回路基板とその製造方法、及び半導体装置
【課題】回路基板とその製造方法、及び半導体装置において、回路基板の信頼性を高めること。
【解決手段】コア基材20に貫通孔20aを形成する工程と、導電ピン11の外周側面に、発泡剤が添加された樹脂15を塗布する工程と、樹脂15を塗布した後、貫通孔20aに導電ピン11を挿入する工程と、導電ピン11を挿入した後、樹脂15を加熱して発泡させる工程とを有する回路基板の製造方法による。
【解決手段】コア基材20に貫通孔20aを形成する工程と、導電ピン11の外周側面に、発泡剤が添加された樹脂15を塗布する工程と、樹脂15を塗布した後、貫通孔20aに導電ピン11を挿入する工程と、導電ピン11を挿入した後、樹脂15を加熱して発泡させる工程とを有する回路基板の製造方法による。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板とその製造方法、及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器に搭載される回路基板にはいくつかの形態があるが、なかでもコア基材の両面に導電パターンを備えた回路基板は、導電パターンの多層化が容易である等の理由により、広く使用されている。
【0003】
コア基材には、その両主面に形成された導電パターンを電気的に接続するための貫通孔が形成される。貫通孔の加工方法としては、ドリル加工やレーザ加工がある。
【0004】
これらの加工方法のうち、レーザ加工は、形成された貫通孔がテーパ形状を帯びやすいため、直径の大きな貫通孔を形成する場合や、厚いコア基材に微細な貫通孔を形成する場合には不向きである。
【0005】
一方、ドリル加工は、コア基材の厚さによらず微細な貫通孔を形成できるという点で、レーザ加工よりも優れている。よって、回路基板の製造にあたっては、ドリル加工を用いてコア基材に貫通孔を形成するのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−302459号公報
【特許文献2】特開2005−81508号公報
【特許文献3】特開2007−7844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
回路基板とその製造方法、及び半導体装置において、回路基板の信頼性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下の開示の一観点によれば、基材に貫通孔を形成する工程と、導電ピンの外周側面に、発泡剤が添加された樹脂を塗布する工程と、前記樹脂を塗布した後、前記貫通孔に前記導電ピンを挿入する工程と、前記導電ピンを挿入した後、前記樹脂を加熱して発泡させる工程とを有する回路基板の製造方法が提供される。
【0009】
更に、その開示の他の観点によれば、貫通孔が形成された基材と、前記貫通孔に挿入された導電ピンと、前記貫通孔の内壁と前記導電ピンの外周側面との間に充填され、気泡を含有する樹脂とを有する回路基板が提供される。
【0010】
また、その開示の他の観点によれば、貫通孔が形成された基材と、前記貫通孔に挿入された導電ピンと、前記貫通孔の内壁と前記導電ピンの外周側面との間に充填され、気泡を含有する樹脂とを備えた回路基板と、前記回路基板に実装された半導体素子とを有する半導体装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
以下の開示によれば、コア基材中の繊維が貫通孔内で毛羽立っていても、導電ピンがその毛羽立ちを押しのけて貫通孔に挿入されるので、毛羽立ちにより導電ピンが断線することがなく、コア基材の両面の導電パターンを導電ピンで電気的に良好に接続できる。
【0012】
更に、貫通孔に導電ピンを挿入した後に樹脂を発泡させることで、導電ピンの外周側面と貫通孔の内壁との空間が樹脂により充填され、その樹脂により導電ピンを貫通孔内に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】回路基板用のコア基材にドリル加工により貫通孔を形成するときの断面図である。
【図2】貫通孔の内壁のSEM画像を基にして描いた図である。
【図3】本実施形態に係る回路基板の製造途中の断面図(その1)である。
【図4】本実施形態に係る回路基板の製造途中の断面図(その2)である。
【図5】本実施形態に係る回路基板の製造途中の断面図(その3)である。
【図6】本実施形態に係る回路基板の製造途中の断面図(その4)である。
【図7】本実施形態に係る回路基板の製造途中の断面図(その5)である。
【図8】本実施形態に係る回路基板の製造途中の断面図(その6)である。
【図9】本実施形態に係る回路基板の製造途中の断面図(その7)である。
【図10】本実施形態に係る回路基板の製造途中の断面図(その8)である。
【図11】本実施形態に係る半導体装置の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施形態の説明に先立ち、本実施形態の基礎となる事項について説明する。
【0015】
図1(a)〜(c)は、回路基板用のコア基材にドリル加工により貫通孔を形成するときの断面図である。
【0016】
図1(a)に示すように、コア基材1は、有機繊維2と熱硬化性樹脂3との複合材料を備える。
【0017】
このうち、有機繊維2としては、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサザール)繊維、アラミド繊維、液晶ポリマ繊維等の低熱膨張率の繊維が使用される。これらの繊維は、ガラスエポキシ樹脂基材で使用されるガラス繊維と比較して熱膨張率が低いため、コア基材1の低熱膨張率化に有利である。
【0018】
一方、熱硬化性樹脂3としてはエポキシ樹脂が使用される。これら熱硬化性樹脂3と有機繊維2はいずれも絶縁性であるため、コア基材1も絶縁性となる。
【0019】
次いで、図1(b)に示すように、ドリル加工によりコア基材1に貫通孔1aを形成する。
【0020】
ここで、コア基材1に含まれる有機繊維2は機械加工性が悪い。そのため、ドリル刃で有機繊維2を綺麗に断ち切ることができず、貫通孔1aの内壁に毛羽立ちが発生してしまう。このような毛羽立ちは、有機繊維2として上記のような低熱膨張率の繊維を使用する場合に特に顕著となる。
【0021】
図2は、この貫通孔1aの内壁のSEM(Scanning Electron Microscope)画像を基にして描いた図である。これに示されるように、貫通孔1aには、毛羽立った多数の有機繊維2が表出している。
【0022】
この後に、図1(c)に示すように、コア基材1の両主面と貫通孔1aの内壁に、無電解銅めっきと電解銅めっきとをこの順に施して、スルーホール銅めっき膜5を形成する。
【0023】
そのスルーホール銅めっき膜5は、後の工程で絶縁性のコア基材1の両主面に形成される配線同士を電気的に接続する役割を担うものであり、回路基板の信頼性を維持する上で大きな役割を担う。
【0024】
しかしながら、上記のように貫通孔1a内で有機繊維2が毛羽立っているため、毛羽立った部分の有機繊維2が導電膜5の膜中に取り込まれてしまい、スルーホール銅めっき膜5の膜厚が不均一となる。そのため、膜厚が薄い部分のスルーホール銅めっき膜5が断線し、回路基板の信頼性が低下するおそれがある。
