説明

同位体修飾化合物およびフードサプリメントとしてのそれらの使用

栄養組成物は、少なくとも1つの交換可能なH原子が2Hであり、かつ/または少なくとも1つのC原子が13Cである必須栄養素を含む。したがって、栄養素はとりわけ活性酸素種から保護される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、同位体修飾化合物およびフードサプリメントとしてのそれらの使用に関する。
【0002】
発明の背景
加齢に関する現今の定説は、細胞機構における不可逆的変化ならびに呼吸プロセスの一部として細胞に通常存在するフリーラジカルおよび他の活性酸素種(ROS)または活性窒素種(RNS)の有害な作用に対する代謝プロセスの低下した効率が原因であるとする。ROSおよびRNSは、DNA、タンパク質、脂質および他の細胞構成成分を酸化/ニトロ化する。これらのうち、アルギニン、リシン、スレオニン、トリプトファンおよびプロリンを対応するカルボニル化合物に変換するタンパク質酸化は、特定の閾値数のアミノ酸残基が酸化された後ではプロテアーゼにより修復することができない。
【0003】
損傷を受けたタンパク質は、触媒活性または構造活性を失うが、プロテアーゼは重度にカルボニル化されたストランドを分解することができないので、損傷を受けた種は蓄積、凝集し、細胞輸送を詰まらせる。このさび様のプロセスは、次第にすべての細胞機構を破壊し、すべてを遅らせ、最終的に細胞死を引き起こす。
【0004】
加齢とは別に、いくつかの例を挙げると、アルツハイマー病、パーキンソン病、認知症、白内障、関節炎、慢性腎不全、急性呼吸器症候群、嚢胞性線維症、糖尿病、乾癬および敗血症などの多くの疾患は、増加したタンパク質カルボニル化と関係がある。典型的に、タンパク質カルボニルの生理的レベルはタンパク質1mgあたり約1nmolであるが、病的レベルでは8nmol/mg以上になる。
【0005】
タンパク質の酸化的損傷のプロセスに関与する2つの分子、すなわち酸化物質およびその基質に関して、酸化物質は、抗酸化物質(ビタミン、グルタチオン、ペプチドまたは酵素)の数を増加させることにより酸化物質を中和するかまたは除去することを目的とする多くの研究の対象物である。基質、例えばカルボニルに変換されるアミノ酸(AA)残基は、あまり注目されていない。
【0006】
カルボニル化に対して脆弱なすべてのアミノ酸残基(プロリンを除く)の1つの共通した特徴は、それらが脊椎動物で合成されず、摂取するべきである(例えば食物で摂取する)必須アミノ酸残基の群に属するということである。この群には、フェニルアラニン、バリン、トリプトファン、スレオニン、イソロイシン、メチオニン、ヒスチジン、アルギニン、リシンおよびロイシンが含まれる(アルギニンは5歳までの子供に必須である)。
【0007】
ROSによるArgおよびLys両方の酸化は、アミノアジピン酸セミアルデヒドをもたらし、ヒドロキシル基によるω−水素の順次置換を介して進む。Lys、Arg、Trp、Thr、PheおよびHisの酸化を図1に示す。これらアミノ酸がポリペプチド/タンパク質の一部である場合、側鎖は同じ変換を受ける。ROSによる酸化を受ける他の必須アミノ酸には、Leu(5−ヒドロキシロイシン)、Val(3−ヒドロキシバリン)およびIle(いくつかの生成物)が含まれる。
【0008】
必須アミノ酸に影響を及ぼす他のタイプの酸化的損傷は、活性窒素種(RNS)を含む。例を図2に示す。
【0009】
タンパク質にとって有害であるさらにもう1つのプロセスは、ROSによるペプチド結合切断であり、この前に酸素フリーラジカル媒介タンパク質酸化が生じる。水素原子が、ポリペプチド鎖のCα原子から引き抜かれ、次いでアルコキシル基の形成を導く。これにより、ヒドロキシルタンパク質誘導体、または(1)ジアミドまたは(2)α−アミド化経路によるペプチド結合切断のいずれかが導かれる。これを図3に例示する。
【0010】
核酸は通常、食事のうちの必須成分として考えられないが、これもROSにより損傷される。ミトコンドリアの機能にとって特に重要な例は、図4に示した8−オキシ−Gの形成である。これは核ゲノムほどには効率的に維持、修復されないミトコンドリアゲノムにおける突然変異を導き、細胞における呼吸プロセスの効率に有害な結果をもたらす。分解の別の原因は放射線である。
【0011】
化学的および生化学的反応の機序および律速段階を解明するときに、動的同位体効果が広く使用されている。C−1H結合の切断を伴う反応の速度は、HおよびD同位体の質量において2倍の違いがあるため、典型的には対応するC−2H(2H=D=重水素)結合の切断より5〜10倍速い。トリチウム(3HまたはT)の場合、水素より3倍重いため反応速度における差はさらに大きいが、この同位体は不安定である。C−H結合の第2の構成成分である炭素原子もまたより重い13C同位体に置換されうるが、13Cは12Cよりわずかに重いだけであるので、結合切断速度の減少は非常に小さい。Parkら、JACS(2006)128:1868〜72を参照のこと。
【0012】
酸化物質による水素の引き抜きは、通常、プロセスの律速段階であるので、酸化反応は同位体効果についてのよい例である。Damgaard、Biochemistry(1981)20:5662〜69は以下を例示する:肝臓のアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)による(1−R)[1−22]−および(1−R)[1−32]−エタノールのアセトアルデヒドへの酸化についてのV/Kにおける動的同位体効果は、pH6で測定すると、3(D(V/K))および6.5(T(V/K))であり、pH9でそれぞれ1.5および2.5に減少した。予測より遅い速度は、代替経路として非ADH系の別個の役割を裏付けるものである。灌流したラット肝臓におけるin vivo実験(Lundquistら、Pharm.&Tox.(1989)65:55〜62に報告されるように)は、2.89の平均D(V/K)値を与えた。そのため、すべての場合において重水素化エタノールの酸化は、大幅に遅くなった。
