説明

回転式流体変位アセンブリ

筐体と、筐体の内部空洞内に配置されるローターとを有する、回転式流体変位アセンブリである。ローターは、筐体長手軸に対して偏心しているローター回転軸の周りを回転するように構成される。ローターと共に摺動可能に載置され、ゲートの遠位端がローターの周囲面から第1の距離を置いて配置される、第1の位置と、ゲートの遠位端がローターの周囲面から第2の距離を置いて配置される、第2の位置との周囲および間で軸方向に移動可能である、ゲートも提供される。ゲートの遠位端は、ローターがローター回転軸の周りを回転する際に、筐体の内壁表面から近接して離間しているように拘束される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第60/995,319号(2007年9月26日出願)の優先権および利益を主張し、この出願は、その全体が本明細書に参考として援用される。
【0002】
(用途の分野)
本願は、回転式流体変位アセンブリに関し、より具体的には、筐体に載置され、ゲートの遠位端が筐体の中央長手軸から実質的に一定の距離を置いて維持されるように、偏心カムと関連して移動するように構成されるゲートを有する、回転式流体変位アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
ある特定の制約された用途での使用に対して、様々なベーン型流体変位器具が提案されてきた。これらの提案された装置は、主にポンプ、コンプレッサ、流体駆動モータ、および流体流量計から成る。これまで提案されたベーン型器具は、概して満足に機能し、特定の液体用途に対して認められている。従来技術のベーン型器具で見られる一般的な問題は、以下を含む。減摩装置との使用に対して不適当であること(それにより、従来、それらの使用は中程度の電力レベルに制限されてきた)、固定表面と移動表面との接触面積が大きいこと(高摩擦をもたらす)、クランクシャフトに適用される曲げ力に抵抗することができないこと、別個の逆止弁等に依存すること、および個々のチャンバからの同時往復流動に対応できないこと。
【0004】
従来、ベーンまたはゲートコンプレッサは、典型的にはカムリング、カムリング内に回転可能に受容されるローター、ローターが固定されるドライブシャフト、カムリングの前側端面に固定される前側ブロック、カムリングの後側端面に固定される後側ブロック、前側ブロックの前側端面に固定される前部ヘッド、後側ブロックの後側端面に固定される後部ヘッド、円周方向に等間隔でローターの外周面に形成される複数の軸方向ベーンスリット、および軸方向ベーンスリットのそれぞれに軸方向に摺動可能に載置される複数のベーンを含む。ローターを回転させるためのドライブシャフトは、前側ブロックおよび裏側ブロックのそれぞれに配置されるラジアル軸受により回転可能に支持される、その反対端を有する。典型的には、排出チャンバは、前部ヘッドの内壁表面、前側ブロックの前側端面、およびカムリングの前側端面により画定され、圧縮チャンバから送達される液体またはガスが流入される。
【0005】
従来技術の回転式コンプレッサの別の実施例では、コンプレッサ機構は、駆動モータにより駆動されるように適合され、主軸受および補助軸受のそれぞれにより回転可能に受容される、その上下端を有する、シャフトを備えることができる。シャフトの中間部は、密閉容器内の位置に固定されるシリンダーを通じて延在する。偏心部は、シリンダー内に配置されるシャフトの部分に載置され、それと共に回転する。さらに、リング状ローラーは、シリンダーの内壁表面とクランクの外周面との間に動作可能に配置され、シャフトが回転可能に駆動される間、遊星運動を行う。
【0006】
一実施例では、シリンダーは、その半径方向に延在するように、その中に画定される放射溝を有し、摺動可能な放射状ベーンは、リング状ローラーに向かう方向、およびそこから離れる方向への放射溝内の移動のために、放射溝内に収容される。この摺動可能な放射状ベーンは、通常、リング状ローラーの外周面と摺動接触している状態で保持されるその半径方向に内向きの端部と共に、一方向に付勢バネにより付勢され、シリンダーの体積を体積的可変数に分割することにより、吸引および圧縮チャンバは、シャフトの回転方向に対して、摺動可能な放射状ベーンの前側および後側上に画定される。
【0007】
本実施例では、液体またはガスは、取り込みポートを通じて吸引チャンバに吸引され、次いで、クランクの偏心回転の結果としてのリング状ローラーの遊星運動の間、排出ポートを通じて排出される前に、圧縮される。シリンダーの内壁表面および摺動可能な放射状ベーンの放射状内側端部に対するリング状ローラーの摺動運動、ならびに放射溝内の放射状ベーンの摺動運動を促進するために、多量の潤滑油が密閉容器内のその底部に収容される。一実施例では、潤滑油は、シャフトの下端に載置される油ポンプにより吸い上げられ、コンプレッサ機構内の様々な摺動要素に給油する。
【0008】
そのような従来のコンプレッサ機構に使用される様々な摺動要素のうち、摺動可能な放射状ベーンは、それが摩耗する際に悪影響を及ぼす問題を引き起こす。当業者にはよく知られているように、摺動可能な放射状ベーンは、リング状ローラーだけでなくシリンダーの中の放射溝を画定する側面とも摩擦係合される。具体的に、付勢バネの付勢力、および摺動可能な放射状ベーンの後面に作用する背圧により、摺動可能な放射状ベーンの放射状内側端部は、リング状ローラーと摩擦係合している状態で常に保持され、同様に、摺動可能な放射状ベーンの反対する側面は、吸引チャンバと圧縮チャンバとの間の圧力差により、放射溝を画定する対応する側面と摩擦係合している状態で互いに保持される。例えばシャフトおよびその軸受機構等の他の摺動要素とは異なり、摺動可能な放射状ベーンは、油ポンプにより直接供給される潤滑油により潤滑されず、典型的には圧縮される液体またはガス中に含有される油成分、ならびに/あるいはローラー端からの漏出する油により潤滑される。圧縮される流体から得られる油およびローラー端からの漏出する油の量は、通常、摺動可能な放射状ベーンおよびその周辺部を満足に潤滑するには不十分である。加えて、流体が圧縮時に高温に達することを考慮すると、圧縮される流体と接触している摺動可能な放射状ベーンは熱くなり、それにより加速摩擦摩耗が起こりやすくなる。
【0009】
そのような従来のベーンポンプにおいて、ポンプの速度が増加されると、ベーンに作用する求心力が、拘束筐体の内表面に対してそれらを強く圧迫し、確かな密閉力を有益に提供するが、ベーンの遠位端と筐体の内表面との間の高摩擦力という悪影響も引き起こす。当業者であれば理解するように、このことは、摩擦摩耗を増加させるとともに、コンプレッサの動作効率を低下させる。
【0010】
特許文献1は、石油または他の流体製品で使用のためのベーン型メータを教示する。その構造は、入口ポートと出口ポートとを有する筐体、回転式内部ディスク、回転ディスクに対して、回転ディスクに対する固定された偏心位置で保持される内部シャフト、内部シャフトの周囲において、筐体内で回転する4つの放射状に延在する連結ベーン、および回転ディスクの片側の外周から垂直に延在する4つの弁構造を備える。ベーンの各々は、実質的に平らな本体、本体の一方の端部から延在し、内部シャフトの周囲に回転可能に配置される単一閉リング、および本体の反対側の端部に沿って延在する細長い開C形溝から成る内側ベーン要素を含む。各連結ベーンは、実質的に平らな本体、本体の一方の端部に沿って形成され、内側部材上に形成されるC形溝の中に枢動可能に保持される細長いペンシル構造、および本体のもう一方の端部に沿って形成される第2の細長いペンシル構造から成る外側ベーン要素も含む。第2のペンシル構造は、弁構造のうちの1つに枢動可能に保持される。
【0011】
特許文献1のメータを通じた流体流動により、ディスク、弁ポート、および連結ベーンは、メータ筐体内で回転する。それらが回転する際に、ベーンはコンパートメントを形成し、体積が変化し、既知の量の液体が装置の入口から出口に移される。したがって、装置の回転速度は、流体流速の直接の指標となる。
【0012】
特許文献2は、成形した外表面を有する連結ベーンを採用するポンプまたは流体駆動エンジンを開示する。ベーンは、流体チャンバを形成し、連続的に体積が変化する。一実施形態では、特許文献2の器具は、筐体、筐体内の定位置で保持される円筒形ケーシング、偏心回転運動のためにケーシングに載置されるクランクピン、8つの連結式二部構成ベーン(各々はクランクピンに枢動可能に接続される内側端部とケーシングに枢動可能に接続される外側端部とを有する)、移動チャンバの側壁を通じて提供される8つの流動ポート、ケーシングと筐体との間に提供される流動チャンバ、ならびにベーンの外側端部の間においてケーシングの中に提供される8つの流動ポートおよび関連逆止弁を備える。
【0013】
特許文献2の装置の第2の実施形態では、クランクピンは、ケーシング内の固定された偏心位置で保持され、ケーシングは、筐体内で回転する。ケーシングが偏心して配置されたクランクピンの周りを回転する際に、連結ベーンにより形成されるコンパートメントは、移動チャンバの平らな側壁のうちの1つを通じて形成される入口ポートから流体を連続的に引き出し、次いで、筐体の中の1つ以上の固定されたポートを通じて流体を排出する。連結ベーンの各々は、その内側端部上に形成される1つあるいは2つの閉リングを有する。これらの内側閉リングは、クランクピンの周囲に回転可能に配置される。
【0014】
すでに述べたように、特許文献2および特許文献1により提案されるような装置は、いくつかの欠点を有する。第一に、装置は、移動する連結ベーンアセンブリ内で生成される摩擦力を低減するためのいかなる適切な手段も提供していない。さらに、完全に別々の流体取り込みおよび排出弁システムならびに/あるいはポート構造の使用が必要なため、装置の費用および複雑さは大幅に増加する。さらに、装置は、連結ベーンの隣接する組の間の往復流動体系を生成する、それにアクセスする、およびそれを利用するための手段を提供していない。また、装置は、特定の所望の流動パターンを得るためにベーンおよび移動チャンバを選択的に構成するための手段を開示していない。さらに、これらの設計は、金属間摺動接触の面積が大きく有意であり、部分間の摩擦を低減するための手段は示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第3,821,899号明細書
【特許文献2】米国特許第2,139,856号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、その連結回転式アセンブリ内の摩擦力が低減される回転式流体変位アセンブリが必要である。さらに、流体変位アセンブリは、費用効率良く組み立て、操作し、維持することができるものでなければならない。さらに、流体変位アセンブリは、より効率的であり、かつ動作中ノイズおよび振動の発生がより小さいものでなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0017】
様々な側面では、所与のエネルギー入力のために液体またはガス等の流体をより効率的に圧縮し、より軽量な構造および全体のサイズ1立方インチ当たりの改善された出力で該圧縮を行う、回転式流体変位アセンブリが提供される。様々な側面では、回転式流体変位アセンブリは、固定されたサイクル段階、摩擦を誘発する偏心シャフト、問題のある圧縮チャンバの形状に依存せず、その動作上の目的を達成するために、材料科学における現在の最先端技術に重い負担をかけない。様々な実施形態では、流体変位アセンブリは、圧力下でのガス流のためのコンプレッサとして、または真空ポンプとして、または冷却アセンブリの一部として、または流体動力アセンブリの一部として、または蒸気などの高圧ガスのための膨張器として、または流量計として、または内燃エンジンとして動作するように構成されるエンジンアセンブリの一部として使用することができると考えられる。内燃エンジンの後者の実施例では、当業者は、そのようなエンジンが、どれほどうまく空気を取り込み、それを圧縮し、膨張力を捕捉し、次いで燃焼済みガスを排出するか(全てはエンジンの相対的性能および効率を決定する)を理解するであろう。別の側面では、回転式流体変位アセンブリは、小型のパッケージ内で高圧力比を達成するための手段としてのタービンエンジンのコンプレッサ段として使用することができる。他の側面では、回転式流体変位アセンブリは、比較的低い圧力で高体積の空気を供給するために、燃料電池パッケージへの空気供給コンプレッサとして使用することができる。いくつかの側面では、回転式流体変位アセンブリは、内燃エンジンのための過給機として構成されてもよい。さらに別の側面では、回転式流体変位アセンブリは、既知の熱力学的動作のためにボトミングサイクルに適合される場合、排熱回収装置として使用することができる。
【0018】
本明細書の様々な側面に従って記載する回転式流体変位アセンブリは、従来のコンプレッサの応力の全てを最小限に抑え、それにより構造上の要件がより少ない、より軽い材料から製造することができる、純回転装置を提供する。好ましい一実施形態では、流体変位アセンブリは、取り込む流体が一固体要素と別の固体要素との間の相対運動により作製される拡大間隙の中に取り込まれるように構成することができる。本側面では、要素のうちの少なくとも1つが上記の要素の運動と同心円状に配置される複数の内表面に対して平行移動するにつれて、両方の要素が拡大間隙の端部を形成し、上記の内表面は、移動要素が通過するための通路を形成し、密閉要素で密閉され、移動要素が体積を画定する内表面に対して、ならびに選択された方法で、典型的には第1の移動要素に対して同心円状に固定される、または移動することができる他の要素に対して平行移動するにつれて、実質的な真空または実質的な圧力が画定されたチャンバ内に生成され得る。装置の動作の取り込み段階中に提供される作動チャンバに流動的に接続されるポートを提供することにより、流体(液体、空気等のガス、または二もしくは三相材料等)は、要求に応じて作動チャンバの中に入ることができる。
【0019】
別の側面では、回転式流体変位アセンブリの取り込み路は、取り込みチャンバ充填の間、低乱流を有するように構成されることが可能であり、それにより、乱流の損失を低減し、体積効率を改善する。
【0020】
例示的な機能的回転式流体変位アセンブリを作製するために、アセンブリのいくつかの側面では、画定された体積内に配置され、上記の内表面により包囲される対向する要素は、相互に対して移動することができ、液体またはガスが画定された体積に入ることが可能となるようにポートを開くことができ、ある時点で、ポートを閉じることができ、対向する要素は、画定された間隙内に含有される体積を減少させるように相互に向かって移動すると考えられる。体積の減少は、画定された間隙内の圧力を増加させる働きをし、選択された時点で、ポート(追加のポートまたは同一のポート)は開くことが可能であり、加圧液体またはガスは、画定された体積から流出し、他の選択された用途に使用されることが可能である。
【0021】
他の側面では、回転式流体変位アセンブリの回転要素は、補助ポンプの必要なく、装置内の油および/または冷却剤を送り出すために使用することができ、それにより全体の機械設計が単純化される。別の側面では、回転式流体変位アセンブリは、偏心シャフトを使用する必要がない場合があり、それにより摩擦損失がより低くなり、シャフトを回転させるために必要なエネルギーの圧縮ガス/液体へのより直接的な変換を提供することができる。
【0022】
本発明のさらなる利点は、以下の説明において部分的に記載され、また説明から部分的に明らかとなるか、あるいは、本明細書の様々な側面に従って記載されるアセンブリを実施することにより理解され得る。アセンブリの利点は、添付の特許請求の範囲に特に指摘された要素および組み合わせにより実現および達成されてもよい。上記の概要および以下の詳細な記載は、例示および説明目的にすぎず、特許請求の範囲に記載した本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本明細書に組み込まれ、かつその一部分を成す添付の図面は、アセンブリのいくつかの側面を図示し、発明を実施するための形態と共に、本発明の様々な原理を説明するのに役立つ。
【図1】図1は、回転式流体変位アセンブリの一部の例示的な概略斜視図であり、筐体の中で時計回りに回転するローター、ローターの複数部分に載置される第1の端板および第2の端板、ならびにローターに対して移動可能なゲートの遠位端部を示す。
