説明

基板、金属膜、基板の製造方法および金属膜の製造方法

【課題】Fe−Ni系の金属材料からなる導体層と樹脂層との密着性を向上させる。
【解決手段】基板100は、表面層がFe−Ni系の金属材料からなる導体層と、導体層の表面のうち少なくとも一部に形成された表面被覆膜12と、表面被覆膜12と接するように設けられている樹脂層20と、を備えている。表面被覆膜12は、導体層の表面のうち少なくとも一部に付着したスズ膜と、スズ膜を表面装飾する有機シラン化合物からなる。これにより、Fe−Ni系の金属材料からなる導体層と樹脂層との密着性を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板、金属膜、基板の製造方法および金属膜の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置に用いられる導体層としては、例えば金属材料からなるコア基材や配線が挙げられる。このような、半導体装置に用いられる導体層に関する技術としては、例えば特許文献1〜4に記載のものがある。
特許文献1は、無機物充填絶縁材ワニスを金属板または銅箔に塗布乾燥した積層構造に関する技術である。具体的には、強制粉砕型の混練装置を用いずに減圧下で無機物と溶剤と絶縁材ワニスを攪拌混合することにより、無機物充填絶縁材ワニスを形成するというものである。また、特許文献2および3には、配線を、低い熱膨張係数を有する42アロイやインバー等のFe−Ni系の金属材料によって形成することが記載されている。
【0003】
また、半導体装置においては、その信頼性を向上させるうえで、金属材料からなる配線と樹脂層との密着性を強化することが求められる。金属材料と樹脂層との密着性を向上するための技術としては、例えば金属材料の表面を粗面化して凹凸を形成する梨地処理を行うという技術が挙げられる。また、例えば特許文献4には、銅箔と高分子材料との密着性についての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−142860号公報
【特許文献2】特開平7−106770号公報
【特許文献3】特開平5−74976号公報
【特許文献4】特表2004−536220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基板と、他の部材との熱膨張係数の差に起因して、半導体装置全体に反りが生じてしまう場合がある。この反りを抑制するため、基板における熱膨張係数の低減が求められている。基板における熱膨張係数の低減として、例えば基板に用いられる導体層の熱膨張係数を低減することが考えられる。一般的に導体層の材料として用いられるCu等に比べて、低い熱膨張係数を有する金属材料としては、例えばFe−Ni系の金属材料などが挙げられる。しかし、Fe−Ni系の金属材料は、樹脂層との密着性が悪い。そのため、導体層と樹脂層との間で剥離等が生じてしまう場合があった。導体層と樹脂層との間において剥離が生じると、半導体装置の製造工程における冷熱サイクル等により、導体層と樹脂層との間にボイドが生じてしまったり、樹脂層中にクラックが発生してしまったりする。従って、Fe−Ni系の金属材料からなる導体層と樹脂層との密着性を向上させることが求められている。
【0006】
本発明は、Fe−Ni系の金属材料からなる導体層と樹脂層との密着性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、表面層がFe−Ni系の金属材料からなる導体層と、
前記導体層の表面のうち少なくとも一部に形成された表面被覆膜と、
前記表面被覆膜と接するように設けられている樹脂層と、
を備え、
前記表面被覆膜は、前記導体層の表面のうち少なくとも一部に付着したスズ膜と、前記スズ膜を表面装飾する有機シラン化合物からなる基板が提供される。
【0008】
本発明によれば、樹脂層と積層して基板を形成することに用いられる金属膜であって、表面層がFe−Ni系の金属材料により構成されており、少なくとも前記樹脂層と接合する側の表面上には、スズ膜と、前記スズ膜を表面装飾する有機シラン化合物と、からなる表面被覆膜が形成されている金属膜が提供される。
【0009】
本発明によれば、表面層がFe−Ni系の金属材料からなる導体層の表面のうち少なくとも一部に、スズ膜を付着させ、かつ前記スズ膜を有機シラン化合物によって表面装飾することにより、表面被覆膜を形成する工程と、前記表面被覆膜と接するように、樹脂層を形成する工程と、を備える基板の製造方法が提供される。
【0010】
本発明によれば、樹脂層と積層して基板を形成することに用いられる金属膜の製造方法であって、表面層がFe−Ni系の金属材料からなる前記金属膜の表面のうち少なくとも一部に、スズ膜を付着させ、かつ前記スズ膜を有機シラン化合物によって表面装飾することにより、表面被覆膜を形成する工程を備える金属膜の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、Fe−Ni系の金属材料からなる導体層と樹脂層との密着性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0013】
【図1】第1の実施形態に係る基板を示す断面図である。
【図2】図1に示す基板を有する半導体装置の一例を示す断面図である。
【図3】図1に示す基板を有する半導体装置の一例を示す断面図である。
【図4】図1に示す基板の製造方法を示す断面図である。
【図5】図1に示す表面被覆膜の形成方法を示すフロー図である。
【図6】図1に示す基板の変形例を示す断面図である。
【図7】第2の実施形態に係る基板を示す断面図である。
【図8】図7に示す基板の製造方法を示す断面図である。
【図9】図7に示す基板の第1の変形例を示す断面図である。
【図10】図7に示す基板の第2の変形例を示す断面図である。
【図11】第3の実施形態に係る基板を示す断面図である。
【図12】図11に示す基板の製造方法を示す断面図である。
【図13】図11に示す表面被覆膜の形成方法を示すフロー図である。
【図14】図11に示す基板の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0015】
図1は、第1の実施形態に係る基板100を示す断面図である。また、図6は、図1に示す基板100の変形例を示す断面図である。基板100は、配線10と、表面被覆膜12と、樹脂層20と、を備えている。配線10は、表面層がFe−Ni系の金属材料からなる導体層である。表面被覆膜12は、配線10の表面のうち少なくとも一部に形成されている。樹脂層20は、表面被覆膜12と接するように設けられている。表面被覆膜12は、配線10の表面のうち少なくとも一部に付着したスズ膜と、当該スズ膜を表面装飾する有機シラン化合物からなる。以下、基板100の構成について詳細に説明する。
【0016】
図1に示すように、樹脂層20は、例えばコア基材30上に設けられている。コア基材30は、例えば樹脂組成物を基材に含浸させてなるプリプレグを少なくとも1枚、若しくは複数枚積層した積層体、前記積層体の両面、若しくは片面に、金属箔を重ねた積層体、または内層回路基板の両面、若しくは片面にプリプレグ、若しくは樹脂シートを積層した積層体からなる積層板により形成されている。また、コア基材30の熱膨張係数は、例えば3ppm/℃以上10ppm/℃以下である。熱膨張係数は、例えば、積層板の金属箔を全面エッチングし、得られた積層板からテストピースを切り出し、TMAを用いて10℃/分の条件で、50℃〜150℃での面方向の熱膨張係数を測定することで求めることができる。
【0017】
図1に示すように、樹脂層20は、例えばコア基材30上のビルドアップ層を構成する。また、樹脂層20は、コア基材30の両面または片面に設けられている。基板100は、樹脂層22をさらに有する。樹脂層22は、コア基材30と樹脂層20との間に設けられ、ビルドアップ層を構成する。樹脂層22は、例えば樹脂層20と同様の材料によって構成される。
コア基材30、および樹脂層20は、樹脂組成物により構成される。コア基材30、および樹脂層20を構成する樹脂組成物は、プリント配線板の絶縁材料として用いられる公知の樹脂を用いることができ、通常、耐熱性、耐薬品性の良好な熱硬化性樹脂が主に用いられる。上記樹脂組成物は、特に限定されず、少なくとも熱硬化性樹脂が含まれる樹脂組成物であることが好ましい。
【0018】
熱硬化性樹脂としては、例えば、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂、マレイミド化合物、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、ビスアリルナジイミド化合物、ビニルベンジル樹脂、ビニルベンジルエーテル樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、シアネート樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、熱硬化性樹脂は、ガラス転移温度が200℃以上になる組合せが好ましい。例えば、スピロ環含有、複素環式、トリメチロール型、ビフェニル型、ナフタレン型、アントラン型、ノボラック型の2または3官能以上のエポキシ樹脂、シアネート樹脂(シアネート樹脂のプレポリマーを含む)、マレイミド化合物、ベンゾシクロブテン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂を用いるのが好ましい。エポキシ樹脂および/またはシアネート樹脂を用いる場合には、線膨張が小さくなり、耐熱性が著しく向上する。また、エポキシ樹脂および/またはシアネート樹脂を高充填量の充填材と組み合わせると、難燃性、耐熱性、耐衝撃性、高剛性、および電気特性(低誘電率、低誘電正接)に優れるというメリットがある。ここで、耐熱性の向上は、上記熱硬化性樹脂の硬化反応後にガラス転移温度が200℃以上になること、硬化後の樹脂組成物の熱分解温度が高くなること、250℃以上での反応残渣などの低分子量が低減することに起因すると考えられる。更に、また、難燃性の向上は、芳香族系の熱硬化性樹脂のためその構造上ベンゼン環の割合が高いため、このベンゼン環が炭化(グラファイト化)し易く、炭化部分が生じることに起因すると考えられる。
