説明

圧力制御弁及びそれを含む油圧制御装置

【課題】油圧で作動する機器の圧力制御弁において、簡単な構成で、シュート圧を抑えることができ、かつ油圧脈動によるスプールの振動を抑えることができるようにする。
【解決手段】この圧力制御弁10はハウジング22及びスプール23を備えている。ハウジング22は、入力ポート25、出力ポート26及びドレンポート27,28を有している。スプール23は、ハウジング22内部に摺動自在に設けられ、出力ポート26を入力ポート25又はドレンポート28に連通させる。また、スプール23は、スプール軸方向の一端側に設けられ出力ポート26に連通するフィードバック室36と、出力ポート26とフィードバック室36とを連通するフィードバック流路P4と、フィードバック流路P4に設けられスプール23の摺動位置に応じて絞り径が変化する可変絞り機構42と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力制御弁、特に、油圧によって作動する機器に作動油を供給する圧力制御弁に関する。また、本発明は、この圧力制御弁を含む油圧制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ホイールローダ等の作業用車両では、前後進に複数の変速段を有するトランスミッションが設けられている。このトランスミッションには複数の油圧クラッチ又はブレーキが設けられており、油圧クラッチ又はブレーキを制御することによって変速が行われる。そして、油圧クラッチ又はブレーキを制御するために、特許文献1に示されるような油圧制御装置が用いられている。
【0003】
特許文献1に示された油圧制御装置は圧力制御弁と電磁制御弁とを有している。圧力制御弁は、ハウジングに形成されたシリンダ内を移動するスプールを有している。ハウジングには、作動油が入力される入力ポート、油圧クラッチ又はブレーキに作動油を供給する出力ポート、及びドレンポートが設けられている。また、スプールの一端側にはフィードバック室が設けられ、他端側にはパイロット室が設けられている。スプールにはキリ孔である連通路が形成されており、この連通路によって、出力ポート(油圧室)とフィードバック室とが連通されている。
【0004】
このような圧力制御弁では、パイロット室に発生するパイロット圧とフィードバック室に発生する油圧とのバランスによって、スプール位置が制御される。このスプール位置が制御されることによって、出力ポートが入力ポート又はドレンポートに連通されるとともに、油圧クラッチ又はブレーキに供給される作動油の圧力が制御される。なお、パイロット圧は電磁制御弁によって制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−343032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
油圧クラッチ又はブレーキでは、油圧室にピストンが配置されている。油圧室には圧力制御弁から作動油が供給される。そして、油圧室に作動油が充満し(以下、フィル完了と記す)、さらに作動油の圧力を高めることによって、ピストンは摩擦ディスクを押圧し、クラッチオン(動力伝達)あるいはブレーキオンの状態になる。
【0007】
このような構成において、クラッチ又はブレーキオンまでの時間を短縮するために、フィル完了までは大流量の作動油が油圧室に供給される。一方で、フィル完了後は、クラッチ又はブレーキオン時のショックを抑えるために、油圧室へ供給される作動油の量が抑えられる。そして、その後油圧室に供給される作動油の量を徐々に増大させ、最終的にクラッチ又はブレーキが確実にオンするように油圧が制御される。
【0008】
ここで、圧力制御弁のスプールの位置制御について説明する。前述のように、スプールの位置は、パイロット室に発生するパイロット圧とフィードバック室に発生する油圧とのバランスによって制御される。また、フィードバック室はスプールに形成されたキリ孔を介して油圧クラッチ又はブレーキの油圧室等に連通しているので、フィードバック室における油圧変化の速度はキリ孔の径に大きく依存することになる。結局、スプールの位置制御、特に応答速度は、スプールに形成されたキリ孔の径に依存することになる。
【0009】
このような状況において、油圧クラッチ又はブレーキではシュート圧の抑制と、油圧脈動によるスプールの振動の抑制が求められている。
【0010】
シュート圧は、フィル完了までに供給されている大流量の作動油が、フィル完了後もその供給量が抑えられずにそのまま油圧室に供給されていることに起因している。したがって、シュート圧を抑えるためには、フィル完了後にスプールを素早く移動させて、油圧室への作動油の供給量を素早く抑える必要がある。このためには、スプールの応答速度を速くする必要があり、スプールのキリ孔の径は大きい方が好ましい。
【0011】