【図2】図2は、筐体の中のローターの時計方向の回転の例示的な概略断面図であり、回転の結果として形成される各圧縮および吸引チャンバを示し、ローターに対して、かつ偏心カムの周囲で移動可能なゲートを示す。
【図3】図3は、図1の回転式流体変位アセンブリの筐体の中のローター、ゲート、および偏心カムの相対位置決めを示す、例示的な概略断面図および例示的な部分正面図である。
【図4A】図4Aは、回転式流体変位アセンブリの一実施形態の分解斜視図であり、左から右に、筐体シャフトシール、筐体前部カバー、筐体前部スペーサ、筐体主軸受、第1の端板、ローター前部軸受、ローター、ゲート、1対の前部筐体シール、TDCアセンブリ、筐体、1対の後部筐体シール、偏心カム、偏心シャフト、ローター後部軸受、第2の端板、筐体後部スペーサ、および筐体後部カバーを示す。
【図4B】図4Bは、図4Aの回転式流体変位アセンブリの部分組立斜視図である。
【図5】図5は、図4Aの回転式流体変位アセンブリの筐体アセンブリの分解側面図であり、左から右に、筐体シャフトシール、筐体前部カバー、筐体主軸受、筐体前部スペーサ、TDCアセンブリ、1対の前部筐体シール、筐体、板弁アセンブリ、1対の後部筐体シール、偏心カム、偏心シャフト、筐体後部スペーサ、筐体シールリテーナ、筐体取り込みシール、および筐体後部カバーを示す。
【図6】図6は、図5の回転式流体変位アセンブリの筐体前部カバーの断面図である。
【図7】図7は、図4Aの回転式流体変位アセンブリの筐体背面カバーの斜視図である。
【図8】図8は、図4Aの回転式流体変位アセンブリの例示的な筐体前部または後部スペーサの斜視図である。
【図9】図9は、図4Aの回転式流体変位アセンブリのローターアセンブリの一実施形態の分解側面図であり、左から右に、第1の端板、ローター前部軸受、ローター、ローター後部軸受、および第2の端板を示す。
【図10】図10は、図5の回転式流体変位アセンブリの筐体の一実施形態の斜視図であり、シールの有効な受容のために構成される、筐体前面の一部に形成されるスロットを示す。
【図11】図11は、回転式流体変位アセンブリの筐体アセンブリの中に動作可能に載置されるローターの一実施形態の概略断面図であり、偏心カムの周囲で移動可能であり、ローターの外表面に対して移動可能であるゲートを示す。
【図12】図12は、回転式流体変位アセンブリの一実施形態の概略分解斜視図であり、左から右に、筐体前部カバー、第1の端板、ローター、ゲート、筐体、偏心シャフトに載置される偏心カム、第2の端板、および筐体後部カバーを示す。
【図13】図13は、偏心シャフトの一実施形態の斜視図である。
【図14】図14は、偏心シャフトに載置される偏心カムに対する回転のために載置される、ゲートの一部の概略斜視図であり、ゲートの各上下偏心板の複数部分と選択的に接触している偏心カムの複数部分を示す。
【図15A】図15Aは、第1の端板の斜視図である。
【図15B】図15Bは、図15Aの第1の端板の縁部の一部の部分立面図であり、TDCアセンブリの一部を動作可能に係合させるように構成される、第1の端板の縁部または輪郭の隆起部を示す。
【図15C】図15Cは、図15Aの第1の端板の断面図である。
【図16A】図16Aは、ローターの一実施形態の斜視図であり、ゲートの少なくとも一部の有効な受容のために構成される穴を示す。
【図16B】図16Bは、図16Aのローターの側面図である。
【図17】図17は、回転式流体変位アセンブリのゲートのゲート上偏心板およびゲート下偏心板の各幾何学的形状の一実施形態の概略図である。
【図18A】図18Aは、回転式流体変位アセンブリのゲートアセンブリの一実施形態の分解側面図であり、ゲート、ゲート上偏心板、ゲート下偏心板、少なくとも1つのゲート圧縮またはピストンシール、1対のゲートサイドシール、ゲートアペックスシール、1対のゲートシールアクチュエータ、およびゲートアクチュエータバネを示す。
【図18B】図18Bは、ゲートの遠位部の概略断面図であり、1対のゲートシールアクチュエータの間に載置されるゲートアクチュエータバネを示す。
【図19】図19は、図18Aのゲートの断面図である。
【図20】図20は、ゲートシールアクチュエータの斜視図である。
【図21A】図21Aは、回転式流体変位アセンブリの筐体の斜視図であり、筐体に部分的に載置されるTDCアセンブリを示す。
【図21B】図21Bは、筐体に載置され、その一部を形成するTDCアセンブリの部分斜視一部透視図である。
【図22A】図22Aは、TDCアセンブリの一実施形態の斜視部分透視分解図である。
【図22B】図22Bは、図22AのTDCアセンブリの斜視一部透視図である。
【図23】図23は、図22AのTDCアセンブリのTDCプルロッドの斜視図である。
【図24】図24は、図22AのTDCアセンブリのTDC表面シールの斜視図である。
【図25A】図25Aは、回転式流体変位アセンブリの第2の端板の斜視図である。
【図25B】図25Bは、回転式流体変位アセンブリの第2の端板の側面図である。
【図26】図26は、板弁アセンブリの分解斜視図を含む、板弁アセンブリの一実施形態の複数の図である。
【図27】図27は、図26の板弁アセンブリの断面図である。
【図28】図28は、回転式流体変位アセンブリの一実施形態の部分断面図であり、回転式流体変位アセンブリの所望の部分を潤滑するための例示的な潤滑手段を示す。
【図29】図29は、流体変位アセンブリの一実施形態の概略斜視図である。
【図30A】図30Aは、第2の端板に載置されるローターの一実施形態の概略斜視図であり、ローター、ゲート、および第2の端板の各複数部分における複数の例示的な入口ポートを示す。
【図30B】図30Bは、図30Aの背面図である。
【図31】図31は、回転式流体変位アセンブリの一実施形態の部分概略斜視図であり、偏心カムに動作可能に連結され、ローターに対するゲートの軸方向運動に作用する、コネクティングロッドアセンブリを示す。
【図32A】図32Aは、図31のゲートおよびコネクティングロッドアセンブリの概略側面図である。
【図32B】図32Bは、図31のゲートおよびコネクティングロッドアセンブリの概略底面斜視図である。
【図33A】図33Aは、回転式流体変位アセンブリの一実施形態の部分概略斜視図であり、カムを動作可能に圧迫し、ローターに対するゲートの軸方向運動に作用する、カム従動子アセンブリを示し、筐体の例示的な非円形内部空洞を示す。
【図33B】図33Bは、図33Aの回転式流体変位アセンブリの概略一部透視図であり、ローターに載置され、ローターに対して軸方向にゲートを付勢するように構成される、バネを示す。
【図34】図34は、カムを動作可能に圧迫する、図33Aに示すゲートのカム従動子アセンブリの斜視図であり、ゲートの近位端に対して配置されるバネを示す。
【図35A】図35Aは、回転式流体変位アセンブリの一実施形態の概略斜視図であり、回転式流体変位アセンブリのローターに載置され、それに対して移動可能である、デュアルエンドゲートを示す。
【図35B】図35Bは、図35Aの回転式流体変位アセンブリの断面図であり、デュアルエンドゲートの中に形成される入口ポートを示す。
【図36】図36は、偏心カムと有効に協働している、図35Aのデュアルエンドゲートの概略斜視図である。
【図37】図37は、回転式流体変位アセンブリの一実施形態の概略正面図であり、回転式流体変位アセンブリのローターに載置され、それに対して移動可能である、二重ゲートアセンブリを示す。
【図38】図38は、図37の二重ゲートアセンブリの概略斜視図である。
【図39】図39は、回転式コンプレッサの一実施形態の概略斜視図であり、回転式流体変位アセンブリのローターに載置され、それに対して移動可能である、四重ゲートアセンブリを示す。
【図40】図40は、偏心カムと有効に協働している、図39の四重ゲートの概略斜視図である。
【図41】図41は、取り込み弁の存在下および非存在下での様々なrpmで実行される例示的な回転式コンプレッサの体積効率を図示するグラフである。
【図42】図42は、1200rpmで実行される例示的な回転式コンプレッサのデッドヘッド圧力を図示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、以下の詳細な説明および図面、ならびにそれらの前後の説明を参照することによりさらに容易に理解することができる。本装置、システム、および/または方法が開示および記載される前に、他に特に指定のない限り、本発明が、開示される特定の装置、システム、および/または方法に限定されないことを理解されたい(当然のことながら、それらは異なり得る)。また、本明細書に使用される用語は、特定の側面を説明する目的にすぎず、限定することを目的としていない。
【0025】
本明細書で使用する単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上別段の明確な指示がない限り、複数指示対象を含む。したがって、例えば「ゲート(gate)」への言及は、文脈上別段の指示がない限り、2つ以上のそのようなゲートを含み得る。
【0026】
範囲は、「約」1つの特定の値から「約」別の特定の値までのように本明細書で表現され得る。そのような範囲が表現される場合、別の実施形態は、一方の特定の値から、および/または他方の特定の値までを含む。同様に、値が先行詞「約」を用いて近似値として表現される場合、特定の値が別の実施形態を形成することを理解されるであろう。各範囲の終点が、他方の終点に関連して、かつ他方の終点とは無関係に重要であることをさらに理解されるであろう。
【0027】
本明細書で使用する「任意の」または「随意に」という用語は、後に記載される事象または状況が起こっても、または起こらなくてもよいこと、ならびに該記載には、上記の事象または状況が起こる例、および起こらない例が含まれることを意味する。
【0028】
ここで、本発明の現在の好ましい側面を詳細に参照し、その実施例を添付の図面に示す。
【0029】
本明細書の様々な側面に従って記載される回転式流体変位アセンブリは、コンプレッサ、ポンプ、流量計、膨張器、および/またはエンジンとして機能することができると考えられる。概して、明確にするために、回転式流体変位アセンブリは、回転式コンプレッサとして本明細書に記載されるが、当然のことながら、当業者であれば理解するように、流体変位アセンブリは、上記に記載するような様々な用途において機能することができると考えられる。回転式流体変位アセンブリを「回転式コンプレッサ」として考察することにより限定することは目的とされず、むしろ回転式流体変位アセンブリのコンプレッサとしての記載により、当業者による流体変位アセンブリの十分な理解が可能となる。任意の特定の用途における作動流体は、液体、ガスであってもよく、または装置の選択された用途に対する要求に応じて、二相流様式を備えることができる。
【0030】
一側面によると、筐体、ローター、およびゲートを備える回転式コンプレッサが提供される。例示的な回転式コンプレッサを図1に図示する。一側面では、筐体110は、内壁表面を有する内部空洞を画定する。筐体は、内壁表面を二分する、筐体面に対して横断的に延在する長手軸をさらに有する。一側面では、ローター150は、周囲面を有し、筐体の内部空洞内に配置されてもよい。ローターは、ローター回転軸の周りを回転するように構成されてもよい。特定の側面によると、ローター回転軸(図3の軸B)は、図3に図示するように、筐体長手軸(軸A)に対して偏心している。一側面では、ゲート160は、遠位端を有し、ローターと共に摺動可能に載置されるように構成される。ゲートは、ゲートの遠位端がローターの周囲面から第1の距離を置いて配置される、第1の位置と、ゲートの遠位端がローターの周囲面から第2の距離を置いて配置される、第2の位置との周囲および間で軸方向に移動可能であってもよい。さらなる側面によると、ゲートの遠位端は、ローターがローター回転軸の周りを回転する際に、筐体の内壁表面から近接して離間しているように拘束されてもよい。
【0031】
さらに別の側面によると、ローターの周囲面の少なくとも複数部分、筐体の内壁表面の複数部分、およびゲートの遠位端に近接しているゲートの様々な部分は、ローターがローター回転軸の周りを回転する際に、様々な体積の圧縮チャンバ102を画定することができる。ローターの周囲面の少なくとも複数部分、筐体の内壁表面の複数部分、およびゲートの遠位端に近接しているゲートの様々な部分は、図2に図示するように、吸引チャンバ104も画定することができる。図2に示すように、ローターが回転されるにつれて(例えば矢印の方向に)、ゲート後方の吸引チャンバ104の体積が増加すると同時に、圧縮チャンバ102の体積は減少する。
【0032】
例示的な回転式コンプレッサを図4Aおよび4Bに図示する。一側面では、回転式コンプレッサは、図5に図示するように、筐体アセンブリを備える。特定の側面では、図5に図示するように、筐体110を備える筐体アセンブリが提供される。一側面では、筐体アセンブリは、筐体前部カバー113および筐体背面カバー114をさらに備える。筐体アセンブリは、筐体シャフトシール115、筐体主軸受116、筐体前部スペーサ117、筐体後部スペーサ118、筐体取り込みシールリテーナ121、および筐体取り込みシール120のうちの少なくとも1つをさらに備えることができる。
【0033】
例示的な筐体前部カバー113を図6に図示する。一側面では、筐体前部カバーは、実質的に板状であってもよく、前面および対向する背面を有することができる。筐体前部カバーは、前部カバーを通って延在する穴を画定することができる。随意に、穴は、3つの部分において形成されてもよく、各部分は、図6に示すように異なる寸法を有する。筐体前部カバーの背面に隣接して形成される部分等の、穴の少なくとも一部は、筐体主軸受を受容するように構成される。理解されるように、筐体主軸受は、偏心シャフトの近位部を受容するように構成される穴を画定することもできる(以下にさらに詳細に記載するように)。さらなる側面では、前部カバーの前面に隣接して形成される部分等の、筐体前部カバーの穴の少なくとも一部は、筐体シャフトシールを受容するように構成されてもよい。
【0034】
例示的な筐体背面カバーを図7に図示する。一側面では、筐体背面カバー114は、偏心シャフトの遠位端を受容するように構成または補完的に形状決定される、その中に画定された少なくとも1つの穴を有する。本明細書において以下にさらに記載するように、偏心シャフトの遠位端は、回転しないように偏心シャフトを係止する目的で、例えば非円形断面形状だがこれに限定されない所定の断面形状を有するように構成または切断されてもよい。別の側面では、取り込み通路を提供する用に構成される、少なくとも1つの孔が、筐体背面カバーの中に画定されてもよい(例えば、図7に示すように上記の背面カバーの穴の周囲に放射状に)。以下にさらに詳細に記載するように、取り込み通路は、ローター、ゲート、筐体、および/または第1および第2の端板のうちの1つもしくは両方の中の入口ポートと流体連通することができる。さらなる側面では、取り込み通路を密閉するために、取り込みシール120と共に、筐体取り込みシールリテーナ121(例えば図5に示す)が提供される。随意に、取り込み通路は、所定の位置で筐体の中に形成され、回転式コンプレッサの吸引チャンバ内への流体通路を可能にすることができる。
【0035】
図8は、筐体前部スペーサ117または筐体後部スペーサ118等の例示的な筐体スペーサを図示する。図5から分かるように、筐体前部スペーサは、筐体前部カバー113と筐体111の前面との間に配置されるように構成される。同様に、筐体後部スペーサは、筐体背面カバー114と筐体112の背面との間に配置されるように構成される。様々な実施形態では、筐体前部および後部カバーのいずれかまたは両方、ならびに/あるいは筐体は、前部および後部スペーサにより提供される間隔が、前部および後部カバーならびに/あるいは筐体に組み込まれるように構成されてもよいと考えられる。
【0036】
例示的なローター150を図9に図示する。一側面では、ローターは、第1の側面および対向する第2の側面を有する。一側面では、ローターは、概して円筒形であってもよいが、回転式コンプレッサ内の流体の体積流量を変化させるように選択可能である、他の幾何学的形状も考えられる。回転式コンプレッサは、ローターの各第1および第2の側面に載置され、それらと共に回転する、1対の端板151a、151bを備えることができる。一側面では、筐体110は、前面および対向する背面を有する。一側面では、1対の端板の第1の端板151aの複数部分は、図11に図示するように、筐体の前面の複数部分に密閉的かつ摺動可能に接触する。同様に、1対の端板の第2の端板151bの複数部分は、筐体の背面の複数部分に密閉的かつ摺動可能に接触する。
