受信回路
【課題】正の単一電源で作動(動作)するオペアンプを用いて負の信号レベルの信号を含む受信信号を増幅することのできる受信回路を提供する。
【解決手段】受信回路100は、基準端子11と基準端子11の電圧を基準とする受信信号を出力する信号端子12とを有する信号部10と、正の入力端子21と負の入力端子22と出力端子23とを有し、正の単一電源E2から電圧が印加されて作動するオペアンプ20と、出力端子23と負の入力端子22との間に接続される第1負荷部30と、信号端子12と負の入力端子22との間に接続される第2負荷部40と、カソード側が接地され、アノード側が基準端子11と正の入力端子21とに接続されるダイオード52を含む基準電圧部50と、を備える。
【解決手段】受信回路100は、基準端子11と基準端子11の電圧を基準とする受信信号を出力する信号端子12とを有する信号部10と、正の入力端子21と負の入力端子22と出力端子23とを有し、正の単一電源E2から電圧が印加されて作動するオペアンプ20と、出力端子23と負の入力端子22との間に接続される第1負荷部30と、信号端子12と負の入力端子22との間に接続される第2負荷部40と、カソード側が接地され、アノード側が基準端子11と正の入力端子21とに接続されるダイオード52を含む基準電圧部50と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係るいくつかの態様は、例えば、超音波を受波して電圧信号を出力する受信回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波送受波器と送信回路と受信回路とを有する超音波送受信装置において、送信回路、受信回路および超音波送受波器をそれぞれ独立した3つの巻線を有するトランスにて回路結合させることにより、低ノイズ、高出力にしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−75198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、受信回路において、受信信号をオペアンプで増幅して出力する場合、正の単一電源で作動(動作)するオペアンプを用いると、当該オペアンプは負の電圧の信号を出力することができなかった。そのため、受信信号が負の信号レベルの信号を含む場合に、受信回路は受信信号を忠実に増幅することができない、という問題があった。
【0005】
本発明のいくつかの態様は前述の問題に鑑みてなされたものであり、正の単一電源で作動(動作)するオペアンプを用いて負の信号レベルの信号を含む受信信号を増幅することのできる受信回路を目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る受信回路は、基準端子と基準端子の電圧を基準とする受信信号を出力する信号端子とを有する信号部と、正の入力端子と負の入力端子と出力端子とを有し、正の単一電源から電圧が印加されて作動する演算増幅回路と、出力端子と負の入力端子との間に接続される第1の負荷と、信号端子と負の入力端子との間に接続される第2の負荷と、カソード側が接地され、アノード側が基準端子と正の入力端子とに接続されるダイオードを含む基準電圧部と、を備える。
【0007】
かかる構成によれば、基準電圧部は、カソードが接地(グランド(GND)に接続)され、アノードが基準端子と正の入力端子とに接続されるダイオードを含む。これにより、グランド(GND)の電圧(電位)を0(ゼロ)[V]とする場合、基準端子11および正の入力端子の電圧は、ダイオードの順方向の電圧降下分の電圧だけ高くなる。ここで、信号端子から出力される受信信号において、基準端子の電圧より低いレベルの信号は、ダイオードの順方向の電圧降下分の電圧を十分に高く設定することで、0(ゼロ)[V]より高くなる。よって、基準電圧部が、カソードが接地(グランド(GND)に接続)され、アノードが基準端子と正の入力端子とに接続されるダイオードを含むことにより、受信信号を、0(ゼロ)[V]より高いレベルの信号(正の電圧の信号)のみを含む信号にすることができる。
【0008】
好ましくは、信号部は前述の単一電源により駆動される。
【0009】
かかる構成によれば、信号部は、演算増幅器に電圧を印加する単一電源により駆動される。これにより、信号部および演算増幅器は同一の単一電源により駆動される。これにより、受信回路は単一電源で作動(動作)することができる。
【0010】
好ましくは、基準電圧部は抵抗器をさらに含む。
【0011】
かかる構成によれば、基準電圧部が抵抗器をさらに含む。これにより、基準端子および正の入力端子の電圧をグランド(GND)の電圧(電位)より高くしつつ、基準電圧部が抵抗器を含まない場合と比較して、ダイオードを通ってグランド(GND)に流れる電流を減少させることができる。これにより、受信回路の消費電力量を低減することができ、省エネ化を図ることができる。
【0012】
好ましくは、前述の抵抗器は可変抵抗器である。
【0013】
かかる構成によれば、基準電圧部に含まれる抵抗器が可変抵抗器である。これにより、可変抵抗器の抵抗値を適切な値に設定することで、ダイオードを通ってグランド(GND)に流れる電流をさらに減少させることができる。これにより、受信回路の消費電力量をさらに低減することができ、省エネ化を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の受信回路によれば、基準電圧部が、カソードが接地(グランド(GND)に接続)され、アノードが基準端子と正の入力端子とに接続されるダイオードを含むことにより、受信信号を、0(ゼロ)[V]より高いレベルの信号(正の電圧の信号)のみを含む信号にすることができる。これにより、正の単一電源で作動するオペアンプを用いて受信信号を増幅することができ、オペアンプの出力端子から出力される増幅信号は、受信信号の信号(情報)を欠くことなく(忠実に)増幅した信号となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態における受信回路を説明するブロック図である。
【図2】仮想的な受信回路の一例を説明するブロック図である。
【図3】図2に示した受信回路の受信信号および増幅信号の時間変化の一例を示すグラフである。
【図4】図1に示した受信回路の受信信号および増幅信号の時間変化の一例を示すグラフである。
【図5】図1に示した受信回路の変形例を説明するブロック図である。
【図6】第2実施形態における受信回路の説明するブロック図である。