また、油圧脈動は、フィル完了後において、油圧クラッチ又はブレーキの油圧室から漏れる油量と圧力制御弁からの供給量が安定しないことに起因している。このような油圧脈動は、スプールのキリ孔を介してフィードバック室に伝わり、スプールの振動を招く。したがって、油圧脈動によるスプールの振動を抑えるためには、スプールのキリ孔の径を小さくし、スプールの応答速度を鈍くすればよい。
【0012】
以上のように、シュート圧の抑制と油圧脈動によるスプールの振動の抑制とは、スプールのキリ孔に関して相反する構成が要求される。
【0013】
そこで従来の装置では、油圧クラッチ又はブレーキの仕様に応じて異なる形状のスプールを用い、圧力制御弁の開口特性を油圧クラッチ又はブレーキの仕様に応じて変更するようにしたり、細かくチューニングする必要がある。
【0014】
本発明の課題は、油圧で作動する機器の圧力制御弁において、簡単な構成で、シュート圧を抑えることができ、かつ油圧脈動によるスプールの振動を抑えることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1発明に係る圧力制御弁は、油圧によって作動する機器に作動油を供給する制御弁であって、ハウジングと、スプールと、を備えている。ハウジングは、作動油が入力される入力ポートと、入力ポートからの作動油を油圧作動機器に供給する出力ポートと、油圧作動機器の作動油をドレンするドレンポートと、を有している。スプールは、ハウジング内部に摺動自在に設けられ、出力ポートを入力ポート又はドレンポートに連通させる。また、スプールは、スプール軸方向の一端側に設けられ出力ポートに連通するフィードバック室と、出力ポートとフィードバック室とを連通するフィードバック流路と、フィードバック流路に設けられスプールの摺動位置に応じて絞り径が変化する可変絞り機構と、を有する。
【0016】
この圧力制御弁では、油圧作動機器を作動させないときは、スプールの位置を制御することによって出力ポートがドレンポートに連通される。これにより、油圧作動機器の作動油はドレンされる。油圧作動機器を作動させる場合は、スプールを別の位置に制御することによって出力ポートが入力ポートに連通される。これにより、作動油は油圧作動機器に供給される。
【0017】
ここで、スプールの位置はフィードバック室の油圧によって制御され、かつスプールの応答速度はフィードバック流路の絞り径に依存する。そして、ここでは、スプール位置に応じて絞り径が変化する可変絞り機構がフィードバック流路に設けられている。このため、油圧作動機器の油圧室に作動油が充満したときと充満した後とでフィードバック流路における絞り径を変えることができ、スプールの応答速度を変えることができる。したがって、シュート圧と油圧脈動によるスプールの振動の抑制を同時に実現することができる。また、油圧作動機器の仕様に応じてスプールを変更する必要がない。
【0018】
第2発明に係る圧力制御弁は、第1発明の圧力制御弁において、油圧作動機器は、出力ポートからの作動油が供給される油圧室と、油圧室内部に配置され作動油によって作動するピストンと、を備えている。そして、可変絞り機構は、フィードバック流路を、油圧室に作動油が充満されたときは第1絞り径に絞り、油圧室に作動油が充満された後は第1絞り径より小径の第2絞り径に絞る。
【0019】
ここでは、フィル完了時は、フィードバック流路に設けられた絞り径は比較的大きい第1絞り径である。したがってフィル完了時にスプールの応答速度を速くすることができる。このため、フィル完了とともにスプールを素早く反応させて、それまで大量に供給されていた油圧室への作動油の供給量を素早く抑えることができ、シュート圧を抑制できる。また、フィル完了後は、フィードバック流路は比較的小さい第2絞り径に絞られる。このため、スプールの応答速度は遅くなり、油圧変動に対してスプールの動きを鈍くして油圧脈動によるスプールの振動を抑えることができる。
【0020】
第3発明に係る圧力制御弁は、第1又は第2発明の圧力制御弁において、可変絞り機構は、フィードバック流路の内部に移動不能に設けられてスプールの摺動によってスプールに対する位置関係が変化する制御ピンを有している。そして、制御ピンは、フィードバック流路の内壁面と第1隙間を有する大径部と、フィードバック流路の内壁面と第1隙間より広い第2隙間有する小径部と、を有する。
【0021】
ここでは、制御ピンが大径部と小径部とを有している。このため、制御ピンの大径部とフィードバック流路内壁面との間には流路断面積が小さい第2絞り径が形成され、制御ピンの小径部とフィードバック流路内壁面との間には流路断面積が大きい第1絞り径が形成される。したがって、スプールが摺動してスプールと制御ピンとの位置関係が変わることによって、フィードバック流路の絞り径を容易に変更することができる。
【0022】
第4発明に係る圧力制御弁は、第1から第3発明のいずれかの圧力制御弁において、スプールの軸方向他端側に設けられたパイロット室と、入力ポートに供給された作動油をパイロット室に導くパイロット圧供給流路と、をさらに備えている。
