説明

圧電ダイヤフラムポンプ

【課題】圧電ダイヤフラムポンプにおいて、被駆動ユニットを交換可能とし、駆動ダイヤフラムの振動を効率良く被駆動ユニットに伝達することができるようにする。
【解決手段】圧電ダイヤフラムポンプPは、駆動ユニット1と、被駆動ユニット2と、固定ユニット3とを備え、被駆動ユニット2は、駆動ダイヤフラム12からの駆動が伝達される従動膜24aを備え、この従動膜24aを上に凸形状に形成したことにより、従動膜24aは、その中央部から駆動ダイヤフラム12に接触するので、確実な接触と、高い伝達効率が得られ、高速の駆動にも追従する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電素子をアクチュエータとして用いた圧電ダイヤフラム型ポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
圧電素子をアクチュエータとして用いた圧電ダイヤフラムポンプは、ダイヤフラムの撓みが増減し、ポンプ室の内容積が増減することで吸入側の弁より動作流体を吸入し、排出側の弁より動作流体を吐出するものである。撓みの増減は、円盤状の圧電素子の上下面に設けられた電極に電流が供給されることにより、圧電素子が径方向に伸縮することで実現される。
【0003】
圧電素子をアクチュエータとして使用する際におけるダイヤフラム構造を用いるメリットは、径方向の微小な撓みを厚み方向の大変位に変換可能であるため、低い印加電圧で圧電素子を駆動させることができることである。
【0004】
一方、デメリットとして、発生する力は変位拡大率に反比例して小さくなることが挙げられる。
【0005】
一般に液体を吐出するポンプにおいては、動作流体による内部の汚染が大きな問題となる。例えば、アルコールに粉体などの固形物を含有したものの場合、ポンプ内部に液体が残留すると、液体の各種成分が弁やパイプなどの構成部材に付着したり、場合によっては溶かしたりする可能性がある。
【0006】
これにより、弁の開閉が正常に行われなかったり、弁の劣化が発生したりして、ポンプの寿命を著しく低下させる原因になるものと考えられる。このようなポンプの寿命低下の解決方法の一つとして、弁を含めたユニットを交換する等、流体が流れる部分を交換する構造が提案されている。
【0007】
例えば、圧電素子にバイモルフ式ポンプを用いたポンプを、吸入弁付吸入口と送出弁付送出口とを設けた弁ユニツトと、圧電素子を組込んだ駆動ユニツトとに分割し、これを着脱自在にして、交換可能にしたものがある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この構成では、密閉性を高めるためには弾性部材をバイモルフに強く押しつける必要があり、強く押しつけるとバイモルフの振動を阻害するという問題がある。
【0008】
また、他の従来例として、ポンプアクチュエータユニットと、これに着脱可能に取り付けられたポンプ接流ユニットからなる圧電ポンプが提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この圧電ポンプでは、取替え時の駆動ダイヤフラムと接液側ダイヤフラム(弾性膜)との結合が両面テープ等でなされているため、交換時に圧電ダイヤフラムを傷つける可能性があるという問題があった。
【0009】
さらにまた、他の従来例として、ポンプ本体と吐出チューブとから構成される収液部を、ポンプ本体を着脱可能に収容する駆動部とポンプアクチュエータが固着された駆動体とからなる固定部に対して交換可能にした給液装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この給液装置では、伝達部材形状が平面状であるため伝達効率が小さく、両面テープなどの面接合部材を必要とするという問題があった。
【0010】
しかし、圧電ダイヤフラムを駆動源とした場合、変位量は数十μm程度と非常に小さい。また、発生力も小さいため、変位を効率的に被駆動側に伝達する必要がある。従来の交換式構造のポンプは、アクチュエータに大きな変位を必要とするものであり、発生力の伝達効率が低いものであった。
【0011】
そこで、これらの課題を解決するものとして、振動の伝達を良くするために空気又は液体を伝達媒質として用いた圧電ダイヤフラムポンプが提案されている(例えば、特許文献4参照)。図10に、上記従来の圧電ダイヤフラムポンプを示す。同図において、圧電ダイヤフラムポンプ100は、圧電素子102で駆動される駆動ダイヤフラム部101と押え部109の間に、交換可能な被駆動ダイヤフラム部104を挟んで構成されている。そして、被駆動ダイヤフラム105と駆動ダイヤフラム103との間の密閉空間111に、振動の伝達を良くするために空気又は液体の伝達媒質110が挿入されている。これにより、駆動ダイヤフラム103の振動は、伝達媒質110を介して、被駆動ダイヤフラム105に伝わり、この振動により、被駆動ダイヤフラム部104の被駆動空間106の流動液体が吸入弁、排出弁107を介して、連通パイプ108より、吸入又は吐出され、ポンプ動作が行われる。
