圧着端子、圧着端子の圧着構造、および圧着端子の圧着方法
【課題】導体加締片の根元部分の剛性アップを図ることにより、サーマルショック試験後の圧着部形状の戻りの悪さを低減し、導体圧着部の両サイドの接圧を効果的に高めることができる圧着端子を提供する。
【解決手段】電気接続部11の後部に導体圧着部12が設けられ、その後部に被覆加締部13,32が設けられ、導体圧着部が、底板31とその左右両側縁から上方に延設された一対の導体加締片32とで断面略U字状に形成された圧着端子10において、一対の各導体加締片32,32の根元部分にそれぞれ、導体加締片32の内面側および外面側の一方が凹部41となり他方が凸部42となった局部的な大きさの補強用凹凸部40が形成されている。
【解決手段】電気接続部11の後部に導体圧着部12が設けられ、その後部に被覆加締部13,32が設けられ、導体圧着部が、底板31とその左右両側縁から上方に延設された一対の導体加締片32とで断面略U字状に形成された圧着端子10において、一対の各導体加締片32,32の根元部分にそれぞれ、導体加締片32の内面側および外面側の一方が凹部41となり他方が凸部42となった局部的な大きさの補強用凹凸部40が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車の電装系に使用される断面U字状の導体圧着部を有したオープンバレルタイプの圧着端子、オープンバレルタイプの圧着端子の圧着構造、および、オープンバレルタイプの圧着端子の圧着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図12は、例えば、特許文献1に記載されたものと類似の従来の圧着端子の構成を示す斜視図である。
【0003】
この圧着端子210は、端子の長手方向(接続する電線の導体の長手方向でもある)の前部に、相手コネクタ側の端子に接続される電気接続部211を備え、その後部に、電線(図示略)の端末の露出した導体に加締められる導体圧着部212を備え、さらにその後部に、電線の絶縁被覆の付いた部分に加締められる被覆加締部213を備えている。また、電気接続部211と導体圧着部212の間に、それらの間を繋ぐ第1の繋ぎ部214を備え、導体圧着部212と被覆加締部213の間に、それらの間を繋ぐ第2の繋ぎ部215を備えている。
【0004】
導体圧着部212は、底板231と、該底板231の左右両側縁から上方に延設されて該底板231の内面上に配された電線の導体を包むように加締められる一対の導体加締片232,232と、で断面略U字状に形成されている。また、被覆加締部213は、底板261と、該底板261の左右両側縁から上方に延設されて該底板261の内面上に配された電線(絶縁被覆の付いた部分)を包むように加締められる一対の被覆加締片262,262と、で断面略U字状に形成されている。
【0005】
また、導体圧着部212の前後の第1の繋ぎ部214および第2の繋ぎ部215は、共に、底板221、251と、該底板221、251の左右両側縁から上方に起立した低背の側板222、252と、で断面U字状に形成されている。
【0006】
そして、前部の電気接続部211の底板(図示略)から最後部の被覆加締部213までの範囲の底板221、231、251、261が、1枚の帯板状に連続して形成されている。また、第1の繋ぎ部214の低背の側板222の前後端は、電線接続部211の側板(符号省略)の後端および導体圧着部212の導体加締片232の前端の各下半部にそれぞれ連続し、第2の繋ぎ部215の低背の側板252の前後端は、導体圧着部212の導体加締片232の後端および被覆加締部213の被覆加締片262の前端の各下半部にそれぞれ連続している。
【0007】
また、導体圧着部212の内面には、電線の導体の長手方向(端子長手方向)と直交する方向に延びる複数本の凹溝状のセレーション235が設けられている。
【0008】
この圧着端子210の導体圧着部212を電線の端末の導体に圧着するには、図示しない下型(アンビル)の載置面(上面)上に圧着端子210を載せると共に、電線の端末の導体を導体圧着部212の導体加締片232間に挿入し、底板231の上面に載せる。そして、上型(クリンパー)を下型に対して相対的に下降させることにより、上型の案内斜面で導体加締片232の先端側を徐々に内側に倒して行く。この際、左右の導体加締片232は、底板231の左右両端部231a付近を基準にして曲げ変形して行く。
【0009】
そして、さらに上型(クリンパー)を下型に対して相対的に下降させることにより、最終的に、上型の案内斜面から中央の山形部に連なる湾曲面で、導体加締片232の先端を導体側に折り返すように丸めて、図13(a)に示すように、導体加締片232の先端同士を擦り合わせながら導体Waに食い込ませることにより、導体Waを包むように導体加締片232を加締める。
【0010】
以上の操作により、圧着端子210の導体圧着部212を電線の導体Waに圧着によって接続することができる。なお、被覆加締部213についても、同様に、下型と上型を用いて被覆加締片262を内側に徐々に曲げて行き、被覆加締片262を電線の絶縁被覆の付いた部分に加締める。こうすることにより、圧着端子210を電線に電気的および機械的に接続することができる。
【0011】
ところで、このように圧着端子210を電線に接続した場合、その圧着部分の信頼性を評価しておく必要があり、そのためにサーマルショック試験(冷熱衝撃試験)が行われることがある。
【0012】
サーマルショック試験とは、現実の使用条件を全てカバーし得るような厳しい条件で耐久性能を検査するものであり、例えば、自動車用の端子の圧着部については、低温条件と高温条件とを短時間で繰り返し課す。
【0013】
このようなサーマルショック試験を行った場合、圧着端子210の導体圧着部212および電線の導体Waが伸び縮み(膨張収縮)する。例えば、図13(a)中の実線で示す形状が常温時の状態であるとすると、高温時には点線のような形状に膨張する。
【0014】
導体圧着部212の剛性が充分に高い場合には、温度変化に応じて導体圧着部212や導体Waが伸び縮みしたとしても、常温時に原形状に復元するのであるが、小型化や薄型化が図られた端子の場合は、端子の剛性が低くなりがちであるため、サーマルショック試験を経た後に原形状への戻りが悪くなり、図13(b)に示すように元の形状に戻り切らないことがある。つまり、左右の導体加締片232の先端の擦り合わせ部分が、開き気味になったまま戻らなくなってしまうことがある。
【0015】
例えば、図13(a)中の実線で示すように、圧着時において、導体圧着部212の導体加締片232の先端は導体Waに食い込んだ状態になっているが、その食い込み量e1があまり大きくないような場合(食い込みが浅い場合)には、サーマルショック試験後に、導体加締片232がより原形状に戻り切らない現象が起こりやすく、その結果、図13(b)の寸法e2に示すように、食い込みが一層浅くなった状態になってしまうことがある。
【0016】
このように導体加締片232の原形状への戻りが悪くなり、導体加締片232の先端の擦り合わせ部分が開き気味になったり、導体加締片232の導体Waへの食い込みが浅くなったりすると、圧着端子210による導体Waへの締め付けが弱くなって、導体加締片232による導体Waへの接圧(接触荷重)Fが減少することになり、接圧Fが減少すると、圧着端子210と電線の接続部の固着力(機械的接続力)や導電性(電気的接続性能)が低下することになる。