【0025】
そのような繊維の毛羽立ちを防止するために、コア基材1の材料として、繊維を含まない低熱膨張率のインバー合金を使用することも考えられる。
【0026】
この場合、インバー合金によってコア基材1全体が導電性を帯びるので、貫通孔1aの内壁にスルーホール銅めっき膜5を直接形成すると、スルーホール銅めっき膜5とコア基材1とが電気的に接続されてしまう。よって、この場合は、貫通孔1aの内壁に絶縁層を形成し、その絶縁層の上にスルーホール銅めっき膜5を形成する必要がある。
【0027】
しかしながら、貫通孔1aは一枚のコア基材1中に数千個あるため、製品用のコア基材1を量産するときには数十万個の貫通孔1aを加工しなければならず、これらの貫通孔1aの全てにおいて絶縁性を確保するのは困難である。このような問題は、コア基材1の材料として、導電性のカーボンファイバを含む複合材料を使用するときにも起こり得る。
【0028】
また、毛羽立ちの有無に関わらず、実使用下において貫通孔1aにその深さ方向の応力が繰り返し印加されると、その応力によってスルーホール銅めっき膜5が断線し、回路基板の信頼性が低下する。
【0029】
特に、有機繊維2として低熱膨張率の繊維を使用する場合には、コア基材1の厚さ方向の熱膨張を犠牲にして面内方向の熱膨張を優先して低減させるため、コア基材1はその厚さ方向に本来の熱膨張率以上に熱膨張する傾向がある。その結果、コア基材1に熱負荷が繰り返し印加されると、その都度貫通孔1aに強い応力が加わり、スルーホール銅めっき膜5が断線する危険がより一層高まることになる。
【0030】
このような問題点に鑑み、本願発明者は、以下に説明するような本実施形態に想到した。
【0031】
(本実施形態)
図3〜図10は、本実施形態に係る回路基板の製造途中の断面図である。
【0032】
この回路基板の製造にあたっては、まず、図3(a)に示すように、直径が0.1mm〜0.15mmで長さが約2mmの複数の導電ピン11を用意する。
【0033】
その導電ピン11は、ポスト部11bの先端に円形のヘッド部11aが設けられたネイルヘッド型の外形を有しており、その材料としては例えば銅を採用し得る。
【0034】
次いで、図3(b)に示すように、複数の孔12aを備えた治具12を用意する。治具12の材料は樹脂又は金属である。
【0035】
そして、この治具12の一方の主面12b上に上記の導電ピン11を散布した後、治具12を横方向に振動させつつ、他方の主面12c側から孔12a内を吸引することで、孔12a内に導電ピン11のポスト部11bを挿入する。
【0036】
なお、上記のように治具12の振動と吸引を行うには、PGA(Pin Grid Array)パッケージにピンを立設するときに使用する振込機を用いればよい。
【0037】
次いで、図4(a)に示すように、複数の導電ピン11が貫通孔12aに挿入された状態で、支持基板13に各導電ピン11のヘッド部11aを不図示のはんだにより仮固定する。
【0038】
その後、図4(b)に示すように、治具12から各導電ピン11を引き上げる。
【0039】
次に、図5(a)に示すように、容器17内に予めワニス状の熱硬化性樹脂15を溜めておき、支持基板13を把持しつつ熱硬化性樹脂15中に全ての導電ピン11を浸す。
【0040】
容器17内の熱硬化性樹脂15には、加熱によりガスを放出する発泡剤が予め添加される。そのような発泡剤としては、例えば、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)とOBSH(p,p'-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド)がある。
【0041】
このうち、炭酸水素ナトリウムは、加熱によりCO2やH2O等のガスを放出する。また、炭酸水素ナトリウムがガスの放出をし始める発泡温度は約140℃〜170℃であって、発生するガスの量は約120ミリリットル/gである。
【0042】
一方、OBSHは、次の化学式(1)で表され、加熱によりN2やH2O等のガスを放出する。
【0043】
【化1】
【0044】
OBSHがガスの放出をし始める発泡温度は約155℃〜160℃であって、発生するガスの量は115ミリリットル/g〜125ミリリットル/gである。
【0045】
次に、図5(b)に示すように、容器17から導電ピン11を引き上げる。
【0046】
このとき、各導電ピン11は、その外周側面11eに樹脂15が塗布された状態となっているが、このままだと導電ピン11からワニス状の樹脂15が滴下して扱いづらい。
【0047】
そこで、本工程では、約80℃〜120℃の乾燥温度で樹脂15を加熱して乾燥させ、樹脂15をBステージの状態にする。このように乾燥した後の樹脂15の厚さは、20μm〜30μm程度となる。
【0048】
また、本工程では、樹脂15を乾燥させれば十分であり、当該樹脂15中の発泡剤を発泡させる必要はない。よって、乾燥時の発泡を防止するために、発泡剤としては、発泡温度が樹脂15の乾燥温度よりも高い材料を使用するのが好ましい。
【0049】
次に、図6(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
【0050】
まず、PBO繊維を平織りした織布とエポキシ系樹脂組成物とを複合化してなる厚さが約0.08mmのプリプレグを5枚レイアップして絶縁性のコア基材20を作製する。更に、このコア基材20の両主面20b、20cに厚さが約35μmの銅箔21を配置し、コア基材20と銅箔21に対して真空プレスを施す。その真空プレスの条件は、例えば、処理温度が180℃、プレス圧力が3MPa、プレス時間が1時間である。
【0051】
このような真空プレスの結果、コア基材20と銅箔21とを合わせた厚さは約0.4mmとなる。
【0052】
上記のPBO繊維は、それ自身の熱膨張率が低いため、コア基材20の低熱膨張率化に有利である。例えば、上記の条件で作製されたコア基材20の熱膨張率は、25℃〜200℃の温度範囲において、面内方向で約0.7ppm/℃程度と低い値となる。一方、このコア基材20の厚さ方向の熱膨張率は、面内方向よりも高い約60ppm/℃程度となる。
【0053】
なお、コア基材20に使用する繊維はPBO繊維に限定されないが、コア基材20の低熱膨張率化を図るため、ガラス繊維よりも熱膨張率が低い繊維を使用するのが好ましい。そのような低熱膨張率の繊維には、上記のPBO繊維の他に、アラミド繊維や液晶ポリマ繊維がある。なお、これらの繊維は絶縁体であるため、コア基材20も絶縁性を示すようになる。
【0054】
その後、コア基材20と銅箔21に対してドリル加工を行うことにより、コア基材20に複数の貫通孔20aを形成する。その貫通孔20aの直径は、既述の導電ピン11(図5(b)参照)の直径よりも大きければ特に限定されず、本実施形態では約0.2μm〜0.35μmとする。
【0055】
ここで、既述のように、PBO繊維等の低誘電率の有機繊維は、機械加工性が悪くドリル刃によって完全に断ち切るのが困難である。そのため、図6(a)の点線円内に示すように、貫通孔20aの内壁には、PBO繊維等の有機繊維22が毛羽立つようになる。
【0056】