【0037】
一側面によると、回転式コンプレッサは、第1の端板151aと筐体111の前面との間、および第2の端板151bと筐体112の背面との間に実質的に流体不浸透性のシールを提供するための手段をさらに備える。例示的な一側面では、少なくとも1つのスロットが、第1および第2の端板の各々の周囲部の中に画定されてもよい。複数のシールが提供されてもよく、各シールは、第1および第2の端板の1つのスロットの中での相補的載置のために構成される。
【0038】
随意に、少なくとも1つのスロット122は、筐体の前面111および背面112の各々の中に画定されてもよく、少なくとも1つのスロットは、筐体の内部空洞を実質的に包囲する。少なくとも1つのシールが提供されてもよく、各シールは、筐体の1つのスロットの中での相補的載置のために構成される。例えば、図10に示すように、1つ以上のスロット122(例えば図10に示すような2つのスロットだがこれに限定されない)が、筐体の前面および背面の各々の中に形成されてもよく、筐体の内部空洞と実質的に同心であってもよい。図5に示すように、1つ以上のシール123が提供され、筐体の1つのスロットの中での相補的載置のために構成されてもよい。したがって、例えば筐体の前面および背面の各々上に2つのスロットが形成される場合、4つのシールが提供されてもよく、各々は、筐体の各スロットの中での相補的載置のために構成される。
【0039】
さらに別の側面では、1対の端板の第1の端板は、筐体の前面に載置されてもよく、複数の端板の第2の端板は、筐体の背面に載置されてもよい。回転式コンプレッサは、第1の端板とローターの第1の側面との間、および第2の端板とローターの第2の側面との間に実質的に流体不浸透性のシールを提供するための手段をさらに備えることができる。一側面では、少なくとも1つのスロットが、ローターの各第1および第2の側面の周囲部の中に画定される。少なくとも1つのシールが提供されてもよく、各シールは、ローターの1つのスロットの中での相補的載置のために構成される。
【0040】
一側面では、回転式コンプレッサは、図5および12に示すように、カム128を備える。カムは、筐体の内部空洞の中にカム軸の周囲に配置されてもよく、ゲートの選択部分に選択的に係合して、ゲートの遠位端がローターの周囲面から第1の距離を置いて配置される、第1の位置と、ゲートの遠位端がローターの周囲面から第2の距離を置いて配置される、第2の位置との周囲および間でのゲートの軸方向運動をもたらすように構成されてもよい。また、ローターは、ゲートの選択部分に作用し、ローターの周囲面に対するゲートの拘束された軸方向運動をもたらすように構成されてもよい。一側面では、カム128は、シャフトに沿って配置されてもよい。例えば、カムは、図5および12に示すように、偏心シャフト129の近位端と遠位端との間の位置に配置されてもよい。
【0041】
例示的な偏心シャフト129を図13に図示する。一側面では、偏心シャフトは、実質的に円筒形であってもよく、近位端および対向する遠位端を有する。一側面では、遠位端に近接している偏心シャフトの一部は、遠位端の断面が非円形になるように取り除かれてもよい。例えば非限定的に、遠位端の断面形状は、半円形、一部円形(すなわち、一部は、直径以外の円の弦に沿って取り除かれてもよい)、または他の幾何学的形状であってもよい。随意に、偏心シャフトは、その長さの一部または実質的に全部に沿って非円形断面を有することができる。様々な側面によると、偏心シャフトは、前述のように、筐体前面および背面カバー113、114に対して、または当業者に既知のような代替の取付または組込(すなわち、筐体端板の一部として製造される)方法を使用して、固定されてもよい。
【0042】
図14に示すような例示的なカム128は、実質的に円筒形であってもよく、所定の幅を有することができる。一側面では、カムは、偏心シャフトを受容するようにサイズおよび形状決定される、その中に画定された穴を有することができる。様々な側面によると、穴の中心は、カムの中心からずれてもよい(すなわち、穴がカムと同心ではないように)。さらなる側面では、カムは、偏心シャフトの近位端と遠位端との間の位置に配置されてもよい(図5および14に示すように)。一側面によると、カムは、偏心シャフトを使用することなく、選択された取付方法により、筐体110に対して回転しないように固定されてもよいと考えられる。さらに別の実施形態では、カムは、例えば軸受筒、ローラー軸受、ニードル軸受、または当業者に既知である同様の低摩擦装置を使用して、カムとゲートとの間の摩擦力が減少することができるような軸受を備えることができる。さらなる側面では、カムは、ローターの運動に対して一定または可変速度で回転され、ローター回転軸の周りを回転する際に、ゲートの所望の位置決めに作用することができる。カム回転は、ベルト、ギア、チェーン駆動、リンケージ、および他の同様の手段等の当業者に既知である手段によりもたらされてもよい。
【0043】
前述のように、様々な側面における回転式コンプレッサは、ローターの各第1および第2の側面に載置され、それらと共に回転する、1対の端板151a、151bを備える。図15Aおよび15Cに示すように、第1の端板151aは、そこから外向きに延在するシャフト状または雄突起を有する、実質的に円形の板状構造を備えることができる。例示的な一側面では、突起は、実質的に円筒形であってもよく、第1の端板の平面に対して実質的に直角または垂直に、第1の端板から外向きに延在することができる。さらなる側面では、突起および第1の端板は、実質的に同心であってもよい(すなわち、突起の長手軸は、第1の端板の幾何学的中心を実質的に通過する)。別の側面によると、突起は、第1の端板に固定して取り付けられてもよい。さらなる側面では、突起は、様々な例示的な側面において、トルクの滑り止めトランスミッションのための従来のキー溝部分を有することができ、制限することを意図していないが、キー溝部分は、スプラインシャフト、ピンシャフト等であってもよい。
【0044】
さらなる側面では、第1の端板の突起は、図15Cの断面図に示すように、第1の端板の内表面から突起の中に所定の深さ延在する、止まり穴を有することができる。本側面では、穴は、偏心シャフトの近位端を受容するように構成されてもよい。偏心シャフトの近位端は、偏心シャフトが固定または静止状態のままである一方で、ローターが偏心シャフトの周りを回転することを可能にするために、ローター前部軸受152を通して挿入され、第1の端板の突起の中に画定された穴に挿入されてもよい。
【0045】
一側面では、偏心シャフトは、突起の穴の中に配置される入れ子式転がり軸受により支持されてもよく、軸受は、例えば軸受筒、ローラー軸受、ジャーナル軸受、円錐ころ軸受だがこれに限定されない、既知の軸受要素から構成されてもよい。いくつかの側面では、入れ子式軸受は、円錐ころ軸受であってもよく、ローターが筐体に対して適切に整列させられ得るように、偏心シャフトおよびローターのある軸方向運動が、摩耗またはアセンブリ公差に適合することを可能にするために、偏心シャフトの遠位端部内に調節手段が提供されてもよい。他の側面では、回転要素のための所望の整列を達成するために、スラスト軸受が提供されてもよい。
【0046】
同様に、第2の端板151bは、偏心シャフトの遠位端を受容するために構成されてもよい、第2の端板を通じて延在する穴を画定することができると考えられる。ローター前部軸受に関して記載するように、偏心シャフトの遠位部は、ローターが偏心シャフトに対して、およびそれの周りを回転することを可能にするために、ローター後部軸受153を通じて挿入され、次いで、第2の端板の中の穴を通じて挿入されてもよい。
【0047】
一側面では、第1の端板、第2の端板、または第1および第2の端板の両方は、カム状輪郭を提供する、その周囲の一部に沿ったわずかな突起を有することができる(例えば図15Bに示す)。以下にさらに詳細に記載するように、第1および/または第2の端板のカム状輪郭は、TDCアセンブリのシール要素を連結するために、TDCアセンブリのクロスバーと相互作用することができる。
【0048】
様々な側面によると、ローター150は、図16Aに示すように、ゲートの摺動可能な受容のために構成される穴155を画定する。一側面では、ローターは、図16Aに示すように、カムの回転受容のために構成される、中心に配置されたチャンバを画定する。一側面では、穴155は、チャンバを中心で二分する穴軸を有する。穴は、図16Bの断面図に示すように、止まり穴であってもよい(すなわち、それはローター全体を通じて延在していない)。
【0049】
さらなる側面では、ゲートは、概して円筒形であってもよく、ローターの穴は、ゲートを受容するために補完的に円筒形であってもよい。随意に、ゲートは、非円筒形状を有することができ、ローターの穴は、ゲートを受容するために補完的に形状決定されてもよい。例示的に図17〜19に示すように、ゲート160は、カム128の複数部分との選択的接触のために構成される、少なくとも1つの荷担面を有する、隙間161を画定することができる。一側面では、少なくとも1つの荷担面は、1対の対向する荷担面162a、162bを備える。特定の側面によると、上記のように、穴軸は、ローターのチャンバを中心で二分することができる。本側面では、ゲートの1対の対向する荷担面は、ゲートが穴により摺動可能に受容される場合、穴軸に対して実質的に横断的に配置されてもよい。さらなる側面では、1対の対向する荷担面は、ゲートの長手軸に沿って相互から離間され、カム軸の周囲で相互の反対側に配置される。荷担面のうちの少なくとも1つの少なくとも一部は、湾曲してもよい。
【0050】
一側面では、ゲートは、図18Aに示すように、上偏心板163aおよび下偏心板163bを備えることができる。一側面では、上下偏心板163a、163bは、1対の対向する荷担面162a、162bをそれぞれ画定することができる。随意に、ゲートは、1対の対向する荷担面がゲートと共に一体的に形成されるように機械加工されてもよい。いずれかの側面においても、1対の荷担面の各荷担面は、少なくとも部分的に湾曲してもよい。上荷担面162aは、第1の曲率半径(r1)を有することができる(例えば図17に示す)。下荷担面162bは、第2の曲率半径(r2)を有することができる。一側面では、第1の曲率半径(r1)および第2の曲率半径(r2)は、図17に示すように、第1および第2の曲率半径により描かれる円が実質的に同心であるように、選択されてもよい。さらなる側面では、これらの描かれた円の中心が、ゲートの頂点により画定されてもよい。他の側面では、下偏心板および上偏心板(またはカムと接触しているゲートの機械加工された複数部分)は、湾曲したまたは部分的に湾曲した表面よりもむしろ、平らな輪郭を有することができる。理解されるように、ゲート(および/または上下偏心板)は、カムまたはローターの穴と機械的接触をしている領域において処理されるか、またはめっきが施され、回転式コンプレッサの動作中の構成要素の十分な寿命を提供することができる。
【0051】
一側面では、回転式コンプレッサは、高流圧におけるゲートの歪曲および偏位を最小化するための手段を備える。一側面では、ローターの穴の少なくとも一部は、円筒断面形状を有することができ、ゲートの少なくとも複数部分は、ローターの穴を補完する円筒断面形状を有することができる。本側面では、ゲートの複数部分の円筒形状は、優れた慣性モーメントにより、高流圧および高回転速度でのゲートの歪曲および偏位に対する改善された耐性を提供することができる。
【0052】
さらなる側面では、ゲートは、ローターに装着され、ローター内に提供されるゲート穴の軸に沿って延在する内部ガイドピンを介して、その軸方向運動の間、好適な整列のためのさらなる支持を有することができる。本側面では、ガイドピンは、その長手軸に沿って走るゲート自体の中に提供される穴内に受容されてもよい。このようにして、ゲートを圧迫する横力は、ローター内のゲート穴、および穴内に備わっているガイドピンの両方により伝えられてもよい。随意に、ガイドピンが摩擦荷重を減少させるために上に載っているゲートの内部穴内に、軸受要素が提供されてもよい。
【0053】
さらに別の側面では、回転式コンプレッサは、円筒断面形状を有するゲートの複数部分の外側部に載置される、少なくとも1つの密閉要素を備える。例えば図19に図示するように、1つ以上の溝171が、ゲートの遠位端に近接して形成されてもよい。随意に、1つ以上の溝は、ゲートの近位端に近接して、またはゲートの遠位端および近位端の両方に近接して形成されてもよい。1つ以上のゲート密閉要素172が提供されてもよく、各々は、図18Aに示すように、各溝により受容されるように構成される。ゲート密閉要素は、従来のピストンおよびシリンダーシール技術において概して既知であるように、ゲートとローターの穴との間にシールを提供することができる。それにより、ゲート密閉要素は、ゲートが第1および第2の位置の間で軸方向に移動させられる際に、穴に対してゲートを密閉する働きをすることができる。また、ゲートの少なくとも複数部分が非円筒断面形状を有する様々な側面では、所望の密閉レベルを達成するために、ゲートの周囲の長さに沿った選択された位置において、適切なゲート密閉要素が提供されてもよいと考えられる。
【0054】
前述のように、一側面では、ゲートは、ローターと共に摺動可能に載置され、ゲートの遠位端がローターの周囲面から第1の距離を置いて配置される、第1の位置と、ゲートの遠位端がローターの周囲面から第2の距離を置いて配置される、第2の位置との周囲および間で軸方向に移動可能である。一側面では、第1の距離は、第2の距離よりも大きい。一側面では、第2の距離は、ローターの周囲面に近接していてもよい。さらに別の側面では、第2の位置において、ゲートの遠位端は、ローターの周囲面またはそれよりも下にあってもよい。
【0055】
ゲートの遠位端は、ローターがローター回転軸の周りを回転する際に、筐体の内壁表面から近接して離間しているように拘束されてもよい。一側面では、ゲートの遠位端は、約0.0001インチと約0.2000インチとの間の拘束範囲で、筐体の内壁表面から近接するように拘束されてもよい。随意に、ゲートの遠位端は、約0.0003インチと約0.1500インチとの間の拘束範囲で、筐体の内壁表面から近接して離間しているように拘束されてもよい。さらに別の側面では、ゲートの遠位端は、約0.0005インチと約0.1000インチとの間の拘束範囲で、筐体の内壁表面から近接して離間しているように拘束されてもよい。
【0056】
様々な側面によると、ゲートの遠位端は、スロットを画定する。回転式コンプレッサは、ゲートのスロットの中で移動可能である、少なくとも1つの平面部材、およびローターが回転する際に、少なくとも1つの平面部材に選択的に作用して、少なくとも1つの平面部材の外縁部を筐体の内壁表面と摺動接触している状態で維持するように構成される、付勢要素を備える、シールアセンブリをさらに備えることができる。一側面では、少なくとも1つの平面部材の質量は、ゲートの質量の約50パーセント未満である。別の側面では、少なくとも1つの平面部材の質量は、ゲートの質量の約10パーセント未満である。随意に、少なくとも1つの平面部材の質量は、ゲートの質量の約2パーセント未満であってもよい。さらに別の側面によると、少なくとも1つの平面部材の質量は、ゲートの質量の約1と約60パーセントとの間であってもよい。また、随意に、少なくとも部分的に、圧縮チャンバを密閉要素の底面に流体接続する通路を提供することにより、圧縮チャンバの加圧ガスにより、少なくとも1つの平面部材に対する付勢力が提供されてもよいと考えられる。
【0057】
一側面では、ゲートの遠位端は、図17に示すように、概して先細であってもよい。先細端部は、遠位端の2つの対向する側面が、内向きに先細であり、実質的に頂点で集まるように形状決定されてもよい。さらなる側面では、遠位端の対向する先細側面を接続する2つの側面は、ゲートの円筒形の複数部分と実質的に平行であり、それらに接続している。一側面では、先細端部は、ゲートがローターの中に引っ込むにつれて、膨張圧力が作用するより大きな領域を生成するのに役立つように構成される。例えば、従来の油圧ベーンモータでは、ベーンが引っ込むにつれて、露出領域が減少され、膨張器の有効性を低下させる。