【図7】第3実施形態における受信回路の説明するブロック図である。
【図8】図7に示した受信回路の変形例を説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。なお、以下の説明において、図面の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」という。
【0017】
<第1実施形態>
図1ないし図5は、本発明に係る受信回路の第1実施形態を示すためのものである。図1は、第1実施形態における受信回路100を説明するブロック図である。図1に示すように、受信回路100は、信号部10と、オペアンプ(演算増幅器)20と、第1負荷部30と、第2負荷器40と、基準電圧部50と、を備える。
【0018】
信号部10は、例えば、超音波を受信するマイクロフォンである。信号部10は、基準端子11と、信号端子12と、を備える。また、信号部10は、電源端子13を備え、電源端子13に正の電圧源である電源E1に接続される。信号部10は、電源E1から印加された電圧、例えば2.7〜6.0[V]程度の範囲の電圧で動作可能である。すなわち、信号部10は、超音波を受波し、電源E2から印加された電圧に基づいて、受波した超音波を基準端子11の電圧を基準とする受信信号(電圧信号)S1に変換し、受信信号S1を信号端子13から出力する。
【0019】
オペアンプ20は、正(プラス)の入力端子21と、負(マイナス)の入力端子22と、出力端子23と、を備える。また、オペアンプ20は、一組の電源端子24、25を備え、一方の電源端子24は接地(グランド(GND)に接続)され、他方の電源端子25は正の電圧源である電源E2に接続される。オペアンプ20は、電源E1から印加された電圧、例えば1.5〜3.6[V]程度の範囲の電圧で動作可能である。すなわち、オペアンプ20は、正の入力端子21および負の入力端子22から入力された信号を、電源E2から印加された電圧を用いて増幅し、増幅した増幅信号S2を出力端子23から出力する。このように、オペアンプ20は、正の単一電源で作動(動作)する。
【0020】
第1負荷部30は、抵抗器31とコンデンサ(キャパシタ)32とを含んで構成される。第1負荷部30は、出力端子23と負の入力端子22との間に接続される。出力端子23から出力される増幅信号S2の一部は、第1負荷部30によって電気エネルギーが消費され(電圧が低下され)、負の入力端子22にネガティブフィードバック(負帰還)される。抵抗器31およびコンデンサ32は、相互に並列に接続されており、相対的に高い周波数のノイズを除去するローパスフィルターとして機能する。
【0021】
第2負荷部40は、抵抗器41とコンデンサ(キャパシタ)42と抵抗器43とを含んで構成される。第2負荷部40は、信号端子12と負の入力端子22との間に接続される。信号端子12から出力される受信信号S1の一部は、第2負荷部40によって電気エネルギーが消費され(電圧が低下され)、負の入力端子22に入力される。抵抗器41およびコンデンサ42は、直列に接続されており、相対的に低い周波数のノイズを除去するハイパスフィルターとして機能する。また、抵抗器43は、信号端子12と後述する基準電圧部50の接続端子51との間に接続される。なお、抵抗器31および抵抗器41の抵抗値と、コンデンサ32およびコンデンサ42の静電容量とを適切に設定することにより、抵抗器31、コンデンサ32、抵抗器41、および、コンデンサ42は、バンドパスフィルターとして機能する。
【0022】
本実施形態では、第1負荷部30および第2負荷部40の一例として、複数の素子(デバイス)を含む例を示したが、これに限定されない。オペアンプ20が所定の利得(または増幅率)を有するように、オペアンプ20と第1負荷部30および第2負荷部40とによって、反転増幅回路を形成していればよく、例えば、第1負荷部2020および第2負荷部40のうち、少なくとも一方が1つの抵抗器で構成されてもよい。また、第1負荷部30および第2負荷部40は、抵抗器やコンデンサ(キャパシタ)で構成する場合に限定されず、コイル、トランジスタ、ダイオードなどの他の素子(デバイス)を含んでいてもよい。
【0023】
基準電圧部50は、接続端子51とダイオード52とを含んで構成される。接続端子51には、基準端子11と正の入力端子21とが接続される。ダイオード52は、カソードが接地(グランド(GND)に接続)され、アノードが接続端子51に接続される。これにより、グランド(GND)の電圧(電位)を0(ゼロ)[V]とする場合、接続端子51の電圧(電位)、すなわち、基準端子11および正の入力端子21の電圧は、ダイオード52の順方向の電圧降下分の電圧Vb[V]だけ高くなる。
【0024】
図2は、仮想的な受信回路200の一例を説明するブロック図である。なお、図2において、受信回路100と類似する構成部分は、類似の符号をもって表し、その詳細な説明を省略する。図2に示すように、受信回路200は、信号部110と、オペアンプ(演算増幅器)120と、第1負荷部130と、第2負荷部140と、基準電圧部150と、を備える。信号部110は図1に示す信号部10と、オペアンプ120は図1に示すオペアンプ20と、第1負荷部130は図1に示す第1負荷部30と、第2負荷部140は図1に示す第2負荷部40と、それぞれ同一である。基準電圧部150は、ダイオード52を含まない点で図1に示す基準電圧部50と異なる。すなわち、接続端子151は、ダイオードを介さずにそのまま接地(グランド(GND)に接続)される。これにより、基準端子111および正の入力端子121の電圧(電位)は0(ゼロ)[V]になる。
【0025】
図3は、図2に示した受信回路200の受信信号S3および増幅信号S4の時間変化の一例を示すグラフである。なお、図3のグラフにおいて、縦軸は電圧であり、横軸は時間tである。信号部110は、基準端子111の電圧を基準として信号端子112から受信信号S3を出力するので、例えば、信号部110が所定の超音波を受波したときに、図3の上段に示すように、受信信号S3は、基準端子111の電圧、すなわち、0(ゼロ)[V]を振幅の中心とする波形になる。この場合、受信信号S3は、0(ゼロ)[V]より高いレベルの信号(正の電圧の信号)と、0(ゼロ)[V]より低いレベルの信号(負の電圧の信号)の両方を含む信号となる。
【0026】
