説明

型締装置および成形装置

【課題】型締力が不均等に作用することを抑制する。
【解決手段】成形型10の開閉動作をガイドするとともに型締め力を受ける複数本のタイロッド22と、複数本のタイロッド22に係止することで成形型10を加工位置に保持する保持手段24と、流体圧によって型締め力を発生させる型締め力発生手段25と、複数本のタイロッド22の型締め方向位置を検出するタイロッド位置検出手段26と、タイロッド位置検出手段26の検出結果に基づいて型締め力発生手段25の作動を制御する制御手段27とを備え、制御手段27は、タイロッド位置検出手段26が検出した複数本のタイロッド22の位置の差が所定値を超えている場合、型締め力発生手段25を強制的に停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形型を締める型締装置、およびそれを備える成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1には、固定プラテン、移動プラテン、固定金型、移動金型、複数本のタイバー、型開閉用サーボモータ、型締用ハーフナット、開閉シリンダおよび油圧シリンダを備える型締装置が記載されている。
【0003】
この従来技術では、まず型開閉用サーボモータの駆動によって型閉じ動作を行い、次いで開閉シリンダによって型締用ハーフナットを閉じる。これにより、型締用ハーフナットがタイバーの係合溝と噛み合ってタイバーに対して移動プラテンが係合状態となる。次に、油圧シリンダによりタイバーを介して高圧型締力を発生させて高圧プレスを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−238830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術によると、複数本のタイバーのうち一部のタイバーに対して型締用ハーフナットが係合していない場合、プラテンおよび金型に対して高圧型締力が不均等に作用することとなる。
【0006】
特に、成形品の寸法が大きいために大きな金型を用いる場合や、材料の材質等の都合によっては大きな型締力が必要となるので、プラテンおよび金型に対して高圧型締力が不均等に作用するとプラテンや金型等の破壊を招く虞がある。
【0007】
このため、一部のタイバーに対して型締用ハーフナットが係合していない場合にプラテンおよび金型に対して高圧型締力が不均等に作用することを防止するための安全対策が必要となる。
【0008】
しかしながら、上記特許文献1には、そのような安全対策について全く記載されていない。
【0009】
本発明は上記点に鑑みて、型締力が不均等に作用することを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、成形型(10)の開閉動作をガイドするとともに型締め力を受ける複数本のタイロッド(22)と、
複数本のタイロッド(22)に係止することで成形型(10)を加工位置に保持する保持手段(24)と、
流体圧によって型締め力を発生させる型締め力発生手段(25)と、
複数本のタイロッド(22)の型締め方向位置を検出するタイロッド位置検出手段(26)と、
タイロッド位置検出手段(26)の検出結果に基づいて型締め力発生手段(25)の作動を制御する制御手段(27)とを備え、
制御手段(27)は、タイロッド位置検出手段(26)が検出した複数本のタイロッド(22)の型締め方向位置の差が所定値を超えている場合、型締め力発生手段(25)を強制停止させることを特徴とする。
【0011】
これによると、複数本のタイロッド(22)の型締め方向位置をタイロッド位置検出手段(26)によって検出するので、全てのタイロッド(22)が保持手段(24)によって係止されているか否かを判定できる。
【0012】
そして、複数本のタイロッド(22)の位置の差が所定値を超えていると型締め力発生手段(25)が強制停止されるので、一部のタイロッドが保持手段(24)によって係止されていない場合に型締力が不均等に作用することを抑制できる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の型締装置において、タイロッド(22)は、型締め力を受ける壁部(222a)を形成する凹部(222)を有し、
型締め力発生手段(25)は、
凹部(222)の内部に位置して壁部(222a)を押圧する押圧部(252a)と、
押圧部(252a)に隣接して設けられ、タイロッド(22)のうち壁部(222a)よりも型締め方向側の部位の外周面の変形を拘束する拘束部(252b)とを有していることを特徴とする。
【0014】
