圧電振動子
【課題】 金属バンプを溶着する際の電極の損傷を防ぎ、良好な導通状態を確保し、信頼性の高い圧電振動子を提供する。
【解決手段】 水晶振動子は、基台を構成するセラミックパッケージ1と、セラミックパッケージ上に形成された接続電極12,13に搭載され、電気的接合される水晶振動板2と、前記接続電極12,13と水晶振動板2間に介在する各金属バンプ12a,13aと、水晶振動板2を気密封止する蓋4とからなる。水晶振動板に形成された延出部31b、32bの裏面(上面)は、電極が形成されない水晶振動板素地部分となっている。水晶振動板素地部分に超音波溶着ツールを押しつけ、金属バンプを溶融させる。
【解決手段】 水晶振動子は、基台を構成するセラミックパッケージ1と、セラミックパッケージ上に形成された接続電極12,13に搭載され、電気的接合される水晶振動板2と、前記接続電極12,13と水晶振動板2間に介在する各金属バンプ12a,13aと、水晶振動板2を気密封止する蓋4とからなる。水晶振動板に形成された延出部31b、32bの裏面(上面)は、電極が形成されない水晶振動板素地部分となっている。水晶振動板素地部分に超音波溶着ツールを押しつけ、金属バンプを溶融させる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子機器に用いられる水晶振動子等の圧電振動子に関するものであり、さらに詳しくは圧電振動板を支持する金属バンプを溶融させる際に発生する弊害をなくそうとするものである。
【0002】
【従来の技術】圧電振動子は電子素子である圧電振動板が振動体であるために、如何に支持するかはその電気的特性を決定づける重要な要素となる。特にQ値の高い水晶振動子においては支持構成が重要となる。
【0003】従来、例えば水晶振動子は、水晶振動板を導電性樹脂接合材により、セラミックパッケージ等に支持固定していた。しかしながら接合材の粘度、塗布量の管理が面倒でまた周囲雰囲気の影響を受けやすいので、水晶振動子の電気的特性のバラツキ、変動の要因となっていた。
【0004】このような不具合を解決する目的で、例えば、特開平8−8684号公報には半田バンプや金バンプを電極パッドに形成し、超音波溶着により圧電振動板を電気的機械的接合する方法が考えられている。このような接合構造は導電性接合材を用いないので、接合材の供給過多、供給過少、液だれ等の従来生じていた不具合が発生しないという利点を有していた。
【0005】ここで用いる超音波溶着について、図11R>1,図12とともに詳述する。図11は水晶振動板の平面図であり、図12は図11において短辺方向から見た側面図であり、超音波溶着ツールTにより超音波を印加している状態を示している。水晶振動板8には表裏面に励振電極(主電極)81、82(裏面の82については図示せず)が形成されており、各励振電極から引出電極81a,82aが長辺方向一端部に引き出され、かつそれぞれ反対面にも回し込み形成されている。図10に示すようにセラミックパッケージ等の基台9には接続電極91,92が形成され、この接続電極上部の一部には金属バンプ91a,92aが形成されている。これら金属バンプ上に前記引出電極81a,82aを当接させ、水晶振動板8の上面から超音波溶着ツールTにより超音波を印加する。
【0006】金属バンプは超音波により溶融し、引出電極と接続電極とを電気的機械的に接合する。しかし、超音波を印加する水晶振動板の上面、すなわち接続面の反対面(裏面)には引出電極の一部が形成されており、超音波の印加によりこの電極が損傷を受け、導通不良や断線事故の生じることがあった。特に近年においては水晶振動子の超小型化に伴って、水晶振動板上に形成される電極も細線化、薄膜化が進んでおり、上述の危険性が増していた。このような問題は上述の特開平8−8684号公報記載の圧電振動子についても、接続面の裏面に電極が形成されているために、同様の問題が発生すると考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、金属バンプを溶着する際の電極の損傷を防ぎ、良好な導通状態を確保し、信頼性の高い圧電振動子を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧電振動板において、超音波を印加する超音波溶着ツールと通常の引出電極を直接接触させないことにより、良好な導通状態を確保しようとするものである。
【0009】すなわち、請求項1に示すように、複数の接続電極が形成された基台と、複数の主電極と当該主電極を外部に引き出す引出電極が形成され、当該引出電極を前記接続電極との接続面に延出した圧電振動板と、前記基台の接続電極と圧電振動板の引出電極との接合のうち、少なくとも1つまたは全部の接合を、前記接続電極と前記引出電極のいずれか一方または両方に形成された金属バンプの溶着により行う圧電振動子であって、前記圧電振動板の、前記金属バンプと接続される引出電極の形成された面の反対面には引出電極が形成されないことを特徴としている。
【0010】金属バンプは、ワイヤボンディング技術を用いた金、銀、銅等のスタッドバンプ(ワイヤバンプ)であってもよいし、また半田によるバンプであってもよい。また、金属バンプの溶着は、熱圧着、超音波溶着等の手法を用いればよい。
【0011】上記構成により、金属バンプの溶融によって引出電極と接続電極を金属間接合することができ、接合の信頼性が高まる。また、金属バンプと接続される引出電極の反対面(裏面)には引出電極が形成されない構成であるので、熱圧着ツール、超音波溶着ツール等が引出電極に接触することがなく、電極の導通を良好な状態に保つことができる。
