説明

合金微粒子担持装置

【課題】 本発明の課題は、炭素などの粒子状母材の表面に安定的に粒径が2nm以上10nm以下の微粒子元素を担持させた合金粒子を得る合金微粒子担持装置を提供することである。
【解決手段】 粒子状母材を収容する容器と、この容器と対峙して配置され、白金を含有する矩形状の第1のスパッタ源と、この第1のスパッタ源に隣接して配置され、前記第1のスパッタ源と異なる元素を含有する第2のスパッタ源と、前記第1のスパッタ源の前記容器と対峙する側とは反対側に配置された第1の磁石と、前記第2のスパッタ源の前記容器と対峙する側とは反対側に配置された第2の磁石と、を具備する合金微粒子担持装置において、前記第1或いは第2のスパッタ源とこれに応じた前記第1或いは第2の磁石間の距離、または、前記第1或いは第2の磁石の磁力を調整することにより、前記第1或いは第2のスパッタ源の表面近傍の磁場の磁束密度を変化させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒径1μm以下の粒子状担体に粒径10nm以下の微粒子を担持させる合金微粒子担持装置に関するもので、より具体的には直接メタノール型燃料電池に利用可能な触媒の製造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
白金などの貴金属は装飾品以外にも化学触媒としても用いられている。例えば自動車の排ガス浄化装置、固体高分子型燃料電池などであるが、特にメタノール溶液を燃料としたメタノール型固体高分子型燃料電池は、低温での動作が可能であり小型軽量であるため、近年モバイル機器などの電源への応用を目的として盛んに研究されている。しかし幅広い普及には更なる性能の向上が望まれている。燃料電池は電極触媒反応によって生じる化学エネルギーを電力に変換するものであり、高性能化には高活性触媒が必要不可欠である。
【0003】
現在燃料電池のアノード触媒としては白金およびルテニウムからなる合金(以下、白金−ルテニウムと記載する)が一般的に使われている。ところが、この燃料電池は、電極触媒反応理論電圧が1.21Vであるのに対し、白金−ルテニウム触媒による電圧ロスが約0.3Vと大きく、これを小さくするために白金−ルテニウムを超える高活性(メタノール酸化活性)のアノード触媒が求められている。そこでメタノール酸化活性の向上を目的として、白金−ルテニウムに他の元素を加えることが検討されている。
【0004】
従来のスパッタ法あるいは蒸着法では、シート状に加工した炭素(以下カーボンペーパーと記載する)の上に触媒微粒子を担持させることが一般的であった。その場合はカーボンペーパーの表面だけにしか蒸着されないため、数nmの触媒微粒子を担持させた場合、発電に必要な担持量は得られなかった。また蒸着条件によっては、触媒を構成する合金は微粒子にならず薄膜になってしまう場合もあり、その場合には触媒の表面積が小さくなり、より発電性能は低下するという欠点があった。
【0005】
一方、担体微粒子上に触媒金属を蒸着もしくはスパッタリングして触媒微粒子を担持させることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
この方法において炭素粒子を担体として用いた場合、炭素粉を攪拌しながらスパッタあるいは蒸着することになるが、この場合、電子顕微鏡で観察しても炭素以外の物質を見つけることはできなかった。その理由は被蒸着物である炭素微粒子の表面状態と蒸着された原子が金属微粒子を形成するプロセスに関わっている。すなわち真空プロセスで金属を物理蒸着する場合、熱あるいは運動エネルギーを利用して蒸着物を原子状にして飛ばし、被蒸着物に衝突させる。そこで蒸着原子はマイグレーション(担体表面の自由移動)してエネルギー的に安定なところに定着した後、そこを核に粒子が成長し、それらがつながって多結晶の膜になる。ところが粒径が1μm以下の炭素微粒子の場合、表面に欠陥が非常に多く存在するため、蒸着された原子がマイグレーションできる距離は非常に短く粒成長に必要な核が形成される確率が低い。従って炭素粉を攪拌しながら蒸着した場合は核が形成される前に粉が移動して蒸着物が飛来しなくなるため表面に原子状として付着しているだけで粒成長はおろか核生成すら起こらない。触媒として機能するためには粒径が2nm以上10nm以下の微粒子が炭素粉の表面に担持されていなければならないにもかかわらず、上記のように、金属原子が、担体表面に原子状で付着しているのでは触媒としての機能を発揮することは期待できない。
【特許文献1】特開2005−264297公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたもので、炭素などの粒子状母材の表面に安定的に粒径が2nm以上10nm以下の微粒子元素を担持させた合金粒子を得る合金微粒子担持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を達成するために、本発明の合金微粒子担持装置は、粒子状母材を収容する支持部材と、この支持部材と対峙して配置され、白金を含有する矩形状の第1のスパッタ源と、この第1のスパッタ源に隣接して配置され、前記第1のスパッタ源と異なる元素を含有する第2のスパッタ源と、前記第1のスパッタ源の前記支持部材と対峙する側とは反対側に配置された第1の磁石と、前記第2のスパッタ源の前記支持部材と対峙する側とは反対側に配置された第2の磁石と、を具備する合金微粒子担持装置において、前記第1或いは第2のスパッタ源とこれに応じた前記第1或いは第2の磁石間の距離、または、前記第1或いは第2の磁石の磁力を調整することにより、前記第1或いは第2のスパッタ源の表面近傍の磁場の磁束密度を変化させることを特徴としている。
