説明

基板処理装置

【課題】枚葉式処理装置とバッチ式処理装置との間で基板の連続的かつ効率的な搬送を可能にして、枚葉/バッチ混載処理のスループットを向上させる。
【解決手段】この基板処理装置は、横長のプロセスステーション10をシステム中心部に配置し、その長手方向(X方向)の両端部にローダ12およびアンローダ14を連結している。プロセスステーション10は、ローダ12からアンローダ14に向かってプロセスフローの順に配置された枚葉集中ブロック10A,枚葉/バッチ混載ブロック10Bおよび枚葉集中ブロック10Cから構成されている。中間の枚葉/バッチ混載ブロック10Bには、1台または複数台の枚葉式作用極成膜ユニット36と、1台または複数台の枚葉式グリッド配線成膜ユニット38と、バッチ式熱処理装置40と、バッチ式焼成装置42とが配備されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の表面に微細加工のための処理を施す基板処理装置に係り、特に処理工程毎に基板を各プロセスの処理装置に転送して一連の処理を行う基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体デバイス、FPD(フラット・パネル・ディスプレイ)、太陽電池パネル等の製造ラインでは、一連のプロセスに応じた多種類の処理装置を集約配置して、処理対象の基板(半導体ウエハ、ガラス基板等)をプロセスフローの順に各処理装置に転送して一連の工程処理を行うインラインのシステム形態が多く採られている。特に、一連のプロセスがいずれも基板を1枚ずつ処理する枚葉式のプロセスである場合は、このようなインラインシステムを採用しやすい。すなわち、基板1枚当たりのタクト時間がTSで、各枚葉プロセスPmの所要時間をTmとすると、その枚葉プロセスPmには台数Ni(ただし、Niは自然数であって、Ni≧Tm/TS)の枚葉式処理装置PUmをタクト時間TSの時間差で並列的に稼働させればよい。
【0003】
その点、枚葉式の処理装置とバッチ式の処理装置とを混在させる場合は、プロセス時間や基板搬送形態の著しい違いからインラインシステムの構築が非常に難しい。このため、通常は、すべて枚葉式処理装置で固めた枚葉インラインシステムからバッチ式処理装置を切り離して配置し、枚葉インラインシステムで全ての枚葉処理工程を終えた基板をいったんカセットに収納して搬送車等でバッチ式処理装置へ運び込むようにしている。バッチ式処理装置では、運び込まれたカセットから基板を取り出し、バッチ処理枚数ずつ基板をボートに積め込んで処理室または処理容器(チャンバ)に搬入して、処理容器内で一括的なバッチ処理を施し、バッチ処理の終了後にボートを処理容器から搬出して、処理済みの基板をボートからカセットに移して払い出しするようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−152047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、従来は、枚葉式処理装置とバッチ式処理装置との間で基板を連続的に効率よく搬送する技術が確立されておらず、カセットやバッファなどを介して基板のやりとりを行っており、枚葉処理とバッチ処理とが入り混じった枚葉/バッチ混載処理のスループットを上げるのは非常に困難であった。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するものであり、枚葉式処理装置とバッチ式処理装置との間で基板の連続的かつ効率的な搬送を可能にして、枚葉/バッチ混載処理のスループットを向上させる基板処理装置を提供する。
【0007】
さらに、本発明は、枚葉式処理装置同士およびバッチ式処理装置同士の間でも基板搬送の効率を改善してスループットを向上させる基板処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点における基板処理装置は、連続的に投入される各々の基板に対して、第1の枚葉処理、第1のバッチ処理、第2の枚葉処理および前記第1のバッチ処理と同様の第2のバッチ処理をこの順序で連続的に施す基板処理装置であって、所定のタクト時間のサイクルで前記第1の枚葉処理を繰り返し行う第1の枚葉式処理部と、前記タクト時間のサイクルで前記第2の枚葉処理を繰り返し行う第2の枚葉式処理部と、所定のバッチ処理時間のサイクルで前記第1および第2のバッチ処理を交互に繰り返し行う第1のバッチ式処理部と、前記第1の枚葉処理の済んだ基板を前記第1の枚葉式処理部より1枚ずつ搬出し、前記第1の枚葉式処理部より搬出した基板を前記第1のバッチ式処理部に前記バッチ処理枚数ずつまとめて搬入し、前記第1のバッチ処理の済んだ前記バッチ処理枚数の基板を前記第1のバッチ式処理部よりまとめて搬出し、前記第1のバッチ式処理部より搬出した基板を1枚ずつ前記第2の枚葉式処理部に搬入し、前記第2の枚葉処理の済んだ基板を前記第2の枚葉式処理部より1枚ずつ搬出し、前記第2の枚葉式処理部より搬出した基板を前記第1のバッチ式処理部に前記バッチ処理枚数ずつまとめて搬入し、前記第2のバッチ処理の済んだ前記バッチ処理枚数の基板を前記第1のバッチ式処理部よりまとめて搬出し、前記バッチ式処理部より搬出した基板を後段へ搬送する搬送部とを有する。
【0009】
上記第1の観点の基板処理装置においては、基板が第1の枚葉式処理部→第1のバッチ式処理部→第2の枚葉式処理部→第1のバッチ式処理部→後段(たとえば他の処理部)のルートで転送されながら一連の処理を受ける。すなわち、基板は、第1の枚葉式処理部で第1の枚葉処理を受け、次いで第1のバッチ式処理部で第1のバッチ処理を受け、次いで第2の枚葉式処理部で第2の枚葉処理を受け、次いで第1のバッチ式処理部で第2のバッチ処理を受け、それから後段に送られる。
【0010】
上記搬送部は、第1の枚葉式処理部→第1のバッチ式処理部のインタフェースを行うために、第1の枚葉処理の済んだ基板を第1の枚葉式処理部より1枚ずつ搬出し、その搬出した基板を第1のバッチ式処理部にバッチ処理枚数ずつまとめて搬入する。また、第1のバッチ式処理部→第2の枚葉式処理部のインタフェースを行うために、第1のバッチ処理の済んだバッチ処理枚数の基板を第1のバッチ式処理部よりまとめて搬出してから、その搬出した基板を1枚ずつ第2の枚葉式処理部に搬入する。また、第2の枚葉式処理部→第1のバッチ式処理部のインタフェースを行うために、第2の枚葉処理の済んだ基板を第2の枚葉式処理部より1枚ずつ搬出してから、その搬出した基板を第1のバッチ式処理部にバッチ処理枚数ずつまとめて搬入する。
【0011】
このように、基板を1枚ずつ搬送する枚葉搬送と基板を複数枚ずつ一括搬送するバッチ搬送とを織り交ぜることにより、異なる枚葉式処理装置の間および異なるバッチ式処理装置同士の間だけでなく、枚葉式処理装置とバッチ式処理装置との間でも連続的で効率の良い基板の搬送が可能であり、これによって枚葉/バッチ混載処理のスループットを大きく向上させることができる。
【0012】
また、第1の枚葉処理を終えた基板に対する第1のバッチ処理と第2の枚葉処理を終えた基板に対する第2のバッチ処理とを1台のバッチ式処理装置に兼用させることで、バッチ式処理装置のハードウェアコストを半減できるとともに、電力等の用力を低減することができる。
【0013】
本発明の第2の観点における基板処理装置は、所定のタクト時間のサイクルで連続的に投入される基板に対して所望のバッチ処理を所定のバッチ処理枚数ずつ繰り返し行うバッチ式処理部と、前記バッチ処理のために前記バッチ処理枚数の基板を一列に並べて保持する複数のボートと、前記複数のボートに対して順番に、前記バッチ処理を受ける前の基板をいずれかのボートに前記バッチ処理枚数になるまで1枚ずつ装入するとともに、他のいずれかのボートから前記バッチ処理が済んだ後の基板をそのボートが空になるまで複数枚ずつ取り出す搬送機構と、前記搬送機構と前記バッチ式処理部との間に設けられ、前記複数のボートに対して順番に、前記バッチ処理枚数までの基板の装入が完了したいずれかのボートを前記搬送機構のアクセス可能な位置から前記バッチ式処理部へ移し、前記バッチ処理が済んだ前記バッチ処理枚数の基板を保持している他のいずれかのボートを前記バッチ式処理部から前記搬送機構のアクセス可能な位置へ移すボート移送部とを有する。
【0014】
上記第2の観点における基板処理装置においては、上記搬送機構の枚葉装入/バッチ取り出し機能により、プロセスフローにおいて上流側の枚葉式処理部または枚葉式搬送部から当該バッチ式処理部への基板の搬送と、当該バッチ式処理部から下流側の他のバッチ式処理部またはバッチ式搬送部への基板の搬送とを整合させて連続的かつ効率的に行うことができる。
【0015】
