説明

基板処理装置及び半導体装置の製造方法

【課題】基板搬送に要する時間を短縮することができる基板処理装置及び半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】ウエハ14は、先端側へ押し込む把持体126と先端側エッジグリップ110とで挟まれ固定される固定位置で保持される。ウエハ14がツイーザ56上にある移載工程において、ウエハ14は毎回同じ位置である固定位置に保持されるため、ツイーザ56上での位置ずれが矯正される。また、ツイーザ56上でウエハ14が挟まれるようにして保持されているため、ツイーザ56上のウエハ14の移動や落下等を防止でき、搬送動作速度を上げることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置では、基板が搬送される過程においてこの基板が所定の載置位置からずれ、その結果、基板の破損あるいは基板処理装置の停止等の不具合が生じるおそれがある。このため、従来の基板処理装置は、ウエハアライメント装置(アライナ)を用いて、基板が所定の載置位置となるように正し、また、搬送過程中の基板の位置ずれを防止するために、基板を低速で搬送していた。
【0003】
特許文献1では、透過率の高い基板でも正確に検知し、基板検知素子の配設空間を容易に確保し、基板検知素子と基板搬送先との干渉を防止するために、静電容量の変化を検出するウエハ検知部と、電界シールドとなる導体を有する基板処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−31246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術においては、基板搬送シーケンス中に基板をアライメントする工程が入り、さらに、基板を低速で搬送する必要があるため、基板搬送工程に多くの時間がかかるという問題があった。
【0006】
本発明は、基板搬送に要する時間を短縮することができる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の特徴とするところは、基板を搬送する移載機と、前記移載機に前記基板を保持する保持部と、前記移載機に保持された前記基板の有無を前記保持部の動作に基づいて検知する1つの検知器とを有する基板処理装置にある。
【0008】
好適には、前記移載機上に存在する基板の有無を、超音波を用いて検知する超音波検知器をさらに有する。
【0009】
本発明の第2の特徴とするところは、基板を搬送する移載機に基板を載置する第1の工程と、前記移載機に載置した基板を保持する第2の工程と、前記移載機に保持された基板の有無を、基板を保持する動作に基づいて検知する第3の工程と、前記移載機上に存在する基板の有無を検知する第4の工程と、前記第3の工程で前記移載機に保持された基板が無いと検知し、前記第4の工程で前記移載機上に存在する基板が有ると検知した場合に、基板の搬送を中止する第5の工程と、を有する半導体装置の製造方法にある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、基板搬送に要する時間を短縮することができる基板処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態が適用される基板処理装置を示す斜透視図である。
【図2】本発明の一実施形態が適用される基板処理装置を示す側面図である。
【図3】本発明の一実施形態が適用される基板処理装置を示す上面図である。
【図4】本発明の一実施形態に用いられるウエハ移載装置52の斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に用いられるウエハ移載装置52の正面図である。
【図6】本発明の一実施形態に用いられるツイーザ56及びその周辺構造の概略図を示す。図6(a)は、ツイーザ56及び連結部106の上面図であり、図6(b)は、ツイーザ56の側面図である。
【図7】本発明の一実施形態が適用される基板処理装置を制御する主制御部134及びその主要部の構成のブロック図を示す。
