説明

吐出システム及びその使用方法

流動床圧力容器から固体/気体混合物を取り出すための吐出システムを提供する。この吐出システムは、流動床圧力容器と、沈殿容器と、運搬容器と、吐出管と、主吐出弁と、主出口弁とを備える。また、当該吐出システムを操作するための方法も提供する。この方法は、流動床圧力容器から沈殿容器に気体/固体混合物を移し、該固体を運搬容器に移し、次いで該運搬容器を空にすることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、米国仮出願第60/850,552号(2006年10月10日出願)及び同60/965,916号(2007年8月23日出願)の利益を主張する。これらの出願の開示は、その全体の参照により援用するものとする。
【0002】
発明の分野
本発明は、概して、例えば、固体/気体混合物といった物質を圧力容器から最小のガス損失で取り出すための吐出システム及び吐出方法に関するものである。さらに具体的にいうと、本願は、流動床圧力容器から主として固形物を最小のガス除去で取り出すための装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
背景
流動床圧力容器、気相流動床圧力容器又は気相流動床重合容器から固形物を吐出させるための多くのシステム及び方法がある。しかしながら、既存の吐出システム及び吐出方法を使用すると、当該吐出システムから反応体が所望よりも多く失われる可能性がある。特に、気体又は気体/液体混合物のかなりの量が失われる可能性がある。というのは、粒子の内部及びそれらの周辺にある空間に、高圧のガス混合物が充満しているからである。そのため、この損失ガスを、追加の原料を消費させて元に戻すか、又は圧縮、排気による凝縮若しくはこれらの組合せによりシステムに再循環させることが必要である。
【0004】
圧力容器から気体/固体混合物を吐出することを伴う一つの方法は、ポリオレフィン樹脂の製造方法(流動床反応器におけるオレフィン単量体の重合を伴う)である。ポリオレフィン樹脂の製造方法の例は、例えば、米国特許第4,003,712号(「‘712特許」)に開示されている。そこで定義されているように、生成物が反応区域からガスロック区域を通して吐出され、そして樹脂に同伴する未反応単量体が抜き出され、圧縮により反応区域に再循環される。続いて、この生成物は、慣用の希薄相運搬システムにより下流の装置に移される。
【0005】
他の吐出システムが、例えば、米国特許第4,621,952号(「‘952特許」)に記載されている。この‘952特許には、連続的に機能する複数の沈殿容器を備えるガスロック区域装置が記載されている。‘952特許には、このプロセスからのガス混合物の損失が、各間の圧力が均等化された2個以上の容器を用い、固体のガス置換能を使用することによって有意に低減できたことが記載されている。記載されるように、流動床圧力容器上のノズルと沈殿容器との間にある弁を解放し、そして加圧ガスと共に固形物が沈殿容器に入る。該沈殿容器の頂部から反応器のわずかに低圧の区域への第2接続部分は、ガスのための流路となり、それと共に、沈殿した固体で沈殿容器が本質的に満たされる。次いで、両方の弁を閉じる。このときに、該沈殿容器は固体粒子で満たされたままであるが、当該粒子間の間隙はガス混合物で満たされており、該沈殿容器は全反応器圧力のままである。‘952特許に記載された吐出システムの沈殿容器は、典型的には、半球形の上端部と、直線部と、円錐形の底部とを備える。第2接続部は、典型的にはこの半球形ヘッド内に存在する。
【0006】
この沈殿槽を流動床圧力容器から分離した後に、弁を開き、そして固形物を運搬タンクに移す。当該固形物がこの運搬タンクに流れ込むときに、運搬タンクと沈殿容器との間には均圧化も生じる。完了時に、運搬タンク内及び沈殿容器内の圧力は中程度である。しかしながら、運搬タンクは、なお、粒子間にある間隙内にかなりの量のガスを含有している。次いで、数名の作業者が横つなぎ弁を開いて中程度の圧力のガスを別シリーズのタンクうち空の運搬タンクに移す。当該運搬タンク内の圧力が比較的低くなったら、生成物を、追加処理のために容器内への穏やかな加圧ガス移動のみにより他の容器に移す。沈殿容器内に保持されたガスは、次の充填サイクル中に流動床の圧力容器に再度戻される。
【0007】
さらに、米国特許第6,255,411号(「‘411特許」)及び同6,498,220号には、上で述べた横つなぎの技術思想が詳細に記載されており、また、様々な改良が記載されている。この‘411特許は、一層速いサイクル時間も提供する。他の背景技術の文献としては、米国特許第6,472,483号、欧州特許第0250169A2号及びWO2006/079774が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4003712号明細書
【特許文献2】米国特許第4621952号明細書
【特許文献3】米国特許第6255411号明細書
【特許文献4】米国特許第6498220号明細書
【特許文献5】米国特許第6472483号明細書
【特許文献6】欧州特許第0250169A2号明細書
【特許文献7】国際公開第2006/079774号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、主として固形物のような物体の処理加工効率を高めると共に、加圧反応器系の取り扱いに関する安全性の懸念にも対処する、当該物体を沈殿容器の最大限の容量で満たしつつ流動床圧力容器から取り出すための改良方法に関する要望が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
概要
ここで説明する本発明は、流動床圧力容器から固形物を取り出すための方法及びシステムを提供する。一実施形態では、当該吐出システムは、円錐形上端部を有する沈殿容器と、流動床圧力容器を該沈殿容器に流体連通させる吐出管と、該流動床圧力容器から該吐出管を経て該沈殿容器に至る流動混合物の吐出流を制御する主吐出弁と、該沈殿容器と流体連通した運搬容器と、該沈殿容器と該運搬容器との間にあり、該沈殿容器から該運搬容器への運搬流れを制御する切替弁と、該運搬容器からの該流動混合物の出口流れを制御する主出口弁とを備える。
【0011】
ここで説明する実施形態のいずれかでは、該運搬容器は、円錐形上端部を備えることができる。
【0012】
他の実施形態では、本発明は、該主吐出弁と直列に副吐出弁を備えることができ、ここで、該主吐出弁と該副吐出弁とは、該流動床圧力容器と該沈殿容器との間に位置し、また、該主吐出弁と該副吐出弁の両方は、該沈殿容器に向かう吐出流を制御する。
【0013】
さらに別の実施形態では、本発明は、少なくとも2個の副吐出弁と少なくとも2個の沈殿容器とを備えることができ、ここで、それぞれの副吐出弁は、1個の沈殿容器への流れを制御し、また、1個の主吐出弁は、該1個の主吐出弁が該少なくとも2個の副吐出弁と共に該少なくとも2個の沈殿容器のそれぞれへの吐出流を制御するように、該少なくとも2個の副吐出弁及び該少なくとも2個の沈殿容器と流体連通した状態にある。
【0014】
さらに別の実施形態では、本発明は、該流動床圧力容器の上部と該沈殿容器とを流体連通させる通気管路と、該通気管路を介した通気流れを制御する主通気弁とを備えることができる。
【0015】
さらに別の実施形態では、本発明は、該主通気弁のほかに、該主通気弁と直列の副通気弁であって、該通気管路を介した通気流れを制御するものを備えることができる。
【0016】
他の実施形態は、少なくとも2個の副通気弁及び少なくとも2個の沈殿容器を備えることができ、ここで、それぞれの副通気弁は、該流動床圧力容器上部と1個の沈殿容器との間の通気流れを制御し、また、1個の主通気弁は、該1個の主通気弁が該少なくとも2個の副通気弁と共に該流動床圧力容器の該上部と該少なくとも2個の沈殿容器のそれぞれとの間の通気流れを制御するように、少なくとも2個の副通気弁及び少なくとも2個の沈殿容器と流体連通した状態にある。
【0017】
ここで説明する実施形態のいずれかは、副出口弁を備えることができ、ここで、該主出口弁と該副出口弁の両方は、該運搬容器からの出口流れを制御する。
【0018】
ここで説明する実施形態のいずれかは、吐出システムにおける異常状態を検出する手段と、該異常状態の検出に基づき該副出口弁を閉じる手段とを備えることができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、異常状態を検出する手段は、自動化制御システムと、圧力、流れ、温度、容器の応力、弁の位置又はアクチュエータの位置を検出する手段とを含むことができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、該副出口弁を閉じる手段は、自動化制御システムと、該副出口弁を閉じるシグナルを含むことができる。
【0021】
他の実施形態では、該副出口弁は、通常は開いていてよい。
【0022】
さらに別の実施形態では、副出口弁は、異常状態の検出の約5秒以内又は約2.5秒以内に閉じることができる。
【0023】
ここで説明する実施形態のいずれかは、沈殿容器が満たされた時点を検出する固形物監視装置を備えることができる。
【0024】
ここで説明する実施形態のいずれかは、沈殿容器に供給される乾性ガスパージを含むことができる。
【0025】
ここで説明する実施形態のいずれかは、運搬容器に供給される乾性ガスパージを含むことができる。
【0026】
ここで説明する実施形態のいずれかは、吐出管に供給されるクリーンガスパージを含むことができる。
【0027】
ここで説明する実施形態のいずれかは、通気管路に供給されるクリーンガスパージを含むことができる。
【0028】
ここで説明する実施形態の別の部類は、流動床圧力容器から固形物を取り出す方法に関する。この方法は、次の工程:複数の沈殿容器及び複数の運搬容器を備える吐出システムを準備し、ここで、該複数の沈殿容器の少なくとも1個は円錐形上端部を有し;該複数の沈殿容器のうち第1沈殿容器に該流動床圧力容器からの混合物を充填し、ここで、該混合物は、固形物と加圧ガスとを含み;該第1沈殿容器を均等化させ、この際、加圧ガスの第1部分を該第1沈殿容器から該複数の沈殿容器のうち該第1沈殿容器以外の少なくとも1個に移し;該固形物と加圧ガスの第2部分とを該第1沈殿容器から第1運搬容器に移し;該第1沈殿容器を再度均等化させ、この際、戻り加圧ガスを該複数の沈殿容器のうち該第1沈殿容器ではない少なくとも1個から該第1沈殿容器に移し;該第1運搬容器を第2運搬容器で均等化させ、この際、該加圧ガスの第3部分を該第1運搬容器から該複数の運搬容器のうち該第1運搬容器ではない少なくとも1個に移し;該第1運搬容器を空にし;そして、該第1運搬容器を再度均等化させ、この際、戻り運搬ガスを該複数の運搬容器のうち該第1運搬容器ではない少なくも1個から該第1運搬容器に移すことを含む。
【0029】
これらの実施形態のいずれかでは、備えられる複数の運搬容器の少なくとも1個は、円錐形上端部を有することができる。
【0030】
ここで説明する実施形態のいずれかでは、この方法は、主出口弁及び副出口弁を備え、ここで、異常状態が検出されたときに該副出口弁を自動的に閉じることができる。
【0031】
この方法の他の実施形態は、吐出管をクリーンガスパージし、通気管路をクリーンガスパージし、沈殿容器を乾性ガスパージし又は運搬容器を乾性ガスパージする工程を含むことができる。
【0032】
他の実施形態では、当該方法は、吐出される固体粒子の容量が沈殿容器の実容量の少なくとも約100%であることを提供することができる。
【0033】
さらに別の実施形態では、当該方法は、吐出される固体粒子の容量が該第1沈殿容器の弁内容量の約90%以上又は約95%以上であることを提供できる。
【0034】
別の実施形態では、本発明は、平行に配置された少なくとも3個の沈殿容器と、該少なくとも3個の沈殿容器の少なくとも1個に流動床圧力容器を流体連通させる吐出管と、該流動床圧力容器から該吐出管を経て該少なくとも3個の沈殿容器の少なくとも1個に至る流動混合物の吐出流を制御する主吐出弁と、該流動床圧力容器の上部と該少なくとも3個の沈殿容器の少なくとも1個とを流体連通させる通気管と、該通気管路を介した通気流れを制御する主通気弁と、該少なくとも3個の沈殿容器を流体連通させる少なくとも3個の横つなぎ管と、該少なくとも3個の横つなぎ管を介した横つなぎ流れを制御する、マルチポート弁である横つなぎ弁と、該少なくとも3個の沈殿容器と流体連通した少なくとも3個の運搬容器と、該少なくとも3個の沈殿容器と該少なくとも3個の運搬容器との間にあり、該少なくとも3個の沈殿容器から該少なくとも3個の運搬容器への複数の運搬流れを制御する少なくとも3個の切替弁と、該少なくとも3個の容器の少なくとも2個を流体連通させる下部横つなぎ管と、該下部横つなぎ管を介した下部横つなぎ流れを制御する下部横つなぎ弁と、該少なくとも3個の運搬容器からの該流動混合物の複数の出口流れを制御する少なくとも3個の主出口弁とを備える吐出システムを提供する。
【0035】
これらの実施形態のいずれかでは、該マルチポート横つなぎ弁は、流れ制御型の弁であることができる。これらの実施形態のいずれかでは、該マルチポート横つなぎ弁は、該横つなぎ弁の軸の回転度に応じた可変流れ領域を有することができる。
【0036】
これらの実施形態のいずれかでは、該マルチポート横つなぎ弁は、Vボール弁であることができる。
【0037】
これらの実施形態のいくつかでは、横つなぎ管には、該横つなぎ弁以外の流れ制限装置が存在していなくてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、吐出システムは少なくとも3個の下部横つなぎ管を備えることができ、また、下部横つなぎ弁は、該少なくとも3個の下部横つなぎ管を介した下部横つなぎ流れを制御するマルチポート弁である。
【0039】
これらの実施形態のいずれかでは、下部横つなぎマルチポート弁は、流れ制御型の弁であることができる。いくつかの実施形態では、該下部横つなぎマルチポート弁は、該横つなぎ弁の軸の回転度に応じた可変流れ領域を有することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、該下部横つなぎマルチポート弁は、Vボール弁であることができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、下部横つなぎ管には、該下部横つなぎ弁以外の流れ制御装置が存在していなくてもよい。
【0042】
ここで説明する実施形態の別の部類は、平行に配置された複数の沈殿容器と、流動床圧力容器と該複数の沈殿容器の少なくとも2個とを流体連通させる吐出管と、該流動床圧力容器から該吐出管を経て該複数の沈殿容器の少なくとも2個に至る流動混合物の吐出流を制御する主吐出弁と、複数の副吐出弁であって該複数の副吐出弁のそれぞれが該複数の沈殿容器の少なくとも1個への吐出流を制御するものと、該複数の沈殿容器と流体連通した複数の運搬容器と、該複数の沈殿容器と該複数の運搬容器との間にあり、該複数の沈殿容器から該複数の運搬容器への複数の運搬流れを制御する複数の切替弁と、該複数の運搬容器からの該流動混合物の複数の出口流れを制御する複数の主出口弁と、を備える吐出システムを提供する。
