説明

基地局、通信システム、及び通信方法

【課題】不感地帯に存在する移動局のスループットを向上させると共に、周囲に存在する移動局への干渉を低減する。
【解決手段】一般回線を介してコアネットワークと接続する基地局において、移動局及び他基地局と無線信号を送受信し、コアネットワークとデータ信号を送受信する送受信部と、他基地局と送受信する無線信号を、他基地局と移動局との間において中継するように制御する無線中継機能部と、データ信号を無線信号に変換し、変換した無線信号を移動局に送信するように制御し、無線信号をデータ信号に変換し、変換したデータ信号をコアネットワークに送信するように制御する通信機能部と、送受信部において他基地局から受信した無線信号の受信レベルを測定する測定部と、測定した受信レベルに基づいて、移動局との通信として、無線中継機能部を用いる通信と通信機能部を用いる通信とのいずれかを選択する選択制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件開示の発明は、一般回線を介してコアネットワークと接続し、移動局と通信可能な基地局、通信システム、及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビルの隙間、屋内、地下街や高層エリアなどの電波状況が悪いエリアを解消するためにフェムト基地局がある。フェムト基地局は、家庭やSOHO(Small Office/Home Office)などの小規模オフィス等に設置され、半径数十m程度の限られた範囲(フェムトセル)をカバーする。また、フェムト基地局は、家庭内の固定電話に繋がっている固定回線、つまり電話回線や光ファイバー、CATV(Common Antenna TeleVision)用ケーブルなどの一般回線を介してコアネットワークと接続される。
【0003】
上述のフェムト基地局を設置することによって、ビルの隙間、屋内、地下街や高層エリアなどの電波が届かない、いわゆる不感地帯においても不感地帯に在圏する端末が通信できるようになると共に、小規模範囲内のユーザーで占有することが出来るので、公衆基地局であるマクロ基地局に比べてスループットを向上させることが出来る。
【0004】
また以下に記載の先行技術文献には次のようなフェムト基地局が開示されている。フェムト基地局が接続している回線等に異常があり、フェムト基地局が動作不能状態になった場合に、リピーターモードに切り替えることが出来るというものである(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-56881
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ユーザーがフェムト基地局を設置するエリアは、完全不感地帯に加え、電波は届いているが移動局が通信困難な場所を包含するエリアであることが多いため、マクロ基地局のセル範囲(マクロセル)とフェムト基地局のセル範囲(フェムトセル)が重なることが考えられる。さらに、マクロ基地局が通信に使用する周波数帯域とフェムト基地局が通信に使用する周波数帯域とは、同じであることが多いため、マクロセルとフェムトセルが重複している範囲で、干渉が生じてしまうことが考えられる。
【0007】
例えば、建物内の中心付近は完全不感地帯であって、窓際等は電波が届いているが端末が通信困難な場所であるといった場合である。この場合、図1に示すように、ユーザーがフェムト基地局12を窓際に設置してしまうと建物の外にフェムト基地局12が出力する電波が漏れる。このとき、マクロ基地局11とフェムト基地局12が通信に使用する周波数帯域が同一であったとすると、マクロ基地局11と接続している移動局14に、窓から漏れたフェムト基地局12から出力される電波が影響してしまい、該移動局14に干渉を及ぼしてしまう。
【0008】
上述した干渉を低減するためにフェムト基地局12の送信電力を低減させてしまうと、該フェムト基地局12に接続している移動局13に十分なサービスを提供できないので、本来のフェムト基地局を設置する目的である屋内の移動局のスループットの向上が見込めなくなってしまう。
【0009】
本件の目的の一つは、このような課題に鑑み創案されたもので、不感地帯に存在する移動局のスループットを向上させると共に、周囲に存在する移動局への干渉を低減することである。
【0010】
なお、前記目的に限らず、後述する発明を実施するため形態に示す各構成より、導かれる作用効果であって従来技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本件開示の基地局、通信システム、及び通信方法は、一般回線を介してコアネットワークと接続し、移動局と通信可能な基地局において、移動局及び他基地局と無線信号を送受信する第1送受信部と、他基地局と送受信する無線信号を、他基地局と移動局との間において中継するように制御する無線中継機能部と、コアネットワークとデータ信号を送受信する第2送受信部と、受信するデータ信号を無線信号に変換し、変換した無線信号を移動局に送信するように制御し、移動局から受信する無線信号をデータ信号に変換し、変換したデータ信号をコアネットワークに送信するように制御する通信機能部と、第1送受信部において他基地局から受信した無線信号の受信レベルを測定する測定部と、測定した受信レベルに基づいて、移動局との通信として、無線中継機能部を用いる通信と通信機能部を用いる通信とのいずれかを選択する選択制御部と、を提供する。
【0012】
また、本開示の通信システムは、一般回線を介してコアネットワークと接続する基地局と移動局を含む通信システムにおいて、基地局は、移動局及び他基地局と無線信号を送受信する第1の送受信部と、コアネットワークとデータ信号を送受信する第2の送受信部と、他基地局と送受信する無線信号を、他基地局と移動局との間において中継するように制御する無線中継機能部と、受信するデータ信号を無線信号に変換し、変換した無線信号を移動局に送信するように制御し、移動局から受信する無線信号をデータ信号に変換し、変換したデータ信号をコアネットワークに送信するように制御する通信機能部と、他基地局から受信した無線信号の受信レベルを測定する測定部と、測定した受信レベルに基づいて、移動局との通信として、無線中継機能部を用いる通信と通信機能部を用いる通信とのいずれかを選択する選択制御部と、を提供し、移動局は、基地局と無線信号を送受信する第3の送受信部とを提供する。
【0013】
また、本開示の通信方法は、一般回線を介してコアネットワークと接続し、移動局と通信可能な基地局が実行する通信方法において、移動局及び他基地局から無線信号を受信し、コアネットワークからデータ信号を受信し、受信した他基地局が送信した無線信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づいて、移動局との通信として、コアネットワークから受信するデータ信号は、無線信号に変換し、変換した無線信号を移動局に送信し、移動局から受信する無線信号をデータ信号に変換し、変換したデータ信号をコアネットワークに送信する第1の通信方法と、他基地局と送受信する無線信号を他基地局と移動局との間において中継する第2の通信方法と、のいずれかの通信を選択する。
【発明の効果】
【0014】
本件開示の基地局、通信システム、及び通信方法によれば、マクロ基地局と通信を行う移動局に対しての干渉を考慮せずに、フェムト基地局を任意に設置することができると共に、フェムト基地局と通信を行う移動局のスループットを向上させ、さらに、屋外に存在する基地局への干渉を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来技術における課題の概要図である。
【図2】第1実施形態におけるフェムト基地局適用例1を示す概要図である。
【図3】第1実施形態におけるフェムト基地局適用例2を示す概要図である。
【図4】第1実施形態におけるSinrについての説明図である。
【図5】第1実施形態におけるフェムト基地局の機能ブロック図及びハードウェア構成図である。
【図6】第1実施形態におけるフェムト基地局の動作・処理を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態におけるフェムト基地局適用例1を示す概要図である。
【図8】第2実施形態におけるフェムト基地局適用例2を示す概要図である。
【図9】第2実施形態におけるRssiについての説明図である。
【図10】第2実施形態におけるフェムト基地局の機能ブロック図及びハードウェア構成図である。
【図11】第2実施形態におけるフェムト基地局の動作・処理を示すフローチャートである。
【図12】第3実施形態におけるフェムト基地局適用例1を示す概要図である。
【図13】第3実施形態におけるフェムト基地局適用例2を示す概要図である。
【図14】第3実施形態におけるフェムト基地局適用例1において、該フェムト基地局と通信をする移動局の受信電力レベルを示す図である。
【図15】第3実施形態におけるフェムト基地局適用例2において、該フェムト基地局と通信をする移動局の受信電力レベルを示す図である。
【図16】第3実施形態におけるフェムト基地局の機能ブロック図及びハードウェア構成図である。
【図17】第3実施形態におけるフェムト基地局の動作・処理を示すフローチャートである。
【図18】第4実施形態におけるフェムト基地局適用例1を示す概要図である。
【図19】第4実施形態におけるフェムト基地局適用例2を示す概要図である。
【図20】第4実施形態におけるフェムト基地局適用例1において、該フェムト基地局と通信をする移動局の受信電力レベルを示す図である。
【図21】第4実施形態におけるフェムト基地局適用例2において、該フェムト基地局と通信をする移動局の受信電力レベルを示す図である。
【図22】第3実施形態におけるフェムト基地局の機能ブロック図及びハードウェア構成図である。
【図23】第3実施形態におけるフェムト基地局の動作・処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、開示の基地局、通信システム、及び通信方法に係る実施形態を説明する。以下の実施形態の図面に示す構成は一例であって、斯かる構成に本件発明が限定されるものではない。
【0017】
<第1実施形態>
第1実施形態では、フェムト基地局が無線中継機能と通信機能部とを備え、当該フェムト基地局の設置場所のSinr(Signal Interference Noise Ratio)を測定し、測定結果が閾値よりも大きい場合は無線中継機能部を用いる通信を選択しリピーターとして動作し、測定結果が閾値よりも小さい場合は通信機能部を用いる通信を選択しフェムト基地局として動作する。
【0018】
図2〜図6を用いて、第1実施形態についての詳細を説明する。
【0019】
1.1 概要
図2及び図3は、本実施形態における概要図である。図2のフェムト基地局22は、後述する通信機能部を用いる通信を行うことで、フェムト基地局として動作し、図3のフェムト基地局32は、後述する無線中継機能部を用いる通信を行うことで、リピーターとして動作する。
【0020】
図2は、本実施形態におけるフェムト基地局が通信機能部を用いる通信を行うことで、フェムト基地局として動作している様子を示した概要図である。例えば、本実施形態のフェムト基地局22が、不感地帯である部屋の奥等に設置され、設置場所におけるマクロ基地局21に対するSinrの値が閾値より小さいとする。この場合、本実施形態のフェムト基地局22は、フェムトモードの動作を開始し、通信機能部を用いる通信を行うことでフェムト基地局として動作する。なおSinrについては、図4の説明において後述するが、Sinrは信号対干渉電力比を示す。また、閾値は当業者がシミュレーション等を行うことで自由に設定してよい。
【0021】
そして、この場合、本実施形態のフェムト基地局22の設置場所におけるマクロ基地局21に対するSinrが小さい場所であることから、マクロ基地局21から受信する信号は弱く、マクロ基地局21とフェムト基地局22のセル範囲の重なりは小さいことが考えられる。よって、フェムト基地局22がマクロ基地局21と接続している移動局24に及ぼす干渉は少ないと考えられる。さらに、本実施形態のフェムト基地局22と接続している移動局23にとっても、通信機能部による通信によって、十分なスループットでの通信が提供可能となる。
【0022】
次に図3は、本実施形態におけるフェムト基地局が無線中継機能部を用いる通信を行うことで、リピーターとして動作している様子を示した概要図である。図3は、本実施形態におけるフェムト基地局32が、完全不感地帯ではない部屋の窓際等に設置され、設置場所におけるマクロ基地局31に対するSinrが大きいとする。この場合、本実施形態のフェムト基地局32は、リピーターモードの動作を開始し、無線中継機能部を用いる通信を行うことでリピーターとして動作する。
【0023】
