E及び420Fは、それぞれ個別に、第2構造部材区画450B及びベース460に取り付けられてよい。図4の取り付け台アセンブリ420A,420B,420C,420D,420E,420Fは、この分野で知られている任意の取り付け構造であってよいことは理解されよう。例示的実施形態において、取り付け台アセンブリ420C,420Dは、動的取り付け構造である。例えば、図4の実施形態において、取り付け台アセンブリ420C,420Dは、この分野で知られているように、3つの小球体と接する大きい切頭球体をそれぞれ含むことができる。取り付け台アセンブリ420Bは、3つの小球体と接する大球体に加え、ボールスライド424Aを含むことができる。取り付け台アセンブリ420Eは、3つの小球体と接する大球体に加え、ボールスライド424Bを含むことができる。ボールスライド424A,424Bは、直線に沿って、低摩擦で滑らかに移動する。3点支持取り付け台は3自由度で拘束されるが、ボールスライド424A,424Bは2自由度のみにおいて拘束されるため、取り付け台アセンブリ420Eは、全体で2自由度のみで拘束される。したがって、取り付け台アセンブリ420Eは、同様に2自由度を持つVブロック取り付け台と等価である。取り付け台アセンブリ420Cは、平坦部と接する球体を含むことができる。この組み合わせの取り付け台アセンブリ420A,420B,420C,420D,420E,420Fにより、加工品(すなわち、スケールバー)400は、完全ではあるが過剰ではなく拘束される。取り付け台アセンブリ420B,420Cは連結されているため、ボールスライド424Aは、連結された構造に接して配置されてよいことに留意されたい。同様に、ボールスライド424Bは、420E及び420Fを含む連結構造に接して配置されてよい。ここで説明したように、他の例示的実施形態では、各種の取り付け構造が考えられることを理解されたい。
【0039】
図4には、第2部位422C及び422Dが、ベース460に取り付けられる一つの構造体425において結合されることが示されている。図5の正面図には、構造体425が、延長部品433及び支持部434を含むことが示されている。構造体425の上面図は、図7に示されている。構造体425は、インバール(Invar)又は超インバール(Invar)等、CTEの低い金属で形成されると好ましい。構造体425は、支持部434によって、ベース460に堅固に取り付けられ、このベース460は各種の材料で形成することができ、CTEの低い材料には限定されない。第1部位421C,421D内の、図5に示すような延長部427C,427Dは、図7に示されるように構造体425内に切り込まれた溝426A及び426Bの中に配設されため、この分野で知られている3つの小球体に、切頭球体428C,428Dを載置することができる。この3つの小球体は、構造体425に開口された各円形穴429C,429Dの周りに配置される。切頭球体428C,428Dの中心は、切頭される前の球体に存在していた中心点である。取り付け台アセンブリ420C,420Dの回転中心は、切頭球体428C,428Dの中心と同一である。
【0040】
取り付け台アセンブリ420C,420Dに切頭球体を利用する利点は、回転中心が、ネスト410A,410Bに配置された球形物体の中心を通る共通平面に残りながら、ネスト間の経路を妨害しないことである。このように、球形物体の間に、遮られない見通し線が存在する。障害物を除去することにより、レーザ追跡装置の干渉計は、既に説明したように、ネスト間の距離を精度よく測定することができる。
【0041】
図4に示すように、ボールスライド424A,424Bにより、取り付け式加工品400は、ネスト410A,410Bに配置された球形物体の中心同士を結ぶ線と平行な線に沿って移動することができる。この自由移動が可能になることにより、ベース460の熱膨張が、取り付け式加工品400に応力を発生させることが防止される。このような応力は、第1及び第2の構造部品450A,450Bを湾曲させて、ネスト410A,410B間の距離を変化させ得る。
【0042】
他の例示的実施形態において、ベース460の一方端における取り付け台アセンブリは固定されてよく、他方の取り付け台アセンブリは、移動できるように構成されてよい。例えば、連結された取り付け台アセンブリ420A,420Bをベース460に固定でき、構造体425をボールスライド上に配置でき、更に、連結された取り付け台アセンブリ420E,420Fをボールスライド上に配置することができる。
【0043】
ここで、2つの構造部材を含む区画に生じ得る誤差は、図2と同様に説明される。ネスト内の球形物体の中心を、取り付け台アセンブリの回転中心間を結んだ平面と同一レベルに維持することによって、前述の誤差が抑制されることは、図1及び図6を参照して説明したとおりである。また、取り付け台アセンブリの位置についての各種の変位(例えば、対応するベースによって生じる変位)がコサイン誤差しか生じないため、ネスト間の距離の変化は無視することができる。
【0044】
本明細書において説明したように、一つの長い区画ではなく、図4及び図5に示したような2つの区画で、本明細書に記載した例示的スケールバーを備えることにはいくつかの利点がある。第1に、各種の位置及び向きで配置された一つ以上のスケールバー加工品を測定することが必要になる場合がある。延長部品433により、例えば、空間内の同一の中央領域を占有する異なる向きで配置される複数のスケールバーを設けることができる。第2に、非常に長いスケールバーを作製することが必要になる場合がある。特定の長さを超えると、バーが過度に湾曲する問題を回避する十分な剛性のある構造部材(440A,450B等)を取得することが困難になる。このような場合は、図4及び図5に示すようにスケールバーを2つの区画に分割するとよい。