【0043】
ここで説明する任意の実施形態では、当該吐出システムは、該流動床圧力容器の上部と該沈殿容器とを流体連通させる通気管路と、該通気管路を介した通気流れを制御する主通気弁とをさらに備えることができる。
【0044】
いくつかの実施形態は、主通気弁のほかに、該主通気弁と直列に、該通気管路を介した通気流れを制御する副通気弁を備えることができる。
【0045】
他の実施形態は、少なくとも2個の副通気弁と、少なくとも2個の沈殿容器とを備えることができ、ここで、それぞれの副通気弁は、該流動床圧力容器の上部と1個の沈殿容器との間の通気流れを制御し、また、1個の主通気弁は、該1個の主通気弁が該少なくとも2個の副通気弁と共に該流動床圧力容器の該上部と該少なくとも2個の沈殿容器のそれぞれとの間の通気流れを制御するように、少なくとも2個の副通気弁及び少なくとも2個の沈殿容器と流体連通した状態にある。
【0046】
ここで説明する実施形態の別の部類では、吐出システムは、沈殿容器と、流動床圧力容器と該沈殿容器とを流体連通させる吐出管と、該流動床圧力容器から該吐出管を経て該沈殿容器に至る流動混合物の吐出流を制御する吐出弁と、該沈殿容器から固体粒子を受け入れる運搬容器と、該沈殿容器と該運搬容器との間にあり、該沈殿容器から該運搬容器への運搬流れを制御する切替弁と、該運搬容器からの該流動混合物の出口流れを制御する主出口弁と、該主出口弁のほかに、該運搬容器からの該流動混合物の出口流れを制御する副出口弁と、吐出システムにおける異常状態を検出する手段と、該異常状態の検出に基づき該副出口弁を閉じる手段と、を備える。
【0047】
一実施形態では、異常状態を検出する手段は、自動化制御システムと、圧力、流れ、温度、容器の応力、弁の位置又はアクチュエータの位置を検出する手段とを備えることができる。
【0048】
他の実施形態では、該副出口弁を閉じる手段は、自動化制御システムと、該副出口弁に連結された自動アクチュエータとを含むことができる。
【0049】
さらに別の実施形態では、該副出口弁は、通常開いている。
【0050】
副出口弁が通常開いている他の実施形態では、該副出口弁は、異常状態検出の約5秒以内又は約2.5秒以内に閉じることができる。
【0051】
本発明のさらに別の態様では、実施形態は、次の工程:吐出管と、沈殿容器と、吐出弁と、運搬容器と、切替弁と、主出口弁と、副出口弁とを備える吐出システムを準備し;該沈殿容器に流動床圧力容器からの混合物を充填し、ここで、該混合物は、固形物と加圧ガスとを含み;該固形物と加圧ガスの一部分とを該沈殿容器から該運搬容器に移し;該運搬容器の内容物を受入容器に出して空にし;該吐出システムを異常状態に関して自動化制御システムで監視し;そして、異常状態が検出されたときに該副出口弁を自動的に閉じることを含む、流動床圧力容器から固形物を取り出す方法に関する。
【0052】
いくつかの実施形態では、前記充填する工程及び前記空にする工程を少なくとも部分的に同時に行うことができる。
【0053】
他の実施形態では、流動床圧力容器と受入容器との間には、当該方法のいくつかの工程の間に閉じる1個のみの弁が存在することができる。
【0054】
さらに別の実施形態では、異常状態が検出され、そして該副出口弁を該異常状態出現の約10秒以内又は約5秒以内に閉じる。
【0055】
いくつかの実施形態では、異常状態は、吐出システム内の高圧、激しい流れ又は不正確な弁の位置であることができる。
【0056】
ここで説明する実施形態の別の部類では、吐出システムは、平行に配置された複数の沈殿容器と、該複数の沈殿容器の少なくとも1個に流動床圧力容器を流体連通させる吐出管と、該流動床圧力容器から該吐出管を経て該複数の沈殿容器の少なくとも1個に至る流動混合物の吐出流を制御する主吐出弁と、該複数の沈殿容器の少なくとも2個を流体連通させる横つなぎ管と、該横つなぎ管を介した横つなぎ流れを制御する横つなぎ弁であって、流れ制御型の弁であるものと、該複数の沈殿容器と流体連通した複数の運搬容器と、該複数の沈殿容器と該複数の運搬容器との間にあり、該複数の沈殿容器から該複数の運搬容器への運搬流れを制御する複数の切替弁と、該複数の運搬容器の少なくとも2個を流体連通させる下部横つなぎ管と、該下部横つなぎ管を介した下部横つなぎ流れを制御する下部横つなぎ弁と、該複数の運搬容器からの該流動混合物の複数の出口流れを制御する複数の主出口弁とを備える。
【0057】
ここで説明する実施形態のいくつかでは、当該横つなぎ弁は、該横つなぎ弁の軸の回転度に応じて変化し得る流れ領域を有することができる。
【0058】
ここで説明する実施形態のいくつかでは、当該横つなぎ弁は、偏心プラグ回転弁、Vボール弁又はバタフライ弁であることができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、横つなぎ管には、該横つなぎ弁以外の流れ制御装置が存在していなくてもよい。
【0060】
ここで説明する実施形態のいくつかでは、該下部横つなぎ弁は、流れ制御型の弁であることができる。
【0061】
ここで説明する実施形態のいくつかでは、該下部横つなぎ弁は、該横つなぎ弁の軸の回転度に応じた可変流れ領域を有することができる。
【0062】
ここで説明する実施形態のいくつかでは、該下部横つなぎ弁は、偏心プラグ回転弁、Vボール弁又はバタフライ弁であることができる。
【0063】
さらに別の実施形態では、下部横つなぎ管には、該下部横つなぎ弁以外の流れ制御装置が存在していなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、単列吐出システムの概略図である。
【図2】図2は、楕円形の上端部及び円錐形の上端部を有する沈殿容器の概略図である。
【図3】図3は、2頁にわたる図3A及び図3Bを含み、複列吐出システムの概略図である。
【図4】図4は、2頁にわたる図4A及び図4Bを含み、複列吐出システムの別バージョンの概略図である。
【図5】図5は、流動床圧力容器から固形物を取り出す方法の工程のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
詳細な説明
概して、ここで開示する実施形態は、加圧容器から固体/気体混合物を取り出すための吐出システムに関する。さらに特定すると、ここで開示する実施形態は、加圧され流動化された容器から流動可能な固体粒子を取り出すための吐出システムに関する。
【0066】
まず図1を参照すると、本願の実施形態のいずれかに従う流動床圧力容器及び吐出システムの概略図を示している。一般的にいうと、粒状固体は、入口103からガス分配器104を経て、再循環のために流動床圧力容器102から出口105を通って出る気体又は気体/液体混合物の流れよって流動床圧力容器102内で流動化される。流動床圧力容器102は、反応器、重合反応器、流動化固形物を保持することができる容器又は顆粒状、粉末状若しくは粒状の固体生成物を取り出すことのできる任意の圧力容器であることができる。
【0067】
さらに図1を参照すると(図3及び4も参照)、ここで説明する本発明のいずれかの実施形態では、吐出システムは、吐出管106,306a−d,406ab,cdと、沈殿容器107,307a−d,407a−dと、主吐出弁108,308a−d,408ab,cdと、運搬容器114,314a−d,414a−dと、切替弁118,318a−d,418a−dと、主出口弁110,310a−d,410a−dとを備える。この開示は、本発明の吐出システムの範囲内にある機能に必要な部材を議論するものであるにすぎないが、当業者であれば、例えば、圧力監視装置、追加の吐出弁、充填量センサー、安全調整器又は流動床圧力器からの固形物の取り出しに便利な他の任意の部材を含め、ここでは議論しない追加の部材を随意に含めてもよいことが分かるであろう。さらに、任意の実施形態では、通気管路109,309a−d,409a−dと、主通気弁111,311a−d,411ab,cd及び/又は下部通気管路123,323a−d,423a−dと、下部通気弁130,330a−d,430a−dとを備えることもできる。
【0068】
流動床圧力容器102,302,402から固形物を取り出すために、吐出管106,306a−d,406ab,cdは、流動床圧力容器102,302,402を沈殿容器107,307a−d,407a−dに流体連通させる。吐出管106,306a−d,406ab,cdの長さを最小にすることが望ましい場合がある。いずれかの実施形態では、吐出管106,306a−d,406ab,cdは、自己排出性であることができる。他の実施形態では、吐出管106,306a−d,406ab,cdをクリーンガスパージ117,317a−d,417ab,cdで完全に掃引することができる。クリーンガスパージ117,317a−d,417ab,cdは、新たな単量体供給物、不活性供給物由来のものであってもよいし、再循環コンプレッサ(図示しない)、下端部又は他の高圧源の排出により生じる再循環ガス流れであってもよい。いくつかの実施形態では、クリーンガスパージ弁122,322a−d,422ab,cdを備えることもできる。
【0069】
沈殿容器107,307a−d,407a−dには、好ましくは固体と気体の混合物を含む吐出流体の吐出流が満たされる。流動床圧力容器102,302,403から沈殿容器107,307a−d,407a−dへの吐出流を制御するために、主吐出弁108,308a−d,408ab,cdを吐出管106,306a−d,406ab,cdに沿って設置する。主吐出弁108,308a−d,408ab,cdを開いたときに、まず最初に圧力下で固体/気体混合物が流動床圧力容器102,302,402から沈殿容器107,307a−d,407a−dに流れる。ここで使用するときに、流れの「制御」とは、流れを開始及び停止させることができること又は目的の流れを調節することができることをいう。装置とは、流れを制御する唯一の装置のことであってもよいし、目的の流れを「制御」する装置が多数存在していてもよい。例えば、主弁及び副弁が目的の流れを「制御」する場合には、該主弁又は副弁のいずれかを閉じ、そうして流れを停止させることができる。
【0070】
さらに図1を参照すると(図3も参照)、いずれかの実施形態では、通気管路109,309a−d,409a−dは、沈殿容器107,307a−d,407a−dを下部圧力領域、例えば該流動床圧力容器102,302,402の上部に流体連通させることができる。この通気管路109,309a−d,409a−dは、圧力が均等化した後に吐出弁を介して流れを持続させることを可能にする。沈殿容器107,307a−d,407a−dに入るガスが通気管路109,309a−d,409a−dを通って流動床圧力容器102,302,402の上部に移動すると共に、沈殿容器107,307a−d,407a−d内に固形物が沈降する。この方法は、沈殿容器107,307a−d,407a−dを満たす固形物の体積を最大化し、それにより吐出システムから逃げるガスの量を最小化する。主通気弁111,311a−d,411ab,cdを通気管路109,309a−d,409a−dに沿って設置して沈殿容器107,307a−d,407a−dと流動床圧力容器102,302との間の通気管路109,309a−d,409a−dにおけるガスの通気流れを制御することができる。当該主通気弁111,311a−d,411ab,cdは、自己排出するように垂直配管部内に設置できる。いくつかの実施形態では、主通気弁111,311a−d,411ab,cdを沈殿容器107,307a−d,407a−dの近くに設置して沈殿容器・配管を合わせた弁内容量を減らす。主通気弁を沈殿容器107,307a−d,407a−dの近くに設置する場合には、クリーンガスの排気パージ(図示しない)を使用して、主通気弁111,311a−d,411ab,cdを閉じたときに主通気弁111,311a−d,411ab,cdから流動床圧力容器102,302,402に至る通気管路109,309a−d,409a−d内に物質が沈殿しないようにすることができる。いくつかの実施形態では、主通気弁111,311a−d,411ab,cdを流動床圧力容器102,302,402に設置することができる。他の実施形態では、主通気弁111,311a−d,411ab,cdを流動床圧力容器102,302,402の近くに設置し、副通気弁427a−d(図1及び3には示していない)を沈殿容器107,307a−d,407a−dの近くの通気管路109,309a−d,409a−d内に設置することができる。これらの実施形態のいずれかでは、上記のような通気管路パージ弁及び通気管路パージ弁が望ましいかもしれない。この配置は、弁内容量を減少させることができ、また、通気管路109,309a−d,409a−dをパージすることを要する場合や要しない場合がある。
【0071】
さらに図1を参照すると(図3〜4も参照)、主吐出弁108,308a−d,408ab,cdが開いているときに、固体と気体の混合物は、流動床圧力容器102,302,402から沈殿容器107,307a−d,407a−dに流れる。随意に、主通気弁111,311a−d,411ab,cdを開き、気体又は気体/液体混合物を再度下部圧力領域に、例えば、流動床圧力容器102,302,402の上部に流れさせることが可能である。流動床系では、流動床の底部と頂部との圧力差により、流動床圧力容器102,302,402の下部から、それよりも圧力の小さい沈殿容器107,307a−d,407a−d、続いて流動床圧力容器102,302,402の上部に至る流路が生じる。沈殿容器107,307a−d,407a−dが完全に満たされたときに、主吐出弁108,308a−d,408ab,cd及び主通気弁111,311a−d,411ab,cdを閉じることができる。沈殿容器107,307a−d,407a−dは、例えば、プリセット時刻、レベル測定、圧力条件、通気管路109,309a−d,409a−d中の固形物濃度の変化又は設けられた任意の他の手段など、任意の数の変数によって決定されたときに、満たされたものとみなすことができる。
【0072】
沈殿容器107,307a−d,407a−dが満たされた後に、固形物とガスの一部とを、切替弁118,318a−d,418a−dを開くことにより沈殿容器107,307a−d,407a−dの下に設置された運搬容器114,314a−d,414a−dに移す。固形物は、まず圧力によって流れ、続いて沈殿容器107,307a−d,407a−dから運搬容器114,314a−d,414a−dまで重力により流れる。運搬容器114,314a−d,414a−dは同一であり、かつ、沈殿容器107,307a−d,407a−d中の固形物全てについて空間が存在することを確認するために沈殿容器よりもわずかに大きい容量であることができる。固形物は凝集する場合があるため、沈殿容器107,307a−d,407a−d又は切替弁118,318a−d,418a−d中にはいかなる固形物も残存していないことが好ましい。固形物を効率的に移動し易くするために、いずれかの実施形態では、運搬容器114,314a−d,414a−dの上部を沈殿容器107,307a−d,407a−dに流体連通させる下部通気管路123,323a−d,423a−dを備えることができる。この管路は、運搬容器114,314a−d,414a−d内のガスを沈殿容器107,307a−d,407a−dに再度流すことを可能にすると同時に、切替弁118,318a−d,418a−dを介して固形物を下方に流すことを可能にする。