【0012】
この圧電ダイヤフラムポンプ100では、被駆動ダイヤフラム部105が平面状に形成されており、その周囲部分と駆動ダイヤフラム103を密閉することで振動を伝達する。これにより、駆動ダイヤフラム103が吸入動作を行うときにも、内部の伝達媒質110が負圧となることにより被駆動ダイヤフラム105を引き上げて追従させ、吐出・吸入いずれの動作にも対応している。
【0013】
しかしながら、上記圧電ダイヤフラムポンプ100では、伝達媒質110としての空気又は液体が圧力によって体積の変化を生じるため、厳密には駆動ダイヤフラム103の振動を、そのまま被駆動ダイヤフラム105に伝えることは難しいという問題を含んでいた。特に、駆動ダイヤフラム103の振動周波数が低い間は、被駆動ダイヤフラム105の追従性は良いが、振動周波数が高速になると被駆動ダイヤフラム105の追従性が劣化する。
【特許文献1】実用新案登録第02542620号公報
【特許文献2】実用新案登録第2542620号公報
【特許文献3】特開平6−24492号公報
【特許文献4】特開2004−353493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記問題を解決するものであり、伝達媒質の空気や液体を用いず、簡単な構成で、駆動ダイヤフラムの振動を直接、被駆動膜に伝達することにより、被駆動ユニットを交換しても、高い伝達効率が得られ、高速の駆動にも追従できる圧電ダイヤフラムポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、圧電素子を用いた圧電ダイヤフラムポンプにおいて、前記圧電素子と、この圧電素子の変形に応じて弾性変形されるダイヤフラム板とを有する駆動ダイヤフラムと、この駆動ダイヤフラムを支持する支持筐体とにより構成される駆動ユニットと、前記駆動ユニットにより駆動される被駆動ユニットと、前記被駆動ユニットを前記駆動ユニットに取り外し自在に固定する固定ユニットとを備え、前記被駆動ユニットは、前記駆動ダイヤフラムからの振動が伝達される従動膜部と、この従動膜部を固定する固定部と、この固定部と前記従動膜部とにより形成される内部空間に対して、流体を吸入及び吐出するために開閉動作をする弁と、この弁と連通し流体の吸入及び吐出を導く管路とを備え、前記従動膜部が前記駆動ダイヤフラム側に凸の形状であるものである。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1に記載の圧電ダイヤフラムポンプにおいて、前記従動膜部は、面内方向における応力当たりの伸び率が、面垂直方向における応力当たりの伸び率よりも大きいものである。
【0017】
請求項3の発明は、請求項2に記載の圧電ダイヤフラムポンプにおいて、同心円状に複数の切り込み溝が形成されているものである。
【0018】
請求項4の発明は、請求項1に記載の圧電ダイヤフラムポンプにおいて、前記従動膜部は、中央部の弾性係数が周辺部の弾性係数よりも大きいものである。
【0019】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の圧電ダイヤフラムポンプにおいて、前記従動膜部は、周辺部にベローズ部を有するものである。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、従動膜部がその中心を最高点とする凸形状であることにより、従動膜部が中央部から駆動ダイヤフラムに接触するので、確実な接触と、高い伝達効率が得られ、高速の駆動にも追従でき、被駆動ユニットを交換しても振動の動きがスムーズな圧電ダイヤフラムポンプを得ることができる。
【0021】
請求項2の発明によれば、従動膜部が径方向に伸び易く、厚み方向を変形し難くできるので、従動膜部の径方向への変形が容易となり、駆動ダイヤフラムの厚み方向の変位を従動膜部に効率良く伝達することができる。
【0022】
請求項3の発明によれば、従動膜部の径方向の変形が容易になり、従動膜部が駆動ダイヤフラムの動きに抵抗なく連動できるので、振動の動きがスムーズな圧電ダイヤダイヤフラムポンプを得ることができる。
【0023】
請求項4の発明によれば、従動膜部の径方向には伸びやすく、厚み方向には変形が小さくなるため、駆動ダイヤフラムの変位を従動膜部に確実に伝達でき、駆動ダイヤフラムの動きを効率的に利用できる。
【0024】
請求項5の発明によれば、従動膜部が追従する距離を増やすことができると共に、従動膜部の支持筐体への固定をより確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプについて図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプを分解したユニットを示し、図2は、図1の各ユニットを結合して組み立てた圧電ダイヤフラムポンプPを示す。これらの図において、圧電ダイヤフラムポンプPは、駆動機能を備えた駆動ユニット1と、この駆動ユニット1により駆動される被駆動ユニット2と、被駆動ユニット2を取り外し自在に固定する固定ユニット3とを備え、被駆動ユニット2を自由に交換できるようにしている。