【0009】
また、本発明の合金微粒子担持装置は、粒子状母材を収容する支持部材と、この支持部材と対峙して配置され、白金を含有する矩形状の第1のスパッタ源と、この第1のスパッタ源に隣接して交互に配置された、前記第1のスパッタ源と異なる元素を含有する第2のスパッタ源と、前記第1のスパッタ源および前記第2のスパッタ源の前記支持部材と対峙する側とは反対側に配置された磁石と、を具備する合金微粒子担持装置において、前記第2のスパッタ源は前記第1のスパッタ源の間に、各々の長手方向を概ね平行にして短冊状に形成され、前記第1或いは第2のスパッタ源の長手方向に概ね直行する方向に、前記第1或いは第2のスパッタ源もしくは前記磁石を相対的に移動させることにより、前記磁場を前記第1或いは第2のスパッタ源の長手方向と直交する方向に順次発生させることを特徴としている。
【0010】
さらに、本発明の合金微粒子担持装置は、請求項1または2に記載の合金微粒子担持装置において、前記粒子状母材は、炭素を主成分とする母材であることを特徴としている。
【0011】
さらにまた、本発明の合金微粒子担持装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の合金微粒子担持装置において、前記第1或いは第2の磁石の位置を可変する機構を備えることを特徴としている。
【0012】
また、本発明の合金微粒子担持装置は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の合金微粒子担持装置において、前記第2のスパッタ源は前記第1のスパッタ源の間に、各々の長手方向を概ね平行にして短冊状に形成されていることを特徴としている。
【0013】
さらに、本発明の合金微粒子担持装置は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の合金微粒子担持装置において、前記第1および第2のスパッタ源とは異なる元素を含有する第3のスパッタ源を有し、この第3のスパッタ源は前記第1のスパッタ源および/または第2のスパッタ源に隣接することを特徴としている。
【0014】
さらにまた、本発明の合金微粒子担持装置は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の合金微粒子担持装置において、前記第2のスパッタ源の前記支持部材と対峙する側とは反対側に、前記第2のスパッタ源より透磁率の高い部材を設けたことを特徴としている。
【0015】
また、本発明の合金微粒子担持装置は、請求項2乃至請求項7のいずれか1項に記載の合金微粒子担持装置において、前記第1および第2のスパッタ源または前記磁石の移動方向が、一定距離を走査した後、逆転することを特徴としている。
【0016】
さらに、本発明の合金微粒子担持装置は、請求項2乃至請求項8のいずれか1項に記載の合金微粒子担持装置において、前記第1および第2のスパッタ源または前記磁石の移動方向が逆転する領域近傍の前記第1のスパッタ源或いは前記第2のスパッタ源の厚さは、それ以外の領域における前記スパッタ源の厚さよりも厚いことを特徴としている。
【0017】
またさらに、本発明の合金微粒子担持装置は、請求項2乃至請求項9のいずれか1項に記載の合金微粒子担持装置において、前記第1のスパッタ源或いは前記第2のスパッタ源は、移動方向が逆転する領域近傍において、前記支持部材と対峙する側とは反対側に、前記第1のスパッタ源、前記第2のスパッタ源、SiO2、TiO2、WO3およびMnから選ばれる部材を設けることを特徴としている。
【0018】
また、本発明の合金微粒子担持装置は、請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の合金微粒子担持装置において、前記第1のスパッタ源或いは前記第2のスパッタ源は、移動方向が逆転する領域近傍において、前記支持部材と対峙する側とは反対側に、前記第1のスパッタ源或いは前記第2のスパッタ源より透磁率の高い部材を設けたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の合金微粒子担持装置は、請求項2乃至請求項11のいずれか1項に記載の合金微粒子担持装置において、前記第1および第2のスパッタ源または前記磁石の移動速度は、前記第1および第2のスパッタ源または前記磁石の移動方向が逆転する領域近傍において、それ以外の領域における移動速度より大きいことを特徴としている。
【0020】
また、本発明の合金微粒子担持装置は、請求項2に記載の合金微粒子担持装置において、前記磁石は、その移動方向および移動速度が常時一定であることを特徴としている。
【0021】
なお、本発明の直接メタノール型燃料電池用セルは、請求項1乃至請求項13の合金微粒子担持装置を用いて作製された合金微粒子を含有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
