説明

可変ターボ過給機

【課題】開度調整動作中に内部部品が損傷することがないように、開度調整機構の駆動力を抑制できる可変ターボ過給機を提供すること。
【解決手段】調整自在なノズル開度のスライド機構を駆動する油圧サーボ駆動装置40を備えた可変ターボ過給機において、油圧サーボ駆動装置40には、スライド機構に駆動力を伝達するサーボピストン41と、サーボピストン41をノズル開度が開く側に付勢するスプリング30,80とを備え、スプリング30,80は、ノズル開度が全開状態から全閉近傍状態に至るまでの間でサーボピストン41を付勢する予め設定された第1付勢力よりも小さな付勢力、および全閉近傍状態から全閉状態に至るまでの間でサーボピストン41を付勢する予め設定された第2付勢力よりも大きな付勢力を有し、第2付勢力は、第1付勢力よりも大きく設定されている構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変ターボ過給機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排気ガスを排気タービンに噴出させるノズル部の構造を、互いに対向する一対の排気導入壁で形成するとともに、一方の排気導入壁を他方の排気導入壁に対して進退させることにより、排気導入壁の隙間(ノズル部の開口面積)を調整できるようにした可変ターボ過給機が知られている。この可変ターボ過給機によれば、排気ガス量が少ないエンジンの低速回転域では、ノズル部を形成している排気導入壁間の隙間を狭めて開口面積を小さくすればよく、こうすることで排気タービンに流入する排気ガスの流速が増加するため、タービンの回転エネルギーが大きくなり、給気コンプレッサの過給能力を上げることができる。
【0003】
そこで、排気導入壁間の隙間を調整する構造としては、排気導入壁の一方であるノズルリングを他方であるシュラウドプレートに対して近接離間させるスライド機構が採用されており、このスライド機構を空気圧アクチュエータで駆動するようになっている(特許文献1)。
また、空気圧アクチュエータの代わりに油圧サーボ駆動装置を用いることも提案されている(特許文献2)。この油圧サーボ駆動装置では、油圧室に対する圧油供給の切り換えを行うことにより、サーボピストンを往復動させ、この往復動をスライド機構に伝達することで、より緻密な開度制御を行うことが可能である。
【0004】
【特許文献1】特開2005−320970号公報
【特許文献2】特表2003−527522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1,2によれば、空気圧アクチュエータまたは油圧サーボ駆動装置がノズルリングをスライドさせるのであるが、この際の駆動力が大きいため、ノズルリングがシュラウドプレートと勢いよく衝突してしまう可能性があり、可変ターボ過給機の内部部品が損傷するおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、開度調整動作中に内部部品が損傷することがないように、開度調整機構の駆動力を抑制できる可変ターボ過給機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る可変ターボ過給機は、ノズル開度が調整自在に設けられているとともに、前記ノズル開度の開度調整機構を駆動する油圧サーボ駆動装置を備えた可変ターボ過給機であって、前記油圧サーボ駆動装置は、前記開度調整機構に駆動力を伝達するサーボピストンと、前記サーボピストンを前記ノズル開度が開く側に付勢する付勢手段とを備え、前記付勢手段は、前記ノズル開度が全開状態から全閉近傍状態に至るまでの間で前記サーボピストンを付勢する予め設定された第1付勢力よりも小さな付勢力、および前記全閉近傍状態から全閉状態に至るまでの間で前記サーボピストンを付勢する予め設定された第2付勢力よりも大きな付勢力を有し、前記第2付勢力は、前記第1付勢力よりも大きく設定されていることを特徴とする。
ここでの第1付勢力は、ノズル開度が全開状態から全閉近傍状態に至るまでのサーボピストンの動きに対抗する力をいう。
第2付勢力は、ノズル開度が全閉近傍状態から全閉状態に至るまでのサーボピストンの動きに対向する力をいう
【0008】
本発明の請求項2に係る可変ターボ過給機は、請求項1に記載の可変ターボ過給機において、前記付勢手段は、複数のばね部材で構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項3に係る可変ターボ過給機は、請求項2に記載の可変ターボ過給機において、前記複数のばね部材は、前記サーボピストンの付勢開始タイミングが同じで、かつばねの取付荷重の異なる第1ばね部材および第2ばね部材で構成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項4に係る可変ターボ過給機は、請求項2に記載の可変ターボ過給機において、前記複数のばね部材は、前記サーボピストンの付勢開始タイミングが異なる第1ばね部材および第2ばね部材で構成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