【0012】また、請求項2に示すように、複数の接続電極が形成された基台と、複数の主電極と当該主電極を外部に引き出す引出電極が形成され、当該引出電極を前記接続電極との接続面に延出する圧電振動板と、前記基台の接続電極と圧電振動板の引出電極との接合のうち、少なくとも1つまたは全部の接合を、前記接続電極と前記引出電極のいずれか一方または両方に形成された金属バンプの溶着により行う圧電振動子であって、前記圧電振動板の、前記金属バンプと接続される引出電極の形成された面の反対面には保護膜が形成されていることを特徴とする構成としてもよい。
【0013】保護膜は、引出電極が形成されている場合は、その上部に形成すればよい。形成されていない場合は水晶振動板に直接形成すればよい。また保護膜の材料は、引出電極上にニッケル、クロム等からなる厚膜金属膜を形成してもよいし、シリコン等の絶縁材料を用いてもよい。
【0014】請求項2によれば、金属バンプの溶融により引出電極と接続電極を金属間接合することができ、接合の信頼性が高まる。また、引出電極上や水晶振動板素地に直接保護膜を形成するので、当該部分に超音波溶着ツール等により超音波を印加しても、水晶振動子の励振に影響のある引出電極や水晶振動板素地を傷めることはない。
【0015】請求項3に示すように、複数の接続電極が形成され、当該接続電極の少なくとも1つに複数の金属バンプが形成されてなる基台と、表裏面に一対の主電極が形成されるとともに、当該主電極から延出した引出電極が前記接続電極との接続面に延出してなる圧電振動板と、からなり、前記圧電振動板を前記基台に搭載し、前記金属バンプと前記引出電極とを超音波溶着により接続してなる圧電振動子であって、前記圧電振動板の前記金属バンプと接続される引出電極形成面の反対面には引出電極が形成されないことを特徴とする構成としてもよい。
【0016】請求項3によれば、表裏面に一対の主電極が形成された圧電振動板において、金属バンプの溶融により引出電極と接続電極を金属間接合することができ、接合の信頼性が高まる。また、金属バンプと接続される引出電極の反対面(裏面)には引出電極が形成されない構成であるので、超音波溶着ツールが引出電極に接触することがなく、電極の導通を良好な状態に保つことができる。
【0017】請求項4に示すように、複数の接続電極が形成され、当該接続電極の少なくとも1つに複数の金属バンプが形成されてなる基台と、表裏面に一対の主電極が形成されるとともに、当該主電極から延出した引出電極が前記接続電極との接続面に延出してなる圧電振動板と、からなり、前記圧電振動板を前記基台に搭載し、前記金属バンプと前記引出電極とを超音波溶着により接続してなる圧電振動子であって、前記圧電振動板の、前記金属バンプと接続される引出電極形成面の反対面には保護膜が形成されていることを特徴とする構成としてもよい。
【0018】請求項4によれば、表裏面に一対の主電極が形成された圧電振動板において、引出電極上や水晶振動板素地に直接保護膜を形成するので、当該部分に超音波溶着ツール等により超音波を印加しても、水晶振動子の励振に影響のある引出電極や水晶振動板素地を傷めることはない。
【0019】また、請求項5に示すように、請求項2または請求項4記載の圧電振動子において、保護膜が厚膜金属からなることを特徴とする構成としてもよい。
【0020】請求項5によれば、厚膜金属の形成は、主電極(励振電極)並びに引出電極形成の延長上の手法(真空蒸着法等)で形成することができ、例えば上述の電極形成後、蒸着窓の開口を前記厚膜形成部分にのみ限定した蒸着マスクに変更することによって、比較的容易に形成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を表面実装型の水晶振動子を例にとり図1,図2、図3、図4とともに説明する。図1は表面実装型水晶振動子の分解斜視図であり、図2は図1の内部断面図であり、図3に記載した水晶振動板のA−A断面に対応させた図である。また図3は水晶振動板の平面図であり、図4は図3において短辺方向から見た側面図であり、一部基台の構成も図示している。
【0022】表面実装型水晶振動子は、基台を構成するセラミックパッケージ1と、セラミックパッケージ上に形成された接続電極12,13に搭載され、電気的接合される水晶振動板2と、前記接続電極12,13と水晶振動板2間に介在する各金属バンプ12a,13aと、水晶振動板2を気密封止する蓋4とからなる。
【0023】セラミックパッケージ1は、内部断面が凹形のセラミック基体10と、凹形周囲の開口部に形成される周状の金属層11とからなる。金属層11は、図示していないがタングステン等からなるメタライズ層と、メタライズ層の上部に形成されるニッケル等からなる下部メッキ層と、下部メッキ層の上部に形成される金等からなる上部メッキ層とからなる。各層の厚さは、この実施例では、メタライズ層11が18〜20μm、下部メッキ12が6μm、上部メッキ層13が1μmである。
【0024】セラミックパッケージ1の内部底面には接続電極12、13が形成されており、これら接続電極12,13はセラミックパッケージ内部に配線された連結電極(図示せず)を介して、パッケージ外部に外部導出電極14,15として電気的に外部に引き出されている。また、接続電極12,13上面にはそれぞれ複数個の金属バンプ12a,13aが形成されている。これら金属バンプは、金ワイヤを用いたワイヤバンプである。ワイヤバンプはスタッドバンプとも称され、ワイヤボンディング技術を用いて、例えば金ワイヤ先端を加熱しボール状にし、接続電極に接続後、ワイヤの切断をバンプ直近部分で行うことにより得られる。
