説明

基地局装置、通信端末装置及び送信方法

【課題】所定のリソースを確保しつつ、周辺基地局装置に与える干渉を抑制するとともに、自局の通信相手における下り制御データの受信品質の劣化を抑制すること。
【解決手段】基地局装置100は、マクロセルの基地局装置が形成するセルと異なる大きさのセルを形成するとともに、マクロセルの基地局装置と同一の通信方式であるOFDM方式により通信する。電力調整部105は、制御チャネルシンボルの送信電力を、マクロセルの基地局装置における制御チャネルシンボルの送信電力よりも低減する処理を行う。IFFT部108は、制御チャネルシンボルを直交周波数分割多重処理する。シンボル選択部110は、所定の送信期間毎に、シンボル番号t0のシンボルに制御チャネルシンボルを振り分けるとともに、シンボル番号t0のシンボルに振り分けた制御チャネルシンボルを、シンボル番号t1〜t2のシンボルにも振り分けるようにOFDM信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置、通信端末装置及び送信方法に関し、例えば小型基地局装置とマクロセルを形成する基地局装置との下り制御チャネルの干渉を緩和する基地局装置、通信端末装置及び送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体通信の通信規格の一つであるLTE(Long Term Evolution)は、従来の通信規格と比較して、周波数利用効率の向上及び低遅延を特徴とするものであり、将来の移動体通信ビジネスの発展を支える規格として期待されている。
【0003】
LTEの下り変調方式にはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式が採用されており、周波数領域における情報シンボルの最小単位は1サブキャリアとなる。12サブキャリアを1リソースブロック(Resource Block)(以下、「RB」と記載する)と呼び、これが各下りチャネルの割り当て単位となる。LTEでは、1RBのフレームフォーマットを所定の周波数領域で繰り返し連続して配置することで下りチャネルを構成する。なお、繰り返し連続して配置するRB数は、通信端末装置への送信情報量または下り伝播路環境に応じて、基地局装置のスケジューラにより決定される。
【0004】
時間方向で見ると、各チャネルの送信割り当て単位を1サブフレームと呼び、normal CP(Cyclic Prefix)時は、14OFDMシンボルで構成される。なお、Extended CP時は、12OFDMシンボルで構成される。このうち、先頭から1〜3OFDMシンボルに制御チャネル(CCH:Control Channel)(以下、「CCH」と記載する)が割り当てられる。残りのOFDMシンボルにデータチャネル、同期チャネルまたは報知チャネルが割り当てられる。以下の説明では、データチャネルと、同期チャネルと、報知チャネルとをまとめて共通チャネル(SCH:Shared Channel)(以下、「SCH」と記載する)として記載する。CCHが割り当てられるOFDMシンボル数は、サブフレーム当たりに必要な制御情報量によって異なり、CFI(Control Format Indicator)によって決まる。また、参照信号(RS:Reference Signal)は、送信アンテナ毎に時間領域及び周波数領域で間欠的に割り当てられる。
【0005】
また、近年、携帯電話の不感地帯をカバーするために、ピコセル(Pico cell)またはHome eNB(以下、「小型eNB」と記載する)と呼ばれる小型基地局装置の開発が行われている。小型eNBは主に宅内や、企業内に設置することを想定しており、収容端末数は、一般的には数個、多くても百個程度と言われる。また、小型eNBが形成するセルは、従来のマクロ基地局装置(以下、「MeNB」と記載する)が形成するセルよりも小さい。また、小型eNB及びMeNBの何れもが、上記のフレーム構成を有するOFDM方式により、配下の通信端末装置と通信を行う。
【0006】
従来のMeNBは、事前に通信事業者が適切な置局設計を行って設置されるため、セル間干渉はさほど問題にならない。一方、小型eNBは、送信電力が小さい上、エンドユーザが任意の場所に設置可能なため、MeNBとの干渉が大きな問題となる。特に既存のMeNBへの通信に支障を与えることはあってはならない。とりわけ、下り制御チャネルへ干渉を与えると、MeNBの下りデータ通信のみならず、MeNB配下の通信端末装置(以下、「MUE」と記載する)への報知情報または上り通信等にも重大な支障をきたす。
【0007】
このような干渉を防ぐため、移動体通信規格の標準化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、非特許文献1や非特許文献2に記載されるように、様々な技術提案がなされている。非特許文献1では、MeNBの制御チャネルの一部をパンクチャリングする技術が提案されている。また、非特許文献2では、MeNBが下り伝播路損失が少ないMUEを特定のサブフレームに集中的にスケジューリングすることで、当該サブフレームの下り送信電力を低く抑え、小型eNBへの干渉を低減する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】R1-103227 " Interference coordination for control channels for HetNet"(Fujitsu)
【非特許文献2】R1-103690 " Downlink power reduction ICIC method for macro-picoco-channel deployment "(New Postcom)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、非特許文献1においては、制御チャネルをパンクチャリングするので、制御チャネルの受信性能を低下させる上、多数のMUEで共有するMeNBのリソースが逼迫するという問題がある。
【0010】
また、非特許文献2においては、下り伝播損失が高いMUEへの下り送信が特定のサブフレームに集中することになるため、そのサブフレームにおいては下り送信電力が高くなり、小型eNBは大きな干渉を受けるという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、所定のリソースを確保しつつ、周辺基地局装置に与える干渉を抑制することができるとともに、自局の通信相手における下り制御データの受信品質の劣化を抑制することができる基地局装置、通信端末装置及び送信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の基地局装置は、周辺基地局装置が形成するセルと異なる大きさのセルを形成するとともに、前記周辺基地局装置と同一の通信方式であるOFDM方式により通信する基地局装置であって、制御データの送信電力を前記周辺基地局装置における制御データの送信電力よりも低減する処理を行う電力調整手段と、前記電力調整手段により前記処理を行った制御データを直交周波数分割多重処理することにより、所定の送信期間毎に、先頭シンボルに制御データを振り分けるとともに、前記先頭シンボルに振り分けた制御データを、前記先頭シンボルと時間軸上で連続する所定数のシンボルにも振り分ける振り分け手段と、前記振り分け手段により前記先頭シンボル及び前記所定数のシンボルに振り分けた制御データを送信する送信手段と、を具備する構成を採る。
【0013】
本発明の通信端末装置は、通信相手の第1の基地局装置と、前記第1の基地局装置のセルと異なる大きさのセルを形成する第2の基地局装置との双方からのOFDM信号を受信する通信端末装置であって、前記第2の基地局装置から送信される制御データよりも送信電力が低減されている制御データを含む前記OFDM信号を前記第1の基地局装置より受信する受信手段と、所定の送信期間毎に、先頭シンボルに振り分けられた制御データを含むとともに前記先頭シンボルに振り分けられた制御データが前記先頭シンボルと時間軸上で連続する所定数のシンボルにも振り分けられた前記受信手段により受信した前記OFDM信号の中から、自分宛の制御データをシンボル毎に抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出した制御データを合成する合成手段と、前記合成手段により合成した制御データを復調する復調手段と、を具備する構成を採る。