項5に係る可変ターボ過給機は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の可変ターボ過給機において、前記油圧サーボ駆動装置は、ポンプからの油が供給されるポンプポートと、前記サーボピストンを移動させるための油が流入するポンプ油圧室と、前記ポンプポートと前記ポンプ油圧室とを連通させるピストン油路と、前記ポンプ油圧室とドレーンポートとを連通させる排出循環油路とを備えていることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項6に係る可変ターボ過給機は、ノズル開度が調整自在に設けられているとともに、前記ノズル開度の開度調整機構を駆動する油圧サーボ駆動装置を備えた可変ターボ過給機であって、前記ノズル開度は、前記開度調整機構に連結されて進退するノズルリングと、前記ノズルリングに対向して配置されたシュラウドプレートとの間の隙間により設定され、前記油圧サーボ駆動装置には、前記開度調整機構に駆動力を伝達するサーボピストンと、前記サーボピストンを前記ノズル開度が開く側に付勢する第1ばね部材および第2ばね部材とが設けられ、前記第1ばね部材および第2ばね部材は、前記サーボピストンの付勢開始タイミングが同じで、かつばねの取付荷重が異なるように設定されている ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上において、請求項1の発明によれば、サーボピストンを付勢する付勢手段は、ノズル開度を全開状態から全閉近傍状態に至るまでの間では、予め設定された第1付勢力よりも小さな付勢力でサーボピストンを付勢するので、サーボピストンによる開度調整機構の駆動力は第1付勢力分減じることになっても、依然として油圧を利用した大きなものに維持でき、開度調整機構を排気ガスの流体エネルギーや外乱等に影響されない強い駆動力で駆動でき、ノズル開度を精度よく調整できる。一方、ノズル開度を全閉近傍状態から全閉状態に至るまでの間では、予め設定された第2付勢力よりも大きな付勢力でサーボピストンを付勢するので、サーボピストンによる駆動力は、第2付勢力によってキャンセルされて大きく低減し、開度調整機構をわずかな駆動力で駆動することになる。従って、全閉状態に至る際には、開度調整機構の駆動力が抑制されるから、可変ターボ過給機の内部部品が互いに当接しても、損傷することがない。
【0014】
請求項2の発明によれば、サーボピストンを付勢する複数の付勢手段を備えているので、ノズル開度が全開状態から全閉近傍状態に至るまでの間、および全閉近傍状態から全閉状態に至るまでの間の場合において、それぞれ別々の付勢手段でサーボピストンを付勢でき、サーボピストンから開度調整機構に伝達される駆動力に大きな差を設けることができる。
【0015】
請求項3および請求項4の発明によれば、複数のばね部材は、ばねの取付荷重の異なる2つの付勢手段を直列的、または並列的に構成しているので、まず、サーボピストンによる駆動力をばねの取付荷重の小さい第1ばね部材が受け、その後、ばねの取付荷重の大きい第2ばね部材が受けることができ、ノズル開度が全閉状態に至る際には、ばねの取付荷重の大きい第2ばね部材がサーボピストンによる開度調整機構の駆動力を吸収キャンセルし、抑制できる。
【0016】
請求項5の発明によれば、油をポンプ油圧室へ流入させるピストン油路およびポンプ油圧室内の油を排出する排出循環油路が設けられているため、ポンプ油圧室の油圧が維持されるように、ポンプポートからの油をピストン油路を介してポンプ油圧室へ供給しつつ、排出循環油路から排出することで、油をポンプ油圧室内で流動させることができる。
【0017】
請求項6の発明によれば、サーボピストンをノズル開度が開く側に付勢する第1ばね部材および第2ばね部材は、サーボピストンの付勢開始タイミングが同じであるので、サーボピストンによる駆動力をまず、第1ばね部材が受け、その後、第2ばね部材がサーボピストンによる駆動力を吸収できる。従って、請求項1と同様に、開度調整機構に対する駆動力を低減でき、可変ターボ過給機の具体的な構造として例えば、ノズルリングがシュラウドプレートに勢いよく接触するのを抑制して、ノズルリングやシュラウドプレートの損傷を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、後述する第2実施形態以降で、以下に説明する第1実施形態での構成と同じか、または同様な機能を有する構成には同一符号を付し、その説明を簡単にあるいは省略する。
【0019】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る油圧サーボ駆動装置40が用いられた可変ターボ過給機1の斜視図であり、図2は可変ターボ過給機1の断面図である。
図1、図2において、可変ターボ過給機1は、図中右側のタービン2と、左側のコンプレッサ3と、タービン2およびコンプレッサ3間の油圧サーボ駆動装置40とを備えた構成であり、図示しないエンジン本体に取り付けられる。
【0020】