【0013】
同位体標識された物質は、診断の目的で動物、またヒトにも投与された。Greggら、Life Sciences(1973)13:755〜82は、消化可能な炭素画分が80原子%の13Cを含む食餌の、離乳マウスへの投与を開示している。添加物は、13C標識した酢酸であった。組織検査では、明らかに高い同位体濃縮に起因する異常は見られなかった。
【0014】
発明の概要
本発明は、摂取された場合、機能的に通常の身体構成物質に等価であるが、分解/有害なプロセス(例えば、ROSおよびRNSまたは放射線により媒介されるプロセス)に対してより耐性を有する、身体構成物質(例えば、タンパク質、核酸、脂質、炭水化物など)の形成を生じるクラスの化合物を合成するために、同位体置換を使用できる、という事実に基づいている。そのため、本発明によれば、栄養組成物は、少なくとも1つの変換可能なH原子が2Hであり、かつ/または少なくとも1つのC原子が13Cである必須栄養素を含む栄養組成物を含む。
【0015】
本発明において使用するための化合物は、身体構成物質に取り込まれた場合、そのような身体構成物質を分解プロセスに対してより耐性にさせる安定な同位体を含むことを除いて、通常の栄養素または食物の構成成分と同じである。これらは、天然の生体分子の好ましい機能を保護するための方法を提供し、本方法は、生体分子に取り込まれるように化合物を供給することを含み、その際、損傷または望まない化学的変化に対して保護する特性を生体分子に与える。
【0016】
本発明において使用するための化合物は、化学的に合成することができ、生物体により消化される場合、化合物の機能的生体分子への取り込みをもたらすように代謝され、この化合物の取り込みは、この化合物を含まない等価な生体分子の場合に比べ、損傷を与える分子変化に対してより高い度合いの耐性を有する生体分子を生じる。そのような化合物は、天然の生体分子の前駆成分の擬態物として働きうる。これらは必須アミノ酸を擬態しうる。生物体は、典型的には植物、微生物、動物またはヒトである。
【0017】
本発明において使用するための化合物は、典型的にはP450の経路の酵素により分解されない。そのため、それを必須とする対象物に蓄積しうる。
【0018】
図面の説明
図1から4は各々必須栄養素を分解する反応を示す。
【0019】
発明の説明
本発明は、必須サプリメントが酸化、窒素化などの不可逆的化学変換を受け、老化または疾患の発現を導きうる、という事実に関する。必須食品成分は、生物体(例えば、哺乳動物、霊長類またはヒト)によりデノボ合成することができず、そのため食餌で供給される必要がある。本明細書の目的のために、核酸は必須であるが、条件付きで必須と記載されることがより適切でありうる。条件付きで必須な栄養素は、特定の条件下、食餌で供給される必要がある。
【0020】
ヒトに関しては10のアミノ酸、すなわちPhe、Val、Trp、Thr、Ile、Met、His、Leu、LysおよびArg(5歳まで)が必須である。プリンおよびピリミジンヌクレオシドは条件付きで必須である。必須脂肪酸は、ω−3およびω−6であるが、一価不飽和オレイン酸は一般に非必須である。
【0021】
本発明によれば、加齢/疾患などの提議される望ましくない影響は、減速することができる。摂取される化合物は、化学的同一性を保持しつつ望まれない反応を遅らせるために、修飾されるべきである。これは、最も活性の炭素原子、または図1〜4に例示されるようなROS/RNSによる損傷を受けることが公知の部位で、重水素による酸化/酸化的置換中に引き抜きを受ける水素原子を置換することによって、1つの実施形態において達成されることができ、これは同位体効果が反応速度を減速させることに起因する。炭素の置換は反応速度の減少をそれほど増すわけではないので、H原子置換の代わりの炭素の置換、またはH原子置換に加え炭素の置換は、より高い程度の置換を必要とすることがある(DはHの2倍の重量であり、13Cは12Cより10%未満重い)。
【0022】
調製方法の部分に依存して、本発明において使用するための化合物は、部分的または全面的な同位体置換を含みうる。例えば、重水素は、例えば官能基に隣接するOHまたはCH2である、化学的に交換可能であると考えられる1つまたは2つの水素原子のみで置換されうる。部分的13C置換ではなく全13C置換がより効果的に達成されることが多い。
【0023】
本発明の好ましい実施形態において、これらアミノ酸のフラグメントが他の構造を構成するために使用される場合、他の代謝プロセスの減速のリスクを最小限にするために、酸化感応性の水素(またはそれのみ)が重水素で置換されるはずである。特別な場合において、酸化に対する耐性をさらに増加させるために、H−C結合の1Hおよび12C両方を2Hおよび13Cで置換することができる。同位体の可能性のある負の効果(例えば、同位体で保護されたアミノ酸のフラグメントを利用する生化学反応の望ましくない減速)を最小限にするために、好ましくはアミノ酸の最感応性の部分のみを誘導体化するべきである(例えば、LysおよびArgのω原子)。このタイプの好ましい化合物は
【0024】
【化1】