そして、この場合、本実施形態のフェムト基地局32の設置場所におけるマクロ基地局31に対するSinrの値が大きい場所であることから、マクロ基地局31から受信する信号は強く、マクロ基地局31とフェムト基地局32のセル範囲の重なりは大きいことが考えられる。よって、フェムト基地局32がフェムトモードで動作してしまうと、フェムト基地局32がマクロ基地局31と接続している移動局34に及ぼす干渉が大きくなってしまうことが考えられる。よって、リピーターモードで動作することによって、マクロ基地局31と接続している移動局34に対しての干渉を軽減することが出来る。さらに、本実施形態のフェムト基地局32がリピーターモードの動作をする場合であっても、移動局33が、リピーターモードで動作するフェムト基地局32を介してマクロ基地局31の信号を受信すると、マクロ基地局31との通信に切り替え、リピーターモードで動作するフェムト基地局32を介してマクロ基地局31と通信を行う。さらに、リピーターモードで動作するフェムト基地局32は、マクロ基地局31から受信する信号を増幅して移動局33に中継し、移動局33から受信する信号を増幅してマクロ基地局31に中継するので、移動局33にも、十分なスループットでの通信を提供することが可能になる。
【0024】
ここで、図4を用いて、Sinrについて説明する。Sinrは信号対干渉電力比を示す。本実施形態においては、フェムト基地局が他基地局から受信する無線信号の受信電力と、他基地局以外の基地局が送出し当該フェムト基地局に到達する無線信号の受信電力の合計との比率からなる。ここでは、フェムト基地局45にとってのマクロ基地局41に対するSinrをマクロ基地局42、マクロ基地局43、マクロ基地局44からの信号を干渉波とみなして、信号対干渉電力比を示している。
【0025】
Sinrは、
[信号波(マクロ基地局41からの電波)の電力値(S1)/干渉波の総電力値(S2+S3+S4)]
で表される。上記の式からもわかるように、Sinrの高い場所は、マクロ基地局41から信号波を強く受信していることがわかる。よって、Sinrの高い場所からフェムト基地局45が電波を放射すると、放射された電波は、強い干渉となり、その周辺に存在し、マクロ基地局41と通信を行う移動局にとって干渉が大きくなることがわかる。
【0026】
反対に、Sinrの低い場所は、マクロ基地局41から受信する信号波は弱いことがわかる。つまり、Sinrの低い場所は不感地帯であることが考えられる。よって、Sinrの低い場所からフェムト基地局45が電波を放射すると、放射された電波によって、不感地帯に存在する移動局の通信をカバーすることが出来る。
【0027】
つまり、Sinrが高い場所では、リピーターを設置することによって、マクロ基地局41の電波を中継し、マクロ基地局41のSinrを高く維持したまま、移動局はマクロ基地局41と通信することが可能になる。さらに、Sinrの低い場所では、フェムト基地局を設置することによって、外部への干渉が少ない状態で周辺の移動局のフェムト基地局に対するSinrを高くし、フェムト基地局45のSinrを高く維持したままま、移動局はフェムト基地局45と通信することが可能になる。
【0028】
1.2 構成
図5は、第1実施形態におけるフェムト基地局の機能ブロック図/ハードウェア構成図である。尚、ここでは、OFDM変調を例にとり説明するが、本発明がOFDM変調に限定されるものではない。
【0029】
図5に示すように、本実施形態のフェムト基地局500は、通信機能部510と、無線中継機能部540と、選択制御部570とを備える。
【0030】
通信機能部510は、MAC(Media Access Control)処理部511と、HighLayer処理部512と、符号化部513と、変調部514と、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部515と、D/A変換部516と、局部信号発生部517、アップコンバータ部518と、切替制御部570と、送信増幅器519、デュープレクサ520、対移動局アンテナ521と、受信増幅器522、ダウンコンバータ部523、A/D変換部524、FFT(Fast Fourier Transform)部525、RS(Reference Signal)抽出部526、チャネル推定部527と、復調部528と、復号化部529と、を備える。また、IFFT部515は、S/P(Serial/Parallel)変換部530と、IFFT変換部531と、P/S(Parallel/Serial)変換部532と、CP(Cyclic Prefix)挿入部533と、を備える。FFT部525は、CP除去部534と、S/P変換部535と、FFT変換部536と、P/S変換部537と、を備える。
【0031】
上述の構成を備える通信機能部510は、本実施形態におけるフェムトモードを実現するための機能部であり、家庭内の固定電話に繋がっている固定回線、つまり電話回線や光ファイバー、CATV(Common Antenna TeleVision)用ケーブルなどの一般回線を介してコアネットワークと接続され、半径数十メートル程度をカバーするようなフェムト基地局と同等の機能を実現する。つまり、通信機能部を用いる通信によって、移動局と通信を行い、一般回線等を介してコアネットワークから受信するデータ信号を無線信号に変換して、移動局に送信し、移動局から受信する無線信号をデータ信号に変換して、一般回線等を介してコアネットワークに送信する。
【0032】
無線中継機能部540は、対基地局アンテナ541と、デュープレクサ542と、受信増幅器543と、切替制御部570と、送信増幅器519と、デュープレクサ520と、対移動局アンテナ521と、受信増幅器522と、送信増幅器544と、を備える。また、通信機能部510における切替制御部570と、送信増幅器519と、受信増幅器522と、デュープレクサ520と、対移動局アンテナ521と、切替制御部570とは、同一のものである。
【0033】
上述の構成を備える無線中継機能部540は、本発明におけるリピーターモードを実現するための機能部であり、他基地局と移動局間で送受信する無線信号を中継するように制御するリピーター同等の機能を実現する。つまり、無線中継機能部を用いる通信によって、移動局と通信を行い、他基地局から送信される下りの無線信号を増幅して移動局へ送信し、移動局から送信される上りの無線信号を増幅して基地局へ送信する。
【0034】
切替制御部570は、局部信号発生部571と、ダウンコンバータ部572と、A/D変換部573と、FFT部574と、RS抽出部575と、Sinr測定部576と、選択制御部577と、スイッチ578とスイッチ579と、を備える。また、切替制御部570は、上述の通信機能部510及び無線中継機能部540が備える切替制御部570のことである。
【0035】
上述の構成を備える切替制御部570は、他基地局から受信する無線信号の受信レベルを測定し、測定した無線信号の受信レベルに基づいて、移動局との通信として、上述の通信機能部510を用いる通信であるフェムトモードと無線中継機能部540を用いる通信であるリピーターモードとのいずれかを選択し、切り替える機能を実現する。本実施形態においては、切替制御部570は、他基地局から受信する無線信号の受信レベルとして、Sinrを測定し、測定したSinrの値に基づきフェムトモードとリピーターモードのいずれかを選択し、切り替える。
【0036】
また、MAC処理部511と、HighLayer処理部512と、選択制御部577とは、CPU501に含まれ、符号化部513と、変調部514と、IFFT部515と、D/A変換部516と、A/D変換部524、FFT部525と、RS抽出部526と、チャネル推定部527と、復調部528と、復号化部529とA/D変換部573と、FFT部574と、RS抽出部575と、Sinr測定部576とは、DSP502に含まれ、それ以外は、RF部品503である。
【0037】
ここで、CPU501(Central Processing Unit)は、各種機能部の制御を行う構成の一例であって、アプリケーションプログラム等を実行することにより、各種機能部の制御やメモリへのデータの読込み・書込み等を行う。また、パケット処理や呼処理を制御する。
【0038】
DSP502(Digital Signal Processor)は、デジタル信号処理に特化したプロセッサであり、信号の変調及び復調を実行する。
【0039】
RF部品503(Radio Frequency)とは、高周波部品の総称のことであり、例えば、増幅回路等の部品である。
【0040】
1.3 切替制御部
ここで、切替制御部570について、詳しい説明をする。
【0041】
ダウンコンバータ部572は、対基地局アンテナ541と、デュープレクサ542と、受信増幅器543を介して、高周波信号を受信すると、デジタル処理における負担を軽減するために、局部信号発生器571からの入力されるローカル信号を用いて、受信信号をベースバンド信号にダウンコンバージョンする。
【0042】
A/D変換部573は、ダウンコンバータ部572からの入力信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、FFT部574に出力する。FFT部574は、離散フーリエ変換を効率良く実現するアルゴリズムを備えた機能部であり、時間領域の離散シーケンスを周波数領域の離散スペクトラムに変換する。
【0043】
RS抽出部575は、RS信号を抽出し、Sinr測定部576に出力する。Sinr測定部576は、RS抽出部575からの入力信号から、自フェムト基地局におけるSinr値を測定し、測定結果を選択制御部577に出力する。
【0044】
選択制御部577は、Sinr測定部576からの入力に基づいて、フェムトモードで動作するか、リピーターモードで動作するかを選択し、スイッチ578とスイッチ579を、選択結果に基づいて制御する。
【0045】
例えば、Sinrが閾値よりも小さい値であった場合には、フェムトモードで動作することを選択し、スイッチ578及びスイッチ579に対して、通信機能部を用いる通信を行うように制御信号を出力する。反対に、Sinrが閾値よりも大きい場合には、リピーターモードで動作することを選択し、スイッチ578及びスイッチ579に対して、無線中継機能部を用いる通信を行うように制御信号を出力する。
【0046】
1.4.1 ダウンリンク
ここで、本実施形態におけるダウンリンク通信について説明をする。
【0047】
通信機能部510において、
MAC処理部511は、複数のIPパケットデータをパッキング、又は、分割後、MAC Header等を付け加える。HighLayer処理部512は、IPパケットデータをMAC処理部511へ渡すためのバッファ制御機能を備える。
【0048】
符号化部513は、例えば、符号器等で符号化された信号を変調部514に出力する。
【0049】
変調部514は、複数ビットのデータを対応する複素シンボルに変換するためのものであり、シンボルの変調方式に対応した構成をとる。変調部514は、各搬送波を送信すべきデータビット列に変調するための複素シンボルに変換され、IFFT部515に出力される。
【0050】
IFFT部515は、S/P変換部530とIFFT変換部531とP/S変換部532とCP挿入部533とを備える。変調部514から入力された複素シンボル列は、S/P変換部530に蓄積され、IFFT変換部531で、逆離散フーリエ変換によって一括変換され、標本値が生成される。さらに、得られた標本値はP/S変換部532で並直列変換され、CP挿入部533でCPを挿入し、D/A変換部516に出力される。CP挿入部533は、OFDMシンボルの最後の部分をコピーしてOFDMシンボルの最初の部分に挿入することで、無線チャネルにおいてOFDM信号が時間分散による悪影響を受けにくくする。
【0051】
D/A変換部516は、IFFT部515から入力された信号をアナログに変換し、連続信号に変換された信号をアップコンバータ部518に出力する。
【0052】
アップコンバータ部518は、局部信号発生器517から出力される搬送波を掛け合わせることで、搬送帯域の信号を生成し、スイッチ578に出力する。
【0053】
スイッチ578は、選択制御部577によって、アップコンバータ部518から送信増幅器519への入力を制御する。例えば、選択制御部577がフェムトモードで動作することを選択し、通信機能部を用いる通信を行うように制御した場合は、スイッチ578は、アップコンバータ部518からの出力信号を送信増幅器519に入力する。選択制御部577がリピーターモードで動作することを選択し、無線中継機能部を用いる通信を行うように制御した場合は、スイッチ578は、アップコンバータ部518からの出力信号を送信増幅器519に入力せずに抑止する。
【0054】
無線中継機能部540において、
対基地局アンテナ541を介して、受信した信号は、デュープレクサ542に入力され、デュープレクサ542は、送受信のアンテナを1本で共有するためのものであり、送信経路と受信経路を電気的に分離する。
【0055】
受信増幅器543は、例えば、LNA(Low Noise Amplifier)のことであり、デュープレクサ542から入力された信号を増幅し、スイッチ578に出力する。
【0056】
スイッチ578は、選択制御部577によって、受信増幅器543から送信増幅器519への入力を制御する。例えば、選択制御部577がフェムトモードで動作することを選択し、通信機能部を用いる通信を行うように制御した場合は、スイッチ578は、受信増幅器543からの出力信号を送信増幅器519に入力せずに抑止する。選択制御部577がリピーターモードで動作することを選択し、無線中継機能部を用いる通信を行うように制御した場合は、スイッチ578は、受信増幅器543からの出力信号を送信増幅器519に入力する。