これにより、型締め力によるタイロッド(22)の変形(後述する図2(b)を参照)を抑制することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の型締装置と、
成形型(10)と、
成形型(10)を開閉駆動する駆動手段(23)とを備えることを特徴とする。
【0016】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】一実施形態における射出成形装置の全体構成図であり、原位置状態を示している。
【図2】(a)は単体状態のタイロッドを示す斜視図であり、(b)は型締力を受けて変形したタイロッドの斜視図である。
【図3】一実施形態における射出成形装置の油圧回路を模式的に示す図である。
【図4】一実施形態における射出成形装置の全体構成図であり、型閉じ動作後の状態を示している。
【図5】一実施形態における射出成形装置の全体構成図であり、型閉じ位置でロックした状態を示している。
【図6】一実施形態における射出成形装置の全体構成図であり、型閉じ位置でロックした状態を示している。
【図7】一実施形態におけるタイロッドおよびタイロッド位置検出センサを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、一実施形態を説明する。図1は、型締装置を備える射出成形装置(成形装置)の要部を示す構成図である。
【0019】
射出成形装置は、金型10(成形型)、インジェクタ11(射出手段)およびベース12を備えている。
【0020】
金型10は、その内部にキャビティ(図示せず)が形成されており、固定金型101と可動金型102とに分離可能になっている。図1は、可動金型102が固定金型101から離れた状態(金型10が開いた状態)を示している。
【0021】
金型10は、成形品を取り出す際に成形品を押し出すエジェクタ(図示せず)を有している。本例では、エジェクタ(図示せず)は可動金型102に設けられている。
【0022】
インジェクタ11は、キャビティ(図示せず)に溶融樹脂を射出する機能を有するものであり、図1の例では固定金型101側に設けられている。
【0023】
金型10(固定金型101および可動金型102)を締める型締装置は、固定側プラテン20、可動側プラテン21、複数本のタイロッド22(タイバー)、駆動機構23(駆動手段)、ロック機構24(保持手段)、クランプ機構25(型締め力発生手段)、タイロッド位置検出センサ26(タイロッド位置検出手段)および制御装置27(制御手段)を備えている。
【0024】
複数本のタイロッド22は、固定側プラテン20および可動側プラテン21に串刺し状に挿入されており、型締め力を受ける支柱となる。本例では、タイロッド22が4本備えられている。4本のタイロッドは、型開閉方向(図1の左右方向)から見たとき、固定側プラテン20および可動側プラテン21の四隅に位置している。各タイロッド22は、可動金型102の開閉方向(型開閉方向)に沿って延びており、金型10の開閉動作のガイドともなる。
【0025】
固定金型101は、固定側プラテン20を介してベース12に固定されている。可動金型102は、可動側プラテン21を介して駆動機構23に連結されている。
【0026】
駆動機構23は、金型10を開閉駆動するものである。具体的には、駆動機構23は、サーボモータ231およびボールねじ232を有している。ボールねじ232は、タイロッド22の長手方向に延びており、可動側プラテン21に連結されている。これにより、サーボモータ231を回転駆動させることで可動側プラテン21および可動金型102をタイロッド22の長手方向(型開閉方向)に往復移動させることができる。
【0027】
図2(a)は、単体状態のタイロッド22を示す斜視図である。各タイロッド22には、ロック溝221とプッシャー溝222(凹部)とが形成されている。
【0028】
図1に示すように、ロック溝221は、タイロッド22のうち可動金型102から固定金型101の反対側(図1の右方側)に突出した部位に設けられている。プッシャー溝222は、タイロッド22のうち固定金型101よりも可動金型102の反対側の部位に設けられている。プッシャー溝222によって形成される壁部222a(側壁)は、型締め力を受ける受力部の役割を果たす。
【0029】
図1に示すように、タイロッド22の一端部(固定金型101と反対側の端部)は、支持部材13を介してベース12に支持されている。
【0030】
ロック機構24は、各タイロッド22に係止することで金型10を加工位置に保持する機能を発揮するものであり、クサビ部241、支持部材242およびアクチュエータ(図示せず)を有している。クサビ部241は、タイロッド22の径方向に移動可能に支持部材242に支持されており、アクチュエータ(図示せず)によってタイロッド22の径方向に駆動される。