【図8】本発明の一実施形に用いられるツイーザ上センサ130の構成を説明する説明図である。図8(a)は、把持体126が退避位置にある場合であり、図8(b)は、把持体126が保持位置にある場合であり、また、図8(c)は、把持体が延伸位置にある場合を示す。
【図9】本発明の一実施形に用いられるツイーザ上センサ130の構成を説明する説明図である。図9(a)は、把持体126が退避位置にある場合であり、図9(b)は、把持体126が保持位置にある場合であり、また、図9(c)は、把持体が延伸位置にある場合を示す。
【図10】本発明の一実施形態に用いられるウエハ移載装置52によるウエハ搬送動作のシーケンスである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の一実施形態にかかる基板処理装置10は、例えば、半導体装置の製造方法における処理工程を実施する半導体製造装置として構成されている。
図1乃至図3を用いて、基板処理装置10の全体構成の概略について説明する。図1は、本発明の一実施形態としての基板処理装置10の斜透視図を示し、図2は、基板処理装置10の側面透視図を示す。図3は、基板処理装置10の上面図を示す。
【0013】
この基板処理装置10は、バッチ式縦型半導体製造装置であり、主要部が配置される筺体12を有する。基板処理装置10には、例えばシリコンからなる基板としてのウエハ14を収納した基板収容器としてのフープ(以下、ポッドという)16が、ウエハキャリアとして使用される。
【0014】
筺体12の正面壁12aには、ポッド搬入搬出口18が筺体12の内外を連通するように開設されており、このポッド搬入搬出口18はフロントシャッタ20によって開閉されるようになっている。ポッド搬入搬出口18の正面前方側には、ロードポート22が設置されており、このロードポート22はポッド16が載置され位置合わせを行うように構成されている。ポッド16は、図示しない工程内搬送装置とロードポート22との間で授受される。
【0015】
筺体12内の前後方向の略中央上部には、回転式ポッド棚24が設置されており、この回転式ポッド棚24は複数個のポッド16を保管するように構成されている。回転式ポッド棚24は、垂直に立設され水平面内で間欠回転される支柱26と、この支柱26に例えば上下3段の各位置において放射状に支持された複数枚の棚板28とを備えており、この棚板28はそれぞれ、ポッド16を複数個載置した状態で保持するように構成されている。
【0016】
筺体12内におけるロードポート22と回転式ポッド棚24との間には、ポッド搬送装置30が設置されており、このポッド搬送装置30は、ポッド16を保持したまま昇降可能なポッドエレベータ30aと、ポッド搬送機構30bとで構成されている。ポッド搬送装置30は、ポッドエレベータ30aとポッド搬送機構30bとの連続動作により、ロードポート22、回転式ポッド棚24及び後述するポッドオープナ36との間で、ポッド16を搬送するように構成されている。
【0017】
筺体12内の前後方向の略中央下部には、サブ筺体32が後端にわたって構築されている。サブ筺体32の正面壁32aには、ウエハ14をこのサブ筺体32内に対して搬入搬出するための第1のウエハ搬入搬出口34が、例えば一対垂直方向に上下2段に並べて開設されており、上下段の第1のウエハ搬入搬出口34、34には一対のポッドオープナ36、36がそれぞれ設置されている。
【0018】
ポッドオープナ36は、ポッド16を載置する載置台38、38と、ポッド16のキャップ(蓋体)を着脱するキャップ着脱機構40、40とを備えている。ポッドオープナ36は、載置台38に設置されたポッド16のキャップをキャップ着脱機構40によって着脱することにより、ポッド16のウエハ出し入れ口を開閉するように構成されている。
【0019】
サブ筺体32は、ポッド搬送装置30や回転式ポッド棚24の設置空間から流体的に隔絶された移載室42を構成している。移載室42の前側領域にはウエハ移載機構50が設置されており、このウエハ移載機構50は、ウエハ14を水平方向に回転または直動可能なウエハ移載装置52及び、ウエハ移載装置52を昇降させるためのウエハ移載装置エレベータ54とで構成されている。これら、ウエハ移載装置52及びウエハ移載装置エレベータ54の連続動作により、ウエハ移載装置52のツイーザ56をウエハ14の載置部として、基板保持具であるボート60に対してウエハ14を装填(チャージング)及び脱装(ディスチャージング)するように構成されている。
