説明

回転する金属壁を研磨する環状研磨装置

本発明は、ユニバーサル支持体に同軸に取付けられ、円周に環状電気コレクター(35)を有する固定環状プレート(30)と、回転可動し且つ固定環状プレート(30)に同軸に取付けられた環状プレート(50)を備えるタイプの回転金属壁の研磨用環状装置(20)に関する。可動環状プレート(50)は、電気コレクター(35)と相互に作用する一組の集電器(55)と、可動環状プレート(50)を回転駆動するための手段(60)と、金属壁を研磨するための手段(70)と、研磨手段(70)を金属壁に押し付け且つ保持するための空気供給手段(80)とを支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転する金属壁を研磨する環状研磨装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの産業上の分野、例えば、原子力、石油化学、オフショア、ガスパイプライン、オイルパイプライン、高圧又は海中パイプラインの分野において、2つの金属部品を一つに溶接した後に、特に、狭い傾斜角で溶接された肉厚部品を含むときには、溶接を検査する超音波検査手段を幾何学的に適合できるように、溶接面を研磨して特に溶接面を仕上げることが必要である。
【0003】
特に、超音波又はガンマグラフィーによる検査中に、正確な検査を実行するためには、センサーはその運動中に溶接面と接触して維持されなければならない、特に、検査が、検査される部品の軸線に対して傾斜する溶接面をもち、狭く且つとても深い溶接を検査することを含む場合である。
【0004】
そのような超音波検査は、例えば、加圧水型原子炉の長年使用された蒸気発生器の交換後に実行される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特に、加圧水型原子炉は、原子炉格納容器内に、加圧水で満たされた炉心を格納する原子炉容器、原子炉容器と連通するいくつかのループからなる一次冷却系を備える。一次冷却系のループの各々は、給水を加熱し且つ蒸発させる間に加圧水を冷却する蒸気発生器を備える。
【0006】
各ループの蒸気発生器は、一次冷却配管と呼ばれる加圧水入口配管と出口配管によって原子炉容器と接続される。これらの配管は、蒸気発生器水室が形成されるときに作られるエルボ及びノズルによって、蒸気発生器の下部に位置する蒸気発生器の水室に接続される。接続エルボは、エルボ第1端を介して一次冷却配管の端に溶接され、エルボの第2端を介して蒸気発生器水室の接続用ノズルに溶接される。
【0007】
或る時間の運転後に、1次冷却水と2次冷却給水の間の分離を確保する熱交換チューブの束を収容する蒸気発生器は、検査されなければならない、もし束のいくつかのチューブが漏出していたならば、これらのチューブは、給水の放射能汚染を避けるためにプラグによってふさがれ又はスリーブされなければならない。
【0008】
したがって、蒸気発生器が長期間運転されるとき、バンドルのチューブの全て又はいくつかを交換することが必要となる。
【0009】
そのような交換操作はとても複雑であり、或る場合では、加圧水型原子炉の蒸気発生器の全交換を実行するほうが好ましいように思われる。この交換操作は、長年使用された蒸気発生器の接続用ノズルの近くの1次冷却配管を切断することと、新しく交換される蒸気発生器のノズルを接続されずに残る1次冷却配管に溶接することが必要となる。
【0010】
蒸気発生器のノズルと接続されずに残る1次冷却配管の端部との突合せ溶接は、ノズルの金属及び1次冷却配管の金属を適合するはんだによって、ノズルの端と接続される配管の端の間に作られるリング形傾斜部を充填することによって実行される。
【0011】
はんだで傾斜部を充填することは、通常、環状溶接方法によって実行される。
【0012】
溶接後、溶接面の研磨特に仕上げは、この溶接の超音波検査を実行する前に実行される。
【0013】
この研磨は、通常、操作者が格納容器内で長期間手動で実行し、蒸気発生器の取替の場合には1次冷却系に近接するために、操作者が強力な放射線照射にさらされるので、操作者にとってストレスの多いものとなる。
【0014】
