説明

同軸線ハーネス、そのモジュール、その電子機器およびその製造方法

【課題】コネクタを用いず、かつ保管管理に手間がかかる材料を用いずに他の基板と接続することのできる同軸線ハーネス、そのモジュール、その電子機器、および同軸線ハーネスの製造方法を提供する。
【解決手段】この同軸線ハーネスは、芯線11とこの芯線11の外周を被覆する絶縁層とを含む同軸ケーブルが複数に並べられて構成されている。各芯線11の先端部は、他の基板100の被接続端子102と接続する接続端子21とされている。接続端子21は、芯線11の先端部とこの先端部を被覆する導電層22とを含み、各接続端子21の間には絶縁接着層24が設けられている。絶縁接着層24はホットメルトにより形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導体からなる芯線と、この芯線の外周を被覆する絶縁層とを含む同軸ケーブルが複数に並べられ、前記各芯線の先端部が他の基板の被接続端子と接続する接続端子とされている同軸線ハーネス、そのモジュール、その電子機器、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化に用いられる複数本の同軸ケーブルを束ねた同軸線ハーネスは、芯線の先端部が変形しやすいため、芯線を保持する整列板を有する。芯線は整列板に整列された状態で、コネクタに差し込まれる。しかし、電子機器の実装容積を確保するため、コネクタを省略したいという要望がある。そこで、コネクタを用いず、整列板に整列させた芯線を異方導電性接着剤により他の基板の接続端子に接続する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−97932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、異方性導電膜は熱硬化性であるため保管管理に手間を要する。このため異方性導電膜を用いずに基板と同軸線ハーネスの芯線とを確実に接続するものが求められている。しかし、コネクタを用いず、かつ異方性導電膜を用いずに基板と同軸線ハーネスを接続することができる同軸線ハーネスは提案されていない。
【0005】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、コネクタを用いず、かつ保管管理に手間がかかる材料を用いずに他の基板と接続することのできる同軸線ハーネス、そのモジュール、その電子機器、およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的を達成するための手段およびその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、導体からなる芯線と、この芯線の外周を被覆する絶縁層とを含む同軸ケーブルが複数に並べられ、前記各芯線の先端部が他の基板の被接続端子と接続する接続端子とされている同軸線ハーネスにおいて、前記接続端子は、前記芯線の先端部とこの先端部を被覆する導電層とを含み、前記各接続端子の間には絶縁接着層が設けられ、前記絶縁接着層は、加熱により接着する絶縁接着剤により形成されていることを要旨としている。
【0007】
この発明によれば、絶縁接着層が絶縁接着剤により形成され、この絶縁接着層を介して他の基板と接着する。絶縁接着剤は、異方性樹脂のように低温保存する必要はなく常温で保存することができるため、製造上においての接着剤の管理を行いやすくすることができる。
【0008】
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の同軸線ハーネスにおいて、前記絶縁接着層は、隣り合う前記接続端子の間および前記接続端子の裏面側に設けられていることを要旨としている。
【0009】
接続端子を被接続端子に接続するときは、接続端子が含まれる接続部を加熱しながら当該接続部を押す。このとき、接続端子の間の絶縁接着層は、被接続端子の間の部分に接着する。一般に被接続端子は基板に対して突出し、被接続端子の間部分は谷部となっているため、仮に接続端子の裏面側に絶縁接着層がない場合、絶縁接着層を谷部に接着するためには、接続端子の間の絶縁接着層を接続端子よりも更に押し込む必要がある。この点、本発明によれば、接続端子の裏面側に絶縁接着層が存在するため、接続端子が押されたときに接続端子が絶縁接着層の内部に押し込まれて、接続端子の間の部分の絶縁接着層と基板とが接着する。このため、接続端子の裏面側に絶縁接着層が存在しないものに比べて、接続端子と被接続端子とを容易に接続することができる。
【0010】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の同軸線ハーネスにおいて、接続端子の裏面側に設けられた絶縁接着層には補強板が設けられていることを要旨としている。
この発明によれば、接続端子を被接続端子に接続するときに補強板が押圧される。補強板を介して絶縁接着層および接続端子が他の基板側に押されるため、均等な圧力により各接続端子を押すことができる。
【0011】
