吸音構造体
【課題】厚みを抑えつつ広い周波数帯域において好適な吸音性能を実現することが可能な吸音構造体を提供する。
【解決手段】吸音構造体30は、第一の吸音材31と、第一の吸音材31の両面に配置された第二の吸音材32と、第二の吸音材32の第一の吸音材31とは反対側の面に配置された不織布33と、不織布33の第二の吸音材32とは反対側の面に配置された表面保護材34を備え、第一の吸音材31の嵩密度は、第二の吸音材32の嵩密度よりも大きい。第一の吸音材31は、単一層でもよいし、表面保護材34への沿い性を高めるために複数層としてもよい。
【解決手段】吸音構造体30は、第一の吸音材31と、第一の吸音材31の両面に配置された第二の吸音材32と、第二の吸音材32の第一の吸音材31とは反対側の面に配置された不織布33と、不織布33の第二の吸音材32とは反対側の面に配置された表面保護材34を備え、第一の吸音材31の嵩密度は、第二の吸音材32の嵩密度よりも大きい。第一の吸音材31は、単一層でもよいし、表面保護材34への沿い性を高めるために複数層としてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ディーゼルエンジン用の過給機の吸気口に設けられるサイレンサに適用される吸音構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジン用の軸流式排気ターボ過給機において、コンプレッサの吸気口側に、複数の吸気用エレメントを内蔵する吸気サイレンサを配置することが行われている(特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−194161号公報
【特許文献2】特開2005−069228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる過給機のコンプレッサの吸気口側に設けられる吸気サイレンサには、0.63〜3.15kHzと中音域から高音域まで広い周波数帯域(1/3オクターブバンド中心周波数)で高い吸音性能が要求される。従来の吸音材で、このような中音域から高音域まで高い吸音性能を確保するためには、吸音材を厚くする必要があるが、吸音材を厚くすると空気の流路が狭くなり、気流抵抗が増えるとともに高音域の吸音性能が低下する傾向がある。
【0005】
本発明は、前記した問題に鑑みて創案されたものであり、厚みを抑えつつ広い周波数帯域において好適な吸音性能を実現することが可能な吸音構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明の吸音構造体は、第一の吸音材と、前記第一の吸音材の両面に配置された第二の吸音材と、を備え、前記第一の吸音材の嵩密度は、前記第二の吸音材の嵩密度よりも大きいことを特徴とする。
【0007】
かかる構成によると、嵩密度が異なる二種類の吸音材によって吸音するので、厚みを抑えつつ広い周波数帯域(中高音域(0.63〜3.15kHz))において吸音することができる。また、音波が嵩密度の小さい第二の吸音材に先に入力され、続いて嵩密度の大きい第一の吸音材に入力されることによって、音波が第二の吸音材から出射して第一の吸音材に入射する際に多くの音響入射エネルギーが熱エネルギーに変換されるので、より好適な吸音性能を実現することができる。
【0008】
また、前記吸音構造体は、前記第二の吸音材の前記第一の吸音材とは反対側の面に配置された不織布又はフィルムをさらに備える構成であってもよい。
【0009】
かかる構成によると、第二の吸音材の厚みを抑えつつ広い周波数帯域中高音域(0.63〜3.15kHz)の吸音性能を確保することができる。また、不織布又はフィルムの外側面には撥水処理等の各種処理を施すことができるので、吸音構造体の耐久性能を高めることができる。
【0010】
また、前記吸音構造体は、前記第二の吸音材の前記第一の吸音材とは反対側の面に配置された、音波を透過可能な表面保護材をさらに備える構成であってもよい。
【0011】
かかる構成によると、第一の吸音材及び第二の吸音材を物体の衝突等から好適に保護することができる。なお、不織布又はフィルムと、表面保護材との両方を採用する場合には、不織布又はフィルムを第二の吸音材と表面保護材との間に配置すればよい。
【0012】
前記第一の吸音材は、複数層からなる構成であってもよい。
【0013】
かかる構成によると、表面保護材が曲面形状を呈する場合であっても、表面保護材に対する第一の吸音材及び第二の吸音材の組立体の沿い性を高めることができる。
【0014】
前記第一の吸音材及び前記第二の吸音材は、高分子繊維から形成されていてもよい。
【0015】
かかる構成によると、吸音性能を確保しつつ吸音構造体を薄型化することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、厚みを抑えつつ広い周波数帯域において好適な吸音性能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る過給機を示す一部破断斜視図である。
【図2】図1の吸気サイレンサを示す分解斜視図である。
【図3】図2の吸音構造体を示す分解斜視図である。
