説明

回路部材接続用フィルム状接着剤及びこれを用いた半導体装置

【課題】被着体貼付け前の段階で粘着性や柔軟性を有し、フィルム加工時の切断や折り曲げ時に割れなどが発生せず、保存安定性、高温接着性等の硬化物物性に優れた回路部材接続用フィルム状接着剤及びこれを用いた半導体装置を提供する。
【解決手段】相対向する半導体チップと回路基板間に介在され、相対向する半導体チップと回路基板を加熱、加圧によって接続する三次元架橋性樹脂を含有した回路部材接続用フィルム状接着剤であって、(A)熱可塑性樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)分子内にメチロール基を有する粉末状フェノール樹脂、(D)絶縁性球状無機質充填剤、を必須成分とし、(C)の配合量が(B)に対して5〜25重量%であり、(D)を除く樹脂成分全体を100重量部とした時、(A)が7〜40重量部である回路部材接続用フィルム状接着剤。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フェイスダウンボンディング方式で半導体チップを回路基板へ加熱、加圧によって接続するための回路部材接続用フィルム状接着剤及びこれを用いてフェイスダウン方式で半導体チップと回路基板を接続した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体チップをフェイスダウンボンディング方式により直接回路基板に実装する方式として、半導体チップの電極部分にはんだバンプを形成し回路基板にはんだ接続する方式や半導体チップに設けた突起電極に導電性接着剤を塗布し回路基板電極に電気的接続を行う方法が知られている。これらの方式では、各種環境下に曝した場合、接続するチップと基板の熱膨張係数差に基づくストレスが接続界面で発生するため接続信頼性が低下するという問題がある。このため、接続界面のストレスを緩和する目的で一般にチップと基板の間隙をエポキシ樹脂等のアンダーフィル材で充填する方式が検討されている。アンダーフィル材の充填方式としてはチップと基板を接続した後に低粘度の液状樹脂を注入する方式と基板上にアンダーフィル材を置いた後にチップを搭載する方式がある。(例えば非特許文献1参照。)。しかし、前者の液状樹脂の注入方式は、プロセスが煩雑化し、生産性、コストの面で不利になるという問題があり、一方後者のアンダーフィル材の先置き方法はプロセス簡易性の点でより有利であるものの、液状樹脂を押しつぶす際のボイドの発生が問題となる。このような問題を解決すべくフィルム状接着剤を用いたフリップチップ実装が、プロセス簡易性と接続信頼性の観点からより注目されている(例えば特許文献1参照。)。しかしながら、近年、環境に対する影響から、鉛フリーはんだの使用が検討されており、鉛フリーはんだにすることによって電子部品を基板に実装する際のはんだリフロー工程の温度が、例えば従来のはんだでは240℃であったものが、260℃以上と高温になっている。このため、フリップチップ実装用の接着剤に対しても260℃の高温で接着力が低下しないような実装信頼性が要求されている。
近年、エポキシ樹脂の耐熱性を向上させる新規なフェノール樹脂として分子骨格中に反応性を有するメチロール基を含有した高分子フェノール樹脂が報告された(例えば非特許文献2参照)。このフェノール樹脂とエポキシ樹脂からなる組成物は高耐熱性であり封止材として優れた特性を示すことが報告されている(例えば特許文献2参照)。しかしながら、フェノール樹脂とエポキシ樹脂の反応において、硬化促進剤が存在しない系であってもフェノール性水酸基が触媒となってメチロール基すなわちアルコール性水酸基とエポキシ基の反応が進行することが知られている(例えば非特許文献3)。このため、メチロール基含有の高分子フェノール樹脂を配合したエポキシ樹脂組成物の保存安定性は著しく損なわれる。
一方、フリップチップ実装に適用するフィルム状接着剤は、硬化物の物性が重要であると同時に、被着体貼付け前の段階では粘着フィルムのような性質を有するとともに、柔軟性を有し、フィルム加工時すなわち切断や折り曲げ時に割れなどが発生しないことが求められる。
【0003】
【特許文献1】
特許第3073532号公報
【特許文献2】
特開2000−336150号公報
【非特許文献1】
本間、「フリップチップ用アンダーフィル材料」、電子材料、株式会社工業調査会、2000年9月1日、第39巻、第9号、p.36−40
【非特許文献2】
「ベルパール」、ベルパールカタログ、カネボウ株式会社、H7年12月、改訂−10
【非特許文献3】
村井宗一、石村秀一共著、「入門エポキシ樹脂(新高分子文庫25)」、第1版、(株)高分子刊行会、1988年6月20日、p.91−92