【0023】
ここでは、スプールを挟んでフィードバック室とパイロット室とが設けられており、パイロット室にはパイロット圧供給流路を介して油圧が作用する。このため、パイロット室のパイロット圧を制御することによって、スプールの位置を制御することができる。
【0024】
第5発明の油圧制御装置は、油圧によって作動する機器の作動油圧を制御するための装置であって、圧力制御弁と、電磁制御弁と、を備えている。圧力制御弁は、入力される作動油の圧力をパイロット圧に応じて制御し、油圧作動機器に供給する。電磁制御弁はパイロット圧を制御する。圧力制御弁は、ハウジングと、スプールと、を含む。ハウジングは、作動油が入力される入力ポートと、入力ポートからの作動油を油圧作動機器に供給する出力ポートと、油圧作動機器の作動油をドレンするドレンポートと、パイロット室と、入力ポートに供給された作動油をパイロット室に導くパイロット圧供給流路と、を有する。スプールは、ハウジング内部に摺動自在に設けられ、出力ポートを入力ポート又はドレンポートに連通させる。また、スプールは、スプール軸方向においてパイロット室と逆側に設けられ出力ポートに連通するフィードバック室と、出力ポートとフィードバック室とを連通するフィードバック流路と、フィードバック流路に設けられスプールの摺動位置に応じて絞り径が変化する可変絞り機構と、を有している。
【0025】
ここでは、電磁制御弁によってパイロット室のパイロット圧が制御される。このパイロット圧とフィードバック室の圧力に応じて、スプールの位置が制御される。そしてスプールの位置が制御されることによって、油圧作動機器は入力ポート又はドレンポートに接続される。
【0026】
以上のような作動において、可変絞り機構によって、スプールの位置に応じてフィードバック流路の絞り径を変更できる。このため、油圧作動機器の油圧室に作動油が充満されたときと充満された後とでフィードバック流路の絞り径を変えることができ、シュート圧の抑制と油圧脈動によるスプールの振動の抑制とを同時に実現することができる。また、油圧作動機器の仕様に応じてスプールを変更する必要がない。
【0027】
第6発明に係る油圧制御装置は、第5発明の装置において、油圧作動機器は、出力ポートからの作動油が供給される油圧室と、油圧室内部に配置されて作動油によって作動するピストンと、を備えている。そして、可変絞り機構は、フィードバック流路を、油圧室に作動油が充填されたときは第1絞り径に絞り、油圧室に作動油が充満された後は第1絞り径より小径の第2絞り径に絞る。
【0028】
ここでは、第2発明と同様に、フィル完了時にスプールを素早く反応させて、シュート圧を抑制できる。また、フィル完了後は油圧変動に対してスプールの動きを鈍くすることができ、油圧脈動によるスプールの振動を抑えることができる。
【0029】
第7発明に係る油圧制御装置は、第5又は第6発明の装置において、可変絞り機構は、フィードバック流路の内部に移動不能に設けられてスプールの摺動によってスプールに対する位置関係が変化する制御ピンを有し、制御ピンは、フィードバック流路の内壁面と第1隙間を有する大径部と、フィードバック流路の内壁面と第1隙間より広い第2隙間有する小径部と、を有する。
【0030】
ここでは、第3発明と同様に、スプールが摺動してスプールと制御ピンとの位置関係が変わることによって、フィードバック流路の絞り径を容易に変更することができる。
【発明の効果】
【0031】
以上のように本発明では、油圧作動機器を作動させるための油圧制御装置において、仕様の異なる油圧作動機器に対して、1つのスプールを用いて、簡単な構成で、シュート圧を抑えることができるとともに、油圧脈動によるスプールの振動を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態による油圧制御装置の油圧回路図。
【図2】前記油圧制御装置の圧力制御弁及び電磁制御弁の構造を示す断面図。
【図3】圧力制御弁の一部拡大図。
【図4A】圧力制御弁のスプールの動作を説明するための断面図。
【図4B】圧力制御弁のスプールの動作を説明するための断面図。
【図4C】圧力制御弁のスプールの動作を説明するための断面図。
【図4D】圧力制御弁のスプールの動作を説明するための断面図。
【図4E】圧力制御弁のスプールの動作を説明するための断面図。
【図4F】圧力制御弁のスプールの動作を説明するための断面図。
【図5】圧力制御弁のスプール位置と可変絞り機構の絞り径との関係を示す図。
【図6】油圧制御装置の制御内容を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の一実施形態に係る油圧制御装置1について説明する。なお、以下の説明では、油圧作動機器として油圧クラッチ(以下、単にクラッチと記す)を例に挙げて説明する。
【0034】
[全体構成]