【0073】
固形物を運搬容器114,314a−d,414a−dに移した後に、これらの固形物を処理のために下流の容器に移すことができる。例えば、ここで説明するいずれかの実施形態では、運搬容器114,314a−d,414a−dを出る固体と気体の流れを制御する主出口弁110,310a−d,410a−dを備えることができる。主出口弁110,310a−d,410a−dは、例えば、運搬容器114,314a−d,414a−dの出口上に直接設置できる。
【0074】
ここで開示するこれらの実施形態のいずれかでは、上記弁は自動作動弁である。これら弁は、フルポート型で迅速に動作する弁、例えば、確実な高サイクル操作のために設計されたボール弁、シリンダー弁、カム弁又は仕切弁であることができる。これらの弁は、金属台座及び/又はトラニオン支持ボール弁であることができる。いくつかの実施形態では、主吐出弁108,308a−d,408ab,cd及び/又は主通気弁111,311a−d,411ab,cdは、流動床加圧容器102,302,402の密閉部材と内部との空間を最小にするように設計されている。自動作動弁は、通常、自動化制御システム、例えばシーケンス論理制御システム又は類似のシステムによって制御される。
【0075】
ここで説明する任意の実施形態では、吐出システムには、有意プロセス流れにより沈殿容器107,307a−d,407a−dから出る流体をろ過するための濾材がなくてもよい。有意プロセス流れとは、例えば、通気管路109,309a−d,409a−d又は横つなぎ管(以下で議論する)を通って沈殿容器107,307a−d,407a−dを出るプロセス流れのことである。ここで使用するときに、濾材とは、ガスが沈殿容器107,307a−d,407a−dを出たときに該容器から固体粒子の大部分が持ち出されないように設計された、実質的なプロセス流れ内に設置された濾材をいう。ここで使用するときに、濾材とは、無有意流れから粒子を排除するために使用される部材、例えば、所定の器具を所定の容器に流体連通させる圧力タップ又はアナライザータップのことではない。米国特許第4,003,712号に記載されたようないくつかの従来技術のシステムでは、燒結金属フィルターなどの濾材が典型的に使用されている。
【0076】
さらに図1を参照すると、ここで説明する任意の実施形態では、ブローオフライン(図示しない)、例えば、連結された通気管路109,309a−d,409a−dをフレアその他のシステムに設けて吐出システム内における圧力の安定性を維持することができる。このブローオフラインは、主出口弁110,310a−d,410a−dを開く前に吐出システムから圧力のいくらかを徐々に減らすのに役立つと考えられる。所定の実施形態では、吐出システムの圧力を所定の操作の必要条件に従って維持するように、ガスを沈殿容器107,307a−d,407a−dから、例えば、ガス回収システム(図示しない)に移すことができる。
【0077】
一実施形態は、流動床圧力容器から固形物を取り出すための吐出システムであって、円錐形上端部を備える沈殿容器107,307a−d,407a−dと、流動床圧力容器102,302,402を沈殿容器107,307a−d,407a−dに流体連通させる吐出管106,306a−d,406ab,cdと、流動床圧力容器102,302,402から吐出管106,306a−d,406ab,cdを経て沈殿容器107,307a−d,407a−dに至る流動混合物の吐出流を制御する主吐出弁108,308a−d,408ab,cdと、沈殿容器107,307a−d,407a−dと流体連通した運搬容器114,314a−d,414a−dと、沈殿容器107,307a−d,407a−dと運搬容器114,314a−d,414a−dとの間にあり沈殿容器107,307a−d,407a−dから運搬容器114,314a−d,414a−dへの運搬流れを制御する切替弁118,318a−d,418a−dと、該運搬容器114,314a−d,414a−dからの該流動混合物の出口流れを制御する主出口弁110,310a−d,410a−dとを備えるものを提供する。
【0078】
ここで図2を参照すると、楕円形上端部を有する沈殿容器201及び円錐形上端部を有する沈殿容器202の断面図が示されている。特に、楕円形上端部201を有する沈殿容器は、吐出管206から吐出管弁208を介して充填されることが示されている。固体生成物が沈殿容器を満たすときには、理論上、楕円形上端部内における該物質の静止角によって非充填空間209の領域が創り出される。容器充填中に、この非充填空間209により、該容器内における残留ガスの容量が大きくなるので、この容器を空にしたときのガス損失が大きくなる。理論に縛られるわけではないが、楕円形上端部における非充填空間209の容量は、該材料の静止角によって表されるものよりも少ないと考えられる。充填中にはかなりの乱流が存在するからである。しかしながら、この理論空間のうちいくつかの部分は、充填プロセス中には固形物で満たされないことが理論上想定される。沈殿容器内部の非充填容量を減少させるために、ここで説明する実施形態のいずれかに従って円錐形上端部を使用することができる。図に示すように、容器充填中に、円錐形上端部202を有する沈殿容器は、該沈殿容器中の残留ガス又は気体/液体混合物の容量を減少させる。というのは、この円錐形上端部の外形は、固体生成物の充填パターンに非常に近似し得るからである。沈殿容器内のガス容量が少ないということは、容器を空にする間に少しのガスしか失われないことを意味する。つまり、ここで説明する実施形態のいずれかにおいて、沈殿容器202に円錐形上端部を設けて残留ガス及び気体/液体の貯蔵量を減少させることが効果的だと考えられる。
【0079】
ここで説明する他のいずれかの実施形態では、運搬容器214は、沈殿容器201について上で説明したような円錐形上端部を備えることができる。沈殿容器201について上で説明したのと同じ論理的根拠が運搬容器214にも当てはまる。
【0080】
さらに図2を参照すると、ここで説明する任意の実施形態では、吐出システムは、固形物監視装置203a,bをさらに備えることができる。この固形物監視装置203a,bは、加圧容器内における固形物の存在を検出する当業者に公知の任意の装置であることができる。例えば、固形物監視装置203a,bは、核準位検出装置、音叉装置、静電プローブ、圧力モニター、アコースティックエミッション装置又は同調装置であることができる。固形物監視装置203a,bは、沈殿容器201,202の頂部付近、通気管路205内又はタンクが満たされる時期を測定するのに好適な他の任意の位置に設置された上部固形物監視装置203aであることができる。或いは、当該固形物測定装置は、下部固形物監視装置203bであることができ、これは、沈殿容器201,202の底部付近又は下部固形物監視装置203bが沈殿容器201,202が完全に空になる時点を検出することを可能にする他の任意の好適な位置に設置される。固形物監視装置203a,bを追加すると、吐出システムが沈殿容器における充填速度を検出し、そして、プロセスの効率が上がるように、充填時期、減圧時期、再加圧時期又は沈殿容器から固形物を移す時期を調節することが可能になる。当業者であれば、所定の吐出システムに任意の数の充填装置を使用できること及びこれらを複数の位置に設置できることが分かるであろう。
【0081】
さらに、本発明は、運搬容器214に連結した上記のような固形物監視装置210a,bをさらに備えることもできる。この固形物監視装置は、運搬容器の頂部付近又はタンクが満たされた時点を測定するのに好適な他の任意の位置に設置された上部運搬タンク固形物監視装置210aであることができる。或いは、この固形物測定装置は、下部運搬タンク固形物監視装置210bであることができ、これは、運搬容器の底部付近、運搬ライン204内又は当該固形物監視装置が運搬容器が完全に空になる時点を検出することを可能にする任意の好適な他の位置に設置される。
【0082】
ここで図3を参照すると(図4も参照)、吐出容器の複数の列を使用して本発明を実施することができる。例えば、図3は、4個の沈殿容器307a−d,407a−dと、4個の運搬容器314a−d,414a−dとを示している。しかしながら、他の吐出システムは、この開示に従って配置することができる1個のみの又は任意の他の個数の沈殿容器307a−d,407a−d及び運搬容器314a−d,414a−dを備えることができることも分かるであろう。いくつかの実施形態では、さらに多くの沈殿容器307a−d,407a−dと運搬容器314a−d,414a−dとを追加して、ガス保持容量やガス保持効率を増大させることができる。複数の沈殿容器307a−d,407a−d及び運搬容器314a−d,414a−dを設ける場合には、沈殿容器307a−d,407a−dは平行に配置することができるため、固形物は流動床圧力容器302,402から沈殿容器307a−d,407a−dのいずれか1個、次いでそれぞれの運搬容器314a−d,414a−dに流れる。ここで使用するときに、平行に配置とは、それぞれの沈殿容器が流動床圧力容器から固形物を含有する混合物を得、そして一方の沈殿容器が受け取った固形物の相当量を他方の沈殿容器に流す必要なしに、固形物を下流の装置に通すような沈殿容器の配置をいう。好ましい一実施形態では、それぞれの沈殿容器/運搬容器セットは、他の沈殿容器/運搬容器セットとは無関係に操作できる。
【0083】
さらに図3を参照すると(図4も参照)、ここで説明する任意の実施形態では、吐出システムは、主吐出弁308a−d,408ab、cdと直列に副吐出弁316a−d,416a−dを備えることができ、ここで、主吐出弁308a−d,408ab、cdと副吐出弁316a−d,416a−dとは、流動床圧力容器302,402と沈殿容器307a−d,407a−dとの間に設置され、また、主吐出弁308a−d,408ab、cdと副吐出弁316a−d,416a−dの両方は、沈殿容器307a−d,407a−dに向かう吐出流を制御する。副吐出弁316a−d,416a−dを沈殿容器307a−d,407a−dの近くに追加すると、閉弁容量の減少により吐出システムの効率が改善する。さらに、副吐出弁316a−d,416a−dは、沈殿容器307a−d,407a−dが充填された後に、吐出管306a−d,406ab、cdのクリーンガスパージ317a−d,417ab、cdを与えることを可能にする。これらの実施形態では、副吐出弁316a−d,416a−dを閉じると共に、主吐出弁308a−d,408ab、cdを開いてクリーンガスパージを与え、吐出管306a−d,406ab、cdから固形物を掃引することができる。クリーンガスパージ317a−d,417ab、cdは、クリーンガスの流れを制御するためのクリーンガスパージ弁322a−d,422ab,cdを具備することができる。ここで開示する全ての実施形態では、主吐出弁308a−d,408ab、cd、副吐出弁316a−d,416a−d及び図示した任意の他の弁は、自動的に制御及び作動する弁である。
【0084】
ここで説明する任意の実施形態では、吐出システムは、副出口弁319a−d,419a−dを主出口弁310a−d,410a−dと直列に備えることもでき、ここで、主出口弁310a−d,410a−dと副出口弁319a−d,419a−dとは、運搬容器314a−d,414a−dの下流に設置され、また、主出口弁310a−d,410a−dと副出口弁319a−d,419a−dの両方は、運搬容器314a−d,414a−dへの出口流れを制御する。副出口弁319a−d,419a−dを追加すると、流動床圧力容器302,402の高圧源と下流の受入容器(図示しない)との間に閉じることのできる追加の弁を設けることで安全性が改善する。追加の自動弁を加えると、吐出容器の列が沈殿容器を充満させると同時に、運搬容器を空にすることが可能になる。これは、サイクル時間を短縮し、それによりさらに多くの落下、つまり所定寸法のシステムについてさらに高い吐出システム能力を可能にする。
【0085】
副出口弁319a−d,419a−dを設けると、吐出システムのサイクル時間を短縮するという長年にわたる切実な要望が満たされる。自動副出口弁を1個しか有しない従来のシステムでは、運搬容器314a−d,414a−dを空にしなければならず、また、沈殿容器307a−d,407a−dが満たされる前に主出口弁310a−d,410a−dを閉じたことを確認しなければならなかった。これは、少なくとも2個の弁(例えば、切替弁318a−d,418a−dと主出口弁310a−d,410a−d又は主吐出弁308a−d,408ab、cdと切替弁318a−d,418a−d)を閉じて、万が一1個の弁が開かなかった(例えば、心軸の破損による弁又はアクチュエータの故障ため)場合に流動床圧力容器302,402から下流の容器に吹き抜ける可能性のある高圧のガスから低圧の下流容器を保護することを確実にするためである。1981年頃から2槽の生成物吐出システム(上で議論した‘952特許に開示されるように1個の沈殿容器と1個の運搬容器とを備える)が運転されている。当該産業界には、生成物吐出システムのサイクル時間を減少させると同時に、二重閉弁方法によって与えられる安全保護を維持することに対する長期間にわたる切実な要望が存在していた。副出口弁319a−d,419a−dを設けると、所望の安全保護が得られると共に、システムの総サイクル時間が減少する。
【0086】
さらに図3を参照すると、ここで説明する実施形態のいずれかでは、乾性ガスパージ320a−d(図4には示していない)を沈殿容器307a−dに供給することができる。乾性ガスパージ320a−dは、乾性ガスの流れを制御するための乾性ガスパージ弁321a−dを具備することができる。ある種の用途では、流動床重合反応器を、存在する液相により操作することができる。この液相は、液体供給物の注入若しくは反応器への再循環、又はガスの組成及び入口温度が重質炭化水素の凝縮を可能にする凝縮モードの操作によるものであろう。当該技術分野においては、凝縮モード又は超凝縮モードで操作して流動床圧力容器302から固体粒子を除去すると、これら固体粒子は液体で飽和され、及び/又は充填工程を実施するときに沈殿槽に液体が入る可能性があることが知られている。存在するあらゆる液体の排除を促進するために、乾性ガスパージ320a−dは、このプロセスにおける任意の好適な工程の間、好ましくは充填工程中、より好ましくは吐出弁308a−dを閉じた後であって、主通気弁311a−dを閉じる前の充填工程中に、沈殿容器307a−dに供給できる。乾性ガスパージ320a−dは、放出タンク内に流動化を生じさせない速度で添加できる。本発明のいくつかの実施形態では、乾性ガスパージ320a−dは、沈殿容器307a−dの下部に供給される。乾性ガスパージ320a−dは、このガスのいくらかを流動床圧力容器に再循環させるため、このプロセスと適合できるガスであることができる。いくつかの実施形態では、乾性ガスパージ320a−dは、液体が存在しない流動床プロセス中の所定箇所、例えば、流動床圧力容器302の出口から取り出される循環ガスであることができる。一実施形態では、この乾性ガスは、流動床圧力容器に物質を循環させている圧縮器の下流から(ただし、凝縮が生じ得る循環ガス冷却器の前)取り出される。いくつかの実施形態では、乾性ガスパージ320a−dは、このプロセスに対して不活性なもの、例えば、重合プロセスにおける窒素であることができる。
