説明

地理情報関連付け画像データ管理システムおよび地理情報関連付け画像データ管理プログラム

【課題】広範囲にわたる撮影計画を立案し、大量に画像を収集し、地理情報と関連付けて画像データを管理しておくため、一貫した撮影計画、及び画像収集・管理を行う。
【解決手段】画像を撮影時刻とともに画像データとして収集する画像データ収集手段と、画像の撮影位置座標を収集する位置データ収集手段とを搭載した移動手段を含む画像撮影サブシステムと、地図データ表示手段と、画像データ表示手段と、地図リンクの始点及び終点の通過時刻を記録するリンク始終点通過時刻登録手段とを含む画像データ編集サブシステムと、撮影計画を管理する撮影計画手段と、編集された画像データと撮影情報取り込み手段とを含む画像データ管理サブシステムと、グラフ構造データベースと、カメラ情報データベースと、計画・実撮影情報データベースと、収集画像データベース及び収集画像属性情報データベースと、リンク関連情報データベースとを含む記憶装置とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地理的環境を把握するための画像データを、たとえば道路走行や上空飛行によって撮影して収集し、必要な地理的範囲や画像の解像度・画像データ量に応じて抽出・加工し、地理座標と関連付けて空間的および時間的に管理し、地図と連動させて表示させるためのデータを得る地理座標関連付き画像データ管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報技術の高度化および大容量通信網の整備に伴い、インターネット、カーナビゲーション、携帯電話などの表示媒体において写真や動画像などの大容量データベースが容易に扱えるようになった。
【0003】
これに伴い、地理情報システム(GIS)やインターネット上での地図検索サイトにおいて、地理属性として画像を利用することで、実際の風景をデフォルメなく正確に利用者に伝えるニーズが多くなってきている。
【0004】
特定の道路から撮影した街並み映像を撮影し、道路や河川の維持管理に使用する技術は開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この技術では、道路等線上の地物で得られた画像は、道路中心線など1次元的な地物の上に、その地物上に指定された始点からの距離と関連付けて管理される。
【0006】
また、実際に撮影した画像ではなく、人工的に作成されたCG画像を、部分的にグラフ構造を持つ道路と関連させて管理する技術もある(例えば、特許文献2参照)。最近では、実際の画像を表示する技術が開発されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特許3099103号公報
【特許文献2】特開平6−83937号公報
【特許文献3】特開2005−3752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(データの整合を有して管理すること、データ量を低減させること)
本発明では、基本的にユーザが指定した範囲について撮影を行い、ファイルの容量を低減した地理座標関連付き画像データとしてユーザに提供可能すると共に、画像がどんな種類からを一元的に管理したシステムを得ることを主目的とするものである。
【0008】
例えば、道路から見た町の景観(樹木、道路、建物等)は、年月に応じて変化したりする。
【0009】
また、画像は一つの経路において、進行方向で撮影したときの画像や逆方向から撮影したときの画像を必要とする場合もある。
【0010】
さらに、撮影を短時間で終わらせるために、異なる車輌で異なるカメラで撮影する場合もある。
【0011】
また、撮影したカメラ、GPS、INSの性能と地図の座標系の多少の相違等によって、カメラで撮影した画像の撮影位置とが相違する場合もある。
【0012】
しかしながら、上記の引用文献はリンクのIDに画像を関連させて管理するものであるので、リンクのIDだけでは画像が一つの経路内でことなる時期で撮影されたものか、逆方向から撮影されたものか或いは撮影位置に正しく関連付けられた画像であるかがコンピュータ判断できない。このため、オペレータが希望の画像を表示させるには様々なパラメータを入力する必要があったので手間がかかるという課題(問題点)があった。
【0013】
一方、上記の特許文献3は、実際に撮影した撮影地点の画像をデータベースに登録して、これを地図上の撮影地点と連動表示しているが、撮影地点に対応させて画像を登録しているのでデータベースの容量を大幅に消費する。このため、低容量のデータベースを有する一般的なパソコンには不向きであった。
【0014】
従って、一つの経路においても、経年的な画像(カメラで撮影したもの)、又は異なるカメラで撮影された画像であっても或いは双方向の画像を正しい撮影位置に関連させて一元的に管理できると共に、一般的なパソコンでもこれらの画像を登録して表示させることができるシステムが望まれていた。
【0015】
また、経路が複数存在する場合に、無計画で撮影した場合は時間もコストもかかり、かつデータベースの容量も大容量になる。
【0016】
複数のカメラで別々の経路を撮影した場合や、画像が必要ない経路もあったり、あまり時間がたっていない場合には同じ経路を撮影する必要がない。すなわち、撮影計画を効率良く立てておくのが時間とコストとデータベースの容量を低減させることになる。
【0017】
つまり、地図の撮影位置に対応した画像を迅速に要求された場合は撮影計画がしっかりしていないと、要求を受け付けてから撮影が終了するまでは、画像の提供を敏速に行うことができない。
【0018】
さらに、カメラ、GPS、INS等の性能等によって、撮影地点の座標と地図の座標とが相違する場合もある。
【0019】
本願発明は、カメラ、GPS、INS等の性能に多少の相違があっても正確に撮影位置を地図上に定義し、かつ経年的、双方向、カメラを相違させて画像を取得したとしても、データベースの容量を低減できると共に、これらの画像の状況が直ぐにわかる管理形態で一元的に管理して容易に提供できるシステムを得ることを目的とする。
【0020】
つまり、
(画像データ収集の課題)
道路走行や上空飛行によって撮影して収集する画像データの量は大量になるため、撮影システムとの連携が必要なってくる。特に、どの地区が未撮影であるか、どの程度撮影が進んでいるかといった情報を得られることが重要である。また、広域の画像を大量に収集する場合、複数の車両を用いて撮影作業を平行して行う必要がある。この際、道路などのグラフ構造データから必要な部分を切り出した撮影計画を作成し、それに従って画像を収集することが必要である。
【0021】
本発明では、基本的にユーザが指定した範囲について撮影を行い、地理座標関連付き画像データとしてユーザに提供することを主目的とするものである。そのため、迅速性が要求される場合、要求を受け付けてから撮影が終了するまでは、データ提供を行うことができないという問題がある。
【0022】
そこで、あらかじめ広範囲にわたる撮影計画を立案し、大量に画像を収集し、地理情報と関連付けて画像データを管理しておくために、一貫した撮影計画、及び画像収集・管理を行うシステムが必要である。
【0023】
(画像データ収集の課題)
道路走行や上空飛行によって撮影して収集する画像データの量は大量になるため、撮影システムとの連携が必要なってくる。特に、どの地区が未撮影であるか、どの程度撮影が進んでいるかといった情報を得られることが重要である。また、広域の画像を大量に収集する場合、複数の車両を用いて撮影作業を平行して行う必要がある。この際、道路などのグラフ構造データから必要な部分を切り出した撮影計画を作成し、それに従って画像を収集することが必要である。
【0024】
また、撮影した画像を用いて後から計測を行いたい場合、たとえばステレオ画像計測や単写真による簡易計測等を行う場合は、実際に撮影されたカメラ情報、すなわちカメラの撮影高さやカメラそのものの識別番号、各識別番号のカメラのキャリブレーション情報が画像とともに管理されており、参照できることが必要である。広域にわたる大量の画像を撮影する場合は、一つのカメラシステムだけでなく、複数のカメラシステムを利用する場合も生じるため、撮影に使用したカメラ情報も一元的に管理する必要が生じる。
【0025】
(画像データ管理の課題)
上記の特許文献に開示されている技術では、実際に撮影した画像を、既存の地図データ、特に図1に示すような、Y字路や5差路以上の交差点、立体交差などがある複雑な道路ネットワークデータなどグラフ構造を持つ地図情報と関連付けて管理する。
【0026】
また、1箇所の地図情報と関連付けて管理できる画像は1種類のみであるため、同じ道路の箇所に複数の種類の画像を関連付けて管理し、種類ごとにデータベースを構築する。
【0027】
たとえば、見せる対象によっては、画像を撮影した季節や時間帯が重要になることがある。たとえば、観光ルートにおいて、春・夏・秋・冬の各シーズンに撮影した画像を格納する。
【0028】
多次期、季節別の画像を管理するシステムとしては、時空間型地理情報システムがあるが、これはある時間断面におけるバージョンを表示するものである。そのため、たとえば複数年にわたって撮影した画像の中から特定の季節(たとえば秋)の画像のみをみるということを可能とする。
【0029】
また、広い道路については、沿線を撮影するために往復走行することが必要となる場合があり、往復走行して得た画像について、道路に対しての走行方向を管理できることを可能とする。
【0030】
実際に画像データを利用者に提供する場合、広域にわたり撮影された画像データ全体から必要なデータを切り出すことが必要である。切り出しの条件としては、次のことが選択できることが必要である。
【0031】
・ 地理空間的な切り出し(地理メッシュや行政区域による切り出し)
・ リンクの種別による切り出し(道路種別・道路幅等)
・ 画像の撮影時期による切り出し
さらに、大量の画像を管理する場合、画像の容量を少なくするために、画像を途中で間引いたり、画像サイズを小さくしたりする必要性が生じる。画像データを物理的に変換した場合も、画像データベースとして整合性を保つ。
【0032】
(画像データ表示の課題)
画像の検索では、大規模なデータベースの中では大量の画像ファイルの中から探索するため、高速な検索方法が必要となる。既存の地理情報と組み合わせて利用することが可能とするため、たとえば任意の点(たとえばビル)を選んだとき、その周辺の検索し、その画像の進行方向を基点に方位角を計算、対象となるビルを前面に表示できることが必要である。
【0033】
さらに、高度な画像の検索方法として、場所による検索だけでなく、画像のもつ意味的な検索が行える、すなわち写っている対象の内容による検索が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0034】