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、被着体貼付け前の段階で粘着性や柔軟性を有し、フィルム加工時の切断や折り曲げ時に割れなどが発生せず、保存安定性、高温接着性等の硬化物物性に優れた回路部材接続用フィルム状接着剤及びこれを用いた半導体装置を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、[1]相対向する半導体チップと回路基板間に介在され、相対向する半導体チップと回路基板を加熱、加圧によって接続する三次元架橋性樹脂を含有した回路部材接続用フィルム状接着剤であって、
(A)熱可塑性樹脂、
(B)エポキシ樹脂、
(C)分子内にメチロール基を有する粉末状フェノール樹脂、
(D)絶縁性球状無機質充填剤、
を必須成分とし、(C)の配合量が(B)に対して5〜25重量%であり、(D)を除く樹脂成分全体を100重量部とした時、(A)が7〜40重量部であることを特徴とする回路部材接続用フィルム状接着剤である。
また、本発明は。[2](B)エポキシ樹脂として25℃で液状のエポキシ樹脂を含むことを特徴とする上記[1]に記載の回路部材接続用フィルム状接着剤である。
また、本発明は、[3]前記(D)の絶縁性球状無機質充填剤が平均粒子径0.1〜5μmであり、最大粒径30μm以下であることを特徴とする上記[1]または上記[2]に記載の回路部材接続用フィルム状接着剤である。
また、本発明は、[4]前記(A)、(B)、(C)、(D)を必須成分とする材料を有機溶剤中で溶解、分散させたワニスを支持体上に塗布、乾燥させ有機溶剤を除去することにより得られる上記[1]ないし上記[3]のいずれかに記載の回路部材接続用フィルム状接着剤である。
また、本発明は、[5]硬化後の260℃の貯蔵弾性率が500MPa以上であることを特徴とする上記[1]ないし上記[4]のいずれかに記載の回路部材接続用フィルム状接着剤である。
また、本発明は、[6]硬化後の260℃の貯蔵弾性率が40℃の貯蔵弾性率に対して5〜20%であることを特徴とする上記[1]ないし上記[5]のいずれかに記載の回路部材接続用フィルム状接着剤である。
また、本発明は、[7]25℃に168時間放置した回路部材接続用フィルム状接着剤の切断加工時に切断面以外の部分への亀裂の発生またはフィルム割れによるフィルムの欠損が発生しないことを特徴とする上記[1]ないし上記[6]のいずれかに記載の回路部材接続用フィルム状接着剤である。
また、本発明は、[8]25℃に168時間放置した際、放置前の流動性に対して放置後の流動性の減少率が50%以内であることを特徴とする上記[1]ないし上記項[7]のいずれかに記載の回路部材接続用フィルム状接着剤である。
また、本発明は、[9]上記[1]ないし上記[8]のいずれかに記載の回路部材接続用フィルム状接着剤を用いて半導体チップと回路基板を接続した半導体装置である。
請求項1〜8の発明は、フェイスダウンボンディング方式で半導体チップを回路基板へ加熱、加圧によって接続するための回路部材接続用フィルム状接着剤において、加熱硬化前は取扱性に優れたフィルム状であり、加熱硬化後の高温の貯蔵弾性率が十分に大きいことによって硬化後の高温耐熱性に優れ、さらに加熱硬化前のフィルム特性が室温(25℃)で放置した後も損なわれることなく保存性に優れた回路部材接続用フィルム状接着剤を提供するものである。
請求項9の発明は、高温耐熱性に優れた半導体装置を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の回路部材接続用フィルム状接着剤は、相対向する半導体チップと回路基板間に介在され、相対向する半導体チップと回路基板を加熱、加圧によって接続する三次元架橋性樹脂で、
(A)熱可塑性樹脂、
(B)エポキシ樹脂、
(C)分子内にメチロール基を有する粉末状フェノール樹脂、
(D)絶縁性球状無機質充填剤、を必須成分とする。
本発明で使用する(A)熱可塑性樹脂としては、一般公知の熱可塑性樹脂を使用することができる。例えば、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエン共重合体(NBR)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)、スチレンブタジエン共重合体(SBR)等が挙げられ、これらは単独または2種以上を併用して使用することができる。特に、エポキシ樹脂との相溶性に優れる点でフェノキシ樹脂が好ましい。フェノキシ樹脂は、ビスフェノール類、ビフェノール類、レゾルシノール類とエピクロルヒドリンから成る重合物、またはビスフェノール類、ビフェノール類、レゾルシノール類とエピクロルヒドリンから誘導されたジグリシジルエーテルとビスフェノール類、ビフェノール類、レゾルシノール類から成る重合物であり、一般公知のものを使用することができる。
【0007】