(4)請求項4に記載の発明は、導体からなる芯線と、この芯線の外周を被覆する絶縁層と、前記絶縁層を被覆するシールド層と、このシールド層を被覆する被覆層とを含む同軸ケーブルが複数に並べられ、前記各芯線の先端部が他の基板の被接続端子と接続する接続端子とされ、前記シールド層が前記他の基板のグランド端子と接続するグランド部とされている同軸線ハーネスにおいて、前記接続端子は、前記芯線の先端部とこの先端部を被覆する第1導電層とを含み、前記グランド部は、前記各同軸ケーブルのシールド層と接続する導電板と、この導電板の表面側に形成される第2導電層とを含み、前記接続端子の間、前記接続端子の裏面側、および前記グランド部の裏面側に絶縁接着層が設けられ、絶縁接着層は、加熱により接着する絶縁接着剤により形成されていることを要旨としている。
【0012】
この発明によれば、同軸線ハーネスの各芯線は、他の基板の被接続端子に前記導電層を介して接続され、シールド層が導電板を介して他の基板のグランド部に接続される。また、絶縁接着層を介して他の基板と接着する。絶縁接着剤は、異方性樹脂のように低温保存する必要はなく、絶縁接着剤は常温で保存することができるため、製造上の接着剤の管理を簡素化することができる。
【0013】
(5)請求項5に記載の発明は、モジュールにおいて、請求項1〜4のいずれか一項に記載の同軸線ハーネスにより基板同士が互いに接続されていることを要旨としている。
この発明によれば、基板同士がコネクタを介さずに上記同軸線ハーネスにより接続されているため、コネクタを介して同軸線ハーネスにより接続されたモジュールと比べて、モジュールが占める容積を小さくすることができる。
【0014】
(6)請求項6に記載の発明は、電子機器において、請求項5に記載のモジュールを有していることを要旨としている。
この発明によれば、上記モジュールは、コネクタを介して同軸線ハーネスにより接続されたモジュールと比べてモジュールの占める容積が小さいものであるため、このモジュールを有した電子機器についての部品実装容積を大きくすることができる。
【0015】
(7)請求項7に記載の発明は、導体からなる芯線と、この芯線の外周を被覆する絶縁層とを含む同軸ケーブルが複数に並べられ、前記各芯線の先端部が他の基板の被接続端子と接続する接続端子とされている同軸線ハーネスの製造方法において、常温で流動する導体ペースト層と、加熱により接着する絶縁接着層とが交互に設けられた第1基板と、前記第1基板に貼りあわされる第2基板と、を準備し、前記第1基板と前記第2基板との間に前記芯線を配置し、各芯線を前記導体ペースト層に対応して配置し、これら芯線を前記第1基板と前記第2基板とにより挟みこみ、その後、前記導体ペースト層を加熱乾燥することを要旨としている。
【0016】
この発明によれば、導体ペースト層が加熱乾燥により同層が固まる前に、芯線を導体ペースト層に対応付けした状態で、第1基板と第2基板とにより芯線を挟み込むため、芯線が導体ペースト層内部に埋め込められる。その後、芯線を導体ペースト層に埋め込んだ後にこの導体ペースト層を加熱乾燥する。固まった導体層と芯線とを当接して接続端子を形成するものにあっては、導体層と芯線とが密着していないため接着部分が剥離する虞があったが、上記構成とすることにより、芯線と導体ペースト層との接続を強固なものとすることができる。
【0017】
また、同軸線ハーネスの芯線は互いに固定されていないため、これら芯線に対して導体ペーストを印刷することや芯線の間に絶縁接着層を形成することは困難であったが、本発明では、導体ペースト層および絶縁接着層が形成された第1基板と第2基板との間に芯線を挟みこむ構造としているため、芯線の周囲に導体ペースト層を容易に形成することができる。
【0018】
(8)請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の同軸線ハーネスの製造方法において、前記第2基板のうち前記第1基板に接着する面には、加熱により接着する絶縁接着層が設けられていることを要旨としている。
【0019】
この構成によれば、芯線を第1基板と第2基板とにより挟み込むことにより、一方の面に導体ペースト層の表面が露出し、導体ペースト層の裏面側に絶縁接着層が設けられたものを形成することができる。
【0020】
(9)請求項9に記載の発明は、導体からなる芯線と、この芯線の外周を被覆する絶縁層と、前記絶縁層を被覆するシールド層と、このシールド層を被覆する被覆層とを含む同軸ケーブルが複数に並べられ、前記各芯線の先端部が他の基板の被接続端子と接続する接続端子とされ、前記シールド層が前記他の基板のグランド端子と接続するグランド部とされている同軸線ハーネスの製造方法において、前記各芯線が嵌る芯線凹部と、前記絶縁層が嵌る絶縁凹部と、前記シールド層が嵌るグランド凹部とが設けられ、加熱により接着する絶縁接着剤により形成された絶縁保持部を準備し、前記芯線を前記芯線凹部に嵌め、前記絶縁層を前記絶縁凹部に嵌め、2枚の導電板により挟まれたシールド層をグランド凹部に嵌めて、当該同軸線ハーネスの先端部を絶縁保持部に固定し、この後、前記芯線凹部および前記導電板に対応する部分に導体ペーストを注入して、同導体ペーストを加熱乾燥することにより、前記芯線凹部に対応する部分に前記接続端子を形成し、前記グランド凹部に対応する部分に前記グランド部を形成することを要旨としている。
【0021】
