説明

吸気ダクト構造及びその製造方法

【課題】
ダクト本体部に少なくとも1つのポーラス部を一体形成することで、構造が簡単で、しかもコスト低減を図ることができるうえ、ポーラス部により吸気騒音を全体的になますことができ、不快音の低減を図ることができる吸気ダクト構造の提供を目的とする。
【解決手段】
エアクリーナ1に空気を供給する吸気ダクト構造であって、吸気ダクト3は、中空状に形成された樹脂製のダクト本体部8と、ダクト本体部8の先端部に形成された空気吸入用の開口9を有する空気吸入部10と、ダクト本体部8に少なくとも1つ形成されると共に、多孔質材11を備えたポーラス部12とを有し、ポーラス部12はダクト本体部8と一体形成されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エンジンルーム内に配設されたエアクリーナに対して空気(フレッシエア)を供給するフレッシュエアダクトのような吸気ダクト構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、吸気音を低減させる手段としては消音用共鳴器としての吸気レゾネータが知られている。しかし、この吸気レゾネータは比較的大きい占有スペースを必要とする問題点があった。
【0003】
そこで、近年、特許文献1に開示されたような空気騒音低減装置とその製造方法が発明されている。
この特許文献1に開示されたものは、図40にその製造工程を示すように、まず工程Z1で、チューブを準備し、次の工程Z2で上記チューブに開口部を形成し、さらに次の工程Z3で、加熱接着や溶着などの手段を用いて、上記開口部を多孔質材で塞いで、ポーラス部を形成してエアダクトを構成するものである。
【0004】
このエアダクトを車両の吸気ダクトに適用すると、上述のポーラス部により吸気騒音を全体的になますことができ、このなましにより音圧レベルが高いピーク部分が平均化されるので、不快音の低減を図ることができる。しかも、上記ポーラス部はエアダクトそれ自体に一体的に貼着形成されるので、エンジンルーム内に別途占有スペースを必要とすることなく、吸気音低減手段として極めて有効である。
【0005】
しかし、この特許文献1に開示されたものは、エアダクトに開口部を穿設する工程Z2と、この開口部を多孔質材料で閉塞する工程Z3とを、それぞれ別々に行なうものであって、工程数が大となることは勿論、このような製造方法によって製造されたエアダクトは必然的にコスト高となる問題点があった。
【特許文献1】特開2000−310442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明は、ダクト本体部に少なくとも1つのポーラス部を一体形成することで、構造が簡単で、しかもコスト低減を図ることができるうえ、ポーラス部により吸気騒音を全体的になますことができ、不快音の低減を図ることができる吸気ダクト構造の提供を目的とする。
この発明はまた、パリソンをブロー成形することでポーラス部材を取付ける方法により、ブロー成形するだけで、ポーラス部が形成でき、製造工程の簡略化とコストダウンとの両立を図ることができるうえ、ポーラス部により吸気騒音を全体的になますことができ、不快音の低減を図ることができる吸気ダクトの製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による吸気ダクト構造は、エアクリーナに空気を供給する吸気ダクト構造であって、吸気ダクトは、中空状に形成された樹脂製のダクト本体部と、上記ダクト本体部の先端部に形成されたく空気吸入用の開口を有する空気吸入部と、上記ダクト本体部に少なくとも1つ形成されると共に、多孔質材を備えたポーラス部とを有し、上記ポーラス部はダクト本体部と一体形成されたものである。
【0008】
上述の吸気ダクトは、フレッシュエアダクトに設定してもよく、また、上述の多孔質材としては不織布を用いてもよい。
【0009】
上記構成によれば、空気吸入部を備え、かつ中空状のダクト本体部に少なくとも1つのポーラス部を一体形成したので、構造が簡単で、しかもコスト低減を図ることができるうえ、上述のポーラス部により吸気騒音を全体的になますことができ、この結果、不快音の低減を図ることができる。
【0010】
この発明の一実施態様においては、上記ポーラス部は多孔質材を補強する補強部を備えたものである。
上述の補強部は多孔質材を横断または縦断するものであってもよい。
上記構成によれば、多孔質材の配設部分はダクト本体部に対して強度が弱くなるが、この多孔質材を補強部にて補強するので、ダクト本体部の強度を確保することができる。
【0011】
この発明の一実施態様においては、上記補強部は網目状または格子状に形成されたものである。
上記構成によれば、網目状または格子状の補強部により、ポーラス性(多孔質形状)を阻害することなく、ポーラス部を補強することができる。
【0012】
この発明の一実施態様においては、上記補強部はダクト本体部より融点が高い材料で形成されたものである。
上記構成によれば、ダクト本体部の溶融温度により補強部が溶融することがないので、ポーラス部を補強部にて確実に補強することができる。
この発明の一実施態様においては、上記ポーラス部は多孔質材とダクト本体部の内周面とが面一になるように形成されたものである。
【0013】
上記構成によれば、ダクト本体部の内部の空気流速に対する悪影響を抑止することができる。
この発明の一実施態様においては、上記ポーラス部はダクト本体部の外周部より外方に膨出するように形成されたものである。
【0014】
上記構成によれば、外方に膨出する部分がリブとして作用するので、ダクト本体部の強度向上を図ることができる。