【0014】
本発明の送信方法は、周辺基地局装置が形成するセルと異なる大きさのセルを形成するとともに、前記周辺基地局装置と同一の通信方式であるOFDM方式により通信する基地局装置における送信方法であって、制御データの送信電力を前記周辺基地局装置における制御データの送信電力よりも低減する処理を行うステップと、前記処理を行った制御データを直交周波数分割多重処理することにより、所定の送信期間毎に、先頭シンボルに制御データを振り分けるとともに、前記先頭シンボルに振り分けた制御データを、前記先頭シンボルと時間軸上で連続する所定数のシンボルにも振り分けるステップと、前記先頭シンボル及び前記所定数のシンボルに振り分けた制御データを送信するステップと、を具備するようにした。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、所定のリソースを確保しつつ、周辺基地局装置に与える干渉を抑制することができるとともに、自局の通信相手における下り制御データの受信品質の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る通信端末装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1に係る基地局装置から送信されるOFDM信号の下りフレームフォーマットを示す図
【図4】本発明の実施の形態1におけるシンボル番号t0〜t2におけるI−Q平面上のCCH送信シンボル及びCCH受信シンボルを示す図
【図5】本発明の実施の形態2に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態2における基地局装置から送信されるOFDM信号の下りフレームフォーマットを示す図
【図7】本発明の実施の形態2における基地局装置から送信されるOFDM信号の下りフレームフォーマットの他の例を示す図
【図8】本発明の実施の形態2における基地局装置から送信されるOFDM信号の下りフレームフォーマットのさらに他の例を示す図
【図9】本発明の実施の形態3に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態3に係る通信端末装置の構成を示すブロック図
【図11】送信シンボルパターンに偏りがある場合であって直交系列を乗算しない場合のシンボル番号t0〜t2におけるI−Q平面上のCCH送信シンボル及びCCH受信シンボルを示す図
【図12】本発明の実施の形態3における送信シンボルパターンに偏りがある場合のシンボル番号t0〜t2におけるI−Q平面上のCCH送信シンボル及びCCH受信シンボルを示す図
【図13】本発明の実施の形態3における送信シンボルパターンがランダムである場合のシンボル番号t0〜t2におけるI−Q平面上のCCH送信シンボル及びCCH受信シンボルを示す図
【図14】本発明の実施の形態4における基地局装置から送信されるOFDM信号の下りフレームフォーマットを示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
(実施の形態1)
以下に、本発明の実施の形態1に係る基地局装置100の構成について、図1を用いて詳細に説明する。本実施の形態では、基地局装置100が小型eNBである場合について説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態1に係る基地局装置100の構成を示すブロック図である。
【0020】
基地局装置100は、CCH変調部101と、SCH変調部102と、干渉電力測定部103と、電力係数算出部104と、電力調整部105と、チャネル選択部106と、リソースマッピング部107と、IFFT部108と、記憶部109と、シンボル選択部110と、CP・Time Window付加部111と、RF部112と、アンテナ113とから主に構成される。
【0021】
CCH変調部101は、入力したCCHの制御データ(以下、「CCHデータ」と記載する)を変調した制御チャネルシンボル(以下、「CCHシンボル」と記載する)を電力調整部105へ出力する。ここで、CCHは、PDCCHと、PHICHと、PCFICHとを含む。
【0022】
SCH変調部102は、入力したSCHのデータ(以下、「SCHデータ」と記載する)を変調した共通チャネルシンボル(以下、「SCHシンボル」)をチャネル選択部106へ出力する。ここで、SCHは、PDSCHと、P−SCHと、S−SCHと、PBCHとを含む。
【0023】
干渉電力測定部103は、図示しない受信部により受信した、周辺基地局であるMeNBから送信された参照信号に基づいて、MeNB(周辺基地局装置)の制御データの送信電力である下りリンクの干渉電力を測定する。また、干渉電力測定部103は、測定した干渉電力の測定結果を電力係数算出部104へ出力する。
【0024】
電力係数算出部104は、干渉電力測定部103から入力した干渉電力の測定結果に基づいて、CCHに乗じる電力調整係数を算出する。また、電力係数算出部104は、算出した電力調整係数を電力調整部105へ出力する。
【0025】
電力調整部105は、CCH変調部101から入力したCCHシンボルに対して、電力係数算出部104から入力した電力調整係数を乗算することにより、MeNBのCCHシンボルの送信電力よりも送信電力を低減する処理を行う。また、電力調整部105は、電力調整係数を乗算したCCHシンボルをチャネル選択部106へ出力する。
【0026】
チャネル選択部106は、入力したサブフレーム毎のシンボル番号情報に応じて、電力調整部105から入力したCCHシンボルを選択するとともに、SCH変調部102から入力したSCHシンボルを選択する。具体的には、チャネル選択部106は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt0の場合にはCCHシンボルを選択する。また、チャネル選択部106は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt1〜t2の場合には何も選択しない。また、チャネル選択部106は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt3〜t13の場合には各シンボル番号に応じたSCHシンボルを選択する。そして、チャネル選択部106は、選択したCCHシンボル及びSCHシンボルをリソースマッピング部107へ出力する。なお、チャネル選択部106は、何も選択しない場合にはリソースマッピング部107へは何も出力しない。
【0027】
リソースマッピング部107は、チャネル選択部106から入力したCCHシンボルまたはSCHシンボルを周波数軸上に配置してIFFT部108へ出力する。
【0028】
IFFT部108は、リソースマッピング部107から入力したCCHシンボルまたはSCHシンボルに対してOFDM変調処理である逆離散フーリエ変換処理を行ってOFDM信号を形成する。また、IFFT部108は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt0の場合には、形成したOFDM信号を記憶部109及びシンボル選択部110へ出力する。また、IFFT部108は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt1〜t2の場合には、リソースマッピング部107から何も入力しないので、何も出力しない。また、IFFT部108は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt3〜t13の場合には、形成したOFDM信号をシンボル選択部110へ出力する。OFDM信号は、例えば、サブフレーム毎に14OFDMシンボルから構成される。また、各OFDMシンボルは、複数のリソースブロックから構成される。例えば、チャネル帯域幅が10MHzの場合、各OFDMシンボルは50リソースブロック(600サブキャリア)から構成される。
【0029】
記憶部109は、IFFT部108から入力したOFDM信号を記憶する。
【0030】