本発明で使用する(B)エポキシ樹脂としては、室温(25℃)で液状のエポキシ樹脂を含むことが好ましい。室温で液状のエポキシ樹脂を含まない場合、加熱硬化前のフィルムの柔軟性が損なわれ、折り曲げや加工時の切断作業によってフィルムに亀裂が発生したり、フィルム割れによって欠損が生じたりするため好ましくない。このような室温で液状のエポキシ樹脂としてはエポキシ基を分子中に2個以上有するものを使用することができる。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、フェノールノボラックとエピクロルヒドリンとの反応で得られるポリグリシジルエーテルで室温で液状のものを使用することができる。これらは単独でも2種以上混合しても差し支えない。また、本発明で使用する(B)エポキシ樹脂としては、室温(25℃)で固形のエポキシ樹脂を使用することができる。このようなエポキシ樹脂としてはエポキシ基を分子中に2個以上有するものが使用できる。例えば、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールS、ビフェノール、レゾルシノール等のジグリシジルエーテル、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンとフェノール類の共縮合樹脂のエポキシ化物、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック樹脂をエポキシ化したもの、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラヒドロキシフェニルエタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種でも2種以上の混合でも使用することができる。
【0008】
エポキシ樹脂(B)は、不純物イオン(Na、Cl等)や、加水分解性塩素を低減した高純度品を用いることがエレクトロマイグレーション防止のため好ましい。
【0009】
本発明における(C)分子内にメチロール基を有する粉末状フェノール樹脂としては、フェノール類とホルムアルデヒドとの縮合物から成り、フェノールの2,4,6位の一カ所でメチレン基と結合し、そして少なくとも他の1カ所でメチロール基及び/又はメチレン基と結合したフェノール樹脂であり、常温で粉末状であり、平均粒子系10〜30μm程度のものである。このようなフェノール樹脂としては一般公知のものを使用することができる。分子内にメチロール基を有する粉末状フェノール樹脂は有機溶剤に対して可溶性であることが好ましく、アルコール系、ケトン系、エステル系の有機溶剤で20wt%〜70wt%の溶解成分を含む懸濁液を調整できることが好ましい。このような粉末状フェノール樹脂の分子量は溶解性が低くなるほど高分子量であり、高分子化の程度をメタノールに対する溶解度を指標として表すことが出来る。メタノールへの溶解度は規定量の粉末状フェノール樹脂をメタノール中で環流加熱した後の不溶物を回収して重量測定し、溶解前の重量と比較して求めることが出来る。この時、可溶部分はGPCのポリスチレン換算重量平均分子量1000以上であるものが好ましい。本発明で用いる粉末状フェノール樹脂としてはメタノール溶解度が10%以上、100%未満のものが好ましい。メタノール溶解度が10%未満と低い場合、アルコール系、ケトン系、エステル系の有機溶剤で懸濁液を調整することが困難であるため好ましくない。メタノール溶解性が100%である場合、高分子量成分が無いため、フィルム成形性が低下するとともに、フェノール樹脂の分子内に含まれるメチロール基含量が増加しフィルムの保存安定性が低下するため好ましくない。
【0010】
本発明の(D)絶縁性球状無機質充填剤は、球状であって平均粒径が0.1μm〜5μm範囲であり、最大粒径が30μm以下のものが好ましく、例えば、溶融シリカ、結晶質シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化チタン等の粉体が挙げられる。絶縁性球状無機質充填剤の平均粒径は、例えばレーザ回折散乱式粒度分布測定器を用いて測定することが出来る。これら絶縁性球状無機質充填剤は、純度が高く、α(アルファ)線の放出量が少ないものが望ましい。半導体チップと回路基板電極の接続抵抗を低減するために、絶縁性球状無機質充填剤の平均粒径は、レーザ回折散乱式粒度分布測定器において0.1μm〜5μmの範囲にあることが好ましく、平均粒径は0.1μm〜4μmであることがより好ましく、さらに接続抵抗を低減するために平均粒径0.1μm〜2μmであることが特に好ましい。平均粒径が、0.1μm未満の場合、線膨張係数低減の効果が小さく、線膨張係数を低下させるためにはある程度粒子径が大きく、配合部数を増やす必要がある。また、平均粒径が、0.1μm未満の場合、フィルム状接着剤製造時のワニス粘度が高くなりすぎ、回路接続用フィルム状接着剤の製造が困難になるおそれがある。