タービン2側のタービンハウジング4内にはタービンホイール5が収容され、コンプレッサ3側のコンプレッサハウジング6内にはコンプレッサインペラ7が収容されている。タービンホイール5にはシャフト8が一体に設けられ、シャフト8の先端にコンプレッサインペラ7が取り付けられている。シャフト8はセンターハウジング9に回転自在に支持されている。このため、排気ガスによって回転するタービンホイール5の回転が、シャフト8を介してコンプレッサインペラ7に伝達され、コンプレッサインペラ7の回転によって吸気が圧縮過給される。
【0021】
タービンハウジング4には、エンジン本体からの排気ガスを導入するボリュート状の排気導入路11が設けられている。排気導入路11には、排気ガスをタービンホイール5側に噴出するためのノズル部12が周方向に連続して設けられており、ノズル部12から噴出した排気ガスがタービンホイール5を回転させた後に排気出口13から排気される。ノズル部12は、互いに対向する一対の排気導入壁14,15によって形成されている。
【0022】
一方の排気導入壁14は、断面コ字形で環状とされた可動部材としてのノズルリング16の側面17によって形成されている。ノズルリング16は、センターハウジング9に設けられた環状の収容空間18内に収容されている。ノズルリング16の側面17には、他方の排気導入壁15側に向けて突出した複数のノズルベーン19が等周間隔で取り付けられている。
【0023】
他方の排気導入壁15は、環状の対向部材としてのシュラウドプレート22によって形成されている。シュラウドプレート22には、ノズルリング16のノズルベーン19を挿通させる複数の切欠孔23が周方向に沿って形成され、各ノズルベーン19が切欠孔23に挿通されることで、各ノズルベーン19の先端がシュラウドプレート22裏側の凹部21内に収容される。このような構造においては、ノズルリング16を後述する開度調整機構としてのスライド機構20によって進退させることにより、排気導入壁14を排気導入壁15に対して近接離間させ、ノズル部12のノズル開度としての開口面積を変更する。
【0024】
なお、コンプレッサ3側の構成は、通常のターボ過給機と同じであり、公知であるため、ここでの詳細な説明を省略する。以下には、スライド機構20について詳説する。
【0025】
スライド機構20は、センターハウジング9の下部側に挿通された駆動シャフト24を回動駆動することで、ノズルリング16を進退させる構造である。図3、図4には、このようなスライド機構20の要部が示され、図5には、駆動シャフト24によって進退するノズルリング16の側面図が示されている。図3、図4において、駆動シャフト24の軸方向の途中位置には、上方に向かって円弧状に延設された一対のアーム25,25が固定されている。各アーム25の先端側には、水平方向外側に突出したピン26が取り付けられ、このピン26にはスライダ27が嵌め込まれている。スライダ27は、前述のシャフト8と平行な支持ロッド28の基端側の摺動溝29に摺動自在に嵌合している。支持ロッド28の先端はノズルリング16の裏面側に接合されている。
【0026】
駆動シャフト24が回動すると、アーム25がシャフト8の軸方向に沿って揺動し、支持ロッド28が移動してノズルリング16を動かし、一方の排気導入壁14が他方の排気導入壁15に対して進退することになる。すなわち、図5を参照すると、ノズルリング16は、シュラウドプレート22に対して近接離間する。
【0027】
スライド機構20の駆動シャフト24は、その端部に設けられたアーム31を介して油圧サーボ駆動装置40によって回動駆動される。図6は、スライド機構20と油圧サーボ駆動装置40との連結部32を示す斜視図である。油圧サーボ駆動装置40は、サーボピストン41を上下に進退運動させることで駆動シャフト24を回動させる構造である。このためにサーボピストン41の外周には、軸方向に対して直交した摺動溝33が設けられ、駆動シャフト24側のアーム31には、摺動溝33側に突出したピン34が設けられ、このピン34にスライダ35が嵌め込まれ、スライダ35が摺動溝33に対して摺動自在に嵌合している。
【0028】
つまり、サーボピストン41を上下動させると、それに伴ってスライダ35が上下動するとともに摺動溝33に沿って摺動し、このスライダ35の動きとピン34の回動とによりアーム31の円弧動を許容し、アーム31を回動させることが可能である。この駆動シャフト24の回動によって、前述したようにスライド機構20が駆動され、支持ロッド28が移動し、ノズルリング16がシュラウドプレート22に対して進退することで、可変ターボ過給機1のノズル部12のノズル開度が調整されるようになっている。
【0029】
以下には、油圧サーボ駆動装置40について詳説する。
図7は図1のA−A矢視図であり、図8は図1のB−B矢視図である。後述するサーボピストン41の着座時の最大ストロークを100%とすると、図7,8はそれぞれ、ストロークが0%の状態を示している。図9,10はそれぞれ、ストロークが75%、100%の状態を示している。本実施形態での油圧サーボ駆動装置40には、6ポート3位置型サーボバルブ構造が用いられている。