シンボル選択部110は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt0及びt3〜t13の場合には、IFFT部108から入力したOFDM信号をCP・Time Window付加部111へ出力する。また、シンボル選択部110は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt1〜t2の場合には、記憶部109から読み出した記憶部109に記憶しているOFDM信号をCP・Time Window付加部111へ出力する。これにより、シンボル番号がt0〜t2のシンボルにCCHシンボルが振り分けられるとともに、シンボル番号がt3〜t13のシンボルにSCHシンボルが振り分けられる。なお、CCHシンボル及びSCHシンボルを振り分けたフレームフォーマットについては後述する。
【0031】
CP・Time Window付加部111は、シンボル選択部110から入力したOFDM信号の後半部をCPとして複製し、複製したCPをOFDM信号の先頭に配置する。また、CP・Time Window付加部111は、CP付きOFDM信号に対して、隣接シンボル間の連続性を保持するために窓関数を乗じる。また、CP・Time Window付加部111は、窓関数を乗じたOFDM信号をRF部112へ出力する。
【0032】
RF部112は、CP・Time Window付加部111から入力したOFDM信号をベースバンド信号から高周波信号に周波数変換してアンテナ113へ出力する。
【0033】
アンテナ113は、RF部112から入力した高周波信号を後述する通信端末装置200へ送信する。
【0034】
以上で、基地局装置100の構成の説明を終える。
【0035】
次に、本発明の実施の形態1における通信端末装置200の構成について、図2を用いて詳細に説明する。本実施の形態では、通信端末装置200が小型eNB配下の通信端末装置(以下、「HUE」と記載する)である場合について説明する。
【0036】
図2は、本実施の形態における通信端末装置200の構成を示すブロック図である。
【0037】
通信端末装置200は、アンテナ201と、RF部202と、CP除去部203と、FFT部204と、等化部205と、リソースデマッピング部206と、チャネル選択部207と、合成部208と、CCH復調部209と、SCH復調部210とから主に構成される。
【0038】
アンテナ201は、基地局装置100から高周波信号を受信してRF部202へ出力する。
【0039】
RF部202は、アンテナ201から入力した高周波信号をベースバンド信号に周波数変換してCP除去部203へ出力する。
【0040】
CP除去部203は、RF部202から入力したベースバンド信号であるOFDM信号より、あらかじめ定めたシンボルタイミングに基づきCPを除去してFFT部204へ出力する。
【0041】
FFT部204は、CP除去部203から入力したOFDM信号をOFDM復調である離散フーリエ変換して等化部205へ出力する。
【0042】
等化部205は、FFT部204から入力したOFDM信号より参照信号を抽出する。また、等化部205は、抽出した参照信号とあらかじめ記憶する参照信号のレプリカとを用いて伝搬路のチャネル応答を求め、求めた伝搬路のチャネル応答よりチャネル推定値を求める等により、OFDM信号の等化処理を行う。また、等化部205は、等化処理後のOFDM信号をリソースデマッピング部206へ出力する。ここで、チャネル推定値を求める方法としては、EGC(Equal Gain Combining)またはMMSE(Minimum Mean Square Error)等の様々な方法を用いることができる。
【0043】
リソースデマッピング部206は、入力したシンボル番号情報に基づいて、等化部205から入力したOFDM信号より、自局に必要なデータを抽出する。具体的には、リソースデマッピング部206は、シンボル番号情報のシンボル番号がCCHシンボルをマッピングしているt0〜t2である場合、自局に割り当てられたCCHシンボルをOFDMシンボル毎に抽出する。また、リソースデマッピング部206は、シンボル番号情報のシンボル番号がSCHシンボルをマッピングしているt3〜t13である場合、あらかじめ抽出したCCHシンボルから自局宛のSCHシンボルが割り当てられているリソースを特定し、当該リソースからのSCHシンボルのみを抽出する。そして、リソースデマッピング部206は、抽出したCCHシンボル及びSCHシンボルをチャネル選択部207へ出力する。
【0044】
チャネル選択部207は、シンボル番号情報に基づいて、リソースデマッピング部206から入力したシンボル番号t0〜t2のCCHシンボルを合成部208に出力し、リソースデマッピング部206から入力したシンボル番号t3〜t13のSCHシンボルをSCH復調部210へ出力する。
【0045】
合成部208は、シンボル番号情報に基づいて、チャネル選択部207から入力したCCHシンボルを合成してCCH復調部209へ出力する。ここで、合成方法としては、単純合成法または重み付け合成法等の種々の合成を用いることができる。
【0046】
CCH復調部209は、合成部208から入力したCCHシンボルを復調してCCHデータとして出力する。
【0047】
SCH復調部210は、チャネル選択部207から入力したSCHシンボルを復調してSCHデータとして出力する。
【0048】
以上で、通信端末装置200の構成の説明を終える。
【0049】
図3は、基地局装置100から送信されるOFDM信号の下りフレームフォーマットを示す図である。
【0050】
図3に示すように、シンボル番号t0〜t2の先頭から3OFDMシンボルの各シンボルにCCHシンボル(図3においてドットを付したシンボル)が振り分けられる。即ち、基地局装置100は、CCHシンボルが振り分けられるOFDMシンボルを3つ連続で送信する(シンボル番号t0〜t2のOFDMシンボルを送信する)。なお、図3では、CCHシンボルが振り分けられるシンボル番号t0〜t2の各シンボルにおいて、所定のサブキャリアに時間軸上で連続する参照信号(図3において斜線のシンボル)が振り分けられる。
【0051】
また、CCHシンボルが振り分けられるシンボル番号t0〜t2の後方のシンボルである、シンボル番号t3〜t13にSCHシンボル(図3において白抜きのシンボル)が振り分けられる。なお、図3では、SCHシンボルが振り分けられるシンボル番号t3〜t13のシンボルにおいて、所定のサブキャリアに間欠的に参照信号(図3において斜線のシンボル)が振り分けられる。
【0052】
また、通信端末装置200は、シンボル番号t0〜t2のCCHシンボルが振り分けられる3つ連続するOFDMシンボルを合成することにより合成利得を得ることができるので、受信性能の改善を図ることができる。
【0053】
次に、基地局装置100から送信されるCCH送信シンボル及び通信端末装置200において受信するCCH受信シンボルについて、図4を用いて説明する。図4は、シンボル番号t0〜t2におけるI−Q平面上のCCH送信シンボル及びCCH受信シンボルを示す図である。
【0054】
図4において、左欄上段の図4(a)〜(c)は基地局装置100のCCH送信シンボルを示し、左欄中段の図4(d)〜(f)はMeNBの基地局装置のCCH送信シンボルを示し、左欄下段の図4(g)〜(i)はMUEのCCH受信シンボルを示すとともに、右欄の図4(j)は通信端末装置200のCCH受信シンボルを示す。また、図4において、HeNBは基地局装置100であり、HUEは通信端末装置200である。
【0055】
また、図4において、干渉電力測定部103で測定されたMeNBのCCH送信シンボルの電力を「1」とし、基地局装置100のCCH送信シンボルに乗じる電力調整係数を「0.5」としている。
【0056】
小型eNBである基地局装置100のCCH送信シンボルは、図4(a)に示すように、シンボル番号t0において第1象限に配置されている(シンボルSh0)。基地局装置100は、シンボル番号t1〜t2において、シンボル番号t0のCCH送信シンボルと同一のCCH送信シンボルを繰り返し送信する。従って、基地局装置100は、図4(b)〜(c)に示すように、シンボル番号t1〜t2においても同様に第1象限に配置されたCCH送信シンボルを送信することになる(シンボルSh1、Sh2)。すなわち、(1)式の通りとなる。
【数1】