【0026】
駆動ユニット1は、支持筐体11と、駆動ダイヤフラム12とを備え、支持筐体11は駆動ダイヤフラム12を固定し、交換される被駆動ユニット2を内部に嵌合する孔部15を持つ。駆動ダイヤフラム12は、平板円形状の圧電素子13(PZT)及びその変形に応じて弾性変形可能な導電部材であるダイヤフラム板14により構成される。
【0027】
駆動ダイヤフラム12は、ダイヤフラム板14の一方の面の中央部に、同心円上の圧電素子13を貼り付けて形成され、その端部近傍は、支持筐体11に密着して固定されている。圧電素子13の寸法は、例えば直径15mm、厚み0.20mmであり、ダイヤフラム板14は、例えば直径20mm、厚み0.20mmの円形の真鍮板である。
【0028】
圧電素子13とダイヤフラム板14には、それぞれ電極13aと電極14aが設けられ、電圧制御部4により、これら電極13aと電極14aとの間に電圧を印加することにより、圧電素子13を変形させて圧電ダイヤフラムポンプPの吸入・吐出時間を制御する。印加電圧は+120Vと0Vの交番電圧とし、+120Vの電圧を印加した時にポンプは吐出動作を行い、0V印加時は吸入動作を行う。
【0029】
このような駆動ダイヤフラム12は、高温中で金属板のダイヤフラム板14と圧電素子13を接着することで形成されるため、その熱膨張差により常温では撓みを持ち、通常その撓みは、図1、2に示すように上に湾曲した凸型をしている。圧電素子13に電圧が印加されていない初期状態においては、ダイヤフラム板14は孔部15の容積が膨らんだ方向になるように支持筐体11に固定される。
【0030】
支持筐体11は、円形に成形されたプラスチック(例えばポリアセタール(POM)やポリカーボネイト(PC)、ポリフェニルスチレン(PPS)等)製の樹脂成形品からなり、孔部15は円筒状空洞をなし、その内周壁と支持筐体11の外壁との間には中空部11aが形成されている。中空部11aには、ダイヤフラム板14の外周部が挿入、密着されて支持筐体11に固定されることにより、駆動ダイヤフラム12が支持筐体11に固定される。
【0031】
被駆動ユニット2は、プラスチックにより形成された円環状の側面と底面26を持つ筐体21(固定部)と、筐体21の上面に貼り付けられて、その外周部が固定され被駆動ダイヤフラムとなる従動膜24a(従動膜部)と、筐体21と従動膜24aとにより形成される空間のポンプ室25(内部空間)とにより構成される。筐体21の底面26には、ポンプ室25の内部及び外部への動作流体の吸入及び吐出の開閉動作を行う吸入弁23a及び吐出弁23bを有し、これらの吸入弁23a及び吐出弁23bを介して外部と配管接続される吸入パイプ22a及び吐出パイプ22bが備えられている。この筐体21の外径は、上記駆動ユニット1の孔部15の底面の外径に略等しく、被駆動ユニット2の筐体21が、駆動ユニット1の孔部15に底面より嵌合する。
【0032】
従動膜24aは、駆動ダイヤフラム12側に中心を最高点とする上に凸の形状で、その底面のポンプ室25側は平面状であるような膜厚分布に構成され、その部材は、例えば、耐薬品性の高い膜、例えば水素添加ニトリルブタジエンラバー(以下、HNBRと略す)で形成される。そして、被駆動ユニット2の筐体21を駆動ユニット1の支持筐体11の孔部15に嵌合させた時に、従動膜24aは、その膜の中央部より駆動ダイヤフラム12の内面に接触し始め、嵌合し終わると、その内面のほぼ全面に接触して密着される。なお、従動膜24aの被駆動ユニット2の筐体21への固定は、接着、溶着などの方法や、端部に切り欠けを設けて筐体21に設けた突起を挿入して一体化する方法、又は従動膜24aを挟んで筐体21と反対側に別部材を設けて挟み込む等の方法がある。
【0033】
固定ユニット3は、被駆動ユニット2を固定する押えとして、プラスチックで成形された筐体31よりなり、外形が駆動ユニット1の支持筐体11と略同じ円環状に形成される。筐体31の中央部には駆動ユニット1の孔部15の底面の半径と同じ内径を持ち、被駆動ユニット2の筐体21の下部に嵌合する凹部32を設けている。さらに、凹部32の底面の中央部には、被駆動ユニット2の吸入パイプ22aと吐出パイプ22bが貫通できる貫通孔33を設けている。固定ユニット3が被駆動ユニット2に嵌合された時に、被駆動ユニット2の吸入パイプ22aと吐出パイプ22bは、貫通孔33を通って外部に連結される。
【0034】
上記各ユニット1、2、3の組立てにおいては、被駆動ユニット2の筐体21の下部を固定ユニット3の筐体31の凹部32に嵌合させ、被駆動ユニット2の筐体21の上部を駆動ユニット1の支持筐体11の孔部15に嵌合させる。そして、駆動ユニット1の支持筐体11の下面と固定ユニット3の筐体31の上面とを当接させ、駆動ユニット1と固定ユニット3との中間に被駆動ユニット2を挟み込んで固定し、収納する。この固定の手法としては、別途設ける爪部やスライドスイッチ、ネジ止め等の方法が利用できるが、ここでは、この固定方法の図示は省略する。
