説明

基板処理装置および基板処理方法

【課題】パターンが形成された基板表面に粘着部材を当接させた後で当該粘着部材を剥ぎ取って基板表面から付着物を除去する基板処理技術において、優れた付着物の除去率およびダメージ抑制性能を安定的に得る。
【解決手段】基板Wの表面Wfに対する粘着テープTによる貼り剥がし洗浄を行う前に、基板Wのノッチ位置を検出し、そのノッチ検出時点でのパターンの向きに基づいて基板Wを回転させてパターンの向きが剥離方向Xと平行となるように、パターンの向きと剥離方向との相対的な方向関係を適正化する。そして、洗浄ヘッド7がノッチ検出位置P2から(−X)方向に移動して粘着テープTによる貼り剥がし洗浄が実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、光ディスク用基板などの各種基板の表面に対して粘着部材を当接させた後で、当該粘着部材を剥離して基板表面を洗浄する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板の表面からパーティクルなどの付着物を除去するために種々の技術が提案されており、そのうちの1つとして特許文献1では粘着部材を用いる、いわゆる貼り剥がし洗浄技術が記載されている。この特許文献1に記載の装置は、加圧ローラに粘着ベルトを巻き掛けるとともに、当該加圧ローラを基板の表面に向けて押圧しながら粘着ベルトを循環移動させている。このため、加圧ローラが基板表面に向けて押圧されている位置で粘着ベルトは基板の表面に接触して基板表面上に付着する付着物を捕獲した後、ベルト移動によって付着物を粘着したまま基板表面から剥離される。こうして、基板表面から付着物を除去して基板表面を洗浄している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−48678号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、表面にパターンが形成されている基板について貼り剥がし技術を適用した場合、付着物の除去率が優れていることはもちろんであるが、パターンが倒壊するなどのダメージの発生を抑制すること、つまりダメージ抑制性能も非常に重要となってくる。しかしながら、このようにパターンを有する基板を従来の貼り剥がし洗浄技術を用いて洗浄したところ、除去率もダメージ抑制性能も不安定であった。すなわち、洗浄処理を実行する度に、除去率およびダメージ発生率が大きく変動しており、この点が実用上大きな問題となっている。
【0005】
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、パターンが形成された基板表面に粘着部材を当接させた後で当該粘着部材を剥ぎ取って基板表面から付着物を除去する基板処理技術において、優れた付着物の除去率およびダメージ抑制性能を安定的に得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、基板の基準部に対して所定の位置関係でパターンが形成された基板の表面を洗浄する基板処理装置および基板処理方法である。この基板処理装置は、上記目的を達成するため、基板を保持する基板保持部と、基板保持部に保持される基板の表面に粘着部材を当接させ、粘着部材を基板の表面に沿ってパターンの向きに対して非直角な方向に剥離させて基板の表面を洗浄する洗浄部とを備えることを特徴としている。
【0007】
また、この基板処理方法は、上記目的を達成するため、基板を基板保持部に保持させる保持工程と、基板保持部に保持された基板の表面に粘着部材を当接させる当接工程と、粘着部材を基板の表面に沿ってパターンの向きに対して非直角な方向に剥離させて基板の表面を洗浄する剥離工程とを備えることを特徴としている。
【0008】
このように構成された発明(基板処理装置および基板処理方法)では、基板の表面に当接する粘着部材が基板の表面に沿って剥離されることで基板の表面が洗浄されるが、基板の表面にパターンが形成されている場合、パターンの向きと剥離方向との相対的な方向関係によって基板の表面から付着物の除去率およびパターンのダメージ抑制性能は大きく異なる。このことは本願発明者により見出された知見であり、本発明では当該知見に基づいて次のように構成することで、除去率およびダメージ抑制性能の安定化を図っている。すなわち、本発明では、粘着部材が基板の表面に沿ってパターンの向きに対して非直角な方向に剥離される。このため、優れた付着物の除去率およびダメージ抑制性能を安定的に発揮させながら基板の表面を洗浄する。なお、パターンの向きに対する粘着部材の剥離方向の角度を70゜以下に設定するのが望ましい。
【0009】
ここで、基準部を検出する検出手段と、検出手段により基準部が検出された時点でのパターンの向きに基づいて粘着部材の剥離方向の変更および基板の回転のうちの少なくとも一方を行うことで、パターンの向きに対する粘着部材の剥離方向の角度を調整する制御部とを設けてもよい。これらの構成要件を追加することで、粘着部材の剥離方向を確実にパターンの向きに対して非直角な方向に設定することができる。
【0010】
