説明

固体撮像素子

【課題】多チャンネル出力方式を有する全画素読み出し方式の固体撮像素子において、多画素化及び高フレームレート化の要求に対応するために、出力アンプのゲインレベルの調整を容易に行えるようにすると共に、画質劣化を抑制する。
【解決手段】多数マトリクス状に配された受光部2と、各受光部2に対応して垂直2画素×水平2画素の配列規則で配されたカラーフィルタと、対応する受光部2の両側に夫々分離して配された、第1の垂直転送レジスタ3及び第2の垂直転送レジスタ3と、その一端に設けられた4つの水平転送レジスタ5A,5B,5C,5Dとを含み、2つの水平転送レジスタ5A,5Dと、他の2つの水平転送レジスタ5B,5Cとは、信号電荷の転送方向が互いに逆方向とされている固体撮像素子111を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像素子、特に多チャンネル出力方式を有する全画素読み出し方式のイメージセンサに適用して好適な固体撮像素子に関する。
【背景技術】
【0002】
図18は、従来の例えばインターライン転送方式のCCDイメージセンサの構成を示す。
このCCDイメージセンサ50は、画素となる複数の受光部51がマトリクス状に配列され、各受光部51列の一側に垂直転送レジスタ52が形成されたイメージ部53を有し、各垂直転送レジスタ52の終端が水平転送レジスタ54に接続され、さらに水平転送レジスタ54の終端にフローティングディフュージョン領域又はフローティングゲート等による電荷電圧変換手段(図示せず)を介して出力部55が接続されてなる。
【0003】
また、図19に示すように、水平転送レジスタ54を2本並列に設け(第1及び第2の水平転送レジスタ541及び542)、更に、これら第1及び第2の水平転送レジスタ541及び542の後段に出力部(第1の出力部551及び第2の出力部552)をそれぞれ接続することで、撮像信号の出力形式を2系統とした所謂多チャンネル出力形式のCCDイメージセンサ60も知られている。
尚、その他の部分は図18の構成と同様であるので、対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略している。
【0004】
このようなCCDイメージセンサ50(CCDイメージセンサ60)では、例えばイメージ部53への4相の垂直転送パルスΦV1〜ΦV4の供給によって、イメージ部53における各垂直転送電極(図示せず)下のポテンシャル分布が順次変化し、これによって、各受光部51で蓄積された信号電荷がイメージ部53の各垂直転送レジスタ52に沿って垂直方向に水平転送レジスタ54(2本の水平転送レジスタ541及び542)へと転送されることとなる。
【0005】
そして、例えば水平転送レジスタ54へと転送された信号電荷は、水平転送レジスタ54上に形成された例えば2層の多結晶シリコン層による水平転送電極(図示せず)への互いに位相の異なる2相の水平転送パルスΦH1及びΦH2の印加によって水平転送レジスタ54内を順次出力部55へと転送され、出力部55において電気信号に変換されて撮像信号として取り出されることとなる。
【0006】
また、例えば2本の水平転送レジスタ541及び542へと転送された信号電荷は、それぞれの水平転送レジスタ541及び542上に形成された例えば2層の多結晶シリコン層による水平転送電極(図示せず)への互いに位相の異なる2相の水平転送パルスΦH1及びΦH2の印加によって、それぞれの水平転送レジスタ541及び542内を順次出力部551及び552に転送され、出力部551及び552において電気信号に変換されて2つの撮像信号として取り出されることとなる。
【0007】
ところで、近年、固体撮像素子においては、多画素化及び高フレームレート化の要求が強くなってきている。また、全画素読み出し方式に対応できることも要求されてきている。
しかしながら、図18に示したような出力形式を1系統とした所謂単チャンネル出力方式の固体撮像素子においてこれらの要求に対応しようとすると、駆動周波数の増大、水平転送効率の劣化、消費電力の増大等の問題が生じてしまう。
従って、単チャンネル出力方式の固体撮像素子で上述した要求に対応することは非常に困難である。
【0008】
一方、図19に示した出力形式を2系統とした所謂多チャンネル出力方式の固体撮像素子において、前述した多画素化及び高フレームレート化、並びに全画素読み出し方式の要求に対応しようとした場合には、単チャネル出力方式の場合に生じていた、駆動周波数の増大及び水平転送効率の劣化、並びに消費電力の増大等の問題は解決できる。
しかしながら、2本の水平転送レジスタ541及び542の各出力部551及び552で出力アンプゲインレベルがそろっていないと、画面上に縦筋等の線状欠陥が発生し画素劣化の問題が生じてしまう。
従って、非常に精度が高く且つ高速な出力アンプゲインレベルの調整処理が必要となってしまう。
【0009】
また、図20に示すように、イメージ部53を2つに分け(531,532)各イメージ部531,532の一端に、出力部551,552が設けられた2つの水平転送レジスタ541,542が設けられた、水平方向に画角を2分割し撮像信号の出力形式を2系統とした多チャンネル出力形式の固体撮像素子70の場合は、2本の水平転送レジスタ541及び542の各出力部551及び552で出力アンプゲインレベルがそろっていないと、画面中央に縦筋が見える等の画質劣化が起こってしまう。
【0010】
また、図示せざるも、例えば水平方向又は垂直方向の偶数ラインと奇数ラインとで出力を分割する方式の固体撮像素子の場合は、出力アンプゲインレベルがそろわなければ、画面上に横筋・縦筋が発生するため、前述と同様にして非常に精度が高く且つ高速な出力アンプゲインレベル調整処理が必要となってしまう。
【0011】
これに対し、上述した多チャンネル出力方式の固体撮像素子において、全画素読み出し方式の要求に対応した構成が開示されている(特許文献1参照)。図21はこのような固体撮像素子をCCDイメージセンサに適用した場合の構成を示す。尚、図18〜図20と対応する部分には同一符号を付している。このCCDイメージセンサ80は、上述したCCDイメージセンサ50及び60と同様に、画素となる複数の受光部51がマトリクス状に配列され、各受光部51列の一側に垂直転送レジスタ52が形成されたイメージ部53を有し、各垂直転送レジスタ52の終端が水平転送レジスタ541及び542に接続され、さらに水平転送レジスタ541及び542の終端にフローティングディフュージョン領域又はフローティングゲート等による電荷電圧変換手段(図示せず)を介して出力部551及び552が接続されてなる。
【0012】
そして、このようなCCDイメージセンサ80では、垂直転送レジスタ52を第1及び第2の垂直転送レジスタ52A及び52Bから形成し、例えば奇数行に関する受光部51Aで蓄積された信号電荷eAを第1の垂直転送レジスタ52Aに、偶数行に関する受光部51Bで蓄積された信号電荷eBを第2の垂直転送レジスタ52Bにそれぞれ独立に読み出すようにして、この独立して読み出されたそれぞれの信号電荷eA及びeBを、第1の垂直転送レジスタ52Aの一端に設けられた水平転送レジスタ542及び第2の垂直転送レジスタ52Bの一端に設けられた水平転送レジスタ541へと転送する。
【0013】
そして、水平転送レジスタ542及び541に転送されたそれぞれの信号電荷eA及びeBは、この水平転送レジスタ542及び541内をそれぞれ独立して転送され、水平転送レジスタ542及び541の後段に設けられてなる出力部51及び552において電気信号に変換されて、奇数行及び偶数行の2つの撮像信号として取り出されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平9−129861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、このような構成の固体撮像素子においても、出力部551及び552間での出力アンプゲインレベルの調整がそろわない場合は、上述と同様に線状欠陥等の画素劣化が生じて高精度の出力アンプゲインレベルの調整が必要となってしまう。
【0016】
本発明は、上述の点に鑑み、多チャンネル出力方式を有する全画素読み出し方式の固体撮像素子において、画質劣化を抑制して、多画素化及び高フレームレート化等の要求に対応できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の固体撮像素子は、多数マトリクス状に配され、被写体からの入射光の光量に応じた量の信号電荷に光電変換する画素としての受光部と、受光部から読み出された信号電荷を垂直方向に転送する垂直転送レジスタと、この垂直転送レジスタから転送された信号電荷を水平方向に転送する少なくとも2つの水平転送レジスタとを有し、各受光部に対応して垂直2画素×水平2画素の配列規則で配されたカラーフィルタを有し、垂直転送レジスタは、対応する受光部の両側に夫々分離して配された、第1の垂直転送レジスタ及び第2の垂直転送レジスタから形成され、第1の垂直転送レジスタ及び第2の垂直転送レジスタの一端に、それぞれ配列規則の4画素に対応する4つの受光部から読み出された信号電荷をそれぞれ独立して転送する4つの水平転送レジスタが設けられており、4つの水平転送レジスタのうち、2つの水平転送レジスタと、他の2つの水平転送レジスタとは、信号電荷の転送方向が互いに逆方向とされているものである。
【0018】
本発明の固体撮像素子によれば、多数マトリクス状に配され、被写体からの入射光の光量に応じた量の信号電荷に光電変換する画素としての受光部と、受光部から読み出された信号電荷を垂直方向に転送する垂直転送レジスタと、この垂直転送レジスタから転送された信号電荷を水平方向に転送する少なくとも2つの水平転送レジスタとを有し、各受光部に対応して垂直2画素×水平2画素の配列規則で配されたカラーフィルタを有し、垂直転送レジスタは、対応する受光部の両側に夫々分離して配された、第1の垂直転送レジスタ及び第2の垂直転送レジスタから形成されているので、垂直2画素×水平2画素の配列規則のカラーフィルタに対応する4画素の各受光部にそれぞれ垂直転送レジスタが設けられることとなり、4つの受光部で蓄積された各色に対する信号電荷を、各受光部の両側に配された第1及び第2の垂直転送レジスタにそれぞれ独立して読み出して、各垂直転送レジスタ内をそれぞれ独立して垂直転送させることが可能となる。
また、4つの水平転送レジスタのうち、2つの水平転送レジスタと、他の2つの水平転送レジスタとは、信号電荷の転送方向が互いに逆方向とされているので、水平転送レジスタの先に設けられる出力部等が一方の側に集中することを防いで、発熱を抑制することができる。
【0019】