本発明の地理座標関連付き画像データ管理システムは、移動手段に、画像センサを固定し、地図の路線ネットワークに基づいて前記移動手段の移動と共に前記画像センサで撮影した画像データを一定時間毎に収集し、これを前記路線ネットワークに関連付けて管理する地図情報関連付け画像データ管理システムにおいて、
リンク構造の前記路線ネットワークを記憶するグラフ構造データベースと、前記画像センサの情報を記録するカメラ情報データベースと、前記移動手段による前記路線ネットワークの撮影計画の情報及び前記路線ネットワークを実際に撮影した実撮影情報を記録する計画・実撮影情報データベースと、前記画像センサによって取り込まれた前記一定時間毎日の周辺画像データ及び該画像の撮影位置座標を座標計測時刻とともに収集画像属性情報として記録する集画像・属性情報データベースと含む記憶装置と、前記撮影時刻及び前記座標計測時刻から前記地図リンクの始点及び終点の通過時刻を記録するリンク始終点通過時刻登録手段と、一定の走行距離を基準にして前記一定時間毎に収集された複数の周辺画像データから前記一定の走行距離毎の画像のみを抽出して他の画像データを間引き、データ容量を低減させる画像間引き手段を含む画像データ編集サブシステムと、前記路線ネットワークごとに各データベースの各情報を撮影時刻及び該各情報に付与したそれぞれのIDコードで関連付けた管理情報を備えた管理手段と、前記路線ネットワークのID及び前記撮影時刻が入力されたとき、このID、撮影時刻を含む前記管理情報を引当て、該引き当てた管理情報に関連付けられている前記各データベースの各情報を前記記憶装置から出力するデータ抽出手段とを含む画像データ管理サブシステムとを備えたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、広範囲にわたる撮影計画を立案し、大量に画像を収集し、地理情報と関連付けて画像データを管理しておくために、一貫した撮影計画、及び画像収集・管理を行うことができる。
【0036】
また、道路などの地図情報と画像を関連付けることで、場所を表す地理属性として画像を用いることで、現地のリアルな状況を利用者に視覚的に伝えることができる。
【0037】
さらに、季節や時間帯が異なる複数の画像を1箇所の地図情報と関連付けて管理できるため、利用者が必要とする時期や時間の状況に最も近い画像を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであることに留意すべきである。
【0039】
本発明の実施の形態による地理座標関連付き画像データ管理システム10は、図1に示すように、画像撮影サブシステム20、画像データ編集サブシステム30、画像データ管理サブシステム40、及び画像データ管理サブシステム40に接続された記憶装置50等から構成される。
【0040】
まず、画像撮影サブシステム20は、画像センサ22を接続し、地図リンクに沿った周辺環境を撮影した画像を撮影時刻とともに収集画像データd1として収集する画像データ収集手段24と、ハイブリッド型位置センサ23を接続し、画像の撮影位置座標を座標計測時刻とともに収集画像属性情報d2として収集する位置データ収集手段25とを搭載した移動手段を含む。
【0041】
ここで地図リンクとは、たとえば、図17に示したグラフ構造を持つ2点間(1つの交差点から次の交差点まで)の道路をいう。便宜上、1点を始点、もう1点を終点と記すが、始点から終点というリンクの方向性を意味するものではない。
【0042】
前述のグラフ構造は、道路ネットワークとも称し、図17に示すような、交差点をノード・交差点間の道路中心線を示す連続線分をリンクとするネットワーク構造であり、走行軌跡パターン、道路の形状、幅等を含む。
【0043】
図17においては、交差点としてT字もしくは十字の他に、Y字路や5差路を含んで示されている。
【0044】
また、移動手段とは、地図リンクに沿って飛行して上空から撮影するための航空機や、地図リンクの道路を走行する車両21をいう。
【0045】
つづいて、画像データ編集サブシステム30は、地図リンクを表示する地図データ表示手段31と、画像データ収集手段24によって収集した画像データを表示する画像データ表示手段32と、撮影時刻及び座標計測時刻(GPS時刻)から地図リンクの始点及び終点の通過時刻を記録するリンク始終点通過時刻登録手段33と、画像データから一定間隔ごとにデータを間引く画像間引き手段34と、実撮影管理情報登録手段35とを含む。
【0046】
さらに、画像データ管理サブシステム40は、画像撮影サブシステム20による撮影計画を管理する撮影計画手段41と、画像データ編集サブシステム30により編集された収集画像データd1と収集画像属性情報d2を取り込む撮影情報取り込み手段42と、記憶装置50に記録された情報から、指定された条件に適合した情報を抽出するデータ抽出手段44と、記憶装置50への情報の登録、記憶装置50からの情報の削除、及び記憶装置50の情報の印刷を行う管理手段43を含む。
【0047】
記憶装置50は、地図リンクの情報を記録するグラフ構造データベース51と、画像センサ22の情報を記録するカメラ情報データベース52と、撮影計画の情報を記録する計画・実撮影情報データベース53と、撮影情報取り込み手段42によって取り込まれた収集画像データd1及び収集画像属性情報d2をそれぞれ記録する収集画像データベース55及び収集画像属性情報データベース56と、地図リンクごとに各データベースの情報を関連付ける管理情報を記録するリンク関連情報データベース54とを含む。
【0048】
画像撮影サブシステム20、画像データ編集サブシステム30、及び画像データ管理サブシステム40の各サブシステム間のデータのやり取りは、ディスクなどの携帯型記憶媒体を介して行うものとするが、各サブシステムにデータ通信手段を設けて、有線または無線データ通信によって行うことができる。
【0049】
(画像撮影サブシステム20)
次に、画像撮影サブシステム20の各手段について詳細に説明する。なお、ここでは、移動手段の例として車両21をあげて説明するが、車両21に限るものではない。
【0050】
画像撮影サブシステム20は、図12に示したように、本発明の実施の形態で用いる地図リンクに沿った画像を撮影することを目的としたサブシステムである。
【0051】
まず、画像データ収集手段24は、画像センサ22として車両21に取り付けられた1台ないし同期をとった複数台のカメラを使って、地図リンクである道路を走行しながら画像を撮影する。この際、次に説明する位置情報との同期を取るため、ハイブリッド型位置センサ23で検知される全地球無線測位システム(GPS)から送信される時刻を、時系列で得られる各画像フレームに付与して、収集画像データd1として一時メモリ26に記録していく。
【0052】

なお、時刻は、検知したGPS時刻と画像撮影サブシステム20が搭載されているコンピュータのクロックを利用し、1/1000秒単位で各画像フレームに付与される。
【0053】
次に、位置データ収集手段25は、同じ車両21に取り付けられたGPSとその他のセンサ(ジャイロ・車速センサ)と組み合わせたハイブリッド型位置センサ23を使って、GPSから得られる位置情報(座標)、時刻、車速センサから得られる車速情報、ジャイロから得られる加速度情報や方位情報を収集する。さらに、これらの情報にGPS時刻を付与して収集画像属性情報d2として一時メモリ26に記録していく。
【0054】
位置データ収集手段25に、ハイブリッド型位置センサ23から得られる車速が0のときは、画像データ収集手段24に対して画像データ収集を行わないように命令する処理を設けて、停止中の撮影をやめることもできる。これにより、信号や渋滞などで停止状態になった場合に、画像データの記録を一時停止し、データ収集容量を節約することができる。
【0055】
収集された収集画像データd1と収集画像属性情報d2は、図16に示すように、それぞれ共通のGPS時刻を利用した時刻情報を付与しているため、付与された時刻を媒介として位置と画像を対応付けることができる。
【0056】
また、撮影した画像を用いて後から計測を行いたい場合、たとえばステレオ画像計測や単写真による簡易計測等を行う場合は、実際に撮影されたカメラ情報、すなわちカメラの撮影高さやカメラそのものの識別番号、各識別番号のカメラのキャリブレーション情報が画像とともに管理されており、参照できることが必要である。広域にわたる大量の画像を撮影する場合は、一つのカメラシステムだけでなく、複数のカメラシステムを利用する場合も生じるため、撮影に使用したカメラ情報も一元的に管理する必要が生じる。
【0057】
このため、画像データ収集手段24は、撮影計画情報d0に含まれるどのカメラを利用して撮影したかの情報を同時に格納している。
【0058】
また、カメラの方位は、車両21に相対的なカメラの相対方位と車両21方位から求めることができる。相対方位はあらかじめ計測しておくものとする。普通は画像データの収集周期の方が短いため、各画像フレームにおける位置・速度・方位などは前後の時刻の位置・速度・方位を内挿することによって得られる。つまり、d1にはカメラ方位が含まれている。
【0059】
一時メモリ26に記録された収集画像データd1と収集画像属性情報d2は、一次撮影情報インポートファイルf1として、ディスクなどの携帯型記憶媒体に出力して、次の画像データ編集サブシステム30に入力される。
【0060】
なお、位置データ収集手段25は、後述する画像データ管理サブシステム40の撮影計画手段41によって後述する撮影情報エクスポートファイルf3として携帯型記憶媒体に出力された撮影計画情報d0に含まれるリンクの形状及び情報を読み込み、ハイブリッド型位置センサ23から得られる位置情報をコンピュータの画面に重畳表示する。これにより、作業者が収集対象のどの地図リンクのデータ収集を行ったかがわかる。
【0061】
すなわち位置データ収集手段25は、撮影情報エクスポートファイルf3に記憶されている撮影計画情報d0(道路ネットワーク:リンクのID、リンクの座標、ノードの座標・・・、撮影計画リンクのID、道幅・・・)を読み、この情報に基づいてコンピュータ画面に撮影するリンクを色別表示する。つまり、どのリンクを撮影するかが分かる。また、撮影計画情報d0に撮影済(実撮影キーID)が含まれている場合は、そのリンクは異なる色で表示して撮影させないことも可能である。
【0062】
(画像データ編集サブシステム30)
次に、画像データ編集サブシステム30の各手段について詳細に説明する。
【0063】
画像データ編集サブシステム30は、図3に示したように、画像撮影サブシステム20によって収集され、一次撮影情報インポートファイルf1として出力された収集画像データd2を、本発明の実施の形態で用いるために編集し、後述する画像データ管理サブシステム40の撮影計画手段41によって作成され、撮影情報エクスポートファイルf3として出力されたリンク情報の形状情報を用いて、道路ネットワークなどグラフ構造を持つ地図情報との関係付けを行い、最適化することを目的としたサブシステムである。