操作者の格納容器内での作業を減らすために、自動の研磨装置が知られているが、現在の環状研磨装置は、電気供給ケーブルの存在によって1回転のみしか実行できない不都合がある。したがって、装置の多数の停止及び反転により操作は冗長となり、研磨装置の各運転停止及び各運転開始で溶接面上のくぼみを生じるリスクがかなりあり、くぼみは超音波検査操作を不確かにする。
【0015】
本発明の目的は、上述した問題点を解決したものであり、回転方向の反転又は変更なしに連続的に研磨操作を実行することを可能にして、全作業時間を減らし、その結果、操作者が放射線にさらされることによって受ける放射線被ばく線量及び溶接面の輪郭を損傷するリスクを減らすことができる環状研磨装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
したがって、本発明は、例えば、回転する金属壁の周りに固定された環状装置ユニバーサル支持体に取付け可能な、回転する金属壁を研磨するための環状研磨装置であって、支持体に同軸に取付けられ且つ環状電気コレクターをその周囲に備える固定環状プレートと、回転して移動可能であり、且つ、転がり部材により固定環状プレートと同軸状に取付けられる環状プレートと、を有し、可動環状プレートが、電気コレクターと相互に作用する一組の電気接触部と、回転移動可能な環状プレートを回転作動させる回転作動手段と、金属壁を研磨する研磨手段と、研磨手段を金属壁に押し付け且つ保持する空気供給手段と、を支持することを特徴とする。
【0017】
本発明の他の特徴によると、各環状プレートは、少なくとも1つの連結結合材によって互いに連結される2つの半環で形成され、環状電気コレクターは、少なくとも4つの同心軌道を有し、少なくとも3つの軌道は各々1つの相を形成し、1つの軌道は可動環状プレートの回転用であり、同心軌道は、固定環状プレートの外縁に配置され、一組の電気接触部は、2組の少なくとも4つの接触部を備える集電器により形成され、固定環状プレートの2つの半環の間で電気コレクターの軌道の結合領域で断線することなく電気供給を維持し、集電器は、可動環状プレートの外縁に取付けられ、可動環状プレートを回転する回転作動手段は、可動環状プレートに配置され、角度伝動装置を介して電気モーターにより回転する少なくとも1つのピニオンと噛み合うクラウン歯車を有し、少なくとも1つのピニオンと、電気モーター及び角度伝動装置は、固定感情プレートにより支持され、研磨手段は、3つのローラーに取付けられた研磨帯と、電気モーターによって回転し研磨帯を駆動する駆動ローラーと、研磨帯に張力をかける張力ローラーと、研磨帯を金属壁に押し付ける張力ローラーと、を備え、押付ローラーはプレートの内側に向かって制御部材によって移動でき、研磨帯の駆動ローラーを回転させる電気モーターの出力は、金属壁への研磨帯の圧力に従い、制御部材は、空気供給手段に接続される少なくとも1つの空気シリンダーを備え、空気供給手段は、圧縮空気又はガスの少なくとも1つのタンクを備え、可動環状プレートは、可動プレート及び研磨手段を回転駆動させる手段の遠隔制御用無線信号を受信する手段を支持し、研磨手段は、研磨バンドの近くで、金属小片を回収するための装置を支持することを特徴とする。
【0018】
本発明の他の特徴及び利点は、添付図面を参照して一例として挙げられる実施形態において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】原子炉格納容器のバンカー内の適所の加圧水型原子炉蒸気発生器の分解斜視図である。
【図2】原子炉蒸気発生器のパイプ及びノズルの環状研磨用の作動位置にある本発明による研磨装置の軸線方向平面を通る部分断面立面図である。
【図3】本発明による環状研磨装置の一側面の概略斜視図である。
【図4】本発明による環状研磨装置の他方の側面の概略斜視図である。
【図5】本発明による環状研磨装置の固定された環状プレートの概略斜視図である。
【図6】本発明による環状研磨装置の可動環状プレートを回転させるための手段の部分断面立面概略図である。
【図7】本発明による環状研磨装置の研磨手段の立面概略図である。