【0025】前記接続電極12,13には圧電振動板である矩形の水晶振動板3が片持ち搭載されている。水晶振動板3は矩形ATカット水晶板からなり、厚みすべり振動を励振するよう表裏面各々に励振電極31、32が形成されており、これら各励振電極を引出電極31a,32aにより各々前記接続電極12,13に対応する位置に引き出されている。
【0026】より具体的には、引出電極31aは、励振電極31の形成された水晶振動板上面から長辺方向の一端部で、かつ短辺方向端部をとおって励振電極32の形成された裏面に引き出されている。そして当該引出電極31aは、前記短辺方向の中央部近傍にまで延出し、延出部31bを形成している。引出電極32aは前記裏面の長辺方向の一端部でかつ短辺方向他端部に引き出され、短辺方向の中央部近傍にまで延出形成し、延出部32bを形成している。従ってこれら各延出部31b、32bの裏面(上面)は電極が形成されない水晶振動板素地部分となっている。
【0027】前記金属バンプ31,32と水晶振動板の引出電極とを超音波溶着するにあたって、前記延出部31b、32bと金属バンプ12a,13aとを接触させ、この状態で延出部31b、32bの裏面の水晶振動板素地部分に超音波溶着ツールを押しつけ、静圧力を印加する。そして超音波溶着ツールTを所定の周波数で振動させることにより、金属バンプを溶融させ、引出電極31a、32aと接続電極12,13とを接続する。
【0028】なお、水晶振動板を接続電極上に位置決め搭載するにあたり、画像認識技術を用いて自動搭載を行ってもよい。この場合、バンプの数、形成位置あるいは接続電極等をマーカーとして制御することが可能である。
【0029】気密封止するフタ2はコバール等の金属母材20の下面に前記周状の金属層11に対応した周状の接合部21を形成している。接合部21はこの実施例では銀ろうにより形成されており、ろう接により気密封止を行う。気密封止は、ガラス封止やレーザー溶接、シーム溶接等を用いてもよい。
【0030】本発明による第2の実施の形態を図5,図6R>6とともに説明する。図5は水晶振動板の平面図である。図6は図5において短辺方向から見た側面図であり、一部基台の構成も図示しているが、セラミックパッケージ、フタ等の記載は割愛している。これ以降の実施の形態についても同様とする。
【0031】矩形状の水晶振動板4の表裏面には励振電極41、42(裏面の42については図示せず)が形成されており、各々の励振電極が引出電極41a,42aにより水晶振動板の長辺方向の一端部でかつ短辺方向中央部分に引き出されている。また各引出電極41a,42aは各々水晶振動板の反対面に引き出されているとともに、セラミックパッケージ(基台)5の接続電極と接する側においては、各々短辺方向両端に拡がる延出部41b、42bが形成されている。
【0032】各接続電極51,52上には各々複数の金属バンプ51a,52aが形成されており、前記延出部41b、42bと接合される。図6から明らかなとおり、水晶振動板において金属バンプ51a,52aとの接合部の反対面(裏面)には引出電極が形成されておらず、当該部分に超音波溶着ツールTを当接させる。この実施例で用いる超音波溶着ツールTは図6に示すように、断面が逆凹形となっており、一部領域が水晶振動板4と接触する構成となっている。超音波の印加により金属バンプ51a,52aを溶融させ、引出電極の延出部41b、42bと接続電極51,52を電気的機械的接合する。
【0033】本発明による第3の実施の形態を図7,図8R>8とともに説明する。図7は水晶振動板の平面図であり、図8は図7において短辺方向から見た側面図であり、一部基台の構成も図示している。この実施の形態では保護膜を形成した例を示している。基本的な電極構成は第2の実施の形態で示した構成とほぼ同じであり、一部同番号を用いて説明する。
【0034】矩形状の水晶振動板4の表裏面には励振電極41、42(裏面の42については図示せず)が形成されており、各々の励振電極が引出電極41a,42aにより水晶振動板の長辺方向の一端部でかつ短辺方向中央部分に引き出されている。また、各引出電極41a,42aは各々水晶振動板の反対面に引き出されているとともに、セラミックパッケージ(基台)5の接続電極と接する側においては、各々短辺方向両端に拡がる延出部41b、42bが形成されている。
【0035】各接続電極51,52上には各々複数の金属バンプ51a,52aが形成されており、前記延出部41b、42bと接合される。図8から明らかなとおり、水晶振動板において金属バンプ51a,52aとの接合部の反対面(裏面)には前記引出電極よりも厚膜化された厚膜電極43,44が形成されている。本実施例において厚膜電極43,44は通常の引出電極材料(例えば金)の上部にクロム等の金属が真空蒸着等の手段により形成される。当該厚膜電極43,44は通常の引出電極や水晶振動板素地を傷めない保護膜として機能する。当該厚膜電極43,44に超音波溶着ツールTを当接させ、超音波を印加し接合を行う。
【0036】本発明による第4の実施の形態を図9,図1010とともに説明する。図9は水晶振動板の平面図であり、図10は図9において長辺方向から見た側面図であり、一部基台の構成も図示している。この実施の形態では一部のみ金属バンプを用いた接続を行っており、他はワイヤボンディングによる接続を行っている。
【0037】矩形状の水晶振動板6の表裏面には励振電極61,62が形成されており、一方の励振電極61が引出電極61aにより水晶振動板の長辺方向一端部に、また他方の励振電極62が励振電極62aにより同他端部に各々引き出されている。各引出電極とも反対面に引き出されている。