【0064】
まず、地図データ表示手段31は、図4に示すように、入力情報として、画像撮影サブシステム20にから出力される一次撮影情報インポートファイルf1は後述する物理画像データベースと同じ構造を有する。一次情報インポートファイルf1を構成する収集画像属性情報d2に含まれる時系列位置情報と、撮影情報エクスポートファイルf3に含まれる地図情報からリンク形状を表示する。時系列位置情報は点列として、またリンク形状は連続線分として表示される。
【0065】
次に、画像データ表示手段32は、図5に示すように、一次撮影情報インポートファイルf1の収集画像データd1を表示する。画像を表示すると、画像収集位置が地図データ表示手段31で表示された地図の中に、記号(▼記号等)で表示される。また、画像データは時系列的に前後に順次表示を切り替えることができる。
【0066】
次に、リンク始終点通過時刻登録手段33は、地図データ表示手段31により表示された図4に示す地図上でマウス選択したリンク、もしくは順次的に選択された選択中のリンクの始点および終点に対応する通過時刻を指定し、登録する。通過時刻は、一次撮影情報インポートファイルf1の収集画像属性情報d2に含まれる時系列位置情報を用いて、その始点もしくは終点に対応する時系列位置の時刻から指定する方法と、一次撮影情報インポートファイルf1の収集画像データd1に付与された画像撮影時刻から指定する方法がある。リンクの始点および終点の通過時刻は、撮影日時、撮影に使用したカメラ情報キーID、および格納する画像の物理保管場所(ハードディスクのボリューム名など)等の各情報とともに撮影計画エクスポートファイルと同様の形式で実撮影結果情報d3に保存される。
【0067】
時系列位置から指定する方法には、リンクの始点もしくは終点に対応する時系列位置をマウス等で指定するマニュアル指定方法と、自動的に指定する自動指定方法がある。
【0068】
自動指定方法では、リンクの始点もしくは終点に最も近い時系列位置を探索するということで達成される。自動車のナビゲーションシステムに使われているマップマッチング技術、すなわち位置だけでなく進行方向やスピードなどを勘案して自分の進んでいる経路に自動的に対応付ける技術を用いてもよい。この際は、必ずしも最も近い点を選択するとは限らない。
【0069】
画像撮影時刻から指定する方法では、リンクの始点は終点の時刻に対応する収集画像データd1を画像表示画面に表示する。画像に撮影されている道路や交差点の様子を見て、オペレータが交差点などで位置がずれていると判断された場合は、時系列画面を操作することによって時系列的に前もしくは後の画像を表示させ、オペレータが判断した交差点の位置の画像の撮影時刻をリンクの始点もしくは終点の通過時刻として修正登録できる。
【0070】
リンク始終点通過時刻登録手段33で登録されたリンクの始点通過時刻が終点通過時刻よりも前の場合は、画像が該当のリンク上を始点から終点に向かって走行しながら撮影されたと判断される。逆に始点通過時刻が終点通過時刻よりも後の場合は、該当のリンク上を終点から始点に向かって走行しながら撮影された画像であると判断される。
【0071】
リンク始終点通過時刻登録手段33で登録されたリンクの始点および終点の通過時刻は、二次撮影情報インポートファイルf2に出力される。
【0072】
最後に、画像間引き手段34は、データ容量を少なくすることを目的として、一次撮影情報インポートファイルf1の収集画像データd1を移動距離などに応じて間引く。間引きの方法の一例として、図6に示すように、次のような方法がある。一つのフレームを起点に、起点フレームからi番目のフレームの距離を、各フレームごとに次の式で計算する。
【0073】
〔数1〕
L[0]=0.0;
L[i]=L[i−1] + (v[i−1]+v[i])/2*(t[i]−t[i−1]);
ここで、v[i]:i番目のフレームの速度(メートル/秒)
t[i]:i番目のフレームの時刻(秒)
間引き間隔をdとして、dのn倍(nは整数)に最も近い距離をL[jn]とする。jn以外のフレームは間引く。間引き後の画像フレームも時刻情報をつけておけば、データベースの他の部分に影響を与えず画像を間引くことができる。
【0074】
例えば、時速10kmで走行する車から毎秒15フレームで撮影する場合、10kmの区間で54000枚の画像が取得される。これを1m置きに間引くとすると、10000枚となり、データ量を5分の1以下に押させることができる。
【0075】
このように、人間の視覚上問題のない程度まで画像フレーム数を間引くことで、データ量を削減することができ、保存するのに必要なメモリ量が少なく済むため、システムを安価にできる。さらに、画像表示処理すべきデータ量が少なければ、表示処理速度も向上し、コンピュータなどの表示装置の負担が軽減できる。
【0076】
メモリの低価格化やコンピュータの処理能力向上によって、データ量を削減する必要がない場合には、画像間引き手段34は、特に具備する必要はない。
【0077】
実撮影管理情報登録手段35は、後述する計画・実撮影情報データベースに登録する実撮影時の属性情報(撮影地区情報・作業実施者等)を入力し、実撮影管理情報d4に格納する。
【0078】
(画像データ管理サブシステム40)
次に、画像データ管理サブシステム40の各手段について詳細に説明する。
【0079】
画像データ管理サブシステム40は、図7に示したように、撮影すべき場所や撮影に使用する機材などの計画・進捗管理から、実際に撮影され、編集された収集画像データd1の管理、及び利用者の要求条件にあった収集画像データd1を切り出して提供するまでに必要なデータ群を一括管理することを目的としたサブシステムである。
【0080】
まず、撮影計画手段41は、図8に示すように、画面表示部411、リンク選択部412、カメラ情報入力部414、撮影計画情報入力部413、及び撮影情報エクスポートファイル作成部415から構成される。
【0081】
画面表示部411は、記憶装置50に記録されているグラフ構造データベース51のノードおよびリンクをコンピュータの画面に表示する。
【0082】
リンク選択部412は、画面表示部411によって表示されたリンクの内、撮影を計画するリンクを選択し、決定させる。リンクの選択方法としては、画面上のマウス操作による矩形領域指定、ポリゴン領域指定など位置による選択、道路幅や種別などグラフ構造情報に含まれる属性情報による選択、および位置と属性情報による複合選択がある。
【0083】
例えば、ある市町村の県道を抽出する場合、県道のみを予め属性情報による選択で抽出しておき、その後に市町村境をポリゴン指定で指定すれば目的が達成される。
【0084】
カメラ情報入力部414は、入力された撮影に用いるカメラの情報を、カメラ情報データベース52として記憶装置50に記録する。この際、自動または任意に指定したカメラ情報キーIDを付与して、個々のカメラ情報を識別できるようにする。
【0085】
撮影計画情報入力部413は、撮影地区(リンク選択部412で選択されたリンク群)、撮影開始予定日、撮影作業者、使用するカメラのカメラ情報キーIDなど、入力された撮影計画の情報を計画・実撮影情報データベース53として記憶装置50に記録する。この際、自動または任意に指定した撮影計画キーIDを付与して、個々の撮影計画を識別できるようにする。
【0086】
撮影計画を自動的に生成する場合は、作成日時とカメラ情報キーIDを組合せたものなどにしてIDの重複が起こらないようにする。
【0087】
撮影情報エクスポートファイル作成部415は、リンク選択部412で選択されたリンクと撮影計画情報入力部413で入力された情報を組合せ、図5に示す形式でリンク関連情報として、記憶装置50内のリンク関連情報データベース54に記録する。この段階では、さらにリンク関連情報と、グラフ構造データベースに記録されたリンク形状を撮影情報エクスポートファイルf3として、携帯型記憶媒体に出力する。
【0088】
次に、撮影情報取り込み手段42は、図9に示すように、実撮影管理情報記録部421と画像データ記録部422からなる。
【0089】
実撮影管理情報記録部421は、画像データ編集サブシステム30から二次撮影情報インポートファイルf2として入力された、撮影時の撮影者などの実撮影管理情報d4を、実撮影キーIDを付与して計画・実撮影情報データベース53に記録する。
【0090】
実撮影IDは、撮影日時と使用したカメラ情報キーIDを組み合わせたものなどにして、IDの重複が起こらないようにする。
【0091】
さらに、撮影されたリンクに関する撮影情報、すなわち撮影日時、撮影に使用したカメラ情報キーID、リンクの始点および終点の通過時刻、および格納する画像の物理保管場所(ハードディスクのボリューム名など)等の各情報を格納した実撮影結果情報d3を、撮影情報エクスポートファイル作成部415によってリンクキーIDごとに作成され保存されているリンク関連情報データベース54の、該当するリンクキーIDの部分に更新する。
【0092】
また、画像データ記録部422は、画像データ編集サブシステム30から二次撮影情報インポートファイルf2として入力された収集画像データd1と収集画像属性情報d2を、それぞれ収集画像データベース55と収集画像属性情報データベース56に記録する。
【0093】
管理手段43は、図10に示すように、ネットワーク登録部431、印刷部432、メンテナンス部433から構成される。
【0094】
ネットワーク登録部431は、外部で作成・配布される道路ネットワークデータを読み込んで、グラフ構造データベース51に登録する。
【0095】
印刷部432は、記憶装置50に記録されている各データベースの情報をプリンタにて印刷する。
【0096】
メンテナンス部433は、記憶装置50に記録されている各データベースの定期的なバックアップを実施したり、不要データ(撮影を行わなくなった撮影計画情報等)の削除などを行う。また、撮影計画情報d0と実撮影管理情報d3が反映されているリンク関連情報データベース54内の作業進捗コードを検索することで、撮影がどの程度進んでいるかを集計する。
【0097】
最後に、データ抽出手段44は、図11に示すように、抽出条件入力部441、グラフ構造情報抽出部442、リンク関連情報抽出部443、収集画像データ抽出部444、及び収集画像属性情報抽出部554からなる。
【0098】
抽出条件入力部441は、データベースから抽出するための条件を入力する。条件としては、位置的条件とリンク属性的条件と撮影属性条件がある。位置的条件には、画面上のマウス操作やファイル読み込みから得られることによる矩形領域やポリゴン領域等がある。
【0099】
また、リンク属性的条件とは、道路幅や種別などグラフ構造情報に含まれる属性情報の指定がある。また、撮影属性条件は撮影日や撮影時間帯などの指定がある。
【0100】