【0025】
である。
【0026】
酸化ストレスが非常に高度であり、脆弱部位を保護することから受ける恩恵が、他の代謝経路を減速することによる潜在的な損傷作用(いくつかの疾患と同様に)より大きい場合、以下に例示した式で表されるより高度に同位体で保護されたアミノ酸を使用しうる。
【0027】
【化2】

【0028】
そのような誘導体は、図1〜4に例示される悪影響からの保護を与える。
【0029】
すべての脊椎動物は必須アミノ酸を合成する能力を欠いており、必須アミノ酸または脂肪酸の外部からの供給を必要とするので、重水素化/重水素化および13C修飾アミノ酸をヒトの食物供給源に与える痛みのない方法が見込まれる。アミノ酸に関して、プロセスの一例は、必須アミノ酸欠損酵母/藻類/細菌などを作ることであり、これらを適切な同位体「保護された」培地/基質で培養し、次いで得られたバイオマスを魚または家畜に与える。次いで魚または家畜は食物連鎖中に通常の方法で導入されうる。別の例は、直接的な錠剤/サプリメントをベースにした送達である。
【0030】
食物の非必須成分は、生物体により生成されうる化合物(例えば、核酸塩基)である。しかし、これらが食物として摂取される場合、いくつかの非必須成分は他の化合物の前駆体として消化/使用されるが、特定の画分は直接代謝プロセスで利用され(例えば、核酸(NA)塩基)DNAに取り込まれる。そのため、例として、食物で供給されるいくつかのNA塩基は、以下に例示した式で表されるように同位体保護されうる。
【0031】
【化3】

【0032】
そのような種類は、DNAへの取り込みにおける酸化に強い。言い換えれば、ミトコンドリアDNAを含むDNAの酸化速度は低減されうる。
【0033】
必須および非必須の両成分は消化器系を介して与えられ、加齢プロセスおよび種々の疾患と関連する有害な変化を減速させる望ましい効果をもたらす。それにもかかわらず、消化管を介する以外の方法、例えば静脈内送達が想定されうる。任意の送達システムの重要な様態は、身体的/生物化学的成分に取り込まれる同位体改変した化合物を得ることである。
【0034】
本発明の組成物は、任意のフードサプリメントのように提供されうる。典型的には、同位体標識した必須成分に加え、1つまたは複数の栄養素を含む。これは、植物性物質、微生物物質または動物性物質を含んでもよい。組成物は通常の食品、錠剤もしくは他の固体医薬あるいは注射可能なまたは他の液体であってもよい。
【0035】
この組成物は、標識された化合物に加え、未修飾の化合物を含みうる。標識化合物は、典型的には大量に存在し、天然に存在しうるより確実に多い。
【0036】
本発明において使用するための化合物は、公知の手順または当業者により適切に改変されうる手順により調製されうる。例えば、Lysの重水素化類似体である2,6−ジアミノヘキサン酸−6,6−D2は、標準的な手段に従うD2中での水素化分解により、前駆体のニトリルから合成されうる。
【0037】
【化4】