また、本発明の固体撮像素子は、多数マトリクス状に配され、被写体からの入射光の光量に応じた量の信号電荷に光電変換する画素としての受光部と、受光部から読み出された信号電荷を垂直方向に転送する垂直転送レジスタと、この垂直転送レジスタから転送された信号電荷を水平方向に転送する少なくとも2つの水平転送レジスタとを有し、各受光部に対応して垂直2画素×水平2画素の配列規則で配されたカラーフィルタを有し、垂直転送レジスタは、対応する受光部の両側に夫々分離して配された、第1の垂直転送レジスタ及び第2の垂直転送レジスタから形成され、第1の垂直転送レジスタ及び第2の垂直転送レジスタの一端に、それぞれ配列規則の4画素のうち1つの行に対応する2画素の2つの受光部から読み出された信号電荷をそれぞれ独立して転送する2つの水平転送レジスタが設けられており、第1の垂直転送レジスタ及び第2の垂直転送レジスタの他端に、それぞれ配列規則の4画素のうち他の行に対応する2画素の2つの受光部から読み出された信号電荷をそれぞれ独立して転送する2つの水平転送レジスタが設けられており、1つの行に対応する2画素の2つの受光部から読み出された信号電荷が転送される、第1の垂直転送レジスタ及び第2の垂直転送レジスタと、他の行に対応する2画素の2つの受光部から読み出された信号電荷が転送される、第1の垂直転送レジスタ及び第2の垂直転送レジスタとは、信号電荷の転送方向が互いに逆方向とされているものである。
【0020】
本発明の固体撮像素子によれば、前述した固体撮像素子の場合と同様に、多数マトリクス状に配され、被写体からの入射光の光量に応じた量の信号電荷に光電変換する画素としての受光部と、受光部から読み出された信号電荷を垂直方向に転送する垂直転送レジスタと、この垂直転送レジスタから転送された信号電荷を水平方向に転送する少なくとも2つの水平転送レジスタとを有し、各受光部に対応して垂直2画素×水平2画素の配列規則で配されたカラーフィルタを有し、垂直転送レジスタは、対応する受光部の両側に夫々分離して配された、第1の垂直転送レジスタ及び第2の垂直転送レジスタから形成されているので、垂直2画素×水平2画素の配列規則のカラーフィルタに対応する4画素の各4つの受光部にそれぞれ垂直転送レジスタが設けられることとなり、4つの受光部で蓄積された各色に対する信号電荷を、各受光部の両側に配された第1及び第2の垂直転送レジスタにそれぞれ独立して読み出して、各垂直転送レジスタ内をそれぞれ独立して垂直転送させることが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る固体撮像素子によれば、垂直2画素×水平2画素の配列規則のカラーフィルタの4色に対応する4つの受光部で蓄積された各信号電荷をそれぞれ色分離して独立して出力できる。
【0022】
これにより、線状欠陥等の画素劣化を抑制することができ、非常に精度が高く且つ高速な出力アンプゲインレベルの調整処理を不要とすることができる。
また、各出力部間で出力アンプゲインレベルのずれが生じたとしても線状欠陥にはならず点となるので目立ちにくくすることができる。
また、各色に対応する信号電荷の信号処理の際に出力アンプゲインレベルの差の分も調整が可能となる。このように各色毎の出力アンプゲインレベルの調整が後段で任意に調整できるので分光特性を任意に調整することが可能となる。
従って、従来と比較して、出力アンプゲインレベルの調整を容易に行うことができる固体撮像素子を提供することができる。
【0023】
また、1度の水平転送時に4色に対応する4つの受光部で蓄積された各信号電荷をそれぞれ色分離して独立して出力できることから、例えば、従来の全画素読み出し方式の固体撮像素子に比べてフレームレートを上げることができる。
【0024】
従って、本発明では、多チャンネル出力方式を有する全画素読み出し方式の固体撮像素子において、出力アンプゲインレベルの調整を容易に行えるようにすることができ、更には多画素化及び高フレームレート化等の要求にも対応できる固体撮像素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る固体撮像素子を2層4相CCD構造のイメージセンサに適用した場合の一実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】図1のイメージ部上に設けられてなるカラーフィルタの一例を示す図である。
【図3】図1のイメージ部の構成を示す概略平面図である。
【図4】A、B 読み出し動作を示すタイミングチャート図である
【図5】A、B 読み出し動作を示す動作概念図である。
【図6】垂直転送動作を示す動作概念図(その1)である。
【図7】垂直転送動作を示す動作概念図(その2)である。
【図8】図1の変形例を示す概略構成図(その1)である。
【図9】隣接する水平転送レジスタ間での電極の構成を示す図である。
【図10】図1の変形例を示す概略構成図(その2)である。
【図11】本発明に係る固体撮像素子を2層4相CCD構造のイメージセンサに適用した場合の他の実施の形態を示す概略構成図である。
【図12】図11のイメージ部を示す概略平面図である。
【図13】A、B 読み出し動作を示すタイミングチャート図である。
【図14】A、B 読み出し動作を示す動作概念図である。
【図15】垂直転送動作を示す概念図(その1)である。
【図16】垂直転送動作を示す概念図(その2)である。
【図17】図11の変形例を示す概略構成図である。
【図18】従来のCCDイメージセンサの一例を示す概略構成図(その1)である。
【図19】従来のCCDイメージセンサの一例を示す概略構成図(その2)である。
【図20】従来のCCDイメージセンサの一例を示す概略構成図(その3)である。
【図21】多チャンネル出力方式を有する全画素読み出し方式の固体撮像素子の一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
先ず、本発明に係る固体撮像素子を2層4相CCD構造のイメージセンサに適用した場合の一実施の形態を示す。
本実施の形態に係るCCDイメージセンサ111は、図1に示すように、画素となる複数の受光部2が多数マトリクス状に配列されてなるイメージ部4上に、後述する各受光部2に対応して垂直2画素×水平2画素の配列規則で配されたカラーフィルタ(図示せず)を有し、イメージ部4では、各列の受光部2に対して共通に垂直転送レジスタ3が形成されてなる。
【0027】
イメージ部4上に形成されてなる垂直2画素×水平2画素の配列規則を有するカラーフィルタは、図2に示すように、例えば、奇数行については水平方向に沿って順にR、Grという配列を1ブロックとしてこのブロックが水平方向に多数配列され、偶数行については水平方向に沿って順にGb、Bという配列を1ブロックとしてこのブロックが水平方向に多数配列された所謂ベイヤー配列のカラーフィルタ7を用いる。
このカラーフィルタ7は1つの受光部2に対して1つの色が割り当てられるように形成されているので、図1に示す垂直2画素×水平2画素の受光部2A,2B,2C,2Dに対してカラーフィルタ7の4つの色R,Gr,Gb,Bがそれぞれ対応し、例えばRが受光部2Aに、Grが受光部2Bに、Gbが受光部2Cに、Bが受光部2Dにそれぞれ対応している。
尚、図示の例では、各色R,Gr,Gb,Bに対応する4つの受光部2A,2B,2C,2Dのうち、上側の2つの受光部2A及び2Bを奇数行とし下側の受光部2C及び2Dを偶数行とする。
【0028】
イメージ部4は、図3に示すように、信号電荷の転送路である例えばn型の不純物拡散による転送チャネル領域(垂直転送レジスタ)3が垂直方向に多数本形成されている(尚、説明をし易くするため、図示の例では転送チャネル領域を1列おきに3、33・・・と示している)。これら各転送チャネル領域3は、その中央部分に垂直方向に延びる例えばp型の不純物拡散による第1のチャネルストップ領域8が形成されて左右に分離された形となっている。
従って、以下の説明では、左右に分離された転送チャネル領域のうち、左側の転送チャネル領域を第1の転送チャネル領域(第1の垂直転送レジスタ)31と示し、右側の転送チャネル領域を第2の転送チャネル領域(第2の垂直転送レジスタ)32と示す。総括して示す場合は単に転送チャネル領域3と示す。
【0029】
このイメージ部4では、奇数行に関する受光部2A及び2Bのうち、受光部2Aと図面上左側に隣接する転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32との間に第2のチャネルストップ領域9が形成され、受光部2Bと図面上右側に隣接する転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31との間に第2のチャネルストップ領域9が形成されている。
また、偶数行に関する受光部2C及び2Dのうち、受光部2Cと図面上右側に隣接する転送チャネル領域3の第1の転送チャネル領域31との間に第2のチャネルストップ領域9が形成され、受光部2Dと図面上左側に隣接する転送チャネル領域3の第2の転送チャネル領域32との間に第2のチャネルストップ領域9が形成されている。
そして、この第2のチャネルストップ領域9は、垂直方向に隣接する各受光部間(図3では受光部2A及び2C間、受光部2B及び2D間)においても連続して形成されている。
【0030】
また、奇数行に関する受光部2A及び2Bのうち、受光部2Aと転送チャネル領域3の第1の転送チャネル領域31との間の領域、受光部2Bと転送チャネル領域3の第2の転送チャネル領域32との間の領域に読み出しゲート部10A及び10Bが形成され、偶数行に関する受光部2C及び2Dのうち、受光部2Cと転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32との間の領域、受光部2Dと転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31との間の領域に読み出しゲート部10C及び10Dが形成されている。
【0031】
これにより、奇数行に関する受光部2A及び2Bにおいて、各読み出しゲート部10A及び10Bが向かい合わせに形成されている。また、偶数行に関する受光部2C及び2Dにおいては、各読み出しゲート部10C及び10Dが、それぞれ図示しない隣り合う受光部と向かい合わせに形成されている。
【0032】
従って、左右隣り合う受光部2において、読み出しゲート部10が向かい合わせに形成され、且つ、上下隣り合う受光部(図3の例では受光部2A及び2C、受光部2B及び2D)において、読み出しゲート部の向きが反転して形成された構成となっている。
これにより、左右隣り合う受光部2に蓄積された信号電荷を同一の垂直転送レジスタ3に読み出すことが可能となる。
【0033】
このように構成されていることにより、カラーフィルタ7の各色R,Gr,Gb,Bに対応する各受光部2A,2B,2C,2Dにて蓄積された信号電荷eA,eB,eC,eDを、各読み出しゲート部10A,10B,10C,10Dを通じてそれぞれ独立に色分離して読み出すことが可能となる。
【0034】
各転送チャネル領域3上、つまり、第1及び第2の転送チャネル領域31及び32に対しては共通に例えば2層の多結晶シリコン層による4枚の垂直転送電極(第1〜第4の垂直転送電極15a〜15d)を1組としてその組が多数垂直方向に順次配列されている。特に、図示の例では、例えば、偶数行に関する受光部2C及び2Dに隣接して第1及び第2の垂直転送電極15a及び15bが配列され、奇数行に関する受光部2A及び2Bに隣接して第3及び第4の垂直転送電極15c及び15dが配列されている。
【0035】