【0038】接続電極71上には複数の金属バンプ71aが形成されており、前記反対面(裏面)に引き出された引出電極61aと超音波溶着により接合される。水晶振動板の他端部においては引出電極62aと接続電極72がワイヤボンディングにより形成されたワイヤWにより電気的に接合されている。
【0039】上記各実施例では厚みすべり振動を用いた圧電振動板を例示したが、例えば、屈曲振動を用いる音叉型振動子を片持ち支持する場合等、他の振動モードの圧電振動板に適用してもよい。
【0040】
【発明の効果】請求項1記載の圧電振動子によれば、金属バンプの溶融により引出電極と接続電極を金属間接合することができ、接合の信頼性が高まる。また、金属バンプと接続される引出電極の反対面(裏面)には引出電極が形成されない構成であるので、熱圧着ツール、超音波溶着ツール等が引出電極に接触することがない。従って、金属バンプを溶着する際の電極の損傷を防ぎ、良好な導通状態を確保し、信頼性の高い圧電振動子を得ることができる。
【0041】請求項2によれば、金属バンプの溶融により引出電極と接続電極を金属間接合することができ、接合の信頼性が高まる。また、引出電極上や水晶振動板素地に直接保護膜を形成するので、当該部分に超音波溶着ツール等により超音波を印加しても、水晶振動子の励振に影響のある引出電極や水晶振動板素地を傷めることはない。従って、良好な導通状態を確保し、信頼性の高い圧電振動子を得ることができる。
【0042】請求項3によれば、表裏面に一対の主電極が形成された圧電振動板において、金属バンプの溶融により引出電極と接続電極を金属間接合することができ、接合の信頼性が高まる。また、金属バンプと接続される引出電極の反対面(裏面)には引出電極が形成されない構成であるので、超音波溶着ツールが引出電極に接触することがない。従って、金属バンプを溶着する際の電極の損傷を防ぎ、良好な導通状態を確保し、信頼性の高い圧電振動子を得ることができる。
【0043】請求項4によれば、表裏面に一対の主電極が形成された圧電振動板において、引出電極上や水晶振動板素地に直接保護膜を形成するので、当該部分に超音波溶着ツール等により超音波を印加しても、水晶振動子の励振に影響のある引出電極や水晶振動板素地を傷めることはない。従って、良好な導通状態を確保し、信頼性の高い圧電振動子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による分解斜視図。
【図2】第1の実施の形態による内部断面図。
【図3】第1の実施の形態による水晶振動板の平面図。
【図4】第1の実施の形態による水晶振動板の短辺方向側面図。
【図5】第2の実施の形態による水晶振動板の平面図。
【図6】第2の実施の形態による水晶振動板の短辺方向側面図。
【図7】第3の実施の形態による水晶振動板の平面図。
【図8】第3の実施の形態による水晶振動板の短辺方向側面図。
【図9】第4の実施の形態による水晶振動板の平面図。
【図10】第4の実施の形態による水晶振動板の長辺方向側面図。
【図11】従来例を示す図
【図12】従来例を示す図
【符号の説明】
1、5、7、9 セラミックパッケージ
2 フタ
3、4、6、8 水晶振動板(圧電振動板)
12a,13a,51a,52a,71a,72a,91a,92a 金属バンプ
63,64 厚膜電極
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子機器に用いられる水晶振動子等の圧電振動子に関するものであり、さらに詳しくは圧電振動板を支持する金属バンプを溶融させる際に発生する弊害をなくそうとするものである。
【0002】
【従来の技術】圧電振動子は電子素子である圧電振動板が振動体であるために、如何に支持するかはその電気的特性を決定づける重要な要素となる。特にQ値の高い水晶振動子においては支持構成が重要となる。
【0003】従来、例えば水晶振動子は、水晶振動板を導電性樹脂接合材により、セラミックパッケージ等に支持固定していた。しかしながら接合材の粘度、塗布量の管理が面倒でまた周囲雰囲気の影響を受けやすいので、水晶振動子の電気的特性のバラツキ、変動の要因となっていた。
【0004】このような不具合を解決する目的で、例えば、特開平8−8684号公報には半田バンプや金バンプを電極パッドに形成し、超音波溶着により圧電振動板を電気的機械的接合する方法が考えられている。このような接合構造は導電性接合材を用いないので、接合材の供給過多、供給過少、液だれ等の従来生じていた不具合が発生しないという利点を有していた。
【0005】ここで用いる超音波溶着について、図11R>1,図12とともに詳述する。図11は水晶振動板の平面図であり、図12は図11において短辺方向から見た側面図であり、超音波溶着ツールTにより超音波を印加している状態を示している。水晶振動板8には表裏面に励振電極(主電極)81、82(裏面の82については図示せず)が形成されており、各励振電極から引出電極81a,82aが長辺方向一端部に引き出され、かつそれぞれ反対面にも回し込み形成されている。図10に示すようにセラミックパッケージ等の基台9には接続電極91,92が形成され、この接続電極上部の一部には金属バンプ91a,92aが形成されている。これら金属バンプ上に前記引出電極81a,82aを当接させ、水晶振動板8の上面から超音波溶着ツールTにより超音波を印加する。