図7に示すように、油圧サーボ駆動装置40は、略円筒状のハウジング42を備え、ハウジング42に設けられた開口部42A周りをシールするOリング100を介して可変ターボ過給機1のセンターハウジング9に取り付けられる。
【0030】
ハウジング42の内部には、上下に貫通した円筒状のシリンダ室43が設けられ、このシリンダ室43には、貫通方向に沿って摺動するサーボピストン41が収容されている。シリンダ室43の図中の上端部分には、Oリング101を介して円筒状の閉塞部材44が取り付けられ、この閉塞部材44の内周部分には、Oリング102,103を介してストロークセンサ45が取り付けられ、このストロークセンサ45によってシリンダ室43の上端部分が密閉されているとともに、サーボピストン41のストローク量が計測される。また、シリンダ室43の図中の下端部分は、Oリング104を介して閉塞部材46によって密閉されている。
【0031】
ハウジング42の側部には、内外を連通させる開口部42Aが設けられ、この開口部42Aに対応する位置には、駆動シャフト24とサーボピストン41との連結部32が設けられている。
【0032】
一方、ハウジング42の開口部42Aとは反対側の側面には、パイロット圧を供給するパイロットポート71、図示しないポンプからの油を供給するポンプポート72、および油を戻すドレーンポート73が設けられている。
【0033】
次に、サーボピストン41について説明する。
シリンダ室43に収容されたサーボピストン41の上端部には、開口部41Aが設けられ、下端部には開口部41Bが設けられて、サーボピストン41内部には、摺動方向に沿って貫通するセンターホール411が設けられている。
【0034】
サーボピストン41の開口部41Aには、ストロークセンサ45の可動子45Aが取り付けられた取付部材47が螺合されている。この取付部材47とホールIC等の固定子45B側のキャップ部材451との間には、ポンプ油圧室としての第1油圧室51が形成されている。固定子45Bは、サーボピストン41と共に移動する可動子45Aの磁界を検知するものである。これらの可動子45A、固定子45Bを備えたストロークセンサ45によれば、前述したように、サーボピストン41のストローク量を計測することにより、サーボピストン41の動きに伴って可変する可変ターボ過給機1でのノズル開度状態をセンシング可能である。
【0035】
また、図中下方の開口部41Bには、閉塞部材46と第2台座部材50に挟持された支持部材48が挿入されており、サーボピストン41は、支持部材48の外周およびシリンダ室43内を摺動する。サーボピストン41の下端面412の下方には、閉塞部材46に囲われた第2油圧室52が形成されている。サーボピストン41の下端内面には、支持部材48が良好なシール状態で密着挿入しており、第2油圧室52内の油が下端面412からセンターホール411内に入り込む心配がない。
【0036】
第2油圧室52内には、支持部材48を囲むように、第1台座部材49が配置され、第1台座部材49の受座492の上面とサーボピストン41の下端面412との間には、第1ばね部材としてのスプリング80が挟持されている。このスプリング80は、ノズル開度が全開状態から全閉近傍状態に至るまでの間で、サーボピストン41を予め設定された第1付勢力Fよりも小さな付勢力で付勢する。これにより、サーボピストン41は、第1台座部材49から離間する方向へ、すなわち、ノズル部12のノズル開度が開く側に付勢されている。
【0037】
第1台座部材49の下方には、第1台座部材49と同一形状の第2台座部材50がやはり支持部材48を囲うように配置されている。第1台座部材49の受座492の下面と第2台座部材50の受座501の上面との間には、第2ばね部材としてのスプリング30が挟持され、第1台座部材49および第2台座部材50は、互いに離間する方向へ付勢されている。スプリング30は、ノズル開度が全閉近傍状態から全閉状態に至るまでの間で、サーボピストン41を予め設定された第2付勢力Fよりも大きな付勢力で付勢する。以上のスプリング30,80は直列的に配置されることで、サーボピストン41を同時に付勢しているのであり、このようなスプリング30,80によって本発明の付勢手段を構成している。
【0038】
そして、図7に示す状態(サーボピストン41のストロークが0%であり、ポンプポート72へ油が供給されていない状態)では、第1台座部材49は、シリンダ室43の下端部に当接され、第2台座部材50は、閉塞部材46の底面に当接されている。第1台座部材49と第2台座部材50とは、互いに当接しておらず、第1台座部材49と第2台座部材50との間には、隙間200が形成されている。
【0039】
スプリング30としては、スプリング80よりも取付荷重(N)の大きいものが使用されている。すなわち、スプリング30の第2付勢力の方が、スプリング80の第1付勢力よりも格段に大きい。従って、スプリング80が、サーボピストン41の下方への移動により縮み切った後には、サーボピストン41のさらなる移動により第1台座部材49を付勢するスプリング30が縮み始めて、サーボピストン41によるスライド機構20の駆動力を吸収キャンセルする。このため、スプリング30が縮んだ状態では、サーボピストン41によるスライド機構20の駆動力が大きく低減し、ノズルリング16がシュラウドプレート22に近接した際のノズルリング16の推力が大幅に低減され、互いに接触した際の衝撃が確実に緩和される。