【0017】
一方、最近では、ワイヤーハーネスの軽量化のために、銅電線からアルミ電線への転換が検討されるようになってきており、アルミ電線に銅端子を接続する場面も多くなってきた。そのような場合は、圧着端子と電線の導体の間に熱膨張差があることにより、サーマルショック試験後に、圧着端子と導体の接圧が一層減少しやすいことが分かってきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2004−303526号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
以上のように、小型化や薄型化が図られた圧着端子210の場合、導体圧着部212の剛性の不足により、導体への圧着部分の電気接続性や機械接続性が低下してしまうことがあった。
【0020】
その点について発明者らが詳しく調べてみると、導体加締片232の原形状への戻りが悪くなった場合は、導体Waに対する左右側方からの締め付けが弱くなり、圧着部分の両サイドの接圧が減少することが最も大きな原因の一つであることが分かってきた。また、その両サイドの接圧の減少には、特に図13(b)中のX円で示す導体加締片232の根元部分の剛性の影響が大きいことが分かってきた。
【0021】
本発明は、上記事情を考慮し、導体加締片の特に根元部分の剛性アップを図ることにより、サーマルショック試験後の圧着部形状の戻りの悪さを低減することができ、それにより導体圧着部の両サイドの接圧を効果的に高めることができ、その結果として、電気的接続性能と機械的接続性能の両方を向上させることのできる圧着端子、圧着端子の圧着構造、および圧着端子の圧着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題を解決するために、請求項1の発明の圧着端子は、電線の導体に圧着して接続される導体圧着部を有し、該導体圧着部が、底板と、該底板の左右両側縁から上方に延設されて該底板の内面上に配された前記導体を包むように加締められる一対の導体加締片と、で断面略U字状に形成された圧着端子において、前記一対の各導体加締片の根元部分にそれぞれ、前記導体加締片の内面側および外面側の一方が凹部となり他方が凸部となった局部的な大きさの補強用凹凸部が形成されていることを特徴としている。
【0023】
請求項2の発明の圧着端子の圧着構造は、電線の導体に圧着して接続される導体圧着部を有し、該導体圧着部が、底板と、該底板の左右両側縁から上方に延設された一対の導体加締片と、で断面略U字状に形成された圧着端子の、前記底板の内面上に前記導体を配し、該導体を包むように前記一対の導体加締片を内側に曲げて前記導体に加締めることにより、前記導体圧着部を導体に圧着させた圧着端子の圧着構造において、前記一対の各導体加締片の根元部分にそれぞれ、前記導体加締片の内面側および外面側の一方が凹部となり他方が凸部となった局部的な大きさの補強用凹凸部が形成されていることを特徴としている。
【0024】
請求項3の発明の圧着端子の圧着方法は、電線の導体に圧着して接続される導体圧着部を有し、該導体圧着部が、底板と、該底板の左右両側縁から上方に延設された一対の導体加締片と、で断面略U字状に形成された圧着端子を、上型と下型とを有する圧着装置の前記下型の載置面上に載せると共に、電線の端末の導体を前記導体圧着部の左右一対の導体加締片の間に挿入して前記底板の内面上に載せ、その状態で前記上型を前記下型に対して相対的に下降させることにより、前記導体を包むように前記一対の導体加締片を内側に曲げて前記導体に加締めることにより、前記導体圧着部を導体に圧着させる圧着端子の圧着方法において、前記上型と下型で前記圧着端子の導体圧着部を電線の導体に圧着する際に、同時に、前記下型の載置面に突設した突起で、前記一対の各導体加締片の根元部分にそれぞれ、前記導体加締片の内面側が凸部となり外面側が凹部となる局部的な大きさの補強用凹凸部をプレス加工することを特徴としている。
【発明の効果】
【0025】
請求項1の発明によれば、導体加締片の根元部分に局部的な大きさの補強用凹凸部を設けたので、端子の形状をほとんど変更することなく、導体加締片の根元部分の剛性を高めることができる。そのため、左右の導体加締片を電線の導体に加締めた状態での、サーマルショック試験による導体加締片の緩みを防止することができる。
【0026】
即ち、電線の導体に端子の導体加締片を加締めた部分に対してサーマルショック試験を行った場合、導体圧着部の剛性が不足気味であると、熱膨張と熱収縮の繰り返しにより、常温状態にしたときに導体加締片の先端が原形状に戻り切らずに、導体加締片の先端が開き気味になったり、導体に対する導体加締片の先端の食い込みが浅くなってしまったりすることがある。特に端子材料と導体材料が異なり両者間に熱膨張差があると、その現象が顕著に起こりやすくなる。そうなると、電線に対する端子による締め付け力が低下し、電気接続抵抗が大きくなったり、機械的結合力が弱くなったりする。
【0027】
その点、請求項1の発明では、補強用凹凸部の追加により導体加締片の剛性が強化されていることにより、サーマルショック試験を行った場合の緩み(つまり、導体加締片が原形状に戻り切らずに、導体加締片の先端が開き気味になったり、導体加締片の先端の導体に対する食い込みが浅くなったりする現象)を防止することができ、それにより、電気的接続性能の向上と機械的接続性能の向上を図ることができる。
【0028】
また、導体加締片を導体に加締めた際に、局部的な大きさの補強用凹凸部のある位置で、導体加締片の導体に対する締め付け力のアップが期待できるので、その点からも導体加締片による導体に対する接圧の増大が図れる。
【0029】
請求項2の発明によれば、導体に加締められた状態の導体加締片の根元部分に局部的な大きさの補強用凹凸部が設けられているので、導体加締片の根元部分の剛性が高められ、それにより、サーマルショック試験による導体加締片の緩みを防止することができる。従って、請求項1の発明と同様に、端子と導体間の電気的接続性能の向上と機械的接続性能の向上を図ることができる。
【0030】
請求項3の発明によれば、端子を製造する段階ではなく、端子の電線への圧着時に、導体加締片の根元部分に補強用凹凸部を形成するので、既成の圧着端子を使用した場合であっても、後から導体加締片の根元部分の剛性を高めることができ、それにより、サーマルショック試験による導体加締片の緩みを防止することができる。従って、請求項1の発明と同様に、端子と導体間の電気的接続性能の向上と機械的接続性能の向上を図ることができる。また、導体加締片の根元部分を補強する前記補強用凹凸部を、上型と下型を用いて端子を導体に圧着するときに同時に加工するので、下型に補強用凹凸部を成形するための突起を設けておくだけで、容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態の圧着端子の構成を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】同圧着端子の導体圧着部を電線の導体に圧着させた部分の断面図である。
