説明

商品の自動段積包装装置

【課題】 高速化と装置の簡素化を図った自動段積包装装置を提供する。
【解決手段】 商品Gを一列に搬送する搬送路1の先端部の一方側に直交させて一段列幅の商品集積路3,4が複数設けられ、他方側には前記複数の商品集積路3,4のそれぞれの列数に対応させて前記一列に搬送された商品Gを前記それぞれの列に順次均等に供給する殴打杆5〜10が設けられ、前記複数の商品集積路3,4の先端部に直交させて包装資材Pの搬送路16が設けられ、前記複数の商品集積路3,4上方には該商品集積路3,4の先端に位置した一段分の商品Gを吸着、移送及び吸着解除して前記包装資材P中に充填する商品充填装置24がそれぞれ設けられてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の自動段積包装装置に関し、詳しくは、自動段積包装の高速化と装置の簡素化を図ったことを特徴とする。
【背景技術】
【0002】
本願出願人は、前記商品がカップ状商品であり、該カップ状商品の小径部と大径部を交互に隣接して無駄な空間をなくした自動集積(段積)装置として、先に搬送された一段分(上段分)の商品を吸盤により吸着して上昇させ、つぎに送られて来た一段分(下段分)の商品の上に下降させ、前記一段分(上段分)の商品の吸着を解除し、二段積みされた前記商品を箱詰装置へ送り自動的に箱詰めを行う装置を提案している。
【特許文献1】特開平11−157508号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、自動段積包装の高速化と装置の簡素化を図った自動段積包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の商品の自動段積包装装置は、商品を一列に搬送する搬送路の先端部の一方側に直交させて一段列幅の商品集積路が複数設けられ、他方側には前記複数の商品集積路のそれぞれの列数に対応させて前記一列に搬送された商品を前記それぞれの列に順次均等に供給する殴打杆が設けられ、前記複数の商品集積路の先端部に直交させて包装資材の搬送路が設けられ、前記複数の商品集積路の上方には、該複数の商品集積路の先端に位置した一段分の商品を吸着、移送及び吸着解除して前記包装資材中に充填する商品充填装置がそれぞれ設けられた構成としたものである。
【0005】
前記本発明では、商品を包装資材中に二段積みにして包装する場合には、前記商品集積路が二列に設けられ、商品を包装資材中に三段積みにして包装する場合には前記商品集積路が三列に設けられる。また、本発明では、前記特許文献1のように、製造工程から一列で搬送された商品を広幅コンベア上で振り分けて適数列、適数個に集積することを要しない。したがって、自動段積包装を高速化でき、さらに装置が簡素化される。
【0006】
請求項2の実施の一形態は、商品を一列に搬送する前記搬送路の先端部を商品が滑り易いコンベアとしたことを特徴とする。この実施の一形態によれば、前記殴打杆による前記商品集積路への商品供給がスムーズに行われる。
【0007】
請求項3の実施の一形態は、前記殴打杆の先端部に緩衝材を設けたことを特徴とする。この実施の一形態によれば、前記殴打杆による前記商品集積路へ移送時に商品に傷をつけることがない。
【0008】
請求項4の実施の一形態は、包装資材が中途成形工程にある段ボールシートであることを特徴とする。この実施の一形態によれば、段ボールケースの成形に同期させて該段ボールケースへの迅速な商品の自動供給及び自動段積包装が可能である。すなわち、予め成形され蓋部フラップのみ開放された段ボールケースへ内への商品の自動供給及び自動段積包装は、開口スペースが限られているため困難を伴うものである。
【0009】
そこで、前記蓋部フラップの他、端部フラップ、さらには側フラップの一部を開放した成形工程にある段ボールシートの底部フラップ上に商品を自動供給及び自動段積みし、同時に段ボールケースに成形する方法が適しているものである(例えば、特公昭54−43955公報等参照)。
【0010】
