回路基板、それを用いた回路基板実装体、その回路基板実装体を用いた回路基板実装ユニット
【課題】各導体パターン同士の平面間隔が狭くならないようにして各導体パターン同士によるショートを防止する回路基板を提供する。
【解決手段】回路基板14は、実装された際の半導体素子13の近傍に第1横長スリット17と導電リード12を有し、導電リード12は、半導体素子13の電極との導通接続箇所近傍の傾斜部始点12bから第1横長スリット17を越えた位置の傾斜部終点12cまでほぼ直線状に伸び、かつ第1横長スリット17の長手方向Nの直交線Rに対して傾斜して形成されている傾斜部12oを有して、第1横長スリット17上を跨いでいる導電リード12部分が傾斜部12oとして横長スリット上傾斜導電リード部12eを構成する。
【解決手段】回路基板14は、実装された際の半導体素子13の近傍に第1横長スリット17と導電リード12を有し、導電リード12は、半導体素子13の電極との導通接続箇所近傍の傾斜部始点12bから第1横長スリット17を越えた位置の傾斜部終点12cまでほぼ直線状に伸び、かつ第1横長スリット17の長手方向Nの直交線Rに対して傾斜して形成されている傾斜部12oを有して、第1横長スリット17上を跨いでいる導電リード12部分が傾斜部12oとして横長スリット上傾斜導電リード部12eを構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板、それを用いた回路基板実装体、その回路基板実装体を用いた回路基板実装ユニットの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、IC、LSIなどの電気部品を実装する回路基板は、長尺状のテープキャリアにワイヤレスボンディングで半導体素子を組み込むTAB(Tape Automated Bonding)方式で得られるフレキシブル回路基板が多用されている。
上記フレキシブル回路基板が形成される絶縁フィルムテープ1は、特許文献1に開示されており、その図6、図7に図示されているように表面に多数の導体パターン2が配置され、導体パターン2の内の一部が中央部に形成されたデバイスホール4の各辺にてその内方に突出しインナーリード2Aが形成され、このインナーリード2Aにて半導体素子9が導通接合されている。このインナーリード2Aから、図6、図7の上側に形成されている横長のスリット6,6および下側に形成されている横長のアウターホール5に向けて多数の導体パターン2が配置形成されている。上記多数の導体パターン2は、上記スリット6,6およびアウターホール5を跨って配置形成され、上記スリット6,6およびアウターホール5上ではそれらの長手方向に直交する向き、すなわち図6、図7では上下方向に配置形成されているものである。
【0003】
【特許文献1】特許第3169039号公報
【0004】
ここで、上記インナーリード2Aの群の平面位置と、上記インナーリード2Aに接続し上記スリット6,6およびアウターホール5を跨って形成されている導体パターン2の群の平面位置とは、多くの場合上記長手方向においては異なった位置に配置されている。すなわち、上記デバイスホール4の上辺、左辺、右辺に各々形成された各インナーリード2A群は、上方のスリット6,6に向かって延びて上記スリット6,6を跨って形成されており、下辺に形成されたインナーリード2A群は、下方のアウターホール5に向かって延びて上記アウターホール5を跨って形成されており、各インナーリード2A群よりも、上記スリット6,6およびアウターホール5を跨る各導体パターン2群の方が、前記長手方向での幅が広く形成されている。このため、各インナーリード2A群の平面位置から上記スリット6,6およびアウターホール5を跨る各導体パターン2群に向けて上記長手方向に広がるように傾斜して形成されているものである。
【0005】
ここで、説明をしやすくするために、特許文献1の図6におけるデバイスホール4の下辺のインナーリード2Aから下方のアウターホール5を跨る導体パターン2の部分を拡大した図を図12として図示しながら説明する。
図12において、導体パターン2における前述の傾斜するように配置形成された部分を傾斜配置部2Cと称すると、傾斜配置部2Cはインナーリード2Aからアウターホール5を跨る導体パターン2である入力用アウターリード2Bとの間の部分となる。この入力用アウターリード2Bが、前述したようにアウターホール5の長手方向、すなわち図12の左右方向に対して直交する方向に形成されているものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
導体パターン2の上記傾斜配置部2Cでは、各導体パターン2における隣接の導電パターン2との間の間隔が狭くなってしまい、各導体パターン2同士が接触してショートを引き起こしてしまう危険性がある。
特に前述のインナーリード2Aが導通接続する半導体素子9の下辺から上記横長スリットであるアウターホール5までの距離Lが短くなればなるほど、前述した傾斜配置部2C の傾斜が大きくなり、それだけ各導体パターン2における隣接の導電パターン2との間の間隔が狭くなるので、互いのショートの危険性が増大するものである。
【0007】
そこで本発明は、上記の課題を解決するもので、各導体パターン同士の平面間隔が狭くならないようにして各導体パターン同士によるショートを防止する回路基板、それを用いた回路基板実装体、その回路基板実装体を用いた回路基板実装ユニットをもたらすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1実施態様の回路基板は、電気部品が実装された際には当該電気部品の電極に導通接続される導電リードと、表面に前記導電リードが接合配置される板状基材とを有する回路基板であって、前記板状基材は、実装された際の前記電気部品の近傍に開口した横長スリットを有し、前記導電リードは、電気部品における前記電極との導通接続箇所近傍の始点から前記横長スリット近傍の終点までほぼ直線状に伸び、かつ前記横長スリットの長手方向の直交線に対して所定方向に傾斜して形成されている傾斜部を有しており、傾斜部の前記終点は前記電気部品から見て前記横長スリットを越えた位置に配置されることにより、前記横長スリット上を跨いでいる導電リード部分が前記傾斜部の一部であって横長スリット上傾斜導電リード部を構成していることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、前記導電リードは、電気部品における前記電極との導通接続箇所近傍の始点から前記横長スリット近傍の終点までほぼ直線状に伸び、かつ前記横長スリットの長手方向の直交線に対して所定方向に傾斜して形成されている傾斜部を有しており、傾斜部の前記終点は前記電気部品から見て前記横長スリットを越えた位置に配置されることにより、前記横長スリット上を跨いでいる導電リード部分が前記傾斜部の一部であって横長スリット上傾斜導電リード部を構成していることから、上記始点から前記横長スリットまでの間の傾斜部である基材上傾斜導電リード部においては、各導電リード同士の平面方向での間隔が広がるので互いのショートを防止することができる。
すなわち、上記基材上傾斜導電リード部の各導電リードは、上記横長スリット上傾斜導電リード部とほぼ同じ方向に傾斜して形成されているので上記傾斜角が緩和されることになり、よって図12の傾斜部における各導電リード同士の間隔に比べて広くなるものである。
【0010】
詳しく述べれば、次の通りである。
前記導電リードの上記傾斜部において、電気部品における前記電極との導通接続箇所付近の上記傾斜部始点から上記跨ぎきった上記傾斜終点までの距離(上記横長スリットの長手方向との直交方向における距離)は、前記傾斜部始点から前記横長スリットまでの同方向での距離(上記直交方向における距離)よりも、上記横長スリット上傾斜導電リード部の同方向での距離分だけ長くなる。
したがって図12のような導電リードにおいて電気部品における前記電極との導通接続箇所付近の傾斜部始点2bから前記横長スリット付近の傾斜部終点2a(アウターリードとの接続点)までの導電リードが横長スリットの長手方向の直交線に対して傾斜している傾斜角に比べて、本発明の上記傾斜部始点から上記傾斜部終点にいたる導電リードの同傾斜角は、上記横長スリット上傾斜導電リード部の同方向距離の分だけ緩和され、上記傾斜角が小さくなる。このため、上記基材上傾斜導電リード部の導電リード同士の間隔は広くなるものである。
【0011】
加えて、横長スリットを跨ぐ導電リードは、傾斜して形成されているので、横長スリットの長手方向での幅が上記傾斜角の分だけ広くなる。このため、上記横長スリットの長手方向での耐力が向上し、折り曲げ力などの外力が導電リードに働いても導電リードが耐ええることになる。
【0012】
なお、前記導電リードは、上記始点から上記終点までがほぼ直線状に伸びるとは、非直線の繰り返しを含むもので、例えば細かなジグザグ状で形成され、あるいはなだらかな曲線で形成されることを含む。ただし、導電リード間の間隔がほぼ変わらないように隣接の導電リードは、同様の上記ジグザグ状や曲線で形成する必要がある。上記ジグザグ状や曲線の繰り返し形状が、マクロ的に見れば直線状になっていれば、上記直線状に含まれるものである。
なお、上記基材上傾斜導電リード部と上記横長スリット上傾斜導電リード部の各々の
導電リードが前記横長スリットの長手方向の直交線に対して傾斜しているとは、実装される電気部品の電極と接続している上記基材上傾斜導電リード部近傍の接続群における左右両端間の幅に対して、上記横長スリット上傾斜導電リード部において上記横長スリットを跨ぎきった前記導電リード群での左右両端間の幅の方が広いか、同等か、狭いかにより、また広い程度、狭い程度により定まる。すなわち、上記接続群における左右両端間の幅に対して、上記横長スリットを跨ぎきった前記導電リード群での左右両端間の幅の方が広い場合は上記広くなるような向きの傾斜方向に導電リードが傾斜しているものであり、逆に狭い場合は上記狭くなるような向きの傾斜方向に導電リードが傾斜しているものである。上記接続群における左右両端間の幅に対して、上記横長スリットを跨ぎきった前記導電リード群での左右両端間の幅が同等の場合は、上記接続群における上記長手方向での位置と、上記横長スリットを跨ぎきった前記導電リード群における上記長手方向での位置の違いにより上記傾斜方向や傾斜角は定まるものである。
【0013】
また、上記基材上傾斜導電リード部と上記横長スリット上傾斜導電リード部において、上記傾斜方向や傾斜角は、導電リードがどこの平面位置に形成されているかにより定まるものである。たとえば、電気部品の電極と接続する箇所である上記基材上傾斜導電リード部近傍の接続群における左右両端間の幅が狭く、横長スリットを跨ぎきった前記導電リード群での左右両端間の幅の方が広く、かつ上記接続群の中心位置と横長スリットを跨ぎきった前記導電リード群の中心位置の平面位置が上記長手方向においてほぼ同じ位置である場合であれば、上記基材上傾斜導電リード部と上記横長スリット上傾斜導電リード部における最外端側の導電リードでの上記傾斜角は大きくなり、それより内側の導電リードの上記傾斜角は小さくなるものである。
【0014】
上記導電リードは、好適には銅、アルミニュームなどの導電性金属から構成される導電薄膜からなり、導電パターンとしてエッチングなどにより所定形状に形成されるものである。
上記板状基材は、好適にはフレキシブル基材であり、たとえばポリイミド樹脂の薄板からなる。最も好適には、TAB(Tape Automated Bonding)方式に用いられるフレキシブル基材である。上記板状基材は、非フレキシブル基材であってもよく、たとえばガラス繊維入りエポキシ樹脂基材であってもよい。
また本発明の回路基板は、上記TAB方式から得られる個々のフレキシブル回路基板が好適であるが、またTAB方式に用いられるフィルムテープであって、回路基板が連続的に形成されたフィルムテープそのものであってもよい。このTAB方式に用いられるフィルムテープから、外形切断やプレス抜きなどにより個々の回路基板を取り出すものである。あるいは、TAB方式に用いられるフィルムテープの個々の回路基板上に半導体素子などの電気部品を接続実装した後に、外形切断やプレス抜きなどにより個々の回路基板を取り出すようにしてもよい。
上記電気部品は、半導体素子や液晶表示パネルなどが好適である。その他の導電接続する電気部品であっても良い。
【0015】
本発明の第2実施態様の回路基板は、第1実施態様の回路基板であって、前記電気部品の平面形状は略四辺形であり、前記横長スリット上傾斜導電リード部は、上記電気部品における前記横長スリットに近い辺から突出形成された導電リードの延出部分であることを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、前記電気部品の平面形状は略四辺形であり、前記横長スリット上傾斜導電リード部は、上記電気部品における前記横長スリットに近い辺から突出形成された導電リードの延出部分であるので、前記基材上傾斜導電リード部および前記横長スリット上傾斜導電リード部は、ほぼ直線で構成しやすくなり、屈曲、折り曲げなどの無理な平面形状を用いることなく形成できる。よって、前記基材上傾斜導電リード部および前記横長スリット上傾斜導電リード部の機械的強度を良好に保つことができるものである。
【0017】
本発明の第3実施態様の回路基板は、第1実施態様乃至第2実施態様のいずれか1つの回路基板であって、前記電気部品の平面形状は略四辺形であり、前記横長スリット上傾斜導電リード部は、上記電気部品における前記横長スリットに近い辺とは異なる他の少なくとも1辺から延出した導電リードの延出部分であることを特徴とする。
【0018】
上記構成によれば、前記横長スリット上傾斜導電リード部が上記電気部品における前記横長スリットに近い辺とは異なる他の少なくとも1辺から延出した導電リードの延出部分であることから、電極が前記横長スリットに近い辺とは異なる他の少なくとも1辺にも構成されている上記電気部品を用いることができ、そのような電気部品を用いて本発明を実施することができる。
なお、上記第3実施態様を上記実施形態2のように横長スリット上傾斜導電リード部を構成することと併用する場合は、横長スリット上傾斜導電リード部の各導電リードは、上記電気部品における前記横長スリットに近い辺から突出形成され、さらに上記電気部品における前記横長スリットに近い辺とは異なる他の少なくとも1辺から延出されて多数となる。したがって横長スリット上傾斜導電リード部の各導電リードにおける前述の長手方向の直交線に対する傾斜角は大きく傾きも大きくなるので、互いの導電リード間の隙間が狭くなりやすいものである。しかるに本発明では、前記基材上傾斜導電リード部ばかりでなく前記横長スリット上傾斜導電リード部においても各々の導電リードがほぼ同じ傾斜方向に傾斜するように構成されているので、上記傾斜角が小さくなり傾きも小さくなるもので、互いの導電リード間の隙間が広くなり、ショートを防止することができる。
【0019】
