説明

固体添加剤組成物およびその方法

添加剤組成物は、(A)窒素含有清浄剤、脂肪酸ベースの摩擦調整剤またはこれらの混合物を含有する添加剤、および(B)固体有機マトリックス材料を含有し、この添加剤組成物は、約25℃〜約200℃の範囲で融解する固体である。機能的流体、特に内燃機関によって動力を与えられる乗物の燃料組成物または動力伝達流体の性能を増強させるための方法は、性能を増強させる量の添加剤組成物をこの機能的流体に添加する工程を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、添加剤と固体マトリックス材料とを含有する、固体添加剤組成物に関する。本発明は、さらに、機能的流体の性能を増強させる方法に関し、この方法は、上記固体添加剤組成物を、機能的流体(例えば、燃料組成物または動力伝達流体)に添加する工程を包含する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の説明)
機能的流体の性能を増強させるために、この機能的流体に、好都合な様式で(例えば、固体添加剤組成物として)追加の添加剤またはさらなる添加剤を導入することは、望ましい。性能の増強は、a)厳しい作動条件下で性能を維持すること、b)通常の作動条件下での性能のさらなる改善、c)その流体の通常の寿命を超えての性能の延長、d)性能の回復、e)これらの組み合わせであり得る。
【0003】
Jakobらは、特許文献1において、固体燃料添加剤を開示する。
【0004】
Schuettenbergらは、特許文献2および特許文献3において、固体形態の添加剤およびそれらを形成する方法を開示する。
【0005】
Martinらは、特許文献4、特許文献5、および特許文献6において、添加剤を燃料中に放出するための、燃料フィルタまたな容器を開示する。
【特許文献1】米国特許第6,312,480号明細書
【特許文献2】米国特許第4,515,740号明細書
【特許文献3】米国特許第4,639,255号明細書
【特許文献4】米国特許第6,238,554号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2002/0195380号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2004/0026291号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(発明の要旨)
本発明の目的は、機能的流体の性能を、効果的にかつ好都合な様式で増強させることである。
【0007】
本発明のさらなる目的は、炭化水素燃料組成物の性能を増強させることである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、動力伝達流体の性能を増強させることである。
【0009】
本発明のさらなる目的および利点は、以下の詳細な説明に説明され、そして部分的には、詳細な説明から明らかになるか、または本発明の実施によって習得され得る。本発明の目的および利点は、添付の特許請求の範囲において示される器具類および組み合わせによって、実現され得る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、機能的流体、そして1つの実施形態において、好ましくは、炭化水素燃料組成物または動力伝達流体の性能の、好都合かつ効果的な増強を可能にする形態の、固体添加剤組成物を提供する。
【0011】
本明細書中に記載され、そして特許請求されるように、本発明に従って上記目的を達成するために、添加剤組成物は、
(A)添加剤であって、酸化防止剤、極圧剤、磨耗低化剤、粘度指数向上剤、消泡剤、燃焼改質剤、摩擦調整剤、極圧(EP)剤、磨耗低化剤、粘度指数向上剤、消泡剤、ミスト形成防止剤、曇り点降下剤、流動点降下剤、鉱油もしくは合成油、アンチノック剤、鉛スカベンジャー、色素、セタン価向上剤、防錆剤、細菌発育阻止剤、ガム抑止剤、流動化剤、金属不活性化剤、抗乳化剤、防氷剤、潤滑性添加剤、摩擦調整剤、粘度改質剤、流動性向上剤、低温改質剤、静電防止剤、弁座後退剤(valve−seat recession agent)、吸気弁デポジット制御添加剤、燃焼室デポジット制御添加剤、燃料噴射器デポジット制御添加剤、燃料により運ばれる触媒(fuel−borne catalyst)(例えば、Na、K、Co、Ni、Fe、Cu、Mn、Mo、Va、Zi、Be、Pt、Pa、Ce、Cr、Al、Th、Se、Bi、Cd、Te、Th、Sn、Ba、B、La、Ta、Ti、W、Zn、Ga、Pb、Ag、Au、Os、Irの有機金属化合物)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される燃料添加剤または潤滑剤添加剤を燃料中に含有する、添加剤、ならびに
(B)少なくとも1種の固体有機マトリックス材料
を含有し、この添加剤組成物は、約25℃〜約200℃の範囲で融解する固体であり、そして成分(A)および成分(B)の各々は、この添加剤組成物中に約5重量%〜約95%で存在する。
【0012】
より具体的な実施形態は、
(A)添加剤であって、