【0019】
上記樹脂組成物は、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で難燃剤を含有しても良いが、環境の側面から非ハロゲン系難燃剤が好ましい。難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。有機リン系難燃剤としては、三光(株)製のHCA、HCA−HQ、HCA−NQ等のホスフィン化合物、昭和高分子(株)製のHFB−2006M等のリン含有ベンゾオキサジン化合物、北興化学工業(株)製のPPQ、クラリアント(株)製のOP930、大八化学(株)製のPX200等のリン酸エステル化合物、東都化成(株)製のFX289、FX310等のリン含有エポキシ樹脂、東都化成(株)製のERF001等のリン含有フェノキシ樹脂等が挙げられる。有機系窒素含有リン化合物としては、四国化成工業(株)製のSP670、SP703等のリン酸エステルミド化合物、大塚化学(株)社製のSPB100、SPE100、(株)伏見製作所製FP−series等のホスファゼン化合物等が挙げられる。金属水酸化物としては、宇部マテリアルズ(株)製のUD650、UD653等の水酸化マグネシウム、住友化学(株)製CL310、昭和電工(株)HP−350等の水酸化アルミニウム等が挙げられる。
【0020】
上記樹脂組成物に用いるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂、3官能フェノール型エポキシ樹脂、4官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アラルキル変性エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエステル、ブタジエンなどの2重結合をエポキシ化した化合物、水酸基含有シリコーン樹脂類とエピクロルヒドリンとの反応により得られる化合物等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂は、ナフタレン型、アリールアルキレン型エポキシ樹脂であるのが好ましい。アリールアルキレン型エポキシ樹脂とは、繰り返し単位中に芳香族基とメチレン等のアルキレン基の組合せが一つ以上含むエポキシ樹脂のことをいい、耐熱性、難燃性、および機械的強度に優れる。ナフタレン型、アリールアルキレン型エポキシ樹脂を用いることにより、得られる積層板において、吸湿半田耐熱性(吸湿後の半田耐熱性)および難燃性を向上させることができる。ナフタレン型エポキシとしては、DIC(株)製のHP−4700、HP−4770、HP−4032D、HP−5000、EXA−7320、HP−6000、日本化薬(株)製のNC−7300L、新日鐵化学(株)製のESN−375等が挙げられ、アリールアルキレン型エポキシ樹脂としては、日本化薬(株)製のNC−3000、NC−3000L、NC−3000−FH、日本化薬(株)製のNC−7300L、新日鐵化学(株)製のESN−375等が挙げられる。
【0021】
上記樹脂組成物に用いるシアネート樹脂は、例えばハロゲン化シアン化合物とフェノール類とを反応させることにより得ることができる。シアネート樹脂の具体例としては、例えばフェノールノボラック型シアネート樹脂、クレゾールノボラック型シアネート樹脂等のノボラック型シアネート樹脂、ナフトールアラルキル型シアネート樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂、ビフェニル型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールAD型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂等を挙げることができる。
【0022】
これらの中でも特にノボラック型シアネート樹脂、ナフトールアラルキル型シアネート樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂、ビフェニル型シアネート樹脂を含むことが好ましい。さらに、樹脂組成物は、このシアネート樹脂を樹脂組成物の全固形分中に10重量%以上含むことが好ましい。これにより、樹脂層20の耐熱性(ガラス転移温度、熱分解温度)を向上できる。また樹脂層20の熱膨張係数(特に、樹脂層20の厚さ方向の熱膨張係数)を低下することができる。樹脂層20の厚さ方向の熱膨張係数が低下すると、基板100の応力歪みを軽減できる。更に、微細な層間接続部を有する基板100においては、その接続信頼性を大幅に向上することができる。
【0023】
上記樹脂組成物に用いるノボラック型シアネート樹脂の中でも好適なものとしては、下記式(1)で表わされるノボラック型シアネート樹脂が挙げられる。重量平均分子量が2000以上、より好ましくは2,000以上10,000以下、更に好ましくは2,200以上3,500以下の式(1)で表わされるノボラック型シアネート樹脂と、重量平均分子量が1500以下、より好ましくは200以上1,300以下の式(1)で表わされるノボラック型シアネート樹脂とを組み合わせて用いることが好ましい。なお、本実施の形態において重量平均分子量は、ポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィー法で測定した値である。
【0024】
【化1】

式(1)中、nは0以上の整数を示す。
また、シアネート樹脂としては、下記一般式(2)で表わされるシアネート樹脂も好適に用いられる。下記一般式(2)で表わされるシアネート樹脂は、α−ナフトールあるいはβ−ナフトール等のナフトール類とp−キシリレングリコール、α,α'−ジメトキシ−p−キシレン、1,4−ジ(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン等との反応により得られるナフトールアラルキル樹脂とシアン酸とを縮合させて得られるものである。一般式(2)のnは1以上であるが、10以下であることがさらに望ましい。nが10以下の場合、樹脂粘度が高くならず、基材への含浸性が良好で、積層板としての性能の低下を抑制できる。また、合成時に分子内重合が起こりにくく、水洗時の分液性が向上し、収量の低下を防止できる。
【0025】
【化2】

式(2)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、nは1以上の整数を示す。
【0026】
また、シアネート樹脂としては、下記一般式(3)で表わされるジシクロペンタジエン型シアネート樹脂も好適に用いられる。下記一般式(3)で表わされジシクロペンタジエン型シアネート樹脂は、一般式(3)のnは1以上10以下であることがさらに望ましい。nが10を超える場合、樹脂粘度が高くなりすぎるため好ましくない。また、ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂を用いることで、低吸湿性、および耐薬品に優れる。
【0027】
【化3】

nは0〜8の整数を示す。
【0028】
また、樹脂組成物はさらに硬化促進剤を含有しても良い。例えば、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂やシアネート樹脂であれば、フェノール樹脂やエポキシ樹脂やシアネート樹脂の硬化促進剤を用いることができる。フェノール樹脂は、特に限定されないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、アリールアルキレン型ノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油等で変性した油変性レゾールフェノール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂等が挙げられる。上記フェノール樹脂としては、フェノールノボラック又はクレゾールノボラック樹脂が好ましい。中でも、ビフェニルアラルキル変性フェノールノボラック樹脂が、吸湿半田耐熱性の点から好ましい。
これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用したり、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーを併用したりすることもできる。
【0029】
上記硬化促進剤は、特に限定されないが、例えば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)等の有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチルー2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチルー2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール、2,3−ジヒドロー1H−ピロロ(1,2−a)ベンズイミダゾール等のイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール等のフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸、オニウム塩化合物等またはこの混合物が挙げられる。これらの中の誘導体も含めて1種類を単独で用いることもできるし、これらの誘導体も含めて2種類以上を併用したりすることもできる。
