説明

基地局装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラム

【課題】中継本数が少ないリレー局が無線通信システムにある場合においても、システムが破綻することなく空間多重方式の通信ができる無線通信システム等を提供すること。
【解決手段】
複数のアンテナを有し、空間多重方式を用いてリレー局を中継して端末と通信を行う基地局において、リレー局の空間多重数を管理し、端末の多重化可能数に基づいて、通信チャネルを割り当て、当該割り当てられた通信チャネルに基づいて、端末と無線通信を行う。このとき、リレー局が可能な空間多重数が、端末の多重化可能数より少ない場合には、該空間多重数の通信チャネルを割り当てる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
複数のアンテナを有し、空間多重化方式を用いてリレー局を中継して一又は複数の端末と通信する基地局等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、基地局と端末との間で無線を利用する種々の無線通信システムが知られている。例えば、携帯電話の場合、高い位置に設置された基地局と、端末(移動局)とでデータが送受信されるシステムが構成されている。簡単な構成としては、例えば半径1000mをサービスエリア(在圏エリア)として1つの基地局が受け持ち、基地局と、サービスエリア内の端末(移動局)とが通信を行う方法がある。
【0003】
しかしながら、無線には直進性があり、遮蔽されたところは届きにくく、ビルの中や地下街等はサービス外となってしまう。このため、中継局(リレー局)を用いることにより通信距離を伸ばす方法がとられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2008‐118659号公報
【0004】
ここで、リレー局の一例として、リレー局として良く用いられるリピータの構成について、図21を用いて説明する。まず、受信用アンテナ900で受信された信号は、増幅器902により増幅された後、周波数変換器904においてIF信号に変換される。そして、変換されたIF信号は、SAWフィルタ906において必要な帯域のみ取り出される。そして、取り出された信号は、可変増幅器908及び周波数変換器910により周波数変換される。周波数変換された信号は、増幅器912において増幅されたあと、送信用アンテナ914により送信される。
【0005】
例えば、地下街において無線通信システムを構築する場合、受信用アンテナ900、増幅器902、周波数変換器904迄を地上に設置し、それ以降をケーブルにて地下街に設置する。そして、地下街の天井に送信用アンテナ914を設置することにより、地下街でも電波が届くようになり、端末と基地局との通信が可能となる。
【0006】
なお、図21には説明の都合上、1系統のみを記載したが、通常携帯電話では双方向通信のため、逆方向の系統があることは勿論である。すなわち、地下街側に受信用アンテナを設置し、携帯端末の電波を受信する。そして、地上に設置された送信用アンテナから基地局に対して電波を送受信する。このようにすることで、基地局と端末との双方方向通信が可能となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、伝送速度の高速化のために、複数の伝送チャネルを利用して通信路を構築する通信システムが知られている。例えば、無線通信システムにおいては、MIMO(Multi Input Multi Output)といった技術が提案されている。
【0008】
MIMO技術は、複数のアンテナを用いてデータを送受信し、伝搬路特性の違いを利用して信号の空間多重を行い、信号を分離する技術である。ここで、図22に通信モデルの概略を示す。
【0009】
図22においては、4本の送信アンテナと、4本の受信アンテナを利用して通信が行われている。一般的に、無線の伝搬路はアンテナが異なると無線空間の状況が異なり、伝搬路特性も各アンテナ毎に異なってくる。したがって、その伝搬特性の違いを利用して信号を分離することが可能となり、送受信のアンテナ数分だけ多重化通信が可能となる。例えば、4×4のMIMOでは、1本ずつのアンテナに対して最大4倍の伝送が可能となる。
【0010】
当該MIMOを実現するための基地局の動作を図23を用いて説明する。図23は、基地局950の構成の一例を説明するための図である。
【0011】
基地局950は、基地局制御装置110と、無線通信部960とを備えて構成されている。また、無線通信部960は、データバッファ130及びデータバッファ146と、送信モデム部132と、RF部134及びRF部142と、受信モデム部144と、無線制御部150と、端末管理部152とを備えて構成されている。また、無線通信部120のRF部134には送信アンテナ136が、RF部142には受信アンテナ140がそれぞれ接続されている。
【0012】
基地局制御装置110では、基地局につながっている複数の端末局の状況を把握する各端末管理装置があり、端末の性能等の管理を行う。これは、接続される端末は1種類の性能カテゴリーではないためで、MIMOの処理可能多重数、サポートする変調クラス、周波数帯域等が端末ごとに異なる可能性があるため、それらが管理されている。
【0013】
端末との通信を行う場合、この個別の情報と、受信感度等の伝搬路状況、送受信したいデータ量、維持したいデータ品質等により、通信可能な無線通信方式を無線制御部150で制御して、実際に通信する端末にあわせて、送信モデム部132、受信モデム部144を介して、端末と通信する。
【0014】
具体的には、上位層である基地局制御装置110から、端末宛に送信するデータが一度データバッファ130に記憶される。そして、送信モデム部132及びRF部134を介して、送信アンテナ136より出力される。
【0015】
また、受信アンテナ140において受信されたデータは、RF部142及び受信モデム部144を介してデータに復調され、データバッファ146に記憶される。そして、データバッファ146から、上位層である基地局制御装置110に出力されることとなる。
【0016】
ここで、無線制御部150は、無線通信部960における動作を制御する。また、端末のMIMO処理可能数に合わせてMIMOの空間多重数を決定し、送受信するパケットを構成する。このようにして構成されるパケット構成の一例を図24に示す。
【0017】
本図においては、基地局950が、端末A、B、C、D及びEの5つの端末と通信する場合である。先頭にパケットヘッダがあり、その後端末Aから端末B、C、D及びEに向けた通信領域がある。本図では、3回繰り返しがあって、1パケットとなっている。また、本図における端末A〜Eは「端末Aの処理可能多重数が4」、「端末Bの処理可能多重数が1」、「端末Cの処理可能多重数が4」、「端末Dの処理可能多重数が4」、「端末Eの処理可能多重数が2」として説明する。これら、端末に関する情報は端末管理部152で管理されている。
【0018】
そして、
・端末Aは、処理可能多重数が4であるが、伝播路状況が良好でないため2多重を使用。
・端末Bは、処理可能多重数が1であるので、1多重を使用。
・端末Cは、処理可能多重数が4であり、伝播路状況が良好なため4多重を使用。
・端末Dは、処理可能多重数が4であり、伝播路状況が良好なため4多重を使用。
・端末Eは、処理可能多重数が2であるので、2多重を使用。
と制御されている。
【0019】
このような、MIMO伝送とリレー局がある場合の無線通信システム9の概略を図25に示す。
【0020】
ここで、図25における端末名の下の「<>」で囲まれている数字は、端末における処理可能多重数である。具体的には、端末Aの処理可能多重数は「4」、端末Bの処理可能多重数は「1」、端末Cの処理可能多重数は「4」、端末Dの処理可能多重数は「4」、端末Eの処理可能多重数は「2」となる。
【0021】