なお、本実施形態では、貫通孔20aを形成した後のデスミア処理は不要である。
【0057】
次に、図6(b)に示すように、コア基材20の各々の貫通孔20aに、図3(a)〜図5(b)の工程を経た導電ピン11を挿入する。
【0058】
その導電ピン11は、後の工程でコア基材20の両方の主面20b、20cに形成される導電パターン同士を電気的に接続するように機能するものであり、図1(c)のスルーホール銅めっき膜5と類似の機能を有する。
【0059】
本実施形態では、そのようなスルーホール銅めっき膜5に代えて貫通孔20aに導電ピン11を挿入するので、貫通孔20a内における有機繊維22の毛羽立ちが導電ピン11によって押しのけられる。よって、有機繊維22が導電ピン11に取り込まれることがなく、貫通孔20a内で導電ピン11が断線するおそれがない。
【0060】
しかも、本工程では、支持基板13を利用して複数の導電ピン11を一括して貫通孔20a内に挿入するので、作業効率が良い。
【0061】
更に、その導電ピン11に塗布した樹脂15を図5(b)の工程で予め乾燥させたことで、貫通孔20a内に樹脂15が付着し難くなる。そのため、図6(b)の点線円内に示すように、樹脂15の表面15bと貫通孔20aの内壁との間に空間Sが生じ、各貫通孔20a内に導電ピン11をスムーズに挿入できる。
【0062】
続いて、図7(a)に示すように、樹脂15をその熱硬化温度である180℃まで昇温させることにより、樹脂15を熱硬化させる。
【0063】
このとき、樹脂15中の発泡剤として、発泡温度が樹脂15の熱硬化温度よりも低い材料を使用することで、熱硬化の前に樹脂15が発泡して樹脂中に多数の気泡15aが形成される
本実施形態で発泡剤として使用する炭酸水素ナトリウムとOBSHは、いずれもその発泡温度がエポキシ樹脂の熱硬化温度(180℃)よりも低いので、上記のように樹脂15が熱硬化する前に発泡剤の発泡を開始させることができる。
【0064】
このように発泡剤が発泡することで、樹脂15が膨張し、上記した空間Sを樹脂15により埋め込むことができる。そして、膨張の後に樹脂15が熱硬化することで、導電ピン11を貫通孔20a内に固定することができる。
【0065】
なお、樹脂15の膨張の程度は発泡剤の添加量にもよるが、発泡前の樹脂15の厚さが約30μmであった場合、その厚さは発泡後には約100μm程度となる。
【0066】
また、樹脂15に添加すべき発泡剤の量は、発泡前の樹脂15の体積と、埋め込むべき空間Sの体積による。例えば、空間Sの体積が、発泡前の樹脂15の体積の4倍程度のときは、樹脂15に重量比で約30%程度の発泡剤を添加することにより、空間Sを埋め込むことができる。
【0067】
ここで、膨張後の樹脂15に含まれる気泡15aの全体積Xと、膨張後の樹脂15の体積Yとの比の百分率(100×X/Y)は、気孔率と呼ばれる。その気孔率は、樹脂15に添加する発泡剤の量を調節することにより、30%以上90%以下にするのが好ましい。
【0068】
下限を30%としたのは、気孔率がこれよりも少ないと、膨張による樹脂15の体積増加が少なく、樹脂15により空間Sを埋め込み難くなるからである。
【0069】
この後に、図7(b)に示すように、樹脂15の加熱を更に続けることにより、各導電ピン11と支持基板13との間のはんだ(不図示)を溶融させ、各導電ピン11から支持基板13を取り外す。
【0070】
次いで、図8(a)に示すように、コア基材20の両方の主面20b、20c側から研磨を行うことにより、貫通孔20aからはみ出している部分の導電ピン11を除去する。その研磨には、例えば、バフ研磨機が使用される。
【0071】
次に、図8(b)に示すように、導電ピン11と銅箔21の各表面をソフトエッチングした後、当該表面上に導電膜24として無電解銅めっき膜と電解めっき膜とをこの順に形成する。その導電膜24の厚さは特に限定されない。本実施形態では、導電膜24と銅箔21とを合わせた厚さを約30μmとする。
【0072】
続いて、図9(a)に示すように、導電膜24の上にドライフィルムレジストを貼付し、それを露光、現像してレジストパターン25を形成する。
【0073】
そして、そのレジストパターン25をマスクにしながら銅箔21と導電膜24とをウエットエッチングする。これにより、レジストパターン25の下に、銅箔21と導電膜24とが、平面形状が概略円形の導電パターン26として残されることになる。
【0074】
このようにしてコア基材20の両方の主面20b、20cに形成された導電パターン26は、導電ピン11により互いに電気的に接続される。
【0075】
この後に、レジストパターン25は除去される。
【0076】
次に、図9(b)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
【0077】
まず、コア基材20の両方の主面上に、第1の絶縁層31としてBステージのエポキシ樹脂層を貼付する。
【0078】
そして、その第1の絶縁層31を加熱して熱硬化させた後、導電パターン26の上の部分における第1の絶縁膜31にCO2レーザを照射し、当該部分にビアホールを形成する。
【0079】
次いで、そのビアホールに対してデスミア処理を行った後、第1の絶縁膜31の全面に無電解銅めっき膜とレジストパターン(不図示)とをこの順に形成する。その後に、無電解銅めっき膜に給電を行いながらレジストパターンの窓内に第1のビア導電体32として電解銅めっき膜を成長させる。
【0080】
そして、レジストパターンを除去した後、無電解銅めっき膜をウエットエッチングする。このときのエッチング液としては、例えば、過酸化水素水と硫酸との混合液を使用し得る。
【0081】
その後、上記と同様のプロセスを行うことにより、第2の絶縁層33と第2のビア導電体34とを形成し、コア基材20の両面に多層配線構造を作製する。このようなプロセスは、ビルドアッププロセスとも呼ばれる。
【0082】
次に、図10に示すように、第2の絶縁層33の上にスクリーン印刷によりソルダレジスト層38を形成する。
【0083】
そして、フォトリソグラフィによりソルダレジスト層38に開口を形成し、その開口から露出する第2のビア導電体34上に電極膜37を形成する。その電極膜37は、下から順に、無電解めっきにより形成されたニッケル膜と金膜である。
【0084】
以上により、本実施形態に係る回路基板40の基本構造が完成した。
【0085】
その回路基板40の使用用途は特に限定されないが、ベアチップ実装により半導体素子を実装する基板として回路基板40を使用するのが好ましい。
【0086】
図11は、このように回路基板40上に半導体素子50をベアチップ実装してなる半導体装置60の拡大断面図である。
【0087】
図11に示されるように、この半導体装置60では、半導体素子50が備えるはんだバンプ51が電極膜37上に接合される。そして、回路基板40と半導体素子50との間の空間には、これらの接続信頼性を高めるためのアンダーフィル樹脂55が充填される。
【0088】
ここで、PBO繊維とエポキシ系樹脂組成物との複合材料から作製したコア基材20は、既述のように面内方向の熱膨張率が約0.7ppm/℃程度との値となる。この値は、一般的なガラスエポキシ樹脂の熱膨張率(12ppm/℃〜20ppm/℃)よりも小さく、半導体素子50の主材料であるシリコンの熱膨張率(約3.5ppm/℃)に近い値である。