この発明によれば、芯線を芯線凹部に嵌め、絶縁層を絶縁凹部に嵌め、予め2枚の導電板でシールド層を挟まれたシールド層をグランド凹部に嵌めて、その後、芯線凹部および導電板に対応する部分に導体ペーストを注入して、同導体ペーストを加熱乾燥する。固まった導体層と芯線とを当接して接続端子を形成するものでは、導体層と芯線とが密着していないため接着部分が剥離する虞があったが、上記構成とすることにより、芯線と導体ペースト層との接続を強固なものとすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、コネクタを用いず、かつ保管管理に手間がかかる材料を用いずに他の基板と接続することのできる同軸線ハーネス、そのモジュール、その電子機器、および同軸線ハーネスの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施形態の同軸線ハーネスについて、同軸ケーブルの先端部分の平面構造に示す平面図。
【図2】同実施形態の同軸線ハーネスについて、図1のA−A線に沿った断面構造を示す断面図。
【図3】同実施形態の同軸線ハーネスについて、他の基板との接続工程を示す断面図。
【図4】同実施形態の同軸線ハーネスについて、図3のB−B線に沿った断面構造を示す断面図。
【図5】同実施形態の同軸線ハーネスについて、各製造工程の断面構造を示す断面図。
【図6】本発明の第2実施形態の同軸線ハーネスについて、同軸ケーブルの先端部分の平面構造に示す平面図。
【図7】同実施形態の同軸線ハーネスについて、各部分の断面構造を示し、(A)は図6のC−C線に沿う断面図、(B)は図6のD−D線に沿う断面図、(C)は図6のE−E線に沿う断面図、(D)は図6のF−F線に沿う断面図。
【図8】同実施形態の同軸線ハーネスについて、他の基板と接続したものを芯線に沿って切断した断面を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第1実施形態>
図1〜図5を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、同軸線ハーネス1は、複数の同軸ケーブル10と、これら同軸ケーブル10の先端に設けられた接続部2とを含む。具体的には、外径が0.26mmの同軸ケーブル10が0.3mmの間隔で平行に並列され、この先端部分に接続部2が設けられている。接続部2は他の基板100の被接続部に接続される部分である。
【0025】
同軸ケーブル10は、芯線11と、芯線11の外周を被覆する絶縁層12と、絶縁層12の外周を被覆するシールド層13と、シールド層13の外周を被覆する被覆層14とを含む。芯線11は、外径0.021mmの銀めっき銅合金線を7本束ねて撚って形成されている。絶縁層12は、肉厚0.05mmの四フッ化エチレンパーフロロアルキルビニルエーテル樹脂により形成されている。シールド層13は、外径0.025mmの錫めっき銅合金線により形成された導線を横巻きにして形成されている。被覆層14は、肉厚0.03mmであり、四フッ化エチレンパーフロロアルキルビニルエーテル樹脂により形成されている。
【0026】
同軸ケーブル10の先端部は、所定の長さの被覆層14が除去されシールド層13が露出されている。またシールド層13の一部が除去されて絶縁層12の一部が露出されている。さらに、絶縁層12の一部が除去されて芯線11が露出されている。
【0027】
図2に示すように、接続部2は、他の基板100の被接続端子102に接続される接続端子21と、この接続端子21を保持する保持部23と、接続端子21の表面21Aを保護する保護シート26とを含む。
【0028】
接続端子21は、芯線11の先端部11Aと、芯線11を被覆する導電層22とを含む。導電層22は銀ペーストにより形成されている。導電層22の表面21Aは被接続端子102と接触する接触面とされる。導電層22の厚さは芯線11の外径の略2倍とされている。
【0029】
保持部23は、隣り合う接続端子21の間および接続端子21の裏面21B側に設けられる絶縁接着層24と、絶縁接着層24の裏面側に設けられる補強板25と含む。隣り合う接続端子21の間の部分の絶縁接着層24の表面24Aの位置は、補強板25を基準位置として、導電層22の表面21Aの高さと一致している。すなわち、絶縁層12の表面24Aと導電層22の表面21Aとは、同一平面を形成する。
【0030】
絶縁接着層24は、120℃〜170℃の温度で溶融して接着性を有するホットメルトにより形成されている。溶融温度が120℃よりも低いホットメルトを使用した場合、他の基板100との接着性が低下する虞がある。溶融温度が170℃よりも高いホットメルトを使用した場合、このホットメルトが溶融するときに周囲の部材を熱により変形させる虞がある。このため、ホットメルトは、上記範囲の溶融温度を有するものが用いられる。
【0031】
補強板25は、170℃以上の耐熱性を有する基板により形成されている。補強板25としては、ガラスエポキシ基板、紙フェノール基板、ポリイミドフィルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)が挙げられる。
【0032】