また、端末Aと、端末Bは基地局と直接接続されており、端末Cはリレー局Aを介して、端末D及び端末Eはリレー局Bを介して基地局10と接続されている。
【0022】
このようなMIMO多重された信号を2系統から構成されるリレー局を介した場合の例を図25に示す。MIMOにおいては、空間の伝搬特性の違いを利用し、多重した信号を復調することができるものであり、4×4では、16系統の独立した伝搬路(図22の16本の矢印)が構成されることで多重可能であったものが、リレー局が2アンテナしかないために、4×2で8系統の伝搬路しか構成されないこととなる。
【0023】
そのため、端末側で4系統のアンテナを用意しても、伝搬途中で独立性を失っているため、MIMO信号の分離ができなくなるという問題を有していた。
【0024】
つまり、図26で示したパケットデータのうち、空間多重数1、2については、リレー局を介しても問題なく復調できるが、空間多重数3、4については、リレー局を介した場合、分離できなくなるといった問題点が生じていた。
【0025】
図においては、端末C、Dは、リレーを介さないときは、4多重のMIMO通信を行っていたが、リレーを介したために4多重の通信ができなくなる。
【0026】
従来においては、このような場合には、端末C、Dは、信号が正しく伝わっていないことをあらわすNAK信号を返し、基地局は再送を行い、さらに数度の再送でも伝送できない場合には、空間多重数を下げていく処理を行い、正しく伝わったことを示すACK信号がくるまでその処理を行うことになる。これは、再送処理によるトラヒックが非常に多くなるとともに、伝送遅延も多くなり、問題となっていた。
【0027】
そこで、上述した課題に鑑み、本発明が目的とするところは、中継本数が少ないリレー局が無線通信システムにある場合においても、的確な空間多重方式の通信ができる基地局等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
上述した課題に鑑み、本発明の基地局は、複数のアンテナを有し、空間多重化方式を用いてリレー局を中継して一又は複数の端末と通信する基地局において、リレー局を経由して通信する端末の情報と、リレー局のサポートする空間多重数の情報とを管理するリレー局接続管理部と、前記リレー局管理部に管理されている情報に基づいて、通信する多重数を判定する多重数判定部と、前記多重数判定部により判定された多重数に基づいて、前記端末と多重化してデータの送受信を行うデータ送受信部と、を備えることを特徴とする。
【0029】
また、本発明の基地局において、前記多重数判定部は、前記リレー局接続管理部が管理しているリレー局がサポートする空間多重数を、通信する多重数の上限として判定することを特徴とする。
【0030】
また、本発明の基地局は、端末の処理可能多重数を管理する端末管理部を更に備え、前記多重数判定部は、前記リレー局接続管理部が管理しているリレー局がサポートする空間多重数と、前記端末管理部が管理する端末の処理可能多重数とのうち、小さい方の値を通信する多重数として判定することを特徴とする。
【0031】
また、本発明の基地局は、伝搬路特性に基づいて、可能多重数を判断する伝搬路特性判断部を更に備え、前記多重数判定部は、前記リレー局接続管理部が管理しているリレー局がサポートする空間多重数と、前記伝搬路特性判断部が判断した可能多重数とのうち、小さい方の値を通信する多重数として判定することを特徴とする。
【0032】
また、本発明の基地局において、前記多重数判定部は、前記リレー局接続管理部により、前記データの送受信を行う端末がリレー局を介していないと管理されている場合には、多重数の上限を当該端末の処理可能多重数とすることを特徴とする。
【0033】
また、本発明の基地局装置において、前記多重数判定部は、前記端末が複数のリレー局を介して接続されている場合には、複数のリレー局がサポートする空間多重数のうち、最小の空間多重数を通信する多重数として判定することを特徴とする。
【0034】
また、本発明の基地局において、前記データ送受信部は、通信を行う複数の端末のデータをパケット多重化することによりデータの送受信を行う場合に、当該パケットに含まれる端末の中で、最も小さい多重数に基づいて、多重化してデータの送受信を行うことを特徴とする。
【0035】
また、本発明の基地局において、前記データ送受信部は、通信を行う複数の端末のデータを周波数分割多重と時分割多重とを組み合わせて多重化することによりデータの送受信を行う場合に、時分割多重のタイムスロットにおいて含まれる端末の中で、最も小さい多重数に基づいて、周波数分割にて多重化してデータの送受信を行うことを特徴とする。
【0036】
また、本発明の基地局装置は、複数のセルを形成し、前記セル内にリレー局が配置されているか否かを判定するセル内リレー局判定部を更に備え、前記多重数判定部は、前記セル内リレー局判定部によりリレー局が配置されている場合には、当該配置されているリレー局のサポートする空間多重数のうち、最も小さいものを通信する多重数と判定し、前記データ送受信部は、前記セルに含まれる端末とデータの送受信を行う場合には、前記多重数判定部により判定された多重数に基づいて、多重化してデータの送受信を行うことを特徴とする。
【0037】
また、本発明の基地局装置において、前記リレー局管理部は、リレー局を経由して通信をする端末のグループと、リレー局を経由せず通信をする端末のグループに更にグループ分けして管理し、前記多重数判定部は、前記リレー局を経由して通信をするグループの端末は、リレー局がサポートする空間多重数を通信する多重数の上限とし、前記リレー局を経由せず通信をするグループの端末は、端末の処理可能多重数を通信する多重数の上限とすることを特徴とする。
【0038】
本発明の無線通信システムは、基地局と、一又は複数の端末と、基地局と端末との間で中継するリレー局とを含み、複数のアンテナにより空間多重化方式を用いて通信する無線通信システムであって、前記基地局は、リレー局を経由して通信する端末の情報と、リレー局のサポートする空間多重数の情報とを管理するリレー局接続管理部と、前記リレー局管理部に管理されている情報に基づいて、通信する多重数を判定する多重数判定部と、前記多重数判定部により判定された多重数に基づいて、前記端末と多重化してデータの送受信を行うデータ送受信部と、を備えることを特徴とする。
【0039】
また、本発明の無線通信システムにおいて、前記多重数判定部は、前記リレー局接続管理部が管理しているリレー局がサポートする空間多重数を、通信する多重数の上限として判定することを特徴とする。
【0040】
また、本発明の無線通信システムにおいて、前記多重数判定部は、前記端末が複数のリレー局を介して接続されている場合には、複数のリレー局がサポートする空間多重数のうち、最小の空間多重数を通信する多重数として判定することを特徴とする。
【0041】
また、本発明の無線通信システムにおいて、前記端末は、前記基地局と、前記リレー局を経由して通信を行っているか否かを判定するリレー局判定部と、前記リレー局判定部による前記リレー局を経由して通信を行っているか否かの判定結果を、前記基地局に通知する通知手段と、を有し、前記リレー局管理部は、前記端末が前記リレー局を経由して通信を行っているか否かを前記通知手段により、端末の情報として管理することを特徴とする。
【0042】
また、本発明の無線通信システムにおいて、前記リレー局判定部は、前記リレー局のサポートする空間多重数も更に判定し、前記通知手段は、リレー局を経由して通信を行っているか否かの判定結果と併せて、当該リレー局リレー局がサポートする空間多重数を、前記基地局に通知することを特徴とする。
【0043】
また、本発明の無線通信システムにおいて、前記通知手段は、前記判定結果をMIMOを含む適応変調情報として通知することを特徴とする。
【0044】
また、本発明の無線通信システムにおいて、前記リレー局判定手段は、前記端末が受信した信号の遅延時間を測定することにより、リレー局経由か否かを判定することを特徴とする。