【0087】
実施形態のいずれかでは、上記乾性ガスパージを運搬容器314a−dの下部に供給することができる。存在するあらゆる液体の排除を促進するために、乾性ガスパージ(図示しない)を、このプロセスにおける任意の好適な工程の間に、好ましくは固形物を沈殿容器307a−dから運搬容器314a−dに移している間に、又は均等化工程中に、運搬容器314a−dに供給することができる。
【0088】
さらに図3を参照すると(図4も参照)、実施形態のいずれかでは、沈殿容器307a−d,407a−dの少なくとも2個を互いに流体連通させる横つなぎ管312ab,bc,cd,ac,bd,ad,412a−dを備えることができる。いくつかの実施形態では、複数の横つなぎ管312ab,bc,cd,ac,bd,ad,412a−dは、複数の沈殿容器307a−d,407a−dを互いに流体連通させる。複数の横つなぎ管312ab,bc,cd,ac,bd,ad,412a−dは、沈殿容器307a−d,407a−d間にガスが流れるのを可能にする。横つなぎ弁313ab,bc,cd,ac,bd,ad,413ab,cdは、横つなぎ管312ab,bc,cd,ac,bd,ad,412a−dを通した流体(典型的には反応器ガス混合物)の横つなぎ流れを制御する。図に示すように、横つなぎ管312ab,bc,cd,ac,bd,ad,412a−dは、通気管路309a−d,409a−dから延びている;しかしながら、当業者であれば、横つなぎ管312ab,bc,cd,ac,bd,ad,412a−dは、該複数の沈殿容器307a−d,407a−dのそれぞれの間でガスが流れることができる限り、通気管路309a−d,409a−dとは独立していてよいことが分かるであろう。好ましい一実施形態では、横つなぎ管は、自己排出性である。いくつかの好ましい実施形態では、横つなぎの流速は、沈殿容器307a−d,407a−d中で固体物質が流動せず、固体粒子の過度の持ち出しが生じ得るように制限される。この制限は、オリフィス、合流/分岐流れノズルにより又は流れ制御型の横つなぎ弁313ab,bc,cd,ac,bd,ad,412a−dを使用することによって行うことができる。流れ制御型横つなぎ弁は、例えば、弁軸が回転して弁を開くに従い変化する流れ領域を有することができる。いくつかの実施形態では、流れ制御型の弁は、例えば、偏心プラグ回転弁、Vボール弁、バタフライ弁、又は弁を開いたときに開口領域を徐々に増加させかつ流速を制御するように設計された他の弁であることができる。流れ制御型の横つなぎ弁を使用することによって、横つなぎ管を介した最初の流れを横つなぎ弁が最初に開いたとき(容器間の圧力差が最も高いとき)に制限することができる。この圧力差は時間と共に低下する。流れ制御型弁を開き続けると、弁の流れ領域が増大するので、圧力差が低下しても高い流速を維持することが可能になる。従来技術のシステムでは、固定された流れ制限装置を使用していたため、容器間の圧力差が低下すると横つなぎ流れが劇的に落ち込んでいた。
【0089】
いずれかの実施形態では、下部横つなぎを設けてこのシステムのガス効率を改善させることもできる。固形物を運搬容器314a−d,414a−dに移した後に、満たされた運搬容器314a−d,414a−dを空の運搬容器(1個以上の)314a−d,414a−dで均等にすることによって、ガス部分を運搬容器314a−d,414a−d内の固形物の上にある間隙及び任意の自由空間から除去する。下部横つなぎ管326ab,bc,cd,ac,bd,ad,434a−dは、少なくとも2個運搬容器314a−d,414a−dを流体連通させて、当該容器間にガスが流れるのを可能にする。下部横つなぎ弁328ab,bc,cd,ac,bd,ad,428ab,cdは、運搬容器314a−d,414a−d間の流れを制御する。例えば、下部横つなぎ管326abは第1運搬容器314aを第2運搬容器314bに流体連通させ、第1下部横つなぎ弁328abはこれら2個の容器間のガス流れを制御する。これらの実施形態のいずれかでは、該下部横つなぎ弁328ab,bc,cd,ac,bd,ad,428ab,cdは、上記のような流れ制御型横つなぎ弁であることもできる。
【0090】
横つなぎ流れによる固体粒子の持ち出しにより、固体粒子、例えば重合体粒子が横つなぎ管312ab,bc,cd,ac,bd,ad,412a−d内に残存する可能性が生じる。横つなぎ管312ab,bc,cd,ac,bd,ad,412a−d内に残された反応性の粒子は反応し続け、それにより操作上の問題が生じる可能性がある。特に、当該管中に残された重合体粒子は、吐出サイクルの間に重合し、横つなぎ管312ab,bc,cd,ac,bd,ad,412a−dを詰まらせる可能性がある。しかしながら、この吐出サイクルの時間が短ければ、反応の続行により凝集が生じるリスクは低いし、またこれらの横つなぎを、沈殿容器307a−d,407a−d内での物質の即座の流動化による迅速な運搬及びその結果として受入沈殿容器への持ち出しが生じるように設計することもできる。
【0091】
さらに図3を参照すると(図4も参照)、固形物は、運搬容器314a−d,414a−dから下流の受入容器(図示しない)に運搬ライン315a−d,415a−dを介して移される。それぞれの運搬容器314a−d,414a−dは、下流の処理装置に至るそれぞれの運搬ライン315a−d,415a−dを有することができる。いずれかの実施形態では、任意の数の運搬容器314a−d,414a−dが共通の運搬ライン(図示しない)を共有する。後者の実施形態では、それぞれの沈殿容器は、運搬の間に開く主出口弁310a−d,410a−dをそれぞれ有する。
【0092】
さらに図3を参照すると、任意の粒状固体運搬方法を使用することができるが、好ましい一方法は、運搬補助ガスライン324a−dを介して供給され、かつ、運搬補助弁325a−dによって制御される運搬補助ガスを使用する。この運搬補助ガスは、好ましくは沈殿容器307a−dの下部に注入される。この運搬補助ガスは、好ましくは不活性の乾性ガスパージ、再循環ガス、窒素又は排気回収といった下流の操作からの副産物ガスである。
【0093】
さらに図3を参照すると(図4も参照)、一実施形態は、沈殿容器307a−d,407a−dと、流動床圧力容器を該沈殿容器に流体連通させる吐出管306a−d,406ab、cdと、該流動床圧力容器から該吐出管を経て該沈殿容器に至る流動混合物の吐出流を制御する吐出弁308a−d,408ab、cdと、該沈殿容器から固体粒子を受け取る運搬容器314a−d,414a−dと、該沈殿容器と該運搬容器との間にあり、該沈殿容器から該運搬容器への運搬流れを制御する切替弁318a−d,418a−dと、該運搬容器からの該流動混合物の出口流れを制御する主出口弁310a−d,410a−dと、該主出口弁のほかに、該運搬容器からの該流動混合物の出口流れを制御する副出口弁319a−d,419a−dと、吐出システムにおける異常状態を検出する手段と、該異常状態の検出に基づき該副出口弁を閉じる手段とを備える吐出システムを提供する。
【0094】
異常状態は、運搬容器から下流の受入容器への流れの終了を是認する任意の状態であることができる。異常状態は、例えば、高圧、激しい流れ、高温又は低温、容器の高い応力、不正確な弁の位置又は不正確なアクチュエータの位置であることができる。いくつかの実施形態では、副出口弁は、通常は開いている弁であることができる。いくつかの実施形態では、副出口弁は、異常状態検出の約5秒以内又は約2.5秒以内に閉じる。
【0095】
異常状態を検出するための手段は、監視のために選択されたパラメーターを検出するための当業者に周知の任意の方法であることができる。異常状態を検出するための手段は、例えば、自動化制御システムと、プロセスパラメーターの状態を検出するための装置とを含むことができる。いくつかの実施形態では、異常状態を検出する手段は、例えば、圧力検出装置、流れ検出装置、 温度検出装置、容器応力検出装置、弁位置検出装置又は弁アクチュエータ位置検出装置からのシグナルを受信する自動化制御システムを含むことができる。
【0096】
異常状態の検出に基づいて副出口弁319a−d,419a−dを閉じる手段は、異常状態が起こる時期を決定するためにプロセスを解析し、自動化弁を閉じるためのシグナルを送信する、当業者に周知の任意の手段であることができる。いくつかの実施形態では、異常状態の検出に基づいて該副出口弁319a−d,419a−dを閉じる手段としては、プロセスパラメーター、例えば、圧力、流れ、温度、容器の応力、弁の位置又は弁アクチュエータの位置を監視する自動化制御システムを挙げることができ、これは、プロセスパラメーターが許容できる値をはずれた時点を決定することができ、また副出口弁319a−d,419a−dに閉じるためのシグナルを与える。先に議論したように、ここで図示した全ての弁は自動作動弁である。したがって、ここで使用するときに、副出口弁319a−d,419a−dとは、弁/アクチュエータの組合せをいう。
【0097】
ここで図4を参照すると、いくつかの実施形態では、流動床圧力容器402と複数の沈殿容器407a−dとの連結並びに複数の沈殿容器407a−d間の連結を、図3に示した実施形態と比較して減少させることができる。特に、複数の沈殿容器407a−dの少なくとも2個は、吐出管406ab,cdと1個の主吐出弁408ab,cdとを共有することができる。複数の沈殿容器407a−dを少なくとも何組かにグループ化すると、流動床圧力容器402から固形物を運搬するのに必要な連結の数が減る。さらに、副吐出弁416a−dを加えて、流動床圧力容器402と個々の沈殿容器407a−dとの間の固形物の流れを制御することができる。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも2個の副吐出弁416a−bと少なくとも2個の沈殿容器407a−bとを備えることができ、ここで、それぞれの副吐出弁407a−bは、沈殿容器407a−bのうちの1個への流れを制御し、また、1個の主吐出弁408ab,cdは、当該1個の主吐出弁408ab,cdが少なくとも2個の副吐出弁416a−bと共に少なくとも2個の沈殿容器407a−dのそれぞれへの吐出流を制御するように、少なくとも2個の副吐出弁416a−d及び少なくとも2個の沈殿容器407a−dと流体連通した状態にある。要するに、少なくとも2個の沈殿容器407a−dは、1個の主吐出弁408ab,cdを介して流動床圧力容器402に流体連通する。
【0098】
さらに図4を参照すると、流動床圧力容器402と沈殿容器407a−dとの間でガスを運搬するために必要な連結数を減らすために、本発明のいくつかの実施形態は、少なくとも2個の通気管路409a−dを互いに結びつけて、共通する通気管路426ab,cd及び1個の主通気弁411ab,cdを介したプロセス流れのルートにする。いくつかの実施形態では、1個の主通気弁411ab,cdと直列に少なくとも2個の副通気弁427a−dが存在してもよい。したがって、例えば、流動床圧力容器402と沈殿容器407aとの間を流れる流体のために、主通気弁411abと1個の副通気弁427aの両方を開けておかなければならないが、他方の副通気弁427bは閉じる。つまり、本発明のこの実施形態は、少なくとも2個の副通気弁427a−d及び少なくとも2個の沈殿容器407a−dを備え、ここで、それぞれの副通気弁427a−dは、流動床圧力容器402の上部と1個の沈殿容器407a−dとの間の通気流れを制御し、また、1個の主通気弁411ab,cdは、1個の主通気弁411ab,cdが少なくとも2個の副通気弁427a−dと共に流動床圧力容器402の上部と少なくとも2個の沈殿容器407a−dのそれぞれとの間の通気流れを制御するように、少なくとも2個の副通気弁427a−d及び少なくとも2個の沈殿容器407a−dと流体連通した状態にある。いくつかの実施形態では、共通する通気管路426ab,cd中の任意の固定粒子を流動床圧力容器402に掃引するための通気管路パージ429ab,cd及び通気管路パージ弁424ab,cdをさらに備える。通気管路パージガスは、新たな単量体供給物、不活性供給物、又は再循環コンプレッサ(図示しない)、下端部又は他の圧力源の排出に由来する再循環ガス流れであることができる。
【0099】
さらに図4を参照すると、沈殿容器407a−d間のガスを運搬するのに必要な連結の数を減らすために、いずれかの実施形態では、吐出システム401は、マルチポート弁である横つなぎ弁413ab,cdを備えることができる。該マルチポート横つなぎ弁413ab,cdは、少なくとも3個の沈殿容器407a−d間の流れを制御し、それによってその間でガスを運搬することを可能にすることができる。図4に示すように、第1マルチポート横つなぎ弁413abは、第1沈殿容器407aと第2沈殿容器407bとの間の流れを制御することができ、該第1沈殿容器407a又は第2沈殿容器407bから第3沈殿容器407c又は第4沈殿容器407dへの流れを第2マルチポート横つなぎ弁413cdへの連結により制御することができる。該マルチポート弁413ab,cdは、沈殿容器407a−dのいずれかの間でガスを運搬させるように配置できる。この実施形態は、4個の沈殿容器407a−d及び2個のマルチポート横つなぎ弁413ab,cdを有する吐出システム401を例示するものであるが、沈殿容器の数及びマルチポート弁の数は、様々な吐出システムによって適宜変更できることが理解できるであろう。例えば、4個の容器が1個のマルチポート横つなぎ弁413ab,cdで連結された別の吐出システム又は任意の数の容器が任意の数のマルチポート横つなぎ弁で連結された別の吐出システムが予想できる。さらに、該マルチポート横つなぎ弁413ab,cd上のポートの数は、所定の実施形態では、単一のマルチポート横つなぎ弁413ab,cdが任意の数の沈殿容器からの通気通路を受容することができるように変更できる。
【0100】
