説明

回路基板に対する導電ピンの位置検出装置及び方法

【解決手段】プレス工具を使用して回路基板(12)と導電ピン(18)とを嵌合させる組立処理の間、回路基板に対して導電ピンの位置を検出するための装置(40)は、対応する導電ピンと整列した複数のスイッチ(63)を保持する検出器ハウジング(54)を有する。この検出器ハウジングは、組立処理中に使用されるプレス工具に実装されるよう構成されている。これらスイッチは、回路基板に対する導電ピンの位置に基づく状態が変化する。この装置は、複数のスイッチに電気的に結合したセンサ(63)をさらに有する。このセンサは、各スイッチの状態の変化を監視し、各々の導電ピンが回路基板と適切に嵌合したことを示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷回路基板(PCB)への電子部品の組込みに関し、特に組立中の導電ピンのPCB貫通の位置検出装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の多くの電子組立体において、コネクタ及びインサート成形ハウジング等の電子部品は、PCBに取り付け又は実装される。これらの組立体は、適当な機械的取付部、並びに部品及びPCB間に適切な電気的接触を必要とする。種々の装置及び製造工程は、種々の電子部品をPCBに自動的に組み立て又は取り付ける。部品をPCBに取り付ける一手段は、圧入ピン又はコンプライアントピンである。コンプライアントピンは、PCBの開口内に圧入され、部品及びPCB間を電気的及び機械的に実装する。コンプライアントピン用途の一例は、自動車に使用される電気制御モジュールである。制御モジュールは、PCBが着座完了するまで、モジュールのハウジングのコンプライアントピンへPCBを押圧することにより組み立てられる。コネクタ等の他のタイプのコンプライアントピン製品は、同様の方法で製造される。代表的な部品は、ピンの先端にコンプライアント部を有する電気コンタクトピンのアレーを有する。ピンのこのコンプライアント部はPCBの受容孔よりも大きく、PCBの受容孔と干渉することにより、安定して電気接触する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
適切な組立を確認するために、製造処理は、ピンのコンプライアント部がPCBを適切に貫通し、PCBと電気的に良好に接触していることを保証するためのフィードバックを有さなければならない。現在、このフィードバックは、組立の間又は後に、手動で又は画像検査装置により、組立体を目視検査することにより作られる。問題は、作業者に依存し且つ貫通量は数量化できないので、手動の方法は主観的であり、PCBの部品は製造装置又は工具により支持されなければならないので、組立処理中に目視検査することは、困難か不可能でさえあることである。このため、目視検査する追加工程は、組立処理後に置かねばならない。同様に、画像検査装置を使用することは、第2の製造作業となり、コスト高になる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の課題を解決する手段は、プレス工具を使用して回路基板と嵌合する組立処理の間、回路基板に対する導電ピンの位置を検出するための本開示の装置及び方法により提供される。この装置は、対応する導電ピンと整列した複数のスイッチを保持する検出器ハウジングを有し、この検出器ハウジングは、組立処理中に使用されるプレス工具に実装されるよう構成されている。スイッチは、導電ピンが所定量だけ回路基板を貫通する際に状態が変化する。この装置は、複数のスイッチに電気的に結合したセンサをさらに有する。このセンサは、各スイッチの状態の変化を監視し、各々の導電ピンが回路基板と適切に嵌合したことを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下、添付図面を参照して本発明を例示により説明する。
【0006】