この発明による吸気ダクトの製造方法は、エアクリーナに空気を供給する吸気ダクトの製造方法であって、吸気ダクトの外形を形成すると共に、ポーラス形成部を有する型を準備する準備工程と、上記型のポーラス形成部に多孔質材を有するポーラス部材を配設する配設工程と、上記型内にパリソンを配設するパリソン形成工程と、上記パリソンをブロー成形することでポーラス部を取付けるポーラス部形成工程とを備えたものである。
【0015】
上述のパリソン(parison)とは、ブロー成形法において、ダイヘッドから押出される中空円筒状の溶融体を意味する。
上記構成によれば、準備工程で、吸気ダクトの外形を形成し、かつ、ポーラス形成部を有する型が準備され、上述の配設工程で、型のポーラス形成部に多孔質材を有するポーラス部材が配設され、上述のパリソン形成工程で、型内にパリソンが配設され、ポーラス部形成工程で、パリソンをブロー成形することによりポーラス部が取付けられる。
【0016】
このように、パリソンをブロー成形するだけで、ポーラス部が形成されるので、従来方法のように多孔質材料を加熱接着や溶着などの別工程により接合することが不要となり、製造工程の簡略化とコストダウンとの両立を図ることができ、しかも、ポーラス部により吸気騒音を全体的になますので、不快音の低減を図ることができる。
【0017】
この発明による吸気ダクトの製造方法は、また、エアクリーナに空気を供給する吸気ダクトの製造方法であって、吸気ダクトの外形を形成すると共に、ポーラス形成部を有する型を準備する準備工程と、上記型のポーラス形成部に多孔質材を有するポーラス部材を配設する配設工程と、上記型内にパリソンを配設するパリソン形成工程と、上記パリソンをブロー成形することでポーラス部を一体形成するポーラス部形成工程とを備えたものである。
【0018】
上記構成によれば、準備工程で、吸気ダクトの外形を形成し、かつ、ポーラス形成部を有する型が準備され、上述の配設工程で、型のポーラス形成部に多孔質材を有するポーラス部材が配設され、上述のパリソン形成工程で、型内にパリソンが配設され、ポーラス部形成工程で、パリソンをブロー成形することによりポーラス部が一体形成される。
【0019】
このように、パリソンをブロー成形するだけで、このブロー成形と同時に、ポーラス部が一体形成されるので、従来方法のように多孔質材料を加熱接着や溶着などの別工程により接合することが不要となり、製造工程の簡略化とコストダウンとの両立を図ることができ、しかも、ポーラス部により吸気騒音を全体的になますので、不快音の低減を図ることができる。
【0020】
この発明の一実施態様においては、上記ポーラス形成部は窪み部に設定されたものである。
上記構成によれば、型側のポーラス形成部を窪み部と成したので、該ポーラス形成部を簡単に形成することができ、製造後のポーラス部がダクト本体部の外周部より外方に膨出するので、この膨出部分がリブとして作用し、ダクト本体部の強度向上を図ることができる。
【0021】
この発明の一実施態様においては、上記窪み部は球面状に形成されたものである。
上記構成によれば、パリソンの樹脂がブロー成形時に略均一に伸びるので、適切なポーラス部を形成することができる。
この発明の一実施態様においては、上記ポーラス形成部は開口に設定されたものである。
【0022】
上記構成によれば、型側のポーラス形成部を開口と成したので、ブロー成形時に溶融樹脂を上記開口から型外に逃がすことができ、ポーラス部を簡単に製造することができる。
この発明の一実施態様においては、上記開口を複数を設け、複数の開口の配列により型側に網形状部または格子形状部が形成されたものである。
【0023】
上記構成によれば、ブロー成形時に溶融樹脂は上記複数の開口から型外に逃がされるが、網形状部または格子形状部に対応して、上述の溶融樹脂は多孔質材の内部に浸透するので、網形状部または格子形状部に相当した形状の補強部を容易に形成することができる。
【0024】
この発明の一実施態様においては、上記開口から溶融樹脂材を真空引きする真空引き工程を備えたものである。
上記構成によれば、開口から溶融樹脂材を真空引きするので、開口に対応する部分の樹脂を確実に取出すことができ、工程の短縮化を図ることができる。
この場合、開口対応部において型外に設けた多孔質層を介して真空引きすべく構成すると、型内に密着されるパリソン内部の圧力変動を抑制して、ヒケ発生を防止することができる。
【0025】
この発明の一実施態様においては、上記多孔質材に接触する網目状または格子状の補強部材を、多孔質材に先行して配設する補強部材配設工程を備えたものである。
【0026】
上記構成によれば、補強部材配設工程で、型のポーラス形成部に補強部材が配設されるので、多孔質材を補強部材にて簡単に補強することができる。
この発明の一実施態様においては、上記補強部材はパリソンより融点が高い材料で形成されたものである。
上記構成によれば、パリソンの溶融温度により補強部材が溶融することがないので、ポーラス部を補強部材にて確実に補強することができる。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、ダクト本体部に少なくとも1つのポーラス部を一体形成することで、構造が簡単で、しかもコスト低減を図ることができるうえ、ポーラス部により吸気騒音を全体的になますことができ、不快音の低減を図ることができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
構造の簡略化と低コスト化との両立を図り、しかも、ポーラス部により吸気騒音を全体的になますという目的を、エアクリーナに空気を供給する吸気ダクト構造において、吸気ダクトは、中空状に形成された樹脂製のダクト本体部と、上記ダクト本体部の先端部に形成された空気吸入用の開口を有する空気吸入部と、上記ダクト本体部に少なくとも1つ形成されると共に、多孔質材を備えたポーラス部とを有し、上記ポーラス部をダクト本体部と一体形成するという構成にて実現した。
【実施例】