【0030】
また、上記熱硬化性樹脂組成物中には、耐熱性の点から、マレイミド化合物が含まれていてもよい。マレイミド化合物は1分子中に1個以上のマレイミド基を有する化合物であれば、特に限定されるものではない。その具体例としては、N−フェニルマレイミド、N−ヒドロキシフェニルマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス{4−(4−マレイミドフェノキシ)−フェニル}プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5−ジエチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ポリフェニルメタンマレイミド、これらマレイミド化合物のプレポリマー、もしくはマレイミド化合物とアミン化合物のプレポリマーなどが挙げられる。
【0031】
また、上記熱硬化性樹脂組成物中には、金属層との密着性の点から、フェノキシ樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂が含まれていてもよい。
【0032】
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール骨格を有するフェノキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するフェノキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂等が挙げられる。また、これらの骨格を複数種有した構造のフェノキシ樹脂を用いることもできる。
これらの中でも、フェノキシ樹脂には、ビフェニル骨格およびビスフェノールS骨格を有するフェノキシ樹脂を用いるのが好ましい。これにより、ビフェニル骨格が有する剛直性により、フェノキシ樹脂のガラス転移温度を高くすることができるとともに、ビスフェノールS骨格の存在により、フェノキシ樹脂と金属との密着性を向上させることができる。その結果、樹脂層20の耐熱性の向上を図ることができるとともに、樹脂層20に対する導体層の密着性、例えば樹脂層20に対する配線10の密着性を向上させることができる。また、フェノキシ樹脂には、ビスフェノールA骨格およびビスフェノールF骨格を有するフェノキシ樹脂を用いるのも好ましい。これにより、配線10等の導体層の樹脂層20に対する密着性をさらに向上させることができる。
【0033】
フェノキシ樹脂の市販品としては、東都化成(株)製FX280およびFX293、ジャパンエポキシレジン(株)製jER4275、YX8100、YX6954、YL6974、YL7482、YL7553、YL6794、YL7213およびYL7290等が挙げられる。フェノキシ樹脂の分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量が5,000以上70,000以下であるのが好ましく、10,000以上60,000以下であるのがより好ましい。
フェノキシ樹脂を用いる場合、その含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の1重量%以上40重量%以下であるのが好ましく、5重量%以上30重量%以下であるのがより好ましい。
【0034】
ポリビニルアルコール系樹脂の市販品としては、電気化学工業(株)製電化ブチラール4000−2、5000−A、6000−Cおよび6000−EP、積水化学工業(株)製エスレックBHシリーズ、BXシリーズ、KSシリーズ、BLシリーズおよびBMシリーズ等が挙げられる。特に、ガラス転移温度が80℃以上のものが特に好ましい。
【0035】
ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、の市販品としては、東洋紡績(株)社製「バイロマックスHR11NN」及び「HR−16NN」「HR15ET」、日立化成工業(株)製ポリアミドイミド「KS−9300」などが挙げられる。また、三菱ガス化学(株)社製「ネオプリムC−1210」、新日本理化(株)社製の可溶性ポリイミド「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」、日本GEプラスチックス(株)社製のポリエーテルイミド「ウルテム」、DIC(株)製「V8000」及び「V8002」及び「V8005」:日本化薬(株)製「BPAM155」等が挙げられる。
【0036】
ポリエーテルスルホン樹脂の市販品としては、公知のものを用いることができ、例えば、住友化学社製のPES4100P、PES4800P、PES5003P、およびPES5200Pなどを挙げることができる。
【0037】
ポリフェニレンエーテル樹脂としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)オキサイド、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)オキサイド、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)オキサイド、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)オキサイド、ポリ(2、6−ジプロピル−1,4−フェニレン)オキサイド、ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)オキサイド等が挙げられる。市販品としては、例えば、日本G.E.プラスチック社製「ノリルPX9701」(数平均分子量Mn=14,000)、ノリル640−111」(数平均分子量Mn=25,000)、及び旭化成社製「SA202」(数平均分子量Mn=20,000)などがあり、これらを公知の方法で低分子量化して用いることができる。
【0038】
これらの中でも、末端を官能基で変性した反応性オリゴフェニレンオキサイドが好ましい。これにより、熱硬化性樹脂との相溶性が向上し、ポリマー間の3次元架橋構造を形成することできるため機械強度に優れる。例えば、特開2006−28111号公報に記載されている2,2′,3,3′,5,5′−ヘキサメチルビフェニル‐4,4′−ジオール−2,6−ジメチルフェノール重縮合物とクロロメチルスチレンとの反応生成物が挙げられる。
このような反応性オリゴフェニレンオキサイドは、公知の方法により製造することができる。また、市販品を用いることもできる。例えば、OPE−2St 2200(三菱瓦斯化学社製)を好適に使用することができる。
反応性オリゴフェニレンオキサイドの重量平均分子量は、2,000以上20,000以下であることが好ましく、4,000以上15,000以下であることがより好ましい。反応性オリゴフェニレンオキサイドの重量平均分子量が20,000を超えると、揮発性溶剤に溶解し難くなる。一方、重量平均分子量が2,000未満であると、架橋密度が高くなりすぎるため、硬化物の弾性率や可撓性に悪影響がでる。
【0039】
本実施の形態に用いる樹脂組成物中の熱硬化性樹脂の量は、その目的に応じて適宜調整されれば良く特に限定されないが、樹脂組成物の全固形分中に、熱硬化性樹脂は10重量%以上90重量%以下であることが好ましく、更に20重量%以上70重量%以下、より更に25重量%以上50重量%以下であることが好ましい。
また、熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂及び/又はシアネート樹脂を用いる場合には、上記樹脂組成物の全固形分中に、エポキシ樹脂は5重量%以上50重量%以下であることが好ましく、更にエポキシ樹脂は5重量%以上25重量%以下であることが好ましい。また、樹脂組成物の全固形分中に、シアネート樹脂は5重量%以上50重量%以下であることが好ましく、更にシアネート樹脂は10重量%以上25重量%以下であることが好ましい。
【0040】
上記樹脂組成物中には、無機充填材を含有することが好ましい。上記樹脂組成物中に含まれる無機充填材は、特に限定されないが、例えばタルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、ベーマイト(AlO(OH)、「擬」ベーマイトと通常呼ばれるベーマイト(すなわち、Al・xHO、ここで、x=1から2)、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙げることができる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用することもできる。
【0041】
これらの中でも水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、シリカ、溶融シリカ、タルク、焼成タルク、アルミナが好ましい。低熱膨張性、および絶縁信頼性の点で特にシリカが好しく、更に好ましくは、球状の溶融シリカである。また、耐燃性の点で、水酸化アルミニウムが好ましい。
【0042】
無機充填材の粒径は、特に限定されないが、平均粒径が単分散の無機充填材を用いることもできるし、平均粒径が多分散の無機充填材を用いることができる。さらに平均粒径が単分散及び/または、多分散の無機充填材を1種類または2種類以上併用したりすることもできる。前記無機充填材の平均粒径は、特に限定されないが、0.1μm以上5.0μm以下が好ましく、特に0.1μm以上3.0μm以下が好ましい。無機充填材の粒径が前記下限値未満であると樹脂組成物の粘度が高くなるため、樹脂層20の作製時の作業性に影響を与える場合がある。また、前記上限値を超えると、樹脂組成物中で無機充填材の沈降等の現象が起こる場合がある。尚、平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(島津製作所SALD−7000等の一般的な機器)を用いて測定することができる。