【図8】図7の下からの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、加圧水型原子炉の一次系ループの一部を概略的に示し、この一次系ループの一部は、蒸気発生器1と、一次冷却ポンプ2と、それぞれ原子炉容器と蒸気発生器1及び一次冷却ポンプ2を接続することを可能にする一次冷却パイプ3及び4と、蒸気発生器1と一次冷却ポンプ2とを接続することを可能にするパイプ5を備える。蒸気発生器1及び一次冷却ポンプ2は、これらの軸線が垂直に配置され、それぞれ、複数組の連結式支持脚8及び9に載せられる。
【0021】
この図は、原子炉格納容器10の一部を示し、原子炉格納容器は原子炉容器及び一次冷却系統を格納する。
【0022】
蒸気発生器1を受け入れるように設計された炉室11すなわちバンカーは、格納容器10内に配置される。この蒸気発生器1は、連結式支持脚8を介して炉室11の床12に据えられ、この蒸気発生器は、ベルト13及び14の中心に位置決めされる。蒸気発生器の格納システムは、その上部で蒸気放出パイプ15に連結される。
【0023】
蒸気発生器1を交換する作業が行なわれるとき、一次冷却パイプ3,5は、蒸気発生器ノズルと合流するゾーンの近くで切り離される。新しく交換された蒸気発生器は、炉室11の適所に取付けられる接続ノズルを備え、これらの接続ノズルは、一次冷却パイプ3及び5の非接続端部と向かい合った位置にくる。
【0024】
例えば図2に示すように、新しく交換された蒸気発生器のノズルと一次冷却パイプの端は、狭い幅且つ深い深さの環状溶接ベベル16がノズルの対応する端部と一次冷却パイプの対応する端部の各々の間に作られるように、研磨される。
【0025】
例えば、図2は、新しい蒸気発生器のノズル1a及び一次冷却パイプ3の端を示す。
【0026】
ノズルと一次冷却パイプは、環状TIG溶接装置(図示せず)を用いて一つに溶接され、その溶接トーチは、環状ベベルの基部を一回りするために、パイプとノズルに共通の軸線を中心に回転配置される。
【0027】
溶接後、研磨特に溶接16の表面の仕上げが、超音波検査を実行する前に実行される。
【0028】
以下の説明においては、本発明による環状研磨装置により実行される研磨や、例えばポリッシングのような他の研磨が、本環状研磨装置により実行可能である。
【0029】
図2に示すように、符号20により全体が示される環状研磨装置は、既知のユニバーサル支持体17に取付けられ、このユニバーサル支持体17は、本実施形態では、回転する金属壁の周りに、図示しない適切な手段によって接続ノズル1aに取付けられる。この支持体17は、いくつかの部分の環からなり、この環はノズルに対して同軸の配置にノズル1aを中心に係合される。
【0030】
図3及び図4を参照して、環状研磨装置20を記載する。
【0031】
環状研磨装置20は、支持体17に同軸に取付けられた固定環状プレート30と回転可能であり且つ固定環状プレート30に同軸に取付けられた環状プレート50の、主として2つの部分からなる。
【0032】
固定環状プレート30は、それぞれ符号30a及び30b(図5)の2つの半環で形成され、各々は、それぞれ符号31及び32で示す、互いに直交して延びる2つの分岐部を備えるL形断面を有する。固定環状プレート30の半環30a及び30bは、少なくとも1つの結合材33(図3)によって結合領域で互いに連結される。
【0033】
同様に、可動環状プレート50は、それぞれ符号50a及び50bの半環で形成され、それぞれの半環は、少なくとも1つの結合材51(図3)によって結合領域で互いに連結される。
【0034】
可動環状プレート50は、環状プレート30の分岐部31により支持された溝つきローラー34からなる転がり部材によって固定環状プレート30に対し回転できる。これらの溝つきローラー34は、例えば全部で8個、環状プレート30の円周にわたり一様に分布される。可動環状プレート50は、溝つきローラー34に載り、その内側縁52はローラー34の溝と相互に作用するために歯をつけられる。
【0035】
図3乃至図5に示すように、固定環状プレート30は、その円周に、符号35によって示す環状電気コレクターを備える。この電気コレクター35は、固定環状プレート30の分岐部32の外側壁に取付けられ、少なくとも4つの同心軌道36を備え、少なくとも3つの軌道は各々1つの相を形成し、1つの軌道は可動環状プレート50の回転用に設計される。