【0040】
センターホール411には、パイロットスプール60が摺動自在に配置されている。センターホール411において、取付部材47の下端面とパイロットスプール60の上端面との間には、パイロット油圧室53が形成されている。このパイロット油圧室53とハウジング42に設けられたパイロットポート71とは、サーボピストン41のサーボ油路413を介して常時連通している。このようにパイロットスプール60は、パイロットポート71からパイロット油圧室53に供給、排出されるパイロット圧用の油により、センターホール411内を摺動する。
【0041】
サーボピストン41において、その摺動方向の略中央には、センターホール411とハウジング42のポンプポート72とを連通させるプレッシャ油路414が径方向に穿設されている。このプレッシャ油路414を介して、ポンプからの油がセンターホール411内に流入する。このプレッシャ油路414の外側は、サーボピストン41の外周に長穴状に形成された幅広の浅溝415に開口しており、浅溝415が所定の上下寸法を有していることで、サーボピストン41のストローク内でプレッシャ油路414とポンプポート72とが常時連通する。さらに、プレッシャ油路414の内側は、パイロットスプール60の外周に形成された溝部601に開口している。
【0042】
また、サーボピストン41には、センターホール411とハウジング42のドレーンポート73とを連通させて、センターホール411内の油を図示しないオイルパンに戻すリターン油路416が設けられている。このリターン油路416の外側において、ハウジング42内には、円環状の浅溝421が設けられている。リターン油路416は、浅溝421を介してサーボピストン41のストローク内でドレーンポート73と常時連通する。
【0043】
図8に示すように、サーボピストン41には加えて、センターホール411と上方の第1油圧室51とを連通させるピストン油路としての第1ピストン油路417、および排出循環油路418が設けられている。また、サーボピストン41には、センターホール411と第2油圧室52とを連通させる第2ピストン油路419が設けられている。
【0044】
第1ピストン油路417の下端側は、センターホール411内に開口した連通部417Aとなっており、排出循環油路418の下端側は、センターホール411内に開口した連通部418Aとなっている。
【0045】
第1ピストン油路417の下端側の連通部417Aは、プレッシャ油路414(図7)よりも図中の下方に位置し、排出循環油路418の下端側の連通部418Aは、プレッシャ油路414よりも図中の上方に位置している。第2ピストン油路419の上端側に設けられたセンターホール411との連通部419Aは、連通部417A,418Aの間に位置している。
【0046】
パイロットスプール60の外周には、図中下方から順に第1〜第3スプールランド61,62,63が設けられている。パイロットスプール60の内部には、図中の下方に開口したリターン油路64が設けられており、第2,第3スプールランド62,63間に設けられた溝部602とリターン油路64とが連通している。さらに、リターン油路64の下側が開口していることで、このリターン油路64とリターン油路416とドレーンポート73とが連通している。
【0047】
パイロットスプール60の下端面603と支持部材48の受座481との間には、スプリング90が介装されており、このスプリング90によりパイロットスプール60は支持部材48から離間する方向へ付勢されている。パイロットスプール60は、パイロット油圧室53内のパイロット圧によって、スプリング90の付勢力に抗して下方に移動する。または、パイロット圧を低下させた場合には、スプリング90の付勢力によってパイロットスプール60が上方に移動する。
【0048】
次に、図9,10を参照し、油圧サーボ駆動装置40の動作について説明する。ポンプが駆動されて、ポンプポート72へ油が供給される状態において、サーボピストン41をそのストロークが0%の状態(図8)から下降させるには、パイロット圧を上昇させればよい。パイロット油圧室53内へのパイロット圧用の油の供給は、図示しない比例制御弁によって行われる。図11のストロークとパイロット圧との関係を示すグラフを参照すると、例えばサーボピストン41をストロークが75%の位置まで下降させるには、パイロット油圧室53内のパイロット圧をPまで上昇させ、スプリング90の付勢力に抗してパイロットスプール60をストロークが75%に対応した位置まで下降させることになる。
【0049】
パイロットスプール60が下降し始めると、第1ピストン油路417の連通部417Aとパイロットスプール60の溝部601とが連通し始めるとともに、排出循環油路418の連通部418Aとパイロットスプール60の溝部602とが遮断されるため、ポンプから第1油圧室51内へ油が供給されて、第1油圧室51内の圧力が上昇し、反対に、第2ピストン油路419の連通部419Aと溝部602とが連通して、第2油圧室52内の油がドレーンされる。そして、第1油圧室51内の圧力によるサーボピストン41を下げる力が、第2油圧室52内の圧力およびスプリング80の力の合力によるサーボピストン41を上げる力より大きくなると、サーボピストン41が下降する。