グラフ構造情報抽出部442は、上記で抽出されたリンクのIDに対応するリンクについて、グラフ構造データベース51から抽出する。さらに、抽出条件入力部441で入力された撮影属性条件に適合するリンクの情報を抽出する。
【0101】
リンク関連情報抽出部443は、リンク関連情報データベース54から、抽出条件入力部441で入力された条件に適合する情報を抽出する。
【0102】
収集画像データ抽出部444は、収集画像データベース55から、抽出条件入力部441で入力された条件に適合する情報を抽出する。
【0103】
つまり、収集画像データ抽出部444は、収集画像データベースから上記で抽出された各リンク関連情報に記憶されている撮影年月日に、カメラ情報キーIDで撮影された画像を検索する。
【0104】
さらに、その中から、始点通過時刻と終点通過時刻の間に撮影された画像を抽出し、画像ファイルとして切り出し画像データ内の画像ファイルとして格納する。
【0105】
また、画像リンクID、撮影開始側のノードID、撮影車輌側のノードID、撮影順番を切り出し画像データ内の画像ファイル属性情報として格納する。
【0106】
収集画像属性情報抽出部445は、収集画像属性情報データベース56から、抽出条件入力部441で入力された条件に適合する情報を抽出する。
【0107】
つまり、上記で抽出された画像ファイルに対応する画像取得座標、画像取得方位などの情報を抽出し、切り出し画像データ内の画像ファイル属性情報として格納する。
【0108】
以上によって切り出された情報は切り出し画像データf4として出力される。これには、画像ファイル・画像ファイル付属情報・リンクのグラフ構造が含まれる。
【0109】
なお、リンクの切り出しに当たっては、次の方法で切り出すことができる。
【0110】
・ 地理空間的な指定(地理メッシュや行政区域による切り出し):コンピュータ画面インターフェース上のマウス指定もしくはマウスによる領域指定で、切り出すリンクを選択することができる。また、あらかじめ行政区域等の外周多角形内を登録しておき、ユーザが指定する区域に対応する外周多角形内のリンクを抽出してもよい。
【0111】
例えば、東京都の区市町村境をポリゴンとして別途作成しておき、それを外部ファイルとして磁気ディスク上に保存しておき、必要時にそのファイルを指定してポリゴンを読み出せば、マウスでポリゴン入力する代替として利用可能である。
【0112】
・リンク属性的条件の指定(道路種別・道路幅等):撮影に必要なリンクの種別を指定し、グラフ構造データベース51に格納されている情報を参照すれば、そのリンクの種別に該当するものを抽出することができる。
【0113】
・撮影属性的条件の指定:リンク関連情報データベース54に含まれる撮影日・撮影時刻情報を参照することにより、画像の撮影時期を指定し、抽出することができる。
【0114】
一方、各リンクに対応する画像は、リンク関連情報データベース54に記述されている情報に基づいて抽出される。すなわち、抽出するリンクのリンクキーIDに対応するレコードに記述されている記憶装置50の保管場所に記録されている収集画像データベース55から、カメラ情報キーIDに記述されているカメラで撮影し、且つ画像フレームについている時刻が始点通過時刻から終点通過時刻の間のものを抽出すればよい。
【0115】
切り出された画像データには、次のものを含むことが可能である。
【0116】
・画像ファイル
・画像ファイルの属性情報
・画像取得座標(各フレームの緯度経度)
・画像取得方位(画像中心の方位)
・ 画像取得リンクID(画像を撮影した道路中心線のIDリンク)
・ 撮影開始側のノードID
・ 撮影終了側のノードID
・ 撮影順番
・ 画像取得カメラ情報(撮影高等)
・リンクのグラフ構造
・ 各ノードIDについてそのノードに接続するリンクIDのリスト
(記憶装置50内の各データベース)
つづいて、記憶装置50内に記録される各データベースについて説明する。
【0117】
本発明の実施の形態で用いられるデータベースは、図1に示したように、大別すると、グラフ構造を持つ地物情報と撮影された画像の関係を管理する画像情報データベース50aと、実際に撮影した画像とその付属情報を格納する物理画像データベース50bの2つのグループに分けられる。
【0118】
画像情報データベース50aには、グラフ構造を格納するグラフ構造データベース51、撮影に使用するカメラ等撮影に付属的な情報を格納するカメラ情報データベース52、撮影計画や実際に撮影したときの情報を格納する各リンクに対応する計画・実撮影情報データベース53、リンクごとに上記の情報及び撮影された画像を関連付けるリンク関連情報データベース54の4つが属する。
【0119】
グラフ構造データベース51は、図12に示すようなグラフ構造を持つ地物情報を格納するものである。地理情報として道路ネットワークを使用する場合は、グラフ構造のノードとして交差点、リンクとして交差点をつなぐ道路中心線が対応する。
【0120】
グラフ構造データベース51内では、図12に示すように、各ノードは地理座標によって定義され、ノードキーIDで識別される。各リンクは両端の地理座標(またはノードキーID)とリンクの形状によって定義され、リンクキーIDで識別される。なお、リンク(道路中心線)の両端はノード(交差点)につながっており、リンクの始点と終点の交差点を示すノードキーIDが各リンクに付与されている。これによって、ノードとリンクの接合関係、すなわちネットワーク構造が明らかになる。
つまり、グラフ構造データベース51には、Y字路や5差路以上の交差点、立体交差などがある複雑な道路ネットワークデータなどグラフ構造を地図情報と関連付けて記憶する。図12においては、リンク情報とノード情報とを関連付けており、ノードが複数の場合は、ノード情報も複数関連つけられる。
【0121】
グラフ構造データベース51内では、ノードやリンクには付属情報をつけることができる。たとえば、道路ネットワークの場合、交差点であれば交差点名、リンクであれば道路幅や規制情報(一方通行など)の情報を付与することができる。
【0122】
グラフ構造をもつネットワークは、道路、線路、水路、航路、管路等を含むものであり、路線ネットワークとも称する。
【0123】
次に、カメラ情報データベース52には、図13に示すように、撮影するカメラや搭載する車、カメラ高さなどの機器情報が格納され、カメラ情報キーIDで識別される。
【0124】
広域にわたる大量の画像を撮影する場合は、一つのカメラシステムだけでなく、複数のカメラシステムを利用する場合も生じるため、撮影に使用したカメラ情報も一元的に管理する必要が生じる。
【0125】
このため、カメラ情報データベース52には、実際に撮影されたカメラ情報、すなわちカメラの撮影高さやカメラそのものの識別番号、各識別番号のカメラのキャリブレーション情報が画像とともに管理して、参照できるようにしている(図13参照)。
【0126】
計画・実撮影情報データベース53には、図14に示すように、各リンクに対応する撮影計画情報d0や実撮影管理情報が記録される。すなわち、作業者、作業に使われたカメラのカメラ情報キーID,画像の撮影日などである。各撮影計画や実撮影管理情報は、それぞれ撮影計画キーID,実撮影キーIDで識別される。
【0127】
道路走行などによって撮影して収集する画像データの量は大量になるため、撮影システムとの連携が必要なってくる。特に、どの地区が未撮影であるか、どの程度撮影が進んでいるかといった情報を得られることが重要である。また、広域の画像を大量に収集する場合、複数の車両を用いて撮影作業を平行して行う必要がある。この際、道路などのグラフ構造データから必要な部分を切り出した撮影計画を作成し、それに従って画像を収集することが必要である。
【0128】
このため、あらかじめ広範囲にわたる撮影計画を立案し、大量に画像を収集し、地理情報と関連付けて画像データを管理しておくために、一貫した撮影計画、及び画像収集・管理を行うシステムが必要である。
【0129】
つまり、映像情報をあらかじめ広範囲かつ大量のデータを収集しておけば、利用者指定する範囲や位置に応じて、迅速に提供することができるというビジネスモデルが構築できる。また、新規に撮影する場合も、既に収集したデータと同様の管理を行えば、要求に応じて簡単に再利用することが可能となる。
【0130】
この計画によって、迅速性が要求される場合、要求を受け付けてから撮影が終了するまでは、データ提供を行うことができなかったが必要個所のみを撮影すればよいので、短時間にユーザの要望にこたえることができる。
【0131】
リンク関連情報データベース54は、図15に示すように、リンクキーID、撮影計画キーID、実撮影キーID、撮影状況を示す作業進捗コード(計画済み、撮影済、編集済、撮影不可等)、撮影日、撮影に使用したカメラ情報キーID、リンクの始点および終点の通過時刻、および格納する画像の物理保管場所(ハードディスクのボリューム名など)等の一連の情報を有するテーブル構造を持つ。
【0132】
もし、1箇所の地図情報と関連付けて管理できる画像は1種類のみであるならば、同じ道路の箇所に複数の種類の画像を関連付けて管理することができないか、種類ごとにデータベースを構築する必要がある。たとえば、見せる対象によっては、画像を撮影した季節や時間帯が重要になることがある。たとえば、観光ルートにおいて、春・夏・秋・冬の各シーズンに撮影した画像を格納する場合がある。
【0133】
このような場合でも、図15に示すように、1つのリンクキーIDに対して複数の実撮影キーIDを関連付けているので前述の場合を解決できる。
【0134】
つまり、多次期、季節別の画像を管理するシステムとしては、時空間型地理情報システムがあるが、これはある時間断面におけるバージョンを表示するものである。そのため、たとえば複数年にわたって撮影した画像の中から特定の季節(たとえば秋)の画像のみをみることが可能になる。
【0135】
また、広い道路については、沿線を撮影するために往復走行することが必要となる場合があり、往復走行して得た画像について、道路に対しての走行方向を管理できるようになる。
【0136】
撮影計画後は、撮影が予定されるリンクに対して、リンクキーID,撮影計画キーID,使用が予定されるカメラ情報キーIDなど、実撮影に関連しない項目のみが設定されたレコードが記録される。この際、作業進捗コードは未撮影となる。
【0137】
撮影後は、実撮影キーID,撮影日時、撮影に使用したカメラ情報キーIDが格納され、作業進捗コードが更新される。
【0138】
つまり、リンク関連情報データベース54は、図15の斜線部に示すように、同じリンクキーIDを持つレコードを複数持つことができるテーブルになっている。このため、一つのリンクキーIDに対して複数の撮影結果を格納することが可能である。
【0139】
物理画像データベースには、図16に示すように、収集画像データベース55と収集画像属性情報データベース56が属する。
【0140】
収集画像データベース55は、実際に時系列的に撮影された一連の画像とともに、各画像の収集に使われた撮影カメラ情報(カメラ情報キーID)と、撮影年月日、撮影時刻も記録される。