図1は、制御モジュール又は他のタイプの電気コネクタ等の代表的な部品10と、部品10に実装される印刷回路基板(PCB)12とを示す斜視図である。部品10は、凹部16を区画する成形されたプラスチックハウジング14を有する。複数の導電ピン18が、所定の方向性で凹部16内に配置されている。図示の実施形態において、導電ピン18はコンプライアントピンであり、以下ではコンプライアントピン18として言及することがある。種々の実施形態は決してコンプライアントピン18に限定されない。検出装置40(図2参照)は、PCB12に対して任意のタイプのピンの相対的位置を検出するのに使用されてもよい。図示の実施形態において、各コンプライアントピン18のコンプライアント部は、コンプライアントピン18の先端に設けられている。コンプライアントピン18は、複数組のコンプライアントピン18として配列されている。各組は、2列のコンプライアントピン18を有する。特定用途によって、他の配列を使用してもよい。コンプライアントピン18は、コンプライアントピン18間の2mmピッチ等の所定ピッチを有する。別の実施形態において、このピッチは、2mmより大きくても小さくてもよい。
【0007】
ハウジング14は、凹部16及びコンプライアントピン18へのアクセスを提供する開放した上面20を有する。上面20近傍のハウジング14の内周縁に沿って、縁22が延びている。PCB12は、矢印A方向等に沿って上面20を通って凹部16内に装填され、縁22上に着座する。任意であるが、PCB12を凹部16内に整列させるために、縁22から整列機構24が延びる。これらの機構(図示せず)は、PCBを凹部16内に固定するために使用してもよい。
【0008】
PCB12は、内側を向く面26及び外側を向く面28を有する。内側を向く面26は、PCB12が部品10に実装される際に、凹部16の内部に面する。外側を向く面28は、PCB12が部品10に実装される際に、ハウジング14の上面20を通って露出する。任意であるが、外側を向く面28は、PCB12が部品10に実装される際に、上面20とほぼ面一になってもよい。PCB12は、PCB12を貫通する複数のスルーホール30を有する。典型的な一実施形態において、スルーホール30は、めっきされ、PCB12が凹部16内に装填される際に、コンプライアントピン18と嵌合し電気接続するよう方向付けられる。組立中、PCB12がハウジング14内の所定位置に押圧されると、各コンプライアントピン18は対応するスルーホール30を貫通し、コンプライアントピン18の先端32は、所定量だけPCB12上に延びる。任意であるが、コンプライアントピン18のコンプライアント部は、PCB12のスルーホール30より若干大きいので、圧入すなわち干渉嵌合がコンプライアントピン18及びPCB12間に形成される。コンプライアントピン18及びPCB12間には安定した電気的接触を形成することができ、PCB12はこのような嵌合によりハウジング14内に保持することができる。
【0009】
図2は、PCB12(図1参照)に対するコンプライアントピン18(図1参照)の位置を検出するための検出装置40の典型的な一実施形態を示す分解斜視図である。任意であるが、検出装置40は、組立処理中、PCB12のコンプライアントピン18への弾性的装填を検出するために使用してもよい。例えば、検出装置40は、PCB12内への、及びPCB12を超えた各コンプライアントピン18の貫通量を検出するのに使用してもよい。検出装置40は、PCB12をコンプライアントピン18に押圧するために、プレス工具等の組立体と結合して使用してもよいし、或いは、プレス工具等の組立体として使用してもよい。例えば、検出装置40は、以下に説明するように、PCB12を所定位置に押圧するプレス等の機械(図示せず)から矢印B方向等の単一軸に沿って押圧力を受けてもよい。任意であるが、検出装置40は、組立処理中、コンプライアントピン18の位置、貫通量の監視を容易にするために、既存のプレス工具に据え付けてもよい。或いは、検出装置40は、PCB12を支持する等の支持部として使用してもよく、プレス工具は、PCB12上に部品を下ろすのに使用してもよい。
【0010】
検出装置40は、その基部にプレスブロック42を有する。このブレスブロック42は、組立処理中、PCB12及びコンプライアントピン18を嵌合させるための組立体を形成する。接地板44は、プレスブロック42に支持されると共に、固定具46を使用してプレスブロック42に結合される。ケース48は、固定具50を使用して接地板44、プレスブロック42に結合される。ケース48は、その中に内部キャビティ52を有する。検出器ハウジング54及びセンサ56は、内部キャビティ52内に配置される。検出器ハウジング54は、接地板44に支持されると共に、固定具58を使用して接地板44に結合される。センサ56は、検出器ハウジング54に支持されると共に、固定具60を使用して検出器ハウジング54に結合される。上板62は、ケース48に結合されると共に、内部キャビティ52を覆う。任意であるが、互いに対して種々の部品を整列、安定化させるために、固定具に加え、だぼピンを使用してもよい。