本発明の第4実施態様の回路基板は、第1実施態様乃至第3実施態様のいずれか1つの回路基板であって、前記横長スリット上傾斜導電リード部における前記導電リードは、平面方向の幅が同一である場合に隣接する導電リードとの平面方向の間隔が広がる部分において幅広に形成されていることを特徴とする。
【0020】
上記構成のように前記横長スリット上傾斜導電リード部における前記導電リードは、導電リード部の長手方向に直交する方向の幅が同一である場合に隣接する導電リードとの間隔が広がる部分において幅広に形成されているので、前記横長スリット上傾斜導電リード部の前記導電リードに外力が働いても損傷することを防止できる。
上記のように、導電リードに幅広部分を形成しても、隣接する導電リードとの間隔が狭くなることはないので、互いにショートする危険性は存在しないものである。
【0021】
本発明の第5実施態様の回路基板は、第1実施態様乃至第4実施態様のいずれか1つの回路基板であって、前記板状基材はフレキシブル材からなり、前記横長スリットにおいてその長手方向に沿って折り曲げられることを特徴とする。
【0022】
上記構成のように前記板状基材はフレキシブル材からなり、前記横長スリットにおいてその長手方向に沿って折り曲げられる場合に、前記横長スリット上傾斜導電リード部の前記導電リードにおける前記長手方向での幅は、広くなるので、上記導電リードが曲げられた際の機械的強度が損なわれることを防止する。
上記横長スリット上傾斜導電リード部の前記導電リードにおける前記長手方向での幅が広くなるとは、次の通りである。すなわち、図12のように横長スリット上の導電リードにおいて長手方向の幅は、導電リードのいわゆる幅(導電リードの長手方向に直交する方向の幅)であるのに対し、本発明の横長スリット上傾斜導電リード部の前記導電リードは、所定方向に傾斜して形成されていることから上記傾斜による長手方向の幅寸法が増加するものである。
【0023】
本発明の第6実施態様の回路基板実装体は、第1実施態様乃至第5実施態様のいずれか1つに記載の回路基板と、この回路基板の導電リードの一端に導通接続され実装されている電気部品とを備えたことを特徴とする。
【0024】
上記構成によれば、上述してきた回路基板としての作用効果を、回路基板に導通接続されて実装される電気部品を備えた回路基板実装体にも当てはまるものである。
上記電気部品は、半導体素子、抵抗、コンデンサ等、どのようなものでもよい。
【0025】
本発明の第7実施態様の回路基板実装ユニットは、第6実施態様に記載の回路基板実装体における前記導電リードの延出部であって前記横長スリットを超えた位置に形成されたアウターリードに他の電気構造体に接合したことを特徴とする。
【0026】
上記構成によれば、上記回路基板実装体を他の電気構造体に接合して使用する場合であっても、前述してきた作用効果を有するものである。
上記他の電気構造体は、液晶表示パネル、他の回路基板、等で、その他の電気構造体であってもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、各導体パターン同士の平面間隔が狭くならないようにして各導体パターン同士によるショートを防止する回路基板、それを用いた回路基板実装体、その回路基板実装体を用いた回路基板実装ユニットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1〜図5は、本発明の第1実施形態を示す図である。
図1は本発明の第1実施形態における半導体素子が実装された状態のフィルムテープの平面図、図2は図1のA−A位置での主要部断面図、図3は図1で得られた回路基板実装体が折り曲げられて液晶表示パネルに接合された状態の主要部断面図、図4は図1の一部拡大平面図、図5は図4の一部拡大平面図である。
【0029】
図1に図示されたフィルムテープ11は、いわゆるTAB(Tape Automated Bonding)方式に用いられるもので、ポリイミド樹脂の薄板のテープであって図1の上側方向と下側方向に連続して形成されている。
上記フィルムテープ11の左右両端には、搬送用の搬送穴11aが図1の上下方向の所定間隔毎に設けられている。
この場合、上記フィルムテープ11は、所定位置に所定数の横長スリット(後述する)が形成され、フィルムテープ11の表面に導電リード12がパターニング形成され、次に後工程第1方式として、電気部品である半導体素子13が接合実装されてから、所定の切断位置25にて切断し、ポリイミド樹脂の薄板である回路基板14に電気部品である上記半導体素子13が接合実装された回路基板実装体15を得るものである。あるいは、上記フィルムテープ11の表面に導電リード12がパターニング形成された後の後工程第2方式として、フィルムテープ11の所定の切断位置25にて切断し、ポリイミド樹脂の薄板である回路基板14を得てから、この回路基板14に電気部品としての上記半導体素子13を接合実装して回路基板実装体15を得るようにする。上記後工程第1方式と後工程第2方式は、どちらを採用してもよいが、好ましくは作業性向上の観点からは後工程第1方式が好ましい。
上記回路基板14は、電気部品である上記半導体素子13が実装された際には、その半導体素子13の電極に導通接続される導電リード12と、導電リード12が表面に接合配置される板状基材16とを有するものである。上記板状基材16は、上記フィルムテープ11の一部が該当することになる。
【0030】
上記フィルムテープ11から上記回路基板実装体15を得るまでについて詳述する。
ポリイミド樹脂の薄板状テープである上記フィルムテープ11を用意し、上記搬送穴11aと、1つの回路基板14および回路基板実装体15が構成される所定エリア毎に、後ほどの回路基板14における横長スリットとなる第1横長スリット17、第2横長スリット18、第3横長スリット19と、後述する封止樹脂注入用の封止樹脂注入穴20とをプレス加工、エッチング加工等により形成する。
上記回路基板14および回路基板実装体15が構成されるエリアは、図1の図示のように上下方向に多数箇所形成されるものである。図1では、上側に図示された上記回路基板14および回路基板実装体15が下側にも同様に構成されるが、下側の上記回路基板14および回路基板実装体15については詳細な図示が省略されている。
【0031】
上記プレス加工等の後、フィルムテープ11の表面に、後には導電リード12が形成されることになる銅箔を接合する。その銅箔の幅は、左右の上記搬送穴11a間より狭いものを用いる。上記銅箔を、フィルムテープ11の表面に接着材によりあるいは接着材無しの状態で加圧加熱することによりフィルムテープ11の表面に接着する。
しかる後、上記銅箔上にレジスト膜を所定パターンに沿って被覆し、エッチングすることにより露出している上記銅箔をエッチング除去して、所定形状の導電リード12等を得るものである。なお、上記銅箔から所定形状の導電リード12等を得る方法は、上記以外の周知の方法であってもよい。あるいはフィルムテープ11の表面に導電リード12をメッキ方式で形成するようにしてもよい。
なお、上記銅箔から所定形状の導電リード12等を得る場合に、フィルムテープ11の各横長スリットや開口には、裏側等から埋め込み樹脂を注入しておくことも効果的である。その場合は、上記埋め込み樹脂の表側高さは、フィルムテープ11の表面と殆ど同じとなるように埋め込む。あるいはフィルムテープ11の表面と殆ど同じ高さとなるように上記埋め込み樹脂の表側を研磨するようにしてもよい。
【0032】
上記銅箔から所定形状の導電リード12等を得ることによって、図1のようにフィルムテープ11、すなわち板状基材16上と、上記各横長スリット17、18、19上、すなわち上記各横長スリット17、18、19を跨って導電リード12を得ることができ、同時に導電リード12の先端側がその先の他の導電部に導通するためのアウターリードを得ることができるものである。このアウターリードは、図1では、第2横長スリット18の外側(図1では上側)に形成されている第1アウターリード22と、第3横長スリット19の外側(図1では下側)に形成されている第2アウターリード23とを有するものである。
したがって、各導電リード12の各々は、上記第1アウターリード22または第2アウターリード23に導通接続しているものである。
こうして回路基板が複数組形成されることになる。
【0033】
この後の後工程に関し、まず前述した後工程第1方式により個々の回路基板14および回路基板実装体15を得る方法について説明する。
上記封止樹脂注入穴20を取り囲む様にフィルムテープ11(板状基材16)の表面の所定位置に半導体素子13が載置される。
上記所定位置は、上記封止樹脂注入穴20の周囲の板状基材16に導電リード12の先端が配置された位置であって、半導体素子13の裏面に形成されている多数の電極(図示せず)が導電リード12の各先端に合致できる平面位置である。半導体素子13が上記所定位置に載置されるには、画像認識によることが好ましい。したがって上記封止樹脂注入穴20およびその周囲に配置される導電リード12の先端は、半導体素子13により平面的に覆われる位置に配置されるものである。
しかる後、半導体素子13の電極と導電リード12の各先端が導通接合される。
この導通接合は、周知の異方性導電接着材を用いて行うか、半導体素子13の電極が金合金など導通接合金属で構成されている場合には加熱加圧により両者が接合されることにより行ってもよく、それ以外お方法によってでもよい。
【0034】
しかる後、フィルムテープ11(板状基材16)の裏側から上記封止樹脂注入穴20より封止樹脂21を注入する。この封止樹脂21は、エポキシ樹脂が好ましいが、その他の封止樹脂であってもよい。注入された封止樹脂21は、上記封止樹脂注入穴20を埋め尽くし、さらには半導体素子13の底面(底面)および側壁周囲を封止ものである。
なお、上記導電リード12上には、絶縁を確保するため合成樹脂被膜としての絶縁被膜24が塗布される。この絶縁被膜24の形成は、上記塗布以外の方法によってもよい。
【0035】
しかるのち、切断加工やプレス抜き加工が施されて外径形状が四角形状の回路基板実装体15が得られる。
上記切断加工やプレス抜き加工される切断位置25は、図1に2点差線で表示されている四角形状の位置である。
図1の切断位置25は、各横長スリット17、18、19の左右両端から若干距離を置いた左右位置であるため、回路基板14において各横長スリット17、18、19の左右両端には、板状基材16が残されている。この残された板状基材16部分が、板状基材16(回路基板14)全体の強度を確保しているものである。特に、上記いずれかの横長スリットにてその長手方向Nを中心軸線方向にして折り曲げる際には、上記残された板状基材16部分が折り曲げされた板状基材16(回路基板14)や導電リード12を補強することになり、その残された板状基材16の効果は大きい。
【0036】
一方、各横長スリット17、18、19の左右両端が上記切断位置25を越えて形成されるようにしてもよく、その場合の各横長スリット17、18、19は、図1の各横長スリット17、18、19の左右両端に2点鎖線にて表示したように形成されるものである。この各横長スリット17、18、19の左右両端が上記切断位置25を越えて形成されると、上記切断位置25にて切断された際には、各横長スリット17、18、19の左右両端が左右両方向に開放されて上述のように残された板状基材16は存在しない。この場合は、各横長スリット17、18、19のいずれかで、横長方向Nを折り曲げ軸線方向として板状基材16(回路基板14)が折り曲げられる際には、上記補強部分が存在しないことから折り曲げが容易となる効果を有する。
上述のように、各横長スリット17、18、19の左右両端において残された板状基材16部分を確保する(図1の各横長スリット17、18、19が実線形状に形成する)ようにするか、もしくは各横長スリット17、18、19の左右両端を左右両方向に開放する(図1の各横長スリット17、18、19が2点鎖線形状に形成する)ようにするか、あるいは各横長スリットの中で両者を併用するかについては、使用状況により適宜選択すればよい。
【0037】
なお、後工程第2方式により個々の回路基板14および回路基板実装体15を得る方法では、上記フィルムテープ11上に前述のように各横長スリットや導電リードが形成されて個々の回路基板が連続して形成されたのち、前述の切断位置25にて各回路基板を切り落とし、しかる後、各回路基板に前述のように電気部品を導通接続し実装する。また、上記導電リード12上には、絶縁を確保するため合成樹脂被膜としての絶縁被膜24が塗布される。この絶縁被膜24の形成は、上記塗布以外の方法によってもよい。こうして回路基板実装体15を得ることができる。
なお、回路基板実装体15において、半導体素子13の電極に導通接合する導電リード12は、半導体素子13が挿入される大きさに開口された開口部の内側に突出し、この導電リードの突出部に半導体素子13の電極が導通接合される構造、いわゆるインナーリード方式であってもよい。この開口部には、半導体素子13の電極部を封止する封止樹脂が注入されるものである。あるいは、板状基材14上に半導体素子13を接合し、半導体素子13の表面に配置された電極と回路基板の導電リード12とをワイヤーボンダーにてワイヤー接続するようにしてもよい。
【0038】
以上により、回路基板実装体15が得られる。
この回路基板実装体15の主要部断面は、図2に図示されている。
なお、図2の2点鎖線は、回路基板実装体15が接合される他の電気構造体である。
図2において、上記2点差線のうち26はリジット基板でその表面に導電パターンが形成されており、この導電パターンは他の導電手段に接続しているものである。27は液晶表示パネルである。
回路基板実装体15において、第1アウターリード22が上記リジット基板26の導電パターンに接合導通し、第2アウターリード23が液晶表示パネル27、詳しくは上パネル基板27bに接合されている下パネル基板27aの導電パターンに接合導通している。
上記第1アウターリード22が上記リジット基板26の導電パターンに接合導通し、また第2アウターリード23が下パネル基板27aの導電パターンに接合導通するには、どのような方法でもよく、たとえば導電異方性接着材を間に介して加熱加圧してもよく、ありは高導電性金属(たとえば金合金や銀合金)を間に介して加熱加圧してもよく、要するに両者の導電リードが導通しながら両者が接合するならばどのようでもよい。
【0039】
図3は、図2の回路基板実装体15に上記リジット基板26および上記液晶表示パネル27が接合され、組み合わされた状態(図2の実線と2点差線で表示された状態)で、回路基板実装体15を折り曲げかつ上記リジット基板26が液晶表示パネル27上方に重ねられた状態の回路基板実装ユニットである液晶表示パネル回路基板実装ユニット28の主要部断面図である。