【0089】
このように回路基板40と半導体素子50との熱膨張率差が小さいため、当該熱膨張率差が原因ではんだバンプ51と電極膜37との接合部分にクラックが生じる危険性が少なく、半導体装置60の信頼性を高めることができる。
【0090】
以上説明した本実施形態によれば、図7(a)に示したように、スルーホール銅めっき膜に代えて貫通孔20aに導電ピン11を挿入する。
【0091】
その導電ピン11は、貫通孔20aの内壁に発生した有機繊維22の毛羽立ちを押しのけて貫通孔20a内に挿入されるので、導電ピン11内に有機繊維22が取り込まれることがない。
【0092】
よって、有機繊維22が原因で導電ピン11が断線することがなく、コア基材20の両主面20b、20cの各導電パターン26(図9(a)参照)同士を導電ピン11によって電気的に良好に接続することができ、回路基板20の信頼性向上を図ることができる。
【0093】
貫通孔20a内での有機繊維22の毛羽立ちは、当該有機繊維22としてPBO繊維等の低熱膨張率の有機繊維を使用したときに発生し易い。よって、本実施形態は、低熱膨張率の有機繊維を備えたコア基材20を使用するときに特に実益がある。
【0094】
しかも、その導電ピン11に塗布する樹脂15に発泡剤を添加したので、熱硬化の際に樹脂15が膨張して導電ピン11と貫通孔20aの間の空間を埋め込むことができ、熱硬化した樹脂15によって導電ピン11を確実に固定することが可能となる。
【0095】
更に、このように導電ピン11と貫通孔20aとの間に充填された樹脂15は、多数の気泡15aを含むためクッション性が良好となり、導電ピン11とコア基材20との間の応力緩和層としても機能する。よって、コア基材20が厚さ方向に熱膨張しても、コア基材20から導電ピン11に応力が直接印加されず、応力によって導電ピン11が断線する危険性を低減できる。
【0096】
以上説明した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0097】
(付記1) 基材に貫通孔を形成する工程と、
導電ピンの外周側面に、発泡剤が添加された樹脂を塗布する工程と、
前記樹脂を塗布した後、前記貫通孔に前記導電ピンを挿入する工程と、
前記導電ピンを挿入した後、前記樹脂を加熱して発泡させる工程と、
を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
【0098】
(付記2) 前記樹脂として熱硬化性樹脂を使用し、
前記樹脂を加熱するときに、該樹脂を熱硬化させることを特徴とする付記1に記載の回路基板の製造方法。
【0099】
(付記3) 前記発泡剤として、発泡温度が前記樹脂の熱硬化温度よりも低い材料を使用することを特徴とする付記2に記載の回路基板の製造方法。
【0100】
(付記4) 前記貫通孔に前記導電ピンを挿入する工程の前に、前記樹脂を加熱して乾燥させることを特徴とする付記1〜3のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
【0101】
(付記5) 前記基材の両方の主面に、前記導電ピンによって電気的に接続された導電パターンを形成する工程を更に有することを特徴とする付記1〜4のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
【0102】
(付記6) 支持基板に複数の前記導電ピンを仮固定する工程を更に有し、
前記貫通孔に前記導電ピンを挿入する工程において、前記支持基板に仮固定された複数の前記導電ピンを、前記基材に形成された複数の前記貫通孔の各々に一括して挿入することを特徴とする付記1〜5のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
【0103】
(付記7) 前記コア基材の材料として、繊維と樹脂との複合材料を使用することを特徴とする付記1〜6のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
【0104】
(付記8) 貫通孔が形成された基材と、
前記貫通孔に挿入された導電ピンと、
前記貫通孔の内壁と前記導電ピンの外周側面との間に充填され、気泡を含有する樹脂と、
を有することを特徴とする回路基板。
【0105】
(付記9) 前記基材の両方の主面に、前記導電ピンによって電気的に接続された導電パターンが形成されたことを特徴とする付記8に記載の回路基板。
【0106】
(付記10) 貫通孔が形成された基材と、前記貫通孔に挿入された導電ピンと、前記貫通孔の内壁と前記導電ピンの外周側面との間に充填され、気泡を含有する樹脂とを備えた回路基板と、
前記回路基板に実装された半導体素子と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【符号の説明】
【0107】
1…コア基材、1a…貫通孔、2…有機繊維、3…熱硬化性樹脂、5…スルーホール銅めっき膜、11…導電ピン、12…治具、12a…孔、13…支持基板、15…樹脂、15a…気泡、17…容器、20…コア基材、20a…貫通孔、21…銅箔、22…有機繊維、24…導電膜、25…レジストパターン、26…導電パターン、31…第1の絶縁層、32…第1のビア導電体、33…第2の絶縁層、34…第2のビア導電体、37…電極膜、38…ソルダレジスト層、40…回路基板、50…半導体素子、51…はんだバンプ、55…アンダーフィル樹脂、60…半導体装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板とその製造方法、及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器に搭載される回路基板にはいくつかの形態があるが、なかでもコア基材の両面に導電パターンを備えた回路基板は、導電パターンの多層化が容易である等の理由により、広く使用されている。
【0003】
コア基材には、その両主面に形成された導電パターンを電気的に接続するための貫通孔が形成される。貫通孔の加工方法としては、ドリル加工やレーザ加工がある。
【0004】
これらの加工方法のうち、レーザ加工は、形成された貫通孔がテーパ形状を帯びやすいため、直径の大きな貫通孔を形成する場合や、厚いコア基材に微細な貫通孔を形成する場合には不向きである。
【0005】
一方、ドリル加工は、コア基材の厚さによらず微細な貫通孔を形成できるという点で、レーザ加工よりも優れている。よって、回路基板の製造にあたっては、ドリル加工を用いてコア基材に貫通孔を形成するのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−302459号公報
【特許文献2】特開2005−81508号公報
【特許文献3】特開2007−7844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