本発明の第3の観点における基板処理装置は、所定の複数枚ずつ投入される基板に対して所望のバッチ処理を所定のバッチ処理枚数ずつ繰り返し行うバッチ式処理部と、前記バッチ処理のために前記バッチ処理枚数の基板を一列に並べて保持する複数のボートと、前記複数のボートに対して順番に、前記バッチ処理を受ける前の基板をいずれかのボートに前記バッチ処理枚数になるまで前記複数枚ずつ装入するとともに、他のいずれかのボートから前記バッチ処理が済んだ後の基板をそのボートが空になるまで1枚ずつ取り出す搬送機構と、前記搬送機構と前記バッチ式処理部との間に設けられ、前記複数のボートに対して順番に、前記バッチ処理枚数までの基板の装入が完了したいずれかのボートを前記搬送機構のアクセス可能な位置から前記バッチ式処理部へ移し、前記バッチ処理が済んだ前記バッチ処理枚数の基板を保持している他のいずれかのボートを前記バッチ式処理部から前記搬送機構のアクセス可能な位置へ移すボート移送部とを有する。
【0016】
上記第3の観点における基板処理装置においては、上記搬送機構のバッチ装入/枚葉取り出し機能により、プロセスフローにおいて上流側のバッチ式処理部またはバッチ式搬送部から当該バッチ式処理部への基板の搬送と、当該バッチ式処理部から下流側の他の枚葉式処理部または枚葉式搬送部への基板の搬送とを整合させて連続的かつ効率的に行うことができる。
【0017】
本発明の第4の観点における基板処理装置は、任意の長さで水平方向に互いに平行に延びる第1および第2の搬送路と、一度に所定枚数の基板を積載する荷台を有し、前記第1の搬送路の一端に設けられる第1の積出位置と、前記第1の搬送路の他端に設けられる第1の荷卸位置との間で前記第1の搬送路上を往復移動可能な第1のシャトルと、一度に前記所定枚数の基板を積載する荷台を有し、前記第2の搬送路の一端に設けられる第2の積出位置と、前記第2の搬送路の他端に設けられる第2の荷卸位置との間で前記第2の搬送路上を往復移動可能な第2のシャトルと、前記第1および第2の積出位置にアクセス可能に設けられ、第1のエリア内で基板を搬送するための1つまたは複数の第1の搬送アームを有する第1の搬送機構と、前記第1および第2の荷卸位置にアクセス可能に設けられ、第2のエリア内で基板を搬送するための1つまたは複数の第2の搬送アームを有する第2の搬送機構と、基板に所望の枚葉処理またはバッチ処理を施すために、前記第1および第2のエリアの少なくとも1つに配置される処理部とを有し、前記第1の搬送機構が、前記第1の搬送アームを用いて、前記第1および第2の積出位置で前記第1および第2のシャトルに前記所定枚数の基板を積み、前記第2の搬送機構が、前記第2の搬送アームを用いて、前記第1および第2の荷卸位置で前記第1および第2のシャトルから前記所定枚数の基板を卸し、前記第1のシャトルによる前記第1の積出位置から前記第1の荷卸位置への基板の搬送と、前記第2のシャトルによる前記第2の積出位置から前記第2の荷卸位置への基板の搬送とが独立に行われる。
【0018】
上記第4の観点の基板処理装置においては、上記のように、第1のシャトルによる第1の積出位置から第1の荷卸位置へ基板の枚葉またはバッチ搬送と、第2のシャトルによる第2の積出位置から前記第2の荷卸位置への基板の枚葉またはバッチ搬送とが独立に行われる。
【0019】
ここで、第1の搬送機構は、第1または第2のシャトルのどちらかが第1または第2の積出位置に滞在している間に基板を1枚または複数枚一括して積めばよい。第2の搬送機構は、第1または第2のシャトルのどちらかが第1または第2の荷卸位置に滞在している間に基板を1枚または複数枚一括して卸せばよい。各搬送機構は、直接的には第1および第2のシャトルの定型的かつ周期的な往復動作に合わせて基板の受け渡しまたは転送を行えばよく、相手側の搬送機構の出方または状況を気にする必要はない。
【0020】
本発明の第5の観点における基板処理装置は、任意の長さで水平方向に互いに平行に延びる第1および第2の搬送路と、一度に所定枚数の基板を積載する荷台を有し、前記第1の搬送路の一端に設けられる第1の積出位置と、前記第1の搬送路の他端に設けられる第1の荷卸位置との間で前記第1の搬送路上を往復移動可能な第1のシャトルと、一度に前記所定枚数の基板を1枚積載する荷台を有し、前記第2の搬送路の一端に設けられる第2の積出位置と、前記第2の搬送路の他端に設けられる第2の荷卸位置との間で前記第2の搬送路上を往復移動可能な第2のシャトルと、前記第1および第2の積出位置にアクセス可能に設けられ、第1のエリア内で基板を搬送するための1つまたは複数の第1の搬送アームを有する第1の搬送機構と、前記第1および第2の荷卸位置にアクセス可能に設けられ、第2のエリア内で基板を搬送するための1つまたは複数の第2の搬送アームを有する第2の搬送機構と、基板に所望の枚葉処理またはバッチ処理を施すために、前記第1および第2のエリアの少なくとも1つに配置される処理部とを有し、前記第1の搬送機構が、前記第1の搬送アームを用いて、前記第1および第2の積出位置で前記第1および第2のシャトルに前記所定枚数の基板を積み、前記第2の搬送機構が、前記第2の搬送アームを用いて、前記第1および第2の荷卸位置で前記第1および第2のシャトルから前記所定枚数の基板を卸し、前記第1のシャトルによる前記第1の積出位置から前記第1の荷卸位置への基板の搬送と、前記第2のシャトルによる前記第2の積出位置から前記第2の荷卸位置への基板の搬送とが交互に行われる。
【0021】
上記第5の観点の基板処理装置においては、上記のように、第1のシャトルによる第1の積出位置から第1の荷卸位置へ基板の枚葉またはバッチ搬送と、第2のシャトルによる第2の積出位置から前記第2の荷卸位置への基板の枚葉またはバッチ搬送とが一定のタクト時間で交互に行われる。
【0022】
ここで、第5の搬送機構は、第1および第2のシャトルがタクト時間の周期で交互に第1および第2の積出位置に滞在している間に基板を1枚または複数枚一括して積めばよい。第2の搬送機構は、第1および第2のシャトルがタクト時間の周期で交互に第1および第2の荷卸位置に滞在している間に基板を1枚または複数枚一括して卸せばよい。各搬送機構は、直接的には第1および第2のシャトルの定型的かつ周期的な往復動作に合わせてタクト時間の周期で基板の受け渡しまたは転送を行えばよく、相手側の搬送機構の出方または状況を気にする必要はない。
【0023】
本発明の第6の観点における基板処理装置は、プロセスフローの上流側から下流側に向かって被処理基板を水平な方向で搬送する搬送ラインと、前記搬送ライン上に設けられ、その周囲に配置されている第1の枚葉式処理部と基板の受け渡しを所定枚数ずつ行う第1の搬送機構と、前記搬送ライン上の前記第1の搬送機構よりも下流側に設けられ、その周囲に配置されている第2の枚葉式処理部と基板の受け渡しを前記所定枚数ずつ行う第2の搬送機構と、前記搬送ラインの一区間を構成し、前記第1の搬送機構に隣接する第1および第2の積出位置から前記第2の搬送機構に隣接する第1および第2の荷卸位置へ基板をそれぞれ前記所定枚数ずつ積んで個別に搬送する往復移動可能な第1および第2のシャトルとを有する。
【0024】
本発明の第6の観点の基板処理装置においては、第1のシャトルによる第1の積出位置から第1の荷卸位置へ基板の枚葉またはバッチ搬送と、第2のシャトルによる第2の積出位置から前記第2の荷卸位置への基板の枚葉またはバッチ搬送とを独立に行うことができる。したがって、第1の搬送機構は、第1または第2のシャトルのどちらかが第1または第2の積出位置に滞在している間に基板を1枚または複数枚一括して積めばよい。第2の搬送機構は、第1または第2のシャトルのどちらかが第1または第2の荷卸位置に滞在している間に基板を1枚または複数枚一括して卸せばよい。各搬送機構は、直接的には第1および第2のシャトルの定型的かつ周期的な往復動作に合わせて基板の受け渡しまたは転送を行えばよく、相手側の搬送機構の出方または状況を気にする必要はない。
【発明の効果】
【0025】
本発明の基板処理装置によれば、上記のような構成および作用により、枚葉式処理装置とバッチ式処理装置との間で基板の連続的かつ効率的な搬送を可能にして、枚葉/バッチ混載処理のスループットを向上させることができる。さらには、枚葉式処理装置同士およびバッチ式処理装置同士の間でも基板搬送の効率を改善してスループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】発明の一実施形態における基板処理装置のシステム上のレイアウトを示す平面図である。
【図2】上記基板処理装置における枚葉/バッチ混載ブロック内の構成を示す平面図である。
【図3A】上記基板処理装置に組み込まれる枚葉式処理ユニットの第1のタイプを模式的に示す図である。
【図3B】上記基板処理装置に組み込まれる枚葉式処理ユニットの第2のタイプを模式的に示す図である。
【図4A】第1のタイプの枚葉式処理ユニットにおいて基板を出し入れする際の各部の様子を示す図である。
【図4B】第2のタイプの枚葉式処理ユニットにおいて基板を出し入れする際の各部の様子を示す図である。