【0020】
ボート60は、複数本の保持部材を備えており、複数枚(例えば50〜125枚程度)のウエハ14をその中心に揃えて垂直方向に整列された状態で、それぞれ水平に保持するように構成されている。
【0021】
移載室42のウエハ移載装置エレベータ54と対向する反対側には、清浄化した雰囲気もしくは不活性ガスであるクリーンエア62を供給するよう供給ファン及び防塵フィルタで構成されたクリーンユニット64が設置されている。また、このクリーンユニット64とウエハ移載装置52との間には、ウエハ14の円周方向の位置を整合させる基板整合装置としてのノッチ合わせ装置66が設置されている。
【0022】
クリーンユニット64から吹き出されたクリーンエア62は、ウエハ移載装置52及びノッチ合わせ装置66に流通された後、図示しないダクトに吸い込まれ、筺体12の外部に排気されるか、もしくは、クリーンユニット64の吸い込み側である一次側(供給側)にまで循環され、再びクリーンユニット64によって、移載室42内に吹き出されるように構成されている。
【0023】
移載室42の後側領域には、大気圧未満の圧力(以下、負圧という)を維持可能な、気密機能を有する筺体(以下、耐圧筺体という)70が設置されており、この耐圧筺体70により、ボート60を収容可能な容積を有するロードロック方式の待機室であるロードロック室72が形成されている。
【0024】
耐圧筺体70の正面壁70aには、ウエハ14が搬入搬出される第2のウエハ搬入搬出口74が開設されており、この第2のウエハ搬入搬出口74はゲートバルブ76によって開閉されるようになっている。耐圧筺体70の一対の側壁には、ロードロック室72へ不活性ガスである例えば窒素ガスを給気するためのガス供給管78と、このロードロック室72を負圧に排気するための排気管80とがそれぞれ接続されている。
【0025】
ロードロック室72上方には、処理炉82が設けられている。処理炉82の下端部は炉口ゲートバルブ84により開閉されるように構成されている。耐圧筺体70の正面壁70aの上端部には、炉口ゲートバルブ84を処理炉82の下端部の開放時に収容する炉口ゲートバルブカバー86が取り付けられている。
【0026】
耐圧筺体70には、ボート60を昇降させるためのボートエレベータ88が設置されている。ボートエレベータ88に連結された連結具としてのアーム90には、蓋体としてのシールキャップ92が水平方向に据え付けられており、このシールキャップ92はボート60を垂直に支持し、処理炉82の下端部を閉塞可能なように構成されている。
【0027】
次に、ウエハ移載装置52について詳細に説明する。
図4は、ウエハ移載装置52の斜視図を示し、図5は、ウエハ移載装置52の正面図を示す。
ウエハ移載装置52は、ロータリーアクチュエータ100と、このロータリーアクチュエータ100の上面に設置されたリニアアクチュエータ102と、このリニアアクチュエータ102の上面に設置された移載台104と、この移載台104に連結部106を介して取り付けられたツイーザ56を備える。ロータリーアクチュエータ100は、リニアアクチュエータ102を水平面内で回転させるように構成されている。リニアアクチュエータ102は、移載台104を水平移動させるように構成されている。移載台104には、ウエハ14を下から保持するツイーザ56が複数枚(例えば5枚)、連結部106を介して等間隔に水平に配置されている。
【0028】
ツイーザ56に載置されたウエハ14の下方である、例えば、リニアアクチュエータ102の側面部には、ウエハ移載装置52上のウエハ14の有無を検知する移載装置上センサ108が設けられている。移載装置上センサ108は、ツイーザ56上のウエハ14を一括で監視し、複数枚あるツイーザ56のいずれかにウエハ14が存在すれば、ウエハ14を検出するように構成されている。移載装置上センサ108には、例えば、ウエハ14の表面状態に影響されない反射式の超音波センサを採用することができる。超音波センサは、適度な検出範囲108aを有するため、ウエハピッチが変化しても検出範囲内であればウエハ14を検出可能である。また、超音波センサは、周りに設置された装置等と干渉することもなく、誤った検知が生じにくい。移載装置上センサ108は、例えば、ウエハ移載装置52上にウエハ14が存在するときはON、ウエハ14が存在しないときはOFFとして判断する。