保護シート26は、接続端子21の表面21Aに塵が付着することを防ぐ。保護シート26としては、厚みが約25μmのポリエチレンテレフタレート樹脂シートの両面あるいは片面にシリコーン層が形成されて離型処理されたものが用いられる。
【0033】
[接続端子と被接続端子との接続]
図3および図4を参照して、同軸線ハーネス1の接続端子21を他の基板100の被接続端子102に接続する方法について説明する。この基板100には、基板本体101に、被接続端子102と、接地するためのグランドパターン103(グランド端子)とが設けられている。被接続端子102は導電性の金属により形成され、その表面は金めっきされている。また、被接続端子102の間隔は0.3mmとされ、その幅が0.2mmとされている。
【0034】
(A)同軸線ハーネス1の接続端子21と基板100の被接続端子102を接続するとき、まず、同軸線ハーネス1の接続部2に付いている保護シート26を引き剥がし、接続端子21が設けられている面を被接続端子102側に向けて、接続端子21とこれに対応する被接続端子102とを互いに向い合わせる。また、シールド層13と基板100のグランドパターン103とを互いに向い合わせる。なお、グランドパターン103には予め異方接着膜104を貼り付けている。
【0035】
(B)次に、接続端子21の表面21Aすなわち導電層22の表面を被接続端子102に当接する。そして、接続部2全体を130℃で加熱するとともに接続部2を基板100側に押す。絶縁接着層24が溶融して柔軟になっているため、接続端子21が絶縁接着層24の内部に押し込められる。絶縁接着層24は変形して、その表面部分が基板100側に押し出される。
【0036】
(C)さらに、接続部2全体を基板100側に押し込むことにより、絶縁接着層24の表面部分を被接続端子102の間の部分に接着させる。その後、接続部2と基板100との間の距離を一定に保持して冷却する。これにより、同軸線ハーネス1の接続端子21と基板100の被接続端子102とが接続するとともに、同軸線ハーネス1と基板100とが固定される。また、異方接着膜104を介してシールド層13とグランドパターン103とが接続される。なお、シールド層13とグランドパターン103との接続は、絶縁接着層24と基板100との接着する工程と同時に行ってもよい。
【0037】
[接続部の製造方法]
図5を参照して、同軸線ハーネス1の接続部2の製造方法について説明する。
(A)まず、芯線11、絶縁層12およびシールド層13がそれぞれ所定長さだけ露出するように同軸ケーブル10の先端部を加工し、同軸ケーブル10の先端を揃えて互いに平行に配列する。次に、接続部2の接続端子21を構成する第1基板31と、接続部2の補強板25を構成する第2基板32とを準備する。
【0038】
第1基板31は、保護シート26の一方の面に、常温で流動する導体ペースト層31Aと、ホットメルトにより形成される第1絶縁接着層31Bとが交互に設けられたものである。導体ペースト層31Aの間隔は0.3mmとされている。この第1基板31は次のようにして形成される。まず、保護シート26に、接続端子21の間に部分に対応するように第1絶縁接着層31Bを形成する。次に、スクリーン印刷により、第1絶縁接着層31Bの間に銀ペーストを印刷して、導体ペースト層31Aを形成する。銀ペーストは80℃により乾燥することにより銀ペーストに含まれる溶剤の大部分が除去されて固化するものを用いられるが、スクリーン印刷の後、銀ペーストは乾燥しない状態のまま維持される。
【0039】
第2基板32は、補強板25の一方の面に所定厚さの第2絶縁接着層32Aが設けられたものである。第2絶縁接着層32Aはホットメルトにより形成される。第2絶縁接着層32Aの厚さは第1絶縁接着層31Bの厚さと略同じとされている。
【0040】
(B)次に、第1基板31と第2基板32とを互いに向かい合わせて配置し、これら基板31,32の間に芯線11を配置する。このとき、芯線11は、第1基板31の導体ペースト層31Aに対応して配置される。次に、第1基板31と第2基板32とにより芯線11を挟み込み、芯線11を導体ペースト層31Aの中に埋め込む。
【0041】
(C)そして、第1基板31と第2基板32とにより芯線11を挟み込んだ状態で、100℃で加熱して、第1絶縁接着層31Bと第2絶縁接着層32Aとを接着するとともに、導体ペースト層31Aを加熱乾燥して固める。
【0042】
本実施形態によれば以下の作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、接続端子21は、芯線11の先端部11Aとこの先端部11Aを被覆する導電層22とを含む。各接続端子21の間には絶縁接着層24が設けられ、絶縁接着層24は、ホットメルトにより形成されている。
【0043】
この構成によれば、絶縁接着層24がホットメルトにより形成され、この絶縁接着層24を介して他の基板100と接着する。ホットメルトは、異方性樹脂のように低温保存する必要はなく、常温で保存することができるため、製造上において当該接着剤の管理を行いやすくすることができる。
【0044】
(2)本実施形態では、絶縁接着層24は、隣り合う接続端子21の間および接続端子21の裏面21B側に設けられている。