図1に油圧制御装置の1の油圧回路を示す。この油圧制御装置1は、油圧ポンプから吐出された作動油を所望の圧力に制御してクラッチ2に供給するものである。クラッチ2は、油圧室3を備えており、油圧室3に作動油が供給されることによりピストン4が移動し、クラッチがオン(動力伝達)になる。また、油圧制御装置1は、クラッチ2等から排出された作動油をタンク5に回収するものである。油圧制御装置1は、圧力制御弁10と、電磁制御弁11と、フィル検知センサ12と、コントローラ13と、を有している。
【0035】
圧力制御弁10は、流路P1により図示しない油圧ポンプに接続されており、流路P2によりクラッチ2に接続されている。この圧力制御弁10はパイロット流路P3を介して供給されるパイロット圧に応じてクラッチ圧を制御する。また、圧力制御弁10は、後に詳述するように、フィードバック流路P4を介してクラッチ圧がフィードバックされている。そして、このフィードバック流路P4には可変絞り機構14が設けられている。なお、圧力制御弁10にパイロット圧が供給されていない状態では、圧力制御弁10は、クラッチ2をドレン流路P5を介してタンク5に連通させる。これにより、クラッチ2の油圧室3の作動油がタンク5に排出される。
【0036】
電磁制御弁11は、流路P1から分岐する流路P6により油圧ポンプと接続され、さらに流路P7によりタンク5に接続されている。また、電磁制御弁11は、開閉弁16と、比例ソレノイド17と、を有している。そして、この電磁制御弁11は、油圧ポンプ及び圧力制御弁10をタンク5に連通する状態と、これらの間を遮断する状態とで切り換えられる。また、電磁制御弁11はコントローラ13からの電流信号の大きさに応じてパイロット圧を制御する。なお、流路P6には、絞り18と、絞り18の詰まりを保護するためのフィルタ19と、が設けられている。
【0037】
フィル検知センサ12は、クラッチ2の油圧室3に作動油が充満したこと、すなわちフィル完了を検出する。このフィル検知センサ12はクラッチ圧が所定の油圧になったことを検知することによってフィル完了を検知する。
【0038】
コントローラ13は、CPUなどの演算装置やRAMやROMなどの記憶装置によって構成されており、比例ソレノイド17に対して指令電流を出力することによってパイロット圧を制御する。そして、このパイロット圧が制御されることにより、クラッチ圧が制御される。
【0039】
[圧力制御弁]
圧力制御弁10の具体的な構成を図2に示す。圧力制御弁10はハウジング22及びスプール23を有している。
【0040】
<ハウジング>
ハウジング22は、入力ポート25、出力ポート26、第1ドレンポート27、第2ドレンポート28を有している。入力ポート25は流路P1からの作動油が入力される。出力ポート26は流路P2を介してクラッチ2の油圧室3に接続されている。第1及び第2ドレンポート27,28はドレン流路(図1の流路P5,P7)を介してタンク5に接続される。
【0041】
ハウジング22には、開閉弁16に接続される流路P6(図1の流路P6に相当)が形成されている。そして、この流路P6には、小径の流路P61と小径流路P61より大径の大径流路P62とが形成されている。小径流路P61の大径流路P62側の端部にはねじ栓32が設けられている。ねじ栓32のねじ部は、小径流路P61にねじ込まれており、ねじ栓32の頭部は、大径流路P62内に位置している。このため、ねじ栓32の頭部の外周面と大径流路P62の内周面との間には環状の隙間33が形成されている。また、ねじ栓32の内部には、隙間33と小径流路P61とを連通する絞り部34が形成されている。このねじ栓32が設けられた部分が、図1の絞り18及びフィルタ19に相当している。
【0042】
なお、出力ポート26には圧力検出用の流路35が連通しており、この圧力検出流路35がフィル検知センサ12に接続されている。フィル検知センサ12の内部構造については周知の構造であり、図2では省略しているが、受圧室、スプール、ばね、圧力スイッチ等によって構成されている。
【0043】
<スプール>
スプール23はハウジング22内に摺動可能に設けられている。スプール23のスプール軸方向一端にはフィードバック室36が形成され、他端側にはパイロット室37が形成されている。フィードバック室36及びパイロット室37はともに軸方向外方が開放されている。なお、スプール23のパイロット室37が形成された側の端面は、パイロット油圧を受ける受圧面39となっている。
【0044】
フィードバック室36はフィードバック流路P4を介して出力ポート26と連通している。フィードバック流路P4は、図3に拡大して示すように、スプール23の軸方向に沿って形成された大径の流路P41と、大径流路P41より小径の流路P42と、小径流路P42に連通する径方向に形成された流路P43と、を有している。また、フィードバック室36の内部にはバネ38が設けられており、このバネ38によりスプール23は図2における右方向に付勢されている。