【0011】
作動時において、プレス等の機械によって上板62に力が印加される。この力は、ケース48及び接地板44によりプレスブロック42に伝達される。次に、この力は、プレスブロック42によりPCB12(図1参照)に伝えられ、PCB12は、コンプライアントピン18上に下ろされる。コンプライアントピン18へのPCB12の弾性的嵌合すなわち装填を検出するために、検出装置40を使用してもよい。例えば、典型的な一実施形態において、検出器ハウジング54は、センサ56に電気接続された複数のスイッチ63を有する。センサ56は、各スイッチの状態を監視するよう構成されている。スイッチ63は、PCB12を貫通するコンプライアントピン18の貫通量を検出する等により、PCB12に対するコンプライアントピン18の位置を検出する。例えば、コンプライアントピン18が所定量だけ貫通すると、スイッチ63の状態が変化する。典型的な一実施形態において、PCB12を超えて露出するピン18の量は、スイッチ63を使用して計測される。任意であるが、スイッチ63は、常閉であってもよく、スイッチ63が接地される閉状態を有し、スイッチ63が最早接地されず、回路が開放する開状態を有する。或いは、スイッチ63は常開であってもよく、センサ56は、閉回路が形成される際に検出してもよい。典型的な一実施形態において、スイッチ63は、接地板44と協働すると共に接地板44と共にスイッチを形成する電気プローブを有してもよい。このような一実施形態において、検出器ハウジング54は、内部に複数のプローブ54を保持するよう構成されたプローブホルダとして機能するので、以下ではプローブホルダ54と称することがある。
【0012】
プレスブロック42は、互いに逆向きの上面64及び下面66を有する。下面66は、回路基板係合面を区画すると共に、PCB12の上面と係合するように配置されている。任意であるが、プレスブロック42は、PCB12とほぼ同様の形状を有する外周を有してもよい。或いは、プレスブロック42は、PCB12の一部のみと係合してもよい。任意であるが、プレスブロック42の一部は、PCB12と部品10が嵌合している間、部品10(図1参照)の凹部16(図1参照)内に嵌ってもよい。
【0013】
上面64及び下面66の間のプレスブロック42を、複数の受容孔68が延びている。受容孔68内には、インタフェースピン70が装填されている。図示の実施形態では4本のインタフェースピン70が図示されているが、特定用途によって、任意の数のインタフェースピン70を使用してもよい。インタフェースピン70は、軸方向に、又は矢印Cで示されるピンの軸と平行な方向に、プレスブロック42に対して移動可能である。インタフェースピン70は両端間を延びている。図2において方向付けられた下端は、コンプライアントピン端部72を区画し、コンプライアントピン18(図1参照)がPCB12を貫通するとコンプライアントピン18と係合するよう受容孔68内に方向付けられる。コンプライアントピン18との係合は、図3に図示されており、以下に詳細に説明する。図2において方向付けられた上端は、インタフェースピン70の本体よりも大きな径を有する先頭端74を区画する。先頭端74は受容孔68よりも大きな径を有するので、先頭端74は、プレスブロック42の上面64上に載置され、インタフェースピン70がさらに下方へ移動することを制限する。インタフェースピン70は、以下に詳細に説明するように、上板62に向かうほぼ上方へ移動自在である。
【0014】
接地板44は、互いに逆向きの上面76及び下面78を有する。接地板44の下面78は、プレスブロック42の上面64上に載置される。任意であるが、接地板44の下面78は、プレスブロック42の上面64から離間してもよく、下面78及び上面64の間にスペーサが配置されてもよい。接地板44は、導電性材料から製造され、接地板44に取り付けられる導電性要素のための接地面として作動する。別の一実施形態において、接地板44は、非導電性支持部と、導電性材料が取り付けられる接地領域を区画する導電性インサートとを有してもよい。任意であるが、接地板44は、プレスブロック42とほぼ同様の寸法及び形状を有してもよい。
【0015】