【0035】
上記固定により、被駆動ユニット2の筐体21の上面に貼られた従動膜24aが、駆動ダイヤフラム12のダイヤフラム板14の下面に押圧密着される。この時、従動膜24aは、その中心を最高点とする上に凸形状をしているため、駆動ユニット1に挿入されるに従って、その中央部より駆動ダイヤフラム12のダイヤフラム板14の下面の中央部より接触する。次いで、その中央部の周囲から接触面積が増加していく。そして、この接触が広がるにつれて、駆動ユニット1の支持筐体11の孔部15に存在していた空気が、孔部15と筐体21の間の僅かな隙間を通って孔部15外に押し出される。そして、駆動ユニット1と被駆動ユニット2との嵌合が終わると、駆動ダイヤフラム12と従動膜24aとは、その間に空気を殆ど含まず略全面的に密着され、一体化される。
【0036】
上述のように組立てを完成した後、圧電ダイヤフラムポンプPを駆動する場合、駆動ダイヤフラム12の圧電素子13に電圧制御部4から交番電圧(+120ボルトから0ボルト)を印加する。圧電素子13に電圧が印加されていない初期状態においては、ダイヤフラム板14は凸状の孔部15が膨らんだ方向となるように支持筐体11に固定されている。そして、正電圧が印加されると、圧電素子13が径方向に縮むが、ダイヤフラム板14が伸びないため、圧電素子13の変形に伴ってダイヤフラム板14の撓みが減少する。そして、正電圧から接地電圧にすると、ダイヤフラム板14自身の復元力によって初期状態の形状まで戻る。
【0037】
このように、電圧制御部4からの交番電圧により、圧電素子13が直径方向に伸縮し、この伸縮によりダイヤフラム板14は、その板厚方向である垂直方向A(図2)に振動する。この振動は従動膜24aに直接伝達され、従動膜24aも同様に膜厚方向である垂直方向Bに振動する。この振動により、被駆動ユニット2のポンプ室25の容積が拡縮する。この容積の拡縮に伴い、ポンプ室25の容積が減少した場合は、ポンプ室25内の圧力が増加し、吸入弁23aが閉じて吐出弁23bが開き、吐出弁23bを介し吐出パイプ22bより流体を吐出する。逆に、ポンプ室25の容積が増加した場合は、ポンプ室25内の圧力が減少し、吐出弁23bが閉じて吸入弁23aが開き、吸入弁23aを介して吸入パイプ22aより流体を吸入する。
【0038】
本実施形態の圧電ダイヤフラムポンプPにおいては、被駆動ユニット2を交換する際に、従動膜24aが上に凸の形状となっているので、駆動ダイヤフラム12と従動膜24aの接触がスムーズに行われるため、両者の接触する中央部に空気が入るなどの不具合を発生することがなく、確実に密着された接触状態が得られる。そして、従動膜24aの中央部が確実に接触するため、駆動ダイヤフラム12における最も厚み方向の変動幅が大きい中心の変位を最大限利用することができる。また、駆動ダイヤフラム12と従動膜24aとは、その間に伝達媒質を介さず直接に接触しているので、振動の伝達効率が高くできると共に、駆動ダイヤフラム12の高速な振動に対しても従動膜24aが追従できるので、高効率で高速性に優れた圧電ダイヤフラムポンプPを得ることができる。
【0039】
次に、本発明の第2の実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプについて図3(a)、(b)を参照して説明する。図3(a)は、本実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプの被駆動ユニット2を示し、図3(b)は、この被駆動ユニット2を用いた圧電ダイヤフラムポンプPを示す。被駆動ユニット2における従動膜24bの形状を、膜の厚みを一定のまま凸形状に成形した点で上記第1の実施形態と異なる。同図において、上記第1の実施形態の部材と同等部材には同一符号を付している(以下、同様)。
【0040】
これらの図において、被駆動ユニット2の従動膜24bは、前記と同様の材質部材を用い、膜の厚さが一定(0.2mm)のまま凸形状に成形されている。従って、中央部に近いほど凸状に厚みの増える上記実施形態1の従動膜24aに比べ、膜の体積が少なくなり、駆動ユニット1の駆動ダイヤフラム12に対して、被駆動性が改善される。
【0041】
次に、本発明の第3の実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプについて、図4(a)、(b)を参照して説明する。図4(a)は、本実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプの従動膜24c(従動膜部)を示し、図4(b)は、この従動膜24cを用いた圧電ダイヤフラムポンプPを示す。本実施形態において、被駆動ユニット2の従動膜24cは、面内方向(径方向)における単位応力当たりの伸び率が、面垂直方向における単位応力当たりの伸び率よりも大きくした点で上記第1の実施形態と異なる。なお、従動膜24cが、上に凸の形状で中央部が凸状に厚みの増えている点は、上記第1の実施形態と同様である。