【0038】
Argの重水素化類似体である2−アミノ−5−グアニジノペンタン酸−5,5−D2は、対応するニトリルから合成されうる。
【0039】
【化5】

【0040】
Lysに関する上記と同様の方法で、水素化分解により得られたオルニチン−D2を水に溶解し、等量の0.5M O−メチルイソ尿素と混合し、NaOHでpH10.5に調整した。4〜5時間後、反応を停止するために1%TFAを添加した。この化合物は、RP HPLC(緩衝液は、A:0.1%TFA/H2O;B:0.1%TFA/(80%MeCN/20%H2O)であった)により、0〜65%Bで40分にわたり精製した。Kimmel、Methods Enzymol.(1967)、11:584〜589およびBonettoら、Anal.Chem.(1997)、69:1315〜1319を参照のこと。
【0041】
シアノ−アミノ酸はアミノ酸の前駆体である。シアノ−アミノ酸の合成は、種々の前駆体から始まるいくつかの経路で実施しうる。アルコール類(Davis & Untch、J.Org.Chem.(1981);46:2985〜2987)、アミン類(Mihailovicら、Tet.Lett.(1965)461〜464)、アミド類(Yamato & Sugasawa、Tet.Lett.(1970)4383〜4384)およびグリシン(Belokonら、JACS(1985)107:4252〜4259)はすべてそのような合成における出発物質として働きうる。いくつかの方法は、13Cおよび2H置換した化合物両方を生成しうるが、他の方法は重水素化のみに適合する。
【0042】
重水素化は、重水素ガス(例えば、Whiteら、JACS(1994)116:1831〜1838に記載されるように)または別の重水素化物(例えば、NaBD4(Satohら、Tet.Let.(1969)4555〜4558))を使用して実施しうる。これら方法間の選択は、アベイラビリティおよび対応する重水素誘導体の価格をベースになされるべきである。いくつかの試験されたストラテジーを詳細に以下に記載する。
【0043】
本発明のために必須脂肪酸内で保護されるべき部位は、1,4−ジエン系のメチレン基(「ビス−アリル」部位)である。これらは最も活性であり、種々の方法を使用して容易に誘導体化されうる。この部位の臭素化に続いて22による還元は、同時に1つの水素の置換を生じる。両方を置換するために、この手順は2回繰り返すべきである。より魅力的な方法は、重水中での直接的な1段階の置換でありうる。そのような交換の一例を、デオキシグアノシンの8−重水素化として以下(実施例6)に提供する。
【0044】
重水素化不飽和脂肪酸の合成のための代替アプローチは、1,4−ジエンの強塩基処理に続き、重水でクエンチングすることをベースにしている。これを実施例7に例示する。
【0045】
すべての主要ヌクレオチド塩基の任意の部位での、すべての主要なタイプの同位体(223213C、14C、15N、18Oなど)を用いる置換に関する文献例がある。以下に記載されるのは、プリンの選択的重水素化に関して以前に刊行された研究をベースにした2つの手順である(Esakiら、Heterocycles(2005)66:361〜369およびChiriacら、Labelled Compd.Radiopharm.(1999)42:377〜385)。非常に多くの他のプロトコールが、同様に適している。存在する核酸塩基/ヌクレオシドにおいて水素を重水素に交換することはしばしば可能であり、13Cを取り込む間に塩基が組み立てられるはずである(例えば、Folesiら、Nucleosides Nucleotides Nucleic Acids(2000)を参照)。
【0046】
本発明における使用に適したいくつかの同位体で「補強された」必須食事性成分の合成は公知である。例えば、6,6−22、1,1−132−L−Lys:Lichtensteinら、J.Lipid Res.(1990)31:1693〜1701および8−重水素化−デオキシ−グアノシン:Toyamaら、J.Raman Spectrosc.(2002)33:699〜708)を参照のこと。
【0047】
本発明における使用に適した、上記の同位体保護成分および他の同位体保護成分を調製するためにも使用されうる、異なる方法の多くの蓄積が存在するため、本発明は、上記の有機合成化学的方法に制限されない。例えば、実施例に開示される方法に加え、一級アミノ基の官能基のCN官能基への変換(結果として起こるα−(Nに関して)炭素原子の重水素化のため)に適した他の方法が以下のように使用されうる:
塩化第一銅−ジオキシゲン−ピリジン系に触媒される酸素による直接酸化(Nicolaouら、Synthesis(1986)453〜461;Capdevielleら、Tet.Lett.(1990)31:3305〜3308)
ブロモコハク酸イミドを使用する直接変換(Gottardi、Monatsh.Chem.(1973)104:1690〜1695)
直接ヨードソベンゼン酸化(Moriartyら、Tet.Lett.(1988)29:6913〜6916)
ジ−トシル誘導体およびヨード誘導体を介する2段階変換(DeChristopherら、JACS(1969)91:2384〜2385)。
【0048】
以下の実施例1〜9は本発明における使用に適した物質の調製を例示する。
【0049】
(MA)LDI−TOF質量スペクトルは、陽イオンモードでVoyager Elite Biospectrometry Research Station(PerSeptive Biosystems、Vestec Mass Spectrometry Products)を使用して得られ;FABスペクトルは、Varian機器を使用して得られた。分析的薄層クロマトグラフィは、Kieselgel60 F254をプレコートしたアルミニウムプレート(Merck)または酸化アルミニウム60 F254をプレコートしたアルミニウムプレート(Merck)で実施され、スポットはUV下または規定されたとおりに可視化された。カラムクロマトグラフィはシリカゲル(Merck Kieselgel 60 0.040〜0.063mm)または酸化アルミニウム(Aldrich酸化アルミニウム、活性化された、中性、Brockmann I、150メッシュ、58Å)で実施された。
【0050】
生物学的実験のための試薬は、他に規定されない限り、Sigma Aldrichから提供された。13C−グルコースは、SigmaおよびReakhim(ロシア)から提供された。
【0051】
商業的納入業者から入手した試薬は受領後そのまま使用した。すべての溶媒は、Aldrichから提供され;トリフルオロ酢酸はPierceから提供され;HPLCグレードの溶媒は、Chimmed(ロシア)から提供され、さらに精製することなく使用した。(S)−2−アミノ−5−シアノペンタン酸はGenolex(ロシア)から得られた。重水素ガスは、供給源として重水を使用するGC水素供給モジュール(アウトプット6atm;Himelectronika、モスクワ、ロシア)による電気分解により作り出された。重水(22O、D2O)、NaBD4およびNa13CNは、Reakhim(ロシア)およびGas−Oil JSC(ロシア)から提供された。DMFは減圧下新たに蒸留し、窒素下4Å分子ふるいで貯蔵した。DCMは常に新鮮にCaH2で蒸留し、使用した。THFはLiAlH4で蒸留した。
【0052】
実施例1 (S)−2−アミノ−4−シアノ(13C)酪酸(13C−Argおよび13C、22−Argの前駆体)
【0053】
【化6】