【0141】
収集画像属性情報データベース56は、撮影時の位置、撮影時の速度、撮影方向、撮影時刻(GPS時刻)、撮影カメラなどの情報が格納される。
【0142】
収集画像データベース55の情報と収集画像属性情報データベース56の情報は、それぞれ時刻情報を持つので、その時刻情報によって、互いに関連付けられる。
【0143】
なお、本発明の実施の形態では、上記のデータベースを記憶する記憶装置50を1台のみ図示しているが、記憶装置50を1台に限定するものではない。物理画像データベース50bは、大量の画像データを格納するために、画像情報データベース50aとは物理的に異なる記憶媒体に格納しても構わない。実際には、100ギガバイト以上の大容量ハードディスクに分割して格納される。
【0144】
本発明の実施の形態におけるデータベース構造では、一つのリンクに対して複数時期の画像を同時に蓄積することができる。
【0145】
次に、本発明の実施の形態による地理情報関連付き画像データ管理システムにおける手順を図18、図19及び図20のフローチャートを用いて説明する。
【0146】
(データの登録)
ステップS100:画像データ管理サブシステム40の管理手段43によって、外部の道路ネットワークデータf0からリンク情報をグラフ構造データベース51に登録する。
【0147】
(撮影計画)
ステップS101:画像データ管理サブシステム40の撮影計画手段41の画面表示部411によって、グラフ構造データベース51のリンク情報から、リンクのグラフ構造を表示する。
【0148】
ステップS102:画像データ管理サブシステム40の撮影計画手段41のリンク選択部412によって、表示されたリンクのグラフ構造から、撮影対象とするリンクを選択する。
【0149】
ステップS103:画像データ管理サブシステム40の撮影計画手段41のカメラ情報入力部414によって、撮影に使用するカメラに関する情報をカメラ情報データベース52に登録する。
【0150】
ステップS104:画像データ管理サブシステム40の撮影計画手段41の撮影計画情報入力部413によって、抽出した撮影対象リンクについて、撮影計画を立案し、計画・実撮影情報データベース53に入力する。
【0151】
ステップS105:画像データ管理サブシステム40の撮影計画手段41の撮影情報エクスポートファイル作成部415によって、撮影計画情報d0を撮影情報エクスポートファイルf3に出力する。
【0152】
(撮影実施)
ステップS106:画像撮影サブシステム20に撮影情報エクスポートファイルf3の情報の中のリンク形状を読み込み、撮影すべきリンクを表示する。
【0153】
ステップS107:実際に移動手段(車両21)によってリンクの道路を走行しながら、画像を撮影し、画像撮影サブシステム20の画像データ収集手段24によって、撮影時刻を付与した収集画像データd1を収集する。
【0154】
ステップS108:また、画像撮影サブシステム20の位置データ収集手段25によって、GPS時刻を付与した収集画像属性情報d2を収集する。
【0155】
ステップS109:画像撮影サブシステム20は、収集画像データd1と収集画像属性情報d2を実撮影結果情報とともに一次撮影情報インポートファイルf1に出力する。
【0156】
(画像データ編集)
ステップS110:画像データ編集サブシステム30に、撮影情報エクスポートファイルf3と一次撮影情報インポートファイルf1を入力する。
【0157】
ステップS111:実撮影管理情報を登録する。
【0158】
ステップS112:画像データ編集サブシステム30の地図データ表示手段31によって、地図データを表示する。
【0159】
ステップS113:画像データ編集サブシステム30の画像データ表示手段32によって、地図データ上で指定したリンクについて収集された画像を表示する。
【0160】
ステップS114:表示された収集画像データd1や、その収集画像属性情報d2から時刻情報を得て、画像データ編集サブシステム30のリンク始終点通過時刻登録手段33によって、該当リンクの始点と終点の通過時刻を記録する。
【0161】
ステップS115:さらに、画像データ編集サブシステム30の画像間引き手段34によって、必要に応じて、収集画像データd1から画像を間引き、データ量を削減する。
【0162】
ステップS116:編集を終えた情報を二次撮影情報インポートファイルf2に出力する。
【0163】
(情報記録・更新)
ステップS117:画像データ管理サブシステム40に、二次撮影情報インポートファイルf2の情報を入力する。
【0164】
ステップS118:画像データ管理サブシステム40の撮影情報取り込み手段42によって、実撮影情報データを計画・実撮影情報データベース53に記録する。
【0165】
ステップS119:画像データ管理サブシステム40の撮影情報取り込み手段42によって、リンク関連情報データベース54の情報を更新する。
【0166】
(データ抽出)
ステップS120:画像データ管理サブシステム40のデータ抽出手段44によって、利用者の要求条件に従って、リンク関連情報データベース54の情報を元に収集画像データベース55からデータを抽出し、リンク情報とともに、切り出し画像データf4として出力する。
【0167】
(表示)
ステップS121:地理情報関連付き画像データ表示システム100は、切り出し画像データf4と市販の地図データによって、地図と指定したリンク(道路)の周辺画像を表示する。
【0168】
切り出し画像データf4を表示するために、地理情報関連付き画像データ表示システム100は、図1に示したように、地図表示手段101、撮影位置表示手段102、撮影画像表示手段103、経路探索連動手段104、画像検索手段105、及び地図データ108と切り出し画像データf4を格納する記憶装置106から構成されるのが好ましい。
【0169】
以上に説明した本発明の実施の形態による地理情報関連付き画像データ管理システムによって、前述した課題が解決される。
【0170】
すなわち、撮影サブシステムと連携していることで、どの地区が未撮影であるか、どの程度撮影が進んでいるかといった情報を管理することができる。
【0171】
また、道路などのグラフ構造データから必要な部分を切り出した撮影計画を作成できるので、その撮影計画に基づいて、複数の車両を用いて撮影作業を平行して行えるようになり、広域の画像を大量に収集することができる。
【0172】
カメラ情報データベースとして撮影に使用したカメラ情報(カメラの撮影高さやカメラそのものの識別番号、各識別番号のカメラのキャリブレーション情報)を一元的に管理しているので、撮影した画像を用いて後から計測を行うことができる。
【0173】
リンク関連情報データベースのデータ構造により、実際に撮影した画像を、Y字路や5差路以上の交差点、立体交差などがある複雑な道路ネットワークデータなどのグラフ構造を持つ地図情報と関連付けて管理することができる。
【0174】
また、同じリンクに複数の種類の画像を関連付けて管理することができるため、撮影した季節や時間帯が異なる画像を利用者の要求に合わせて提供できる。
【0175】
さらに、実際に画像データを利用者に提供する場合、広域にわたり撮影された画像データ全体から必要なデータを、次の条件を指定して切り出すことができる。
【0176】
・地理空間的な切り出し(地理メッシュや行政区域による切り出し)
・リンクの種別による切り出し(道路種別・道路幅等)
・画像の撮影時期による切り出し
本発明の実施の形態を説明するために各図において示した各サブシステムの手段や保持するデータの配置は、あくまでも例示であって、本発明の機能を実現するために限定したものでない。よって、本発明の機能が実現可能な範囲において、種々の処理手段の配置の組み合わせが考え得ることは言うまでもない。
【0177】
以下に本実施の形態の説明を補充する。
【0178】
データの管理を整合性を有してかつデータ量を少なくして一般的なパソコンでも撮影位置のパノラマ画像を表示可能な形式で管理している画像データ管理サブシステム40について説明を補充する。
【0179】
この説明にあたっては、画像撮影サブシステム20及び画像データ編集サブシステム30で得られる一次撮影情報インポートファイルf1、二次撮影情報インポートファイルf2、切り出し画像データf4等について説明を補充する。
【0180】
実際に画像データを利用者に提供する場合、広域にわたり撮影された画像データ全体から必要なデータを切り出すことが必要である。切り出しの条件としては、次のことが選択できることが必要である。
【0181】
・ 地理空間的な切り出し(地理メッシュや行政区域による切り出し)
・ リンクの種別による切り出し(道路種別・道路幅等)
・ 画像の撮影時期による切り出し
さらに、大量の画像を管理する場合、画像の容量を少なくするために、画像を途中で間引いたり、画像サイズを小さくしたりする必要性が生じる。画像データを物理的に変換した場合も、画像データベースとして整合性を保つことが必要である。
【0182】
図1に示すように、一次撮影情報インポートファイルf1には撮影計画手段41が生成した撮影計画が記憶される。
【0183】
映像情報をあらかじめ広範囲かつ大量のデータを収集しておけば、利用者指定する範囲や位置に応じて、迅速に提供することができるというビジネスモデルが構築できる。また、新規に撮影する場合も、既に収集したデータと同様の管理を行えば、要求に応じて簡単に再利用することが可能となる。
【0184】
更に、同じ箇所を1回の撮影だけでなく、複数の時期に撮影したものを利用することができれば、利用者の希望する状態の画像、たとえば季節や時刻などを指定した画像の提供が可能になる。たとえば、撮影年度の異なる画像が利用できれば、特定の地区の経年変化を調査することが可能となる。また、「桜の時期の画像がみたい」「紅葉時の画像がみたい」といった、街並みや観光道路などを利用者の見たい状態で見ることが可能となる。
【0185】
広い道路の場合は、走行路線に近い側の建物はよく映るが、対向車線側の建物はあまりよく映らない場合がある。すなわち、沿線の画像をよりよく表現するために往復撮影する必要が生じる。往復撮影した場合も、走行方向とともに上記複数時期撮影の場合と同様に管理すればよい。
【0186】
しかしながら、走行しながら一定時刻毎に画像を撮影した場合は、大量に画像を取得することになり、その結果大容量のデータベースが必要となる。
【0187】
また、地図上の道路から見た画像を速く得て、地図と連動表示させたいという要望がある場合は、例え広いエリアであっても敏速に画像を取得する必要がある。このような場合には、多数の車輌で撮影する場合もある。従って、同じ場所を撮影しないように撮影計画を立てることになる。
【0188】
(画像データ収集の課題)