接続端子21を被接続端子102に接続するときは、接続端子21が含まれる接続部2を加熱しながら当該接続部2を押す。このとき、接続端子21の間の絶縁接着層24は、被接続端子102の間の部分に接着する。一般に被接続端子102は基板100に対して突出し、被接続端子102の間部分は谷部となっているため、仮に接続端子21の裏面21B側に絶縁接着層24がない場合、絶縁接着層24を谷部に接着するためには、接続端子21の間の絶縁接着層24を接続端子21よりも更に押し込む必要がある。この点、上記構成によれば、接続端子21の裏面21B側に絶縁接着層24が存在するため、接続端子21が押されたときに接続端子21が絶縁接着層24の内部に押し込まれて、接続端子21の間の部分の絶縁接着層24と基板100とが接着する。このため、接続端子21の裏面21B側に絶縁接着層24が存在しないものに比べて、接続端子21と被接続端子102とを容易に接続することができる。
【0045】
(3)本実施形態では、接続端子21の裏面21B側に設けられた絶縁接着層24には補強板25が設けられている。この構成によれば、接続端子21を被接続端子102に接続するときに補強板25が押圧される。補強板25を介して絶縁接着層24および接続端子21が基板100側に押されるため、均等な圧力により各接続端子21を押すことができる。これにより各接続端子21とも被接続端子102に対して確実に接続することができる。
【0046】
(4)本実施形態では次のように同軸線ハーネス1を製造する。まず、第1基板31と第2基板32とを準備する。そして、第1基板31と第2基板32との間に芯線11を配置し、各芯線11を導体ペースト層31Aに対応して配置し、これら芯線11を第1基板31と第2基板32とにより挟みこみ、その後、導体ペースト層31Aを加熱乾燥する。
【0047】
この構成によれば、導体ペースト層31Aが加熱乾燥により同導体ペースト層31Aが固まる前に、芯線11を導体ペースト層31Aに対応付けした状態で、第1基板31と第2基板32とにより芯線11を挟み込むため、芯線11が導体ペースト層31A内部に埋め込められる。その後、芯線11を導体ペースト層31Aに埋め込んだ後にこの導体ペースト層31Aを加熱乾燥する。固まった導体層と芯線11とを当接して接続端子を形成するものにあっては、導体層と芯線11とが密着しないため接着部分が剥離する虞があったが、上記構成とすることにより、芯線11と導体ペースト層31Aとの接続を強固なものとすることができる。
【0048】
また、同軸線ハーネス1の芯線11は互いに固定されていないため、これら芯線11に対して導体ペーストを印刷することや芯線11の間に絶縁接着層24を形成することは困難であった。この点、上記構成は、導体ペースト層31Aおよび絶縁接着層24が形成された第1基板31と第2基板32との間に芯線11を挟みこむ構造としているため、芯線11の周囲に導体ペースト層31Aを容易に形成することができる。
【0049】
(5)本実施形態では、第2基板32のうち第1基板31に接着する面には、加熱により接着する絶縁接着層24が設けられている。この構成によれば、芯線11を第1基板31と第2基板32とにより挟み込むことにより、一方の面に導体ペースト層31Aの表面が露出し、導体ペースト層31Aの裏面側に絶縁接着層24が設けられたものを形成することができる。
【0050】
<第2実施形態>
図6〜図8を参照して本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態の同軸線ハーネス1は、第1実施形態の構成に対して次の変更を加えたものとなっている。すなわち、第1実施形態では接続部2は接続端子21を備える構成となっているが、第2実施形態の接続部2は接続端子41およびグランド部43とを備える構成とする。以下、この変更にともない生じる前記第1実施形態の構成からの詳細な変更について説明する。なお、第1実施形態と共通する構成については同一の符合を付してその説明を省略する。
【0051】
図6および図7に示すように、同軸線ハーネス1は、複数の同軸ケーブル10と、この同軸ケーブル10の先端に設けられた接続部2とを含む。接続部2は、同軸線ハーネス1の先端において露出した芯線11、絶縁層12およびシールド層13に対応して設けられている。
【0052】
接続部2は、他の基板100の被接続端子102に接続される接続端子41と、他の基板100のグランドパターン103(グランド端子)に接続されるグランド部43と、接続端子41およびグランド部43を保持する絶縁保持部50とを含む。
【0053】
絶縁保持部50はホットメルトにより形成されている。絶縁保持部50には、芯線11が嵌る芯線凹部51と、絶縁層12が嵌る絶縁凹部52と、シールド層13が嵌るグランド凹部53と、被覆層14が嵌るケーブル凹部54とが設けられている。図7に示すように、芯線凹部51の深さおよび幅は芯線11の外径よりも大きい。絶縁凹部52の深さおよび幅は、絶縁層12の外径よりも大きい。グランド凹部53の深さは、シールド層13の外径および第1導電板44の厚みおよび第2導電板45の厚みおよび第2導電層46の厚みを足し合わせた大きさと同じ大きさとされている。また、グランド凹部53は、各同軸ケーブル10のシールド層13を第1導電板44および第2導電板45により連結するために、各同軸ケーブル10のシールド層13に対応する部分を連結して一つの溝とされている。ケーブル凹部54の深さは同軸ケーブル10の外径よりも大きく、ケーブル凹部54の幅は、同軸ケーブル10の外径と略同じ大きさとされている。