さらに図4を参照すると、運搬容器414a−d間のガスを運搬するのに必要な連結の数を減らすために、いずれかの実施形態では、吐出システム401は、マルチポート弁である下部横つなぎ弁428ab,cdを備えることができる。この下部マルチポート横つなぎ弁428ab,cdは、少なくとも3個の運搬容器414a−dからの流れを制御し、それによってその間でガスを運搬するのを可能にすることができる。図4に示すように、第1下部マルチポート横つなぎ弁428abは、第1運搬容器414aと第2運搬容器414bとの間の流れを制御することができ、また、第1運搬容器414a又は第2運搬容器414bから第3運搬容器414c又は第4運搬容器414dに向かう流れを第2下部マルチポート横つなぎ弁428cdへの連結を介して制御することができる。該下部マルチポート横つなぎ弁428ab,cdは、 運搬容器414a−dのいずれか2個間のガスを運搬させるように配置できる。この実施形態は、4個の運搬容器414a−d及び2個の下部マルチポート横つなぎ弁428ab,cdを有する吐出システム401を例示するものであるが、運搬容器の数及び下部マルチポート横つなぎ弁428ab,cdの数は、様々な吐出システムによって適宜変更できることが分かるであろう。
【0101】
再度図4を参照すると、一実施形態では、平行に配置された少なくとも3個の沈殿容器407a−dと、流動床圧力容器402を少なくとも3個の沈殿容器407a−dの少なくとも1個に流体連通させる吐出管406ab,cdと、流動床圧力容器402から吐出管406ab,cdを経て少なくとも3個の沈殿容器407a−dの少なくとも1個に至る流動混合物の吐出流を制御する主吐出弁408ab,cdと、流動床圧力容器402の上部と少なくとも3個の沈殿容器407a−dの少なくとも1個とを流体連通させる通気管路409a−dと、通気管路409a−dを介した通気流れを制御する主通気弁411ab,cdと、少なくとも3個の沈殿容器407a−dを流体連津させる少なくとも3個の横つなぎ管412a−dと、少なくとも3個の横つなぎ管412a−dを介した横つなぎ流れを制御する、マルチポート弁である横つなぎ弁413ab,cdと、少なくとも3個の沈殿容器407a−dと流体連通した少なくとも3個の運搬容器414a−dと、少なくとも3個の沈殿容器407a−dと少なくとも3個の運搬容器414a−dとの間にあり、少なくとも3個の沈殿容器407a−dから少なくとも3個の運搬容器414a−dへの複数の運搬流れを制御する少なくとも3個の切替弁418a−dと、少なくとも3個の容器407a−dの少なくとも2個を流体連通させる下部横つなぎ管434a−dと、下部横つなぎ管434a−dを介した下部横つなぎ流れを制御する下部横つなぎ弁428ab,cdと、少なくとも3個の運搬容器414a−dからの流動混合物の複数の出口流れを制御する少なくとも3個の主出口弁410a−dとを備える。
【0102】
別の実施形態では、吐出システムは、少なくとも3個の下部横つなぎ管434a−dを備え、ここで、当該下部横つなぎ弁428ab,cdは、少なくとも3個の下部横つなぎ管を介した下部横つなぎ流れを制御するマルチポート弁434a−dである。
【0103】
再度図4を参照すると、いくつかの実施形態では、吐出システムは、少なくとも4個の沈殿容器407a−dと、少なくとも4個の横つなぎ管412a−dと、少なくとも4個の横つなぎ管412a−dの第1及び少なくとも4個の横つなぎ管412a−dの第2を含む第1セットの横つなぎ管と、少なくとも4個の横つなぎ管412a−dの第3及び少なくとも4個の横つなぎ管412a−dの第4を含む第2セットの横つなぎ管と、少なくとも2個のマルチポート弁413ab,413cdであって、該第1セットの横つなぎ管を該第2セットの横つなぎ管に流体連通させるものとを備えることができる。
【0104】
再度図4を参照すると、別の実施形態では、吐出システムは、少なくとも4個の運搬容器414a−dと、少なくとも4個の下部横つなぎ管434a−dと、少なくとも4個の下部横つなぎ管434a−dの第1及び少なくとも4個の下部横つなぎ管434a−dの第2を含む第1セットの下部横つなぎ管と、少なくとも4個の下部横つなぎ管434a−dの第3及び少なくとも4個の下部横つなぎ管434a−dの第4を含む第2セットの下部横つなぎ管と、該第1セットの下部横つなぎ管を該第2セットの下部横つなぎ管に流体連通させる少なくとも2個の下部マルチポート弁428ab,cdとを備えることができる。
【0105】
ここで図5を参照すると、本発明の実施形態に従う吐出システムのための操作順序が示されている。吐出システムは、7工程のいずれかの間で連続的に交替できる。以下の実施形態は、7つの操作工程を提供するものであるが、所定の吐出システムの要件に応じて、一方の吐出システムは7未満の操作工程を有するのに対し、他方の吐出システムは7を超える操作工程を有することが分かるであろう。
【0106】
概して、図5は、1セットの排出容器(例えば第1沈殿容器と第1運搬容器)が1サイクルの間に受けることができる操作工程を説明するものである。特に、一つのサイクルは、沈殿容器510を満たし、沈殿容器520を均等にし、固形物を運搬容器530に移し、沈殿容器540を再度均等にし、運搬容器550を均等にし、運搬容器560を空にし、そして運搬容器570を再度均等にすることを含む。明らかに、均等化及び再均等化工程のいくつかを省いてサイクル時間を短くすることができる。例えば、沈殿容器均等化工程520を省いてもよいが、この場合には、沈殿容器再均等化工程540は存在しないであろう。
【0107】
さらに図5を参照すると、一実施形態は、次の工程:複数の沈殿容器及び複数の運搬容器を備える吐出システムを準備し、ここで、少なくとも3個の沈殿容器の少なくとも1個は円錐形上端部を有し;(510)該複数の沈殿容器のうち第1沈殿容器を流動床圧力容器からの混合物で満たし、ここで、該混合物は、固形物と加圧ガスとを含み;(520)該第1沈殿容器を均等化し、この際、加圧ガスの第1部分を該第1沈殿容器から該複数の沈殿容器のうち該第1沈殿容器以外の少なくとも1個に移し;(530)該固形物と加圧ガスの第2部分とを該第1沈殿容器から第1運搬容器に移し;(550)該第1沈殿容器を再度均等化し、この際、戻り加圧ガスを該複数の沈殿容器のうち該第1沈殿容器ではない少なくとも1個から該第1沈殿容器に移し;(540)該第1運搬容器を第2運搬容器で均等化し、この際、該加圧ガスの第3部分を該第1運搬容器から該複数の運搬容器のうち該第1運搬容器ではない少なくとも1個に移し;(560)該第1運搬容器を空にし;そして、(570)該第1運搬容器を再度均等化し、この際、戻り運搬ガスを該複数の運搬容器のうち該第1運搬容器ではない少なくも1個から該第1運搬容器に移すことを含む流動床圧力容器から固形物を取り出す方法を提供する。
【0108】
図5の工程及び図3の実施形態を参照すると、第1沈殿容器307a及び第1運搬容器314aがこのサイクルを経る方法が例示されている。まず、上記のように、タンク充填工程510の間に、主吐出弁308aと主通気弁311aとを開き、固体/気体混合物を第1沈殿容器307aに流入させることができる。充填工程510の完了後に、主吐出弁308aと主通気弁311aとを閉じる。
【0109】
沈殿容器均等化工程520中に、加圧ガスの第1部分を該第1沈殿容器から該複数の沈殿容器のうち該第1沈殿容器以外の少なくとも1個に移す。例えば、第1横つなぎ弁313abを開き、該第1沈殿容器307aと第2沈殿容器307bとを流体連通させることができる。気体は、該第1沈殿容器307aの高い圧力から第2沈殿容器307bの低い圧力に流れる。該第1沈殿容器の減圧により、第2沈殿容器307bは、固形物がないため多くのガスを含有することができ、また、第1沈殿容器307aは、そのガス容量の一部分がその容器中に含まれる固形物によって排除される。この第1減圧後に、第2横つなぎ弁313acを開いて第1沈殿容器307aと第3沈殿容器307cとを流体連通させることによって第3沈殿容器307cで均等化させることにより沈殿容器307aをさらに減圧することができる。気体は、第1沈殿容器307aの高い圧力から第2沈殿容器307cの低い圧力に向かって流れる。この方法は、吐出システムに収容される沈殿容器の数に応じて、任意の回数繰り返すことができる。すなわち、沈殿容器の均等化は、該第1沈殿容器を複数の沈殿容器(第1沈殿容器ではない)に流体連通させる複数の減圧工程を含むことができる。
【0110】
所定の実施形態では、第1沈殿容器307a及び第2沈殿容器307bを均等化させるときに、固形物で満たされた第4沈殿容器307dと空の第3沈殿容器307cとの間で均等化を行うことができる。
【0111】
この順序の例の説明を続けると、沈殿容器均等化工程520後に行う固形物の運搬容器への移動工程530の間に、第1切替弁318aを開いて固形物を第1沈殿容器307aから第1運搬容器314aに落とす。第1下部通気弁330aを開いてガスを第1運搬容器314aから第1沈殿容器307aに再度排出させる。この加圧ガスの第2部分は、固形物を伴って沈殿容器307aから第1運搬容器314aに運ばれ得る。固形物の運搬容器への移動工程530が完了した後に、第1切替弁318a及び第1下部通気弁330aを閉じ、そしてこのサイクルは運搬容器均等化工程540及び沈殿容器再均等化工程550を続行する(当該工程を少なくとも部分的に同時に行うことができる)。
【0112】
運搬容器均等化工程540の間に、加圧ガスの第3部分を第1運搬容器314aから該複数の運搬容器の少なくとも1個(第1運搬容器ではない)に移す。例えば、第1運搬容器314a及び第2運搬容器314bを連結させて、第1下部横つなぎ弁328abを開くことができる。ガスは、高い圧力の第1運搬容器314aから低い圧力の第2運搬容器314bに流れる。この第1減圧後に、運搬容器314aは、第1運搬容器314aと第3運搬容器314cを連結して第2下部横つなぎ弁328acを開くことにより第3運搬容器314cと均等化することでさらに減圧できる。吐出システム内に収容される運搬容器の数に応じてこのプロセスを任意の回数繰り返すことができる。例えば、運搬容器の均等化は、該第1運搬容器を該第1運搬容器ではない複数の運搬容器に流体連通させる複数の減圧工程を含むことができる。
【0113】
沈殿容器再均等化工程550の間に、該第1沈殿容器307aは、該第1沈殿容器ではない複数の沈殿容器307b−dの少なくとも1個から再度加圧される。例えば、横つなぎ弁313abを開いて、予め固体粒子が充填されかつ高圧の第2沈殿容器307bから第1沈殿容器307aに戻り加圧ガスを流すことができる。沈殿容器再均等化工程550の間に、該第1沈殿容器307aを空にし、第2沈殿容器307bを粒状固体で満たされた状態及び比較的高圧の状態にすることができる。つまり、第1沈殿容器307aは沈殿容器再均等化工程550中にあり、第2沈殿容器307bは沈殿容器均等化工程520中にあることができる。沈殿容器再均等化工程550中に、吐出システム内に収容される沈殿容器の数に応じてこれらの再加圧工程を任意の回数繰り返すことができる。例えば、沈殿容器再均等化工程550は、該第1沈殿容器を該第1沈殿容器ではない複数の沈殿容器に流体連通させる複数の再加圧工程を含むことができる。
【0114】
本願で使用するときに、「加圧」又は「再加圧」とは、 ある容器から別の容器にガスの一部を移すことをいう。圧力を容器間で実質的に均等にすることができ、或いは、制御弁(横つなぎ弁313ab,bc,cd,ac,bd,ad又は下部横つなぎ弁328ab,bc,cd,ac,bd,ad)を閉じてから圧力を2個の容器間で均等にすることができる。
【0115】
運搬容器を空にする工程560は、固形物の運搬容器への移動工程530の後に行い、また、運搬容器均等化工程540の後に行ってもよい。続いてその例を示すと、運搬容器を空にする工程560の間に、主出口弁310aを開いて固形物及びあらゆる残留ガスを下流の容器に運ぶことができる。システムが副出口弁319aを備える場合には、運搬を可能にするためにこの弁も開かなければならない。空にする工程560によって、圧力は、流動床圧力容器302中の圧力よりも実施的に低いレベルにまで減少している。これらの固形物に吸収される揮発性物質は、圧力が各工程で減少したため急速に蒸発した可能性がある。つまり、この急速蒸発の物質は、移動ガスとして他の容器に回収されていた可能性がある。こうして、第1運搬容器314aは、吐出システム301からの気体又は液体の取り出しを最小限にして固形物を空にすることができる。
【0116】
さらに図5及び3を参照すると、一方のセットの吐出容器を空にする工程560と一部同時に、他方のセットの吐出容器を満たすことができる。例えば、第1沈殿容器307aは空にされつつあると同時に、第3運搬容器314cは満たされつつある。
【0117】
空にする工程の間に、第1運搬容器314aを吐出システム301内にある他の容器から隔離する。第1運搬容器314aを空にすると同時に、第1主吐出弁308aを閉じ、第1切替弁318aを閉じ、第1運搬容器314aを他の運搬容器314b,c,dに流体連通させる全ての下部横つなぎ弁328ab,bc,cd,ac,bd,adを閉じることができ、主出口弁310aを開き、固体/気体混合物を吐出システムから排出させることができる。固体/気体混合物が吐出システムから出るときに、その固体を下流の容器に移すことができる。第1運搬容器314aが空になっている間に、対応する第1沈殿容器307aは、別の沈殿容器307b,c,又はdから気体を受け取っていることができることに留意すべきである。
【0118】
例示を続けると、第1運搬容器314aを空にした後に、第1運搬容器314aを運搬容器再均等化工程570で再度加圧する。この工程の間に、第1運搬容器314aは、該第1運搬容器(314b−d)ではない複数の運搬容器の少なくとも1個から再加圧される。例えば、第1運搬容器314aは、第1下部横つなぎ弁328abを開くことによって第2運搬容器314bから再加圧を受けることができる。運搬容器再均等化工程570中に、第1運搬容器314aは空であり、しかも第2運搬容器314bは粒状固体で満たされかつ中程度の圧力の状態にあることができる。つまり、第1運搬容器314aが沈殿容器再均等化工程570中にあると共に、第2運搬容器314bは運搬容器均等化工程540中にあることができる。運搬容器再均等化工程570中に、吐出システム内に収容される運搬容器の数に応じてこれらの再加圧工程を任意の回数繰り返すことができる。例えば、運搬容器再均等化工程570は、該第1運搬容器を該第1運搬容器ではない複数の運搬容器に流体連通させる複数の再加圧工程を含むことができる。
【0119】
上記の実施形態では、工程510〜570の完了時に、当該プロセスを繰り返すことができる。つまり、続いて主通気弁311aと主吐出弁308aとを開くことができ、そして第1沈殿容器307a内のガスを流動床圧力容器302に押し戻す。
【0120】
本発明では、2、3、4個以上の沈殿容器307a−dを有する吐出システムを含めて任意の数の沈殿容器307a−dを利用することができる。さらに、容器充填工程、容器均等化工程、容器を空にする工程及び容器再均等化工程は、開示した吐出システムを実施する方法の例示の一つであることを考慮すべきである。当業者であれば自明だと思われるが、例えば、操作順序を変更し、追加の複数の操作を加え又は吐出システムを拡大する別の実施方法が予測できる。
【0121】