【0045】
また、スプール23には、フィードバック流路P4の流路断面積(絞り径に相当)を変更するための可変絞り機構14が設けられている。可変絞り機構14はハウジング22に固定された制御ピン43によって構成されている。制御ピン43は、フィードバック流路P4の大径流路P41及び小径流路P42と同軸に配置されている。この制御ピン43は、図3に示すように、大径部43aと、大径部43aより小径の小径部43bとを有している。大径部43aは、先端に形成され、軸方向に非常に短い幅で形成されている。
【0046】
ここでは、スプール23が移動して、制御ピン43の大径部43aがフィードバック流路P4の大径流路P41に位置している場合には、流路断面積が大きい絞り部が形成される。より詳細には、制御ピン43の大径部43aが大径流路P41に位置している場合は、大径部43aとフィードバック流路P4の内壁面との間の隙間は比較的大きい。この場合の絞り部は、2mm相当の第1絞り径となっている。また、制御ピン43の大径部43aが、フィードバック流路P4の小径流路P42に位置し、かつ径方向流路P43より図3において右方に位置している場合には、フィードバック流路P4の絞り部は、制御ピン43の小径部43bと小径流路P42との隙間によって形成される。したがって、この場合も、絞り部は2mm相当の第1絞り径になっている。
【0047】
一方で、スプールが別の位置に移動し、制御ピン43の大径部43aが、フィードバック流路P4の小径流路P42に位置し、かつ径方向流路P43より図3において左方に位置している場合には、フィードバック流路P4には流路断面積が小さい絞り部が形成される。すなわち、この場合の絞り部は、制御ピン43の大径部43aと小径流路P41の内壁面との間の比較的小さい隙間によって形成されている。この場合の絞り部は、1mm相当の第2絞り径となっている。
【0048】
以上のように、スプール23と制御ピン43との相対位置によって、フィードバック流路P4における絞り部の絞り径が変化する。図4A〜図4Fに、スプール23の位置と絞り径との関係を示している。なお、ここでは、図4Aのスプール23の位置を「ストローク0」、図4Bのスプール23の位置を「ストローク1」、図4Cのスプール23の位置を「ストローク2」、図4Dのスプール23の位置を「ストローク3」、図4Eのスプール23の位置を「ストローク4」、図4Fのスプール23の位置を「ストローク5」とする。また、図5に、スプール23のストロークと絞り部の絞り径との関係を示す。
【0049】
以上のような構成のスプール23は、電磁制御弁11によって制御されたパイロット圧と、フィードバック流路P4を介して供給されるクラッチからのフィードバック圧と、に応じて軸方向に移動し、出力ポート26が入力ポート25又は第2ドレンポート28に連通される。また、可変絞り機構14によってフィードバック流路P4の絞り径が変化することにより、フィードバック圧に対するスプール23の応答速度が変化する。
【0050】
[電磁制御弁]
電磁制御弁11は、前述のように、開閉弁16及び比例ソレノイド17を有している。開閉弁16は、弁シート体45と、弁体46と、を有している。そして、開閉弁16と比例ソレノイド17とは連結部材47により連結されている。
【0051】
弁シート体45は、スプール23と同軸に設けられており、連結部材47の一端に固定されている。そして、この弁シート体45の一端(スプール23側の端部)にパイロット室48が形成されている。この弁シート体45のパイロット室48とスプール23のパイロット室37とは連通している。弁シート体45の内部には、弁収納室50が形成されている。また、弁シート体45内には、軸方向に延びるドレン流路Pd1と、径方向に延びるドレン流路Pd2とがそれぞれ形成されている。軸方向ドレン流路Pd1は、パイロット室48と弁収納室50とを連通させる。径方向ドレン流路Pd2は、弁収納室50を通り径方向に弁シート体45を貫通している。径方向ドレン流路Pd2は、軸方向ドレン流路Pd1と弁シート体45の外周側とを連通させており、径方向ドレン流路Pd2の一方の端部は、第1ドレンポート27に連通している。また、弁収納室50の内壁面には、弁シート面51が形成されている。
【0052】
弁体46は、球状であり、弁収納室50において軸方向に移動可能に収納されている。
【0053】
連結部材47の内部には、軸方向に進退可能に設けられたプランジャ52が挿入されている。プランジャ52の先端部は、軸方向に移動可能に弁収納室50内に挿入されており、弁体46に当接している。
【0054】
比例ソレノイド17は、コントローラ13から指令電流が入力されることによりプランジャ52を軸方向に進退させる。
【0055】
[動作]