【0045】
また、本発明の無線通信システムは、前記基地局に、前記複数のリレー局のうち少なくとも一つが有線で接続されていることを特徴とする。
【0046】
本発明の無線通信方法は、基地局と、一又は複数の端末と、基地局と端末との間で中継するリレー局とを含み、複数のアンテナにより空間多重化方式を用いて通信する無線通信システムに用いる無線通信方法であって、リレー局を経由して通信する端末の情報と、リレー局のサポートする空間多重数の情報とを管理するリレー局接続管理ステップと、前記リレー局管理ステップにおいて管理された情報に基づいて、通信する多重数を判定する多重数判定ステップと、前記多重数判定ステップにより判定された多重数に基づいて、前記端末と多重化してデータの送受信を行うデータ送受信ステップと、を有することを特徴とする。
【0047】
本発明のプログラムは、複数のアンテナを有し、空間多重化方式を用いてリレー局を中継して一又は複数の端末と通信するコンピュータに、リレー局を経由して通信する端末の情報と、リレー局のサポートする空間多重数の情報とを管理するリレー局接続管理機能と、前記リレー局管理機能により管理されている情報に基づいて、通信する多重数を判定する多重数判定機能と、前記多重数判定機能により判定された多重数に基づいて、前記端末と多重化してデータの送受信を行うデータ送受信機能と、を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0048】
以上のように、本発明によれば、複数のアンテナを有し、空間多重化方式を用いてリレー局を中継して一又は複数の端末と通信する基地局において、リレー局を経由して通信する端末の情報と、リレー局のサポートする空間多重数の情報とを管理し、管理されている情報に基づいて、通信する多重数を判定し、この判定された多重数に基づいて、前記端末と多重化してデータの送受信を行うこととなる。したがって、通信する端末の情報と、リレー局のサポートする空間多重数の情報とに基づいて多重数が判定されて、この判定された多重数にてデータの送受信が行われることにより、端末と基地局との間に、サポートする空間多重数の少ないリレー局が設置された場合であっても、的確な多重数で各端末と空間分離できる信号を送受信できるようになり、リレー局設置による不具合をなくすることができ、良好な通信をすることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
本発明を適用した場合の無線通信システムにおける最良の実施形態について、図を用いて説明する。
【0050】
[1.第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。第1実施形態としては、通信方式としてMIMOを用いた場合について例を取り説明する。
【0051】
[1.1 無線通信システムの概要]
まず、本発明を適用した無線通信システム1の概略を図1に示す。本図に記載の通り、無線通信システム1には、基地局10と、リレー局20(リレー局A及びB)と、端末30(端末A〜E)とが含まれている。
【0052】
ここで、図1における「<>」で囲まれている数字は当該リレー局20における空間多重数、端末30における処理可能多重数である。具体的には、リレー局はA「2×2リレー局」であり、リレー局Bは「4×4リレー局」である。また、端末Aの処理可能多重数は「4」、端末Bの処理可能多重数は「1」、端末Cの処理可能多重数は「4」、端末Dの処理可能多重数は「4」、端末Eの処理可能多重数は「2」となる。
【0053】
また、端末Aと、端末Bは基地局10と直接接続されており、端末Cはリレー局Aを介して、端末D及び端末Eはリレー局Bを介して基地局10と接続されている。
【0054】
[1.2 装置構成]
続いて、各装置構成について説明する。なお、リレー局20については、図21で説明した従来のリレー局と同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0055】
[1.2.1 基地局の構成]
基地局10の構成について図2を用いて説明する。基地局10は、本図に記載の通り、基地局制御装置110と、無線通信部120とを備えて構成されている。また、無線通信部120は、データバッファ130及びデータバッファ146と、送信モデム部132と、RF部134及びRF部142と、受信モデム部144と、無線制御部150と、端末管理部152と、リレー局接続管理部154とを備えて構成されている。また、無線通信部120のRF部134には送信アンテナ136が、RF部142には受信アンテナ140がそれぞれ接続されている。なお、図23で説明した基地局950と同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0056】
ここで、本図の基地局10は、図23で説明した基地局950に比べて、リレー局接続管理部154が配置されているところが、従来と異なるところである。リレー局接続管理部154は、端末管理部152において管理している端末とともに、各端末のリレー局について管理している機能部である。
【0057】
端末管理部152は、各端末と、当該端末の処理可能多重数がそれぞれ記憶・管理されている。図3(a)に、端末管理部152が管理する端末テーブルの一例を示す。ここでは、端末Aの処理可能多重数が「4」、端末Bの処理可能多重数が「1」、端末Cの処理可能多重数が「4」、端末Dの処理可能多重数が「4」、端末Eの処理可能多重数が「2」と、それぞれ管理されている。
【0058】
さらに、端末毎に実際に通信のときに使用される使用多重数が対応づけて記憶されている。例えば、端末Aは、処理可能多重数は「4」であるが、伝搬路の状況が良くないため、実際に使用される多重数は「2」となっている。
【0059】
リレー局接続管理部154では、端末30がリレー局20を介しているか、リレー局のサポート数の情報が管理されている。端末5台と通信しているとすると、端末A及びBは直接基地局に、端末Cは2×2サポートのリレー局Aに、端末D及びE局は4×4サポートのリレー局Bに接続されている情報が管理されている。
【0060】
ここで、リレー局接続管理部154は、図3に示すように、端末毎に、中継するリレー局と、当該リレー局のサポート多重数がそれぞれ記憶・管理されている。ここでは、端末A及びBは、基地局10に直接接続されているため、リレー局に関する情報は記憶されていない。端末Cは、リレー局Aを中継しており、リレー局のサポート多重数が「2」であることが管理されている。また、端末D及びEは、リレー局Bを中継しており、リレー局のサポート多重数が「4」であることが管理されている。
【0061】
なお、一般にこのサポート多重数は、リレー局のアンテナ数及び中継本数に相当する。つまり、サポート数が2×2のリレー局では、2本の入力アンテナに各々中継器がつながり、2本の出力アンテナが接続されている。
【0062】
また、端末30がリレー局20を介しているか否かは、端末30から通知を受けることにより把握することが出来る。具体的には、後述する端末30のリレー局判定部352により、端末30が、リレー局20を介して基地局10と通信を行っているか否かが判定される。この、判定結果が基地局10に通知されることにより、基地局10は把握することができる。
【0063】
無線制御部150では、従来の制御にあわせて、このリレー局接続管理部154の情報を用いて、各端末と通信するMIMOの空間多重数を決定する。例えば、端末Cに4×4のMIMOを受信する能力があったとしても、リレー局Aが2×2サポートのリレー局であるため、送信の最大空間多重数は「2」とする制御を行う。
【0064】
つまりリレー局を介さないときの上限は、[端末処理可能多重数、伝搬路特性に制限される多重数]の小さい方が上限となり、リレー局を介するときの上限は、[端末処理可能多重数、伝搬路特性に制限される多重数、リレー局のサポートする多重数]の最も小さいものが上限となる。