【0043】
無機充填材の含有量は、特に限定されないが、上記樹脂組成物の全固形分中に10重量%以上90重量%以下であることが好ましく、更に30重量%以上80重量%以下、より更に50重量%以上75重量%以下であることが好ましい。上記樹脂組成物中にシアネート樹脂及び/又はそのプレポリマーを含有する場合には、上記無機充填材の含有量は、樹脂組成物の全固形分中に50重量%以上75重量%以下であることが好ましい。無機充填材含有量が上記上限値を超えると樹脂組成物の流動性が極めて悪くなるため好ましくない場合があり、上記下限値未満であると樹脂組成物からなる樹脂層20の強度が十分でなく、好ましくない場合がある。
【0044】
また、本実施の形態に用いる樹脂組成物は、ゴム成分も配合することができ、例えば、本実施の形態で使用され得るゴム粒子の好ましい例としては、コアシェル型ゴム粒子、架橋アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、架橋スチレンブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子、シリコーン粒子等が挙げられる。
【0045】
コアシェル型ゴム粒子は、コア層とシェル層とを有するゴム粒子であり、例えば、外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、内層のコア層がゴム状ポリマーで構成される2層構造、または外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、中間層がゴム状ポリマーで構成され、コア層がガラス状ポリマーで構成される3層構造のもの等が挙げられる。ガラス状ポリマー層は、例えば、メタクリル酸メチルの重合物等で構成され、ゴム状ポリマー層は、例えば、ブチルアクリレート重合物(ブチルゴム)等で構成される。コアシェル型ゴム粒子の具体例としては、スタフィロイドAC3832、AC3816N(商品名、ガンツ化成(株)製)、メタブレンKW−4426(商品名、三菱レイヨン(株)製)が挙げられる。架橋アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)粒子の具体例としては、XER−91(平均粒子径0.5μm、JSR(株)製)等が挙げられる。
【0046】
架橋スチレンブタジエンゴム(SBR)粒子の具体例としては、XSK−500(平均粒子径0.5μm、JSR(株)製)等が挙げられる。アクリルゴム粒子の具体例としては、メタブレンW300A(平均粒子径0.1μm)、W450A(平均粒子径0.2μm)(三菱レイヨン(株)製)等が挙げられる。
【0047】
シリコーン粒子は、オルガノポリシロキサンで形成されたゴム弾性微粒子であれば特に限定されず、例えば、シリコーンゴム(オルガノポリシロキサン架橋エラストマー)そのものからなる微粒子、及び二次元架橋主体のシリコーンからなるコア部を三次元架橋型主体のシリコーンで被覆したコアシェル構造粒子等が挙げられる。シリコーンゴム微粒子としては、KMP−605、KMP−600、KMP−597、KMP−594(信越化学(株)製)、トレフィルE−500、トレフィルE−600(東レ・ダウコーニング(株)製)等の市販品を用いることができる。
【0048】
上記樹脂組成物には、更にカップリング剤を含有しても良い。カップリング剤は、熱硬化性樹脂と無機充填材との界面の濡れ性を向上させることにより、基材に対して樹脂および無機充填材を均一に定着させ、耐熱性、特に吸湿後の半田耐熱性を改良するために配合する。
【0049】
上記カップリング剤は、特に限定されないが、例えば、エポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル型カップリング剤等が挙げられる。これにより、無機充填材の界面との濡れ性を高くすることができ、それによって耐熱性をより向上させることができる。
上記カップリング剤の添加量は、特に限定されないが、無機充填材100重量部に対して0.05重量部以上3重量部以下が好ましく、特に0.1重量部以上2重量部以下が好ましい。含有量が前記下限値未満であると無機充填材を十分に被覆できないため耐熱性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると反応に影響を与え、曲げ強度等が低下する場合がある。
【0050】
本実施の形態に用いる樹脂組成物には、必要に応じて、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、シリコーンパウダー等の難燃助剤、イオン捕捉剤等の上記成分以外の添加物を添加しても良い。
【0051】
上記樹脂組成物は、樹脂層20の低線膨張化、高剛性化、及び高耐熱化を実現しやすい点から、少なくともエポキシ樹脂、シアネート樹脂、及び無機充填材を含むことが好ましい。中でも、樹脂組成物の固形分中に、エポキシ樹脂を5重量%以上50重量%以下、シアネート樹脂を5重量%以上50重量%以下、及び無機充填材を10重量%以上90重量%以下含むことが好ましく、更に、エポキシ樹脂を5重量%以上25重量%以下、シアネート樹脂を10重量%以上25重量%以下、及び無機充填材を30重量%以上80重量%以下含むことが好ましい。
【0052】
樹脂層20の形態はプリプレグであっても樹脂シートであってもよい。プリプレグは、基材に樹脂組成物のワニスを含浸又は塗工してなるものであり、基材としては各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている周知のものが使用できる。基材の材質の例としては、Eガラス、NEガラス、Dガラス、Tガラス、Sガラス又はQガラス等の無機物繊維、ポリイミド、ポリアミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリエステル又はテトラフルオロエチレン等の有機繊維、及びそれらの混合物等が挙げられる。これらの基材は、例えば織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット、サーフェシングマット等の形状を有するが、材質及び形状は、目的とする成形物の用途や性能により選択され必要により単独もしくは2種類以上の材質及び形状からの使用が可能である。基材の厚みには特に制限はないが、通常0.01〜0.5mm程度のものを使用し、シランカップリング剤等で表面処理したものや機械的に開繊処理、および扁平化を施したものは耐熱性や耐湿性、加工性の面から好適である。また、プリプレグは、通常、その樹脂含有率が乾燥後で20重量%以上90重量%以下となるように基材に樹脂を含浸又は塗工し、120〜220℃の温度で1〜20分加熱乾燥し、半硬化状態(Bステージ状態)とすることで得ることができる。
【0053】
樹脂シートの製造方法は特に限定されないが、例えば、樹脂組成物を溶剤などに溶解、分散させて樹脂ワニスを調製し、各種コーター装置を用いて樹脂ワニスをキャリアフィルム上に塗工した後、これを乾燥する方法や、スプレイ装置を用いて、樹脂ワニスをキャリアフィルム上に噴霧塗工した後、これを乾燥する方法等が挙げられる。これらの中でも、コンマコーター、ダイコーターなどの各種コーター装置を用いて、樹脂ワニスをキャリアフィルム上に塗工した後、これを乾燥する方法が好ましい。これにより、ボイドがなく、均一な樹脂層の厚みを有する樹脂シートを効率よく製造することができる。
また、樹脂シートのキャリアフィルムは、表面が粗化されたものでもよく、無粗化のものでもよい。樹脂シートのキャリアフィルムの表面を粗化する方法としては、例えば、エッチング薬液により化学的に粗化する方法、研磨機を用いて物理的に粗化する方法等が挙げられる。
【0054】
配線10は、樹脂層22上であり、かつ樹脂層20中に設けられている。また、配線10は、コア基材30上の両面または片面に設けられている。配線10は、Fe−Ni系の金属材料からなり、例えばコバール(商標名)、42アロイ、インバーまたはスーパーインバー等が挙げられる。配線10を構成するFe−Ni系の金属材料の熱膨張係数は、例えば0.1ppm/℃以上8ppm/℃以下である。配線10の厚さは、例えば1μm以上30μm以下である。また、配線10の幅は、例えば1μm以上200μm以下である。
【0055】
配線10は、その表面層がFe−Ni系の金属材料から構成されていればよく、例えばFe−Ni系の金属材料とは異なる他の金属材料を、Fe−Ni系の金属材料によって被覆することによって構成されていてもよい。当該他の金属材料としては、例えばCu、Alのような、Fe−Ni系の金属材料よりも低い抵抗率を有する金属材料を用いることができる。
【0056】
図1に示すように、表面被覆膜12は、例えば配線10の上面および側面に形成されている。また、図6に示すように、表面被覆膜12は、配線10の全面に形成されていてもよい。表面被覆膜12は、配線10の表面に付着したスズ膜と、当該スズ膜を表面装飾する有機シラン化合物によって構成される。樹脂層20は、表面被覆膜12を介して配線10と接触している。このため、配線10と樹脂層20との密着性が向上される。配線10と樹脂層20との間のピール強度は、例えば0.7kN/m以上である。なお、配線10の上面とは、図1中上方に位置する面を指す。以下、図4、および図6〜9において同様である。
【0057】
