説明

基板とコーティングを含む積層体および複合層、ならびにそれらを調製するための方法および装置

本発明は、2つのプラスチックフィルムそしてその間に金属または金属酸化物層および結晶質トリアジン層を含み、30mm/分の90度引張り試験において測定された場合に、約2N/インチ以上の積層強度を有する積層体に関する。本発明はさらに、金属または金属酸化物を含む複合層及び前記積層体に適したトリアジン化合物を含むトリアジン層にも関する。本発明はさらに、複合層を調製するための方法において、トリアジン化合物の蒸着により金属または金属酸化物層を伴う基板の上にトリアジン層を塗布するステップを含む方法であって、a)トリアジン化合物以外の化合物を金属または金属酸化物層に塗布するステップと、b)その化合物が少なくとも部分的に液体状態にある間に、金属または金属酸化物層上にトリアジン化合物を蒸着させるステップとを含む方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、優れたバリア性および接着性を有する2つのプラスチックフィルムを含む積層体に関する。本発明はさらに、基板、金属または金属酸化物およびコーティングを含む複合層、それを調製するための方法および装置にも関する。
【0002】
積層体は、包装産業、電子産業およびその他の産業において使用される。積層体は、低い酸素または水蒸気透過率といったような優れたバリア性を必要とすることが多い。プラスチックまたは紙フィルムは、バリア性を改善する1つ以上の層でコーティングする必要がある。その上、フィルム間の接着力は充分に高くなければならない。例えばアルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムまたは酸化ケイ素などといったような金属または金属酸化物でコーティングされたポリオレフィンまたはポリエステルフィルムなどの基板が公知である。これらのフィルムは、包装または電子産業においても同様に使用される。かかるフィルムは優れたバリア性を有し得るが、バリア性を増強するために使用される金属または金属酸化物層は損傷を受け易い。したがって、金属または金属酸化物層はさらなるコーティングで保護される。かかるコーティングは多くの場合、オフラインで別のプロセスステップにおいて塗布される。このようにして得られた複合層はさらに、接着剤を使用しながら例えばさらなるポリオレフィンフィルムを用いてさらに積層化される。
【0003】
本発明の目的は、優れたバリア性および優れた積層強度を有する保護層と共に、基板、金属または金属酸化物バリア層を含む積層体を提供することにある。
【0004】
本発明の別の目的は、インラインで塗布できる保護層と共に、基板、金属または金属酸化物バリア層を含む複合層を提供することにある。
【0005】
本発明は、基板およびプラスチックフィルムそしてその間に金属または金属酸化物層および結晶質トリアジン層を含み、30mm/分の90度引張り試験において測定された場合に、約2N/インチ以上の積層強度を有する積層体を提供する。
【0006】
かかる積層体は、卓越したバリア性および耐久性を有する。
【0007】
本発明はさらに、基板層、金属または金属酸化物バリア層および結晶質トリアジン層を含む複合層において、接着剤およびプラスチックフィルムと共に結晶質トリアジン層側に積層化された時点で、30mm/分の90度引張り試験において測定された場合に約2N/インチの積層強度を示すことができる、複合層をも提供する。
【0008】
本発明の一実施形態においては、積層体は基板およびプラスチックフィルム、そしてこれら2つの層の間に金属または金属酸化物バリア層と結晶質トリアジン層とを含む。
【0009】
本発明のさらなる実施形態においては、積層体は基板およびプラスチックフィルムそしてこれらの層の間に、基板またはプラスチックフィルムに直接ボンディングされている金属または金属酸化物層を含む。
【0010】
本発明のさらなる実施形態においては、積層体は、プラスチック層に直接付着された金属または金属酸化物層および金属または金属酸化物層にボンディングされた結晶質トリアジン層を含む。
【0011】
本発明のさらなる実施形態においては、積層体は、結晶質トリアジン層とプラスチックフィルムの間に接着剤層を含む。
【0012】
さらなる実施形態においては、積層体は、結晶質トリアジン層上にパターンまたは図形を含む。
【0013】
さらなる実施形態においては、結晶質トリアジン層上に直接フィルムを押出加工し、これに印刷を施してもよい。
【0014】
結晶質トリアジン層は、基板層上に具備された金属または金属酸化物層を保護する。
【0015】
さらに、結晶質トリアジン層はバリア性を改善させる。一方では、結晶質トリアジン層はそのままでバリア性を有する。他方では、印刷中にトリアジン層がわずかに損傷を受けると思われる場合でも、少なくとも金属または金属酸化物層のバリア性は高いレベルを維持し、概ね不変である。したがって、結晶質トリアジン層は、フィルムの印刷に使用される軟質ロールおよび硬質ロール印刷プロセスの両方の衝撃に対して金属または金属酸化物層を保護するのを補助する。