【図4】図2の吸音構造体を示す側面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る吸音構造体の第一の吸音材、第二の吸音材及び不織布の組立体を示す側面図である。
【図6】本発明の第一の実施例の吸音率を示すグラフである。
【図7】本発明の第二の実施例の吸音率を示すグラフである。
【図8】本発明の第三の実施例の吸音率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、本発明の吸音構造体をディーゼルエンジン用の過給機の吸気口に設けられる吸気サイレンサに適用した場合を例にとり、適宜図面を参照しながら説明する。同様の部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
≪過給機≫
図1に示すように、本発明の実施形態に係る過給機1は、ディーゼルエンジンに適用される軸流式排気ターボ過給機であり、ケーシング11a及びケーシング11bから構成される排気タービンケーシング11と、コンプレッサケーシング12と、排気タービンケーシング11とコンプレッサケーシング12との間に延設されたタービンシャフト13と、コンプレッサケーシング12の吸気口側に設けられた吸気サイレンサ20と、を備える。タービンシャフト13は、軸受(図示せず)によって軸線まわりに回転可能に支持されている。タービンシャフト13の排気タービンケーシング11側端部には、タービン翼を有するタービンディスク13aが取り付けられており、コンプレッサケーシング12側端部には、コンプレッサホイール13bが取り付けられている。かかる過給機1は、ケーシング11b内に供給された排気によってタービンシャフト13を回転させ、吸気サイレンサ20を介してコンプレッサケーシング12の吸気口側に供給された空気を圧縮し、圧縮空気をコンプレッサケーシング12の排出口12aから排出する。
【0020】
≪吸気サイレンサ≫
図2に示すように、本発明の実施形態に係る吸気サイレンサ20は、保持体21と、円筒部(パンチングプレート)22と、円筒部(フィルタマット)23と、ラッシングベルト24a〜24cと、複数の吸音構造体30,30,・・・と、を備える。
【0021】
保持体21は、対向配置される一対の円板部21a,21bと、これら円板部21a,21bを繋ぐ複数の壁部(リブ)21c,21c,・・・と、を備える。円板部21bには、吸音構造体30を挿入するための複数の孔部21b1,21b1,・・・が形成されている。壁部(リブ)21cは、円板部21a,21bの径方向に沿って設けられおり、タービンシャフト13(図1参照)の回転方向Rに向かって凸となるように屈曲形成されている。円筒部(パンチングプレート)22は、同径に形成された円板部21a,21bの外径と略同一の内径を呈し、円筒部(フィルタマット)23は、円筒部22の外径と略同一の内径を呈する。すなわち、内側から保持体21、円筒部22、円筒部23の順に配置されている。円筒部(パンチングプレート)22は、ターンバックル(図示せず)によって保持体21に対して固定され、円筒部(フィルタマット)23は、円筒部23の外周に設けられたラッシングベルト24a〜24cによって保持体21及び円筒部(パンチングプレート)22の組立体に対して固定される。
【0022】
複数の吸音構造体30,30,・・・は、主としてコンプレッサケーシング12内で発生する騒音を吸音するものであり、円板部21bに形成された複数の孔部から保持体21内に収容される。吸音構造体30は、壁部21c(図1参照)と同様、タービンシャフト13(図1参照)の回転方向R(図2参照)に向かって凸となるように屈曲形成されている。これは、コンプレッサケーシング12へ供給される空気を流れやすくするための措置である。
【0023】
≪吸音構造体≫
図3及び図4に示すように、吸音構造体30は、第一の吸音材31と、第二の吸音材32と、不織布33と、一対の表面保護材34,34と、を備える。
【0024】
第一の吸音材31は、ポリエステル等の高分子繊維から形成された平板部材であり、両面から入力された音波の音響入射エネルギーを熱エネルギーに変換することによって吸音することができる。
【0025】
第二の吸音材32は、第一の吸音材31の両面に配置された、ポリエステル等の高分子繊維から形成された平板部材であり、両面から入力された音波の音響入射エネルギーを熱エネルギーに変換することによって吸音することができる。本実施形態において、第二の吸音材32は、折り曲げられて第一の吸音材31を挟み込むように配置される。
【0026】
なお、第一の吸音材31及び第二の吸音材32としては、軟質ウレタンフォーム等の高分子発泡系材料から形成されたものであってもよく、さらには、グラスウール、ロックウール等の無機繊維系材料又は金属繊維系材料から形成されたものであってもよく、アルミ等の金属発泡系材料から形成されたものであってもよい。
【0027】