【0057】
また、MeNBのCCH送信シンボルは、シンボル番号t0〜t2においてそれぞれ独立なシンボルが送信されることになる。図4では、MeNBのCCH送信シンボルは、t0においては図4(d)に示すように第2象限に配置される(シンボルSm0)。また、MeNBのCCH送信シンボルは、t1においては図4(e)に示すように第3象限に配置される(シンボルSm1)。また、MeNBのCCH送信シンボルは、t2においては図4(f)に示すように第4象限に配置される(シンボルSm2)。すなわち、(2)式〜(4)式の通りとなる。
【数2】

【0058】
【数3】

【0059】
【数4】

【0060】
また、通信端末装置200において、理想的にはこれらCCH受信シンボルのうち、シンボルSh0〜シンボルSh2のみが受信されることが好ましい。この場合、受信コンスタレーションは、図4(j)及び(5)式に示すCCH受信シンボルΣShiとなる。
【数5】

【0061】
一方、HUEが干渉を受け、基地局装置100およびMeNB双方のCCH受信シンボルを受信した場合を考える。この場合、受信コンスタレーションは、図4(j)及び(6)式に示すように、HeNBのCCH送信シンボルSh0〜Sh2、及びMeNBのCCH送信シンボルSm0〜Sm2の全ての合成ベクトル(シンボルΣ(Shi+Smi))となる。
【数6】

【0062】
合成ベクトルΣ(Shi+Smi)は、図4(j)に示すように、先の理想のCCH受信シンボルΣShiと比較すると受信レベルが低下しているものの、第1象限に留まっている。一般に、QPSK復調は受信シンボルの象限判定を行うのみなので、図4(j)の場合には、通信端末装置200は、基地局装置100のCCH受信シンボルを正しく復調することができる。
【0063】
次に、MUEが基地局装置100から干渉を受けている場合のCCH受信シンボルについて説明する。例えば、シンボル番号t0に着目すると、図4(g)及び(7)式に示すように、MUEのCCH受信シンボルはSh0とSm0の合成ベクトルとなって現れる。
【数7】