【0036】
環状プレート50は、電気コレクター35と相互に作用するように設計された集電器55によって形成される一組の電気接触を備える。この集電器55は、可動環状プレート50の外側縁に取付けられ、固定環状プレート30の2つの半環30a及び30bの間の電気コレクター35の軌道36の結合領域に電気供給を維持することができる2組の少なくとも4つの接触部56を備える。
【0037】
さらに、可動環状プレート50は、可動環状プレート50の回転作動のための回転作動手段60(図4及び6)と、金属壁を研磨するための研磨手段70(図3、7及び8)と、この研磨手段70を金属壁に押し付け且つ保持するための空気供給手段80(図3)とを支持する。
【0038】
図4及び図6に示すように、可動プレート50を回転するための回転作動手段60はクラウン歯車61(図6)を備え、クラウン歯車は、可動プレート50の内側面に作られ、角度伝動装置64を介し電気モーター63によって回転される少なくとも1つのピニオン62と噛み合う。ピニオン62、電気モーター63及び角度伝動装置64からなる組立体は、図4に示すように、固定環状プレート30によって支持され、角度伝動装置64の駆動シャフトは固定プレート30の分岐部31を貫通し、ピニオン62は可動プレート50に配置されるクラウン歯車61とかみ合う。モーター63は、図示しないケーブルによって電気を供給され、ケーブルは、固定環状プレート30によって支持され、集電器55につながれる。
【0039】
図3、4、7及び8に示すように、これらの図に示す例では、研磨手段70は、3つのローラーに取付けられた研磨帯71と、それぞれ、電気モーター73によって回転される駆動ローラー72と、テンショニングローラー74と研磨帯71を研磨される金属壁に押し付けるためのローラー75を備える。テンショニングローラー74は、弾性システム76に接続され、研磨帯71をぴんと張った状態に保つために、このローラー74を横方向に移動することができる。
【0040】
押し付けローラー75は、接続ロッド78(図8)によってシャフト77を軸に枢動するように取付けられ、接続ロッドはそれ自身が制御部材79に接続され、押し付けローラー75をプレート30及び50の内側に向かって、すなわち研磨される金属壁に向かって移動させる。
【0041】
制御部材は、図示しない少なくとも1つの接続パイプによって、空気供給手段80に接続される少なくとも1つの空気シリンダー79を備える。
【0042】
好ましくは、空気供給手段80は、圧縮空気又はガスの少なくとも1つのタンク81を備え、タンク容量は、溶接面を一連の研磨するために備えられる、タンク81は、図示しない圧縮機によって再充填されてもよい。
【0043】
また、研磨手段70は、研磨帯71の位置を研磨される面に変え、したがって研磨される溶接面全体を覆うことができるように、金属壁に平行な研磨帯71の位置を調整するためのシステム85を備える。このシステム85は、例えば、ねじ/ナットシステム、又は知られたタイプの他の適当なシステムからなり、このシステムは手動又は遠隔的に制御されてもよい。
【0044】
図3に示すように、研磨手段70は、研磨バンド71に接近して、装置90を支持し、装置90は、研磨中に研磨バンド71から分離する金属小片を、例えば吸引によって回収する。
【0045】
最後に、可動環状プレート50は、ボックス95を支持し、ボックスの中には、例えば、可動プレート50や研磨手段70を回転するための手段60の遠隔制御用無線信号を受信する手段が設置される。これらのボックス94は、通常、全ての制御及び/又は調整要素を含む。
【0046】
図3及び図4に示すように、環状電気集電器35の軌道36は、ケーシング96によって保護される。
【0047】
金属壁の研磨、すなわち研磨装置20による溶接16のビードの外面の研磨は、次の通り実行される。
【0048】
第一に、ユニバーサル支持体17は、ノズル1aに取付けられ、固定環状プレート30の2つの半環30a及び30bは、ユニバーサル支持体17に取付けられる。これらの2つの半環30a及び30bは、結合材33によって互いに結合される。
【0049】