【0057】
送信増幅器519は、例えば、AMP(Amplifier)のことであり、スイッチ578から入力された信号を増幅して、デュープレクサ520と対移動局アンテナ521を介して、移動局に向けて送信する。
【0058】
1.4.2 アップリンク
次に、本実施形態におけるアップリンク通信について説明する。
【0059】
対移動局アンテナ521を介して受信した信号は、デュープレクサ520を介して、受信増幅器522に出力される。
【0060】
受信増幅器522は、デュープレクサ520から入力された信号を増幅して、スイッチ579に出力する。スイッチ579は、選択制御部577からの制御信号によって、ダウンコンバータ部523もしくは送信増幅器544に、受信増幅器522からの信号を入力する。
【0061】
通信機能部510において、
選択制御部577がフェムトモードで動作することを選択し、通信機能部を用いる通信を行うように制御した場合、スイッチ579は、受信増幅器522からの出力信号をダウンコンバータ部523に出力する。ダウンコンバータ部523は、スイッチ579から信号が入力されると、局部信号発生器517から入力されたローカル信号を用いてベースバンド信号にダウンコンバーションした後に、A/D変換部524に出力される。A/D変換部524は、ダウンコンバータ部523から信号が入力されると、デジタル信号に変換し、FFT部525に出力する。
【0062】
FFT部525は、CP除去部534とS/P変換部535とFFT変換部536とP/S変換部537を備える。CP除去部534は、信号に付与されているCPを除去し、S/P変換部535に出力する。S/P変換部535は、CP除去部534から入力された信号を、直並列変換をして、FFT変換部536に出力する。FFT変換部536では、離散フーリエ変換によって、標本値から複素シンボルに変換し、P/S変換部537に出力する。P/S変換部537では、並直列変換を行い、RS抽出部526と復調部528に出力する。
【0063】
RS抽出部526は、同期検波のために挿入されていたRS(Reference Signal)信号を抽出し、チャネル推定部527に出力する。チャネル推定部527は、RS抽出部526から入力されたRS信号を基に、無線伝播経路の時間的、周波数的変動を推定する。
【0064】
復調部528は、FFT部525から入力された変調信号から、チャネル推定部527から入力された無線伝播変動を差し引いて、無線伝播歪を補正し、復号化部529に出力する。復号化部529は、復調部528から入力された信号を復号する。例えば、ビタビ復号等を用いる。
【0065】
MAC処理部511とHighLayer処理部512は、復号化部529から入力された信号をIPネットワーク内の信号に変換する。MAC処理部511及びHighLayer処理部512は、選択制御部577がリピーターモードで動作することを選択し、無線中継機能部を用いる通信を行うように制御している場合は、有線ネットワークにイリーガルな信号をIPネットワーク内に送信しないように制御する。
【0066】
無線中継機能部540において、
選択制御部577がリピーターモードで動作することを選択し、無線中継機能部を用いる通信を行うように制御した場合、スイッチ579は、受信増幅器522からの出力信号を送信増幅器544に入力する。
【0067】
送信増幅器544は、デュープレクサ542と対基地局アンテナ541を介して、マクロ基地局に対して信号を送信する。
【0068】
1.5 フェムトモードとリピーターモードの切替処理
図6は、本実施形態におけるフェムト基地局におけるフェムトモードとリピーターモードの切替の動作・処理を示すフローチャートである。
【0069】
フェムト基地局は、設置後(S60)、フェムト基地局の電源がONされると(S61)、Sinr測定部576は、設置場所での下りSinrを以下の数式(1)〜(3)を用いて測定する(S62)。この時、マクロ基地局からの信号で最大のものを信号Sとし、それ以外の基地局からの信号の合計を干渉Iとする。
【0070】
【数1】

【0071】
-------------------- (1)
【0072】
【数2】

【0073】
------------------ (2)
【0074】
【数3】

【0075】
----------------- (3)
Sinrの測定結果に基づき、選択制御部577は、フェムトモードとリピーターモードのいずれかを選択する(S63)。このとき、選択制御部577は、Sinrが閾値よりも小さい場合はフェムトモードを選択し、通信機能部を用いる通信を行うことでフェムト基地局として動作するように制御し(S64)、Sinrが閾値よりも大きい場合はリピーターモードを選択し、無線中継機能部を用いる通信を行うことでリピーターとして動作するように制御する(S65)。
【0076】
次に、Sinr測定部576は、フェムトモード又はリピーターモードの動作を開始すると、動作開始時点からの時間を測定する(S66)。
【0077】
Sinr測定部576は、フェムト基地局がフェムトモード又はリピーターモードの動作を開始してから、所定時間が経過したかどうか判断する(S67)。所定時間が経過した場合は、ステップS63に戻り、再度、Sinr測定部576は、Sinrを測定する(S63)。また、所定時間が経過していない場合は、Sinr測定部576は、フェムト基地局の電源ON/OFFを確認する(S68)。
【0078】
フェムト基地局の電源がONの状態の場合は、ステップS66も戻り、Sinr測定部576は、再度、フェムトモード又はリピーターモードの動作開始時点からの時刻を測定する(S66)。フェムト基地局の電源がOFFになった時点でフェムトモードとリピーターモードの切替動作・処理を終了する(S69)。
【0079】
また、リピーターモードからフェムトモードに切り替えるとき、及びフェムトモードからリピーターモードに切り替えるときには、当該フェムト基地局に接続している移動局は、ハンドオーバーを行うことで、通信を切り替える。このときには、当該移動局がフェムト基地局又はマクロ基地局に対してハンドオーバー要求を通知することでハンドオーバーを実施しても良いし、フェムト基地局又はマクロ基地局が制御するようにしても良い。そして、マクロ基地局に当該移動局が接続した際には、マクロ基地局は当該移動局も含めてスケジューリングを行い、通信を開始することで、他の移動局との干渉は発生しない。
【0080】
1.7 シミュレーション結果
ここで、所定条件のもと、リピーター機能を起動させるSinrの切り替えポイント(上述の閾値)についてのシミュレーション結果を示す。
【0081】
Sinrを、下りリンク、帯域幅:5[MHz]、MIMO:2×2MIMO、フェージングモデル:EPA5の条件の下で測定したとき、
1、Sinr≧10[dB]でリピーター動作、Sinr<10[dB]でフェムト動作とした場合
Sinr=10[dB]の境界でリピーター動作した場合、スループット最大9.7[Mbps]。
Sinr=10[dB]の境界でフェムト動作した場合、スループット最大30.0[Mbps]となるが、外部への干渉があり他UEへのスループット低下がある。
2、Sinr≧5[dB]でリピーター動作、Sinr<5[dB]でフェムト動作とした場合
Sinr=5[dB]の境界でリピーター動作した場合、スループット最大6.4[Mbps]。
Sinr=5[dB]の境界でフェムト動作した場合、スループット最大30.0[Mbps]となるが、外部への干渉があり他UEへのスループット低下がある。
3、Sinr≧0[dB]でリピーター動作、Sinr<0[dB]でフェムト動作とした場合
Sinr=0[dB]の境界でリピーター動作した場合、スループット最大3.5[Mbps]。
Sinr=0[dB]の境界でフェムト動作した場合、スループット最大30.0[Mbps]となるが、外部への干渉があり他UEへのスループット低下がある。
【0082】
よって、フェムト動作時の外部への干渉とリピーター動作時の当該フェムト基地局と通信をする移動局のスループット向上を考慮すると、閾値をSinr=5〜10[dB]の間で設定するのが、適当な閾値であるといえる。しかし、上述の閾値は一例であって、本件発明が限定されるものではない。
【0083】
1.6 効果
第1実施形態によると、ユーザーがフェムト基地局を自由に設置することができると共に、フェムト基地局と通信を行う移動局のスループットを向上させ、さらに、屋外に存在する基地局と通信を行う移動局への干渉を低減させることができる。
【0084】
<第2実施形態>
第2実施形態では、フェムト基地局が無線中継機能部と通信機能部とを備え、当該フェムト基地局の設置場所のRssi(Receive Signal Strength Indication)を測定し、測定結果が閾値よりも大きい場合は無線中継機能部を用いる通信を選択しリピーターとして動作し、測定結果が閾値よりも小さい場合は通信機能部を用いる通信を選択しフェムト基地局として動作する。動作を選択する際に用いる測定方法として、Rssiの測定結果を用いる点で、第1実施形態とは異なる。
【0085】
図7〜図11を用いて、第2実施形態についての詳細を説明する。
【0086】
2.1 概要
図7及び図8は、本実施形態における概要図である。図7のフェムト基地局72は、後述する通信機能部を用いる通信を行うことで、フェムト基地局として動作し、図8のフェムト基地局82は、後述する無線中継機能部を用いる通信を行うことで、リピーターとして動作する。
【0087】
図7は、本実施形態におけるフェムト基地局の通信機能部を用いる通信を行うことで、フェムト基地局として動作している様子を示した概要図である。例えば、本実施形態のフェムト基地局72が、不感地帯である部屋の奥等に設置され、設置場所におけるマクロ基地局71に対するRssiの値が閾値より小さいとする。この場合、本実施形態のフェムト基地局72は、フェムトモードの動作を開始し、通信機能部による通信を行うことでフェムト基地局として動作する。なお、Rssiについては、図9の説明において後述するが、Rssiは受信信号強度を示す。また、閾値は当業者がシミュレーション等を行うことで自由に設定してよい。
【0088】
そして、本実施形態のフェムト基地局72の設置場所におけるマクロ基地局71に対するRssiが小さい場所であることから、マクロ基地局71から受信する信号は弱く、マクロ基地局71のセル範囲とフェムト基地局72のセル範囲の重なりが小さいと考えられる。よって、フェムト基地局72がマクロ基地局71と接続している移動局74に及ぼす干渉は少ないと考えられる。さらに、本実施形態のフェムト基地局72と接続している移動局73にとっても、通信機能部を用いる通信によって、十分なスループットでの通信が提供可能となる。
【0089】
次に図8は、本実施形態におけるフェムト基地局が無線中継機能部を用いる通信を行うことで、リピーターとして動作している様子を示した概要図である。図8は、本実施形態におけるフェムト基地局82が不感地帯ではない部屋の窓際等に設置され、設置場所におけるマクロ基地局81に対するRssiが大きいとする。この場合、本実施形態のフェムト基地局82は、リピーターモードの動作を開始し、無線中継機能部を用いる通信を行うことでリピーターとして動作する。
【0090】
そして、この場合、本実施形態のフェムト基地局82の設置場所におけるマクロ基地局81に対するRssiの値が大きい場所であることから、マクロ基地局81から受信する信号が強く、マクロ基地局81とフェムト基地局82のセル範囲の重なりは大きいことが考えられる。よって、フェムト基地局82がフェムトモードで動作してしまうと、フェムト基地局82がマクロ基地局81と接続している移動局84に及ぼす干渉が大きくなってしまうことが考えられる。
【0091】
よって、リピーターモードで動作することによって、マクロ基地局81と接続している移動局84に対しての干渉を軽減することが出来る。さらに、本実施形態のフェムト基地局82がリピーターの動作をする場合であっても、移動局83が、リピーターモードで動作するフェムト基地局82を介してマクロ基地局81の信号を受信すると、マクロ基地局81との通信に切り替え、リピーターモードで動作するフェムト基地局82を介してマクロ基地局81と通信を行う。さらに、リピーターモードで動作するフェムト基地局82は、マクロ基地局81から受信する信号を増幅して移動局83に中継し、移動局83から受信する信号を増幅してマクロ基地局81に中継するので、移動局83にも、十分なスループットでの通信を提供することが可能になる。
【0092】
ここで、図9を用いて、Rssiについて説明する。Rssiは受信信号強度を示す。本実施形態では、フェムト基地局が他基地局から受信する無線信号の受信信号強度である。ここでは、フェムト基地局95にとってのマクロ基地局91に対するRssiをマクロ基地局92、マクロ基地局93、マクロ基地局94からの信号を干渉波とみなして、受信電力強度を示している。Rssiは、フェムト基地局95における受信電力が最大値を示す信号のみを考慮し、その他の干渉波は考慮しない。
【0093】
Rssiは、
[信号波(マクロ基地局91からの電波)の電力値(S1)]