【0050】
これにより、サーボピストン41はパイロットスプール60に追従して下降する。そして、パイロットスプール60は、パイロット圧とスプリング90とがつり合う位置まで下降して停止する。ところで、サーボピストン41が下降している過程では、排出循環油路418の連通部418Aは、パイロットスプール60の溝部602との連通が遮断されているため、第1ピストン油路417からの油の供給により、第1油圧室51の容積が拡張され、この拡張に伴って第1油圧室51内では油の流れが生じ、第1油圧室51内に臨むストロークセンサ45周りが冷却される。
【0051】
また、本実施形態では、パイロットスプール60がストローク途中の任意の位置で停止し、これに応じてサーボピストン41も停止しているようなつり合い状態では、図9にストロークが75%の位置でつり合っている状態を示すように、第1ピストン油路417の連通部417Aがパイロットスプール60の溝部601と微小に連通し、かつ排出循環油路418の連通部418Aがパイロットスプール60の溝部602と微小に連通するように設定されている。これによれば、第1ピストン油路417からの油は、第1油圧室51へ供給される一方で、排出循環油路418を通って、パイロットスプール60のリターン油路64へドレーンされるため、ストロークセンサ45周りを通って循環することとなり、やはりストロークセンサ45を冷却できる。
【0052】
図9に示すように、サーボピストン41のストロークが75%の状態とは、サーボピストン41の下向きの力により、スプリング80が縮み切った状態であるか、またはサーボピストン41の下端縁が第1台座部材49に当接した状態である。通常、可変ターボ過給機1のノズル部12の開度調整は、サーボピストン41のストロークで言うと、このストロークが75%以内で緻密に行われる。そして、本実施形態では、開度調整を精度良く行うために、排気ガスの流体エネルギー等の外乱による大きな荷重を受けてもノズルリング16が押し戻されないよう、サーボピストン41を油圧によって強力に駆動しているのであり、ノズルリング16に大きな推力を生じさせているのである。
【0053】
以下には、サーボピストン41をストロークが75%の位置からさらに100%の位置まで下降させる場合について説明する。ただし、実際には、ストロークが75%〜100%の間でノズルリング16がシュラウドプレート22に当接し、当接時点でサーボピストン41が停止するため、100%のストローク位置に達することはない。
【0054】
図10に示すストロークが100%の状態に向けて動作させるには、比例制御弁によって、図11に示すように、ストロークが100%となるパイロット圧Pまでパイロット油圧室53内の圧力を上昇させる。すると、スプリング90の付勢力に抗してパイロットスプール60がさらに下降し、第1ピストン油路417を介して、ポンプから第1油圧室51内へ油がさらに供給される。そして、第1油圧室51内の圧力によりサーボピストン41を下げる力が、第2油圧室52内の圧力およびスプリング30での力の合力によるサーボピストン41を上向きに上げる力よりも大きくなると、サーボピストン41が下降する。
【0055】
これにより、サーボピストン41はパイロットスプール60に追従して下降する。そして、パイロットスプール60は、パイロット圧とスプリング90とがつり合う位置まで下降して停止する。サーボピストン41が下降している過程ではやはり、排出循環油路418の連通部418Aと、パイロットスプール60の溝部602との連通が遮断されているため、第1油圧室51内では入り込む油の流れによりストロークセンサ45が冷却される。
【0056】
なお、参考までに説明するが、ストロークが100%に達した状態では、第1台座部材49が、第2台座部材50に当接し、サーボピストン41の移動が規制される。また、サーボピストン41を上昇させる場合には、パイロット油圧室53内のパイロット圧を低下させればよく、パイロット圧による力がスプリング90の付勢力より小さくなるため、パイロットスプール60が上昇し、これに伴って、第2油圧室52に油が供給されるとともに、第1油圧室51内の油がドレーンされるため、サーボピストン41はパイロットスプール60に追従して上昇する。また、第1油圧室51内からの油のドレーンにより、油の流れが入るため、このことでもストロークセンサ45を冷却できる。
【0057】
図12は、サーボピストン41によるスライド機構20の駆動力(N)とサーボピストン41のストローク(%)との関係を示すグラフが示されている。この図によると、サーボピストン41が下方に駆動する場合では、まず、サーボピストン41の推力によりスプリング80が縮み始め、サーボピストン41のストロークが75%に達すると、前述したように、サーボピストン41の下端縁が第1台座部材49に当接した状態となるか、またはスプリング80は縮み切ることとなる。