一方、オペアンプ120、第1負荷部130、および第2負荷部140は、反転増幅回路を形成する。また、正の単一電源で作動するオペアンプ120は、0(ゼロ)[V]より高い正の電圧の信号を出力することができるが、0(ゼロ)[V]より低い負の電圧の信号を出力することができない。そのため、出力端子123から出力される増幅信号S4は、図3に示すように、例えば、時間t1t2間では、受信信号S3における負の電圧の信号は正の電圧の信号に反転され増幅されるが、例えば、時間t2t3間では、受信信号S3における正の電圧の信号は負の電圧に反転されずに0(ゼロ)[V]になる。このように、受信回路200では、増幅信号S4において受信信号S3の信号(情報)の一部が欠けてしてしまう。
【0027】
図4は、図1に示した受信回路100の受信信号S1および増幅信号S2の時間変化の一例を示すグラフである。なお、図4のグラフにおいて、縦軸は電圧であり、横軸は時間tである。図2に示す受信回路200に対し、図1に示す受信回路100は、信号部10が基準端子11の電圧を基準として信号端子12から受信信号S1を出力するので、例えば、信号部10が信号部110と同一の超音波を受波したときに、図4の上段に示すように、受信信号S1は、基準端子11の電圧、すなわち、Vb[V]を振幅の中心とする波形になる。このように、受信信号S1は基準端子11の電圧Vb[V]だけシフトされる。この場合、受信信号S1は、基準端子11の電圧Vb[V]より高いレベルの信号と、基準端子11の電圧Vb[V]より低いレベルの信号の両方を含む。ここで、信号端子12から出力される受信信号S1において、基準端子11の電圧Vb[V]より低いレベルの信号は、ダイオード52の順方向の電圧降下分の電圧Vb[V]を十分に高く設定することで、0(ゼロ)[V]より高くなる。よって、基準電圧部50が、カソードが接地(グランド(GND)に接続)され、アノードが接続端子51に接続されるダイオード52を含むことにより、受信信号S1を、0(ゼロ)[V]より高いレベルの信号(正の電圧の信号)のみを含む信号にすることができる。
【0028】
一方、オペアンプ20、第1負荷部30、および第2負荷部40は、反転増幅回路を形成する。また、正の単一電源で作動するオペアンプ20は、0(ゼロ)[V]より高い正の電圧の信号を出力することができる。そのため、図4に示すように、増幅信号S2は、例えば、時間t1t2間では、受信信号S1における電圧Vb[V]より低いレベルの信号は電圧Vb[V]より高いレベルの信号に反転され増幅されるとともに、例えば、時刻t2t3間では、受信信号S1における電圧Vb[V]より低いレベルの信号は電圧Vb[V]より高いレベルの信号に反転され増幅される。
【0029】
(変形例)
以下の変形例において、前述した実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表し、その説明を省略する。また、前述した実施形態と類似する構成部分は類似の符号をもって表し、その詳細な説明を省略する。さらに、図示しない構成部分は、前述した実施形態と同様とする。
【0030】
図5は、図1に示した受信回路100の変形例を説明するブロック図である。図5に示すように、変形例における受信回路100は、基準電圧部50がダイオード52に加え、もう1つのダイオード53をさらに含む点で、図1に示した受信回路100と異なる。
【0031】
ダイオード52およびダイオード53は、同一または略同一のダイオードであり、直列に接続されている。ダイオード53のアノードはダイオード52のカソードに接続され、ダイオード53のカソードは接地(グランド(GND)に接続)される。また、ダイオード53の順方向の電圧降下の電圧はVb[V]である。これにより、基準端子11および正の入力端子21の電圧は、ダイオード52およびダイオード53の順方向の電圧降下分の電圧、すなわちVb[V]の2倍(2×Vb)だけ高くなる。よって、基準端子11および正の入力端子21の電圧を容易に高い値にすることができる。
【0032】
本変形例では、基準電圧部50が2つのダイオード52,53を含む例を示したが、これに限定されず、基準電圧部50は3つ以上のダイオードを含むようにしてもよい。
【0033】
このように、本実施形態における受信回路100によれば、基準電圧部50は、カソードが接地(グランド(GND)に接続)され、アノードが基準端子11と正の入力端子21とに接続されるダイオード52を含む。これにより、グランド(GND)の電圧(電位)を0(ゼロ)[V]とする場合、接続端子51の電圧(電位)、すなわち、基準端子11および正の入力端子21の電圧は、ダイオード52の順方向の電圧降下分の電圧Vb[V]だけ高くなる。ここで、図4に示すように、信号端子12から出力される受信信号S1において、基準端子11の電圧Vb[V]より低いレベルの信号は、ダイオード52の順方向の電圧降下分の電圧Vb[V]を十分に高く設定することで、0(ゼロ)[V]より高くなる。よって、基準電圧部50が、カソードが接地(グランド(GND)に接続)され、アノードが基準端子11と正の入力端子21とに接続されるダイオード52を含むことにより、受信信号S1を、0(ゼロ)[V]より高いレベルの信号(正の電圧の信号)のみを含む信号にすることができる。これにより、正の単一電源で作動するオペアンプ10を用いて受信信号S1を増幅することができ、オペアンプ20の出力端子23から出力される増幅信号S2は、受信信号S1の信号(情報)を欠くことなく(忠実に)増幅した信号となる。
【0034】
<第2実施形態>
図6は、本発明に係る受信回路の第2実施形態を示すためのものである。なお、特に記載がない限り、前述した第1実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表し、その説明を省略する。また、前述した第1実施形態と類似する構成部分は類似の符号をもって表し、その詳細な説明を省略する。さらに、図示しない構成部分は、前述した第1実施形態と同様とする。
【0035】
図6は、第2実施形態における受信回路100Aの説明するブロック図である。受信回路100Aは、電源E1および電源E2に代えて電源E3を設けた点で、第1実施形態の受信回路100と異なる。
【0036】
電源E3は、例えば正の電圧源であり、オペアンプ20の他方の電源端子25に接続される。オペアンプ20は、電源E3から印加された電圧により作動(動作)する。また、電源E3は、信号部10の電源端子13に接続される。信号部10は、電源E3から印加された電圧により駆動される。このように、電源E3は、信号部10およびオペアンプ20の両方を駆動可能な電圧、例えば、2.7〜3.6[V]程度の範囲の電圧を供給する。これにより、信号部10およびオペアンプ20は同一の電源E3により駆動される。
