説明

吸湿性および/または潮解性の薬剤を含む固体分散剤

(a) ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリグリコール化されたグリセリド、シクロデキストリン、カルボマーから選択されるマトリックス形成剤;および、(b) 充填剤を含むキャリア媒体を有し、かつ、キャリア媒体に分散または溶解された吸湿性および/または潮解性の薬剤を有する固体分散剤を含む医薬組成物が提供される。組成物は、許容しうる程度に非吸湿性である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、吸湿性および/または潮解性の薬剤を含む許容可能な程度に非吸湿性の医薬組成物に関し、さらに詳しくは、薬剤が固体分散剤中に均質に混合されているそのような組成物に関する。
【0002】
発明の背景
薬剤による水分の収着は、重大な問題を生じかねない。水分の存在にて、固体の薬剤物質は、水和されるかおよび/または新しい結晶形へと変換されうる。水分収着は、また、配合物からの物質のレリース速度、配合物の保存寿命、物質の取り扱いおよび加工特性にも悪影響を及ぼしかねない。吸湿性および/または潮解性の薬剤は、定義により、均一な中程度の湿度を有する環境に暴露した時、これらの悪影響を受けやすい。かくして、配合物開発および貯蔵の間に、水分収着を制御することは、通常、絶対に必要である。
【0003】
過去において、吸湿性および/または潮解性の薬剤を、それらの製造の間に湿潤条件に暴露されるのを制限するように、製造プラント、例えば、プラント内の湿度を低下させるための設備の変更が使用されていた。しかし、そのような変更は、それらがコスト的に高く、場合によっては、適切な周囲条件を確実に維持することができない点が欠点であった。さらに、製造条件の変更は、湿潤貯蔵条件にて吸湿性および/または潮解性の薬剤をほとんど保護することがない。
【0004】
Chen et al.に対するU.S.特許No. 5,225,204は、参考とすることによって本明細書に組み込むが、湿潤条件で安定であるといわれている吸湿性薬剤レボシロキシンナトリウムの組成物を提供するための手段を記載している。1つのこのような手段は、レボシロキシンナトリウムを錯化剤、例えば、ポリビニルピロリドンと混合し、生ずる混合物を極性有機溶剤に溶解させ、セルロース担体、例えば、微結晶質セルロースを加え、生ずる混合物を乾燥させて、セルロース担体上に吸着されたレボシロキシンナトリウムの錯体を生成させる工程からなる。しかし、そこに記載されている造粒および乾燥ミックスは、造粒および乾燥ミックスが非常に大量の微結晶質セルロースを含有し、したがって、相対的に少量の薬剤を含有するという事実により薬剤負荷が極めて低いという欠点がある。
【0005】
固体分散剤は、主として、薬剤の生物利用能を高めるために使用されてきた。例えば、Habib ed.(2001),Pharmaceutical Solid Dispersion,Technomic Publishing Co.,Lancaster,PA参照。
【0006】
Guitard et al.に対するU.S.特許No.6,197,781は、参考とすることによって本明細書に組み込むが、(生物利用能に乏しいとされている)免疫抑制剤ラパマイシンの生物利用能を高めるといわれている固体分散剤を開示している。上記挙げたU.S.特許No.6,197,781は、このような分散剤のキャリア媒体がヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリエチレングリコール(PEG)またはポリグリコール化したグリセリドを含むことができ、さらに、さらなる賦形剤、例えば、界面活性剤、風味剤、抗酸化剤、安定剤および充填剤を含むことができることを開示している。上記した充填剤としては、微結晶質セルロースおよびラクトースが挙げられる。ラパマイシンは、吸湿性でもなく、潮解性でもないことに着目する必要がある。かくして、水分収着を低下させる利点は、上記挙げたU.S.特許No.6,197,781にても開示されておらず、その中に開示された分散剤でも予想されえない。
【0007】
他方、Klokkersに対するU.S.特許No.6,204,255は、参考とすることによって本明細書に組み込むが、錠剤成形の間にタブレットパンチに粘着しないことが報告されている吸湿性かつ潮解性の薬剤ナトリウムバルプロエートとシクロデキストリンとからなる非潮解性固体分散剤を開示している。しかし、開示されている分散剤は、湿潤条件に賦された時、未配合のナトリウムバルプロエートより水分を少なく吸収し、分散剤は、75%相対湿度でなお45%の水分吸収を示した。上記挙げたU.S.特許No.6,204,255は、分散剤が形成された後に、賦形剤、例えば、微結晶質セルロースを配合物にブレンドするのがよいことを教示している。したがって、このような賦形剤は、それら自体、分散剤の成分ではない。
【0008】
Taskisに対するU.S.特許No.4,223,006は、参考とすることによって本明細書に組み込むが、水蒸気透過性の低い高分子結合剤に分散された吸湿性化合物クラビュラニン酸(clavulanic acid)からなる粒子を開示している。好ましい結合剤は、エチルセルロースおよびポリビニルアセテートフタレートである。粒子は、未配合クラビュラニン酸粒子よりも、湿潤条件に賦された時、著しく少ない水分を吸収すると言われている。上記挙げたU.S.特許No.4,223,006は、分散剤が形成された後、崩壊剤、例えば、微結晶質セルロースを粒子にブレンドすることができることを教示している。
【0009】
さらに、吸湿性および/または潮解性の薬剤は、湿潤環境との相互作用の直接的結果ではない問題を有する。例えば、Brunelに対するU.S.特許No.5,037,698は、参考とすることによって本明細書に組み込むが、吸湿性および/または潮解性薬剤を一般に使用される剤形であるゼラチンカプセルに組み込む時、薬剤は、カプセルから水分を吸収しやすく、脆いかまたは変形した状態のままのカプセルの破壊および漏出を受けやすくする。上記挙げたU.S.特許No.5,037,698は、この問題に取り組むゼラチンカプセルを“熱充填する(hot filling)する”方法を記載している。この方法は、吸湿性または潮解性の成分、例えば、薬剤と、カプセルの殻の脆化または軟化を防止するのに十分な量の水との混合物を形成し、組成物を加熱して液体形とし、増粘剤、例えば、ポリエチレングリコールを加え、生ずる懸濁液または溶液をゼラチンカプセルに導入する工程を含む。冷却すると、生ずる組成物は、固体または半固体の状態を獲得すると言われている。固体または半固体の組成物内に均質混合された充填剤も、賦形剤、例えば、組成物にブレンドされた微結晶質セルロースも、上記挙げたU.S.特許No.5,037,698に詳しくは考察されていない。
【0010】