【0064】
この場合においても、CCH受信シンボルはCCH送信シンボルSm0と同じ第2象限に留まっているため、MUEはMeNBからのCCH受信シンボルを正しく復調することができる。
【0065】
シンボル番号t1およびt2についても、図4(h)、図4(i)、(8)式及び(9)式に示すように、同様の結果となる。
【数8】

【0066】
【数9】

【0067】
上記より、本実施の形態において、基地局装置100とMeNBとの間に干渉がある場合においても、通信端末装置200及びMUEはCCH受信シンボルを正しく復調できることがわかる。
【0068】
このように、本実施の形態によれば、CCHの送信電力を低減するので、所定のリソースを確保しつつ、周辺基地局装置に与える干渉を抑制することができる。また、本実施の形態によれば、CCHを複数の連続するOFDMシンボルを用いて送信するので、CCHシンボルの合成利得を得ることができ、HUEの制御データの受信品質の劣化を抑制することができる。
【0069】
(実施の形態2)
以下に、本発明の実施の形態2に係る基地局装置500の構成について、図5を用いて詳細に説明する。図5は、本発明の実施の形態2に係る基地局装置500の構成を示すブロック図である。本実施の形態では、基地局装置500が小型eNBである場合について説明する。
【0070】
図5に示す基地局装置500は、図1に示す実施の形態1に係る基地局装置100に対して、巡回マッピング部502を追加し、IFFT部108の代わりにIFFT部504を有し、記憶部109の代わりに記憶部501を有し、シンボル選択部110の代わりにシンボル選択部503を有する。なお、図5において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0071】
基地局装置500は、CCH変調部101と、SCH変調部102と、干渉電力測定部103と、電力係数算出部104と、電力調整部105と、チャネル選択部106と、リソースマッピング部107と、CP・Time Window付加部111と、RF部112と、アンテナ113と、記憶部501と、巡回マッピング部502と、シンボル選択部503と、IFFT部504とから主に構成される。
【0072】
リソースマッピング部107は、チャネル選択部106から入力したCCHシンボルまたはSCHシンボルを周波数軸上に配置し、入力したシンボル番号情報のシンボル番号に応じて記憶部501またはシンボル選択部503へ出力する。具体的には、リソースマッピング部107は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt0の場合には、周波数軸上に配置したCCHシンボルをシンボル選択部503へ出力する。リソースマッピング部107は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt1〜t2場合には、周波数軸上に配置したCCHシンボルを記憶部501に記憶させる。また、リソースマッピング部107は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt3〜t13の場合には、周波数軸上に配置したSCHシンボルをシンボル選択部503へ出力する。
【0073】
記憶部501は、リソースマッピング部107から入力したCCHシンボルを記憶する。
【0074】
巡回マッピング部502は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt1〜t2の場合には、記憶部501に記憶しているCCHシンボルを記憶部501から読み出して、読み出したCCHシンボルを周波数軸方向にサブキャリア単位で巡回シフトする。具体的には、巡回マッピング部502は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt1の場合には、周波数軸方向に1サブキャリア分巡回シフトする。また、巡回マッピング部502は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt2の場合には、周波数軸方向に2サブキャリア分巡回シフトする。また、巡回マッピング部502は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt3〜t13の場合には、記憶部501からCCHシンボルを読み出さないとともに何も出力しない。
【0075】
シンボル選択部503は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt0の場合には、リソースマッピング部107から入力したCCHシンボルをIFFT部504へ出力する。また、シンボル選択部503は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt1〜t2の場合には、巡回マッピング部502から入力した巡回シフトさせたCCHシンボルをIFFT部504へ出力する。また、シンボル選択部503は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt3〜t13の場合には、リソースマッピング部107から入力したSCHシンボルをIFFT部504へ出力する。これにより、シンボル番号がt0〜t2のシンボルにCCHシンボルが振り分けられるとともに、シンボル番号がt3〜t13のシンボルにSCHシンボルが振り分けられる。
【0076】
IFFT部504は、シンボル選択部503から入力したCCHシンボルまたはSCHシンボルに対してOFDM変調処理である逆離散フーリエ変換処理を行ってOFDM信号を形成する。また、IFFT部504は、形成したOFDM信号をCP・Time Window付加部111へ出力する。
【0077】
CP・Time Window付加部111は、IFFT部504から入力したOFDM信号の後半部をCPとして複製し、複製したCPをOFDM信号の先頭に配置する。また、CP・Time Window付加部111は、CP付きOFDM信号に対して、隣接シンボル間の連続性を保持するために窓関数を乗じる。また、CP・Time Window付加部111は、窓関数を乗じたOFDM信号をRF部112へ出力する。
【0078】
以上で、基地局装置500の構成の説明を終える。なお、本実施の形態における通信端末装置の構成は、リソースデマッピング部において、シンボル番号t1〜t2でCCHシンボルを基地局装置500と逆方向に巡回シフトして周波数軸上の配置を元に戻す以外は、図2と同一構成であるので、その説明を省略する。
【0079】
図6は、基地局装置500から送信されるOFDM信号の下りフレームフォーマットを示す図である。
【0080】
図6に示すように、シンボル番号t1〜t2のOFDMシンボルに振り分けられるCCHシンボルは、シンボル番号t0のOFDMシンボルに振り分けられるCCHシンボルに対して、周波数軸方向に各々所定サブキャリア数だけ巡回シフトされている。具体的には、シンボル番号t1のOFDMシンボルのCCHシンボルでは、シンボル番号t0のOFDMシンボルのCCHシンボルに対して、周波数軸方向に1サブキャリア分巡回シフトされる。また、シンボル番号t2のOFDMシンボルのCCHシンボルでは、シンボル番号t0のOFDMシンボルのCCHシンボルに対して、周波数軸方向に2サブキャリア分巡回シフトされる。即ち、CCHシンボルは、シンボル番号t1〜t2において、1サブキャリアずつ巡回シフトされる。
【0081】
なお、図6のフレームフォーマットにおいて、CCHシンボルを巡回シフトさせる以外は図3のフレームフォーマットと同一であるので、その他の説明を省略する。
【0082】
また、本実施の形態において、巡回マッピング部502に代えてインタリーブ部を設けてもよい。図7は、本実施の形態における基地局装置500から送信されるOFDM信号の下りフレームフォーマットの他の例を示す図である。図7より、シンボル番号t0のCCHシンボルを、シンボル番号毎に所定のインタリーブパターンによりインタリーブしたCCHシンボルを、シンボル番号t1〜t2に振り分けるようにしてもよい。
【0083】
また、本実施の形態において、巡回マッピング部502に代えて反転マッピング部を設けてもよい。図8は、本実施の形態における基地局装置500から送信されるOFDM信号の下りフレームフォーマットのさらに他の例を示す図である。図8より、シンボル番号t0のCCHシンボルを、周波数軸上で反転させてシンボル番号t1に振り分けるようにしてもよい。この際、シンボル番号t0とシンボル番号t2のCCHシンボルの周波数軸上の配置は同一になる。
【0084】
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、CCHシンボルの周波数軸上の配置をシンボル番号毎に変えるので、実施の形態1に比べて、受信性能をさらに向上させることができる。