不織布33は、第二の吸音材32と表面保護材34との間に配置される。不織布33としては、ポリエステル系、ポリエチレン系、ナイロン系等の高分子系材料から形成されたものであってもよく、和紙等の紙系不織布であってもよい。本実施形態において、不織布33は、第二の吸音材32の外側面全体にホットメルト材を用いて熱融着されている。ホットメルト材としては、ポリエステル系、ナイロン系、ポリプロピレン系、オレフィン系等の高分子系材料から形成された、パウダー状、網目状又は繊維状を呈するものであって、面重量が20〜200g/m2であって、流れ抵抗が0.5×104〜5×104N・sec/m4であって、融点が70〜180℃であるものが好適に使用可能である。特に、流れ抵抗が3.5×105〜7.0×106N・sec/m4であるスパンボンド不織布が本実施形態に係る不織布33として好適に使用可能である。また、不織布33は、一層に限定されず、異なる不織布から構成された複数の層を有する構成であってもよい。また、不織布33の外側面に、撥水処理、難燃処理、耐候処理、耐光処理、防汚処理等が施されている構成であってもよい。かかる構成によると、吸音構造体30の耐久性能を高めることができる。
【0028】
なお、不織布33に代えて、フィルムが第二の吸音材32と表面保護材34との間に配置される構成であってもよい。かかるフィルムとしては、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、塩化ビニル等の高分子系材料から形成されたものが好適に使用可能である。フィルムの厚さは、高音域の吸音性能に影響を与えないよう、25μm以下とすることが望ましい。
【0029】
一対の表面保護材34,34は、第二の吸音材32の外側面(第一の吸音材31とは反対側の面)に配置された、複数の開口34a,34a,を介して音波を透過可能な部材であり、壁部21c(図1参照)と同様、タービンシャフト13(図1参照)の回転方向R(図2参照)に向かって凸となるように屈曲形成されている。表面保護材34としては、金網、パンチングメタル等、開口を有する金属製部材が好適に使用可能であり、その開口率は、20%以上であることが望ましい。
【0030】
ここで、本実施形態に係る吸音構造体30の製造方法について簡単に説明する。まず、第二の吸音材32の一面に不織布33を熱融着させる。続いて、不織布33付き第二の吸音材32を不織布33が外側面となるように折り曲げることによって、第一の吸音材31を挟み込み、第二の吸音材32の両端部が向かい合った側において、固定部材A1によって第一の吸音材31及び(不織布33付き)第二の吸音材32を固定する。続いて、前記工程で得られた組立体の両面に表面保護材34,34を配置し、一対の固定部材A2,A3によって組立体及び表面保護材34,34を固定する。
【0031】
なお、第二の吸音材32は、縦配向(繊維が第二の吸音材32の厚み方向に延びるように配列されている)であることが望ましい。かかる構成によると、第一の吸音材31を挟み込むように折り曲げたり、表面保護材34に沿って屈曲させたりする際に好適に変形させることができる。また、第一の吸音材31の凸側面において凸状と直交する方向に延びる切り込み31aを形成することによって、屈曲時に切り込み31aが開くようにし、表面保護材34に沿って屈曲させやすくする構成であってもよい。
【0032】
本実施形態に係る吸音構造体30には、その両面から音波が入力される。入力された音波は、表面保護材34及び不織布33を介して第二の吸音材32に入力され、第二の吸音材32によって音波の音響入射エネルギーが熱エネルギーに変換される。第二の吸音材32に入力された音波のうち、熱エネルギーに変換されなかった分は、続いて第一の吸音材31に入力され、第二の吸音材32よりも嵩密度が大きい第一の吸音材31によって音波の音響入射エネルギーが熱エネルギーに変換される。このように、本発明の実施形態に係る吸音構造体30は、嵩密度が異なる二種類の吸音材31,32によって吸音するので、厚みを抑えつつ広い周波数帯域において吸音することができる。また、音波が嵩密度の小さい第二の吸音材32に先に入力され、続いて嵩密度の大きい第一の吸音材31に入力されることによって、音波が第二の吸音材32から出射して第一の吸音材31に入射する際に多くの音響入射エネルギーが熱エネルギーに変換されるので、より好適な吸音性能を実現することができる。また、本実施形態に係る吸音構造体30は、その両面から入力される音波の音響入射エネルギーを熱エネルギーに変換することによって吸音するので、その両面側で空気が流れる吸気サイレンサ20用として好適である。
また、第一の吸音材31の嵩密度は、25〜90kg/m3であり、第二の吸音材32の嵩密度は、5〜30kg/m3であることが望ましい。かかる構成によると、第一の吸音材31が比較的中音域(0.63〜1.25kHz)の音波を吸音し、第二の吸音材32が高音域(1.00〜4.00kHz)の音波を吸音するとともに、第一の吸音材31及び第二の吸音材32の相互作用によって吸音効果を高めることができるので、0.63〜3.15kHzという広い周波数帯域において好適な吸音性能を実現することができる。
【0033】
なお、前記実施形態においては、第一の吸音材31は、単一層から構成されているが、図5に示すように、第一の吸音材31は、複数層から構成されていてもよい。図5(a)において、第一の吸音材31は、6層の板状部材から構成されており、図5(b)において、第一の吸音材31は、7層の板状部材から構成されている。そして、複数層の板状部材のうち、中央のものは長く、両端のものほど短く形成されていることによって、曲面形状を呈する表面保護材34に対する第一の吸音材31、第二の吸音材32及び不織布33の組立体の沿い性を高め、表面保護材34に対する組立体の抵抗を小さくすることができる。なお、図5においては、複数層構造を説明するため、吸音構造体30の厚みを誇張して図示している。