で表される。上記の式からもわかるように、Rssiの高い場所は、マクロ基地局91から信号波を強く受信していることがわかる。よって、Rssiの高い場所からフェムト基地局85が電波を放射すると、放射された電波は、強い干渉となり、その周辺に存在し、マクロ基地局91と通信を行う移動局にとって干渉が大きくなることがわかる。
【0094】
反対に、Rssiの低い場所は、マクロ基地局91から受信する信号波は弱いことがわかる。よって、Rssiの低い場所からフェムト基地局95が電波を放射すると、放射された電波によって、不感地帯に存在する移動局の通信をカバーすることが出来る。
【0095】
つまり、Rssiが高い場所では、リピーターを設置することによって、周辺のRssiを高いまま維持することが可能になる。さらに、Rssiの低い場所では、フェムト基地局を設置することによって、外部への干渉が少ない状態で周辺の移動局のフェムト基地局に対するRssiを高くし、フェムト基地局95のRssiを高く維持したまま、移動局はフェムト基地局95と通信することが可能になる。
【0096】
2.2 構成
図10は、第2実施形態におけるフェムト基地局の機能ブロック図/ハードウェア構成図である。尚、ここでは、OFDM変調を例にとり説明するが、本発明がOFDM変調に限定されるものではない。
【0097】
図10に示すように、本実施形態のフェムト基地局1000は、通信機能部1010と、無線中継機能部1040と、切替制御部1070と、を備える。
【0098】
通信機能部1010は、MAC処理部1011と、HighLayer処理部1012と、符号化部1013と、変調部1014と、IFFT部1015と、D/A変換部1016と、局部信号発生部1017、アップコンバータ部1018と、切替制御部1070と、送信増幅器1019、デュープレクサ1020、対移動局アンテナ1021と、受信増幅器1022、ダウンコンバータ部1023、A/D変換部1024、FFT部1025、RS抽出部1026、チャネル推定部1027と、復調部1028と、復号化部1029と、を備える。また、IFFT部1015は、S/P変換部1030と、IFFT変換部1031と、P/S変換部1032と、CP挿入部1033と、を備える。FFT部1025は、CP除去部1034と、S/P変換部1035と、FFT変換部1036と、P/S変換部1037と、を備える。
【0099】
上述の構成を備える通信機能部1010は、第1実施形態と同様に、一般回線等を介してコアネットワークから受信するデータ信号を無線信号に変換して移動局に送信し、移動局から受信する無線信号をデータ信号に変換してコアネットワークに送信することで、移動局と通信を行うフェムトモードの機能を実現する。
【0100】
無線中継機能部1040は、対基地局アンテナ1041と、デュープレクサ1042と、受信増幅器1043と、切替制御部1070と、送信増幅器1019と、デュープレクサ1020と、対移動局アンテナ1021と、受信増幅器1022と、送信増幅器1044と、を備える。また、通信機能部1010における切替制御部1070と、送信増幅器1019と、受信増幅器1022と、デュープレクサ1020と、対移動局アンテナ1021と、切替制御部1070とは、同一のものである。
【0101】
上述の構成を備える無線中継機能部1040は、第1実施形態と同様に、他基地局と移動局間で送受信する無線信号を中継するように制御するリピーター同等の機能を実現する。
【0102】
切替制御部1070は、局部信号発生部1071と、ダウンコンバータ部1072と、A/D変換部1073と、FFT部1074と、RS抽出部1075と、Rssi測定部1076と、選択制御部1077と、スイッチ1078とスイッチ1079と、を備える。また、切替制御部1070は、上述の通信機能部1010及び無線中継機能部1040が備える切替制御部1070のことである。
【0103】
上述の構成を備える切替制御部1070は、他基地局から受信する無線信号の受信レベルを測定し、測定した無線信号の受信レベルに基づいて、上述の通信機能部1010を用いる通信であるフェムトモードと無線中継機能部1040を用いる通信であるリピーターモードとのいずれかを選択し、切り替える機能を実現する。本実施形態においては、切替制御部1070は、他基地局から受信する無線信号の受信レベルとして、Rssiを測定し、測定したRssiの値に基づきフェムトモードとリピーターモードのいずれかを選択し、切り替える。
【0104】
また、MAC処理部1011と、HighLayer処理部1012と、選択制御部1077とは、CPU1001に含まれ、符号化部1013と、変調部1014と、IFFT部1015と、D/A変換部1016と、A/D変換部1024、FFT部1025と、RS抽出部1026と、チャネル推定部1027と、復調部1028と、復号化部1029とA/D変換部1073と、FFT部1074と、RS抽出部1075と、Rssi測定部1076とは、DSP1002に含まれ、それ以外は、RF部品1003である。
【0105】
2.3 切替制御部
ここで、切替制御部1070について、詳しい説明をする。
【0106】
ダウンコンバータ部1072は、対基地局アンテナ1041と、デュープレクサ1042と、受信増幅器1043を介して、高周波信号を受信すると、デジタル処理における負担を軽減するために、局部信号発生器1071からの入力されるローカル信号を用いて、受信信号をベースバンド信号にダウンコンバージョンする。
【0107】
A/D変換部1073は、ダウンコンバータ部1072からの入力信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、FFT部1074に出力する。FFT部1074(Fast Fourier Transform)は、時間領域の離散シーケンスを周波数領域の離散スペクトラムに変換する。
【0108】
RS抽出部1075(Reference Signal)は、RS信号を抽出し、Rssi測定部1076に出力する。
【0109】
Rssi測定部1076は、RS抽出部1075からの入力信号から、自フェムト基地局におけるRssi値を測定し、測定結果を選択制御部1077に出力する。
【0110】
選択制御部1077は、Rssi測定部1076からの入力に基づいて、フェムトモードで動作するか、リピーターモードで動作するかを選択し、スイッチ1078とスイッチ1079に、選択結果に基づいて制御する。
【0111】
例えば、Rssiが閾値よりも小さい値であった場合には、フェムトモードで動作することを選択し、スイッチ1078及びスイッチ1079に対して、通信機能部を用いる通信を行うように制御信号を出力する。反対に、Rssiが閾値よりも大きい場合には、リピーターモードで動作することを選択し、スイッチ1078及びスイッチ1079に対して、無線中継機能部を用いる通信を行うように制御信号を出力する。
【0112】
2.4.1 ダウンリンク
ここで、本実施形態におけるダウンリンク通信について説明をする。
【0113】
通信機能部1010において、
MAC処理部1011とHighLayer処理部1012を介して受信したデータ信号を符号化部1013に出力する。符号化部1013は、符号化した信号を変調部1014に出力する。
【0114】
変調部1014は、送信すべきデータビット列を、各搬送波を変調するための複素シンボルに変換し、IFFT部1015に出力する。
【0115】
変調部1014から入力された複素シンボル列は、S/P変換部1030に蓄積され、IFFT変換部1031で、逆離散フーリエ変換によって一括変換され、標本値が生成される。さらに、得られた標本値はP/S変換部1032で並直列変換され、CP挿入部1033でCP(Cyclic Prefix)を挿入し、D/A変換部1016に出力される。
【0116】
D/A変換部1016は、IFFT部1015から入力された信号をアナログに変換し、連続信号に変換された信号をアップコンバータ部1018に出力する。
【0117】
アップコンバータ部1018は、局部信号発生器1017から出力される搬送波を掛け合わせることで、搬送帯域の信号を生成し、スイッチ1078に出力する。
【0118】
スイッチ1078は、選択制御部1077によって、アップコンバータ部1018から送信増幅器1019への入力を制御する。例えば、選択制御部1077がフェムトモードで動作することを選択し、通信機能部を用いる通信を行うように制御した場合は、スイッチ1078は、アップコンバータ部1018からの出力信号を送信増幅器1019に入力する。選択制御部1077がリピーターモードで動作することを選択し、無線中継機能部を用いる通信を行うように制御した場合は、スイッチ1078は、アップコンバータ部1018からの出力信号を送信増幅器1019に入力せずに抑止する。
【0119】
無線中継機能部1040において、
対基地局アンテナ1041を介して、受信した信号は、デュープレクサ1042に入力され、受信増幅器1043に出力する。
【0120】
受信増幅器1043は、デュープレクサ1042から入力された信号を増幅し、スイッチ1078に出力する。
【0121】
スイッチ1078は、選択制御部1077によって、受信増幅器1043から送信増幅器1019への入力を制御する。例えば、選択制御部1077がフェムトモードで動作することを選択し、通信機能部を用いる通信を行うように制御した場合は、スイッチ1078は、受信増幅器1043からの出力信号を送信増幅器1019に入力せずに抑止する。選択制御部1077がリピーターモードで動作することを選択し、無線中継機能部を用いる通信を行うように制御した場合は、スイッチ1078は、受信増幅器1043からの出力信号を送信増幅器1019に入力する。
【0122】
送信増幅器1019は、スイッチ1078から入力された信号を増幅して、デュープレクサ1020と対移動局アンテナ1021を介して、移動局に向けて送信する。
【0123】
2.4.2 アップリンク
次に、本実施形態におけるアップリンク通信について説明する。
【0124】
対移動局アンテナ1021を介して受信した信号は、デュープレクサ1020を介して、受信増幅器1022に出力される。
【0125】
受信増幅器1022は、デュープレクサ1020から入力された信号を増幅して、スイッチ1079に出力する。スイッチ1079は、選択制御部1077からの制御信号によって、ダウンコンバータ部1023もしくは送信増幅器1044に、受信増幅器1022からの信号を入力する。
【0126】
通信機能部1010において、
選択制御部1077がフェムトモードで動作することを選択し、通信機能部を用いる通信を行うように制御した場合、スイッチ1079は、受信増幅器1022からの出力信号をダウンコンバータ部1023に出力する。ダウンコンバータ部1023は、スイッチ1079から信号が入力されると、局部信号発生器1017から入力されたローカル信号を用いてベースバンド信号にダウンコンバーションした後に、A/D変換部1024に出力される。A/D変換部1024は、ダウンコンバータ部1023から信号が入力されると、デジタル信号に変換し、FFT部1025に出力する。
【0127】
CP除去部1034は、信号に付与されているCPを除去し、S/P変換部1035に出力する。S/P変換部1035は、CP除去部1034から入力された信号を、直並列変換をして、FFT変換部1036に出力する。FFT変換部1036では、離散フーリエ変換によって、標本値から複素シンボルに変換し、P/S変換部1037に出力する。P/S変換部1037では、並直列変換を行い、RS抽出部1026と復調部1028に出力する。
【0128】
RS抽出部1026は、RS(Reference Signal)信号を抽出し、チャネル推定部1027に出力する。チャネル推定部1027は、RS抽出部1026から入力されたRS信号を基に、無線伝播経路の時間的、周波数的変動を推定する。
【0129】
復調部1028は、FFT部1025から入力された変調信号から、チャネル推定部1027から入力された無線伝播変動を差し引いて、無線伝播歪を補正し、復号化部1029に出力する。
【0130】
復号化部1029は、復調部1028から入力された信号を復号し、MAC処理部1011とHighLayer処理部1012に出力する。MAC処理部1011とHighLayer処理部1012は、復号化部1029から入力された信号をIPネットワーク内の信号に変換する。MAC処理部1011及びHighLayer処理部1012は、選択制御部1077がリピーターモードで動作することを選択し、無線中継機能部を用いる通信を行うように制御している場合は、有線ネットワークにイリーガルな信号をIPネットワーク内に送信しないように制御する。
【0131】
無線中継機能部1040において、
選択制御部1077がリピーターモードで動作ことを選択し、無線中継機能部を用いる通信を行うように制御した場合、スイッチ1079は、受信増幅器1022からの出力信号を送信増幅器1044に入力する。
【0132】
送信増幅器1044は、デュープレクサ1042と対基地局アンテナ1041を介して、マクロ基地局に対して信号を送信する。
【0133】
2.5 フェムトモードとリピーターモードの切替処理
図11は、本実施形態のフェムト基地局におけるフェムトモードとリピーターモードの切替動作・処理を示すフローチャートである。
【0134】
フェムト基地局を設置後(S110)、フェムト基地局の電源がONされると(S111)、Rssi測定部1076は、設置場所での下りRssiを以下の数式(4)を用いて測定する(S112)。この時、マクロ基地局からの信号で最大のものを信号Sとする。