【0037】
このように、本実施形態における受信回路100Aによれば、信号部10は、オペアンプ20に電圧を印加する電源E3により駆動される。これにより、信号部10およびオペアンプ20は同一の電源E3により駆動される。これにより、受信回路100Aは単一電源で作動(動作)することができる。
【0038】
<第3実施形態>
図7および図8は、本発明に係る受信回路の第3実施形態を示すためのものである。なお、特に記載がない限り、前述した第1実施形態または第2実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表し、その説明を省略する。また、前述した第1実施形態または第2実施形態と類似する構成部分は類似の符号をもって表し、その詳細な説明を省略する。さらに、図示しない構成部分は、前述した第1実施形態または第2実施形態と同様とする。
【0039】
図7は、第3実施形態における受信回路100Bの説明するブロック図である。図7に示すように、受信回路100Bは、基準電圧部50Bがダイオード52に加え、抵抗器54をさらに含む点で、第1実施形態の受信回路100および第2実施形態の受信回路100Aと異なる。
【0040】
ダイオード52および抵抗器54は、直列に接続されている。抵抗器54の一端はダイオード52のカソードに接続され、抵抗器54の他端は接地(グランド(GND)に接続)される。これにより、ダイオード52のカソード側が抵抗器54を介して接地される。このように、基準電圧部50Bが抵抗器54をさらに含むことにより、基準端子11および正の入力端子21の電圧をグランド(GND)の電圧(電位)より高くしつつ、基準電圧部50が抵抗器を含まない第1実施形態の受信回路100および第2実施形態の受信回路100Aの場合と比較して、接続端子51からグランド(GND)に流れる電流を減少させることができる。
【0041】
本実施形態では、ダイオード52のカソード側が抵抗器54を介して接地される例を示したが、これに限定されず、ダイオード52のアノード側が抵抗器54を介して基準端子11と正の入力端子21とに接続されるようにしてもよい。また、ダイオード52および抵抗器54が直列に接続される例を示したが、これに限定されず、ダイオード52および抵抗器54は、相互に並列に接続されるようにしてもよい。
【0042】
(変形例)
以下の変形例において、前述した実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表し、その説明を省略する。また、前述した実施形態と類似する構成部分は類似の符号をもって表し、その詳細な説明を省略する。さらに、図示しない構成部分は、前述した実施形態と同様とする。
【0043】
図8は、図7に示した受信回路100Bの変形例を説明するブロック図である。図8に示すように、変形例における受信回路100Bは、基準電圧部50Bが抵抗器54に代えて可変抵抗器55を含む点で、図7に示した受信回路100Bと異なる。
【0044】
可変抵抗器55は、抵抗値を所定範囲において任意の値に変更可能な抵抗器である。ダイオード52および可変抵抗器55は、直列に接続されている。可変抵抗器55の一端はダイオード52のカソードに接続され、可変抵抗器55の他端は接地(グランド(GND)に接続)される。これにより、ダイオード52のカソード側が可変抵抗器55を介して接地される。このように、基準電圧部50Bに含まれる抵抗器が可変抵抗器55であることにより、可変抵抗器55の抵抗値を適切な値に設定することで、接続端子51を通ってグランド(GND)に流れる電流をさらに減少させることができる。
【0045】
本変形例では、ダイオード52のカソード側が可変抵抗器55を介して接地される例を示したが、これに限定されず、ダイオード52のアノード側が可変抵抗器55を介して基準端子11と正の入力端子21とに接続されるようにしてもよい。また、ダイオード52および可変抵抗器55は、直列に接続される例を示したが、これに限定されず、ダイオード52および可変抵抗器55は、相互に並列に接続されるようにしてもよい。
【0046】
このように、本実施形態における受信回路100Bによれば、基準電圧部50Bが抵抗器54をさらに含む。これにより、基準端子11および正の入力端子21の電圧をグランド(GND)の電圧(電位)より高くしつつ、基準電圧部50が抵抗器を含まない第1実施形態の受信回路100および第2実施形態の受信回路100Aの場合と比較して、ダイオード52を通ってグランド(GND)に流れる電流を減少させることができる。これにより、受信回路100Bの消費電力量を低減することができ、省エネ化を図ることができる。
【0047】
また、本実施形態における受信回路100Bによれば、基準電圧部50Bに含まれる抵抗器が可変抵抗器55である。これにより、可変抵抗器55の抵抗値を適切な値に設定することで、ダイオード52を通ってグランド(GND)に流れる電流をさらに減少させることができる。これにより、受信回路100Bの消費電力量をさらに低減することができ、省エネ化を図ることができる。
【0048】
なお、前述した各実施形態の構成は、組み合わせたり、あるいは一部の構成部分を入れ替えたりしたりしてもよい。また、本発明の構成は前述した各実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。
【符号の説明】
【0049】
10…信号部
11…基準端子
12…信号端子
20…オペアンプ(演算増幅器)
21…正の入力端子
22…負の入力端子
23…出力端子
30…第1負荷部
40…第2負荷部
50,50B…基準電圧部
51…接続端子
52,53…ダイオード
54…抵抗器
55…可変抵抗器
100,100A,100B…受信回路
E1,E2,E3…電源
【技術分野】
【0001】
本発明に係るいくつかの態様は、例えば、超音波を受波して電圧信号を出力する受信回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波送受波器と送信回路と受信回路とを有する超音波送受信装置において、送信回路、受信回路および超音波送受波器をそれぞれ独立した3つの巻線を有するトランスにて回路結合させることにより、低ノイズ、高出力にしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−75198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、受信回路において、受信信号をオペアンプで増幅して出力する場合、正の単一電源で作動(動作)するオペアンプを用いると、当該オペアンプは負の電圧の信号を出力することができなかった。そのため、受信信号が負の信号レベルの信号を含む場合に、受信回路は受信信号を忠実に増幅することができない、という問題があった。