【図4】図3の要部の拡大図である。
【図5】本発明の第2実施形態の圧着端子の構成を示す斜視図である。
【図6】図5のB−B矢視断面図である。
【図7】同圧着端子の導体圧着部を電線の導体に圧着させた部分の断面図である。
【図8】図7の要部の拡大図である。
【図9】本発明の第3実施形態としての圧着方法の説明図である。
【図10】図9の下型の要部の拡大斜視図である。
【図11】図10のC−C矢視断面図である。
【図12】従来の圧着端子の構成を示す斜視図である。
【図13】従来の圧着端子の導体圧着部を電線の導体に圧着させた部分を示す断面図で、(a)は圧着時の状態を示す図、(b)はサーマルショック試験後に原形状に戻り切らなくなった状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0033】
図1は本発明の第1実施形態の圧着端子の構成を示す斜視図、図2は図1のA−A矢視断面図、図3は同圧着端子の導体圧着部を電線の導体に圧着させた部分の断面図、図4は図3の要部の拡大図である。
【0034】
図1に示すように、この圧着端子10は、端子の長手方向(接続する電線の導体の長手方向でもある)の前部に、相手コネクタ側の端子に接続される電気接続部11を備え、その後部に、電線(図示略)の端末の露出した導体Wa(図3および図4参照)に加締められる導体圧着部12を備え、さらにその後部に、電線の絶縁被覆の付いた部分に加締められる被覆加締部13を備えている。また、電気接続部11と導体圧着部12の間に、それらの間を繋ぐ第1の繋ぎ部14を備え、導体圧着部12と被覆加締部13の間に、それらの間を繋ぐ第2の繋ぎ部15を備えている。
【0035】
導体圧着部12は、底板31と、該底板31の左右両側縁から上方に延設されて該底板31の内面上に配された電線の導体を包むように加締められる一対の導体加締片32,32と、で断面略U字状に形成されている。また、被覆加締部13は、底板61と、該底板61の左右両側縁から上方に延設されて該底板61の内面上に配された電線(絶縁被覆の付いた部分)を包むように加締められる一対の被覆加締片62,62と、で断面略U字状に形成されている。
【0036】
また、導体圧着部12の前後の第1の繋ぎ部14および第2の繋ぎ部15は、共に、底板21、51と、該底板21、51の左右両側縁から上方に起立した低背の側板22、52と、で断面U字状に形成されている。
【0037】
ここでは、前部の電線接続部11の底板(図示略)から最後部の被覆加締部13までの範囲の底板21、31、51、61が、1枚の帯板状に連続して形成されている。また、第1の繋ぎ部14の低背の側板22の前後端は、電気接続部11の側板(符号省略)の後端および導体圧着部12の導体加締片32の前端の各下半部にそれぞれ連続し、第2の繋ぎ部15の低背の側板52の前後端は、導体圧着部12の導体加締片32の後端および被覆加締部13の被覆加締片62の前端の各下半部にそれぞれ連続している。
【0038】
そして、この圧着端子10では、図1〜図4に示すように、一対の各導体加締片32,32の根元部分(圧着時に一番小さな曲率で曲がる可能性のある部分)にそれぞれ、内面側が角錐状の凹部41となり外面側が角錐状の凸部42となった補強用凹凸部40がプレス加工によって局部的に形成されている。この場合、補強用凹凸部40は、導体加締片32の幅方向(端子長手方向)に適当な間隔をおいて複数設けられている。
【0039】
また、図1に示すように、導体圧着部12の内面には、端子長手方向に直交する方向に延びる凹溝状のセレーション35が3本設けられている。
【0040】
この圧着端子10の導体圧着部12を電線の端末の導体Waに圧着する場合は、まず、図示しない下型(アンビル)の載置面(上面)上に圧着端子10を載せると共に、電線Wの端末の導体Waを導体圧着部12の導体加締片32間に挿入し、底板31の上面に載せる。そして、上型を下型に対して相対的に下降させることにより、上型の左右の案内斜面で導体加締片32の先端側を徐々に内側に倒して行く。
【0041】
そして、さらに上型を下型に対して相対的に下降させることにより、最終的に、上型の左右の案内斜面から中央の山形部に連なる湾曲面で、導体加締片の先端を導体側に折り返すように丸めて、図3に示すように、導体加締片32の先端同士を擦り合わせながら電線Wの導体Waに食い込ませることにより、導体Waを包むように導体加締片32を加締める。
【0042】
以上の操作により、圧着端子10の導体圧着部12を電線Wの導体Waに接続することができ、図3の圧着構造が得られる。なお、被覆加締部13についても、同様に、下型と上型を用いて被覆加締片62を内側に徐々に曲げて行き、被覆加締片62を電線の絶縁被覆の付いた部分に加締める。こうすることにより、圧着端子10を電線に電気的および機械的に接続することができる。
【0043】
このように圧着を行う圧着端子10およびその圧着端子10により得られる圧着構造によれば、左右の導体加締片32の各根元部分に補強用凹凸部40が設けられているので、導体加締片32の根元部分の剛性を高めることができ、それにより、左右の導体加締片32を電線Wの導体Waに加締めた状態でのサーマルショック試験による導体加締片32の緩みを防止することができる。
【0044】
即ち、電線Wの導体Waに圧着端子10の導体加締片32を加締めた部分に対してサーマルショック試験を行った場合、導体圧着部12の剛性が不足気味であると、熱膨張と熱収縮の繰り返しにより、常温状態にしたときに導体加締片32の先端が原形状に戻り切らずに、導体加締片32の先端が開き気味になったり、導体Waに対する導体加締片32の先端の食い込みが浅くなってしまったりすることがある。特に端子材料と導体材料が異なり両者間に熱膨張差があると、その現象が顕著に起こりやすくなる。そうなると、電線Wに対する圧着端子10による締め付け力が低下し、電気接続抵抗が大きくなったり、機械的結合力が弱くなったりする。
【0045】
その点、本実施形態の圧着端子10および圧着構造では、補強用凹凸部40の追加により導体加締片32の剛性が強化されていることにより、サーマルショック試験を行った場合の緩み(つまり、導体加締片32が原形状に戻り切らずに、導体加締片32の先端が開き気味になったり、導体加締片32の先端の導体Waに対する食い込みが浅くなったりする現象)を防止することができ、それにより、電気的接続性能の向上と機械的接続性能の向上を図ることができる。また、それを実現するための構成としては、導体加締片32の根元部分に局部的な大きさの補強用凹凸部40を設けるだけでよいので、端子の形状をほとんど変更することなく実現できる。
【0046】
また、導体加締片32を導体に加締めた際に、局部的に形状が変化した補強用凹凸部40のある位置で、導体加締片32の導体Waに対する締め付け力のアップが期待できる(図4中の矢印で示す押圧力が作用する)ので、その点からも導体加締片32による導体Waに対する接圧の増大が図れる。
【0047】
また、導体圧着部12の内面には、従来の圧着端子と同様にセレーション35が設けられているので、圧着端子10と導体Waの接圧のアップを図ることができる。また、電線Wがアルミ電線の場合は、セレーション35に対するアルミ導体Waの摺動により、圧着端子10と導体Waの凝着面積の増大が図れ、電気的接続性能と機械的接続性能の向上が図れる。