【0029】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は吸気ダクト構造及びその製造方法を示すが、まず、図1を参照して吸気ダクトが用いられるエンジンルーム内のレイアウトについて説明する。
エアクリーナ1のエレメント上流側にはエアホース2を介して、吸気ダクト3(フレッシュエアダクト)を連通接続し、エレメント下流側にはエアフローセンサ4を介して、吸気通路5を連通接続して、この吸気通路5をエンジン6の吸気側のインテークマニホルド7に接続している。
【0030】
上述の吸気ダクト3はエアクリーナ1に空気(フレシュエア)を供給するものであって、この吸気ダクト3は、中空状に形成された樹脂製のダクト本体部8と、このダクト本体部8の先端部に形成された空気吸入用の開口9を有する空気吸入部10と、上述のダクト本体部8に少なくとも1つ形成されると共に、多孔質材11を備えたポーラス部12とを有し、このポーラス部12は後述するブロー成形によりダクト本体部8と一体形成されたものである。
【0031】
上述の吸気ダクト3の詳細構造の説明に先立って、まず、図2〜図10を参照して吸気ダクト3の製造方法について説明する。但し、図面の複雑化を回避するため、概略図を用いて説明する。
【0032】
図2は吸気ダクト3の製造方法を示す工程図であって、準備工程S1で、図3に示す如くブロー成形金型13(以下単に金型と略記する)を準備する。
【0033】
この金型13は型締め、型開き可能な一対の割型で構成されており、吸気ダクト3の外形に対応する形状面13a,13a(いわゆるキャビティ)と、ポーラス形成部としての凹状の窪み部14とを有する。
【0034】
一対の金型13,13の上部にはパリソンを押出すダイヘッド15を設ける一方、一対の金型13,13の下部には圧縮空気を吹込むノズル16(吹込みノズル)と、プリピンチ17とを設けている。
【0035】
次に配設工程S2で、図4に示すように、金型13のポーラス形成部としての窪み部14(凹部)に多孔質材11を有するポーラス部材12Aを配設する。
【0036】
このポーラス部材12Aとしては、この実施例においては不織布を用いる。
【0037】
次にパリソン形成工程S3で、図5に示すように、ダイヘッド15から溶融樹脂を押出して、一対の金型13,13内にパリソン18(parison、ダイヘッド15から押出される中空筒状の溶融体)を配設する。
【0038】
次にポーラス部形成工程S4で、図6、図7、図8に示すように、パリソン18をブロー成形することによりポーラス部材12Aをパリソン18に一体的に取付けて、ダクト本体部8にポーラス部12を一体形成する。
【0039】
すなわち、図6に示すように、プリピンチ17,17を近接移動させて、パリソン18の垂れ下がりを防止すると共に、パリソン18の下部開口からパリソン18内にノズル16を挿入し、次に、図7に示すように一対の金型13,13を型閉めし、この型閉め状態下においてノズル16から圧縮空気を吹込むブローを開始する。
【0040】
上述のノズル16からパリソン18内に圧縮空気が吹込まれると、図8に示すように、パリソン18は膨張して、金型13,13の形状面13a,13aに密着すると共に、窪み部14にポーラス部材12Aが配設された部分のパリソン18の肉厚が薄くなり、肉厚が薄くなることで、溶融樹脂がポーラス部材12Aを構成する不織布に浸透して、ポーラス部12が形成される。
【0041】
ポーラス部12の形成後において、パリソン18を冷却固化し、型開きを行なうと、図9、図10に示すような成形品19を取出すことができる。
この成形品19において上述のポーラス部12はダクト本体部8の外周部よりも外方に膨出するように形成されており、この膨出形状が補強用のリブとして作用するので、ダクト本体部8の強度確保を図ることができる。なお、成形品19の上下両端の不要部をトリミング手段にて除去すると、この成形品19はエアクリーナ1に対して空気を供給する中空状の吸気ダクト3となる。
【0042】
この中空状の吸気ダクト3に対するポーラス部12の形成構造は、図1で示したように、略円形または楕円形状のポーラス部12を1つのみ形成してもよく、図11に示すように円形の複数のポーラス部12をダクト本体部8に縦横に列状に形成してもよく、さらに、図12に示すように細長い方形状のポーラス部12をダクト本体部8の長手方向ほぼ全長にわたって周方向に複数配列形成してもよい。
【0043】
このように、図1〜図12で示した実施例の吸気ダクト構造は、エアクリーナ1に空気を供給する吸気ダクト構造であって、吸気ダクト3は、中空状に形成された樹脂製のダクト本体部8と、上記ダクト本体部8の先端部に形成された空気吸入用の開口9を有する空気吸入部10と、上記ダクト本体部8に少なくとも1つ形成される共に、多孔質材11を備えたポーラス部12とを有し、上記ポーラス部12はダクト本体部8と一体形成されたものである。
【0044】
この構成によれば、空気吸入部10を備え、かつ中空状のダクト本体部8に少なくとも1つのポーラス部12を一体形成したので、構造が簡単で、しかもコスト低減を図ることができるうえ、上述のポーラス部12により吸気騒音を全体的になますことができ、この結果、不快音の低減を図ることができる。
【0045】
また、上記ポーラス部12はダクト本体部8の外周部より外方に膨出するように形成されたものである。
この構成によれば、外方に膨出する部分が補強用のリブとして作用するので、ダクト本体部8の強度向上を図ることができる。
【0046】
さらに、図1〜図12で示した実施例の吸気ダクトの製造方法は、エアクリー
ーナ1に空気を供給する吸気ダクト3の製造方法であって、吸気ダクト3の外形を形成すると共に、ポーラス形成部(窪み部14参照)を有する金型13を準備する準備工程S1と、上記金型13のポーラス形成部(窪み部14)に多孔質材11を有するポーラス部材12Aを配設する配設工程S2と、上記金型13内にパリソン18を配設するパリソンの形成工程S3と、上記パリソン18をブロー成形することでポーラス部12を取付けるポーラス部形成工程S4とを備えたものである。