【0065】
図4に、そのときのパケットの様子を示す。パケットについては「端末処理可能多重数」、「伝搬路による制限」、「リレー局のサポートする多重数」により制約を受けている。本実施形態では、送信信号としては、以下のようになっている。
端末A:処理可能多重数4、伝搬路による制限が2多重、リレー局不使用。したがって、伝播路状況が良好でないため2多重を使用。
端末B:処理可能多重数1、伝搬路による制限が1多重、リレー局不使用。したがって、1多重を使用。
端末C:処理可能多重数4、伝搬路による制限が4多重、2×2リレー局使用。したがって、伝播路状況が良好だがリレー局の制限により2多重を使用。 端末D:処理可能多重数4、伝搬路による制限が4多重、4×4リレー局使用。したがって、伝播路状況も良好なためそのまま4多重を使用。
端末E:処理可能多重数2、伝搬路による制限が2多重、4×4リレー局使用。したがって、伝播路状況が良好であっても、処理可能多重数により2多重を使用。
【0066】
[1.1.2 端末の構成]
次に、端末30の構成について、図5を用いて説明する。本図によれば、端末30は、端末コントローラ/上位層310と、無線通信部320とを備えて構成されている。また、無線通信部320は、データバッファ330及びデータバッファ346と、送信モデム部332と、RF部334及びRF部342と、受信モデム部344と、無線制御部350と、リレー局判定部352とを備えて構成されている。また、RF部334には送信用アンテナ336が、RF部342には受信用アンテナ340がそれぞれ接続されている。
【0067】
ここで、本図の端末30は、受信のRF部342には4系統の受信系があり、4×4の空間多重した信号を受信出来る。一方、送信系にも、4系統のRF部があり、4×4の空間多重まで通信できる。
【0068】
したがって、本図の端末が基地局10に対して、端末能力を受信系4、送信系4と通知することとなる。
【0069】
また、リレー局判定部352は、リレー局経由で基地局と通信を行っているか否かを判定する機能部である。判定結果は、基地局10に通知される。
【0070】
また、端末の能力は通常変化することはないが、リレー局経由かどうかは適時変化する。したがって、この情報は端末能力情報よりも頻繁に伝送する必要があり、例えば、受信電力情報や伝搬路情報(CQI)等、伝搬路に依存して基地局10に伝送する情報と同等の位置づけで伝送することができる。
【0071】
また、システムによっては、伝搬路状況を判断して受信できるMIMO情報等を適応制御情報として送信しているものでは、それを流用することもできる。この場合には余分な情報ビット数は増やさずに対応できる。
【0072】
また、端末の処理可能多重数と、リレー局のサポート多重数については、その少ない方に制限されるので、両方を送らずに、リレーを介したときの受信可能な能力数として、伝えることでも代用できる。
【0073】
[1.2 制御例]
続いて、本実施形態における制御例について、フローチャートを用いて説明する。
【0074】
[1.2.1 第1制御例]
まず、図6のフローチャートを用いて第1制御例を説明する。まず、基地局10は、無線パケットの対象となる端末、すなわち通信する端末を決定する(ステップS10)。
【0075】
つづいて、ステップS10において決定された端末の性能情報を、端末管理部152から読み出す(ステップS12)。そして、無線の通信回線状況(例えば、SINR等のような受信レベルに基づく伝搬路特性)を判断する(ステップS14)。
【0076】
つづいて、各端末について処理を行う。次にリレー局接続管理部154の情報により、端末30がリレー局20を介して通信を行っているか否かを判定する(ステップS16)。ここで、端末30がリレー局20を経由してない場合には(ステップS16;No)、通信する多重数として、端末の処理能力数をセットする(ステップS20)。
【0077】
他方、端末がリレー局を経由して通信している場合には(ステップS16;Yes)、リレー局接続管理部154の情報から、端末が経由するリレー局のサポート多重数と、端末の多重可能数を比較する(ステップS18)。
【0078】
そして、経由するリレー局のサポート多重数が、端末の空間多重数より大きい場合には(ステップS18;Yes)、通信する多重数に端末の処理能力数をセットする(ステップS20)。また、経由するリレー局のサポート多重数が端末の多重可能数以下の場合には(ステップS18;No)、通信する多重数にリレー局のサポート多重数がセットされる(ステップS22)。
【0079】
そして、総ての端末について、通信する多重数をセット完了したか否かを判定する(ステップS24)。ここで、まだ通信する多重数をセットしていない端末がある場合には(ステップS24;No)、次の端末をセットし(ステップS28)、ステップS16から処理を繰り返し実行する。このようにして、端末毎の通信する多重数が無線制御部150で設定される。
【0080】
このように、総ての端末について通信する多重数がセットされると(ステップS24;Yes)、送信する端末のパラメータに応じて、送信モデム部132で送信信号を生成され、RF部134を介して、送信アンテナ136より送信をする(ステップS26)。
【0081】
このように、リレー局接続管理部154を用意し、リレー局経由に係る情報を保有することで、基地局10からリレー局20を介している端末30に対して、[端末処理可能多重数、伝搬路特性に制限される多重数、リレー局のサポート多重数]をすべて考慮した多重数で送信できるようになる。この結果、例えば2×2のリレー局を介した通信であるのに、端末の能力だけで判断して4×4の空間多重数で送ってしまい、無駄な再送を繰り返してトラヒックが低下したり、伝搬遅延が大きくなってしまったりするという従来の問題点を解消できる。
【0082】
すなわち、本実施形態によれば、リレー局を介した端末と介さない端末が混在している場合でも、それぞれに応じた空間多重を行うことができるようになる。
【0083】
なお、ここでは、下り、つまり基地局10から端末30へのパケット構成を例として説明したが、上りでも同様の構成で、リレー局20の多重可能数制限を加味した制御を行うことができる。また、端末30やリレー局20では、送受信での空間多重数が非対称の場合があり(例えば、受信用アンテナが4つ、送信用アンテナが2つの場合)、その場合は、それに応じて制御することができる。
【0084】
また、本実施形態においては、説明の都合上、送受信アンテナが同数のMIMO構成を説明したが、基地局アンテナ自体は4本持っているので、送信ダイバシティを活用して4×2の空間多重数2のMIMOについても適用することが可能なことは勿論である。多重数がリレー局の多重可能数以下であれば、基地局の送信アンテナ数が増えても、なんら問題なく本発明は実現できる。
【0085】
[1.2.2 第2制御例]
つづいて、第2制御例について、図7を用いて説明する。ここで、図7の第1制御例と同一の処理には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0086】
ここで、第1制御例では、端末毎にリレー局のサポート数が端末の空間多重数を上回るかどうかの判定を行っていたが、第2制御例における無線制御では、リレー局経由の端末については、リレー局の中で、サポート多重の最も小さい多重数を、リレー局経由のサポート多重数としてセットし、端末との通信する無線方式を決定する。
【0087】
まず、基地局10は、無線パケットの対象となる端末、すなわち通信をする端末を決定する(ステップS10)。つづいて、ステップS10において決定された端末の性能情報を、端末管理部152から読み出す(ステップS12)。そして、無線の通信回線状況(例えば、SINR等のような受信レベルに基づく伝搬路特性)を判断する(ステップS14)。
【0088】
次に、リレー局接続管理部154の情報から、端末の中にリレー局経由で接続されている端末があるか否かを判定する(ステップS40)。