有機シラン化合物は、例えば一般式R−O−Si−(Rによって示される。Rとしては、例えばウレイド基、アミン基、またはエポキシ基等が挙げられる。また、Rとしては、例えばメトキシ基やエトキシ基等が挙げられる。
有機シラン化合物としては、特に限定されないが、例えばウレイドシラン、アミノシラン、エポキシシラン等が挙げられる。ウレイドシランとしては、例えば、β−ウレイドエチルトリメトキシシラン、β−ウレイドエチル−トリエトキシシラン、γ−ウレイドエチルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。また、アミノシランとしては、例えばγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γアミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリス(トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリメトキシシリルプロピル変性ポリエチレンアミン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等が挙げられる。また、エポキシシランとしては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0058】
配線10の表面は、梨地処理が施されることによって粗面化され、凹凸が形成されていてもよい。これにより、配線10と樹脂層20との密着性をさらに向上させることができる。配線10の表面に梨地処理が施されている場合、配線10の表面に形成された凹凸面上に表面被覆膜12が形成されることとなる。
【0059】
図2および図3は、図1に示す基板100を有する半導体装置110の一例を示す断面図である。図2および図3に示すように、基板100は、その上に半導体素子60を実装し、半導体装置110を構成する。本実施形態における半導体装置110は、半導体パッケージである。
【0060】
図2に示すように、半導体素子60は、例えば半田ボール62を介して基板100とフリップチップ接続する。半田ボール62は、錫、鉛、銀、銅、ビスマスなどからなる合金で構成されることが好ましい。半導体素子60と基板100とのフリップチップ接続は、フリップチップボンダーなどを用いて基板100上の接続用電極部と半導体素子60の半田ボール62との位置合わせを行ったあと、IRリフロー装置、熱板、その他加熱装置を用いて半田ボール62を融点以上に加熱し、基板100と半田ボール62とを溶融接合することにより接続する。なお、接続信頼性を良くするため、予め基板100上の接続用電極部に半田ペースト等の比較的融点の低い金属の層を形成しておいても良い。この接合工程に先んじて、半田ボール62及び/または基板100上の接続用電極部の表層にフラックスを塗布することで接続信頼性を向上させることもできる。また、フリップチップ接続により半導体素子60と基板100とを電気的に接続する場合、例えばこれらの接続部分にアンダーフィル樹脂64を充填する。アンダーフィル樹脂64は、特に限定されないが、従来からアンダーフィル樹脂として用いられているエポキシ樹脂組成物が好適に用いられる。
【0061】
図3に示すように、基板100の搭載面側の導体回路層上に、ダイアタッチ層66を形成し、当該ダイアタッチ層66を介して半導体素子60を仮接着し、必要に応じて軽度に押圧しながらダイアタッチ層66を加熱軟化又は加熱硬化させることにより、半導体素子60を固定することもできる。ダイアタッチ層66としては、例えば(メタ)アクリル酸エステル共重合体等の熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物からなるダイアタッチ材フィルムや、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物からなるダイアタッチ材ペーストが用いられる。
通常、半導体素子60を固定と同時に、又は固定した後、半導体素子60と基板100をワイヤボンディング等の公知の方法で電気的接続する。そして、電気的接続の後、素子搭載面は公知の方法で封止することができる。例えば半導体素子60と基板100がボンディングワイヤ68により接続される場合、図3に示すように、半導体素子60およびボンディングワイヤ68を封止するように封止樹脂70を形成することができる。封止樹脂70としては、通常封止樹脂として用いられているエポキシ樹脂組成物等を用いることができる。
【0062】
次に、本実施形態において、配線10と樹脂層20との密着性が向上するメカニズムを説明する。表面被覆膜12は、配線10の表面において、例えば以下の構造を有する。
−Sn−O−Si−R−
この構造は、スズ膜が有するスズ水酸化物と、カップリング剤として機能する有機シラン化合物との間に、共有結合が形成されることによって得られる。また、表面被覆膜12を構成する有機シラン化合物と、樹脂層20を構成する樹脂組成物との間には、例えば次のような構造が形成される。
−Sn−O−Si−R−Resin
この構造に示すように、有機シラン化合物と樹脂組成物との間には、強力な共有結合が形成される。このように、スズ膜と有機シラン化合物との間に形成される共有結合や、有機シラン化合物と樹脂組成物との間に形成される共有結合によって、配線10と樹脂層20との密着性は向上することとなる。
【0063】
次に、本実施形態における基板100の製造方法を説明する。基板100の製造方法は、導体層である配線10の表面のうち少なくとも一部に、スズ膜を付着させ、かつスズ膜を有機シラン化合物によって表面装飾することにより、表面被覆膜12を形成する工程と、表面被覆膜12と接するように、樹脂層20を形成する工程と、を備えている。以下、基板100の製造方法について、詳細に説明する。
【0064】
図4は、図1に示す基板100の製造方法を示す断面図である。まず、図4(a)に示すように、コア基材30上に樹脂層22を形成する。次いで、図4(b)に示すように、樹脂層22に、Fe−Ni系の金属材料からなる金属膜40を重ねる。このとき、金属膜40の表面のうち樹脂層22と対向する面には、例えば後述する方法により表面被覆膜12が形成されていてもよい。次いで、樹脂層22と金属膜40を、加熱加圧成型する。次いで、金属膜40の表面上にレジストを塗布する。このレジストを露光、現像することにより、金属膜40上にレジストパターンを形成する。そして、このレジストパターンをマスクとして、金属膜40をエッチングする。これにより、図4(c)に示すように、樹脂層22上に配線10が形成される。このとき、配線10の表面に梨地処理を施し、凹凸を形成してもよい。
【0065】
次いで、図4(d)に示すように、配線10の上面および側面に表面被覆膜12を形成する。表面被覆膜12の形成は次のように行われる。図5は、本実施形態に係る表面被覆膜12の形成方法を示すフロー図である。まず、アルカリクリーナーを用いて、配線10の上面および側面をクリーニングする(S01)。これにより、配線10の上面および側面から、ドライフィルムレジストや指紋等の残留物を除去することができる。次いで、配線10の上面および側面にリンス処理を行う。
次いで、酸性クリーナー溶液を用いて、配線10の上面および側面をクリーニングする(S02)。これにより、配線10の上面および側面から酸化膜等を除去することができる。酸性クリーナー溶液としては、例えばクエン酸25〜50質量%、リン酸2.5〜10質量%を含有するクリーナー溶液を用いることができる。次いで、配線10の上面および側面にリンス処理を行う。
【0066】
次いで、配線10の上面および側面にスズ膜を形成する(S03)。スズ膜の形成は、例えば置換スズプロセスにより、配線10の表面に純スズを析出することにより行う。純スズの析出は、例えば配線10の上面および側面に0.05〜0.15μm析出されるように設計することができる。置換スズプロセスでは、例えば次の(1)〜(3)の組成を有する各溶液を混合してなる置換スズ溶液を用いることができる。
(1)ビスメタンスルホン酸錫30〜60質量%、メタンスルホン酸5〜10質量%
(2)メタンスルホン酸60〜100質量%
(3)チオ尿素17質量%。
次いで、配線10の上面および側面にリンス処理を行う。次いで、アクチベーター処理を行う(S04)。これにより、スズ膜の表面を、完全に酸化物または水酸化物に変換することができる。アクチベーター処理では、例えば炭酸ナトリウム5〜10質量%、メタケイ酸ナトリウム1〜2.5質量%を含有するアクチベーター溶液を用いることができる。次いで、配線10の上面および側面にリンス処理を行う。
【0067】
次いで、スズ膜を、有機シラン化合物によって表面装飾する(S05)。有機シラン化合物による表面装飾は、スズ膜を、有機シラン化合物を含有する水溶液で処理し、これを乾燥することにより行われる。有機シラン化合物を含有する水溶液には、例えばアルコールを添加してもよい。有機シラン化合物による表面装飾では、例えばメタノール30〜40質量%、エタノール1〜5質量%、オルガノシロキサン0.1〜2質量%を含有する有機シラン水溶液を用いることができる。
本実施形態において、有機シラン化合物による表面装飾は、例えば配線10を、コア基材30および樹脂層22ごと有機シラン水溶液へディップして行われる。また、有機シラン化合物による表面装飾は、配線10の表面に有機シラン化合物を含有する水溶液をスプレーし、または塗布することにより行ってもよい。このとき、配線10の表面に形成されたスズ膜のみが有機シラン化合物によって表面装飾される。この工程において、有機シラン化合物は、スズ水酸化物(Sn−OH)と共有結合を形成する。このようにして、配線10の上面および側面に、表面被覆膜12が形成される。また、表面被覆膜12を形成した後に、加熱処理を行ってもよい。