【0047】
この構成によれば、準備工程S1で、吸気ダクト3の外形を形成し、かつ、ポーラス形成部(窪み部14参照)を有する金型13が準備され、上述の配設工程S2で、金型13のポーラス形成部(窪み部14)に多孔質材11を有するポーラス部材12Aが配設され、上述のパリソン形成工程S3で、金型13内にパリソン18が配設され、ポーラス部形成工程S4で、パリソン18をブロー成形することによりポーラス部12が取付けられる。
【0048】
このように、パリソン18をブロー成形するだけで、ポーラス部12が形成されるので、従来方法のように多孔質材料を加熱接着や溶着などの別工程により接合することが不要となり、製造工程の簡略化とコストダウンとの両立を図ることができ、しかも、ポーラス部12により吸気騒音を全体的になますので、不快音の低減を図ることができる。
【0049】
また、上記実施例の吸気ダクトの製造方法は、エアクリーナ1に空気を供給する吸気ダクト3の製造方法であって、吸気ダクト3の外形を形成すると共に、ポーラス形成部(窪み部14参照)を有する金型13を準備する準備工程S1と、上記金型13のポーラス形成部(窪み部14)に多孔質材11を有するポーラス部材12Aを配設する配設工程S2と、上記金型13内にパリソン18を配設するパリソンの形成工程S3と、上記パリソン18をブロー成形することでポーラス部12を一体形成するポーラス部形成工程S4とを備えたものである。
【0050】
この構成によれば、準備工程S1で、吸気ダクト3の外形を形成し、かつ、ポーラス形成部(窪み部14参照)を有する金型13が準備され、上述の配設工程S2で、金型13のポーラス形成部(窪み部14)に多孔質材11を有するポーラス部材12Aが配設され、上述のパリソン形成工程S3で、金型13内にパリソン18が配設され、ポーラス部形成工程S4で、パリソン18をブロー成形することによりポーラス部12が一体形成される。
【0051】
このように、パリソン18をブロー成形するだけで、このブロー成形と同時に、ポーラス部12が一体形成されるので、従来方法のように多孔質材料を加熱接着や溶着などの別工程により接合することが不要となり、製造工程の簡略化とコストダウンとの両立を図ることができ、しかも、ポーラス部12により吸気騒音を全体的になますので、不快音の低減を図ることができる。
【0052】
さらに、上記ポーラス形成部は窪み部14に設定されたものである。
この構成によれば、金型13側のポーラス形成部を窪み部14と成したので、該ポーラス形成部を簡単に形成することができ、製造後のポーラス部12がダクト本体部8の外周部より外方に膨出するので、この膨出部分が補強用のリブとして作用し、ダクト本体部8の強度向上を図ることができる。
【0053】
図13〜図16は吸気ダクト構造及びその製造方法の他の実施例を示す。
この実施例においては金型13に形成されるポーラス形成部としての窪み部14を、凹状に窪む球面形状に形成(図13、図14参照)し、成形品19乃至吸気ダクト3において、図16に示すように、ポーラス部12の多孔質材11の内面と、ダクト本体部8の内周面とが面一(または略面一)になるように構成したものである。
【0054】
この実施例においても準備工程S1、配設工程S2、パリソン形成工程S3については先の実施例と同様であるが、この実施例においては金型13の球面状の窪み部14(球面凹部)に対応形状の多孔質材11を配設する。
【0055】
図13に示すポーラス部形成工程S4において、ノズル16からの圧縮空気をパリソン18内に吹込むと、このパリソン18は図13から図14に示すように、多孔質材11を有するポーラス部材12Aの配設部分において、その溶融樹脂がほぼ均一に延びると共に、この樹脂は多孔質材11に均等に浸透する。
【0056】
この結果、パリソン18の冷却固化後、金型13,13を型開きして、成形品19を取出すと、図16に示すように、多孔質材11の内面と、ダクト本体部8の内周面とが面一となる。
【0057】
このように図13〜図16で示した吸気ダクト構造においては、上記ポーラス部12は多孔質材11とダクト本体部8の内周面とが面一になるように形成されたものである。
【0058】
この構成によれば、ダクト本体部8の内部の空気流速に対する悪影響(吸気の乱れ)を抑止することができる。
また、図13〜図16で示した吸気ダクトの製造方法においては、上記窪み部14は球面状に形成されたものである。
【0059】
この構成によれば、パリソン18の樹脂がブロー成形時に略均一に伸びるので、適切なポーラス部12を形成することができ、図16に示すように多孔質材11とダクト本体部8の内周面とが面一になるように構成すると、このダクト本体部8を流通する吸気の乱れを防止することができる。
【0060】
このように構成しても、その他の構成、作用、効果については先の実施例と同様であるから、図13〜図16において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0061】
図17〜図20は吸気ダクト構造及びその製造方法のさらに他の実施例を示す。
【0062】
この実施例においては、図17に工程図で示すように、準備工程S1と多孔質材の配設工程S2との間に、上記多孔質材11に接触する網目状または格子状の補強部材20A(図18参照)を、多孔質材11に先行して配設する補強部材配設工程S5を備えたものである。
【0063】
ここで、上述の補強部材20Aはパリソン18を形成する樹脂よりも融点が高い材料を用いて形成する。例えば、パリソン18の材料としては融点が130℃のポリエチレンや、融点が160℃のポリプロピレン(いわゆるPP)を用い、補強部材20Aの材料としては融点が236℃のナイロン(ポリアミド)や、融点が240℃のポリエステル(いわゆるPET)を用いる。