【図5】上記基板処理装置に組み込まれるバッチ式熱処理装置内の第1のボート移載機回りの構成を示す斜視図である。
【図6】上記基板処理装置に組み込まれるバッチ式熱処理装置内の第2のボート移載機回りの構成を示す斜視図である。
【図7】上記基板処理装置に組み込まれるバッチ式焼成装置内のバッチ搬送機構回りの構成を示す斜視図である。
【図8】上記基板処理装置に組み込まれるバッチ式焼成装置内のバッチ/枚葉搬送機構回りの構成を示す斜視図である。
【図9】上記基板処理装置における枚葉シャトル搬送部の構成を示す斜視図である。
【図10】上記基板処理装置におけるバッチシャトル搬送部の構成および動作の一例を示す略側面図である。
【図11】上記基板処理装置における枚葉搬送機構の構成を示す斜視図である。
【図12】上記枚葉搬送機構の可動範囲を示す平面図である。
【図13A】上記枚葉搬送機構が各処理ユニットに対して基板の出し入れを行う動作の各段階を示す図である。
【図13B】上記枚葉搬送機構が各処理ユニットに対して基板の出し入れを行う動作の各段階を示す図である。
【図14A】上記枚葉搬送機構が上流側の上部シャトルから基板を降ろす動作と下流側の下部シャトルに基板を積む動作とを同時に行う場合の各段階を示す図である。
【図14B】上記枚葉搬送機構が上流側の下部シャトルから基板を降ろす動作と下流側の上部シャトルに基板を積む動作とを同時に行う場合の各段階を示す図である。
【図15A】上記枚葉搬送機構が上流側の下部シャトルから基板を降ろす動作と下流側の上部シャトルに基板を積む動作とを順次行う場合の各段階を示す図である。
【図15B】上記枚葉搬送機構が上流側の下部シャトルから基板を降ろす動作と下流側の上部シャトルに基板を積む動作とを順次行う場合の各段階を示す図である。
【図16】第1の転送形態における上記枚葉搬送機構の一連の転送動作手順を示す図である。
【図17】第2の転送形態における上記枚葉搬送機構の一連の転送動作手順を示す図である。
【図18】上記基板処理装置における枚葉/バッチ搬送機構の構成を示す斜視図である。
【図19A】上記枚葉/バッチ搬送機構による複数枚単位での基板の取り出しと1枚単位での基板の装入とを連続的に行う動作を示す図である。
【図19B】上記枚葉/バッチ搬送機構による複数枚単位での基板の取り出しと1枚単位での基板の装入とを連続的に行う動作を示す図である。
【図20】上記枚葉/バッチ搬送機構が処理後の基板の取り出しと処理前の基板の装入とを繰り返し行う際の周囲の各部との連携動作の一例を示す図である。
【図21A】上記バッチ式熱処理装置内の動作を説明するための略平面図である。
【図21B】上記バッチ式熱処理装置内の動作を説明するための略平面図である。
【図22】色素増感太陽電池(図23)の製造プロセスの全工程を集約して実施する処理システムのレイアウトを示す平面図である。
【図23】色素増感太陽電池の基本構造を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0028】
図1に、本発明の一実施形態における基板処理装置のシステム構成を示す。この基板処理装置は、たとえば図23に示すような断面構造を有する色素増感太陽電池の製造プロセスにおいて、対向電極(陽極)と貼り合わされる前の透明基板側の積層アッセンブリをインラインで製作する工程で使用される。
【0029】
この色素増感太陽電池は、基本構成として、透明電極(陰極)300と対向電極(陽極)302との間に増感色素を担持する多孔質の半導体微粒子層(作用極)304と電解質層306を挟み込んでいる。ここで、半導体微粒子層304は、透明電極300、電界質層306および対向電極302と共にセル単位に分割されており、透明基板308上に透明電極300を介して形成される。対向電極302は対向基板310上に下地電極305を介して形成されている。各セルの透明電極300は、隣の対向電極302と電気的に接続されており、モジュール全体で多数のセルが電気的に直列接続または並列接続されている。図示のタイプでは、透明電極300上に各々の半導体微粒子層(作用極)304に隣接してそれと平行に延びる集電用のグリッド配線312が形成され、真向かいの対向電極(陽極)302側にも同様のグリッド配線314が形成される。両グリッド配線312,314には保護用の絶縁膜316,318がそれぞれ被せられる。
【0030】
かかる構成の色素増感太陽電池においては、透明基板308の裏側から可視光が照射されると、半導体微粒子層304に担持されている色素が励起され、電子を放出する。放出された電子は半導体微粒子層304を介して透明電極300に導かれ、外部に送り出される。送り出された電子は、外部回路(図示せず)を経由して対向電極302に戻り、電界質層306中のイオンを介して再び半導体微粒子層304内の色素に受け取られる。こうして、光エネルギーを即時に電力に変換して出力するようになっている。
【0031】
この実施形態の基板処理装置においては、透明電極300がパターニングされる前のブランケットの透明導電層が形成されている透明基板308が、未処理の被処理基板Gとして投入される。そして、各々の基板Gに対して、透明電極300のパターニング、半導体微粒子層304の成膜、グリッド配線の成膜、半導体微粒子層304の焼成および半導体微粒子層304への色素吸着といった一連のメインプロセスおよびそれらのメインプロセスに付随するサブプロセス(洗浄処理、熱処理等)がインラインで順次行われる。結果として、対向電極(陽極)302と貼り合わされる前の透明基板308側の積層アッセンブリ(308/300/304/312)が作製される。そして、この透明基板308側の積層アッセンブリが、処理済みの基板Gとして、次工程を担う別の基板処理装置へ向けて払い出しされる。この実施形態における基板Gは、四角形または矩形の形状を有するものとする。

[装置全体の構成]
【0032】
図1において、この基板処理装置は、横長のプロセスステーション10をシステム中心部に配置し、そのシステム長手方向(X方向)の両端部にローダ12およびアンローダ14を連結している。
【0033】
ローダ12は、未処理の基板Gをカセット単位でたとえば自走搬送車より搬入するポートであり、この基板処理装置によりインラインで一連の処理を受ける前の複数枚(たとえば25枚)の未処理基板Gを水平姿勢で縦に積み重ねて保持するカセットCをシステム幅方向(Y方向)に複数個並べて載置するカセットステージ16と、このステージ16上のいずれかのカセットCから基板Gを1枚単位で取り出し、取り出した基板Gをプロセスステーション10へ投入するローダ搬送機構18とを備えている。ローダ搬送機構18は、Y,Z,θの3軸で移動する本体18aと、この本体18a上で進退または伸縮移動の可能な1本の搬送アーム18bとを有しており、隣接するプロセスステーション10側と定置の基板中継台20を介して基板Gのやり取りを行えるようになっている。
【0034】
アンローダ14は、この基板処理装置においてすべての処理工程を終えた処理済みの基板Gをカセット単位でたとえば自走搬送車へ払い出しするポートであり、複数枚(25枚)の処理済み基板Gを水平姿勢で縦に積み重ねて保持するカセットCをシステム幅方向(Y方向)に複数個並べて載置するカセットステージ22と、このステージ22上のいずれかのカセットCへ処理済みの基板Gを1枚ずつ収納するアンローダ搬送機構24とを備えている。アンローダ搬送機構24は、Y,Z,θの3軸で移動する本体24aと、この本体24a上で進退または伸縮移動の可能な1本の搬送アーム24bとを有しており、隣接するプロセスステーション10側と定置の基板中継台26を介して基板Gのやり取りを行えるようになっている。
【0035】
プロセスステーション10は、ローダ12からアンローダ14に向かってプロセスフローの順に配置された枚葉集中ブロック10A,枚葉/バッチ混載ブロック10Bおよび枚葉集中ブロック10Cから構成されている。
【0036】
ローダ12に隣接する上流側の枚葉集中ブロック10Aには、1台または複数台の枚葉式洗浄ユニット32と、1台または複数台の枚葉式パターニング・ユニット34とが配備されている。各枚葉式洗浄ユニット32は、1枚ずつ基板Gの被処理面を洗浄するための装置構成を有している。各枚葉式パターニング・ユニット34は、1枚ずつ基板Gの被処理面上の透明導電層をパターニングして透明電極300を形成するための装置構成を有している。
【0037】
中間の枚葉/バッチ混載ブロック10Bには、1台または複数台の枚葉式作用極成膜ユニット36と、1台または複数台の枚葉式グリッド配線成膜ユニット38と、バッチ式熱処理装置40と、バッチ式焼成装置42とが配備されている。枚葉式作用極成膜ユニット36は、1枚ずつ基板Gの被処理面上に半導体微粒子層(作用極)304をたとえば印刷塗布により成膜するための装置構成を有している。枚葉式グリッド配線成膜ユニット38は、1枚ずつ基板Gの被処理面上にグリッド配線312および保護膜316をたとえば印刷塗布により重ねて成膜するための装置構成を有している。バッチ式熱処理装置40は、所定のバッチ処理枚数(たとえば100枚)ずつ成膜(印刷塗布)後の基板Gの被処理面をベーキングするための装置構成を有している。バッチ式焼成装置42は、ベーキング後の基板Gの被処理面(特に半導体微粒子層304)を焼成するための装置構成を有している。