【0029】
次に、ウエハ移載装置52のツイーザ56及びその周辺構造について詳細に説明する。
図6は、ツイーザ56及びその周辺構造の概略図を示す。図6(a)は、ツイーザ56及び連結部106の上面図を示し、図6(b)は、ツイーザ56の側面図を示す。
ツイーザ56は、二股の板状部材により形成され、この上面にウエハ14が載置される。ツイーザ56の二股に分かれた先端側には、ツイーザ56に載置されたウエハ14の先端側の位置決めをする一対の先端側エッジグリップ110が設けられている。また、ツイーザ56の後端側(連結部106側)には、ウエハ14の後端側の位置決めをする後端側エッジグリップ112が設けられている。先端側エッジグリップ110及び後端側エッジグリップ112は、例えば樹脂ブロックからなり、ウエハ14がツイーザ56上から滑り落ちないように、一定の厚みをもつように構成されている。また、ツイーザ56は継手116を有し、この継手116によりツイーザ56は連結部106に取り付けられている。
【0030】
連結部106は、ツイーザ56上に載置されたウエハ14を保持するウエハ保持部120及びツイーザ56上で保持されているウエハ14の有無を検知するツイーザ上センサ130を有する。
【0031】
ウエハ保持部120は、駆動装置としてのエアシリンダ122と、このエアシリンダ122により連結部106からツイーザ56方向に対し伸縮するシャフト124と、このシャフト124の先端に設けられウエハ14を押さえつける把持体126により構成される。
【0032】
エアシリンダ122は、ツイーザ56と隔壁128を隔てて設置されている。このため、処理後のウエハ14からの放熱が隔壁128によって遮断され、熱によるエアシリンダ122の劣化や損傷が防止される。また、エアシリンダ122には、エア導入排出口及びごみ吸い取り口であるクリーンバキュームライン等の配管122aが備えられている。この配管122aは、積み重ねられた上下にあるエアシリンダ122の配管とは反対側の側面に配置される。つまり、配管122aが配置された側面が交互となるように、エアシリンダ122は積み重ねられている。このため、配管や配線等が片側に偏るのを避け、スペースを有効に使用することができる。
【0033】
把持体126は、例えば樹脂ブロックからなり円筒状に形成される。このため、把持体126が設けられているシャフト124が回転した場合でも、この把持体126により押さえつけられたウエハ14への影響が少なくなり、シャフト124の回転を防止するためのガイドを取り付ける等のスペースが不要となる。また、把持体126には、ウエハ14を押さえつける先端部分よりも外径が小さくなっている溝126aが設けられている。
【0034】
ツイーザ56上の先端側エッジグリップ110及び後端側エッジグリップ112と一定の間隔(隙間)をもつ所定位置に載置されたウエハ14は、エアシリンダ122によりシャフト124が伸ばされることで、後端側から把持体126によって押込まれる。押込まれたウエハ14は、ツイーザ56上を先端側方向へ滑り、先端側エッジグリップ110と接触する。このようにして、ウエハ14は、先端側へ押し込む把持体126と先端側エッジグリップ110とで挟まれ固定される固定位置で保持される。ウエハ14が搬送される工程において、ウエハ14は毎回ツイーザ56上の同じ位置である固定位置に保持されるため、ウエハ14の水平方向の位置ずれが矯正される。また、ツイーザ56上でウエハ14が挟まれるようにして保持されているため、ツイーザ56上のウエハ14の移動や落下等を防止でき、搬送動作速度を上げることが可能となる。
【0035】
ツイーザ上センサ130は、例えば、耐熱性の高い透過式ファイバーセンサからなり、このツイーザ上センサ130の投光器130aと受光器130bは、ウエハ保持部120の把持体126を水平方向で挟むように設置されている。ツイーザ上センサ130として透過式ファイバーセンサを用いることで、誤った検知が生じにくくし、さらに、小型化が可能となる。