【0048】
図5は本発明の第2実施形態の圧着端子の構成を示す斜視図、図6は図5のB−B矢視断面図、図7は同圧着端子の導体圧着部を電線の導体に圧着させた部分の断面図、図8は図3の要部の拡大図である。
【0049】
この圧着端子10Bでは、図5〜図8に示すように、導体圧着部12Bの一対の各導体加締片32,32の根元部分(圧着時に一番小さな曲率で曲がる可能性のある部分)にそれぞれ、内面側が角錐状の凸部46となり外面側が角錐状の凹部47となった補強用凹凸部40Bがプレス加工によって局部的な大きさで複数形成されている。それ以外の点は第1実施形態の圧着端子と全く同様であるので、同一構成部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0050】
この圧着端子10Bの導体圧着部12Bを電線Wの端末の導体Waに圧着する場合は、上述した第1実施形態の圧着端子10の場合と全く同様に行う。そうすることにより、圧着端子10Bの導体圧着部12Bを電線Wの導体Waに接続することができ、図7の圧着構造が得られる。
【0051】
このように圧着を行う圧着端子10およびその圧着端子10により得られる圧着構造によれば、左右の導体加締片32の各根元部分に補強用凹凸部40が設けられているので、第1実施形態と同様に、導体加締片32の根元部分の剛性を高めることができ、それにより、左右の導体加締片32を電線Wの導体Waに加締めた状態でのサーマルショック試験による導体加締片32の緩みを防止することができ、電気的接続性能の向上と機械的接続性能の向上を図ることができる。また、それを実現するための構成としては、導体加締片32の根元部分に局部的な大きさの補強用凹凸部40を設けるだけでよいので、端子の形状をほとんど変更することなく実現できる。
【0052】
また、導体加締片32を導体に加締めた際に、局部的に形状が変化した補強用凹凸部40のある位置で、導体加締片32の導体Waに対する締め付け力のアップが期待できる(図8中の矢印で示す押圧力が作用する)ので、その点からも導体加締片32による導体Waに対する接圧の増大が図れる。
【0053】
ところで、この第2実施形態では、最初から圧着端子10B自体に補強用凹凸部40Bを形成していた場合を示したが、補強用凹凸部40Bがプレス加工によって得られるものであることから、圧着構造を得る段階、つまり圧着端子を導体に圧着する段階で補強用凹凸部40Bを形成することも可能である。それは、第2実施形態のように、導体加締片32の内面側が凸部46となり外面側が凹部47となった補強用凹凸部40Bを形成する場合であるゆえに可能になることである。
【0054】
図9はそのように圧着の段階で補強用凹凸部を形成する場合の圧着方法の説明図、図10は図9の下型の要部の拡大斜視図、図11は図10のC−C矢視断面図である。
【0055】
この方法を実施する場合は、図9に示すように、補強用凹凸部の無い状態の圧着端子10Eを使用する。即ち、この圧着端子10Eは、図1や図5の圧着端子10、10Bにおいて補強用凹凸部40、40Bだけが無い状態のものであり、例えば、図12に示す従来の圧着端子をそのまま使用することができる。
【0056】
まず、この圧着端子10Eを、上型110と下型120とを有する圧着装置の下型120の載置面121上に載せる。この場合の下型120の載置面121には、図10および図11に示すように、補強用凹凸部を形成するための複数の突起125を設けておく。
【0057】
そして、電線の端末の導体を圧着端子10Eの導体圧着部12Eの左右一対の導体加締片32,32の間に挿入して底板31の内面上に載せ、その状態で上型110を下型120に対して相対的に下降させることにより、導体を包むように一対の導体加締片32,32を内側に曲げて導体Waに加締めることにより、導体圧着部12Eを導体Waに圧着させる。
【0058】
そうすると、導体圧着部12Eを電線の導体に圧着する段階で同時に、下型120の載置面121に突設した突起125で、一対の各導体加締片32,32の根元部分にそれぞれ、図7に示すように、導体加締片32の内面側が凸部46となり外面側が凹部47となる局部的な大きさの補強用凹凸部40Bをプレス加工することができる。
【0059】
このように、第3実施形態の方法によれば、端子を製造する段階ではなく、端子の電線への圧着時に、導体加締片32の根元部分に補強用凹凸部40Bを形成するので、既成の圧着端子を使用した場合であっても、後から導体加締片32の根元部分の剛性を高めることができ、それにより、第2実施形態と同様に、サーマルショック試験による導体加締片32の緩みの問題を解決することができ、端子と導体間の電気的接続性能の向上と機械的接続性能の向上を図ることができる。
【0060】
また、導体加締片32の根元部分を補強する補強用凹凸部40Bを、上型110と下型120を用いて端子を導体に圧着するときに同時に加工するので、下型に補強用凹凸部を成形するための突起125を設けておくだけで、容易に実現することができる。
【0061】
なお、上記各実施形態において、圧着端子に接続する電線の導体は、アルミ電線の導体の他に、銅電線の導体等でもよい。
【符号の説明】
【0062】
10,10B,10E 圧着端子
12,12B,12E 導体圧着部
31 底板
32 導体加締片
40,40B 補強用凹凸部
41,47 凹部
42,46 凸部
110 上型
120 下型
121 載置面
125 突起
W 電線
Wa 導体
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車の電装系に使用される断面U字状の導体圧着部を有したオープンバレルタイプの圧着端子、オープンバレルタイプの圧着端子の圧着構造、および、オープンバレルタイプの圧着端子の圧着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図12は、例えば、特許文献1に記載されたものと類似の従来の圧着端子の構成を示す斜視図である。
【0003】
この圧着端子210は、端子の長手方向(接続する電線の導体の長手方向でもある)の前部に、相手コネクタ側の端子に接続される電気接続部211を備え、その後部に、電線(図示略)の端末の露出した導体に加締められる導体圧着部212を備え、さらにその後部に、電線の絶縁被覆の付いた部分に加締められる被覆加締部213を備えている。また、電気接続部211と導体圧着部212の間に、それらの間を繋ぐ第1の繋ぎ部214を備え、導体圧着部212と被覆加締部213の間に、それらの間を繋ぐ第2の繋ぎ部215を備えている。
【0004】
導体圧着部212は、底板231と、該底板231の左右両側縁から上方に延設されて該底板231の内面上に配された電線の導体を包むように加締められる一対の導体加締片232,232と、で断面略U字状に形成されている。また、被覆加締部213は、底板261と、該底板261の左右両側縁から上方に延設されて該底板261の内面上に配された電線(絶縁被覆の付いた部分)を包むように加締められる一対の被覆加締片262,262と、で断面略U字状に形成されている。
【0005】
また、導体圧着部212の前後の第1の繋ぎ部214および第2の繋ぎ部215は、共に、底板221、251と、該底板221、251の左右両側縁から上方に起立した低背の側板222、252と、で断面U字状に形成されている。