【0054】
接続端子41は、芯線凹部51に対応する部分の芯線11と、この芯線11を被覆し芯線凹部51内に設けられた第1導電層42とを含む。第1導電層42は銀ペーストにより形成されている。この第1導電層42の表面は、絶縁保持部50の裏面を基準として、絶縁保持部50の表面同じ高さになるように形成されている。
【0055】
グランド部43は、シールド層13と、シールド層13の一方の面に配置される第1導電板44と、シールド層13の他方の面に配置される第2導電板45と、第1導電板44の表面側に銀ペーストを塗布して形成される第2導電層46とを含む。具体的には、第1導電板44および第2導電板45により挟まれてこれら導電板が半田により固定されたシールド層13が、第2導電板45をグランド凹部53の底側に配置されるようにして、グランド凹部53に設けられている。第1導電板44の上には、第2導電層46が形成されている。第2導電層46の表面は、絶縁保持部50の裏面を基準として、絶縁保持部50の表面と同じ高さになるように形成されている。
【0056】
第1導電板44および第2導電板45は、鉄板または銅板により形成されている。各同軸ケーブル10は、第1導電板44および第2導電板45に挟みこまれることにより、互いに固定されるとともに互いに導通される。
【0057】
[接続端子と被接続端子との接続]
図8を参照して、同軸線ハーネス1の接続端子41を他の基板100の被接続端子102に接続する方法について説明する。
【0058】
まず、接続端子41が設けられている面を被接続端子102側に向け、接続端子41とこれに対応する被接続端子102とを互いに向い合わせた状態にする。また、第2導電層46と基板100のグランドパターン103とを互いに向い合わせる。
【0059】
次に、接続端子41の表面すなわち第1導電層42の表面を被接続端子102に当接するとともに、グランド部43の表面すなわち第2導電層46の表面をグランドパターン103に当接する。そして、接続部2全体を130℃で加熱しつつ接続部2全体を基板100側に押す。このとき、接続端子41およびグランド部43が、加熱により溶融した絶縁保持部50の内部に押し込められる。
【0060】
接続部2全体を基板100側に押し込むことにより、絶縁保持部50の表面部分を基板100に接着する。その後、接続部2と基板100との間の距離を一定に保持して冷却する。これにより、同軸線ハーネス1の接続端子41と被接続端子102とが接続し、グランド部43とグランドパターン103とが接続して、同軸線ハーネス1と基板100とが固定される。
【0061】
[接続部の製造方法]
図6〜図8を参照して、同軸線ハーネス1の接続部2の製造方法について説明する。
図6に示すように、芯線11、絶縁層12およびシールド層13がそれぞれ所定長さだけ露出するように同軸ケーブル10の先端部を加工し、同軸ケーブル10の先端を揃えて互いに平行に配列する。また、上記構造の絶縁保持部50を準備する。絶縁保持部50は、プレス機によりホットメルト材料をプレスして成形される。
【0062】
次に、図7に示されるように、芯線11を芯線凹部51に、予め第1導電板44および第2導電板45により挟まれて各導電板が半田により固定されたシールド層13をグランド凹部53に、絶縁層12を絶縁凹部52に、被覆層14をケーブル凹部54に対応させて、各同軸ケーブル10を絶縁保持部50に嵌め込む。そして、芯線凹部51および第1導電板44の対応する部分に銀ペーストを注入して、銀ペーストを加熱乾燥する。これにより、芯線凹部51に対応する部分に接続端子41が形成され、グランド凹部53に対応する部分にグランド部43が形成される。
【0063】
本実施形態によれば、先の第1実施形態による前記(1)および(2)の効果に加えて、さらに以下に示す効果を奏することができる。
(6)本実施形態では、接続部2の接続端子41は、芯線11の先端部11Aとこの先端部11Aを被覆する第1導電層42とを含む。グランド部43は、各同軸ケーブル10のシールド層13と接続する第1導電板44と、この第1導電板44の表面側に形成される第2導電層46とを含む。また、接続端子41の間、接続端子41の裏面側、およびグランド部43の裏面側に絶縁接着層24が設けられている。この絶縁接着層24は、ホットメルトにより形成されている。
【0064】
この構成によれば、同軸線ハーネス1の各芯線11が、他の基板100の被接続端子102に第1導電層42を介して接続され、シールド層13が第1導電板44を介して他の基板100のグランド部43に接続される。また、絶縁接着層24を介して他の基板100と接着する。ホットメルトは異方性樹脂のように低温保存する必要はなく、絶縁接着剤は常温で保存することができるため、製造上の接着剤の管理を簡素化することができる。
【0065】