さらに、接着剤樹脂の機械強度が低下する傾向にあるため好ましくない。一方、平均粒径が5μmを超えて大きい場合、接続端子間に挟まれた絶縁性球状無機質充填剤によって回路の電気抵抗が上昇し、動作不良の原因となるため好ましくない。また、最大粒径が30μmを超えて大きい場合、フェイスダウンボンディングで半導体チップと回路基板電極を接続する際、半導体チップと回路基板電極の間に挟まり、各接続部材にダメージを与えることや接続の妨げとなったり動作不良の原因となる場合があるため好ましくない。また、球状でない絶縁性無機質充填材は、20μmを超えるとチップのパッシベーション膜へのダメージを与える可能性があるため好ましくない。絶縁性球状無機充填材の表面は、ジメチルシリコーンオイル、オクチルシラン及びトリメチルシリル基などの有機物、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などのカップリング剤で表面処理されていても良い。
【0011】
本発明における(A)熱可塑性樹脂の配合量は、(D)を除く回路接続用フィルム状接着剤の樹脂組成物100重量部の中で、(A)が7〜40重量部であることが好ましく、7〜30重量部であることがより好ましく、10〜25重量部であることが特に好ましい。熱可塑性樹脂の配合量が40重量部を超える場合は硬化物特性における熱可塑性樹脂の特性が支配的となるため、高温時の弾性率が低下するため好ましくない。また、熱可塑性樹脂の配合量が7重量部未満ではフィルム形成性が低下するため好ましくない。
本発明における(B)エポキシ樹脂で常温(25℃)で液状のエポキシ樹脂と常温で固形のエポキシ樹脂の配合比は(液状エポキシ樹脂):(固形エポキシ樹脂)=1:4〜4:1が好ましく、1:2〜2:1がより好ましく、5:5が特に好ましい。(液状エポキシ樹脂)の割合が(液状エポキシ樹脂):(固形エポキシ樹脂)=1:4より少ない場合、加熱硬化前の回路部材接続用フィルム状接着剤の柔軟性が損なわれ、折り曲げや加工時の切断作業によってフィルムに亀裂が発生したり、フィルム割れによって欠損が生じたりするため好ましくない。また、液状エポキシ樹脂の割合が(液状エポキシ樹脂):(固形エポキシ樹脂)=4:1よりも多い場合、フィルム成形性が低下するため好ましくない。
(C)分子内にメチロール基を有する粉末状フェノール樹脂の配合量は(B)のエポキシ樹脂の総量に対し重量で5〜25%であることが好ましく、10〜25%であることがより好ましく、10〜20%であることが特に好ましい。(C)が(B)に対し重量で5%未満である場合、硬化特性及び硬化物の接着強度が低下するため好ましくない。一方、(C)が(B)に対し25%を超えて多い場合、硬化成分中に占める(C)のメチロール基の数が多くなりすぎ、硬化の進行が速く保存性が悪くなり、加熱硬化前のフィルムが破損しやすくなるとともに、流動性が低下しやすくなるため好ましくない。
本発明における(D)絶縁性球状無機質充填剤の配合量は(D)を除く回路接続用フィルム状接着剤の樹脂組成物100重量部に対して10〜300重量部の範囲が好ましく、20〜200重量部であることがより好ましく、50〜150重量部であることが特に好ましい。絶縁性無機質充填材の配合量が(D)を除く回路接続用フィルム状接着剤の樹脂組成物100重量部に対して10重量部未満では、線膨張係数が低減されないため接続信頼性が低下する傾向にあり、300重量部を超えると粘度が高くなりすぎるため、半導体チップと回路基板接続時の樹脂排除性が悪くなり、接続抵抗が上昇するため好ましくない。
【0012】
本発明の回路部材接着用フィルム状接着剤には、硬化反応の促進または硬化物特性の向上の目的で硬化促進剤を使用することができる。硬化促進剤には特に制限はないが、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザ−ビシクロ(4,3,0)ノネン、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物およびこれらの化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂などのπ結合を持つ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物、べンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類及びこれらの誘導体、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1’))−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類及びこれらの誘導体、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類及びこれらのホスフィン類に無水マレイン酸、上記キノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合を持つ化合物を付加してなる分子内分極を有するリン化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、N−メチルモルフォリンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩及びこれらの誘導体などが挙げられる。