回路基板実装体15は、第3横長スリット19と第1横長スリット17にて各々の横長スリットの長手方向Nを折り曲げ軸線方向としてほぼ直角に折り曲げられており、下側に液晶表示パネル27を、液晶表示パネル27の上側に背面板29(液晶表示パネル27の表示に役立てるためのもので例えば反射板など)を、その背面板29の上側にリジット基板26を配置している。このため、第3横長スリット19の中心位置と第1横長スリット17の中心位置との距離寸法は、液晶表示パネル27の下パネル基板27aと背面板29とリジット基板26との積層厚さとほぼ同じ寸法に設定されている。
【0040】
なお、第2横長スリット18に関しては、次の通りである。
すなわち、回路基板実装体15が第2横長スリット18の箇所では曲げられるのではないが、この第2横長スリット18が設けられていることにより、第1アウターリード22がよりしなやかとなりリジット基板26の導電パターンとの接触が良好に保たれる。特に回路基板実装体15が上記第3横長スリット19と第1横長スリット17にて上記のように折り曲げられており、多少なりとも折り曲げを戻そうとする反力が生じる。この反力は、上記回路基板実装体15と第1アウターリード22との接続部に生じやすいものである。そこで、上記回路基板実装体15と第1アウターリード22との接続部近傍に上記第2横長スリット18が配置されているので上記反力を吸収することができ、リジット基板26の導電パターンとの接触が良好に保たれる。
【0041】
図3において、上記液晶表示パネル回路基板実装ユニット28における回路基板実装体15の半導体素子13は、回路基板14の下側で、上記リジット基板26の外端の外側にかつリジット基板26の厚さ内に配置される位置関係となっている。
上記液晶表示パネル回路基板実装ユニット28は、時計、携帯電話、ノートパソコン、電子卓上計算機などの電子機器内に組み入れられて用いられるものである。
【0042】
図1に戻って、導電リード12の配置関係について詳述する。
前述のように、半導体素子13が配置される個所には、多数の導電リード12の先端(端部)が集合して群を構成しており(この群を導電リード先端群と称する)、この導電リード先端群は、半導体素子13が回路基板14(板状基材16)に実装された際には前記半導体素子13の裏面(回路基板14の表面に対向する面)に配置された多数の電極と導通接合されることになる。言い換えれば上記導電リード先端群は、前記封止樹脂注入穴20の周囲に配置されているものである。図1では、上記半導体素子13の平面形状が横長の長方形状となり、下辺に沿って配置された下側導電リード先端群12aと上辺に沿って配置された上側導電リード先端群12fが構成されている。図1では、各々の導電リード先端群12a、12fは、一部点線で図示されている。
さらに、各横長スリットにおいて、前記第1横長スリット17は、半導体素子13が回路基板14(板状基材16)に実装(半導体素子13が回路基板14上に載置され固定されると共に前述の多数の電極が多数の導電リード12の先端に導通接合)された際に、半導体素子13における前記第2アウターリード23側での近傍位置(図1では半導体素子13の下側)に形成されているものである。同様に前記第2横長スリット18も、半導体素子13が回路基板14(板状基材16)に実装された際に、半導体素子13における前記第1アウターリード22側の近傍位置(図1の半導体素子13の上側)に形成されているものである。
【0043】
なお、上記半導体素子13は、長方形状の下辺および上辺が各横長スリット17,18,19の長手方向Nと平行になるように配置されるもので、また上記下辺、上辺、および上記長手方向Nは、フィルムテープ11の長手方向(図1の上下方向)に対し直交する方向に配置されている。したがって、各横長スリット17,18,19は、各々の長手方向Nと並行に配置されている。
【0044】
ここで、前述した下側導電リード先端群12a近傍から第1横長スリット17周辺まで形成されている多数の導電リード12の配置関係について、図1と図4とに沿って詳述する。 図4は、図1において半導体素子13、第1横長スリット17、半導体素子13の下辺から第1横長スリット17を跨いで延出されて配置されている導電リード12を示している一部分の拡大図である。
上記下側導電リード先端群12aの各々の導電リード先端から上記半導体素子13の下辺の若干下方までは前述の長手方向Nに直交する直交部分が形成されている。この直交部分の終点である傾斜部始点12b(図4)から第1横長スリット17を越えた傾斜部終点12c(図4)までは、各々の導電リード12が上記長手方向Nの直交線R(図4)に対して傾斜して形成され傾斜部12oを構成している。なお、上記下側導電リード先端群12aにおける上記長手方向Nの中央位置の下側導電リード先端から下方に延出している導電リード12は、傾斜せずに直線で下方に延出形成され、そのまま第1横長スリット17を横切るので、上記長手方向Nに直交することになる。
【0045】
第1横長スリット17を越えた上記傾斜部終点12cから先(図1では下側)の各導電リード12は、上記傾斜はなく上記長手方向Nに対して直交した状態で延出形成され、前記第3横長スリット19を跨いで前述の第2アウターリード23に接続するものである。この場合、第3横長スリット19を跨いでいる導電リード12の各々は、第3横長スリット19の長手方向Nに傾斜することなく直交して跨いでいる。
上記第3横長スリット19を跨いでいる導電リード12の各々の間隔は、上記下側導電リード先端群12aから上記傾斜部終点12cまでの導電リード12の各々の間隔より広く構成されるから、上記第3横長スリット19を跨いでいる導電リード12の各々は、互いに接触する危険性が少ないものである。
【0046】
ここで、上記下側導電リード先端群12aにおいてその最も左に位置している下側導電リード先端群左端12aaから同最も右に位置している下側導電リード先端群右端12abまでの幅が、第1横長スリット17を越えた導電リード12の上記傾斜部終点12cにおいてその最も左に位置する左端傾斜部終点12caから最も右に位置する右端傾斜部終点12cbまでの幅より小さくなるように配置されている。
このため、上記傾斜部始点12bから上記第1横長スリット17の上辺までのほとんどの導電リード12は、板状基材16上に形成されかつ上記傾斜して形成されており、基材上傾斜導電リード部12dを構成している。また上記第1横長スリット17上、すなわち第1横長スリット17を跨いでいるほとんどの導電リード12は、上記傾斜と同様の向きに傾斜して形成されており、横長スリット上傾斜導電リード部12eを構成している。
【0047】
次に、前述した上側導電リード先端群12fから第2横長スリット18周辺までに形成されている多数の導電リード12の配置関係について詳述する。
上記上側導電リード先端群12fから第2横長スリット18周辺までに形成されている多数の導電リード12の配置関係は、前述した下側導電リード先端群12aから第1横長スリット17周辺まで形成されている多数の導電リード12の配置関係と同様であり、上記下側導電リード先端群12aから傾斜部終点12cまでの導電リードの形状および配置位置が半導体素子13に対して対称の関係に構成されている。
したがって、上側導電リード先端群12fから第2横長スリット18周辺までに形成されている多数の導電リード12において、傾斜部始点12iから第2横長スリット18を越えた傾斜部終点12jまでがほぼ直線状の傾斜部12oが形成されており、この傾斜部12oに、基材上傾斜導電リード部12g、横長スリット上傾斜導電リード部12hが構成されているものである。
上記傾斜部終点12jから先の導電リード12は、上記長手方向Nに対して直交する方向に伸びてそのまま前述の第1アウターリード22に接続している。
【0048】
以上のように、導電リード12において上記導電リード先端近傍の傾斜部始点12b、12iから上記横長スリット17,18を越えた傾斜部終点12c、12jまでは、傾斜部12oが形成されており、上記傾斜部始点12b、12iから上記横長スリット17,18の縁までの導電リード12が上記横長スリット17,18の長手方向Nの直交線Rに対して傾斜して形成された基材上傾斜導電リード部12d、12gであり、上記横長スリット17,18を跨って形成される導電リード12が上記傾斜と同様の傾斜方向に傾斜して形成され横長スリット上傾斜導電リード部12e、12hとなっている。したがって横長スリット上傾斜導電リード部12e、12hが構成されてその上の導電リード12が上記同様の傾斜方向に傾斜して形成されていることから、上記基材上傾斜導電リード部12d、12gの各導電リード12における上記傾斜角を小さくする、つまり上記傾斜を緩和することができ、したがって上記基材上傾斜導電リード部12d、12gの各導電リード12同士の間隔を狭めることがなく、ショートを防止することができる。このため、各導電リード12の導通の信頼性を高めることができる。
【0049】
以上の上記基材上傾斜導電リード部12d、12gの各導電リード12同士の間隔を狭めることがないという本発明の実施形態の作用効果を、図4にもとづき従来と比較してより詳細に説明する。
図4は、図1において半導体素子13、第1横長スリット17、半導体素子13の下辺から第1横長スリット17を跨いで延出されて配置されている導電リード12を示している部分の拡大図である。
図4において点線は、従来(図12に相当)の導電パターン(導電リード)2の形状を示している。従来の導電パターン2は、点線形状のように前述した傾斜部始点2bから第1横長スリット17の上辺近傍までは第1横長スリット17の長手方向Nの直交線Rに対して傾斜している傾斜配置部2C(本発明の基板上傾斜導電リード部に相当)が形成されている。上記傾斜配置部2Cの終点である傾斜部終点2aから第1横長スリット17を跨いでいる部分に掛けては、第1横長スリット17の長手方向Nに直交して形成されて横長スリット上直交導電リード部2dを構成しており本発明の前述のようには傾斜してはいない。
なお上記傾斜部終点2aの上記長手方向Nでの平面位置は、上記横長スリット上直交導電リード部2dの同平面位置と同じである。
このため、前述した傾斜配置部2Cでの導電リード2と上記長手方向Nに直交する直交線Rに対する傾斜角βは大きくなる。つまり導電リード2は、上記傾斜部始点2bで傾斜配置部2Cに向かって大きく傾斜することになる。
【0050】
これに対して本発明の第1実施形態では、図4の実線で図示された導電リード12のように第1横長スリット17を跨って形成された導電リード12が上記直交線Rに対して傾斜して配置されて横長スリット上傾斜導電リード部12eを構成しているから、上記基板上傾斜導電リード部12dの上記傾斜角が従来に比べて小さくなだらかになる。すなわち、上記基板上傾斜導電リード部12dの導電リード12と上記直交線Rに対する傾斜角αは比較的小さくなる。上記第1実施形態の傾斜角αは、従来の傾斜角βより小さくなる。つまり導電リード2は、上記傾斜部始点12bで上記基板上傾斜導電リード部12dに向かって小さく傾斜するにすぎない。
このため、図4に図示されているように、第1実施形態の基板上傾斜導電リード部12dにおいては各導電リード12と隣接する導電リード12との間隔(隙間)が、従来の傾斜配置部2Cにおいて各導電パターン2と隣接する導電パターン2との間隔(隙間)より広くなるものであり、それだけ互いの導電リード12同士が接触(ショート)する危険性が減少するものである。
【0051】
なお、本発明の上記基板上傾斜導電リード部12dにおいて、導電リード12と上記長手方向Nの直交線Rに対する傾斜角αは、導電リード12が基板上傾斜導電リード部12dの中でどの位置に配置されているかにより異なるものである。
図4においては、左端に配置された導電リード12−1の上記傾斜角α―1(図示せず)は最も大きく、左端から2番目に配置された導電リード12−2の上記傾斜角α―2(図示せず)は上記傾斜角α―1より小さいものであり、左端から3番目に配置された導電リード12−3の上記傾斜角α―3(図示せず)は上記傾斜角α―2より小さいものである。
なお、図4、図1において、左端と右端との中間の中央に配置された導電リードは、上記傾斜角αがゼロになり、つまり傾斜はなく前期長手方向Nと平行となって直線状に形成されるものである。
逆に右端の導電リードの上記傾斜角はマイナスα―1(図示せず)となり、右端から2番目の導電リードの上記傾斜角はマイナスα―2(図示せず)となって上記傾斜角のマイナスα―2は上記マイナスα―1より絶対値で小さく、同様に右端から3番目の導電リードの上記傾斜角はマイナスα―3(図示せず)となって上記傾斜角のマイナスα―3は上記マイナスα―2より絶対値で小さくなっている。
【0052】
また、図4、図1において、横長スリット上傾斜導電リード部12eにおける導電リード12の傾斜角は、上記基板上傾斜導電リード部12dにおける導電リード12の上記傾斜角αと同等に設定されている。したがって、各導電リード12において、上記基板上傾斜導電リード部12dと横長スリット上傾斜導電リード部12eの導電リード12が連続した直線状に構成されることになる。
【0053】
なお、上記横長スリット上傾斜導電リード部12eの導電リード12が、各横長スリットの上記直交線Rに対して傾斜しており、上記各横長スリットにて折り曲げられる場合には、図5のように上記長手方向Nの導電リード12の幅が上記傾斜角の分だけ広くなり、導電リード12の折り曲げ時の強度が向上することになる。
すなわち図5において、導電リード12における上記長手方向Nでの幅Vは、通常幅W/傾斜角αで算出されるものである。
【0054】
〔第2実施形態〕
図6は、本発明の第2実施形態を示す要部の平面図である。
第2実施形態が第1実施形態と異なるのは、第1実施形態では下側導電リード先端群12aの前記長手方向Nでの中間位置が、基板上傾斜導電リード部12dおよび横長スリット上傾斜導電リード部12eの長手方向での左端と右端との中間位置とほぼ同じ位置に配置されていたのに対し、第2実施形態では、下側導電リード先端群12aの前記長手方向Nでの中間位置が、基板上傾斜導電リード部12dにおける前記長手方向Nでの左端と右端との中間位置と異なっており、さらに横長スリット上傾斜導電リード部12eの前記長手方向Nでの左端と右端との中間位置とも異なっていることである。
上記以外は、基本的に第2実施形態は、第1実施形態と同様に構成されている。
なお、図6においては、半導体素子13の下辺側にのみ導電リード12郡が配置されて図示されているが、半導体素子13の左右方向を対称軸として上記導電リード12郡が対称に半導体素子13の上辺側に配置されるようにしてもよい。
【0055】
図6においては、下側導電リード先端群12aの下端にあたる傾斜部始点12bから第1横長スリット17を越えた位置の傾斜部終点12cまでの導電リード12は直線状に形成されており、また各導電リード12の長手方向Nでの間隔はほぼ同一となっている。
したがって、下側導電リード先端群左端12aaと下側導電リード先端群右端12abの前記長手方向Nでの中間位置が、左端傾斜部終点12caから右端傾斜部終点12cbとの前記長手方向Nでの中間位置と異なっているものであり、前述のように基板上傾斜導電リード部12dにおける前記長手方向Nでの前記左端と右端との中間位置と異なっており、さらに横長スリット上傾斜導電リード部12eの前記長手方向での左端と右端との中間位置と異なっていることになる。さらに基板上傾斜導電リード部12dにおける前記長手方向Nでの左端と右端との中間位置は、横長スリット上傾斜導電リード部12eの前記長手方向Nでの左端と右端との中間位置と異なっている。