回路基板とその製造方法、及び半導体装置において、回路基板の信頼性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下の開示の一観点によれば、基材に貫通孔を形成する工程と、導電ピンの外周側面に、発泡剤が添加された樹脂を塗布する工程と、前記樹脂を塗布した後、前記貫通孔に前記導電ピンを挿入する工程と、前記導電ピンを挿入した後、前記樹脂を加熱して発泡させる工程とを有する回路基板の製造方法が提供される。
【0009】
更に、その開示の他の観点によれば、貫通孔が形成された基材と、前記貫通孔に挿入された導電ピンと、前記貫通孔の内壁と前記導電ピンの外周側面との間に充填され、気泡を含有する樹脂とを有する回路基板が提供される。
【0010】
また、その開示の他の観点によれば、貫通孔が形成された基材と、前記貫通孔に挿入された導電ピンと、前記貫通孔の内壁と前記導電ピンの外周側面との間に充填され、気泡を含有する樹脂とを備えた回路基板と、前記回路基板に実装された半導体素子とを有する半導体装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
以下の開示によれば、コア基材中の繊維が貫通孔内で毛羽立っていても、導電ピンがその毛羽立ちを押しのけて貫通孔に挿入されるので、毛羽立ちにより導電ピンが断線することがなく、コア基材の両面の導電パターンを導電ピンで電気的に良好に接続できる。
【0012】
更に、貫通孔に導電ピンを挿入した後に樹脂を発泡させることで、導電ピンの外周側面と貫通孔の内壁との空間が樹脂により充填され、その樹脂により導電ピンを貫通孔内に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】回路基板用のコア基材にドリル加工により貫通孔を形成するときの断面図である。
【図2】貫通孔の内壁のSEM画像を基にして描いた図である。
【図3】本実施形態に係る回路基板の製造途中の断面図(その1)である。
【図4】本実施形態に係る回路基板の製造途中の断面図(その2)である。
【図5】本実施形態に係る回路基板の製造途中の断面図(その3)である。
【図6】本実施形態に係る回路基板の製造途中の断面図(その4)である。
【図7】本実施形態に係る回路基板の製造途中の断面図(その5)である。
【図8】本実施形態に係る回路基板の製造途中の断面図(その6)である。
【図9】本実施形態に係る回路基板の製造途中の断面図(その7)である。
【図10】本実施形態に係る回路基板の製造途中の断面図(その8)である。
【図11】本実施形態に係る半導体装置の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施形態の説明に先立ち、本実施形態の基礎となる事項について説明する。
【0015】
図1(a)〜(c)は、回路基板用のコア基材にドリル加工により貫通孔を形成するときの断面図である。
【0016】
図1(a)に示すように、コア基材1は、有機繊維2と熱硬化性樹脂3との複合材料を備える。
【0017】
このうち、有機繊維2としては、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサザール)繊維、アラミド繊維、液晶ポリマ繊維等の低熱膨張率の繊維が使用される。これらの繊維は、ガラスエポキシ樹脂基材で使用されるガラス繊維と比較して熱膨張率が低いため、コア基材1の低熱膨張率化に有利である。
【0018】
一方、熱硬化性樹脂3としてはエポキシ樹脂が使用される。これら熱硬化性樹脂3と有機繊維2はいずれも絶縁性であるため、コア基材1も絶縁性となる。
【0019】
次いで、図1(b)に示すように、ドリル加工によりコア基材1に貫通孔1aを形成する。
【0020】
ここで、コア基材1に含まれる有機繊維2は機械加工性が悪い。そのため、ドリル刃で有機繊維2を綺麗に断ち切ることができず、貫通孔1aの内壁に毛羽立ちが発生してしまう。このような毛羽立ちは、有機繊維2として上記のような低熱膨張率の繊維を使用する場合に特に顕著となる。
【0021】
図2は、この貫通孔1aの内壁のSEM(Scanning Electron Microscope)画像を基にして描いた図である。これに示されるように、貫通孔1aには、毛羽立った多数の有機繊維2が表出している。
【0022】
この後に、図1(c)に示すように、コア基材1の両主面と貫通孔1aの内壁に、無電解銅めっきと電解銅めっきとをこの順に施して、スルーホール銅めっき膜5を形成する。
【0023】
そのスルーホール銅めっき膜5は、後の工程で絶縁性のコア基材1の両主面に形成される配線同士を電気的に接続する役割を担うものであり、回路基板の信頼性を維持する上で大きな役割を担う。
【0024】
しかしながら、上記のように貫通孔1a内で有機繊維2が毛羽立っているため、毛羽立った部分の有機繊維2が導電膜5の膜中に取り込まれてしまい、スルーホール銅めっき膜5の膜厚が不均一となる。そのため、膜厚が薄い部分のスルーホール銅めっき膜5が断線し、回路基板の信頼性が低下するおそれがある。
【0025】
そのような繊維の毛羽立ちを防止するために、コア基材1の材料として、繊維を含まない低熱膨張率のインバー合金を使用することも考えられる。
【0026】
この場合、インバー合金によってコア基材1全体が導電性を帯びるので、貫通孔1aの内壁にスルーホール銅めっき膜5を直接形成すると、スルーホール銅めっき膜5とコア基材1とが電気的に接続されてしまう。よって、この場合は、貫通孔1aの内壁に絶縁層を形成し、その絶縁層の上にスルーホール銅めっき膜5を形成する必要がある。
【0027】
しかしながら、貫通孔1aは一枚のコア基材1中に数千個あるため、製品用のコア基材1を量産するときには数十万個の貫通孔1aを加工しなければならず、これらの貫通孔1aの全てにおいて絶縁性を確保するのは困難である。このような問題は、コア基材1の材料として、導電性のカーボンファイバを含む複合材料を使用するときにも起こり得る。
【0028】
また、毛羽立ちの有無に関わらず、実使用下において貫通孔1aにその深さ方向の応力が繰り返し印加されると、その応力によってスルーホール銅めっき膜5が断線し、回路基板の信頼性が低下する。
【0029】
特に、有機繊維2として低熱膨張率の繊維を使用する場合には、コア基材1の厚さ方向の熱膨張を犠牲にして面内方向の熱膨張を優先して低減させるため、コア基材1はその厚さ方向に本来の熱膨張率以上に熱膨張する傾向がある。その結果、コア基材1に熱負荷が繰り返し印加されると、その都度貫通孔1aに強い応力が加わり、スルーホール銅めっき膜5が断線する危険がより一層高まることになる。
【0030】
このような問題点に鑑み、本願発明者は、以下に説明するような本実施形態に想到した。
【0031】
(本実施形態)
図3〜図10は、本実施形態に係る回路基板の製造途中の断面図である。
【0032】
この回路基板の製造にあたっては、まず、図3(a)に示すように、直径が0.1mm〜0.15mmで長さが約2mmの複数の導電ピン11を用意する。
【0033】
その導電ピン11は、ポスト部11bの先端に円形のヘッド部11aが設けられたネイルヘッド型の外形を有しており、その材料としては例えば銅を採用し得る。
【0034】
次いで、図3(b)に示すように、複数の孔12aを備えた治具12を用意する。治具12の材料は樹脂又は金属である。
【0035】
そして、この治具12の一方の主面12b上に上記の導電ピン11を散布した後、治具12を横方向に振動させつつ、他方の主面12c側から孔12a内を吸引することで、孔12a内に導電ピン11のポスト部11bを挿入する。