また、これらをカプセル化して潜在性を持たせたものを使用することも可能である。これらの硬化促進剤は単独もしくは2種以上の併用で使用することができる。硬化促進剤の配合量は、硬化促進効果が達成される量であれば特に限定されるものではないが、回路接続用フィルム状接着剤全体に対して0.005〜5重量部であることが好ましく、0.01〜3重量部であることがより好ましい。
【0013】
本発明の回路部材接着用フィルム状接着剤には、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などのカップリング剤を含有することができる。これらのカップリング剤は単独もしくは2種以上を併用して使用することができる。これらのカップリング剤の配合量は回路部材接着用フィルム状接着剤全体に対して0.01〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部がより好ましい。
【0014】
本発明の回路部材接続用フィルム状接着剤には、圧着時の流動性特性を調整する目的で平均粒径が0.005〜0.05μmの無機質充填材を配合することができる。これらの無機質充填剤は樹脂にチクソ性を付与する目的の一般公知のものを使用することができる。この無機質充填剤の配合量としては、回路部材接続用フィルム状接着剤の(D)を除く樹脂組成物100重量部に対し、20重量部を超えない範囲で充填することが好ましい。20重量部を超えると回路接続用フィルム状接着剤製造時のワニス粘度が高くなりすぎ、回路部材接続用フィルム状接着剤の製造が困難になり、さらに、回路部材接続用フィルム状接着剤の機械強度が低下する傾向にあるため好ましくない。この無機質充填材の表面は、ジメチルシリコーンオイル、オクチルシラン及びトリメチルシリル基などの有機物、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などのカップリング剤で表面処理されていても良い。
本発明の回路部材接続用フィルム状接着剤には、特性を損なわない範囲で、無機イオン交換体を配合することができる。この配合量としては、樹脂組成物量に対し0.5〜10重量部が好ましい。
【0015】
本発明の回路部材接続用フィルム状接着剤は上記記載の各材料を有機溶剤中で溶解、分散させたワニスを作製した後、このワニスを支持体上に塗布し、乾燥によって有機溶剤を除去することで作製することができる。有機溶剤としては特に制限するものはないが、メタノール、エタノール等のアルコール系、ジエチルエーテル等のエーテル系、トルエン、キシレン等の芳香族系、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の非プロトン系極性溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、シクロヘキサノン等の一般公知の溶剤を使用することができ、これらは混合溶剤として使用することができる。溶解、分散の手段としては特に制限するもではない。ワニスを塗布する支持体としては特に制限するものはないが、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリイミド系、フッ素系等のプラスチックフィルムや金属箔、金属板など一般公知のものを使用することができ、これら支持体は離型処理、静電処理などを施されていることが好ましい。
本発明において、回路部材接続用フィルム状接着剤の硬化後の260℃における貯蔵弾性率が500MPa以上であることによって、高温時の接着強度の低下を抑制することができるため、硬化後の260℃の貯蔵弾性率は500MPa以上であることが好ましく、800MPa以上であることがより好ましく、1000MPa以上であることが特に好ましい。さらに、本発明において、硬化後の260℃の貯蔵弾性率と40℃の貯蔵弾性率の差が小さく、この貯蔵弾性率の変化が小さいことにより、高温時の接着強度の低下を抑制することが出来、吸湿後の高温リフローでの剥離不良などを抑制することが出来るため、硬化後の260℃の貯蔵弾性率は40℃の貯蔵弾性率に対して5〜20%であることが好ましい。硬化後の貯蔵弾性率は、例えば、セイコーインスツルメンツ株式会社製粘弾性測定装置DMS6100(引っ張りモード、周波数1Hz、5℃/分で昇温)を用いた粘弾性測定法により測定することができる。なお、回路部材接続用フィルム状接着剤の硬化は、完全硬化に到達する条件であれば特に制限するものではなく、例えば200℃のオーブンに1時間放置するなどして完全硬化させることができる。