【0135】
【数4】

【0136】
---------------------- (4)
Rssiの測定結果に基づき、選択制御部1077は、フェムトモードとリピーターモードのいずれかを選択する(S113)。このとき、選択制御部1077は、Rssiが閾値よりも小さい場合はフェムトモードを選択し、通信機能部を用いる通信を行うことでフェムト基地局として動作するように制御し(S114)、Rssiが閾値よりも大きい場合はリピーターモードを選択し、無線中継機能部を用いる通信を行うことでリピーターとして動作するように制御する(S115)。
【0137】
次に、Rssi測定部1076は、フェムトモード又はリピーターモードの動作を開始すると、動作開始時点からの時間を測定する(S116)。
【0138】
Rssi測定部1076は、フェムト基地局がフェムトモード又はリピーターモードの動作を開始してから、所定時間が経過したかどうか判断する(S117)。所定時間が経過した場合は、ステップS113に戻り、Rssi測定部1076は、再度、Rssi測定部1076は、Rssiを測定する(S113)。また、所定時間が経過していない場合は、Rssi測定部1076は、フェムト基地局の電源ON/OFFを確認する(S118)。
【0139】
フェムト基地局の電源がONの状態の場合は、ステップS116に戻り、Rssi測定部1076は、再度、フェムトモード又はリピーターモードの動作開始時点からの時刻を測定する(S116)。フェムト基地局の電源がOFFになった時点でフェムトモードとリピーターモードの切替動作・処理を終了する(S119)。
【0140】
また、リピーターモードからフェムトモードに切り替えるとき、及びフェムトモードかたリピーターモードに切り替えるときには、当該フェムト基地局に接続している移動局は、ハンドオーバーを行うことで、通信を切り替える。このときには、当該移動局がフェムト基地局又はマクロ基地局に対してハンドオーバー要求を通知することでハンドオーバーを実施しても良いし、フェムト基地局又はマクロ基地局が制御するようにしても良い。そして、マクロ基地局に当該移動局が接続した際には、マクロ基地局は当該移動局も含めてスケジューリングを行い、通信を開始することで、他の起動局との干渉は発生しない。
【0141】
2.6 効果
第2実施形態によると、ユーザーがフェムト基地局を自由に設置することができると共に、フェムト基地局と通信を行う移動局のスループットを向上させ、さらに、屋外に存在する基地局と通信を行う移動局への干渉を低減させることができる。
【0142】
<第3実施形態>
第3実施形態では、フェムト基地局が無線中継機能部と通信機能部とを備え、当該フェムト基地局の設置場所のSinrを測定し、測定結果が閾値より大きい場合は無線中継機能部を用いる通信を選択し、リピーターモードとして動作し、測定結果が閾値より小さい場合は通信機能部を用いる通信を選択しフェムト基地局として動作する。
【0143】
さらに、フェムト基地局が、第1の測定結果によって選択した通信と、第1の測定から所定時間経過後に測定した第2の測定結果によって選択した通信が異なる場合、無線中継機能部を用いる通信と通信機能部を用いる通信との両方を用いる通信を行った後に、第2の測定結果によって選択した通信に切り替える。
【0144】
つまり、フェムトモードからリピーターモードに切り替える際には、無線中継機能部と通信機能部との両方を用いる通信を行った後に、無線中継機能部を用いる通信を行うことで、フェムトモードからリピーターモードに切り替える。
【0145】
また、リピーターモードからフェムトモードに切り替える際には、無線中継機能部と通信機能部との両方を用いる通信を行った後に、通信機能部を用いる通信を行うことで、リピーターモードからフェムトモードに切り替える。
【0146】
動作モードを瞬時に切り替えずに、時間をかけて切り替える点で、第1実施形態及び第2実施形態とは異なる。
【0147】
図12〜図17を用いて、第3実施形態についての詳細を説明する。
【0148】
3.1 概要
図12〜図15は、本実施形態における概要図である。
【0149】
図12は、本実施形態におけるフェムト基地局が、リピーターモードからフェムトモードへの切り替えを実行した時の概要図である。
【0150】
例えば、本実施形態のフェムト基地局1202を、完全不感地帯ではない窓際等のマクロ基地局1201に対するSinrが大きい場所から、不感地帯である部屋の奥等のマクロ基地局1201に対するSinrが小さい場所に、ユーザーが移動させたとする。この場合、本実施形態のフェムト基地局1202は、リピーターモードの動作を徐々に止めながら、フェムトモードの動作を開始し、最終的に、通信機能部を用いる通信を行うフェムト基地局として動作する。
【0151】
また、図14は、図12のフェムト基地局1202の動作切り替え時の移動局1203におけるフェムト基地局1202からの受信レベルの変化を示したものである。
【0152】
図12及び図14が示すように、移動局1203は、リピーターとして動作しているフェムト基地局1202を介して、マクロ基地局1201と通信を行っている。そして、フェムト基地局1202が、フェムトモードを選択し、フェムトモードの動作を開始し、通信機能部を用いる通信を行っているフェムト基地局1202の信号が受信可能になると、移動局1203は、フェムト基地局1202との通信を追加し、マクロ基地局1201及びフェムト基地局1202と同時に通信を行う。マクロ基地局1201からの信号が弱くなると、マクロ基地局との通信を開放し、通信機能部を用いる通信を行っているフェムト基地局との通信を継続する。
【0153】
本実施形態のフェムト基地局1202は、瞬時に動作を切り替えるのではなく、徐々に動作を切り替えることが特徴である。そして、本実施形態のフェムト基地局1202は、リピーターモードからフェムトモードへの動作切り替えの際に、切り替え先の基地局にも同時に接続し、切り替え先基地局との接続が完了してから切り替え前の基地局との通信を解除する。これにより通信の瞬断なくハンドオーバーが可能となる。よって、移動局にとって通信断は発生してしまう可能性を軽減することが出来る。
【0154】
図13は、本実施形態におけるフェムト基地局が、フェムトモードからリピーターモードへの切り替えを実行した時の概要図である。
【0155】
例えば、本実施形態のフェムト基地局1302を、不感地帯である部屋の奥等のマクロ基地局1301に対するSinrが小さい場所から、完全不感地帯ではない窓際等のマクロ基地国1301に対するSinrが大きい場所に、ユーザーが移動させたとする。この場合、本実施形態のフェムト基地局1302は、フェムトモードの動作を徐々に止めながら、リピーターモードの動作を徐々に開始し、最終的に、無線中継機能部を用いる通信を行うリピーターとして動作する。
【0156】
また、図15は、図13のフェムト基地局1302の動作切り替え時の移動局1303におけるフェムト基地局1302からの受信電力レベルの変化を示したものである。
【0157】
本実施形態のフェムト基地局1302は、図14のように、徐々に動作を切り替えることに特徴がある。そして、本実施形態のフェムト基地局1302は、フェムトモードからリピーターモードへの動作切り替えの際に、通信断が発生してしまう可能性を軽減することが出来る。
【0158】
3.2 構成
図16は、第3実施形態におけるフェムト基地局の機能ブロック図/ハードウェア構成図である。尚、ここでは、OFDM変調を例にとり説明するが、本発明がOFDM変調に限定されるものではない。
【0159】
図16に示すように、本実施形態のフェムト基地局1600は、通信機能部1610と、無線中継機能部1640と、切替制御部1670と、を備える。
【0160】
通信機能部1610は、MAC処理部1611と、HighLayer処理部1612と、符号化部1613と、変調部1614と、IFFT部1615と、D/A変換部1616と、局部信号発生部1617、アップコンバータ部1618と、切替制御部1670と、送信増幅器1619、デュープレクサ1620、対移動局アンテナ1621と、受信増幅器1622、ダウンコンバータ部1623、A/D変換部1624、FFT部1625、RS抽出部1626、チャネル推定部1627と、復調部1628と、復号化部1629と、を備える。また、IFFT部1615は、S/P変換部1630と、IFFT変換部1631と、P/S変換部1632と、CP挿入部1633と、を備える。FFT部1625は、CP除去部1634と、S/P変換部1635と、FFT変換部1636と、P/S変換部1637と、を備える。
【0161】
無線中継機能部1640は、対基地局アンテナ1641と、デュープレクサ1642と、受信増幅器1643と、切替制御部1670と、送信増幅器1619と、デュープレクサ1620と、対移動局アンテナ1621と、受信増幅器1622と、送信増幅器1644と、を備える。また、通信機能部1610における切替制御部1670と、送信増幅器1619と、受信増幅器1622と、デュープレクサ1620と、対移動局アンテナ1621と、切替制御部1670とは、同一のものである。
【0162】
切替制御部1670は、局部信号発生部1671と、ダウンコンバータ部1672と、A/D変換部1673と、FFT部1674と、RS抽出部1675と、Sinr測定部1676と、選択制御部1677と、スイッチ1678とスイッチ1679と、を備える。スイッチ1678は、合成器1680と可変抵抗器1681と可変抵抗器1682とを備え、スイッチ1679は、合成器1683と可変抵抗器1684と可変抵抗器1685とを備える。また、切替制御部1670は、上述の通信機能部1610及び無線中継機能部1640が備える切替制御部1670のことである。
【0163】
上述の構成を備える切替制御部1670は、上述のフェムト機能とリピーター機能を所定の条件によって、徐々に切り替える機能を実現する。
【0164】
また、MAC処理部1611と、HighLayer処理部1612と、選択制御部1677とは、CPU1601に含まれ、符号化部1613と、変調部1614と、IFFT部1615と、D/A変換部1616と、A/D変換部1624、FFT部1625と、RS抽出部1626と、チャネル推定部1627と、復調部1628と、復号化部1629とA/D変換部1673と、FFT部1674と、RS抽出部1675と、Sinr測定部1676とは、DSP1602に含まれ、それ以外は、RF部品1603である。
【0165】
3.3 切替制御部
ここで、切替制御部1670について、詳しい説明をする。
【0166】
ダウンコンバータ部1672は、対基地局アンテナ1641と、デュープレクサ1642と、受信増幅器1643を介して、高周波信号を受信すると、局部信号発生器1671からの入力されるローカル信号を用いて、受信信号をベースバンド信号にダウンコンバージョンする。
【0167】
A/D変換部1673は、ダウンコンバータ部1672からの入力信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、FFT部1674に出力する。FFT部1674(Fast Fourier Transform)は、時間領域の離散シーケンスを周波数領域の離散スペクトラムに変換する。
【0168】
RS抽出部1675(Reference Signal)は、RS信号を抽出し、Sinr測定部1676に出力する。
【0169】
Sinr測定部1676は、RS抽出部1675からの入力信号から、自フェムト基地局におけるSinr値を測定し、測定結果を選択制御部1677に出力する。
【0170】
選択制御部1677は、Sinr測定部1676からの入力に基づいて、スイッチ578とスイッチ579に、フェムトモードで動作するか、リピーターモードで動作するかを制御する。
【0171】
例えば、Sinrが閾値よりも小さい値であった場合には、フェムトモードで動作するように、スイッチ1678及びスイッチ1679に制御信号を出力する。反対に、Sinrが閾値よりも大きい場合には、リピーターモードで動作するように、スイッチ1678及びスイッチ1679に制御信号を出力する。
【0172】
このとき、選択制御部1677は、上述の制御信号を可変抵抗器1681、1682、1684、1685のそれぞれに出力する。
【0173】
可変抵抗器1681、1682、1684、1685は、入力された制御信号に基づいて動作する。
【0174】
例えば、選択制御部1677がフェムトモードで動作することを選択し、通信機能部を用いる通信を行うように制御信号を入力した場合、可変抵抗器1681、1685の抵抗値を徐々に最小値に近づけ、可変抵抗器1682、1684の抵抗値を徐々に最大値に近づける。
【0175】
また、選択制御部1677がリピーターモードで動作すること選択し、無線中継機能部を用いる通信を行うように制御信号を入力した場合、可変抵抗器1681、1685の抵抗値を徐々に最大値に近づけ、可変抵抗器1682、1684の抵抗値を徐々に最小値に近づける。
【0176】
合成器1680は、可変抵抗器1681、1682を介して入力される信号を送信増幅器1619に出力する。
【0177】
合成器1683は、受信増幅器1622からの信号を可変抵抗器1684、1685に出力する。