【0006】
そして、前部の電気接続部211の底板(図示略)から最後部の被覆加締部213までの範囲の底板221、231、251、261が、1枚の帯板状に連続して形成されている。また、第1の繋ぎ部214の低背の側板222の前後端は、電線接続部211の側板(符号省略)の後端および導体圧着部212の導体加締片232の前端の各下半部にそれぞれ連続し、第2の繋ぎ部215の低背の側板252の前後端は、導体圧着部212の導体加締片232の後端および被覆加締部213の被覆加締片262の前端の各下半部にそれぞれ連続している。
【0007】
また、導体圧着部212の内面には、電線の導体の長手方向(端子長手方向)と直交する方向に延びる複数本の凹溝状のセレーション235が設けられている。
【0008】
この圧着端子210の導体圧着部212を電線の端末の導体に圧着するには、図示しない下型(アンビル)の載置面(上面)上に圧着端子210を載せると共に、電線の端末の導体を導体圧着部212の導体加締片232間に挿入し、底板231の上面に載せる。そして、上型(クリンパー)を下型に対して相対的に下降させることにより、上型の案内斜面で導体加締片232の先端側を徐々に内側に倒して行く。この際、左右の導体加締片232は、底板231の左右両端部231a付近を基準にして曲げ変形して行く。
【0009】
そして、さらに上型(クリンパー)を下型に対して相対的に下降させることにより、最終的に、上型の案内斜面から中央の山形部に連なる湾曲面で、導体加締片232の先端を導体側に折り返すように丸めて、図13(a)に示すように、導体加締片232の先端同士を擦り合わせながら導体Waに食い込ませることにより、導体Waを包むように導体加締片232を加締める。
【0010】
以上の操作により、圧着端子210の導体圧着部212を電線の導体Waに圧着によって接続することができる。なお、被覆加締部213についても、同様に、下型と上型を用いて被覆加締片262を内側に徐々に曲げて行き、被覆加締片262を電線の絶縁被覆の付いた部分に加締める。こうすることにより、圧着端子210を電線に電気的および機械的に接続することができる。
【0011】
ところで、このように圧着端子210を電線に接続した場合、その圧着部分の信頼性を評価しておく必要があり、そのためにサーマルショック試験(冷熱衝撃試験)が行われることがある。
【0012】
サーマルショック試験とは、現実の使用条件を全てカバーし得るような厳しい条件で耐久性能を検査するものであり、例えば、自動車用の端子の圧着部については、低温条件と高温条件とを短時間で繰り返し課す。
【0013】
このようなサーマルショック試験を行った場合、圧着端子210の導体圧着部212および電線の導体Waが伸び縮み(膨張収縮)する。例えば、図13(a)中の実線で示す形状が常温時の状態であるとすると、高温時には点線のような形状に膨張する。
【0014】
導体圧着部212の剛性が充分に高い場合には、温度変化に応じて導体圧着部212や導体Waが伸び縮みしたとしても、常温時に原形状に復元するのであるが、小型化や薄型化が図られた端子の場合は、端子の剛性が低くなりがちであるため、サーマルショック試験を経た後に原形状への戻りが悪くなり、図13(b)に示すように元の形状に戻り切らないことがある。つまり、左右の導体加締片232の先端の擦り合わせ部分が、開き気味になったまま戻らなくなってしまうことがある。
【0015】
例えば、図13(a)中の実線で示すように、圧着時において、導体圧着部212の導体加締片232の先端は導体Waに食い込んだ状態になっているが、その食い込み量e1があまり大きくないような場合(食い込みが浅い場合)には、サーマルショック試験後に、導体加締片232がより原形状に戻り切らない現象が起こりやすく、その結果、図13(b)の寸法e2に示すように、食い込みが一層浅くなった状態になってしまうことがある。
【0016】
このように導体加締片232の原形状への戻りが悪くなり、導体加締片232の先端の擦り合わせ部分が開き気味になったり、導体加締片232の導体Waへの食い込みが浅くなったりすると、圧着端子210による導体Waへの締め付けが弱くなって、導体加締片232による導体Waへの接圧(接触荷重)Fが減少することになり、接圧Fが減少すると、圧着端子210と電線の接続部の固着力(機械的接続力)や導電性(電気的接続性能)が低下することになる。
【0017】
一方、最近では、ワイヤーハーネスの軽量化のために、銅電線からアルミ電線への転換が検討されるようになってきており、アルミ電線に銅端子を接続する場面も多くなってきた。そのような場合は、圧着端子と電線の導体の間に熱膨張差があることにより、サーマルショック試験後に、圧着端子と導体の接圧が一層減少しやすいことが分かってきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2004−303526号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
以上のように、小型化や薄型化が図られた圧着端子210の場合、導体圧着部212の剛性の不足により、導体への圧着部分の電気接続性や機械接続性が低下してしまうことがあった。
【0020】
その点について発明者らが詳しく調べてみると、導体加締片232の原形状への戻りが悪くなった場合は、導体Waに対する左右側方からの締め付けが弱くなり、圧着部分の両サイドの接圧が減少することが最も大きな原因の一つであることが分かってきた。また、その両サイドの接圧の減少には、特に図13(b)中のX円で示す導体加締片232の根元部分の剛性の影響が大きいことが分かってきた。
【0021】
本発明は、上記事情を考慮し、導体加締片の特に根元部分の剛性アップを図ることにより、サーマルショック試験後の圧着部形状の戻りの悪さを低減することができ、それにより導体圧着部の両サイドの接圧を効果的に高めることができ、その結果として、電気的接続性能と機械的接続性能の両方を向上させることのできる圧着端子、圧着端子の圧着構造、および圧着端子の圧着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題を解決するために、請求項1の発明の圧着端子は、電線の導体に圧着して接続される導体圧着部を有し、該導体圧着部が、底板と、該底板の左右両側縁から上方に延設されて該底板の内面上に配された前記導体を包むように加締められる一対の導体加締片と、で断面略U字状に形成された圧着端子において、前記一対の各導体加締片の根元部分にそれぞれ、前記導体加締片の内面側および外面側の一方が凹部となり他方が凸部となった局部的な大きさの補強用凹凸部が形成されていることを特徴としている。
【0023】
請求項2の発明の圧着端子の圧着構造は、電線の導体に圧着して接続される導体圧着部を有し、該導体圧着部が、底板と、該底板の左右両側縁から上方に延設された一対の導体加締片と、で断面略U字状に形成された圧着端子の、前記底板の内面上に前記導体を配し、該導体を包むように前記一対の導体加締片を内側に曲げて前記導体に加締めることにより、前記導体圧着部を導体に圧着させた圧着端子の圧着構造において、前記一対の各導体加締片の根元部分にそれぞれ、前記導体加締片の内面側および外面側の一方が凹部となり他方が凸部となった局部的な大きさの補強用凹凸部が形成されていることを特徴としている。