次に、油圧制御装置1の動作を、図4〜図6を用いて説明する。図6(a)〜(d)において、横軸は時間tを表している。また、図6(a)の縦軸は比例ソレノイド17への指令電流を表している。図6(b)の縦軸はクラッチ圧を表している。図6(c)の縦軸はスプール23のストロークを表している。図6(d)の縦軸は可変絞り機構14の絞り径を表している。なお、以下の説明において、上下左右は、各図における上下左右をそれぞれ表すものとする。
【0056】
<クラッチオフ時:t0−t1>
クラッチがオフの状態では、比例ソレノイド17には指令電流が送られていない。このときは、プランジャ52が右方向に移動し、プランジャ52先端に当っている弁体46が、パイロット室37,48内の作動油の圧力(パイロット圧)に押されて弁シート面51から離れている。この場合の作動油が流れる経路は以下の通りである。
【0057】
入力ポート25→流路P6→パイロット流路P3→パイロット室37,48→流路Pd1,Pd2→第1ドレンポート27
このとき、パイロット室37,48は第1ドレンポート27に連通しているためにパイロット圧は立たない。このため、圧力制御弁10のスプール23はバネ38によって右側に移動し、電磁制御弁11の弁シート体45に当接して位置決めされている。すなわち、スプール23は図4Aで示す「ストローク0」の位置である。スプール23がこのような位置に移動している状態では、入力ポート25と出力ポート26との間は閉じられ、出力ポート26と第2ドレンポート28とが連通される。したがって、クラッチ2の油圧室3に油圧は供給されない。
【0058】
<クラッチ係合まで:t1−t2>
−前半部−
クラッチをオンする場合は、図6(a)に示すように、時点t1において、コントローラ13から比例ソレノイド17に指令電流として大電流I1を出力する。この指令電流I1はクラッチ2に対して大流量の作動油を供給するための信号である。
【0059】
以上のような指令電流I1により、比例ソレノイド17のプランジャ52は左方向に移動し、これにより弁体46が弁シート面51に押し付けられる。このため、軸方向ドレン流路Pd1と径方向ドレン流路Pd2とが遮断され、パイロット室37,48と第2ドレンポート27とが遮断される。
【0060】
このような状態では、パイロット圧が所定の圧力になり、スプール23は、パイロット圧とバネ38の付勢力とがバランスする位置まで左側に移動する。この状態を図4Fに示しており、スプール23は「ストローク5」の位置である。ここでは、入力ポート25と出力ポート26とが最大の絞り開口で連通し、出力ポート26と第2ドレンポート28とが遮断される。
【0061】
これにより、大流量の作動油が出力ポート26を介してクラッチ2に供給される。したがって、クラッチ2の油圧室3へは素早く作動油が充満され、クラッチ圧は、図6(b)に示すように、所定の圧力C2まで急峻に立ち上がる。
【0062】
−後半部−
時刻t1−t2の後半部においては、図6(a)に示すように、比例ソレノイド17に出力している指令電流を電流I2まで小さくする。この指令電流I2は、クラッチ圧を徐々に高くする(モジュレーション作用をさせる)ための調圧時の最低値より少し大きい値である。この場合は、クラッチの初期係合圧力C3を少し超える程度の油圧によって作動油がクラッチ2に供給される。
【0063】
以上のような状態では、弁体46の弁シート面51への押し付け力が小さくなる。その結果、弁体46が、パイロット室37,48のパイロット圧によって右側に移動され、パイロット室37,48内の作動油はドレン流路Pd1,Pd2を介してドレンされる。このとき、パイロット圧が比例ソレノイド17のプランジャ52の押圧力とバランスするように、弁体46と弁シート面51との隙間が制御される。そして、パイロット圧が低くなるために、スプール23はフィードバック室36の油圧により右方向に移動される。
【0064】
したがって、スプール23は図4Fの「ストローク5」から図4Cの「ストローク2」を越えてさらに「ストローク1」に近づくまで移動する。この場合は、入力ポート25と出力ポート26との間の絞り開口は、全開状態から非常に狭く絞られた状態まで変化する。
【0065】
以上のような比例ソレノイド17へ出力する指令電流の制御によって、クラッチ圧の上昇が止まり、その時点での圧力C2が維持される。
【0066】
以上のようにしてクラッチ2の油圧室3へ作動油を供給すると、油圧室3に作動油が充満し(フィル完了)、油圧室3のピストン4は摩擦ディスクに当接する。これにより、クラッチ圧はそれまでの圧力C2から上昇する。このクラッチ圧の上昇が圧力検知スイッチ12によって検出される。そして、コントローラ13は、この検出結果を受けて、比例ソレノイド17に対して、図6(a)に示すように、初期指令電流I3を出力する。これにより、クラッチ圧は圧力C3に低下し、大きなシュート圧が発生するのが抑えられる。
【0067】
<可変絞り機構の作用:t1−t2>