(1)窒素含有清浄剤であって、(a)ヒドロカルビル置換されたヒドロキシ含有芳香族化合物と、アルデヒドと、少なくとも1個の第一級アミノ基もしくは第二級アミノ基を有するアミンとの反応から調製される、Mannich清浄剤;(b)アルコキシ化アルコールもしくはアルコキシ化アルキルフェノールと、アクリロニトリルとの反応によりニトリルを形成し、該ニトリルが水素化されてポリエーテルアミンを形成することにより調製される、ポリエーテルアミン;(c)C6〜36の脂肪族カルボン酸もしくは芳香族カルボン酸と、ポリエチレンポリアミンとの反応生成物の、アルコキシ化反応生成物;(d)C6〜36の脂肪族アミンもしくは芳香族アミン、または(e)これらの混合物から選択される少なくとも1種の成分を含有する、窒素含有清浄剤;
(2)(a)ポリアルコキシ化脂肪アミン;(b)脂肪酸から誘導されたオキサゾリン;および(c)これらの混合物を含有する、脂肪酸から誘導された摩擦調整剤;または
(3)これらの混合物
を含有する、添加剤、ならびに
(B)少なくとも1種の固体有機マトリックス材料
を含有する添加剤組成物であり、この添加剤組成物は、約25℃〜約200℃の範囲で融解する固体であり、そして成分(A)および成分(B)の各々は、この添加剤組成物の約5重量%〜約95重量%の範囲で、この添加剤組成物中に存在する。
【0013】
別の実施形態において、機能的流体の性能を増強させるための方法は、性能を増強させる量の添加剤組成物を、この機能的流体に添加する工程を包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(発明の詳細な説明)
本発明は、添加剤組成物を包含し、この添加剤組成物は、(A)添加剤であって、(1)(a)ヒドロカルビル置換されたヒドロキシ含有芳香族化合物と、アルデヒドと、少なくとも1個の第一級アミノ基もしくは第二級アミノ基を有するアミンとの反応から調製される、Mannich清浄剤;(b)アルコキシ化アルコールもしくはアルコキシ化アルキルフェノールと、アクリロニトリルとの反応によりニトリルを形成し、このニトリルが水素化されてポリエーテルアミンを形成することにより調製される、ポリエーテルアミン;(c)脂肪カルボン酸と、ナフテン酸と、ポリエチレンポリアミンとの反応生成物との、アルコキシ化反応生成物;および(d)これらの混合物を含有する、窒素含有清浄剤;(2)(a)ポリアルコキシ化脂肪アミン;(b)脂肪酸から誘導されたオキサゾリン;および(c)これらの混合物を含有する、脂肪酸から誘導された摩擦調整剤;または(3)これらの混合物を含有する、添加剤;ならびに(B)少なくとも1種の固体有機マトリックス材料を含有し、この添加剤組成物は、約25℃〜約200℃の範囲で融解する固体であり、そして成分(A)および成分(B)の各々は、この添加剤組成物の約5重量%〜約95%で、この添加剤組成物中に存在する。
【0015】
本発明の添加剤(A)は、(A)(1)窒素含有清浄剤、(A)(2)脂肪酸から誘導された摩擦調整剤、または(A)(3)これらの混合物を含有する。添加剤(A)は、2種以上の清浄剤、2種以上の摩擦調整剤、1種以上の清浄剤および1種以上の摩擦調整剤、またはこれらの組み合わせを含有する、混合物であり得る。
【0016】
(窒素含有清浄剤)
本発明の窒素含有清浄剤は、(A)(1)(a)ヒドロカルビル置換されたヒドロキシ含有芳香族化合物と、アルデヒドと、少なくとも1個の第一級アミノ基もしくは第二級アミノ基を有するアミンとの反応から得られる、Mannich清浄剤であり得る。ヒドロカルビル基とは、本願全体にわたって、性質が主として炭化水素である一価の基であって、この基は、この炭化水素の主鎖に、窒素および酸素などのヘテロ原子を有し得るか、または別の原子(例えば、ハロゲン原子)としてかもしくはヒドロキシ基などの基においてこの主鎖に結合した、ヘテロ原子を有し得る、一価の基として定義される。Mannich清浄剤のヒドロカルビル置換基は、ポリオレフィンから誘導され得る。このポリオレフィンは、C〜C10のアルケンまたはこれらの混合物のポリマーであり得る。ヒドロカルビル置換基は、約200〜約5,000;約300〜約3,000;約400〜約2,500;または約900〜約1,500の数平均分子量を有し得る。ヒドロカルビル置換基は、ポリイソブチレンから、あるいは約50%より多いか、約60%より多いか、または約70%より多い、末端二重結合異性体含有量またはビニリデン含有量を有する、ポリイソブチレンから誘導され得る。ヒドロキシ含有芳香族化合物は、1個以上のヒドロキシ基、0〜1個以上のC〜Cアルキル基、またはこれらの混合物を有し得、例えば、フェノール、カテコール、およびo−クレゾールが挙げられる。アルデヒドは、1個〜6個の炭素原子を有し得、反応性形態のホルムアルデヒド(例えば、ホルマリンおよびパラホルムアルデヒド)が挙げられる。アミンは、モノアミン、ポリアミン、またはこれらの混合物であり得る。このモノアミンは、第一級モノアミン、第二級モノアミン、アルカノールアミン、またはこれらの混合物であり得る。このモノアミンは、例えば、ブチルアミン、ジメチルアミン、またはエタノールアミンであり得る。このポリアミンは、アルキレンジアミンまたはその置換誘導体(例えば、エチレンジアミン、ポリエチレンポリアミン(例えば、ジエチレントリアミン)、アルカノールアミン(例えば、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール))、またはこれらの混合物であり得る。Mannich清浄剤の調製は、当業者に公知であり、そして例示的な調製手順は、米国特許第5,876,468号に記載されている。