そして、本実施の形態においては、特に、垂直転送レジスタ3の一端(図中のイメージ部4の下側)に、垂直2画素×水平2画素の配列規則の4画素に対応する4つの受光部2A,2B,2C,2Dで蓄積された信号電荷eA,eB,eC,eDをそれぞれ独立して転送する4つの水平転送レジスタ5A,5B,5C,5Dを設け、さらに、各水平転送レジスタ5A,5B,5C,5Dの後段には、フローティングディフュージョン領域又はフローティングゲート等による電荷電圧変換手段(図示せず)を介して、信号電荷eA,eB,eC,eDを出力する出力部6A,6B,6C,6Dをそれぞれ設ける。
【0036】
各水平転送レジスタ間(水平転送レジスタ5Cと水平転送レジスタ5A間、水平転送レジスタ5Aと水平転送レジスタ5B間、水平転送レジスタ5Bと水平転送レジスタ5C間)には、水平転送レジスタ間転送ゲート11がそれぞれ設けられている。
【0037】
各垂直転送レジスタ(転送チャネル領域)3と各水平転送レジスタ5の対応関係は、例えば、受光部2Aからの信号電荷eAが読み出される転送チャネル領域3の第1の転送チャネル領域31と通じて水平転送レジスタ5Aが設けられ、受光部2Bからの信号電荷eBが読み出される転送チャネル領域3の第2の転送チャネル領域32と通じて水平転送レジスタ5Bが設けられる。また、受光部2Cからの信号電荷eCが読み出される転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32と通じて水平転送レジスタ5Cが設けられ、受光部2Dからの信号電荷eDが読み出される転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域を通じて水平転送レジスタ5Dが設けられる。
【0038】
次に、このような本実施の形態に係るCCDイメージセンサの実際の動作を図4〜図7を用いて説明する。
先ず、各受光部から各信号電荷を読み出す電荷読み出し動作を図4Aのタイミングチャート及び図5の動作概念図を参照しながら説明する。尚、図5Aは偶数行に関する受光部2C(2D)の電荷読み出し動作を、図5Bは奇数行に関する受光部2A(2B)の電荷読み出し動作を示している。
先ず、図4Aにおける読み出し直前のt0時において、第1の垂直転送電極15aに印加される第1の垂直転送パルスφV1及び第3の垂直転送電極15cに印加される第3の垂直転送パルスφV3がそれぞれ高レベル(例えば0V)、第2の垂直転送電極15bに印加される第2の垂直転送パルスφV2及び第4の垂直転送電極15dに印加される第4の垂直転送パルスφV4がそれぞれ低レベル(例えば−9V)であることから、各転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32のうち、第1及び第3の垂直転送電極15a及び15c下の領域にそれぞれポテンシャル井戸が形成される。
このとき、第1及び第3の垂直転送電極15a及び15c下のポテンシャル段差は、受光部2A,2B,2C,2Dのポテンシャル段差よりも浅い位置にあるため、受光部2A,2B,2C,2Dからの信号電荷eA,eB,eC,eDの流れ込みは行われない。
【0039】
次のt1時において、第1の垂直転送パルスφV1が読み出しレベル(例えば15V)となるため、第1の垂直転送電極15a下のポテンシャル井戸が受光部2C及び2Dのポテンシャル段差よりも深くなる。これによって、偶数行に関する受光部2C及び2Dに蓄積されたGb及びBに対応する信号電荷eC及びeDが第1の垂直転送電極15a下、特にこの場合、信号電荷eCは転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32における第1の垂直転送電極15a下に、信号電荷eDは転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31における第1の垂直転送電極15a下に転送・蓄積されることとなる。
尚、このとき、奇数行に関する受光部2A及び2Bに蓄積されている信号電荷eA及びeBは、第2のチャネルストッパ領域によって第3の垂直転送電極15c下への転送が阻止される。
【0040】
次に、t2時において、第1の垂直転送パルスφV1が元の高レベル(0V)に復帰するため、転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32における第1の垂直転送電極15a下に転送された信号電荷eC及び転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31における第1の垂直転送電極15a下に転送された信号電荷eDは、依然第1の垂直転送電極15a下に留まることとなる。
【0041】
そして、次のt3時において、第3の垂直転送パルスφV3が読み出しレベル(15V)となるため、今度は、第3の垂直転送電極15c下のポテンシャル井戸が受光部2A及び2Bのポテンシャル段差よりも深くなり、これによって、奇数行に関する受光部2A及び2Bに蓄積されていたR及びGrに対応する信号電荷eA及びeBが第3の垂直転送電極15c下、特にこの場合、信号電荷eAは転送チャネル領域3の第1の転送チャネル領域31における第3の垂直転送電極15c下に転送・蓄積され、信号電荷eBは転送チャネル領域3の第2の転送チャネル領域32における第3の垂直転送電極15c下に転送・蓄積されることとなる。
このとき、偶数行の受光部2C及び2Dからの信号電荷eC及びeDは、依然転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32及び転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31における第1の垂直転送電極15a下に留まることになる。
【0042】
次に、t4時において、第3の垂直転送パルスφV3が元の高レベル(0V)に復帰するため、偶数行の信号電荷eC及びeDは、依然転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32及び転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31の第3の垂直転送電極15c下に留まることとなる。このとき、奇数行の信号電荷eA及びeBも、依然転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32の第1の垂直転送電極15a下に留まることになる。
【0043】
次に、t5時において、第2の垂直転送パルスφV2が高レベル(0V)になることから、第1の垂直転送電極15a下から第3の垂直転送電極15c下にかけて1つの連続したポテンシャル井戸が形成され、これにより、信号電荷eC及びeDは、転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32及び転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31における第1〜第3の垂直転送電極(15a〜15c)下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eA及びeBは、転送チャネル領域3の第1の転送チャネル領域31及び第2の転送チャネル領域32における第1〜第3の垂直転送電極(15a〜15c)下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
【0044】
次に、t6時において、第3の垂直転送パルスφV3が低レベル(−9V)になることから、第3の垂直転送電極15c下にポテンシャル障壁が形成され、信号電荷eC及びeDのうち、信号電荷eCは、転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32における第1及び第2の垂直転送電極15a及び15b下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eDは、転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31における第1及び第2の垂直転送電極15a及び15b下に形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
また、信号電荷eA及びeBのうち、信号電荷eAは転送チャネル領域3の第1の転送チャネル領域31における第1及び第2の垂直転送電極15a及び15b下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eBは、転送チャネル領域3の第2の転送チャネル領域32における第1及び第2の垂直転送電極15a及び15b下に形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
【0045】
従って、奇数行に関する受光部2A及び2Bのうち、受光部2Aに蓄積されたRに対応した信号電荷eAは読み出しゲート部10Aを通じて転送チャネル領域3の第1の転送チャネル領域31に読み出され、受光部2Bに蓄積されたGrに対応する信号電荷eBは読み出しゲート部10Bを通じて転送チャネル領域3の第2の転送チャネル領域32に読み出されることとなる。
また、偶数行に関する受光部2C及び2Dのうち、受光部2Cに蓄積されたGbに対応する信号電荷eCは読み出しゲート部10Cを通じて転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32に読み出され、受光部2Dに蓄積されたBに対応する信号電荷eDは読み出しゲート部10Dを通じて転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31に読み出されることとなる。
即ち、本実施の形態に係るCCDイメージセンサ1においては、各受光部22A,2B,2C,2Dから読み出される各色R,Gr,Gb,Bに対応する信号電荷eA,eB,eC,eDを、それぞれ独立に色分離して各転送チャネル領域3(第1及び第2の転送チャネル領域31及び32)に読み出すことができる。
【0046】
次に上記実施の形態に係るイメージセンサにおける垂直方向の転送動作(垂直転送レジスタに沿った転送動作)について、図4Bのタイミングチャート並びに図6及び図7の動作概念図を参照しながら説明する。
尚、図6は偶数行に関する受光部2C(2D)で蓄積された信号電荷eC及びeDの垂直転送動作を示し、図7は奇数行に関する受光部2A(2B)で蓄積された信号電荷eA及びeBの垂直転送動作を示す。
先ず、図5で示す電荷読み出し動作の終了後において、偶数行の信号電荷eC及びeDのうち、信号電荷eCが転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32における第1及び第2の垂直転送電極15a及び15b下に転送・蓄積され、信号電荷eDが転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31における第1及び第2の垂直転送電極15a及び15b下に転送・蓄積され、また、奇数行の信号電荷eA及びeBのうち、信号電荷eAが転送チャネル領域3の第1の転送チャネル領域31における第1及び第2の垂直転送電極15a及び15b下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送蓄積され、信号電荷eBが転送チャネル領域3の第2の転送チャネル領域32における第1及び第2の垂直転送電極15a及び15b下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積された状態(t11時)から説明する。