【0085】
なお、本実施の形態において、巡回シフト、インタリーブまたは周波数軸上において反転してCCHシンボルの周波数軸上における位置を入れ替えたが、本実施の形態はこれに限らず、任意の方法によりCCHシンボルの周波数軸上における位置を入れ替えることができる。
【0086】
(実施の形態3)
以下に、本発明の実施の形態3に係る基地局装置900の構成について、図9を用いて詳細に説明する。図9は、本発明の実施の形態3に係る基地局装置900の構成を示すブロック図である。本実施の形態では、基地局装置900が小型eNBである場合について説明する。
【0087】
図9に示す基地局装置900は、図1に示す実施の形態1に係る基地局装置100に対して、位相回転部902を追加し、IFFT部108に代えてIFFT部901を有する。なお、図9において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0088】
基地局装置900は、CCH変調部101と、SCH変調部102と、干渉電力測定部103と、電力係数算出部104と、電力調整部105と、チャネル選択部106と、リソースマッピング部107と、記憶部109と、シンボル選択部110と、CP・Time Window付加部111と、RF部112と、アンテナ113と、IFFT部901と、位相回転部902とから主に構成される。
【0089】
リソースマッピング部107は、チャネル選択部106から入力したCCHシンボルまたはSCHシンボルを周波数軸上に配置してIFFT部901へ出力する。
【0090】
IFFT部901は、リソースマッピング部107から入力したCCHシンボルまたはSCHシンボルに対してOFDM変調処理である逆離散フーリエ変換処理を行ってOFDM信号を形成する。また、IFFT部901は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt0の場合には、形成したOFDM信号を記憶部109と、シンボル選択部110と、位相回転部902とへ出力する。また、IFFT部901は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt1〜t2の場合には、リソースマッピング部107から何も入力しないので、何も出力しない。また、IFFT部901は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt3〜t13の場合には、形成したOFDM信号をシンボル選択部110へ出力する。
【0091】
位相回転部902は、シンボル番号と直交系列とを対応付けた位相回転用情報をあらかじめ記憶する。また、位相回転部902は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt0〜t2の場合に、入力したシンボル番号に対応する直交系列を位相回転用情報から各々選択する。また、位相回転部902は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt0の場合に、IFFT部901から入力したOFDM信号に対して、選択した直交系列を乗算することにより位相回転を与える。また、位相回転部902は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt1〜t2の場合に、記憶部109に記憶しているOFDM信号を記憶部109から読み出して、選択した直交系列を読み出したOFDM信号に各々乗算することにより位相回転を与える。また、位相回転部902は、直交系列を乗算したOFDM信号をシンボル選択部110へ出力する。
【0092】
シンボル選択部110は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt3〜t13の場合には、IFFT部901から入力したOFDM信号をCP・Time Window付加部111へ出力する。また、シンボル選択部110は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt0〜t2の場合には、位相回転部902から入力したOFDM信号をCP・Time Window付加部111へ出力する。これにより、シンボル番号がt0〜t2のシンボルにCCHシンボルが振り分けられるとともに、シンボル番号がt3〜t13のシンボルにSCHシンボルが振り分けられる。
【0093】
以上で、基地局装置900の構成の説明を終える。
【0094】
次に、本発明の実施の形態3における通信端末装置1000の構成について、図10を用いて詳細に説明する。本実施の形態では、通信端末装置1000がHUEである場合について説明する。
【0095】
図10は、本実施の形態における通信端末装置1000の構成を示すブロック図である。
【0096】
通信端末装置1000は、アンテナ201と、RF部202と、CP除去部203と、FFT部204と、等化部205と、リソースデマッピング部206と、チャネル選択部207と、合成部208と、CCH復調部209と、SCH復調部210と、位相回転部1001とから主に構成される。
【0097】
チャネル選択部207は、シンボル番号情報に基づいて、リソースデマッピング部206から入力したシンボル番号t0〜t2のCCHシンボルを位相回転部1001に出力し、リソースデマッピング部206から入力したシンボル番号t3〜t13のSCHシンボルをSCH復調部210へ出力する。
【0098】
位相回転部1001は、シンボル番号と、位相回転部902の位相回転用情報における直交系列の複素共役系列とを対応付けた位相回転用情報をあらかじめ記憶する。また、位相回転部1001は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt0〜t2の場合に、入力したシンボル番号に対応する複素共役系列を位相回転用情報から各々選択する。また、位相回転部1001は、入力したシンボル番号情報のシンボル番号がt0〜t2の場合に、チャネル選択部207から入力したCCHシンボルに対して、選択した複素共役系列を各々乗算することにより、位相回転部902で与えた位相回転を元に戻す。また、位相回転部1001は、複素共役系列を乗算したCCHシンボルを合成部208へ出力する。
【0099】
合成部208は、シンボル番号情報に基づいて、位相回転部1001から入力したCCHシンボルを合成してCCH復調部209へ出力する。
【0100】
以上で、通信端末装置1000の構成の説明を終える。
【0101】
次に、基地局装置900から送信されるCCH送信シンボル及び通信端末装置1000において受信するCCH受信シンボルについて、図11〜図13を用いて説明する。図11は、送信シンボルパターンに偏りがある場合であって直交系列を乗算しない場合のシンボル番号t0〜t2におけるI−Q平面上のCCH送信シンボル及びCCH受信シンボルを示す図である。図12は、本実施の形態における送信シンボルパターンに偏りがある場合のシンボル番号t0〜t2におけるI−Q平面上のCCH送信シンボル及びCCH受信シンボルを示す図である。図13は、本実施の形態における送信シンボルパターンがランダムである場合のシンボル番号t0〜t2におけるI−Q平面上のCCH送信シンボル及びCCH受信シンボルを示す図である。
【0102】
図11〜図13において、左欄上段の図11(a)〜(c)、図12(a)〜(c)及び図13(a)〜(c)は、基地局装置900のCCH送信シンボルを示す。また、図11〜図13において、左欄中段の図11(d)〜(f)、図12(d)〜(f)及び図13(d)〜(f)は、MeNBの基地局装置のCCH送信シンボルを示す。また、図11〜図13において、左欄下段の図11(g)〜(i)、図12(g)〜(i)及び図13(g)〜(i)は、MUEのCCH受信シンボルを示す。また、図11〜図13において、右欄の図11(j)、図12(j)及び図13(j)は、通信端末装置1000のCCH受信シンボルを示す。また、図11〜図13において、HeNBは基地局装置900であり、HUEは通信端末装置1000である。
【0103】
また、図11において、干渉電力測定部103で測定されたMeNBのCCH送信シンボルの電力を「1」とし、基地局装置900のCCH送信シンボルに乗じる電力調整係数を「0.5」としている。
【0104】
図11に示すように、基地局装置900のCCH送信シンボルが第1象限に配置されている場合、且つMeNBのCCH送信シンボルがシンボル番号t0〜t2において全て第3象限に配置されている場合に、図11(j)及び(10)式に示すように、通信端末装置1000における合成ベクトルは第3象限と判定されてしまう。この場合には、CCH受信シンボルの誤り率低下の原因となる。
【数10】