【0017】
本発明の窒素含有清浄剤は、(A)(1)(b)アルコキシ化アルコールもしくはアルコキシ化アルキルフェノールと、アクリロニトリルとの反応によりニトリルを形成し、このニトリルが水素化されてポリエーテルアミンを形成することにより調製される、ポリエーテルアミンであり得る。このアルコールは、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、またはこれらの混合物であり得る。この脂肪族アルコールは、分枝炭素鎖、直鎖炭素鎖、またはこれらの混合物を有し得る。この脂肪族アルコールは、約1個〜約30個の炭素原子、約4個〜約24個の炭素原子、または約8個〜約20個の炭素原子を有し得る。この脂肪族アルコールは、約2種以上のアルコールの混合物であり得、ここで、各アルコールは、異なる数の炭素原子を有する。このアルキルアルコールのアルキル置換基は、約1個〜約30個、約2個〜約24個、または約4個〜約18個の炭素原子を有し得る。このアルコキシ化アルコールまたはアルコキシ化アルキルフェノールは、アルコールまたはアルキルフェノールを、1単位のアルコールまたはアルキルフェノールあたり1単位以上のアルキレンオキシドと、一般的には塩基性化された触媒条件下で反応させることによって、調製され得る。このアルキレンオキシドは、単一のアルキレンオキシドであっても、炭素数が異なる約2種以上のアルキレンオキシドの混合物であってもよい。アルキレンオキシドの混合物は、アルコールまたはアルキルフェノールと、組み合わせで反応させられても、連続的に反応させられてもよい。アルキレンオキシドは、約2個〜約18個、約2個〜約10個、約2個〜約4個、または約3個〜約4個の炭素原子を有し得る。アルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、またはこれらの混合物であり得る。1モルあたりのアルコールまたはアルキルフェノールと反応させられるアルキレンオキシドのモル数は、約1〜約50、約10〜約35、または約18〜約27であり得る。次いで、アルコキシ化されたアルコールまたはアルコキシ化されたアルキルフェノールは、アクリロニトリルと反応させられて、ニトリルを形成し得、このニトリルは、次いで、水素化試薬と反応させられて、ポリエーテルアミンを形成し得る。このポリエーテルアミンは、式RO(RO)CHCHCHNHによって表され得、この式において、Rは、アルコールまたはアルキルフェノールの炭化水素基を表し、Rは、アルキレンオキシドの炭化水素基を表し、そしてxは、1モルのアルコールまたはアルキルフェノールと反応するアルキレンオキシドのモル数を表す。アルコールまたはアルキルフェノールから本発明のポリエーテルアミン(A)(1)(b)を調製する方法は、米国特許第5,094,667号に記載されている。
【0018】
本発明の窒素含有清浄剤は、(A)(1)(c)脂肪カルボン酸と、ナフテン酸と、ポリエチレンポリアミンとの反応生成物の、アルコキシ化反応生成物であり得る。この脂肪カルボン酸は、直鎖、分枝鎖、またはこれらの混合物であり得る。この脂肪カルボン酸は、飽和、不飽和、またはこれらの混合物であり得る。この脂肪カルボン酸は、約4個〜約22個、約6個〜約22個、または約10個〜約20個の炭素原子を有し得る。本発明の実施形態において、この脂肪カルボン酸は、オレイン酸またはステアリン酸である。ナフテン酸は、石油から誘導され得、そして一般に環式基を含む、約180〜約350の分子量の飽和カルボン酸の混合物である。ポリエチレンポリアミンは、約3個〜約10個、約3個〜約8個、または約3〜約6個の窒素原子を含み得、そして例えば、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミンが挙げられる。脂肪酸と、ナフテン酸と、ポリエチレンポリアミンとの反応生成物は、アルキレンオキシドでアルコキシ化され得る。このアルキレンオキシドは、約2個〜約10個、約2個〜約8個、または約2個〜約6個の炭素原子を有し得、そしてエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、およびこれらの混合物が挙げられる。脂肪酸対ナフテン酸のモル比は、それぞれ、約0.1〜1:0.1〜1であり得る。使用されるポリエチレンポリアミンの量は、一般に、脂肪酸およびナフテン酸の全てのカルボキシル基と反応するために充分であるか、またはそれよりわずかに過剰である。本発明の1つの実施形態において、ナフテン酸は、オレイン酸およびトリエチレンテトラミンと、約220〜約260℃で反応して、中間体を形成し、この中間体は、エチレンオキシドと、約160〜約180℃でさらに反応する。ここで、これらの反応物質の重量比は、それぞれ、約1:1.2:0.7:0.2である。
【0019】
本発明の実施形態において、窒素含有清浄剤および添加剤(A)は、(A)(1)(a)Mannich清浄剤、(A)(1)(b)ポリエーテルアミン、またはこれらの混合物である。
【0020】
(脂肪酸から誘導された摩擦調整剤)