請求項5の実施の一形態は、前記包装資材の搬送路を間欠駆動としたことを特徴とする。この実施の一形態によれば、前記包装資材の搬送と商品充填タイミングを容易に同期させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本発明に係る自動段積包装装置の概略平面図、図2は、図1の概略側面図、図3は、図2のX−X線一部断面矢視図、図4は、商品充填装置部の概略側面図、図5は、包装資材及び該包装資材の成形過程を示す斜視図である。
【0012】
図中、1は商品製造工程から商品Gが一列に搬送される搬送路であり、該搬送路1はローラコンベアからなり、前記商品Gを搬送及び一次蓄積できるアキュームコンベアとされている。本発明の一実施例では、前記搬送路1の先端部に連続させて、前記商品Gが滑り易いコンベア2が設けられる。該コンベア2は具体的には上面部が平滑面となるプラスチック部材で構成されている。
【0013】
つぎに前記搬送路1の先端部の一方側、具体的には、前記コンベア2の一方側に、該コンベア2に直交させて一段列幅の複数の商品集積路3,4が設けられる。図面実施の一形態では、商品Gが6個二段積みであり、前記商品集積路3,4の一段列幅が商品3列分とされている。なお、三段積みの場合には、前記商品集積路が三列に設けられる。
【0014】
さらに、前記搬送路1の先端部の他方側、具体的には前記コンベア2の前記商品集積路3,4との反対側に、前記複数の商品集積路3,4のそれぞれの列数(各3列)、すなわち、合計6列に対応させて、前記一列に搬送された商品Gを前記それぞれの列a,b,c,d,e及びfに順次均等に供給する殴打杆5,6,7,8,9及び10が設けられる。
【0015】
前記殴打杆5,6,7,8,9及び10は、それぞれ下端が固定軸11に回動自在に支持され、そのそれぞれ上端部が揺動自在に構成される。すなわち、前記それぞれの殴打杆5,6,7,8,9及び10にそれぞれ対応させて、図3に示す、それぞれが独立駆動するロータ12を配置し、該それぞれのロータ12に一端が枢止されたそれぞれの往復動杆13の先端部が前記殴打杆5,6,7,8,9及び10の略中間部にそれぞれピン14で連結される。
【0016】
前記構成において、前記殴打杆5,6,7,8,9及び10の上端が、前記コンベア2上に供給された商品Gを順次殴打して前記商品集積路3,4上へ前記商品を均等に供給する。図中、15は前記殴打杆5,6,7,8,9及び10の上端にそれぞれ設けられた緩衝材である。
【0017】
つぎに、前記商品集積路3,4の先端部には、該商品集積路3,4に直交させて包装資材Pの搬送路16が設けられる。該包装資材Pの搬送路16は前記商品集積路3,4の先端部に位置した商品Gの段積包装部とされ、前記包装資材Pの移送路16の上流には段ボールシートマガジン部17及び段ボールシート成形装置18が設けられ、また、下流には糊付け封緘装置19が設けられている。
【0018】
図5Aは、前記商品Gの前記段積包装部に供給される前記包装資材Pの一実施例であり、展開された段ボールシートが前記段ボールシートマガジンブ17から吸盤等により引き出され、その後前記段ボールシート成形装置18によって中途成形された状態である。
【0019】
すなわち、側部フラップ20が起立させられ、端部フラップ21の一部が内側に折り曲げられ、蓋部フラップ22及び封緘片23が前記側部フラップ20の一方に連続させられて起立させられた状態とされている。なお、このような中途成形状態は、前記搬送路16を搬送中は、図示しない各種ガイドによって変形が防止されている。図中、図5B及び図5Cは商品Gの充填後の封緘状態を示し、前記糊付け封緘装置19からの瞬間接着剤(ホットメルト)によって包装が完了する。
【0020】
つぎに、商品充填装置24について述べる。前記商品集積路3,4の上方には、該商品集積路3,4の先端部に位置した一段分の商品Gに吸着、移送及び吸着解除して前記包装資材P中に供給する商品充填装置24がそれぞれ設けられる。該
それぞれの商品充填装置24は、昇降及び前記包装資材Pの搬送路16の上方にスライドするそれぞれ6個の吸盤25によって構成されている。
【0021】
すなわち、図示しない機体側に支持されたガイドロッド26に図示しないシリンダ等によって往復動するスライダー27が支持され、該スライダー27に設けられた下向きシリンダ28のピストンロッド29の下端に設けられた吸盤取付板30に前記6個の吸盤25が設けられている。
【0022】