【0038】
アンローダ14に隣接する下流側の枚葉集中ブロック10Cには、複数台の枚葉式色素吸着ユニット44が配備されている。各枚葉式色素吸着ユニット44は、基板Gの被処理面に形成されている多孔質の半導体微粒子層(作用極)304に増感色素を吸着させるための装置構成を有している。
【0039】
プロセスステーション10内には、プロセスフローの順に基板Gを搬送するために各ブロック10A,10B,10Cの中を縦貫または巡回する搬送ライン46が設けられている。
【0040】
上流側の枚葉集中ブロック10A内では、基板中継台20、枚葉搬送機構48および枚葉シャトル搬送部50がシステム長手方向(X方向)に一列に配置されて搬送ライン46の一区間を構成し、枚葉搬送機構48の左右両側に枚葉式洗浄ユニット32および枚葉式パターニング・ユニット34が配置されている。
【0041】
図2に、枚葉/バッチ混載ブロック10B内の詳細なレイアウトを示す。図示のように、枚葉/バッチ混載ブロック10Bには、上流側の枚葉集中ブロック10Aからの枚葉シャトル搬送部50が引き込まれている。そして、枚葉シャトル搬送部50の後段でシリアルに接続される一連の搬送手段として、枚葉搬送機構52、基板中継台54、枚葉搬送機構56、枚葉シャトル搬送部58、枚葉搬送機構60、基板中継台62、枚葉/バッチ搬送機構64、バッチシャトル搬送部66、バッチ搬送機構68、バッチシャトル搬送部70、バッチ/枚葉搬送機構72および枚葉シャトル搬送部74がそれぞれ所定の位置に配置されている。
【0042】
ここで、枚葉搬送機構52は、その周囲に配置されている各枚葉式作用極成膜ユニット36と、枚葉シャトル搬送部50(荷卸位置)と、基板中継台54とにアクセスできるようになっている。一方、枚葉搬送機構56は、その隣のバッチ式熱処理装置40の第1のボート載置台75,76上に載置されている第1のボート80A,80B,80Cの中のいずれか2つと、基板中継台54と、枚葉シャトル搬送部58(積出位置)とにアクセスできるようになっている。
【0043】
枚葉搬送機構60は、その周囲に配置されている各枚葉式グリッド配線成膜ユニット38と、枚葉シャトル搬送部58(荷卸位置)と、基板中継台62とにアクセスできるようになっている。枚葉/バッチ搬送機構64は、その隣のバッチ式熱処理部40の第2のボート載置台82,84上に載置されている第2のボート88D,88E,88Fの中のいずれか1つまたは2つと、基板中継台62と、バッチシャトル搬送部66(積出位置)とにアクセスできるようになっている。
【0044】
バッチ搬送機構68は、バッチ式焼成装置42に設けられる第3のボート載置台90,92上の第3のボート94A,94Bと、第4のボート載置台96,98上の第4のボート100A,100Bと、バッチシャトル搬送部66(荷卸位置)と、バッチシャトル搬送部70(積出位置)とにアクセスできるようになっている。
【0045】
バッチ/枚葉搬送機構72は、バッチ式焼成部42に設けられる第5のボート載置台102,104上の第5のボート106A,106Bと、第6のボート載置台108,110上の第6のボート112A,112Bと、バッチシャトル搬送部70(荷卸位置)と、枚葉シャトル搬送部74(積出位置)とにアクセスできるようになっている。
【0046】
バッチ式熱処理装置40は、1台の縦型バッチ熱処理炉114を有し、その両側に第1および第2のボート移送機116,118を配置し、さらに第1のボート移送機116の周りに3つの第1のボート載置台75,76,78を配置し、第2のボート移送機118の周りに3つの第2のボート載置台82,84,86を配置している。
【0047】
ここで、第1のボート載置台75,76,78のうち、ボート載置台75,76は処理前の基板Gと処理後の基板Gの詰め替えに用いられ、ボート載置台78は熱処理を受けた直後に基板Gを冷却するために用いられる。また、第2のボート載置台82,84,86のうち、ボート載置台84は処理前の基板Gと処理後の基板Gの詰め替えに用いられ、ボート載置台82はバッチ処理枚数の処理前の基板Gの装入を完了したボートを待機させておくために用いられ、ボート載置台86は熱処理を受けた直後の基板Gを冷却するために用いられる。
【0048】
後に詳細に説明するように、バッチ式熱処理装置40は、3つの第1のボート80A,80B,80Cに対して順番に、第1のボート移載機116を用いて、その中の2つのボートを処理後の基板Gの取り出しおよび処理前の基板Gの装入のために枚葉搬送機構56よりアクセス可能な詰め替え用のボート載置台76,75上に載せる動作と、残りの1つのボートを熱処理のために縦型バッチ熱処理炉114の中に入れ、あるいはその残りの1つのボートを熱処理直後の冷却のために冷却用のボート載置台78上に載せる動作とを繰り返し行うようになっている。
【0049】
一方で、バッチ式熱処理装置40は、3つの第2のボート88D,88E,88Fに対して順番に、第2のボート移載機118を用いて、その中の1つのボートを処理後の基板Gの取り出しおよび処理前の基板Gの装入ために枚葉/バッチ搬送機構64よりアクセス可能な詰め替え用のボート載置台84上に載せる動作と、バッチ処理枚数の処理前の基板Gを装入し終えた他の1つのボートを待機用のボート載置台82上に載せる動作と、残りの1つのボートを熱処理のために縦型バッチ炉114の中に入れ、あるいはその残りの1つのボートを熱処理直後の冷却のために冷却用のボート載置台86上に載せる動作とを繰り返し行うようになっている。
【0050】
バッチ式焼成装置42は、一定の時間差を置いて所定のバッチ処理時間のサイクルで同一の焼成処理を繰り返し行う複数台たとえば4台の縦型バッチ焼成炉120,122,124,126を有し、第1の焼成炉120と第3のボート載置台90,92との間に第3のボート移載機128を配置し、第2の焼成炉122と第4のボート載置台96,98との間に第4のボート移載機130を配置し、第3の焼成炉124と第5のボート載置台102,104との間に第5のボート移載機132を配置し、第4の焼成炉126と第6のボート載置台108,110との間に第6のボート移載機134を配置している。第3〜第6のボート載置台90,92〜108,110は、いずれも搬送機構68,72側から処理後の基板Gと処理前の基板Gとを詰め替えるために用いられる。
【0051】
後に詳細に説明するように、バッチ式焼成装置42は、2つの第3のボート94A,94Bに対して順番または交互に、第3のボート移載機128を用いて、片方のボートを焼成処理のためにボート載置台90,92のいずれかから第1の焼成炉120に移す動作と、他の片方のボートを処理後の基板Gの取り出しおよび処理前の基板Gの装入のために第1の焼成炉120からボート載置台90,92のいずれかへ移す動作とを繰り返し行うようになっている。
【0052】
一方で、バッチ式焼成装置42は、2つの第4のボート100A,100Bに対して順番または交互に第4のボート移載機130を用いて、片方のボートを焼成処理のためにボート載置台96,98のいずれかから第2の焼成炉122に移す動作と、他の片方のボートを処理後の基板Gの取り出しおよび処理前の基板Gの装入のために第2の焼成炉122からボート載置台96,98のいずれかへ移す動作とを繰り返し行うようになっている。
【0053】
また、バッチ式焼成装置42は、2つの第5のボート106A,106Bに対して順番または交互に、第5のボート移載機132を用いて、片方のボートを焼成処理のためにボート載置台102,104のいずれかから第3の焼成炉124に移す動作と、他の片方のボートを処理後の基板Gの取り出しおよび処理前の基板Gの装入のために第3の焼成炉124からボート載置台102,104のいずれかへ移す動作とを繰り返し行うようになっている。
【0054】
さらに、バッチ式焼成装置42は、2つの第6のボート112A,112Bに対して順番に、第6のボート移載機134を用いて、片方のボートを焼成処理のためにボート載置台108,110のいずれかから第4の焼成炉126に移す動作と、他の片方のボートを処理後の基板Gの取り出しおよび処理前の基板Gの装入のために第4の焼成炉126からボート載置台108,110のいずれかへ移す動作とを繰り返し行うようになっている。
【0055】
再び図1を参照すると、下流側の枚葉集中ブロック10C内では、枚葉/バッチ混載ブロック10Bより引き込まれている枚葉シャトル搬送部74、枚葉搬送機構136および基板中継台26がシステム長手方向(X方向)に一列に配置されて搬送ライン46の一区間(最終区間)を構成し、枚葉搬送機構136の左右両側に複数台の枚葉式色素吸着ユニット44が配置されている。