【0024】
請求項3の発明の圧着端子の圧着方法は、電線の導体に圧着して接続される導体圧着部を有し、該導体圧着部が、底板と、該底板の左右両側縁から上方に延設された一対の導体加締片と、で断面略U字状に形成された圧着端子を、上型と下型とを有する圧着装置の前記下型の載置面上に載せると共に、電線の端末の導体を前記導体圧着部の左右一対の導体加締片の間に挿入して前記底板の内面上に載せ、その状態で前記上型を前記下型に対して相対的に下降させることにより、前記導体を包むように前記一対の導体加締片を内側に曲げて前記導体に加締めることにより、前記導体圧着部を導体に圧着させる圧着端子の圧着方法において、前記上型と下型で前記圧着端子の導体圧着部を電線の導体に圧着する際に、同時に、前記下型の載置面に突設した突起で、前記一対の各導体加締片の根元部分にそれぞれ、前記導体加締片の内面側が凸部となり外面側が凹部となる局部的な大きさの補強用凹凸部をプレス加工することを特徴としている。
【発明の効果】
【0025】
請求項1の発明によれば、導体加締片の根元部分に局部的な大きさの補強用凹凸部を設けたので、端子の形状をほとんど変更することなく、導体加締片の根元部分の剛性を高めることができる。そのため、左右の導体加締片を電線の導体に加締めた状態での、サーマルショック試験による導体加締片の緩みを防止することができる。
【0026】
即ち、電線の導体に端子の導体加締片を加締めた部分に対してサーマルショック試験を行った場合、導体圧着部の剛性が不足気味であると、熱膨張と熱収縮の繰り返しにより、常温状態にしたときに導体加締片の先端が原形状に戻り切らずに、導体加締片の先端が開き気味になったり、導体に対する導体加締片の先端の食い込みが浅くなってしまったりすることがある。特に端子材料と導体材料が異なり両者間に熱膨張差があると、その現象が顕著に起こりやすくなる。そうなると、電線に対する端子による締め付け力が低下し、電気接続抵抗が大きくなったり、機械的結合力が弱くなったりする。
【0027】
その点、請求項1の発明では、補強用凹凸部の追加により導体加締片の剛性が強化されていることにより、サーマルショック試験を行った場合の緩み(つまり、導体加締片が原形状に戻り切らずに、導体加締片の先端が開き気味になったり、導体加締片の先端の導体に対する食い込みが浅くなったりする現象)を防止することができ、それにより、電気的接続性能の向上と機械的接続性能の向上を図ることができる。
【0028】
また、導体加締片を導体に加締めた際に、局部的な大きさの補強用凹凸部のある位置で、導体加締片の導体に対する締め付け力のアップが期待できるので、その点からも導体加締片による導体に対する接圧の増大が図れる。
【0029】
請求項2の発明によれば、導体に加締められた状態の導体加締片の根元部分に局部的な大きさの補強用凹凸部が設けられているので、導体加締片の根元部分の剛性が高められ、それにより、サーマルショック試験による導体加締片の緩みを防止することができる。従って、請求項1の発明と同様に、端子と導体間の電気的接続性能の向上と機械的接続性能の向上を図ることができる。
【0030】
請求項3の発明によれば、端子を製造する段階ではなく、端子の電線への圧着時に、導体加締片の根元部分に補強用凹凸部を形成するので、既成の圧着端子を使用した場合であっても、後から導体加締片の根元部分の剛性を高めることができ、それにより、サーマルショック試験による導体加締片の緩みを防止することができる。従って、請求項1の発明と同様に、端子と導体間の電気的接続性能の向上と機械的接続性能の向上を図ることができる。また、導体加締片の根元部分を補強する前記補強用凹凸部を、上型と下型を用いて端子を導体に圧着するときに同時に加工するので、下型に補強用凹凸部を成形するための突起を設けておくだけで、容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態の圧着端子の構成を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】同圧着端子の導体圧着部を電線の導体に圧着させた部分の断面図である。
【図4】図3の要部の拡大図である。
【図5】本発明の第2実施形態の圧着端子の構成を示す斜視図である。
【図6】図5のB−B矢視断面図である。
【図7】同圧着端子の導体圧着部を電線の導体に圧着させた部分の断面図である。
【図8】図7の要部の拡大図である。
【図9】本発明の第3実施形態としての圧着方法の説明図である。
【図10】図9の下型の要部の拡大斜視図である。
【図11】図10のC−C矢視断面図である。
【図12】従来の圧着端子の構成を示す斜視図である。
【図13】従来の圧着端子の導体圧着部を電線の導体に圧着させた部分を示す断面図で、(a)は圧着時の状態を示す図、(b)はサーマルショック試験後に原形状に戻り切らなくなった状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0033】
図1は本発明の第1実施形態の圧着端子の構成を示す斜視図、図2は図1のA−A矢視断面図、図3は同圧着端子の導体圧着部を電線の導体に圧着させた部分の断面図、図4は図3の要部の拡大図である。
【0034】
図1に示すように、この圧着端子10は、端子の長手方向(接続する電線の導体の長手方向でもある)の前部に、相手コネクタ側の端子に接続される電気接続部11を備え、その後部に、電線(図示略)の端末の露出した導体Wa(図3および図4参照)に加締められる導体圧着部12を備え、さらにその後部に、電線の絶縁被覆の付いた部分に加締められる被覆加締部13を備えている。また、電気接続部11と導体圧着部12の間に、それらの間を繋ぐ第1の繋ぎ部14を備え、導体圧着部12と被覆加締部13の間に、それらの間を繋ぐ第2の繋ぎ部15を備えている。
【0035】
導体圧着部12は、底板31と、該底板31の左右両側縁から上方に延設されて該底板31の内面上に配された電線の導体を包むように加締められる一対の導体加締片32,32と、で断面略U字状に形成されている。また、被覆加締部13は、底板61と、該底板61の左右両側縁から上方に延設されて該底板61の内面上に配された電線(絶縁被覆の付いた部分)を包むように加締められる一対の被覆加締片62,62と、で断面略U字状に形成されている。
【0036】
また、導体圧着部12の前後の第1の繋ぎ部14および第2の繋ぎ部15は、共に、底板21、51と、該底板21、51の左右両側縁から上方に起立した低背の側板22、52と、で断面U字状に形成されている。
【0037】
ここでは、前部の電線接続部11の底板(図示略)から最後部の被覆加締部13までの範囲の底板21、31、51、61が、1枚の帯板状に連続して形成されている。また、第1の繋ぎ部14の低背の側板22の前後端は、電気接続部11の側板(符号省略)の後端および導体圧着部12の導体加締片32の前端の各下半部にそれぞれ連続し、第2の繋ぎ部15の低背の側板52の前後端は、導体圧着部12の導体加締片32の後端および被覆加締部13の被覆加締片62の前端の各下半部にそれぞれ連続している。
【0038】