【0056】
上記第2実施形態は、回路基板における半導体素子13の配置箇所に対して第2アウターリード23の配置箇所が前記長手方向Nで異なることが要求される用途の場合に採用されるものである。
なお、上記下側導電リード先端群左端12aaと下側導電リード先端群右端12abの前記長手方向Nでの幅と、左端傾斜部終点12caから右端傾斜部終点12cbとの前記長手方向Nでの幅とが異なっている場合も有りうる。その場合は、導電リード12の各々は、平行にはならないものである。
【0057】
第2実施形態においても、横長スリット上傾斜導電リード部12eでの各導電リード12が上記のように傾斜して配置されていることから、基板上傾斜導電リード部12dにおける各導電リード12が急激に傾斜することがなく、導電リード12同士の間隔が広く確保できることになってショートを防止することができるものである。
【0058】
〔第3実施形態〕
図7は、本発明の第3実施形態を示す要部の平面図である。
第3実施形態が第1実施形態と異なるのは、半導体素子13の左辺と右辺とからも導電リード12が延出してその先端側でも前述の基板上傾斜導電リード部12dおよび横長スリット上傾斜導電リード部12eを構成している点である。
なお、図7においては、図1に図示されているように、半導体素子13の上辺側から延出し第2横長スリット18を越えて第1アウターリード22に至る導電リード12群を形成するようにしてもよい。
図7において、半導体素子13の左辺と右辺とから延出している導電リード12は、半導体素子13の裏面の電極と接続するものであり、上記延出した先は、図7の下側に向きを変えて前述した傾斜部始点12bに至り、傾斜部始点12bから前述の傾斜部終点12cに延出形成され、この傾斜部終点12cから図7の下側に真っ直ぐに伸びて第3横長スリット19を越えて第2アウターリード23に接続するものである。
【0059】
よって、半導体素子13の左辺と右辺とから延出している導電リード12も、基板上傾斜導電リード部12dおよび横長スリット上傾斜導電リード部12eを構成するものである。
したがって、第3実施形態において半導体素子13の左辺と右辺とから延出している導電リード12も、半導体素子13の下辺から延出している導電リード12と同様に、横長スリット上傾斜導電リード部12eでの各導電リード12が上記のように傾斜して配置されていることから、基板上傾斜導電リード部12dにおける各導電リード12が急激に傾斜することがなく、導電リード12同士の間隔が広く確保できることになってショートを防止することができるものである。
【0060】
〔第4実施形態〕
図8は、本発明の第4実施形態を示す要部の平面図である。
第4実施形態が第3実施形態と異なるのは、半導体素子13の上辺からも導電リード12が延出してその先端側でも前述の基板上傾斜導電リード部12dおよび横長スリット上傾斜導電リード部12eを構成している点である。
図8において、半導体素子13の上辺および左辺と右辺とから延出している導電リード12は、半導体素子13の裏面の電極と接続するものであり、上記延出した先は、図8の下側に向きを変えて前述した傾斜部始点12bに至り、傾斜部始点12bから前述の傾斜部終点12cに延出形成され、この傾斜部終点12cから図8の下側に真っ直ぐに伸びて第3横長スリット19を越えて第2アウターリード23に接続するものである。
【0061】
よって、半導体素子13の上辺および左辺と右辺とから延出している導電リード12も、基板上傾斜導電リード部12dおよび横長スリット上傾斜導電リード部12eを構成するものである。
したがって、第4実施形態において半導体素子13の上辺および左辺と右辺とから延出している導電リード12も、半導体素子13の下辺から延出している導電リード12と同様に、横長スリット上傾斜導電リード部12eでの各導電リード12が上記のように傾斜して配置されていることから、基板上傾斜導電リード部12dにおける各導電リード12が急激に傾斜することがなく、導電リード12同士の間隔が広く確保できることになってショートを防止することができるものである。
【0062】
〔第5実施形態〕
図9は、本発明の第5実施形態を示す要部の平面図である。
第5実施形態が第1実施形態と異なるのは、第3横長スリット19の長手方向Mが第1横長スリット17の長手方向Nに対して非平行(直角など)に配置され、半導体素子13の下辺から延出している導電リード12の延出向きが異なっている点にある。
図9において、半導体素子13の下辺から延出している導電リード12は、前述した傾斜部始点12bから第1横長スリット17を跨いで上記傾斜部終点12cに至り、この傾斜部終点12cから図9の左方向に真っ直ぐに伸びて第3横長スリット19を越えて第2アウターリード23に接続するものである。
【0063】
よって、半導体素子13の下辺から延出している導電リード12は、基板上傾斜導電リード部12dおよび横長スリット上傾斜導電リード部12eを構成するものである。
なお、図9においては、半導体素子13の下辺側にのみ導電リード12郡が配置されて図示されているが、半導体素子13の上辺から導電リード12を図1のように形成してもよいし、半導体素子13の上辺および左辺と右辺からも導電リード12が延出し、その先が図9のように第1横長スリット17を跨いで上記傾斜部終点12cに至るように構成されていてもよい。
したがって、第5実施形態において半導体素子13の下辺から延出している導電リード12は、横長スリット上傾斜導電リード部12eでの各導電リード12が上記のように傾斜して配置されていることから、基板上傾斜導電リード部12dにおける各導電リード12が急激に傾斜することがなく、導電リード12同士の間隔が広く確保できることになってショートを防止することができるものである。
【0064】
〔第6実施形態〕
図10は、本発明の第6実施形態を示す要部の平面図である。
第6実施形態が第1実施形態と異なるのは、半導体素子13の配置方向(半導体素子13の中心軸方向Q)が第1横長スリット17の長手方向Nに対して非平行に配置され、半導体素子13と第1横長スリット17との間に他の電気部品が近接配置され、このため導電リード12の配置が異なっている点にある。
図10では、半導体素子13の中心軸方向Qは、第1横長スリット17の長手方向Nに対して約20〜30度傾斜しており、半導体素子13と第1横長スリット17との間には、他の電気部品としての抵抗器30が配置され、抵抗器30の両端が半導体素子13の電極に接続されている。なお、上記他の電気部品は、コンデンサでもよくそれ以外の電気部品であっても良い。また抵抗器30の両端は、半導体素子13の電極以外の導電パターンに接続されていてもよい。
以上のように、第5実施形態は、半導体素子13と第1横長スリット17との間に他の電気部品が近接配置された場合に、好適である。
【0065】
図10においても、半導体素子13の下辺から延出している導電リード12は、前述した傾斜部始点12bから第1横長スリット17を跨いで上記傾斜部終点12cに至り、この傾斜部終点12cから図10の下方向に真っ直ぐに伸びて第3横長スリット19を越えて第2アウターリード23に接続することができる。
よって、半導体素子13の下辺から延出している導電リード12は、基板上傾斜導電リード部12dおよび横長スリット上傾斜導電リード部12eを構成するものである。
したがって、第6実施形態において半導体素子13の下辺から延出している導電リード12は、横長スリット上傾斜導電リード部12eでの各導電リード12が上記のように傾斜して配置されていることから、基板上傾斜導電リード部12dにおける各導電リード12が急激に傾斜することがなく、導電リード12同士の間隔が広く確保できることになってショートを防止することができるものである。
【0066】
〔第7実施形態〕
図11は、本発明の第7実施形態を示す要部の平面図である。
図11は、図1の半導体素子13の下辺から延出している導電リード12のうち、左側に配置されている導電リード12の2本を拡大図示したものである。したがって、横長スリット上傾斜導電リード部12eにおいては、第1横長スリット17の上辺における導電リード12と隣接する導電リード12とのピッチ間隔は、第1横長スリット17の下辺における導電リード12と隣接する導電リード12とのピッチ間隔より狭くなっている。
第7実施形態は、図11に図示されているように横長スリットを跨いでいる横長スリット上傾斜導電リード部12eにおいて、導電リード12の上側の幅12mと下側の幅12nとが異なり、導電リード12の上側の幅12mが狭く、下側の幅12nが上側の幅12mより広く形成されており、その間の間隔Hは、上記上側と下側とでほぼ同じに形成されている。
【0067】
上記導電リード12の上側の幅12mは、図1の導電リード12の幅と同じに形成されているから、下側の幅12nは図1の導電リード12の幅より広く形成されて、その分導電リード12の強度が向上することになる。
よって、横長スリット上傾斜導電リード部12eにおける導電リード12の強度が向上するが、導電リード同士の間隔は狭まることはなく両者のショートを防止することができる。
なお、横長スリット上傾斜導電リード部12eにおける各導電リードの傾斜角が各々異なっている場合には、上述のように導電リード12の上側の幅12mと下側の幅12nとを異ならせることができ導電リードの強度を向上しながら、導電リード12同士の間隔Hを減じることがないように形成することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、フレキシブル回路基板、リジット回路基板でもよく、その回路基板に半導体素子などの電気部品を導通接続させ実装した回路基板実装体に適用でき、その回路基板実装体を液晶表示パネルに接続させ組み込みした回路基板実装ユニットに用いることが出来る。また上記回路基板実装体や回路基板実装ユニットを、電子機器に組み込んで完成させることにも適用できる。上記電子機器は、例えば携帯電話、電子時計、小型電子計算機、パソコンなどが好適である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1実施形態における半導体素子が実装された状態のフィルムテープの平面図。
【図2】図1のA−A位置での主要部断面図。
【図3】図1で得られた回路基板実装体が折り曲げられて液晶表示パネルに接合された状態の主要部断面図。
【図4】図1の一部拡大平面図。
【図5】図4の一部拡大平面図。
【図6】本発明の第2実施形態における回路基板の主要部の平面図。
【図7】本発明の第3実施形態における回路基板の主要部の平面図。
【図8】本発明の第4実施形態における回路基板の主要部の平面図。
【図9】本発明の第5実施形態における回路基板の主要部の平面図。
【図10】本発明の第6実施形態における回路基板の主要部の平面図。
【図11】本発明の第7実施形態における回路基板の主要部の平面図。
【図12】特許文献1の図6の部分拡大図。
【符号の説明】
【0070】
1:絶縁フィルムテープ、2:導電パターン、2A:インナーリード、2B:入力用アウターリード、2C:傾斜配置部、2a:傾斜部終点、2b:傾斜部始点、2d:横長スリット上直交導電リード部、4:デバイスホール、5:アウターホール、6:スリット、9:半導体素子、11:フィルムテープ、11a:搬送穴、12:導電リード、12a:下側導電リード先端群、12aa:下端導電リード先端群左端、12ab:下端導電リード先端群右端、12b、12i:傾斜部始点、12c、12j:傾斜部終点、12ca:左端傾斜部終点、12cb:右端傾斜部終点、12d、12g:基材上傾斜導電リード部、12e、12h:横長スリット上傾斜導電リード部、12f:上側導電リード先端群、12m:導電リードの上側の幅、12n:導電リードの下側の幅、12o:傾斜部、13:半導体素子、14:回路基板、15:回路基板実装体、16:板状基材、17:第1横長スリット、18:第2横長スリット、19:第3横長スリット、20:封止樹脂注入穴、21:封止樹脂、22:第1アウターリード、23:第2アウターリード、24:絶縁被膜、25:切断位置、26:リジット基板、27:液晶表示パネル、27a:下パネル基板、27b:上パネル基板、28:液晶表示パネル回路基板実装ユニット、29:背面板、30:抵抗器、H:導電リード間の間隔、L:距離、M、N:長手方向、Q:中心軸方向、R:直交線、W、V:導電リードの幅、α、β:導電リードの直交線との傾斜角
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板、それを用いた回路基板実装体、その回路基板実装体を用いた回路基板実装ユニットの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、IC、LSIなどの電気部品を実装する回路基板は、長尺状のテープキャリアにワイヤレスボンディングで半導体素子を組み込むTAB(Tape Automated Bonding)方式で得られるフレキシブル回路基板が多用されている。
上記フレキシブル回路基板が形成される絶縁フィルムテープ1は、特許文献1に開示されており、その図6、図7に図示されているように表面に多数の導体パターン2が配置され、導体パターン2の内の一部が中央部に形成されたデバイスホール4の各辺にてその内方に突出しインナーリード2Aが形成され、このインナーリード2Aにて半導体素子9が導通接合されている。このインナーリード2Aから、図6、図7の上側に形成されている横長のスリット6,6および下側に形成されている横長のアウターホール5に向けて多数の導体パターン2が配置形成されている。上記多数の導体パターン2は、上記スリット6,6およびアウターホール5を跨って配置形成され、上記スリット6,6およびアウターホール5上ではそれらの長手方向に直交する向き、すなわち図6、図7では上下方向に配置形成されているものである。
【0003】
【特許文献1】特許第3169039号公報
【0004】
ここで、上記インナーリード2Aの群の平面位置と、上記インナーリード2Aに接続し上記スリット6,6およびアウターホール5を跨って形成されている導体パターン2の群の平面位置とは、多くの場合上記長手方向においては異なった位置に配置されている。すなわち、上記デバイスホール4の上辺、左辺、右辺に各々形成された各インナーリード2A群は、上方のスリット6,6に向かって延びて上記スリット6,6を跨って形成されており、下辺に形成されたインナーリード2A群は、下方のアウターホール5に向かって延びて上記アウターホール5を跨って形成されており、各インナーリード2A群よりも、上記スリット6,6およびアウターホール5を跨る各導体パターン2群の方が、前記長手方向での幅が広く形成されている。このため、各インナーリード2A群の平面位置から上記スリット6,6およびアウターホール5を跨る各導体パターン2群に向けて上記長手方向に広がるように傾斜して形成されているものである。