つまり、無計画で道路走行や上空飛行によって撮影して収集する画像データの量は大量になるため、撮影システムとの連携が必要なってくる。特に、どの地区が未撮影であるか、どの程度撮影が進んでいるかといった情報を得られることが重要である。また、広域の画像を大量に収集する場合、複数の車両を用いて撮影作業を平行して行う必要がある。このため、道路などのグラフ構造データから必要な部分を切り出した撮影計画を作成し、それに従って画像を収集する。
【0189】
また、撮影した画像を用いて後から計測を行いたい場合、例えばステレオ画像計測や単写真による簡易計測等を行う場合は、実際に撮影されたカメラ情報、すなわちカメラの撮影高さやカメラそのものの識別番号、各識別番号のカメラのキャリブレーション情報が画像とともに管理されており、参照できることが必要である。
【0190】
広域にわたる大量の画像を撮影する場合は、一つのカメラシステムだけではなく、複数のカメラシステムを利用する場合も生じるため、撮影に使用したカメラ情報も一元的に管理する必要が生じる。
【0191】
このため、画像データ管理サブシステム40は、管理手段43、撮影計画手段41を備えている。
【0192】
撮影計画手段41は、図8に示すように、画面表示部411とリンク選択部412と撮影計画情報入力部413とカメラ情報入力部414と撮影情報エクススポートファイルf3等を備える。
【0193】
図8の画面表示部411は、記憶装置50に記録されている、指定されたエリアのグラフ構造(道路)のノードおよびリンクを全てコンピュータの画面に表示する。
【0194】

リンク選択部412は、画面表示部411によって表示されたリンクの内、撮影を計画するリンクを選択させて決定させる。リンクの選択方法としては、画面上のマウス操作による矩形領域指定、ポリゴン領域指定など位置による選択、道路幅や種別などグラフ構造情報に含まれる属性情報による選択、および位置と属性情報による複合選択がある。
【0195】
例えば、ある市町村の県道を抽出する場合、県道のみを予め属性情報による選択で抽出しておき、その後に市町村境をポリゴン指定で指定すれば目的が達成される。
【0196】
このとき、カメラ情報入力部414は、入力された撮影に用いるカメラの情報を、カメラ情報データベース52として記憶装置50に記録する。この際、自動または任意に指定したカメラ情報キーIDを付与して、個々のカメラ情報を識別できるようにする。
【0197】
撮影計画情報入力部413は、撮影地区(リンク選択部412で選択されたリンク群)、撮影開始予定日、撮影作業者、使用するカメラのカメラ情報キーIDなど、入力された撮影計画の情報を計画・実撮影情報データベース53として記憶装置50に記録する。この際、自動または任意に指定した撮影計画キーIDを付与して、個々の撮影計画を識別できるようにする。
【0198】
撮影計画を自動的に生成する場合は、作成日時とカメラ情報キーIDを組合せたものなどにしてIDの重複が起こらないようにする。
【0199】
一方、既に撮影が行われたリンク、ノードについては色を異ならせてコンピュータ画面に表示させている。
【0200】
従って、コンピュータ画面を見てどのリンクが撮影されていいないかあるいは撮影の結果がわかる。
【0201】
撮影情報エクスポートファイル作成部415は、リンク選択部412で選択されたリンクと撮影計画情報入力部413で入力された情報を組合せ、リンク関連情報として、記憶装置50内のリンク関連情報データベース54に記録する。この段階では、さらにリンク関連情報と、グラフ構造データベースに記録されたリンク形状を撮影情報エクスポートファイルf3として、携帯型記憶媒体に出力する。
【0202】
すなわち、図14に示す撮影計画情報d0(撮影計画キーID、撮影地区情報(対象リンクキーID)、作業予定者、撮影予定カメラ情報キーID、撮影予定日等)が撮影情報エクスポートファイルf3として携帯型記憶媒体に出力する。撮影が終わっている場合は実撮影キーID、撮影結果を付加する。この撮影結果は、正常に撮影されたか否かを示す。
【0203】
一方、撮影情報取り込み手段42は、図9に示すように、実撮影管理情報記録部421と画像データ記録部422からなる。
【0204】
実撮影管理情報記録部421は、画像データ編集サブシステム30から二次撮影情報インポートファイルf2として入力された、撮影時の撮影者などの実撮影管理情報d4(実撮影キーID、撮影地区情報(対象リンクキーID)、作業実施物、撮影実施カメラ情報キーID、撮影実施日、撮影結果等)を、実撮影キーIDを付与して計画・実撮影情報データベース53に記録している。
【0205】
前述の二次インポートファイルf2は、各代表撮影地点の収集画像データd1、収集画像属性情報d2、実撮影結果情報d3、実撮影管理情報d4等からなる。
【0206】
この二次撮影撮影情報インポートファイルf2に記憶される情報は画像データ編集サブシステム30によって得られている。
【0207】
これらのファイルは画像表示システムによって用いられる。画像表示システムの概略を説明する。
【0208】
前段として、一次撮影情報インポートファイルf1、二次撮影情報インポートファイルf2、切り出し画像データf4等について説明を補充する。
【0209】
一次撮影情報インポートファイルf1には、時刻付きの画像収集データd1及び収集画像属性情報d2が含まれている。この収集画像属性情報d2は、GPSから得られる位置情報(座標)、車速センサから得られる車速情報、ジャイロから得られる加速度情報や方位情報、GPSの時刻等からなる。
【0210】
撮影位置表示手段102は、切り出しデータf4の収集画像属性情報d2を読み込み、この時系列情報(画像取得座標)を、図22に示すように記号(例えば丸印:以下撮影位置)でネットワークデータ上(道路)に表示することが可能である。
【0211】
このときの道路は、撮影情報エクスポートファイルf3に含まれる地図データのネットワークデータを用いている。
【0212】
図23を用いて説明する。図23(a)は、車が速くなったりおそくなったりしながら一定時間間隔で撮影されたとき撮影位置を示している。
【0213】
図23(b)は、このときの一次撮影情報インポートファイルf1に記憶されている一定間隔で撮影された収集画像データd1(撮影時刻付き)を距離軸(座標)に配列したことを示している。
【0214】
この配列は、図1の地図データ表示手段31が例えば収集画像データd1の時刻を有する収集画像属性情報d2の画像取得座標を読み込み、この画像取得座標を距離軸(X−Y座標系で定義されたメモリ)に割付ける。
【0215】
このとき、画像間引き手段34が関与している。
【0216】
画像間引き手段34は、図23(c)に示すように、人間の視覚上問題のない程度の間引き間隔d(距離:例えば1m)を撮影開始点から順次、距離軸に設定し、この間引き間隔d毎に、図23(b)の距離軸に対して垂線を引いたときに、収集画像データd1の画像取得座標(撮影位置)が存在するかどうかを判断し、存在する場合はその画像取得座標(撮影位置)を図23(d)に示すように距離軸に代表撮影地点(単純に撮影位置ともいう)として割付けると共に、この割付けられた画像取得座標(撮影位置)に関連する収集画像データd1及び収集画像属性情報d2のみを抽出して二次撮影情報インポートファイルf2に記憶する。
【0217】
この抽出は例えば時刻をキーとして抽出する。すなわち、図23(b)の太線(代表撮影地点)の個所の収集画像データd1及び収集画像属性情報d2のみが抽出される。
【0218】
一方、リンク始終点通過時刻登録手段33は距離軸に代表撮影地点が定義されると、これらの代表撮影地点の位置情報を有する収集画像属性データd2の時刻を有する実撮影結果情報d3を撮影情報エクスポートファイルf3から抽出して二次撮影情報インポートファイルf2に記憶することで得ている。
【0219】
そして、画像データ管理サブシステム40は図1に示すように撮影情報取り込み手段42を備え、この撮影情報取り込み手段42は、実撮影管理情報記憶部421、画像データ記憶部422等を備え、実撮影管理情報記憶部421によって、代表撮影地点の画像取得座標(撮影位置)を有する収集画像属性データd2の時刻を有する実撮影管理情報d4(撮影地区情報、作業実施者情報等)、各代表撮影地点の収集画像データd1、収集画像属性情報d2、実撮影結果情報d3等が取り込まれて画像情報データベースに記憶される。
【0220】
このとき、実撮影管理情報d3に実撮影キーIDを付与して計画・実撮影情報データベース53に記録する。
【0221】
さらに、画像データ記録部422は、二次撮影情報インポートファイルf2の収集画像データd1と収集画像属性情報d2を、それぞれ収集画像データベース55と収集画像属性情報データベース56に記録する。また、実撮影管理情報d4は計画・実撮影情報データベース53に記憶される。
【0222】
さらに、図1に示すデータ抽出手段44は、図11に示すように、抽出条件入力部441、グラフ構造情報抽出部442、リンク関連情報抽出部443、収集画像データ抽出部444、及び収集画像属性情報抽出部554からなり、
抽出条件入力部441は、データベースから抽出するための条件を入力する。条件としては、位置的条件とリンク属性的条件と撮影属性条件がある。位置的条件は空間的な切り出し条件とも称し、画面上のマウス操作やファイル読み込みから得られるによる矩形領域やポリゴン領域等があり、この領域内の各種情報(画像ファイル、属性情報等)を切り出し画像データと称している。
【0223】
また、リンク属性的条件とは、道路幅や種別などグラフ構造情報に含まれる属性情報の指定がある。また、撮影属性条件は撮影日や撮影時間帯などの指定がある。
【0224】
グラフ構造情報抽出部442は、グラフ構造データベース51から、抽出条件入力部441で入力された位置的条件及びリンク属性的条件に適合するリンクを抽出する。
【0225】
さらに、抽出されたリンクIDとその両端のノードIDを調べ、各ノードに接続するリンクIDをリストアップし、切り出し画像データのリンクのグラフ構造情報として格納する。
【0226】
リンク関連情報抽出部443は、上記で抽出されたリンクのIDに対応するリンクについて、リンク関連情報データベース54から抽出する。さらに、その中から抽出条件入力部441で入力された撮影属性条件に適合するリンクの情報を抽出する。
【0227】
収集画像データ抽出部444は、収集画像データベース55から、抽出条件入力部441で入力された条件に適合する情報を抽出する。
【0228】
収集画像データ抽出部444は、収集画像データベースから上記で抽出された各リンク関連情報に記憶されている撮影年月日に、カメラ情報キーIDで撮影された画像を検索する。さらにその中から、視点通過時刻と終点通過時刻の間に撮影された画像を抽出し、画像ファイルとして切り出し画像データ内の画像ファイルとして格納する。
【0229】
また、画像取得リンクID、撮影開始側のノードID、撮影集両側のノードID、撮影順番を切り出し画像データ内の画像ファイル属性情報として格納する。
【0230】