【0005】
本発明のいくつかの態様は前述の問題に鑑みてなされたものであり、正の単一電源で作動(動作)するオペアンプを用いて負の信号レベルの信号を含む受信信号を増幅することのできる受信回路を目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る受信回路は、基準端子と基準端子の電圧を基準とする受信信号を出力する信号端子とを有する信号部と、正の入力端子と負の入力端子と出力端子とを有し、正の単一電源から電圧が印加されて作動する演算増幅回路と、出力端子と負の入力端子との間に接続される第1の負荷と、信号端子と負の入力端子との間に接続される第2の負荷と、カソード側が接地され、アノード側が基準端子と正の入力端子とに接続されるダイオードを含む基準電圧部と、を備える。
【0007】
かかる構成によれば、基準電圧部は、カソードが接地(グランド(GND)に接続)され、アノードが基準端子と正の入力端子とに接続されるダイオードを含む。これにより、グランド(GND)の電圧(電位)を0(ゼロ)[V]とする場合、基準端子11および正の入力端子の電圧は、ダイオードの順方向の電圧降下分の電圧だけ高くなる。ここで、信号端子から出力される受信信号において、基準端子の電圧より低いレベルの信号は、ダイオードの順方向の電圧降下分の電圧を十分に高く設定することで、0(ゼロ)[V]より高くなる。よって、基準電圧部が、カソードが接地(グランド(GND)に接続)され、アノードが基準端子と正の入力端子とに接続されるダイオードを含むことにより、受信信号を、0(ゼロ)[V]より高いレベルの信号(正の電圧の信号)のみを含む信号にすることができる。
【0008】
好ましくは、信号部は前述の単一電源により駆動される。
【0009】
かかる構成によれば、信号部は、演算増幅器に電圧を印加する単一電源により駆動される。これにより、信号部および演算増幅器は同一の単一電源により駆動される。これにより、受信回路は単一電源で作動(動作)することができる。
【0010】
好ましくは、基準電圧部は抵抗器をさらに含む。
【0011】
かかる構成によれば、基準電圧部が抵抗器をさらに含む。これにより、基準端子および正の入力端子の電圧をグランド(GND)の電圧(電位)より高くしつつ、基準電圧部が抵抗器を含まない場合と比較して、ダイオードを通ってグランド(GND)に流れる電流を減少させることができる。これにより、受信回路の消費電力量を低減することができ、省エネ化を図ることができる。
【0012】
好ましくは、前述の抵抗器は可変抵抗器である。
【0013】
かかる構成によれば、基準電圧部に含まれる抵抗器が可変抵抗器である。これにより、可変抵抗器の抵抗値を適切な値に設定することで、ダイオードを通ってグランド(GND)に流れる電流をさらに減少させることができる。これにより、受信回路の消費電力量をさらに低減することができ、省エネ化を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の受信回路によれば、基準電圧部が、カソードが接地(グランド(GND)に接続)され、アノードが基準端子と正の入力端子とに接続されるダイオードを含むことにより、受信信号を、0(ゼロ)[V]より高いレベルの信号(正の電圧の信号)のみを含む信号にすることができる。これにより、正の単一電源で作動するオペアンプを用いて受信信号を増幅することができ、オペアンプの出力端子から出力される増幅信号は、受信信号の信号(情報)を欠くことなく(忠実に)増幅した信号となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態における受信回路を説明するブロック図である。
【図2】仮想的な受信回路の一例を説明するブロック図である。
【図3】図2に示した受信回路の受信信号および増幅信号の時間変化の一例を示すグラフである。
【図4】図1に示した受信回路の受信信号および増幅信号の時間変化の一例を示すグラフである。
【図5】図1に示した受信回路の変形例を説明するブロック図である。
【図6】第2実施形態における受信回路の説明するブロック図である。
【図7】第3実施形態における受信回路の説明するブロック図である。
【図8】図7に示した受信回路の変形例を説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。なお、以下の説明において、図面の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」という。
【0017】
<第1実施形態>
図1ないし図5は、本発明に係る受信回路の第1実施形態を示すためのものである。図1は、第1実施形態における受信回路100を説明するブロック図である。図1に示すように、受信回路100は、信号部10と、オペアンプ(演算増幅器)20と、第1負荷部30と、第2負荷器40と、基準電圧部50と、を備える。
【0018】
信号部10は、例えば、超音波を受信するマイクロフォンである。信号部10は、基準端子11と、信号端子12と、を備える。また、信号部10は、電源端子13を備え、電源端子13に正の電圧源である電源E1に接続される。信号部10は、電源E1から印加された電圧、例えば2.7〜6.0[V]程度の範囲の電圧で動作可能である。すなわち、信号部10は、超音波を受波し、電源E2から印加された電圧に基づいて、受波した超音波を基準端子11の電圧を基準とする受信信号(電圧信号)S1に変換し、受信信号S1を信号端子13から出力する。
【0019】
オペアンプ20は、正(プラス)の入力端子21と、負(マイナス)の入力端子22と、出力端子23と、を備える。また、オペアンプ20は、一組の電源端子24、25を備え、一方の電源端子24は接地(グランド(GND)に接続)され、他方の電源端子25は正の電圧源である電源E2に接続される。オペアンプ20は、電源E1から印加された電圧、例えば1.5〜3.6[V]程度の範囲の電圧で動作可能である。すなわち、オペアンプ20は、正の入力端子21および負の入力端子22から入力された信号を、電源E2から印加された電圧を用いて増幅し、増幅した増幅信号S2を出力端子23から出力する。このように、オペアンプ20は、正の単一電源で作動(動作)する。