【0005】
ここで、説明をしやすくするために、特許文献1の図6におけるデバイスホール4の下辺のインナーリード2Aから下方のアウターホール5を跨る導体パターン2の部分を拡大した図を図12として図示しながら説明する。
図12において、導体パターン2における前述の傾斜するように配置形成された部分を傾斜配置部2Cと称すると、傾斜配置部2Cはインナーリード2Aからアウターホール5を跨る導体パターン2である入力用アウターリード2Bとの間の部分となる。この入力用アウターリード2Bが、前述したようにアウターホール5の長手方向、すなわち図12の左右方向に対して直交する方向に形成されているものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
導体パターン2の上記傾斜配置部2Cでは、各導体パターン2における隣接の導電パターン2との間の間隔が狭くなってしまい、各導体パターン2同士が接触してショートを引き起こしてしまう危険性がある。
特に前述のインナーリード2Aが導通接続する半導体素子9の下辺から上記横長スリットであるアウターホール5までの距離Lが短くなればなるほど、前述した傾斜配置部2C の傾斜が大きくなり、それだけ各導体パターン2における隣接の導電パターン2との間の間隔が狭くなるので、互いのショートの危険性が増大するものである。
【0007】
そこで本発明は、上記の課題を解決するもので、各導体パターン同士の平面間隔が狭くならないようにして各導体パターン同士によるショートを防止する回路基板、それを用いた回路基板実装体、その回路基板実装体を用いた回路基板実装ユニットをもたらすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1実施態様の回路基板は、電気部品が実装された際には当該電気部品の電極に導通接続される導電リードと、表面に前記導電リードが接合配置される板状基材とを有する回路基板であって、前記板状基材は、実装された際の前記電気部品の近傍に開口した横長スリットを有し、前記導電リードは、電気部品における前記電極との導通接続箇所近傍の始点から前記横長スリット近傍の終点までほぼ直線状に伸び、かつ前記横長スリットの長手方向の直交線に対して所定方向に傾斜して形成されている傾斜部を有しており、傾斜部の前記終点は前記電気部品から見て前記横長スリットを越えた位置に配置されることにより、前記横長スリット上を跨いでいる導電リード部分が前記傾斜部の一部であって横長スリット上傾斜導電リード部を構成していることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、前記導電リードは、電気部品における前記電極との導通接続箇所近傍の始点から前記横長スリット近傍の終点までほぼ直線状に伸び、かつ前記横長スリットの長手方向の直交線に対して所定方向に傾斜して形成されている傾斜部を有しており、傾斜部の前記終点は前記電気部品から見て前記横長スリットを越えた位置に配置されることにより、前記横長スリット上を跨いでいる導電リード部分が前記傾斜部の一部であって横長スリット上傾斜導電リード部を構成していることから、上記始点から前記横長スリットまでの間の傾斜部である基材上傾斜導電リード部においては、各導電リード同士の平面方向での間隔が広がるので互いのショートを防止することができる。
すなわち、上記基材上傾斜導電リード部の各導電リードは、上記横長スリット上傾斜導電リード部とほぼ同じ方向に傾斜して形成されているので上記傾斜角が緩和されることになり、よって図12の傾斜部における各導電リード同士の間隔に比べて広くなるものである。
【0010】
詳しく述べれば、次の通りである。
前記導電リードの上記傾斜部において、電気部品における前記電極との導通接続箇所付近の上記傾斜部始点から上記跨ぎきった上記傾斜終点までの距離(上記横長スリットの長手方向との直交方向における距離)は、前記傾斜部始点から前記横長スリットまでの同方向での距離(上記直交方向における距離)よりも、上記横長スリット上傾斜導電リード部の同方向での距離分だけ長くなる。
したがって図12のような導電リードにおいて電気部品における前記電極との導通接続箇所付近の傾斜部始点2bから前記横長スリット付近の傾斜部終点2a(アウターリードとの接続点)までの導電リードが横長スリットの長手方向の直交線に対して傾斜している傾斜角に比べて、本発明の上記傾斜部始点から上記傾斜部終点にいたる導電リードの同傾斜角は、上記横長スリット上傾斜導電リード部の同方向距離の分だけ緩和され、上記傾斜角が小さくなる。このため、上記基材上傾斜導電リード部の導電リード同士の間隔は広くなるものである。
【0011】
加えて、横長スリットを跨ぐ導電リードは、傾斜して形成されているので、横長スリットの長手方向での幅が上記傾斜角の分だけ広くなる。このため、上記横長スリットの長手方向での耐力が向上し、折り曲げ力などの外力が導電リードに働いても導電リードが耐ええることになる。
【0012】
なお、前記導電リードは、上記始点から上記終点までがほぼ直線状に伸びるとは、非直線の繰り返しを含むもので、例えば細かなジグザグ状で形成され、あるいはなだらかな曲線で形成されることを含む。ただし、導電リード間の間隔がほぼ変わらないように隣接の導電リードは、同様の上記ジグザグ状や曲線で形成する必要がある。上記ジグザグ状や曲線の繰り返し形状が、マクロ的に見れば直線状になっていれば、上記直線状に含まれるものである。
なお、上記基材上傾斜導電リード部と上記横長スリット上傾斜導電リード部の各々の
導電リードが前記横長スリットの長手方向の直交線に対して傾斜しているとは、実装される電気部品の電極と接続している上記基材上傾斜導電リード部近傍の接続群における左右両端間の幅に対して、上記横長スリット上傾斜導電リード部において上記横長スリットを跨ぎきった前記導電リード群での左右両端間の幅の方が広いか、同等か、狭いかにより、また広い程度、狭い程度により定まる。すなわち、上記接続群における左右両端間の幅に対して、上記横長スリットを跨ぎきった前記導電リード群での左右両端間の幅の方が広い場合は上記広くなるような向きの傾斜方向に導電リードが傾斜しているものであり、逆に狭い場合は上記狭くなるような向きの傾斜方向に導電リードが傾斜しているものである。上記接続群における左右両端間の幅に対して、上記横長スリットを跨ぎきった前記導電リード群での左右両端間の幅が同等の場合は、上記接続群における上記長手方向での位置と、上記横長スリットを跨ぎきった前記導電リード群における上記長手方向での位置の違いにより上記傾斜方向や傾斜角は定まるものである。
【0013】
また、上記基材上傾斜導電リード部と上記横長スリット上傾斜導電リード部において、上記傾斜方向や傾斜角は、導電リードがどこの平面位置に形成されているかにより定まるものである。たとえば、電気部品の電極と接続する箇所である上記基材上傾斜導電リード部近傍の接続群における左右両端間の幅が狭く、横長スリットを跨ぎきった前記導電リード群での左右両端間の幅の方が広く、かつ上記接続群の中心位置と横長スリットを跨ぎきった前記導電リード群の中心位置の平面位置が上記長手方向においてほぼ同じ位置である場合であれば、上記基材上傾斜導電リード部と上記横長スリット上傾斜導電リード部における最外端側の導電リードでの上記傾斜角は大きくなり、それより内側の導電リードの上記傾斜角は小さくなるものである。
【0014】
上記導電リードは、好適には銅、アルミニュームなどの導電性金属から構成される導電薄膜からなり、導電パターンとしてエッチングなどにより所定形状に形成されるものである。
上記板状基材は、好適にはフレキシブル基材であり、たとえばポリイミド樹脂の薄板からなる。最も好適には、TAB(Tape Automated Bonding)方式に用いられるフレキシブル基材である。上記板状基材は、非フレキシブル基材であってもよく、たとえばガラス繊維入りエポキシ樹脂基材であってもよい。
また本発明の回路基板は、上記TAB方式から得られる個々のフレキシブル回路基板が好適であるが、またTAB方式に用いられるフィルムテープであって、回路基板が連続的に形成されたフィルムテープそのものであってもよい。このTAB方式に用いられるフィルムテープから、外形切断やプレス抜きなどにより個々の回路基板を取り出すものである。あるいは、TAB方式に用いられるフィルムテープの個々の回路基板上に半導体素子などの電気部品を接続実装した後に、外形切断やプレス抜きなどにより個々の回路基板を取り出すようにしてもよい。
上記電気部品は、半導体素子や液晶表示パネルなどが好適である。その他の導電接続する電気部品であっても良い。
【0015】
本発明の第2実施態様の回路基板は、第1実施態様の回路基板であって、前記電気部品の平面形状は略四辺形であり、前記横長スリット上傾斜導電リード部は、上記電気部品における前記横長スリットに近い辺から突出形成された導電リードの延出部分であることを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、前記電気部品の平面形状は略四辺形であり、前記横長スリット上傾斜導電リード部は、上記電気部品における前記横長スリットに近い辺から突出形成された導電リードの延出部分であるので、前記基材上傾斜導電リード部および前記横長スリット上傾斜導電リード部は、ほぼ直線で構成しやすくなり、屈曲、折り曲げなどの無理な平面形状を用いることなく形成できる。よって、前記基材上傾斜導電リード部および前記横長スリット上傾斜導電リード部の機械的強度を良好に保つことができるものである。
【0017】
本発明の第3実施態様の回路基板は、第1実施態様乃至第2実施態様のいずれか1つの回路基板であって、前記電気部品の平面形状は略四辺形であり、前記横長スリット上傾斜導電リード部は、上記電気部品における前記横長スリットに近い辺とは異なる他の少なくとも1辺から延出した導電リードの延出部分であることを特徴とする。
【0018】
上記構成によれば、前記横長スリット上傾斜導電リード部が上記電気部品における前記横長スリットに近い辺とは異なる他の少なくとも1辺から延出した導電リードの延出部分であることから、電極が前記横長スリットに近い辺とは異なる他の少なくとも1辺にも構成されている上記電気部品を用いることができ、そのような電気部品を用いて本発明を実施することができる。
なお、上記第3実施態様を上記実施形態2のように横長スリット上傾斜導電リード部を構成することと併用する場合は、横長スリット上傾斜導電リード部の各導電リードは、上記電気部品における前記横長スリットに近い辺から突出形成され、さらに上記電気部品における前記横長スリットに近い辺とは異なる他の少なくとも1辺から延出されて多数となる。したがって横長スリット上傾斜導電リード部の各導電リードにおける前述の長手方向の直交線に対する傾斜角は大きく傾きも大きくなるので、互いの導電リード間の隙間が狭くなりやすいものである。しかるに本発明では、前記基材上傾斜導電リード部ばかりでなく前記横長スリット上傾斜導電リード部においても各々の導電リードがほぼ同じ傾斜方向に傾斜するように構成されているので、上記傾斜角が小さくなり傾きも小さくなるもので、互いの導電リード間の隙間が広くなり、ショートを防止することができる。
【0019】
本発明の第4実施態様の回路基板は、第1実施態様乃至第3実施態様のいずれか1つの回路基板であって、前記横長スリット上傾斜導電リード部における前記導電リードは、平面方向の幅が同一である場合に隣接する導電リードとの平面方向の間隔が広がる部分において幅広に形成されていることを特徴とする。
【0020】
上記構成のように前記横長スリット上傾斜導電リード部における前記導電リードは、導電リード部の長手方向に直交する方向の幅が同一である場合に隣接する導電リードとの間隔が広がる部分において幅広に形成されているので、前記横長スリット上傾斜導電リード部の前記導電リードに外力が働いても損傷することを防止できる。
上記のように、導電リードに幅広部分を形成しても、隣接する導電リードとの間隔が狭くなることはないので、互いにショートする危険性は存在しないものである。
【0021】
本発明の第5実施態様の回路基板は、第1実施態様乃至第4実施態様のいずれか1つの回路基板であって、前記板状基材はフレキシブル材からなり、前記横長スリットにおいてその長手方向に沿って折り曲げられることを特徴とする。
【0022】
上記構成のように前記板状基材はフレキシブル材からなり、前記横長スリットにおいてその長手方向に沿って折り曲げられる場合に、前記横長スリット上傾斜導電リード部の前記導電リードにおける前記長手方向での幅は、広くなるので、上記導電リードが曲げられた際の機械的強度が損なわれることを防止する。
上記横長スリット上傾斜導電リード部の前記導電リードにおける前記長手方向での幅が広くなるとは、次の通りである。すなわち、図12のように横長スリット上の導電リードにおいて長手方向の幅は、導電リードのいわゆる幅(導電リードの長手方向に直交する方向の幅)であるのに対し、本発明の横長スリット上傾斜導電リード部の前記導電リードは、所定方向に傾斜して形成されていることから上記傾斜による長手方向の幅寸法が増加するものである。
【0023】
本発明の第6実施態様の回路基板実装体は、第1実施態様乃至第5実施態様のいずれか1つに記載の回路基板と、この回路基板の導電リードの一端に導通接続され実装されている電気部品とを備えたことを特徴とする。
【0024】
上記構成によれば、上述してきた回路基板としての作用効果を、回路基板に導通接続されて実装される電気部品を備えた回路基板実装体にも当てはまるものである。
上記電気部品は、半導体素子、抵抗、コンデンサ等、どのようなものでもよい。
【0025】
本発明の第7実施態様の回路基板実装ユニットは、第6実施態様に記載の回路基板実装体における前記導電リードの延出部であって前記横長スリットを超えた位置に形成されたアウターリードに他の電気構造体に接合したことを特徴とする。
【0026】
上記構成によれば、上記回路基板実装体を他の電気構造体に接合して使用する場合であっても、前述してきた作用効果を有するものである。
上記他の電気構造体は、液晶表示パネル、他の回路基板、等で、その他の電気構造体であってもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、各導体パターン同士の平面間隔が狭くならないようにして各導体パターン同士によるショートを防止する回路基板、それを用いた回路基板実装体、その回路基板実装体を用いた回路基板実装ユニットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1〜図5は、本発明の第1実施形態を示す図である。
図1は本発明の第1実施形態における半導体素子が実装された状態のフィルムテープの平面図、図2は図1のA−A位置での主要部断面図、図3は図1で得られた回路基板実装体が折り曲げられて液晶表示パネルに接合された状態の主要部断面図、図4は図1の一部拡大平面図、図5は図4の一部拡大平面図である。