【0042】
そして、従動膜24cは、上記特性を持たすため、前記と同様の材質部材を用い、従動膜24cの表面上に直径1mm、深さ0.1mmの凹部27が一様に形成されている。このような構成の従動膜24cは、厚さが径方向に一様でなく部分的に薄くなっているので、実質的に径方向の力に対する強度が弱くなる。従って、径方向の単位応力当たりの伸び率が、厚さが一様の場合に比べ大きくなるので、変形し易くなる。一方、厚み方向の寸法は、部分的な凹部の窪みがあっても、凹部でない部分はあまり変形しないので、厚み方向の単位応力当たりの伸び率は、殆ど変わらない。従って、従動膜24cは、径方向に伸び易く、厚み方向に変形し難くなるので、駆動ダイヤフラム12のダイヤフラム板14からの変位を確実に従動膜24cに伝達することができる。
【0043】
図4(b)において、駆動ダイヤフラム12上の圧電素子13に交番電圧が印加されると、圧電素子13の径方向の伸縮に伴い駆動ダイヤフラム12は厚み方向に振動する。この振動が従動膜24cに伝達されると、従動膜24cの形状が上に凸の形状をしているため、駆動ダイヤフラム12の面から伝達される力は、従動膜24cの中央部から加わり、駆動ダイヤフラム12の面からの圧力は、従動膜24cの径方向と厚み方向の両方に加わる。従動膜24cの径方向への変位は、円形の凹部27の厚みが薄いため単位応力当たりの伸び率が大きくなり、駆動ダイヤフラム12の変形への抵抗は少なく、駆動ダイヤフラム12の動作を制限しない。また、厚み方向の変位については、円形の凹部27が無い場合と同等の変位を行うため、駆動ダイヤフラム12からの変位が従動膜24cに伝わり易く、被駆動ユニット2のポンプ室25の容積は大きく変動する。
【0044】
このような凹部27による厚みの薄い部分を設けた従動膜24cを被駆動ユニット2に用いたことにより、径方向に伸び易く、厚み方向に変形し難くできるので、変位を確実に伝達することができ、駆動ダイヤフラム12の動きを効率的に利用できる。
【0045】
また、従動膜24cの形状として、上記凹部27が逆に凸部となっていても同等の効果が得られ、また、凹部27の形状は円形でなくてもよい。さらに、複数の膜を積層して上記形状と同等の形状を形成しても、同等の効果が得られる。
【0046】
次に、本発明の第4の実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプについて、図5(a)、(b)を参照して説明する。図5(a)は、本実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプの従動膜24d(従動膜部)を示し、図5(b)は、この従動膜24dを被駆動ユニット2の従動膜として用いた圧電ダイヤフラムポンプPを示す。本実施形態において、被駆動ユニット2の従動膜24dは、面内方向(径方向)における単位応力当たりの伸び率が、面垂直方向における単位応力当たりの伸び率よりも大きくする特性を得るために、同心円状に複数の切り込み溝28が形成された構造とした点で上記第3の実施形態と異なる。なお、従動膜24dが、上に凸の形状で中央部が凸状に厚みの増えている点は、上記第3の実施形態と同様である。
【0047】
上記従動膜24dは、上記特性を得るために、前記と同様の材質部材を用い、同心円の直径の異なる深さ0.1mmの切り込み溝28が一様に形成されている。このような構成の従動膜24dは、切り込み溝28により径方向に不連続となっているため、実質的に径方向の力に対する強度が弱くなって変形し易くなり、単位応力当たりの伸び率が、厚さが一様の場合に比べ大きくなる。一方、厚み方向については連続であるため、切り込み溝28が無い場合と同等の変位を行う。
【0048】
図5(b)において、駆動ダイヤフラム12に交番電圧が印加され、駆動ダイヤフラム12が振動すると、この振動が従動膜24dの中央部に伝達されて、従動膜dの径方向と厚み方向の両方に加わる。この振動による従動膜24dの変位は、径方向では、切り込み溝28による厚みの不連続のため、単位応力当たりの伸び率が大きくなり、駆動ダイヤフラム12の変形への抵抗は少ない。一方、厚み方向については、不連続が無い場合と同等の変位を行うため、駆動ダイヤフラム12からの変位が伝わり易い。従って、駆動ダイヤフラム12のダイヤフラム板14からの変位を確実に従動膜24dに伝達することができ、被駆動ユニット2のポンプ室25の体積を大きく変動させることができる。
【0049】
このような切り込み溝28による厚みの不連続部分を設けた従動膜24dを用いたことにより、横方向に伸び易くなり、変位を確実に従動膜24dに伝達できるので、駆動ダイヤフラム12の動きを効率的に利用でき、圧電ダイヤフラムポンプPの効率を上げることができる。
【0050】