【0006】金属バンプは超音波により溶融し、引出電極と接続電極とを電気的機械的に接合する。しかし、超音波を印加する水晶振動板の上面、すなわち接続面の反対面(裏面)には引出電極の一部が形成されており、超音波の印加によりこの電極が損傷を受け、導通不良や断線事故の生じることがあった。特に近年においては水晶振動子の超小型化に伴って、水晶振動板上に形成される電極も細線化、薄膜化が進んでおり、上述の危険性が増していた。このような問題は上述の特開平8−8684号公報記載の圧電振動子についても、接続面の裏面に電極が形成されているために、同様の問題が発生すると考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、金属バンプを溶着する際の電極の損傷を防ぎ、良好な導通状態を確保し、信頼性の高い圧電振動子を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧電振動板において、超音波を印加する超音波溶着ツールと通常の引出電極を直接接触させないことにより、良好な導通状態を確保しようとするものである。
【0009】すなわち、請求項1に示すように、複数の接続電極が形成された基台と、複数の主電極と当該主電極を外部に引き出す引出電極が形成され、当該引出電極を前記接続電極との接続面に延出した圧電振動板と、前記基台の接続電極と圧電振動板の引出電極との接合のうち、少なくとも1つまたは全部の接合を、前記接続電極と前記引出電極のいずれか一方または両方に形成された金属バンプの溶着により行う圧電振動子であって、前記圧電振動板の、前記金属バンプと接続される引出電極の形成された面の反対面には引出電極が形成されないことを特徴としている。
【0010】金属バンプは、ワイヤボンディング技術を用いた金、銀、銅等のスタッドバンプ(ワイヤバンプ)であってもよいし、また半田によるバンプであってもよい。また、金属バンプの溶着は、熱圧着、超音波溶着等の手法を用いればよい。
【0011】上記構成により、金属バンプの溶融によって引出電極と接続電極を金属間接合することができ、接合の信頼性が高まる。また、金属バンプと接続される引出電極の反対面(裏面)には引出電極が形成されない構成であるので、熱圧着ツール、超音波溶着ツール等が引出電極に接触することがなく、電極の導通を良好な状態に保つことができる。
【0012】また、請求項2に示すように、複数の接続電極が形成された基台と、複数の主電極と当該主電極を外部に引き出す引出電極が形成され、当該引出電極を前記接続電極との接続面に延出する圧電振動板と、前記基台の接続電極と圧電振動板の引出電極との接合のうち、少なくとも1つまたは全部の接合を、前記接続電極と前記引出電極のいずれか一方または両方に形成された金属バンプの溶着により行う圧電振動子であって、前記圧電振動板の、前記金属バンプと接続される引出電極の形成された面の反対面には保護膜が形成されていることを特徴とする構成としてもよい。
【0013】保護膜は、引出電極が形成されている場合は、その上部に形成すればよい。形成されていない場合は水晶振動板に直接形成すればよい。また保護膜の材料は、引出電極上にニッケル、クロム等からなる厚膜金属膜を形成してもよいし、シリコン等の絶縁材料を用いてもよい。
【0014】請求項2によれば、金属バンプの溶融により引出電極と接続電極を金属間接合することができ、接合の信頼性が高まる。また、引出電極上や水晶振動板素地に直接保護膜を形成するので、当該部分に超音波溶着ツール等により超音波を印加しても、水晶振動子の励振に影響のある引出電極や水晶振動板素地を傷めることはない。
【0015】請求項3に示すように、複数の接続電極が形成され、当該接続電極の少なくとも1つに複数の金属バンプが形成されてなる基台と、表裏面に一対の主電極が形成されるとともに、当該主電極から延出した引出電極が前記接続電極との接続面に延出してなる圧電振動板と、からなり、前記圧電振動板を前記基台に搭載し、前記金属バンプと前記引出電極とを超音波溶着により接続してなる圧電振動子であって、前記圧電振動板の前記金属バンプと接続される引出電極形成面の反対面には引出電極が形成されないことを特徴とする構成としてもよい。
【0016】請求項3によれば、表裏面に一対の主電極が形成された圧電振動板において、金属バンプの溶融により引出電極と接続電極を金属間接合することができ、接合の信頼性が高まる。また、金属バンプと接続される引出電極の反対面(裏面)には引出電極が形成されない構成であるので、超音波溶着ツールが引出電極に接触することがなく、電極の導通を良好な状態に保つことができる。
【0017】請求項4に示すように、複数の接続電極が形成され、当該接続電極の少なくとも1つに複数の金属バンプが形成されてなる基台と、表裏面に一対の主電極が形成されるとともに、当該主電極から延出した引出電極が前記接続電極との接続面に延出してなる圧電振動板と、からなり、前記圧電振動板を前記基台に搭載し、前記金属バンプと前記引出電極とを超音波溶着により接続してなる圧電振動子であって、前記圧電振動板の、前記金属バンプと接続される引出電極形成面の反対面には保護膜が形成されていることを特徴とする構成としてもよい。
【0018】請求項4によれば、表裏面に一対の主電極が形成された圧電振動板において、引出電極上や水晶振動板素地に直接保護膜を形成するので、当該部分に超音波溶着ツール等により超音波を印加しても、水晶振動子の励振に影響のある引出電極や水晶振動板素地を傷めることはない。
【0019】また、請求項5に示すように、請求項2または請求項4記載の圧電振動子において、保護膜が厚膜金属からなることを特徴とする構成としてもよい。