本発明の、脂肪酸から誘導された摩擦調整剤は、(A)(2)(a)ポリアルコキシ化脂肪アミンであり得る。ポリアルコキシ化脂肪アミンは、市販されており、そして一般に、脂肪カルボン酸をアンモニアと反応させてアミドを形成し、次いで、このアミドを、水素化試薬で還元して第一級脂肪アミンにすることによって、調製され得る。脂肪アミンの炭化水素基は、直鎖、分枝鎖、またはこれらの混合物であり得る。脂肪アミンの炭化水素基は、飽和、不飽和、またはこれらの混合物であり得る。脂肪アミンの炭化水素基は、約4個〜約22個、約6個〜約22個、または約10〜約20個の炭素原子を有し得る。この脂肪アミンは、一般に、アルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシドなどのC〜Cのアルキレンオキシド)と、1モルの脂肪アミンあたり2モル以上のアルキレンオキシドの比でさらに反応して、ポリアルコキシ化脂肪アミンを形成する。アルキレンオキシド対脂肪アミンのモル比は、約2〜50:1、約2〜20:1、約2〜10:1;または約2〜4:1であり得る。本発明の実施形態において、ポリアルコキシ化脂肪アミンは、ジエトキシ化獣脂アミンまたはジエトキシ化オレイルアミンである。
【0021】
本発明の、脂肪酸から誘導された摩擦調整剤は、(A)(2)(b)脂肪酸から誘導されたオキサゾリンであり得る。このオキサゾリンは、脂肪カルボン酸と、2−アミノエタノール、またはヒドロキシ基を有する炭素に対してβ位の炭素上に第一級アミノ基を有するその誘導体(例えば、トリスヒドロキシメチル−アミノメタン(THAM))との反応から調製され得る。この脂肪カルボン酸は、部分成分(A)(1)(c)に関して本願の国際公開パンフレットの[0017]段落において上に記載されたような、酸であり得る。本発明の1つの実施形態において、オキサゾリンは、ステアリン酸と2−アミノエタノールとの反応生成物である。本発明の別の実施形態において、オキサゾリンは、イソステアリン酸とTHAMとの反応生成物である。本発明のさらなる実施形態において、脂肪酸対2−アミノエタノールまたはその誘導体のモル比は、0.5〜4:1、1〜3:1、1.4〜2.6:1、2:1、または1:1である。オキサゾリンは、脂肪酸と、アミノエタノールまたはその誘導体とを、約90〜約200℃という高温で、この反応系から水を除去しながら反応させることによって、調製され得る。
【0022】
本発明の実施形態において、脂肪酸から誘導された摩擦調整剤および添加剤(A)は、(A)(2)(a)ポリアルコキシ化脂肪アミン、(A)(2)(b)脂肪酸から誘導されたオキサゾリン、または(A)(2)(c)これらの混合物である。
【0023】
(固体有機マトリックス材料)
本発明の固体有機マトリックス材料(B)は、添加剤(A)と組み合わせられる場合に、固体である添加剤組成物を生成するかまたは生じる、任意の材料であり得る。成分(B)は、(1)炭化水素;(2)アルコール;(3)有機酸、有機酸の誘導体、もしくはこれらの混合物;(4) (B)(1)〜(B)(3)以外の有機化合物であって、炭素、水素、酸素および窒素からなる群より選択される原子のみを含む、有機化合物;または(5)これらの混合物を含有し得る。成分(B)は、約25℃以上、約50℃以上、約60℃以上、25℃〜約200℃の範囲約、約25〜約100℃の範囲、約50〜約200℃の範囲、または約50〜約100℃の範囲の融点を有し得る。炭化水素(B)(1)は、天然のもの、合成されたもの、またはこれらの混合物であり得る。天然の炭化水素としては、石油蝋が挙げられ得、これには、パラフィンまたはパラフィンの混合物が挙げられ、ここで、このパラフィンは、これらが固体であるように、約254以上という充分に高い分子量を有する(例えば、C1838パラフィン、C3674パラフィン、またはC2450パラフィン)。合成炭化水素としては、ポリエチレン、Fischer−Tropschプロセスから得られる炭化水素、またはこれらの混合物(例えば、直鎖低密度ポリエチレンまたはFischer−Tropsch炭化水素蝋)が挙げられ得る。アルコール(B)(2)は、直鎖、分枝鎖、またはこれらの混合物であり得る。固体である直鎖アルコールは、一般に、214以上の分子量を有し、例えば、C1429OHアルコール、C1633OHアルコール、またはC1837OHアルコールである。成分(B)(3)は、有機酸、有機酸の誘導体、もしくはこれらの混合物を含有し得る。この有機酸は、直鎖カルボン酸、分枝鎖カルボン酸、芳香族カルボン酸、またはこれらの混合物を含有し得る。固体である直鎖カルボン酸は、一般に、約10個以上の炭素原子を有し、例えば、デカン酸およびドデカン酸である。芳香族酸としては、例えば、安息香酸およびナフトエ酸が挙げられ得る。有機酸の誘導体としては、カルボン酸のエステルが挙げられ得、これらとしては、天然エステル、合成エステル、またはこれらの混合物が挙げられ得る。天然エステルとしては、動物供給源由来のエステル(例えば、蜜蝋)、植物供給源由来のエステル(例えば、カルナウバ蝋)、またはこれらの混合物が挙げられ得る。合成エステルとしては、ポリオールの芳香族カルボン酸エステルまたは脂肪カルボン酸エステルが挙げられ得る。脂肪酸は、直鎖、分枝鎖、またはこれらの混合物であり得る。脂肪酸は、約8個〜約22個、約10個〜約22個、または約12個〜約20個の炭素原子を有し得る。脂肪酸は、飽和、不飽和、またはこれらの混合物であり得る。