【0016】
さらに、結晶質トリアジン層は金属(特にアルミナ)層を不活性化から保護する。保護されていないアルミナ層は、加工業者が積層体を作ろうとした場合、数ヵ月の保管後にプラズマ処理を必要とする。メラミン層は、プラズマ処理を実施する必要性を克服し、かくして費用を節約しかつ積層プロセスをスピードアップすると思われる。
【0017】
バリア層と保護層を具備し、この保護層を(金属または金属酸化物を塗布するステップの後でフィルムの巻き戻しを行うこと無く)1つのプロセスシーケンスの中で作ることができ、かつこの保護層がさらにバリア性を改善できる基板によって、非常に有用な複合層を得ることが可能である。しかしながら、そのように選択された場合には、結晶質トリアジン層を個別のプロセスステップにおいて塗布することにより可能である。金属または金属酸化物層は巻き戻しの間でも汚染または損傷を受け得ることから、この保護トリアジン層をインラインで塗布することが好ましい。
【0018】
蒸着ステップにおいて基板上に形成される結晶質トリアジン層の厚みは、その意図された目的によって左右され、かくして広い限界内で変動し得る。好ましくは、層の厚みは、薄い方が透明度が向上することから、5μm以下、そして一層好ましくは約1μm以下である。厚みはコストを理由として例えば約500nm以下であってよい。最小厚みは好ましくは約2nm以上、より好ましくは約10nm以上、そして一層好ましくは約100nm以上であるが、これはこのような厚みが保護特性を向上させるからである。例えば、厚みは約200または300nm以上であり得る。
【0019】
トリアジンは、結晶質状態にあり、一般に結晶粒は、SEMの下で分析した場合目に見える。一般に、結晶粒サイズは約3nm以上、好ましくは10nm以上である。一般に、結晶粒サイズは約1000nm以下、好ましくは500nm以下である。一般に結晶粒間のすき間は、一般に小さい。トリアジン層の主たる目的が金属または金属酸化物層の保護にある場合、すき間は約5%以下であってよい。好ましくは、すき間は約2%以下であり、最も好ましくはSEMにおいていかなるすき間も見えない。
【0020】
結晶質トリアジン層が最上層であってもよいが、この層の上には、例えば金属または金属酸化物のさらなる層、さらなるトリアジン層、印刷またはポリマー層(積層用フィルム)などのさらなる層が存在してもよい。
【0021】
本発明に従った結晶質トリアジン層は原則として、あらゆるトリアジン化合物、例えばメラミン、メラム、メレムまたはメロンを含んでいてよい。好ましくはトリアジン化合物はメラミンである。
【0022】
好ましくは、複合層は、接着剤およびプラスチックフィルムが結晶質トリアジン層の側に積層されている場合に、30mm/分および90度で引張り試験装置を用いて測定して、約2.5N/インチ以上、より好ましくは約3N/インチ以上、さらに好ましくは約3.5N/インチ以上の積層強度を示すことができる。一般に、積層強度の上限はさほど重要ではないが、一般にこれは約20N/インチ以下となる。好ましくは試験用の複合層の積層は、適切なウレタン接着剤で行われ、厚み10μmのポリエチレンフィルムで積層される。その後、2枚のフィルムの積層強度を測定でき、破損モードを観察することができる。適切な接着剤は、接着層上に破損モードが観察されないような、約3.5N/インチ以下の接着強度を有する接着剤である。接着力が非常に高いためプラスチックが破断する場合がある。その場合、フィルムを破断させるのに必要な力の値を、接着力の値として採用することができる。
【0023】
基板は好ましくは、金属または金属酸化物の蒸着層を有する。好ましい金属および酸化物としては、アルミニウム、銅、金、銀、鉄、マグネシウム、ケイ素またはチタンが含まれるが、これらに限定されるわけではない。好ましい例としては、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムまたは酸化ケイ素が含まれる。
【0024】
金属または金属酸化物は一般に、蒸着またはスパッタリングによって基板上に塗布される。このプロセスは一般に真空下で実施される。金属または金属酸化物層は一般に、約1nm以上、好ましくは約3nm以上の厚みを有する。一般に厚みは約100μm以下、好ましくは約40μm以下である。基板に対する金属または金属層の接着力は、好ましくは、2または3N/インチの力での引裂に耐えるのに充分な強さである。接着力は基板によって左右され得、例えばポリエチレンフィルムについては、未処理の基板と比べ接着力を改善することができる。プラスチック層に対する金属または金属酸化物層の接着強度を改善するための好ましい方法としては、基板のプラズマ、コロナ、紫外線または電子ビーム処理が含まれる。
【0025】
基板は、担体として役立つ材料を含み、これは一般にフィルムの形または形状をしたプラスチックまたは紙となる。
【0026】
一般に、包装材料は、可撓性包装材と剛性包装材に分けられる。可撓性包装用材料は一般に、以下フィルムと呼ぶフィルムまたはシート様の材料をベースとしている。剛性包装材は、一般に、一定の形状(三次元形態)を有する。