(7)本実施形態では、次のように同軸線ハーネス1を製造する。まず、ホットメルトにより形成された絶縁保持部50を準備する。そして、芯線11を芯線凹部51に、予め第1導電板44および第2導電板45により挟まれて各導電板が半田により固定されたシールド層13をグランド凹部53に、絶縁層12を絶縁凹部52に、被覆層14をケーブル凹部54に対応させて、各同軸ケーブル10を絶縁保持部50に嵌め込む。この後、芯線凹部51および第1導電板44に対応する部分に銀ペーストを注入して、同銀ペーストを加熱乾燥することにより、芯線凹部51に対応する部分に接続端子41を形成し、グランド凹部53に対応する部分にグランド部43を形成する。
【0066】
この構成によれば、芯線11を芯線凹部51に、予め第1導電板および第2導電板45により挟まれて各導電板が半田により固定されたシールド層13をグランド凹部53に、絶縁層12を絶縁凹部52に、被覆層14をケーブル凹部54に対応させて、各同軸ケーブル10を絶縁保持部50に嵌め込む。その後、芯線凹部51および第1導電板44に対応する部分に銀ペーストを注入する。その後、銀ペーストを加熱乾燥する。固まった導体層と芯線11とを当接して接続端子を形成するものでは、導体層と芯線11とが密着していないため接着部分が剥離する虞があったが、上記構成とすることにより、芯線11と銀ペースト層(第1導電層42)との接続を強固なものとすることができる。
【0067】
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は上記各実施形態にて示した態様に限られるものではなく、これを例えば以下に示すように変更して実施することもできる。また以下の各変形例は、上記各実施例についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0068】
・上記第1実施形態では、接続部2に補強板25が設けられているが、これを省略することができる。また、接続部2には保護シート26を貼り付けているが、これを省略することもできる。保護シート26および補強板25のうちいずれかまたは両方を省略することにより、接続部2の部材コストを低減することができる。
【0069】
・上記第1実施形態では、隣り合う接続端子21の間のほかに接続端子21の裏面側にも絶縁接着層24が設けられているが、接続端子21の裏面側の絶縁接着層24を省略することができる。この場合、接続部2の厚さを薄くすることができる。
【0070】
・上記第1実施形態では、シールド層13と他の基板100のグランドパターン103とは異方接着膜を介して接続されているが、これに代えて、導電板および銀ペーストを介して接続する構造とすることもできる。
【0071】
・上記第1実施形態では、各接続端子21のそれぞれの間に絶縁接着層24が設けられているが、いずれかの接続端子21の間にだけ絶縁接着層24を設けてもよい。また、絶縁接着層24は、芯線11に対応する部分に形成されているが、絶縁接着層24を設ける範囲を拡大することもできる。例えば、絶縁層12が露出している部分に絶縁接着層24を設けてもよい。この場合、実施形態1のものと比較して、絶縁接着層24と他の基板100との接着面積が大きくなるため、接続部2と他の基板100との接続構造を強固なものとすることができる。また、絶縁接着層24と絶縁層12とが接着するため、同軸ケーブル10の芯線11と絶縁接着層24との剥離を抑制することができる。
【0072】
・上記第1実施形態では、第1基板31と第2基板32との間に芯線11を挟みこむことにより接続部2を形成しているが、第2実施形態のように保持部を形成して接続部2を形成することもできる。すなわち、芯線11が嵌まり込む芯線凹部を形成した保持部を形成する。そして、この芯線凹部に芯線11を配置し、芯線凹部に銀ペーストを充填したあと、銀ペーストを加熱乾燥する。
【0073】
・上記第2実施形態では、第1導電板44および第2導電板45により各シールド層13を互いに接続しているが、この構成に加えてグランド凹部53に銀ペーストを充填することにより各シールド層13を互いに接続してもよい。
【0074】
・上記第2実施形態では、絶縁凹部52には空隙となっているが、ここに絶縁接着剤を充填してもよい。これにより、絶縁層12と絶縁保持部50とが互いに固定されるため、同軸ケーブル10と絶縁保持部50とが分離することを抑制することができる。
【0075】
・上記各実施形態では同軸線ハーネス1の構造およびその効果について説明したが、上記各実施形態の同軸線ハーネス1または上記変形例の同軸線ハーネス1を用いてモジュールを構成することもできる。モジュールは、上記同軸線ハーネス1により基板同士が互いに接続されている。このような構成によれば、基板同士がコネクタを介さずに上記同軸線ハーネス1により接続されているため、コネクタを介して同軸線ハーネスにより接続されたモジュールと比べて、モジュールが占める容積を小さくすることができる。
【0076】
また、上記モジュールを用いて電子機器を構成することができる。この構成によれば、上記モジュールは、コネクタを介して同軸線ハーネスにより接続されたモジュールと比べてモジュールの占める容積が小さいものであるため、当該電子機器の部品実装容積を大きくすることができる。
【符号の説明】
【0077】