【実施例】
【0034】
続いて、本発明の実施例について、図6〜図8を参照して説明する。図6は、本発明の第一の実施例の吸音率を示すグラフである。図7は、本発明の第二の実施例の吸音率を示すグラフである。図8は、本発明の第三の実施例の吸音率を示すグラフである。
【0035】
第一の実施例においては、第一の吸音材31として、嵩密度約80kg/m3、厚さ約10mmのポリエステル製の板状部材を用い、第二の吸音材32として、嵩密度約10kg/m3、厚さ約10mmのポリエステル製の板状部材を用い、不織布33として、厚さ約0.3mm、流れ抵抗5.0×105N・sec/m4のポリエステル製のスパンポンド不織布を用い、厚さ約30mm、直径100mmの吸音構造体30のサンプルを製造し、かかる吸音構造体30の1/3オクターブバンド周波数の吸音率を、音波をサンプルに対して垂直に入射して反射した音波のエネルギーを測定し、入射した音波のエネルギーと反射した音波のエネルギーとの差に基づいて吸音率を算出する、いわゆる垂直入射法で計測した。
比較例においては、嵩密度約50kg/m3、厚さ約30mmのグラスウールからなる従来の吸音構造体の1/3オクターブバンド周波数の吸音率を垂直入射法で計測した。
図6に示すように、第一の実施例に係る吸音構造体30は、中高音域(0.63〜3.15kHz)において、比較例に係る吸音構造体よりも高い吸音性能を発揮することがわかった。
【0036】
第二の実施例においては、第一の吸音材31として、嵩密度約80kg/m3、厚さ約10mmのポリエステル製の板状部材を用い、第二の吸音材32として、嵩密度約10kg/m3、厚さ約10mmのポリエステル製の板状部材を用い、不織布33の代わりのフィルムとして、厚さ25μmのポリエチレン製のフィルムを用い、厚さ約30mm、直径約100mmの吸音構造体30のサンプルを製造し、かかる吸音構造体30の1/3オクターブバンド周波数の吸音率を垂直入射法で計測した。
比較例においては、嵩密度約50kg/m3、厚さ約30mmのグラスウールからなる従来の吸音構造体の1/3オクターブバンド周波数の吸音率を垂直入射法で計測した。
図7に示すように、第二の実施例に係る吸音構造体30は、中高音域(0.63〜3.15kHz)において、比較例に係る吸音構造体よりも高い吸音性能を発揮することがわかった。
【0037】
第三の実施例においては、第一の吸音材31として、嵩密度約80kg/m3、厚さ約5mmのポリエステル製の板状部材を二枚用いて複数層構造を構成し、第二の吸音材32として、嵩密度約10kg/m3、厚さ約10mmのポリエステル製の板状部材を用い、不織布33として、厚さ約0.3mm、流れ抵抗5.0×105N・sec/m4のポリエステル製のスパンポンド不織布を用い、厚さ約30mm、直径約100mmの吸音構造体30のサンプルを製造し、かかる吸音構造体30の1/3オクターブバンド周波数の吸音率を垂直入射法で計測した。
比較例においては、嵩密度約50kg/m3、厚さ約30mmのグラスウールからなる従来の吸音構造体の1/3オクターブバンド周波数の吸音率を垂直入射法で計測した。
図8に示すように、第三の実施例に係る吸音構造体30は、中高音域(0.63〜3.15kHz)において、比較例に係る吸音構造体よりも高い吸音性能を発揮することがわかった。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。本発明の吸音構造体30は、例えば、船舶、陸上における発電等に用いられるディーゼルエンジンに適用される軸流式排気ターボ過給機等の過給機に適用可能である。また、本発明の吸音構造体30は、第二の吸音材32を折り曲げることによって第一の吸音材31を挟む込む構成に代えて、平板状の2枚の第二の吸音材32によって第一の吸音材31を挟み込む構成であってもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 過給機
20 吸気サイレンサ
30 吸音構造体
31 第一の吸音材
32 第二の吸音材
33 不織布(又はフィルム)
34 表面保護材
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ディーゼルエンジン用の過給機の吸気口に設けられるサイレンサに適用される吸音構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジン用の軸流式排気ターボ過給機において、コンプレッサの吸気口側に、複数の吸気用エレメントを内蔵する吸気サイレンサを配置することが行われている(特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−194161号公報
【特許文献2】特開2005−069228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる過給機のコンプレッサの吸気口側に設けられる吸気サイレンサには、0.63〜3.15kHzと中音域から高音域まで広い周波数帯域(1/3オクターブバンド中心周波数)で高い吸音性能が要求される。従来の吸音材で、このような中音域から高音域まで高い吸音性能を確保するためには、吸音材を厚くする必要があるが、吸音材を厚くすると空気の流路が狭くなり、気流抵抗が増えるとともに高音域の吸音性能が低下する傾向がある。