【0054】
2.19g(10mmol)のN−Boc−ホモ−セリン(Bachem;一晩P25で乾燥した)を、10mlのアセトニトリル/ジメチルホルムアミド(1:1)の混合物に溶解した。乾燥Na13CN(Gas−Oil JSC、ロシア;1g、2当量)およびNaI(10mg、触媒)を添加し、この混合物を脱気した。次いで、Me3SiCl(2.55ml、2当量)をアルゴン下、室温でシリンジを用いて添加した。この反応混合物を、アルゴン下60℃で6時間、TLC(クロロホルム/メタノール2:1、ヨウ素蒸気で可視化)でモニタリングしながら攪拌した。終了後、反応混合物を室温まで冷却して水(100ml)で希釈し、ジエチルエーテル(2×50ml)で抽出した。有機相を水(4×50ml)およびブライン(50ml)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、容器に移して真空で濃縮すると、無色油状物(2.07g、91%)が得られた。Boc−ニトリル構造を、マトリクスとしてHPAを用いるMALDI−TOF(Voyager Elite、PerSeptive Biosystems)により確認した。実測値:229.115(MI)、230.114(MI+H+)、252.104(MI+Na+)。開始物質に関連するピークは検出されなかった。
【0055】
Boc保護基の除去および後処理を、標準的なペプチド合成プロトコールを使用して実施した(DCM中50%TFA、30分、室温)。このニトリル構造をマトリクスとしてHPAを用いるMALDI−TOF(Voyager Elite、PerSeptive Biosystems)により確認した。実測値:129.062(MI)、130.070(MI+H+)。開始物質に関連するシグナルは検出されなかった。
【0056】
実施例2 (S)−2−アミノ−4−シアノ−酪酸(22−Argの前駆体)
【0057】
【化7】

【0058】
4.93g(20mmol)のN−Boc−L−グルタミン(Sigma)を、30mlの無水THFに溶解し、トリフェニルホスフィン(10.49g、40mmol、Aldrich)および40mlの無水テトラクロロメタンの混合物に、攪拌しながら添加した。この反応混合物を穏やかに加熱しながら、3時間攪拌(TLC、クロロホルム/メタノール 2:1で管理下、ヨウ素蒸気で可視化)、冷却し、トリフェニルホスフィンオキシドの沈殿物を濾別した。さらに15mlのTHFを用いる蒸発および再蒸発で得られた油状物を、30mlの水で希釈した。水性画分をブラインで飽和、ジエチルエーテル(2×20ml)で洗浄し、pH3.5に硫酸で酸性化した。生成物を酢酸エチル(2×20ml)で抽出した。合わせた有機画分を乾燥(ブライン、Na2SO4)、デカントし、蒸発させると、3.46g(76%)の無色油状物が得られた。Boc−ニトリルの構造をマトリクスとしてHPAを用いるMALDI−TOF(Voyager Elite、PerSeptive Biosystems)により確認した。実測値:228.114(MI)、229.114(MI+H+)、251.103(MI+Na+)。開始物質に関連するピークは検出されなかった。
【0059】
Boc保護基の除去および後処理を、標準的なペプチド合成プロトコールを使用して実施した(DCM中50%TFA、30分、室温)。このニトリル構造をマトリクスとしてHPAを用いるMALDI−TOF(Voyager Elite、PerSeptive Biosystems)により確認した。実測値:128.069(MI)、129.075(MI+H+)。開始物質に関連するシグナルは検出されなかった。
【0060】
実施例3 Lys−22
【0061】
【化8】