【0027】
本発明に係る複合層、特に基板としてフィルムを用いた複合層は、そのままで使用されてもよいが、任意の形状でまたは例えばペットボトルなどの物品として、プラスチック、紙、厚紙、金属上に塗布することもできる。
【0028】
剛性包装材の場合、基板はプラスチック材料、厚紙または紙材料であってよい。剛性包装材の適切な例としては、ボトルまたは予成形された荷箱がある。物品の好ましい例は、PETまたはPPで作られた物品である。
【0029】
本発明の一実施形態においては、層は食品および飲料製品用の包装用品の一部である。最も好ましい包装材製品としては、コーヒー豆または挽いたコーヒー豆を入れる包装用品またはビールを入れる包装用品が含まれる。
【0030】
本発明の別の実施形態においては、積層体または複合層は、ディスプレイまたはその他の電子製品、好ましくは可撓性電子製品の中または上で使用される。電子可撓性製品の一例は、可撓性ディスプレイである。
【0031】
フィルムは、均質な材料で構成されてよく、あるいはそれ自体不均質であるかまたは複合材料であってもよい。フィルムは、さまざまな層を含んでいてよい。好ましくはフィルムはポリマー材料を含む。ポリマー化合物の例としては、熱可塑性化合物および熱硬化性化合物がある。熱可塑性化合物の適切な例には、ポリオレフィン、ポリオレフィン−共ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリエステルおよびポリアミドが含まれる。かかるポリマーの適切な例としては、HDまたはLDポリエチレン(PE)、LLDポリエチレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、ポリプロピレン(PP)およびポリエチレンテレフタレート(PET)が含まれる。これらの熱可塑性化合物は、そのままかまたは配向された状態でフィルムの形で使用されることが多い。かかる配向は2軸配向、例えば2軸配向ポリプロピレンフィルム(BOPP)であってよい。フィルムには紙層も含まれてよい。
【0032】
本発明に従った複合層は、例えば低い酸素透過率(OTR)および低い水蒸気透過率(WVTR)といった有利なバリア性を有し、充分な耐摩耗性を有する。したがって、本発明の複合層は、そのままの状態で印刷および積層に使用可能である。
【0033】
OTRは、一般に、30℃およびRH70%の雰囲気中で測定される。好ましい値は一般に、基板によって左右される。基板が2軸配向ポリプロピレン(BOPP)である場合、OTRは一般に約40cc/m・24h・MPa以下、好ましくは約30cc/m・24h・MPa以下そしてさらに一層好ましくは約20cc/m・24h・MPa以下となる。一般に、BOPPの場合、OTRは約2cc/m・24h・MPa以上となり、例えば約5cc/m・24h・MPa以上であってよい。OTRは適切な装置例えばModern Control Co.製のOXTRAN2/20を用いて測定できる。基板がPETフィルムである場合、OTRは一般に約15cc/m・24h・MPa以下、好ましくは約10cc/m・24h・MPa以下そしてさらに一層好ましくは約5cc/m・24h・MPa以下となる。一般に、BOPPの場合、OTRは約0.5cc/m・24h・MPa以上となり、例えば約1または2cc/m・24h・MPa以上であってよい。
【0034】
水蒸気透過性(WVTR)は、25〜40℃でRH50〜90%の間の雰囲気中でModern Control Co.製のPERMATRAN3/31を用いて測定可能である。好ましい値は基板によって左右されることになる。例えば、BOPPについては、WVTRは一般に約3g/m・24h以下、好ましくは約2g/m・24h以下、そしてより好ましくは約1g/m・24h以下である。一般に、蒸気透過性は約0.1g/m・24h以上、例えば約0.2g/m・24h以上となる。例えばPETについては、WVTRは一般に約8g/m・24h以下、好ましくは約7g/m以下そしてより好ましくは約4g/m・24h以下である。一般に、蒸気透過性は約0.5g/m・24h以上、例えば約2g/m・24h以上となる。
【0035】
好ましくは、積層体は、先の2つの段落中で与えられている値に適合するOTRおよびWVTRをその他の基板についても有する。
【0036】
任意には例えば印刷および積層によってさらに加工される複合層は、例えばボトル、紙、シートおよびフィルムなどの全ての種類のパッキング材料としてまたはこれらの材料に対して塗布され得る。パッキング材料は、例えば中味を酸素から極めて良好に保護し、こうして食品または電子部品を酸素の攻撃から保護する。
【0037】
一実施形態においては、積層体は、基板としてPETまたはBOPPフィルム、バリア層としてのこの基板上の金属または金属酸化物層、パターンまたは図形を有し金属層上の保護およびバリア層としての結晶質トリアジン層を含み、さらに、結晶質トリアジン層上にパターンまたは図形および接着剤を、そしてその上には、好ましくはPEフィルムなどのポリオレフィンフィルムであってよいさらなるフィルムを含んでいる。