また、基準部を検出する検出手段の構成は任意であるが、例えば基板が基板保持部で保持された状態で検出手段が基準部を検出するように構成してもよい。この場合、基板保持部に基板が保持された状態のまま、基準部の検出、剥離方向の適正化および剥離動作が実行されるので、短いタクトタイムで基板洗浄を安定して行うことができる。また、この場合、基板保持部を回転部によって回転させることで、基板保持部に保持された基板を回転させてパターンの向きと剥離方向との相対的な方向関係を適正化してもよい。このように構成することで洗浄部での剥離方向を固定化することができ、洗浄部の構成を簡素化することができる。もちろん、粘着部材の剥離方向が変更自在となるように洗浄部を構成し、粘着部材の剥離方向を変更させることでパターンの向きに対する粘着部材の剥離方向の角度を調整するように構成してもよい。
【0011】
また、基板保持部と検出手段とを互いに分離して配置し、基板搬送部によって検出手段から基板保持部に基板を搬送するように構成してもよい。このような構成を採用することで装置各部の設計自由度が高まるとともに、基板保持部に保持される基板に対しては洗浄処理を実行しつつ、その基板に続く基板について検出手段により基準部の検出を行うことでき、装置全体としてスループットを向上させることができる。
【0012】
なお、このように基板保持部から検出手段を分離する場合、検出手段に、基板を保持して回転する回転保持部と、回転保持部に保持された基板の基準部を検出する検出部とを設け、基板搬送部による基板保持部への基板搬送前に、回転保持部で基板を保持された基板を回転させてパターンの向きに対する粘着部材の剥離方向の角度を調整してもよい。このように基板保持部に搬送する前に剥離方向を予め適正化することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、基板の表面に当接する粘着部材をパターンの向きに対して非直角な方向に剥離させているので、優れた付着物の除去率およびダメージ抑制性能を安定的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明にかかる基板処理装置の第1実施形態を示す図である。
【図2】図1に示す装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す基板処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】図1に示す基板処理装置の動作を模式的に示す図である。
【図5】パターンに対する剥離方向とパーティクルとの関係を模式的に示す図である。
【図6】パターンに対する角度に対する除去率およびダメージ個数の実測結果を示す図である。
【図7】本発明にかかる基板処理装置の第2実施形態を示す図である。
【図8】図7に示す基板処理装置に装備されるアライメント部の構成を示す図である。
【図9】図7に示す基板処理装置の電気的な構成を部分的に示すブロック図である。
【図10】図7に示す基板処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明にかかる基板処理装置の第1実施形態を示す図であり、同図(a)は基板処理装置の平面図であり、同図(b)は基板処理装置の側面図である。また、図2は、図1に示す装置の電気的構成を示すブロック図である。なお、図1においては、水平面をX−Y面とし、鉛直方向をZ軸方向とする3次元座標系X−Y−Zが定義されている。この基板処理装置は、基板Wの表面Wfに対して粘着ベルトを当接させた後で当該粘着ベルトを剥離して基板表面Wfからパーティクル(汚染物質)を除去するものである。
【0016】
この基板処理装置では、回転モーター2の回転軸21が鉛直方向Zの上方に延び、その回転軸21の上端に円形の保持テーブル3が固着され、保持テーブル3の上面で基板Wの裏面全体を支持可能となっている。そして、装置全体を制御する制御部4からの回転指令に応じて回転モーター2が作動すると、回転中心軸A0を中心に保持テーブル3が回転する。また、本実施形態では、回転モーター2の回転量(あるいは回転角や回転位置)を計測するエンコーダー22(図2)が設けられており、エンコーダー22の出力に基づいて制御部4は保持テーブル3に保持される基板Wの回転位置を正確に算出する。
【0017】
また、回転軸21の軸心には、鉛直方向Zに保持テーブル3の底面中央にまで延びる配管23が形成される。一方、保持テーブル3では、保持テーブル3の底面中央から保持テーブル3の内部に配管が延びるとともに、その配管の上端部から複数の配管が水平方向に放射状に分岐し、さらに各分岐配管から複数の配管が保持テーブル3の上面に延びている。こうして、保持テーブル3の内部に配管31が形成され、保持テーブル3の上面では、複数の開口32が放射状に形成されている。そして、回転モーター2の回転軸21と保持テーブル3とが相互に連結されると、図1(b)に示すように、配管23の上端部が回転軸21と保持テーブル3の連結部で配管31と連通される。
【0018】