上面76及び下面78の間の接地板44を、複数の受容孔80が貫通する。受容孔80内には、絶縁ピン82が装填される。図示の実施形態において、4本の絶縁ピン82が図示されているが、特定用途によって、任意の数の絶縁ピン82を使用してもよい。絶縁ピン82は、軸方向に、又はほぼ矢印Cで示されるピンの軸と平行な方向に、接地板44に対して移動可能である。絶縁ピン82は両端間を延びている。図2において方向付けられた下端84は、インタフェースピン70の対応する1本の先頭端74上に載置されると共にその先頭端74により支持される。図2において方向付けられた上端86は、スイッチ端部又はプローブ端部を区画する。絶縁ピン82は、プラスチック材料等の非導電性材料で製造され、インタフェースピン70を接地板44から電気的に絶縁する。インタフェースピン70及び絶縁ピン82は、協働して伝達要素88を区画する。或いは、伝達要素は、各伝達要素88を形成するために結合された2本のピン、すなわちインタフェースピン70及び絶縁ピン72を有するのではなく、コンプライアントピン18及びスイッチ63の間を延びる単一のピンであってもよい。
【0016】
プローブホルダ54は、下面90及び上面92間を延びている。センサ56は、上面92に結合されている。プローブホルダ54は、内部に複数の電気プローブ94を保持する。プローブ94は、以下に詳細に説明するように、コンプライアントピン18がPCB12を貫通することを検出するために使用される。図示の実施形態において、5本のプローブ94が図示されているが、特定用途によって、任意の数のプローブ94を使用してもよい。任意であるが、コンプライアントピン18の数と同じ数のプローブ94を使用してもよく、プローブ94のレイアウトはコンプライアントピン18のレイアウトと同じであってもよいので、各コンプライアントピン18の貫通を、対応するプローブ94を使用して検出してもよい。或いは、コンプライアントピン18の数より少ない数のプローブ94を使用してもよい。ここで、プローブ94は、コンプライアントピン18の特定のものの貫通を検出するよう選択的に配置される。プローブ94は、互いに離間し、コンプライアントピン18の複数の副セットを検出してもよいし、又は、コンプライアントピン18の内部副セットでの貫通を検出する等のために一緒に離間してもよい。任意であるが、プローブホルダ54は、各プローブ54を互いに受容し電気的に絶縁するために、少なくとも部分的に貫通するここの孔を有してもよい。或いは、各プローブ94又は複数のプローブ94を受容するために、単一の開口を設けてもよい。典型的な一実施形態において、プローブ94は、ばね付勢されたポゴピンである。
【0017】
これらプローブ94は、検出装置と共に使用されるスイッチ63を区画すると共に1タイプのスイッチ63を代表する。しかし、別の実施形態では、ピン、トレース、回路、デバイス、機構、並びにコンプライアントピン18及びPCB12の弾性的嵌合を決めるために、PCB12に対してコンプライアントピン18の位置を検出する同様のもの等の他のタイプのスイッチ63を使用してもよい。これらプローブ94は、センサ56に電気接続される。各プローブ94の先端96は、接地板44上に載置されると共に、接地板44に電気的に接地される。先端96は、開回路を形成するために接地板44から離れる方向に移動可能である。センサ56は、プローブ94がいつ接地されたか、接地板44からいつ離昇(lift off)されたかを検知する。プローブホルダ54は、ケース48の内部キャビティ52内に配置され、機械によって検出装置40上に印加される力からプローブホルダ54及びセンサ56を分離する。上板62はまた、機械によって印加される力からプローブホルダ54及びセンサ56を分離する。上板62の下面98は、ケース48上に載置される。上板62の上面100は露出する。
【0018】
図3は、部品10及びPCB12に関して作動的に配置される検出装置40の断面図である。検出装置40は、コンプライアントピン18と等しい数のプローブ94を有して図示されるので、各コンプライアントピン18の貫通は、対応するプローブ94により検出することができる。部品10は、支持面110上に配置される。コンプライアントピン18は、ハウジング14の基部112から上方へ延びている。図示の実施形態において、コンプライアントピン18は、高さ114だけ部品10の上面20を超えて延びている。PCB12は凹部16内に受容されると共に縁22上に載置されるので、PCB12の上面28は、部品10の上面20と面一である。別の実施形態において、PCB12は、上面20の下に位置してもよいし、上面20の上に位置してもよい。このように、PCBが凹部16に装填される際に、コンプライアントピン18は、同じ高さ114だけ上面28を超えて延びる。