収集画像属性情報抽出部445は、収集画像属性情報データベース56から、抽出条件入力部441で入力された条件に適合する情報を抽出する。
【0231】
つまり、上記で抽出された画像ファイルに対応する画像取得座標、画像取得方位などの情報を抽出し、切り出し画像データ内の画像ファイル属性情報画像ファイル属性として格納する。
【0232】
すなわち、データ抽出手段44は切り出し条件(領域:エリア)の図23(d)に示す代表撮影地点に対応する全ての切り出し画像データf4(グラフ構造情報、リンク関連情報、画像ファイル、画像ファイル属性情報・・)を記憶装置106に記憶する(図23(f)参照)。
【0233】
前述のリンク関連情報は、図15に示すように、リンクキーIDと撮影計画IDと実撮影キーIDと作業進捗コードと撮影日とカメラ情報キーIDと始点通過時刻と終点通過時刻と保管場所などからなる。
【0234】
例えば、図15(表示していずれかのレコードを選択させてもよい)においては、リンクキーIDが「1」「2」「3」「3」「4」「5」「6」となっており、一つのリンクに二種類の画像があることを示している(「3」が2つ)。
【0235】
また、リンクキーIDが「3」とされたレコードには、実撮影キーが「4」とされているものがある。これは、撮影年月日、時刻等が相違していることを示している。
【0236】
また、リンクキーIDが「5」のレコードに実撮影キーIDの欄が空白のものがある。これは未撮影を示す。
【0237】
すなわち、リンク関連情報データベースのテーブルを読み込めば、撮影されていないリンクがあるか、またはリンクに多数の画像があるかが分かる(例えば四季に応じて)。
【0238】
つまり、本実施の形態は、リンクに撮影日が異なる多数の画像があったとしてもリンクキーIDは一つである。
【0239】
前述のこの切り出し画像データf4を用いて以下に説明するようにして、地図、画像ファイルを地理情報関連付き画像データ表示システム100が表示する。
【0240】
図24は地理情報関連付き画像データ表示システム100をより具体的にした構成図である。
【0241】
図24に示すように、地理情報関連付き画像データ表示システム100は、記憶装置106、地理表示手段101、撮影位置表示手段102、撮影画像表示手段103の他に、進行方向印表示手段107、地図上撮影方向表示手段110、注記データ・登録表示手段109等を備えている。
【0242】
前述の記憶装置106には地図データ108及び切り出し画像データf4の他に注記データ関連情報f6等が記憶されている。
【0243】
この注記データ関連情報f6は注記データ・登録表示手段109によって予め登録しておくことが好ましい。
【0244】
前述の地図データ108は、階層構造にされているのが好ましい。例えば背景地図の界、ネットワーク情報の界、注記データの界、地図記号データの界等の階層構造とされている。そして、注記データは、地物の名称であり、この名称が注記データの界の座標に関連付けられている。
【0245】
さらに、記憶装置106には切り出し条件の領域内の複数の切り出し画像データf4が記憶されている。これらの切り出し画像データf4にはIDコードが付与されているのが好ましい。また、より具体的には、図25に示すデータの構成となっている。
【0246】
さらに、物理画像データベースは、より具体的には図26に示すデータ構成となっている。
【0247】
地理表示手段101は、切り出し条件の領域が入力されると、この領域内の背景地図、ネットワーク情報、注記データ、地図記号を重ね表示する。このとき、ネットワークデータの道路の近傍の注記データのみを抽出して表示させてもよい。
【0248】
注記データ・登録表示手段109は、図27に示すように、注記データをコンピュータ画面の画像に表示する機能を有している。
【0249】
この注記データの表示を実現させるために注記データ・登録表示手段109は、地図データの注記データの座標(例えば注記データの中央の文字の座標)から一定距離内に存在する画像取得座標を検索し、これらの画像取得座標のうちで、注記データに最も近い画像取得座標を検索する。そして、この画像取得座標を有する切り出し画像データのIDを、その注記データ及び注記データの座標等と共に注記データ関連情報f6として記憶装置106に予め登録する。
【0250】
例えば、図28(a)に示すように、ネットワークデータf0が道路の場合に、画像取得座標がGa、Gb・・・と存在し、注記データがCa、Cb・・・と存在する場合は、注記データCa、Gb・・・の座標に最も近い距離にある画像取得座標を有する切り出し画像データを順次検索する。そして、検索した切り出し画像データの画像取得座標から注記データの座標に対する方位を、それぞれ求める。この方位はカメラ中心から何度θkになるかで示す。
【0251】
そして、注記データ、Gb・・・毎に、最も近い画像取得座標を有する切り出し画像データのIDを対応させると共に、方位θk及び画像取得座標等を対応させる(図28(b))。
【0252】
このIDにリンク付けされている画像ファイルの画像は、360度のパノラマ画像であり、カメラ中心に対応する画像の中心位置はカメラ中心(0度)である。このカメラ中心からθkの方位で、目線の高さとなる位置に注記データの画像上の座標を求める。つまり、注記データを表示させるための界(X−Y座標系:パノラマ画像の座標系に対応する)を定義したメモリを備え、このメモリ上の注記データの座標(画像上の注記データ表示位置という)を定義する。
【0253】
すなわち、注記データ関連情報f6は、近接の切り出し画像データのIDと注記データ表示位置と方向(θk)と注記データの文字等からなる。
【0254】
地理情報手段101は、入力された切り出し条件の領域に対応する地図データを記憶装置106から読み出して、コンピュータ画面に表示する。この地図データは、背景地図、ネットワーク情報(何故地図データに必要か)、注記データ、地図記号データ等からなる。
【0255】
撮影位置表示手段102は、記憶装置106に保存されている全ての切り出し画像データf4の画像取得座標を抽出し、この座標に対応する画面の地図上の位置(例えば道路)に画像取得座標(撮影位置)を示す記号(撮影位置記号という)を表示させる(図27を参照)。
【0256】
すなわち、切り出し条件の領域に存在する全ての撮影位置記号が表示されることになるからオペレータは、地図上のどこに画像があるかを一目で判断できる。
【0257】
そして、これらの撮影位置記号のいずれかをオペレータがマウス等で指定すると、撮影位置表示手段102は、その指定された撮影位置記号を別の記号で表示する(例えば十字、二重丸、異なる色)。
【0258】
地図上撮影方向表示手段110は、画面の地図上の撮影位置記号が指定されると、この撮影位置記号に対応する座標を有するリンク情報(リンク、交差点ID、座標、接続リンクID等)を記憶装置106から検索し、検索したリンク情報に交差点IDが含まれているかどうかを判定する。
【0259】
交差点IDが含まれている場合は、交差点と判定する。交差点と判定した場合は、交差点IDに関連付けられている接続リンクIDを読み込むと共に、撮影位置記号に対応する画像取得座標に関連付けられている画像取得方位(カメラの中心軸方向の方位)を読み込む。
【0260】
そして、交差点の座標から検索した接続リンクIDのリンクの始点から終点を読み込み、交差点に接続する全てのリンクの方位Hi(3差路又は4差路、・・)を求め、これらの方位に従って、リンクに矢印を表示する(図22参照)。
【0261】
一方、撮影画像表示手段103は、コンピュータ画面の撮影位置記号が選択されると、この撮影位置記号の画像取得座標を有する切り出し画像データの画像ファイルを抽出し、この画像ファイルからオペレータが入力した表示範囲の画像を画面に表示する。
【0262】
前述の切り出し画像データの画像ファイルは、360度のパノラマ画像である。このため、オペレータは、例えば撮影方向を中心として左右50度程度の表示範囲を指定する。
【0263】
この表示範囲の画像ファイルの画像をコンピュータ画面に表示すると共に、表示範囲及び撮影方向を地図上撮影方向表示手段110に知らせる。
【0264】
地図上撮影方向表示手段110は、撮影方向と表示範囲が知らせられると、コンピュータ画面の地図上の画像取得座標(撮影位置)から撮影方向を中心として表示範囲(撮影方向から左右50度)の角度方向にポリゴンを生成し、このポリゴンをコンピュータ画面の画像に重ね表示させる(図22参照)。
【0265】
また、進行方向印表示手段107は、交差点からの撮影方向の撮影範囲に含まれる接続リンク(道路)の方位を求める。
【0266】
この接続リンクの方位は、角度で定義される。例えば、図29(a)に示すように、撮影方位をカメラ中心(0度)にした場合は、カメラ中心から道路kaの中心線の方位はθpであり、道路kbの中心線の方位はθiで定義できる。
【0267】
このθpの方位とθiの方位を表示範囲の中心(0度)から定め、目線の位置当たりとなる画面上の位置に三角形のポリゴン(透けている)を三次元的に表示する(図29(c))。
【0268】
このポリゴンが選択すると、その選択方向の道路の撮影位置の画像ファイルを撮影画像表示手段103が順次抽出して表示範囲に従って表示する。
【0269】
一方、注記データ登録・表示手段109は、指定の注記(○○マンション、○○病院、○○市役所・・)を読み、画像取得座標(撮影位置)にきたときに、この撮影位置から一定距離内の最も近い注記データを地図データから抽出する。画像取得座標にきたときとは、画像のスクロールボタン又は再生ボタンが押されている間は、画像ファイルの画像を1コマ毎にカウントする(例えば1カウント当たり1m)。このカウント値に対応する取得座標に関連する画像ファイルを引き当てて表示する。
【0270】
次に、抽出した注記データをコンピュータ画面の画像に表示する。
【0271】
この注記データの表示は、コンピュータ画面の道路上の撮影位置記号が撮影位置に移動してきたとき、この画像取得座標(撮影位置)を有する注記データ関連情報f6を引当る。そして、引き当てた注記データ関連情報f6の注記データ表示位置及び方向に従ってコンピュータ画面上に注記データの文字列を表示する(図27参照)。
【0272】
従って、コンピュータ画面を見ているだけで、目的のものを直ぐに見つけることができる。
【0273】
<他の実施の形態>
本実施の形態は、道路を走行しながら街並みを撮影した場合は、顔、ナンバープレート等のプライバシィーに関する画像も写る。
【0274】
本実施の形態は、プライバシィーに関する画像については、判別ができないようにした切り出し画像f4で提供する。
【0275】
図30は他の実施の形態の概略構成図である。図30においては図1と同様な部分については説明を省略し、またプライバシィーに関する画像は顔として説明する。
【0276】
本実施の形態は画像加工サブシステム60を備え、画像加工サブシステム60は顔位置矩形範囲特定手段130と顔位置矩形範囲加工手段131等を備えている。