以上のような時刻t1−t2の間においては、可変絞り機構14はフィードバック流路P4の絞り径を2mm相当の第1絞り径に制御する。より具体的には、時刻t1−t2の前半においては、スプール23は、図4Fに示すように「ストローク5」の位置まで移動するので、フィードバック流路P4は制御ピン43の小径部43bによって絞られる。したがって、この場合の絞り径は2mmに相当し、比較的大径である。
【0068】
また、フィル完了後は、前述のように、スプール23は「ストローク5」から「ストローク1」に近づくまで移動する。この状態では、瞬間的に、すなわち制御ピン43の大径部43aが、小径流路P42における径方向流路P43の左側部分を通過するときのみ、絞り径が小径になるが、それ以外では、フィードバック流路P4の絞り径は、ほぼ全域にわたって2mmに相当する第1絞り径である。
【0069】
以上のように、時刻t0−t2のほぼ全域にわたって、フィードバック流路P4は可変絞り機構14によって大径の第1絞り径に制御されている。特にフィル完了時において第1絞り径に制御されている。このため、スプール23のフィードバック室36にはクラッチ圧が比較的素早く反映され、スプール23はクラッチ圧に応じて敏感に移動することになる。したがって、フィル完了時において、スプール23は素早く右側に移動して、入力ポート25と出力ポート26との間の絞り開口が絞られるので、シュート圧を効果的に抑えることができる。
【0070】
<クラッチ調圧時:t2−t3>
時刻t2後は、コントローラ13は、比例ソレノイド17に対して、図6(a)に示すように、初期指令電流I3から所定の設定クラッチ圧C1に対応する設定指令電流I1まで、指令電流を所定時間内に徐々に増大させる。これにより、比例ソレノイド17のプランジャ52による弁体46の押し付け力は指令電流の大きさに応じて徐々に増大する。そして、弁体46の押し付け力の増大に伴って、弁シート面51と弁体46との隙間は徐々に減少する。これにより、パイロット室37,48のパイロット圧は、指令電流の大きさに応じて徐々に増大する。このため、スプール23を左方に押す力が徐々に増大するので、スプール23は、「ストローク1」と「ストローク2」の間の位置から「ストローク5」の位置まで移動する。したがって、入力ポート25と出力ポート26との間の絞り開口が徐々に大きくなり、クラッチ圧も徐々に増大し、時刻t3で設定クラッチ圧C1に達する。
【0071】
そして、時刻t4でクラッチがオフされるまで、この設定クラッチ圧C1を保持するように指令電流I1が継続して出力される。なお、スプール23が「ストローク5」まで移動する間は、出力ポート26と第2ドレンポート28とは遮断されている。このため、指令電流の増大に応じてクラッチ圧を適切に増大させることができる。
【0072】
<可変絞り機構の作用:t2−t3>
以上のようなクラッチ調圧時において、前述のように、スプール23は「ストローク1」と「ストローク2」の間の位置から「ストローク5」の位置まで移動する。このときのフィードバック流路P4の絞り径は、図4Bから図4Fに示すように、第1絞り径(2mm相当)から第2絞り径(1mm相当)まで絞られ、その後第1絞り径(2mm相当)に変化する。そして、クラッチ圧が徐々に増大する期間(モジュレーション期間)においては、ほぼ全域にわたって1mm相当の第2絞り径に設定される。したがって、クラッチ圧の調圧時に油圧脈動が生じても、この油圧脈動は小径の絞り径によってフィードバック室36には伝わりにくい。すなわち、フィードバック流路P4の絞り径が小径に設定されていることにより、油圧脈動がフィードバック室36に伝わるまでに大きく減衰されることになる。このため、クラッチ圧系統に油圧脈動が発生しても、スプール23が振動するのを抑えることができる。
【0073】
[特徴]
本実施形態では、スプール23に設けられたフィードバック流路P4に、スプール23の位置に応じて絞り径が変化する可変絞り機構14が設けられているので、クラッチ2の油圧室3に作動油が充満されるまでと充満した後とでフィードバック流路P4における絞り径を変えることができる。したがって、シュート圧の抑制と油圧脈動によるスプール振動の抑制とを同時に実現することができる。また、従来はクラッチの仕様に応じて形状の異なるスプールを使い分けていたが、可変絞り機構14を設けることにより、多様なクラッチの仕様に対して1つのスプールで対応することができる。
【0074】
また、可変絞り機構14を、フィードバック流路P4に設けられた制御ピン43で構成したので、簡単な構成で可変絞り機構14を実現することができる。
【0075】
[他の実施形態]
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
【0076】
(a)前記実施形態では、可変絞り機構14をフィードバック流路P4に挿入された制御ピン43により構成したが、可変絞り機構の構成はこれに限定されるものではない。
【0077】