【0038】
本発明は同様に、トリアジン化合物の蒸着により金属または金属酸化物層を伴う基板の上に本発明のトリアジン層を塗布するための方法であって、
a) トリアジン化合物以外のさらなる化合物を金属または金属酸化物層に塗布するステップと、
b) さらなる化合物が少なくとも部分的に液体状態にある間に金属または金属酸化物層上にトリアジン化合物を蒸着させるステップと、
を含む方法にも関する。
【0039】
具体的な措置無くトリアジン化合物を金属または金属酸化物層を伴う基板にインラインコーティングしたところ、積層化された場合に充分な接着力を有する複合層が生成されなかった。破損はトリアジンと金属または金属酸化物の境界に見られるものと思われる。この破損モードに起因して、金属または金属酸化物層は充分に保護されず、したがって、さらなる加工中に損傷を受け、例えばバリア性を低下させる可能性がある。同様に、ほとんどの包装材フィルムは、積層体構造の形をしていることから、この破損モードにより積層強度が低下する。
【0040】
トリアジン含有層およびかかる層の製作方法が、国際公開第2004/101662号パンフレット中に記述されている。国際公開第2004/101662号パンフレット中では、蒸着ステップにおいてトリアジン化合物、好ましくはメラミンが基板上に減圧下で被着され、基板の温度が気化されたトリアジンの温度よりも低いものである方法が記述されている。国際公開第2004/101662号パンフレットは、蒸着ステップの前またはその最中に、基板の表面上に反応基を作り出しかくして基板に対する層の接着力を改善するべくプラズマ、コロナ、UV放射線、電子ビームまたは反応性ガス例えば水またはホルムアルデヒドで基板を処理してよい、ということを示唆している。実験的証拠は全く提供されていない。
【0041】
日本特許出願第2002−19011号公報においては、重合剤を用いたトリアジン化合物を含む層の処理が開示されている。この処理の目的は、層の耐水性を改善することにある。有効であるものとして示唆されている化合物は、比較的高い分子量の固体であり、イソシアネート基または酸−無水物基を含む。
【0042】
本発明の一実施形態においては、層中のトリアジン化合物は、X線回折によって測定されるように、少なくとも80%結晶化している。好ましくは、層中のトリアジン化合物は、約90%以上、さらに一層好ましくは約95%以上、最も好ましくは約98%以上結晶化している。
【0043】
本発明の一実施形態においては、化合物は極性化合物である。
【0044】
さらなる化合物は、好ましくは約2以上の誘電定数を有する。誘電定数は、真空の誘電率に対する実際の誘電率として定義される。それは無次元数である。
【0045】
さらなる化合物の誘電定数は一般に約1以上である。化合物が極性化合物である場合、誘電定数は好ましくは約2以上であり、より好ましくは約4以上である。好ましくは、化合物の誘電定数は、約100以下、より好ましくは約60以下である。適切なさらなる化合物の例としては、メタノール(33)、酢酸(6.2)、プロパノール(18.5)、エタノール(25.3)、アセトン(21)、酢酸ブチル(5)、シクロヘキサン、トルエンおよびデカン(カッコ内は誘電定数)が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0046】
極性化合物は好ましくは、ヘテロ原子として酸素または窒素原子を含む。極性基の適切な例としては、アルデヒド、アルコール、エーテル、ケトン、エステルまたはカルボン酸基が含まれる。極性化合物の適切な例としては、メタノール、エタノール、イソ−プロパノール、1−プロパノール、ジメチルスルホキシド、1−ペンタノール、1−ブタノール、アセトン、メチル−エチル−ケトン、酢酸、エタナール、プロパナール、n−酢酸ブチル、i−酢酸プロピル、酢酸エチル、ギ酸エチルおよび水、または水中のホルムアルデヒドおよびそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されるわけではない。しかしながら、水または水−ホルムアルデヒド溶液は、さほど好ましくない。混合物の例としては、複数のアルコールの混合物、水とアルコールの混合物、そしてエステルの混合物が含まれるがこれらに限定されるわけではない。
【0047】
極性化合物の一部は、理論上はメラミンまたは別のトリアジンと反応することのできる官能基を有する。しかしながら、本発明者らは、例えばXPS/ESCA、NMR、RAMANおよびIRの検出限界でいかなる反応についての証拠も一切発見しなかった。
【0048】
本発明の方法における好ましいさらなる化合物としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸ブチル、酢酸プロピルおよびアセトンが含まれる。一般に、これらの化合物は、加工条件でトリアジンと反応するものと予想されていない。
【0049】
本発明は好ましくは、トリアジン化合物と反応しないさらなる化合物を使用する。或いは、本方法の条件は、一方では化合物そして他方では基板および/またはトリアジン化合物の間に実質的に全く反応が起こらないよう充分低い温度でおよび/または充分短い時間的間隔で基板を接触させるように選択される。