また、従動膜24dの形状として、上記切り込み溝28が被駆動ユニット2のポンプ室25側に設けられていても同等の効果が得られる。さらに、複数の膜を積層して同様の形状を形成し、円周方向への変形を大きくしても同等の効果が得られる。
【0051】
次に、本発明の第5の実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプについて、図6(a)、(b)を参照して説明する。図6(a)は、本実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプの従動膜24e(従動膜部)を示し、図6(b)は、この従動膜24eを用いた圧電ダイヤフラムポンプPを示す。本実施形態において、被駆動ユニット2の従動膜24eは、中央部29aの弾性係数を周辺部29bの弾性係数よりも大きくした点で上記第1の実施形態と異なる。なお、従動膜24eが、上に凸の形状で中央部が凸状に厚みの増えている点は、上記第1の実施形態と同様である。
【0052】
これらの図において、従動膜24eは、上記特性を持たすために、膜材料にニトリルブタジエンラバー(NBR)を用い、その中央部29aに加硫処理を施して形成されている。加硫処理では、NBRに硫黄結合を増やす再処理を施し、中央部29aのみ硬度を増加させて弾性係数を大きくしている。このような構成の従動膜24eは、中央部29aに比べて周辺部29bの弾性係数が小さく変形し易くなるので、径方向への変形量は、周辺部29bの外周辺に向かうほど大きくなる。従って、中央部29aの変形を小さく、外周部29bの変形を大きくできるので、駆動ダイヤフラム12の変形に対する従動膜24eからの抵抗は小さい。一方、上に凸形状の従動膜24eは、その中央部29aで駆動ダイヤフラム12による変形が最も大きくなり、上記加硫処理により、硬度が高く、弾性係数を大きくした中央部29aでは、膜自身の変形量が小さくなることにより、厚み方向において、駆動ダイヤフラム12の変形に対する伝達効率を大きくでき、被駆動ユニット2のポンプ室25の容積を大きく変動できる。
【0053】
図6(b)において、駆動ダイヤフラム12に交番電圧が印加され、駆動ダイヤフラム12が振動すると、この振動が従動膜24eの中央部29aに伝達され、従動膜eの径方向と厚み方向の両方に加わる。この伝達による振動は、上記従動膜24eの特性より、駆動ダイヤフラム12の変形量の大きい中央部29aにおいて、伝達され易いので、伝達効率の高い圧電ダイヤフラムポンプPを得ることができる。
【0054】
また、従動膜24eの形状として、中央部29aを別材料として2色成形により硬度を増したプラスチック膜を用いても同様の効果が得られる。さらに、複数の膜を積層して中央部29aの厚みのみを大きくしても同等の効果が得られる。
【0055】
次に、本発明の第6の実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプについて、図7(a)、(b)を参照して説明する。図7(a)は、本実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプの従動膜24f(従動膜部)を示し、図7(b)は、この従動膜24fを用いた圧電ダイヤフラムポンプPを示す。本実施形態において、被駆動ユニット2の従動膜24fは、周辺部43の径方向の単位応力当たりの伸び率が、中央部42の径方向の単位応力当たりの伸び率よりも大きくした点で上記第1の実施形態と異なる。なお、従動膜24fが、上に凸の形状で中央部が凸状に厚みの増えている点は、上記第1の実施形態と同様である。
【0056】
そして、従動膜24fは、上記特性を持たすため、前記実施形態1と同様の材質部材を用い、従動膜24fの周辺部43の表面上に凹部41が一様に形成されている。このような構成により、従動膜24fは、周辺部43の径方向には、厚さが一様でなく部分的に薄くなっているので、実質的に径方向の力に対する強度が弱くなる。従って、周辺部43の径方向の単位応力当たりの伸び率が、厚さが一様の場合に比べ大きくなるので、変形し易くなる。一方、中央部42の径方向の厚さは一様であるので、径方向では周辺部43に対して変形し難く、従って、従動膜24fの中央部は変形し難くなり、駆動ダイヤフラム12からの振動が伝達され易い。従って、従動膜24fに対し、中央部42での駆動ダイヤフラム12からの振動が伝達され易くなり、伝達効率が大きくなって、被駆動ユニット2のポンプ室25の体積を大きく変動することができる。
【0057】
図7(b)において、駆動ダイヤフラム12に交番電圧が印加され、駆動ダイヤフラム12が振動すると、この振動が従動膜24fの中央部42に伝達され、従動膜fの径方向と厚み方向の両方に加わる。この伝達による振動は、上記従動膜24fの特性より、駆動ダイヤフラム12の変形量の大きい中央部42において、振動が伝達され易くなるので、伝達効率の高い圧電ダイヤフラムポンプPを得ることができる。
【0058】