そして、この圧着端子10では、図1〜図4に示すように、一対の各導体加締片32,32の根元部分(圧着時に一番小さな曲率で曲がる可能性のある部分)にそれぞれ、内面側が角錐状の凹部41となり外面側が角錐状の凸部42となった補強用凹凸部40がプレス加工によって局部的に形成されている。この場合、補強用凹凸部40は、導体加締片32の幅方向(端子長手方向)に適当な間隔をおいて複数設けられている。
【0039】
また、図1に示すように、導体圧着部12の内面には、端子長手方向に直交する方向に延びる凹溝状のセレーション35が3本設けられている。
【0040】
この圧着端子10の導体圧着部12を電線の端末の導体Waに圧着する場合は、まず、図示しない下型(アンビル)の載置面(上面)上に圧着端子10を載せると共に、電線Wの端末の導体Waを導体圧着部12の導体加締片32間に挿入し、底板31の上面に載せる。そして、上型を下型に対して相対的に下降させることにより、上型の左右の案内斜面で導体加締片32の先端側を徐々に内側に倒して行く。
【0041】
そして、さらに上型を下型に対して相対的に下降させることにより、最終的に、上型の左右の案内斜面から中央の山形部に連なる湾曲面で、導体加締片の先端を導体側に折り返すように丸めて、図3に示すように、導体加締片32の先端同士を擦り合わせながら電線Wの導体Waに食い込ませることにより、導体Waを包むように導体加締片32を加締める。
【0042】
以上の操作により、圧着端子10の導体圧着部12を電線Wの導体Waに接続することができ、図3の圧着構造が得られる。なお、被覆加締部13についても、同様に、下型と上型を用いて被覆加締片62を内側に徐々に曲げて行き、被覆加締片62を電線の絶縁被覆の付いた部分に加締める。こうすることにより、圧着端子10を電線に電気的および機械的に接続することができる。
【0043】
このように圧着を行う圧着端子10およびその圧着端子10により得られる圧着構造によれば、左右の導体加締片32の各根元部分に補強用凹凸部40が設けられているので、導体加締片32の根元部分の剛性を高めることができ、それにより、左右の導体加締片32を電線Wの導体Waに加締めた状態でのサーマルショック試験による導体加締片32の緩みを防止することができる。
【0044】
即ち、電線Wの導体Waに圧着端子10の導体加締片32を加締めた部分に対してサーマルショック試験を行った場合、導体圧着部12の剛性が不足気味であると、熱膨張と熱収縮の繰り返しにより、常温状態にしたときに導体加締片32の先端が原形状に戻り切らずに、導体加締片32の先端が開き気味になったり、導体Waに対する導体加締片32の先端の食い込みが浅くなってしまったりすることがある。特に端子材料と導体材料が異なり両者間に熱膨張差があると、その現象が顕著に起こりやすくなる。そうなると、電線Wに対する圧着端子10による締め付け力が低下し、電気接続抵抗が大きくなったり、機械的結合力が弱くなったりする。
【0045】
その点、本実施形態の圧着端子10および圧着構造では、補強用凹凸部40の追加により導体加締片32の剛性が強化されていることにより、サーマルショック試験を行った場合の緩み(つまり、導体加締片32が原形状に戻り切らずに、導体加締片32の先端が開き気味になったり、導体加締片32の先端の導体Waに対する食い込みが浅くなったりする現象)を防止することができ、それにより、電気的接続性能の向上と機械的接続性能の向上を図ることができる。また、それを実現するための構成としては、導体加締片32の根元部分に局部的な大きさの補強用凹凸部40を設けるだけでよいので、端子の形状をほとんど変更することなく実現できる。
【0046】
また、導体加締片32を導体に加締めた際に、局部的に形状が変化した補強用凹凸部40のある位置で、導体加締片32の導体Waに対する締め付け力のアップが期待できる(図4中の矢印で示す押圧力が作用する)ので、その点からも導体加締片32による導体Waに対する接圧の増大が図れる。
【0047】
また、導体圧着部12の内面には、従来の圧着端子と同様にセレーション35が設けられているので、圧着端子10と導体Waの接圧のアップを図ることができる。また、電線Wがアルミ電線の場合は、セレーション35に対するアルミ導体Waの摺動により、圧着端子10と導体Waの凝着面積の増大が図れ、電気的接続性能と機械的接続性能の向上が図れる。
【0048】
図5は本発明の第2実施形態の圧着端子の構成を示す斜視図、図6は図5のB−B矢視断面図、図7は同圧着端子の導体圧着部を電線の導体に圧着させた部分の断面図、図8は図3の要部の拡大図である。
【0049】
この圧着端子10Bでは、図5〜図8に示すように、導体圧着部12Bの一対の各導体加締片32,32の根元部分(圧着時に一番小さな曲率で曲がる可能性のある部分)にそれぞれ、内面側が角錐状の凸部46となり外面側が角錐状の凹部47となった補強用凹凸部40Bがプレス加工によって局部的な大きさで複数形成されている。それ以外の点は第1実施形態の圧着端子と全く同様であるので、同一構成部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0050】
この圧着端子10Bの導体圧着部12Bを電線Wの端末の導体Waに圧着する場合は、上述した第1実施形態の圧着端子10の場合と全く同様に行う。そうすることにより、圧着端子10Bの導体圧着部12Bを電線Wの導体Waに接続することができ、図7の圧着構造が得られる。
【0051】
このように圧着を行う圧着端子10およびその圧着端子10により得られる圧着構造によれば、左右の導体加締片32の各根元部分に補強用凹凸部40が設けられているので、第1実施形態と同様に、導体加締片32の根元部分の剛性を高めることができ、それにより、左右の導体加締片32を電線Wの導体Waに加締めた状態でのサーマルショック試験による導体加締片32の緩みを防止することができ、電気的接続性能の向上と機械的接続性能の向上を図ることができる。また、それを実現するための構成としては、導体加締片32の根元部分に局部的な大きさの補強用凹凸部40を設けるだけでよいので、端子の形状をほとんど変更することなく実現できる。
【0052】
また、導体加締片32を導体に加締めた際に、局部的に形状が変化した補強用凹凸部40のある位置で、導体加締片32の導体Waに対する締め付け力のアップが期待できる(図8中の矢印で示す押圧力が作用する)ので、その点からも導体加締片32による導体Waに対する接圧の増大が図れる。
【0053】
ところで、この第2実施形態では、最初から圧着端子10B自体に補強用凹凸部40Bを形成していた場合を示したが、補強用凹凸部40Bがプレス加工によって得られるものであることから、圧着構造を得る段階、つまり圧着端子を導体に圧着する段階で補強用凹凸部40Bを形成することも可能である。それは、第2実施形態のように、導体加締片32の内面側が凸部46となり外面側が凹部47となった補強用凹凸部40Bを形成する場合であるゆえに可能になることである。
【0054】
図9はそのように圧着の段階で補強用凹凸部を形成する場合の圧着方法の説明図、図10は図9の下型の要部の拡大斜視図、図11は図10のC−C矢視断面図である。
【0055】