【0050】
一実施形態においては、本発明にしたがって使用されるさらなる化合物は、液体層を形成し、これはトリアジン層の形成後まもなく蒸発する。極性化合物の分子量は約150ダルトン以下、好ましくは約100ダルトン以下である。
【0051】
本発明の一実施形態においては、(25℃で)100kPa未満の蒸気圧を有する化合物を選択することが好ましい。蒸気圧は一般に約0.01kPa以上、好ましくは約1kPa以上である。好ましくは、蒸気圧は約80以下、より好ましくは約50以下である。適切な化合物の例としては、メタノール(16.9)、酢酸(2.1)、プロパノール(42)、エタノール(7.9)、アセトン(30.8)、酢酸ブチル(1.7)(カッコ内は蒸気圧)が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0052】
さらなる化合物は好ましくは、金属または金属酸化物層との、ならびに蒸着されたメラミン結晶との親和力を有する。1つの親和力測定方法は、流体の表面張力を測定することによる方法である。一実施形態においては、表面張力は25℃で70mN/m未満である。一般に、表面張力は約10以上、好ましくは約20以上である。好ましくは、表面張力は約60以下、より好ましくは約40以下である。適切な例としては、金属または金属酸化物層と、メタノール(22)、酢酸(27)、酢酸ブチル(25)、エタノール(22)、アセトン(23)(カッコ内は表面張力)が含まれるが、これらに限定されるわけではない。トリアジン層および金属または金属酸化物層との親和力は、これらの層の表面張力を測定することによって測定可能である。好ましくは、液体の表面張力は、(蒸着された)トリアジン層の表面張力に近いものである。
【0053】
理論に束縛されることなく、発明者らは、高濃度であるかまたは金属または金属酸化物層の表面に液体として存在するさらなる化合物に起因して、メラミンの結晶度が影響され得ると考えている。したがって、強度およびバリア性を増大させるため高レベルの結晶度を有する第2の蒸着トリアジン層を塗布することが有用であり得る。第2の層は好ましくは、第1層を被着させた後にインラインで塗布されるか、またはオフラインで塗布されてもよい。
【0054】
さらなる化合物は、金属または金属酸化物層に対し数多くのやり方で塗布可能である。一実施形態において、液体層は、分配装置内のスリットを介して塗布され、任意にはドクターブレードまたはプレスロールによって平らに均される。別の実施形態においては、気体化合物は、金属または金属酸化物の表面上に塗布され、この表面は、さらなる化合物がその上で凝結するのに充分な低温に保たれている。
【0055】
好ましくは、コーティングロールの温度は、周囲圧力での液体の沸点より低く保たれる。
【0056】
さらに別の実施形態においては、金属または金属酸化物層は接着力を増大するべくシランカップリング剤で処理される。シランカップリング剤は、さらなる化合物として使用される液体中に溶解させられてよい。
【0057】
さらに別の実施形態においては、金属または金属酸化物層は、接着力を増大させるべくウレタンポリマーまたはポリエステルで処理される。ウレタンポリマーまたはポリエステルは、さらなる化合物として用いられる液体中に溶解されてもよく、そうでなければオフラインで塗布することもできる。かかるウレタンオリゴマ−またはポリエステルは、インラインで塗布するのが困難であり得るため、さほど好まれない。
【0058】
好ましくは、基板は約50℃以下の温度に保たれる。
【0059】
蒸着自体は、当業者にとって公知の方法である。公知の通り、蒸着ステップは、減圧下すなわち大気圧より低い圧力で実施されることが多い。本発明に従った方法においては、圧力は好ましくは約1000Pa未満、好ましくは約100Pa未満、さらに一層好ましくは約1Pa未満、より好ましくは約1×10−2Pa未満である。意外にも、蒸着ステップの実施圧力をさらに一層、好ましくは約4×10−3Pa以下まで削減することによってバリア性といったような複合材料の特性をさらに改善させることができる。より好ましくは、蒸着ステップは、約2×10−3Pa以下の圧力または約1×10−3Pa以下の圧力下で実施される。詳細には、蒸着ステップは、約5×10−4Pa以下の圧力または約1×10−4Pa以下の圧力で実施される。より詳細には、蒸着ステップは、約5×10−5Pa以下または約1×10−5Pa以下の圧力で実施される。最も好ましくは、蒸着ステップは約5×10−6Paの圧力またはさらには約1×10−6Pa以下の圧力で実施される。
【0060】