この配管23の下端部には圧力調整機構5が接続されている。この圧力調整機構5は、配管23に対して負圧を与えて保持テーブル3の上面に載置される基板Wを吸引保持する負圧供給系と、配管23に対して正圧を与えて基板Wの吸引保持を解除する正圧供給系とを有している。この負圧供給系では、負圧源として機能する吸引ポンプ51が開閉弁52を介して配管23に接続されており、制御部4からの制御指令に応じて吸引ポンプ51が作動するとともに開閉弁52が開成されると、吸引ポンプ51が配管23内を排気して、配管23に繋がる配管31内が減圧される。これによって保持テーブル3の上面に載置された基板Wが吸引保持される。一方、正圧供給系では、正圧源として工場の用力のひとつである窒素ガス供給源53が開閉弁54を介して配管23に接続されており、制御部4からの制御指令に応じて開閉弁54が開成されると、窒素ガスが配管23、31内に圧送されて基板Wの吸引保持が解除される。このように本実施形態では、負圧を利用して基板Wを保持テーブル3に保持するように構成しているが、保持方式はこれに限定されるものではない。
【0019】
また、本実施形態では、基板昇降機構6が設けられている。この基板昇降機構6は、水平に配置された環状のフレーム61と、このフレーム61に同心円状に配置された複数のリフトピン62と、フレーム61を昇降させるソレノイドなどのピン昇降機構63とを備えている。複数のリフトピン62は、保持テーブル3に設けられた複数の貫通孔33を下方から臨むように形成されている。そして、制御部4からの上昇指令に応じてピン昇降機構63が伸張すると、フレーム61が上昇し、これに伴ってリフトピン62が貫通孔33を下方から貫通してリフトピン62の先端部が保持テーブル3の上面から鉛直方向Zの上方に突き出る(後で説明する図4(c)参照)。これによって、保持テーブル3の鉛直方向Zの上方に設定された基板受渡位置で未処理基板Wを受け取り可能となっている。そして、基板Wを受け取った後、制御部4からの下降指令に応じてピン昇降機構63が収縮することで、基板Wが保持テーブル3の上面に移載される。また、制御部4からの上昇指令に応じてピン昇降機構63が再度伸張すると、リフトピン62が上昇して保持テーブル3に保持されている基板Wを基板受渡位置に持ち上げる。
【0020】
保持テーブル3の鉛直方向Zの上方位置では、洗浄ヘッド7がX方向に往復自在に設けられている。この洗浄ヘッド7はX方向に往復移動自在なヘッド本体71を有しており、制御部4からの移動指令に応じてヘッド駆動機構76(図2)がヘッド本体71をX方向に移動させる。このヘッド本体71の内部では、粘着テープ供給部72およびテープ回収部73がヘッド本体71に対して着脱自在となっており、装着状態では図1(b)に示すように粘着面を下方に向けた状態で粘着テープTが粘着テープ供給部72から送り出される一方、次に説明するようにして基板表面Wfの付着物除去に使用された粘着テープTについてはテープ回収部73で巻き取られる。
【0021】
これら粘着テープ供給部72およびテープ回収部73の回転中心位置72a、73aよりも鉛直方向Zの下方側では、粘着テープ供給部72から送り出されしかもテープ回収部73で巻き取られていない粘着テープTの上面(非粘着面)に対して貼付け/剥離ローラ74が当接しながら押圧部材75によって下方側に押し下げられている。これによって、貼付け/剥離ローラ74に巻き掛けられた粘着テープTの粘着面がヘッド本体71の底面よりも下方に突出している。そして、このままの状態で制御部4からの移動指令によってヘッド本体71が(−X)方向に移動すると、貼付け/剥離ローラ74が粘着テープTを介して保持テーブル3に保持される基板Wの表面Wfに当接して粘着テープTが貼り付けられる。これによって基板Wの表面Wf上のパーティクルなどの付着物は粘着テープTに貼り付く。また、その貼付直後には、粘着テープTは基板表面Wfに沿って剥離される。このように粘着テープTがX方向に剥離されることによって基板表面Wf上の付着物が粘着テープTに移動して基板表面Wfから除去される。そして、こうして付着物を粘着除去した粘着テープTはテープ回収部73に回収される。なお、本実施形態では、ヘッド本体71の移動に伴って貼付け/剥離ローラ74が基板Wの表面Wfに対して従動回転し、粘着テープ供給部72も従動回転するとともに、テープ回収部73も回転するように構成しているが、粘着テープ供給部72およびテープ回収部73の回転軸にモーターを連結して粘着テープTの送り出しおよび回収を能動的に制御してもよい。
【0022】
また、ヘッド本体71の(−X)方向側の側面には、CCDカメラなどの撮像部81が取り付けられており、保持テーブル3に保持された基板Wの表面Wfを上方より撮像可能となっている。そして、撮像部81により撮像された画像は画像処理部82に送られ、画像処理部82が撮像部81からの画像信号に対して所定の画像処理を加えて得られる画像データを制御部4に与える。
【0023】
制御部4は、各種演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)41および洗浄処理を行うためのプログラムや各種データを記憶するメモリ42を有しており、上記プログラムにしたがって装置各部を制御することで次に説明するようにして基板Wの表面Wf上の付着物を除去して基板Wを洗浄する。
【0024】