【0019】
図3は、明瞭にするためにケース48(図2参照)及び上板62(図2参照)が除去された、組立状態の検出装置40を示す。別の一実施形態において、検出装置40は、ケース48又は上板62を伴わないで使用してもよい。図3に示されるように、プレスブロック42はPCB12と整列し、接地板44はプレスブロック42上に設けられる。
【0020】
図3の実施形態の接地板44は、スペーサ118に取り付けられた薄い導電性本体116で接地板44が代表される点で、図2の実施形態の接地板44と異なる。スペーサ118は、用途によって、導電性でも非導電性でもよい。スペーサ118は上面120及び下面122を有し、導電性本体116は上面120に結合され、下面112はプレスブロック42上に載置される。スペーサ118は、プレスブロック42の各受容孔68を超えて下面122に凹部124を有する。凹部124は、インタフェースピン70が上がる際にインタフェースピン70の先頭端74が延びるための空間を提供する。図示の実施形態において、プローブホルダ54は導電性本体116を超えて配置され、センサ56はプローブホルダ54を超えて配置される。プローブ94は、導電性本体116上に載置される。任意であるが、プローブ94の一端は、リセプタクルを区画するが、プローブホルダ54内に固定されるか、センサ56に半田付けされてもよい。プローブ94の他端は、リセプタクル内に移動可能に受容されるが、スナップフィット等により内部に保持されてもよい。
【0021】
コンプライアントピン18は、それらの間のピッチすなわち間隔を有する所定配置で配列される。任意であるが、コンプライアントピン18は、1グループ又は1副セットよりも多く配列されてもよい。1個のインタフェースピン70及び1個の絶縁ピン82を各々有する伝達要素88は、コンプライアントピン18の軸に沿って整列する。別の実施形態において、伝達要素88は、コンプライアントピン18及びプローブ94の間を延びる単一のピンであってもよい。このような実施形態において、伝達要素88は絶縁性であるか、或いは、伝達要素88及び対応するピン18又はプローブ94の間に別体の絶縁要素が配置され、コンプライアントピン18をプローブ94から電気的に絶縁してもよい。プローブ94は、対応する伝達要素88及びコンプライアントピン18と整列する。
【0022】
作動の際、PCB12は部品10と整列し、検出装置40はPCB12をコンプライアントピン18に押下する。この押下は、コンプライアントピン18がPCB12を貫通してPCB12の外向き面28の上に露出するまで続く。プレスブロック42の受容孔68は、コンプライアントピン18がPCB12を貫通し、プレスブロック42内に入り込むことを可能にする。組み立てられた製品に基づいて、PCB12及びプレスブロック42内への貫通量は変化してもよい。しかし、貫通最低限量は、「良好な」組立体を確保するために各製品で特定されている。
【0023】
コンプライアントピン18がプレスブロック42内に入り込むと、コンプライアントピン18の先端32はプレスブロック42の内側のインタフェースピン70と接触し、インタフェースピン70を矢印Dで示される上方へ押圧する。今度は、インタフェースピン70が絶縁ピン82を上方へ押圧する。同様に、絶縁ピン82がプローブ94を上方へ押圧し、プローブ94の先端96を接地板44から離昇させる。典型的な一実施形態において、インタフェースピン70は、プレスブロック42の下面66から距離130だけ上昇する。この距離130はコンプライアントピン18の高さ114未満であるので、コンプライアントピン18は、インタフェースピン70と係合し、高さ114及び距離130の差と等しい値だけインタフェースピン70を上昇させる。距離130は、プローブ94を接地板44から離昇させるために、どれくらいのピン貫通最小限量が必要かを決定する。任意であるが、距離130は、特定用途によって調整してもよい。
【0024】