蒸着ステップの間、基板の温度は約−60℃以上、好ましくは約−30℃以上そしてさらに一層好ましくは約−20℃以上、そして最も好ましくは約−15℃以上である。基板の温度は一般に約+125℃以下、好ましくは約+100℃以下、さらに一層好ましくは約+80℃以上、そして最も好ましくは約30℃以下となる。基板の温度は、本明細書では、蒸着を受けていない基板の部分の温度として定義されている。例えば、蒸着ステップが、温度制御されたコーティングドラム上を案内されるフィルムに対して行われる場合、基板の温度は、コーティングドラムが制御されている温度、ひいてはコーティングドラムと直接接触状態にあるフィルムの表面区分の温度である。このような場合、被着される化合物の温度が125℃よりもはるかに高いことが多いということを考慮すると、(公知の通り)基板の被着される側の温度が被着されない側の温度よりも高くなることが標準的に発生する。
【0061】
基板が規定の温度を確実に有するようにする方法は、それ自体公知である。基板が規定の温度を確実に有するようにするこのような公知の方法は、いかなる層も蒸着を受けない基板の少なくとも1つの区分、平面または側面が存在する場合に塗布可能である。次に前記区分、平面または側面を冷却されたまたは加熱された表面と接触させて、温度を所望のレベルに昇降させ、その温度に保つことができる。一例としては、基板がフィルムであり、そのフィルムの一方の側に層を被着させる半連続的または連続的プロセスとして蒸着ステップが実施される場合、前記フィルムをコーティングドラムとしても知られている温度制御型ロール上を案内し、かくして(いかなる層も被着されない)フィルムの他方の側が蒸着ステップの前および/または途中および/または後に温度制御型ロールと接触した状態になるようにすることができる、ということが公知である。
【0062】
本発明の装置は、巻き取りロールおよび金属または金属酸化物被着部分とトリアジン被着部分とを有する少なくとも1つの真空チャンバを含み、トリアジン被着部分にはトリアジン蒸発器とさらなる化合物を塗布するための出口とが含まれている、金属または金属酸化物およびトリアジンを基板上に真空下で被着させるための装置である。
【0063】
別の実施形態において、本発明の装置は、巻き取りロールおよびトリアジン被着部分を有する少なくとも1つの真空チャンバを含み、トリアジン被着部分にはトリアジン蒸発器とさらなる化合物を塗布するための出口とが含まれている、金属または金属酸化物層を有する基板上に真空下でトリアジンを被着させるための装置である。
【0064】
好ましくは、トリアジン被着部分は冷却ドラムを含む。
【0065】
好ましくは、さらなる化合物のための出口はフィルムに向けられている。
【0066】
図1は本発明の方法を、適用できる装置の概略図である。図面中、(1)は基板、例えば巻き取りロールまたはボビン(2)からボビン(2’)上に繰り出されるフィルムである。フィルムは、好ましくは、プラズマまたはコロナ処理を受けており、この処理は予め実施してしまうこともできるが、インラインで行うこと(図示せず)もできる。フィルムはロール(3)および(3’)により案内される。容器(4)は、金属または金属酸化物気化器を表わしている。金属または金属酸化物をスパッタリングすることによって、フィルムは加熱され、好ましくはフィルムは冷却ロール(6)によって冷却される。気化器(4)の反対側には、圧力ロールが存在し得る。冷却ロールも、好ましくは、メラミン蒸発器の出口に対しおおよそ反対側に設置される。その場合、それは圧力ロールとしても作用し得る。コーティングされたフィルムを使用することも同様に可能であり、その場合は、金属または金属酸化物スパッタリング容器および冷却ロールは必要でないが、あらゆる設定において冷却ロールを使用することが好ましい。容器(5)は、トリアジン化合物のための気化容器を表わし、このトリアジンは、金属または金属酸化物層上に塗布される。円(7)は、さらなる化合物を塗布するための出口(7)を表わしている。金属の表面上にはさらなる化合物が存在することが好ましいことが分かった。トリアジン気化容器(5)内でさらなる化合物を蒸発させることは、幾分か効果が劣るが、より多くの量のさらなる化合物を使用した場合には良好であった。同様に、トリアジン気化容器の上流側に出口(7)を置くことは、比較的効果が低いことが分かった。実施例中で使用されているような出口(7)は、さらなる化合物をそこから蒸発させる蒸発器であり、この化合物は金属の表面上に凝結させられたか、或いは、このさらなる化合物の気体濃度はメラミンの結晶化中、高いものであった。開口部がフィルムの方向にあった場合、最高の結果が得られた。
【0067】
図1の装置は、1〜10・10−5Paの真空にまですることのできる真空チャンバ(図示せず)の中に収納されていた。複合層が移動できるようにするため細いスリットを備えた2つの真空チャンバ、つまり金属または金属酸化物コーティングドラムを備えたものとトリアジンコーティングドラムを備えたものを使用することも可能であり、こうすることで両方の区画内で異なる加工条件が許容され、汚染が制限される。
【0068】
本発明は、以下の限定的意味のない実施例によりさらに明らかとなる。
【0069】
[実施例1〜9および比較実験1〜2]
図1に示されている装置内で、コーティング実験を実施した。2軸延伸ポリプロピレンフィルム(BOPP)にアルミニウム(平均厚み28nm)をコーティングし、その後50μPaの真空にてメラミンをコーティングした。表中でさらに説明する通り、アルミニウム表面近傍でさらなる化合物を蒸発させた。フィルム速度は9または5m/秒であった。複合層の一部にさらに印刷を行った。積層強度を測定するため、全てにさらなるプラスチックフィルムを積層化した。