固体分散剤は、それらが製造プロセスに過度の負担をかけ、かつ、慣用的な剤形に均質混合することが困難なことが多いので、市販の医薬配合物には通常好ましくない。例えば、上記挙げたU.S.特許No.5,037,698に記載されている熱充填される固体および半固体は、懸濁液または溶液の調製の際に直ちにカプセルに充填され、冷却すると、固体または半固体になる熱充填を必ずや必要とする点で欠点を有する。したがって、例えば、機械破損または製造プラントの設計および手順についてほとんど柔軟性に欠ける。
【0011】
さらに、薬剤とポリエチレングリコールとを含む固体分散剤は、取り扱い性が乏しいことが知られており、すなわち、分散剤は、微粉砕することのできない粘着性の塊となりやすい。例えば、Habib,ed. (2001) op. cit.,p.81参照。このような粘着性の塊は、それらが機械の目詰まりを起こしやすいので、製造することが困難であり、不能でない場合にも、著しく商業的に関心深い剤形、例えば、錠剤およびカプセルに組み込むことが困難である。
【0012】
したがって、便利な剤形に容易に配合することができ、大量生産に適した吸湿性および/または潮解性の薬剤を含む許容しうる程度に非吸湿性の固体分散剤についての需要が存在する。
【0013】
発明の概要
したがって、本発明の目的は、吸湿性および/または潮解性の薬剤を含む新規な許容しうる程度に非吸湿性の組成物を提供することである。
【0014】
本発明の目的は、また、慣用的な剤形、例えば、錠剤およびカプセルに容易に均質混合することのできる形の吸湿性および/または潮解性の許容しうる程度に非吸湿性の組成物を提供することである。
【0015】
したがって、許容しうる程度に非吸湿性の医薬組成物であって、 (a) ヒドロキシエチルセルロース、HPC、HPMC、HPMCフタレート、PVP、PEG、ポリグリコール化されたグリセリド、シクロデキストリンおよびカルボマーから選択されるマトリックス形成剤と、(b) 充填剤とを含むキャリア媒体と;吸湿性および/または潮解性の薬剤とを有する固体分散剤を含み;前記薬剤が、キャリア媒体に分散されるかまたは溶解されている医薬組成物を提供する。
【0016】
本発明は、カプセルに移す時、液体形である必要のない固体分散剤を提供するのに、上記列挙した技術に優る顕著な進歩性を示す。さらに、本発明の固体分散剤は、予想だにしえなかったことに、さらに水分吸収抵抗性であり、薬剤とポリエチレングリコールとのみからなる固体分散剤;または、分散剤を形成した後に微結晶質のセルロースのような賦形剤とブレンドしたそのような固体分散剤を含む配合物よりも、取り扱いおよび加工特性が良好である。
【0017】
発明の詳細な説明
本明細書で使用する“固体分散剤(solid dispersion)”という用語は、周囲温度で固体であり、かつ、1つ以上の薬剤が溶液中にてまたは粒状形にて均質に分布する連続マトリックスを形成する不活性なキャリア媒体からなる複合材料を意味する。例として、固体分散剤は、以下に詳細に記載し、かつ、参考テキスト、例えば、Habib,ed.(2001),op. cit.およびChiou & Riegelman (1971),J. Pharm. Sci.,60(9),1281-1302に記載されている溶融法、溶剤法もしくは溶融-溶剤法またはそれらの変法によって製造することができる。“固体分散剤”という用語は、粒状薬剤が、例えば、慣用的な混合によって製造される1つ以上の粒状固体希釈剤に分布している組成物を含まない。固体分散剤のカテゴリーとしては、Chhiou & Riegelman (1971),op. citにより記載されているように、例えば、単純共融混合物、固溶体、ガラス溶液または懸濁液、薬剤-担体複合体、結晶質担体中の非晶質沈殿等が挙げられる。
【0018】
本明細書で使用する場合の“吸湿性(hygroscopic)”という用語は、標準周囲相対湿度(RH)、例えば、10〜50%RHの条件に暴露した時に有意な量の大気水分を吸収する物質、例えば、薬剤または医薬賦形剤を称する。“潮解性(deliquescent)”という用語は、これらの条件に暴露した時に大気から水分を吸引および/または吸収することにより緩やかな溶解および/または液化を受けやすい薬剤または賦形剤をいう。当業者であれば、薬剤配合にて使用される周囲温度の通常の範囲を超えて、吸湿性および潮解性状態が大きくは温度と独立性であり、吸湿性および潮解性の度合いが変化することが理解されるであろう。かくして、個々の薬剤または賦形剤が湿潤気候にて吸収しやすい水分の量または個々の薬剤または賦形剤が湿潤大気から水分の吸引および/または吸収により溶解および/または液化しやすい度合いを示すための薬剤または賦形剤の記載にて、例えば、“非常に(very)”、“幾分かは(slightly)”または“極めて(extremely)”のような副詞を、場合によっては、“吸湿性(hygroscopic)”または“潮解性(deliquent)”という語の前に付けることができる。本明細書で使用する場合、“吸湿性”とは、少なくとも幾分かは吸湿性である薬剤または賦形剤を称す。同様に、“潮解性”とは、本明細書にて、少なくとも幾分かは潮解性である薬剤または賦形剤を称す。
【0019】
“許容しうる程度に非吸湿性の薬学的な固体分散組成物”という用語は、本明細書にて、相対湿潤条件、例えば、40〜70%RHに賦した時に実質的な量の水分を吸収しない組成物をいう。したがって、組成物の保存寿命、取り扱い特性および加工特性ならびにこのような組成物からの薬剤リリース速度は、概して、このような条件への暴露によって実質的に影響を受けない。組成物による水分吸収を検出または測定するために、種々の方法が当業者公知であり;大部分の状況にて適用するのに便利であり、かつ、容易な方法の例としては、組成物の質量増加の観測および/または測定が挙げられる。したがって、本発明の組成物は、実質的な平衡に達する十分な時間、すなわち、その後、質量のさらなる有意な増加が観測されない時間60%相対湿度および周囲温度(21〜23℃)の条件に賦す時、好ましくは、質量の増加約15%未満、さらに好ましくは、約10%未満、なおさらに好ましくは、約6%未満を示す。
【0020】
“薬剤”という用語は、本明細書にて、被験者の病気を処置する(treat)のに有効な1つ以上の作用剤を称し、“処置する(treat)”とは、同定するか、予防するか、治癒させるかまたは診断することを含む。
【0021】