【0064】
また、補強部材20Aとしては上述の材料の他に融点が222℃のポリアミド6、融点が262℃のポリアミド66、融点が295℃のポリアミド46を用いてもよい。
【0065】
この実施例においても、準備工程S1、配設工程S2、パリソン形成工程S3、ポーラス部形成工程S4については先の実施例と同様であるが、この実施例においては準備工程S1の次の補強部材配設工程S5で、ポーラス形成部としての窪み部14に相対的に高融点の補強部材20Aを配設する。
【0066】
この補強部材20Aとしては多孔質材11を縦横に横切る網目状または格子状のものを用いるが、ハニカム形状その他の形状であってもよい。
図18に示すポーラス部形成工程S4において、ノズル16からの圧縮空気をパリソン18内に吹込むと、このパリソン18は同図に示すように金型13,13の形状面13a,13aに密着し、窪み部14においてパリソン18の肉厚が薄くなり、肉厚が薄くなることで、その溶液樹脂が多孔質材11に浸透すると共に、補強部材20Aにも接着する。
【0067】
この結果、パリソン18の冷却固化後、金型13,13を型開きして、成形品19を取出すと、図19、図20に示すように、補強部20を備えたポーラス部12が一体形成される。
【0068】
このように図17〜図20で示した実施例の吸気ダクト構造においては、上記ポーラス部12は多孔質材11を補強する補強部20を備えたものである。
この構成によれば、多孔質材11の配設部分はダクト本体部8に対して強度が弱くなるが、この多孔質材11を補強部20にて補強するので、強度を確保することができる。
【0069】
また、上記補強部20は網目状または格子状に形成されたものである。
この構成によれば、網目状または格子状の補強部20により、ポーラス性(多孔質形状)を阻害することなく、ポーラス部20を補強することができる。
【0070】
しかも、上記補強部20はダクト本体部8より融点が高い材料で形成されたものである。
この構成によれば、ダクト本体部8の溶融温度により補強部20が溶融することがないので、ポーラス部12を補強部20にて確実に補強することができる。
【0071】
さらに、図17〜図20で示した実施例の吸気ダクトの製造方法においては、上記多孔質材11に接触する網目状または格子状の補強部材20Aを、多孔質材11に先行して配設する補強部材配設工程S5を備えたものである。
【0072】
この構成によれば、補強部材配設工程S5で、金型13のポーラス形成部(窪み部14参照)に補強部材20Aが配設されるので、多孔質材11を補強部材20Aにて簡単に補強することができる。
【0073】
また、上記補強部材20Aはパリソン18より融点が高い材料で形成されたものである。
この構成によれば、パリソン18の溶融温度により補強部材20Aが溶融することがないので、ポーラス部12を補強部材20Aにて確実に補強することができる。
【0074】
このように構成しても、その他の構成、作用、効果については先の実施例と同様であるから、図17〜図20において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0075】
図21〜図23は吸気ダクト構造及びその製造方法のさらに他の実施例を示す。
この実施例においては、図17〜図20で示した実施例と同様に、準備工程S1と多孔質材の配設工程S2との間に、上記多孔質材11に接触する網目状または格子状の補強部材20Aを、多孔質材11に先行して配設する補強部材配設工程S5を備えたものである。
【0076】
ここで、上述の補強部材20Aは、図17〜図20で示した実施例と同様にして、パリソン18を形成する樹脂よりも融点が高い材料を用いて形成する。例えば、パリソン18の材料としては融点が130℃のポリエチレンや、融点が160℃のポリプロピレン(いわゆるPP)を用い、補強部材20Aの材料としては融点が236℃のナイロンや、融点が240℃のポリエステル(いわゆるPET)を用いる。
【0077】
この実施例においても、準備工程S1、配設工程S2、パリソン形成工程S3、ポーラス部形成工程S4については先の実施例と同様であるが、この実施例においては準備工程S1の次の補強部材配設工程S5で、ポーラス形成部としての球面状に形成された窪み部14に相対的に高融点の補強部材20Aを配設する。
【0078】
この補強部材20Aとしては多孔質材11を縦横に横切る網目状または格子状の立体球面形状ものを用いるが、ハニカム形状その他の形状であってもよい。
【0079】
図21に示すポーラス形成工程S4において、ノズル16からの圧縮空気をパリソン18内に吹込むと、このパリソン18は同図に示すように金型13,13の形状面13a,13aに密着し、球面状の窪み部14においてパリソン18の肉厚が均一に薄くなり、肉厚が薄くなることで、その溶液樹脂が多孔質材11にほぼ均等に浸透すると共に、補強部材20Aにも接着する。
【0080】
この結果、パリソン18の冷却固化後、金型13,13を型開きして、成形品19を取出すと、図22、図23に示すように、補強部20を備えたポーラス部12が一体形成される。
【0081】
しかも、多孔質材11の内面と、ダクト本体部8の内周面とが面一になり、吸気ダクト3内を流通する吸気の乱れを防止することができる。
このように図21〜図23で示した実施例の吸気ダクト構造においても、上記ポーラス部12は多孔質材11を補強する補強部20を備えたものである。
【0082】
この構成によれば、多孔質材11の配設部分はダクト本体部8に対して強度が弱くなるが、この多孔質材11を補強部20にて補強するので、強度を確保することができる。
【0083】
また、上記補強部20は網目状または格子状に形成されたものである。