プローブ94はまた、マイクロプロセッサを有する印刷回路基板を含んでもよいセンサ56に電気的に接続される。センサ56は、プローブ94を通っていつでも接地板44に信号を送る。プローブ94が接地板44から離昇すると、電気接地が無くなり、センサ56により開回路が検知される。任意であるが、組立中にプローブ94を持ち上げることにより開回路が形成されると、センサ56は検知し、中央コントローラ(図示せず)と通信する。中央コントローラは、PCB12が適正に装填され、部品10のコンプライアントピン18に取り付けられたことを作業者に示す。各プローブ94は、同時に監視することができる。各コンプライアントピン18が対応するプローブ94により監視される実施形態において、各コンプライアントピン18の貫通量は、このシステムにより監視することができる。
【0025】
検出装置40は、組立処理中、複数のコンプライアントピン18の適正な貫通を確認するよう提供される。検出装置40は、プローブ94に貫通量を物理的に伝達することによりコンプライアントピン18の貫通を監視するために使用されるプローブ94として図示の実施形態で説明されたスイッチ63を使用する。伝達要素88は、PCB12がコンプライアントピン18に装填されると検出装置内で持ち上げられ、伝達要素88が持ち上げられると、プローブ94が接地板44から離昇する。接地板44からのプローブ94の除去はセンサ56により検知され、信号は中央コントローラに通信され、作業者に各コンプライアントピン18がPCB12を適正に貫通したことを知らせる。従って、検出装置40は、組立中、コンプライアントピン18の適正な貫通を信頼性高く検出し、組立処理後の部品10の検査の必要性を無くす。さらに、プローブ94は、プローブ94間の密な空間を可能にするので、検出装置40が多くのコンプライアントピン18の貫通を直接検出することを可能にするか、コンプライアントピン18のアウトレット0の貫通の検出を可能にする。
【0026】
上述の説明は例示であり、限定を意図したものではないことを理解されよう。例えば、上述の実施形態(及びその側面)は、互いに結合させて使用してもよい。さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本発明の開示に適応することで多くの変形をすることができる。寸法、材料のタイプ、種々の部品の方向性、並びに本明細書に開示された種々の部品の数及び配置は、或る実施形態のパラメータを定義することを意図したものであり、限定するものでは決して無く、単に典型的な実施形態に過ぎない。特許請求の範囲内で他の多くの実施形態及び変形例が、当業者には上述の説明をよく読むと明らかであろう。従って、本発明の範囲は、本発明の等価物の全範囲と共に、特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。特許請求の範囲においては、「第1」、「第2」、「第3」等の用語が単にラベルとして使用されており、その対象物に数的な要求事項を課すことを意図したものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】代表的な部品及び組み立てられる印刷回路基板の斜視図である。
【図2】典型的な実施形態の検出装置を示す分解斜視図である。
【図3】図1の部品及び印刷回路基板に対して位置決めされた図2の検出装置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0028】
12 回路基板
18 導電ピン
40 検出装置
42 プレスブロック
44 接地板
54 検出器ハウジング
56 センサ
63 スイッチ
66 下面(係合面)
68 孔
70 インタフェースピン
72 ピン端部
82 絶縁ピン
86 上端(スイッチ端部)
88 伝達要素
94 プローブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス工具を使用して回路基板(12)と導電ピン(18)とを嵌合させる組立処理の間、前記回路基板に対する前記導電ピンの位置を検出するための装置(40)であって、
対応する前記導電ピンと整列した複数のスイッチ(63)を保持する検出器ハウジング(54)を有し、
該検出器ハウジングは、前記組立処理中に使用される前記プレス工具に実装されるよう構成され、
前記スイッチは、前記導電ピンが所定量だけ前記回路基板を貫通する際に状態が変化し、
前記装置は、前記複数のスイッチに電気的に結合したセンサ(56)をさらに有し、
該センサは、各々の前記スイッチの状態の変化を監視し、各々の前記導電ピンが前記回路基板と適切に嵌合したことを示すことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記スイッチは、接地板(44)上に載置されると共に該接地板に接地される電気プローブ(94)を有し、