ここで、図5の工程及び図4の実施形態を参照すると、いくつかの実施形態では、2個以上の沈殿容器407a−d及び1個のマルチポート横つなぎ弁413ab,cdを備えることができる。充填工程510の完了後に、第1沈殿容器407aは、沈殿容器均等化工程520に入る。例えば、この工程の間に、第1沈殿容器407a内の圧力は、第1マルチポート横つなぎ弁413abを調整して第1沈殿容器407aと第2沈殿容器407bとを流体連通させることによって第2沈殿容器407bで均等化できる(図5に示すように充填工程の後に行う)。所定の実施形態では、沈殿容器407a内の圧力は、第1マルチポート横つなぎ弁413abを調整して第1沈殿容器407aと第3沈殿容器407c及び/又は第4沈殿容器407dとを流体連通させることによってさらに均等化できる。
【0122】
上記工程の別の実施形態では、第1マルチポート横つなぎ弁413abは、第1減圧工程の間に閉じたままであることができ、それによって第1沈殿容器407a及び第2沈殿容器407bを吐出システム401の他のものから隔離することができる。その後、第1副通気弁427a及び第2副通気弁427bを開いて第1沈殿容器407aと第2沈殿容器407bとの間でガスを流れさせることができる。
【0123】
さらに図5及び図4を参照すると、いくつかの実施形態では、2個以上の運搬容器414a−dと、1個の下部マルチポート弁428ab,cdとを備えることができる。これらの実施形態では、運搬容器均等化工程560は、第1下部マルチポート横つなぎ弁428abを調整して第1運搬容器414aと第2運搬容器414bとを流体連通させることを伴う。所定の実施形態では、運搬容器414a内の圧力は、第1下部マルチポート横つなぎ弁428abを調整して第1運搬容器414aと第3運搬容器414c及び/又は第4運搬容器414dとを流体連通させることによる均等化を通してさらに低下できる。
【0124】
同様に、第1運搬容器414aは、第1下部マルチポート横つなぎ弁428abを使用して第1運搬容器414aと第2運搬容器414bとを流体連通させる運搬容器再均等化工程570において再加圧される。所定の実施形態では、運搬容器414a内の圧力は、第1下部マルチポート横つなぎ弁428abを調整して第1運搬容器414aと第3運搬容器414c及び/又は第4運搬容器414dとを流体連通させることによる再均等化を通してさらに上昇できる。
【0125】
さらに図4を参照すると、充填工程後に固形物で満たされていない弁中の容量は、上記のような副吐出弁416a−dを設け、そして吐出管のクリーンガス掃引工程(図5には示していない)を加えることで最小化できる。吐出管のクリーンガス掃引工程は、次の工程:充填工程後に主吐出弁408ab,cd及び主通気弁411ab,cdを閉じ;充填工程後に、短時間中断して通気管路409a−d及び吐出管406ab,cd内に閉じこめられた樹脂を沈殿容器407a−dに再度沈殿させ;該中断工程後に副吐出弁416a−d及び副通気弁427a−dを閉じ;そして主吐出弁408ab,cd、主通気弁411ab,cd、クリーンガスパージ弁422ab,cd及び通気管路パージ弁424ab,cdを、副吐出弁416a−dを閉じた後に開いて、パージガスにより吐出管406ab,cd及び共通する通気管路426ab,cd掃引してこれらの管からいかなる残留固体粒子も取り除くことを含む。ここで使用するときに、短時間中断するとは、約1秒〜約1分、より好ましくは約1〜約15秒、より好ましくは約1〜約5秒間中断することを意味する。これらの弁は開けたままであってもよいし、又はパージガスの使用を最低限に抑えるために、管のパージが完了したときに閉じてもよい。いくつかの実施形態では、それぞれの沈殿容器407a−dが1個の通気管路パージ及び通気管路パージ弁を有するのに対し、他の実施形態では、少なくとも2個の沈殿容器が単一の通気管路パージ429ab,cd及び通気管路パージ弁424ab,cdを有する。
【0126】
他の実施形態では、主吐出弁408ab,cdは、充填工程の終了時に閉じておき、副吐出弁416a−dは、固形物の少なくとも一部分を運搬容器414a−dに移すまで開けたままにする。これにより、副吐出弁416a−dのボール内に閉じこめられているどんな固形物も沈殿容器407a−dに落下すると同時に、固形物が運搬容器414a−dに移動するのが可能になる。この実施形態では、副吐出弁416a−dは、運搬容器414a−dへの移動が始まった後、短時間で閉じる。
【0127】
本願の上記実施形態では、上記工程510〜570の完了時に、当該プロセスを繰り返すことができる。さらに、容器充填工程、容器減圧工程、容器を空にする工程及び容器再加圧工程は、開示した吐出システムを実施する方法の例示であることを考慮すべきである。当業者であれば自明だと考えられるが、例えば、操作順序を変更し、複数の操作を加え又は吐出システムを拡大する別の実施方法を予測することができる。
【0128】
上記吐出システムから分かるように、吐出システム内の各沈殿容器は、様々な工程において所定回数使用できる。操作工程間の重複が多ければ多いほど、吐出弁のサイクル時間が速くなる。つまり、所定の実施形態では、それぞれの沈殿容器を、吐出システム内の他の沈殿容器の少なくとも1個の特定の操作工程に相当する操作工程で使用できることが予測できる。
【0129】
高圧ガスを流動床圧力容器から典型的には運搬容器の下流に位置した下部圧力定格容器である受入容器に通さないようにすることが望ましい。したがって、本願の方法のいずれかの実施形態では、流動床圧力容器と下流の容器との間で閉じる少なくとも2個の弁が常に存在することを確保するために、適所に論理工程が存在し得る。ここで使用するときに、受入容器とは、任意の運搬容器の下流にある任意の容器のことであることができる。
【0130】
図3及び4を参照すると、ここで説明するいずれかの実施形態では、吐出システムは、副出口弁319a−d,419a−dを備えることができ、方法は、異常状態が検出されたときに副出口弁319a−d,419a−dを自動的に閉じる工程を含むことができる。異常状態は、運搬容器から下流の受入容器に向かう流れを停止させるのを是認する任意の状態であることができる。異常状態は、例えば、高圧、激しい流れ、高温又は低温、高い容器応力、不正確な弁の位置又は不正確なアクチュエータの位置であることができる。いくつかの実施形態では、副出口弁319a−d,419a−dは、通常は開いている弁であることができる。いくつかの実施形態では、副出口弁319a−d,419a−dは、異常状態の検出の約5秒又は約2.5秒以内に閉じることができる。
【0131】
したがって、一実施形態は、次の工程:吐出管と、沈殿容器と、吐出弁と、運搬容器と、切替弁と、主出口弁と、副出口弁とを備える吐出システムを準備し;該沈殿容器に流動床圧力容器からの混合物を充填し、ここで、該混合物は、固形物と加圧ガスとを含み;該固形物と加圧ガスの一部分とを該沈殿容器から該運搬容器に移し;該運搬容器の内容物を受入容器に出して空にし;該吐出システムを異常状態に関して自動化制御システムで監視し;そして、異常状態が検出されたときに該副出口弁を自動的に閉じることを含む流動床圧力容器から固形物を取り出す方法を提供する。
【0132】
この方法のいつくかの実施形態では、単列の吐出容器の充填工程及び当該容器を空にする工程は、少なくとも一部同時に行う。図3を参照すると、「単列の吐出容器」とは、沈殿容器307a−dと、当該沈殿容器307a−dから固形物を受け取る、関連する運搬容器314a−dとを意味する。例えば、沈殿容器307aと運搬容器314aとは、「単列の吐出容器」である。当業者であれば、これは、単列の吐出容器である沈殿容器307a−dと運搬容器314a−dとを一部同時に満たしかつ空にする場合には、流動床圧力容器302と、運搬容器314a−dの下流にある受入容器(図示しない)との間の1個だけの弁を閉じることを意味することが分かるであろう。例えば、第1沈殿容器307aを満たすと同時に第1運搬容器314aを空にする場合には、流動床圧力容器302と受入容器との間にある第1切替弁318aのみを閉じる。該吐出システムを異常状態に関して自動化制御システムで監視し、そして、異常状態が検出されたときに副出口弁を自動的に閉じることで、 流動床圧力容器302から受入容器に直接高圧ガスと固形物とを吹き込む(これは、受入容器に過剰な圧力又は他の有害な状態をもたらす可能性がある)ことに対する二次的な保護が得られる。
【0133】
いくつかの実施形態では、異常状態が検出され、そして副出口弁319a−dを異常状態が生じてから約10秒又は約5秒以内に閉じる。実施形態のこの部類のいずれかでは、異常状態は、例えば、高圧、激しい流れ又は吐出システム内の不正確な弁の位置であることができる。
【0134】
当業者であれば、それぞれのタンクについて減圧工程及び再加圧工程の数を増やすと、吐出システムの効率が向上し得ることを十分に理解できる。追加の減圧工程及び再加圧工程を加えることによって、空にする前に気体及び気体/液体の回収率を増加させる可能性が増す。つまり、当該吐出システムは、ガスの回収率がさらに高く、原料の損失が少ない可能性がある。
【0135】
また、当業者であれば、吐出システムのガス効率が、充填工程後に固形物では満たされない吐出システムの弁内容量を最小にすることによって改善することが分かるであろう。ここで使用するときに、容器の弁内容量とは、容器の容量と、該容器に流体連通した、第1自動閉鎖弁に至るまでの関連の配管の容量とを合算したものをいう。
【0136】
ここで説明する方法及び装置を使用して、ガス効率が改善した生成物吐出システムを与えることができる。本発明のいずれかの実施形態では、吐出される固体粒子の容量は、沈殿容器の実量の少なくとも95%、98%又は100%であることができる。いずれかの実施形態では、吐き出される固体粒子の容量は、弁内容量の約90%、95%又は約100%を超えることができる。
【0137】
ここでは本願の実施形態について説明しているが、当業者であれば、本願発明に従う任意の吐出システム及び方法は、圧力容器から固形物を除去するための既存の吐出システムに後付できることが分かるであろう。例えば、別の一実施形態では、ここで開示した吐出システム及び吐出方法は、複数の機能、例えば上で議論したマルチポート弁を備えるように既存の吐出システムを改造することにより、既存の吐出システムに適用できる。
【0138】
さらに、いくつかの実施形態では、固形物除去能力の高いものが望ましい。本願の吐出システムの実施形態は、1個以上の容器を少なくとも一部同時に充填すると共に、1個以上の容器を少なくとも一部同時に放出して実施できる。いくつかの実施形態では、ガス回収効率は、固形物の除去速度を増加させるという利益のために均等化工程の回数を減らすことによって減少し得る。
【0139】
追加の利点は、沈殿容器からの生成物落下の頻度を増加させることによって実現し得る。タンクの寸法は、再循環可能な物質を失うというリスクなしに生成物の落下間隔を最適化するように変更できる。さらに、さらに小さな弁及び配管を、さらに多くのタンクを有する吐出システムに使用することができるが、それによって、吐出システムを設置する初期コストだけでなく、保守及び交換にかかるコストも減少させることができる。
【0140】
さらに、追加の均圧化工程のため、本願の吐出システムのいくつかの実施形態は、吐出システムからの気体及び気体/液体混合物の損失を低減させることができる。所定の実施形態では、吐出システムは、現在の吐出システムに使用されている排出後ガス回収/再循環システムを取り外したものと同程度に効率的である。
【実施例】
【0141】
モデリング技術から導き出される例
本発明をその特定の実施形態と共に説明してきたが、先の説明は、本発明の範囲を例示するものであり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。他の側面、利点及び変更は、本発明が属する技術の分野において通常の知識を有する者であれば明白であろう。
【0142】
したがって、次の例は、当業者に本発明の化合物の作製方法及び使用方法の完全な開示及び説明を提供するものであり、本発明者が本発明であるとみなす範囲を限定することを意図するものではない。
【0143】
次の例は、モデリング技術から導き出されるものである。その実施は実際に達成されたが、本発明者は、M.P.E.P.§608.01(p)に準拠するように、必要に応じてこれらの例を過去形では記載していない。
【0144】
改良型生成物吐出システム(IPDS)を以下の例でシミュレートして、当該システムの吐出量及びガス効率に及ぼす円錐形上端部の潜在的効果を実証する。全ての例において、理想気体の法則が当てはまる。例1及び2は、22lbs/ft3(352kg/m3)の沈降嵩密度及び15.4lbs/ft3(247kg/m3)の流動化嵩密度を有する、0.918g/cc(918kg/m3)の密度の粒状樹脂の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いた操作に基づくものである。これらのLLDPEの例において、当該沈降物質における62%の空間((918−352)/918)及び流動化樹脂における73%の空間を想定する。LLDPEについての固相密度範囲は、典型的には、例えば、約910〜930kg/m3であり、気相方法における沈降嵩密度の範囲は、典型的には、例えば、約336〜431kg/m3である。流動化嵩密度は、典型的には、例えば、約208〜352kg/m3であるが、ただし、過剰に希釈される場合にはもっと低くてもよい。このことから、全ての場合において、流動化〜沈降〜固相間の空隙容量には実質的な差異があることが分かる。しかしながら、ここでの例は、本発明が全ての生成物に対して価値を提供することができることを示すものである。
【0145】
例3及び4は、29.5lbs/ft3(412kg/m3)の沈降嵩密度及び21lbs/ft3(336kg/m3)の流動化嵩密度を有する約0.948g/cc(948kg/m3)密度の粒状樹脂の高密度ポリエチレン(HDPE)を用いる操作に基づく。これらの例は、例えば約0.930〜約0.980kg/m3の密度範囲を有し得るHDPEにも適用できる結果を与える。沈降嵩密度は、例えば、約352〜486kg/m3の範囲にあることができるのに対し、流動化嵩密度は、約208〜352kg/m3の間であることができる。
【0146】
全ての例のシミュレーションは、2セットの吐出容器、つまり、沈殿容器の横つなぎ及び運搬容器の横つなぎによる「複数の列」に基づく。沈殿容器は、169.6ft3(4.802m3)の容量を有すると想定され、 しかも8インチ(0.20メートル)の複数の入口及び12インチ(0.30メートル)の複数の出口を備えるものであると想定される。これらの運搬容器は、12インチ(0.30メートル)の複数の入口及び8インチ(0.20メートル)の複数の出口を有する、沈殿容器と同じ容量であると想定される。樹脂充填容量は、容器を満たす樹脂の容量が粒状樹脂の35°の静止角によって制御されるという理想仮定に基づく。粒状樹脂は、静止角よりも小さい角度で沈降するが、この角度は、当該装置の吐出量と効率の理論的変化を示すために比較目的で使用する。
【0147】