【0178】
3.4.1 ダウンリンク
ここで、本実施形態におけるダウンリンク通信について説明をする。
【0179】
通信機能部1610において、
MAC処理部1611とHighLayer処理部1612を介して受信したデータ信号を符号化部1613に出力する。符号化部1613は、符号化した信号を変調部1614に出力する。
【0180】
変調部1614は、送信すべきデータビット列を各搬送波で変調するための複素シンボルに変換し、IFFT部1615に出力される。
【0181】
変調部1614から入力された複素シンボル列は、S/P変換部1630に蓄積され、IFFT変換部1631で、逆離散フーリエ変換によって一括変換され、標本値が生成される。さらに、得られた標本値はP/S変換部1632で並直列変換され、CP挿入部1633でCP(Cyclic Prefix)を挿入し、D/A変換部1616に出力される。
【0182】
D/A変換部1616は、IFFT部1615から入力された信号をアナログに変換し、連続信号に変換された信号をアップコンバータ部1618に出力する。
【0183】
アップコンバータ部1618は、局部信号発生器1617から出力される搬送波を掛け合わせることで、搬送帯域の信号を生成し、スイッチ1678に出力する。
【0184】
スイッチ1678は、選択制御部1677によって、アップコンバータ部1618から送信増幅器1619への入力を制御する。例えば、選択制御部1677がフェムトモードで動作することを選択し、通信機能部を用いる通信を行うように制御した場合は、可変抵抗器1681の抵抗値を徐々に最小値に近づけていき、可変抵抗器1682の抵抗値を徐々に最大値に近づけていく。
【0185】
合成器1680は、アップコンバータ部1618から可変抵抗器1681を介して入力された信号と、後述する受信増幅器1643から可変抵抗器1682を介して入力された信号を、合成して、送信増幅器1619に出力する。
【0186】
こうすることで、通信機能部1610からの信号は少しずつ増加し、無線中継機能部1640からの信号は少しずつ低下するので、リピーターモードからフェムトモードへのハンドオーバーが可能となり、通信断は発生しない。
【0187】
無線中継機能部1640において、
対基地局アンテナ1641を介して、受信した信号は、デュープレクサ1642に入力され、受信増幅器1643に出力される。受信増幅器1643は、デュープレクサ1642から入力された信号を増幅し、スイッチ1678に出力する。
【0188】
スイッチ1678は、選択制御部1677によって、受信増幅器1643から送信増幅器1619への入力を制御する。例えば、選択制御部1677がリピーターモードで動作することを選択し、無線中継機能部を用いる通信を行うように制御した場合は、可変抵抗器1681の抵抗値を徐々に最大値に近づけていき、可変抵抗器1682の抵抗値を徐々に最小値に近づけていく。
【0189】
合成器1680は、受信増幅器1643から可変抵抗器1682を介して入力された信号と、上述のアップコンバータ部1618から可変抵抗器1681を介して入力された信号を、合成して、送信増幅器1619に出力する。
【0190】
こうすることで、通信機能部1610からの信号は少しずつ低下し、無線中継機能部1640からの信号は少しずつ増加するので、フェムトモードからリピーターモードへのハンドオーバーが可能となり、通信断は、発生しない。
【0191】
送信増幅器1619は、スイッチ1678から入力された信号を増幅して、デュープレクサ1620と対移動局アンテナ1621を介して、移動局に向けて送信する。
【0192】
3.4.2 アップリンク
次に、本実施形態におけるアップリンク通信について説明する。
【0193】
対移動局アンテナ1621を介して受信した信号は、デュープレクサ1620を介して、受信増幅器1622に出力される。
【0194】
受信増幅器1622は、デュープレクサ1620から入力された信号を増幅して、スイッチ1679に出力する。スイッチ1679は、選択制御部1677からの制御信号によって、ダウンコンバータ部1623もしくは送信増幅器1644に、受信増幅器1622からの信号を入力する。
【0195】
通信機能部1610において、
選択制御部1677がフェムトモードで動作することを選択し、通信機能部を用いる通信を行うように制御した場合、可変抵抗器1685の抵抗値を徐々に最小値に近づけていき、可変抵抗器1684の抵抗値を徐々に最大値に近づけていく。
【0196】
合成器1683は、受信増幅器1622からの信号を、可変抵抗器1685を介してダウンコンバータ部1623に出力する。合成器1683は、受信増幅器1622からの信号を、可変抵抗器1684を介して送信増幅器1644に出力する。
【0197】
こうすることで、通信機能部1610への信号は少しずつ増加し、無線中継機能部1640への信号は少しずつ低下するので、リピーターモードからフェムトモードへのハンドオーバーが可能となり、通信断は、発生しない。
ダウンコンバータ部1623は、スイッチ1679から信号が入力されると、局部信号発生器1617から入力されたローカル信号を用いてベースバンド信号にダウンコンバーションした後に、A/D変換部1624に出力される。A/D変換部1624は、ダウンコンバータ部1623から信号が入力されると、デジタル信号に変換し、FFT部1625に出力する。
【0198】
CP除去部1634は、信号に付与されているCPを除去し、S/P変換部1635に出力する。S/P変換部1635は、CP除去部1634から入力された信号を、直並列変換をして、FFT変換部1636に出力する。FFT変換部1636では、離散フーリエ変換によって、標本値から複素シンボルに変換し、P/S変換部1637に出力する。P/S変換部1637では、並直列変換を行い、RS抽出部1626と復調部1628に出力する。
【0199】
RS抽出部1626は、同期検波のために挿入されていたRS(Reference Signal)信号を抽出し、チャネル推定部1627に出力する。チャネル推定部1627は、RS抽出部1626から入力されたRS信号を基に、無線伝播経路の時間的、周波数的変動を推定する。
【0200】
復調部1628は、FFT部1625から入力された変調信号から、チャネル推定部1627から入力された無線伝播変動を差し引いて、無線伝播歪を補正し、復号化部1629に出力する。
【0201】
復号化部1629は、復調部1628から入力された信号を復号する。MAC処理部1611とHighLayer処理部1612は、復号化部1629から入力された信号をIPネットワーク内の信号に変換する。MAC処理部1611及びHighLayer処理部1612は、選択制御部1677がリピーターモードで動作することを選択し、無線中継機能部を用いる通信を行うように制御している場合は、有線ネットワークにイリーガルな信号をIPネットワーク内に送信しないように制御する。
【0202】
無線中継機能部1640において、
選択制御部1677がリピーターモードで動作することを選択し、無線中継機能部を用いる通信を行うように制御した場合、可変抵抗器1685の抵抗値を徐々に最大値に近づけていき、可変抵抗器1684の抵抗値を徐々に最小値に近づけていく。
【0203】
合成器1683は、受信増幅器1622からの信号を可変抵抗器1684を介して送信増幅器1644に出力する。合成器1683は、受信増幅器1622からの信号を可変抵抗器1685を介してダウンコンバータ部1623に出力する。
【0204】
こうすることで、無線中継機能部1640への信号は少しずつ増加し、通信機能部1610への信号は少しずつ低下するので、フェムトモードからリピーターモードへのハンドオーバーが可能となり、通信断は発生しない。
【0205】
送信増幅器1644は、デュープレクサ1642と対基地局アンテナ1641を介して、マクロ基地局に対して信号を送信する。
【0206】
3.5 フェムトモードとリピーターモードの切替処理
図17は、本実施形態のフェムト基地局におけるフェムトモードとリピーターモードの切替動作・処理を示すフローチャートである。
【0207】
フェムト基地局を設置後(S1700)、フェムト基地局の電源がONされると(S1701)、Sinr測定部1676は設置場所での下りSinrを測定する(S1702)。
【0208】
Sinrの測定結果に基づき、選択制御部1677はフェムトモードとリピーターモードのいずれかを選択する(S1703)。このとき、選択制御部1677は、Sinrが閾値よりも小さい場合はフェムトモードを選択し、フェムト基地局として動作するように制御し(S1704)、Sinrが閾値よりも大きい場合はリピーターモードを選択し、リピーターとして動作するように制御する(S1705)。
【0209】
次に、Sinr測定部1676は、フェムトモード又はリピーターモードとして動作し始めた動作開始時点からの時間を測定する(S1706)。
【0210】
Sinr測定部1676は、フェムト基地局がフェムトモード又はリピーターモードとして動作を開始してから、所定時間が経過したかどうか判断する(S1707)。所定時間が経過した場合は、Sinr測定部1676は、再度、Sinrを測定する(S1708)。Sinrの測定結果に基づき、選択制御部1677は、フェムトモードとリピーターモードとのどちらで動作するかを判断する(S1709)。選択制御部1677は、ステップS1709で決定した動作モードが、現在の動作モードと同じかどうかを判断する(S1710)。選択制御部1676は、動作モードが同じであった場合は、そのままの動作モードで動作する(S1711)。ステップS1709で決定した動作モードが異なる場合は、選択制御部1677は、現在の動作モードから異なる決定した動作モードに徐々に切り替える(S1712)。
【0211】
また、ステップS1707で、所定時間が経過していない場合は、Sinr測定部1676は、フェムト基地局の電源ON/OFFを確認する(S1713)。
【0212】
フェムト基地局の電源がONの状態の場合は、ステップS1706に戻り、Sinr測定部1676は、再度、フェムトモード又はリピーターモードの動作開始時点からの時刻を測定する(S1706)。フェムト基地局の電源がOFFになった時点でフェムトモードとリピーターモードの切替動作・処理を終了する(S1714)。
【0213】
また、リピーターモードからフェムトモードに切り替えるとき、及びフェムトモードかたリピーターモードに切り替えるときには、当該フェムト基地局に接続している移動局は、ハンドオーバーを行うことで、通信を切り替える。このときには、移動局がフェムト基地局又はマクロ基地局に対してハンドオーバー要求を通知することでハンドオーバーを実施しても良いし、フェムト基地局又はマクロ基地局が制御するようにしても良い。
【0214】
3.6 効果
第3実施形態によると、ユーザーがフェムト基地局を自由に設置することができると共に、フェムト基地局と通信を行う移動局のスループットを向上させ、屋外に存在する基地局と通信を行う移動局への干渉を低減させることができる。さらに、フェムト基地局と接続するユーザーが通信断となる可能性を低減することが出来る。
【0215】
<第4実施形態>
図18〜図23を用いて、第4実施形態についての詳細を説明する。
【0216】
第4実施形態では、フェムト基地局が通信機能部と無線中継機能部とを備え、該フェムト基地局の設置場所のRssiを測定し、測定結果が閾値より大きい場合に無線中継機能部によってリピーターモードとして動作する。さらに、フェムト基地局がフェムトモードからリピーターモードに切り替える際には、瞬時に動作を切り替えずに、ある程度の時間をかけて、フェムトモードからリピーターモードに切り替える。
【0217】
また、該フェムト基地局の設置場所のRssiが閾値より小さい場合に通信機能部によってフェムト基地局として動作する。さらに、フェムト基地局がリピーターモードからフェムトモードに切り替える際には、瞬時に切り替えずに、ある程度の時間をかけて、リピーターモードからフェムトモードに切り替える。Rssiの値を測定する点で、第3実施形態とは異なる。
【0218】
4.1 概要
図18〜図21は、本実施形態における概要図である。
【0219】
図18は、本実施形態におけるフェムト基地局のリピーターモードからフェムトモードに切り替わった時の概要図である。
【0220】
例えば、本実施形態のフェムト基地局1802を窓際等のマクロ基地局1801からのRssiが大きい場所から、部屋の奥等のRssiが小さい場所に移動させたとする。この場合、本実施形態のフェムト基地局1802は、リピーターモードの動作を徐々に止めて、フェムトモードの動作を開始し、最終的に、フェムトモードとして動作する。
【0221】
また、図20は、図18のフェムト基地局1802の動作切り替え時の移動局1803におけるフェムト基地局1802からの受信電力レベルの変化を示したものである。
【0222】
本実施形態のフェムト基地局1802は、図20のように、徐々に動作を切り替えることに特徴がある。そして、本実施形態のフェムト基地局1802は、リピーターモードからフェムトモードへの動作切り替えの際に、通信断が発生してしまう可能性を軽減することが出来る。
【0223】
図19は、本実施形態におけるフェムト基地局のフェムトモードからリピーターモードに切り替わった時の概要図である。
【0224】