この方法を実施する場合は、図9に示すように、補強用凹凸部の無い状態の圧着端子10Eを使用する。即ち、この圧着端子10Eは、図1や図5の圧着端子10、10Bにおいて補強用凹凸部40、40Bだけが無い状態のものであり、例えば、図12に示す従来の圧着端子をそのまま使用することができる。
【0056】
まず、この圧着端子10Eを、上型110と下型120とを有する圧着装置の下型120の載置面121上に載せる。この場合の下型120の載置面121には、図10および図11に示すように、補強用凹凸部を形成するための複数の突起125を設けておく。
【0057】
そして、電線の端末の導体を圧着端子10Eの導体圧着部12Eの左右一対の導体加締片32,32の間に挿入して底板31の内面上に載せ、その状態で上型110を下型120に対して相対的に下降させることにより、導体を包むように一対の導体加締片32,32を内側に曲げて導体Waに加締めることにより、導体圧着部12Eを導体Waに圧着させる。
【0058】
そうすると、導体圧着部12Eを電線の導体に圧着する段階で同時に、下型120の載置面121に突設した突起125で、一対の各導体加締片32,32の根元部分にそれぞれ、図7に示すように、導体加締片32の内面側が凸部46となり外面側が凹部47となる局部的な大きさの補強用凹凸部40Bをプレス加工することができる。
【0059】
このように、第3実施形態の方法によれば、端子を製造する段階ではなく、端子の電線への圧着時に、導体加締片32の根元部分に補強用凹凸部40Bを形成するので、既成の圧着端子を使用した場合であっても、後から導体加締片32の根元部分の剛性を高めることができ、それにより、第2実施形態と同様に、サーマルショック試験による導体加締片32の緩みの問題を解決することができ、端子と導体間の電気的接続性能の向上と機械的接続性能の向上を図ることができる。
【0060】
また、導体加締片32の根元部分を補強する補強用凹凸部40Bを、上型110と下型120を用いて端子を導体に圧着するときに同時に加工するので、下型に補強用凹凸部を成形するための突起125を設けておくだけで、容易に実現することができる。
【0061】
なお、上記各実施形態において、圧着端子に接続する電線の導体は、アルミ電線の導体の他に、銅電線の導体等でもよい。
【符号の説明】
【0062】
10,10B,10E 圧着端子
12,12B,12E 導体圧着部
31 底板
32 導体加締片
40,40B 補強用凹凸部
41,47 凹部
42,46 凸部
110 上型
120 下型
121 載置面
125 突起
W 電線
Wa 導体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線の導体に圧着して接続される導体圧着部を有し、該導体圧着部が、底板と、該底板の左右両側縁から上方に延設されて該底板の内面上に配された前記導体を包むように加締められる一対の導体加締片と、で断面略U字状に形成された圧着端子において、
前記一対の各導体加締片の根元部分にそれぞれ、前記導体加締片の内面側および外面側の一方が凹部となり他方が凸部となった局部的な大きさの補強用凹凸部が形成されていることを特徴とする圧着端子。
【請求項2】
電線の導体に圧着して接続される導体圧着部を有し、該導体圧着部が、底板と、該底板の左右両側縁から上方に延設された一対の導体加締片と、で断面略U字状に形成された圧着端子の、前記底板の内面上に前記導体を配し、該導体を包むように前記一対の導体加締片を内側に曲げて前記導体に加締めることにより、前記導体圧着部を導体に圧着させた圧着端子の圧着構造において、
前記一対の各導体加締片の根元部分にそれぞれ、前記導体加締片の内面側および外面側の一方が凹部となり他方が凸部となった局部的な大きさの補強用凹凸部が形成されていることを特徴とする圧着端子の圧着構造。
【請求項3】
電線の導体に圧着して接続される導体圧着部を有し、該導体圧着部が、底板と、該底板の左右両側縁から上方に延設された一対の導体加締片と、で断面略U字状に形成された圧着端子を、上型と下型とを有する圧着装置の前記下型の載置面上に載せると共に、電線の端末の導体を前記導体圧着部の左右一対の導体加締片の間に挿入して前記底板の内面上に載せ、その状態で前記上型を前記下型に対して相対的に下降させることにより、前記導体を包むように前記一対の導体加締片を内側に曲げて前記導体に加締めることにより、前記導体圧着部を導体に圧着させる圧着端子の圧着方法において、
前記上型と下型で前記圧着端子の導体圧着部を電線の導体に圧着する際に、同時に、前記下型の載置面に突設した突起で、前記一対の各導体加締片の根元部分にそれぞれ、前記導体加締片の内面側が凸部となり外面側が凹部となる局部的な大きさの補強用凹凸部をプレス加工することを特徴とする圧着端子の圧着方法。
【請求項1】
電線の導体に圧着して接続される導体圧着部を有し、該導体圧着部が、底板と、該底板の左右両側縁から上方に延設されて該底板の内面上に配された前記導体を包むように加締められる一対の導体加締片と、で断面略U字状に形成された圧着端子において、
前記一対の各導体加締片の根元部分にそれぞれ、前記導体加締片の内面側および外面側の一方が凹部となり他方が凸部となった局部的な大きさの補強用凹凸部が形成されていることを特徴とする圧着端子。
【請求項2】
電線の導体に圧着して接続される導体圧着部を有し、該導体圧着部が、底板と、該底板の左右両側縁から上方に延設された一対の導体加締片と、で断面略U字状に形成された圧着端子の、前記底板の内面上に前記導体を配し、該導体を包むように前記一対の導体加締片を内側に曲げて前記導体に加締めることにより、前記導体圧着部を導体に圧着させた圧着端子の圧着構造において、
前記一対の各導体加締片の根元部分にそれぞれ、前記導体加締片の内面側および外面側の一方が凹部となり他方が凸部となった局部的な大きさの補強用凹凸部が形成されていることを特徴とする圧着端子の圧着構造。
【請求項3】
電線の導体に圧着して接続される導体圧着部を有し、該導体圧着部が、底板と、該底板の左右両側縁から上方に延設された一対の導体加締片と、で断面略U字状に形成された圧着端子を、上型と下型とを有する圧着装置の前記下型の載置面上に載せると共に、電線の端末の導体を前記導体圧着部の左右一対の導体加締片の間に挿入して前記底板の内面上に載せ、その状態で前記上型を前記下型に対して相対的に下降させることにより、前記導体を包むように前記一対の導体加締片を内側に曲げて前記導体に加締めることにより、前記導体圧着部を導体に圧着させる圧着端子の圧着方法において、
前記上型と下型で前記圧着端子の導体圧着部を電線の導体に圧着する際に、同時に、前記下型の載置面に突設した突起で、前記一対の各導体加締片の根元部分にそれぞれ、前記導体加締片の内面側が凸部となり外面側が凹部となる局部的な大きさの補強用凹凸部をプレス加工することを特徴とする圧着端子の圧着方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−244882(P2010−244882A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−93145(P2009−93145)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
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