【0036】
なお、上記のように治具12の振動と吸引を行うには、PGA(Pin Grid Array)パッケージにピンを立設するときに使用する振込機を用いればよい。
【0037】
次いで、図4(a)に示すように、複数の導電ピン11が貫通孔12aに挿入された状態で、支持基板13に各導電ピン11のヘッド部11aを不図示のはんだにより仮固定する。
【0038】
その後、図4(b)に示すように、治具12から各導電ピン11を引き上げる。
【0039】
次に、図5(a)に示すように、容器17内に予めワニス状の熱硬化性樹脂15を溜めておき、支持基板13を把持しつつ熱硬化性樹脂15中に全ての導電ピン11を浸す。
【0040】
容器17内の熱硬化性樹脂15には、加熱によりガスを放出する発泡剤が予め添加される。そのような発泡剤としては、例えば、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)とOBSH(p,p'-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド)がある。
【0041】
このうち、炭酸水素ナトリウムは、加熱によりCO2やH2O等のガスを放出する。また、炭酸水素ナトリウムがガスの放出をし始める発泡温度は約140℃〜170℃であって、発生するガスの量は約120ミリリットル/gである。
【0042】
一方、OBSHは、次の化学式(1)で表され、加熱によりN2やH2O等のガスを放出する。
【0043】
【化1】
【0044】
OBSHがガスの放出をし始める発泡温度は約155℃〜160℃であって、発生するガスの量は115ミリリットル/g〜125ミリリットル/gである。
【0045】
次に、図5(b)に示すように、容器17から導電ピン11を引き上げる。
【0046】
このとき、各導電ピン11は、その外周側面11eに樹脂15が塗布された状態となっているが、このままだと導電ピン11からワニス状の樹脂15が滴下して扱いづらい。
【0047】
そこで、本工程では、約80℃〜120℃の乾燥温度で樹脂15を加熱して乾燥させ、樹脂15をBステージの状態にする。このように乾燥した後の樹脂15の厚さは、20μm〜30μm程度となる。
【0048】
また、本工程では、樹脂15を乾燥させれば十分であり、当該樹脂15中の発泡剤を発泡させる必要はない。よって、乾燥時の発泡を防止するために、発泡剤としては、発泡温度が樹脂15の乾燥温度よりも高い材料を使用するのが好ましい。
【0049】
次に、図6(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
【0050】
まず、PBO繊維を平織りした織布とエポキシ系樹脂組成物とを複合化してなる厚さが約0.08mmのプリプレグを5枚レイアップして絶縁性のコア基材20を作製する。更に、このコア基材20の両主面20b、20cに厚さが約35μmの銅箔21を配置し、コア基材20と銅箔21に対して真空プレスを施す。その真空プレスの条件は、例えば、処理温度が180℃、プレス圧力が3MPa、プレス時間が1時間である。
【0051】
このような真空プレスの結果、コア基材20と銅箔21とを合わせた厚さは約0.4mmとなる。
【0052】
上記のPBO繊維は、それ自身の熱膨張率が低いため、コア基材20の低熱膨張率化に有利である。例えば、上記の条件で作製されたコア基材20の熱膨張率は、25℃〜200℃の温度範囲において、面内方向で約0.7ppm/℃程度と低い値となる。一方、このコア基材20の厚さ方向の熱膨張率は、面内方向よりも高い約60ppm/℃程度となる。
【0053】
なお、コア基材20に使用する繊維はPBO繊維に限定されないが、コア基材20の低熱膨張率化を図るため、ガラス繊維よりも熱膨張率が低い繊維を使用するのが好ましい。そのような低熱膨張率の繊維には、上記のPBO繊維の他に、アラミド繊維や液晶ポリマ繊維がある。なお、これらの繊維は絶縁体であるため、コア基材20も絶縁性を示すようになる。
【0054】
その後、コア基材20と銅箔21に対してドリル加工を行うことにより、コア基材20に複数の貫通孔20aを形成する。その貫通孔20aの直径は、既述の導電ピン11(図5(b)参照)の直径よりも大きければ特に限定されず、本実施形態では約0.2μm〜0.35μmとする。
【0055】
ここで、既述のように、PBO繊維等の低誘電率の有機繊維は、機械加工性が悪くドリル刃によって完全に断ち切るのが困難である。そのため、図6(a)の点線円内に示すように、貫通孔20aの内壁には、PBO繊維等の有機繊維22が毛羽立つようになる。
【0056】
なお、本実施形態では、貫通孔20aを形成した後のデスミア処理は不要である。
【0057】
次に、図6(b)に示すように、コア基材20の各々の貫通孔20aに、図3(a)〜図5(b)の工程を経た導電ピン11を挿入する。
【0058】
その導電ピン11は、後の工程でコア基材20の両方の主面20b、20cに形成される導電パターン同士を電気的に接続するように機能するものであり、図1(c)のスルーホール銅めっき膜5と類似の機能を有する。
【0059】
本実施形態では、そのようなスルーホール銅めっき膜5に代えて貫通孔20aに導電ピン11を挿入するので、貫通孔20a内における有機繊維22の毛羽立ちが導電ピン11によって押しのけられる。よって、有機繊維22が導電ピン11に取り込まれることがなく、貫通孔20a内で導電ピン11が断線するおそれがない。
【0060】
しかも、本工程では、支持基板13を利用して複数の導電ピン11を一括して貫通孔20a内に挿入するので、作業効率が良い。
【0061】
更に、その導電ピン11に塗布した樹脂15を図5(b)の工程で予め乾燥させたことで、貫通孔20a内に樹脂15が付着し難くなる。そのため、図6(b)の点線円内に示すように、樹脂15の表面15bと貫通孔20aの内壁との間に空間Sが生じ、各貫通孔20a内に導電ピン11をスムーズに挿入できる。
【0062】
続いて、図7(a)に示すように、樹脂15をその熱硬化温度である180℃まで昇温させることにより、樹脂15を熱硬化させる。
【0063】
このとき、樹脂15中の発泡剤として、発泡温度が樹脂15の熱硬化温度よりも低い材料を使用することで、熱硬化の前に樹脂15が発泡して樹脂中に多数の気泡15aが形成される
本実施形態で発泡剤として使用する炭酸水素ナトリウムとOBSHは、いずれもその発泡温度がエポキシ樹脂の熱硬化温度(180℃)よりも低いので、上記のように樹脂15が熱硬化する前に発泡剤の発泡を開始させることができる。
【0064】
このように発泡剤が発泡することで、樹脂15が膨張し、上記した空間Sを樹脂15により埋め込むことができる。そして、膨張の後に樹脂15が熱硬化することで、導電ピン11を貫通孔20a内に固定することができる。
【0065】
なお、樹脂15の膨張の程度は発泡剤の添加量にもよるが、発泡前の樹脂15の厚さが約30μmであった場合、その厚さは発泡後には約100μm程度となる。
【0066】