この構成によれば、網目状または格子状の補強部20により、ポーラス性(多孔質形状)を阻害することなく、ポーラス部20を補強することができる。
【0084】
しかも、上記補強部20はダクト本体部8より融点が高い材料で形成されたものである。
この構成によれば、ダクト本体部8の溶融温度により補強部20が溶融することがないので、ポーラス部12を補強部20にて確実に補強することができる。
【0085】
さらに、図21〜図23で示した実施例の吸気ダクトの製造方法においては、上記多孔質材11に接触する網目状または格子状の補強部材20Aを、多孔質材11に先行して配設する補強部材配設工程S5を備えたものである。
【0086】
この構成によれば、補強部材配設工程S5で、金型13のポーラス形成部(窪み部14参照)に補強部材20Aが配設されるので、多孔質材11を補強部材20Aにて簡単に補強することができる。
【0087】
また、上記補強部材20Aはパリソン18より融点が高い材料で形成されたものである。
この構成によれば、パリソン18の溶融温度により補強部材20Aが溶融することがないので、ポーラス部12を補強部材20Aにて確実に補強することができる。
【0088】
このように構成しても、その他の構成、作用、効果については先の実施例と同様であるから、図21〜図23において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0089】
図24〜図33は吸気ダクト構造及びその製造方法のさらに他の実施例を示す。但し、この実施例においても図2で示した工程図の製造方法により、吸気ダクト3を製造するものである。
【0090】
図2に示す工程図の準備工程S1で、図24に示す如く一対の金型13,13を準備する。
この金型13は型締め、型開き可能な一対の割型で構成されており、吸気ダクト3の外形に対応する形状面13a,13a(いわゆるキャビティ)と、ポーラス形成部としての複数の孔部21…とを備えている。
【0091】
図24のE−E線に沿う部分拡大断面図を図25に示すように、角形状の複数の孔部21を縦横に列状形成することで、金型13側には網形状部または格子形状部22を形成している。なお、孔部21の形状は角形に代えて丸型であってもよい。
【0092】
図24に示すように、一対の金型13,13の上部にはパリソンを押出すダイヘッド15を設ける一方、一対の金型13,13の下部には圧縮空気を吹込むノズル16(吹込みノズル)と、プリピンチ17とを設けている。
【0093】
次に配設工程S2で、図26に示すように、金型13のポーラス形成部(孔部21が形成された部分)に多孔質材11を有するポーラス部材12Aを配設する。このポーラス部材12Aとしては、先の実施例同様に不織布を用いる。
【0094】
次にパリソン形成工程S3で、図27に示すように、ダイヘッド15から溶融樹脂を押出して、一対の金型13,13内にパリソン18を配設する。
【0095】
次にポーラス部形成工程S4で、図28、図29、図30、図31に示すように、パリソン18をブロー成形することにより、ダクト本体部8にポーラス部12を一体形成する。
【0096】
すなわち、図28に示すように、プリピンチ17,17を近接移動させて、パリソン18の垂れ下がりを防止すると共に、パリソン18の下部開口からパリソン18内にノズル16を挿入し、次に、図29に示すように一対の金型13,13を型閉めし、この型閉め状態下においてノズル16からの圧縮空気を吹込むブローを開始する。
【0097】
上述のノズル16からパリソン18内に圧縮空気が吹込まれると、パリソン18は膨張して、図30の状態から図31に示すように、金型13,13の形状面13a,13aに密着すると共に、ポーラス部材12Aが配設された部分のパリソン18は、その溶融樹脂がポーラス部材12Aを構成する不織布に浸透し、孔部21と対応する部分の樹脂は金型13の外部に排出され、それ以外の部分すなわち図25で示した格子形状部22と対応する部分の樹脂は多孔質材11に確実に浸透し、これにより、ポーラス部12が形成される。
【0098】
ポーラス部12の形成後において、パリソン18を冷却固化し、型開きを行なうと、図32、図33に示すような成形品19を取出すことができる。
図32のF−F線矢視断面図を図33に拡大して示すように、上述の孔部21と、対応する部分11Aには多孔質材11が残り、図25で示した格子形状部22と対応する部分11Bは多孔質材11に樹脂が含浸固化した状態の補強部23となる。
【0099】
なお、成形品19の上下両端の不要部をトリミング手段に除去すると、この成形品19はエアクリーナ1に対して空気を供給する中空状の吸気ダクト3となる。
【0100】
このように図24〜図33で示した実施例の吸気ダクトの製造方法においては、上記ポーラス形成部は開口(孔部21参照)に設定されたものである。
【0101】
この構成によれば、金型13側のポーラス形成部を開口(孔部21)と成したので、ブロー成形時に溶融樹脂を上記開口から型外に逃がすことができ、ポーラス部12を簡単に製造することができる。
【0102】
しかも、上記開口(孔部21)を複数設け、複数の開口(孔部21)の配列により金型13側に網形状部または格子形状部22が形成されたものである。
この構成によれば、ブロー成形時に溶融樹脂は上記複数の開口(孔部21)から型外に逃がされるが、網形状部または格子形状部22に対応して、上述の溶融樹脂は多孔質材11の内部に浸透するので、網形状部または格子形状部22に相当した形状の補強部23を容易に形成することができる。
【0103】
なお、図24〜図33で示すこの実施例においても、その他の点については先の実施例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図24〜図33において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0104】