【0031】
支持部材242は可動側プラテン21に固定されている。これにより、クサビ部241は、可動側プラテン21および可動金型102と一体的に型開閉方向に往復移動する。
【0032】
クサビ部241は、タイロッド22のロック溝221に嵌り込むことが可能な形状になっている。このため、型開閉方向においてクサビ部241とタイロッド22のロック溝221との位置が一致した状態でクサビ部241を径方向内側に移動させると、クサビ部241がタイロッド22のロック溝221に嵌り込み、その結果、可動側プラテン21の型開閉方向における位置がロックされるので、固定可動金型102が固定金型101から離れないようにロック(保持)される。
【0033】
クサビ部241がタイロッド22の径方向外側に変位してロック溝221から外れることで、可動側プラテン21のロックが解除され、可動金型102が固定金型101に対して離間・近接するように往復移動可能になる。
【0034】
クランプ機構25は、油圧(流体圧)によって型締め力を発生させるものであり、油圧シリンダ251およびプッシャー部252等を有している。油圧シリンダ251は、各タイロッド22に対応して4個設けられており、固定側プラテン20に固定されている。各油圧シリンダ251のピストン251aおよびロッド251bは、型閉じ方向(図1の右方側)に前進するようになっている。
【0035】
本例では、油圧シリンダ251は、円筒状になっている中空シリンダであり、タイロッド22の外側に被せられている。油圧シリンダ251のピストン251aおよびロッド251bも円筒状になっていてタイロッド22の外側に被せられるように配置されている。
【0036】
プッシャー部252は、油圧シリンダ251のロッド251bの先端に固定されており、油圧シリンダ251のピストン251aおよびロッド251bと一体的に型開閉方向に往復移動する。本例では、プッシャー部252は円筒状になっていてタイロッド22の外側に被せられている。
【0037】
プッシャー部252は、タイロッド22のプッシャー溝222の形状に合わせて内径が変化した形状になっている。具体的には、プッシャー部252は、内径が大小2段階に変化した2段円筒形状になっている。
【0038】
これにより、プッシャー部252には、タイロッド22のプッシャー溝222に嵌り込んでタイロッド22を型締め方向に押圧する押圧部252aと、タイロッド22のうちプッシャー溝222に隣接する部分(壁部222aよりも型閉じ方向側の部分)の外周面の変形を拘束する拘束部252bとが形成されている。
【0039】
図3に模式的に示すように、4本の油圧シリンダ251に対する作動油の送出は、共通の油圧ポンプ253から行われる。共通の油圧ポンプ253から延びる油圧の流路254は、4本の油圧シリンダ251へ分岐している。換言すれば、4本の油圧シリンダ251の油圧回路は互いに連通している。各油圧シリンダ251の前後進は、油圧バルブ(図示せず)によって切り替えられるようになっている。
【0040】
タイロッド位置検出センサ26は、タイロッド22の型開閉方向における位置(型締め方向位置)を検出するものであり、その検出信号が制御装置27に入力されるようになっている。本例では、図1に模式的に示すように、タイロッド位置検出センサ26として、タイロッド22の一端部(図1の左端部)との距離を測定する非接触式センサ(近接センサ)が用いられている。
【0041】
制御装置27は、タイロッド位置検出センサ26の検出信号に基づいて、油圧ポンプ253の作動を強制的に停止することができるようになっている。
【0042】
次に、上記構成における作動(射出成形方法)を説明する。以下では、図1に示す状態を原位置状態と言う。原位置状態では、可動金型102が固定金型101から所定距離離れて金型10が開いた状態になっている。
【0043】
図1に示す原位置状態において、サーボモータ231を所定方向に回転駆動させることにより、ボールねじ232に連結された可動側プラテン21を固定側プラテン20側に移動させる。これにより、可動側プラテン21に固定された可動金型102が固定金型101側に移動(前進)して、図4に示すように可動金型102が加工位置(型閉じ位置)に到達する(型閉じ工程)。
【0044】
可動金型102が加工位置(型閉じ位置)に到達すると、サーボモータ231を停止させるとともに、図5に示すようにロック機構24のクサビ部241を各タイロッド22のロック溝221に打ち込んで嵌め込み、可動側プラテン21に対してロックをかける。これにより、可動金型102が加工位置(型閉じ位置)でロックされる(ロック工程)。