【0029】
図1に図示されたフィルムテープ11は、いわゆるTAB(Tape Automated Bonding)方式に用いられるもので、ポリイミド樹脂の薄板のテープであって図1の上側方向と下側方向に連続して形成されている。
上記フィルムテープ11の左右両端には、搬送用の搬送穴11aが図1の上下方向の所定間隔毎に設けられている。
この場合、上記フィルムテープ11は、所定位置に所定数の横長スリット(後述する)が形成され、フィルムテープ11の表面に導電リード12がパターニング形成され、次に後工程第1方式として、電気部品である半導体素子13が接合実装されてから、所定の切断位置25にて切断し、ポリイミド樹脂の薄板である回路基板14に電気部品である上記半導体素子13が接合実装された回路基板実装体15を得るものである。あるいは、上記フィルムテープ11の表面に導電リード12がパターニング形成された後の後工程第2方式として、フィルムテープ11の所定の切断位置25にて切断し、ポリイミド樹脂の薄板である回路基板14を得てから、この回路基板14に電気部品としての上記半導体素子13を接合実装して回路基板実装体15を得るようにする。上記後工程第1方式と後工程第2方式は、どちらを採用してもよいが、好ましくは作業性向上の観点からは後工程第1方式が好ましい。
上記回路基板14は、電気部品である上記半導体素子13が実装された際には、その半導体素子13の電極に導通接続される導電リード12と、導電リード12が表面に接合配置される板状基材16とを有するものである。上記板状基材16は、上記フィルムテープ11の一部が該当することになる。
【0030】
上記フィルムテープ11から上記回路基板実装体15を得るまでについて詳述する。
ポリイミド樹脂の薄板状テープである上記フィルムテープ11を用意し、上記搬送穴11aと、1つの回路基板14および回路基板実装体15が構成される所定エリア毎に、後ほどの回路基板14における横長スリットとなる第1横長スリット17、第2横長スリット18、第3横長スリット19と、後述する封止樹脂注入用の封止樹脂注入穴20とをプレス加工、エッチング加工等により形成する。
上記回路基板14および回路基板実装体15が構成されるエリアは、図1の図示のように上下方向に多数箇所形成されるものである。図1では、上側に図示された上記回路基板14および回路基板実装体15が下側にも同様に構成されるが、下側の上記回路基板14および回路基板実装体15については詳細な図示が省略されている。
【0031】
上記プレス加工等の後、フィルムテープ11の表面に、後には導電リード12が形成されることになる銅箔を接合する。その銅箔の幅は、左右の上記搬送穴11a間より狭いものを用いる。上記銅箔を、フィルムテープ11の表面に接着材によりあるいは接着材無しの状態で加圧加熱することによりフィルムテープ11の表面に接着する。
しかる後、上記銅箔上にレジスト膜を所定パターンに沿って被覆し、エッチングすることにより露出している上記銅箔をエッチング除去して、所定形状の導電リード12等を得るものである。なお、上記銅箔から所定形状の導電リード12等を得る方法は、上記以外の周知の方法であってもよい。あるいはフィルムテープ11の表面に導電リード12をメッキ方式で形成するようにしてもよい。
なお、上記銅箔から所定形状の導電リード12等を得る場合に、フィルムテープ11の各横長スリットや開口には、裏側等から埋め込み樹脂を注入しておくことも効果的である。その場合は、上記埋め込み樹脂の表側高さは、フィルムテープ11の表面と殆ど同じとなるように埋め込む。あるいはフィルムテープ11の表面と殆ど同じ高さとなるように上記埋め込み樹脂の表側を研磨するようにしてもよい。
【0032】
上記銅箔から所定形状の導電リード12等を得ることによって、図1のようにフィルムテープ11、すなわち板状基材16上と、上記各横長スリット17、18、19上、すなわち上記各横長スリット17、18、19を跨って導電リード12を得ることができ、同時に導電リード12の先端側がその先の他の導電部に導通するためのアウターリードを得ることができるものである。このアウターリードは、図1では、第2横長スリット18の外側(図1では上側)に形成されている第1アウターリード22と、第3横長スリット19の外側(図1では下側)に形成されている第2アウターリード23とを有するものである。
したがって、各導電リード12の各々は、上記第1アウターリード22または第2アウターリード23に導通接続しているものである。
こうして回路基板が複数組形成されることになる。
【0033】
この後の後工程に関し、まず前述した後工程第1方式により個々の回路基板14および回路基板実装体15を得る方法について説明する。
上記封止樹脂注入穴20を取り囲む様にフィルムテープ11(板状基材16)の表面の所定位置に半導体素子13が載置される。
上記所定位置は、上記封止樹脂注入穴20の周囲の板状基材16に導電リード12の先端が配置された位置であって、半導体素子13の裏面に形成されている多数の電極(図示せず)が導電リード12の各先端に合致できる平面位置である。半導体素子13が上記所定位置に載置されるには、画像認識によることが好ましい。したがって上記封止樹脂注入穴20およびその周囲に配置される導電リード12の先端は、半導体素子13により平面的に覆われる位置に配置されるものである。
しかる後、半導体素子13の電極と導電リード12の各先端が導通接合される。
この導通接合は、周知の異方性導電接着材を用いて行うか、半導体素子13の電極が金合金など導通接合金属で構成されている場合には加熱加圧により両者が接合されることにより行ってもよく、それ以外お方法によってでもよい。
【0034】
しかる後、フィルムテープ11(板状基材16)の裏側から上記封止樹脂注入穴20より封止樹脂21を注入する。この封止樹脂21は、エポキシ樹脂が好ましいが、その他の封止樹脂であってもよい。注入された封止樹脂21は、上記封止樹脂注入穴20を埋め尽くし、さらには半導体素子13の底面(底面)および側壁周囲を封止ものである。
なお、上記導電リード12上には、絶縁を確保するため合成樹脂被膜としての絶縁被膜24が塗布される。この絶縁被膜24の形成は、上記塗布以外の方法によってもよい。
【0035】
しかるのち、切断加工やプレス抜き加工が施されて外径形状が四角形状の回路基板実装体15が得られる。
上記切断加工やプレス抜き加工される切断位置25は、図1に2点差線で表示されている四角形状の位置である。
図1の切断位置25は、各横長スリット17、18、19の左右両端から若干距離を置いた左右位置であるため、回路基板14において各横長スリット17、18、19の左右両端には、板状基材16が残されている。この残された板状基材16部分が、板状基材16(回路基板14)全体の強度を確保しているものである。特に、上記いずれかの横長スリットにてその長手方向Nを中心軸線方向にして折り曲げる際には、上記残された板状基材16部分が折り曲げされた板状基材16(回路基板14)や導電リード12を補強することになり、その残された板状基材16の効果は大きい。
【0036】
一方、各横長スリット17、18、19の左右両端が上記切断位置25を越えて形成されるようにしてもよく、その場合の各横長スリット17、18、19は、図1の各横長スリット17、18、19の左右両端に2点鎖線にて表示したように形成されるものである。この各横長スリット17、18、19の左右両端が上記切断位置25を越えて形成されると、上記切断位置25にて切断された際には、各横長スリット17、18、19の左右両端が左右両方向に開放されて上述のように残された板状基材16は存在しない。この場合は、各横長スリット17、18、19のいずれかで、横長方向Nを折り曲げ軸線方向として板状基材16(回路基板14)が折り曲げられる際には、上記補強部分が存在しないことから折り曲げが容易となる効果を有する。
上述のように、各横長スリット17、18、19の左右両端において残された板状基材16部分を確保する(図1の各横長スリット17、18、19が実線形状に形成する)ようにするか、もしくは各横長スリット17、18、19の左右両端を左右両方向に開放する(図1の各横長スリット17、18、19が2点鎖線形状に形成する)ようにするか、あるいは各横長スリットの中で両者を併用するかについては、使用状況により適宜選択すればよい。
【0037】
なお、後工程第2方式により個々の回路基板14および回路基板実装体15を得る方法では、上記フィルムテープ11上に前述のように各横長スリットや導電リードが形成されて個々の回路基板が連続して形成されたのち、前述の切断位置25にて各回路基板を切り落とし、しかる後、各回路基板に前述のように電気部品を導通接続し実装する。また、上記導電リード12上には、絶縁を確保するため合成樹脂被膜としての絶縁被膜24が塗布される。この絶縁被膜24の形成は、上記塗布以外の方法によってもよい。こうして回路基板実装体15を得ることができる。
なお、回路基板実装体15において、半導体素子13の電極に導通接合する導電リード12は、半導体素子13が挿入される大きさに開口された開口部の内側に突出し、この導電リードの突出部に半導体素子13の電極が導通接合される構造、いわゆるインナーリード方式であってもよい。この開口部には、半導体素子13の電極部を封止する封止樹脂が注入されるものである。あるいは、板状基材14上に半導体素子13を接合し、半導体素子13の表面に配置された電極と回路基板の導電リード12とをワイヤーボンダーにてワイヤー接続するようにしてもよい。
【0038】
以上により、回路基板実装体15が得られる。
この回路基板実装体15の主要部断面は、図2に図示されている。
なお、図2の2点鎖線は、回路基板実装体15が接合される他の電気構造体である。
図2において、上記2点差線のうち26はリジット基板でその表面に導電パターンが形成されており、この導電パターンは他の導電手段に接続しているものである。27は液晶表示パネルである。
回路基板実装体15において、第1アウターリード22が上記リジット基板26の導電パターンに接合導通し、第2アウターリード23が液晶表示パネル27、詳しくは上パネル基板27bに接合されている下パネル基板27aの導電パターンに接合導通している。
上記第1アウターリード22が上記リジット基板26の導電パターンに接合導通し、また第2アウターリード23が下パネル基板27aの導電パターンに接合導通するには、どのような方法でもよく、たとえば導電異方性接着材を間に介して加熱加圧してもよく、ありは高導電性金属(たとえば金合金や銀合金)を間に介して加熱加圧してもよく、要するに両者の導電リードが導通しながら両者が接合するならばどのようでもよい。
【0039】
図3は、図2の回路基板実装体15に上記リジット基板26および上記液晶表示パネル27が接合され、組み合わされた状態(図2の実線と2点差線で表示された状態)で、回路基板実装体15を折り曲げかつ上記リジット基板26が液晶表示パネル27上方に重ねられた状態の回路基板実装ユニットである液晶表示パネル回路基板実装ユニット28の主要部断面図である。
回路基板実装体15は、第3横長スリット19と第1横長スリット17にて各々の横長スリットの長手方向Nを折り曲げ軸線方向としてほぼ直角に折り曲げられており、下側に液晶表示パネル27を、液晶表示パネル27の上側に背面板29(液晶表示パネル27の表示に役立てるためのもので例えば反射板など)を、その背面板29の上側にリジット基板26を配置している。このため、第3横長スリット19の中心位置と第1横長スリット17の中心位置との距離寸法は、液晶表示パネル27の下パネル基板27aと背面板29とリジット基板26との積層厚さとほぼ同じ寸法に設定されている。
【0040】
なお、第2横長スリット18に関しては、次の通りである。
すなわち、回路基板実装体15が第2横長スリット18の箇所では曲げられるのではないが、この第2横長スリット18が設けられていることにより、第1アウターリード22がよりしなやかとなりリジット基板26の導電パターンとの接触が良好に保たれる。特に回路基板実装体15が上記第3横長スリット19と第1横長スリット17にて上記のように折り曲げられており、多少なりとも折り曲げを戻そうとする反力が生じる。この反力は、上記回路基板実装体15と第1アウターリード22との接続部に生じやすいものである。そこで、上記回路基板実装体15と第1アウターリード22との接続部近傍に上記第2横長スリット18が配置されているので上記反力を吸収することができ、リジット基板26の導電パターンとの接触が良好に保たれる。
【0041】
図3において、上記液晶表示パネル回路基板実装ユニット28における回路基板実装体15の半導体素子13は、回路基板14の下側で、上記リジット基板26の外端の外側にかつリジット基板26の厚さ内に配置される位置関係となっている。
上記液晶表示パネル回路基板実装ユニット28は、時計、携帯電話、ノートパソコン、電子卓上計算機などの電子機器内に組み入れられて用いられるものである。
【0042】
図1に戻って、導電リード12の配置関係について詳述する。
前述のように、半導体素子13が配置される個所には、多数の導電リード12の先端(端部)が集合して群を構成しており(この群を導電リード先端群と称する)、この導電リード先端群は、半導体素子13が回路基板14(板状基材16)に実装された際には前記半導体素子13の裏面(回路基板14の表面に対向する面)に配置された多数の電極と導通接合されることになる。言い換えれば上記導電リード先端群は、前記封止樹脂注入穴20の周囲に配置されているものである。図1では、上記半導体素子13の平面形状が横長の長方形状となり、下辺に沿って配置された下側導電リード先端群12aと上辺に沿って配置された上側導電リード先端群12fが構成されている。図1では、各々の導電リード先端群12a、12fは、一部点線で図示されている。
さらに、各横長スリットにおいて、前記第1横長スリット17は、半導体素子13が回路基板14(板状基材16)に実装(半導体素子13が回路基板14上に載置され固定されると共に前述の多数の電極が多数の導電リード12の先端に導通接合)された際に、半導体素子13における前記第2アウターリード23側での近傍位置(図1では半導体素子13の下側)に形成されているものである。同様に前記第2横長スリット18も、半導体素子13が回路基板14(板状基材16)に実装された際に、半導体素子13における前記第1アウターリード22側の近傍位置(図1の半導体素子13の上側)に形成されているものである。
【0043】
なお、上記半導体素子13は、長方形状の下辺および上辺が各横長スリット17,18,19の長手方向Nと平行になるように配置されるもので、また上記下辺、上辺、および上記長手方向Nは、フィルムテープ11の長手方向(図1の上下方向)に対し直交する方向に配置されている。したがって、各横長スリット17,18,19は、各々の長手方向Nと並行に配置されている。
【0044】