図34〜図36は吸気ダクトの製造方法のさらに他の実施例を示すものである。
【0105】
図34〜図36で示すこの実施例においては、ポーラス部形成工程S4(図2参照)中において、ポーラス形成部(開口)としての孔部21から溶融樹脂材を真空引きする真空引き工程(図35参照)を備えたものである。
【0106】
上述の真空引きを行なうため、孔部21が形成された金型13の外部には、真空引き用のノズル24を備えたシリンダ25を気密状に固定し、このシリンダ25の内部には多孔質層26を形成すると共に、上述のノズル24には真空吸引ポンプ(図示せず)の真空圧を付加すべく構成している。
【0107】
図36はエア吹込み用のノズル16からのブローと、真空引き用のノズル24からの真空引きとのタイミングを示すタイムチャートで、ポーラス部形成工程S4(図2参照)中における時点t0でノズル16からのエアブローを開始し、図34の状態から図35に示すようにパリソン18が一対の金型13,13の形状面13a,13aに確実に張り付いた時点t1において、ノズル24からの真空引きを開始し、所定時間が経過する時点t2まではエアブローと真空引きとを共に行ない、多孔質材11の格子形状部22(図25参照)に対応する部分に溶融樹脂を浸透させると共に、孔部21に対応する部分から溶融樹脂を排出(真空引き)して、これら複数の孔部21に対応する部分においては多孔質材11に樹脂が含浸しないように成す(いわゆる穴を開ける)。
【0108】
上述の時点t2でエアブローは終了するが、真空引きは時点t2から時点t3までの間、継続して実行し、孔部21に対応する多孔質材11の部分において開けた穴が閉塞しないように冷却するものである。図36において時点t0〜t1までの時間T1は1〜2秒程度、時点t2〜t3までの時間T2は1秒程度に設定される。
【0109】
この図34〜図36で示した製造方法による成形品19は図32、図33で示した構造とほぼ同等になるが、この実施例の場合には真空引き工程(図35参照)にてエアブローとオーバラップさせて真空引きを行なうので、孔部21と対応する部分11Aは多孔質材11のみで、樹脂の含浸が零または僅少であり、格子形状部22と対応する部分11Bは多孔質材11に樹脂が含浸し、かつ固化した補強部23がそれぞれ鮮明に形成される。
【0110】
このように、図34〜図36で示した実施例の吸気ダクトの製造方法においては、上記開口(孔部21参照)から溶融樹脂材を真空引きする真空引き工程(図35参照)を備えたものである。
【0111】
この構成によれば、開口(孔部21)から溶融樹脂材を真空引きするので、開口(孔部21)に対応する部分の樹脂を確実に取出すことができ、多孔質性(ポーラス性)の向上を図ることができると共に、工程の短縮化を図ることができる。
【0112】
この場合、開口(孔部21)対応部において金型13外部に設けた多孔質層26を介して真空引きすべく構成すると、金型13内に密着されるパリソン18内部の圧力変動を抑制して、ヒケ発生を防止することができる。
【0113】
図34〜図36で示した実施例においても、その他の構成、作用、効果については、図24〜図33で示した先の実施例と同様であるから、図34〜図36において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0114】
図37〜図39は吸気ダクトの製造方法のさらに他の実施例を示すものである。
この図37〜図39で示す実施例は、先に示した図24〜図33の実施例に対して図17の補強部材配設工程S5を組合わせたものである。
【0115】
すなわち、準備工程S1で、複数の孔部21を有する一対の金型13,13を準備し、次の補強部材配設工程S5で、ポーラス形成部としての孔部21の位置にパリソン18よりも高融点の補強部材20Aを配設し、この工程S5の後の多孔質材配設工程S2で、ポーラス部材12Aを配設し、次のパリソン形成工程S3で、金型13,13内にパリソン18を配設し、さらに、ポーラス部形成工程S4(図37参照)で、パリソン18をブロー成形することにより、補強部20を有するポーラス部12を一体形成したものである。
【0116】
このポーラス部12は図38、図39に示すように、孔部21に対応する部分11Aには多孔質材11が残り、格子形状部22(図25参照)と対応する部分11Bは多孔質材11に樹脂が含浸固化した状態の補強部23となるうえ、別の補強部20によりさらに補強されて、2重補強構造となるので、ダクト本体部8の剛性向上を図ることができるものである。
【0117】
なお、図37〜図39で示したこの実施例においても、その他の点については図17、図24〜図33で示した先の実施例とほぼ同様であるから、図37〜図39において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0118】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の型は、実施例の金型13に対応し、
以下同様に、
ポーラス形成部は、金型13に設けられた窪み部14、開口としての孔部21に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上記各実施例においてはノズル16からのエアブローを所謂下吹き構造に設定したが、これは上吹き構造または横吹き構造であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】吸気ダクトを含むエンジンルーム内のレイアウトの一例を示す平面図
【図2】本発明の吸気ダクトの製造方法を示す工程図
【図3】準備工程の説明図
【図4】配設工程の説明図
【図5】パリソン形成工程の説明図
【図6】ポーラス部形成工程の初期段階を示す説明図
【図7】型閉め段階を示す説明図