【0047】
次のt12時において、第4の垂直転送パルスφV4が高レベルになることから、第4の垂直転送電極15d下にポテンシャル井戸が形成され、これにより、信号電荷eC及びeDは、転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32及び転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31における第1、第2及び第4の垂直転送電極15a,15b,15d下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eA及びeBは、転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32における第1、第2及び第4の垂直転送電極15a,15b,15d下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
【0048】
次のt13時において、第2の垂直転送パルスφV2が低レベルになることから第2の垂直転送電極15b下にポテンシャル障壁が形成され、これにより、信号電荷eC及びeDは、転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32及び転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31における第1及び第4の垂直転送電極15a及び15d下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eA及びeBは、転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32における第1及び第4の垂直転送電極15a及び15d下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
【0049】
次にt14において、第3の垂直転送パルスφV3が高レベルになることから、第3の垂直転送電極15c下にポテンシャル井戸が形成され、これにより、信号電荷eC及びeDは、転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32及び転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31における第1、第3及び第4の垂直転送電極15a,15c,15d下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eA及びeBは、転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32における第1、第3及び第4の垂直転送電極15a,15c,15d下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
【0050】
次にt15時において、第1の垂直転送パルスφV1が低レベルとなることから、第1の垂直転送電極15a下にポテンシャル障壁が形成され、これにより、信号電荷eC及びeDは、転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32及び転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31における第3及び第4の垂直転送電極15c及び15d下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eA及びeBは、転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32における第3及び第4の垂直転送電極15c及び15d下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
【0051】
次に、t16時において、第2の垂直転送パルスφV2が高レベルになることから、第2の垂直転送電極下にポテンシャル井戸が形成され、これにより、信号電荷eC及びeDは、転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32及び転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31における第2〜第4の垂直転送電極(15b〜15d)下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eA及びeBは、転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32における第2〜第4の垂直転送電極(15b〜15d)下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
【0052】
次に、t17時において、第4の垂直転送パルスφV4が低レベルになることから、第4の垂直転送電極15d下にポテンシャル障壁が形成され、これにより、信号電荷eC及びeDは、転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32及び転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31における第2及び第3の垂直転送電極15b及び15c下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eA及びeBは、転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32における第2及び第3の垂直転送電極15b及び15c下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
【0053】
次に、t18時において、第1の垂直転送パルスφV1が高レベルになることから、第1の垂直転送電極15a下にポテンシャル井戸が形成され、これにより、信号電荷eC及びeDは、転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32及び転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31における第1〜第3の垂直転送電極(15a〜15c)下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eA及びeBは、転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32における第1〜第3の垂直転送電極(15a〜15c)下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
【0054】
次に、t19時において、第3の垂直転送パルスφV3が低レベルになることから、第3の垂直転送電極15c下にポテンシャル障壁が形成され、これにより、信号電荷eC及びeDは、転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32及び転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31における第1及び第2の垂直転送電極(15a及び15b)下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eA及びeBは、転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32における第1及び第2の垂直転送電極(15a及び15b)下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
【0055】
この段階で、前段における、転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32及び転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31における第1及び第2の垂直転送電極15a及び15b下に連続形成されたポテンシャル井戸に蓄積された信号電荷eC及びeDは、それぞれ、次段における転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32及び転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31における第1及び第2の垂直転送電極15a及び15b下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
また、前段における、転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32における第1及び第2の垂直転送電極15a及び15b下に連続形成されたポテンシャル井戸に蓄積された信号電荷eA及びeBは、それぞれ、次段における転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32における第1及び第2の垂直転送電極15a及び15b下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
【0056】
このように、図4Bに示すタイミングで第1〜第4の垂直転送パルスφV1〜φV4が各垂直転送電極(15a〜15d)に印加されることにより、それぞれ独立して各転送チャネル領域3(31及び32)に読み出された信号電荷eA,eB,eC,eDは、独立したまま各転送チャネル領域3(31及び32)内を順次垂直方向に転送されることとなる。
【0057】
即ち、受光部2Aで蓄積されたRに対応する信号電荷eAは、転送チャネル領域3の第1の転送チャネル領域31を順次垂直方向下に向かって転送され、受光部2Bで蓄積されたGrに対応する信号電荷eBは、転送チャネル領域3の第2の転送チャネル領域32を順次垂直方向下に向かって転送される。また、受光部2Cで蓄積されたGbに対応する信号電荷eCは、転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32を順次垂直方向下に向かって転送され、受光部2Dで蓄積されたBに対応する信号電荷eDは、転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31を順次垂直方向下に向かって転送される。
【0058】
そして、それぞれ独立して各転送チャネル領域3(31,32)を転送されてきた各色R,Gr,Gb,Bに対応する信号電荷eA,eB,eC,eDは、各転送チャネル領域3に対応して、その一端にそれぞれ設けられた各水平転送レジスタ5A,5B,5C,5Dに転送される。