【0062】
(S)−2−アミノ−5−シアノペンタン酸(Genolex、ロシア;14.21g、100mmol)を100mlのメタノールに溶解した。これに(Adkins H.ら、Org.Syntheses.Coll.Vol.III、1955、p.180)に従って4gの合金(30%Ni)から調製されたラネーニッケルを添加し、この反応混合物を重水素下(100atm)90℃で24時間振盪した。(TLC:n−ブタノール−ピリジン−酢酸−水:15−10−3−12;ヨウ素蒸気およびフルオレスカミンで可視化)。この反応混合物を濾過し、真空で蒸発させた。生成物を水−エタノール(3:1;20ml)中に再溶解した後、真空で蒸発させ(×4)、次いで酢酸エチルから結晶化すると、11.55g(78%)の重水素化生成物が得られた。重水素化リシンの構造をマトリクスとしてHPAを用いるMALDI−TOF(Voyager Elite、PerSeptive Biosystems)により確認した。実測値:148.088(MI)、149.089(MI+H+)。
【0063】
実施例4 (5−13C,5,5−22)−アルギニン
【0064】
【化9】

【0065】
(S)−2−アミノ−4−シアノ(13C)−酪酸(182mg、1.41mmol)およびCoCl2×6H2O(Aldrich、670mg、2.82mmol)を、水(6ml)に溶解し、NaBD4(Reakhim、ロシア;540mg、14.1mmol)を20分かけて2回にわけて添加した。このニトリルを30分還元した(TLC:n−ブタノール−ピリジン−酢酸−水:15−10−3−12で管理下;Boc保護したアミノ酸をフルオレスカミン/UV検出、非保護アミノ酸をヨウ素蒸気で可視化)。
【0066】
この反応混合物を、酸性化(1M HCl)に続きアセトンでクエンチし、イオン交換で精製した(Amberlite IR120P(H+)、Aldrich)。このカラムを中性pHまで水で洗浄した。次いでNH4OH(0.3M)でカラムを洗浄した後、蒸発させることにより生成物を回収した。生じたオルニチン−13C,22(収率:158mg、83%;HPAマトリクスを用いるMALDI−TOF(Voyager Elite、PerSeptive Biosystems)、実測値:135.071(MI)、136.068(MI+H+)を水に溶解し、等量の0.5M O−メチルイソ尿素(Kimmel、上記参照)と混合し、NaOHでpH10.5に調整した。4〜5時間後、反応を停止させるために1%TFAを添加した(Bonettoら、上記参照)。上記化合物をRP HPLC(緩衝液は、A:0.1%TFA/H2O;B:0.1%TFA/(80%MeCN/20%H2O)であった)により精製し、40分にわたる0〜65%Bで140mg(68%)が得られた;HPAマトリクスを用いるMALDI−TOF(Voyager Elite、PerSeptive Biosystems);実測値:177.402(MI)、178.655(MI+H+)。
【0067】
実施例5 (5,5−22)−アルギニン
【0068】
【化10】

【0069】
表題化合物を(S)−2−アミノ−4−シアノ−酪酸(Technohim、ロシア)から始まる上記プロトコールを使用して合成した。HPAマトリクスを用いるMALDI−TOF(Voyager Elite、PerSeptive Biosystems);実測値:176.377(MI)、177.453(MI+H+)。
【0070】
実施例6 11,11−ジ−重水素化−リノール酸(18:2)
【0071】
【化11】

【0072】
リノール酸(7g、25mmol、Aldrich)を25mlの四塩化炭素に溶解し、P25で乾燥させた。N−ブロモコハク酸イミド(4.425g、25mmol、一晩P25で乾燥させた)および0.05gAIBNを添加し、逆コンデンサを備えたフラスコ中の反応混合物を、激しい煮沸に見られるように反応が開始されるまで緩やかに加熱しながら攪拌した(還流が激しすぎる場合、この加熱は低下するはずである)。コハク酸イミドの表面への堆積が停止した場合、加熱をさらに15分継続した(合計約1時間)。この反応混合物を室温まで冷却、沈殿物を濾別し、CCl4で洗浄した(2×5ml)。合わせた有機画分を蒸発し、得られた11−ブロモリノール酸を30mlイソプロパノール中NaBD4溶液(390mg、10mmol)に徐々に添加した。一晩攪拌した後、重水素ガスが発生しなくなるまでHClの希釈溶液をゆっくり添加した。標準的な後処理により、モノ−重水素化酸を臭素化し、再度還元すると、標的ジ−重水素化誘導体(bp230〜231℃/15mm、4.4g、63%)が得られた。MALDI−TOF MS:モノブロモ誘導体、実測値:358.202、360.191(二重項、約1:1、MI);ジ−重水素化誘導体、実測値:282.251(MI)。
【0073】
実施例7
【0074】
【化12】