ここで、前述した下側導電リード先端群12a近傍から第1横長スリット17周辺まで形成されている多数の導電リード12の配置関係について、図1と図4とに沿って詳述する。 図4は、図1において半導体素子13、第1横長スリット17、半導体素子13の下辺から第1横長スリット17を跨いで延出されて配置されている導電リード12を示している一部分の拡大図である。
上記下側導電リード先端群12aの各々の導電リード先端から上記半導体素子13の下辺の若干下方までは前述の長手方向Nに直交する直交部分が形成されている。この直交部分の終点である傾斜部始点12b(図4)から第1横長スリット17を越えた傾斜部終点12c(図4)までは、各々の導電リード12が上記長手方向Nの直交線R(図4)に対して傾斜して形成され傾斜部12oを構成している。なお、上記下側導電リード先端群12aにおける上記長手方向Nの中央位置の下側導電リード先端から下方に延出している導電リード12は、傾斜せずに直線で下方に延出形成され、そのまま第1横長スリット17を横切るので、上記長手方向Nに直交することになる。
【0045】
第1横長スリット17を越えた上記傾斜部終点12cから先(図1では下側)の各導電リード12は、上記傾斜はなく上記長手方向Nに対して直交した状態で延出形成され、前記第3横長スリット19を跨いで前述の第2アウターリード23に接続するものである。この場合、第3横長スリット19を跨いでいる導電リード12の各々は、第3横長スリット19の長手方向Nに傾斜することなく直交して跨いでいる。
上記第3横長スリット19を跨いでいる導電リード12の各々の間隔は、上記下側導電リード先端群12aから上記傾斜部終点12cまでの導電リード12の各々の間隔より広く構成されるから、上記第3横長スリット19を跨いでいる導電リード12の各々は、互いに接触する危険性が少ないものである。
【0046】
ここで、上記下側導電リード先端群12aにおいてその最も左に位置している下側導電リード先端群左端12aaから同最も右に位置している下側導電リード先端群右端12abまでの幅が、第1横長スリット17を越えた導電リード12の上記傾斜部終点12cにおいてその最も左に位置する左端傾斜部終点12caから最も右に位置する右端傾斜部終点12cbまでの幅より小さくなるように配置されている。
このため、上記傾斜部始点12bから上記第1横長スリット17の上辺までのほとんどの導電リード12は、板状基材16上に形成されかつ上記傾斜して形成されており、基材上傾斜導電リード部12dを構成している。また上記第1横長スリット17上、すなわち第1横長スリット17を跨いでいるほとんどの導電リード12は、上記傾斜と同様の向きに傾斜して形成されており、横長スリット上傾斜導電リード部12eを構成している。
【0047】
次に、前述した上側導電リード先端群12fから第2横長スリット18周辺までに形成されている多数の導電リード12の配置関係について詳述する。
上記上側導電リード先端群12fから第2横長スリット18周辺までに形成されている多数の導電リード12の配置関係は、前述した下側導電リード先端群12aから第1横長スリット17周辺まで形成されている多数の導電リード12の配置関係と同様であり、上記下側導電リード先端群12aから傾斜部終点12cまでの導電リードの形状および配置位置が半導体素子13に対して対称の関係に構成されている。
したがって、上側導電リード先端群12fから第2横長スリット18周辺までに形成されている多数の導電リード12において、傾斜部始点12iから第2横長スリット18を越えた傾斜部終点12jまでがほぼ直線状の傾斜部12oが形成されており、この傾斜部12oに、基材上傾斜導電リード部12g、横長スリット上傾斜導電リード部12hが構成されているものである。
上記傾斜部終点12jから先の導電リード12は、上記長手方向Nに対して直交する方向に伸びてそのまま前述の第1アウターリード22に接続している。
【0048】
以上のように、導電リード12において上記導電リード先端近傍の傾斜部始点12b、12iから上記横長スリット17,18を越えた傾斜部終点12c、12jまでは、傾斜部12oが形成されており、上記傾斜部始点12b、12iから上記横長スリット17,18の縁までの導電リード12が上記横長スリット17,18の長手方向Nの直交線Rに対して傾斜して形成された基材上傾斜導電リード部12d、12gであり、上記横長スリット17,18を跨って形成される導電リード12が上記傾斜と同様の傾斜方向に傾斜して形成され横長スリット上傾斜導電リード部12e、12hとなっている。したがって横長スリット上傾斜導電リード部12e、12hが構成されてその上の導電リード12が上記同様の傾斜方向に傾斜して形成されていることから、上記基材上傾斜導電リード部12d、12gの各導電リード12における上記傾斜角を小さくする、つまり上記傾斜を緩和することができ、したがって上記基材上傾斜導電リード部12d、12gの各導電リード12同士の間隔を狭めることがなく、ショートを防止することができる。このため、各導電リード12の導通の信頼性を高めることができる。
【0049】
以上の上記基材上傾斜導電リード部12d、12gの各導電リード12同士の間隔を狭めることがないという本発明の実施形態の作用効果を、図4にもとづき従来と比較してより詳細に説明する。
図4は、図1において半導体素子13、第1横長スリット17、半導体素子13の下辺から第1横長スリット17を跨いで延出されて配置されている導電リード12を示している部分の拡大図である。
図4において点線は、従来(図12に相当)の導電パターン(導電リード)2の形状を示している。従来の導電パターン2は、点線形状のように前述した傾斜部始点2bから第1横長スリット17の上辺近傍までは第1横長スリット17の長手方向Nの直交線Rに対して傾斜している傾斜配置部2C(本発明の基板上傾斜導電リード部に相当)が形成されている。上記傾斜配置部2Cの終点である傾斜部終点2aから第1横長スリット17を跨いでいる部分に掛けては、第1横長スリット17の長手方向Nに直交して形成されて横長スリット上直交導電リード部2dを構成しており本発明の前述のようには傾斜してはいない。
なお上記傾斜部終点2aの上記長手方向Nでの平面位置は、上記横長スリット上直交導電リード部2dの同平面位置と同じである。
このため、前述した傾斜配置部2Cでの導電リード2と上記長手方向Nに直交する直交線Rに対する傾斜角βは大きくなる。つまり導電リード2は、上記傾斜部始点2bで傾斜配置部2Cに向かって大きく傾斜することになる。
【0050】
これに対して本発明の第1実施形態では、図4の実線で図示された導電リード12のように第1横長スリット17を跨って形成された導電リード12が上記直交線Rに対して傾斜して配置されて横長スリット上傾斜導電リード部12eを構成しているから、上記基板上傾斜導電リード部12dの上記傾斜角が従来に比べて小さくなだらかになる。すなわち、上記基板上傾斜導電リード部12dの導電リード12と上記直交線Rに対する傾斜角αは比較的小さくなる。上記第1実施形態の傾斜角αは、従来の傾斜角βより小さくなる。つまり導電リード2は、上記傾斜部始点12bで上記基板上傾斜導電リード部12dに向かって小さく傾斜するにすぎない。
このため、図4に図示されているように、第1実施形態の基板上傾斜導電リード部12dにおいては各導電リード12と隣接する導電リード12との間隔(隙間)が、従来の傾斜配置部2Cにおいて各導電パターン2と隣接する導電パターン2との間隔(隙間)より広くなるものであり、それだけ互いの導電リード12同士が接触(ショート)する危険性が減少するものである。
【0051】
なお、本発明の上記基板上傾斜導電リード部12dにおいて、導電リード12と上記長手方向Nの直交線Rに対する傾斜角αは、導電リード12が基板上傾斜導電リード部12dの中でどの位置に配置されているかにより異なるものである。
図4においては、左端に配置された導電リード12−1の上記傾斜角α―1(図示せず)は最も大きく、左端から2番目に配置された導電リード12−2の上記傾斜角α―2(図示せず)は上記傾斜角α―1より小さいものであり、左端から3番目に配置された導電リード12−3の上記傾斜角α―3(図示せず)は上記傾斜角α―2より小さいものである。
なお、図4、図1において、左端と右端との中間の中央に配置された導電リードは、上記傾斜角αがゼロになり、つまり傾斜はなく前期長手方向Nと平行となって直線状に形成されるものである。
逆に右端の導電リードの上記傾斜角はマイナスα―1(図示せず)となり、右端から2番目の導電リードの上記傾斜角はマイナスα―2(図示せず)となって上記傾斜角のマイナスα―2は上記マイナスα―1より絶対値で小さく、同様に右端から3番目の導電リードの上記傾斜角はマイナスα―3(図示せず)となって上記傾斜角のマイナスα―3は上記マイナスα―2より絶対値で小さくなっている。
【0052】
また、図4、図1において、横長スリット上傾斜導電リード部12eにおける導電リード12の傾斜角は、上記基板上傾斜導電リード部12dにおける導電リード12の上記傾斜角αと同等に設定されている。したがって、各導電リード12において、上記基板上傾斜導電リード部12dと横長スリット上傾斜導電リード部12eの導電リード12が連続した直線状に構成されることになる。
【0053】
なお、上記横長スリット上傾斜導電リード部12eの導電リード12が、各横長スリットの上記直交線Rに対して傾斜しており、上記各横長スリットにて折り曲げられる場合には、図5のように上記長手方向Nの導電リード12の幅が上記傾斜角の分だけ広くなり、導電リード12の折り曲げ時の強度が向上することになる。
すなわち図5において、導電リード12における上記長手方向Nでの幅Vは、通常幅W/傾斜角αで算出されるものである。
【0054】
〔第2実施形態〕
図6は、本発明の第2実施形態を示す要部の平面図である。
第2実施形態が第1実施形態と異なるのは、第1実施形態では下側導電リード先端群12aの前記長手方向Nでの中間位置が、基板上傾斜導電リード部12dおよび横長スリット上傾斜導電リード部12eの長手方向での左端と右端との中間位置とほぼ同じ位置に配置されていたのに対し、第2実施形態では、下側導電リード先端群12aの前記長手方向Nでの中間位置が、基板上傾斜導電リード部12dにおける前記長手方向Nでの左端と右端との中間位置と異なっており、さらに横長スリット上傾斜導電リード部12eの前記長手方向Nでの左端と右端との中間位置とも異なっていることである。
上記以外は、基本的に第2実施形態は、第1実施形態と同様に構成されている。
なお、図6においては、半導体素子13の下辺側にのみ導電リード12郡が配置されて図示されているが、半導体素子13の左右方向を対称軸として上記導電リード12郡が対称に半導体素子13の上辺側に配置されるようにしてもよい。
【0055】
図6においては、下側導電リード先端群12aの下端にあたる傾斜部始点12bから第1横長スリット17を越えた位置の傾斜部終点12cまでの導電リード12は直線状に形成されており、また各導電リード12の長手方向Nでの間隔はほぼ同一となっている。
したがって、下側導電リード先端群左端12aaと下側導電リード先端群右端12abの前記長手方向Nでの中間位置が、左端傾斜部終点12caから右端傾斜部終点12cbとの前記長手方向Nでの中間位置と異なっているものであり、前述のように基板上傾斜導電リード部12dにおける前記長手方向Nでの前記左端と右端との中間位置と異なっており、さらに横長スリット上傾斜導電リード部12eの前記長手方向での左端と右端との中間位置と異なっていることになる。さらに基板上傾斜導電リード部12dにおける前記長手方向Nでの左端と右端との中間位置は、横長スリット上傾斜導電リード部12eの前記長手方向Nでの左端と右端との中間位置と異なっている。
【0056】
上記第2実施形態は、回路基板における半導体素子13の配置箇所に対して第2アウターリード23の配置箇所が前記長手方向Nで異なることが要求される用途の場合に採用されるものである。
なお、上記下側導電リード先端群左端12aaと下側導電リード先端群右端12abの前記長手方向Nでの幅と、左端傾斜部終点12caから右端傾斜部終点12cbとの前記長手方向Nでの幅とが異なっている場合も有りうる。その場合は、導電リード12の各々は、平行にはならないものである。
【0057】
第2実施形態においても、横長スリット上傾斜導電リード部12eでの各導電リード12が上記のように傾斜して配置されていることから、基板上傾斜導電リード部12dにおける各導電リード12が急激に傾斜することがなく、導電リード12同士の間隔が広く確保できることになってショートを防止することができるものである。
【0058】
〔第3実施形態〕
図7は、本発明の第3実施形態を示す要部の平面図である。
第3実施形態が第1実施形態と異なるのは、半導体素子13の左辺と右辺とからも導電リード12が延出してその先端側でも前述の基板上傾斜導電リード部12dおよび横長スリット上傾斜導電リード部12eを構成している点である。
なお、図7においては、図1に図示されているように、半導体素子13の上辺側から延出し第2横長スリット18を越えて第1アウターリード22に至る導電リード12群を形成するようにしてもよい。
図7において、半導体素子13の左辺と右辺とから延出している導電リード12は、半導体素子13の裏面の電極と接続するものであり、上記延出した先は、図7の下側に向きを変えて前述した傾斜部始点12bに至り、傾斜部始点12bから前述の傾斜部終点12cに延出形成され、この傾斜部終点12cから図7の下側に真っ直ぐに伸びて第3横長スリット19を越えて第2アウターリード23に接続するものである。
【0059】
よって、半導体素子13の左辺と右辺とから延出している導電リード12も、基板上傾斜導電リード部12dおよび横長スリット上傾斜導電リード部12eを構成するものである。
したがって、第3実施形態において半導体素子13の左辺と右辺とから延出している導電リード12も、半導体素子13の下辺から延出している導電リード12と同様に、横長スリット上傾斜導電リード部12eでの各導電リード12が上記のように傾斜して配置されていることから、基板上傾斜導電リード部12dにおける各導電リード12が急激に傾斜することがなく、導電リード12同士の間隔が広く確保できることになってショートを防止することができるものである。
【0060】
〔第4実施形態〕
図8は、本発明の第4実施形態を示す要部の平面図である。
第4実施形態が第3実施形態と異なるのは、半導体素子13の上辺からも導電リード12が延出してその先端側でも前述の基板上傾斜導電リード部12dおよび横長スリット上傾斜導電リード部12eを構成している点である。
図8において、半導体素子13の上辺および左辺と右辺とから延出している導電リード12は、半導体素子13の裏面の電極と接続するものであり、上記延出した先は、図8の下側に向きを変えて前述した傾斜部始点12bに至り、傾斜部始点12bから前述の傾斜部終点12cに延出形成され、この傾斜部終点12cから図8の下側に真っ直ぐに伸びて第3横長スリット19を越えて第2アウターリード23に接続するものである。
【0061】