即ち、転送チャネル領域3の第1の転送チャネル31内を転送されてきた信号電荷eAは水平転送レジスタ5Aに、転送チャネル領域3の第2の転送チャネル領域32を転送されてきた信号電荷eBは水平転送レジスタ5Bにそれぞれ転送される。また、転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32を転送されてきた信号電荷eCは水平転送レジスタ5Cに、転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31内を転送されてきた信号電荷eDはそれぞれ水平転送レジスタ5Dに転送される。
【0059】
そして、各水平転送レジスタ5A,5B,5C,5Dへと転送された各色R,Gr,Gb,Bに対応する信号電荷eA,eB,eC,eDは、例えば2層の多結晶シリコン層による水平転送電極(図示せず)への互いに位相の異なる2相の水平転送パルスφH1及びφH2の印加によって、それぞれ順次各水平転送レジスタ5A,5B,5C,5D内を水平方向に転送され、この各水平転送レジスタ5A,5B,5C,5Dの後段に設けられた各出力部6A,6B,6C,6Dにおいて電気信号に変換されて、出力部6A,6B,6C,6Dより撮像信号として取り出されることになる。
即ち、一度の水平転送動作で各色R,Gr,Gb,Bに対応する4つの信号電荷eA,eB,eC,eDを同時に色分離して出力することが可能となる。
【0060】
このようにして、本実施の形態に係るCCDイメージセンサ111においては、イメージ部4上に形成された垂直2画素×水平2画素の配列規則のカラーフィルタ(図2参照)の各色R,Gr,Gb,Bに対応する受光部2A,2B,2C,2Dで蓄積された信号電荷eA,eB,eC,eDを、各垂直転送レジスタ3(31及び32)にそれぞれ独立して読み出すことができる。
【0061】
また、独立して読み出された各色R,Gr,Gb,Bに対応する信号電荷eA,eB,eC,eDを、それぞれ独立して各垂直転送レジスタ3(第1の垂直転送レジスタ31及び第2の垂直転送レジスタ32)を垂直転送させることができる。
【0062】
また、1つの受光部2(本実施の形態では4つの受光部2A、2B、2C及び2D)に対して、1つの水平転送レジスタ5(本実施の形態では5A、5B、5C及び5D)が設けられているので、各受光部2で蓄積された各色R,Gr,Gb,Bに対応する信号電荷eA,eB,eC,eDの出力が1単位で行われることとなり、各色R,Gr,Gb,Bに対応する信号電荷eA,eB,eC,eDの色合わせを行う信号処理の際に出力アンプゲインレベルの差の分も調整できるため出力アンプゲインレベルの調整が容易となる。
また、各色R,Gr,Gb,B毎の出力アンプゲインレベルの調整を後段で任意に調整でき分光特性を任意に調整できる。
【0063】
また、1度の水平転送時に各色R,Gr,Gb,Bに対応する信号電荷eA,eB,eC,eDがそれぞれ独立に水平転送レジスタ5A,5B,5C,5D内を水平転送されて、各水平転送レジスタ5A,5B,5C,5Dの後段にそれぞれ設けられた出力部6A,6B,6C,6Dより色分離して出力されることから、例えば、従来の全画素読み出し方式の固体撮像素子に比べて、同一駆動周波数で約2倍のフレームレートを得ることができる(尚この倍数は水平転送ブランキング期間によって変化する)。
【0064】
また、各受光部2A,2B,2C,2D毎に出力部6A,6B,6C,6Dが異なるが、各出力部6間で出力アンプゲインレベルのずれが生じても、この出力アンプゲインのずれは各受光部2A,2B,2C,2D毎に発生するため、線状欠陥にはならず点となり目立ちにくくすることができる。
【0065】
また、本実施の形態に係るCCDイメージセンサ1においては、通常のIT方式のイメージセンサと同じ電荷読み出し動作のタイミングと垂直方向への電荷転送動作のタイミングを用いることができる。即ち、IT方式と共通のタイミングで電荷読み出し動作と垂直方向への電荷転送動作を行うことができる。
【0066】
また、転送チャネル領域(垂直転送レジスタ)3が第1及び第2の転送チャネル領域31及び32とから構成され、これら各転送チャネル領域31及び32が対応する列の各受光部2の両側にそれぞれ分離して配されているため、信号電荷2を転送する際に使用される転送電極15a,15b,15c,15dを2層の電極材料にて構成することができ、受光部2の周辺構造の簡略化、高感度化及びスミア抑圧比の向上などの特性を得ることができる。
【0067】
また、図3に示すように、第2のチャネルストップ領域9を、垂直方向に隣接するチャネルストップ領域9を介して連続的に形成するようにした場合は、信号電荷及び信号電荷、信号電荷及び信号電荷のクロストークを有効に防止することができ、しかも、チャネルストップ領域に固定電位を供給してポテンシャル障壁の高さを調整したい場合に、その供給端部をイメージ部4の外側に導出することができるため、固定電位を供給するための配線構造を簡略化することができる。
【0068】
上述した実施の形態では(図3参照)、垂直方向に隣接する受光部2間(図3の例では受光部2A及び受光部2C、受光部2B及び受光部2D)で、チャネルストップ領域(第2のチャネルストップ領域9)が連続して形成されてなる構成を示したが、図示せざるも、垂直方向に隣接する受光部2間の領域のみチャネルストップ領域を除去して、垂直方向に隣接する各受光部2の両側にそれぞれ互い違いに設けられるチャネルストップ領域9を非連続に形成するようにしてCCDイメージセンサ111を構成することもできる。
【0069】
ここで、図1に示したCCDイメージセンサ1の構成においては、信号電荷の水平転送が全て同一の方向となるように構成されているので、各水平転送レジスタ5A,5B,5C,5Dの後段に設けられた出力部6A,6B,6C,6Dは全て一方の側(図3の例では左側)に設けられた構成となっている。即ち出力部6A,6B,6C,6Dは一方の側に集中して設けられたものとなっている。
【0070】
しかし、このように出力部6A,6B,6C,6Dの全てが水平転送レジスタ5A,5B,5C,5Dの一方の側に設けられた場合、上述のCCDイメージセンサ1においては、イメージ部4の一端に4つの水平転送レジスタが設けられており、例えば水平転送時は信号電荷の転送が一方の側に集中するので、その部分が発熱源となってしまう虞がある。
【0071】
従って、図8に示すように、4つの水平転送レジスタ5A,5B,5C,5Dにおいて、少なくとも1組の隣接する水平転送レジスタ間(水平転送レジスタ5C及び5A間、水平転送レジスタ5B及び5D間)での信号電荷の転送方向を互いに逆方向とすることで、出力部6(出力部6C及び6A、出力部6B及び6D)が一方の側に集中しないようにしてCCDイメージセンサ111を構成することもできる。
【0072】
このように、隣接する水平転送レジスタ5での信号電荷2の転送方向を互いに逆方向とする構成は、図9に示すように、隣接する水平転送レジスタ5(水平転送レジスタ5C及び5A)間に設けられた水平転送レジスタ間転送ゲート11上で、第1の水平転送電極16と第2の水平転送電極17を交差して形成する。この際、水平転送レジスタ5C及び水平転送レジスタ5Aの第1の水平転送電極16と第2の水平転送電極17との間に形成されるポテンシャル段差の並びは、水平転送レジスタ5C及び水平転送レジスタ5Aとでは正反対となっている。
【0073】
これにより、2相の水平転送パルスφH1及びφH2の印加によって、水平転送レジスタ5Cでは信号電荷eCを一方の側(左側)へと、水平転送レジスタ5Aでは信号電荷eAを他方の側(右側)へと転送することができ、それぞれ異なる方向に設けられた出力部6C及び出力部6Aから出力することができる。
【0074】
従って、このように構成した場合、上述した作用効果に加えて、各出力部6A,6B,6C,6Dが一方の側に集中することを防いで発熱を抑制することができる。
尚、図示の例では水平転送レジスタ5C及び5A間に設けられた水平転送レジスタ間転送ゲート11上の構成について示しているが、水平転送レジスタ5B及び5D間に設けられた水平転送レジスタ間転送ゲート11上においても図9の構成と同じ構成とする。
【0075】
また、図10に示すように、例えば、イメージ部4の一端に設けられた4つの水平転送レジスタ5A,5B,5C,5Dのうち、上方の2つの水平転送レジスタ5C及び5Aでの信号電荷の転送方向と、下方の2つの水平転送レジスタ5B及び5Dでの信号電荷の転送方向を互いに逆方向とすることもできる。
【0076】
この場合は、上方の2つの水平転送レジスタ5C及び5Aと、下方2つの水平転送レジスタ5B及び5Dとの間に設けられた水平転送レジスタ間転送ゲート11(即ち水平転送レジスタ5Aと水平転送レジスタ5Bとの間に設けられた水平転送レジスタ間転送ゲート11)上で、図9に示したように、第1の水平転送電極16と第2の水平転送電極17を交差するようにすればよい。
【0077】
これにより、水平転送レジスタ5C及び5Aでは信号電荷eA及びeCを一方の側(左側)へと、水平転送レジスタ5B及び5Dでは信号電荷eB及びeDを他方の側(右側)へと転送することができ、これら信号電荷(eA及びeC、eB及びeD)を、それぞれ異なる方向に設けられた出力部6C及び6A、出力部6B及び6Dから出力することができる。
従って、上述した場合と同様に、各出力部6A,6B,6C,6Dの一方の側への集中を防ぎ発熱を抑制することができる。
【0078】
次に、本発明に係る固体撮像素子を2層4相CCD構造のイメージセンサに適用した場合の他の実施の形態を示す。
尚、上述した図1〜図3と対応する部分には同一符号を付している。
本実施の形態に係るCCDイメージセンサ112は図11に示すように、上述した実施の形態の場合と同様に、画素となる複数の受光部2が多数マトリクス状に配列されてなるイメージ部4上に、各受光部2に対応して垂直2画素×水平2画素の配列規則で配された図2に示すカラーフィルタを有し、イメージ部4では、各列の受光部2に対して共通に垂直転送レジスタ3が形成されてなる。この垂直転送レジスタ3は第1及び第2の垂直転送レジスタ31及び32から形成され、第1及び第2の垂直転送レジスタ31及び32は対応する受光部2の両側に夫々分離して配されている。
【0079】
イメージ部4は、図12に示すように、上述した実施の形態の場合と同様に、信号電荷の転送路である例えばn型の不純物拡散による転送チャネル領域(垂直転送レジスタ)3が垂直方向に多数本形成されている(尚、説明をし易くするため、図示の例では転送チャネル領域を1列おきに3、33・・・と示している)。これら各転送チャネル領域3(3、33)は、その中央部分に垂直方向に延びる例えばp型の不純物拡散による第1のチャネルストップ領域8が形成されて、左右に分離された形となっている。本実施の形態においても、左側の転送チャネル領域を第1の転送領域(第1の垂直転送レジスタ)31と示し、右側の転送チャネル領域を第2の転送チャネル領域(第2の垂直転送レジスタ)32と示す。総括して示す場合は転送チャネル領域3と示す。
本実施の形態においても、各色R,Gr,Gb,Bに対応する4つの受光部2A,2B,2C,2Dのうち、上側の2つの受光部2A及び2Bを奇数行とし、下側の受光部2C及び2Dを偶数行とする。
【0080】