上記本発明の合金微粒子担持装置によれば、異なる複数のスパッタ源を均一に、かつ効率的に消費することができ、所定の粒径を有する合金粒子を、粒子状母材表面に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0024】
図1は本発明の合金微粒子担持装置に用いるスパッタ源の平面模式図の一例である。スパッタ源1は矩形状の第1のスパッタ源2と同じく矩形状の第2のスパッタ源3から構成されており、白金を含有する第1のスパッタ源2が両側配置され、中央に隣接してその他の合金元素を含む第2のスパッタ源3が配置されている。第1のスパッタ源2と第2のスパッタ源3の表面近傍には、プラズマを補足する磁場4が形成されている。第1のスパッタ源2と第2のスパッタ源3の表面近傍の磁場4の磁束密度はお互い異なっている。
【0025】
図2は本発明の合金微粒子担持装置に用いるスパッタ源とこれに応じた磁石、そして磁力線を表した平面模式図の一例である。第1のスパッタ源2と第2のスパッタ源3は図2に示すように背後のバッキングプレート21にInなどの導電性接着材料あるいは図示しない固定治具を用いて固定されている。さらにバッキングプレート21の下には第1および第2のスパッタ源に対応した第1の磁石23と第2の磁石24を配置する。
【0026】
第1のスパッタ源2と第2のスパッタ源3の磁場の磁束密度は、第1の磁石23、第2の磁石24を可動とすることで調整する。たとえば第1のスパッタ源2に比べて第2のスパッタ源3のスパッタ速度が速い場合は、第1のスパッタ源2に応じた第1の磁石23を遠ざけ、第2のスパッタ源に応じた第2の磁石24を近づける。この機構により、蒸着物の組成の調整が容易に行え、各々のスパッタ源の材料が変わっても最適な組成が得られる。
【0027】
図3は本発明の合金微粒子担持装置に用いる磁石の断面模式図の一例である。図2の磁第1の磁石23、第2の磁石24を断面的に見ると、外周を取り巻く磁石31と極性の異なる中央の磁石32とから構成されている。第1の磁石23、第2の磁石24を第1のスパッタ源2、第2のスパッタ源3に近づけると図2に示すように、第1のスパッタ源2と第2のスパッタ源3の表面近傍には磁力線22が生じ、それによってプラズマの捕捉密度が増大するため、図1の4に示すような磁場が形成される。スパッタ速度は材料によって異なるが、磁束密度に依存し、第1の磁石23、第2の磁石24の断面積、磁力、スパッタ源との距離Rによって変化する。
【0028】
なお、第1のスパッタ源2と第2のスパッタ源3の配置のしかたおよび磁場の形成のしかたは、図4ないし図10に示すような方法がある。
【0029】
図4では図1と対比して第1のスパッタ源2と第2のスパッタ源3の各々の磁場4の磁束密度の大小関係を逆にし、第1のスパッタ源2とこれに応じた第1の磁石23の距離Rを大きくし、第2のスパッタ源3とこれに応じた第2の磁石24の距離Rを小さくすることで磁場を拡げ原料の利用効率を上げようとしたものである。
【0030】
また、図5ではルテニウムなどを含有する第3のスパッタ源51と第2のスパッタ源3の長手方向が平行になるように第1のスパッタ源2と第2のスパッタ源3の間に配置したものである。磁場4の磁束密度は蒸着物が適正な組成を得られるように第1のスパッタ源2、第2のスパッタ源3とこれらに応じた第1の磁石23、第2の磁石24の距離Rを調整する。なお、第1のスパッタ源2と第2のスパッタ源3、そして第3のスパッタ源51を合金にせず、単一の元素で形成しているため、それぞれのスパッタ源を再度原料として使用する時、再加工費が下げられる。なお、第3のスパッタ源51に応じた磁石は特に設けない。
【0031】
また、図6のように第3のスパッタ源51を第2のスパッタ源3の中央に長手方向が概ね平行になるように配置することができる。この場合さらに蒸着物の組成のばらつきを少なくすることができる。
【0032】
また、図7のように第3のスパッタ源51を第2のスパッタ源3の中央に長手方向が概ね直交するように配置しに、さらに第3のスパッタ源51が第1のスパッタ源2と接するように配置することもできる。
【0033】
なお、小型のスパッタ源1を用いる場合などは図8のように第1のスパッタ源2、第2のスパッタ源3、第3のスパッタ源51に跨った一つの連続する磁場4をスパッタ源全体にわたって形成してもよい。この場合、スパッタ源1全体に応じた大きさの磁石を用意することになる。
【0034】
逆に、スパッタ源1がやや大きい場合などは図9のように図8の磁場4を複数形成してもよい。これによりスパッタ速度を上げ、かつ原料の利用効率を上げることができる。
【0035】
加えて、第1のスパッタ源2の組成比が高い触媒を得る場合には図10のように複数の磁場4を有し、かつ連続する磁場4の一部が第2のスパッタ源3および第3のスパッタ源51上に形成されていてもよい。
【0036】
ところでマグネトロンスパッタリング法では、スパッタ源のエロージョン領域(スパッタリング現象により構成元素がはじき飛ばされてスパッタ源が消耗する範囲)に穴が開いてしまう直前に新しい原料に交換し、残材は再生処理を施すことがある。通常エロージョン領域のスパッタ速度は周囲に比べて2桁以上速いので極端にその領域だけがなくなるためのスパッタリングに使用できる原料の割合は10%から20%程度である。したがって頻繁に再生処理を行わなければならず、そのためコストが製品の及ぼす影響が大きくなってしまう。
【0037】
図11は本発明の合金微粒子担持装置に用いるスパッタ源と磁場を示した平面模式図の一例である。
【0038】