図3は図1に示す基板処理装置の動作を示すフローチャートである。図4は図1に示す基板処理装置の動作を模式的に示す図である。この基板処理装置では、洗浄ヘッド7が保持テーブル3の上方空間から(+X)方向に離れた待機位置P1に位置決めされるとともにリフトピン62を突き出した状態で、未処理基板Wが搬送ロボット(図示省略)により装置の基板受渡位置に搬送され、リフトピン62の先端上に載置される(ローディング)。すると、制御部4はリフトピン62を下降させて基板Wを保持テーブル3の上面に移動させた後、吸引ポンプ51を作動させるとともに開閉弁52を開成して基板Wの裏面を吸引して保持テーブル3に吸着保持する(ステップS11)。これによって、基板Wは洗浄位置に位置決めされ、保持される。
【0025】
この段階では、搬送ロボットによって搬送されてきた基板Wを単に保持テーブル3に移載したに過ぎないため、基板Wの表面に形成されているパターンの向きは統一されていない。この種の基板Wでは、パターンは基板Wに予め設定された基準部に対して所定の位置関係をもって形成される。例えば半導体ウエハは半導体素子の動作に適した結晶構造が得られるようにスライスされており、結晶方位によって決まる半導体ウエハの外周縁部の位置に、いわゆるノッチと称される切欠部が基準部として形成されている。そして、ノッチに対して所定の位置関係でパターンが半導体ウエハの表面Wfに形成されている。そこで、本実施形態では、ステップS12〜S14を実行して本発明の「基準部」に相当するノッチを検出することで保持テーブル3に保持される基板Wの表面Wfに形成されているパターンの向きを求める。なお、「パターンの向き」とはパターンの特徴を示すものであり、本明細書では剥がし洗浄と最も関連する特徴のひとつであるパターンの延設方向を意味している。この点については、後で図5を参照しつつ説明する。
【0026】
ステップS12では、制御ユニット4はヘッド駆動機構76によって待機位置P1の洗浄ヘッド7をノッチ検出位置P2に移動させて位置決めする。これによって、図4(a)に示すように、撮像部81が保持テーブル3に保持された基板Wの外周縁の上方に位置する。そして、制御ユニット4は回転モーター2を作動させて基板Wを1周以上回転させ、その回転中に撮像部81により撮像され、画像処理部82で所定の画像処理されることで得られる基板表面Wfの周縁画像を示す画像データを基板Wの回転位置(あるいは回転角)と関連付けながらメモリ42に記憶し、基板表面Wfの全周縁画像を取得する(ステップS13)。
【0027】
こうして取得した全周縁画像にはノッチを示す画像が含まれるため、制御ユニット4はメモリ42に記憶された画像データに基づいてノッチ位置を検出する(ステップS14)。これにより、制御ユニット4は、保持テーブル3に対する基板Wの保持姿勢、つまりノッチが水平方向のどの方位を向いて基板Wが保持されているのかを正確に把握することができるとともに、それに基づいてノッチ位置検出時点でのパターンの向きも正確に把握することができる。なお、ノッチ位置の検出方法については、従来より多用されているもので採用することができ、ここでは、その詳細説明を省略する。
【0028】
次のステップS15では、制御ユニット4はノッチ位置に対応する回転量だけ基板Wを回転中心軸A0回りに回転させてパターンの向きを剥離方向Xに対して適正化する。この実施形態では、パターンの向きが剥離方向Xに対してほぼ平行となるように基板Wが位置決めされる。それに続いて、制御ユニット4は、図4(b)に示すように、ヘッド駆動機構76によって洗浄ヘッド7をノッチ検出位置P2から(−X)方向に移動させて粘着テープTによる貼り剥がし洗浄を行う(ステップS16)。
【0029】
そして、図4(c)に示すように、洗浄ヘッド7の貼付け/剥離ローラ74が基板Wの表面Wfを通過して貼り剥がし洗浄が完了すると、制御ユニット4は洗浄ヘッド7の移動を停止する。さらに、制御ユニット4は吸引ポンプ51の作動を停止するとともに開閉弁52、54をそれぞれ「閉成状態」および「開成状態」に切り替えて基板Wの吸引保持を解除した後、ピン昇降機構63によってリフトピン62を上昇させる。これによって、貼り剥がし洗浄を受けた基板Wが保持テーブル3から受渡位置に持ち上げられ(ステップS17)、搬送ロボットによって次の基板処理装置に搬送される。
【0030】
こうして基板Wが搬出されると、制御ユニット4は洗浄ヘッド7を待機位置P1まで戻し、次の基板Wが受渡位置に搬送されてくるのを待って、上記した一連の処理を繰り返す。
【0031】
以上のように、第1実施形態によれば、基板Wの表面Wfに対する粘着テープTによる貼り剥がし洗浄を行う前に、ノッチ検出時点でのパターンの向きに基づいて基板Wを回転させてパターンの向きが剥離方向Xと平行となるように、パターンの向きと剥離方向との相対的な方向関係を適正化している。したがって、パターンに対するダメージを抑制しつつパーティクルなどの付着物を優れた除去率で安定して取り除くことができる。これは次の理由からであると考察される。
【0032】