ポリオールは、2個以上のヒドロキシ基を有し得るか、または3個以上のヒドロキシ基を有し得、例えば、グリセロールおよびソルビトールが挙げられる。合成エステルとしては、例えば、トリステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸グリセリル、およびトリ安息香酸グリセリルが挙げられ得る。本発明の1つの実施形態において、成分(B)(3)は、直鎖脂肪カルボン酸、芳香族カルボン酸、天然エステル、ポリオールと直鎖脂肪カルボン酸もしくは芳香族カルボン酸とから誘導された合成エステル、またはこれらの混合物を含有し得る。成分(B)(4)は、上記のような有機化合物を含有し得、ポリ(エチレングリコール)、エチルセルロース、またはこれらの混合物が挙げられる。ポリ(エチレングリコール)は、約400以上、約600以上、または約900以上の数平均分子量を有し得る。
【0024】
(添加剤組成物)
本発明の添加剤組成物は、上記のような成分(A)および成分(B)を含有し得、ここで、この添加剤組成物は、固体である。この添加剤組成物は、約25℃以上、約50℃以上、約60℃以上、約25℃〜約200℃の範囲、約25〜約100℃の範囲、約50〜約200℃の範囲、または約50〜約100℃の範囲で融解する固体であり得る。この添加剤組成物中の成分(A)対成分(B)の重量%比は、それぞれ、約5〜95:95〜5、約15〜85:85〜15、または約25〜75:75〜25であり得る。成分(A)および成分(B)は、各々、この添加剤組成物中に、重量基準で、約5〜約95%、約15〜約85%、または約25〜約75%で存在し得る。
【0025】
添加剤(A)、固体有機マトリックス材料(B)、および他の任意の成分を含有する、添加剤組成物は、固体添加剤組成物または均質な固体添加剤組成物を生じる、任意のプロセスまたは手順で調製され得る。この添加剤組成物は、一般に、これらの成分を組み合わせ、そしてこれらの組み合わせを、周囲温度または高温で混合することによって、調製され得る。これらの成分を組み合わせることは、これらの成分の全てを調製プロセスの開始時に全て一緒にすること、または1種以上の成分を1種以上の成分に、同時にかもしくは連続的に添加することによって、なされ得る。混合することは、任意の混合手段または混合デバイス(例えば、スターラー、アジテーターまたは分散器(dispersator)などのミキサー;例えば、ボールミル、ロッドミルまたはチューブミルなどの粉砕ミル;音響デバイス;成分の流れを一緒に攪拌または混合するために、インラインの動的(移動)混合要素または静止(非移動)混合要素を使用するブレンドシステム;あるいはこれらの組み合わせが挙げられる)によって実施され得る。成分(B)または他の任意の成分が、一般的に約100℃以下で溶解する低融点の固体である、本発明の1つの実施形態において、この添加剤組成物は、これらの成分を合わせ、固体成分を融解させるために十分な熱を加え、これらの成分を混合手段または混合デバイス(例えば、ミキサー)で混合し、そしてこの混合物を冷却して固体添加剤組成物を形成することによって、調製され得る。成分(B)または他の任意の成分が、一般的に約100℃より高温で融解する高融点の固体である、本発明の別の実施形態において、この添加剤組成物は、これらの成分を合わせ、そしてこれらの成分を混合手段もしくは混合デバイス(例えば、粉砕ミル)で混合して固体添加剤組成物を形成することによって、調製され得る。この固体混合物は、当業者に公知である、粉末からペレットを製造するための方法のいずれかを使用することによって、ペレット形状、錠剤形状、または丸剤形状に圧縮することにより、さらに加工され得る。これには、圧縮されるダイの使用(例えば、固体の赤外線スペクトルを記録するためにKBrペレットを作製するために使用されるもの)、またはこのプロセスの自動化形態(例えば、粉末を錠剤に転換するペレット化機械の使用による)が挙げられる。この固体はまた、顆粒化の当業者に公知である、容易に利用可能な技術のいずれかによって、顆粒形態に加工され得る。
【0026】
本発明の添加剤(A)は、ゲルであり得る。このゲルは、ゲル組成物中に溶解または分散された、成分(A)(1)、成分(A)(2)またはこれらの混合物を含有し得る。このゲル組成物は、添加剤ゲルの形態の、1種以上の添加剤を含有し得、このゲル組成物は、機能的流体(例えば、潤滑剤または燃料組成物)に、添加剤成分をゆっくりと放出する。ゲル組成物を含有する1種以上の添加剤は、清浄剤、分散剤、酸、塩基、オーバーベース化(overbased)清浄剤およびこれらの組み合わせから選択され得る。本発明の1つの実施形態において、このゲル組成物は、金属含有清浄剤(例えば、オーバーベース化スルホン酸塩)、分散剤(例えば、ポリイソブテニルスクシンイミド)、極圧剤および耐磨耗剤(例えば、ジチオリン酸亜鉛)、酸化防止剤(例えば、ヒンダードフェノールおよびその誘導体)、補助的な摩擦調整剤(例えば、脂肪酸ベースのイミダゾリン)、腐食防止剤および防錆剤(例えば、ポリイソブテニルコハク酸)、粘度調整剤(例えば、無水マレイン酸−スチレンコポリマーの窒素含有エステル)、補助的な窒素含有清浄剤(例えば、ポリイソブチレンから誘導された炭化水素置換されたアミン)、シール膨潤剤(例えば、スルホラン)、消泡剤(例えば、シリコーン油)、金属不活性化剤(例えば、トリルトリアゾール)、ならびに燃焼向上剤(例えば、オクタン価向上剤およびセタン価向上剤)が挙げられる、さらなる燃料添加剤または潤滑剤添加剤をさらに含有し得る。ゲル組成物、これらの調製およびこれらの使用は、米国特許出願公開第2004/0014614号に記載されている。添加剤(A)の成分((A)(1)、(A)(2)、または(A)(3)を含めて)は、このゲル組成物の調製の前、調製中または調製後に、ゲル組成物中に溶解または分散されて、ゲルを形成し得る。