【0089】
ここで、リレー局を経由する端末が存在する場合には、リレー局の最小のサポート多重数と端末の処理可能多重数を比較する(ステップS42)。ここで、リレー局の最小サポート多重数が、端末の処理可能多重数以下の場合は(ステップS42;No)、通信する多重数に、リレー局の最小サポート多重数をセットする(ステップS44)。
【0090】
すなわち、第1制御例では、各端末がどの性能をもつリレー局経由かどうかが明確である場合の想定であるが、実際の地下駐車場等では、地上と結ぶ複数のリレー局が混在しているような場合も想定できる。端末が移動している場合には、2×2や4×4のサポート数の異なるリレー局が混在し、どちらのリレー局を経由した電波を受信したり、強弱が入れ替わったりする場合がある。
【0091】
そこで第2制御例では、基地局10に接続される端末30が、どのリレー局20を経由したとしても問題のないように、全対象端末と経由される可能性のあるリレー局すべてとの最小の多重数を比較し、通信する多重数を設定する。
【0092】
つまり、2×2と4×4のサポート数のリレー局が混在している場合、基地局10に接続される5つの端末の上限は2×2となる。
【0093】
[1.2.3 第3制御例]
続いて第3制御例について、図8を用いて説明する。ここで、図6の第1制御例と同一の処理には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0094】
第3制御例は、基地局のサービスエリア内、つまりセル内にリレー局が設置されていれば、その基地局の通信する多重数の上限をそのリレー局のサポート数とする制御例である。
【0095】
第2の制御例では、パケット構成した端末に、リレー局経由のものがあれば、それを上限としたが、さらにオープンな環境では、リレー局経由とはまったく関係なかった端末がリレー局経由となる場合がある。
【0096】
これは、図9のように開空間にリレー局が置かれた場合顕著で、基地局とリレー局のどの経由で通信するかは、その時々の環境によって異なり、それをリアルタイムで制御することは煩雑さを伴うだけではなく、実際には困難なときもあるためである。例えば、図9(a)に示すような郊外に設置される場合や、図9(b)に示すような建物による不感地帯解消のために設置される場合に顕著である。
【0097】
具体的な制御としては、ステップS50において、リレー局がセル内(基地局のサービスエリア内)にあるか否かを判定する。ここで、リレー局がセル内にある場合には(ステップS50;Yes)、リレー局のサポート空間多重数と、基地局の多重可能数を比較する(ステップS52)。
【0098】
ここで、基地局の多重可能数がリレー局のサポート空間多重数より小さい場合には(ステップS52;No)、基地局の多重可能数をリレー局の空間多重数に制限する。
【0099】
このように、本制御例では、1つのセルについては、空間多重数上限をボトルネックとなる多重数の最も少ないリレー局に制限することで、どのような経路で通信しても、リレー局のサポートする多重数を上回った多重数で基地局が送ることがなくなり、データの分離ができずに復調できないという従来の問題点を解消できる。つまり、2×2しかサポートしていないリレー局がセル内にあれば、すべての端末の通信する多重数の上限は2×2に制限される。
【0100】
[2.第2実施形態]
続いて第2実施形態について説明する。第1実施形態において、無線通信システムは図4のように、時分割で多重するTDMAをベースとし説明したが、第2実施形態としては、OFDMA通信を利用した場合について説明する。
【0101】
OFDMA通信とは、時間と周波数の軸で細かくブロックを分けることにより、ユーザー多重する通信方式で、ひとつのパケットに複数の端末向け信号を多重させている。
【0102】
[2.1 動作説明]
具体的に図10を用いて説明する。第1実施形態において、TDMAベースでの例でタイムスロットごとに端末割当をおこっていたのに対し、第2実施形態では、同一のタイムスロットに複数の端末が設定され、時間と周波数で分けたブロック単位で端末が割り当てられている例となっている。図10(a)は、OFDMAにおける各チャネルの様子を模式的に示した図である。この図では、全帯域を7つの周波数チャンネルに分けていて、最大7つの独立した信号を載せることができる。
【0103】
OFDMAにおいては、各チャンネルを構成するサブキャリアは独立であるため、複数のユーザーが各チャンネルを使用する場合、同一のタイムスロットであっても、各々のユーザーにあわせて、別々の多重数で送信することが可能である。
【0104】
図10(b)は、このOFDMAにおいて、横軸に周波数f、縦軸に時間tをとり、各端末宛のパケットを多重化した様子を模式的に示した図である。各パケットが、各タイムスロット(1)〜(7)に分散されている。
【0105】
ここで、例えば、(4)スロット及び(5)スロットに配置された端末C及びDは、リレー局経由の端末となっており、端末C及びDは4×4の多重可能数を持っているものとする。
【0106】
[2.2 制御例]
つづいて、本実施形態における制御例について説明する。
【0107】
[2.2.1 第4制御例]
第2実施形態における制御例として、第4制御例について説明する。第4制御例は、図11のフローチャートに示す制御を行う。
【0108】
まず、無線パケット対象となる端末を決定し(ステップS60)、端末性能情報を端末管理部152から読み出す(ステップS62)。そして、伝送路特性をSINR等から判断する(ステップS64)。
【0109】
続いて、リレー局接続管理部154の情報から、端末のリレー局経由か否かを判定する(ステップS66)。すなわち、第1実施形態の第1制御例では、端末毎に判定していたのに対し、第4制御例では、タイムスロット毎にリレー局経由の端末があるか否かを判定する。
【0110】
そして、リレー局経由の端末があった場合(ステップS66;Yes)、経由するリレー局のサポート多重数と、端末の処理可能多重数とを比較する(ステップS70)。ここで、経由するリレー局のサポート多重数が、端末の多重可能数より大きい場合は(ステップS70;Yes)、通信する多重数に端末の処理能力数をセットする(ステップS68)。他方、経由するリレー局のサポート多重数が、端末の多重可能数以下の場合には(ステップS70;No)、通信する多重数にリレー局の空間多重数をセットする(ステップS66)。
【0111】
つづいて、総てのタイムスロットについて完了したか否かを判定する(ステップS74)。ここで、総てのタイムスロットについて完了していない場合は、次のタイムスロットについて処理を実行する(ステップS74;No→ステップS78→ステップS66)。
【0112】
このように、OFDMAの周波数軸、時間軸のスロットに対して端末の割り当てと、通信する多重数がセットされると、そのパラメータに応じて、送信モデム部132で送信信号を生成され、RF部134を介して、送信アンテナ136より送信をする。
【0113】
このように制御することで、タイムスロット(4)、(5)の通信多重数は[端末処理可能多重数、伝搬路特性に制限される多重数、リレー局のサポートする多重数数]に応じて決定される。つまり、同じタイムスロットで周波数分割で同時に送信する端末A、B及びE宛の信号もその多重数上限をリレー局がサポートする多重数までになることになる。
【0114】
これは、OFDMAの受信技術として、周波数分割として通信している端末C及びDを復調する場合においても、全周波数帯域分(ch1−ch7の全チャンネル)をまとめてFFT処理し、場合によっては他端末向けの信号も受信処理に活用することに起因する。
【0115】
この場合に、端末A,B,Eの信号を、端末C,Dの復調処理のために復調することを考えると、これらの端末向けの信号がリレーのサポート多重数を越えた場合には復調ができなくなる。
【0116】