また、樹脂15に添加すべき発泡剤の量は、発泡前の樹脂15の体積と、埋め込むべき空間Sの体積による。例えば、空間Sの体積が、発泡前の樹脂15の体積の4倍程度のときは、樹脂15に重量比で約30%程度の発泡剤を添加することにより、空間Sを埋め込むことができる。
【0067】
ここで、膨張後の樹脂15に含まれる気泡15aの全体積Xと、膨張後の樹脂15の体積Yとの比の百分率(100×X/Y)は、気孔率と呼ばれる。その気孔率は、樹脂15に添加する発泡剤の量を調節することにより、30%以上90%以下にするのが好ましい。
【0068】
下限を30%としたのは、気孔率がこれよりも少ないと、膨張による樹脂15の体積増加が少なく、樹脂15により空間Sを埋め込み難くなるからである。
【0069】
この後に、図7(b)に示すように、樹脂15の加熱を更に続けることにより、各導電ピン11と支持基板13との間のはんだ(不図示)を溶融させ、各導電ピン11から支持基板13を取り外す。
【0070】
次いで、図8(a)に示すように、コア基材20の両方の主面20b、20c側から研磨を行うことにより、貫通孔20aからはみ出している部分の導電ピン11を除去する。その研磨には、例えば、バフ研磨機が使用される。
【0071】
次に、図8(b)に示すように、導電ピン11と銅箔21の各表面をソフトエッチングした後、当該表面上に導電膜24として無電解銅めっき膜と電解めっき膜とをこの順に形成する。その導電膜24の厚さは特に限定されない。本実施形態では、導電膜24と銅箔21とを合わせた厚さを約30μmとする。
【0072】
続いて、図9(a)に示すように、導電膜24の上にドライフィルムレジストを貼付し、それを露光、現像してレジストパターン25を形成する。
【0073】
そして、そのレジストパターン25をマスクにしながら銅箔21と導電膜24とをウエットエッチングする。これにより、レジストパターン25の下に、銅箔21と導電膜24とが、平面形状が概略円形の導電パターン26として残されることになる。
【0074】
このようにしてコア基材20の両方の主面20b、20cに形成された導電パターン26は、導電ピン11により互いに電気的に接続される。
【0075】
この後に、レジストパターン25は除去される。
【0076】
次に、図9(b)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
【0077】
まず、コア基材20の両方の主面上に、第1の絶縁層31としてBステージのエポキシ樹脂層を貼付する。
【0078】
そして、その第1の絶縁層31を加熱して熱硬化させた後、導電パターン26の上の部分における第1の絶縁膜31にCO2レーザを照射し、当該部分にビアホールを形成する。
【0079】
次いで、そのビアホールに対してデスミア処理を行った後、第1の絶縁膜31の全面に無電解銅めっき膜とレジストパターン(不図示)とをこの順に形成する。その後に、無電解銅めっき膜に給電を行いながらレジストパターンの窓内に第1のビア導電体32として電解銅めっき膜を成長させる。
【0080】
そして、レジストパターンを除去した後、無電解銅めっき膜をウエットエッチングする。このときのエッチング液としては、例えば、過酸化水素水と硫酸との混合液を使用し得る。
【0081】
その後、上記と同様のプロセスを行うことにより、第2の絶縁層33と第2のビア導電体34とを形成し、コア基材20の両面に多層配線構造を作製する。このようなプロセスは、ビルドアッププロセスとも呼ばれる。
【0082】
次に、図10に示すように、第2の絶縁層33の上にスクリーン印刷によりソルダレジスト層38を形成する。
【0083】
そして、フォトリソグラフィによりソルダレジスト層38に開口を形成し、その開口から露出する第2のビア導電体34上に電極膜37を形成する。その電極膜37は、下から順に、無電解めっきにより形成されたニッケル膜と金膜である。
【0084】
以上により、本実施形態に係る回路基板40の基本構造が完成した。
【0085】
その回路基板40の使用用途は特に限定されないが、ベアチップ実装により半導体素子を実装する基板として回路基板40を使用するのが好ましい。
【0086】
図11は、このように回路基板40上に半導体素子50をベアチップ実装してなる半導体装置60の拡大断面図である。
【0087】
図11に示されるように、この半導体装置60では、半導体素子50が備えるはんだバンプ51が電極膜37上に接合される。そして、回路基板40と半導体素子50との間の空間には、これらの接続信頼性を高めるためのアンダーフィル樹脂55が充填される。
【0088】
ここで、PBO繊維とエポキシ系樹脂組成物との複合材料から作製したコア基材20は、既述のように面内方向の熱膨張率が約0.7ppm/℃程度との値となる。この値は、一般的なガラスエポキシ樹脂の熱膨張率(12ppm/℃〜20ppm/℃)よりも小さく、半導体素子50の主材料であるシリコンの熱膨張率(約3.5ppm/℃)に近い値である。
【0089】
このように回路基板40と半導体素子50との熱膨張率差が小さいため、当該熱膨張率差が原因ではんだバンプ51と電極膜37との接合部分にクラックが生じる危険性が少なく、半導体装置60の信頼性を高めることができる。
【0090】
以上説明した本実施形態によれば、図7(a)に示したように、スルーホール銅めっき膜に代えて貫通孔20aに導電ピン11を挿入する。
【0091】
その導電ピン11は、貫通孔20aの内壁に発生した有機繊維22の毛羽立ちを押しのけて貫通孔20a内に挿入されるので、導電ピン11内に有機繊維22が取り込まれることがない。
【0092】
よって、有機繊維22が原因で導電ピン11が断線することがなく、コア基材20の両主面20b、20cの各導電パターン26(図9(a)参照)同士を導電ピン11によって電気的に良好に接続することができ、回路基板20の信頼性向上を図ることができる。
【0093】
貫通孔20a内での有機繊維22の毛羽立ちは、当該有機繊維22としてPBO繊維等の低熱膨張率の有機繊維を使用したときに発生し易い。よって、本実施形態は、低熱膨張率の有機繊維を備えたコア基材20を使用するときに特に実益がある。
【0094】
しかも、その導電ピン11に塗布する樹脂15に発泡剤を添加したので、熱硬化の際に樹脂15が膨張して導電ピン11と貫通孔20aの間の空間を埋め込むことができ、熱硬化した樹脂15によって導電ピン11を確実に固定することが可能となる。
【0095】
更に、このように導電ピン11と貫通孔20aとの間に充填された樹脂15は、多数の気泡15aを含むためクッション性が良好となり、導電ピン11とコア基材20との間の応力緩和層としても機能する。よって、コア基材20が厚さ方向に熱膨張しても、コア基材20から導電ピン11に応力が直接印加されず、応力によって導電ピン11が断線する危険性を低減できる。
【0096】
以上説明した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0097】
(付記1) 基材に貫通孔を形成する工程と、
導電ピンの外周側面に、発泡剤が添加された樹脂を塗布する工程と、
前記樹脂を塗布した後、前記貫通孔に前記導電ピンを挿入する工程と、
前記導電ピンを挿入した後、前記樹脂を加熱して発泡させる工程と、
を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