【0016】
本発明の回路部材接続用フィルム状接着剤は半導体チップと回路基板の接続の際に、必要サイズにカッターナイフまたは打ち抜き用の金型によって切断して供給することが出来る。
本発明において、25℃に168時間放置した回路部材接続用フィルム状接着剤が切断加工時に切断面以外の部分への亀裂の発生またはフィルム割れによるフィルムの欠損が発生しないことによって、室温(25℃)で長時間の作業においてもフィルム加工時に安定した特性で作業を行うことが可能であり、半導体装置の製造において生産性を向上することが出来る。
【0017】
本発明において、25℃に168時間放置した回路部材接続用フィルム状接着剤の流動性が放置前の流動性に対して減少率50%以内であることによって、室温(25℃)で長時間の作業においても回路部材接続用フィルム状接着剤の圧着時の特性が安定しており、半導体装置の製造歩留まりを向上することが出来る。
回路部材接続用フィルム状接着剤の流動性は以下の手段によって測定する。すなわち、一辺5mmの正方形に切断加工した厚さ50μmの回路部材接続用フィルム状接着剤を、厚さ0.7mm、大きさ15mm角のガラス板に貼付けた後、支持体フィルムを剥がし、窒化シリコンパッシベーション膜付きの厚さ0.55mm、大きさ15mm角のシリコンウェハーをパッシベーション側から接着剤付きガラス板に貼り合わせる。このとき、回路部材接続用フィルム状接着剤の初期面積(A)は、25mmである。これを、加熱圧着機によって、加熱・加圧を行う。加熱・加圧後の接着剤面積(B)を、例えば画像処理装置を用いて測定し、回路接続用フィルム状接着剤の加熱・加圧前後の面積の比(B/A)を求め、回路部材接続用フィルム状接着剤の流動性とする。この際に加圧力は、0.1〜10MPa、温度は100〜250℃の範囲で行い、圧力、温度が同一の条件で行う。
放置後の流動性の減少率は前記流動性測定で測定した放置前の流動性(C)と放置後の流動性(D)から、((C−1)−(D−1))/(C−1)*100によって求める。 放置後の流動性減少率が50%を超える場合、回路部材接続用フィルム状接着剤の加熱加圧時の流動性が経時で変化しすぎるため、半導体装置製造工程において、一定条件で作業することが困難であり、歩留まりの低下の原因となり好ましくない。
【0018】
以上、説明した本発明の回路部材接続用フィルム状接着剤は、例えば、フェイスダウン方式により半導体チップと回路基板とを接着固定する際の接続材料として使用することができる。半導体チップとしては金ワイヤーバンプ、金メッキバンプ、ニッケルバンプ、はんだパンプ等の突起電極を有するものが挙げられ、回路基板としては半導体チップの突起電極に対応した接続端子を有するプリント基板、TAB基板、フレキシブル基板、ガラス基板、セラミックス基板、半導体チップ等が挙げられる。また、その他の回路部材として抵抗体チップ、コンデンサチップなどが挙げられる。また、本発明の回路部材接続用フィルム状接着剤は半導体チップと回路基板を接着固定する際の接続材料、半導体パッケージ同士を積層して固定する際の接続材料、ベアチップ実装された半導体チップの裏面に貼付けて半導体チップが外部衝撃によって破損することを防止するための保護用封止材料等として使用することができる。
【0019】
本発明の回路部材接続用フィルム状接着剤を用いて半導体チップと回路基板を接続した半導体装置は、例えば、フェイスダウン方式により半導体チップと回路基板とを接着固定して得ることができる。半導体チップの突起電極とこれに対応する回路基板の接続端子を、本発明の回路部材接続用フィルム状接着剤を介在させた状態で対向して配置し、加熱加圧して、半導体チップの突起電極と回路基板の接続端子の間から回路部材接続用フィルム状接着剤を排除すると共に半導体チップと回路基板の間の回路部材接続用フィルム状接着剤を硬化させることによって、半導体チップと回路基板を接着固定して半導体装置が得られる。この際、半導体チップの突起電極と回路基板の接続端子の電気的接続方法として、半導体チップの突起電極と回路基板の接続端子を接触させる方法、半導体チップの突起電極上または回路基板の接続端子上にSn−Pb、Sn−Au等のはんだ、またはSn,Au等を電極面に形成させて金属共晶を形成させて接合する方法、超音波等の機械的なエネルギーを加えながら半導体チップの突起電極と回路基板の接続端子を固着して接合する方法などを用いることが出来る。
【0020】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例に使用した材料を表1にまとめて示した。
(実施例1)