例として、本発明にて使用するのに適した吸湿性および/または潮解性の薬剤としては、限定するものではないが、以下の類が挙げられる:堕胎剤、ACE阻害剤、α-およびβ-アドレナリン作働性アゴニスト、α-およびβ-アドレナリン作働性ブロッカー、副腎皮質抑制剤、副腎皮質ホルモン、アルコール阻害物質、アルドース還元酵素阻害剤、アルドステロンアンタゴニスト、同化剤、(麻酔剤および非麻酔剤を含め)鎮痛剤、アンドロゲン、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、食欲抑制物、制酸剤、駆虫剤、にきび止め、抗アレルギー剤、抗脱毛症剤、抗アメーバ剤、抗アンドロゲン、抗狭心症剤、抗不規則剤(antiarrhythmics)、抗動脈症剤、(選択的なCOX-2阻害剤を含め)抗関節炎剤/抗リウマチ剤、抗ぜん息剤、抗細菌剤、抗細菌アジュバント、抗コリン作働剤、抗凝固剤、抗凝血剤、抗痙攣剤、抗うつ剤、抗糖尿病剤、抗下痢剤、抗利尿剤、毒物に対する解毒剤、抗運動障害剤、抗湿疹剤、抗吐剤、抗エストロゲン剤、抗線維症剤、抗鼓腸剤、抗真菌剤、抗緑内障剤、抗性腺刺激剤、抗通風剤、アンチヒスタミン剤、抗運動過剰剤、抗高リポ蛋白質血症剤、抗高ホスフェートリン酸症剤、抗高血圧症剤、抗甲状腺亢進剤、抗低血圧症剤、抗甲状腺機能低下症剤、抗炎症剤、抗マラリヤ剤、抗躁剤、抗メテモグロビン剤、抗片頭痛剤、抗ムスカリン様剤、抗ミクロバクテリア剤、抗腫瘍剤および付加物、抗神経親和剤、抗骨そしょう症剤、アンチパゲティクス(antipagetics)、抗パーキンソン病剤、抗クロム親和細胞腫、抗ニューモサスティス剤、アンチプラスチック肥厚剤、抗原生動物剤、かゆみ止め、抗乾癬症剤、抗精神病剤、解熱剤、抗リケッチャー剤、抗脂漏剤、防腐剤/消毒剤、抗痙攣剤、駆梅剤、抗血小板血症剤、抗血栓剤、鎮咳剤、抗潰瘍剤、抗尿石症剤、抗毒素、抗ウイルス剤、抗不安症剤、アロマターゼ阻害剤、収れん剤、ベンゾジアゼピンアンタゴニスト、骨吸収阻害剤、心拍緩徐剤、ブラジキニンアンタゴニスト、気管支拡張剤、カリシウムチャネルブロッカー、カルシウム調節剤、炭酸脱水酵素阻害剤、強心剤、CCKアンタゴニスト、キレート剤、胆石症剤、胆汁、コリン作働性剤、コリンエステラーゼ阻害剤、コリンエステラーゼ再賦活剤、CNS刺激剤、避妊薬、デブリディング剤(debriding)、抗うっ血剤、脱色剤、疱疹状皮膚炎抑制剤、診断剤、診断助剤、利尿剤、ドーパミン受容体アゴニスト、ドーパミン受容体アンタゴニスト、外部寄生生物駆除剤(ectoparasiticides)、嘔吐剤、エンケファリナーゼ阻害剤、酵素、酵素補因子、エステロゲン、去痰薬、フィブリノーゲン受容体アンタゴニスト、フルオライド補給剤、胃および膵臓分泌刺激剤、胃細胞保護剤、胃プロトンポンプ阻害剤、胃分泌阻害剤、ガストロプロカイネチックス剤、グルココルチコイド、α-グルコシダーゼ阻害剤、生殖腺刺激原理、成長ホルモン阻害剤、成長ホルモンレリース因子、成長刺激剤、造血剤(hematinics)、造血剤(hematopoietics)、溶血剤、止血剤、ヘパリンアンタゴニスト、肝臓酵素誘発剤、ヘパトプロテクタント、ヒスタミンH2受容体アンタゴニスト、HIVプロテアーゼ阻害剤、HMG CoA還元酵素阻害剤、免疫モジュレータ、免疫抑制剤、インスリン感知剤、イオン交換樹脂、角質溶解剤、泌乳刺激ホルモン、緩下剤/下剤、ロイコトリエンアンタゴニスト、LH-RHアゴニスト、脂向性剤、5-リポキシゲナーゼ阻害剤、エリテマトーデス抑制剤、マトリックスプロテナーゼ阻害剤、ミネラルコルチコステロイド、縮瞳剤、モノアミン酸化酵素阻害剤、粘液溶解剤、筋肉弛緩剤、散瞳剤、麻酔剤アンタゴニスト、神経保護剤、向知性薬(nootropics)、栄養補助食品(nutraceuticals)、黄体ホルモン、子宮収縮剤、ペプシン阻害剤、色素沈着剤、血漿体積拡張剤、カリウムチャネル活性剤/開始剤、プロゲストゲン、プロラクチン阻害剤、プロスタグランディン、プロテアーゼ阻害剤、放射線医薬剤、5α-還元酵素阻害剤、呼吸促進剤、逆転写酵素阻害剤、鎮静剤/催眠剤、セレニックス(serenics)、セロトニンノルアドレナリン再摂取阻害剤、セロトニン受容体アゴニスト、セロトニン受容体アンタゴニスト、セロトニン再摂取阻害剤、喫煙停止助剤、ソマトスタチンアナログ、血栓崩壊剤、トロンボキサンA2受容体アンタゴニスト、甲状腺ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、子宮収縮抑制剤(tocolytics)、トポイソメラーゼIおよびII阻害剤、尿酸排泄剤、血管拡張剤と血管収縮剤とを含め血管モジュレータ、血管保護剤、ビタミン、キサンチン酸化酵素阻害剤、および、それらの組み合わせ。
【0022】
本発明にて使用するのに適した吸湿性/潮解性の薬剤の例としては、アセチルコリンクロライド、アセチルカルニチン、アクチノボリン、アルミニウムメチオネート、アミノペンタアミド、アミノピリン塩酸塩、アンモニウムブロマイド、アンモニウムバレレート、アモバルビタールナトリウム、アンチオールイミン、酒石酸アンチモンナトリウム、アンチモンナトリウムチオグリコレート、アプロバルビタール、アルギニン、アスピリン、アトロピンN-オキシド、アボパルシン、アジスロマイシン1水和物、β-ヒスチンメシレート、ベタイン、ベタネコールクロライド、亜硝酸ビスマス、ブプロピオン、ブタミレート、ブタリタルナトリウム、ブトクトアミド、カコディル酸、塩化カルシウム、カルシウムグリセロホスフェート、カルシウムヨーダイド、カルバコール、カルニチン、カスプロファンギン、セルレチド、クロロフィリンナトリウム−銅塩、コリンアルフォスケート、コリンサリチレート、コリンテオフィリネート、シラスタチン、シチコリン、コバルトジクロライド、クロモリンジナトリウム、硫酸銅5水和物、シアノコバラミン、シクロブチロール、システイン塩酸塩、デアミノオキシトシン(L-異性体,無水)、デアノールヘミスクシネート、デメカリウムブロマイド、デキサメタゾンホスフェートジナトリウム塩、DL-デキスパンテノール、ジブカイン塩酸塩、ジクロロフェナルシン塩酸塩、ジクロフェナックナトリウム、ジエチルカルバマジンクエン酸塩、ジメチルスルホキシデム、ドロテバノール、エキノマイシン、エフェドリン(無水)、エルゴタミン、エタノールアミン、フェンカミン塩酸塩、塩化第2鉄、ヨウ化第1鉄、フィシン、ガドベネートジメグルミン、ゲンタマイシンC錯体サルフェート、グアニジン、ヘパリン、ヘキサジメスリンブロマイド、ヘキサチオニウム酒石酸塩、ヘキソバルビタールナトリウム、ヒスタミン、ヒドラスチン塩酸塩、ヒオシアミン臭化水素酸塩、S-〔2-〔(1-イミノエチル)アミノ〕エチル〕-2-メチル-L-システイン、インプラミンN-オキシド、イソメテプテン塩酸塩、イソソルバイド、レボスロキシンナトリウム、リフェニフォルミン、ローベリンサルフェート、マグネシウムクロライド6水和物、マグネシウムトリシリケート、メナジオン、メルカプトメリンナトリウム、メルサリル、メタラミノール、メタコリンクロライド、メタンテリンブロマイド、メタンテリンクロライド、メチチューラルナトリウム、L-メチドーパセスキハイドレート、メチルメチオニンスルホニウムクロライド、ミルジオマイシン、ミノサイクリン塩酸塩、ミトキサントロン二塩酸塩、モルホリン、ムスカリンクロライド、ナフロニル酸オキサレート、ナルセイン、ニコチン、ニコチニルアルコール、ノラトレックスト二塩酸塩、オメプラゾール、オリザシジン、蓚酸、オキソフェナルシン塩酸塩、パンテノール、パントテン酸(ナトリウム塩)、パパイン、ペニシルアミン塩酸塩、ペニシリンG(カリウム塩)、ペンタメトニウムブロマイド、ペンタアミジンイシェチオネート、ペプシン、ペラジン二塩酸塩、フェノバルビタール、ナトリウム5,5-ジフェニルヒダントイネート、フェテニレートナトリウム、ホスホクレアチン(カルシウム塩4水和物)、フィゾスチグミンサルフェート、ピロカルピン塩酸塩、ピペミジン酸、ポドフィロトキシン-β-D-グリコシド、炭酸カリウム、ヨウ化カリウム、プラリドキシムメシレート、プレドニソロンナトリウムホスフェート、プロカイナミド塩酸塩、プロカインブチレート、L-プロリン、プロマジン塩酸塩、プロパミジンイセチオネート、プロスタサイクリンナトリウム、ピリドスチグミンブロマイド、ピロナリジン、キナシリンジナトリウム、キノリン、放射線活性ヨウ化ナトリウム、レゼルピル酸ジメチルアミノエチルエステル二塩酸塩、セコバルビタールナトリウム、フッ化銀、酢酸ナトリウム、臭化ナトリウム、ナトリウムプロピオネート、ナトリウムジブネート、ナトリウムジクロメート(VI)、ナトリウムナイトライト、ナトリウムペントサンポリサルフェート、ナトリウムバルプロエート、溶解性スルファメラジン、スチボカプテート、ストレプトマイシン、スクシニルコリンブロマイド、スクシニルコリンヨーダイド、スルファキノキサリン、スリサチンジナトリウム、スラミンナトリウム、タモキシフェンクエン酸塩、トールコリン酸、テトラゾシン塩酸塩、チオバルビタールナトリウム、チオペンタールナトリウム、チカルシリンジナトリウム、2,2,2-トリクロロエタノール、トリエンチン、トリエタノールアミン、トリフタジン、トラゾリン塩酸塩、ビンバルビタールナトリウム、ビオマイシン、ビタミンB12、ヨウ化亜鉛、および、組み合わせ、その薬学的に許容可能な吸湿性および/または潮解性塩および変種が挙げられるが、それらに限定するものではない。
【0023】
好ましい薬剤としては、アセチルコリンクロライド、アクチノボリン、アミノペンタミド、アミノピリン塩酸塩、アンモニウムバレレート、アトロピンN-オキシド、アボパルシン、ベタイン、ブプロピオン、塩化カルシウム、ヨウ化カルシウム、カルニチン、コリンアルホスクレエート、コリンサリチレート、デアミノオキシトシン(L-異性体,無水)、ジメチルスルフォキシデム、エルゴタミン、塩化第2鉄、ヨウ化第1鉄、グアニジン、ヘキソバルビタールナトリウム、ヒオシアミン臭化水素塩、S-〔2-〔(1-イミノエチル)アミノ〕エチル〕-2-メチル-L-システイン、イミプラミンN-オキシド、イソメテプテン塩酸塩、マグネシウムクロライド6水和物、メタンテリンクロライド、メチチュラルナトリウム、メチルメチオニンスルホニウムクロライド、ムスカリンクロライド、ナルセイン、ニコチン、ニコチニルアルコール、フィソスチグミンサルフェート、ヨウ化カリウム、プラリドキシムメシレート、キナシリン二ナトリウム、フッ化銀、ナトリウムプロピオネート、ナトリウムジクロメート(VI)、ナトリウムバルプロエート、ストレプトマイシン、タウロコール酸(taurocholic acid)、トリエタノールアミンおよびその吸湿性および/または潮解性塩が挙げられる。
【0024】
本明細書に記載する分散剤によって提供される優れた水分保護性に照らし、本発明は、このような分散剤に使用するために選択される薬剤が潮解性であり、および/または、未配合である時に、薬剤が周囲温度にて60%相対湿度に晒される時、平衡で少なくとも約15%質量増を示すような吸湿性を有する場合に特に有益である。
【0025】
好ましい実施態様にて、薬剤は、ニコチンである。ニコチンは、医薬配合物にて、例えば、喫煙停止助剤として有用である。
もう1つの好ましい実施態様にて、S-〔2-〔(1-イミノエチル)アミノ〕エチル〕-2-メチル-L-システインが、本発明の組成物にて使用される薬剤である。この薬剤は、国際特許出願No.WO01/72703に開示され、参考とすることによって本明細書に組み込むが、酸化窒素シンターゼ(NOS)阻害剤であり、例えば、炎症;および、その他のNOS-媒介疾患、例えば、痛み、頭痛および熱を処置するのに価値を有すると考えられる。S-〔2-〔(1-イミノエチル)アミノ〕エチル〕-2-メチル-L-システインは、上記挙げた国際特許出願No.WO01/72703にて記載されている方法を含めいずれの適当な手段によっても製造することができる。この化合物は、その遊離塩基形にて、または、薬学的に許容可能な塩、例えば、二塩酸塩として使用することができる。
【0026】
さて、S-〔2-〔(1-イミノエチル)アミノ〕エチル〕-2-メチル-L-システインおよびその二塩酸塩が極めて吸湿性かつ潮解性であることが見出された。このような吸湿性かつ潮解性の薬剤を本発明に従い許容しうる程度の非吸湿性組成物として配合することができることは、とりわけ、驚きである。
【0027】
薬剤は、好ましくは、組成物の重量で、少なくとも約5%の量、さらに好ましくは、少なくとも約10%の量存在する。事実、本発明者らは、組成物が約60重量%程度のS-〔2-〔(1-イミノエチル)アミノ〕エチル〕-2-メチル-L-システインを含有する場合になお、本明細書で提供される固体分散剤が水分吸収からの許容可能な保護を提供することを観測した。本発明の組成物にての薬剤濃度の実際の上限は、例えば、許容されうる水分吸収の量および薬剤の吸湿性および/または潮解性の度合いに依存し、より低い吸湿性および/または潮解性の薬剤は、さらに吸湿性および/または潮解性である薬剤よりもより少ない量のキャリア媒体を必要とするであろうし、キャリア媒体の量が少ない場合、薬剤濃度は高くなると考えられよう。
【0028】
したがって、本発明の組成物は、組成物の重量で、約1%〜約75%、好ましくは、約5%〜約65%、さらに好ましくは、約10%〜約60%の吸湿性および/または潮解性の薬剤を含む(すなわち、組成物の重量当りの薬剤の重量)。
【0029】
本明細書の“マトリックス形成剤”という用語は、それ自体または充填剤および/またはいずれかのその他の1つまたは複数の賦形剤との組み合わせであるポリマーを称し、吸湿性および/または潮解性薬剤を分散または溶解させうるマトリックスを生じさせうる。
【0030】
1つの実施態様にて、マトリックス形成剤は、HPCである。本発明にて有用なHPCsの例としては、水性媒体で低い動力学粘度を有するものが挙げられ、好ましくは、25℃の2%水溶液で測定して、約400cpsより下、例えば、約150cpsを有するものである。好ましいHPCsは、置換度が低く、平均分子量約200,000ドルトンより下、例えば、約50,000〜約150,000ドルトンを有する。HPCは、例えば、商標名Klucel TM、Klucel TM EFおよびKlucel TM JF(Aquation)およびNisso TM HPC-L(Nippon Soda)の下に、市販入手可能である。
【0031】