そこで、本実施例のように、同一タイムスロットにおける全帯域に含まれる端末向けの通信多重数を制御することで、同一タイムスロットに含まれる端末向けの信号を復調できるようになり、OFDMAにおいても、適切にリレー局を介して通信を行うことが出来るようになる。
【0117】
[2.2.2 第5制御例]
続いて、第5制御例について、図12を用いて説明する。図10では、リレー局経由のタイムスロット(4)、(5)のみリレー局の多重制限により、パケットの最大多重数を決定していたが、この例ではその一つ前の(3)も制限を加えることを特徴とする。
【0118】
基地局信号とリレー局信号を処理する場合、遅延によって(3)の信号が(4)に重なり、ISI(シンボル間干渉)になる。そこで、(4)を精度よく復調するには、この重なった信号の除去等の処理が必要で、そのためには(3)の信号を復調する必要がある。しかし、(3)のタイムスロットにリレー局の空間多重数を超えた多重数の信号が入っていると、処理できなくなる。
【0119】
したがって、この場合(3)においても、空間多重数を超えないように、多重可能上限数をセットすることにする。これにより、(4)から(3)の信号を除去するために(3)の信号を復調する場合でも、適切に復号することが出来るようになる。
【0120】
[2.2.3 第6制御例]
続いて、第6制御例について図13を用いて説明する。第6制御例では、パケット単位で、リレー局の多重制限により、パケットの最大多重数を決定する。
【0121】
OFDMAでは、誤り訂正等がタイムスロット単位を超えて、パケット単位で一括して処理されている場合がある。図13の端末Aでは、パケット内の時間、周波数軸に分散して複数個のブロックが割り当てられ、データとしてはこれら全部で誤り訂正の単位となっているものがある。つまり、誤り訂正処理するには、パケットに散らばっている端末Aの信号をすべて復調する必要がある。
【0122】
この場合、パケット内のすべての信号をリレー局のサポートする多重数に設定することが必要である。
【0123】
本制御例では、第1パケットには、2×2までの多重可能数しかサポートしないリレー局経由の端末があるので、上限を2×2としている。
【0124】
なお、この場合には、OFDMAのような周波数と時間で多重しなくとも、時間多重しただけのパケットでも同様の制御ができる。
【0125】
また、別の制御例を説明する。システムによっては、誤り訂正等のブロックがパケットにまたがっている場合がある。その場合、誤り訂正の復号を行うには、複数のタイムスロットやパケットにまたがった信号をまとめて処理する必要があり、その中にリレー局の多重制限を超えた信号があると復調できなくなる。
【0126】
この例を図14に示す。この例では、信号処理、例えば誤り訂正の最小単位が2パケットで構成されている場合を示している。第1パケットには、リレー経由の端末C、Dが含まれており、図13と同じく、上限は2×2としている。第2パケットには、本来、端末C、Dが含まれていないが、信号処理単位が2パケットで構成されるため、第2パケットにも、高い多重数を設定せず、上限を2×2に制限する。
【0127】
このように、本発明を適応することのより、複数パケットにまたがって信号処理されている場合においても、信号分離を可能にすることができるようになる。
そこで、タイムスロットやパケットのいった固定化した単位での制限ではなく、これら端末の復調処理単位においては、多重数をリレー局の制限とすることを特長とする。
【0128】
[3.第3実施形態]
続いて第3実施形態について説明する。第3実施形態は、リレー局を介さない端末と、リレー局とを介す端末とをグループ化して通信を行う場合について説明する。なお、この場合、通信する方式としては何れの通信方式でも良いが、本実施形態においても、OFDMA通信を用いるものとして説明する。
【0129】
また、基地局及び移動局等の構成については、第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
【0130】
[3.1 第7制御例]
本実施形態における制御例として、第7制御例について図15を用いて説明する。前例までは、パケットに端末を割り当ててからその中にリレー局を経由するものが含まれる場合には、多重可能数を制限していたが、本制御例では、リレー局経由か経由外かのグループ訳をして端末を分けておくことにより、効率よく振り分けることが可能になる。
【0131】
OFDMA通信の場合、リレー局経由とリレー局経由以外を2つのグループに分けるとともに、タイムスロットを各々のグループ用に分けておく。
【0132】
本制御例では、リレー局経由は最大2多重しかできないので、リレー局を介さない端末ばかり集めることにより、グループ1では最大2多重の設定となり、グループ2は、自由に端末性能、受信感度に応じた多重数を設定できるようになる。
【0133】
第2実施例までは、端末の割り当てについては、リレー経由か、そうでないかは区別していなかったために、割り当てた結果として、ひとつでもリレー経由がある場合には、そのタイムスロットすべての空間多重数が制限された。そのため、リレー経由の端末数が限られていても、パケット全体の多重数が低く設定されてしまう危険性があった。
【0134】
それと比較し、本実施例においては、あらかじめグループ化しておくことで、パケット全体がリレー経由の端末の影響で低く抑えられることがなくなり、パケット全体としてのスループットをあげることが可能となる。
【0135】
なお、上述した制御は、リレー局が基地局の最大多重数よりも少ないサポート数であるときに必要となってくる。
【0136】
また、リレー局の必要なグループ1は、パケットの先頭に持ってくることも、ひとつの特徴として挙げられる。前述のようにリレー局経由の復調において、それ以前の時間タイミングにリレー局の多重能力を超える多重数をおかないためには、パケットの先頭からリレー局経由のグループを置くことが有効である。
【0137】
また、タイムスロットでグループ分けする以外に、パケット単位で振り分けることも可能で、グループ1用パケット、グループ2用パケットと分けることもできる。この場合にも、グループ2用のパケットは、リレー経由の端末による多重数制限を考えることなく、最適な多重数で送信できるため、全体のスループットを向上できる。
【0138】
[3.2 第8制御例]
続いて、第8制御例について図16を用いて説明する。本制御例では、リレー局経由とリレー局を介さない端末を一つの軸とし、一方で端末のサポートする多重数を軸としてグループ化を行う。
【0139】
このグループ化では、リレー局経由の有無、端末の上限多重数の両方を考慮してグループ化しているので、実質的な上限多重数でグループ化でき、上述した第7制御例よりさらに効率よく多重数を割り当てることが出来るようになる。
【0140】
以上、第3実施形態については、OFDMAの実施例を用いて説明したが、これらの実施例において、時間と周波数軸において、複数の端末に割り当てられていることがポイントであり、周波数が直交している必要はない。つまり、FDMA−TDMAのような構成であってもよいことは勿論である。
【0141】
[4.変形例]
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0142】
[4.1 第1変形例]
まず、第1の変形例として、上述した実施形態においては、リレー局判定部を端末30に備えることとして説明したが、基地局10に備え、基地局10側において判定することとしても良い。
【0143】
このときの基地局の構成を図17に示す。図2に対して、リレー局判定部156が設置されており、端末からの信号がリレー局経由かどうかを判定する。リレー局判定部156は、受信モデム部144及びリレー局接続管理部154に接続されている。
【0144】