このイメージ部4では、上述した実施の形態と同様に、奇数行に関する受光部2A及び2Bのうち、受光部2Aと図面上左側に隣接する転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32との間には第2のチャネルストップ領域9が形成され、受光部2Bと図面上右側に隣接する転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31との間には第2のチャネルストップ領域9が形成されている。
また、偶数行に関する受光部2C及び2Dのうち、受光部2Cと図面上右側に隣接する転送チャネル領域3の第1の転送チャネル領域31との間には第2のチャネルストップ領域9が形成され、受光部2Dと図面上左側に隣接する転送チャネル領域3の第2の転送チャネル領域32との間には第2のチャネルストップ領域9が形成されている。
そして、この第2のチャネルストップ領域9は、垂直方向に隣接する各受光部間(図12では受光部2A及び2C、受光部2B及び2D)においても連続して形成されている。
【0081】
また、上述した実施の形態の場合と同様に、奇数行に関する受光部2A及び2Bのうち、受光部2Aと転送チャネル領域3の第1の転送チャネル領域31との間の領域、受光部2Bと転送チャネル領域3の第2の転送チャネル領域32との間の領域には読み出しゲート部10A及び10Bが形成されている。
また、偶数行に関する受光部2C及び2Dのうち、受光部2Cと転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32との間の領域、受光部2Dと転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31との間の領域には読み出しゲート部10C及び10Dが形成されている。
【0082】
従って、上述した実施の形態と同様に、左右隣り合う受光部2において、読み出しゲート部10が向かい合わせに形成され、且つ、上下隣り合う受光部(図12の例では受光部2A及び2C、受光部2B及び2D)において、読み出しゲート部の向きが反転して形成された構成となる。これにより、左右隣り合う受光部2に蓄積された信号電荷を同一の垂直転送レジスタ3に読み出すことが可能となる。
【0083】
このように構成することで、本実施の形態においても、垂直2画素×水平2画素の配列規則のカラーフィルタに対応する、各受光部2A,2B,2C,2Dにて蓄積された各色R,Gr,Gb,Bに対応する信号電荷eA,eB,eC,eDを、各読み出しゲート部1010A,10B,10C,10Dを通じてそれぞれ独立に色分離して読み出すことができる。
【0084】
そして、本実施の形態においては、垂直転送レジスタ3の一端(上側)に、上述した配列規則の4画素に対応する4つの受光部2A,2B,2C,2Dのうちの奇数行の2つの受光部2A及び2Bで蓄積された信号電荷eA及びeBをそれぞれ独立して転送する2つの水平転送レジスタ5A及び5Bを設け、垂直転送レジスタ33の他端(下側)には、上述した配列規則に対応する4つの受光部のうちの偶数行の2つの受光部2C及び2Dで蓄積された信号電荷eC及びeDをそれぞれ独立して転送する2つの水平転送レジスタ5C及び5Dを設け、各水平転送レジスタ5A,5B,5C,5Dの後段には信号電荷eA,eB,eC,eDを出力する出力部6A,6B,6C,6Dをそれぞれ設けて構成する。
即ち、本実施の形態では、上述した実施の形態のように信号電荷をそれぞれ一方の方向(下方)に転送するのではなく、信号電荷を上方及び下方にそれぞれ転送するものである。
【0085】
このように、イメージ部4を挟んだ一端及び他端に、水平転送レジスタ5A,5B,5C,5Dをそれぞれ2つずつ設けたときは、各列の受光部2に対して共通に設けられた垂直転送レジスタ(転送チャネル領域)3の1列おきに信号電荷の転送方向を逆方向とする。
【0086】
即ち、上述したように、各転送チャネル領域3上、つまり、第1及び第2の転送チャネル領域31及び32に対しては共通に例えば2層の多結晶シリコン層による4枚の垂直転送電極(第1〜第4の垂直転送電極15a〜15d)を1組としてその組が多数垂直方向に順次配列されているが、本実施の形態においては、垂直転送レジスタ(転送チャネル領域)3の一列おきに各垂直転送電極15a〜15dの向きを上下反転して構成する。
【0087】
具体的に説明すると、第1の垂直転送電極15aは、信号電荷の転送方向が上方とされた垂直転送レジスタ(転送チャネル領域)3上においては、その電極部(垂直転送レジスタに沿った部分)が図中下側に延びて形成され、信号電荷の転送方向が下方とされた垂直転送レジスタ(転送チャネル領域)33上においては、その電極部(垂直転送レジスタに沿った部分)が図中上側に延びて形成されている。
【0088】
また、第2の垂直転送電極15bは、信号電荷の転送方向が上方とされた垂直転送電極(転送チャネル領域)3上においては、その電極部(垂直転送レジスタに沿った部分)が図中上側に延びて形成され、信号電荷の転送方向が下方とされた垂直転送レジスタ(転送チャネル領域)33上においては、その電極部(垂直転送レジスタに沿った部分)が図中下側に延びて形成されている。
【0089】
また、第3の垂直転送電極15cは、信号電荷の転送方向が上方とされた垂直転送電極(転送チャネル領域)3上においては、その電極部(垂直転送レジスタに沿った部分)が図中下側に延びて形成され、信号電荷の転送方向が下方とされた垂直転送レジスタ(転送チャネル領域)33上においては、その電極部(垂直転送レジスタに沿った部分)が図中上側に延びて形成されている。
【0090】
また、第4の垂直転送電極15dは、信号電荷の転送方向が上方とされた垂直転送電極(転送チャネル領域)3上においては、その電極部(垂直転送レジスタに沿った部分)が図中上側に延びて形成され、信号電荷の転送方向が下方とされた垂直転送レジスタ(転送チャネル領域)33上においては、その電極部(垂直転送チャネル領域に沿った部分)が図中下側に延びて形成されている。
本実施の形態では、このように各垂直転送電極(15a〜15d)を構成することにより、4つの受光部2A,2B,2C,2Dにおける各読み出しゲート部10A,10B,10C,10Dは、第1の垂直転送電極15a下に配されることとなる。
【0091】
次に、このような本実施の形態に係るCCDイメージセンサの実際の動作を図13〜図16を用いて説明する。
先ず、受光部から信号電荷を読み出す電荷読み出し動作を図13Aのタイミングチャート及び図14の動作概念図を参照しながら説明する。
尚、図14Aは偶数行に関する受光部2C(2D)の電荷読み出し動作 を、図14Bは奇数行に関する受光部2A(2B)の電荷読み出し動作を示している。
先ず、図13Aにおける読み出し直前のt0時において、第1の垂直転送電極15aに印加される第1の垂直転送パルスφV1が高レベル(例えば0V)、第2、第3及び第4の垂直転送電極15b、15c及び15dに印加される第2、第3及び第4の垂直転送パルスがそれぞれ低レベル(例えば9V)であることから、転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域3及び33のうち、第1の垂直転送電極15a下の領域にポテンシャル井戸が形成される。
このとき、第1の垂直転送電極15a下のポテンシャル段差は受光部22A,2B,2C,2Dのポテンシャル段差よりも浅い位置にあるため、受光部22A,2B,2C,2Dの信号電荷eA,eB,eC,eDの流れ込みは行われない。
【0092】
次のt1時において、第1の垂直転送パルスφV1が読み出しレベル(例えば15V)となるため、第1の垂直転送電極15a下のポテンシャル井戸が受光部2A,2B,2C,2Dのポテンシャル段差よりも深くなる。これにより、奇数行に関する受光部2A及び2Bに蓄積されていた信号電荷eA及びeBは、上方に配された水平転送レジスタ5A及び5Bにそれぞれ通じる転送チャネル領域3、特に、信号電荷eAは第1の転送チャネル領域31における第1の垂直転送電極15a下に形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eBは第2の転送チャネル領域32における第1の垂直転送電極15a下に形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
また、偶数行に関する受光部2C及び2Dに蓄積されていた信号電荷eC及びeDは、下方に配された水平転送レジスタ5C及び5Dにそれぞれ通じる転送チャネル領域3、特に、信号電荷eCは第2の転送チャネル領域32における第1の垂直転送電極15a下に形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eDは第1の転送チャネル領域31における第1の垂直転送電極15a下に形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
【0093】
次に、t2時において、第1の垂直転送パルスφV1が元の高レベル(0V)に復帰するため、転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32における第1の垂直転送電極15a下に蓄積されていた信号電荷eA及びeBは、依然この第1の垂直転送電極15a下に留まることとなり、転送チャネル領域33の第2及び第1の転送チャネル領域32及び31における第1の垂直転送電極15a下に蓄積された信号電荷eC及びeDは、依然この第1の垂直転送電極15a下に留まることとなる。
【0094】
このように、本実施の形態においては、第1の垂直転送電極15a下に、4つの受光部2A,2B,2C,2Dの読み出しゲート部10A,10B,10C,10Dが配された構成となっているので、この第1の垂直転送電極15aへの1回の垂直転送パルスφV1の印加により、各受光部2A,2B,2C,2Dに蓄積された各色R,Gr,Gb,Bに対応する信号電荷eA,eB,eC,eDの読み出しを行うことができる。
【0095】
次に本実施の形態に係るイメージセンサ112における垂直方向の転送動作(垂直転送レジスタに沿った転送動作)について、図13Bのタイミングチャート並びに図15及び図16の動作概念図を参照しながら説明する。
尚、図15には偶数行に関する受光部2C(2D)で蓄積された信号電荷の垂直転送動作を示し、図16には奇数行に関する受光部2A(2B)で蓄積された信号電荷の垂直転送動作を示す。
先ず、図14で示す電荷読み出し動作の終了後において、信号電荷eA及びeBが転送方向が上方とされた転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32における第1の垂直転送電極15a下に形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eC及びeDが転送方向が下方とされた転送チャネル領域33の第2及び第1の転送チャネル領域32及び31における第1の垂直転送電極15a下に形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積された状態(t11時)から説明する。
【0096】