【0098】
(付記2) 前記樹脂として熱硬化性樹脂を使用し、
前記樹脂を加熱するときに、該樹脂を熱硬化させることを特徴とする付記1に記載の回路基板の製造方法。
【0099】
(付記3) 前記発泡剤として、発泡温度が前記樹脂の熱硬化温度よりも低い材料を使用することを特徴とする付記2に記載の回路基板の製造方法。
【0100】
(付記4) 前記貫通孔に前記導電ピンを挿入する工程の前に、前記樹脂を加熱して乾燥させることを特徴とする付記1〜3のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
【0101】
(付記5) 前記基材の両方の主面に、前記導電ピンによって電気的に接続された導電パターンを形成する工程を更に有することを特徴とする付記1〜4のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
【0102】
(付記6) 支持基板に複数の前記導電ピンを仮固定する工程を更に有し、
前記貫通孔に前記導電ピンを挿入する工程において、前記支持基板に仮固定された複数の前記導電ピンを、前記基材に形成された複数の前記貫通孔の各々に一括して挿入することを特徴とする付記1〜5のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
【0103】
(付記7) 前記コア基材の材料として、繊維と樹脂との複合材料を使用することを特徴とする付記1〜6のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
【0104】
(付記8) 貫通孔が形成された基材と、
前記貫通孔に挿入された導電ピンと、
前記貫通孔の内壁と前記導電ピンの外周側面との間に充填され、気泡を含有する樹脂と、
を有することを特徴とする回路基板。
【0105】
(付記9) 前記基材の両方の主面に、前記導電ピンによって電気的に接続された導電パターンが形成されたことを特徴とする付記8に記載の回路基板。
【0106】
(付記10) 貫通孔が形成された基材と、前記貫通孔に挿入された導電ピンと、前記貫通孔の内壁と前記導電ピンの外周側面との間に充填され、気泡を含有する樹脂とを備えた回路基板と、
前記回路基板に実装された半導体素子と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【符号の説明】
【0107】
1…コア基材、1a…貫通孔、2…有機繊維、3…熱硬化性樹脂、5…スルーホール銅めっき膜、11…導電ピン、12…治具、12a…孔、13…支持基板、15…樹脂、15a…気泡、17…容器、20…コア基材、20a…貫通孔、21…銅箔、22…有機繊維、24…導電膜、25…レジストパターン、26…導電パターン、31…第1の絶縁層、32…第1のビア導電体、33…第2の絶縁層、34…第2のビア導電体、37…電極膜、38…ソルダレジスト層、40…回路基板、50…半導体素子、51…はんだバンプ、55…アンダーフィル樹脂、60…半導体装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材に貫通孔を形成する工程と、
導電ピンの外周側面に、発泡剤が添加された樹脂を塗布する工程と、
前記樹脂を塗布した後、前記貫通孔に前記導電ピンを挿入する工程と、
前記導電ピンを挿入した後、前記樹脂を加熱して発泡させる工程と、
を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項2】
前記樹脂として熱硬化性樹脂を使用し、
前記樹脂を加熱するときに、該樹脂を熱硬化させることを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。
【請求項3】
前記発泡剤として、発泡温度が前記樹脂の熱硬化温度よりも低い材料を使用することを特徴とする請求項2に記載の回路基板の製造方法。
【請求項4】
前記貫通孔に前記導電ピンを挿入する工程の前に、前記樹脂を加熱して乾燥させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
【請求項5】
前記基材の両方の主面に、前記導電ピンによって電気的に接続された導電パターンを形成する工程を更に有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
【請求項6】
貫通孔が形成された基材と、
前記貫通孔に挿入された導電ピンと、
前記貫通孔の内壁と前記導電ピンの外周側面との間に充填され、気泡を含有する樹脂と、
を有することを特徴とする回路基板。
【請求項7】
貫通孔が形成された基材と、前記貫通孔に挿入された導電ピンと、前記貫通孔の内壁と前記導電ピンの外周側面との間に充填され、気泡を含有する樹脂とを備えた回路基板と、
前記回路基板に実装された半導体素子と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項1】
基材に貫通孔を形成する工程と、
導電ピンの外周側面に、発泡剤が添加された樹脂を塗布する工程と、
前記樹脂を塗布した後、前記貫通孔に前記導電ピンを挿入する工程と、
前記導電ピンを挿入した後、前記樹脂を加熱して発泡させる工程と、
を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項2】
前記樹脂として熱硬化性樹脂を使用し、
前記樹脂を加熱するときに、該樹脂を熱硬化させることを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。
【請求項3】
前記発泡剤として、発泡温度が前記樹脂の熱硬化温度よりも低い材料を使用することを特徴とする請求項2に記載の回路基板の製造方法。
【請求項4】
前記貫通孔に前記導電ピンを挿入する工程の前に、前記樹脂を加熱して乾燥させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
【請求項5】
前記基材の両方の主面に、前記導電ピンによって電気的に接続された導電パターンを形成する工程を更に有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
【請求項6】
貫通孔が形成された基材と、
前記貫通孔に挿入された導電ピンと、
前記貫通孔の内壁と前記導電ピンの外周側面との間に充填され、気泡を含有する樹脂と、
を有することを特徴とする回路基板。
【請求項7】
貫通孔が形成された基材と、前記貫通孔に挿入された導電ピンと、前記貫通孔の内壁と前記導電ピンの外周側面との間に充填され、気泡を含有する樹脂とを備えた回路基板と、
前記回路基板に実装された半導体素子と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−192786(P2011−192786A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57472(P2010−57472)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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