本発明ではスパッタ源の利用効率を向上させるため、量産向けのスパッタ源とし図11に示すようにスパッタ源1を白金を含む第1のスパッタ源2と第2のスパッタ源3を互い違いに長手方向を平行にして形成し、磁場は、その長手方向と概ね直交するように帯状また矩形状に形成し、スパッタ源全体1と図示しないがこれに応じた磁石を相対的に第1のスパッタ源2或いは第2のスパッタ源3の長手方向に移動させて、順次走査しながらスパッタリングすることを特徴としている。
【0039】
以上のようなスパッタ源1を用いることでスパッタリング時の投入電力が同じとしても材料のスパッタ速度または結合エネルギーに応じて磁束密度を適宜調整しながら、合金のスパッタ源を用いることなく蒸着物の組成を制御できる。局所的に削られ、使用不可能になったスパッタ源1の残材は溶解して再加工するが、第1のスパッタ源2と第2のスパッタ源3が他の元素を混入していなければ、再加工しやすく、再生コストを抑えられ結果的に効率的にスパッタリングできるので好ましい。
【0040】
図12は図11のA−A面の断面図であり、スパッタ源とこれに応じた磁石の位置関係を示した一例である。
【0041】
図12に示すように予め磁石121の位置を第1のスパッタ源2と第2のスパッタ源3に対して調整して、走査しながらスパッタリングすることもできる。なお、図12の場合、走査方向は紙面に対して表裏の方向である。
【0042】
以下にスパッタ源全体1とこれに応じた磁石を相対的に移動させ順次走査を行いながらスパッタリングする際のスパッタ源の変形例を図13ないし図17に示す。
【0043】
図13は図11とほぼ同様で、スパッタ源全体1において表面近傍に磁場4を帯状または矩形状に形成するが、常に端部131は第2のスパッタ源3上にあるようにしている。端部131はスパッタ速度が速いため、その原料は適宜交換が求められる。
【0044】
図14は図13とほぼ同様であるが、磁場4の端部141の磁束密度を少しだけ小さくするように形成している。端部の磁束密度は磁石の磁力を小さいものにするか、バッキングプレートからの距離を離す、あるいは磁石を抜いてもよく、それらのいずれかの方法により調整する。この走査により特定の原料の交換を頻繁に行わなくてもよく、生産性が向上する。
【0045】
図15は第1のスパッタ源2と第2のスパッタ源3の長手方向両端に第1のスパッタ源2を配置した図である。走査された磁場4が同一の場所に留まる時間を極力少なくする。そうすると蒸着物の組成の均一性を保ちつつ、貴金属原料の利用効率をさらに向上することができる。
【0046】
図16は第1のスパッタ源2と第2のスパッタ源3の長手方向が概ね平行になるように配置した後、その外周を第1のスパッタ源2に比べて1桁以上スパッタ速度が低い材料161で囲む。たとえば、酸化ケイ素、酸化チタニウム、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化モリブデンが挙げられる。これらを構成する金属元素は触媒の活性を向上させる効果があり、金属酸化物であっても微量であれば悪影響はない。または、高分子化合物で構成してもよく、特にテフロン(R)は結晶化度が高く、モノマーの解離が少ないので好適である。
【0047】
この場合、図17のように磁場を低スパッタ速度の部材161領域まで移動させると、スパッタ源全体1の厚さが均一に減少するので望ましい。この際、第1のスパッタ源2と第2のスパッタ源3の一部が一度蒸発したあと周囲の低スパッタ速度の部材161に付着することがあるが、それらを再度スパッタリングすることも可能であり、より貴金属材料の利用効率を高めることができる。
【0048】
また、スパッタ源の効率的な利用をするための一例として、図21のように、第2のスパッタ源の支持部材と対峙する側とは反対側に透磁率の高い部材を設けることができる。すなわち、スパッタ速度の高い材料212と、磁石215の間に透磁率の高い部材213を設ける。具体的には、透磁率の高い部材213は、Ni、Fe、Coから選ばれ、バッキングプレート214の中に保持される。スパッタ速度によって透磁率の高い部材213を所望の厚さに設定でき、磁場の強さを調整することができる。
【0049】
合金微粒子の生産性を上げようとする場合、エロージョン領域を複数設けることが考えられる。すなわち、2つの磁石215を同時に走査することを例に考えると、スパッタ源211、212の長手方向中央付近で、走査方向を逆転しなければならない。ここで問題となるのが、走査方向を逆転する際、一度磁石215の走査が止まるため、長手方向中央付近のスパッタ時間が長くなり、それ以外の領域よりもスパッタ源211、212の消耗度が高くなることである。スパッタ時間が長くなれば、スパッタ源211、211に孔が空いてしまうことも考えられる。
【0050】
そこで、図21のB−B断面図のように、スパッタ源211、212の長手方向の中央付近にそれと直行する方向に透磁率の高い部材213を設置する。あるいは、スパッタ源211、212の長手方向の中央付近のスパッタ速度をそれ以外の領域の80%以上、95%以下とすることで、スパッタ源211、21全体の消耗度を一定にすることができ、効率的な利用ができる。
【0051】