【0005】
本発明は、前記した問題に鑑みて創案されたものであり、厚みを抑えつつ広い周波数帯域において好適な吸音性能を実現することが可能な吸音構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明の吸音構造体は、第一の吸音材と、前記第一の吸音材の両面に配置された第二の吸音材と、を備え、前記第一の吸音材の嵩密度は、前記第二の吸音材の嵩密度よりも大きいことを特徴とする。
【0007】
かかる構成によると、嵩密度が異なる二種類の吸音材によって吸音するので、厚みを抑えつつ広い周波数帯域(中高音域(0.63〜3.15kHz))において吸音することができる。また、音波が嵩密度の小さい第二の吸音材に先に入力され、続いて嵩密度の大きい第一の吸音材に入力されることによって、音波が第二の吸音材から出射して第一の吸音材に入射する際に多くの音響入射エネルギーが熱エネルギーに変換されるので、より好適な吸音性能を実現することができる。
【0008】
また、前記吸音構造体は、前記第二の吸音材の前記第一の吸音材とは反対側の面に配置された不織布又はフィルムをさらに備える構成であってもよい。
【0009】
かかる構成によると、第二の吸音材の厚みを抑えつつ広い周波数帯域中高音域(0.63〜3.15kHz)の吸音性能を確保することができる。また、不織布又はフィルムの外側面には撥水処理等の各種処理を施すことができるので、吸音構造体の耐久性能を高めることができる。
【0010】
また、前記吸音構造体は、前記第二の吸音材の前記第一の吸音材とは反対側の面に配置された、音波を透過可能な表面保護材をさらに備える構成であってもよい。
【0011】
かかる構成によると、第一の吸音材及び第二の吸音材を物体の衝突等から好適に保護することができる。なお、不織布又はフィルムと、表面保護材との両方を採用する場合には、不織布又はフィルムを第二の吸音材と表面保護材との間に配置すればよい。
【0012】
前記第一の吸音材は、複数層からなる構成であってもよい。
【0013】
かかる構成によると、表面保護材が曲面形状を呈する場合であっても、表面保護材に対する第一の吸音材及び第二の吸音材の組立体の沿い性を高めることができる。
【0014】
前記第一の吸音材及び前記第二の吸音材は、高分子繊維から形成されていてもよい。
【0015】
かかる構成によると、吸音性能を確保しつつ吸音構造体を薄型化することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、厚みを抑えつつ広い周波数帯域において好適な吸音性能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る過給機を示す一部破断斜視図である。
【図2】図1の吸気サイレンサを示す分解斜視図である。
【図3】図2の吸音構造体を示す分解斜視図である。
【図4】図2の吸音構造体を示す側面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る吸音構造体の第一の吸音材、第二の吸音材及び不織布の組立体を示す側面図である。
【図6】本発明の第一の実施例の吸音率を示すグラフである。
【図7】本発明の第二の実施例の吸音率を示すグラフである。
【図8】本発明の第三の実施例の吸音率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、本発明の吸音構造体をディーゼルエンジン用の過給機の吸気口に設けられる吸気サイレンサに適用した場合を例にとり、適宜図面を参照しながら説明する。同様の部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
≪過給機≫
図1に示すように、本発明の実施形態に係る過給機1は、ディーゼルエンジンに適用される軸流式排気ターボ過給機であり、ケーシング11a及びケーシング11bから構成される排気タービンケーシング11と、コンプレッサケーシング12と、排気タービンケーシング11とコンプレッサケーシング12との間に延設されたタービンシャフト13と、コンプレッサケーシング12の吸気口側に設けられた吸気サイレンサ20と、を備える。タービンシャフト13は、軸受(図示せず)によって軸線まわりに回転可能に支持されている。タービンシャフト13の排気タービンケーシング11側端部には、タービン翼を有するタービンディスク13aが取り付けられており、コンプレッサケーシング12側端部には、コンプレッサホイール13bが取り付けられている。かかる過給機1は、ケーシング11b内に供給された排気によってタービンシャフト13を回転させ、吸気サイレンサ20を介してコンプレッサケーシング12の吸気口側に供給された空気を圧縮し、圧縮空気をコンプレッサケーシング12の排出口12aから排出する。
【0020】
≪吸気サイレンサ≫
図2に示すように、本発明の実施形態に係る吸気サイレンサ20は、保持体21と、円筒部(パンチングプレート)22と、円筒部(フィルタマット)23と、ラッシングベルト24a〜24cと、複数の吸音構造体30,30,・・・と、を備える。