[全処理工程の手順]
【0056】
ここで、この基板処理装置において1枚の基板Gnに対して行われる全処理または搬送工程の手順を説明する。
【0057】
先ず、ローダ12において、ローダ搬送機構18がステージ16上のいずれか1つのカセットCから基板Gnを1枚抜き出し、その抜き出した基板Gnを基板中継台20に載置する。
【0058】
しかる後、枚葉搬送機構48が、基板中継台20から基板Gnを引き取って、枚葉式洗浄ユニット32に搬入する。このとき、基板Gnが当該枚葉式洗浄ユニット32に搬入されるのに先立って、このユニット32から洗浄処理が済んだばかりの別の基板が搬出される。
【0059】
この枚葉式洗浄ユニット32では、基板Gnの被処理面(ブランケットの透明導電層)に対して枚葉方式の洗浄処理が施される。この洗浄処理によって、基板Gnの被処理面から異物や汚染物が除去される。
【0060】
上記のような枚葉方式の洗浄処理が終了すると、枚葉搬送機構48が基板Gnを当該枚葉式洗浄ユニット32から搬出して、向かい側の枚葉式パターニング・ユニット34に搬入する。このときも、基板Gnが当該枚葉式パターニング・ユニット34に搬入されるのに先立って、このユニット34からパターニング処理が済んだばかりの別の基板が搬出される。
【0061】
この枚葉式パターニング・ユニット34では、たとえばレーザエッチング法により、基板Gnの被処理面(ブランケットの透明導電層)に対して枚葉方式のパターニング処理が施される。このパターニング処理によって、基板Gnの被処理面にはパターニングされた透明電極300が形成される。
【0062】
なお、透明導電層ないし透明電極300は、たとえばフッ素ドープSnO2(FTO)、あるいはインジウム−スズ酸化物(ITO)からなる。また、基板Gの母材である透明基板308は、たとえば石英、ガラスなどの透明無機材料、あるいはポリエステル、アクリル、ポリイミドなどの透明プラスチック材料からなる。
【0063】
上記のような枚葉方式のパターニング処理が終了すると、枚葉搬送機構48は、この基板Gnを当該枚葉式パターニング・ユニット34から搬出し、枚葉シャトル搬送部50に積む。枚葉シャトル搬送部50は、積まれた基板Gnを積出位置から荷卸位置まで搬送する。
【0064】
基板Gnが枚葉シャトル搬送部50の荷卸位置に着くと、枚葉搬送機構52が基板Gnを卸して、いずれかの枚葉式作用極成膜ユニット36へ搬入する。このときも、基板Gnが当該枚葉式作用極成膜ユニット36に搬入されるのに先立って、このユニット36から作用極(半導体微粒子層)304の成膜処理が済んだ直後の別の基板が搬出される。
【0065】
枚葉式作用極成膜ユニット36では、たとえばスクリーン印刷法により、基板Gnの被処理面(パターニングされている透明電極300)に対して枚葉方式の成膜処理が施される。この成膜処理によって、基板Gnの被処理面にはパターニングされた半導体微粒子層304が形成される。なお、半導体微粒子層304は、たとえばTiO2,ZnO,SnO2などの金属酸化物からなる。
【0066】
上記のような枚葉方式の作用極成膜処理が終了すると、枚葉搬送機構52は、この基板Gnを当該枚葉式作用極成膜ユニット36から搬出して、基板中継台54に移載する。この直後に、向かい側の枚葉搬送機構52が、基板中継台54から基板Gnを引き取り、引き取った基板Gnを隣接するボート載置台75,76上に載置されている第1のボート80A,80B,80Cの中のいずれか1つに装入する。この例では、基板Gnがボート載置台75上のボート80Aに装入されたとする。
【0067】
ボート80Aに装入された基板(その中に基板Gnも含まれる)の枚数がバッチ処理枚数(100枚)に達すると、このボート80Aは第1のボート移載機116によりボート載置台75上から縦型バッチ熱処理炉114の傍へ移され、次いで熱処理炉114の中に入れられる。それから一定の熱処理時間が経過すると、ボート80Aは、熱処理炉114の外に出され、ボート移載機116によって冷却用のボート載置台78上に移される。こうして、ボート80Aに保持されている基板Gnは他の基板と一緒に大気空間の下で一定時間冷却される。しかる後、ボート移載機116が、ボート80Aをボート載置台78から詰め替え用のボート載置台76に移す。
【0068】
そうすると、枚葉搬送機構56が、ボート載置台76上のボート80Aから所定の順番で基板Gnを抜き出し、抜き出した基板Gnを枚葉シャトル搬送部58に積む。枚葉シャトル搬送部58は、積まれた基板Gnを積出位置から荷卸位置まで搬送する。
【0069】
基板Gnが枚葉シャトル搬送部58の荷卸位置に着くと、枚葉搬送機構60が基板Gnを卸して、いずれかの枚葉式グリッド配線成膜ユニット38へ搬入する。このときも、基板Gnが当該枚葉式グリッド配線成膜ユニット38に搬入されるのに先立って、このユニット38からグリッド配線312および保護層316の成膜処理が済んだ直後の別の基板が搬出される。
【0070】
枚葉式グリッド配線成膜ユニット38においては、たとえばスクリーン印刷法により、基板Gnの被処理面に対して枚葉方式の成膜処理がグリッド配線層312用と保護層316用とで2回続けて実施される。1回目の成膜処理によって、基板Gnの被処理面(正確には透明電極300)上にグリッド配線層312が形成される。さらに、2回目の成膜処理によって、基板Gnの被処理面(正確にはグリッド配線層312)上に保護層316が形成される。なお、グリッド配線層312はたとえばAgなどの抵抗率の低い導体からなり、保護層316はたとえばUV硬化樹脂などの絶縁体からなる。
【0071】
上記のような枚葉方式のグリッド配線成膜処理が終了すると、枚葉搬送機構60は、この基板Gnを当該枚葉式グリッド配線成膜ユニット38から搬出して、基板中継台62に移載する。この直後に、向かい側の枚葉/バッチ搬送機構64が、基板中継台62から基板Gnを引き取り、引き取った基板Gnを隣接する詰め替え用のボート載置台84上に載置されている第2のボート88D,88E,88Fの中のいずれか1つに装入する。この例では、基板Gnがボート88Eに装入されたとする。
【0072】
ボート88Eに装入された基板G(その中に基板Gnも含まれる)の枚数がバッチ処理枚数(100枚)に達すると、第2のボート移載機118により、このボート88Eはいったん待機用ボート載置台82に移され、次いで所定のタイミングで熱処理炉114へ移される。そして、熱処理炉114の中で一定時間の熱処理が終了すると、ボート88Eは、熱処理炉114の外に出され、ボート移載機118によって冷却用のボート載置台86上に移される。こうして、ボート88Eに保持されている基板Gnは他の基板と一緒に大気空間の下で一定時間冷却される。しかる後、ボート移載機118が、ボート88Eをボート載置台86から詰め替え用ボート載置台84に移す。
【0073】
そうすると、枚葉/バッチ搬送機構64が、ボート載置台84上のボート88Eから所定の順番で基板Gnを他の基板Gと一緒に、つまり一度に複数枚(たとえば10枚)抜き出し、抜き出したそれら複数枚(10枚)の基板Gをバッチシャトル搬送部66に積む。バッチシャトル搬送部66は、積まれたそれら複数枚の基板G(その中に基板Gnも含まれる。)を積出位置から荷卸位置まで一括搬送する。
【0074】
基板Gnを含む複数枚の基板Gがバッチシャトル搬送部66の荷卸位置に着くと、バッチ搬送機構68がいったんそれら複数枚の基板Gをまとめて卸す。そして、バッチ搬送機構68は、まとめて卸した複数枚の基板G(その中に基板Gnも含まれる。)を4台の縦型バッチ焼成炉120,122,124,126のいずれかに割り振る。この例では、第4の焼成炉126が割り振り先であったとする。
【0075】
この場合、バッチ搬送機構68は、基板Gnを含むそれら複数枚の基板Gをバッチシャトル搬送部70に積む。バッチシャトル搬送部70は、積まれた複数枚の基板Gを積出位置から荷卸位置まで一括搬送する。バッチ/枚葉搬送機構72は、基板Gnを含むそれら複数枚の基板Gをバッチシャトル搬送部70から卸して、第6のボート載置台108,110上に載置されている第6のボート112A,112Bのいずれか1つに一括装入する。この例では、基板Gnが他の基板Gと一緒に、ボート載置台110上のボート112Bに装入されたとする。
【0076】