図5は、パターンに対する剥離方向とパーティクルとの関係を模式的に示す図である。例えば半導体基板や液晶ガラス基板などの基板Wの表面Wfには、同図に示すように、ラインアンドスペースなどの代表的なパターンPNが数多く形成されており、基板Wの表面Wfからパーティクルなどの付着物CTを貼り剥がし洗浄する際に、これらのパターンPNが障壁となることがある。特に、同図(b)に示すように、基板表面Wfに当接した粘着テープTなどの粘着部材を剥離させる際の剥離方向(同図の実線矢印)DRがパターンPNの延設方向(白抜き矢印方向)DPに対して直交している場合には、粘着部材の剥がし動作による付着物CTの移動先にパターンPNが壁となって立ちはだかり、付着物CTを除去するためには付着物CTがパターンPNを乗り越えるように移動させる必要がある。これに対し、同図(a)に示すように、パターンPNの向きDPに対して剥離方向DRが平行となっている場合には、パターンPNが付着物CTの移動の障壁となることはなく、付着物CTをパターンPTに沿って移動させることができる。したがって、パターンPNの向きDPに対する剥離方向DRの角度(以下「パターンに対する角度」と称する)θが90゜からゼロに近づくほど、付着物CTの除去率は高まり、しかもパターンPNに与えるダメージも低減させることができる。
【0033】
また、このような考察に基づきラインアンドスペースを有する基板について、パターンに対する角度θを3段階(0゜、45゜、90゜)に設定して貼り剥がし洗浄を行ったところ、上記考察と同様の傾向を示す結果(図6(a))が得られた。ここでは、以下の基板、
<基板>
基板材質および平面寸法:シリコン基板、縦30×横20[mm]
基板平均厚さ:0.75[mm]
パターン(ライン)の高さ:152[nm]
を複数枚準備し、上記3種類の角度θで粘着部材(中興化成工業株式会社製の商品名「チューコーフローフッ素樹脂粘着テープASF−110FR」)を用いて貼り剥がし洗浄を行い、パーティクル除去効率(Particle Removal Efficiency:PRE)およびダメージ個数を実測した。
【0034】
また、角度θがパーティクル除去効率およびダメージ抑制に及ぼす影響を詳しく検証するために、角度θを5段階(0゜、20゜、45゜、70゜、90゜)に増やし、各角度で上記した貼り剥がし洗浄を行った。そして、各角度について、8視野の観察を行い、パーティクル除去効率およびダメージ個数を実測した。その結果をまとめたものが図6(b)である。
【0035】
上記考察および実測結果からわかるように、パターンの向きと剥離方向との相対的な方向関係を適正化することは、除去率の向上およびダメージ抑制性能を高める上で重要である。すなわち、粘着部材を基板の表面に沿ってパターンの向きに対して非直角な方向に剥離させるのが望ましい。また、本発明の「パターンの向きに対する粘着部材の剥離方向の角度」に相当する角度θを70゜以下に調整するのがより望ましく、さらに言えば、20゜以下とするのが好適である。
【0036】
また、上記実施形態では、基板Wを保持テーブル3で保持したままノッチを検出し、ノッチ検出位置に基づいてパターンの向きと剥離方向との関係を適正化している。つまり、保持テーブル3に基板Wが保持された状態のまま一連の処理を実行しているので、短いタクトタイムで基板の貼り剥がし洗浄を安定して行うことができる。
【0037】
このように本実施形態では、撮像部81が本発明の「検出手段」として機能している。また、洗浄ヘッド7が本発明の「洗浄部」に相当している。また、保持ステージ3が本発明の「基板保持部」に相当し、この保持ステージ3を回転する回転モーター2が本発明の「回転部」に相当している。
【0038】
ところで、上記第1実施形態では、保持テーブル3で基板Wを保持したまま一連の処理を実行する基板処理装置に対して本発明を適用しているが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではなく、貼り剥がし洗浄を行う洗浄ユニットを少なくとも1台以上を有し、これをその他の処理ユニット(搬送ロボット、アライメントユニットなど)と組み合わせた基板処理装置(これを「基板処理システム」と称されることもある)に対しても本発明を適用することができる。ここでは、4台の洗浄ユニットと1台のアライメントユニットを装備する基板処理装置を例示して説明する。
【0039】
図7は、本発明にかかる基板処理装置の第2実施形態を示す図である。また、図8は、図7に示す基板処理装置に装備されるアライメント部の構成を示す図である。さらには、図9は、図7に示す基板処理装置の電気的な構成を部分的に示すブロック図である。この第2実施形態では、収容容器110に収容されている基板Wを取出し、その基板Wの表面Wfに対して貼り剥がし洗浄を施した後、再び収容容器110に戻す。
【0040】
この基板処理装置では、図7に示すように上手側(図7の左手側)にインデクサ部IDが設けられる一方、インデクサ部IDの下手側(図7の右手側)に基板Wの表面Wfに対して貼り剥がし洗浄処理を施すプロセス部PPが設けられている。
【0041】
このインデクサ部IDでは、基板Wを収容するための収容容器110が2個X方向に一列で配置されるとともに、その配列方向Xに沿って従来より多用されている基板搬送ロボット120が移動し、一の収容容器110に収容されている洗浄処理前の基板Wを取り出してプロセス部PPに搬送したり、プロセス部PPから洗浄処理済の基板Wを受け取って収容容器110に収容する。