次のt12時において、第4の垂直転送パルスφV4が高レベルになることから、第4の垂直転送電極15d下にポテンシャル井戸が形成され、これにより、信号電荷eA及びeBは、転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32における第1及び第4の垂直転送電極15a及び15d下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eC及びeDは、転送チャネル領域33の第2及び第1の転送チャネル領域32及び31下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
【0097】
次のt13時において、第1の垂直転送パルスφV1が低レベルとなることから、第1の垂直転送電極15a下にポテンシャル障壁が形成され、これにより、信号電荷eA及びeBは、転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32における第4の垂直転送電極15d下に形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eC及びeDは、転送チャネル領域33の第2及び第1の転送チャネル領域32及び31における第4の垂直転送電極15d下に形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
【0098】
次のt14時において、第3の垂直転送パルスφV3が高レベルとなることから、第3の垂直転送電極15c下にポテンシャル井戸が形成され、これにより、信号電荷eA及びeBは、転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32における第3及び第4の垂直転送電極15c及び15d下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eC及びeDは、転送チャネル領域33の第2及び第1の転送チャネル領域32及び31における第3及び第4の垂直転送電極15c及び15d下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
【0099】
次のt15時において、第4の垂直転送パルスφV4が低レベルとなることから、第4の垂直転送電極下にポテンシャル障壁が形成され、これにより、信号電荷eA及びeBは、転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32における第3の垂直転送電極15c下に形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eC及びeDは、転送チャネル領域33の第2及び第1の転送チャネル領域32及び31における第3の垂直転送電極15c下に形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
【0100】
次のt16時において、第2の垂直転送パルスが高レベルとなることから、第2の垂直転送電極15b下にポテンシャル井戸が形成され、これにより、信号電荷eA及びeBは、転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32における第2及び第3の垂直転送電極15b及び15c下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eC及びeDは、転送チャネル領域33の第2及び第1の転送チャネル領域32及び31における第2及び第3の垂直転送電極15b及び15c下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
【0101】
次のt17時において、第3の垂直転送パルスφV3が低レベルになることから、第3の垂直転送電極15c下にポテンシャル障壁が形成され、これにより、信号電荷eA及びeBは、転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32における第2の垂直転送電極15b下に形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eC及びeDは、転送チャネル領域33の第2及び第1の転送チャネル領域32及び31における第2の垂直転送電極15b下に形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
【0102】
次のt18時において、第1の垂直転送パルスφV1が高レベルになることから、第1の垂直転送電極15a下にはポテンシャル井戸が形成され、これにより、信号電荷eA及びeBは、転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32における第1及び第2の垂直転送電極15a及び15b下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eC及びeDは、転送チャネル領域33の第2及び第1の転送チャネル領域32及び31における第1及び第2の垂直転送電極15a及び15b下に連続形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
【0103】
次のt19時において、第2の垂直転送パルスφV2が低レベルになることから、第2の垂直転送電極15b下にはポテンシャル障壁が形成され、これにより、信号電荷eA及びeBは、転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32における第1の垂直転送電極15a下に形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積され、信号電荷eC及びeDは、転送チャネル領域33の第2及び第1の転送チャネル領域32及び31における第1の垂直転送電極15a下に形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
【0104】
この段階で、前段における、転送チャネル領域3の第1及び第2の転送領域31及び32における第1の垂直転送電極15a下に形成されたポテンシャル井戸に蓄積された信号電荷eA及びeBは、それぞれ、次段における転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32における第1の垂直転送電極15a下に形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
また、前段における、転送チャネル領域33の第2及び第1の転送チャネル領域32及び31における第1の垂直転送電極15a下に形成されたポテンシャル井戸に蓄積された信号電荷eC及びeDは、それぞれ、次段における転送チャネル領域33の第2及び第1の転送チャネル領域32及び31における第1の垂直転送電極15a下に形成されたポテンシャル井戸に転送・蓄積される。
【0105】
このように、図13Aに示すタイミングで第1〜第4の垂直転送パルスφV1〜φV4が各垂直転送電極15(15a〜15d)に印加されることにより、それぞれ独立に色分離されて各転送チャネル領域3(31,32)に読み出された信号電荷eA,eB,eC,eDは、その奇数行に関する信号電荷eA及びeBが、それぞれ独立したままチャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32内をそれぞれ上方に向かって転送され、偶数行に関する信号電荷eC及びeDが、それぞれ独立したままチャネル領域33の第2及び第1の転送チャネル領域32及び31内をそれぞれ下方に向かって転送されることとなる。
【0106】
即ち、受光部2A及び2Bで蓄積されたR及びGrの各色に対応する信号電荷eA及びeBは、転送チャネル領域3の第1及び第2の転送チャネル領域31及び32内をそれぞれ順次上方に向かって転送され、受光部2C及び2Dで蓄積されたGb及びBの各色に対応する信号電荷eC及びeDは、転送チャネル領域33の第2及び第1の転送チャネル領域32及び31内をそれぞれ順次垂直方下方に向かって転送される。
【0107】
そして、それぞれ独立して各転送チャネル領域3(31,32)を転送されてきた各色R,Gr,Gb,Bに対応する信号電荷eA,eB,eC,eDは、各転送チャネル領域3(31,32)の一端にそれぞれ配された各水平転送レジスタ5A,5B,5C,5Dに転送される。
即ち、転送チャネル領域3の第1の転送チャネル31内を転送されてきた信号電荷eAは水平転送レジスタ5Aに、転送チャネル領域3の第2の転送チャネル領域32を転送されてきた信号電荷eBは水平転送レジスタ5Bに転送される。また、転送チャネル領域33の第2の転送チャネル領域32を転送されてきた信号電荷eCは水平転送レジスタ5Cに、転送チャネル領域33の第1の転送チャネル領域31内を転送されてきた信号電荷eDは水平転送レジスタ5Dに転送される。
【0108】
そして、各水平転送レジスタ5A,5B,5C,5Dへと転送された各色R,Gr,Gb,Bに対応する信号電荷eA,eB,eC,eDは、例えば2層の多結晶シリコン層による水平転送電極(図示せず)への互いに位相の異なる2相の水平転送パルスφH1及びφH2の印加によって、それぞれ順次各水平転送レジスタ5A,5B,5C,5Dを水平方向に転送され、この各水平転送レジスタ5A,5B,5C,5Dの後段に設けられた各出力部6A,6B,6C,6Dにおいて電気信号に変換されて、出力部6A,6B,6C,6Dより撮像信号として取り出されることになる。
即ち、本実施の形態においても、一度の水平転送動作で各色R,Gr,Gb,Bに対応する4つの信号電荷2eA,eB,eC,eDを同時に色分離して出力することができる。
【0109】
ここで、本実施の形態においては、垂直転送レジスタ3の1列おきに信号電荷eA,eB,eC,eDの転送方向が逆方向とされているので(垂直転送レジスタ3では転送方向が上方向、垂直転送レジスタ33が転送方向が下方向)、水平転送レジスタ5A,5B,5C,5Dにおいては、垂直転送レジスタ3から信号電荷eA,eB,eC,eDが転送される部分(パケット)と転送されない部分(パケット)が交互に形成される構成となる。
【0110】
即ち、各水平転送レジスタ5A,5B,5C,5Dでは、1パケットおきにしか各信号電荷eA,eB,eC,eDが転送されていない構成となっているので、各垂直転送レジスタ3から各水平転送レジスタ5へと水平1ライン分の信号電荷(例えば奇数行の信号電荷eA及びeB)を転送した後に、各水平転送レジスタ5を1ビット分だけ水平転送することにより、垂直転送レジスタ3下には信号電荷が転送されてない所謂空パケットが配されることとなり、この空パケットに、更に次の水平1ライン分の信号電荷(例えば偶数行の信号電荷eC及びeD)を垂直転送レジスタ3より転送することができる。
【0111】
従って、各垂直転送レジスタ3より各水平転送レジスタ5内へと、水平2ライン分の信号電荷(eA及びeB、eC及びeD)を転送することができ、1回の水平転送により合計4ライン分の信号電荷を出力することができる。これにより、従来の前画素読み出し方式の固体撮像素子に比べて、同一駆動周波数で約4倍のフレームレートを得ることができる(尚この倍数は水平ブランキング期間によって変化する)。