【0058】
ゲートの先細端部の上記の構成は、ローターが回転する際に、全体積減少に対する勾配を低下させ、つまりゲートがローターの穴へと下向きに引っ込むにつれて、1ローター回転度当たり、少量の増分体積を追加し、全体積が減少する速度を低下させる。このように、例示された構成は、三日月形状が閉じるにつれて、体積の一部を穴へと下方に移動させる。「穴の体積」は、三日月形状の体積の減少よりも遅く増加するため、結果は、最終的に圧縮事象となる。
【0059】
ゲートの遠位端部に対して代替形状が使用されてもよいと考えられる。様々な側面では、圧縮または膨張動作のいずれかを最適化するために、ゲートの先細端部のうちの1つの側面または両方の側面上に、異なる幾何学的形状が使用されてもよい。例えば、一側面では、ゲートの端部が、圧縮側面上にテーパーを有しない場合、圧縮比の増加が生じる。あるいは、吸引面上に急なテーパーを提供することにより(すなわち、ゲートの遠位端部の先細部の高さ幅比がより大きい)、1「ストローク」毎に取り込まれる体積は増加される。本装置が膨張器として使用される場合、ゲートの先細端部は、例えば非限定的に、その遠位端上のゲートの輪郭の幾何学的形状を変化させることにより、実質的に「一定の体積膨張」ストロークを生成する等、回転の所与の部分に対して最も高い得られたモーメント反作用を生成するように構成されてもよいと考えられる。
【0060】
前述のようなゲートの例示的な先細端部は、圧力が作用することができる、または吸引体積が増加することができる、ゲートの中の引き込み「ポケット」を提供することができる。先細構成により、回転式コンプレッサが最終クリアランス体積に向かって移動するにつれて、ある程度の体積が圧縮チャンバの中で増加することが可能となる。先細端部の特定の形状は、ゲート/筐体の幾何学的形状のみに依存するよりもむしろ、圧縮動力学を調整するための手段を提供する。
【0061】
様々な側面によると、少なくとも1つのスロットが、ゲートの遠位端により画定される。一側面では、ゲートの遠位端により画定されるスロット164は、図19に示すように、三面スロットである。スロットの第1の面または頂点面は、先細端部の頂点に沿って形成される。三面スロットの後の2つの対向する側縁部は、ゲートの円筒形の複数部分に実質的に平行であり、それらと接続しているゲートの側面に沿って頂点から離れて下向きに延在する(図19に示すように)。一側面では、三面スロットは、ゲートの先細端部の中の共通面内に配置される。さらなる側面では、ゲートの遠位端部は、その中に画定され、頂点スロットと実質的に平行である先細端部を通じて延在する穴をさらに備えることができる。本側面では、画定された穴は、スロットの後の2つの側縁部の遠位端(非頂点)において形成されてもよい。
【0062】
一側面では、スロット164は、図18Aに示すように、アペックスシール166および1対のサイドシール167を補完的かつ動作可能に受容するように構成されてもよい。様々な側面によると、アペックスシールおよびサイドシールは、ゲートの遠位端部に対する単一シールとして形成されてもよいと考えられる。例えば、単一シールは、スロット164の中に配置され、筐体の内壁表面ならびに第1および第2の端板のそれぞれに対して、ゲートの遠位端部の頂点および側面を密閉するように構成される、弾性材料、付勢可能な材料、または他の材料を備えることができる。
【0063】
1対のゲートシールアクチュエータ168(図18Aおよび20に図示する)ならびにゲートアクチュエータバネ169が提供され、図18Bに示すように、ゲートの遠位端部の穴の中に動作可能に配置されてもよい。図18Aおよび18Bに示すように、ゲートアクチュエータバネ169は、穴の中に配置されてもよく、ゲートシールアクチュエータ168の各々は、ゲートアクチュエータバネの両側の穴に配置されてもよい。サイドシール167は、スロットの2つの側縁部に配置されてもよく、アペックスシール166は、スロットの頂点面に配置されてもよい。
【0064】
例示的な一側面では、サイドおよびアペックスシールの各々は、概して台形である。ゲートシールアクチュエータ、サイドシール、およびアペックスシールの一般的な幾何学的形状により、筐体および/またはローターの複数部分に対するゲートの密閉がもたらされ得る。ゲートアクチュエータバネは、ゲートシールアクチュエータに作用し、ゲートアクチュエータバネの長手軸に平行な方向に、穴内で縦方向に摺動することができる。ゲートシールアクチュエータは、サイドシール167に対して作用し、サイドシール167は、アペックスシール166に対して作用する。シールの角度が付いた端部幾何学的形状により、バネから適用された力が、それらの各合わせ面に対して(一側面では、1対の端板の内表面に対して)、サイドシールを外向きに圧迫すると同時に、この力をアペックスシールまで上方に平行移動させ、それにより筐体の内壁表面に対してアペックスシールを付勢することが可能となる。このようにして、バネの横力が、サイドシールに移され、ゲートと第1および第2の端板との間にシールを作製する。サイドシールとアペックスシールとの間の角度が付いた接触面により、バネの横力は、横および上方の力としてサイドシールを通じて平行移動され、筐体の内壁表面に対してアペックスシールを圧迫する。随意に、圧縮チャンバ内の圧縮流体は、シール自体の中またはゲート内に提供される通路を通じて方向付けられることができ、加圧流体は、所与のチャンバの流体密閉に必要な付勢力の全てまたは一部を提供するために、選択されたシールの底面に作用する。
【0065】
さらに別の側面によると、回転式コンプレッサは、筐体の内壁表面とローターの周囲面との間の最小の運転時クリアランスの位置に近接して、筐体の内壁表面から外向きに延在するシール要素をさらに備える。シール要素の縁部は、ローターの周囲面との選択的な摺動可能接触のために構成されてもよい。さらなる側面では、回転式コンプレッサは、ローターが回転する際に、ゲートの遠位端がシール要素の上方を通過する時に、シール要素の縁部が、筐体の内壁表面またはそれより下にあるように、筐体内でシール要素を引き出すための手段を備えることができる。
【0066】
一側面では、少なくとも1つの上死点(TDC)アセンブリが提供され、シール要素を備える。TDCアセンブリ130は、図21Aに示すように、筐体110に挿入され、その一部を形成することができる。随意に、以下に記載するようなTDCアセンブリの構成要素は、筐体と一体的に形成されてもよい。したがって、別々のTDCアセンブリに関して以下に記載するが、TDCアセンブリの構成要素のうちの1つ以上は、筐体と一体的に形成され、以下に記載する方法と同様の方法で動作することができる。図22Aおよび22Bに図示するように、例示的なTDCアセンブリ130は、TDC挿入部131、シール要素132(一側面では、TDC表面シール133および1対の対向するTDC側面シール134を備える)、TDCクロスバー135、TDCプルロッド136、TDCボタンシール137、および密閉バネ部材138を備えることができる。
【0067】
TDC挿入部131は、TDCアセンブリの主要本体部を備え、TDCアセンブリが筐体の切り抜き部に挿入される時に、筐体の内壁表面と実質的に接続する内表面を有する。したがって、内表面は、筐体の内壁表面の曲率半径に実質的に等しい曲率半径を有する。溝またはTDCシールランドが、内表面の一部の中に画定され、TDC表面シールおよびTDC側面シール等のシール要素を補完的に受容するように構成される。TDCアセンブリが筐体の中に配置されると、溝は、実質的に筐体の前面から筐体の背面に延在する。特定の側面では、溝は、筐体の前面に対して鋭角に配置される。好ましい側面では、溝は、図21Aに図示するように、筐体の前面に垂直ではない角度で配置される。本側面では、ゲートがTDCシール要素を通過する際に、ゲートのアペックスシールは、TDCシール要素に平行ではなく、それにより、回転式コンプレッサの動作中のアペックスシールおよびシール要素のもつれを最小化または防止する。
【0068】
さらに別の側面では、少なくとも1つの空洞140がTDC挿入部131の各前面および背面の中に画定される。本側面では、各空洞は、TDC挿入部の中へと部分的に内向きに延在する(すなわち、止まり穴)。各空洞は、TDCボタンシール137の有効な受容のために構成される。随意に、TDC挿入部の外表面からTDC挿入部の中へと延在する追加の空洞が、TDC挿入部の中に画定されてもよい。例示的な一側面では、空洞は、TDC挿入部の外表面からTDCシールランドに延在することができる。別の側面では、空洞のうちの2つは、図22Aおよび22Bに示すように、密閉バネ部材138を動作可能に受容するように構成されてもよい。
【0069】
穴がTDC挿入部の中に画定されてもよく、プルロッド136を動作可能に受容するように構成されてもよい。随意に、複数の穴がTDC挿入部の中に画定されてもよく、各穴は、各プルロッドを受容するように構成される。一側面では、例えば図23に示すプルロッドの遠位端は、TDC表面シール133の一部の中に画定される切り欠き141に挿入され、それにより保持されてもよい(図24に示すように)。プルロッドのシャフトは、穴を通じてTDC挿入部の外表面を越えて延在する。プルロッドの対向する近位端は、クロスバー135(プルロッドに対して実質的に垂直に配置される)の一部の中に画定される穴を通過するように構成され、例えば非限定的に、ナット139で定位置に保持されてもよい。図22Aおよび22Bに示すように、一側面では、クロスバーは、TDC挿入部の幅よりも大きい所定の長さを有する(すなわち、TDC挿入部の前面と背面との間の距離、または実質的に筐体の前面と背面との間の距離)。
【0070】
クロスバーは、一側面では、ローターが回転する際に、ゲートの遠位端がシール要素の上方を通過する時に、筐体の内壁表面またはそれよりも下になるように、TDCアセンブリのシール要素を配置するために、第1および第2の端板151a、151bにより動作可能に係合されてもよい。例えば、前述のように、第1および第2の端板のうちの1つ以上は、それらの周囲に沿って突起を有することができ、カム状輪郭をもたらす。突起が、筐体の前面および背面を越えて延在するクロスバーの1つまたは両方の端部の上方を通過し、それらと接触する際に、クロスバーは移動され、それにより、筐体の内壁表面またはそれよりも下の位置までシール要素を引き出す。本開示の範囲から逸脱することなく、TDCシール要素を連結するために代替作動手段が使用されてもよく、すべてのそのような連結手段が、本開示により意図されることが理解され得る。そのような作動手段としては、空気圧、油圧(例えば回転式コンプレッサの外部流体、制御流体、および/または作動流体を使用して)、電子、電気機械、または機械的動作を提供する他の既知の手段が挙げられるがこれに限定されない。
【0071】
例えば図2を参照すると、前述のように、一側面では、ローターの周囲面の複数部分、筐体の内壁表面の複数部分、およびゲートの遠位端に近接しているゲートの様々な部分は、吸引チャンバ104および圧縮チャンバ102を画定し、各チャンバは、ローターがローター回転軸の周りを回転する際に、様々な体積を有する)。様々な側面によると、回転式コンプレッサのローター150、ゲート160、筐体110、第1の端板151aおよび/または第2の端板151b、あるいは他の構成要素のうちの1つ以上の中に、吸引および/または圧縮チャンバと流体連通している1つ以上の入口ポートが提供されてもよい。同様に、回転式コンプレッサのローター、ゲート、筐体、第1および/または第2の端板、あるいは他の構成要素のうちの1つ以上の中に、1つ以上の出口ポートが提供されてもよい。例えば一側面では、図16A、16B、および30Aに図示するように、ローターは、吸引チャンバおよび/または圧縮チャンバと流体連通している少なくとも1つのローター入口ポート156を備えることができる。本側面では、入口ポートは、ローターの周囲面から第2の側面等のローターの側面に延在し、流体通路を形成することができる。別の側面によると、第2の端板151bは、少なくとも1つの入口ポートを備えることができる。例えば図25A〜25Bおよび30A〜30Bに示すように、第2の端板は、第1の入口ポート157および第2の入口ポート158を備えることができる。一側面では、第1の入口ポート157は、ローター入口ポート156と流体連通し、それにより実質的に連続した流体通路を提供する。第2の端板の中に形成される入口ポートのうちの少なくとも1つは、筐体背面カバーの中に形成される1つ以上の孔と協働し、実質的に連続した流体取り込み通路を提供するように構成されてもよい。
【0072】
一側面によると、筐体は、図29に図示するように、吸引および/または圧縮チャンバと流体連通している、少なくとも1つの筐体入口ポート124を有することができる。別の側面では、ゲート160は、吸引および/または圧縮チャンバと流体連通している、少なくとも1つのゲート入口ポート175を有することができる。本側面では、回転式コンプレッサは、ゲートの中の少なくとも1つの入口ポートを選択的に開閉するための手段を備えることができる。一側面では、図29に図示する回転式コンプレッサのローターは、図面を見て反時計方向に回転するように構成されてもよいと考えられる。本側面では、限定することを目的とせず、ローター、第2の端板、および/またはゲートの中に形成される1つ以上の入口ポートは、ローターが回転を始める際に(すなわち、ゲートアペックスシールがTDC位置を通過する際に)、入口ポートがTDC位置に近接して配置され、ローターがその回転を継続するにつれて、流体を吸引チャンバに引き込むことができるように、配置されてもよいと考えられる。同様に、筐体の中に形成される入口は、TDC位置に近接して配置されてもよい。しかしながら、入口ポートの位置は、要求に応じて選択されてもよいと考えられる。
【0073】
同様に、一側面では、回転式コンプレッサのローター、ゲート、第1のおよび/または第2の端板、筐体、ならびに/あるいは他の構成要素は、圧縮チャンバと流体連通している、少なくとも1つの出口ポートを有することができる。例えば特定の側面では、ゲートは、圧縮チャンバと流体連通している、少なくとも1つの出口ポートを有することができる。回転式コンプレッサは、ゲートの中の少なくとも1つの出口ポートを選択的に開閉するための手段をさらに備えることができる。さらに別の側面では、図29に図示するように、筐体出口ポート125が筐体の中に形成されてもよい。一側面では、筐体出口ポート125は、TDC位置に近接して配置されてもよく、ローターが回転を完了する際に、圧縮チャンバの中の実質的に全ての流体が、筐体出口ポートを介して圧縮チャンバから出る。以下にさらに記載するように、一側面では、回転式コンプレッサのための排出弁として機能する弁が、筐体出口ポートの中に載置されてもよい。
【0074】
さらなる側面では、ゲートの中に提供されるポートがローターの中に提供されるポートと整列させられる際に、該ポートを開くために、ローター内のゲートの軸方向運動が使用されてもよい。本側面では、ローター運動の選択期間の間、出口ポートは、1つ以上の体積チャンバと流体連通して配置され、その間の流体流動を可能にする。さらに他の側面では、ローター端板の中に出口ポートが提供されてもよく、ローター端板が筐体に対して偏心移動するに際に、選択された体積チャンバと流体連通して配置される。この例示された側面では、ローター運動の選択期間の間、ポートは、流体連通が確立されることを可能にし、体積チャンバのうちの1つ以上からの流体の取り込みまたは流出を可能にする。あるいは、作動流体のための主要な入口または出口通路を提供するように構成されるポートが、筐体の少なくとも一部の中に提供されてもよく、または形成された筐体ポートが、上記に記載するような他の構成要素の中に提供される、主要ポートに対する追加ポートとして機能することができると考えられる。
【0075】
回転式コンプレッサは、圧縮チャンバの中の圧縮された流体の逆流を防ぐ働きをする、筐体に載置される排出弁をさらに備えることができる。他の側面では、回転式コンプレッサは、取り込み流体の逆流を低減または排除するために、取り込み通路の中に配置される取り込み弁を備えることができる(例えば筐体の入口ポートの中に配置されるがこれに限定されない)。様々な側面によると、例えば限定することを目的とせず、排出弁および/または取り込み弁は、リード弁、板弁、フラッパ弁等を備えることができる。
【0076】