次に、本発明の第7の実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプについて、図8(a)、(b)を参照して説明する。図8(a)は、本実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプの従動膜24g(従動膜部)を示し、図8(b)は、この従動膜24gを用いた圧電ダイヤフラムポンプPを示す。本実施形態において、被駆動ユニット2の従動膜24gは、周辺部46の径方向の単位応力当たりの伸び率が、中央部45の径方向の単位応力当たりの伸び率よりも大きくするために、周辺部46に同心円状に複数の切り込み溝44を設けた点で上記第6の実施形態と異なる。なお、従動膜24gが、上に凸の形状で中央部が凸状に厚みの増えている点は、上記第6の実施形態と同様である。
【0059】
そして、従動膜24gは、上記特性を持たすため、上記と同様の材質部材を用い、従動膜24gの周辺部46の表面上に、直径の異なる同心円の深さ0.1mmの切り込み溝44を周辺部46にのみ一様に形成されて構成される。このような構成において、従動膜24gは、切り込み溝44により周辺部46の径方向に不連続となっているため、実質的に径方向の力に対する強度が弱くなって変形し易くなる。従って、周辺部46における径方向の単位応力当たりの伸び率が、切り込み溝44が無い場合に比べ大きくなる。一方、中央部45では、径方向の伸び率は変わらないので、周辺部46に比べて変形し難く、駆動ダイヤフラム12からの変形が伝達され易い。従って、駆動ダイヤフラム12の変形への抵抗が少なくなり、厚み方向において、変形の伝達効率が大きくなり、被駆動ユニット2のポンプ室25の体積を大きく変動することができる。
【0060】
図8(b)において、駆動ダイヤフラム12に交番電圧が印加され、駆動ダイヤフラム12が振動すると、この振動が従動膜24gの中央部45に伝達され、従動膜gの径方向と厚み方向の両方に加わる。この伝達された振動は、上記従動膜24gの特性より、駆動ダイヤフラム12の変形量の大きい中央部45において、より伝達され易くなるので、伝達効率の高い圧電ダイヤフラムポンプPを得ることができる。
【0061】
次に、本発明の第8の実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプについて、図9を参照して説明する。図9は、本実施形態における圧電ダイヤフラムポンプを示す。本実施形態において、被駆動ユニット2の従動膜24hは、その周辺部50にひだ状に形成されたベローズ部51が一体に形成された点で上記第1の実施形態と異なる。なお、従動膜24hが、上に凸の形状で中央部が凸状に厚みの増えている点は、上記第1の実施形態と同様である。
【0062】
従動膜24hのベローズ部51は、従動膜24hの周辺部50の全周に亘ってひだ状に形成されているので、柔らかくクッション的な働きをし、従動膜24hの周辺部50における圧力に対し柔軟に動く。
【0063】
駆動ダイヤフラム12に交番電圧が印加され、駆動ダイヤフラム12が振動すると、この振動が従動膜24hの中央部に伝達され、従動膜hの径方向と厚み方向の両方に加わる。従動膜24hに径方向の力が加わると、従動膜24hの周辺部50にベローズ部51があることにより、径方向の力に対する変形が容易になり、駆動ダイヤフラム12への密着した固定がより確実となる。
【0064】
このような、ベローズ部51を従動膜24hに備えたことにより、従動膜24hの径方向への変位が容易であるため、駆動ダイヤフラム12の変形への抵抗が小さくなる。これにより、厚み方向の変形の伝達効率が大きくなり、被駆動ユニット2のポンプ室25の体積を大きく変動することができる。
【0065】
また、従動膜24hの形状として、周辺部50に弾性率の異なる材料を貼り付けることでも同様の効果が得られる。従動膜24hとベローズ部51は別部品として構成してもよい。
【0066】
以上説明したように、各種実施形態の圧電ダイヤフラムポンプPによれば、被駆動ユニット2を交換した際において、従動膜24a〜24hの形状を凸とすることで、駆動ダイヤフラム12と従動膜24a〜24hの接触面において、この接触面の間に空気が入るなどの不具合を発生することなく、接触がスムーズに行われ、確実に密着された接触状態が得られる。従って、駆動ダイヤフラム12からの振動を従動膜24a〜24hに直接伝達できる。このことにより、被駆動ユニット2を交換しても、伝達効率の高い圧電ダイヤフラムポンプを得ることができる。
【0067】
また、駆動ダイヤフラム12と従動膜24a〜24hとが、その間に空気や液体の伝達媒質を介さず直接に接触しているので、駆動ダイヤフラム12の高速な振動に対しても従動膜が追従できるので、被駆動ユニット2を交換しても、高速性に優れた圧電ダイヤフラムポンプPを得ることができる。
【0068】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、従動膜の平面上に凹形の窪み又は同心円状に複数の切り込み溝を一様に設けることにより、従動膜が径方向に伸び易く、厚み方向を変形し難くでき、従動膜の変形が容易となり、駆動ダイヤフラムの変位を従動膜に効率良く伝達できる。