前記構成の本発明は、製造工程から前記商品Gが前記搬送路1上に供給され、さらに前記搬送路1の先端に設けられたコンベア2上に供給される。つぎに、予め定められた順序にしたがって前記殴打杆5,6,7,8,9及び10が駆動させられ、前記コンベア2上の商品Gが前記商品集積路3,4上へそれぞれ3列、合計6列(a,b,c,d,e及びf列)に供給される。
【0023】
さらに、前記商品集積路3,4に供給された商品Gのうち、まず、前記商品集積路3の先端部に至った6個の商品Gに、前記商品充填装置24を構成する前記吸盤25が前記シリンダ28によって下降させられて吸着し、さらに前記シリンダ28によって上昇させられ、つぎに前記スライダー27によって前記包装資材Pの搬送路16上へ移送される。
【0024】
前記商品集積路3の先端部の前記搬送路16には、予め、タイミングを合わせて包装資材Pが待機させられており、前記シリンダ28によって前記吸盤25及び該吸盤25に吸着している商品Gが下降させられ、前記吸盤25の吸着解除により、前記包装資材P内に一段目の商品Gが充填される。なお、図4では、前記商品集積路3,4の先端部のローラコンベアが一段分の6個の商品Gを支持して一次上昇し、後続の商品Gとの間を分断するように構成されている。
【0025】
つぎに、前記一段目の商品Gが充填された包装資材Pが前記搬送路16を間欠駆動させられて前記商品集積路4の先端部に移動させられる。同時に前記商品集積路4の先端部にある6個の商品Gが前記一段目と同様に吸盤25によって吸着され、上昇及び移送され、さらに下降させられて前記一段目の商品Gの上に段積みされる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る自動段積包装装置の概略平面図である。
【図2】図1の概略側面図である。
【図3】図2のX−X線一部断面矢視図である。
【図4】商品充填装置部の概略側面図である。
【図5】包装資材及び該包装資材の成形過程を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
1 (商品)の搬送路
2 コンベア
3 商品集積路
4 商品集積路
5〜10 殴打杆
16 (包装資材)の搬送路
24 商品充填装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を一列に搬送する搬送路の先端部の一方側に直交させて一段列幅の商品集積路が複数設けられ、他方側には前記複数の商品集積路のそれぞれの列数に対応させて前記一列に搬送された商品を前記それぞれの列に順次均等に供給する殴打杆が設けられ、前記複数の商品集積路の先端部に直交させて包装資材の搬送路が設けられ、前記複数の商品集積路の上方には、該複数の商品集積路の先端に位置した一段分の商品を吸着、移送及び吸着解除して前記包装資材中に充填する商品充填装置がそれぞれ設けられてなることを特徴とする商品の自動段積包装装置。
【請求項2】
商品を一列に搬送する前記搬送路の先端部を商品が滑り易いコンベアとしたことを特徴とする請求項1に記載の商品の自動段積包装装置。
【請求項3】
殴打杆の先端部に緩衝部材を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動段積包装装置。
【請求項4】
包装資材が中途成形過程にある段ボールシートであることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の商品の自動段積包装装置。
【請求項5】
包装資材の搬送路を間欠駆動としたことを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の商品の自動段積包装装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−290554(P2006−290554A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−114104(P2005−114104)
【出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【出願人】(390039549)株式会社インターパック (15)
【Fターム(参考)】