【0058】
この後、ストロークが75%の状態から100%の状態では、サーボピストン41の推力は、第1台座部材49を付勢するスプリング30によって大きく吸収されるため、スライド機構20を駆動するための駆動力が低減して、ノズルリング16の推力が小さくなり、ノズルリング16がシュラウドプレート22に対して衝撃を与えることなく接触する。なお、ノズルリング16がシュラウドプレート22に最も近接するような全閉状態、またはこれに近い開度状態では、さほど緻密な開度制御が要求されないため、ノズルリング16の推力がわずかであっても実用に支障をきたすことはない。
【0059】
本実施形態によれば、ストロークが0%から75%の状態においては、サーボピストン41によるスライド機構20の駆動力は、そのほとんどがノズルリング16へ伝達されるが、その後、ストロークが75%〜100%の間では、サーボピストン41による駆動力は、取付荷重(N)の大きいスプリング30で吸収されることとなるので、スライド機構20の駆動力を低減でき、ノズルリング16がシュラウドプレート22に勢いよく接触するのを抑制できる。
【0060】
[第2実施形態]
図13は、第2実施形態の油圧サーボ駆動装置40の要部を示す図である。
本実施形態では、閉塞部材46の底面には、ボルト81が螺合されており、ボルト81のネジ部811には、受座82が摺動自在に取り付けられている。受座82と閉塞部材46との間には、第2ばね部材としての複数の皿ばね83が介装されている。また、サーボピストン41の下端面412と閉塞部材46との間には、第1ばね部材としてのスプリング30が挟持されている。この際、皿ばね83およびスプリング30は、サーボピストン41の付勢開始タイミングが異なるように並列的に配置されている。
【0061】
複数の皿ばね83全体の取付荷重(N)としては、スプリング30の取付荷重(N)よりも大きく設定されている。サーボピストン41が下降すると、まず、サーボピストン41がスプリング30を圧縮し始め、サーボピストン41のストロークが75%となると、サーボピストン41の下端面412が受座82を圧縮し始める。すなわち、サーボピストン41のストロークが75%〜100%の間では、サーボピストン41による駆動力は、スプリング30および皿ばね83の両方で吸収されることとなる。
【0062】
本実施形態によっても、サーボピストン41による駆動力は、サーボピストン41のストロークが75%〜100%の間では、スプリング30および皿ばね83で大きく吸収されるので、スライド機構20の駆動力を低減できる。
【0063】
[第3実施形態]
図14は、第3実施形態の油圧サーボ駆動装置40を示す図である。
本実施形態での油圧サーボ駆動装置には、3ポート式のサーボバルブ構造が用いられている。ここでは、前記各実施形態と異なる動作についてのみ説明する。
3ポート式のサーボバルブ構造では、サーボピストン41が下降するときには、パイロット油圧室51内へパイロット圧を増加させると、サーボピストン41は、第2油圧室52に作用する圧力による力およびスプリング80の付勢力に抗して下降する。そして、第2油圧室52内に供給される油が、第2ピストン油路419を介して、リターン油路416からドレーンされる。
【0064】
一方、サーボピストン41が上昇するときには、パイロット油圧室51内のパイロット圧を低下させることにより、サーボピストン41は、第2油圧室52に作用する圧力による力およびスプリング30の付勢力によって上昇する。この際、浅溝421周辺の油が、第2ピストン油路419によって第2油圧室52内へ供給される。
【0065】
本実施形態においても、前記第1実施形態と同様にサーボピストン41の下方には、スプリング30,80が設けられているので、サーボピストン41による駆動力をスプリング30,80にて吸収できる。
【0066】
なお、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、数量などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、数量などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0067】
例えば、前記第2実施形態では、スプリング30と皿ばね83とが用いられていたが、共にスプリング(コイルばね)によって構成してもよい。
前記第3実施形態では、スプリング30,80を用いたが、スプリング80の代わりに第2実施形態のような皿ばねを用いる構成にしてもよい。
【0068】
前記各実施形態の可変ターボ過給機1は、ノズルリング16をスライド機構20によりスライドさせて、ノズル部12の開口面積を変更する構造であったが、これに限定されず、複数設けられたノズルベーンをスイング機構を用いてスイングさせることにより開口面積を変更する構造であってもよい。このような場合には、各ノズルベーンが重なるように当接する時にスイング機構の駆動力を低減させるように構成すればよく、こうすることで、ノズルベーン同士の損傷を防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の可変ターボ過給機は、建設機械、乗用車等に搭載されるエンジンに好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係る可変ターボ過給機を示す斜視図。