【0069】
また、従動膜の中央部の硬度を高くすること、又は従動膜の周辺部のみに凹形の窪み又は同心円状に複数の切り込み溝を設けることにより、従動膜の中央部の変形量を小さく、周辺部の変形量を大きくし、駆動ダイヤフラムからの伝達効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプの分解断面図。
【図2】上記圧電ダイヤフラムポンプの組立完成後の断面図。
【図3】(a)は本発明の第2の実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプにおける被駆動ユニットの断面図、(b)は同圧電ダイヤフラムポンプの断面図。
【図4】(a)は本発明の第3の実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプにおける従動膜の斜視図、(b)は同圧電ダイヤフラムポンプの断面図。
【図5】(a)は本発明の第4の実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプにおける従動膜の斜視図、(b)は同圧電ダイヤフラムポンプの断面図。
【図6】(a)は本発明の第5の実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプにおける従動膜の斜視図、(b)は同圧電ダイヤフラムポンプの断面図。
【図7】(a)は本発明の第6の実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプにおける従動膜の斜視図、(b)は同圧電ダイヤフラムポンプの断面図。
【図8】(a)は本発明の第7の実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプにおける従動膜の斜視図、(b)は同圧電ダイヤフラムポンプの断面図。
【図9】本発明の第8の実施形態に係る圧電ダイヤフラムポンプの断面図。
【図10】従来の圧電ダイヤフラムポンプの断面図。
【符号の説明】
【0071】
1 駆動ユニット
2 被駆動ユニット
3 固定ユニット
11 支持筐体
12 駆動ダイヤフラム
13 圧電素子
14 ダイヤフラム板
21 筐体(固定部)
22a 吸入パイプ(管路)
22b 吐出パイプ(管路)
23a 吸入弁(弁)
23b 吐出弁(弁)
24a、24b、24c、24d、24e、24f、24g、24h 従動膜(従動膜部)
25 ポンプ室(内部空間)
27 凹部
28 切り込み溝
29a 中央部
29b 周辺部
41 凹部
42 中央部
43 周辺部
44 切り込み溝
45 中央部
46 周辺部
50 周辺部
51 ベローズ部
P 圧電ダイヤフラムポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電素子を用いた圧電ダイヤフラムポンプにおいて、
前記圧電素子と、この圧電素子の変形に応じて弾性変形されるダイヤフラム板とを有する駆動ダイヤフラムと、この駆動ダイヤフラムを支持する支持筐体とにより構成される駆動ユニットと、
前記駆動ユニットにより駆動される被駆動ユニットと、
前記被駆動ユニットを前記駆動ユニットに取り外し自在に固定する固定ユニットとを備え、
前記被駆動ユニットは、前記駆動ダイヤフラムからの振動が伝達される従動膜部と、この従動膜部を固定する固定部と、この固定部と前記従動膜部とにより形成される内部空間
に対して、流体を吸入及び吐出するために開閉動作をする弁と、この弁と連通し流体の吸入及び吐出を導く管路とを備え、
前記従動膜部が前記駆動ダイヤフラム側に凸の形状であることを特徴とする圧電ダイヤフラムポンプ。
【請求項2】
前記従動膜部は、面内方向における応力当たりの伸び率が、面垂直方向における応力当たりの伸び率よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の圧電ダイヤフラムポンプ。
【請求項3】
前記従動膜部には、同心円状に複数の切り込み溝が形成されていることを特徴とする請求項2記載の圧電ダイヤフラムポンプ。
【請求項4】
前記従動膜部は、中央部の弾性係数が周辺部の弾性係数よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の圧電ダイヤフラムポンプ。
【請求項5】
前記従動膜部は、周辺部にベローズ部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の圧電ダイヤフラムポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−207436(P2006−207436A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−18967(P2005−18967)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】