ここで図26〜27を参照すると、例えば排出弁として機能するために、筐体の出口ポートの中に配置されてもよい、例示的な板弁アセンブリ180が図示される。様々な側面によると、板弁アセンブリは、チャンバシール181、弁板182、弁座183、密閉要素184、シールバネ185、および弁本体186を備えることができる。組立時、弁板、弁座、および弁本体は、共通軸の周囲に放射状に配置される複数のチャネルを画定すると考えられる。一側面では、密閉要素184および各シールバネ185は、各複数のチャネル内に配置される。一実施例では、密閉要素は、実質的に球面であってもよい。一側面によると、限定することを目的とせず、弁本体の中に5つのチャネルが形成され、それにより5つの密閉要素が、各形成されたチャネルの中に載置される。一側面では、弁本体は、図27に示すように、板弁アセンブリが組み立てられる時に、シールバネおよび密閉要素がチャネル内に保持されるように、形状決定される。随意に、シールバネは、省略されてもよく、密閉要素の運動および密閉機能は、板弁アセンブリを通じた流体流動により制御されてもよい。他の側面では、密閉要素は、それらの各チャネル内で精密嵌合されてもよく、密閉要素の運動は、実質的に制限され、それにより密閉要素が拘束されない運動をするのを防ぐための制動機構を提供する。理解され得るように、板弁アセンブリまたは他の同様の弁が提供されてもよく、回転式コンプレッサのための排出弁として機能するように構成されてもよい。
【0077】
様々な側面によると、回転式コンプレッサは、周囲面およびローター軸を有するローター、ならびに内壁表面を有する内部空洞を画定する筐体を備えることができ、筐体は、ローター軸に対して偏心している筐体長手軸の周りを回転するように構成されてもよい。ローターは、筐体の内部空洞内に配置されてもよい。本明細書に記載するようなゲートは、ローターと共に摺動可能に載置され、ゲートの遠位端がローターの周囲面から第1の距離を置いて配置される、第1の位置と、ゲートの遠位端がローターの周囲面から第2の距離を置いて配置される、第2の位置との周囲および間で軸方向に移動可能であってもよい。本側面では、第1および第2の端板が提供されてもよく、ローターに固定して取り付けられるか、またはローターに載置されてもよい。したがって、ローターおよび端板は、筐体が筐体長手軸の周りを回転する際に、静止位置で保持または維持されてもよい。そのような回転式コンプレッサは、例えばコンプレッサ、ポンプ、膨張器、またはそれらの任意の組み合わせとして使用されてもよい。
【0078】
要求され得るような高圧力比を生成するために、本明細書に記載するような2つ以上の回転式コンプレッサを用いて、複合装置が組み立てられてもよいと考えられる。例示的な一側面では、第1段階回転式コンプレッサは、その出口ポート、または第2段階回転式コンプレッサの入口と選択的に流体接続して配置されるポートを有することができる。様々な側面では、第2段階は、非限定的に、遠心コンプレッサ、スクロールコンプレッサ、往復コンプレッサ、軸流タービンコンプレッサ等の多くの既知のコンプレッサ装置のうちの任意の1つであってもよい。あるいは、第1段階は、本明細書の様々な側面に従って記載するような既知のコンプレッサまたはポンプから構成されてもよく、後続段階は、回転式コンプレッサまたはその組み合わせを用いて組み立てられてもよいと考えられる。そのような多段階コンプレッサは、例えば非限定的に、コンプレッサ、ポンプ、膨張器、エンジン、またはそれらの任意の組み合わせとして使用されてもよい。
【0079】
図4A、4B、および11を参照すると、回転式コンプレッサは、上記のような構成要素のいずれかまたは全てを備えるように組み立てられてもよい。一側面では、ゲートは、ゲートの先細端部の穴にシールアクチュエータを挿入することにより組み立てられてもよい。アペックスシールおよびサイドシールは、ゲートの頂点において三面スロットの各複数部分に挿入されてもよい。1つ以上のゲート密閉要素は、円筒断面形状を有するゲートの複数部分の中に形成される溝内に配置されてもよい。一側面では、ゲートの中に配置される際に1対の対向する荷担面を画定する、ゲート下偏心板および上偏心板が提供される。したがって、一側面では、上偏心板および下偏心板は、ゲートの本体内に配置されてもよい。次いで、ゲートは、ローターの穴に挿入されてもよい。
【0080】
様々な側面によると、シールアクチュエータは、ゲートサイドシールを圧迫し、第1および第2の端板の内表面に対してゲートサイドシールを圧迫すると考えられる。前述のように、ゲートサイドシールおよびゲートアペックスシールの構成および幾何学的形状により、ゲートサイドシールが受ける横力は、横方向にゲートアペックスシールに平行移動され、それにより筐体の内壁表面に対してゲートアペックスシールを圧迫する。これらの押圧は、回転式コンプレッサの動作中の好適な密閉を確実にする働きをすることができる。一側面では、ゲートサイドシールは、約0.01ポンドと約15.0ポンドとの間の範囲の押圧を受ける。さらなる側面では、ゲートサイドシールは、好ましくは約4.0ポンドの力を受ける。別の側面によると、ゲートアペックスシールは、約2.0と約40.0ポンドとの間の範囲の押圧を受ける。さらに別の側面では、ゲートアペックスシールおよびゲートサイドシールは、本明細書において上記に記載する力を引き起こすために、代替バネ要素を用いて構成されてもよい。
【0081】
一側面では、TDCアセンブリが提供され、筐体の中に載置されてもよい。TDC挿入部は、筐体内に配置されてもよく、TDCプルロッドの遠位端は、TDC表面シールの切り欠きに挿入されてもよく、それは、TDC挿入部の中の溝またはTDCシールランドに挿入されてもよい。同様に、TDC側面シールは、溝に挿入されてもよく、ボタンシールは、TDC挿入部の前面および背面上の各穴に挿入されてもよい。TDCクロスバーは、筐体前面から筐体背面に延在する穴に挿入されてもよい(例えば図21に示すようなTDCクロスバーリリーフ)。密閉バネ要素およびナットは、筐体の外表面から挿入されてもよく、ナットは、TDCプルロッドの遠位端に固定されてもよい。1つ以上のシールは、筐体の前面および/または背面の中に画定される各スロット内に配置されてもよい。理解され得るように、一側面では、TDCアセンブリは、筐体と少なくとも部分的に一体になってもよい。したがって、本側面では、様々なTDCアセンブリ構成要素は、筐体の中に直接組み立てられてもよい。
【0082】
次いで、ローター(その中にゲートが配置される)は、筐体の内部空洞内に配置されてもよい。一側面では、筐体内の通常のローターの位置(すなわち、筐体長手軸に対するローター回転軸の位置により画定されるローターの位置)、および筐体に対する通常のローターの位置は、筐体内のローターの回転運動にもかかわらず一定である。したがって、図3に図示するように、ローターの周囲面および筐体の内壁表面が最も近い点または位置がある。特定の側面では、この点は、回転式コンプレッサの上死点(TDC)位置に実質的に等しくてもよい。TDCシール要素、またはより具体的にTDC表面シールは、筐体の内壁表面とローターの周囲面との間でシールを維持するように作用すると考えられる。
【0083】
偏心シャフトおよびカムは、ローターの中心に配置されたチャンバ、およびゲートの画定された隙間部の中に挿入されてもよい。カムは、隙間によって画定される少なくとも1つの荷担面に近接して、ゲートの隙間の中に配置されるように、偏心シャフトに沿って配置されもよい。一側面では、カムは、ゲートの上下偏心板の間に配置されもよい。様々な側面によると、カムの形状は、ローターの穴によりローター内に拘束されるゲートが、カムと、上下偏心板等のゲートの隙間の少なくとも1つの荷担面上の噛合接触点との間の接触点により画定される、その放射状位置を有するように選択されてもよいと考えられる。ローターがローター回転軸の周りを回転する際に、ゲートの円周経路が、ローターの回転中心により画定され、ゲートの放射状膨張が、カムの幾何学的形状により固定される。このようにして、ゲートの遠位端は、筐体の内壁表面から近接して離間しているように拘束され、筐体の内壁表面に対する過剰な力または不安定な力で圧迫しないように拘束される。
【0084】
一側面では、カムは、ゲートの遠位端が筐体の内壁表面から近接して離間された距離で維持され得るように設計される。一側面では、ゲートの遠位端は、約0.0001インチと約0.2000インチとの間の拘束範囲、約0.0003インチと約0.1500インチとの間の拘束範囲、または約0.0005インチと約0.1000インチとの間の拘束範囲で、筐体の内壁表面から近接して離間しているように拘束される。別の側面では、ゲートの遠位端は、筐体内表面の直径の0.01%と15.0%との間の拘束範囲で、筐体の内壁表面から近接して離間しているように拘束される。
【0085】
このように、ゲートと筐体の内壁表面との間の摩耗および接触摩擦は、最小化または排除され得る。本明細書に記載するように、ゲートの遠位端と筐体の内壁表面との間(ならびに/あるいは第1および第2の端板の内表面の間)の密閉は、ゲートサイドシールおよびゲートアペックスシールに作用するゲートシールアクチュエータのバネ力により達成されてもよい。他の側面では、ゲートの遠位端と筐体の内壁表面との間(ならびに/あるいは第1および第2の端板の内表面の間)の密閉は、正確な機械加工およびアセンブリ公差により得られる緊密な運転時クリアランスにより達成されてもよく、それにより、非接触密閉機能を生成し、摩擦および摩耗を低減する。
【0086】
偏心シャフトの近位部は、ローター前部軸受を通じて、第1の端板のシャフトの中に形成される穴に挿入されてもよい。同様に、偏心シャフトの遠位部は、ローター後部軸受を通じて、第2の端板を通じて挿入され、筐体後部カバーの中の噛合穴に挿入されてもよい。一側面では、筐体前部スペーサは、筐体前部カバーと筐体の前面との間に配置される。図8に示すように、筐体前部スペーサは、第1の端板が自由に回転できる空隙を画定することができる。同様に、筐体後部スペーサは、筐体背面カバーと筐体の背面との間に配置されてもよく、第2の端板が自由に回転できる空隙を画定することができる。随意に、前述のように、筐体前部および後部スペーサは、排除されてもよく、筐体前部および後部カバーならびに/あるいは筐体は、回転式コンプレッサが組み立てられる時に、各空隙を提供するように構成されてもよい。
【0087】
回転式コンプレッサは、例えば非限定的に機械的締結部、例えば非限定的にスクリュー、ボルト、リベット、クランプ、ナットで圧迫されたスタッド等、またはそれらの任意の組み合わせ等の従来の手段と共に連結または組み立てられてもよい
と考えられる。例えば図6〜8および10に図示するように、筐体前部カバー、筐体前部スペーサ、筐体、筐体後部スペーサ、および筐体後部カバーに対して、補完的な締結孔が画定されてもよい。しかしながら、筐体アセンブリの任意の数の要素は、単一の機械部品または鋳造に合わせて一体的に形成されてもよいとも考えられる。
【0088】
様々な側面によると、第1および第2の端板は、ローターと同時に回転するように、ローターの第1および第2の側面にそれぞれ固定して取り付けられてもよい。一側面では、第1および第2の端板は、筐体の前面および/または背面の中に画定される各スロットの中に配置される、少なくとも1つのシールにより、筐体の前面および背面に対して実質的に密閉されてもよい。本側面では、ゲートサイドシールは、第1および第2の端板の内表面がローターの回転に対して固定されている場合、それらに対して掃引するよりもむしろ、それらに対して軸方向に上下に平行移動する。このように、密閉性能を改善することができ、摩擦を低減することができる。理解され得るように、ローター内のゲートの密閉、および筐体の内壁表面に対するゲートの密閉を提供するために、任意の数のシールが使用されてもよく、様々な側面は、本明細書に記載するよりも多い、または少ないシールを含むことができると考えられる。いくつかの側面では、シールのうちの1つ以上は、例えば限定することを目的とせず、圧縮チャンバもしくは他の場所から送られる流圧を用いて、または付勢要素を用いて、またはそれらの組み合わせにより、シールの合わせ面に対して付勢されてもよいと考えられる。
【0089】
他の側面によると、第1および第2の端板は、筐体に固定して取り付けられてもよい。例えば、第1の端板は、筐体の前面に載置されてもよく、第2の端板は、筐体の背面に載置されてもよい。第1の端板とローターの第1の側面との間、および第2の端板とローターの第2の側面との間に実質的に流体不浸透性のシールを提供するための手段が提供されてもよい。本側面では、ゲートサイドシールは、様々な他の側面に従って本明細書に記載するように、第1および第2の端板の内表面に対して軸方向または横方向に移動するよりもむしろ、それらに対して「掃引」すると考えられる。様々な側面によると、より少ないシール(例えばゲートシール、TDCシール等)が提供されてもよく、密閉は、回転式コンプレッサの構成要素間の選択された接触面における緊密なアセンブリ公差により効果的に達成され得ると考えられる。随意に、筐体に対するゲートの正確な位置決めにより、すなわち、ゲートの遠位端が筐体からの緊密な選択公差で保たれるようにゲートを配置することにより、所望の性能が達成され得るように、選択された密閉要素の排除により、無給油コンプレッサまたは真空ポンプが構成されてもよい。本側面は、典型的なシール接触点における摩擦および摩耗の低減により、長い耐用年数を得ることができる。
【0090】
動作中、ローターが筐体内で回転する際に、ゲートアセンブリは、上記のように、第1および第2の位置の周囲および間で軸方向に移動される。ゲートの遠位端が、ローターおよび筐体が最も近い点(すなわち、実質的にTDC位置)に近づく時に、第1および第2の端板のカム状輪郭により、TDCクロスバーが、筐体の内壁表面から離れて外向きに移動し、それによりプルロッドが、TDC表面シールに対して牽引力を働かせる。それにより、TDC表面シールは、筐体の内壁表面またはそれより下の位置に引き込まれる。
【0091】
さらなる側面によると、上記のTDC表面シールの引っ込みは、TDC位置を過ぎるゲートの運動と実質的に同時に起こることができ、ゲートアペックスシールとTDC表面シールとの間の任意の接触を最小化または排除しながら、ゲートがTDC位置を通過することを可能にする。したがって、所定の量の隆起をTDC表面シールに提供し、ゲートがTDC位置を通過する際に、TDC表面シールがゲートの任意の部分により当たる、または接触されることを防ぐために、第1および第2の端板の各々におけるカム状の突起が配置され形状決定されてもよい。
【0092】
様々な側面によると、TDC表面シールがゲートアペックスシールに不都合に接触することを防ぐために、追加手段が提供されてもよい。例えば、ゲートがTDC位置を通過する際に、ゲートアペックスシールおよびTDC表面シールが平行でないように、TDC表面シールが、筐体の前面および背面に対してある角度を成して(上記のように)配置されてもよい(それにより2つのシール間の完全な接触を防ぐ)。TDC表面シールの角度が付いた位置決めにより、TDC表面シールを受容するように構成される、TDC挿入部の中に形成される溝またはシールランドに、ゲートアペックスシールが掴む、またはそこに入ることをさらに防ぐことができる。別の側面では、TDC表面シールの引っ込みは、ゲートアペックスシールがTDC表面シールを過ぎて移動し、それと接触する際に、ゲートアペックスシールにより提供される押す力により、ゲートアペックスシールにより引き起こされ得、TDC表面シールは、TDC挿入部野溝に引っ込むように付勢される。
【0093】
さらに別の側面によると、TDC表面シールは、固定シールであってもよいと考えられる(すなわち、静止状態のままであり、TDC挿入部の溝またはシールランドに引き込まれない)。本側面では、ゲートアペックスシールは、ゲートアペックスシールが「固定」TDC表面シールを通過するにつれて、ゲートアペックスシールを筐体長手軸に向かって内向きに平行移動させるための手段を有して構成されてもよい。平行移動させるための手段は、ローターが筐体内で回転する際に、ゲートの遠位端に対するゲートアペックスシールの位置を制御するように構成される、偏心カム上のカム表面を備えることができる。
【0094】
TDC表面シール、サイドシール、およびTDCボタンシールの幾何学的形状および相対位置決めにより(図22A〜22Bに示すように)、TDC表面シールの引っ込み運動は、TDCアセンブリの他の構成要素における運動を引き起こすことができる。一側面では、TDC表面シールがプルロッドの牽引力により引き込まれるにつれて、TDC側面シールが外向きに押され、それによりTDCボタンシールが外向きに押される。