この場合、ボート112Bに装入された基板G(その中に基板Gnも含まれる)の枚数がバッチ処理枚数(100枚)に達すると、このボート112Bは第6のボート移載機134により第4の焼成炉126へ移される。こうして、基板Gnはボート112B上の他の基板と一緒に焼成処理を受ける。この焼成処理によって、基板Gnの被処理面上に半導体微粒子層304の焼結体が得られる。 このバッチ方式の焼成処理が終了すると、ボート112Bは焼成炉126の外に出され、ボート112B上の基板Gnは他の基板と一緒に大気空間の下で一定時間冷却される。しかる後、所定のタイミングで、バッチ/枚葉搬送機構72が、ボート載置台110上のボート112Bにアクセスし、ボート112Bから所定の順番で基板Gnを1枚単位で抜き取り、抜き取った基板Gnを枚葉シャトル搬送部74に積む。枚葉シャトル搬送部74は、積まれた基板Gnを積出位置から荷卸位置まで搬送する。
【0077】
基板Gnが枚葉シャトル搬送部74の荷卸位置に着くと、枚葉搬送機構136が基板Gnを卸して、いずれかの枚葉式色素吸着ユニット44へ搬入する。このときも、基板Gnが当該枚葉式色素吸着ユニット44に搬入されるのに先立って、そのユニット44から色素吸着処理が済んだ直後の別の基板が取り出され、ユニットの外へ搬出される。
【0078】
基板Gnを搬入した枚葉式色素吸着ユニット44では、基板Gnの被処理面(多孔質の半導体微粒子層304)に対してノズルより色素溶液が吹き掛けられ、枚葉方式の色素吸着処理が実施される。この色素吸着処理によって、基板Gnの被処理面上の多孔質半導体微粒子層304に増感色素が吸着される。なお、この色素吸着ユニット44で用いられる色素溶液は、増感色素を所定の濃度で溶媒に溶かしたものである。増感色素としては、たとえば金属フタロシアニンなどの金属錯体あるいはシアニン系色素、塩基性色素などの有機色素が用いられる。溶媒には、たとえばアルコール類、エーテル類、アミド類、炭化水素などが用いられる。
【0079】
上記のような枚葉方式の色素吸着処理が終了すると、枚葉搬送機構136は、この基板Gnを当該枚葉式色素吸着ユニット44から搬出して、基板中継台26に載置する。直後に、アンローダ搬送機構24が、基板中継台26から基板Gnを引き取り、ステージ22上のいずれか1つのカセットCに処理済みの基板Gnを収納する。

[処理部の構成]
【0080】
図3Aおよび図3Bに、この実施形態の基板処理装置に組み込まれる枚葉式処理ユニットのタイプを示す。
【0081】
図3Aに示す第1のタイプは、処理室またはチャンバ140の中心部に設けたステージ142の上に基板Gを水平に載せ、ステージ142の上方で水平方向および鉛直方向に移動可能なヘッド144を用いて基板Gのおもて面(被処理面)に所要の枚葉処理を施す。たとえば、ブラシスクラバ洗浄装置または紫外線洗浄装置を用いる枚葉式洗浄式ユニット32、レーザエッチング装置を用いる枚葉式パターンニング・ユニット34や、スクリーン印刷機を用いる枚葉式作用極成膜ユニット36、枚葉式グリッド配線成膜ユニット38およびノズル式の色素吸着装置を用いる枚葉式色素吸着ユニット44は、この第1のタイプになる。その場合、ブラシスクラバ洗浄装置のヘッド144には回転ブラシが搭載され、紫外線洗浄装置のヘッド144には紫外線ランプが搭載され、レーザエッチング装置のヘッド144にはレーザ出射ユニットが搭載され、スクリーン印刷機のヘッド144にはスキージなどが搭載され、ノズル式の色素吸着装置のヘッド144にはスリットノズルの吐出口の長さが基板Gと略等しいノズル、もしくは各半導体微粒子層に対応した筒状、スリット状または円形状などの複数の吐出口を有するノズルが搭載される。
【0082】
図3Bに示す第2のタイプは、処理室またはチャンバ146の中心部に設けた回転駆動部148に結合されるスピンチャック150の上に基板Gを水平に載せて回転可能に保持し、スピンチャック150の上方で水平方向および鉛直方向に移動可能なヘッド152を用いて基板Gのおもて面(被処理面)に所要の枚葉処理を施す。たとえば、ノズル式の色素吸着装置を用いる枚葉式色素吸着ユニット44は、この第2のタイプになる。また、枚葉式洗浄ユニット32にジェットスクラバ洗浄装置を用いる場合や、枚葉式パターンニング・ユニット34にウエットエッチング装置を用いる場合も、この第2のタイプになる。その場合、ノズル式の色素吸着装置のヘッド152には色素溶液を吐出するノズルが搭載され、ジェットスクラバ洗浄装置のヘッド152には洗浄液を噴射するノズルが搭載され、ウエットエッチング装置のヘッド152にはエッチング液を吐出するノズルが搭載される。
【0083】
図4Aおよび図4Bに、上記第1および第2のタイプの枚葉式処理ユニットにおける基板のローディング/アンローディングの動作を示す。
【0084】
第1のタイプ(図4A)において、ステージ142上で処理済みの基板Giと次に処理を受ける基板Gjとを入れ替える場合、最初にステージ142の中から複数本の昇降ピン154が上昇(突出)して処理済みの基板Giを持ち上げる。そこに、処理室140の側壁の基板出入口145から空状態の搬送アーム(たとえば後述する上部搬送アームMU1)が処理室140の中に入って来て、昇降ピン154から処理済みの基板Giを受け取り、受け取った基板Giを処理室140の外へ持ち去る。昇降ピン154はいったん下降する。直後に、この枚葉式処理ユニットで次に枚葉処理を受けるべき基板Gjを保持している後述する下部搬送アームML1が処理室140の中に入って来て、直後に昇降ピン154が再び上昇してこの基板Gjを受け取る。そして、空状態になった下部搬送アームML1が処理室140の外へ出た後に、昇降ピン154がステージ142の中まで下降し、基板Gjがステージ142の上に載置される。
【0085】
第2のタイプ(図4B)においても、回転駆動部148の中またはその付近に設けられている昇降ピン156を上記昇降ピン154と同様に搬送アームMU1,ML1と連携して昇降動作させることにより、スピンチャック150上で処理済みの基板Giと次に処理を受ける基板Gjとを上記と同様にして入れ替えることができる。
【0086】
図5および図6に、この実施形態の基板処理装置に組み込まれるバッチ式熱処理装置40の構成を示す。
【0087】
この実施形態のバッチ式熱処理装置40は、上端が閉塞した円筒状の縦型バッチ熱処理炉114の両側に第1および第2のボート移送機116,118を配置し、さらに第1のボート移送機116の周りに3つの第1のボート載置台75,76,78を配置し、第2のボート移送機118の周りに3つの第2のボート載置台82,84,86を配置している。上述したように、第1のボート載置台75,76,78のうち、ボート載置台75,76は基板Gを詰め替えるために用いられ、ボート載置台75は熱処理を受けた直後の基板Gを冷却するために用いられる。また、第2のボート載置台82,84,86のうち、ボート載置台84は基板Gを詰め替えるために用いられ、ボート載置台82は次に熱処理処理を受けるべきバッチ処理枚数(たとえば100枚)の処理前の基板Gを待機させておくために用いられ、ボート載置台86は熱処理を受けた直後の基板Gを冷却するために用いられる。
【0088】
ボート支持アーム158には保温筒160が取り付けられており、この保温筒160の上に、3つの第1のボート80A,80B,80Cの中から順番に選ばれたいずれか1つのボート、または3つの第2のボート88D,88E,88Fの中から順番に選ばれたいずれか1つのボートが、ボート移送機116,118により熱処理時間のサイクルで交互に載せられる。各々のボート80A,80B,80C,88D,88E,88Fは、バッチ処理枚数(100枚)の基板Gを保持した状態で、ボート支持アーム158に載せられる。
【0089】
ボート支持アーム158に載置されたボート(図5のときはボート80A、図6のときはボート88E)は、たとえばリニアモータあるいはボールネジ機構などからなる昇降機構162の昇降駆動により、熱処理炉114の中に入れられ、所定の温度下で一定時間の熱処理時間が経過した後に、熱処理炉114の外へ出される。
【0090】
熱処理炉114は、たとえば抵抗加熱式のヒータを内蔵しており、後述するようにバッチ処理(熱処理)の間はもちろんボートの出し入れを行っている間もヒータをオン状態に維持するようになっている。
【0091】
図5において、枚葉搬送機構56は、後に詳細に説明するように、一度に基板Gを1枚ずつ保持可能な上下2段の枚葉搬送アームMU1,ML1を有し、各々のアームMU1,ML1が水平の進退または伸縮移動を独立に行えるようになっている。そして、枚葉搬送機構56は、ボート載置台75,76上に順番に載置される第1のボート80A,80B,80Cの中のいずれか2つ(図5ではボート80B,80C)にアクセスし、枚葉搬送アームMU1,ML1のいずれか一方を用いてアクセス先の一方のボートから処理後の基板Gを1枚ずつ取り出すとともに、枚葉搬送アームMU1,ML1の他方を用いてアクセス先の他方のボートに処理前の基板Gを1枚ずつ装入するように動作する。
【0092】