80%に満たないと、透磁率の高い部材213がある部分とない部分での差が大きく明確な境界ができてしまい好ましくなく、95%を超える場合は磁石の走査方向を逆転するために停止している時間が短いため駆動装置に高い精度が要求されコストアップになり好ましくない。更に好ましくは上記範囲で連続的に変化させるとより有効である。すなわちスパッタ源211、212の長手方向の中央付近において中央より離れるに従ってスパッタ速度の減少幅を小さくする。具体的にはスパッタ源211、212の長手方向の中央付近に設けられた透磁率の高い部材213の厚みを中央より離れるに従って薄くする。これにより、より均一にスパッタ源を使用することができる。
【0052】
また、図22のように、複数の磁石221の走査方向が逆転する領域Aにおいて、それ以外の領域Bよりも磁石221の移動速度を5%以上、10%以下速くすることも考えられる。
【0053】
5%に満たないと、磁石の走査方向を逆転するために停止している時間が短いため駆動装置に高い精度が要求されコストアップになり好ましくなく、10%を超えると明確な境界ができてしまい好ましくない。
【0054】
さらに、図23のようにスパッタ源233の中央付近の厚さを、その他の領域より厚くすることができる。厚さの基準は、磁石の走査方向を逆転するために停止している時間とスパッタ速度に依存しており、中央付近の厚さはその他の領域の1.1倍から1.3倍程度が好ましい。
【0055】
またさらに、図24のようにスパッタ源243の中央付近に、スパッタ源243と同じ材料、SiO2、TiO2、WO3、Mnから選ばれる板状の部材244を設けることができる。この部材244によって、スパッタ源243の一部分に孔があいてもスパッタリングし続けることができる。
【0056】
また、図25のように複数のスパッタ源253を土台254に設置し、回転ローラ255を回転することで、ベルトコンベア状に複数のスパッタ源253を一方向に走査する装置も考えられる。この装置によって、スパッタ源253の消耗度が抑えられ、長時間にわたってスパッタリングを行うことができる。
【0057】
ところで、本発明の合金微粒子担持装置では、図26に示すように複数のスパッタ源263、264、265と炭素を主成分とする粒子状母材266の距離Lを変化させることにより、粒子状母材266の面内の合金微粒子の濃度に分布を施すことができる。図27は3種類の異なる材料を周期的に並べたスパッタ源を用いた場合に得られた位置と堆積速度の関係を示している。ここで、第1のスパッタ源263をPt、第2のスパッタ源264をRu、第3のスパッタ源265をWMoとした場合、Lを10mmにすると、Ptの直下では堆積速度が100nm/min.であるが、Ruの直下では、20〜40nm/min.まで低下する。Lを大きくするにつれて、場所による堆積速度の差が小さくなっていくことが確認された。
【0058】
さて、粒子状母材またはシート状母材に合金微粒子の濃度分布がある方が良い場合がある。
【0059】
例えば、図28にアクティブ方式と呼ばれる直接メタノール型燃料電池(以下DMFCと記す)を示す。DMFC281では、発電に必要なメタノールと水を適当な混合比になるようにそれぞれ設けた燃料タンク284、水タンク285から燃料ポンプ286によりセル282に送る。
【0060】
図28にDMFCのセル内部の断面図を示す。セル291には流路がアノード292及びカソード293に設けられており、アノード292では混合燃料、カソード293では空気が流れる。その間にメタノールは発電に使用されるので燃料入口294に近いところではメタノールの濃度が高く、燃料出口295に近づくに連れて濃度が下がる。発電時に発生した水は水のタンク285に戻され再利用される。
【0061】
DMFCの電極ではメタノール濃度に合った触媒量を有することが発電効率、寿命などの点で重要である。したがって、燃料入口294付近では触媒量を多くし、燃料出口295に近づくにつれて触媒量が少なくなっている膜・電極複合体(MEA)298はこの方式には有利である。
【0062】
このような電極は従来の湿式法でも触媒層の厚さを変化させることにより作製可能と思われがちであるが、触媒層の厚さは燃料の拡散特性に影響を及ぼすのでかえって特性が悪くなり実現は困難である。それに対し本発明では触媒層の厚さを変えることなく容易に合金微粒子を面内で変えることができる。具体的には、Ptに対するRu及びHf,Ta,Mo,W,Ni,Siなどの添加元素の量(混合比)も変えることができる。Pt量の減少に伴いRu及びその他の元素の量が増えるが、添加元素によっては低濃度のメタノール燃料に対して発電効率が高くなるので好ましい。
【実施例】
【0063】
(実施例1)
本実施例では、白金とタングステンをスパッタ速度4:1になるように、矩形状の第1のスパッタ源と第2のスパッタ源の面積、および各々のスパッタ源とこれに応じた磁石の位置などを調整した。具体的にはタングステンは白金よりスパッタ速度は少し速いので面積は1:2とし、更に第2のスパッタ源に応じた第2の磁石の表面近傍の磁束密度を、白金の第1のスパッタ源に応じた第1の磁石と比較して80%とした。
【0064】
図18に、以上のように形成したスパッタ源181を用いて粒子状母材にスパッタリングした際の断面模式図を示す。形成したスパッタ源181(スパッタ源に応じた磁石は図示しない)の下に対峙するように、平均粒径1μm以下、表面積50m/g以上の炭素を母体とした粒子状母体182を収容した支持部材183を置き、以下の条件で10時間スパッタリングを行った。この際、真空チャンバー184の外に設置したマグネティックスターラ185を用いて予め支持部材の中に入れておいた磁性体にテフロン(登録商標;デュポン社製)コートした回転子186を一定周期ごとに一定時間回転させて粒子状母体を撹拌した。