LLDPE及びHDPEについてのシミュレーションを事例A〜Fで示す。事例A(ベースラインの事例)については、次の工程:充填し;運搬容器を他の運搬容器で均等化し;運搬容器に移し、運搬容器を他の運搬容器で均等化し、そして沈殿容器を他の沈殿容器から再均等化し;運搬容器を空にし;そして運搬容器を他の運搬容器から再均等化することを前提として、沈殿容器と運搬容器の両方に楕円形上部を有するIPDSについて、その吐出量をシミュレートする。続いて、充填容量について円錐形上端部及び理論静止角を用いて同一のサイクル工程を使用する事例Bに関する吐出量をシミュレートする。システムの吐出量に及ぼす理論的影響を、LLDPE及びHDPEについてそれぞれ表1及び3に示す。事例A及びBにおいては、IPDSが流動床圧力容器の側面と同一平面に固定された通気管路の頂部に位置する主通気管を使用することを想定するものである。事例A及びBにおいて、全弁内容量は、169.6ft3(4.802m3)の沈殿容器及び24.3ft3(0.688m3)の配管容量に基づき約193.9ft3(5.490m3)であると算出される。
【0148】
事例Cでは、円錐形上端部、沈殿容器の25フィート(7.6メートル)以内に位置した下部通気弁を有するIPDSについて結果をシミュレートする。この場合には、同一の169.6ft3(4.80m3)の沈殿容器容量を使用するが、ただし配管容量を15.7ft3(0.445m3)にまで減らし、全弁内容量を約185.3ft3(5.247m3)にする。
【0149】
事例Dでは、円錐形上端部と、沈殿容器の25フィート(7.6メートル)以内に位置した下部通気弁と、流れ制御型横つなぎ弁とを有するIPDSを想定して結果をシミュレートする。この場合には、弁内容量を、185.3ft3(5.247m3)であると想定する。というのは、 流れ制御型の横つなぎ弁を加えても装置の容量に影響はないからである。
【0150】
事例Eでは、円錐形上端部と、沈殿容器の25フィート(7.6メートル)以内に位置した下部通気弁と、流れ制御型横つなぎ弁と、自動化副出口弁とを有するIPDSを想定して結果をシミュレートする。自動化副出口弁を使用すると、理論上、単列の沈殿容器を同時に満たすと共に単列の運搬容器を安全に空にすることによって吐出量の増加が得られる。つまり、吐出容器を満たすための時間は、当該システムの全サイクル時間には加えない。
【0151】
事例Fでは、円錐形上端部と、流れ制御型横つなぎ弁と、自動化副出口弁と、2個の通気弁(主及び副)であって該主通気弁が反応器ノズル部に又はその付近に位置し、副通気弁が沈殿容器の38.5フィート(11.7メートル)以内に位置したものとを有するIPDSについての結果をシミュレートするものである。
【0152】
例1
例1は、LLDPEポリエチレンの製造について本発明の改良を使用して理論上得ることができる吐出量の増加を示すものである。表1から分かるように、事例Bの円錐形上端部は、楕円形上端部を使用したシステムよりも多くの落下当たりの樹脂を取り出すため、約8%の吐出量増加を可能にする。
【表1】

【0153】
表1に示すように、事例Cの下部通気弁は、事例Bよりもわずかに小さい落下寸法をもたらすが、これは、円錐形上端部のみを使用する場合よりもわずかに低い吐出量をもたらす。
【0154】
事例Dについての吐出量の改善(流れ制御型横つなぎ弁を加える)は、事例Aの112%であると実証された。これに対し、通気弁の位置が同じ事例Cについては105%である。この利益は、均等化の流速を高いレベルに維持することにより均等化が速く起こるために得られる。沈殿容器のための均等化工程は、流れ制御型横つなぎ弁については約12秒以内に完了するのに対し、標準的な横つなぎ弁については22秒で完了する。運搬容器についての均等化時間は、流れ制御型横つなぎ弁が約13秒であるのに対し、標準的な横つなぎ弁が19秒であると推定される。これは、事例Aの約222秒から事例Dの207秒までIPDSの理論上の全サイクル時間を短縮する。表1に示すように、サイクル時間が短ければ、時間当たりの落下も多い。つまり、事例Aの1時間毎の吐出量の約112%の1時間毎吐出量が得られる。
【0155】
事例Eについて、全サイクル時間は、事例Aの約222秒から約175秒まで短縮できる。表1に示すように、サイクル時間が短ければ、時間当たりの落下も多い。つまり、事例Aの1時間毎吐出量の約132%である1時間毎吐出量が得られる。
【0156】
事例Fでは、副通気弁の前に主通気弁を閉じ、通気管路内に含まれる流動化樹脂を沈殿容器又は付属の配管に沈降させ、そして落下寸法を事例Eの1,802kgから1,862kgにまで増加させる。副通気弁を閉じた後に、弁内容量は、事例Eと変わらない。表1に示すように、落下寸法が大きいと、LLDPEの1時間毎の吐出量が事例Aのそれの約136%まで増加する。
【0157】
例2
LLDPEポリエチレン製造についての生成物吐出システム効率に及ぼす円錐形上端部の理論効果も上記の想定を使用してシミュレートすることができる。LLDPEについてのIPDS効率に及ぼす本発明の様々な特徴の効果を表2に示す。
【表2】

【0158】
表2に示すように、事例B(円錐形上端部)についての充填効率は、理論上、事例Aにおける89.5%から96.2%まで増加する。ここで使用するときに、樹脂充填効率とは、落下当たりの沈降樹脂の容量を弁内容量(上記明細書中で定義した)で割ったもののことである。ガス容量とは、樹脂粒子間及び該樹脂上にある空間内のガス容量のことである。ガス回収%とは、楕円形上端部を有するIPDSの基礎事例と比較したときの、IPDS中に保持されているガスの量のことである。正味ガス損失とは、運搬タンクを空にしたときに下流の受入容器に粒状樹脂と共に移動するガスの量(落下当たり又は樹脂1kg当たりの)のことである。ガス損失vs.事例Aは、事例Aの楕円形上端部を有する基準IPDSと比較した、ガス損失の理論量を反映するものである。したがって、この例は、円錐形上端部の樹脂充填効率が楕円形上端部を有するシステムよりも6.7%も良好であり(7.5%の改善)、しかもガス損失が楕円形上端部を有するシステムよりも約17.6%少ない可能性があることを理論的に示すものである。
【0159】
次に、事例Cの下部通気弁を使用して理論上得ることができる効率の改善を決定した。通気弁を38.5フィート(11.7メートル)以内にまで低くすると、上で議論したように配管容量が減少し、それにより非充填容量が少なくなり、しかもそれに応じて効率が増加する。表2に示すように、通気弁を低くすると、97.5%の樹脂充填効率が得られる。これに対し、円錐形上端部のみを有するシステムでは樹脂充填効率は96.2%である。ガス損失は、理論上、20.4%の損失改善を示すのに対し、円錐形上端部のみを有するシステムでは17.6%の改善である。
【0160】
次に、事例Fの2個の通気弁を使用して理論上得ることができる効率の改善をシミュレートする。主通気弁と副通気弁を使用すると、同一の弁内容量内に含まれる樹脂が多くなる。表2に示すように、これは、事例C〜Eの97.5%から98.3%まで充填空間のパーセンテージを増加させる。さらに、ガス損失は減少する。すなわち、理論上、22.3%の損失改善を示す。これに対し、1個のみの下部通気弁では20.4%の損失改善である。
【0161】
例3
例3は、HDPEポリエチレン製造について、ここで説明した実施形態の改善を用いて理論上得ることができる吐出量の向上を示すものである。システムの吐出量に及ぼす理論上の効果を、上記事例A〜Eのそれぞれについて表3に示している。表3から分かるように、事例Bの円錐形上端部は、理論上、楕円形上端部を使用するシステムよりも落下当たりの樹脂を多く取り出すため、HDPEについて約8%の吐出量の増加(基礎事例の108%)をもたらす。
【表3】

【0162】
LLDPEの例と同様に、事例Cは、HDPEについての落下寸法が事例Bよりもわずかに小さいが、これは、円錐形上端部のみを使用する場合よりもわずかに少ない吐出量をもたらす。
【0163】
事例Dでは、流れ制御型横つなぎ弁を加える利益は、事例Aの112%であるのに対し、事例Cでは106%であるとシミュレートされることである。この利益は、均等化の流速をさらに高いレベルに維持すると、均等化がさらに速く生じるため、さらに大きくなる。沈殿容器のための均等化工程は、流れ制御型横つなぎ弁について約14秒以内に完了すると想定されるのに対し、標準的な横つなぎ弁を有する既存のシステムについては26秒であると想定される。運搬容器についての均等化時間は、流れ制御型横つなぎ弁については約13秒であると想定されるのに対し、現在の設計の横つなぎ弁については17秒であると想定される。これは、事例Aの約225秒から事例Dの209秒までIPDSの全サイクル時間を短縮する。表3に示すように、サイクル時間が短ければ、時間当たりの落下も多い。つまり、事例Aの1時間毎吐出量の約112%という1時間毎吐出量が得られる。
【0164】
事例Eでは、HDPEについての全サイクル時間は、理論上、事例Aの約225秒から事例Eの約177秒まで短縮できる。表3に示すように、サイクル時間が短ければ、時間当たりの落下も多い。つまり、事例Aの1時間毎吐出量の約132%という1時間毎吐出量が得られる。
【0165】
事例Fでは、落下寸法が、理論上、HDPEについて事例Eの2,419kgから2,501kgにまで増加する。表3に示すように、落下寸法が大きければ、事例Aの1時間毎吐出量が約136%まで増加する。
【0166】
例4
HDPEポリエチレン製造に関する生成物吐出システム効率に及ぼす円錐形上端部の効果も上記想定を使用してシミュレートすることができる。HDPEに関するIPDS効率に及ぼす本発明の様々な特徴の理論上の効果を表4に示す。
【表4】

【0167】
表4に示すように、HDPEについての充填効率は、理論上、楕円形上端部を使用した事例Aにおける89.7%から円錐形上端部を使用した事例Bの96.4%まで増加する。この例は、理論上、円錐形上端部を有するシステムの樹脂充填効率が楕円形上端部を有するシステムよりも6.7%も良好であり、楕円形上端部を有するシステムよりもガス損失が約23.8%少ない可能性があることを示している。
【0168】
次に、事例C(下部通気弁)を使用して理論上得ることができるHDPEに関する効率の改善をシミュレートする。通気弁を38.5フィート(11.7メートル)以内にまで低く設置すると、上で議論したように配管容量が減少するため、非充填容量が少なくなり、それに応じて効率が上昇する。表4に示すように、通気弁を低く設置すると、理論的には、97.6%の樹脂充填効率が得られるのに対し、円錐形上端部のみを有するシステムでは、96.4%の樹脂充填効率となる。ガス損失は、理論上、円錐形上端部のみを有するシステムが23.8%の損失改善であるのに対し、27.4%の損失改善を示すように好転する。
【0169】
次に、事例Fの2個の通気弁を使用して理論上得ることができる効率の改善をシミュレートする。表4に示すように、事例Fは、理論上、事例C〜Eの97.6%から98.2%まで充填空間のパーセンテージを増加させる。当該ガス損失は、理論上、事例Aに対して29.5%の損失改善を示すように好転する。
【0170】
特に示さない限り、「から本質的になる」という語句は、本明細書において具体的に言及されているかどうかを問わず、他の工程、要素又は材料が存在することを、当該工程、要素又は材料が本発明の基本的かつ新規な特徴に影響を及ぼさない限りにおいて除外するものではなく、さらに、使用する要素及び材料と通常関連のある不純物を除外するものではない。
【0171】
簡潔にするために、本明細書では所定の範囲しか明示的に開示されていない。しかしながら、任意の下限値からの範囲を任意の上限値と組み合わせて、明示的には規定されていない範囲を規定するすることだけでなく、任意の下限値からの範囲を任意の他の下限値と組み合わせて、明示的には規定されていない範囲を規定することができ、同様に、任意の上限値からの範囲を任意の他の上限値と組み合わせて、明示的には規定されていない範囲を規定することができる。さらに、所定の範囲内には、たとえ明示的に規定されていなくても、その端点間における全ての小数点又は個々の値が含まれる。したがって、全ての小数点又は個々の値は、任意の他の小数点若しくは個々の値又は任意の他の下限値若しくは上限値と共に、それ自体が、明示的に規定されていない範囲を規定するための下限値又は上限値としての役割を果たすことができる。
【0172】
全ての優先権書類は、援用が認められる全ての管轄について、当該開示が本発明の記載と一致する範囲内において参照により完全に援用するものとする。さらに、ここで引用した、試験手順、刊行物、特許文献、学術論文などの全ての書類及び文献も、援用が認められる全ての管轄について、当該開示が本発明の記載と一致する範囲において参照により完全に援用するものとする。
【0173】
多数の実施形態及び実施例を参照して本発明を説明してきたが、この開示の利益を得る当業者であれば、ここに開示したような本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、他の実施形態を想起できることが分かるであろう。
【符号の説明】
【0174】
102 流動床圧力容器
103 入口
104 ガス分配器
105 出口
106 吐出管
107 沈殿容器
108 主吐出弁
109 通気管路
110 主出口弁
111 主通気弁
114 運搬容器
117 クリーンガスパージ
118 切替弁
122 クリーンガスパージ弁
123 下部通気弁
201 楕円形上端部を有する沈殿容器
202 円錐形上端部を有する沈殿容器
203a 固形物監視装置
203b 固形物監視装置
205 通気管路
206 吐出管
208 吐出管弁
209 非充填空間
210a 固形物監視装置
210b 固形物監視装置
214 運搬容器
302 流動床圧力容器
306a 吐出管
307a 沈殿容器
308a 主吐出弁
309a 通気管路
310a 主出口弁
312a 横つなぎ管
313a 横つなぎ弁
314a 運搬容器
315a 運搬ライン
316a 副吐出弁
317a クリーンガスパージ
318a 切替弁
319a 副出口弁
320a 乾性ガスパージ
324a 運搬補助ガスライン
325a 運搬補助弁
326a 下部横つなぎ管
328a 下部横つなぎ弁
401 吐出システム
402 流動床圧力容器
406a 吐出管
408a 主吐出弁
409a 通気管路
407a 沈殿容器
411a 主通気弁
413a マルチポート横つなぎ弁
414a 運搬容器
416a 副吐出弁
418a 切替弁
424a 通気管路パージ弁
426a 通気管路
427a 副通気弁
428a 下部横つなぎ弁
429a 通気管路パージ
434a 下部横つなぎ管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出システムであって、
(a)円錐形上端部を有する沈殿容器と、
(b)流動床圧力容器を該沈殿容器に流体連通させる吐出管と、
(c)該流動床圧力容器から該吐出管を経て該沈殿容器に至る流動混合物の吐出流を制御する主吐出弁と、
(d)該沈殿容器と流体連通した運搬容器と、
(e)該沈殿容器と該運搬容器との間にあり、該沈殿容器から該運搬容器への運搬流れを制御する切替弁と、
(f)該運搬容器からの該流動混合物の出口流れを制御する主出口弁と