一方、図6において、枚葉/バッチ搬送機構64は、後に詳細に説明するように、一度に基板Gを複数枚(たとえば10枚)ずつ保持可能なバッチ搬送アームMU10と一度に基板Gを1枚ずつ保持可能な枚葉搬送アームML1とを有しており、各々の搬送アームMU10,ML1が水平の進退または伸縮移動を独立に行えるようになっている。そして、枚葉/バッチ搬送機構64は、ボート載置台82,84上に順番に載置される第2のボート88D,88E,88Fのいずれか2つ(図6ではボート88D,88F)にアクセスし、バッチ搬送アームMU10を用いてアクセス先の一方のボートから処理後の基板Gを複数枚(10枚)ずつ取り出し、枚葉搬送アームML1を用いてアクセス先の他方のボートに処理前の基板Gを1枚ずつ装入するように動作する。
【0093】
図7および図8に、この実施形態の基板処理装置に組み込まれるバッチ式焼成装置42の第1および第4の縦型バッチ焼成炉120,126回りの構成を示す。第2および第3の縦型バッチ焼成炉122,124回りもそれぞれ同様の構成になっている。
【0094】
バッチ式焼成装置42は、図7に示すように、上端が閉塞した円筒状の縦型バッチ焼成炉120の隣にボート移載機128を配置し、このボート移送機128とバッチ搬送機構68との間に2つの第3のボート載置台90,92を並べて配置している。
【0095】
ボート支持アーム164には保温筒166が取り付けられており、この保温筒166の上に、2つのボート94A,94Bの中から順番に選ばれたいずれか1つのボートが、ボート移載機128により所定のバッチ処理時間のサイクルで交互に載せられる。各々のボート94A,94Bは、バッチ処理枚数(100枚)の基板Gを保持した状態でボート支持アーム164に載せられる。
【0096】
ボート支持アーム164に載置されたボート(図7ではボート94A)は、昇降機構168の昇降駆動により、所定の温度の下でバッチ式の焼成処理を受けるために焼成炉120の中に入れられ、所定の焼成時間が経過した後に焼成炉120の外へ出される。焼成炉120の外に出されたボート94Aは、ボート支持アーム164の上で一定時間放置され、ボート94A上の基板が冷却される。この後、ボート移載機128が、ボート94Aをボート載置台90の上に移すようになっている。
【0097】
焼成炉120は、たとえば抵抗加熱式のヒータを内蔵しており、ボートが中に入っている焼成処理の期間中だけ該ヒータを所定の発熱温度でオンさせ、ボートが入っていない間は該ヒータをオフさせるようになっている。
【0098】
図7において、バッチ搬送機構68は、後に詳細に説明するように、水平の進退または伸縮移動が可能で一度に基板Gを複数枚たとえば10枚ずつ保持可能な1本(または2本)のバッチ搬送アームMA10を有している。そして、バッチ搬送機構68は、ボート載置台90,92上に順番に載置される第3のボート94A,94Bのいずれか1つ(図5ではボート94B)にアクセスし、バッチ搬送アームMA10を用いてそのアクセス先のボートから処理後の基板Gを複数枚(10枚)ずつ取り出し、および/またはそのアクセス先のボートに処理前の基板Gを複数枚(10枚)ずつ装入するようになっている。
【0099】
一方、図8において、バッチ/枚葉搬送機構72は、枚葉バッチ/搬送機構64と同様に、一度に基板Gを複数枚たとえば10枚ずつ保持可能なバッチ搬送アームMU10と一度に基板Gを1枚ずつ保持可能な枚葉搬送アームML1とを有しており、各々の搬送アームMU10,ML1が水平の進退または伸縮移動を独立に行えるようになっている。そして、バッチ/枚葉搬送機構72は、ボート載置台108,110上に順番に載置される第6のボート112A,112Bのいずれか1つ(図8ではボート112A)にアクセスし、バッチ搬送アームMU10を用いてそのアクセス先のボートに処理前の基板Gを複数枚(10枚)ずつ装入し、枚葉搬送アームML1を用いてそのアクセス先のボートから処理後の基板Gを1枚ずつ取り出すようになっている。

[シャトル搬送部の構成]
【0100】
図9に、枚葉シャトル搬送部50の構成およびシャトル可動範囲を示す。他の枚葉シャトル搬送部58,74も枚葉シャトル搬送部50と同様の構成および機能を有している。
【0101】
図示のように、枚葉シャトル搬送部50(58,74)は、鉛直方向で一定の間隔またはスペースを空けて、システム長手方向(X方向)に任意の長さで平行に延びる上部および下部搬送路170,172と、これらの搬送路170,172上で独立に直進移動する上部および下部枚葉シャトルSU1,SL1とを有している。各々の枚葉シャトルSU1,SL1は、基板Gを水平に1枚積載する荷台174を有している。この荷台174には、基板Gの四隅を保持する保持部176や、基板Gの積み卸し(ローディング/アンローディング)の際に基板Gを水平姿勢で上げ下げする複数の昇降ピン178などが設けられている。各枚葉シャトルSU1,SL1の直進移動は、モータまたはシリンダ等を駆動源とし、LMガイド、ボールネジあるいはベルト等の直進可動機構を用いて行われる。
【0102】
搬送路170,172の上流側端部(図の左側端部)には、両枚葉シャトルSU1,SL1が基板Gを積むために停止して一時的に滞在する上部および下部積出位置FU,FLがそれぞれ設けられている。一方、搬送路170,172の下流側端部(図の右側端部)には、両枚葉シャトルSU1,SL1が基板Gを卸すために停止して一時的に滞在する上部および下部荷卸位置WU,WLがそれぞれ設けられている。
【0103】
上部枚葉シャトルSU1は、上部積出位置FUで基板Gの積出のために一定時間TFUだけ滞在した後、上部搬送路170上を往路方向(X方向)に一定の速度または一定の走行時間で直進移動し、終点の上部荷卸位置WUに到達するとそこで停止して当該基板Gの荷卸のために一定時間TWUだけ滞在する。そして、その滞在時間TWUの経過後に、基板の無い空の状態で上部荷卸位置WUから上部搬送路170上を復路方向(−X方向)に一定の速度または一定の走行時間で直進移動し、終点の上部積出位置FUに到達するとそこで停止して新たな基板Gの積出のために一定時間TFUだけ滞在する。上部枚葉シャトルSUは、上記のような積出・往動移動・荷卸・復動移動からなる一連の動作を一定のサイクルつまり2TSで繰り返すようになっている。ここで、TSはこの基板処理装置における基板1枚単位のタクト時間である。
【0104】
同様に、下部枚葉シャトルSL1は、下部積出位置FLで基板Gの積出のために一定時間TFLだけ滞在した後、下部搬送路172上を往路方向(X方向)に一定の速度で直進移動し、終点の下部荷卸位置WLに到達するとそこで停止して当該基板Gの荷卸のために一定時間TWLだけ滞在する。そして、その滞在時間TWLの経過後に、基板の無い空の状態で下部荷卸位置WLから下部搬送路172上を復路方向(−X方向)に一定の速度または一定の走行時間で直進移動し、終点の下部積出位置FLに到達するとそこで停止して新たな基板Gの積出のために一定時間TFLだけ滞在する。下部枚葉シャトルSL1も、上記のような積出・往動移動・荷卸・復動移動からなる一連の動作を一定のサイクルつまり2TSで繰り返すようになっている。
【0105】
そして、上部枚葉シャトルSU1の往復動作と下部枚葉シャトルSL1の往復動作とは、互いに逆サイクルまたは逆位相の関係になっている。すなわち、上部枚葉シャトルSU1が基板Gの積出のために上部積出位置FUに滞在している時は、下部枚葉シャトルSL1が基板Gの荷卸のために下部荷卸位置WLで同じ時間だけ滞在する。つまり、TFU=TWLである。そして、上部枚葉シャトルSU1が基板Gを積んで上部積出位置FUから上部荷卸位置WUに向かって上部搬送路170上を往路方向(X方向)に一定の速度または一定の走行時間で直進移動する時は、同時に下部枚葉シャトルSL1が基板を積まない空の状態で下部荷卸位置WLから下部積出位置FLに向かって下部搬送路172上を復路方向(−X方向)に同一の速度または同一の走行時間で直進移動する。
【0106】
上部枚葉シャトルSU1が基板Gの荷卸のために上部荷卸位置WUに滞在している時は、下部枚葉シャトルSL1が基板Gの積出のために下部積出位置FLで同じ時間だけ滞在する。つまり、TFL=TWUである。そして、下部枚葉シャトルSL1が基板Gを積んで下部積出位置FLから下部荷卸位置WLに向かって下部搬送路172上を往路方向(X方向)に一定の速度または一定の走行時間で直進移動する時は、同時に上部枚葉シャトルSU1が基板を積まない空の状態で上部荷卸位置WUから上部積出位置FUに向かって上部搬送路170上を復路方向(−X方向)に同一の速度または同一の走行時間で直進移動する。要するに、TFU=TWL=TFL=TWUの関係がある。
【0107】
このように、この実施形態の基板処理装置では、上部枚葉シャトルSU1による上部積出位置FUから上部荷卸位置WUへの基板Gの枚葉搬送と、下部枚葉シャトルSL1による下部積出位置FLから下部荷卸位置WLへの基板Gの枚葉搬送とがタクト時間TS毎に交互に行われるようになっている。
【0108】