フェノキシ樹脂(A)10重量部、室温(25℃)で液状のエポキシ樹脂であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂(B)36重量部、室温(25℃)で固形のエポキシ樹脂(C)36重量部、粉末状フェノール樹脂(D)18重量部およびシランカップリング剤(G)2重量部に2−ブタノン100重量部を加え混合、溶解した。この溶液に球状シリカフィラー(E)100重量部およびイミダゾール(F)1重量部を加え、サンドミル処理を行い、フィルム塗工用ワニスを得た。このフィルム塗工用ワニスを離型処理された50μm厚のPETフィルム上にロールコータで塗布し、70℃、10分間乾燥し厚み50μmの回路部材接続用フィルム状接着剤を作製した。
【0021】
(実施例2〜4)
実施例1と同様に、表2に示す割合で配合し、回路部材接続用フィルム状接着剤を作製した。
【0022】
(比較例1)
粉末状フェノール樹脂のエポキシ樹脂に対する配合の割合を100%とし、実施例1と同様の方法で、表3に示す割合で配合し、回路部材接続用フィルム状接着剤を作製した。
【0023】
(比較例2)
粉末状フェノール樹脂のエポキシ樹脂に対する配合の割合を50%とし、実施例1と同様の方法で、表3に示す割合で配合し、回路部材接続用フィルム状接着剤を作製した。
【0024】
(比較例3)
粉末状フェノール樹脂のエポキシ樹脂に対する配合の割合を4%とし、実施例1と同様の方法で、表3に示す割合で配合し、回路部材接続用フィルム状接着剤を作製した。
【0025】
(比較例4)
粉末状フェノール樹脂を配合せずに、実施例1と同様の方法で、表3に示す割合で配合し、回路部材接続用フィルム状接着剤を作製した。
【0026】
(比較例5)
粉末状フェノール樹脂を配合せずに、アルコール性官能基を持つ低分子量の変性フェノールノボラック樹脂を用い、実施例1と同様に、表3に示す割合で配合し、回路部材接続用フィルム状接着剤を作製した。
【0027】
実施例および比較例において、以下の方法で特性評価を行い、その評価結果を表2に示した。
(フィルム形成性):70℃、10分間で乾燥した後、離型処理されたPETフィルム上にムラおよびはじきが無くフィルム状接着剤が形成され、また、PETフィルムの塗工していない面からフィルム状接着剤とPETフィルムを同時に90°に曲げた際、フィルム状接着剤に割れが発生したか、否かを試験した。フィルム形成が良好で割れの発生が無いものを○、フィルム形成が不良または割れの発生またはその両方が発生したものを×として評価した。
【0028】
(放置後の加工性):25℃の恒温槽に168時間放置した後、回路部材接続用フィルム状接着剤面からPETフィルムごとカッターで切断し、切断面以外の部分への亀裂の発生またはフィルム割れによるフィルムの欠損が発生したか、否かを試験した。割れおよびかけの発生が無いものを○、発生したものを×として評価した。
(放置後の流動性減少率):一辺5mmの正方形に切断加工した厚さ50μmの回路部材接続用フィルム状接着剤を、厚さ0.7mm、大きさ15mm角のガラス板に貼付けた後、支持体フィルムを剥がし、窒化シリコンパッシベーション膜付きの厚さ0.55mm、大きさ15mm角のシリコンウェハーをパッシベーション側から接着剤付きガラス板に貼り合わせた。このとき、回路部材接続用フィルム状接着剤の初期面積(A)は、25mmである。これを、加熱圧着機によって、加熱温度180℃、荷重初期面積に対し1MPa、加熱時間20秒でシリコンウェハー側から加熱・加圧を行った。加熱・加圧後の接着剤面積(B)を、解像度600dpiのスキャナーで読みとって測定し、回路接続用フィルム状接着剤の加熱・加圧前後の面積の比(B/A)を求め、面積比(B/A)を回路部材接続用フィルム状接着剤の初期流動性(C)とした。次に、回路部材接続用フィルム状接着剤を25℃の恒温槽に168時間放置した後、前記方法と同様に流動性を測定し、放置後の流動性(D)を測定した。放置前の流動性(C)と放置後の流動性(D)から、[((C−1)−(D−1))/(C−1)]×100=[(C−D)/(C−1)]×100によって流動性減少率を求めた。
【0029】
(粘弾性測定):作製した回路接続用フィルム状接着剤を200℃のオーブン中に1時間放置し、硬化フィルムを作製した。硬化フィルムをセイコーインスツルメンツ株式会社製粘弾性測定装置DMS6100で引っ張りモード、周波数1Hz、5℃/分の昇温速度で粘弾性測定を行い、260℃の貯蔵弾性率を求めた。(耐熱性試験):作製した回路部材接続用フィルム状接着剤を離型処理されたPETフィルムごと12mm×12mmにカッターで切断し、Ni/Auめっきした銅回路付き回路基板(電極高さ:20μm、基板厚み:0.8mm)に80℃、1MPa、3秒で貼付けた後、PETフィルムを剥離した。ワイヤボールAuバンプ(高さ:30μm、バンプ数184)付き半導体チップ(大きさ:10mm×10mm、厚み:0.55mm)と回路部材接続用フィルム状接着剤を貼付けた前記回路基板の位置合わせを行った後、180℃、1N/バンプ、20秒の条件で半導体チップ上方から加熱、加圧を行い、半導体チップと回路基板を接続した。接続体を125℃のオーブンに24時間放置した後、30℃、60%RHの雰囲気下に192時間さらした後、最高温度260℃、10秒の赤外線リフロー炉を繰り返し3回通過させ、半導体チップの剥離の有無を確認した。