【0068】
次いで、樹脂層22上および配線10上に、樹脂層20を形成する。これにより、樹脂層20は、表面被覆膜12を介して配線10の上面および側面と接触することとなる。また、この工程において、表面被覆膜12が有する有機シラン化合物と樹脂層20が有する樹脂組成物との間に共有結合が形成される。このようにして、図1に示す基板100が得られる。
【0069】
次に、本実施形態の効果を説明する。発明者は、Fe−Ni系の金属材料からなり、かつ表面にスズ膜およびスズ膜を表面装飾する有機シラン化合物からなる表面被覆膜が形成されている金属膜と、樹脂層との密着性が良好であることを見いだした。本実施形態によれば、配線10は、Fe−Ni系の金属材料からなる金属膜によって構成されている。また、配線10の表面のうち少なくとも一部には、スズ膜およびスズ膜を表面装飾する有機シラン化合物からなる表面被覆膜12が形成されている。さらに、樹脂層20は、表面被覆膜12と接するように設けられている。よって、Fe−Ni系の金属材料からなる配線と樹脂層との密着性を向上させることができる。
【0070】
また、基板100を構成する配線10に用いられるFe−Ni系の金属材料は、例えばCu等と比べて熱膨張係数が小さい。このため、基板100全体としての熱膨張係数を低減することができる。従って、基板の反りを抑制することができる。
【0071】
配線と樹脂層との密着性を向上させるためには、例えば配線の表面に梨地処理を施し、配線の表面に凹凸を形成することが考えられる。しかし、配線の表面に凹凸が形成されると、配線の高周波数特性が悪化してしまう。これは、電気信号の動作周波数が増大すると、表面に近いところのみに密集して電流が流れるようになる、表皮効果に起因している。本実施形態に係る基板100によれば、配線10の表面には、表面被覆膜12が形成されている。このため、配線10の表面に凹凸を形成する梨地処理を施さずとも、樹脂層20との密着性を向上させることができる。従って、表皮効果に基づく、高周波数特性の悪化を抑制することができる。
【0072】
また、本実施形態において、配線10は、Fe−Ni系の金属材料とは異なる他の金属材料を、Fe−Ni系の金属材料によって被覆することにより構成されていてもよい。例えば当該他の金属材料に、Fe−Ni系の金属材料よりも低い抵抗率を有する金属材料を用いた場合、配線と樹脂層との密着性を向上させ、かつ基板の熱膨張係数を低減しつつ、低い抵抗率を有する配線構造を実現することができる。
【0073】
図7は、第2の実施形態に係る基板102を示す断面図であり、第1の実施形態に係る図1に対応している。本実施形態に係る基板102は、配線10の表面における表面被覆膜12の構成を除いて、第1の実施形態に係る基板100と同様である。
【0074】
図7に示すように、本実施形態に係る表面被覆膜12は、配線10の上面および下面に形成されている。配線10は樹脂層20上に設けられており、配線10の下面は表面被覆膜12を介して樹脂層20と接触している。よって、配線10と樹脂層20との密着性の向上を図ることができる。なお、配線10と樹脂層20との密着性が向上するメカニズムは、第1の実施形態と同様である。
【0075】
次に、本実施形態に係る基板102の製造方法を説明する。図8は、図7に示す基板102の製造方法を示す断面図である。まず、図8(a)に示すように、Fe−Ni系の金属材料からなる金属膜40の表面に、表面被覆膜12を形成する。表面被覆膜12の形成方法は、第1の実施形態における表面被覆膜12の形成方法と同様である。なお、表面被覆膜12を形成する前に、金属膜40の表面に梨地処理を施し、凹凸を形成してもよい。次いで、図8(b)に示すように、コア基材30上に設けられた樹脂層20上に金属膜40を重ね、これを加熱加圧成型する。
【0076】
次いで、金属膜40をパターニングして配線10を形成する。配線10の形成は、例えば金属膜40上に形成したレジストパターンをマスクとしてエッチングすることにより行われる。これにより、図7に示す基板102が得られる。
【0077】
図9は、図7に示す基板102の第1の変形例を示す断面図である。図9に示すように、表面被覆膜12は、配線10の下面にのみ形成されていてもよい。第1の変形例の製造方法は、表面被覆膜12を形成する工程において、金属膜40の上面以外に表面被覆膜12を形成することを除いて、図8に示す製造方法と同様である。
【0078】
図10は、図7に示す基板102の第2の変形例を示す断面図である。図10に示すように、第2の変形例では、樹脂層20はコア基材30を構成する。この場合、樹脂層20は、例えば繊維基材に樹脂組成物を含浸させたものを用いることができる。繊維基材としては、例えばガラス繊布、ガラス不織布等のガラス繊維基材、あるいはガラス以外の無機化合物を成分とする織布または不織布等の無機繊維基材が挙げられる。これらの中でも、基板としたときの剛性の面から、ガラス織布繊維基材が好ましい。また、樹脂組成物としては、例えば第1の実施形態における樹脂層20に用いたものを適用することができる。本変形例において、配線10は、樹脂層20上に設けられる。
【0079】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0080】
図11は、第3の実施形態に係る基板104を示す断面図である。また、図14は、図11に示す基板104の変形例を示す断面図である。本実施形態に係る基板104は、コア基材30の構成を除いて、第1の実施形態に係る基板100と同様の構成を有する。
【0081】
本実施形態に係るコア基材30は、表面層がFe−Ni系の金属材料からなる導体層である。表面被覆膜12は、コア基材30の表面のうち少なくとも一部に形成されている。樹脂層20は、コア基材30上に設けられ、表面被覆膜12と接するように設けられている。コア基材30は、Fe−Ni系の金属材料からなり、例えばコバール(商標名)、42アロイ、インバーまたはスーパーインバー等が挙げられる。コア基材30を構成するFe−Ni系の金属材料の熱膨張係数は、例えば0.1ppm/℃以上8ppm/℃以下である。コア基材30の厚さは、例えば1μm以上1.6mm以下である。
【0082】
図11に示すように、樹脂層20は、例えばコア基材30上のビルドアップ層を構成する。また、樹脂層20は、例えばコア基材30の両面または片面に設けられている。樹脂層20は、第1の実施形態と同様の構成を有する。
樹脂層20上には、例えば配線層が設けられている。当該配線層は、例えば第1の実施形態または第2の実施形態に係る配線10と同様の構成を有している。また、当該配線層は、例えばCu、Alにより構成され、Fe−Ni系の金属材料を含まない配線層であってもよい。
【0083】
また、コア基材30は、樹脂層20と接する表面層がFe−Ni系の金属材料から構成されていればよく、例えばFe−Ni系の金属材料とは異なる他の金属材料を、Fe−Ni系の金属材料によって被覆することによって構成されていてもよい。当該他の金属材料としては、例えばAl、Cu等を用いることができる。
【0084】
図11に示すように、表面被覆膜12は、例えばコア基材30の上面に形成されている。また、図14に示すように、表面被覆膜12は、コア基材30の全面に形成されていてもよい。表面被覆膜12は、コア基材30の表面に付着したスズ膜と、当該スズ膜を表面装飾する有機シラン化合物によって構成される。有機シラン化合物としては、第1の実施形態に係るものと同様のものを用いることができる。
なお、コア基材30の上面とは、図11中上方に位置する面を指す、以下、図12および図14において同様である。
【0085】
樹脂層20は、表面被覆膜12を介してコア基材30と接触している。このため、コア基材30と樹脂層20との密着性が向上される。コア基材30と樹脂層20との間のピール強度は、例えば0.7kN/m以上である。なお、コア基材30と樹脂層20との密着性が向上するメカニズムは、第1の実施形態における配線10と樹脂層20との密着性が向上するメカニズムと同様である。
【0086】
コア基材30の表面には、梨地処理が施されることによって粗面化され、凹凸が形成されていてもよい。これにより、コア基材30と樹脂層20との密着性をさらに向上させることができる。コア基材30の表面に梨地処理が施されている場合、コア基材30の表面に形成された凹凸面上に表面被覆膜12が形成されることとなる。
【0087】
次に、本実施形態における基板104の製造方法を説明する。基板104の製造方法は、導体層であるコア基材30の表面のうち少なくとも一部に、スズ膜を付着させ、かつスズ膜を有機シラン化合物によって表面装飾することにより、表面被覆膜12を形成する工程と、表面被覆膜12と接するように、樹脂層22を形成する工程と、を備えている。以下、基板104の製造方法について、詳細に説明する。
【0088】
図12は、図11に示す基板100の製造方法を示す断面図である。まず、図12(a)に示すように、金属膜からなるコア基材30を用意する。このとき、コア基材30の表面に梨地処理を施し、凹凸を形成してもよい。次いで、図12(b)に示すように、コア基材30の上面に、表面被覆膜12を形成する。このとき、表面被覆膜12は、コア基材30の全面に形成されてもよい。表面被覆膜12の形成は以下のように行われる。
【0089】
図13は、本実施形態に係る表面被覆膜12の形成方法を示すフロー図である。まず、アルカリクリーナーを用いて、コア基材30の上面をクリーニングする(S11)。これにより、コア基材30の上面から、ドライフィルムレジストや指紋等の残留物を除去することができる。次いで、コア基材30の上面にリンス処理を行う。