ついで、可動環状プレート50は、プレート50の各環50a及び50bの内側溝縁52を溝つきローラー34上に配置することによって固定環状プレート30に取付けられる。これらの2つの半環50a及び50bは、結合材51によって結合され、操作者は、可動環状プレート50に対して固定環状プレート30を同軸に調整する。
【0050】
集電器55の接触部56は、環状電気集電器35の軌道上に配置される。操作者は、遠隔制御によって、電気モーター63を駆動し、このモーターが、角度伝導ボックス64によってピニオン62を回転させる。可動環状プレート50のクラウン歯61とかみ合う、このピニオン62は、環状プレート50を回転し、環状プレートは溝つきローラー34の軌道を回る。
【0051】
遠隔制御によってなお、操作者は、研磨手段70の電気モーター73を駆動し、駆動ローラー72を介して研磨バンド71を回転する。プレスローラー75を、タンク81の圧縮空気又はガスによって作動される空気シリンダー79によって移動させることにより、研磨バンド71は、決められた圧力で溶接16の外面と接して配置される。可動プレート50の回転の効果で、研磨バンド71は、金属壁を中心に軌道をまわり、研磨バンドがローラー72、74及び75上を回転するので、研磨バンドが溶接16の外面を研磨する。研磨バンド71の駆動ローラー72を回転する電気モーター73の出力は、溶接16の外面への研磨バンド71の圧力に連動される。
【0052】
また、遠隔制御は、緊急停止も可能である。
【0053】
したがって、可動環状プレート50によって支持される研磨手段70は、周囲と接続するケーブルがないため、1つの方向又はその他の方向に何度も回転できる。溶接16の面に平行な研磨バンド71の位置は、1回転又はさらなる回転の間、調整システム85によって変えられてもよい。
【0054】
溶接の外面全体の研磨が実行される場合、研磨バンド71は、プレスローラ75を引っ込めることによって、金属壁から離され、研磨バンド71の回転は、電気モーター73からの供給接続を断つことによって停止される。
【0055】
次いで、また、可動環状プレート50の回転も、電気モーター63からの供給接続を断つことによって停止される。
【0056】
例のように、研磨バンド71の幅は、おおよそ60mmであり、表面の溶接16の幅はほぼ60mmである。研磨手段70の電気モーター73の出力は、おおよそ3kwであり、研磨によって特に研磨される溶接の厚みは、平均4mmである。
【0057】
遠隔制御で、特に、研磨バンド71を研磨される金属壁と接触するよう配置し、環状装置の回転方向を選択し、及び/又は金属壁への研磨バンド71の圧力を調整することが可能である。
【0058】
したがって、本発明による環状研磨装置は、逆転することすなわち回転方向を変更することなく一連の研磨操作を実行することができ、実行の総継続期間と溶接面の輪郭を損傷するリスクを減らすことができ、その結果として超音波検査の信頼性を保証する。また、従来使用されていた装置に対して30%から40%の時間節約を可能にし、高放射能領域内での操作者の作業をかなり減らすことが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する金属壁の周りに固定されたユニバーサル支持体(17)に取付け可能な回転する金属壁を研磨する環状研磨装置であって、
前記支持体(17)に同軸状に取付けられ且つ環状電気コレクター(35)をその周囲に備える固定環状プレート(30)と、
回転して移動可能であり、且つ、転がり部材(34)により前記固定環状プレート(30)と同軸状に取付けられる環状プレート(50)と、を有し、
前記可動環状プレート(50)が、
前記電気コレクター(35)と相互に作用する一組の電気接触部(55)と、
前記回転移動可能な環状プレート(50)を回転作動させる回転作動手段(60)と、
前記金属壁を研磨する研磨手段(70)と、
前記研磨手段(70)を前記金属壁に押し付け且つ保持する空気供給手段(80)と、を支持することを特徴とする前記環状装置。
【請求項2】
各環状プレート(30;50)は、少なくとも1つの連結結合材(33;51)によって互いに連結される2つの半環(30a、30b;50a、50b)で形成されることを特徴とする請求項1に記載の環状装置。
【請求項3】