【0065】

圧力;1×10−2Pa
撹拌しない時間;100秒
撹拌時間;5秒
蒸着量;1×1015atoms/cm・秒

これにより担持率(炭素の重量に対する触媒の重量)50%の白金−タングステン触媒担持炭素粉体を100g作製した。
【0066】
図19に本発明の実施例に関わる触媒評価用の膜・電極複合体の模式図を示す。また、図20にその膜・電極複合体を組み込んだ直接メタノール形燃料電池の単セルの模式図を示す。
【0067】
得られた粉体を用いてカソード電極191、アノード電極192をそれぞれを作製し、カソード電極191とアノード電極192の間にナフィオン(登録商標;デュポン社製)からなるプロトン伝導性固体高分子膜193を挟んで、125℃、10分、30kg/cm2の圧力で熱圧着して、膜・電極複合体(MEA)を作製した。この膜・電極複合体と流路板201、燃料浸透部202、気化部203、セパレータ204、リード線205を用いて直接メタノール形燃料電池の単セルを作製した。この単セルに燃料としての1Mメタノール水溶液、流量0.6ml/min.でアノード電極192に供給すると共に、カソード電極191に空気を200ml/分の流量で供給し、セルを65℃に維持した状態で150mA/cm2電流密度を保つように放電させ、30分後のセル電圧を測定したところ0.6Vの電圧が得られた。得られた電圧は同じ貴金属量で作製した場合と比較して20%以上高い値であった。このように真空プロセスで作製した場合、スパッタリングしたルテニウムが酸化していないため、発電過程で生ずる蟻酸による溶出が少なく、長期間使用した場合の特性劣化が少ないと思われる。白金、タングステンのスパッタ源はほぼ均一に消費され、効率的に蒸着物に担持できた。また、スパッタ源の再加工もしやすかった。なお、得られた合金粒子の平均粒径は4nmであった。
【0068】
(実施例2)
以下の実施例は、実施例1と異なる部分を中心に説明し、実施例1と同一の機構については省略した。実施例1では触媒の組成及び合金の構成元素に合わせて予め磁石の磁力を変えてスパッタ源表面近傍の磁束密度を変えていたが、本実施例では合金の構成元素が変わっても適正な組成が得られるように、図2に示す機構で磁束密度を調整した。スパッタ源は白金とニオブを選び、白金とニオブの比が4:1の合金を担持させることとした。ニオブのスパッタ速度は白金より速いので、スパッタ源の面積は1/2にして、さらに磁束密度が30%小さくなるように磁石をバッキングプレートから10mm離した。その他の条件は実施例1と同様にして10時間、スパッタリングを行い、単セルで評価したところ、0.6Vの電圧が得られた。これは同じ貴金属量で作製した場合と比較して20%以上高い値である。白金、ニオブのスパッタ源はほぼ均一に消費され、効率的に蒸着物に担持できた。また、スパッタ源の再加工も容易に行うことができた。なお、得られた合金粒子の平均粒径は4nmであった。
【0069】
(実施例3)
実施例1及び実施例2ではスパッタ源のエロージョン領域に穴が開く直前に新しい原料に交換し、残材は再生した。本実施例では原料の利用効率を上げるため、図11に示す構成を採用した。スパッタ源は白金を含む第1のスパッタ源とバナジウムを含む第2のスパッタ源とした。その他の条件は実施例1と同様にして20時間、スパッタリングを行った。単セルで評価したところ、0.6Vの電圧が得られた。これは同じ貴金属量で作製した場合と比較して20%以上高い値である。その結果発電効率も向上した。その一方矩形板状原料もほぼ均一にスパッタされ利用効率を80%以上にすることができた。白金、バナジウムのスパッタ源はほぼ均一に消費され、効率的に蒸着物に担持できた。白金、バナジウムの利用効率を高めることができ、貴金属材料の再加工もしやすかった。なお、得られた合金粒子の平均粒径は4nmであった。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明によれば、粒径1μm以下の粒子状担体に粒径10nm以下の微粒子を担持させる方法および担持装置を提供でき、用途としては当該粉末を触媒に利用した直接メタノール形燃料電池が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源の配置と磁場の一例を示す概略平面図。
【図2】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源およびこれに応じた磁石の一例を示す概略断面図。
【図3】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置の磁石の一例を示す概略平面図。
【図4】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源の配置と磁場の一例を示す概略平面図。
【図5】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源の配置と磁場の一例を示す概略平面図。
【図6】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源の配置と磁場の一例を示す概略平面図。
【図7】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源の配置と磁場の一例を示す概略平面図。