例えば、本実施形態のフェムト基地局1902を部屋の奥等のマクロ基地局1901からのRssiが小さい場所から、窓際等のRssiが大きい場所に移動させたとする。この場合、本実施形態のフェムト基地局1902は、リピーターモードの動作を徐々に開始し、最終的に、リピーターとして動作する。
【0225】
また、図21は、図19のフェムト基地局1902の動作切り替え時の移動局1903におけるフェムト基地局1902からの受信電力レベルの変化を示したものである。
【0226】
本実施形態のフェムト基地局1902は、図21のように、徐々に動作を切り替えることに特徴がある。そして、本実施形態のフェムト基地局1902は、フェムトモードからリピーターモードへの動作切り替えの際に、通信断が発生してしまう可能性を軽減することが出来る。
【0227】
4.2 構成
図22は、第4実施形態におけるフェムト基地局の機能ブロック図/ハードウェア構成図である。尚、ここでは、OFDM変調を例にとり説明するが、本発明がOFDM変調に限定されるものではない。
【0228】
図22に示すように、本実施形態のフェムト基地局2200は、通信機能部2210と、無線中継機能部2240と、切替制御部2270と、を備える。
【0229】
通信機能部2210は、MAC処理部2211と、HighLayer処理部2212と、符号化部2213と、変調部2214と、IFFT部2215と、D/A変換部2216と、局部信号発生部2217、アップコンバータ部2218と、切替制御部2270と、送信増幅器2219、デュープレクサ2220、対移動局アンテナ2221と、受信増幅器2222、ダウンコンバータ部2223、A/D変換部2224、FFT部2225、RS抽出部2226、チャネル推定部2227と、復調部2228と、復号化部2229と、を備える。また、IFFT部2215は、S/P変換部2230と、IFFT変換部2231と、P/S変換部2232と、CP挿入部2233と、を備える。FFT部2225は、CP除去部2234と、S/P変換部2235と、FFT変換部2236と、P/S変換部2237と、を備える。
【0230】
無線中継機能部2240は、対基地局アンテナ2241と、デュープレクサ2242と、受信増幅器2243と、切替制御部2270と、送信増幅器2219と、デュープレクサ2220と、対移動局アンテナ2221と、受信増幅器2222と、送信増幅器2244と、を備える。また、通信機能部2210における切替制御部2270と、送信増幅器2219と、受信増幅器2222と、デュープレクサ2220と、対移動局アンテナ2221と、切替制御部2270とは、同一のものである。
【0231】
切替制御部2270は、局部信号発生部2271と、ダウンコンバータ部2272と、A/D変換部2273と、FFT部2274と、RS抽出部2275と、Rssi測定部2276と、選択制御部2277と、スイッチ2278とスイッチ2279と、を備える。スイッチ2278は、合成器2280と可変抵抗器2281と可変抵抗器2282とを備え、スイッチ2279は、合成器2283と可変抵抗器2284と可変抵抗器2285とを備える。また、切替制御部2270は、上述の通信機能部2210及び無線中継機能部2240が備える切替制御部2270のことである。
【0232】
上述の構成を備える切替制御部2270は、上述の通信機能部2210によるフェムトモードと無線中継機能部2240によるリピーターモードを所定の条件によって、徐々に切り替える機能を実現する。
【0233】
また、MAC処理部2211と、HighLayer処理部2212と、選択制御部2277とは、CPU2201に含まれ、符号化部2213と、変調部2214と、IFFT部2215と、D/A変換部2216と、A/D変換部2224、FFT部2225と、RS抽出部2226と、チャネル推定部2227と、復調部2228と、復号化部2229とA/D変換部2273と、FFT部2274と、RS抽出部2275と、Rssi測定部2276とは、DSP2202に含まれ、それ以外は、RF部品2203である。
【0234】
4.3 切替制御部2270
ここで、切替制御部2270について、詳しい説明をする。
【0235】
ダウンコンバータ部2272は、対基地局アンテナ2241と、デュープレクサ2242と、受信増幅器2243を介して、高周波信号を受信すると、局部信号発生器2271からの入力されるローカル信号を用いて、受信信号をベースバンド信号にダウンコンバージョンする。
【0236】
A/D変換部2273は、ダウンコンバータ部2272からの入力信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、FFT部2274に出力する。FFT部2274(Fast Fourier Transform)は、時間領域の離散シーケンスを周波数領域の離散スペクトラムに変換する。
【0237】
RS抽出部2275(Reference Signal)は、RS信号を抽出し、Rssi測定部2276に出力する。
【0238】
Rssi測定部2276は、RS抽出部2275からの入力信号から、自フェムト基地局におけるRssi値を測定し、測定結果を選択制御部2277に出力する。
【0239】
選択制御部2277は、Rssi測定部2276からの入力に基づいて、スイッチ2278とスイッチ2279に、フェムトモードで動作するか、リピーターモードで動作させるかを制御する。
【0240】
例えば、Rssiが閾値よりも小さい値であった場合には、フェムトモードで動作するように、スイッチ2278及びスイッチ2279に制御信号を出力する。反対に、Rssiが閾値よりも大きい場合には、リピーターモードで動作するように、スイッチ2278及びスイッチ2279に制御信号を出力する。
【0241】
このとき、選択制御部2277は、上述の制御信号を可変抵抗器2281、2282、2284、2285のそれぞれに出力する。
【0242】
可変抵抗器2281、2282、2284、2285は、入力された制御信号に基づいて動作する。
【0243】
例えば、選択制御部2277がフェムトモードで動作することを選択し、通信機能部を用いる通信を行うように制御信号を入力した場合、可変抵抗器2281、2285の抵抗値を徐々に最小値に近づけていき、可変抵抗器2282、2284の抵抗値を徐々に最大値に近づけていく。
【0244】
また、選択制御部2277がリピーターモードで動作することを選択し、無線中継機能部を用いる通信を行うように制御信号を入力した場合、可変抵抗器2281、2285の抵抗値を徐々に最大値に近づけていき、可変抵抗器2282、2284の抵抗値を徐々に最小値に近づけていく。
【0245】
合成器2280は、可変抵抗器2281、2282を介して入力される信号を送信増幅器2219に出力する。
【0246】
合成器2283は、受信増幅器2222からの信号を可変抵抗器2284、2285に出力する。
【0247】
4.4.1 ダウンリンク
ここで、本実施形態におけるダウンリンク通信について説明をする。
【0248】
通信機能部2210において、
MAC処理部2211とHighLayer処理部2212を介して受信したデータ信号を符号化部2213に出力する。
【0249】
符号化部2213は、例えば、符号器等で符号化された信号を変調部2214に出力する。
【0250】
変調部2214は、送信すべきデータビット列を各搬送波を変調するための複素シンボルに変換され、IFFT部2215に出力される。
【0251】
変調部2214から入力された複素シンボル列は、S/P変換部2230に蓄積され、IFFT変換部2231で、逆離散フーリエ変換によって一括変換され、標本値が生成される。さらに、得られた標本値はP/S変換部2232で並直列変換され、CP挿入部2233でCP(Cyclic Prefix)を挿入し、D/A変換部2216に出力される。
【0252】
D/A変換部2216は、IFFT部2215から入力された信号をアナログに変換し、連続信号に変換された信号をアップコンバータ部2218に出力する。アップコンバータ部2218は、局部信号発生器2217から出力される搬送波を掛け合わせることで、搬送帯域の信号を生成し、スイッチ2278に出力する。
【0253】
スイッチ2278は、選択制御部2277によって、アップコンバータ部2218から送信増幅器2219への入力を制御する。例えば、選択制御部2277がフェムトモードで動作することを選択し、通信機能部を用いる通信を行うように制御した場合は、可変抵抗器2281の抵抗値を徐々に最小値に近づけていき、可変抵抗器2282の抵抗値を徐々に最大値に近づけていく。
【0254】
合成器2280は、アップコンバータ部2218から可変抵抗器2281を介して入力された信号と、後述する受信増幅器2243から可変抵抗器2282を介して入力された信号を、合成して、送信増幅器2219に出力する。
【0255】
こうすることで、通信機能部2210からの信号は少しずつ増加し、無線中継機能部2240からの信号は少しずつ低下するので、リピーターモードからフェムトモードへのハンドオーバーが可能となり、通信断は発生しない。
【0256】
無線中継機能部2240において、
対基地局アンテナ2241を介して、受信した信号は、デュープレクサ2242に入力され、受信増幅器2243に出力される。受信増幅器2243は、デュープレクサ2242から入力された信号を増幅し、スイッチ2278に出力する。
【0257】
スイッチ2278は、選択制御部2277によって、受信増幅器2243から送信増幅器2219への入力を制御する。例えば、選択制御部2277がリピーターモードで動作することを選択し、無線中継機能部を用いる通信を行うように制御した場合は、可変抵抗器2281の抵抗値を徐々に最大値に近づけていき、可変抵抗器2282の抵抗値を徐々に最小値に近づけていく。
【0258】
合成器2280は、受信増幅器2243から可変抵抗器2282を介して入力された信号と、上述のアップコンバータ部2218から可変抵抗器2281を介して入力された信号を、合成して、送信増幅器2219に出力する。
【0259】
こうすることで、通信機能部2210からの信号は少しずつ低下し、無線中継機能部2240からの信号は少しずつ増加するので、フェムトモードからリピーターモードへのハンドオーバーが可能となり、通信断は発生しない。
【0260】
送信増幅器2219は、スイッチ2278から入力された信号を増幅して、デュープレクサ2220と対移動局アンテナ2221を介して、移動局に向けて送信する。
【0261】
4.4.2 アップリンク
次に、本実施形態におけるアップリンク通信について説明する。
【0262】
対移動局アンテナ2221を介して受信した信号は、デュープレクサ2220を介して、受信増幅器2222に出力される。受信増幅器2222は、デュープレクサ2220から入力された信号を増幅して、スイッチ2279に出力する。
【0263】
スイッチ2279は、選択制御部2277からの制御信号によって、ダウンコンバータ部2223もしくは送信増幅器2244に、受信増幅器2222からの信号を入力する。
【0264】
通信機能部2210において、
選択制御部2277がフェムトモードで動作することを選択し、通信機能部を用いる通信を行うように制御した場合、可変抵抗器2285の抵抗値を徐々に最小値に近づけていき、可変抵抗器2284の抵抗値を徐々に最大値に近づけていく。
【0265】
合成器2283は、受信増幅器2222からの信号を、可変抵抗器2285を介してダウンコンバータ部2223に出力する。合成器2283は、受信増幅器2222からの信号を、可変抵抗器2284を介して送信増幅器2244に出力する。
【0266】
こうすることで、通信機能部2210への信号は少しずつ増加し、無線中継機能部2240への信号は少しずつ低下するので、リピーターモードからフェムトモードへのハンドオーバーが可能となり、通信断は発生しない。
【0267】
ダウンコンバータ部2223は、スイッチ2279から信号が入力されると、局部信号発生器2217から入力されたローカル信号を用いてベースバンド信号にダウンコンバーションした後に、A/D変換部2224に出力される。A/D変換部2224は、ダウンコンバータ部2223から信号が入力されると、デジタル信号に変換し、FFT部2225に出力する。
【0268】
CP除去部2234は、信号に付与されているCPを除去し、S/P変換部2235に出力する。S/P変換部2235は、CP除去部2234から入力された信号を、直並列変換をして、FFT変換部2236に出力する。FFT変換部2236では、離散フーリエ変換によって、標本値から複素シンボルに変換し、P/S変換部2237に出力する。P/S変換部2237では、並直列変換を行い、RS抽出部2226と復調部2228に出力する。
【0269】
RS抽出部2226は、同期検波のために挿入されていたRS(Reference Signal)信号を抽出し、チャネル推定部2227に出力する。チャネル推定部2227は、RS抽出部2226から入力されたRS信号を基に、無線伝播経路の時間的、周波数的変動を推定する。
【0270】
復調部2228は、FFT部2225から入力された変調信号から、チャネル推定部2227から入力された無線伝播変動を差し引いて、無線伝播歪を補正し、復号化部2229に出力する。
【0271】