【0027】
本発明の添加剤組成物は、所定の用途(例えば、機能的流体の性能を増強させるための、この機能的流体の販売後の処理)においての好都合な使用のために、添加形態で調製または製造され得る。この添加剤組成物は、コーティングされていない添加単位として製造され得るか、またはコーティングされた添加単位として製造され得る。このコーティングは、非毒性であり得;炭化水素媒体(潤滑粘度の油(例えば、天然および/もしくは合成の潤滑油もしくはベースストック)、または炭化水素燃料(例えば、ガソリン燃料もしくはディーゼル燃料)が挙げられる)中に可溶であり得;そして約50℃以上、約60℃以上、約65℃以上、または約75℃以上の融点を有し得る。このコーティングは、本願の国際公開パンフレットの[0022]段落において上に記載された成分(B)の固体有機マトリックス材料、または包装材(例えば、アルミニウム箔包装材)のうちの1種以上を含有し得る。この添加単位は、当該分野において公知である手順によって調製または製造され得、この手順は、例えば、半固体の添加剤組成物を、例えば、ペレットミルまたは押出し成型機を通して固相に加工し、添加単位の添加剤組成物を形成すること、または融解状態もしくは液体状態の添加剤組成物を、添加サイズの成形品もしくは添加単位が調製され得る成形品に加工することである。本発明の1つの実施形態において、成分(A)および成分(B)を含有する添加剤組成物は、添加デバイスにおいて、添加単位として製造され得る。添加デバイスにおける添加単位としての添加剤組成物の製造は、融解状態または液体状態の添加剤組成物を、添加サイズの添加デバイス(例えば、円筒形容器)内に加工することによってなされ得、これがさらなる製造後に、機能的流体への挿入または注入を可能にする。
【0028】
本発明の添加剤組成物は、必要に応じて、(C)少なくとも1種のさらなる添加剤をさらに含有し得る。さらなる添加剤(C)は、本願の国際公開パンフレットの[0025]段落に記載された、ゲル組成物がさらに含有し得るさらなる燃料添加剤または潤滑剤添加剤のうちの1種以上を含有し得る。
【0029】
(機能的流体の性能を増強させる方法)
本発明の1つの実施形態において、機能的流体の性能を増強させる方法は、本願の全体にわたって記載されるような、性能を増強させる量の固体添加剤組成物を、この機能的流体に添加する工程を包含する。性能の増強としては、例えば、清浄性を維持する添加量を用いて流体の性能を維持すること、例えば、浄化添加量を用いて流体の性能を改善すること、例えば、1以上の補助的な添加量を用いて流体の寿命を延長させること、例えば、1以上の定着添加量を用いて機能的流体の性能を回復させること、またはこれらの組み合わせが挙げられる。濃縮された固体形態の添加剤組成物を使用して、機能的流体の性能を増強させる、本発明の方法は、効果的であり、簡便であり、そして安全である。コーティングされ、そして/または添加デバイス中にある、添加単位で製造された固体添加剤組成物は、機能的流体(密閉された流体(例えば、歯車油および伝達流体)が挙げられる)の処理を単純化し、溶媒または希釈剤の計量も取り扱いも必要とせず、そして添加剤との接触を排除するかまたは最小にする。この固体添加剤組成物は、添加単位で製造されて、重量基準で1ppm〜100,000ppm、1ppm〜10,000ppmまたは10ppm〜1,000ppmの添加剤を、機能的流体に送達し得る。本発明の方法の1つの実施形態において、機能的流体は、内燃機関(火花点火機関または圧縮着火機関が挙げられる)によって動力を与えられる乗物のための機能的流体であり、他の実施形態においては、内燃機関により動力を与えられる乗物のための機能的流体であり、モータ油、燃料組成物、動力伝達流体、歯車油、および液圧流体が挙げられる。内燃機関により動力を与えられる乗物における機能的流体が関与する方法のさらなる実施形態において、この機能的流体は、多量の炭化水素燃料(ガソリン燃料またはディーゼル燃料が挙げられる)および少量の固体添加剤組成物を含有する、燃料組成物であるか、あるいはこの機能的流体は、多量の潤滑粘度の油および少量の固体添加剤組成物を含有する、動力伝達流体である。機能的流体の性能を増強させる方法のさらなる実施形態において、固体添加剤組成物は、約1分間〜約1時間以内で、この機能的流体中に迅速に溶解するか、または約1時間〜約1ヶ月間より長期間かけて、この機能的流体中に次第に溶解する
【実施例】
【0030】
以下の実施例は、本発明の利点を説明する。
【0031】
(燃料系の清浄性の維持)