【0112】
このようにして、本実施の形態に係るCCDイメージセンサ112においても、上述した実施の形態の場合と同様に、イメージ部4上に形成された垂直2画素×水平2画素の配列規則のカラーフィルタ(図2参照)の各色R,Gr,Gb,Bに対応する受光部2A,2B,2C,2Dで蓄積された信号電荷eA,eB,eC,eDを、各垂直転送レジスタ3(第1の垂直転送レジスタ31及び第2の垂直転送レジスタ32)にそれぞれ独立して読み出すことができる。
【0113】
また、独立して読み出された各色R,Gr,Gb,Bに対応する信号電荷eA,eB,eC,eDを、それぞれ独立して各垂直転送レジスタ3(第1の垂直転送レジスタ31及び第2の垂直転送レジスタ32)内を垂直転送させることができる。
【0114】
また、1つの受光部2(本実施の形態では4つの受光部2A、2B、2C及び2D)に対して、1つの水平転送レジスタ5(本実施の形態では5A、5B、5C及び5D)が設けられているので、各受光部2で蓄積された信号電荷eA,eB,eC,eDの出力が1単位で行われることとなり、各色R,Gr,Gb,Bに対応する信号電荷eA,eB,eC,eDの信号処理の際に出力アンプゲインレベルの調整をすることが可能となり、出力アンプゲインレベルの調整が容易となる。
また、各色R,Gr,Gb,B毎の出力アンプゲインレベルの調整を任意に設定することが可能となるので、例えば後段に設けられた信号処理回路等により出力アンプゲインレベルの調整を任意に設定することが可能となる。
【0115】
また、水平転送レジスタ5は、垂直転送レジスタ3から信号電荷eA,eB,eC,eDが転送されるパケットと転送されないパケットが交互に形成された構成であるので、上述したように、1回の水平転送により合計4ライン分の信号電荷を出力することができる。これにより、従来の前画素読み出し方式の固体撮像素子に比べて、同一駆動周波数で約4倍のフレームレートを得ることができる(尚この倍数は水平ブランキング期間によって変化する)。
【0116】
また、各受光部2A,2B,2C,2D毎に出力部6A,6B,6C,6Dが異なるが、各出力部6間で出力アンプゲインレベルのずれが生じても、この出力アンプゲインのずれは各受光部2A,2B,2C,2D毎に発生するため、線状欠陥にはならず点となり目立ちにくくすることができる。
【0117】
また、本実施の形態に係るCCDイメージセンサ1においても、通常のIT方式のイメージセンサと同じ電荷読み出し動作のタイミングと垂直方向への電荷転送動作のタイミングを用いることができる。即ち、IT方式と共通のタイミングで電荷読み出し動作と垂直方向への電荷転送動作を行うことができる。
【0118】
また、転送チャネル領域(垂直転送レジスタ)3が第1及び第2の転送チャネル領域31及び32とから構成され、これら各転送チャネル領域31及び32が対応する列の各受光部2の両側にそれぞれ分離して配されているため、信号電荷2を転送する際に使用される転送電極(15a、15b、15c及び15d)を2層の電極材料にて構成することができ、受光部2の周辺構造の簡略化、高感度化及びスミア抑圧比の向上などの特性を得ることができる。
【0119】
また、第2のチャネルストップ領域9を、図12に示したように、垂直方向に隣接するチャネルストップ領域を介して連続的に形成するようにした場合は、信号電荷及び信号電荷、信号電荷及び信号電荷のクロストークを有効に防止することができ、しかも、チャネルストップ領域に固定電位を供給してポテンシャル障壁の高さを調整したい場合に、その供給端部をイメージ部4の外側に導出することができるため、固定電位を供給するための配線構造を簡略化することができる。
【0120】
ここで、本実施の形態においては、イメージ部4を挟んで上側及び下側に水平転送レジスタ5を2本ずつ設けているので、上述した実施の形態のイメージ部4の下側に水平転送レジスタ5を4本設けた場合(図1参照)と比較して、出力部6が集中することによる発熱は抑制されるが、上述したと同様に、例えば隣接する水平転送レジスタ間(図12の例では水平転送レジスタ5A及び5B、水平転送レジスタ5C及び5D)での信号電荷eA,eB,eC,eDの転送方向を互いに逆方向として、CCDイメージセンサ112を構成することもできる(図17参照)。
尚、その他の部分の構成は図11と同様であるので同一符号を付して重複説明を省略している。
【0121】
このような構成は、水平転送レジスタ5A及び5B、水平転送レジスタ5C及び5Dの間に設けられた水平転送レジスタ間転送ゲート11上において、第1及び第2の水平転送電極16及び17を図9に示した構成とすることにより達成できる。
【0122】
これにより、水平転送レジスタ5B及び5Cでは信号電荷eB及びeCを一方の側(図17では左側)へと、水平転送レジスタ5A及び5Dでは信号電荷eA及びeDを他方の側(図17では右側)へと転送することができ、信号電荷eA,eB,eC,eDは、それぞれ異なる方向に設けられた出力部(6B及び6C、出力部6A及び6D)から出力することができる。
従って、本実施の形態においても、上述した作用効果に加えて、各出力部6A,6B,6C,6Dの一方の側への集中を防いで発熱を抑制できる。
【0123】
上述した実施の形態では、水平転送レジスタ5として、4本の水平転送レジスタ5A,5B,5C,5Dを設けて説明したが、フレームレートを上げるために、水平転送レジスタ5を増やして例えば8本の水平転送レジスタを設けることもできる。
【0124】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
【符号の説明】
【0125】
111、112・・・CCDイメージセンサ、2,2A,2B,2C,2D・・・受光部、3,33・・・垂直転送レジスタ(転送チャネル領域)、3・・・第1の転送チャネル領域、32・・・第2の転送チャネル領域、4・・・イメージ部、5A,5B,5C,5D・・・水平転送レジスタ、6A,6B,6C,6D・・・出力部、7・・・カラーフィルタ、11・・・水平転送レジスタ間転送ゲート、eA,eB,eC,eD・・・信号電荷、16・・・第1の水平転送電極、17・・・第2の水平転送電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数マトリクス状に配され、被写体からの入射光の光量に応じた量の信号電荷に光電変換する画素としての受光部と、
前記受光部から読み出された前記信号電荷を垂直方向に転送する垂直転送レジスタと、
前記垂直転送レジスタから転送された前記信号電荷を水平方向に転送する少なくとも2つの水平転送レジスタとを有し、
各前記受光部に対応して垂直2画素×水平2画素の配列規則で配されたカラーフィルタを有し、
前記垂直転送レジスタは、対応する受光部の両側に夫々分離して配された、第1の垂直転送レジスタ及び第2の垂直転送レジスタから形成され、
前記第1の垂直転送レジスタ及び前記第2の垂直転送レジスタの一端に、それぞれ前記配列規則の4画素に対応する4つの受光部から読み出された信号電荷をそれぞれ独立して転送する4つの水平転送レジスタが設けられており、
前記4つの水平転送レジスタのうち、2つの水平転送レジスタと、他の2つの水平転送レジスタとは、信号電荷の転送方向が互いに逆方向とされている
固体撮像素子。
【請求項2】
前記4画素のうち、同一行の2つの画素の前記信号電荷はそれぞれ転送方向が逆方向の2つの前記水平転送レジスタに転送され、前記4画素のうち、同一列の2つの画素の前記信号電荷は、それぞれ転送方向が逆方向の2つの前記水平転送レジスタに転送される、請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項3】
前記4画素のうち、同一行の2つの画素の前記信号電荷はそれぞれ転送方向が逆方向の2つの前記水平転送レジスタに転送され、前記4画素のうち、同一列の2つの画素の前記信号電荷はそれぞれ転送方向が同じ方向の2つの前記水平転送レジスタに転送される、請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項4】
多数マトリクス状に配され、被写体からの入射光の光量に応じた量の信号電荷に光電変換する画素としての受光部と、
前記受光部から読み出された前記信号電荷を垂直方向に転送する垂直転送レジスタと、
前記垂直転送レジスタから転送された前記信号電荷を水平方向に転送する少なくとも2つの水平転送レジスタとを有し、
各前記受光部に対応して垂直2画素×水平2画素の配列規則で配されたカラーフィルタを有し、
前記垂直転送レジスタは、対応する受光部の両側に夫々分離して配された、第1の垂直転送レジスタ及び第2の垂直転送レジスタから形成され、
前記第1の垂直転送レジスタ及び前記第2の垂直転送レジスタの一端に、それぞれ前記配列規則の4画素のうち1つの行に対応する2画素の2つの受光部から読み出された信号電荷をそれぞれ独立して転送する2つの水平転送レジスタが設けられており、
前記第1の垂直転送レジスタ及び前記第2の垂直転送レジスタの他端に、それぞれ前記配列規則の4画素のうち他の行に対応する2画素の2つの受光部から読み出された信号電荷をそれぞれ独立して転送する2つの水平転送レジスタが設けられており、
前記1つの行に対応する2画素の2つの受光部から読み出された信号電荷が転送される、前記第1の垂直転送レジスタ及び前記第2の垂直転送レジスタと、前記他の行に対応する2画素の2つの受光部から読み出された信号電荷が転送される、前記第1の垂直転送レジスタ及び前記第2の垂直転送レジスタとは、信号電荷の転送方向が互いに逆方向とされている
固体撮像素子。
【請求項5】
前記第1の垂直転送レジスタ及び前記第2の垂直転送レジスタの一端に設けられた前記2つの水平転送レジスタと、前記第1の垂直転送レジスタ及び前記第2の垂直転送レジスタの他端に設けられた前記2つの水平転送レジスタとは、転送方向が同じであり、前記4画素のうち同一列の2画素の前記信号電荷はそれぞれ転送方向が逆方向の2つの前記垂直転送レジスタに転送される、請求項4に記載の固体撮像素子。
【請求項6】
前記第1の垂直転送レジスタ及び前記第2の垂直転送レジスタの一端に設けられた前記2つの水平転送レジスタと、前記第1の垂直転送レジスタ及び前記第2の垂直転送レジスタの他端に設けられた前記2つの水平転送レジスタとは、それぞれ1つずつ転送方向が逆方向であり、前記4画素のうち同一列の2画素はそれぞれ転送方向が逆方向の2つの前記垂直転送レジスタに転送される、請求項4に記載の固体撮像素子。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2010−10724(P2010−10724A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−237671(P2009−237671)
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【分割の表示】特願2003−11407(P2003−11407)の分割
【原出願日】平成15年1月20日(2003.1.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】