もう1つの実施態様にて、マトリックス形成剤は、シクロデキストリン、例えば、β-シクロデキストリンまたはα-シクロデキストリンである。適したβ-シクロデキストリンの例としては、メチルβ-シクロデキストリン、ジメチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPBCD)、グリコシル-β-シクロデキストリン、モルトシル-β-シクロデキストリン、スルホ-β-シクロデキストリンおよびスルホ−アルキルエーテル、例えば、β-シクロデキストリンのスルホ-C1-4アルキルエーテルが挙げられる。α-シクロデキストリンの例としては、グルコシル-α-シクロデキストリンおよびモルトシル-α-シクロデキストリンが挙げられる。β-シクロデキストリン、例えば、HPBCDは、本発明にて使用するのにとりわけ好ましい。
【0032】
もう1つの実施態様にて、マトリックス形成剤は、ポリグリコール化されたグリセリドである。ポリグリコール化されたグリセリドは、概して、グリセロールのモノエステル、ジエステルおよびトリエステルと、平均分子量約200〜6000を有するポリエチレングリコールのモノエステルおよびジエステルとの混合物である。これらは、トリグリセリドのポリエチレングリコールによる部分的エステル交換によるか、または、公知反応を使用するグリセロールおよびポリエチレングリコールの脂肪酸とのエステル化により得られる。好ましくは、このような脂肪酸は、8〜22個、さらに好ましくは、8〜18個の炭素原子を有する。天然植物油は、このような脂肪酸源として使用することができるが、天然植物性脂肪酸油の例としては、パームケルネル油およびパーム油が挙げられる。ポリエチレングリコールは、もう1つのポリオール、例えば、ポリグリセロールまたはソルビトールと任意に置換することができる。ポリグリコール化されたグリセリドは、例えば、商標名Gelucire R(以降、上付き文字Rは、登録商標を意味する)(Gattefosse)の下に入手可能である。
【0033】
もう1つの実施態様にて、マトリックス形成剤は、ヒドロキシエチルセルロースである。本発明にて有用なヒドロキシエチルセルロースの例としては、水性媒体中で低い動力学粘度を有するものが挙げられ、好ましくは、25℃の2%水溶液で測定して、約400cpsより下、例えば、約150cpsより下を有するものである。ヒドロキシエチルセルロースは、例えば、商標名Cellosize TM(Amerchol)およびNatrusol TM(Aqualon)の下に入手可能である。
【0034】
もう1つの実施態様にて、マトリックス形成剤は、HPMCフタレートであり、これは、例えば、Shin-Etsuから入手可能である。
好ましい実施態様にて、マトリックス形成剤は、カルボマーである。カルボマーは、ペンタエリスリトールのアリルスクロースまたはアリルエステルのいずれかと架橋されたアクリル酸の高分子量ポリマーである。カルボマーは、例えば、商標名Carbor TM(Noveon Pharmaceuticals)の下に入手可能である。
【0035】
もう1つの好ましい実施態様にて、マトリックス形成剤は、HPMCである。低い見かけの動力学粘度、好ましくは、2重量%の水溶液について20℃で測定した好ましくは約100cpsより下、さらに好ましくは、約50cpsより下、最も好ましくは、約20cpsより下、例えば、3cpsを有するHPMCを使用して、良好な結果を得ることができる。見かけの動力学粘度3cpsを有する等級を含め、HPMCは、例えば、商標名Pharmacoal TM603(Shin-Etsu)の下に入手可能である。
【0036】
なおもう1つ好ましい実施態様にて、マトリックス形成剤は、PVPであり、ポビドンとしても公知である。PVPは、例えば、商標名Plasdone TM(ISP)およびKollidon TM(BASF)の下に入手可能である。平均分子量約8,000〜約50,000ドルトンを有するPVPが好ましい。
【0037】
特に好ましい実施態様にて、マトックス形成剤は、周囲温度で固体のPEGである。このようなPEGsとしては、平均分子量約1,000ドルトン〜約35,000ドルトン、例えば、8,000ドルトンを有するものが挙げられる。PEGは、例えば、商標名Carbowax TM(Dow)の下に入手可能である。
【0038】
上記マトリックス形成剤の1つ以上の組み合わせおよび/または変種を含む組成物も、また、本発明によって包含される。
マトリックス形成剤は、組成物の重量で、約10%〜約95%の量、好ましくは、約20%〜約85%の量、さらに好ましくは、約25%〜約75%の量存在する。
【0039】
本明細書の“充填剤”という用語は、固体分散剤の質量および/または嵩密度を増加させる役割を果たす不活性な材料を称し、例えば、固体分散剤は、慣用的な剤形、例えば、錠剤またはカプセルに比較的容易に組み込むことができる。本発明にて使用されると考えられる充填剤としては、例えば、微結晶質セルロース、ラクトース、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、二塩基性カルシウムホスフェート2水和物、三塩基性カルシウムホスフェート、カルシウムサルフェート、デクストロース、エチルセルロース、フラクトース、カオリン、炭酸マグネシウム、マグネシウムステアレート、マグネシウムトリシリケート、モルトール、モルトデキストリン、マンニトール、メチルセルロース、粉末セルロース、プレゲラチン化した澱粉、澱粉、滅菌トウモロコシ澱粉、圧縮可能な糖、糖菓用の糖等が挙げられる。好ましくは、使用される充填剤は、分散剤の安定性および/または溶解性能に悪影響を及ぼさない。
【0040】
とりわけ、驚くべき発見にて、それ自体吸湿性および/または潮解性の充填剤を有する本発明の組成物は、著しく低い吸湿性を示し、さらさらと流動する固体を提供することができる。この点にて、吸湿性および/または潮解性の充填剤を分散マトリックスが形成された後に固体分散剤とブレンドする時、上記挙げたU.S.特許No.2,054,255に記載されているように、充填剤は、水分吸収から保護されない。吸湿性および/または潮解性充填剤を固体分散剤と単にブレンドすることによって調製された組成物にて、このような水分吸収は、組成物を高湿度に暴露させる時、組成物の質量の増加をもたらしうる。しかし、本明細書で示すように、本発明の組成物は、吸湿性および/または潮解性の充填剤を使用してさえ、水分吸収のしやすさをはるかに低下させ、当分野にて有意な進歩性を示す。
【0041】
このような吸湿性および/または潮解性の充填剤としては、例えば、微結晶質セルロース、三塩基性カルシウムホスフェート、無水硫酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、無水デキストロース、フラクトース、無水ラクトース、無水マグネシウムステアレート、マグネシウムトリシリケート、モルトデキストリン、メチルセルロース、粉末セルロース、プレゼラチン化された澱粉、澱粉、滅菌トウモロコシ澱粉、圧縮可能な糖、糖菓用の糖等が挙げられる。
【0042】
好ましくは、充填剤は、吸湿性および/または潮解性セルロース系ポリマー、例えば、微結晶質セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、メチルセルロースまたは粉末セルロースである。
【0043】