【0105】
本実施の形態では、上記の場合にCCH受信シンボルの誤り率低下を防ぐことを目的とする。ここで、基地局装置900のCCHシンボルに乗じる直交系列φiを(11)式に示す。
【数11】

【0106】
これより、基地局装置900のCCH送信シンボルは(12)式の通りとなる。
【数12】

【0107】
また、通信端末装置1000は、(13)式に示す直交系列φiの複素共役系列φiを各CCH受信シンボルに乗じる。
【数13】

【0108】
この結果、MeNBのCCH送信シンボルには直交系列φiが乗じられていないため、通信端末装置1000において、これら3シンボルの合成ベクトルは、図12(j)に示す通り、複素平面の原点に収束する。一方、基地局装置900のCCH送信シンボルは、合成利得が得られる。従って、図12(j)及び(14)式に示すように、MeNBからの干渉がある場合においても、基地局装置900のCCH受信シンボルは正しく復調される。
【数14】

【0109】
また、MeNBのCCH送信シンボルがランダムである場合であっても、同様の効果は得られる。即ち、上記の実施の形態1の図4に示したランダムな送信シンボルパターンに対して、本実施の形態を適用した例を図13に示す。
【0110】
図13(j)及び(15)式に示すように、CCH送信シンボルは、通信端末装置1000とMUEの双方において、合成ベクトルの象限の位置は、期待値と一致していることがわかる。
【数15】