【0020】
第1負荷部30は、抵抗器31とコンデンサ(キャパシタ)32とを含んで構成される。第1負荷部30は、出力端子23と負の入力端子22との間に接続される。出力端子23から出力される増幅信号S2の一部は、第1負荷部30によって電気エネルギーが消費され(電圧が低下され)、負の入力端子22にネガティブフィードバック(負帰還)される。抵抗器31およびコンデンサ32は、相互に並列に接続されており、相対的に高い周波数のノイズを除去するローパスフィルターとして機能する。
【0021】
第2負荷部40は、抵抗器41とコンデンサ(キャパシタ)42と抵抗器43とを含んで構成される。第2負荷部40は、信号端子12と負の入力端子22との間に接続される。信号端子12から出力される受信信号S1の一部は、第2負荷部40によって電気エネルギーが消費され(電圧が低下され)、負の入力端子22に入力される。抵抗器41およびコンデンサ42は、直列に接続されており、相対的に低い周波数のノイズを除去するハイパスフィルターとして機能する。また、抵抗器43は、信号端子12と後述する基準電圧部50の接続端子51との間に接続される。なお、抵抗器31および抵抗器41の抵抗値と、コンデンサ32およびコンデンサ42の静電容量とを適切に設定することにより、抵抗器31、コンデンサ32、抵抗器41、および、コンデンサ42は、バンドパスフィルターとして機能する。
【0022】
本実施形態では、第1負荷部30および第2負荷部40の一例として、複数の素子(デバイス)を含む例を示したが、これに限定されない。オペアンプ20が所定の利得(または増幅率)を有するように、オペアンプ20と第1負荷部30および第2負荷部40とによって、反転増幅回路を形成していればよく、例えば、第1負荷部2020および第2負荷部40のうち、少なくとも一方が1つの抵抗器で構成されてもよい。また、第1負荷部30および第2負荷部40は、抵抗器やコンデンサ(キャパシタ)で構成する場合に限定されず、コイル、トランジスタ、ダイオードなどの他の素子(デバイス)を含んでいてもよい。
【0023】
基準電圧部50は、接続端子51とダイオード52とを含んで構成される。接続端子51には、基準端子11と正の入力端子21とが接続される。ダイオード52は、カソードが接地(グランド(GND)に接続)され、アノードが接続端子51に接続される。これにより、グランド(GND)の電圧(電位)を0(ゼロ)[V]とする場合、接続端子51の電圧(電位)、すなわち、基準端子11および正の入力端子21の電圧は、ダイオード52の順方向の電圧降下分の電圧Vb[V]だけ高くなる。
【0024】
図2は、仮想的な受信回路200の一例を説明するブロック図である。なお、図2において、受信回路100と類似する構成部分は、類似の符号をもって表し、その詳細な説明を省略する。図2に示すように、受信回路200は、信号部110と、オペアンプ(演算増幅器)120と、第1負荷部130と、第2負荷部140と、基準電圧部150と、を備える。信号部110は図1に示す信号部10と、オペアンプ120は図1に示すオペアンプ20と、第1負荷部130は図1に示す第1負荷部30と、第2負荷部140は図1に示す第2負荷部40と、それぞれ同一である。基準電圧部150は、ダイオード52を含まない点で図1に示す基準電圧部50と異なる。すなわち、接続端子151は、ダイオードを介さずにそのまま接地(グランド(GND)に接続)される。これにより、基準端子111および正の入力端子121の電圧(電位)は0(ゼロ)[V]になる。
【0025】
図3は、図2に示した受信回路200の受信信号S3および増幅信号S4の時間変化の一例を示すグラフである。なお、図3のグラフにおいて、縦軸は電圧であり、横軸は時間tである。信号部110は、基準端子111の電圧を基準として信号端子112から受信信号S3を出力するので、例えば、信号部110が所定の超音波を受波したときに、図3の上段に示すように、受信信号S3は、基準端子111の電圧、すなわち、0(ゼロ)[V]を振幅の中心とする波形になる。この場合、受信信号S3は、0(ゼロ)[V]より高いレベルの信号(正の電圧の信号)と、0(ゼロ)[V]より低いレベルの信号(負の電圧の信号)の両方を含む信号となる。
【0026】
一方、オペアンプ120、第1負荷部130、および第2負荷部140は、反転増幅回路を形成する。また、正の単一電源で作動するオペアンプ120は、0(ゼロ)[V]より高い正の電圧の信号を出力することができるが、0(ゼロ)[V]より低い負の電圧の信号を出力することができない。そのため、出力端子123から出力される増幅信号S4は、図3に示すように、例えば、時間t1t2間では、受信信号S3における負の電圧の信号は正の電圧の信号に反転され増幅されるが、例えば、時間t2t3間では、受信信号S3における正の電圧の信号は負の電圧に反転されずに0(ゼロ)[V]になる。このように、受信回路200では、増幅信号S4において受信信号S3の信号(情報)の一部が欠けてしてしまう。
【0027】
図4は、図1に示した受信回路100の受信信号S1および増幅信号S2の時間変化の一例を示すグラフである。なお、図4のグラフにおいて、縦軸は電圧であり、横軸は時間tである。図2に示す受信回路200に対し、図1に示す受信回路100は、信号部10が基準端子11の電圧を基準として信号端子12から受信信号S1を出力するので、例えば、信号部10が信号部110と同一の超音波を受波したときに、図4の上段に示すように、受信信号S1は、基準端子11の電圧、すなわち、Vb[V]を振幅の中心とする波形になる。このように、受信信号S1は基準端子11の電圧Vb[V]だけシフトされる。この場合、受信信号S1は、基準端子11の電圧Vb[V]より高いレベルの信号と、基準端子11の電圧Vb[V]より低いレベルの信号の両方を含む。ここで、信号端子12から出力される受信信号S1において、基準端子11の電圧Vb[V]より低いレベルの信号は、ダイオード52の順方向の電圧降下分の電圧Vb[V]を十分に高く設定することで、0(ゼロ)[V]より高くなる。よって、基準電圧部50が、カソードが接地(グランド(GND)に接続)され、アノードが接続端子51に接続されるダイオード52を含むことにより、受信信号S1を、0(ゼロ)[V]より高いレベルの信号(正の電圧の信号)のみを含む信号にすることができる。
【0028】