約7gのポリエーテルアミンおよび約14gの直鎖C16〜C18アルコールを合わせ、この組み合わせを融解および混合し、そしてこの融解した混合物を、開口端部を有するように改変した注射器シリンダ内で固化させることによって、固体添加剤組成物を調製する。このポリエーテルアミンを、C13アルコールを、ブチレンオキシドと、それぞれ約1:20のモル比で反応させ、そしてこのポリアルコキシ化されたアルコールをアクリロニトリルと反応させて、ニトリルを形成し、このニトリルを触媒水素化してポリエーテルアミンを形成することにより、調製する。この燃料添加剤「スティック」を、この改変した注射器から、部分的に満たした、火花点火機関により動力を与えられる乗物の20ガロンのガソリンタンクに注入し、そしてこのタンクを完全に満たす。このタンク内のガソリンは、重量で約100ppmのポリエーテルアミンを含有することがわかる。このことは、吸気弁を清浄に維持するために効果的なレベルであることが示されている。
【0032】
(動力伝達性能の回復)
約2.4gのジエトキシ化獣脂アミン摩擦調整剤および約12.6gのオキサゾリン摩擦調整剤および約15gのパラフィン蝋を合わせ、この組み合わせを融解および混合し、そしてこの融解した混合物を、開口端部を有するように改変された注射機内で固化させることによって、固体添加剤組成物を調製する。このオキサゾリンを、イソステアリン酸とトリスヒドロキシメチルアミノメタンとを、それぞれ約2:1のモル比で、反応水を除去しながら反応させることによって、調製する。この改変された注射器内の潤滑剤添加剤「スティック」を、約2.5gのペレットに分割する。このペレットを、「ノイズ」という性能の問題を有する、寿命のために密閉された(seal−for−life)自動変速機に挿入する。このペレットの溶解後、この「ノイズ」はなくなり、そして満足のいく伝達性能が回復される。
【0033】
発明の詳細な説明の節において参照された文献の各々は、本明細書中に参考として援用される。本発明を説明および特許請求するために、本願において使用された全ての数量は、実施例およびそうではないことが明白に示されている場合を除いて、単語「約」によって修飾されていると理解される。本願全体にわたる全ての化学的処理または内容物は、本発明に関して、たとえ溶媒または希釈剤が存在し得るとしても、そうではないことが示されない限り、活性なものであると理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
添加剤組成物であって、
(A)添加剤であって、該添加剤は、酸化防止剤、極圧剤、磨耗低化剤、粘度指数向上剤、消泡剤、燃焼改質剤、摩擦調整剤、極圧(EP)剤、磨耗低化剤、粘度指数向上剤、消泡剤、ミスト形成防止剤、曇り点降下剤、流動点降下剤、鉱油もしくは合成油、アンチノック剤、鉛スカベンジャー、色素、セタン価向上剤、防錆剤、細菌発育阻止剤、ガム抑止剤、流動化剤、金属不活性化剤、抗乳化剤、防氷剤、潤滑性添加剤、摩擦調整剤、粘度改質剤、流動性向上剤、低温改質剤、静電防止剤、弁座後退剤、吸気弁デポジット制御添加剤、燃焼室デポジット制御添加剤、燃料噴射器デポジット制御添加剤、燃料により運ばれる触媒(例えば、Na、K、Co、Ni、Fe、Cu、Mn、Mo、Va、Zi、Be、Pt、Pa、Ce、Cr、Al、Th、Se、Bi、Cd、Te、Th、Sn、Ba、B、La、Ta、Ti、W、Zn、Ga、Pb、Ag、Au、Os、Irの有機金属化合物)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される燃料添加剤または潤滑剤添加剤を、燃料中に含有する、添加剤、ならびに
(B)少なくとも1種の固体有機マトリックス材料、
を含有し、該添加剤組成物は、約25℃〜約200℃の範囲で融解する固体であり、そして成分(A)および成分(B)の各々は、該添加剤組成物中に約5重量%〜約95%で存在する、添加剤組成物。
【請求項2】
添加剤組成物であって、
(A)添加剤であって、該添加剤は、
(1)窒素含有清浄剤であって、該窒素含有清浄剤は、(a)Mannich清浄剤であって、ヒドロカルビル置換されたヒドロキシ含有芳香族化合物と、アルデヒドと、少なくとも1個の第一級アミノ基もしくは第二級アミノ基を有するアミンとの反応から調製される、Mannich清浄剤;(b)ポリエーテルアミンであって、アルコキシ化アルコールもしくはアルコキシ化アルキルフェノールと、アクリロニトリルとの反応によりニトリルを形成し、該ニトリルが水素化されてポリエーテルアミンを形成することにより調製される、ポリエーテルアミン;(c)C6〜36の脂肪族カルボン酸もしくは芳香族カルボン酸と、ポリエチレンポリアミンとの反応生成物の、アルコキシ化反応生成物;(d)C6〜36の脂肪族アミンもしくは芳香族アミン、または(e)これらの混合物から選択される少なくとも1種の成分を含有する、窒素含有清浄剤;
(2)脂肪酸から誘導された摩擦調整剤であって、(a)ポリアルコキシ化脂肪アミン;(b)脂肪酸から誘導されたオキサゾリン;および(c)これらの混合物を含有する、脂肪酸から誘導された摩擦調整剤;あるいは
(3)これらの混合物、
を含有する、添加剤;ならびに
(B)少なくとも1種の固体有機マトリックス材料、
を含有し、該添加剤組成物は、約25℃〜約200℃の範囲で融解する固体であり、そして成分(A)および成分(B)の各々は、該添加剤組成物中に約5重量%〜約95%で存在する、添加剤組成物。
【請求項3】
(C)少なくとも1種のさらなる添加剤をさらに含有し、そしてさらに、成分(A)が、ゲルであり、そして前記添加剤組成物が、前記機能的流体中に、迅速に溶解する、次第に溶解する、中程度に溶解する、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される速度で、該添加剤組成物中に溶解する、請求項1に記載の添加剤組成物。