最も好ましくは、充填剤は、微結晶質セルロース、例えば、商標名Avicel TM(FMC)の下に種々の等級にて入手可能である。
好ましくは、充填剤は、固体分散剤を一度形成することができるのに十分な量存在してさらさらした流動性の状態、例えば、粉末となり、慣用的な剤形、例えば、錠剤およびカプセルに容易に均質混合されうる。したがって、充填剤は、概して、組成物の重量で、約1%〜約95%、好ましくは、約5%〜約30%の量存在する。本発明者らは、組成物の重量で約20%の量の吸湿性および/または潮解性のセルロース系ポリマー、例えば、微結晶質セルロースが、とりわけ、本発明に十分に適し、上記した吸湿性および/または潮解性の薬剤およびマトリックス形成剤の組み合わせとして、このようなセルロース系ポリマーは、驚くべきことに、固体分散剤を慣用的な剤形に容易に組み込むことができることを発見した。
【0044】
所望される場合、キャリア媒体は、さらに、抗酸化剤、例えば、α-トコフェロール、アスコルビン酸、アスコルビルパルミテート、ブチル化されたヒドロキシアニソールおよびブチル化されたヒドロキシトルエン;崩壊剤、例えば、ナトリウム澱粉グリコレートおよびナトリウム澱粉フマレート;風味剤、例えば、アスパルテーム、サッカリンおよびサッカリンナトリウム;グライダント、、例えば、マグネシウムアルミニウムシリケート、タルクおよび二酸化チタン;滑剤、例えば、ステアリン酸;中和剤、例えば、二塩基性ナトリウムホスフェートおよび一塩基性ナトリウムホスフェート;防腐剤;安定剤;界面活性剤、例えば、ドクセートナトリウムおよびソルビタンエステル類;湿潤剤、例えば、ポロキサマーおよびラウリル硫酸ナトリウム;および、増粘剤ならびにコーチング、例えば、ゼラチンおよびポリメタクリレートから選択されるその他の薬学的に許容可能な賦形剤を含んでもよい。このような賦形剤は、あるいはまたはさらに、医薬剤形に組み込まれる前または逐次、それが一度形成されると、固体分散剤に後でブレンドすることができる。
【0045】
また、制御されたリリース配合物が所望される場合、キャリア媒体は、さらに、ワックス、例えば、セチルエステル、アニオン性または非イオン性乳化ワックス、カルナウバワックス、微結晶質ワックス等;または、制御されたリリース配合物、例えば、RohmのEudragit TMとして入手可能なポリメタクリレートにて一般に使用される1つ以上のポリマーでコーチングしうる分散剤を含む分散剤または剤形を含んでもよい。また、制御されたレリース配合物は、粘稠等級のマトリックス形成剤または高分子量ポリエチレングリコールを使用することにより得られると考えられる。
【0046】
あるいは、組成物は、治療効果の開始の遅い時間を有する即レリース配合物の形であってもよい。本発明の即レリース組成物の調製にて、賦形剤、例えば、崩壊剤は、所望される場合、キャリア媒体に加えることができるか、または剤形への組み込み前または逐次に分散剤に加えることができる。
【0047】
さらなる水分保護が所望される場合、例えば、薬剤が極めて吸湿性および/または潮解性であるかほとんどの水分吸収が許容されないので、本発明の分散剤は、1つ以上のポリマー、例えば、エチルセルロース、HPCまたはHPMCで塗被するのがよい。
【0048】
所望される場合、本発明の固体分散剤またはそのような固体分散剤を含む組成物は、吸湿性および/または潮解性の薬剤以外に、非吸湿性、非潮解性の薬剤を含んでもよい。しかし、好ましくは、分散剤または組成物は、このような非吸湿性、非潮解性薬剤を実質的に含まない。
【0049】
本発明の分散剤は、いずれの適当な方法によっても製造することができる。固体分散剤を調製する公知の方法としては、標準的な参考テキスト、例えば、Habib (2001),op..cit.,pp.20-26に記載されているように、溶剤、溶融または溶融-溶剤法が挙げられる。以下に記載する方法は、例示する目的のために示し、本発明の範囲を制限する意図はない。
【0050】
1つの実施態様にて、固体分散剤は、溶剤法に従い、マトリックス形成剤、充填剤および吸湿性および/または潮解性の薬剤を溶剤に溶解させることによって製造する。この方法に使用されると考えられる溶剤としては、水;アルコール、例えば、メタノール、エタノールおよびイソプロパノール;エステル、例えば、酢酸エチル;エーテル、例えば、ジエチルエーテル;ケトン、例えば、アセトン;ハロゲン化された炭化水素、例えば、ジクロロエタン;および、それらの組み合わせ、例えば、エタノールとアセトンとの混合物が挙げられる。溶剤は、ついで、高温および/または減圧を使用するか、または、凍結乾燥または噴霧乾燥により蒸発される。溶剤が蒸発すると、過飽和が生じ、続いて、マトリックス形成剤および薬剤の両方が固体形で同時に沈殿する。生ずる沈殿物は、マトリックス形成剤および充填剤から形成されるキャリア媒体に溶解または懸濁された薬剤を有し、ついで、乾燥されて、本発明の固体分散剤を生ずる。この方法は、選択されるキャリア媒体に対して溶解性である薬剤の場合、及び熱不安定性の薬剤の場合に特に有用である。
【0051】
もう1つの実施態様にて、固体分散剤は、溶融法に従い製造され、マトリックス形成剤は、その融点よりも高い温度に加熱され、吸湿性および/または潮解性の薬剤が、混合しつつ、溶融した薬剤に加えられる。充填剤は、マトリックス形成剤とともに加熱されるか、または、マトリックス形成剤の溶融後に混合することによって薬剤と均質混合される。生ずる組成物は、ついで、例えば、攪拌により定常的に混合しつつ、例えば、自然に冷却させて冷却して、その中に均一に分散された薬剤を有する固体分散剤である配合物を生ずる。薬剤がマトリックス形成剤に溶解性である場合、それは、配合物に溶解されたままであり、したがって、固溶液または分子分散剤である。薬剤がマトリックス形成剤に溶解性でない場合、それは、結晶質または非晶質粒状形で固体分散剤に分散される。
【0052】
なおもう1つの実施態様にて、固体分散剤は、溶融-溶剤法に従い製造され、マトリックス形成剤は、溶融するまで加熱され、適当な溶剤中の吸湿性および/または潮解性の薬剤溶液をそれに混合しつつ加える。再度、充填剤は、マトリックス形成剤とともに加熱されるか、または、マトリックス形成剤の溶融後に混合することによって薬剤と均質混合される。冷却の際、生ずる組成物がその固体特性を維持しつつある量比の溶剤を保持することができる場合、および、溶剤が無毒である場合、溶剤の除去は不要であり;あるいは、例えば、高温および/または減圧を使用するか凍結乾燥または噴霧乾燥により、溶剤は、除去される。
【0053】
溶融および溶融-溶剤法に従う場合、マトリックス形成剤の溶融を生ずるための十分に高い温度だけ加熱することが好ましく、薬剤の過剰の熱、および、したがって、熱分解またはその他の悪影響の危険性を生ずる不必要な薬剤の暴露は回避される。
【0054】
固体分散剤を製造する方法の選択は、キャリア媒体中の薬剤の溶解度を含め種々の因子および各製造方法に伴う利点および欠点によって影響されるであろう。