よって、半導体素子13の上辺および左辺と右辺とから延出している導電リード12も、基板上傾斜導電リード部12dおよび横長スリット上傾斜導電リード部12eを構成するものである。
したがって、第4実施形態において半導体素子13の上辺および左辺と右辺とから延出している導電リード12も、半導体素子13の下辺から延出している導電リード12と同様に、横長スリット上傾斜導電リード部12eでの各導電リード12が上記のように傾斜して配置されていることから、基板上傾斜導電リード部12dにおける各導電リード12が急激に傾斜することがなく、導電リード12同士の間隔が広く確保できることになってショートを防止することができるものである。
【0062】
〔第5実施形態〕
図9は、本発明の第5実施形態を示す要部の平面図である。
第5実施形態が第1実施形態と異なるのは、第3横長スリット19の長手方向Mが第1横長スリット17の長手方向Nに対して非平行(直角など)に配置され、半導体素子13の下辺から延出している導電リード12の延出向きが異なっている点にある。
図9において、半導体素子13の下辺から延出している導電リード12は、前述した傾斜部始点12bから第1横長スリット17を跨いで上記傾斜部終点12cに至り、この傾斜部終点12cから図9の左方向に真っ直ぐに伸びて第3横長スリット19を越えて第2アウターリード23に接続するものである。
【0063】
よって、半導体素子13の下辺から延出している導電リード12は、基板上傾斜導電リード部12dおよび横長スリット上傾斜導電リード部12eを構成するものである。
なお、図9においては、半導体素子13の下辺側にのみ導電リード12郡が配置されて図示されているが、半導体素子13の上辺から導電リード12を図1のように形成してもよいし、半導体素子13の上辺および左辺と右辺からも導電リード12が延出し、その先が図9のように第1横長スリット17を跨いで上記傾斜部終点12cに至るように構成されていてもよい。
したがって、第5実施形態において半導体素子13の下辺から延出している導電リード12は、横長スリット上傾斜導電リード部12eでの各導電リード12が上記のように傾斜して配置されていることから、基板上傾斜導電リード部12dにおける各導電リード12が急激に傾斜することがなく、導電リード12同士の間隔が広く確保できることになってショートを防止することができるものである。
【0064】
〔第6実施形態〕
図10は、本発明の第6実施形態を示す要部の平面図である。
第6実施形態が第1実施形態と異なるのは、半導体素子13の配置方向(半導体素子13の中心軸方向Q)が第1横長スリット17の長手方向Nに対して非平行に配置され、半導体素子13と第1横長スリット17との間に他の電気部品が近接配置され、このため導電リード12の配置が異なっている点にある。
図10では、半導体素子13の中心軸方向Qは、第1横長スリット17の長手方向Nに対して約20〜30度傾斜しており、半導体素子13と第1横長スリット17との間には、他の電気部品としての抵抗器30が配置され、抵抗器30の両端が半導体素子13の電極に接続されている。なお、上記他の電気部品は、コンデンサでもよくそれ以外の電気部品であっても良い。また抵抗器30の両端は、半導体素子13の電極以外の導電パターンに接続されていてもよい。
以上のように、第5実施形態は、半導体素子13と第1横長スリット17との間に他の電気部品が近接配置された場合に、好適である。
【0065】
図10においても、半導体素子13の下辺から延出している導電リード12は、前述した傾斜部始点12bから第1横長スリット17を跨いで上記傾斜部終点12cに至り、この傾斜部終点12cから図10の下方向に真っ直ぐに伸びて第3横長スリット19を越えて第2アウターリード23に接続することができる。
よって、半導体素子13の下辺から延出している導電リード12は、基板上傾斜導電リード部12dおよび横長スリット上傾斜導電リード部12eを構成するものである。
したがって、第6実施形態において半導体素子13の下辺から延出している導電リード12は、横長スリット上傾斜導電リード部12eでの各導電リード12が上記のように傾斜して配置されていることから、基板上傾斜導電リード部12dにおける各導電リード12が急激に傾斜することがなく、導電リード12同士の間隔が広く確保できることになってショートを防止することができるものである。
【0066】
〔第7実施形態〕
図11は、本発明の第7実施形態を示す要部の平面図である。
図11は、図1の半導体素子13の下辺から延出している導電リード12のうち、左側に配置されている導電リード12の2本を拡大図示したものである。したがって、横長スリット上傾斜導電リード部12eにおいては、第1横長スリット17の上辺における導電リード12と隣接する導電リード12とのピッチ間隔は、第1横長スリット17の下辺における導電リード12と隣接する導電リード12とのピッチ間隔より狭くなっている。
第7実施形態は、図11に図示されているように横長スリットを跨いでいる横長スリット上傾斜導電リード部12eにおいて、導電リード12の上側の幅12mと下側の幅12nとが異なり、導電リード12の上側の幅12mが狭く、下側の幅12nが上側の幅12mより広く形成されており、その間の間隔Hは、上記上側と下側とでほぼ同じに形成されている。
【0067】
上記導電リード12の上側の幅12mは、図1の導電リード12の幅と同じに形成されているから、下側の幅12nは図1の導電リード12の幅より広く形成されて、その分導電リード12の強度が向上することになる。
よって、横長スリット上傾斜導電リード部12eにおける導電リード12の強度が向上するが、導電リード同士の間隔は狭まることはなく両者のショートを防止することができる。
なお、横長スリット上傾斜導電リード部12eにおける各導電リードの傾斜角が各々異なっている場合には、上述のように導電リード12の上側の幅12mと下側の幅12nとを異ならせることができ導電リードの強度を向上しながら、導電リード12同士の間隔Hを減じることがないように形成することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、フレキシブル回路基板、リジット回路基板でもよく、その回路基板に半導体素子などの電気部品を導通接続させ実装した回路基板実装体に適用でき、その回路基板実装体を液晶表示パネルに接続させ組み込みした回路基板実装ユニットに用いることが出来る。また上記回路基板実装体や回路基板実装ユニットを、電子機器に組み込んで完成させることにも適用できる。上記電子機器は、例えば携帯電話、電子時計、小型電子計算機、パソコンなどが好適である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1実施形態における半導体素子が実装された状態のフィルムテープの平面図。
【図2】図1のA−A位置での主要部断面図。
【図3】図1で得られた回路基板実装体が折り曲げられて液晶表示パネルに接合された状態の主要部断面図。
【図4】図1の一部拡大平面図。
【図5】図4の一部拡大平面図。
【図6】本発明の第2実施形態における回路基板の主要部の平面図。
【図7】本発明の第3実施形態における回路基板の主要部の平面図。
【図8】本発明の第4実施形態における回路基板の主要部の平面図。
【図9】本発明の第5実施形態における回路基板の主要部の平面図。
【図10】本発明の第6実施形態における回路基板の主要部の平面図。
【図11】本発明の第7実施形態における回路基板の主要部の平面図。
【図12】特許文献1の図6の部分拡大図。
【符号の説明】
【0070】
1:絶縁フィルムテープ、2:導電パターン、2A:インナーリード、2B:入力用アウターリード、2C:傾斜配置部、2a:傾斜部終点、2b:傾斜部始点、2d:横長スリット上直交導電リード部、4:デバイスホール、5:アウターホール、6:スリット、9:半導体素子、11:フィルムテープ、11a:搬送穴、12:導電リード、12a:下側導電リード先端群、12aa:下端導電リード先端群左端、12ab:下端導電リード先端群右端、12b、12i:傾斜部始点、12c、12j:傾斜部終点、12ca:左端傾斜部終点、12cb:右端傾斜部終点、12d、12g:基材上傾斜導電リード部、12e、12h:横長スリット上傾斜導電リード部、12f:上側導電リード先端群、12m:導電リードの上側の幅、12n:導電リードの下側の幅、12o:傾斜部、13:半導体素子、14:回路基板、15:回路基板実装体、16:板状基材、17:第1横長スリット、18:第2横長スリット、19:第3横長スリット、20:封止樹脂注入穴、21:封止樹脂、22:第1アウターリード、23:第2アウターリード、24:絶縁被膜、25:切断位置、26:リジット基板、27:液晶表示パネル、27a:下パネル基板、27b:上パネル基板、28:液晶表示パネル回路基板実装ユニット、29:背面板、30:抵抗器、H:導電リード間の間隔、L:距離、M、N:長手方向、Q:中心軸方向、R:直交線、W、V:導電リードの幅、α、β:導電リードの直交線との傾斜角
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気部品が実装された際には当該電気部品の電極に導通接続される導電リードと、表面に前記導電リードが接合配置される板状基材とを有する回路基板であって、
前記板状基材は、実装された際の前記電気部品の近傍に開口した横長スリットを有し、
前記導電リードは、電気部品における前記電極との導通接続箇所近傍の始点から前記横長スリット近傍の終点までほぼ直線状に伸び、かつ前記横長スリットの長手方向の直交線に対して所定方向に傾斜して形成されている傾斜部を有しており、
傾斜部の前記終点は前記電気部品から見て前記横長スリットを越えた位置に配置されることにより、前記横長スリット上を跨いでいる導電リード部分が前記傾斜部の一部であって横長スリット上傾斜導電リード部を構成していることを特徴とする回路基板。
【請求項2】
請求項1に記載の回路基板であって、
前記電気部品の平面形状は略四辺形であり、前記横長スリット上傾斜導電リード部は、上記電気部品における前記横長スリットに近い辺から突出形成された導電リードの延出部分であることを特徴とする回路基板。
【請求項3】
請求項1乃至請求項2のいずれか1項に記載の回路基板であって、
前記電気部品の平面形状は略四辺形であり、前記横長スリット上傾斜導電リード部は、上記電気部品における前記横長スリットに近い辺とは異なる他の少なくとも1辺から延出した導電リードの延出部分であることを特徴とする回路基板。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の回路基板であって、
前記横長スリット上傾斜導電リード部における前記導電リードは、平面方向の幅が同一である場合に隣接する導電リードとの平面方向の間隔が広がる部分において幅広に形成されていることを特徴とする回路基板。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の回路基板であって、
前記板状基材はフレキシブル材からなり、前記横長スリットにおいてその長手方向に沿って折り曲げられることを特徴とする回路基板。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の回路基板と、この回路基板の導電リードの一端に導通接続され実装されている電気部品とを備えたことを特徴とする回路基板実装体。
【請求項7】
請求項6に記載の回路基板実装体における前記導電リードの延出部であって前記横長スリットを超えた位置に形成されたアウターリードに他の電気構造体に接合したことを特徴とする回路基板実装ユニット。
【請求項1】
電気部品が実装された際には当該電気部品の電極に導通接続される導電リードと、表面に前記導電リードが接合配置される板状基材とを有する回路基板であって、
前記板状基材は、実装された際の前記電気部品の近傍に開口した横長スリットを有し、
前記導電リードは、電気部品における前記電極との導通接続箇所近傍の始点から前記横長スリット近傍の終点までほぼ直線状に伸び、かつ前記横長スリットの長手方向の直交線に対して所定方向に傾斜して形成されている傾斜部を有しており、
傾斜部の前記終点は前記電気部品から見て前記横長スリットを越えた位置に配置されることにより、前記横長スリット上を跨いでいる導電リード部分が前記傾斜部の一部であって横長スリット上傾斜導電リード部を構成していることを特徴とする回路基板。
【請求項2】
請求項1に記載の回路基板であって、
前記電気部品の平面形状は略四辺形であり、前記横長スリット上傾斜導電リード部は、上記電気部品における前記横長スリットに近い辺から突出形成された導電リードの延出部分であることを特徴とする回路基板。
【請求項3】
請求項1乃至請求項2のいずれか1項に記載の回路基板であって、
前記電気部品の平面形状は略四辺形であり、前記横長スリット上傾斜導電リード部は、上記電気部品における前記横長スリットに近い辺とは異なる他の少なくとも1辺から延出した導電リードの延出部分であることを特徴とする回路基板。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の回路基板であって、
前記横長スリット上傾斜導電リード部における前記導電リードは、平面方向の幅が同一である場合に隣接する導電リードとの平面方向の間隔が広がる部分において幅広に形成されていることを特徴とする回路基板。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の回路基板であって、
前記板状基材はフレキシブル材からなり、前記横長スリットにおいてその長手方向に沿って折り曲げられることを特徴とする回路基板。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の回路基板と、この回路基板の導電リードの一端に導通接続され実装されている電気部品とを備えたことを特徴とする回路基板実装体。
【請求項7】
請求項6に記載の回路基板実装体における前記導電リードの延出部であって前記横長スリットを超えた位置に形成されたアウターリードに他の電気構造体に接合したことを特徴とする回路基板実装ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−130175(P2009−130175A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−304331(P2007−304331)
【出願日】平成19年11月26日(2007.11.26)
【出願人】(591093494)株式会社ミスズ工業 (58)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月26日(2007.11.26)
【出願人】(591093494)株式会社ミスズ工業 (58)
【Fターム(参考)】
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