また、ツイーザ上センサ130としては、磁気式センサやフォトセンサ等を用いることもできる。
【0036】
図7は、基板処理装置10を制御する主制御部134及びその主要部の構成のブロック図を示す。
回転式ポッド棚24、ポッド搬送装置30、ポッドオープナ36及びウエハ移載機構50には、搬送制御部132が電気的に接続されている。この搬送制御部132は、ウエハ14またはポッド16を所望のタイミングにて所定の箇所へ搬送するように制御する構成となっており、基板処理装置10全体を制御する主制御部134に電気的に接続されている。
【0037】
図8及び図9を用いて、連結部106のツイーザ上センサ130がウエハ14を検知する構成について説明する。
図8は、連結部106の上面図を示す。図9は把持体126の斜視図を示す。図8(a)及び図9(a)は、把持体126が退避位置にある場合を示し、図8(b)及び図9(b)は、把持体126がウエハ保持位置にある場合を示し、また、図8(c)及び図9(c)は、把持体126が延伸位置にある場合を示す。
【0038】
把持体126は、エアシリンダ122によるシャフト124の伸縮によって、退避位置、ウエハ保持位置及び延伸位置、これら3つの位置に移動される。退避位置は、ウエハ14が後端側エッジグリップ112と接触する位置(後端側限界位置)にある場合であっても、把持体126が、ウエハ14と接触しない位置である(図8(a)、図9(a)参照)。ウエハ保持位置は、把持体126がウエハ14を押込み、ウエハ14を先端側エッジグリップ110とで挟んでいる状態にある位置である(図8(b)、図9(b)参照)。延伸位置は、把持体126がウエハ14を押し込むことなくシャフト124が伸びきった位置である(図8(c)、図9(c)参照)。把持体126がウエハ14を押しこむことがない場合としては、ウエハ14がツイーザ56上に存在しないとき、あるいは、ウエハ14がツイーザ56上の所定位置に載置されていない(例えば、先端側エッジグリップ110上に乗り上げている)とき等が挙げられる。
【0039】
把持体126が退避位置にある場合、ツイーザ上センサ130の投光器130aから発せられた光136は、把持部126の前方を通過し受光器130bへ到達する。把持体126がウエハ保持位置にある場合、投光器130aから発せられた光136は把持体126によって遮光され、受光器130bまで到達しない。このとき、ツイーザ上センサ130は、ウエハ14がツイーザ56上の固定位置で保持されていると判断する。また、把持体126が延伸位置にある場合、投光器130aから発せられた光136は、把持体126の溝126aを通過し、把持体126遮光されることなく受光器130bへ到達する。このとき、ツイーザ上センサ130は、ウエハ14がツイーザ56上の固定位置で保持されていないと判断する。ツイーザ上センサ130は、例えば、固定位置で保持されているウエハ14が存在するときはON、固定位置で保持されているウエハ14が存在しないときはOFFとして判断する。
このような構成となっているため、把持部126を退避位置及び延伸位置の2箇所で検知する必要がなく、配置するツイーザ上センサ130を1組とすることができる。このため、スペースによる制約を受けにくい。
【0040】
また、ツイーザ上センサ130は、単に遮光されたか否かによって固定位置で保持されているウエハ14の有無を判断するのではなく、はじめ遮光されていない状態から、把持体126がウエハ14を本来押し込む位置に移動することで遮光され、さらに把持体126が延伸位置に移動することで遮光されなくなった場合に、固定位置に保持されたウエハ14が存在しないと判断するようにしてもよい。
あるいは、ツイーザ上センサ130は、遮光した状態が所定時間以上続いた場合に、固定位置に保持されたウエハ14が存在しないと判断するようにしてもよい。
【0041】
さらに、移載装置上センサ108により、ウエハ14の有無が検知されるため、ウエハ14の検出において誤った判断がされにくい。例えば、ウエハ14がツイーザ56上の所定位置以外の場所に存在する場合に、ツイーザ上センサ130がウエハ14を検出しなかったときでも、移載装置上センサ108によってツイーザ56上のウエハ14を検出することができる。
【0042】