ここで、リレー局判定部156の実現手段について説明する。リレー局の一例であるリピータの一般的な構成は、図21に示されるように、アンプやフィルタ、周波数変換部で構成されている。従って、各端末が送受信するリレー局経由の信号はその分遅延を発生する。リレー局判定部156では、到着時間遅延を測定し、リレー局20を通ったかどうかを判断するリレー局判別装置を有し、それを管理情報として用いる。なお、基地局10では送受信でリレー局を経由するため、2倍の遅延となっている。
【0145】
また、別の方法として、パイロット信号を用いる方法を説明する。通常MIMO用パイロット信号は送信アンテナ分用意されている。4×4のときのMIMOの例を図18に示す。
【0146】
図18は、たとえばOFDMの例で、横軸の周波数の枠は、各サブキャリアを意味しており、縦軸の時間の枠はOFDMシンボルを意味している。MIMOの場合、各送信アンテナからの伝搬路特性を把握するために、1つの送信アンテナだけから送信して伝搬特性を干渉なしに測定する方法がある。
【0147】
この図では、4個のパイロット信号は送信アンテナごとにそのアンテナだけから送出されている。P1の周波数サブキャリアには送信アンテナ1のみが送信した信号が入り、送信アンテナ2、3、4はこのサブキャリアにはなにも送信しない。各々P2、P3、P4には各々送信アンテナ2、3、4からの送信信号が入るのみである。
【0148】
受信では、受信アンテナ1、2、3、4で受信するが、受信アンテナ1で受けたP1、P2、P3、P4の信号から4つの伝搬路を知ることができ、同様に受信アンテナ2、3、4で各々4つの伝搬路を知ることで計16個の伝搬路を知ることができ、MIMO分離が可能となる。
【0149】
この16個の伝搬路は、各々別の経路を通った信号であり、本来であれば相関が低くなっている。しかしながらサポートしているアンテナ数が少ないリレー局を経由した場合、例えば2×2の場合には、リレー局での送信アンテナが2本しかないので、独立した伝搬路は8系統しかなく、相関の高い信号となる。このため、パイロット信号の相関を見ることで、パス路の独立性を判断でき、リレー局経由かどうか、何系統をサポートするリレー局かどうかを判断することができる。
【0150】
なお、リレー局判定部156の例として、遅延時間やパイロットの相関で判別している例を示したが、リレー局経由の判定方法は、他の方法であっても良いことは勿論である。判定できる装置と、それに基づく制御を行うことで構成され、他の判定基準を用いることも可能である。例えば、図で示したリピータよりも高機能なリレー局では、リレー局自体がリレー局クラスを基地局通信することも可能である。また、リレー局自体は設置業者が設置するものなので、基地局にそのサポートする性能を情報として予め知らせることも可能である。
【0151】
[4.2 第2変形例]
つぎに、第2の変形例として、本発明の無線通信システムは、マルチポップの中継においても適用可能である。ここで、マルチホップとは、リレー局を複数回繰り返し使うことで、距離を延ばすものである。
【0152】
ここで、図19にマルチホップの中継例を示す。図19の例では、3つのリレー局を介しており、各々4×2、2×3、3×2、2×4の空間多重数となっている。
【0153】
この場合においては、すべてのリレー局の情報をもつ必要はなく、最小である2×2をサポート数として等価リレー局サポート数として情報を管理することで、本発明を適用可能となる。
【0154】
[4.3 第3変形例]
次に、第3の変形例として、張り出し無線部に適用した場合について、図20を用いて説明する。リレー局自体の基本的な考え方は、リレー局までも無線で飛ばし、リレー局から端末を無線でつなぐものであるが、同様の機能を果たすものとして、張り出し無線部がある。
【0155】
図20では、1つの無線リレー局と2つの有線張り出し無線部との例を示している。張り出し無線部は、基地局と有線で結ばれるところがリレー局と異なっているが、基地局電波が届きにくいところに設置して端末の通信エリアを広げるという点ではまったく同じ目的といえる。
【0156】
この場合についても、最初の部分が無線か有線との相違はあるが、上述したすべての実施形態について適用可能であり、同等の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】第1実施形態における無線通信システムの概略を説明するための図である。
【図2】第1実施形態における基地局の構成を説明するための図である。
【図3】第1実施形態におけるリレー局接続管理部を説明するための図である。
【図4】第1実施形態におけるパケットの様子を説明するための図である。
【図5】第1実施形態における端末の構成を説明するための図である。
【図6】第1制御例における動作を説明するための図である。
【図7】第2制御例における動作を説明するための図である。
【図8】第3制御例における動作を説明するための図である。
【図9】第3制御例における動作を説明するための図である。
【図10】第2実施形態におけるパケットの様子を説明するための図である。
【図11】第4制御例における動作を説明するための図である。
【図12】第5制御例における動作を説明するための図である。
【図13】第6制御例における動作を説明するための図である。
【図14】第6制御例における動作を説明するための図である。
【図15】第7制御例における動作を説明するための図である。
【図16】第8制御例における動作を説明するための図である。
【図17】第1変形例における動作を説明するための図である。
【図18】第1変形例における動作を説明するための図である。
【図19】第2変形例における動作を説明するための図である。
【図20】第3変形例における動作を説明するための図である。
【図21】従来におけるリレー局の構成を説明するための図である。
【図22】MIMO技術について説明するための図である。
【図23】MIMO技術を実現するための基地局の構成を説明するための図である。
【図24】MIMO技術を実現するためのパケットの様子を説明するための図である。
【図25】MIMO技術における無線通信システムの概略を説明するための図である。
【図26】MIMO技術において、リレー局を介した場合のシステムの概略を説明するための図である。
【符号の説明】
【0158】
10 基地局
110 基地局制御装置
120 無線通信部
130 データバッファ
132 送信モデム部
134 RF部
136 送信アンテナ
140 受信アンテナ
142 RF部
144 受信モデム部
146 データバッファ
150 無線制御部
152 端末管理部
154 リレー局接続管理部
156 リレー局判定部
20 リレー局
30 端末
310 端末コントローラ/上位層
320 無線通信部
330 データバッファ
332 送信モデム部
334 RF部
336 送信用アンテナ
340 受信用アンテナ
342 RF部
344 受信モデム部
346 データバッファ
350 無線制御部
352 リレー局判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンテナを有し、空間多重化方式を用いてリレー局を中継して一又は複数の端末と通信する基地局において、
リレー局を経由して通信する端末の情報と、リレー局のサポートする空間多重数の情報とを管理するリレー局接続管理部と、
前記リレー局管理部に管理されている情報に基づいて、通信する多重数を判定する多重数判定部と、
前記多重数判定部により判定された多重数に基づいて、前記端末と多重化してデータの送受信を行うデータ送受信部と、
を備えることを特徴とする基地局。
【請求項2】
前記多重数判定部は、前記リレー局接続管理部が管理しているリレー局がサポートする空間多重数を、通信する多重数の上限として判定することを特徴とする請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
端末の処理可能多重数を管理する端末管理部を更に備え、
前記多重数判定部は、前記リレー局接続管理部が管理しているリレー局がサポートする空間多重数と、前記端末管理部が管理する端末の処理可能多重数とのうち、小さい方の値を通信する多重数として判定することを特徴とする請求項2に記載の基地局。