【0095】
動作中、一側面では、TDC側面シールは、小さい接触面積に沿って各第1および第2の端板と係合することができ、該接触面における摩耗を引き起こす。一側面では、TDC側面シールが摩耗するにつれて、それらはTDCボタンシールと係合し、TDC表面シールの上方で圧縮チャンバを密閉する。さらに、動作中、TDC側面シールは、各第1および第2の端板の内表面に対して各TDCボタンシールに圧力を働かせ、第1および第2の端板に対するTDC側面シールの接触および圧力を制限する。本側面では、各端板に対するTDCボタンおよびサイドシールの接触面の大きい総表面積は、適用された圧力を減少させ、摩耗を最小量まで効果的に低減することができる。別の側面では、TDCボタンおよびサイドシールのこの例示された実施形態は、サイドシールが、所望の密閉を最大限化するために、ボタンシールの内表面に対して実質的に常に圧迫していることを確実にする。
【0096】
動作中、流体取り込み(空気または他のガス取り込み、液体取り込み等)は、上記の様々な入口ポートを介して達成される。例えば、第2の端板上に形成される入口ポートと密閉流体連通している入口ポートが、筐体背面カバーの中に形成されてもよい。第2の端板の入口ポートは、ローターの入口ポートと流体連通していてもよい。このようにして、空気等の流体が、回転式コンプレッサの吸引チャンバへと運ばれ得る。理解され得るように、ローターの初期回転において、流体は、ゲートの後方に画定される回転式コンプレッサの吸引チャンバに引き込まれる。初期回転の終わりに、ゲートがTDC位置を通過する時に、初期回転の吸引チャンバに引き込まれた流体は、後続回転の圧縮チャンバの中の流体になる。
【0097】
例えばこの空気(または他の流体)通路を通じて、空気は、ローターの回転、およびローターアセンブリの運動により生成される低圧力(例えば真空)により(すなわち、ゲートの後方の吸引チャンバ体積が膨張するにつれて)、吸引チャンバに自然に送り込まれる、または引き込まれてもよい。さらに、ローターの側面を通じて空気を吸引チャンバに入れることにより、既知のコンプレッサにおいてよりも、作動チャンバを充填するために必要な流動慣性は少ない。むしろ、空気は、ローターがローター回転軸の周りを回転する際に、ローターの側面の中の入口ポートにより、吸引チャンバ内に「消費」される。空気の各別々の要素は、既知のポペットおよびフラッパ弁と同様に、その通路からさらなる空気を押し出す必要なく、吸引チャンバに入る。代わりに、空気の各別々の要素は、ローターの運動により生成される圧力勾配により、吸引チャンバに「引き入れられる」。
【0098】
膨張モードの動作中、流体流動は、ローターおよびその周辺の外側を通じて、ゲートに近接して、かつゲートの後方に提供されるポートを通じて、膨張チャンバの中に送られてもよい。本側面では、ゲートに対して圧迫する流体は、全てのすでに注入された流体を通じてその圧力を移す必要はなく、それよりもむしろ、ゲートの遠位端に近接して、かつその後方で、新たな充填量の流圧が常に供給される。
【0099】
別の側面では、空気(または他の流体)の取り込みにより、ローターが流入空気充填により冷却されることが可能となり、本明細書に記載する様々な側面に従って組み立てられる回転式コンプレッサの寿命および効率を助けることができる。
【0100】
一側面では、回転式コンプレッサの圧縮比は、本明細書に記載する入口および出口ポートの選択的位置決めにより決定されてもよい。回転式コンプレッサ内の全回転は、ほぼ完全な360度の取り込みおよび圧縮「ストローク」を提供することができる。これは、入口および/または出口ポートの選択的位置を通じて固定的に変更されてもよい。随意に、回転式コンプレッサのストロークは、移動するポート位置を使用して、リアルタイムで変更可能または可変にすることもできる。本側面では、回転式コンプレッサのストロークを変化させるために、ローターの回転の中のローターの位置に対して、従来のシャッタ、スライディングポート、スリーブ、またはポート(入口ポート、出口ポート、または両方)の位置を変更する同様の手段が使用されてもよい。同様に、吸引チャンバに取り込まれる流体の量は、同様の手段を用いて可変であってもよいと考えられる。
【0101】
さらに別の側面によると、ゲートの近位部がローターの穴内で軸方向に移動されることを観察して想定され得るように、ゲートの底部(すなわち、ゲートの遠位端の反対側の近位部)が、制御弁、ポンプ等として使用されてもよい。本側面では、ローターの穴は、止まり穴であってもよい。それにより、穴の閉じた底部において、閉じた作動体積が生成され得、ゲートの上下軸方向運動が、この閉じた作動体積の体積を膨張および縮小させる。ポンプまたはコンプレッサが穴の底部において機能するように、選択された弁、ポート、およびポンプまたはコンプレッサの同様の構成要素の組み込みにより、この膨張および縮小が使用されてもよく、同様に、ゲートの近位部は、選択された位置でローターの穴の中に形成されるポートを用いて、摺動弁またはスリーブ弁として使用されてもよい。
【0102】
様々な側面によると、ゲートの底部または近位部は、追加のゲートとして機能するように構成されてもよく、筐体の内壁表面に接触するように構成されるゲートシールアセンブリ(すなわち、ゲートの近位端における各スロットの中に配置される、ゲートアペックスシールおよびゲートサイドシール)を備えることができる。理解され得るように、ゲートの数を倍増することにより、回転式コンプレッサの中のチャンバの数が倍増されてもよい。ポンプ効率を最大限化するために、回転式コンプレッサの内外への流体流動をもたらすために、ローターおよび/または筐体内に追加の入口および出口ポートが提供されてもよいと考えられる。さらに別の側面によると、回転式コンプレッサの吸引、圧縮、および/またはポンプ機能を増加させるために、複数のゲートが提供されてもよい。
【0103】
ここで図28を参照すると、回転式コンプレッサの例示的な潤滑システムが図示される。一側面では、各第1および第2の端板の放射状縁部は、ローターが回転する際に、組み立てられた回転式コンプレッサの下部の複数部分の中に配置される油槽を通過するように構成される。第1および第2の端板の複数部分に付着する油は、組み立てられた回転式コンプレッサの上部の複数部分に運び込まれる。油が上部の複数部分に運び込まれると、筐体シールは湿潤され、油は、第1および第2の端板と各筐体前部および後部カバーとの間の実質的に開いた空隙の中に振り落とされる。そのような例示的な潤滑システムは、例えば内部潤滑コンプレッサまたはポンプで使用されてもよい。当然のことながら、油槽は省略されてもよく、回転式コンプレッサにより圧縮される、または送り込まれる作動流体が、潤滑剤としての機能を果たすことができると考えられる。他の側面では、潤滑剤は、様々なシールおよび接触面を含む、回転式コンプレッサのための必要な潤滑を提供するために、作動流体と混合されてもよい。
【0104】
様々な側面によると、例えば筐体、第1および第2の端板、および/または他の位置の外部の選択された位置に配置される冷却用フィンだがこれに限定されない、回転式コンプレッサを冷却するための手段が提供されてもよく、周囲空気が、冷却用フィンにアクセスし、器具から周囲空気への熱伝達を促進することができる。他の側面では、所望の冷却を得るために、空気/空気、液体/空気、空気/液体、または液体/液体冷却プロセスを組み込んだ、特定の冷却回路が提供されてもよい。
【0105】
さらに別の側面によると、取り込み空気は、回転式コンプレッサの高温構成要素の中に提供される通路を経由し、これらの領域から取り込み気流へと熱流束を増大させることができる。いくつかの側面では、回転式コンプレッサを越える空気流を促進するために、外部ファンが提供されてもよい。随意に、所望の冷却レベルを提供するために、油冷却回路が採用されてもよい。いくつかの側面では、油分離装置が、油冷却回路に組み込まれてもよく、排出流内のいかなる空気中の油も除去、冷却、および装置へと再循環されるように、出口の空気が調整される。
【0106】
前述のように、一側面では、ゲートの対向する荷担面は、偏心カムと相互作用し、ローター内のゲートの軸方向運動をもたらすことができる。別の側面によると、図31、32A、および32Bに図示するように、偏心カムと相互作用し、ゲートの軸方向運動をもたらすために、コネクティングロッドアセンブリが提供されてもよい。例えば32Aおよび32Bに示すように、コネクティングロッド191は、ゲートの遠位端に近接して、ゲート260に取り付けられてもよい(例えばピン192を用いてだがこれに限定されない)。コネクティングロッドは、ゲートの隙間の中へと下向きに延在することができる。一側面では、隙間の中へと延在するコネクティングロッドの部分は、カムを受容するようにサイズおよび形状決定される孔を画定する。ローターがローター回転軸の周りを回転する際に、コネクティングロッドも同様に、カムの周りを回転し、それによりローターの穴内のゲートの軸方向運動を引き起こす。
【0107】
図33A、33B、および34を参照し、さらに別の側面によると、ゲートの軸方向運動は、ゲート360の中のカム従動子機構によりもたらされてもよい。本側面では、カム328は、例えば図33Aに示すように非円形だがこれに限定されない、任意の形状を有することができると考えられる。ローラー393を備えるカム従動子機構は、ゲートの中に提供されてもよく、ローラーは、ゲートの隙間の中に延在し、カムを相互作用する。33Bおよび34に示すように、カムの表面に対してローラーを付勢するために、バネ394が提供されてもよい。ローターがローター回転軸の周りを回転する際に、ローラーはカムに従動し、それによりローターの穴内のゲートの軸方向運動を引き起こす。図面に示すように、本側面では、筐体は、例えば図33Aに示すように非円形だがこれに限定されない、任意の断面形状を有する内部空洞を画定することができると考えられる。
【0108】
例示的に図示するように、本明細書に記載する様々な実施形態では、筐体の内部空洞の形状は、カムの形状を補完するように選択されてもよく、逆もまた同様であり、ローターがローター回転軸の周りを回転する際に、ゲートの遠位端が筐体の内壁表面から近接して離間しているように拘束され得ると考えられる。
【0109】
様々な他の側面によると、回転式コンプレッサは、1つ以上のゲートを備える、および/または筐体の内壁表面から近接して離間しているように構成される、1つ以上の端部を備える、ゲートアセンブリを備えることができる。例えば図35Aおよび35Bに図示するように、回転式コンプレッサは、デュアルエンドゲート460を備えることができる。本側面では、ローターの穴は、デュアルエンドゲート460を受容するために、ローター全体を通じて延在するように構成されてもよく、デュアルエンドゲートは、ローター450内に摺動可能に載置され、その中で軸方向に移動可能であってもよい。デュアルエンドゲートは、遠位端および対向する近位端を有することができる。デュアルエンドゲートは、デュアルエンドゲートの遠位端がローターの周囲面から第1の距離を置いて配置される、第1の位置と、デュアルエンドゲートの遠位端がローターの周囲面から第2の距離を置いて配置される、第2の位置との周囲および間で、ローターの穴の中で軸方向に移動可能であってもよい。第1の位置において、デュアルエンドゲートの近位端は、ローターの周囲面から実質的に第2の距離を置いて配置され、第2の位置において、デュアルエンドゲートの近位端は、ローターの周囲面から実質的に第1の距離を置いて配置されると考えられる。デュアルエンドゲートの遠位端および近位端の各々は、ローターがローター回転軸の周りを回転する際に、筐体の内壁表面から近接して離間しているように拘束されてもよい。
【0110】
一側面では、ローター450の周囲面の少なくとも複数部分、筐体の内壁表面410の複数部分、およびデュアルエンドゲートの遠位端に近接しているデュアルエンドゲート460の様々な部分は、ローターがローター回転軸の周りを回転する際に、様々な体積の第1の圧縮チャンバを画定する。同様に、ローターの周囲面の少なくとも複数部分、筐体の内壁表面の複数部分、およびデュアルエンドゲートの近位端に近接しているデュアルエンドゲートの様々な部分は、ローターがローター回転軸の周りを回転する際に、様々な体積の第2の圧縮チャンバを画定する。
【0111】
さらに別の側面によると、少なくとも1つの入口ポート475が、デュアルエンドゲートアセンブリの中に形成されてもよい。特定の側面では、入口ポートは、デュアルエンドゲートの遠位端および近位端の各々の中に形成される。一側面では、遠位端は、第1の圧縮チャンバと流体連通している、少なくとも1つの入口ポートを画定することができる。別の側面では、近位端は、第2の圧縮チャンバと流体連通している、少なくとも1つの入口ポートを画定することができる。さらに別の側面によると、遠位端および近位端の各々は、第1の圧縮チャンバおよび第2の圧縮チャンバのそれぞれと流体連通している、少なくとも1つの入口ポートを画定することができる。
【0112】
様々な側面によると、回転式コンプレッサは、デュアルエンドゲートの各遠位端および近位端の中の少なくとも1つの入口ポートを選択的に開閉するための手段をさらに備えることができる。例えば限定することを目的とせず、図35Bの断面図に図示するように、デュアルエンドゲートの入口ポート475は、ローターの穴内のデュアルエンドゲートの軸方向運動の所定の位置において、回転式コンプレッサの、例えば第2の端板451bだがこれに限定されない、端板の各入口ポート457と整列するように構成されてもよい。この所定の位置において、ゲート入口ポート475は、第2の端板の入口ポートと第1または第2の圧縮チャンバの各々との間に、取り込み通路を提供することができる。ローターがローター回転軸の周りを回転し、それによりローターの穴の中のデュアルエンドゲートの軸方向運動をもたらすと、取り込み通路は、ゲート入口ポート475および端板入口ポート457のそれぞれの整列または非整列に基づき、選択的に開閉されてもよい。
【0113】
図36に示すように、デュアルエンドゲート460は、カム428の複数部分との選択的接触のために構成される、少なくとも1つの荷担面を有する、隙間461を画定することができる。デュアルエンドゲートの遠位端および対向する近位端の各々は、各ゲートアペックスシール466を受容するための各スロット464を画定することができる。一側面では、ゲートアペックスシール466は、第1および第2の端板ならびに筐体の内壁表面のそれぞれに対するゲートのサイドおよびアペックスシールを提供するように構成される、単一シールであってもよい。随意に、図18Aに関して記載するゲートを参照して考察されるような、ゲートアペックスシールおよびサイドシールが提供されてもよい。別の側面によると、デュアルエンドゲートアセンブリの各端部は、各ゲート密閉要素472を受容するための、少なくとも1つの溝471を画定することができる。
【0114】
一側面では、上記のように、TDCアセンブリが筐体の中に提供されてもよい。当然のことながら、図35Aおよび35Bに示すような筐体が、TDCアセンブリなしで提供されてもよいと考えられる。本側面では、筐体とローターおよび/またはゲートとの間の密閉は、緊密な製造公差または他の手段により提供されてもよい。
【0115】
前述のように、デュアルエンド部を有するゲートは、単一デュアルエンドゲートアセンブリとして形成されてもよい。随意に、例えば図37および38を参照して、第1のゲート部560aおよび第2のゲート部560b(各々は、偏心カム528と有効に協働する)を備える、二重ゲートアセンブリが提供されてもよい。第1および第2のゲート部の各々は、ローターがローター回転軸の周りを回転する際に、筐体の内壁表面から近接して離間しているように拘束されてもよい、各遠位端部を備えることができる。例示的なゲートアセンブリ160に関する上記のように、二重ゲートアセンブリの各ゲート部560a、560bは、カム528の複数部分との選択的接触のために構成される、少なくとも1つの荷担面を有する、隙間を画定することができる。少なくとも1つの荷担面は、ゲートの複数部分の各々に機械加工される、および/または上記のような上下偏心板により提供される、1対の対向する荷担面を備えることができる。一側面では、第1および第2のゲート部の各々は、図17に示すゲートに関して記載するように、少なくとも部分的に湾曲した、1対の対向する荷担面を備えることができる。ローターがローター回転軸の周りを回転する際に、第1および第2のゲート部560a、560bの各々は、カム528と動作可能に協働し、ローターの穴の中の第1および第2のゲート部の軸方向運動をもたらし、それにより筐体の内壁表面に対するゲートの複数部分の各々の遠位端の位置を効果的に制御することができる。