【0021】
保持体21は、対向配置される一対の円板部21a,21bと、これら円板部21a,21bを繋ぐ複数の壁部(リブ)21c,21c,・・・と、を備える。円板部21bには、吸音構造体30を挿入するための複数の孔部21b1,21b1,・・・が形成されている。壁部(リブ)21cは、円板部21a,21bの径方向に沿って設けられおり、タービンシャフト13(図1参照)の回転方向Rに向かって凸となるように屈曲形成されている。円筒部(パンチングプレート)22は、同径に形成された円板部21a,21bの外径と略同一の内径を呈し、円筒部(フィルタマット)23は、円筒部22の外径と略同一の内径を呈する。すなわち、内側から保持体21、円筒部22、円筒部23の順に配置されている。円筒部(パンチングプレート)22は、ターンバックル(図示せず)によって保持体21に対して固定され、円筒部(フィルタマット)23は、円筒部23の外周に設けられたラッシングベルト24a〜24cによって保持体21及び円筒部(パンチングプレート)22の組立体に対して固定される。
【0022】
複数の吸音構造体30,30,・・・は、主としてコンプレッサケーシング12内で発生する騒音を吸音するものであり、円板部21bに形成された複数の孔部から保持体21内に収容される。吸音構造体30は、壁部21c(図1参照)と同様、タービンシャフト13(図1参照)の回転方向R(図2参照)に向かって凸となるように屈曲形成されている。これは、コンプレッサケーシング12へ供給される空気を流れやすくするための措置である。
【0023】
≪吸音構造体≫
図3及び図4に示すように、吸音構造体30は、第一の吸音材31と、第二の吸音材32と、不織布33と、一対の表面保護材34,34と、を備える。
【0024】
第一の吸音材31は、ポリエステル等の高分子繊維から形成された平板部材であり、両面から入力された音波の音響入射エネルギーを熱エネルギーに変換することによって吸音することができる。
【0025】
第二の吸音材32は、第一の吸音材31の両面に配置された、ポリエステル等の高分子繊維から形成された平板部材であり、両面から入力された音波の音響入射エネルギーを熱エネルギーに変換することによって吸音することができる。本実施形態において、第二の吸音材32は、折り曲げられて第一の吸音材31を挟み込むように配置される。
【0026】
なお、第一の吸音材31及び第二の吸音材32としては、軟質ウレタンフォーム等の高分子発泡系材料から形成されたものであってもよく、さらには、グラスウール、ロックウール等の無機繊維系材料又は金属繊維系材料から形成されたものであってもよく、アルミ等の金属発泡系材料から形成されたものであってもよい。
【0027】
不織布33は、第二の吸音材32と表面保護材34との間に配置される。不織布33としては、ポリエステル系、ポリエチレン系、ナイロン系等の高分子系材料から形成されたものであってもよく、和紙等の紙系不織布であってもよい。本実施形態において、不織布33は、第二の吸音材32の外側面全体にホットメルト材を用いて熱融着されている。ホットメルト材としては、ポリエステル系、ナイロン系、ポリプロピレン系、オレフィン系等の高分子系材料から形成された、パウダー状、網目状又は繊維状を呈するものであって、面重量が20〜200g/m2であって、流れ抵抗が0.5×104〜5×104N・sec/m4であって、融点が70〜180℃であるものが好適に使用可能である。特に、流れ抵抗が3.5×105〜7.0×106N・sec/m4であるスパンボンド不織布が本実施形態に係る不織布33として好適に使用可能である。また、不織布33は、一層に限定されず、異なる不織布から構成された複数の層を有する構成であってもよい。また、不織布33の外側面に、撥水処理、難燃処理、耐候処理、耐光処理、防汚処理等が施されている構成であってもよい。かかる構成によると、吸音構造体30の耐久性能を高めることができる。
【0028】
なお、不織布33に代えて、フィルムが第二の吸音材32と表面保護材34との間に配置される構成であってもよい。かかるフィルムとしては、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、塩化ビニル等の高分子系材料から形成されたものが好適に使用可能である。フィルムの厚さは、高音域の吸音性能に影響を与えないよう、25μm以下とすることが望ましい。
【0029】
一対の表面保護材34,34は、第二の吸音材32の外側面(第一の吸音材31とは反対側の面)に配置された、複数の開口34a,34a,を介して音波を透過可能な部材であり、壁部21c(図1参照)と同様、タービンシャフト13(図1参照)の回転方向R(図2参照)に向かって凸となるように屈曲形成されている。表面保護材34としては、金網、パンチングメタル等、開口を有する金属製部材が好適に使用可能であり、その開口率は、20%以上であることが望ましい。
【0030】
ここで、本実施形態に係る吸音構造体30の製造方法について簡単に説明する。まず、第二の吸音材32の一面に不織布33を熱融着させる。続いて、不織布33付き第二の吸音材32を不織布33が外側面となるように折り曲げることによって、第一の吸音材31を挟み込み、第二の吸音材32の両端部が向かい合った側において、固定部材A1によって第一の吸音材31及び(不織布33付き)第二の吸音材32を固定する。続いて、前記工程で得られた組立体の両面に表面保護材34,34を配置し、一対の固定部材A2,A3によって組立体及び表面保護材34,34を固定する。