【0042】
インデクサ部IDの(+Y)側に配置されたプロセス部PPでは、その略中央部にセンターロボット200が配置されている。このセンターロボット200については従来より多用されている基板搬送ロボットと同一構成を有するものを用いることができ、本発明の「基板搬送部」として機能する。また、このセンターロボット200の周囲に、アライメントユニット300および洗浄ユニット400A〜400Dが配設されている。これらのうち洗浄ユニット400A〜400Dは、保持テーブル3を回転させない点およびノッチ画像を撮像しない点を除き、第1実施形態にかかる基板処理装置と同一な基本構成を有しているため、洗浄ユニット400A〜400Dについての構成説明は省略する。一方、アライメントユニット300は基板Wのノッチ位置検出および方向関係を調整する機能を有しており、具体的には以下のように構成されている。
【0043】
アライメントユニット300は、図7に示すように、インデクサ部IDに隣接して配置されている。このため、基板搬送ロボット120およびセンターロボット200のいずれもがアライメントユニット300に対してアクセス可能となっており、収容容器110からの基板Wが基板搬送ロボット120、アライメントユニット300、センターロボット200を経由して各洗浄ユニット400A〜400Dに搬送され、処理後の基板Wが逆の経路で収容容器110に戻される。
【0044】
アライメントユニット300は、図8に示すように、スピンチャック301を有しており、基板表面Wfを上方に向けた水平姿勢で基板Wの下面中央部を保持する。また、スピンチャック301にはチャック回転機構302の回転軸303が連結されており、アライメントユニット300全体を制御する制御ユニット310からの回転指令に応じてチャック回転機構302がスピンチャック301を回転させる。また、チャック回転機構302の回転軸303には、エンコーダー304が接続されて基板Wの回転量や回転位置を示す信号を制御ユニット310に出力する。
【0045】
また、スピンチャック301に保持された基板Wの周縁部に鉛直方向Zの上方に投光部305が配置される一方、鉛直方向Zの下方に受光部306が配置され、基板Wのノッチ(図示省略)が投光部305と受光部306との間に位置したタイミングで受光部306は投光部305からの光を受光してノッチ検出信号を制御ユニット310に出力する。
【0046】
このノッチ検出信号を受け取った制御ユニット310では、CPU311がメモリ312に予め記憶されているプログラムにしたがってチャック回転機構302を後述するように制御してパターンの向きと剥離方向との相対的な位置関係を調整する。
【0047】
なお、図9中の符号307は、基板処理装置を構成する各部を相互に接続するローカルエリアネットワークLANに接続された通信部であり、この通信部307は基板処理装置全体を制御するホストコンピュータや洗浄ユニット400A〜400Dの通信部9との間で各種データなどを通信可能となっている。
【0048】
次に、上記のように構成された基板処理装置の動作について、図7および図10を参照しつつ説明する。図10は、図7に示す基板処理装置の動作を示すフローチャートである。この基板処理装置では、図7の破線矢印AR1に示すように、収容容器110内の未処理基板Wが基板搬送ロボット120によりアライメントユニット300のスピンチャック301に搬送される。このとき、基板搬送ロボット120は基板Wの回転中心とスピンチャック301の回転中心とを一致させながら基板Wをスピンチャック301上に載置する(ローディング)。すると、アライメントユニット300の制御ユニット310は基板Wをスピンチャック301で保持しながらチャック回転機構302による基板Wの回転を開始する(ステップS21)。この回転開始時点で、制御ユニット310は、基板Wの表面Wfに形成されたパターンの向きを把握できていないが、その後、受光部306からノッチ検出信号が出力される(ステップS22で「YES」)と、制御ユニット310は、ノッチが投光部305と受光部306の間に位置していることを把握し、これによってパターンの向きも把握する。また、投光部305および受光部306と、各洗浄ユニット400A〜400Dとの配設位置関係は予め固定されているため、ノッチ検出信号の検出時点で、当該基板Wの表面Wfに形成されたパターンの向きと、当該基板Wの搬送先(洗浄ユニット400A〜400Dのいずれか)における剥離方向と相対的な方向関係も明らかとなる。そこで、制御ユニット310は、ノッチが投光部305と受光部306の間に位置している基板Wをさらに追加回転角度だけ回転させて搬送先での貼り剥がし洗浄に適したパターンの向きに調整して方向関係の適正化を図る(ステップS23)。なお、洗浄ユニット400A〜400Dでは、剥離方向がそれぞれ異なっていることがあるため、例えば各洗浄ユニット400A〜400Dに適した追加回転角度をメモリ312に記憶しておき、搬送先に応じた追加回転角度を読み出して上記適正化処理を行い、第1実施形態と同様に、パターンの向きが剥離方向と平行となるように、パターンの向きと剥離方向との相対的な方向関係を適正化してもよい。