【0045】
次いで、インジェクタ11から金型10内のキャビティ(図示せず)に溶融樹脂を射出する(射出工程)。
【0046】
次いで、図6に示すように各油圧シリンダ251を前進作動させて、プッシャー部252で各タイロッド22を型締め方向側(図6の右方側)に引っ張って型締め(本加圧)を行う(型締め工程)。
【0047】
次いで、冷却を行い、加工終了後、各油圧シリンダ251を後進作動させて、プッシャー部252による各タイロッド22の引っ張りを解除して型締めを解除する(型締め解除工程)。さらに、クサビ部241を各タイロッド22のロック溝221から抜いてロックを解除する(ロック解除工程)。
【0048】
次いで、サーボモータ231を型閉じ工程での回転方向と反対の方向に回転駆動させることにより、ボールねじ232に連結された可動側プラテン21を固定側プラテン20から離れる方向に移動させる。これにより、可動側プラテン21に固定された可動金型102を固定金型101から離れる方向に移動(後進)させて可動金型102を原位置に戻す(型開き工程)。
【0049】
次いで、可動金型102から成形品をエジェクタ(図示せず)によって押し出して取り外す(取り出し工程)。以上のようにして、射出成形品が製造される。
【0050】
ここで、成形品の寸法が大きい場合、上述の型締め工程における型締め力(加圧力)を大きくする必要がある。また、樹脂材料の材質によっては、大きな型締め力(加圧力)が必要となる場合もある。例えば、成形品の寸法や樹脂材料の材質によっては、型締め力(加圧力)が数百トンになる場合もある。
【0051】
型締め力(加圧力)が大きい場合、4本のタイロッド22に加圧力が均等に作用しないと、可動側プラテン21等に大きな偏荷重が作用して破壊に至る虞がある。
【0052】
例えば、4本の油圧シリンダ251の油圧回路が互いに独立していて、各油圧シリンダ251毎に専用の油圧ポンプ253が設けられている射出成形装置(以下、比較例と言う。)においては、4本のタイロッド22のうち一部のタイロッドでロック溝221にクサビ部241が入らなかった場合、クサビ部241が入らなかったタイロッド22には加圧力がかからず、クサビ部241が入ったタイロッド22だけに加圧力が作用することとなるので、4本のタイロッド22に作用する加圧力が不均等になる。
【0053】
この点、本実施形態では、4本の油圧シリンダ251の油圧回路が互いに連通していて、4本の油圧シリンダ251に対して共通の油圧ポンプ253から作動油が送出されるようになっているので、一部のタイロッドでクサビ部241が入らなかった場合、油圧を遮断することができる。
【0054】
すなわち、クサビ部241が入らなかったタイロッド22に対して油圧が上がらず、その結果、油圧回路が連通している他のタイロッド22に対しても油圧が上がらないので、全てのタイロッド22に加圧力が上がらなくなる。このため、一部のタイロッドでクサビ部241が入らなかった場合に可動側プラテン21等に偏荷重が作用することを防止できる。
【0055】
さらに、本実施形態では、一部のタイロッドでクサビ部241が入らなかった場合、全てのタイロッド22に対して油圧を遮断するという安全制御を行うことで、可動側プラテン21等に偏荷重が作用することを確実に防止する。
【0056】
以下、この安全制御について説明する。型締め工程において、制御装置27は、タイロッド位置検出センサ26の検出信号に基づいて、4本のタイロッド22の型開閉方向における位置(型締め方向位置)の差が許容範囲(所定値)を超えているか否かを判定する。
【0057】
本例では、図7に模式的に示すように、一部のタイロッド22におけるタイロッド位置検出センサ26の検出距離D1と、他のタイロッド22におけるタイロッド位置検出センサ26の検出距離D2との差(D1−D2)が所定の閾値を超えている場合、型開閉方向における4本のタイロッド22の型開閉方向における位置の差が許容範囲を超えていると判定する。
【0058】
そして、制御装置27は、4本のタイロッド22の型開閉方向における位置の差が許容範囲を超えていると判定した場合、一部のタイロッドでクサビ部241が入っていないと判断して油圧ポンプ253を強制停止させる。
【0059】
すなわち、図7に模式的に示すように、クサビ部241が入らなかったタイロッド(図7の例では下方側のタイロッド)は、クサビ部241が入っているタイロッド(図7の例では上方側のタイロッド)よりも先走り(型締め方向に変位)することとなる。このため、4本のタイロッド22の型開閉方向における位置の差が許容範囲を超えている場合、一部のタイロッドでクサビ部241が入っていないと判断することができる。