【0031】
なお、第二の吸音材32は、縦配向(繊維が第二の吸音材32の厚み方向に延びるように配列されている)であることが望ましい。かかる構成によると、第一の吸音材31を挟み込むように折り曲げたり、表面保護材34に沿って屈曲させたりする際に好適に変形させることができる。また、第一の吸音材31の凸側面において凸状と直交する方向に延びる切り込み31aを形成することによって、屈曲時に切り込み31aが開くようにし、表面保護材34に沿って屈曲させやすくする構成であってもよい。
【0032】
本実施形態に係る吸音構造体30には、その両面から音波が入力される。入力された音波は、表面保護材34及び不織布33を介して第二の吸音材32に入力され、第二の吸音材32によって音波の音響入射エネルギーが熱エネルギーに変換される。第二の吸音材32に入力された音波のうち、熱エネルギーに変換されなかった分は、続いて第一の吸音材31に入力され、第二の吸音材32よりも嵩密度が大きい第一の吸音材31によって音波の音響入射エネルギーが熱エネルギーに変換される。このように、本発明の実施形態に係る吸音構造体30は、嵩密度が異なる二種類の吸音材31,32によって吸音するので、厚みを抑えつつ広い周波数帯域において吸音することができる。また、音波が嵩密度の小さい第二の吸音材32に先に入力され、続いて嵩密度の大きい第一の吸音材31に入力されることによって、音波が第二の吸音材32から出射して第一の吸音材31に入射する際に多くの音響入射エネルギーが熱エネルギーに変換されるので、より好適な吸音性能を実現することができる。また、本実施形態に係る吸音構造体30は、その両面から入力される音波の音響入射エネルギーを熱エネルギーに変換することによって吸音するので、その両面側で空気が流れる吸気サイレンサ20用として好適である。
また、第一の吸音材31の嵩密度は、25〜90kg/m3であり、第二の吸音材32の嵩密度は、5〜30kg/m3であることが望ましい。かかる構成によると、第一の吸音材31が比較的中音域(0.63〜1.25kHz)の音波を吸音し、第二の吸音材32が高音域(1.00〜4.00kHz)の音波を吸音するとともに、第一の吸音材31及び第二の吸音材32の相互作用によって吸音効果を高めることができるので、0.63〜3.15kHzという広い周波数帯域において好適な吸音性能を実現することができる。
【0033】
なお、前記実施形態においては、第一の吸音材31は、単一層から構成されているが、図5に示すように、第一の吸音材31は、複数層から構成されていてもよい。図5(a)において、第一の吸音材31は、6層の板状部材から構成されており、図5(b)において、第一の吸音材31は、7層の板状部材から構成されている。そして、複数層の板状部材のうち、中央のものは長く、両端のものほど短く形成されていることによって、曲面形状を呈する表面保護材34に対する第一の吸音材31、第二の吸音材32及び不織布33の組立体の沿い性を高め、表面保護材34に対する組立体の抵抗を小さくすることができる。なお、図5においては、複数層構造を説明するため、吸音構造体30の厚みを誇張して図示している。
【実施例】
【0034】
続いて、本発明の実施例について、図6〜図8を参照して説明する。図6は、本発明の第一の実施例の吸音率を示すグラフである。図7は、本発明の第二の実施例の吸音率を示すグラフである。図8は、本発明の第三の実施例の吸音率を示すグラフである。
【0035】
第一の実施例においては、第一の吸音材31として、嵩密度約80kg/m3、厚さ約10mmのポリエステル製の板状部材を用い、第二の吸音材32として、嵩密度約10kg/m3、厚さ約10mmのポリエステル製の板状部材を用い、不織布33として、厚さ約0.3mm、流れ抵抗5.0×105N・sec/m4のポリエステル製のスパンポンド不織布を用い、厚さ約30mm、直径100mmの吸音構造体30のサンプルを製造し、かかる吸音構造体30の1/3オクターブバンド周波数の吸音率を、音波をサンプルに対して垂直に入射して反射した音波のエネルギーを測定し、入射した音波のエネルギーと反射した音波のエネルギーとの差に基づいて吸音率を算出する、いわゆる垂直入射法で計測した。
比較例においては、嵩密度約50kg/m3、厚さ約30mmのグラスウールからなる従来の吸音構造体の1/3オクターブバンド周波数の吸音率を垂直入射法で計測した。
図6に示すように、第一の実施例に係る吸音構造体30は、中高音域(0.63〜3.15kHz)において、比較例に係る吸音構造体よりも高い吸音性能を発揮することがわかった。
【0036】
第二の実施例においては、第一の吸音材31として、嵩密度約80kg/m3、厚さ約10mmのポリエステル製の板状部材を用い、第二の吸音材32として、嵩密度約10kg/m3、厚さ約10mmのポリエステル製の板状部材を用い、不織布33の代わりのフィルムとして、厚さ25μmのポリエチレン製のフィルムを用い、厚さ約30mm、直径約100mmの吸音構造体30のサンプルを製造し、かかる吸音構造体30の1/3オクターブバンド周波数の吸音率を垂直入射法で計測した。