【0070】
30mm/分の速度でTensilonインストロンテスタを用いてJIS Z0238にしたがって積層強度を測定した。2つのフィルム間の角度は90度であった。東セロ株式会社(Tohcello Co Ltd)製(TUXFCS)のLLDPEをシーラント(第2のフィルム)として使用し、接着剤として三井武田ケミカル株式会社(Mitsui Takeda Chemicals)製の溶剤中の反応性ポリウレタン(使用直前に混合するTakelac A−515およびTakenate A50)を使用した。
【0071】
酸素透過率(OTR)は、Modern Control Co.製のOXTRAN2/20を用いて、30℃でRH70%の雰囲気中で測定した。
【0072】
蒸気透過性を、Modern Control Corp.製のPERMATRAN3/31を用いて、40℃でRH90%の雰囲気中で測定した。
【0073】
【表1】



【0074】
[実施例10]
類似の要領で、メタノールが酸化物層に供給されている間に、酸化アルミニウム(15nm)およびメラミン(300nm)で12ミクロンのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を処理した。OTRは5であり、WVTRは0.6であった。次にメラミン層に印刷を行い、透過率のわずかな増加をひき起こした。保護層が無ければ、OTRの値は一般に3倍になる。印刷した複合層の一部を、実施例1〜9について記述した通りの接着剤およびプロピレンフィルムでさらに積層化した。別の部分を直接押出プロセスにおいて(ダイ温度は320℃であった)ポリエチレンフィルムと積層させた。結晶質メラミン層は、このように作られたフィルム(15〜35ミクロンの厚さのPEフィルム)により加熱に耐えることができ、優れた積層強度を示した。
【0075】
[実施例11]
類似の要領で、実施例7に記述した通りに作った複合層を用いて積層体を作製した。さらなる積層において、Novacote NC275Aおよび触媒CA12(それぞれ42.7および10.7重量%)と46.6%の酢酸エチルから成る接着剤をメラミン層上に塗布した。接着剤は40%の固体百分率を有していた。積層後のOTRは9.5であった。積層強度は2N/インチ超であった。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板層およびプラスチックフィルムそしてその間に結晶質トリアジン層および金属または金属酸化物層を含み、30mm/分の90度引張り試験において測定された場合に、約2N/25mm(インチ)以上の積層強度を有する積層体。
【請求項2】
前記金属または金属酸化物層が前記基板または前記プラスチックフィルムに直接ボンディングされている積層体。
【請求項3】
前記結晶質トリアジン層が前記金属または金属酸化物層に対しボンディングされている、請求項1〜2のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項4】
前記積層体が前記結晶質トリアジン層と前記プラスチックフィルムの1層との間に接着層を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項5】
基板、金属または金属酸化物バリア層およびトリアジン化合物を含む結晶質トリアジン層を含む複合層であって、接着剤およびプラスチックフィルムと共に前記結晶質トリアジン層上に積層化された時点で、30mm/分の90度引張り試験において測定された場合に約2N/25mm(インチ)以上の積層強度を示すことができる、複合層。
【請求項6】
前記積層体が印刷されたパターンを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体または複合層。
【請求項7】
30℃およびRH70%の雰囲気中で測定された場合のOTRが、基板としてBOPPを含む積層体について約20ml/m・24h・MPa以下であり、またPETを基板としている場合約5ml/m・24h・MPaである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層体または複合層。
【請求項8】
40℃およびRH90%の雰囲気中で測定された水蒸気透過率(WVTR)が、基板としてBOPPを含む積層体について2g/m・24h以下であり、またPETを基板としている場合約5g/m・24h以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層体または複合層。
【請求項9】
前記接着力が少なくとも2.5N/インチである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層体または複合層。
【請求項10】
前記接着力が少なくとも3N/インチである、請求項9に記載の積層体または複合層。