を備える吐出システム。
【請求項2】
前記運搬容器が円錐形上端部を備える、請求項1に記載の吐出システム。
【請求項3】
前記主吐出弁と直列に副吐出弁を備え、該主吐出弁及び該副吐出弁が前記流動床圧力容器と前記沈殿容器との間に位置し、しかも、該主吐出弁と該副吐出弁の両方が該沈殿容器に向かう吐出流を制御する、請求項1又は2に記載の吐出システム。
【請求項4】
少なくとも2個の副吐出弁及び少なくとも2個の沈殿容器を備え、ここで、それぞれの副吐出弁は1個の沈殿容器への流れを制御し、しかも1個の主吐出弁は、該1個の主吐出弁が該少なくとも2個の副吐出弁と共に該少なくとも2個の沈殿容器のそれぞれへの吐出流を制御するように、該少なくとも2個の副吐出弁及び該少なくとも2個の沈殿容器と流体連通した状態にある、請求項3に記載の吐出システム。
【請求項5】
次のもの:
(a)前記流動床圧力容器の上部と前記沈殿容器とを流体連通させる通気管路と、
(b)該通気管路を介した通気流れを制御する主通気弁と
を備える、請求項1〜4のいずれかに記載の吐出システム。
【請求項6】
前記主通気弁に加えて、該主通気弁と直列の副通気弁であって前記通気管路を介した通気流れを制御するものを備える、請求項5に記載の吐出システム。
【請求項7】
少なくとも2個の副通気弁と少なくとも2個の沈殿容器とを備え、ここで、それぞれの副通気弁は、前記流動床圧力容器の上部と1個の沈殿容器との間の通気流れを制御し、しかも、1個の主通気弁は、該1個の主通気弁が該少なくとも2個の副通気弁と共に該流動床圧力容器の該上部と該少なくとも2個の沈殿容器のそれぞれとの間の通気流れを制御するように、該少なくとも2個の副通気弁及び該少なくとも2個の沈殿容器と流体連通した状態にある、請求項6に記載の吐出システム。
【請求項8】
副出口弁を備え、前記主出口弁と該副出口弁の両方が前記運搬容器からの出口流れを制御する、請求項1〜7のいずれかに記載の吐出システム。
【請求項9】
次の手段:
(a)吐出システムにおける異常状態を検出する手段と、
(b)該異常状態の検出に基づき前記副出口弁を閉じる手段
を備える、請求項8に記載の吐出システム。
【請求項10】
前記異常状態を検出する手段が、自動化制御システムと、圧力、流れ、温度、容器の応力、弁の位置又はアクチュエータの位置を検出する手段とを含む、請求項9に記載の吐出システム。
【請求項11】
前記副出口弁を閉じる手段が自動化制御システムと前記副出口弁を閉じるシグナルとを含む、請求項9又は10に記載の吐出システム。
【請求項12】
前記副出口弁が通常開いている、請求項8〜11のいずれかに記載の吐出システム。
【請求項13】
前記副出口弁が前記異常状態の検出から約5秒以内又は約2.5秒以内に閉じる、請求項8〜12のいずれかに記載の吐出システム。
【請求項14】
沈殿容器が満たされた時点を検出する固形物監視装置を備える、請求項1〜13のいずれかに記載の吐出システム。
【請求項15】
前記沈殿容器又は前記運搬容器に供給される乾性ガスパージを含む、請求項1〜14のいずれかに記載の吐出システム。
【請求項16】
前記吐出管に供給されるクリーンガスパージを含む、請求項1〜15のいずれかに記載の吐出システム。
【請求項17】
次の工程:
(a)複数の沈殿容器及び複数の運搬容器を備える吐出システムを準備し、ここで、該複数の沈殿容器の少なくとも1個は円錐形上端部を備え;
(b)該複数の沈殿容器のうち第1沈殿容器に流動床圧力容器からの混合物を充填し、ここで、該混合物は、固形物と加圧ガスとを含み;
(c)該第1沈殿容器を均等化させ、この際、加圧ガスの第1部分を該第1沈殿容器から該複数の沈殿容器のうち該第1沈殿容器以外の少なくとも1個に移し;
(d)該固形物と加圧ガスの第2部分とを該第1沈殿容器から第1運搬容器に移し;
(e)該第1沈殿容器を再度均等化させ、この際、戻り加圧ガスを該複数の沈殿容器のうち該第1沈殿容器ではない少なくとも1個から該第1沈殿容器に移し;
(f)該第1運搬容器を第2運搬容器で均等化させ、この際、該加圧ガスの第3部分を該第1運搬容器から該複数の運搬容器のうち該第1運搬容器ではない少なくとも1個に移し;
(g)該第1運搬容器を空にし;そして
(h)該第1運搬容器を再度均等化させ、この際、戻り運搬ガスを該複数の運搬容器のうち該第1運搬容器ではない少なくも1個から該第1運搬容器に移すこと
を含む、流動床圧力容器から固形物を取り出す方法。
【請求項18】
複数の運搬容器の少なくとも1個が円錐形上端部を備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記準備した吐出システムが主出口弁と副出口弁とを備え、ここで、該副出口弁は、異常状態が検出されたときに自動的に閉じる、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
吐出管又は通気管路をクリーンガスパージする工程を含む、請求項17〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記複数の沈殿容器の少なくとも1個又は前記複数の運搬容器の少なくとも1個を乾性ガスパージする工程を含む、請求項17〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
吐出される固体粒子の容量が前記沈殿容器の実量の少なくとも100%である、請求項17〜21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
吐出される固体粒子の容量が前記第1沈殿容器の弁内容量の約90%を超える又は95%を超える、請求項17〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
吐出システムであって、
(a)平行に配置された少なくとも3個の沈殿容器と、
(b)該少なくとも3個の沈殿容器の少なくとも1個に流動床圧力容器を流体連通させる吐出管と、
(c)該流動床圧力容器から該吐出管を経て該少なくとも3個の沈殿容器の少なくとも1個に至る流動混合物の吐出流を制御する主吐出弁と、
(d)該流動床圧力容器の上部と該少なくとも3個の沈殿容器の少なくとも1個とを流体連通させる通気管路と、
(e)該通気管路を介した通気流れを制御する主通気弁と、
(f)該少なくとも3個の沈殿容器を流体連通させる少なくとも3個の横つなぎ管と、
(g)該少なくとも3個の横つなぎ管を通した横つなぎ流れを制御する、マルチポート弁である横つなぎ弁と、
(h)該少なくとも3個の沈殿容器と流体連通した少なくとも3個の運搬容器と、
(i)該少なくとも3個の沈殿容器と該少なくとも3個の運搬容器との間にあり、該少なくとも3個の沈殿容器から該少なくとも3個の運搬容器への複数の運搬流れを制御する少なくとも3個の切替弁と、
(j)該少なくとも3個の容器の少なくとも2個を流体連通させる下部横つなぎ管と、
(k)該下部横つなぎ管を介した下部横つなぎ流れを制御する下部横つなぎ弁と、
(l)該少なくとも3個の運搬容器からの該流動混合物の複数の出口流れを制御する少なくとも3個の主出口弁と
を備える吐出システム。
【請求項25】
前記横つなぎ弁又は前記下部横つなぎ弁が流れ制御型の弁である、請求項24に記載の吐出システム。
【請求項26】
前記横つなぎ弁又は前記下部横つなぎ弁が前記横つなぎ弁の軸の回転度に応じて変化し得る流れ領域を有する、請求項24又は25に記載の吐出システム。
【請求項27】
前記横つなぎ弁又は前記下部横つなぎ弁がVボール弁である請求項24〜26のいずれかに記載の吐出システム。
【請求項28】
前記横つなぎ管又は前記下部横つなぎ管には、前記横つなぎ弁以外の流れ制限装置が存在しない、請求項24〜27のいずれかに記載の吐出システム。
【請求項29】
吐出システムであって、
(a)平行に配置された複数の沈殿容器と、
(b)流動床圧力容器を該複数の沈殿容器の少なくとも2個に流体連通させる吐出管と、
(c)該流動床圧力容器から該吐出管を経て該複数の沈殿容器の少なくとも2個に至る流動混合物の吐出流を制御する1個の主吐出弁と、
(d)複数の副吐出弁であって、該複数の副吐出弁のそれぞれが該複数の沈殿容器の少なくとも1個への吐出流を制御するものと、
(e)該複数の沈殿容器と流体連通した複数の運搬容器と、
(f)該複数の沈殿容器と該複数の運搬容器との間にあり、該複数の沈殿容器から該複数の運搬容器への複数の運搬流れを制御する複数の切替弁と、
(g)該複数の運搬容器からの該流動混合物の複数の出口流れを制御する複数の主出口弁と
を備える吐出システム。
【請求項30】
次の構成:
(a)前記流動床圧力容器の上部と前記沈殿容器とを流体連通させる通気管路と、
(b)前記通気管路を介した通気流れを制御する主通気弁と
を備える、請求項29に記載の吐出システム。
【請求項31】
前記主通気弁のほかに、該主通気弁と直列の副通気弁であって、前記通気管路を介した通気流れを制御するものを備える請求項30に記載の吐出システム。
【請求項32】
少なくとも2個の副通気弁と少なくとも2個の沈殿容器とを備え、ここで、それぞれの副通気弁は、前記流動床圧力容器の上部と1個の沈殿容器との間の通気流れを制御し、しかも1個の主通気弁は、該1個の主通気弁が該少なくとも2個の副通気弁と共に該流動床圧力容器の該上部と該少なくとも2個の沈殿容器のそれぞれとの間の通気流れを制御するように、該少なくとも2個の副通気弁及び該少なくとも2個の沈殿容器と流体連通した状態にある、請求項31に記載の吐出システム。
【請求項33】
前記沈殿容器又は前記運搬容器に供給される乾性ガスパージを含む、請求項29〜32のいずれかに記載の吐出システム。
【請求項34】
吐出管に供給されるクリーンガスパージを含む、請求項29〜33のいずれかに記載の吐出システム。
【請求項35】
通気管路に供給されるクリーンガスパージを含む、請求項30〜34のいずれかに記載の吐出システム。
【請求項36】
吐出システムであって、
(a)第2沈殿容器と、
(b)該流動床圧力容器を該沈殿容器に流体連通させる吐出管と、
(c)該流動床圧力容器から該吐出管を経て該沈殿容器に至る流動混合物の吐出流を制御する吐出弁と、
(d)該沈殿容器から固体粒子を受け入れる運搬容器と、
(e)該沈殿容器と該運搬容器との間にあり、該沈殿容器から該運搬容器への運搬流れを制御する切替弁と、
(f)該運搬容器からの該流動混合物の出口流れを制御する主出口弁と、
(g)該主出口弁のほかに、該運搬容器からの該流動混合物の出口流れを制御する副出口弁と、
(h)該吐出システムにおける異常状態を検出する手段と、
(i)該異常状態の検出に基づき該出口弁を閉じる手段と
を備える吐出システム。
【請求項37】
前記異常状態を検出する手段が、自動化制御システムと、圧力、流れ、温度、容器の応力、弁の位置又はアクチュエータの位置を検出する手段とを含む、請求項36に記載の吐出システム。
【請求項38】
前記副出口弁を閉じる手段が、自動化制御システムと、前記副出口弁を閉じるシグナルとを含む、請求項36又は37に記載の吐出システム。
【請求項39】
前記副出口弁が通常開いている、請求項36〜38のいずれかに記載の吐出システム。
【請求項40】
前記副出口弁が異常状態の検出から約5秒以内又は約2.5秒以内に閉じる、請求項36〜39のいずれかに記載の吐出システム。
【請求項41】
次の工程:
(a)吐出管と、沈殿容器と、吐出弁と、運搬容器と、切替弁と、主出口弁と、副出口弁とを備える吐出システムを準備し;
(b)該沈殿容器に流動床圧力容器からの混合物を充填し、ここで、該混合物は、固形物と加圧ガスとを含み;
(c)該固形物と加圧ガスの一部分とを該沈殿容器から該運搬容器に移し;
(d)該運搬容器の内容物を受入容器に出して該運搬容器を空にし;
(e)該吐出システムを異常状態に関して自動化制御システムで監視し;そして
(f)異常状態が検出されたときに該副出口弁を自動的に閉じること
を含む、流動床圧力容器から固形物を取り出す方法。
【請求項42】
単列の吐出容器の前記充填工程と前記空にする工程とを少なくとも一部同時に行う、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記流動床圧力容器と前記受入容器との間に、工程(a)〜(d)のうちのいくらかの実施中に閉じる1個だけの弁が存在する、請求項41又は42に記載の方法。
【請求項44】
前記異常状態を検出し、そして前記副出口弁を該異常状態の出現の10秒以内又は約5秒以内に閉じる、請求項41〜43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
前記異常状態が高圧、激しい流れ又は前記吐出システム内の不正確な弁の位置である、請求項41〜44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
吐出システムであって、
(a)平行に配置された複数の沈殿容器と、
(b)該複数の沈殿容器の少なくとも1個に流動床圧力容器を流体連通させる吐出管と、
(c)該流動床圧力容器から該吐出管を経て該複数の沈殿容器の少なくとも1個に至る流動混合物の吐出流を制御する主吐出弁と、
(d)該複数の沈殿容器の少なくとも2個を流体連通させる横つなぎ管と、
(e)該横つなぎ管を介した横つなぎ流れを制御する横つなぎ弁であって、流れ制御型の弁であるものと、
(f)該複数の沈殿容器と流体連通した複数の運搬容器と、
(g)該複数の沈殿容器と該複数の運搬容器との間にあり、該複数の沈殿容器から該複数の運搬容器への運搬流れを制御する複数の切替弁と、
(h)該複数の運搬容器の少なくとも2個を流体連通させる下部横つなぎ管と、
(i)該下部横つなぎ管を介した下部横つなぎ流れを制御する下部横つなぎ弁と、
(j)該複数の運搬容器からの該流動混合物の複数の出口流れを制御する複数の主出口弁と
を備える吐出システム。
【請求項47】
前記下部横つなぎ弁が流れ制御型の弁である、請求項46に記載の吐出システム。
【請求項48】
前記横つなぎ弁又は前記下部横つなぎ弁が該横つなぎ弁の軸の回転度に応じて変化し得る流れ領域を有する、請求項46又は47に記載の吐出システム。
【請求項49】
前記横つなぎ弁又は前記下部横つなぎ弁が偏心プラグ回転弁、Vボール弁又はバタフライ弁である、請求項46〜48のいずれかに記載の吐出システム。
【請求項50】
前記横つなぎ管又は前記下部横つなぎ管には、前記横つなぎ弁以外の流れ制限装置が存在しない、請求項46〜49のいずれかに記載の吐出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−512983(P2010−512983A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532344(P2009−532344)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2007/019647
【国際公開番号】WO2008/045172
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(599168648)ユニベーション・テクノロジーズ・エルエルシー (70)
【Fターム(参考)】