【請求項4】
伝搬路特性に基づいて、可能多重数を判断する伝搬路特性判断部を更に備え、
前記多重数判定部は、前記リレー局接続管理部が管理しているリレー局がサポートする空間多重数と、前記伝搬路特性判断部が判断した可能多重数とのうち、小さい方の値を通信する多重数として判定することを特徴とする請求項2に記載の基地局。
【請求項5】
前記多重数判定部は、前記リレー局接続管理部により、前記データの送受信を行う端末がリレー局を介していないと管理されている場合には、多重数の上限を当該端末の処理可能多重数とすることを特徴とする請求項2に記載の基地局。
【請求項6】
前記多重数判定部は、前記端末が複数のリレー局を介して接続されている場合には、複数のリレー局がサポートする空間多重数のうち、最小の空間多重数を通信する多重数として判定することを特徴とする請求項2に記載の基地局。
【請求項7】
前記データ送受信部は、通信を行う複数の端末のデータをパケット多重化することによりデータの送受信を行う場合に、当該パケットに含まれる端末の中で、最も小さい多重数に基づいて、多重化してデータの送受信を行うことを特徴とする請求項1から6の何れか記載の基地局。
【請求項8】
前記データ送受信部は、通信を行う複数の端末のデータを周波数分割多重と時分割多重とを組み合わせて多重化することによりデータの送受信を行う場合に、時分割多重のタイムスロットにおいて含まれる端末の中で、最も小さい多重数に基づいて、周波数分割にて多重化してデータの送受信を行うことを特徴とする請求項1から6の何れか記載の基地局。
【請求項9】
前記基地局は複数のセルを形成し、
前記セル内にリレー局が配置されているか否かを判定するセル内リレー局判定部を更に備え、
前記多重数判定部は、前記セル内リレー局判定部によりリレー局が配置されている場合には、当該配置されているリレー局のサポートする空間多重数のうち、最も小さいものを通信する多重数と判定し、
前記データ送受信部は、前記セルに含まれる端末とデータの送受信を行う場合には、前記多重数判定部により判定された多重数に基づいて、多重化してデータの送受信を行うことを特徴とする請求項1から6の何れか記載の基地局。
【請求項10】
前記リレー局管理部は、リレー局を経由して通信をする端末のグループと、リレー局を経由せず通信をする端末のグループに更にグループ分けして管理し、
前記多重数判定部は、前記リレー局を経由して通信をするグループの端末は、リレー局がサポートする空間多重数を通信する多重数の上限とし、前記リレー局を経由せず通信をするグループの端末は、端末の処理可能多重数を通信する多重数の上限とすることを特徴とする請求項1から6の何れか記載の基地局。
【請求項11】
基地局と、一又は複数の端末と、基地局と端末との間で中継するリレー局とを含み、複数のアンテナにより空間多重化方式を用いて通信する無線通信システムであって、
前記基地局は、
リレー局を経由して通信する端末の情報と、リレー局のサポートする空間多重数の情報とを管理するリレー局接続管理部と、
前記リレー局管理部に管理されている情報に基づいて、通信する多重数を判定する多重数判定部と、
前記多重数判定部により判定された多重数に基づいて、前記端末と多重化してデータの送受信を行うデータ送受信部と、
を備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項12】
前記多重数判定部は、前記リレー局接続管理部が管理しているリレー局がサポートする空間多重数を、通信する多重数の上限として判定することを特徴とする請求項10に記載の無線通信システム。
【請求項13】
前記多重数判定部は、前記端末が複数のリレー局を介して接続されている場合には、複数のリレー局がサポートする空間多重数のうち、最小の空間多重数を通信する多重数として判定することを特徴とする請求項12に記載の無線通信システム。
【請求項14】
前記端末は、
前記基地局と、前記リレー局を経由して通信を行っているか否かを判定するリレー局判定部と、
前記リレー局判定部による前記リレー局を経由して通信を行っているか否かの判定結果を、前記基地局に通知する通知手段と、
を有し、
前記リレー局管理部は、前記端末が前記リレー局を経由して通信を行っているか否かを前記通知手段により、端末の情報として管理することを特徴とする請求項12又は13に記載の無線通信システム。
【請求項15】
前記リレー局判定部は、前記リレー局のサポートする空間多重数も更に判定し、
前記通知手段は、リレー局を経由して通信を行っているか否かの判定結果と併せて、当該リレー局リレー局がサポートする空間多重数を、前記基地局に通知することを特徴とする請求項14に記載の無線通信システム。
【請求項16】
前記通知手段は、前記判定結果をMIMOを含む適応変調情報として通知することを特徴とする請求項14又は15に記載の無線通信システム。
【請求項17】
前記リレー局判定手段は、前記端末が受信した信号の遅延時間を測定することにより、リレー局経由か否かを判定することを特徴とする請求項14から16の何れか記載の無線通信システム。
【請求項18】
前記基地局に、前記複数のリレー局のうち少なくとも一つが有線で接続されていることを特徴とする請求項11から17の何れか記載の無線通信システム。
【請求項19】
基地局と、一又は複数の端末と、基地局と端末との間で中継するリレー局とを含み、複数のアンテナにより空間多重化方式を用いて通信する無線通信システムに用いる無線通信方法であって、
リレー局を経由して通信する端末の情報と、リレー局のサポートする空間多重数の情報とを管理するリレー局接続管理ステップと、
前記リレー局管理ステップにおいて管理された情報に基づいて、通信する多重数を判定する多重数判定ステップと、
前記多重数判定ステップにより判定された多重数に基づいて、前記端末と多重化してデータの送受信を行うデータ送受信ステップと、
を有することを特徴とする無線通信方法。
【請求項20】
複数のアンテナを有し、空間多重化方式を用いてリレー局を中継して一又は複数の端末と通信するコンピュータに、
リレー局を経由して通信する端末の情報と、リレー局のサポートする空間多重数の情報とを管理するリレー局接続管理機能と、
前記リレー局管理機能により管理されている情報に基づいて、通信する多重数を判定する多重数判定機能と、
前記多重数判定機能により判定された多重数に基づいて、前記端末と多重化してデータの送受信を行うデータ送受信機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図15】
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【図17】
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【図18】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図25】
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【図26】
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【図4】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図19】
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【図20】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−135897(P2010−135897A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−307453(P2008−307453)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】