【0111】
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、CCHシンボルにシンボル番号毎に異なる直交系列を乗算するので、受信性能をさらに向上させることができる。
【0112】
(実施の形態4)
図14は、本発明の実施の形態4に係る基地局装置から送信されるOFDM信号の下りフレームフォーマットを示す図である。
【0113】
なお、本実施の形態において、基地局装置は図1と同一構成であるとともに、通信端末装置は図2と同一構成であるので、それらの説明を省略するとともに、以下の説明においては図1及び図2と同一符号を用いる。
【0114】
図14に示すように、シンボル番号t0〜t2の先頭から3OFDMシンボルの各シンボルにCCHシンボル(図14においてドットを付したシンボル)が振り分けられる。即ち、基地局装置100は、CCHシンボルが振り分けられるOFDMシンボルを3つ連続で送信する(シンボル番号t0〜t2のOFDMシンボルを送信する)。また、シンボル番号t0において、周波数軸上で参照信号(図14において斜線のシンボル)を間欠的に振り分ける。
【0115】
この際、シンボル番号t1〜t2のOFDMシンボルでは、シンボル番号t0において参照信号が振り分けられていたサブキャリアと同一のサブキャリアにはCCHシンボルを振り分けずに空きリソースとする(図14において網掛のシンボル)。即ち、シンボル番号t1〜t2のOFDMシンボルでは、シンボル番号t0において参照信号が振り分けられていたサブキャリアと同一のサブキャリアには何れもデータも振り分けない。
【0116】
なお、図14のフレームフォーマットにおいて、シンボル番号t1〜t2において参照信号を振り分けない以外は図3のフレームフォーマットと同一であるので、その他の説明を省略する。
【0117】
このように、本実施の形態では、CCHシンボルを配置する先頭シンボル以外のシンボルにおいて参照信号を振り分けないで空きリソースにする。これにより、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、送信電力を低減することができるとともに、実施の形態1に比べて周辺基地局装置に与える干渉をさらに低減することができる。
【0118】
上記の実施の形態1〜実施の形態4において、小型eNB及びHUEに本発明を適用したが、本発明はこれに限らず、MeNB及びMUEに本発明を適用してもよい。また、上記の実施の形態1〜実施の形態4において、CCHシンボルを送信するOFDMシンボル数を3つにしたが、本発明はこれに限らず、2OFDMシンボルによりCCHシンボルを送信してもよいし、任意の数のOFDMシンボルによりCCHシンボルを送信することができる。また、上記の実施の形態1〜実施の形態4において、小型eNBとMeNBの送信タイミングを同一にしてもよいし、小型eNBとMeNBの何れか一方の送信タイミングを所定OFDMシンボル数シフトしてもよい。また、上記の実施の形態1〜実施の形態4において、基地局装置におけるCCHシンボルの送信電力を、周辺基地局装置におけるCCHシンボルの送信電力の2分の1に低減したが、本発明はこれに限らず、2分の1以外の任意の値まで低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明にかかる基地局装置、通信端末装置及び送信方法は、例えば小型基地局装置とマクロセルを形成する基地局装置との下り制御チャネルの干渉を緩和するのに好適である。
【符号の説明】
【0120】
100 基地局装置
101 CCH変調部
102 SCH変調部
103 干渉電力測定部
104 電力係数算出部
105 電力調整部
106 チャネル選択部
107 リソースマッピング部
108 IFFT部
109 記憶部
110 シンボル選択部
111 CP・Time Window付加部
112 RF部
113 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周辺基地局装置が形成するセルと異なる大きさのセルを形成するとともに、前記周辺基地局装置と同一の通信方式であるOFDM方式により通信する基地局装置であって、
制御データの送信電力を前記周辺基地局装置における制御データの送信電力よりも低減する処理を行う電力調整手段と、
前記電力調整手段により前記処理を行った制御データを直交周波数分割多重処理することにより、所定の送信期間毎に、先頭シンボルに制御データを振り分けるとともに、前記先頭シンボルに振り分けた制御データを、前記先頭シンボルと時間軸上で連続する所定数のシンボルにも振り分ける振り分け手段と、
前記振り分け手段により前記先頭シンボル及び前記所定数のシンボルに振り分けた制御データを送信する送信手段と、
を具備する基地局装置。
【請求項2】
前記振り分け手段は、前記先頭シンボルに振り分けた制御データと周波数軸上で異なる配置になるように前記所定数のシンボルの各々に制御データを振り分ける請求項1記載の基地局装置。
【請求項3】
前記振り分け手段は、前記先頭シンボルに振り分けた制御データを、シンボル毎にサブキャリア単位でシフトして前記所定数のシンボルに各々振り分ける請求項2記載の基地局装置。
【請求項4】
前記振り分け手段は、前記先頭シンボルに振り分けた制御データを、シンボル毎に所定のパターンでインタリーブして前記所定数のシンボルに各々振り分ける請求項2記載の基地局装置。
【請求項5】
前記振り分け手段は、前記先頭シンボルに振り分けた制御データを、シンボル毎に周波数軸上で反転させて前記所定数のシンボルに各々振り分ける請求項2記載の基地局装置。
【請求項6】
前記振り分け手段は、前記先頭シンボルにおいて参照信号を周波数軸上で間欠的に振り分けるとともに、前記所定数のシンボルにおいて前記先頭シンボルの前記参照信号を振り分けた周波数に対応する周波数には何れのデータも振り分けない請求項1記載の基地局装置。
【請求項7】
前記振り分け手段は、前記先頭シンボル及び前記所定数のシンボルにおいて、シンボル毎に異なる直交系列を制御データに乗算することにより制御データに位相回転を与える請求項1記載の基地局装置。
【請求項8】
通信相手の第1の基地局装置と、前記第1の基地局装置のセルと異なる大きさのセルを形成する第2の基地局装置との双方からのOFDM信号を受信する通信端末装置であって、
前記第2の基地局装置から送信される制御データよりも送信電力が低減されている制御データを含む前記OFDM信号を前記第1の基地局装置より受信する受信手段と、
所定の送信期間毎に、先頭シンボルに振り分けられた制御データを含むとともに前記先頭シンボルに振り分けられた制御データが前記先頭シンボルと時間軸上で連続する所定数のシンボルにも振り分けられた前記受信手段により受信した前記OFDM信号の中から、自分宛の制御データをシンボル毎に抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出した制御データを合成する合成手段と、
前記合成手段により合成した制御データを復調する復調手段と、
を具備する通信端末装置。
【請求項9】
周辺基地局装置が形成するセルと異なる大きさのセルを形成するとともに、前記周辺基地局装置と同一の通信方式であるOFDM方式により通信する基地局装置における送信方法であって、
制御データの送信電力を前記周辺基地局装置における制御データの送信電力よりも低減する処理を行うステップと、
前記処理を行った制御データを直交周波数分割多重処理することにより、所定の送信期間毎に、先頭シンボルに制御データを振り分けるとともに、前記先頭シンボルに振り分けた制御データを、前記先頭シンボルと時間軸上で連続する所定数のシンボルにも振り分けるステップと、
前記先頭シンボル及び前記所定数のシンボルに振り分けた制御データを送信するステップと、
を具備する送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−39365(P2012−39365A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177474(P2010−177474)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】