【0116】
さらに別の側面によると、回転式コンプレッサは、図39および40に図示するように、四重ゲートアセンブリ660を備えることができる。一側面では、四重ゲートアセンブリは、2つのデュアルサイドゲートアセンブリを備えることができ、各々は、対向する端部を有し、カム628の複数部分との選択的接触のために構成される、少なくとも1つの荷担面を有する、実質的に中心に位置する隙間を画定する。デュアルサイドゲートアセンブリは、カムがデュアルサイドゲートアセンブリの各々の隙間の中に配置されるように、相互に対して実質的に垂直に配置されてもよい。一側面によると、ローター650の周囲面の少なくとも複数部分、筐体の内壁表面610の複数部分、およびデュアルサイドゲートアセンブリの各端部に近接している四重ゲートアセンブリ660の様々な部分は、複数の吸引および/または圧縮チャンバを画定することができる。
【0117】
(実験)
プロトタイプ回転式コンプレッサを図4Aおよび4Bに図示するように構成した。筐体の内部空洞は、内径が129.5mmであった。回転式コンプレッサの行程体積は、98cmであり、クリアランス体積は、3.8cmであり、26:1の圧縮比を得た。回転式コンプレッサを使用していくつかの試験を実行し、試験からのデータを図41に示す。図から分かるように、取り込み弁を用いて、1800rpmおよび2000rpmで試験を実行し、追加の試験を、取り込み弁なしで1800rpmおよび2000rpmで実行した。体積効率(ηvol)および等エントロピー効率(ηis)を以下の式を用いて計算した。
【0118】
【数1】

ここで、
【0119】
【数2】

は、測定された質量流量(kg/s)であり、vは、状態点1における比体積(m/kg)であり、
【0120】
【数3】

は、理論体積流量(m/s)であり、hは、状態点1におけるエンタルピー(kJ/kg)であり、h2sは、等エントロピー圧縮プロセスに対する状態点2におけるエンタルピー(kJ/kg)であり、Wcompは、コンプレッサへの入力電力(W)である。
【0121】
プロトタイプの「デッドヘッド」圧力性能を測定するために、追加の試験を実行した。1200rpmにおいて、38:1を超える圧力比を記録した。本試験の結果は、図42から分かる。
【0122】
本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本発明に様々な修正および変更が行われてもよいことは、当業者には明らかであろう。本発明の他の側面は、本明細書に開示する本発明の明細書および実施を考慮して、当業者には明らかであろう。本明細書および実施例は、例示的なものとしてのみ見なされよう意図され、本発明の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲により示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転式流体変位アセンブリであって、
内壁表面を有する内部空洞を画定する筐体であって、該筐体は、該内壁表面を二分する、筐体面に対して横断的に延在する筐体長手軸を有する、筐体と、
周囲面を有し、該筐体の該内部空洞内に配置されるローターであって、該筐体長手軸に対して偏心しているローター回転軸の周りを回転するように構成される、ローターと、
遠位端を有するゲートであって、該ゲートは、該ローターと共に摺動可能に載置され、該ゲートの該遠位端が該ローターの該周囲面から第1の距離を置いて配置される、第1の位置と、該ゲートの該遠位端が該ローターの該周囲面から第2の距離を置いて配置される、第2の位置との周囲および間で軸方向に移動可能である、ゲートであって、該ゲートの該遠位端は、該ローターが該ローター回転軸の周りを回転する際に、該筐体の該内壁表面から近接して離間しているように拘束される、ゲートと
を備える、回転式流体変位アセンブリ。
【請求項2】
前記ローターの前記周囲面の少なくとも複数部分、前記内壁表面の複数部分、および前記ゲートの前記遠位端に近接している前記ゲートの様々な部分は、前記ローターが前記ローター回転軸の周りを回転する際に、様々な体積の流体チャンバを画定する、請求項1に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項3】
前記ローターは、前記流体チャンバと流体連通している、少なくとも1つの入口ポートを有する、請求項2に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項4】
前記ゲートは、前記流体チャンバと流体連通している、少なくとも1つの入口ポートを有する、請求項2に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項5】
前記ゲートの中の前記少なくとも1つの入口ポートを選択的に開閉するための手段をさらに備える、請求項4に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項6】
前記筐体は、前記流体チャンバと流体連通している、少なくとも1つの入口ポートを有する、請求項2に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項7】
前記第1の距離は、前記第2の距離よりも大きい、請求項1に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項8】
前記第2の距離は、前記ローターの前記周囲面に近接している、請求項1に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項9】
前記第2の位置において、前記ゲートの前記遠位端は、前記ローターの前記周囲面またはそれより下にある、請求項1に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項10】
前記筐体は、前記流体チャンバと流体連通している、少なくとも1つの出口ポートを有する、請求項1に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項11】
前記ゲートは、前記流体チャンバと流体連通している、少なくとも1つの出口ポートを有する、請求項1に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項12】
前記ゲートの中の前記少なくとも1つの出口ポートを選択的に開閉するための手段をさらに備える、請求項11に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項13】
前記ローターは、圧縮チャンバと流体連通している、少なくとも1つの出口ポートを有する、請求項1に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項14】
カム軸の周囲で前記内部空洞内に配置され、前記ゲートの複数部分に選択的に係合して、前記各第1および第2の位置の周囲または間での前記ゲートの軸方向運動をもたらすように構成される、カムをさらに備える、請求項1に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項15】
前記ローターは、前記ゲートの選択部分に作用して、前記ローターの前記周囲面に対して前記ゲートの前記拘束された軸方向運動をもたらすように構成される、請求項14に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項16】
前記ローターは、前記ゲートの摺動可能な受容のために構成される穴を画定する、請求項14に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項17】
前記ゲートは、前記カムの複数部分との選択的接触のために構成される、少なくとも1つの荷担面を有する、隙間を画定する、請求項16に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項18】
前記少なくとも1つの荷担面は、1対の対向する荷担面を備える、請求項17に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項19】
前記ローターは、前記カムの回転受容のために構成される、中心に配置されたチャンバを画定する、請求項17に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項20】
前記穴は、前記チャンバを中心で二分する穴軸を有し、前記ゲートの前記1対の対向する荷担面は、前記穴軸に対して実質的に横断的に配置される、請求項19に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項21】
前記1対の対向する荷担面は、前記ゲートの長手軸に沿って相互から離間され、前記カム軸の周囲で相互の反対側に配置される、請求項20に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項22】
少なくとも1つの荷担面の少なくとも一部は、湾曲している、請求項17に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項23】
高流圧における前記ゲートの歪曲および偏位を最小化するための手段をさらに備える、請求項16に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項24】
前記ローターの前記穴の少なくとも一部は、円筒断面形状を有し、前記ゲートの少なくとも複数部分は、該ローターの該穴を補完する円筒断面形状を有する、請求項23に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項25】
前記円筒断面形状を有する前記ゲートの前記少なくとも複数部分の外側部上に載置される、少なくとも1つの密閉要素をさらに備える、請求項24に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項26】
前記ゲートの前記遠位端は、約0.0001インチと約0.2000インチとの間の拘束範囲で、前記筐体の前記内壁表面から近接して離間しているように拘束される、請求項1に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項27】
前記ゲートの前記遠位端は、約0.0003インチと約0.1500インチとの間の拘束範囲で、前記筐体の前記内壁表面から近接して離間しているように拘束される、請求項1に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項28】
前記ゲートの前記遠位端は、約0.0005インチと約0.1000インチとの間の拘束範囲で、前記筐体の前記内壁表面から近接して離間しているように拘束される、請求項1に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項29】
前記ゲートの前記遠位端は、前記筐体の内表面の直径の0.01%と15.0%との間の拘束範囲で、前記筐体の前記内壁表面から近接して離間しているように拘束される、請求項1に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項30】
前記ゲートの前記遠位端は、スロットを画定し、該ゲートの該スロットの中で移動可能である少なくとも1つの平面部材を備えるシールアセンブリをさらに備える、請求項1に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項31】
前記シールアセンブリは、前記ローターが回転する際に、前記少なくとも1つの平面部材に選択的に作用して、該少なくとも1つの平面部材の外縁部を前記筐体の前記内壁表面と摺動接触している状態に維持するように構成される、付勢要素をさらに備える、請求項30に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項32】
前記シールアセンブリは、前記ローターが回転する際に、前記少なくとも1つの平面部材の前記外縁部を前記筐体の前記内壁表面と摺動接触している状態に維持するように、該少なくとも1つの平面部材に作用する付勢力を適用するための手段をさらに備える、請求項30に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項33】
前記少なくとも1つの平面部材の質量は、前記ゲートの質量の約50パーセント未満である、請求項30に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項34】
前記少なくとも1つの平面部材の質量は、前記ゲートの質量の約10パーセント未満である、請求項30に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項35】
前記少なくとも1つの平面部材の質量は、前記ゲートの質量の約2パーセント未満である、請求項30に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項36】
前記少なくとも1つの平面部材の質量は、前記ゲートの質量の約1と約60パーセントとの間である、請求項30に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項37】
前記ローターは、第1の側面と、対向する第2の側面とを有し、該ローターは、該ローターの該それぞれの第1および第2の側面に載置され、それらと共に回転する、1対の端板をさらに備える、請求項2に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項38】
前記1対の端板のうちの少なくとも1つは、前記流体チャンバと流体連通している入口ポートを画定する、請求項37に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項39】
前記1対の端板のうちの少なくとも1つは、前記流体チャンバと流体連通している出口ポートを画定する、請求項37に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項40】
前記筐体は、前面と、対向する背面とを有し、前記1対の端板の第1の端板の複数部分は、該筐体の該前面の複数部分に、密閉的かつ摺動可能に接触し、第2の端板の複数部分は、該筐体の該背面の複数部分に、密閉的かつ摺動可能に接触する、請求項37に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項41】
前記第1の端板と前記筐体の前記前面との間、および前記第2の端板と該筐体の前記背面との間に、実質的に流体不浸透性のシールを提供するための手段をさらに備える、請求項40に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項42】
実質的に流体不浸透性のシールを提供するための前記手段は、
前記第1および第2の端板の各々の周囲部内に画定される、少なくとも1つのスロットと、
複数のシールであって、各シールは、該第1および第2の端板の1つのスロットの中での相補的載置のために構成される、複数のシールと
を備える、請求項41に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項42】
実質的に流体不浸透性のシールを提供するための前記手段は、
前記筐体の前記内部空洞を実質的に包囲する該筐体の前記前面および背面の各々において画定される、少なくとも1つのスロットと、
複数のシールであって、各シールは、該筐体の1つのスロットの中での相補的載置のために構成される、複数のシールと
を備える、請求項41に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項43】