【0060】
一部のタイロッドでクサビ部241が入っていないと判断した場合、制御装置27によって油圧ポンプ253を強制的に停止させるので、全てのタイロッド22に対して油圧が遮断されることとなる。このため、全てのタイロッド22に加圧力が作用しなくなるので、可動側プラテン21等に偏荷重が作用することを確実に防止することができる。
【0061】
また、型締め力(加圧力)が大きい場合、図2(b)に示すように、タイロッド22のうちプッシャー溝222の側壁部がプッシャー部252の押圧部252aに押圧されて変形しやすくなる。
【0062】
この点、本実施形態では、クランプ機構25のプッシャー部252に拘束部252bを設けているので、型締め力(加圧力)によるタイロッド22の変形を抑制することができる。
【0063】
具体的には、タイロッド22のうちプッシャー溝222の側壁部に隣接する部分の外周面の変形をプッシャー部252の拘束部252bで拘束するので、図2(b)に示すようなタイロッド22の変形を抑制することができる。
【0064】
(他の実施形態)
なお、上記一実施形態では、タイロッド位置検出センサ26として、タイロッド22の一端部との距離を測定する非接触式センサ(近接センサ)が用いられているが、これに限定されることなく、タイロッド位置検出センサ26として種々のセンサを用いることができる。
【0065】
また、上記一実施形態では、型開閉方向における各タイロッド22の位置を検出し、その検出結果に基づいて油圧ポンプを強制停止させるようになっているが、ロック機構24のクサビ部241の位置を検出し、その検出結果に基づいて油圧ポンプを強制停止させるようにしてもよい。
【0066】
また、上記一実施形態の各タイロッド22において、その長手方向にロック溝221を複数個形成しておけば、金型10の寸法の変更に応じて加工位置(型閉じ位置)を容易に調整することができる。
【0067】
また、上記一実施形態では、型締装置を射出成形装置に適用した例を示したが、これに限定されるものではなく、種々の成形装置に広く本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0068】
10 成形型
22 タイロッド
23 駆動機構(駆動手段)
24 ロック機構(保持手段)
25 クランプ機構(型締め力発生手段)
26 タイロッド位置検出センサ(タイロッド位置検出手段)
27 制御装置(制御手段)
222 プッシャー溝(凹部)
222a 壁部
252a 押圧部
252b 拘束部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形型(10)の開閉動作をガイドするとともに型締め力を受ける複数本のタイロッド(22)と、
前記複数本のタイロッド(22)に係止することで前記成形型(10)を加工位置に保持する保持手段(24)と、
流体圧によって前記型締め力を発生させる型締め力発生手段(25)と、
前記複数本のタイロッド(22)の型締め方向位置を検出するタイロッド位置検出手段(26)と、
前記タイロッド位置検出手段(26)の検出結果に基づいて前記型締め力発生手段(25)の作動を制御する制御手段(27)とを備え、
前記制御手段(27)は、前記タイロッド位置検出手段(26)が検出した前記複数本のタイロッド(22)の型締め方向位置の差が所定値を超えている場合、前記型締め力発生手段(25)を強制停止させることを特徴とする型締め装置。
【請求項2】
前記タイロッド(22)は、前記型締め力を受ける壁部(222a)を形成する凹部(222)を有し、
前記型締め力発生手段(25)は、
前記凹部(222)の内部に位置して前記壁部(222a)を押圧する押圧部(252a)と、
前記押圧部(252a)に隣接して設けられ、前記タイロッド(22)のうち前記壁部(222a)よりも型締め方向側の部位の外周面の変形を拘束する拘束部(252b)とを有していることを特徴とする請求項1に記載の型締装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の型締装置と、
前記成形型(10)と、
前記成形型(10)を開閉駆動する駆動手段(23)とを備えることを特徴とする成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−218263(P2012−218263A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85181(P2011−85181)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】