【0075】
11,11−D2−リノール酸(18:2)は、リノール酸をヘキサンに混合した等量のBuLi−tBuK(Sigma−Aldrich)で処理した後、D2Oでクエンチすることにより合成した。収率を改善するためにはこの手順を3〜4回繰り返す必要がある。この手順はまた、検出可能量のα−重水素化生成物を生じることが見出された(FAB MS、Xeイオン、チオグリセリン:実測値:283.34(72;MI+1)+、284.33(11;α−モノ重水素化誘導体、MI+1)+、285.34(10;α−ジ重水素化誘導体、MI+1)+;「284」および「285」のピークの性質をMS/MSを使用して確立した。α部位での置換は一時的なオルト−エステル保護を利用することにより阻止されうる(Corey & Raju Tetrahedron Lett.(1983)24:5571)が、このステップはこの調製をより高価なものにする。
【0076】
実施例8 デオキシグアノシンからの8−D−デオキシグアノシン
【0077】
【化13】

【0078】
デオキシグアノシン(268mg、1mmol、Aldrich)を4mlのD2Oに溶解した。10%Pd/C(27mg、10wt%の基質、Aldrich)を添加し、この混合物を160℃で密閉チューブ中、H2雰囲気下で24時間攪拌した。室温に冷却後、この反応混合物をメンブランフィルター(Millipore Millex(登録商標)−LG)を使用して濾過した。濾過された触媒を沸騰水(150ml)で洗浄し、合わせた水性画分を真空で蒸発させると、白色固体としてデオキシグアノシド−d(246mg、92%)が得られた。このヌクレオシドの構造をマトリクスとしてHPAを用いるMALDI−TOF(Voyager Elite、PerSeptive Biosystems)により確認した。実測値:268.112(MI)。
【0079】
実施例9 8−ブロモデオキシグアノシンからの8−D−デオキシグアノシン
【0080】
【化14】