前記筐体の前記内壁表面と前記ローターの前記周囲面との間の最小の運転時クリアランスの位置に近接して、該筐体の該内壁表面から外向きに延在するシール要素をさらに備え、該シール要素の縁部は、該ローターの該周囲面との選択的な摺動可能接触のために構成される、請求項1に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項44】
前記ローターが回転する際に、前記ゲートの前記遠位端が前記シール要素の上方を通過する時に、該シール要素の前記縁部が、前記筐体の前記内壁表面またはそれより下にあるように、該筐体内で該シール要素を引き出すための手段をさらに備える、請求項43に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項45】
前記ゲートは、対向する近位端を有し、前記第1の位置において、該ゲートの該近位端は、前記ローターの前記周囲面から実質的に前記第2の距離を置いて配置され、前記第2の位置において、該ゲートの該近位端は、該ローターの該周囲面から実質的に前記第1の距離を置いて配置される、請求項1に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項46】
前記ゲートの前記近位端は、前記ローターが前記ローター回転軸の周りを回転する際に、前記筐体の前記内壁表面から近接して離間しているように拘束される、請求項45に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項47】
前記ローターの前記周囲面の少なくとも複数部分と、前記内壁表面の複数部分と、前記ゲートの前記遠位端に近接している該ゲートの様々な部分は、該ローターが前記ローター回転軸の周りを回転する際に、様々な体積の第1の流体チャンバを画定し、該ローターの該周囲面の少なくとも複数部分と、該内壁表面の複数部分と、該ゲートの前記近位端に近接している該ゲートの様々な部分は、該ローターが該ローター回転軸の周りを回転する際に、様々な体積の第2の流体チャンバを画定する、請求項46に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項48】
前記ゲートの前記遠位端は、前記第1の流体チャンバと流体連通している少なくとも1つの入口ポートを画定し、該ゲートの前記近位端は、前記第2の流体チャンバと流体連通している少なくとも1つの入口ポートを画定する、請求項47に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項49】
前記ゲートの前記遠位端および近位端それぞれの中の前記少なくとも1つの入口ポートを選択的に開閉するための手段をさらに備える、請求項48に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項50】
前記筐体は、前記第1および第2の流体チャンバそれぞれと流体連通している、少なくとも1つの入口ポートを有する、請求項48に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項51】
回転式流体変位アセンブリであって、
内壁表面を有する内部空洞を画定する筐体であって、該筐体は、該内壁表面を二分する、筐体面に対して横断的に延在する筐体長手軸を有する、筐体と、
周囲面を有し、該筐体の該内部空洞内に配置されるローターであって、該ローターは、該筐体長手軸に対して偏心しているローター回転軸の周りを回転するように構成される、ローターと、
遠位端を有するゲートであって、該ローターと共に摺動可能に載置され、軸方向に移動可能である、ゲートと、
該ローターが該ローター回転軸の周りを回転する際に、該ゲートの該遠位端が、該筐体の該内壁表面から近接して離間して拘束されるように、該ゲートの軸方向運動を拘束するための手段と
を備え、
該ローターの該周囲面の少なくとも複数部分と、該内壁表面の複数部分と、該ゲートの該遠位端に近接している該ゲートの様々な部分は、該ローターが儀ローター回転軸の周りを回転する際に、様々な体積の第1の流体チャンバを画定する、回転式流体変位アセンブリ。
【請求項52】
回転式流体変位アセンブリであって、
内壁表面を有する内部空洞を画定する筐体であって、該筐体は、該内壁表面を二分する、筐体面に対して横断的に延在する筐体長手軸を有する、筐体と、
周囲面を有するローターであって、該ローターは、該ローターの該周囲面の中に延在する穴軸を有する穴を画定し、該筐体の該内部空洞内に配置され、該筐体長手軸に対して偏心しているローター回転軸の周りを回転するように構成される、ローターと、
遠位端を有するゲートであって、該ゲートは、該ローターの該穴の中に摺動可能に載置され、第1の伸張位置と第2の収縮位置との周囲および間で該穴軸に沿った軸方向運動に対して拘束され、該ゲートの該遠位端は、該ローターが該ローター回転軸の周りを回転する際に、該筐体の該内壁表面から近接して離間しているように拘束される、ゲートと、
カム軸の周囲で該筐体の該内部空洞内に配置されるカムであって、該カムは、該ゲートの複数部分に選択的に係合して、該第1および第2の位置それぞれの周囲および間での該ゲートの該軸方向運動をもたらすように構成される、カムと
を備え、
該ゲートは、該カムの複数部分との選択的な接触のために構成される少なくとも1つの荷担面を有する、隙間を画定し、該ゲートの該遠位端は、約0.0001インチと約0.2000インチとの間の拘束範囲で、該筐体の該内壁表面から近接して離間しているように拘束される、回転式流体変位アセンブリ。
【請求項53】
前記ローターは、前記カムの回転受容のために構成される、中心に配置されたチャンバを画定し、前記穴軸は、該チャンバの中心で二分する、請求項52に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項54】
前記少なくとも1つの荷担面は、1対の対向する荷担面を備え、該1対の対向する荷担面は、前記ゲートの長手軸に沿って相互から離間しており、前記カム軸の周囲で相互に対向して配置される、請求項53に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項55】
前記ローターの前記周囲面の少なくとも複数部分と、前記内壁表面の複数部分と、前記ゲートの前記遠位端に近接している該ゲートの様々な部分は、該ローターが前記ローター回転軸の周りを回転する際に、様々な体積の流体チャンバを画定する、請求項54に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項56】
前記ローターは、前記ゲートの選択部分に作用して、該ローターの前記周囲面に対する該ゲートの拘束された軸方向運動をもたらすように構成される、請求項55に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項57】
前記ゲートの前記遠位端は、約0.0003インチと約0.1500インチとの間の拘束範囲で、前記筐体の前記内壁表面から近接して離間しているように拘束される、請求項55に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項58】
前記ゲートの前記遠位端は、約0.0005インチと約0.1000インチとの間の拘束範囲で、前記筐体の前記内壁表面から近接して離間しているように拘束される、請求項55に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項59】
前記ゲートの前記遠位端は、前記筐体の内表面の直径の0.01%と15.0%のと間の拘束範囲で、該筐体の前記内壁表面から近接して離間しているように拘束される、請求項55に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項60】
前記ゲートの前記遠位端は、スロットを画定し、かつ、該ゲートの該スロットの中で移動可能である少なくとも1つの平面部材を備えるシールアセンブリをさらに備える、請求項55に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項61】
前記シールアセンブリは、前記ローターが回転する際に、前記少なくとも1つの平面部材に選択的に作用して、該少なくとも1つの平面部材の前記外縁部を前記筐体の前記内壁表面と摺動接触している状態に維持するように構成される、付勢要素をさらに備える、請求項60に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項62】
前記シールアセンブリは、前記ローターが回転する際に、前記少なくとも1つの平面部材の前記外縁部を前記筐体の前記内壁表面と摺動可能に接触している状態に維持するように、該少なくとも1つの平面部材に作用する付勢力を適用するための手段をさらに備える、請求項60に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項63】
前記少なくとも1つの平面部材の質量は、前記ゲートの質量の約10パーセント未満である、請求項60に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項64】
前記少なくとも1つの平面部材の質量は、前記ゲートの質量の約2パーセント未満である、請求項60に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項65】
前記少なくとも1つの平面部材の質量は、前記ゲートの質量の約1と約60パーセントとの間である、請求項60に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項66】
前記ローターは、第1の側面と、対向する第2の側面とを有し、該ローターの該第1および第2の側面それぞれに載置され、それらと共に回転する、1対の端板をさらに備える、請求項55に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項67】
前記筐体は、前面と、対向する背面とを有し、前記1対の端板の第1の端板の複数部分は、該筐体の該前面の複数部分に、密閉的かつ摺動可能に接触し、該1対の端板の第2の端板の複数部分は、該筐体の該背面の複数部分に、密閉的かつ摺動可能に接触する、請求項66に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項68】
前記第1の端板と前記筐体の前記前面との間、および前記第2の端板と該筐体の前記背面との間に、実質的に流体不浸透性のシールを提供するための手段をさらに備える、請求項67に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項69】
前記筐体の前記内壁表面と前記ローターの前記周囲面との間の最小の運転時クリアランスの位置に近接して、該筐体の該内壁表面から外向きに延在するシール要素をさらに備え、該シール要素の縁部は、該ローターの該周囲面との選択的な摺動可能接触のために構成される、請求項55に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項70】
前記ローターが回転する際に、前記ゲートの前記遠位端が前記シール要素の上方を通過する時に、該シール要素の前記縁部が、前記筐体の前記内壁表面またはそれより下にあるように、該筐体内で該シール要素を引き出すための手段をさらに備える、請求項69に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項71】
前記シール要素は、前記筐体面に対してある角度を成して配置される、請求項70に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項72】
前記ローターの前記穴は、円筒断面形状を有し、前記ゲートの少なくとも複数部分は、該ローターの該穴を補完する円筒断面形状を有する、請求項55に記載の回転式流体変位アセンブリ。
【請求項73】
回転式流体変位アセンブリであって、
周囲面を有するローターであって、ローター軸を有するローターと、
内壁表面を有する内部空洞を画定する筐体であって、該筐体は、該ローター軸に対して偏心している筐体長手軸の回転するように構成され、該ローターは該筐体の該内部空洞内に配置される、筐体と、
遠位端を有するゲートであって、該ゲートは、該ローターと共に摺動可能に載置され、該ゲートの該遠位端が該ローターの該周囲面から第1の距離を置いて配置される、第1の位置と、該ゲートの該遠位端が該ローターの該周囲面から第2の距離を置いて配置される、第2の位置との周囲および間で軸方向に移動可能であり、該ゲートの該遠位端は、該筐体が該筐体長手軸の周りを回転する際に、該筐体の該内壁表面から近接して離間しているように拘束される、ゲートと
を備え、
該ローターの該周囲面の少なくとも複数部分と、該内壁表面の複数部分と、該ゲートの該遠位端に近接している該ゲートの様々な部分とは、該筐体が該筐体長手軸の周りを回転する際に、様々な体積の流体チャンバを画定し、該ローター軸は、筐体面に対して横断的に延在し、該筐体の該内壁表面を二分する、回転式流体変位アセンブリ。
【請求項74】
回転式流体変位アセンブリであって、
内壁表面を有する内部空洞を画定する筐体であって、該筐体は、該内壁表面を二分する、筐体面に対して横断的に延在する筐体長手軸を有する、筐体と、
周囲面を有し、該筐体の該内部空洞内に配置されるローターであって、該ローターは、該筐体長手軸に対して偏心しているローター回転軸の周りを回転するように構成される、ローターと、
遠位端を有するゲートであって、該ゲートは、該ローターと共に摺動可能に載置され、軸方向に移動可能である、ゲートと、
該ローターが該ローター回転軸の周りを回転する際に、該ゲートの該遠位端が、該筐体の内表面の直径の0.01%と15.0%との間の拘束範囲で、該筐体の該内壁表面から近接して離間して拘束されるように、該ゲートの軸方向運動を拘束するための手段と
を備え、
該ローターの該周囲面の少なくとも複数部分と、該内壁表面の複数部分と、該ゲートの該遠位端に近接している該ゲートの様々な部分とは、該ローターが該ローター回転軸の周りを回転する際に、様々な体積の流体チャンバを画定する、回転式流体変位アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30A】
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【図30B】
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【図31】
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【図32A】
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【図32B】
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【図33A】
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【図33B】
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【図34】
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【図35A】
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【図35B】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公表番号】特表2010−540826(P2010−540826A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526943(P2010−526943)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/011117
【国際公開番号】WO2009/042174
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(510081665)トラッド エンジニアリング, エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】