図10は、移載室42におけるウエハ搬送のシーケンスを示す。基板処理装置10を構成する各部の動作は制御部134によって制御される。
S10において、ウエハ移載装置52のツイーザ56は、載置台38に載置されウエハ出し入れ口が開放されたポッド16から、ウエハ14をピックアップする。
【0043】
S12において、ツイーザ上センサ130は、ツイーザ56上のウエハ14が固定位置で保持されているかON/OFFの判断をする。判断がONであれば、S16の処理へ進み、判断がOFFであれば、S14の処理へ進む。
【0044】
S14において、移載装置上センサ108は、ウエハ移載装置52上、つまり、所定位置以外にウエハ14が存在するかON/OFFの判断をする。判断がONであれば、異常があるとしてウエハ搬送動作を停止する。判断がOFFであれば、S10の処理に戻る。
なお、ウエハ搬送動作を停止した場合、画像形成装置10の表示部(非図示)にエラーを表示したり、報知部(非図示)から警告音を発したりする等して、外部(操作者等)にその旨を伝達するようにしてもよい。
【0045】
S16において、ツイーザ56は、このツイーザ56上に載置されているウエハ14を、ノッチ合わせ装置66に置く。
【0046】
この際、ウエハ14をノッチ合わせ装置66に置いたことを確認するために、S17において、移載装置上センサ108は、ツイーザ56上にウエハ14が存在するかON/OFFの判断をする。判断がONであれば、異常があるとしてウエハ搬送動作を停止する。判断がOFFであれば、次の工程に進む。
【0047】
S18において、ツイーザ56は、ノッチ合わせ装置66からウエハ14をピックアップする。
【0048】
S20において、ツイーザ上センサ130は、ツイーザ56上のウエハ14が固定位置で保持されているかON/OFFの判断をする。判断がONであれば、S24の処理へ進み、判断がOFFであれば、S22の処理へ進む。
【0049】
S22において、移載装置上センサ108は、ウエハ移載装置52上、つまり、所定位置以外にウエハ14が存在するかON/OFFの判断をする。判断がONであれば、異常があるとしてウエハ搬送動作を停止する。判断がOFFであれば、S18の処理に戻る。
【0050】
S24において、ツイーザ56は、このツイーザ56上に載置されているウエハ14を、ロードロック室72のボート60に置く。
【0051】
この際、ウエハ14をボート60に置いたことを確認するために、S25において、移載装置上センサ108は、ツイーザ56上にウエハ14が存在するかON/OFFの判断をする。判断がONであれば、異常があるとしてウエハ搬送動作を停止する。判断がOFFであれば、次の工程に進む。
【0052】
S26において、ボートエレベータ88は、ウエハ14が載置されたボート60を処理炉82へ搬入する。
【0053】
S28において、ボートエレベータ88は、ウエハ14が載置されたボート60を処理炉82からロードロック室72へ搬出する。
【0054】
S30において、ツイーザ56は、ボート60からウエハ14をピックアップする。
【0055】
S32において、ツイーザ上センサ130は、ツイーザ56上のウエハ14が固定位置で保持されているかON/OFFの判断をする。判断がONであれば、S36の処理へ進み、判断がOFFであれば、S34の処理へ進む。
【0056】
S34において、移載装置上センサ108は、ウエハ移載装置52上、つまり、所定位置以外にウエハ14が存在するかON/OFFの判断をする。判断がONであれば、異常があるとしてウエハ搬送動作を停止する。判断がOFFであれば、S30の処理に戻る。
【0057】
S36において、ツイーザ56は、このツイーザ56上に載置されているウエハ14を、ポッド16に置く。
【0058】
なお、上記実施形態に限らず、S14、S22及びS34において、移載装置上センサ108による判断がOFFである場合、それぞれS10、S18及びS30の処理に戻らず、異常があるとしてウエハ搬送動作を停止するよう制御することもできる。
【0059】
次に、基板処理装置10の動作について説明する。なお、以下の説明において、基板処理装置10を構成する各部の動作は主制御部134によって制御される。
【0060】