次いで、酸性クリーナーを用いて、コア基材30の上面をクリーニングする(S12)。これにより、コア基材30の上面から酸化膜等を除去することができる。酸性クリーナー溶液としては、例えばクエン酸25〜50質量%、リン酸2.5〜10質量%を含有するクリーナー溶液を用いることができる。次いで、コア基材30の上面にリンス処理を行う。
【0090】
次いで、コア基材30の上面にスズ膜を形成する(S13)。スズ膜の形成は、例えば置換スズプロセスにより、コア基材30の上面に純スズを析出することにより行う。純スズの析出は、例えばコア基材30の上面に0.05〜0.15μm析出されるように設計することができる。置換スズプロセスでは、例えば次の(1)〜(3)の組成を有する各溶液を混合してなる置換スズ溶液を用いることができる。
(1)ビスメタンスルホン酸錫30〜60質量%、メタンスルホン酸5〜10質量%
(2)メタンスルホン酸60〜100質量%
(3)チオ尿素17質量%。
次いで、コア基材30の上面にリンス処理を行う。次いで、アクチベーター処理を行う(S14)。これにより、スズ膜の表面を、完全に酸化物または水酸化物に変換することができる。アクチベーター処理では、例えば炭酸ナトリウム5〜10質量%、メタケイ酸ナトリウム1〜2.5質量%を含有するアクチベーター溶液を用いることができる。次いで、コア基材30の上面にリンス処理を行う。
【0091】
次いで、スズ膜を、有機シラン化合物によって表面装飾する(S15)。有機シラン化合物による表面装飾は、スズ膜を、有機シラン化合物を含有する水溶液で処理し、これを乾燥することにより行われる。有機シラン化合物を含有する水溶液には、例えばアルコールを添加してもよい。有機シラン化合物による表面装飾では、例えばメタノール30〜40質量%、エタノール1〜5質量%、オルガノシロキサン0.1〜2質量%を含有する有機シラン水溶液を用いることができる。
本実施形態において、有機シラン化合物による表面装飾は、例えばコア基材30を、有機シラン化合物を含有する水溶液へディップして行われる。また、有機シラン化合物による表面装飾は、コア基材30の表面に有機シラン化合物を含有する水溶液をスプレーし、または塗布することにより行ってもよい。この工程において、有機シラン化合物は、スズ水酸化物(Sn−OH)と共有結合を形成する。このようにして、コア基材30の上面に、表面被覆膜12が形成される。また、表面被覆膜12を形成した後に、加熱処理を行ってもよい。
【0092】
次いで、コア基材30上に、樹脂層20を重ね、これを加熱加圧成形する。これにより、樹脂層20は、表面被覆膜12を介してコア基材30の上面と接触することとなる。また、この工程において、表面被覆膜12が有する有機シラン化合物と樹脂層20が有する樹脂組成物との間に共有結合が形成される。このようにして、図11に示す基板104が得られる。
【0093】
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態によれば、コア基材30は、Fe−Ni系の金属材料からなる金属膜によって構成される。また、コア基材30の表面のうち少なくとも一部には、スズ膜およびスズ膜を表面装飾する有機シラン化合物からなる表面被覆膜12が形成されている。さらに、樹脂層22は、表面被覆膜12と接するように設けられている。よって、Fe−Ni系の金属材料からなるコア基材と樹脂層との密着性を向上させることができる。
【0094】
また、基板104を構成するコア基材30に用いられるFe−Ni系の金属材料は、例えばAl、Cu等と比べて熱膨張係数が小さい。このため、基板104全体としての熱膨張係数を低減することができる。従って、基板の反りを抑制することができる。
【0095】
また、基板104のコア基材30は、熱伝導性の高い金属材料によって形成されている。このため、放熱性の高い基板104を実現することができる。これにより、発熱が大きいパワーデバイス等を実装した半導体装置において、その信頼性の向上を図ることが可能となる。
【実施例】
【0096】
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
1.Fe−Ni系金属膜の表面処理
42アロイ合金膜(30μm厚、梨地処理無し)の両面にスズ膜および有機シラン化合物を順次形成をした。表面処理方法として、まずクリーナー溶液に液温30℃で30秒間浸漬し酸化膜を除去した後、置換スズ溶液に液温35℃で40秒間浸漬させ0.1μmの純スズを析出させた。次いで、アクチベーター溶液に液温40℃で20秒間浸漬した後、有機シラン水溶液に液温30℃で20秒間浸漬させ有機シラン層を形成した。クリーナー溶液としては、クエン酸およびリン酸の混合溶液を用いた。置換スズ溶液としては、ビスメタンスルホン酸錫、メタンスルホン酸、およびチオ尿素の混合溶液を用いた。アクチベーター溶液としては、炭酸ナトリウムとメタケイ酸ナトリウムの混合溶液を用いた。有機シラン水溶液は、メタノールおよびエタノールの混合溶液にオルガノシロキサンを分散させたものを用いた。
2.樹脂シートの形成
ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30、重量平均分子量約700)20重量部、メトキシナフタレンジメチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、EXA−7320)25重量部、フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、jER4275)10重量部、イミダゾール化合物(四国化成工業株式社製、キュアゾール1B2PZ(1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール))0.2重量部をメチルエチルケトンに溶解、分散させた。さらに、球状溶融シリカ(株式会社アドマテックス社製、SO-25R、平均粒子径0.5μm)40重量部添加した。さらに、エポキシシランカップリング剤(GE東芝シリコーン株式会社製、A−187)0.2重量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分間攪拌し、固形分50重量%の樹脂ワニスを調製した。
上記で得られた樹脂ワニスを、厚さ25μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)キャリアフィルムの片面に、コンマコーター装置を用いて乾燥後の樹脂フィルムの厚さが40μmとなるように塗工し、これを160℃の乾燥装置で10分間乾燥して、樹脂シートを作製した。
3.コア基板の作成
エポキシ樹脂として、ナフタレン変性クレゾールノボラックエポキシ樹脂(DIC社製、HP−5000)8.5重量部、フェノール硬化剤として、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成株式会社、MEH7851−4H)8.5重量部、フェノールノボラック型シアネート樹脂(LONZA社製、Primaset PT−30)17重量部、球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SO−25R、平均粒径0.5μm)65.5重量部、エポキシシラン(信越化学工業社製、KBM−403)0.5重量部を、メチルエチルケトンに混合溶解させた。次いで、高速撹拌装置を用い撹拌して不揮発分70重量%となるように調整し、樹脂ワニスを調製した。
前記樹脂ワニスをガラス織布(坪量104g、厚さ87μm、日東紡社製Eガラス織布、WEA−116E)に含浸し、150℃の加熱炉で2分間乾燥して、プリプレグ中のワニス固形分が約50重量%のプリプレグを得た。
前記プリプレグ2枚及び銅箔(12μm)を順次重ね合わせ、圧力3MPa、温度220℃で2時間加熱加圧成形し、絶縁層が厚さ0.20mmの両面に銅箔を有する積層板を得た。その後、当該積層板の両面の銅箔をエッチング除去してコア基板を得た。
4.テストピースの作成(ピール強度測定)
コア基板の表裏に上記樹脂シートを、真空加圧式ラミネーター装置を用いて、温度100℃、圧力1MPaにて真空加熱加圧成形する。次いで、樹脂シートのPETを剥離する。次いで、表面処理された42アロイ合金膜を重ね合わせる。これにより得られた積層体を、真空加圧式ラミネーター装置を用いて、樹脂シートと同条件にて加熱加圧成形する。その後、当該積層体に対し熱風乾燥装置にて180℃で45分間加熱硬化を行い、さらに200℃で60分間加熱硬化を行い完全硬化させ、42アロイ合金膜付き基板を得た。
この42アロイ合金膜付き基板を用いて、後述するピール強度測定を行った。
5.テストピースの作成(吸湿耐熱試験)
上記で得られた42アロイ合金付き基板の42アロイ合金膜に対しエッチングを行い、42合金膜の不要部分を除去した。これにより、導体回路層が形成された42アロイ配線基板(銅残率70%)を得た。
この42アロイ配線基板を用いて、後述する吸湿耐熱試験を行った。
【0097】
(実施例2)
梨地処理(サンドブラスト処理)を施した42アロイ合金膜を使用した以外は実施例1と同様にして42アロイ合金膜付き基板、および42アロイ配線基板を得た。
【0098】
(実施例3)
1.Fe−Ni系金属膜の表面処理
42アロイ合金膜(30μm厚、梨地処理無し)の両面にスズ膜および有機シラン化合物を順次形成をした。表面処理方法として、まずクリーナー溶液に液温35℃で30秒間浸漬し酸化膜を除去した後、置換スズ溶液に液温30℃で35秒間浸漬させ0.1μmの純スズを析出させた。その後、アクチベーター溶液に液温35℃で20秒間浸漬した後、有機シラン水溶液に液温35℃で30秒間浸漬させ有機シラン層を形成した。クリーナー溶液としては、クエン酸およびリン酸の混合溶液を用いた。置換スズ溶液としては、ビスメタンスルホン酸錫、メタンスルホン酸、およびチオ尿素の混合溶液を用いた。アクチベーター溶液としては、炭酸ナトリウムとメタケイ酸ナトリウムの混合溶液を用いた。有機シラン水溶液は、メタノールおよびエタノールの混合溶液にオルガノシロキサンを分散させたものを用いた。