一方、オペアンプ20、第1負荷部30、および第2負荷部40は、反転増幅回路を形成する。また、正の単一電源で作動するオペアンプ20は、0(ゼロ)[V]より高い正の電圧の信号を出力することができる。そのため、図4に示すように、増幅信号S2は、例えば、時間t1t2間では、受信信号S1における電圧Vb[V]より低いレベルの信号は電圧Vb[V]より高いレベルの信号に反転され増幅されるとともに、例えば、時刻t2t3間では、受信信号S1における電圧Vb[V]より低いレベルの信号は電圧Vb[V]より高いレベルの信号に反転され増幅される。
【0029】
(変形例)
以下の変形例において、前述した実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表し、その説明を省略する。また、前述した実施形態と類似する構成部分は類似の符号をもって表し、その詳細な説明を省略する。さらに、図示しない構成部分は、前述した実施形態と同様とする。
【0030】
図5は、図1に示した受信回路100の変形例を説明するブロック図である。図5に示すように、変形例における受信回路100は、基準電圧部50がダイオード52に加え、もう1つのダイオード53をさらに含む点で、図1に示した受信回路100と異なる。
【0031】
ダイオード52およびダイオード53は、同一または略同一のダイオードであり、直列に接続されている。ダイオード53のアノードはダイオード52のカソードに接続され、ダイオード53のカソードは接地(グランド(GND)に接続)される。また、ダイオード53の順方向の電圧降下の電圧はVb[V]である。これにより、基準端子11および正の入力端子21の電圧は、ダイオード52およびダイオード53の順方向の電圧降下分の電圧、すなわちVb[V]の2倍(2×Vb)だけ高くなる。よって、基準端子11および正の入力端子21の電圧を容易に高い値にすることができる。
【0032】
本変形例では、基準電圧部50が2つのダイオード52,53を含む例を示したが、これに限定されず、基準電圧部50は3つ以上のダイオードを含むようにしてもよい。
【0033】
このように、本実施形態における受信回路100によれば、基準電圧部50は、カソードが接地(グランド(GND)に接続)され、アノードが基準端子11と正の入力端子21とに接続されるダイオード52を含む。これにより、グランド(GND)の電圧(電位)を0(ゼロ)[V]とする場合、接続端子51の電圧(電位)、すなわち、基準端子11および正の入力端子21の電圧は、ダイオード52の順方向の電圧降下分の電圧Vb[V]だけ高くなる。ここで、図4に示すように、信号端子12から出力される受信信号S1において、基準端子11の電圧Vb[V]より低いレベルの信号は、ダイオード52の順方向の電圧降下分の電圧Vb[V]を十分に高く設定することで、0(ゼロ)[V]より高くなる。よって、基準電圧部50が、カソードが接地(グランド(GND)に接続)され、アノードが基準端子11と正の入力端子21とに接続されるダイオード52を含むことにより、受信信号S1を、0(ゼロ)[V]より高いレベルの信号(正の電圧の信号)のみを含む信号にすることができる。これにより、正の単一電源で作動するオペアンプ10を用いて受信信号S1を増幅することができ、オペアンプ20の出力端子23から出力される増幅信号S2は、受信信号S1の信号(情報)を欠くことなく(忠実に)増幅した信号となる。
【0034】
<第2実施形態>
図6は、本発明に係る受信回路の第2実施形態を示すためのものである。なお、特に記載がない限り、前述した第1実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表し、その説明を省略する。また、前述した第1実施形態と類似する構成部分は類似の符号をもって表し、その詳細な説明を省略する。さらに、図示しない構成部分は、前述した第1実施形態と同様とする。
【0035】
図6は、第2実施形態における受信回路100Aの説明するブロック図である。受信回路100Aは、電源E1および電源E2に代えて電源E3を設けた点で、第1実施形態の受信回路100と異なる。
【0036】
電源E3は、例えば正の電圧源であり、オペアンプ20の他方の電源端子25に接続される。オペアンプ20は、電源E3から印加された電圧により作動(動作)する。また、電源E3は、信号部10の電源端子13に接続される。信号部10は、電源E3から印加された電圧により駆動される。このように、電源E3は、信号部10およびオペアンプ20の両方を駆動可能な電圧、例えば、2.7〜3.6[V]程度の範囲の電圧を供給する。これにより、信号部10およびオペアンプ20は同一の電源E3により駆動される。
【0037】
このように、本実施形態における受信回路100Aによれば、信号部10は、オペアンプ20に電圧を印加する電源E3により駆動される。これにより、信号部10およびオペアンプ20は同一の電源E3により駆動される。これにより、受信回路100Aは単一電源で作動(動作)することができる。
【0038】
<第3実施形態>
図7および図8は、本発明に係る受信回路の第3実施形態を示すためのものである。なお、特に記載がない限り、前述した第1実施形態または第2実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表し、その説明を省略する。また、前述した第1実施形態または第2実施形態と類似する構成部分は類似の符号をもって表し、その詳細な説明を省略する。さらに、図示しない構成部分は、前述した第1実施形態または第2実施形態と同様とする。
【0039】
図7は、第3実施形態における受信回路100Bの説明するブロック図である。図7に示すように、受信回路100Bは、基準電圧部50Bがダイオード52に加え、抵抗器54をさらに含む点で、第1実施形態の受信回路100および第2実施形態の受信回路100Aと異なる。
【0040】
ダイオード52および抵抗器54は、直列に接続されている。抵抗器54の一端はダイオード52のカソードに接続され、抵抗器54の他端は接地(グランド(GND)に接続)される。これにより、ダイオード52のカソード側が抵抗器54を介して接地される。このように、基準電圧部50Bが抵抗器54をさらに含むことにより、基準端子11および正の入力端子21の電圧をグランド(GND)の電圧(電位)より高くしつつ、基準電圧部50が抵抗器を含まない第1実施形態の受信回路100および第2実施形態の受信回路100Aの場合と比較して、接続端子51からグランド(GND)に流れる電流を減少させることができる。
【0041】