前記環状電気コレクター(35)は、少なくとも4つの同心軌道(36)を有し、少なくとも3つの軌道(36)は各々1つの相を形成し、1つの軌道(36)は前記可動環状プレート(50)の回転用であることを特徴とする請求項1又は2に記載の環状装置。
【請求項4】
前記同心軌道(36)は、前記固定環状プレート(30)の外縁に配置されたことを特徴とする請求項3に記載の環状装置。
【請求項5】
前記一組の電気接触部は、2組の少なくとも4つの接触部(56)を備える集電器(55)により形成され、前記固定環状プレート(30)の前記2つの半環(30a、30b)の間で前記電気コレクター(35)の前記軌道(36)の結合領域で断線することなく電気供給を維持することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の環状装置。
【請求項6】
前記集電器(55)は、前記可動環状プレート(50)の前記外縁に取付けられることを特徴とする請求項5に記載の環状装置。
【請求項7】
前記可動環状プレート(50)を回転する回転作動手段(60)は、前記可動環状プレート(50)に配置され、角度伝動装置(64)を介して電気モーター(63)により回転する少なくとも1つのピニオン(62)と噛み合うクラウン歯車(61)を有し、前記少なくとも1つのピニオン(62)と、前記電気モーター(63)及び前記角度伝動装置(64)は、前記固定環状プレート(30)により支持されることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の環状装置。
【請求項8】
前記研磨手段(70)は、3つのローラー(72、74、75)に取付けられた研磨帯(71)と、電気モーター(73)によって回転し前記研磨帯(71)を駆動する駆動ローラー(72)と、前記研磨帯(71)に張力をかける張力ローラー(74)と、前記研磨帯(71)を前記金属壁に押し付ける押付ローラー(75)を備え、前記押付ローラー(75)は前記プレート(30、50)の内側に向かって制御部材(79)によって移動できることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の環状装置。
【請求項9】
前記研磨帯(71)の前記駆動ローラー(72)を回転させる前記電気モーター(73)の出力は、前記金属壁への研磨帯(71)の圧力に従うことを特徴とする請求項8に記載の環状装置。
【請求項10】
前記制御部材は、空気供給手段(80)に接続される少なくとも1つの空気シリンダー(79)を備えていることを特徴とする請求項8又は9に記載の環状装置。
【請求項11】
前記空気供給手段(80)は、圧縮空気又はガスの少なくとも1つのタンク(81)を備えていることを特徴とする、請求項1乃至10の何れか1項に記載の環状装置。
【請求項12】
前記可動環状プレート(50)は、前記可動プレート(50)及び前記研磨手段(70)を回転駆動させる手段の遠隔制御用無線信号を受信する手段を支持することを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の環状装置。
【請求項13】
前記研磨手段(70)は、前記研磨バンド(71)の近くで、金属小片を回収するための装置(90)を支持することを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載の環状装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−509077(P2010−509077A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535772(P2009−535772)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際出願番号】PCT/FR2007/001846
【国際公開番号】WO2008/068407
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(509104562)アレヴァ エヌペ (28)
【出願人】(509130066)ブルヒ マシーネンバウ アクチェンゲゼルシャフト (1)
【Fターム(参考)】