好ましくは、S-〔2-〔(1-イミノエチル)アミノ〕エチル〕-2-メチル-L-システインの場合、それは、HPMCおよびPEGへの低い溶解度を有し、特にHPMCまたはPEGがマトリックス形成剤として選択される場合に、分散剤は、溶融法、溶融-溶剤法によって製造される。
【0055】
本発明の組成物は、被験者の病気を処置、特定、予防または治癒させるために、被験者に投与するのに有用である。投与は、経口、頬、舌下、局所および結腸ルートを含むがこれらに限定されないいずれかの適当なルートによってもなされうる。
【0056】
1つの実施態様にて、直腸投与、例えば、坐剤に適した剤形の組成物が提供される。好ましくは、しかし、組成物は、経口投与に適した剤形で提供される。本明細書で“経口投与”とは、被験者への治療剤またはその組成物のいずれの供給形態を含み、作用剤または組成物は、作用剤または組成物がえん下されるか否かにかかわらず、直接、被験者の口に置かれる。かくして、“経口投与”としては、頬および舌下投与と食道(peroral)投与とが挙げられる。作用剤の吸収は、口、食道、胃、十二指腸、回腸および結腸を含め胃腸管のいずれかの部分にても生じさせうる。本明細書にての“経口的に供給可能”という用語は、経口投与に適していることを意味する。
【0057】
最も好ましくは、組成物は、錠剤の形で提供される。本発明の錠剤は、いずれの適当な色、テキスチャー、タイプ(例えば、発泡性、非発泡性、舌下等)および形状(例えば、丸型、楕円形、両凹、半球、正方形、長方形、多角形等)を有してもよい。錠剤は、好ましくは、合計重量約10mg〜約1000mg、さらに好ましくは、約20mg〜約500mgを有する。
【0058】
本発明の分散剤を組み込む剤形は、いずれかの適した手段によって調製することもできる。例えば、上記挙げたU.S.特許No.5,037,698に記載されている“高温充填”法に従い、分散剤をカプセルに組み込むことができ、固体分散剤に形成するであろう液体は、カプセルに移し、冷却すると、カプセル中固体分散剤となる。しかし、高温充填に伴う上記欠点に照らし、固体分散剤それ自体は、冷却前に分散剤の液体形ではなく、剤形に組み込まれることが好ましい。
【0059】
1つの好ましい実施態様にて、固体分散剤は、篩にかけられ、微粉砕される。微粉砕された分散剤は、賦形剤と任意に組み合わされ、ついで、錠剤を形成するために圧縮または成形され、サッチェまたはハードもしくはソフトカプセル(例えば、ゼラチンまたはHMPCカプセル)に充填されるか、または、いずれかのその他の所望される剤形に組み込まれる。
【0060】
実施例
以下の実施例は、本発明をさらに例示するために示す。本発明は、S-〔2-〔(1-イミノエチル)アミノ〕エチル〕-2-メチル-L-システイン2塩酸塩(本明細書では“化合物A”と特定する)を具体的に参照して例示する。
【0061】
水分吸収分析
動力学的蒸気収着(DVS)アプローチを使用して、組成物の塊が種々の予め決められた相対湿度に暴露する際に増加する量を測定した。
【0062】
実施例1:本発明の固体分散剤
表1に示す成分を有する固体分散剤を以降に記載する方法によって製造した。
【0063】
【表1】

【0064】
PEG8000を入れたキャップ付き7mlのバイアルを68℃の水浴に入れ、小さな磁気スターラで低回転速度で攪拌し、PEG8000を溶融した。凍結乾燥させた化合物Aを別個の2mlガラスバイアルに入れ、それに、1.0mlのメタノールを加えた。2mlのバイアルをついで、キャップし、5分間超音波処理すると、透明な溶液が得られた。
【0065】
68℃水浴で5分間一定の攪拌下、7mlのバイアル内のPEG 8000に、ついで、この溶液を加えた。ついで、攪拌を継続し、微結晶質セルロースを加えた。バイアルのキャップを外し、生ずる混合物をさらに5分間激しく攪拌した。ついで、バイアルを水浴から取り出し、冷却し、一定速度で攪拌し、周囲条件とした。ついで、バイアルを40℃減圧オーブンに一晩置いた。最後に、バイアルをオーブンから取り出し、生じた固体分散剤を金属スパチュラで緩やかに取り出した。固体分散剤は、錠剤成形に適したさらさらと流動する白色粉末の形であった。
【0066】
水分吸収分析にて、本実施例の固体分散剤は、図1にて示されるように、特に、高相対湿度にて、未配合、非晶質化合物Aとの比較によって水分吸収抵抗性が非常に改善されることが見出された。40%相対湿度で100時間貯蔵する際に、固体分散剤は、さらさらした流動性のままであった。
【0067】
硫黄マップでの走査電子顕微鏡(SEM)研究では、本実施例で生じた粉末粒子内の硫黄の非常に均質な分布が現れた。硫黄は、化合物Aにて生ずるが使用する賦形剤では生じないので、この結果は、粒子内の薬剤の非常に均一な分布を示す。
【0068】
物理および化学的安定性にて、40℃および75%相対湿度にて約24時間の本実施例の固体分散剤についての研究を行うと、良好な薬剤および配合物安定性が観測された。X線粉末回折(XRPD)研究は、同貯蔵条件下で薬剤の結晶形の変化は示さなかった。
【0069】
実施例2:比較固体分散剤
表2に示した成分を有する固体分散剤は、以降に記載する方法によって製造した。本実施例の固体分散剤は、充填剤(微結晶質セルロース)を欠く点で実施例1の固体分散剤とは異なることに注意を要する。
【0070】
【表2】

【0071】
PEG8000を入れたキャップ付き7mlのガラスバイアルを68℃の水浴に入れ、小さな磁気スターラで低回転速度で攪拌し、PEG8000を溶融した。凍結乾燥させた化合物Aを別個の2mlガラスバイアルに入れ、それに、1.0mlのメタノールを加えた。2mlのバイアルを、ついで、キャップし、5分間超音波処理すると、透明な溶液が得られた。
【0072】
68℃水浴で5分間一定の攪拌下、7mlのバイアル内のPEG 8000に、ついで、この溶液を加えた。ついで、バイアルを水浴から取り出し、冷却し、一定速度で攪拌し、周囲温度とした。ついで、バイアルを40℃減圧オーブンに一晩置いた。最後に、バイアルをオーブンから取り出し、生ずる固体分散剤を金属スパチュラで緩やかに取り出した。固体分散剤は、錠剤成形に容易に適さないワックスの塊の形であった。
【0073】
実施例3:比較組成物
表3にて示す成分を有する組成物を以降に記載する方法によって製造した。この実施例の組成物は、充填剤(微結晶質)が固体分散剤の調製後に固体分散剤とブレンドされる点で実施例の組成物とは異なる。
【0074】
【表3】

【0075】
上記実施例2の生成物を透明な7mlガラスバイアルに移した。微結晶質セルロースをバイアルに加え、バイアルをついでキャップし、チューブラーミキサーを使用して24時間混合した。生ずる複合体は、錠剤成形に容易には適さない粘着物質の形であった。
【0076】
実施例1〜3の組成物による水分吸収の比較
図2に示すように、本発明の実施例1の組成物の水分吸収抵抗性は、実施例2および3の比較組成物の水分吸収抵抗性よりも優っていた。
【0077】
以下の表4は、さらに、抵抗水分吸収における本発明の組成物の優秀性を示す。表4は、異なる相対湿度への暴露に続く実施例1〜3の各組成物の質量増加を示す。比較組成物