【0081】
Chiriacら(1999)42:377〜385に記載されるとおりにPdCl2から調製した7%Pd/C触媒を、8−ブロモデオキシグアノシン(Sigma)およびNaOHの水溶液に添加した。この混合物をD2中(2atm)、30℃で攪拌した。触媒を濾別し、反応混合物を2N HClで中和した。この手順は約85〜90%の生成物の収率を提供する。NaBD4のような他の還元物質が使用されうる(D,D−リノール酸の合成を参照)。
【0082】
以下の実施例10〜12は本発明の有用性を説明する。本発明に関して可能な重同位体置換の範囲を確立するため(100%軽同位体から100%重同位体、および上に示されるような化合物を使用する図1〜4に示されるような局所的な部位保護)および生物体に起こりうる大量の重同位体の毒性を試験するために、寿命における重炭素(13C)および特異的に「保護された」生体ポリマーの構成要素(核酸構成要素(ヌクレオシド)、脂質およびアミノ酸)の影響を線虫シノラブディスエレガンス(Caenorhabditis elegans)で試験した。
【0083】
モデル生物C.エレガンス(C.elegans)に関する以前の研究は、ほぼ例外なく細菌性飼料による培養を使用した。そのような培養は、薬物および環境毒性学研究における二次的な関心として細菌性代謝を導入する(特異的な代謝産物欠損細菌株は、線虫の生存期間における特定の必須栄養素の影響を評価するために使用されうる)。C.エレガンスの無菌培養はこれら問題を回避できるが、いくつかの以前の研究は、無菌増殖がC.エレガンスに有害であることを示唆する(Szewczykら、Journal of Experimental Biology 209、4129〜4139(2006))。本発明に関して、NGMおよび無菌飼料の両方を同位体に富んだ栄養価のある成分と組み合わせて使用した。
【0084】
実施例10
136−グルコース(99%濃縮;Sigma)を大腸菌(Escherichia coli)の培養のための炭素飼料源として使用し、対照は126−グルコースを除いて同じであった。C.エレガンス(N2、野生型)を、上記のとおりに調製された大腸菌を播種した標準(ペプトン、塩およびコレステロール)培地で培養した。対応する13C−誘導体が入手不可能であったため、大腸菌を除く唯一の炭素含有成分は、12C−コレステロール(Sigma;C.エレガンスに必須であるホルモン前駆体)であった。したがって、線虫を15〜25℃の温度範囲で、各プール50〜100匹の蠕虫で「重」および「軽」(対照)飼料により培養した。両飼料を与えた動物は正常に成長し、すべての主要な特性は非常に類似していた。
【0085】
生存期間のデータを、確立された手順(Larsenら、Genetics 139:1567(1995))に従って、プリズムソフトウェアパッケージ(GraphPad software、USA)を使用して解析した。「重」飼料における動物は、寿命の約10%増加(典型的な実験において、25℃で12C動物において14日対13Cを与えた蠕虫において約15.5日)を有することが見出された。
【0086】
実施例11
使用した無菌培地の基本構成成分は(Lu & Goetsch Nematologica(1993)39:303〜311)によった。水溶性およびTEA可溶性成分(ビタミンおよび成長因子)、塩、非必須アミノ酸、核酸置換基、他の成長因子およびエネルギー源を記載のとおりに調製した(2倍の0.5L)。これに必須アミノ酸:0.98g L−(D2)−Arg(上記参照);0.283g L−Hys;1.05g L−(D2)−Lys(下記参照);0.184g L−Trp;0.389g L−Met;0.717g L−Thr;1.439g L−Leu;0.861g L−Ile;1.02g L−Valおよび0.623g L−Pheを含む(2倍量として0.5L)混合物を添加した。残りの成分を添加する前に、この混合物を55℃で4時間、透明な溶液が形成されるまで攪拌し、次いで室温まで冷却した。
【0087】
C.エレガンス(N2、野生型)をこの培地で培養した。対照実験として、線虫を、重水素化アナログの代わりに標準L−ArgおよびL−Lysを含有することを除いて上記のとおりに調製された培地中で、15〜25℃の温度範囲で、各プール中50〜100匹の蠕虫で培養した。生存期間のデータを、実施例10に記載したとおりにプリズムソフトウェアを使用して解析した。
【0088】
実施例12
12C−NGM飼料は5,5−ジ−重水素化−アルギニンおよび6,6−ジ−重水素化−リシン、11,11−ジ−重水素化−リノール酸(18:2)ならびに8−D−デオキシグアノシンを豊富に含んだ。C.エレガンスを、1g/Lの各重水素化化合物の総濃度になるように重水素「補強された」誘導体(上記参照)を添加した、上記のとおりに調製した大腸菌を播種した標準(ペプトン、塩およびコレステロール)培地で培養した。したがって、線虫を「重」および「軽」(対照、非重水素化L−アルギニン、L−リシン、リノール酸(18:2)およびデオキシグアノシンを1g/Lの濃度で重水素化アナログの代わりに使用した)飼料で、15〜25℃の温度範囲で、各プール中50〜100匹の蠕虫で培養した。生存期間のデータを実施例10に記載したとおりにプリズムソフトウェアパッケージを使用して解析した。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】Lys、Arg、Trp、Thr、PheおよびHisの酸化を示す図である。
【図2】必須アミノ酸に影響を及ぼす他のタイプの酸化的損傷を示す、活性窒素種を含む例を示す図である。
【図3】ペプチド結合切断を示す図である。
【図4】8−オキシ−Gの形成を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの交換可能なH原子が2Hであり、かつ/または少なくとも1つのC原子が13Cである必須栄養素を含む栄養組成物。
【請求項2】
必須栄養素が、天然の核酸、脂肪酸もしくはアミノ酸であるか、または前記物質を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
最も酸化されやすい位置でC原子に結合された1つのH原子または各H原子が2Hである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
C原子が13Cである、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
酸化が酵素的カルボニル化である、請求項3または4に記載の組成物。
【請求項6】
前記2Hもしくは13C原子、または各2Hもしくは13C原子が、活性酸素種と反応しやすい位置にある、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
必須栄養素が、Phe、Val、Trp、Pro、Thr、Ile、Met、His、Arg、LysおよびLeuから選択されるアミノ酸であるか、または前記アミノ酸を含む、請求項2から5のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
アミノ酸が、2,6−ジアミノヘキサン−6,6−D2または明細書中に式が挙げられる別の標識アミノ酸である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
必須栄養素がペプチドである、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
栄養素が核酸またはヌクレオチドである、請求項2から6のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
栄養素がω−3またはω−6脂肪酸である、請求項2から6のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
植物性物質を含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
微生物物質を含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
前記請求項のいずれかに記載の組成物である培地中、必須栄養素が生物体により生成される生成物中に同化されるような条件下で生物体を培養する工程を含む食品を調製するための方法。
【請求項15】
栄養素中に、少なくとも1つの交換可能なH原子が2Hであり、かつ/または少なくとも1つのC原子が13Cである必須栄養素を含める工程を含む対象の栄養摂取の方法。
【請求項16】
必須栄養素が請求項2から9のいずれかに定義されたとおりである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
対象がヒトである、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
対象が商業用動物または家畜である、請求項15または16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−528833(P2009−528833A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557833(P2008−557833)
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際出願番号】PCT/GB2007/050112
【国際公開番号】WO2007/102030
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(508269259)
【氏名又は名称原語表記】SHCHEPINOV, MIKHAIL SERGEEVICH
【Fターム(参考)】