各々の該電気プローブは、前記センサに電気接続されていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記スイッチは、常閉スイッチであり、前記各々の導電ピンが前記回路基板を貫通する際に開状態に変化することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記装置は、接地板(44)をさらに具備し、
前記スイッチは、通常は前記接地板上に載置され、
前記スイッチは、前記接地板から機械的に離昇され、前記スイッチの前記状態を変化させることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記装置は、前記ハウジング内に移動可能に結合された伝達要素(88)をさらに有し、
該伝達要素は、前記導電ピンが前記回路基板を貫通する際に前記導電ピンと係合するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、ピン端部(72)及びスイッチ端部(86)間を延びる伝達要素(88)をさらに有し、
各々の前記ピン端部は、前記組立処理の間、前記導電ピンが前記回路基板を貫通する際に、前記導電ピンの各々の先端と係合するよう構成されており、
各々の前記スイッチ端部は、前記スイッチの各々と係合するよう構成されており、
前記導電ピンの貫通が、貫通方向に前記伝達要素を移動させ、
前記伝達要素の移動は、前記スイッチに伝達され、前記スイッチの状態を変化させることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記スイッチは、接地板(44)上に載置されると共に該接地板に接地される電気プローブ(94)を有し、
前記導電ピンが前記回路基板を貫通する際に、前記伝達要素は、前記接地板から前記電気プローブを離昇させて開回路を形成し、
前記センサは、対応する前記電気プローブの各々の前記開回路を検出することを特徴とする請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記伝達要素の各々は、前記ピン端部にインタフェースピン(70)と、該インタフェースピン及び前記スイッチ端部間に絶縁ピン(82)とを有し、
該絶縁ピンは、前記スイッチから前記導電ピンを電気的に絶縁することを特徴とする請求項6記載の装置。
【請求項9】
前記スイッチは、組立処理の間、前記導電ピンと係合するよう構成された対応する前記伝達要素により物理的に移動され、
前記スイッチは、該スイッチが電気的に接地される接地状態から、該スイッチが最早接地されない弾性状態に移動され、
前記センサは、前記スイッチの各々の前記状態を検出することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項10】
前記プレス工具は、前記回路基板と係合して該回路基板を前記導電ピンに押圧するよう構成された回路基板係合面(66)を有するプレスブロック(42)を有し、
前記検出器ハウジングは、前記回路基板係合面とは反対側で前記プレスブロックに実装されることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項11】
前記プレス工具は、前記回路基板と係合して該回路基板を前記導電ピンに押圧するよう構成された回路基板係合面(66)を有するプレスブロック(42)を有し、
該プレスブロックは、該プレスブロックを貫通する孔(68)を有し、
前記伝達要素は、前記孔のそれぞれに受容されることを特徴とする請求項6記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−537071(P2009−537071A)
【公表日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510993(P2009−510993)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/011427
【国際公開番号】WO2007/133693
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(399132320)タイコ・エレクトロニクス・コーポレイション (234)
【氏名又は名称原語表記】Tyco Electronics Corporation
【Fターム(参考)】