【0049】
そして、センターロボット200により洗浄ユニット400A〜400Dに搬送する段階で、制御ユニット310はスピンチャック301による基板保持を解除する。一方、センターロボット200は、スピンチャック301上に載置されている基板Wを受け取り、指定された洗浄ユニット、例えば図7の破線矢印AR2に示すように洗浄ユニット400Cに搬送し、当該洗浄ユニット400Cの受渡位置に搬送し、リフトピン62上に載置する。
【0050】
このようにして基板Wが移載された洗浄ユニット400Cでは、制御ユニット4がユニット各部を制御して貼り剥がし洗浄処理を実行する。すなわち、制御部4はリフトピン62を下降させて基板Wを保持テーブル3の上面に移動させた後、吸引ポンプ51を作動させるとともに開閉弁52を開成して基板Wの裏面を吸引して保持テーブル3に吸着保持する(ステップS24)。これによって、基板Wは洗浄位置に位置決めされる。なお、第2実施形態では、既にアライメントユニット300においてパターンの向きと剥離方向Xとの相対的な方向関係が適正化されているため、直ちに貼り剥がし洗浄処理を実行する(ステップS25)。つまり、制御ユニット4はヘッド駆動機構76によって洗浄ヘッド7を待機位置P1から(−X)方向に移動させて粘着テープTによる貼り剥がし洗浄を行う。
【0051】
そして、洗浄ヘッド7の貼付け/剥離ローラ74が基板Wの表面Wfを通過して貼り剥がし洗浄が完了すると、制御ユニット4は洗浄ヘッド7の移動を停止する。さらに、制御ユニット4は吸引ポンプ51の作動を停止するとともに開閉弁52、54をそれぞれ「閉成状態」および「開成状態」に切り替えて基板Wの吸引保持を解除した後、ピン昇降機構63によってリフトピン62を上昇させる。これによって、貼り剥がし洗浄を受けた基板Wが保持テーブル3から受渡位置に持ち上げられる(ステップS26)。
【0052】
センターロボット200は受渡位置に位置決めされた処理済みの基板Wを受け取り、図7の破線矢印AR3に示すようにアライメントユニット300のスピンチャック301上に載置する。また、この基板Wを基板搬送ロボット120が受け取り、図7の破線矢印AR4に示すように収容容器110に戻す。
【0053】
以上のように、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、各洗浄ユニット400A〜400Dでの貼り剥がし処理を行う前に、アライメントユニット300でノッチ検出時点より基板Wを所定角度だけ回転させてパターンの向きが剥離方向Xと平行となるように、パターンの向きと剥離方向との相対的な方向関係を適正化している。したがって、パターンに対するダメージを抑制しつつパーティクルなどの付着物を優れた除去率で安定して取り除くことができる。
【0054】
このように第2実施形態では、スピンチャック301が本発明の「回転保持部」に相当し、投光部305および受光部306が本発明の「検出部」に相当しており、これらによって本発明の「検出手段」が構成されている。
【0055】
また、第2実施形態では、貼り剥がし洗浄処理を洗浄ユニット400A〜400Dで行っている間に、次の基板Wについて方向関係の適正化処理をアライメントユニット300で並行して行っているため、装置全体としてスループットを向上させることができる。
【0056】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、粘着テープTの剥離方向を固定化する一方、パターンの向きを剥離方向と平行となるように基板Wを回転させて相対的な方向関係の適正化を図っているが、基板Wの回転中心軸A0を中心に洗浄ヘッド7をヘッド回動機構によって回動させることで剥離方向を変更し、上記適正化を図ってもよい。もちろん、基板Wの回転と剥離方向の変更とを組み合わせて上記適正化を図ってもよい。
【0057】
また、上記第2実施形態では、投光部305と受光部306を用いた、いわゆる透過方式によりノッチ位置を検出しているが、反射方式でノッチ位置を検出してもよく、この反射方式については第1実施形態にも適用可能である。また、第1実施形態で採用したノッチ検出方法を第2実施形態に適用してもよい。
【0058】
また、上記第2実施形態では、スピンチャック301で保持したまま、ノッチ検出と基板回転による剥離方向に対するパターンの向きの調整とを実行しているが、ノッチ検出を行うユニットと、パターンの向きの調整を行うユニットとを分離してもよい。例えば第2実施形態において、アライメントユニットの代わりに、ノッチ検出のみを行うノッチ検出ユニットを設け、ノッチ検出ユニットで検出されたノッチ位置に関する情報がローカルエリアネットワークLANを介して洗浄ユニットに与えられ、洗浄ユニットでパターンの向きの調整を行った上で貼り剥がし洗浄処理を実行するように構成してもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、基板Wの外周縁部に形成されたノッチを本発明の「基準部」として用いているが、パターンと所定の位置関係で基板Wに形成されているもの、例えば基板Wに付されるナンバリング、特定パターンなどを本発明の「基準部」として用いることができる。