【0030】
【表1】



【0031】
【表2】



【0032】
表2の実施例1〜4および比較例1〜5から、本発明の(C)分子内にメチロール基を有する粉末状フェノール樹脂が(B)エポキシ樹脂に対して(C)/(B)=5〜25重量%である回路部材接続用フィルム状接着剤はフィルム成形性、保存性、耐熱性に優れる。一方、比較例1と2の(C)/(B)=100、50重量%では加工性に劣り、フィルム切断時に割れ、かけ、亀裂が生じた。また、比較例3,4の(C)/(B)=4、0重量%では、加工性は良いが、吸湿リフロー後の剥離を生じてしまう。また、分子内にメチロール基を有する粉末状フェノール樹脂でなく、アルコール性官能基を持つ低分子量の変性フェノールノボラック樹脂を用いた比較例5では、260℃の高温時の貯蔵弾性率が低く剥離を生じてしまう。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱性に優れた回路部材接続用フィルム状接着剤および半導体装置を作製することが出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対向する半導体チップと回路基板間に介在され、相対向する半導体チップと回路基板を加熱、加圧によって接続する三次元架橋性樹脂を含有した回路部材接続用フィルム状接着剤であって、
(A)熱可塑性樹脂、
(B)エポキシ樹脂、
(C)分子内にメチロール基を有する粉末状フェノール樹脂、
(D)絶縁性球状無機質充填剤、
を必須成分とし、(C)の配合量が(B)に対して5〜25重量%であり、(D)を除く樹脂成分全体を100重量部とした時、(A)が7〜40重量部であることを特徴とする回路部材接続用フィルム状接着剤。
【請求項2】
(B)エポキシ樹脂として25℃で液状のエポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の回路部材接続用フィルム状接着剤。
【請求項3】
(D)絶縁性球状無機質充填剤が、平均粒子径0.1〜5μmであり、最大粒径30μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回路部材接続用フィルム状接着剤。
【請求項4】
前記(A)、(B)、(C)、(D)を必須成分とする材料を有機溶剤中で溶解、分散させたワニスを支持体上に塗布、乾燥させ有機溶剤を除去することにより得られる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の回路部材接続用フィルム状接着剤。
【請求項5】
硬化後の260℃の貯蔵弾性率が500MPa以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の回路部材接続用フィルム状接着剤。
【請求項6】
硬化後の260℃の貯蔵弾性率が40℃の貯蔵弾性率に対して5〜20%であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の回路部材接続用フィルム状接着剤。
【請求項7】
25℃に168時間放置した回路部材接続用フィルム状接着剤の切断加工時に切断面以外の部分への亀裂の発生またはフィルム割れによるフィルムの欠損が発生しないことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の回路部材接続用フィルム状接着剤。
【請求項8】
25℃に168時間放置した際、放置前の流動性に対して放置後の流動性の減少率が50%以内であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の回路部材接続用フィルム状接着剤。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の回路部材接続用フィルム状接着剤を用いて半導体チップと回路基板を接続した半導体装置。

【公開番号】特開2004−186204(P2004−186204A)
【公開日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−348025(P2002−348025)
【出願日】平成14年11月29日(2002.11.29)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】