【0020】請求項5によれば、厚膜金属の形成は、主電極(励振電極)並びに引出電極形成の延長上の手法(真空蒸着法等)で形成することができ、例えば上述の電極形成後、蒸着窓の開口を前記厚膜形成部分にのみ限定した蒸着マスクに変更することによって、比較的容易に形成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を表面実装型の水晶振動子を例にとり図1,図2、図3、図4とともに説明する。図1は表面実装型水晶振動子の分解斜視図であり、図2は図1の内部断面図であり、図3に記載した水晶振動板のA−A断面に対応させた図である。また図3は水晶振動板の平面図であり、図4は図3において短辺方向から見た側面図であり、一部基台の構成も図示している。
【0022】表面実装型水晶振動子は、基台を構成するセラミックパッケージ1と、セラミックパッケージ上に形成された接続電極12,13に搭載され、電気的接合される水晶振動板2と、前記接続電極12,13と水晶振動板2間に介在する各金属バンプ12a,13aと、水晶振動板2を気密封止する蓋4とからなる。
【0023】セラミックパッケージ1は、内部断面が凹形のセラミック基体10と、凹形周囲の開口部に形成される周状の金属層11とからなる。金属層11は、図示していないがタングステン等からなるメタライズ層と、メタライズ層の上部に形成されるニッケル等からなる下部メッキ層と、下部メッキ層の上部に形成される金等からなる上部メッキ層とからなる。各層の厚さは、この実施例では、メタライズ層11が18〜20μm、下部メッキ12が6μm、上部メッキ層13が1μmである。
【0024】セラミックパッケージ1の内部底面には接続電極12、13が形成されており、これら接続電極12,13はセラミックパッケージ内部に配線された連結電極(図示せず)を介して、パッケージ外部に外部導出電極14,15として電気的に外部に引き出されている。また、接続電極12,13上面にはそれぞれ複数個の金属バンプ12a,13aが形成されている。これら金属バンプは、金ワイヤを用いたワイヤバンプである。ワイヤバンプはスタッドバンプとも称され、ワイヤボンディング技術を用いて、例えば金ワイヤ先端を加熱しボール状にし、接続電極に接続後、ワイヤの切断をバンプ直近部分で行うことにより得られる。
【0025】前記接続電極12,13には圧電振動板である矩形の水晶振動板3が片持ち搭載されている。水晶振動板3は矩形ATカット水晶板からなり、厚みすべり振動を励振するよう表裏面各々に励振電極31、32が形成されており、これら各励振電極を引出電極31a,32aにより各々前記接続電極12,13に対応する位置に引き出されている。
【0026】より具体的には、引出電極31aは、励振電極31の形成された水晶振動板上面から長辺方向の一端部で、かつ短辺方向端部をとおって励振電極32の形成された裏面に引き出されている。そして当該引出電極31aは、前記短辺方向の中央部近傍にまで延出し、延出部31bを形成している。引出電極32aは前記裏面の長辺方向の一端部でかつ短辺方向他端部に引き出され、短辺方向の中央部近傍にまで延出形成し、延出部32bを形成している。従ってこれら各延出部31b、32bの裏面(上面)は電極が形成されない水晶振動板素地部分となっている。
【0027】前記金属バンプ31,32と水晶振動板の引出電極とを超音波溶着するにあたって、前記延出部31b、32bと金属バンプ12a,13aとを接触させ、この状態で延出部31b、32bの裏面の水晶振動板素地部分に超音波溶着ツールを押しつけ、静圧力を印加する。そして超音波溶着ツールTを所定の周波数で振動させることにより、金属バンプを溶融させ、引出電極31a、32aと接続電極12,13とを接続する。
【0028】なお、水晶振動板を接続電極上に位置決め搭載するにあたり、画像認識技術を用いて自動搭載を行ってもよい。この場合、バンプの数、形成位置あるいは接続電極等をマーカーとして制御することが可能である。
【0029】気密封止するフタ2はコバール等の金属母材20の下面に前記周状の金属層11に対応した周状の接合部21を形成している。接合部21はこの実施例では銀ろうにより形成されており、ろう接により気密封止を行う。気密封止は、ガラス封止やレーザー溶接、シーム溶接等を用いてもよい。
【0030】本発明による第2の実施の形態を図5,図6R>6とともに説明する。図5は水晶振動板の平面図である。図6は図5において短辺方向から見た側面図であり、一部基台の構成も図示しているが、セラミックパッケージ、フタ等の記載は割愛している。これ以降の実施の形態についても同様とする。
【0031】矩形状の水晶振動板4の表裏面には励振電極41、42(裏面の42については図示せず)が形成されており、各々の励振電極が引出電極41a,42aにより水晶振動板の長辺方向の一端部でかつ短辺方向中央部分に引き出されている。また各引出電極41a,42aは各々水晶振動板の反対面に引き出されているとともに、セラミックパッケージ(基台)5の接続電極と接する側においては、各々短辺方向両端に拡がる延出部41b、42bが形成されている。
【0032】各接続電極51,52上には各々複数の金属バンプ51a,52aが形成されており、前記延出部41b、42bと接合される。図6から明らかなとおり、水晶振動板において金属バンプ51a,52aとの接合部の反対面(裏面)には引出電極が形成されておらず、当該部分に超音波溶着ツールTを当接させる。この実施例で用いる超音波溶着ツールTは図6に示すように、断面が逆凹形となっており、一部領域が水晶振動板4と接触する構成となっている。超音波の印加により金属バンプ51a,52aを溶融させ、引出電極の延出部41b、42bと接続電極51,52を電気的機械的接合する。