ポッド16がロードポート22に供給されると、ポッド搬入搬出口18がフロントシャッタ20によって開放され、ロードポート22上のポッド16は、ポッド搬送装置30によって筺体12の内部へポッド搬入搬出口18から搬入される。
搬入されたポッド16は、回転式ポッド棚24の指定された棚板28へポッド搬送装置30によって自動的に搬送されて受け渡され、一時的に保管された後、棚板28から一方のポッドオープナ36に搬送されて載置台38に移載される。もしくは、搬入されたポッド16は、直接ポッドオープナ36に搬送されて載置台38に移載される。この際、ポッドオープナ36の第1のウエハ搬入搬出口34は、キャップ着脱機構40によって閉じられており、移載室42はクリーンエア62が流通し、クリーンエア62が充満している。例えば、移載室42には、クリーンエア62として窒素ガスが充満することにより、酸素濃度が20ppm以下と、筺体12内部(大気雰囲気)の酸素濃度よりも遥かに低く設定されている。
【0061】
載置台38に載置されたポッド16は、その開口側端面がサブ筺体32の正面壁32aにおける第1のウエハ搬入搬出口34の開口縁辺部に押付けられるとともに、そのキャップがキャップ着脱機構40によって取り外され、ポッド16のウエハ出し入れ口が開放される。また、予め内部が大気圧状態とされていたロードロック室72の第2のウエハ搬入搬出口74がゲートバルブ76の動作により開放されると、ウエハ14は、ポッド16からウエハ移載装置52のツイーザ56によってウエハ出し入れ口を通じてピックアップされる。
【0062】
ポッド16からピックアップされたウエハ14は、ウエハ保持部120によってツイーザ56上に保持され、ツイーザ上センサ130によって固定位置で保持されているかの検知がなされる。
【0063】
ツイーザ上センサ130による判断がONであれば、搬送動作が続行され、ウエハ14は、ウエハ保持部120によりツイーザ56上に保持された状態でノッチ合わせ装置66に搬送される。ウエハ保持部120によってウエハ14の水平方向の位置ずれは矯正されているため、ノッチ合わせ装置66ではウエハ14の周方向を整合すれば足りる。
【0064】
また、ツイーザ上センサ130による判断がOFFであれば、移載装置上センサ108によって、ウエハ移載装置52上のウエハ14の有無が判断される。
この移載装置上センサ108による判断がOFFであれば、再度、ウエハ移載装置52はウエハ14をピックアップするためにポッド16へ向かう。
この移載装置上センサ108による判断がON、つまり、所定位置以外にウエハ14が存在していれば、ウエハ移載装置52によるウエハ14の搬送動作は停止される。
【0065】
ノッチ合わせ装置66で周方向の位置を整合されたウエハ14は、ウエハ移載装置52のツイーザ56によってピックアップされ、ツイーザ上センサ130によって検知される。
【0066】
ここでのツイーザ上センサ130による判断がONであれば、搬送動作を続行し、ウエハ14は、ウエハ保持部120によりツイーザ56上に保持された状態で第2のウエハ搬入搬出口74を通じてロードロック室72に搬入され、ボート60へ移載されて装填(ウエハチャージング)される。ボート60にウエハ14を受け渡したウエハ移載装置52は、ポッド16に戻り、次のウエハ14をボート60に装填する。
【0067】
また、ツイーザ上センサ130による判断がOFFであれば、移載装置上センサ108によって、ウエハ移載装置52上のウエハ14の有無が判断される。
この移載装置上センサ108による判断がOFFであれば、再度、ウエハ移載装置52はウエハ14をピックアップするためにノッチ合わせ装置66へ向かう。
この移載装置上センサ108による判断がON、つまり、所定位置以外にウエハ14が存在していれば、ウエハ移載装置52によるウエハ14の搬送動作は停止される。
【0068】
この一方(例えば上段)のポッドオープナ36における、ウエハ移載装置52によるウエハ14のボート60への装填作業中に、他方(例えば下段)のポッドオープナ34には、回転式ポッド棚24またはロードポート22から、別のポッド16がポッド搬送装置30によって搬送され、ポッドオープナ34によるポッド16の開放作業が同時進行される。
【0069】