【0277】
つまり、プライバシーを考慮することを目的として、画像内の顔が写っている部分を特定し、顔が判別できないように画像を加工する画像加工サブシステムを有する。
【0278】
図31は画像加工サブシステム60の詳細構成図である。図31に示すように、顔位置矩形範囲特定手段130は、画像読み込み手段130aと矩形範囲抽出手段130bを備えている。
【0279】
顔位置矩形範囲加工手段131は、画像読み込み手段131aと局所フィルタ処理131bと画像格納手段131cとを備えている。
【0280】
顔位置矩形範囲特定手段131の画像読み込み手段130aは、切り出し画像データf4に含まれる画像ファイルの各々を読み込み、顔がある位置を特定する。具体的な特定方法としては、画像ファイルをコンピュータのモニター上に表示し、オペレータがマウスクリックなどによって顔が含まれる位置を画像上の矩形範囲で指定するマニュアル処理による方法、もしくは顔認識ソフトウェアで画像ファイルを処理し、顔が含まれる矩形範囲を自動的に抽出する自動処理による方法のいずれかもしくは両方を利用する。
【0281】
矩形範囲は、矩形範囲の左上座標と矩形サイズの組み合わせで表現され、複数の顔画像が存在する場合は、矩形範囲抽出手段130bによって矩形範囲も複数抽出される。
【0282】
次に、顔位置矩形範囲加工手段131は、前記で特定した矩形範囲132について、局所的に画像を加工する手段である。具体的には、切り出し画像データf4に含まれる画像ファイルの各々を画像読み込み手段131aが読み込み、ガウスフィルタなど画像をぼかす局所フィルタ処理131bを上記矩形範囲132に対して加工し、画像格納手段131cが加工した結果を切り出し画像データf4に含まれる画像ファイルに格納する。
【0283】
なお、画像データ管理サブシステムは、画像データを配布もしくはインターネット経由で配信する場合、人間の顔などの肖像権に関するプライバシーを考慮することを目的として、画像を加工する画像加工サブシステムを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0284】
【図1】地図情報関連付け画像データ管理システムと表示システムの構成図である。
【図2】画像撮影サブシステムの構成図である。
【図3】画像データ編集サブシステムの構成図である。
【図4】地図データ表示手段により表示される地図である。
【図5】画像データ表示手段路面により表示される画像である。
【図6】画像間引き手段による画像間引きの方法を示す図である。
【図7】画像データ管理サブシステムの構成図である。
【図8】撮影計画手段の構成図である。
【図9】撮影情報取り込み手段の構成図である。
【図10】管理手段の構成図である。
【図11】データ抽出手段の構成図である。
【図12】グラフ構造データベースの構造図である。
【図13】カメラ情報データベースの構造図である。
【図14】計画・実撮影情報データベースの構造図である。
【図15】リンク関連情報データベースの構造図である。
【図16】物理画像データベースの構造図である。
【図17】グラフ構造を持つ地物を示す図である。
【図18】実施の形態による地理情報関連付き画像データ管理システムにおける手順を説明するフローチャートである。
【図19】実施の形態による地理情報関連付き画像データ管理システムにおける手順を説明するフローチャートである。
【図20】実施の形態による地理情報関連付き画像データ管理システムにおける手順を説明するフローチャートである。
【図21】実施の形態による地理情報関連付き画像データ管理システムにおける手順を説明するフローチャートである。
【図22】撮影位置及び対応する画像同時表示する説明図である。
【図23】本実施の形態の間引きと、撮影位置の表示、切り出しデータの登録の説明図である。
【図24】地理情報関連付き画像表示システム100をより具体的にした構成図である。
【図25】切り出し画像データのより具体的な構成を説明する説明図である。
【図26】物理データベースのより具体的な構成を説明する説明図である。
【図27】地図情報関連付け画像表示システムの注記オーバレイ表示の説明図である。
【図28】注記データの画像への表示を説明する説明図である。
【図29】進行方向表示手段を説明する説明図である。
【図30】他の実施の形態の地理情報関連付き画像データ管理システムの概略構成図である。
【図31】画像加工サブシステムの詳細構成図である。
【符号の説明】
【0285】
10 地理座標関連付き画像データ管理システム
20 画像撮影サブシステム
21 車両(移動手段)
22 画像センサ
23 ハイブリッド型位置センサ
24 画像データ収集手段
25 位置データ収集手段
30 画像データ編集サブシステム
31 地図データ表示手段
32 画像データ表示手段
33 リンク始終点通過時刻登録手段
34 画像間引き手段
40 画像データ管理サブシステム
41 撮影計画手段
42 撮影情報取り込み手段
43 管理手段
44 データ抽出手段
50 記憶装置
50a 画像情報データベース
50b 物理画像データベース
51 グラフ構造データベース
52 カメラ情報データベース
53 計画・実撮影情報データベース
54 リンク関連情報データベース
55 収集画像データベース
56 収集画像属性情報データベース
100 地理情報関連付き画像データ表示システム
101 地図表示手段
102 撮影位置表示手段
103 撮影画像表示手段
104 経路探索連動手段
105 画像検索手段
106 記憶装置
108 地図データ
d0 撮影計画情報
d1 収集画像データ
d2 収集画像属性情報
d3 実撮影結果情報
f1 一次撮影情報インポートファイル
f2 二次撮影情報インポートファイル
f3 撮影情報エクスポートファイル
f4 切り出し画像データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動手段に、画像センサを固定し、地図の路線ネットワークに基づいて前記移動手段の移動と共に前記画像センサで撮影した画像データを一定時間毎に収集し、これを前記路線ネットワークに関連付けて管理する地図情報関連付け画像データ管理システムにおいて、
リンク構造の前記路線ネットワークを記憶するグラフ構造データベースと、前記画像センサの情報を記録するカメラ情報データベースと、前記移動手段による前記路線ネットワークの撮影計画の情報及び前記路線ネットワークを実際に撮影した実撮影情報を記録する計画・実撮影情報データベースと、前記画像センサによって取り込まれた前記一定時間毎日の周辺画像データ及び該画像の撮影位置座標を座標計測時刻とともに収集画像属性情報として記録する集画像・属性情報データベースと含む記憶装置と、
前記撮影時刻及び前記座標計測時刻から前記地図リンクの始点及び終点の通過時刻を記録するリンク始終点通過時刻登録手段と、一定の走行距離を基準にして前記一定時間毎に収集された複数の周辺画像データから前記一定の走行距離毎の画像のみを抽出して他の画像データを間引き、データ容量を低減させる画像間引き手段を含む画像データ編集サブシステムと、
前記路線ネットワークごとに各データベースの各情報を撮影時刻及び該各情報に付与したそれぞれのIDコードで関連付けた管理情報を備えた管理手段と、前記路線ネットワークのID及び前記撮影時刻が入力されたとき、このID、撮影時刻を含む前記管理情報を引当て、該引き当てた管理情報に関連付けられている前記各データベースの各情報を前記記憶装置から出力するデータ抽出手段とを含む画像データ管理サブシステムと
とを有することを特徴とする地図情報関連付け画像データ管理システム。
【請求項2】
前記画像データ編集サブシステムは、前記一定間隔の走行距離に一致する画像データが存在しない場合は、該一定間隔の走行距離に最も近い画像データを抽出することを特徴とする請求項1に記載の地図情報関連付け画像データ管理システム。
【請求項3】
前記データ抽出手段は、前記地図のエリアが入力されたとき、該エリア内の前記各情報のみを切り出し画像データとして出力することを特徴とする請求項1または2に記載の地図情報関連付け画像データ管理システム。
【請求項4】
前記画像データ管理サブシステムは、ネットワーク登録部、印刷部、メンテナンス部、及び作業管理部を具備する管理手段をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の地図情報関連付け画像データ管理システム。
【請求項5】
前記撮影計画手段は、画面表示処理部、リンク選択処理部、カメラ情報入力部、撮影計画情報入力部、及びデータ登録部を含むことを特徴とする請求項3または4に記載の地図情報関連付け画像データ管理システム。
【請求項6】
前記切り出し画像データ内の特定画像を特定し、該特定画像に対してぼかし処理を施すこ画像加工サブシステムを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の地図情報関連付け画像データ管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図28】
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【図30】
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【図31】
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【図4】
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【図5】
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【図22】
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【図27】
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【図29】
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【公開番号】特開2008−171381(P2008−171381A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−106466(P2007−106466)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【特許番号】特許第4068656号(P4068656)
【特許公報発行日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(591074161)アジア航測株式会社 (48)
【出願人】(500458675)株式会社アイディーユー (6)
【Fターム(参考)】