【図8】パリソンが型に密着した状態を示す説明図
【図9】ブロー成形された成形品の斜視図
【図10】図9のA−A線矢視断面図
【図11】ポーラス部を備えた吸気ダクトの斜視図
【図12】ポーラス部を備えた吸気ダクトの他の実施例を示す斜視図
【図13】球面状の窪み部を示す説明図
【図14】球面状の窪み部を備えた型によるブロー成形を示すポーラス形成工程の説明図
【図15】ブロー成形された成形品の斜視図
【図16】図15のB−B線矢視断面図
【図17】本発明の吸気ダクトの製造方法の他の実施例を示す工程図
【図18】補強部材が配設された型によるブロー成形を示すポーラス部形成工程の説明図
【図19】ブロー成形された成形品の斜視図
【図20】図19のC−C線矢視断面図
【図21】補強部材が配設された型によるブロー成形の他の実施例を示すポーラス部形成工程の説明図
【図22】ブロー成形された成形品の斜視図
【図23】図22のD−D線矢視断面図
【図24】本発明の吸気ダクトの製造方法のさらに他の実施例を示す準備工程の説明図
【図25】図24のE−E線矢視断面図
【図26】配設工程の説明図
【図27】パリソン形成工程の説明図
【図28】ポーラス部形成工程の初期段階を示す説明図
【図29】型閉め段階を示す説明図
【図30】パリソンが型にほぼ密着した状態を示す説明図
【図31】パリソンが型に密着した状態を示す説明図
【図32】ブロー成形された成形品の斜視図
【図33】図32のF−F線矢視断面図
【図34】本発明の吸気ダクトの製造方法のさらに他の実施例を示すポーラス部形成工程の説明図
【図35】真空引き工程を示す説明図
【図36】エアブローと真空引きのタイミングを示すタイムチャート
【図37】補強部材が配設された型によるブロー成形を示すポーラス部形成工程の説明図
【図38】ブロー成形された成形品の説明図
【図39】図38のG−G線矢視断面図
【図40】従来の製造方法を示す工程図
【符号の説明】
【0120】
1…エアクリーナ
3…吸気ダクト
8…ダクト本体部
9…開口
10…空気吸入部
11…多孔質材
12…ポーラス部
12…ポーラス部材
13…金型(型)
14…窪み部(ポーラス形成部)
18…パリソン
20…補強部
20A…補強部材
21…孔部(開口、ポーラス形成部)
22…格子形状部
23…補強部
S1…準備工程
S2…配設工程
S3…パリソン形成工程
S4…ポーラス部形成工程
S5…補強部材配設工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアクリーナに空気を供給する吸気ダクト構造であって、
吸気ダクトは、中空状に形成された樹脂製のダクト本体部と、
上記ダクト本体部の先端部に形成された空気吸入用の開口を有する空気吸入部と、
上記ダクト本体部に少なくとも1つ形成されると共に、多孔質材を備えたポーラス部とを有し、
上記ポーラス部はダクト本体部と一体形成された
吸気ダクト構造。
【請求項2】
上記ポーラス部は多孔質材を補強する補強部を備えた
請求項1記載の吸気ダクト構造。
【請求項3】
上記補強部は網目状または格子状に形成された
請求項2記載の吸気ダクト構造。
【請求項4】
上記補強部はダクト本体部より融点が高い材料で形成された
請求項2または3記載の吸気ダクト構造。
【請求項5】
上記ポーラス部は多孔質材とダクト本体部の内周面とが面一になるように形成された
請求項1〜4の何れか1に記載の吸気ダクト構造。
【請求項6】
上記ポーラス部はダクト本体部の外周部より外方に膨出するように形成された
請求項1〜5の何れか1に記載の吸気ダクト構造。
【請求項7】
エアクリーナに空気を供給する吸気ダクトの製造方法であって、
吸気ダクトの外形を形成すると共に、ポーラス形成部を有する型を準備する準備工程と、
上記型のポーラス形成部に多孔質材を有するポーラス部材を配設する配設工程と、
上記型内にパリソンを配設するパリソン形成工程と、
上記パリソンをブロー成形することでポーラス部を取付けるポーラス部形成工程とを備えた
吸気ダクトの製造方法。
【請求項8】
エアクリーナに空気を供給する吸気ダクトの製造方法であって、
吸気ダクトの外形を形成すると共に、ポーラス形成部を有する型を準備する準備工程と、
上記型のポーラス形成部に多孔質材を有するポーラス部材を配設する配設工程と、
上記型内にパリソンを配設するパリソン形成工程と、
上記パリソンをブロー成形することでポーラス部を一体形成するポーラス部形成工程とを備えた
吸気ダクトの製造方法。
【請求項9】
上記ポーラス形成部は窪み部に設定された
請求項7または8記載の吸気ダクトの製造方法。
【請求項10】
上記窪み部は球面状に形成された
請求項9記載の吸気ダクトの製造方法。
【請求項11】
上記ポーラス形成部は開口に設定された
請求項7または8記載の吸気ダクトの製造方法。
【請求項12】
上記開口を複数を設け、複数の開口の配列により型側に網形状部または格子形状部が形成された
請求項11記載の吸気ダクトの製造方法。
【請求項13】
上記開口から溶融樹脂材を真空引きする真空引き工程を備えた
請求項11または12記載の吸気ダクトの製造方法。
【請求項14】
上記多孔質材に接触する網目状または格子状の補強部材を、多孔質材に先行して配設する補強部材配設工程を備えた
請求項7〜13の何れか1に記載の吸気ダクトの製造方法。
【請求項15】
上記補強部材はパリソンより融点が高い材料で形成された
請求項14記載の吸気ダクトの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2007−46481(P2007−46481A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−229032(P2005−229032)
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】