【0045】
好ましい実施形態について図示及び説明したが、本発明の精神及び範囲から外れることなく各種の変形及び置換を行うことができる。したがって、本発明について、限定するためではなく、例示として説明したもことを理解されたい。
【0046】
したがって、ここで開示した実施形態は、あらゆる点において例示的なものであり限定するものではないと考えられ、本発明の範囲は、上記の説明ではなく、付属の請求項によって示される。したがって、請求項の均等物の意味及び範囲に包含される変更は全て本発明に含まれることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
構造部材と、
中心を有する球形物体と、
前記構造部材に配設されて、前記球形物体を収容するように構成される少なくとも2つのネストと、
それぞれが第1部位及び第2部位を含む、少なくとも3つの取り付けアセンブリと、
を含むスケールバー加工品であって、
各取り付けアセンブリの前記第2部位は、前記ベースに連結され、
各取り付けアセンブリの前記第1部位は、前記構造部材に連結され、
各取り付けアセンブリの前記第1部位と前記第2部位は、互いに接し、
各取り付けアセンブリは、回転中心を有し、
前記3つの取り付けアセンブリの前記回転中心は、前記球形物体の中心と共通の平面を共有する、スケールバー加工品。
【請求項2】
前記3つの取り付けアセンブリのうちの少なくとも一つは、前記球形物体間の見通し線と平行な線に、少なくとも概ね沿った移動を実現する自由度を有する、請求項1に記載のスケールバー加工品。
【請求項3】
前記見通し線は遮られることがない、請求項2に記載のスケールバー加工品。
【請求項4】
前記3つの取り付けアセンブリそれぞれの前記第1部位及び前記第2部位は、前記構造部材及び前記ベースに、それぞれ動的に連結される、請求項1に記載のスケールバー加工品。
【請求項5】
前記少なくとも2つの各ネストは、前記球形物体を収容し、磁力によって所定の位置に保持される、請求項1に記載のスケールバー加工品。
【請求項6】
ベースと、
中心を有する球形物体と、
第1構造部材区画及び第2構造部材区画と、
前記球形物体を収容するように構成される少なくとも2つのネストであって、前記少なくとも2つのネストのうちの第1のものが、前記第1構造部材区画に連結され、前記少なくとも2つのネストのうちの第2のものが、前記第2構造部材区画に連結される少なくとも2つのネストと、
各取り付けアセンブリが第1部位及び第2部位を有する、少なくとも3つの取り付けアセンブリの第1セットと、少なくとも3つの取り付けアセンブリの第2セットと、を含むスケールバー加工品であって、
各取り付けアセンブリの前記第2部位は、前記ベースに連結され、
3つの取り付けアセンブリの前記第1セット内の各取り付けアセンブリの前記第1部位は、前記第1構造部材区画に連結され、
3つの取り付けアセンブリの前記第2セット内の各取り付けアセンブリの前記第1部位は、前記第2構造部材区画に連結され、
各取り付けアセンブリの前記第1部位と前記第2部位は、互いに接し、
各取り付けアセンブリは、回転中心を有し、
少なくとも3つの取り付けアセンブリの前記第1セット内及び少なくとも3つの取り付けアセンブリの前記第2セット内の前記取り付けアセンブリの回転中心と、前記球形物体の中心とが、共通の平面を共有する、スケールバー加工品。
【請求項7】
少なくとも3つの取り付けアセンブリの前記第1セット内の前記取り付けアセンブリの少なくとも一つは、前記少なくとも2つのネスト内に配置された前記球形物体間を結ぶ見通し線に平行な線に、少なくとも概ね沿った移動を実現する自由度を有し、
少なくとも3つの取り付けアセンブリの前記第2セット内の前記取り付けアセンブリの少なくとも一つは、前記少なくとも2つのネスト内に配置された前記球形物体間を結ぶ見通し線に平行な線に、少なくとも概ね沿った移動を実現する自由度を有する、請求項6に記載のスケールバー加工品。
【請求項8】
前記見通し線は遮られることがない、請求項6に記載のスケールバー加工品。
【請求項9】
少なくとも3つの取り付けアセンブリの前記第1セット内及び少なくとも3つのアセンブリの前記第2セット内の各取り付けアセンブリの前記第1部位及び前記第2部位は、前記第1構造部材区画、前記第2構造部材区画、及び前記ベースに、それぞれ動的に連結される、請求項6に記載のスケールバー加工品。
【請求項10】
前記少なくとも2つの各ネストは、前記球形物体を収容し、磁力によって所定の位置に保持される、請求項6に記載のスケールバー加工品。
【請求項11】
少なくとも3つの取り付けアセンブリの前記第1セット内の前記取り付けアセンブリの少なくとも一つにおいて、前記第1部位は、前記回転中心に位置する球体中心を有する第1切頭球体を含み、
少なくとも3つの取り付けアセンブリの前記第2セット内の前記取り付けアセンブリの少なくとも一つにおいて、前記第1部位は、前記回転中心に位置する球体中心を有する第2切頭球体を含む、請求項6に記載のスケールバー加工品。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−508727(P2013−508727A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535322(P2012−535322)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/053300
【国際公開番号】WO2011/050019
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(598064510)ファロ テクノロジーズ インコーポレーテッド (60)
【Fターム(参考)】