【図8】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源の配置と磁場の一例を示す概略平面図。
【図9】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源の配置と磁場の一例を示す概略平面図。
【図10】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源の配置と磁場の一例を示す概略平面図。
【図11】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源の配置と磁場の一例を示す概略平面図。
【図12】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源およびこれに応じた磁石の一例を示す概略断面図。
【図13】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源の配置と磁場の一例を示す概略平面図。
【図14】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源の配置と磁場の一例を示す概略平面図。
【図15】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源の配置と磁場の一例を示す概略平面図。
【図16】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源の配置と磁場の一例を示す概略平面図。
【図17】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源の配置と磁場の一例を示す概略平面図。
【図18】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置の一例を示す概略断面図。
【図19】本発明の実施例に関わる膜・電極複合体の概略断面図
【図20】本発明の実施例に関わる直接メタノール形燃料電池の単セルの概略断面図。
【図21】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源およびこれに応じた磁石の一例を示す概略平面図および概略断面図。
【図22】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源およびこれに応じた磁石の一例を示す概略断面図。
【図23】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源およびこれに応じた磁石の一例を示す概略断面図。
【図24】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源およびこれに応じた磁石の一例を示す概略断面図。
【図25】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源およびこれに応じた磁石の一例を示す概略断面図。
【図26】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源と粒子状母材の距離を示す概略断面図。
【図27】本発明で用いることができる合金微粒子担持装置のスパッタ源と粒子状母材の距離と堆積速度の関係を示す図。
【図28】直接メタノール型燃料電池の模式図。
【図29】直接メタノール型燃料電池用セルの模式断面図。
【符号の説明】
【0072】
1 スパッタ源
2 第1のスパッタ源
3 第2のスパッタ源
4 磁場
21 バッキングプレート
22 磁力線
23 第1の磁石
24 第2の磁石
31 磁石
32 磁石
51 第3のスパッタ源
121 磁石
131 磁場の端部
141 磁束密度の少し低い磁場
161 低スパッタ速度の材料
181 スパッタ源
182 粒子状母材
183 支持部材
184 真空チャンバー
185 マグネティックスターラ
186 磁性体回転子
191 カソード電極
192 アノード電極
193 プロトン伝導性固体高分子膜
201 流路板
202 燃料浸透部
203 気化部
204 セパレータ
205 リード線
211、263 第1のスパッタ源
212、264 第2のスパッタ源
213 透磁率の高い部材
214、222、232、242、252、262 バッキングプレート
215、221、231、241、251、261 磁石
223、233、243、253 スパッタ源
244 板状の部材
254 土台
255 回転ローラ
265 第3のスパッタ源
266 粒子状母材
267 支持部材
281 直接メタノール型燃料電池
282、291 直接メタノール型燃料電池用セル
283 送気ポンプ
284 燃料タンク
285 水タンク
286 ポンプ
292 アノード
293 カソード
294 燃料入口
295 燃料出口
296 空気入口
297 空気出口
298 膜・電極複合体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子状母材またはシート状母材を収容する支持部材と、
この支持部材と対峙して配置され、白金を含有する矩形状の第1のスパッタ源と、
この第1のスパッタ源に隣接して配置され、前記第1のスパッタ源と異なる元素を含有する第2のスパッタ源と、