【0033】本発明による第3の実施の形態を図7,図8R>8とともに説明する。図7は水晶振動板の平面図であり、図8は図7において短辺方向から見た側面図であり、一部基台の構成も図示している。この実施の形態では保護膜を形成した例を示している。基本的な電極構成は第2の実施の形態で示した構成とほぼ同じであり、一部同番号を用いて説明する。
【0034】矩形状の水晶振動板4の表裏面には励振電極41、42(裏面の42については図示せず)が形成されており、各々の励振電極が引出電極41a,42aにより水晶振動板の長辺方向の一端部でかつ短辺方向中央部分に引き出されている。また、各引出電極41a,42aは各々水晶振動板の反対面に引き出されているとともに、セラミックパッケージ(基台)5の接続電極と接する側においては、各々短辺方向両端に拡がる延出部41b、42bが形成されている。
【0035】各接続電極51,52上には各々複数の金属バンプ51a,52aが形成されており、前記延出部41b、42bと接合される。図8から明らかなとおり、水晶振動板において金属バンプ51a,52aとの接合部の反対面(裏面)には前記引出電極よりも厚膜化された厚膜電極43,44が形成されている。本実施例において厚膜電極43,44は通常の引出電極材料(例えば金)の上部にクロム等の金属が真空蒸着等の手段により形成される。当該厚膜電極43,44は通常の引出電極や水晶振動板素地を傷めない保護膜として機能する。当該厚膜電極43,44に超音波溶着ツールTを当接させ、超音波を印加し接合を行う。
【0036】本発明による第4の実施の形態を図9,図1010とともに説明する。図9は水晶振動板の平面図であり、図10は図9において長辺方向から見た側面図であり、一部基台の構成も図示している。この実施の形態では一部のみ金属バンプを用いた接続を行っており、他はワイヤボンディングによる接続を行っている。
【0037】矩形状の水晶振動板6の表裏面には励振電極61,62が形成されており、一方の励振電極61が引出電極61aにより水晶振動板の長辺方向一端部に、また他方の励振電極62が励振電極62aにより同他端部に各々引き出されている。各引出電極とも反対面に引き出されている。
【0038】接続電極71上には複数の金属バンプ71aが形成されており、前記反対面(裏面)に引き出された引出電極61aと超音波溶着により接合される。水晶振動板の他端部においては引出電極62aと接続電極72がワイヤボンディングにより形成されたワイヤWにより電気的に接合されている。
【0039】上記各実施例では厚みすべり振動を用いた圧電振動板を例示したが、例えば、屈曲振動を用いる音叉型振動子を片持ち支持する場合等、他の振動モードの圧電振動板に適用してもよい。
【0040】
【発明の効果】請求項1記載の圧電振動子によれば、金属バンプの溶融により引出電極と接続電極を金属間接合することができ、接合の信頼性が高まる。また、金属バンプと接続される引出電極の反対面(裏面)には引出電極が形成されない構成であるので、熱圧着ツール、超音波溶着ツール等が引出電極に接触することがない。従って、金属バンプを溶着する際の電極の損傷を防ぎ、良好な導通状態を確保し、信頼性の高い圧電振動子を得ることができる。
【0041】請求項2によれば、金属バンプの溶融により引出電極と接続電極を金属間接合することができ、接合の信頼性が高まる。また、引出電極上や水晶振動板素地に直接保護膜を形成するので、当該部分に超音波溶着ツール等により超音波を印加しても、水晶振動子の励振に影響のある引出電極や水晶振動板素地を傷めることはない。従って、良好な導通状態を確保し、信頼性の高い圧電振動子を得ることができる。
【0042】請求項3によれば、表裏面に一対の主電極が形成された圧電振動板において、金属バンプの溶融により引出電極と接続電極を金属間接合することができ、接合の信頼性が高まる。また、金属バンプと接続される引出電極の反対面(裏面)には引出電極が形成されない構成であるので、超音波溶着ツールが引出電極に接触することがない。従って、金属バンプを溶着する際の電極の損傷を防ぎ、良好な導通状態を確保し、信頼性の高い圧電振動子を得ることができる。
【0043】請求項4によれば、表裏面に一対の主電極が形成された圧電振動板において、引出電極上や水晶振動板素地に直接保護膜を形成するので、当該部分に超音波溶着ツール等により超音波を印加しても、水晶振動子の励振に影響のある引出電極や水晶振動板素地を傷めることはない。従って、良好な導通状態を確保し、信頼性の高い圧電振動子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による分解斜視図。
【図2】第1の実施の形態による内部断面図。
【図3】第1の実施の形態による水晶振動板の平面図。
【図4】第1の実施の形態による水晶振動板の短辺方向側面図。
【図5】第2の実施の形態による水晶振動板の平面図。
【図6】第2の実施の形態による水晶振動板の短辺方向側面図。
【図7】第3の実施の形態による水晶振動板の平面図。
【図8】第3の実施の形態による水晶振動板の短辺方向側面図。
【図9】第4の実施の形態による水晶振動板の平面図。
【図10】第4の実施の形態による水晶振動板の長辺方向側面図。
【図11】従来例を示す図
【図12】従来例を示す図
【符号の説明】
1、5、7、9 セラミックパッケージ
2 フタ
3、4、6、8 水晶振動板(圧電振動板)
12a,13a,51a,52a,71a,72a,91a,92a 金属バンプ