【図2】前記可変ターボ過給機を示す断面図。
【図3】前記可変ターボ過給機のスライド機構を示す図であり、図2のC−C矢視図。
【図4】前記スライド機構の要部を示す断面図であり、図3のD−D矢視図。
【図5】前記スライド機構によって進退するノズルリングを示す側面図。
【図6】前記スライド機構と油圧サーボ駆動装置との連結部を示す斜視図。
【図7】前記第1実施形態に係る油圧サーボ駆動装置を示す断面図であり、図1のA−A矢視図。
【図8】前記油圧サーボ駆動装置を示す断面図であり、図1のB−B矢視図。
【図9】ストロークが75%の状態の前記油圧サーボ駆動装置を示す断面図。
【図10】ストロークが100%の状態の前記油圧サーボ駆動装置を示す断面図。
【図11】パイロット圧とストロークとの関係を示すグラフ。
【図12】ストロークと荷重との関係を示すグラフ。
【図13】第2実施形態に係る油圧サーボ駆動装置の要部を示す断面図。
【図14】第3実施形態に係る3ポート式の油圧サーボ駆動装置を示す断面図。
【符号の説明】
【0071】
1…可変ターボ過給機、16…ノズルリング(可動部材)、17…対向面、20…スライド機構(開度調整機構)、22…シュラウドプレート(対向部材)、30…スプリング(第2ばね部材)、40…油圧サーボ駆動装置、41…サーボピストン、51…第1油圧室(ポンプ油圧室)、60…パイロットスプール、72…ポンプポート、73…ドレーンポート、80…スプリング(第1ばね部材)、83…皿ばね(第2ばね部材)、417…第1ピストン油路(ピストン油路)、418…排出循環油路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル開度が調整自在に設けられているとともに、前記ノズル開度の開度調整機構を駆動する油圧サーボ駆動装置を備えた可変ターボ過給機であって、
前記油圧サーボ駆動装置は、
前記開度調整機構に駆動力を伝達するサーボピストンと、
前記サーボピストンを前記ノズル開度が開く側に付勢する付勢手段とを備え、
前記付勢手段は、前記ノズル開度が全開状態から全閉近傍状態に至るまでの間で前記サーボピストンを付勢する予め設定された第1付勢力よりも小さな付勢力、および前記全閉近傍状態から全閉状態に至るまでの間で前記サーボピストンを付勢する予め設定された第2付勢力よりも大きな付勢力を有し、
前記第2付勢力は、前記第1付勢力よりも大きく設定されている
ことを特徴とする可変ターボ過給機。
【請求項2】
請求項1に記載の可変ターボ過給機において、
前記付勢手段は、複数のばね部材で構成されている
ことを特徴とする可変ターボ過給機。
【請求項3】
請求項2に記載の可変ターボ過給機において、
前記複数のばね部材は、前記サーボピストンの付勢開始タイミングが同じで、かつばねの取付荷重の異なる第1ばね部材および第2ばね部材で構成されている
ことを特徴とする可変ターボ過給機。
【請求項4】
請求項2に記載の可変ターボ過給機において、
前記複数のばね部材は、前記サーボピストンの付勢開始タイミングが異なる第1ばね部材および第2ばね部材で構成されている
ことを特徴とする可変ターボ過給機。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の可変ターボ過給機において、
前記油圧サーボ駆動装置は、
ポンプからの油が供給されるポンプポートと、
前記サーボピストンを移動させるための油が流入するポンプ油圧室と、
前記ポンプポートと前記ポンプ油圧室とを連通させるピストン油路と、
前記ポンプ油圧室とドレーンポートとを連通させる排出循環油路とを備えている
ことを特徴とする可変ターボ過給機。
【請求項6】
ノズル開度が調整自在に設けられているとともに、前記ノズル開度の開度調整機構を駆動する油圧サーボ駆動装置を備えた可変ターボ過給機であって、
前記ノズル開度は、前記開度調整機構に連結されて進退するノズルリングと、前記ノズルリングに対向して配置されたシュラウドプレートとの間の隙間により設定され、
前記油圧サーボ駆動装置には、前記開度調整機構に駆動力を伝達するサーボピストンと、前記サーボピストンを前記ノズル開度が開く側に付勢する第1ばね部材および第2ばね部材とが設けられ、
前記第1ばね部材および第2ばね部材は、前記サーボピストンの付勢開始タイミングが同じで、かつばねの取付荷重が異なるように設定されている
ことを特徴とする可変ターボ過給機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−59844(P2010−59844A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225764(P2008−225764)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】