比較例においては、嵩密度約50kg/m3、厚さ約30mmのグラスウールからなる従来の吸音構造体の1/3オクターブバンド周波数の吸音率を垂直入射法で計測した。
図7に示すように、第二の実施例に係る吸音構造体30は、中高音域(0.63〜3.15kHz)において、比較例に係る吸音構造体よりも高い吸音性能を発揮することがわかった。
【0037】
第三の実施例においては、第一の吸音材31として、嵩密度約80kg/m3、厚さ約5mmのポリエステル製の板状部材を二枚用いて複数層構造を構成し、第二の吸音材32として、嵩密度約10kg/m3、厚さ約10mmのポリエステル製の板状部材を用い、不織布33として、厚さ約0.3mm、流れ抵抗5.0×105N・sec/m4のポリエステル製のスパンポンド不織布を用い、厚さ約30mm、直径約100mmの吸音構造体30のサンプルを製造し、かかる吸音構造体30の1/3オクターブバンド周波数の吸音率を垂直入射法で計測した。
比較例においては、嵩密度約50kg/m3、厚さ約30mmのグラスウールからなる従来の吸音構造体の1/3オクターブバンド周波数の吸音率を垂直入射法で計測した。
図8に示すように、第三の実施例に係る吸音構造体30は、中高音域(0.63〜3.15kHz)において、比較例に係る吸音構造体よりも高い吸音性能を発揮することがわかった。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。本発明の吸音構造体30は、例えば、船舶、陸上における発電等に用いられるディーゼルエンジンに適用される軸流式排気ターボ過給機等の過給機に適用可能である。また、本発明の吸音構造体30は、第二の吸音材32を折り曲げることによって第一の吸音材31を挟む込む構成に代えて、平板状の2枚の第二の吸音材32によって第一の吸音材31を挟み込む構成であってもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 過給機
20 吸気サイレンサ
30 吸音構造体
31 第一の吸音材
32 第二の吸音材
33 不織布(又はフィルム)
34 表面保護材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の吸音材と、
前記第一の吸音材の両面に配置された第二の吸音材と、
を備え、
前記第一の吸音材の嵩密度は、前記第二の吸音材の嵩密度よりも大きい
ことを特徴とする吸音構造体。
【請求項2】
前記第二の吸音材の前記第一の吸音材とは反対側の面に配置された不織布又はフィルム
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の吸音構造体。
【請求項3】
前記第二の吸音材の前記第一の吸音材とは反対側の面に配置された、音波を透過可能な表面保護材をさらに備える
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の吸音構造体。
【請求項4】
前記第一の吸音材は、複数層からなる
ことを特徴とする請求項3に記載の吸音構造体。
【請求項5】
前記第一の吸音材及び前記第二の吸音材は、高分子繊維から形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の吸音構造体。
【請求項1】
第一の吸音材と、
前記第一の吸音材の両面に配置された第二の吸音材と、
を備え、
前記第一の吸音材の嵩密度は、前記第二の吸音材の嵩密度よりも大きい
ことを特徴とする吸音構造体。
【請求項2】
前記第二の吸音材の前記第一の吸音材とは反対側の面に配置された不織布又はフィルム
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の吸音構造体。
【請求項3】
前記第二の吸音材の前記第一の吸音材とは反対側の面に配置された、音波を透過可能な表面保護材をさらに備える
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の吸音構造体。
【請求項4】
前記第一の吸音材は、複数層からなる
ことを特徴とする請求項3に記載の吸音構造体。
【請求項5】
前記第一の吸音材及び前記第二の吸音材は、高分子繊維から形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の吸音構造体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−21405(P2012−21405A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157581(P2010−157581)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【出願人】(595122187)ブリヂストンケービージー株式会社 (36)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【出願人】(595122187)ブリヂストンケービージー株式会社 (36)
【Fターム(参考)】
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