前記第1のスパッタ源の前記支持部材と対峙する側とは反対側に配置された第1の磁石と、
前記第2のスパッタ源の前記支持部材と対峙する側とは反対側に配置された第2の磁石と、
を具備する合金微粒子担持装置において、
前記第1或いは第2のスパッタ源とこれに応じた前記第1或いは第2の磁石間の距離、または、前記第1或いは第2の磁石の磁力を調整することにより、
前記第1或いは第2のスパッタ源の表面近傍の磁場の磁束密度を変化させることを特徴とする
合金微粒子担持装置。
【請求項2】
粒子状母材またはシート状母材を収容する支持部材と、
この支持部材と対峙して配置され、白金を含有する矩形状の第1のスパッタ源と、
この第1のスパッタ源に隣接して交互に配置された、前記第1のスパッタ源と異なる元素を含有する第2のスパッタ源と、
前記第1のスパッタ源および前記第2のスパッタ源の前記支持部材と対峙する側とは反対側に配置された磁石と、
を具備する合金微粒子担持装置において、
前記第2のスパッタ源は前記第1のスパッタ源の間に、各々の長手方向を概ね平行にして短冊状に形成され、
前記第1或いは第2のスパッタ源の長手方向に概ね直行する方向に、前記第1或いは第2のスパッタ源もしくは前記磁石を相対的に移動させることにより、
前記磁場を前記第1或いは第2のスパッタ源の長手方向と直交する方向に順次発生させることを特徴とする
合金微粒子担持装置。
【請求項3】
前記粒子状母材またはシート状母材は、炭素を主成分とする母材であることを特徴とする
請求項1または2に記載の合金微粒子担持装置。
【請求項4】
前記第1或いは第2の磁石の位置を可変する機構を備えることを特徴とする
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の合金微粒子担持装置。
【請求項5】
前記第2のスパッタ源は前記第1のスパッタ源の間に、各々の長手方向を概ね平行にして短冊状に形成されていることを特徴とする
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の合金微粒子担持装置。
【請求項6】
前記第1および第2のスパッタ源とは異なる元素を含有する第3のスパッタ源を有し、
この第3のスパッタ源は前記第1のスパッタ源および/または第2のスパッタ源に隣接することを特徴とする
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の合金微粒子担持装置。
【請求項7】
前記第2のスパッタ源の前記支持部材と対峙する側とは反対側に、前記第2のスパッタ源より透磁率の高い部材を設けたことを特徴とする
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の合金微粒子担持装置。
【請求項8】
前記第1および第2のスパッタ源または前記磁石の移動方向は、一定距離を走査した後、逆転することを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか1項に記載の合金微粒子担持装置。
【請求項9】
前記第1および第2のスパッタ源または前記磁石の移動方向が逆転する領域近傍の前記第1のスパッタ源或いは前記第2のスパッタ源の厚さは、それ以外の領域における前記スパッタ源の厚さよりも厚いことを特徴とする
請求項2乃至請求項8のいずれか1項に記載の合金微粒子担持装置。
【請求項10】
前記第1のスパッタ源或いは前記第2のスパッタ源は、移動方向が逆転する領域近傍において、前記支持部材と対峙する側とは反対側に、前記第1のスパッタ源、前記第2のスパッタ源、SiO2、TiO2、WO3およびMnから選ばれる部材を設けることを特徴とする
請求項2乃至請求項9のいずれか1項に記載の合金微粒子担持装置。
【請求項11】
前記第1のスパッタ源或いは前記第2のスパッタ源は、移動方向が逆転する領域近傍において、前記支持部材と対峙する側とは反対側に、前記第1のスパッタ源或いは前記第2のスパッタ源より透磁率の高い部材を設けたことを特徴とする
請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の合金微粒子担持装置。
【請求項12】
前記第1および第2のスパッタ源または前記磁石の移動速度は、前記第1および第2のスパッタ源または前記磁石の移動方向が逆転する領域近傍において、それ以外の領域における移動速度より大きいことを特徴とする
請求項2乃至請求項11のいずれか1項に記載の合金微粒子担持装置。
【請求項13】
前記磁石は、その移動方向および移動速度が常時一定であることを特徴とする
請求項2に記載の合金微粒子担持装置。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13の合金微粒子担持装置を用いて作製された合金微粒子を含有することを特徴とする直接メタノール型燃料電池用セル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2009−68103(P2009−68103A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−200841(P2008−200841)
【出願日】平成20年8月4日(2008.8.4)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】