本実施形態では、ダイオード52のカソード側が抵抗器54を介して接地される例を示したが、これに限定されず、ダイオード52のアノード側が抵抗器54を介して基準端子11と正の入力端子21とに接続されるようにしてもよい。また、ダイオード52および抵抗器54が直列に接続される例を示したが、これに限定されず、ダイオード52および抵抗器54は、相互に並列に接続されるようにしてもよい。
【0042】
(変形例)
以下の変形例において、前述した実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表し、その説明を省略する。また、前述した実施形態と類似する構成部分は類似の符号をもって表し、その詳細な説明を省略する。さらに、図示しない構成部分は、前述した実施形態と同様とする。
【0043】
図8は、図7に示した受信回路100Bの変形例を説明するブロック図である。図8に示すように、変形例における受信回路100Bは、基準電圧部50Bが抵抗器54に代えて可変抵抗器55を含む点で、図7に示した受信回路100Bと異なる。
【0044】
可変抵抗器55は、抵抗値を所定範囲において任意の値に変更可能な抵抗器である。ダイオード52および可変抵抗器55は、直列に接続されている。可変抵抗器55の一端はダイオード52のカソードに接続され、可変抵抗器55の他端は接地(グランド(GND)に接続)される。これにより、ダイオード52のカソード側が可変抵抗器55を介して接地される。このように、基準電圧部50Bに含まれる抵抗器が可変抵抗器55であることにより、可変抵抗器55の抵抗値を適切な値に設定することで、接続端子51を通ってグランド(GND)に流れる電流をさらに減少させることができる。
【0045】
本変形例では、ダイオード52のカソード側が可変抵抗器55を介して接地される例を示したが、これに限定されず、ダイオード52のアノード側が可変抵抗器55を介して基準端子11と正の入力端子21とに接続されるようにしてもよい。また、ダイオード52および可変抵抗器55は、直列に接続される例を示したが、これに限定されず、ダイオード52および可変抵抗器55は、相互に並列に接続されるようにしてもよい。
【0046】
このように、本実施形態における受信回路100Bによれば、基準電圧部50Bが抵抗器54をさらに含む。これにより、基準端子11および正の入力端子21の電圧をグランド(GND)の電圧(電位)より高くしつつ、基準電圧部50が抵抗器を含まない第1実施形態の受信回路100および第2実施形態の受信回路100Aの場合と比較して、ダイオード52を通ってグランド(GND)に流れる電流を減少させることができる。これにより、受信回路100Bの消費電力量を低減することができ、省エネ化を図ることができる。
【0047】
また、本実施形態における受信回路100Bによれば、基準電圧部50Bに含まれる抵抗器が可変抵抗器55である。これにより、可変抵抗器55の抵抗値を適切な値に設定することで、ダイオード52を通ってグランド(GND)に流れる電流をさらに減少させることができる。これにより、受信回路100Bの消費電力量をさらに低減することができ、省エネ化を図ることができる。
【0048】
なお、前述した各実施形態の構成は、組み合わせたり、あるいは一部の構成部分を入れ替えたりしたりしてもよい。また、本発明の構成は前述した各実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。
【符号の説明】
【0049】
10…信号部
11…基準端子
12…信号端子
20…オペアンプ(演算増幅器)
21…正の入力端子
22…負の入力端子
23…出力端子
30…第1負荷部
40…第2負荷部
50,50B…基準電圧部
51…接続端子
52,53…ダイオード
54…抵抗器
55…可変抵抗器
100,100A,100B…受信回路
E1,E2,E3…電源
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準端子と前記基準端子の電圧を基準とする受信信号を出力する信号端子とを有する信号部と、
正の入力端子と負の入力端子と出力端子とを有し、正の単一電源から電圧が印加されて作動する演算増幅回路と、
前記出力端子と前記負の入力端子との間に接続される第1の負荷と、
前記信号端子と前記負の入力端子との間に接続される第2の負荷と、
カソード側が接地され、アノード側が前記基準端子と前記正の入力端子とに接続されるダイオードを含む基準電圧部と、を備える
ことを特徴とする受信回路。
【請求項2】
前記信号部は前記単一電源により駆動される
ことを特徴とする請求項1に記載の受信回路。
【請求項3】
前記基準電圧部は抵抗器をさらに含む
ことを特徴とする請求項1または2に記載の受信回路。
【請求項4】
前記抵抗器は可変抵抗器である
ことを特徴とする請求項3に記載の受信回路。
【請求項1】
基準端子と前記基準端子の電圧を基準とする受信信号を出力する信号端子とを有する信号部と、
正の入力端子と負の入力端子と出力端子とを有し、正の単一電源から電圧が印加されて作動する演算増幅回路と、
前記出力端子と前記負の入力端子との間に接続される第1の負荷と、
前記信号端子と前記負の入力端子との間に接続される第2の負荷と、
カソード側が接地され、アノード側が前記基準端子と前記正の入力端子とに接続されるダイオードを含む基準電圧部と、を備える
ことを特徴とする受信回路。
【請求項2】
前記信号部は前記単一電源により駆動される
ことを特徴とする請求項1に記載の受信回路。
【請求項3】
前記基準電圧部は抵抗器をさらに含む
ことを特徴とする請求項1または2に記載の受信回路。
【請求項4】
前記抵抗器は可変抵抗器である
ことを特徴とする請求項3に記載の受信回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2013−66055(P2013−66055A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203431(P2011−203431)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000006666)アズビル株式会社 (1,808)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000006666)アズビル株式会社 (1,808)
【Fターム(参考)】
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