【請求項11】
前記トリアジン化合物がメラミンである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の積層体または複合層。
【請求項12】
前記金属または金属酸化物層が、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムまたは酸化ケイ素由来の層である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の積層体または複合層。
【請求項13】
前記基板がプラスチックまたは紙である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の積層体または複合層。
【請求項14】
前記基板がプラスチックフィルムである、請求項13に記載の積層体または複合層。
【請求項15】
前記基板層がBOPPまたはPETである、請求項14に記載の積層体または複合層。
【請求項16】
パターンまたは図形が前記結晶質トリアジン層上に存在する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の積層体または複合層。
【請求項17】
複合層を調製するための方法において、トリアジン化合物の蒸着により金属または金属酸化物層を伴う基板の上にトリアジン層を塗布するステップを含む方法であって、
a) トリアジン化合物以外のさらなる化合物を金属または金属酸化物層に塗布するステップと、
b) 前記さらなる化合物が少なくとも部分的に液体状態にある間に、前記金属または金属酸化物層上に前記トリアジン化合物を蒸着させるステップと、
を含む方法。
【請求項18】
前記さらなる化合物が極性化合物である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
さらなる化合物が極性化合物であり、メタノール、エタノール、イソ−プロパノール、1−プロパノール、ジメチルスルホキシド、1−ペンタノール、1−ブタノール、アセトン、メチル−エチル−ケトン、酢酸、ギ酸、水中のホルムアルデヒド、エタナール、プロパナール、n−酢酸ブチル、i−酢酸プロピル、酢酸エチル、ギ酸エチル、ヘキサン、デカン、トルエンおよび水からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記さらなる化合物が、約2.0以上かつ100以下の誘電定数を有する、請求項17〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記さらなる化合物が、10mN/m以上および70mN/n以下の表面張力を有する、請求項17〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記さらなる化合物が、0.01kPa以上(25℃で測定)かつ100kPa以下の蒸気圧を有する、請求項17〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
可撓性または剛性包装材を目的とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の積層体または複合層あるいは請求項17〜22のいずれか一項に記載の方法を用いて得られた積層体または複合層の使用。
【請求項24】
可撓性ディスプレイを目的とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の積層体または複合層あるいは請求項17〜22のいずれか一項に記載の方法を用いて得られた積層体または複合層の使用。
【請求項25】
金属または金属酸化物およびトリアジンを基板上に真空下で被着させるための装置において、巻き取りロールおよび金属または金属酸化物被着部分とトリアジン被着部とを有する少なくとも1つの真空チャンバを含み、トリアジン被着部分にはトリアジン蒸発器とさらなる化合物を塗布するための出口とが含まれている、装置。
【請求項26】
金属または金属酸化物層を有する基板上に真空下でトリアジンを被着させるための装置であって、巻き取りロールおよびトリアジン被着部分を有する少なくとも1つの真空チャンバを含み、トリアジン被着部分にはトリアジン蒸発器とさらなる化合物を塗布するための出口とが含まれている、装置。

【公表番号】特表2010−533608(P2010−533608A)
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516397(P2010−516397)
【出願日】平成20年7月7日(2008.7.7)
【国際出願番号】PCT/EP2008/005514
【国際公開番号】WO2009/012878
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【出願人】(510000677)バイオフィルム エス.エー. (1)
【出願人】(505051976)アプライド マテリアルズ ゲーエムベーハー ウント ツェーオー カーゲー (17)
【Fターム(参考)】