の質量の増加÷同相対的湿度での本発明の実施例1の組成物の質量増加によって計算される相対質量増加についてのデータも、また、比較組成物(実施例2および3)のの各々について表4にて示す。
【0078】
例えば、38〜39%R.H.にて、実施例2の比較組成物は、本発明の組成物より18%より大、実施例3のそれは、32%より大の水分吸収を示す。本発明の組成物が実施例2の比較組成物よりも有意に少ない水分を吸収したという発見は、これらの組成物が充填剤の存在でのみ異なるので、とりわけ、驚きであった。この結果は、充填剤それ自体が水分抵抗性の改善を与えうることを示唆する。
【0079】
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】図1は、未配合の薬剤との比較による本発明の組成物の水分吸収に対する抵抗性を示すグラフである。
【図2】図2は、本発明の組成物の水分吸収抵抗性を2つの比較組成物の水分吸収抵抗性と比較するグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリグリコール化されたグリセリド、シクロデキストリン、カルボマーおよびそれらの組み合わせからなる群より選択されるマトリックス形成剤と、(b) 充填剤とを含むキャリア媒体と;
薬剤とを含み;
前記薬剤が、吸湿性および/または潮解性であり、かつ、キャリア媒体に分散または溶解され、本組成物が、固体分散剤であり、かつ、許容しうる程度に非吸湿性である医薬組成物。
【請求項2】
薬剤が、未配合の時、21〜23℃で60%相対湿度に暴露されると、前記薬剤が平衡にて、少なくとも約15%の質量増加を示すような吸湿性を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記薬剤が、iNOS阻害剤、ニコチンもしくはS-〔2-〔(1-イミノエチル)アミノ〕エチル〕-2-メチル-L-システインまたはその薬学的に許容可能な塩である、請求項1または2のいずれかに記載の組成物。
【請求項4】
前記薬剤が、組成物の約1%〜約75重量%の量存在する、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
前記充填剤が、吸湿性および/または潮解性である、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
前記充填剤が、固体分散剤をさらさらとした流動性とするのに十分である、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
前記充填剤が、三塩基性カルシウムホスフェート、無水硫酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、無水デキストロース、フラクトース、無水ラクトース、無水マグネシウムステアレート、マグネシウムトリシリケート、マルトデキストリン、メチルセルロース、微結晶質セルロース、粉末化したセルロース、プレゼラチン化した澱粉、澱粉、滅菌可能なトウモロコシ澱粉、圧縮可能な糖および糖菓用糖からなる群より選択される、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
前記充填剤が、微結晶質セルロースである、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
前記充填剤が、組成物の約1%〜約95重量%の量存在する、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
マトリックス形成剤が、組成物の約10%〜約95重量%の量存在する、請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
ポリエチレングリコールが、存在する場合、平均分子量約1,000〜約35,000ドルトンを有する、請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
組成物が、経口投与に適した形である、請求項1〜11のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
組成物が、錠剤の形である、請求項1〜12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
組成物が、21〜23℃で60%相対湿度に暴露される時、平衡質量増加約10%未満を示す、請求項1〜13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
組成物が、溶剤法、溶融法および溶融-溶剤法からなる群より選択される方法によって形成される、請求項1〜14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれかに記載の組成物を製造するための方法であって、該方法が、
(i) (a) 吸湿性および/または潮解性の薬剤;(b) 充填剤;および、(c) ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリグリコール化されたグリセリド、シクロデキストリンおよびそれらの組み合わせからなる群より選択されるマトリックス形成剤をいずれかの順序または同時に溶剤に溶解させ;
(ii) 高温または減圧を使用するか、または、凍結乾燥または噴霧乾燥することによって溶剤を除去し、充填剤およびマトリックス形成剤を含むキャリア媒体にて薬剤の固体分散剤を形成する;
各工程を含む方法。
【請求項17】
請求項1〜14のいずれかに記載の組成物を製造するための方法であって、該方法が、
(i) ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリグリコール化されたグリセリド、シクロデキストリンおよびそれらの組み合わせからなる群より選択されるマトリックス形成剤を加熱し;
(ii) 生ずる溶融したマトリックス形成剤に、充填剤および吸湿性および/または潮解性薬剤を、混合しつつ、いずれかの順序または同時に加えて、複合体を形成し;
(iii) 前記複合体を、混合しつつ、冷却して、充填剤とマトリックス形成剤とを含むキャリア媒体にて薬剤の固体分散剤を形成する;
各工程を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−514052(P2006−514052A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−565403(P2004−565403)
【出願日】平成15年12月11日(2003.12.11)
【国際出願番号】PCT/US2003/039510
【国際公開番号】WO2004/060353
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(502427323)ファルマシア・コーポレーション (67)
【Fターム(参考)】