2.樹脂シートの形成
ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30、重量平均分子量約700)20重量部、メトキシナフタレンジメチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、EXA−7320)25重量部、フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、jER4275)10重量部、イミダゾール化合物(四国化成工業株式社製、キュアゾール1B2PZ(1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール))0.2重量部をメチルエチルケトンに溶解、分散させた。さらに、球状溶融シリカ(株式会社アドマテックス社製、SO-25R、平均粒子径0.5μm)40重量部添加した。さらに、エポキシシランカップリング剤(GE東芝シリコーン株式会社製、A−187)0.2重量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分間攪拌し、固形分50重量%の樹脂ワニスを調製した。
上記で得られた樹脂ワニスを、厚さ25μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)キャリアフィルムの片面に、コンマコーター装置を用いて乾燥後の樹脂フィルムの厚さが40μmとなるように塗工し、これを160℃の乾燥装置で10分間乾燥して、樹脂シートを作製した。
3.テストピースの作成
上記樹脂シートを、表面処理された42アロイ合金膜の両面に重ね合わせる。これにより得られた積層体を、真空加圧式ラミネーター装置を用いて、温度100℃、圧力1MPaにて真空加熱加圧成形する。次いで、樹脂シートのPETを剥離する。その後、当該積層体に対し熱風乾燥装置にて180℃で45分間加熱硬化を行った後、さらに200℃で60分間加熱硬化を行い完全硬化させ、42アロイ合金膜を含むメタルコア基板を得た。
このメタルコア基板を用いて、後述する吸湿耐熱試験を行った。
【0099】
(実施例4)
梨地処理(サンドブラスト処理)を施した42アロイ合金膜を使用した以外は実施例3と同様にして42アロイ合金膜を含むメタルコア基板を得た。
【0100】
(比較例1)
梨地処理(サンドブラスト処理)を施した42アロイ合金膜に表面処理(スズ膜および有機シラン層の形成)を施さなかった以外は実施例1と同様にして42アロイ合金膜付き基板、および42アロイ配線基板を得た。
【0101】
(比較例2)
梨地処理(サンドブラスト処理)を施した42アロイ合金膜に表面処理(スズ膜および有機シラン層の形成)を施さなかった以外は実施例3と同様にして42アロイ合金膜を含むメタルコア基板を得た。
【0102】
上記の実施例および比較例について、以下の評価を行った。評価項目を内容と共に示す。
得られた結果を表1に示す。
(ピール強度測定)
42アロイ合金膜と樹脂シートとの間のピール強度をJIS C 6481に準拠して測定した。当該条件にて5回測定した結果の平均値を、ピール強度(kN/m)として表1に示した。なお、サンプルとして、実施例1、実施例2および比較例1の42アロイ合金膜付き基板を用いた。
(吸湿耐熱試験)
得られた基板から50mm×50mmにサンプルを切り出し、IPC/JEDEC J−STD−20 MSLに準拠して吸湿耐熱試験を行い、膨れの有無を確認した。なお、サンプルとして、実施例1、実施例2および比較例1の42アロイ配線基板、実施例3、実施例4および比較例2のメタルコア基板を用いた。
MSL Lv.1 85℃/85%/168h 260℃リフロー3回
MSL Lv.2 85℃/60%/168h 260℃リフロー3回
MSL Lv.3 60℃/60%/120h 260℃リフロー3回 (加速試験)
【0103】
【表1】

【0104】
表1から分かるとおり、表面被覆膜を形成した金属膜は、表面被覆膜を形成していない金属膜と比較して、樹脂層との密着性が向上した。
【0105】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0106】
10 配線
12 表面被覆膜
20 樹脂層
22 樹脂層
30 コア基材
40 金属膜
60 半導体素子
62 半田ボール
64 封止材
66 ダイアタッチ層
68 ボンディングワイヤ
70 封止樹脂
100 基板
102 基板
104 基板
110 半導体装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面層がFe−Ni系の金属材料からなる導体層と、
前記導体層の表面のうち少なくとも一部に形成された表面被覆膜と、
前記表面被覆膜と接するように設けられている樹脂層と、
を備え、
前記表面被覆膜は、前記導体層の表面のうち少なくとも一部に付着したスズ膜と、前記スズ膜を表面装飾する有機シラン化合物からなる基板。
【請求項2】
請求項1に記載の基板において、
前記導体層の表面には、凹凸が形成されている基板。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板において、
前記樹脂層は、熱硬化性樹脂と無機充填材とを含む樹脂組成物によって構成されている基板。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか1項に記載の基板において、
前記導体層のうち前記表面被覆膜が形成されている部分と前記樹脂層との間のピール強度は、0.7kN/m以上である基板。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれか1項に記載の基板において、
前記導体層は、コア基材である基板。
【請求項6】
請求項5に記載の基板において、
前記樹脂層上に設けられた配線層をさらに備える基板。
【請求項7】
請求項1ないし4いずれか1項に記載の基板において、
前記導体層は、配線である基板。
【請求項8】
請求項7に記載の基板において、
前記樹脂層は、コア基材を構成しており、
前記配線は、前記樹脂層上に設けられている基板。
【請求項9】
請求項7に記載の基板において、
前記樹脂層は、ビルドアップ層を構成しており、
前記配線は、前記樹脂層上または前記樹脂層中に設けられている基板。
【請求項10】
樹脂層と積層して基板を形成することに用いられる金属膜であって、
表面層がFe−Ni系の金属材料により構成されており、
少なくとも前記樹脂層と接合する側の表面上には、スズ膜と、前記スズ膜を表面装飾する有機シラン化合物と、からなる表面被覆膜が形成されている金属膜。
【請求項11】
請求項10に記載の金属膜において、
少なくとも前記樹脂層と接合する側の表面上には、凹凸が形成されている金属膜。
【請求項12】
請求項10または11に記載の金属膜において、
前記樹脂層は、熱硬化性樹脂と無機充填材を含む樹脂組成物である金属膜。
【請求項13】
請求項10ないし12いずれか1項に記載の金属膜において、
前記金属膜と、前記金属膜のうち前記表面被覆膜が形成されている部分と接合した前記樹脂層との間のピール強度は、0.7kN/m以上である金属膜。
【請求項14】
請求項10ないし13いずれか1項に記載の金属膜において、
前記金属膜は、コア基材を構成する金属膜。
【請求項15】
請求項10ないし13いずれか1項に記載の金属膜において、
前記金属膜は、前記樹脂層と積層された後にパターニングされて配線を構成する金属膜。
【請求項16】
表面層がFe−Ni系の金属材料からなる導体層の表面のうち少なくとも一部に、スズ膜を付着させ、かつ前記スズ膜を有機シラン化合物によって表面装飾することにより、表面被覆膜を形成する工程と、
前記表面被覆膜と接するように、樹脂層を形成する工程と、
を備える基板の製造方法。
【請求項17】
請求項16に記載の基板の製造方法において、
前記表面被覆膜を形成する工程の前において、前記導体層の表面に凹凸を形成する工程を備える基板の製造方法。
【請求項18】
請求項16または17に記載の基板の製造方法において、
前記導体層は、コア基材である基板の製造方法。
【請求項19】
請求項16または17に記載の基板の製造方法において、
前記導体層は、配線である基板の製造方法。
【請求項20】
樹脂層と積層して基板を形成することに用いられる金属膜の製造方法であって、
表面層がFe−Ni系の金属材料からなる前記金属膜の表面のうち少なくとも一部に、スズ膜を付着させ、かつ前記スズ膜を有機シラン化合物によって表面装飾することにより、表面被覆膜を形成する工程を備える金属膜の製造方法。
【請求項21】
請求項20に記載の金属膜の製造方法において、
前記表面被覆膜を形成する工程の前において、前記金属膜の表面に凹凸を形成する工程を備える金属膜の製造方法。
【請求項22】
請求項20または21に記載の金属膜の製造方法において、
前記金属膜は、コア基材を構成する金属膜の製造方法。
【請求項23】
請求項20または21に記載の金属膜の製造方法において、
前記金属膜は、前記樹脂層と積層された後にパターニングされて配線を構成する金属膜の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−33949(P2013−33949A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−143803(P2012−143803)
【出願日】平成24年6月27日(2012.6.27)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】