予め指定された枚数のウエハ14がボート60に装填されると、第2のウエハ搬入搬出口74がゲートバルブ76によって閉じられ、ロードロック室72は、排気管80から真空排気されることにより、減圧される。
ロードロック室72が処理炉82内の圧力と同圧まで減圧されると、処理炉82の下端部が、炉口ゲートバルブ84によって開放される。このとき、炉口ゲートバルブ84は、炉口ゲートバルブカバー86の内部に搬入されて収容される。
続いて、シールキャップ92がボートエレベータ88のアーム90によって上昇されて、このシールキャップ92に支持されたボート60が、処理炉82内へ搬入(ローディング)される。
【0070】
ローディング後は、処理炉82にてウエハ14に処理が実施される。
処理後は、ボートエレベータ88により、ボート60が引き出され、ロードロック室72内部を大気圧まで復圧させた後、ゲートバルブ76が開かれる。
【0071】
処理炉82から引き出されたボート60に装填されているウエハ14は、ウエハ移載装置52のツイーザ56によってピックアップされ、ツイーザ上センサ130によって検知される。
【0072】
ここでのツイーザ上センサ130による判断がONであれば、ウエハ14の搬送動作が続行され、ウエハ14は、ウエハ保持部120によりツイーザ56上に保持された状態で搬送され、載置台38上のポッド16へ収納される。その後、上述と逆の手順で、ウエハ14及びポッド16は筺体12の外部は払出される。
【0073】
また、ツイーザ上センサ130による判断がOFFであれば、移載装置上センサ108によって、ウエハ移載装置52上のウエハ14の有無が判断される。
この移載装置上センサ108による判断がOFFであれば、再度、ウエハ移載装置52はウエハ14をピックアップするためにボート60へ向かう。
この移載装置上センサ108による判断がON、つまり、所定位置以外にウエハ14が存在していれば、ウエハ移載装置52によるウエハ14の搬送動作は停止される。
【0074】
なお、上記実施形態に限らず、移載装置上センサ108による判断がOFFである場合、異常があるとしてウエハ搬送動作を停止するよう制御することもできる。
【0075】
また、上記実施形態においては、ノッチ合わせ装置62を用いたが、基板の周方向を整合する必要がない場合は、ノッチ合わせ装置62を省略することが可能であり、工程数を減少することができる。
【符号の説明】
【0076】
10 基板処理装置
14 ウエハ
50 ウエハ移載機構
52 ウエハ移載装置
56 ツイーザ
106 連結部
108 ウエハ有無検知センサ
120 ウエハ保持部
122 エアシリンダ
124 シャフト
126 把持体
126a 溝
128 隔壁
130 ウエハ検知センサ
130a 投光器
130b 受光器
136 光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を搬送する移載機と、
前記移載機に前記基板を保持する保持部と、
前記移載機に保持された前記基板の有無を前記保持部の動作に基づいて検知する1つの検知器と
を有する基板処理装置。
【請求項2】
前記移載機上に存在する基板の有無を、超音波を用いて検知する超音波検知器をさらに有する請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
基板を搬送する移載機に基板を載置する第1の工程と、
前記移載機に載置した基板を保持する第2の工程と、
前記移載機に保持された基板の有無を、基板を保持する動作に基づいて検知する第3の工程と、
前記移載機上に存在する基板の有無を検知する第4の工程と、
前記第3の工程で前記移載機に保持された基板が無いと検知し、前記第4の工程で前記移載機上に存在する基板が有ると検知した場合に、基板の搬送を中止する第5の工程と、
を有する半導体装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−283334(P2010−283334A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65448(P2010−65448)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】