復号化部2229は、復調部2228から入力された信号を復号する。MAC処理部2211とHighLayer処理部2212は、復号化部2229から入力された信号をIPネットワーク内の信号に変換する。MAC処理部2211及びHighLayer処理部2212は、選択制御部2277がリピーターモードで動作することを選択し、無線中継機能部を用いる通信を行うように制御している場合は、有線ネットワークにイリーガルな信号をIPネットワーク内に送信しないように制御する。
【0272】
無線中継機能部2240において、
選択制御部2277がリピーターモードで動作することを選択し、無線中継機能部を用いる通信を行うように制御した場合、可変抵抗器2285の抵抗値を徐々に最大値に近づけていき、可変抵抗器2284の抵抗値を徐々に最小値に近づけていく。
【0273】
合成器2283は、受信増幅器2222からの信号を可変抵抗器2284を介して送信増幅器2244に出力する。合成器2283は、受信増幅器2222からの信号を可変抵抗器2285を介してダウンコンバータ部2223に出力する。
【0274】
こうすることで、無線中継機能部2240への信号は少しずつ増加し、通信機能部2210への信号は少しずつ低下するので、フェムトモードからリピーターモードへのハンドオーバーが可能となり、通信断は発生しない。
【0275】
送信増幅器2244は、デュープレクサ2242と対基地局アンテナ1641を介して、マクロ基地局に対して信号を送信する。
【0276】
4.5 フェムトモードとリピーターモードの切替処理
図23は、本実施形態におけるフェムト基地局の動作・処理を示すフローチャートである。
【0277】
フェムト基地局を設置後(S2300)、フェムト基地局の電源がONされると(S2301)、Rssi測定部2276は、設置場所での下りRssiを測定する(S2302)。
【0278】
Rssiの測定結果に基づき、選択制御部2276はフェムトモードとリピーターモードのいずれかを選択する(S2303)。このとき、選択制御部2277は、Rssiが閾値よりも小さい場合にフェムトモードを選択し、フェムト基地局として動作することを選択し、通信機能部を用いる通信を行うように制御し(S2304)、Rssiが閾値よりも大きい場合にリピーターモードを選択し、リピーターとして動作することを選択し、無線中継機能部を用いる通信を行うように制御する(S2305)。
【0279】
次に、フェムトモード又はリピーターモードとして動作し始めた動作開始時点からの時間を測定する(S2306)。
【0280】
Rssi測定部2276は、フェムト基地局がフェムトモード又はリピーターモードとして動作を開始してから、所定時間が経過したかどうか判断する(S2307)。所定時間が経過した場合は、Rssi測定部2276は、再度、Rssiを測定する(S2308)。選択制御部2277は、Rssiの測定結果に基づき、フェムトモードとリピーターモードとのどちらで動作するかを判断する(S2309)。選択制御部2277は、ステップS2309で決定した動作モードが、現在の動作モードと同じかどうかを判断する(S2310)。同じであった場合は、選択制御部2277は、そのままの動作モードで動作することを選択し、同じ機能部を用いる通信を行うように制御する(S2311)。ステップS2309で決定した動作モードが異なる場合は、選択制御部2277は、現在の動作モードから決定した動作モードを選択し、徐々に切り替える(S2312)。
【0281】
また、ステップS2307で、所定時間が経過していない場合は、Rssi測定部2276は、フェムト基地局の電源ON/OFFを確認する(S2313)。
【0282】
フェムト基地局の電源がONの状態の場合は、ステップS2306に戻り、Rssi測定部2276は、再度、フェムトモード又はリピーターモードの動作開始時点からの時刻を測定する(S2306)。フェムト基地局の電源がOFFになった時点で処理を終了する(S2314)。
【0283】
また、リピーターモードからフェムトモードに切り替えるとき、及びフェムトモードかたリピーターモードに切り替えるときには、当該フェムト基地局に接続している移動局は、ハンドオーバーを行うことで、通信を切り替える。このときには、移動局がフェムト基地局又はマクロ基地局に対してハンドオーバー要求を通知することでハンドオーバーを実施しても良いし、フェムト基地局又はマクロ基地局が制御するようにしても良い。
【0284】
4.6 効果
第4実施形態によると、ユーザーがフェムト基地局を自由に設置することができると共に、フェムト基地局と通信を行う移動局のスループットを向上させ、屋外に存在する基地局と通信を行う移動局への干渉を低減させることができる。さらに、フェムト基地局と接続するユーザーが通信断となる可能性を低減することが出来る。

【符号の説明】
【0285】
11、31、41、42、43、44、71、81、91、92、93、94、1201、1301、1801、1901 マクロ基地局
12、32、45、72、82、95、500、1000、1202、1302、1802、1902 フェムト基地局
13、14、33、34、73、74、83、84、1203、1204、1303、1304、1803、1804、1903、1904 移動局
501、1001、1601、2201 CPU
502、1002、1602、2202 DSP
503、1003、1603、2203 RF部品
510、1010、1610、2210 通信機能部
511、1011、1611、2211 MAC処理部
512、1012、1612、2212 HighLayer処理部
513、1013、1613、2213 符号化部
514、1014、1614、2214 変調部
515、1015、1615、2215 IFFT部
516、1016、1616、2216 D/A変換部
517、571、1017、1071、1617、1671、2217、2271 局部信号発生器
518、1018、1618、2218 アップコンバータ部
519、544、1019、1044、1619、1644、2219、2244 送信増幅器
520、542、1020、1042、1620、1642、2220、2242 デュープレクサ
521、1021、1621、2221 対移動局アンテナ
522、543、1022、1043、1622、1643、2222、2243 受信増幅器
523、572、1023、1072、1623、1672、2223、2272 ダウンコンバータ部
524、573、1024、1073、1624、1673、2224、2273 A/D変換部
525、574、1025、1074、1625、1674、2225、2274 FFT部
526、575、1026、1075、1626、1675、2226、2275 RS抽出部
527、1027、1627、2227 チャネル推定部
528、1028、1628、2228 復調部
529、1029、1629、2229 復号化部
530、535、1030、1035、1630、1635、2230、2235 S/P変換部
531、1031、1631、2231 IFFT変換部
532、537、1032、1037、1632、1637、2232、2237 P/S変換部
533、1033、1633、2233 CP挿入部
534、1034、1634、2234 CP除去部
536、1036、1636、2236 FFT変換部
540、1040、1640、2240 無線中継機能部
541、1041、1641、2241 対基地局アンテナ
570、1070、1670、2270 切替制御部
576、1676 Sinr測定部
577、1077、1677、2277 選択制御部
578、579、1078、1079、1678、1679、2278、2279 スイッチ
1076、2276 Rssi測定部
1680、1683、2280、2283 合成器
1681、1682、1684、1685、2281、2282、2284、2285 可変抵抗器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般回線を介してコアネットワークと接続し、移動局と通信可能な基地局において、
前記移動局及び他基地局と無線信号を送受信する第1送受信部と、
前記コアネットワークとデータ信号を送受信する第2送受信部と、
前記他基地局と送受信する前記無線信号を、前記他基地局と前記移動局との間において中継するように制御する無線中継機能部と、
受信する前記データ信号を無線信号に変換し、変換した前記無線信号を前記移動局に送信するように制御し、前記移動局から受信する前記無線信号をデータ信号に変換し、変換した前記データ信号を前記コアネットワークに送信するように制御する通信機能部と、
前記第1送受信部において前記他基地局から受信した前記無線信号の受信レベルを測定する測定部と、
測定した前記受信レベルに基づいて、前記移動局との通信として、前記無線中継機能部を用いる通信と前記通信機能部を用いる通信とのいずれかを選択する選択制御部と、
を備えることを特徴とする基地局。
【請求項2】
前記選択制御部は、
前記受信レベルが閾値よりも大きい場合は前記中継機能部を用いる通信を選択し、前記受信レベルが閾値よりも小さい場合は前記通信機能部を用いる通信を選択すること
を特徴とする請求項1記載の基地局。
【請求項3】
前記測定部は、
前記他基地局から受信する前記無線信号の受信電力と、前記他基地局以外の基地局が送出し前記基地局に到達する無線信号の受信電力の合計との比率であるSinrによって、前記受信レベルを測定することを特徴とする請求項1又は2記載の基地局。
【請求項4】
前記測定部は、
前記他基地局から受信する無線信号の受信信号強度であるRssiによって、前記受信レベルを測定すること
を特徴とする請求項1又は2記載の基地局。
【請求項5】
前記測定部は、
第1の測定から所定時間経過後に第2の測定を行い、
前記選択制御部は、
前記第1の測定の測定結果によって選択した第1の通信と、前記第2の測定の測定結果によって選択した第2の通信とが異なる場合、前記無線中継機能部を用いる通信と前記通信機能部を用いる通信との両方を用いる通信を行うように制御した後に、第2の通信に切り替えるように制御すること
を特徴とする請求項1乃至4記載の基地局。
【請求項6】
前記通信機能部は、
第1最小値から第1最大値の範囲で抵抗値の増減が可能である第1可変抵抗器を更に備え、
前記無線中継機能部は、
第2最小値から第2最大値の範囲で抵抗値の増減が可能である第2可変抵抗器を更に備え、
前記選択制御部は、
前記通信機能部を用いる通信から前記無線中継機能部を用いる通信に切り替える場合は、前記第2可変抵抗器の抵抗値を徐々に前記第2最小値に近づけると共に、前記第1可変抵抗器の抵抗値を徐々に前記第1最大値に近づけることで、通信を切り替え、
前記無線中継機能部を用いる通信から前記通信機能部を用いる通信に切り替える場合は、前記第1可変抵抗器の抵抗値を徐々に前記第1最小値に近づけると共に、前記第2可変抵抗器の抵抗値を徐々に前記第2最大値に近づけることで、通信を切り替えること
を特徴とする請求項5記載の基地局。
【請求項7】
コアネットワークと接続する基地局と移動局を含む通信システムにおいて、
前記基地局は、
前記移動局及び他基地局と無線信号を送受信する第1の送受信部と、
前記コアネットワークとデータ信号を送受信する第2の送受信部と、
前記他基地局と送受信する前記無線信号を、前記他基地局と前記移動局との間において中継するように制御する無線中継機能部と、
受信する前記データ信号を無線信号に変換し、変換した前記無線信号を前記移動局に送信するように制御し、前記移動局から受信する前記無線信号をデータ信号に変換し、変換した前記データ信号を前記コアネットワークに送信するように制御する通信機能部と、
前記他基地局から受信した前記無線信号の受信レベルを測定する測定部と、
測定した前記受信レベルに基づいて、前記移動局との通信として、前記無線中継機能部を用いる通信と前記通信機能部を用いる通信とのいずれかを選択する選択制御部と、
を備え、
前記移動局は、
前記基地局と無線信号を送受信する第3の送受信部と
を備えること
を特徴とする通信システム。
【請求項8】
コアネットワークと接続し移動局と通信可能な基地局が実行する通信方法において、
前記移動局及び他基地局から無線信号を受信し、
前記コアネットワークからデータ信号を受信し、
受信した前記他基地局が送信した前記無線信号の受信レベルを測定し、
測定した前記受信レベルに基づいて、前記移動局との通信として、
前記コアネットワークから受信する前記データ信号は、無線信号に変換し、変換した前記無線信号を前記移動局に送信し、前記移動局から受信する前記無線信号をデータ信号に変換し、変換した前記データ信号を前記コアネットワークに送信する第1の通信方法と、
前記他基地局と送受信する前記無線信号を前記他基地局と前記移動局との間において中継する第2の通信方法と、
のいずれかの通信を選択すること
を特徴とする通信方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−217154(P2012−217154A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−58522(P2012−58522)
【出願日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】