【0060】
さらに、上記実施形態では、貼付け/剥離ローラ74に巻き掛けられた粘着テープにより貼り剥がし洗浄を行っているが、貼り剥がし洗浄の態様はこれに限定されるものではなく、例えば粘着部材として粘着シートを用いて貼り剥がし洗浄を行う装置や方法にも本発明を適用することができる。また、粘着部材を基板表面に貼る機構と、粘着部材を基板表面に沿って剥ぎ取る機構とを分離して設けた場合にも、本発明を適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板などの基板の表面に対して貼り剥がし洗浄を行う基板処理装置および方法に適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
2…回転モーター(回転部)
3…保持テーブル(基板保持部)
4…制御ユニット(制御部)
7…洗浄ヘッド(洗浄部)
81…撮像部(検出手段)
200…センターロボット(基板搬送部)
300…アライメントユニット(検出手段)
301…スピンチャック(回転保持部、検出手段)
305…投光部(検出部、検出手段)
306…受光部(検出部、検出手段)
DR…剥離方向
T…粘着テープ(粘着部材)
W…基板
Wf…(基板の)表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の基準部に対して所定の位置関係でパターンが形成された前記基板の表面を洗浄する基板処理装置であって、
前記基板を保持する基板保持部と、
前記基板保持部に保持される前記基板の表面に粘着部材を当接させ、前記粘着部材を前記基板の表面に沿って前記パターンの向きに対して非直角な方向に剥離させて前記基板の表面を洗浄する洗浄部と
を備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記パターンの向きに対する前記粘着部材の剥離方向の角度は70゜以下である請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記基準部を検出する検出手段と、
前記検出手段により前記基準部が検出された時点での前記パターンの向きに基づいて前記粘着部材の剥離方向の変更および前記基板の回転のうちの少なくとも一方を行うことで、前記パターンの向きに対する前記粘着部材の剥離方向の角度を調整する制御部と
を備える請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記基板が前記基板保持部で保持された状態で前記基準部を検出する請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記基板保持部を回転させる回転部をさらに備え、
前記洗浄部は前記粘着部材の剥離方向を固定化し、
前記制御部は前記回転部を制御することで前記基板保持部に保持された前記基板を回転させて前記パターンの向きに対する前記粘着部材の剥離方向の角度を調整する請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記洗浄部は前記粘着部材の剥離方向を変更自在に構成され、
前記制御部は前記洗浄部を制御することで前記粘着部材の剥離方向を変更させて前記パターンの向きに対する前記粘着部材の剥離方向の角度を調整する請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記検出手段から前記基板保持部に前記基板を搬送する基板搬送部をさらに備える請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記検出手段は、前記基板を保持して回転する回転保持部と、前記回転保持部に保持された前記基板の前記基準部を検出する検出部とを有し、
前記制御部は、前記基板搬送部による前記基板保持部への基板搬送前に、前記回転保持部を制御することで前記回転保持部に保持された前記基板を回転させて前記パターンの向きに対する前記粘着部材の剥離方向の角度を調整する請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
基板の基準部に対して所定の位置関係でパターンが形成された前記基板の表面を洗浄する基板処理方法であって、
前記基板を基板保持部に保持させる保持工程と、
前記基板保持部に保持された基板の表面に粘着部材を当接させる当接工程と、
前記粘着部材を前記基板の表面に沿って前記パターンの向きに対して非直角な方向に剥離させて前記基板の表面を洗浄する剥離工程と
を備えることを特徴とする基板処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−84884(P2013−84884A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−58247(P2012−58247)
【出願日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】