(b)電磁制御弁の比例ソレノイドについては、前記実施形態のように、制御する油圧に比例する指令電流値を出力する比例制御型のソレノイドではなく、パルス信号のデューティ比を変更して電流値を制御するタイプの比例ソレノイドを用いてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 油圧制御装置
2 油圧クラッチ
3 油圧室
4 ピストン
10 圧力制御弁
11 電磁制御弁
13 コントローラ
14 可変絞り機構
16 開閉弁
17 比例ソレノイド
22 ハウジング
23 スプール
25 入力ポート
26 出力ポート
27,28 ドレンポート
36 フィードバック室
37,48 パイロット室
43 制御ピン
43a 大径部
43b 小径部
P4 フィードバック流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧によって作動する機器に作動油を供給する圧力制御弁であって、
作動油が入力される入力ポートと、前記入力ポートからの作動油を油圧作動機器に供給する出力ポートと、油圧作動機器の作動油をドレンするドレンポートと、を有するハウジングと、
前記ハウジング内部に摺動自在に設けられ、前記出力ポートを前記入力ポート又は前記ドレンポートに連通させるスプールと、
を備え、
前記スプールは、スプール軸方向の一端側に設けられ前記出力ポートに連通するフィードバック室と、前記出力ポートと前記フィードバック室とを連通するフィードバック流路と、前記フィードバック流路に設けられ前記スプールの摺動位置に応じて絞り径が変化する可変絞り機構と、を有する、
圧力制御弁。
【請求項2】
前記油圧作動機器は、前記出力ポートからの作動油が供給される油圧室と、前記油圧室内部に配置され前記作動油によって作動するピストンと、を備え、
前記可変絞り機構は、前記フィードバック流路を、前記油圧室に作動油が充満されたときは第1絞り径に絞り、前記油圧室に作動油が充満された後は前記第1絞り径より小径の第2絞り径に絞る、
請求項1に記載の圧力制御弁。
【請求項3】
前記可変絞り機構は、前記フィードバック流路の内部に移動不能に設けられて前記スプールの摺動によって前記スプールに対する位置関係が変化する制御ピンを有し、前記制御ピンは、前記フィードバック流路の内壁面と第1隙間を有する大径部と、前記フィードバック流路の内壁面と前記第1隙間より広い第2隙間有する小径部と、を有する、請求項1又は2に記載の圧力制御弁。
【請求項4】
前記スプールの軸方向の他端側に設けられたパイロット室と、前記入力ポートに供給された作動油を前記パイロット室に導くパイロット圧供給流路と、をさらに備えた請求項1から3のいずれかに記載の圧力制御弁。
【請求項5】
油圧によって作動する機器の作動油圧を制御するための油圧制御装置であって、
入力される作動油の圧力をパイロット圧に応じて制御し、油圧作動機器に供給する圧力制御弁と、
前記パイロット圧を制御する電磁制御弁と、
を備え、
前記圧力制御弁は、
作動油が入力される入力ポートと、前記入力ポートからの作動油を油圧作動機器に供給する出力ポートと、油圧作動機器の作動油をドレンするドレンポートと、パイロット室と、前記入力ポートに供給された作動油を前記パイロット室に導くパイロット圧供給流路と、を有するハウジングと、
前記ハウジング内部に摺動自在に設けられ、前記出力ポートを前記入力ポート又は前記ドレンポートに連通させるスプールと、を含み、
前記スプールは、スプール軸方向において前記パイロット室と逆側に設けられ前記出力ポートに連通するフィードバック室と、前記出力ポートと前記フィードバック室とを連通するフィードバック流路と、前記フィードバック流路に設けられ前記スプールの摺動位置に応じて絞り径が変化する可変絞り機構と、を有している、
油圧制御装置。
【請求項6】
前記油圧作動機器は、前記出力ポートからの作動油が供給される油圧室と、前記油圧室内部に配置されて前記作動油によって作動するピストンと、を備え、
前記可変絞り機構は、前記フィードバック流路を、油圧室に作動油が充満されたときは第1絞り径に絞り、前記油圧室に作動油が充満された後は前記第1絞り径より小径の第2絞り径に絞る、
請求項5に記載の油圧制御装置。
【請求項7】
前記可変絞り機構は、前記フィードバック流路の内部に移動不能に設けられて前記スプールの摺動によって前記スプールに対する位置関係が変化する制御ピンを有し、前記制御ピンは、前記フィードバック流路の内壁面と第1隙間を有する大径部と、前記フィードバック流路の内壁面と前記第1隙間より広い第2隙間有する小径部と、を有する、請求項5又は6に記載の油圧制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−169439(P2011−169439A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35605(P2010−35605)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】