【請求項4】
成分(A)および成分(B)が、コーティングされていない添加単位またはコーティングされた添加単位として製造され、そして該コーティングが、非毒性であり、そして炭化水素媒体中に可溶であり、そして約50℃以上で融解する、請求項1に記載の添加剤組成物。
【請求項5】
成分(A)が、(A)(2)(a)、(A)(2)(b)、または(A)(2)(c)であり、そして成分(B)が、(1)炭化水素;(2)アルコール;(3)有機酸、有機酸の誘導体、もしくはこれらの混合物;(4) (B)(1)〜(B)(3)以外の有機化合物であって、炭素、水素、酸素および窒素からなる群より選択される原子のみを含む、有機化合物;または(5)これらの混合物を含有する、請求項2に記載の添加剤組成物。
【請求項6】
成分(A)が、(1)獣脂アミンとエチレンオキシドとから誘導されるエトキシ化アミン(2)イソステアリン酸/トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、またはこれらの混合物を含有し、そして(B)が、Fischer Tropschプロセスから誘導されたC80の蝋を含有し、そして成分(A):成分(B)の重量比が、70:30であり、そして成分(A)(1):成分(A)(2)の重量比が、8:50である、請求項8に記載の添加剤組成物。
【請求項7】
成分(A)が、(1)オレイルアミン、(2)ポリエチレンアミンと、ナフテン酸とオレイン酸との混合物との反応、および得られた生成物とエチレンオキシドとの反応から誘導された、ヒドロキシエチル化アミノエチルアミド、(3)C1〜C36−アルキルエポキシドとC1〜C36−アルキルプロピルアミンとの反応から誘導されたポリエーテル、(4)ポリイソブチレンフェノールと、ホルムアルデヒドと、ジメチルアミンとから誘導された、アルキルアミン、(5)ポリ[オキシ(メチル−1,2−エタンジイル)]、α−(3−アミノプロピル)−ω−ヒドロキシ−、C12〜15アルキルエーテル、またはこれらの混合物を含有し、そして(B)が、(1)トランス−スチルベン、2)コレステロール;(3)オレイルアミド、またはこれらの混合物を含有し、そして成分(A):成分(B)の重量比が、10:90であり、そして(A)(1):(A)(2)の重量比が、1:1である、請求項6に記載の添加剤組成物。
【請求項8】
機能的流体の性能を増強させる方法であって、該方法は、該機能的流体に、性能を増強させる量の添加剤組成物を添加する工程を包含し、該添加剤組成物は、(A)添加剤であって、該添加剤は、酸化防止剤、極圧剤、磨耗低化剤、粘度指数向上剤、消泡剤、燃焼改質剤、摩擦調整剤、極圧(EP)剤、磨耗低化剤、粘度指数向上剤、消泡剤、ミスト形成防止剤、曇り点降下剤、流動点降下剤、鉱油もしくは合成油、アンチノック剤、鉛スカベンジャー、色素、セタン価向上剤、防錆剤、細菌発育阻止剤、ガム抑止剤、流動化剤、金属不活性化剤、抗乳化剤、防氷剤、潤滑性添加剤、摩擦調整剤、粘度改質剤、流動性向上剤、低温改質剤、静電防止剤、弁座後退剤、吸気弁デポジット制御添加剤、燃焼室デポジット制御添加剤、燃料噴射器デポジット制御添加剤、燃料により運ばれる触媒(例えば、Na、K、Co、Ni、Fe、Cu、Mn、Mo、Va、Zi、Be、Pt、Pa、Ce、Cr、Al、Th、Se、Bi、Cd、Te、Th、Sn、Ba、B、La、Ta、Ti、W、Zn、Ga、Pb、Ag、Au、Os、Irの有機金属化合物)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される燃料添加剤または潤滑剤組成物を、燃料中に含有する、添加剤;ならびに(B)少なくとも1種の固体有機マトリックス材料を含有し、
該添加剤組成物は、約25℃〜約200℃の範囲で融解する固体であり、そして成分(A)および成分(B)の各々は、該添加剤組成物中に約5重量%〜約95%で存在する、方法。
【請求項9】
前記機能的流体が、モータ油、燃料組成物、動力伝達流体、歯車油、および液圧流体を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記機能的流体が、多量の炭化水素燃料および少量の前記添加剤組成物を含有する燃料組成物である、請求項1に記載の方法。

【公表番号】特表2008−534746(P2008−534746A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504228(P2008−504228)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/011121
【国際公開番号】WO2006/105025
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(591131338)ザ ルブリゾル コーポレイション (203)
【氏名又は名称原語表記】THE LUBRIZOL CORPORATION
【住所又は居所原語表記】29400 Lakeland Boulevard, Wickliffe, Ohio 44092, United States of America
【Fターム(参考)】