1…同軸線ハーネス、2…接続部、10…同軸ケーブル、11…芯線、11A…先端部、12…絶縁層、13…シールド層、14…被覆層、21…接続端子、21A…表面、21B…裏面、22…導電層、23…保持部、24…絶縁接着層、25…補強板、26…保護シート、31…第1基板、31A…導体ペースト層、31B…第1絶縁接着層、32…第2基板、32A…第2絶縁接着層、41…接続端子、42…第1導電層、43…グランド部、44…第1導電板、45…第2導電板、46…第2導電層、50…絶縁保持部、51…芯線凹部、52…絶縁凹部、53…グランド凹部、54…ケーブル凹部、100…基板、101…基板本体、102…被接続端子、103…グランドパターン、104…異方接着膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体からなる芯線と、この芯線の外周を被覆する絶縁層とを含む同軸ケーブルが複数に並べられ、前記各芯線の先端部が他の基板の被接続端子と接続する接続端子とされている同軸線ハーネスにおいて、
前記接続端子は、前記芯線の先端部とこの先端部を被覆する導電層とを含み、
前記各接続端子の間には絶縁接着層が設けられ、
前記絶縁接着層は、加熱により接着する絶縁接着剤により形成されている
ことを特徴とする同軸線ハーネス。
【請求項2】
請求項1に記載の同軸線ハーネスにおいて、
前記絶縁接着層は、隣り合う前記接続端子の間および前記接続端子の裏面側に設けられている
ことを特徴とする同軸線ハーネス。
【請求項3】
請求項2に記載の同軸線ハーネスにおいて、
前記接続端子の裏面側に設けられた絶縁接着層には補強板が設けられている
ことを特徴とする同軸線ハーネス。
【請求項4】
導体からなる芯線と、この芯線の外周を被覆する絶縁層と、前記絶縁層を被覆するシールド層と、このシールド層を被覆する被覆層とを含む同軸ケーブルが複数に並べられ、前記各芯線の先端部が他の基板の被接続端子と接続する接続端子とされ、前記シールド層が前記他の基板のグランド端子と接続するグランド部とされている同軸線ハーネスにおいて、
前記接続端子は、前記芯線の先端部とこの先端部を被覆する第1導電層とを含み、
前記グランド部は、前記各同軸ケーブルのシールド層と接続する導電板と、この導電板の表面側に形成される第2導電層とを含み、
前記接続端子の間、前記接続端子の裏面側、および前記グランド部の裏面側に絶縁接着層が設けられ、
前記絶縁接着層は、加熱により接着する絶縁接着剤により形成されている
ことを特徴とする同軸線ハーネス。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の同軸線ハーネスにより基板同士が互いに接続されたモジュール。
【請求項6】
請求項5に記載のモジュールを有する電子機器。
【請求項7】
導体からなる芯線と、この芯線の外周を被覆する絶縁層とを含む同軸ケーブルが複数に並べられ、前記各芯線の先端部が他の基板の被接続端子と接続する接続端子とされている同軸線ハーネスの製造方法において、
常温で流動する導体ペースト層と、加熱により接着する絶縁接着層とが交互に設けられた第1基板と、前記第1基板に貼りあわされる第2基板と、を準備し、
前記第1基板と前記第2基板との間に前記芯線を配置し、各芯線を前記導体ペースト層に対応して配置し、これら芯線を前記第1基板と前記第2基板とにより挟みこみ、その後、前記導体ペースト層を加熱乾燥する
ことを特徴とする同軸線ハーネスの製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の同軸線ハーネスの製造方法において、
前記第2基板のうち前記第1基板に接着する面には、加熱により接着する絶縁接着層が設けられている
ことを特徴とする同軸線ハーネスの製造方法。
【請求項9】
導体からなる芯線と、この芯線の外周を被覆する絶縁層と、前記絶縁層を被覆するシールド層と、このシールド層を被覆する被覆層とを含む同軸ケーブルが複数に並べられ、前記各芯線の先端部が他の基板の被接続端子と接続する接続端子とされ、前記シールド層が前記他の基板のグランド端子と接続するグランド部とされている同軸線ハーネスの製造方法において、
前記各芯線が嵌る芯線凹部と、前記絶縁層が嵌る絶縁凹部と、前記シールド層が嵌るグランド凹部とが設けられ、加熱により接着する絶縁接着剤により形成された絶縁保持部を準備し、
前記芯線を前記芯線凹部に嵌め、前記絶縁層を前記絶縁凹部に嵌め、2枚の導電板により挟まれたシールド層をグランド凹部に嵌めて、当該同軸線ハーネスの先端部を絶縁保持部に固定し、この後、前記芯線凹部および前記導電板に対応する部分に導体ペーストを注入して、同導体ペーストを加熱乾燥することにより、前記芯線凹部に対応する部分に前記接続端子を形成し、前記グランド凹部に対応する部分に前記グランド部を形成する
ことを特徴とする同軸線ハーネスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−14934(P2012−14934A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149712(P2010−149712)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】