63,64 厚膜電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の接続電極が形成された基台と、複数の主電極と当該主電極を外部に引き出す引出電極が形成され、当該引出電極を前記接続電極との接続面に延出した圧電振動板と、前記基台の接続電極と圧電振動板の引出電極との接合のうち、少なくとも1つまたは全部の接合を、前記接続電極と前記引出電極のいずれか一方または両方に形成された金属バンプの溶着により行う圧電振動子であって、前記圧電振動板の、前記金属バンプと接続される引出電極の形成された面の反対面には引出電極が形成されないことを特徴とする圧電振動子。
【請求項2】 複数の接続電極が形成された基台と、複数の主電極と当該主電極を外部に引き出す引出電極が形成され、当該引出電極を前記接続電極との接続面に延出する圧電振動板と、前記基台の接続電極と圧電振動板の引出電極との接合のうち、少なくとも1つまたは全部の接合を、前記接続電極と前記引出電極のいずれか一方または両方に形成された金属バンプの溶着により行う圧電振動子であって、前記圧電振動板の、前記金属バンプと接続される引出電極の形成された面の反対面には保護膜が形成されていることを特徴とする圧電振動子。
【請求項3】 複数の接続電極が形成され、当該接続電極の少なくとも1つに複数の金属バンプが形成されてなる基台と、表裏面に一対の主電極が形成されるとともに、当該主電極から延出した引出電極が前記接続電極との接続面に延出してなる圧電振動板と、からなり、前記圧電振動板を前記基台に搭載し、前記金属バンプと前記引出電極とを超音波溶着により接続してなる圧電振動子であって、前記圧電振動板の前記金属バンプと接続される引出電極形成面の反対面には引出電極が形成されないことを特徴とする圧電振動子。
【請求項4】 複数の接続電極が形成され、当該接続電極の少なくとも1つに複数の金属バンプが形成されてなる基台と、表裏面に一対の主電極が形成されるとともに、当該主電極から延出した引出電極が前記接続電極との接続面に延出してなる圧電振動板と、からなり、前記圧電振動板を前記基台に搭載し、前記金属バンプと前記引出電極とを超音波溶着により接続してなる圧電振動子であって、前記圧電振動板の、前記金属バンプと接続される引出電極形成面の反対面には保護膜が形成されていることを特徴とする圧電振動子。
【請求項5】 保護膜が厚膜金属からなることを特徴とする請求項2または請求項4記載の圧電振動子。
【請求項1】 複数の接続電極が形成された基台と、複数の主電極と当該主電極を外部に引き出す引出電極が形成され、当該引出電極を前記接続電極との接続面に延出した圧電振動板と、前記基台の接続電極と圧電振動板の引出電極との接合のうち、少なくとも1つまたは全部の接合を、前記接続電極と前記引出電極のいずれか一方または両方に形成された金属バンプの溶着により行う圧電振動子であって、前記圧電振動板の、前記金属バンプと接続される引出電極の形成された面の反対面には引出電極が形成されないことを特徴とする圧電振動子。
【請求項2】 複数の接続電極が形成された基台と、複数の主電極と当該主電極を外部に引き出す引出電極が形成され、当該引出電極を前記接続電極との接続面に延出する圧電振動板と、前記基台の接続電極と圧電振動板の引出電極との接合のうち、少なくとも1つまたは全部の接合を、前記接続電極と前記引出電極のいずれか一方または両方に形成された金属バンプの溶着により行う圧電振動子であって、前記圧電振動板の、前記金属バンプと接続される引出電極の形成された面の反対面には保護膜が形成されていることを特徴とする圧電振動子。
【請求項3】 複数の接続電極が形成され、当該接続電極の少なくとも1つに複数の金属バンプが形成されてなる基台と、表裏面に一対の主電極が形成されるとともに、当該主電極から延出した引出電極が前記接続電極との接続面に延出してなる圧電振動板と、からなり、前記圧電振動板を前記基台に搭載し、前記金属バンプと前記引出電極とを超音波溶着により接続してなる圧電振動子であって、前記圧電振動板の前記金属バンプと接続される引出電極形成面の反対面には引出電極が形成されないことを特徴とする圧電振動子。
【請求項4】 複数の接続電極が形成され、当該接続電極の少なくとも1つに複数の金属バンプが形成されてなる基台と、表裏面に一対の主電極が形成されるとともに、当該主電極から延出した引出電極が前記接続電極との接続面に延出してなる圧電振動板と、からなり、前記圧電振動板を前記基台に搭載し、前記金属バンプと前記引出電極とを超音波溶着により接続してなる圧電振動子であって、前記圧電振動板の、前記金属バンプと接続される引出電極形成面の反対面には保護膜が形成されていることを特徴とする圧電振動子。
【請求項5】 保護膜が厚膜金属からなることを特徴とする請求項2または請求項4記載の圧電振動子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2000−68777(P2000−68777A)
【公開日】平成12年3月3日(2000.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−256035
【出願日】平成10年8月25日(1998.8.25)
【出願人】(000149734)株式会社大真空 (312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成12年3月3日(2000.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成10年8月25日(1998.8.25)
【出願人】(000149734)株式会社大真空 (312)
【Fターム(参考)】
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