バッチシャトル搬送部66(70)は、一度に積載ないし搬送する基板Gの枚数が1枚から複数枚に変わるだけで、基本的には上述した枚葉シャトル搬送部50と同じ構成を有している。すなわち、バッチシャトル搬送部66(70)は、複数(たとえば10個)の上部枚葉シャトルSU1を一定の隙間を挟んで一体に重ねた構成の上部バッチシャトルSU10と、複数(たとえば10個)の下部枚葉シャトルSL1を一定の隙間を挟んで一体に重ねた構成の下部バッチシャトルSL10とを有している。
【0109】
上部バッチシャトルSU10は、上部積出位置FUで複数枚数(10枚)の基板Gの積出のために一定時間だけ滞在した後、上部搬送路170上を往路方向に一定の速度または一定の走行時間で直進移動し、終点の上部荷卸位置WUに到達するとそこで停止して複数枚数(10枚)の基板Gの荷卸のために一定時間だけ滞在する。そして、その滞在時間の経過後に、基板の無い空の状態で上部荷卸位置WUから上部搬送路170上を復路方向に一定の速度または一定の走行時間で直進移動し、終点の上部積出位置FUに到達するとそこで停止して新たな基板Gの積出のために一定時間だけ滞在する。
【0110】
下部枚葉シャトルSL10も、下部搬送路172上で、上部バッチシャトルSU10と同様に動作する。もっとも、上部バッチシャトルSU10の往復動作と下部バッチシャトルSL10の往復動作とは、基本的には各々独立しており、必ずしも互いに逆サイクルまたは逆位相の関係である必要はない。したがって、たとえば、上部バッチシャトルSU10および下部バッチシャトルSL10を同相で往復動作させることや、あるいは上部バッチシャトルSU10のみの運行もしくは下部バッチシャトルSL10のみの運行も可能である。さらには、バッチシャトル搬送部66(70)を上部バッチシャトルSU10もしくは下部バッチシャトルSL10のいずれか片方のみで構成することも可能である。
【0111】
なお、枚葉シャトル搬送部50,58およびバッチシャトル搬送部66において、基板を水平面内で回転する回転する回転機構がシャトルに設けられてもよい。

[枚葉搬送機構の構成]
【0112】
図11および図12に、枚葉搬送機構48の構成および搬送アーム可動範囲を示す。他の枚葉搬送機構52,56,60,136も枚葉搬送機構48と同様の構成および機能を有している。
【0113】
枚葉搬送機構48(52,56,60,136)は、方位角方向(θ方向)に回転可能かつ鉛直方向(Z方向)に昇降可能であって、水平の進退または伸縮移動を各々独立に行える上下2段の枚葉搬送アームMU1,ML1を有している。より詳細には、枚葉搬送機構48は、図11に示すように、たとえばリニアモータまたはボールネジ機構を有する定置型の昇降駆動部180の昇降駆動軸182に上部および下部搬送本体184U,184Lを2段に重ねて昇降可能に取り付け、昇降駆動軸182上で各搬送本体184U,184Lを方位角方向(θ方向)で各々独立に任意の方角に回転移動できるように構成し、搬送本体184U,184L上で両枚葉搬送アームMU1,ML1をそれぞれ独立に進退または伸縮移動できるように構成している。各々の枚葉搬送アームMU1,ML1は、矩形の基板Gを1枚ずつ着脱可能に載置、担持または保持できるように構成されている。
【0114】
かかる構成の枚葉搬送機構48(52,56,60,136)は、図12に示すように、その周囲に配置されている任意の処理部たとえば処理ユニットA(たとえば枚葉式洗浄ユニット32)および処理ユニットB(たとえば枚葉式パターニング・ユニット34)と、上流側の枚葉シャトル搬送部(上部枚葉シャトルJSU1/下部枚葉シャトルJSL1)もしくは基板中継台(上部載置台/下部載置台)と、下流側の枚葉シャトル搬送部(上部枚葉シャトルKSU1/下部枚葉シャトルKSL1)もしくは基板中継台(上部載置台/下部載置台)とにアクセス可能であり、各アクセス先で基板Gの受け渡しを1枚ずつ行えるようになっている。
【0115】
なお、搬送ライン48の始端に位置する基板中継台20は、1枚の基板Gを複数の支持ピンまたは昇降ピンに載せて水平に支持できる一対の載置台20U,20Lを上下に2段重ねて配置している。隣の枚葉搬送機構48から見て、上部載置台20Uは荷卸位置で静止している上流側の上部枚葉シャトルJSU1に相当し、下部載置台20Lは荷卸位置で静止している上流側の下部枚葉シャトルJSL1に相当する。
【0116】
同様に、搬送ライン48の終端に位置する基板中継台26も、基板中継台20と同様に、1枚の基板Gを複数の支持ピンまたは昇降ピンに載せて水平に支持できる一対の載置台26U,26Lを上下2段に重ねて配置している。隣の枚葉搬送機構136から見ると、上部載置台26Uは積出位置で静止している下流側の上部枚葉シャトルKSU1に対応し、下部載置台26Lは積出位置で静止している下流側の下部枚葉シャトルKSL1に対応している。
【0117】
枚葉式作用極成膜ユニット36側の枚葉搬送機構48とバッチ式熱処理装置40側の枚葉搬送機構56との間に設けられる基板中継台54も、やはり1枚の基板Gを複数の支持ピンまたは昇降ピンに載せて水平に支持できる一対の載置台54U,54Lを上下2段に重ねて配置している。枚葉搬送機構48側から見ると、上部載置台54Uは積出位置で静止している下流側の上部枚葉シャトルKSU1に対応し、下部載置台54Lは積出位置で静止している下流側の下部枚葉シャトルKSL1に対応している。一方、枚葉搬送機構56側から見ると、上部載置台54Uは荷卸位置で静止している上流側の上部枚葉シャトルJSU1に対応し、下部載置台54Lは荷卸位置で静止している上流側の下部枚葉シャトルJSL1に対応している。
【0118】
なお、枚葉シャトル搬送部50の終端部(荷卸位置WU/WL)および枚葉シャトル搬送部58の始端部(積出位置FU/FL)が、基板中継台54と上下に重なっていてもよい。
【0119】
また、枚葉式グリッド配線成膜ユニット38側の枚葉搬送機構60とバッチ式熱処理装置40側の枚葉/バッチ搬送機構64との間に設けられる基板中継台62も、やはり1枚の基板Gを複数の支持ピンまたは昇降ピンに載せて水平に支持できる一対の載置台62U,62Lを上下2段に重ねて配置している。枚葉搬送機構60側から見ると、上部載置台62Uは積出位置で静止している下流側の上部枚葉シャトルKSU1に対応し、下部載置台62Lは積出位置で静止している下流側の下部枚葉シャトルKSL1に対応している。一方、枚葉/バッチ搬送機構64側から見ると、上部載置台62Uは荷卸位置で静止している上流側の上部枚葉シャトルJSU1に対応し、下部載置台62Lは荷卸位置で静止している上流側の下部枚葉シャトルJSL1に対応している。
【0120】
なお、枚葉シャトル搬送部56の終端部(荷卸位置WU/WL)およびバッチシャトル搬送部66の始端部(積出位置FU/FL)が、基板中継台62と上下に重なっていてもよい。

[枚葉搬送機構の基本動作]
【0121】
図13Aおよび図13Bにつき、各枚葉搬送機構48(52,56,60,136)が各担当エリア内の各枚葉式処理ユニットまたは各バッチ式処理装置にアクセスして処理済みの基板Giと処理前の基板Gjとを入れ替える動作を説明する。
【0122】
先ず、図13Aの(a)に示すように、当該枚葉搬送機構は、両枚葉搬送アームMU1,ML1を原位置または復動位置に引き戻した状態で、それぞれの搬送本体184U,184Lを昇降移動および回転移動させて、アクセス先の処理ユニット(図示せず)の手前に両枚葉搬送アームMU1,ML1を付ける。この時、両枚葉搬送アームMU1,ML1の片方たとえば下部枚葉搬送アームML1は、このアクセス先の処理ユニットで処理前の基板Gjを保持している。もう片方つまり上部枚葉搬送アームMU1は、基板Gの無い空の状態になっている。この空状態の上部枚葉搬送アームMU1の方を基板受け渡し用の高さ位置に合わせる。
【0123】
次に、当該枚葉搬送機構は、図13Aの(b)に示すように、空状態の上部枚葉搬送アームMU1を往動位置まで前進または伸長移動させて、このアクセス先の処理ユニットから処理済みの基板Giを上部枚葉搬送アームMU1で受け取る。次いで、図13Aの(c)に示すように、上部枚葉搬送アームMU1を原位置まで後退または短縮移動させて、この処理ユニットから処理済みの基板Giを搬出する。
【0124】
こうして処理済みの基板Giを搬出した直後に、当該枚葉搬送機構は、図13Bの(d)に示すように、昇降移動(図示の場合は上昇移動)を行って、処理前の基板Gjを保持している方の下部枚葉搬送アームML1を基板受け渡し用の高さ位置に合わせる。次いで、図13Bの(e)に示すように、下部枚葉搬送アームML1を往動位置まで前進または伸長移動させて、当該処理ユニット内に処理前の基板Gjを搬入して渡す。そして、図13Bの(f)に示すように、空の状態になった下部枚葉搬送アームML1を原位置まで後退または短縮移動させる。
【0125】
この実施形態における各枚葉搬送機構48,52,56,60,136は、2つの枚葉搬送アームMU1,ML1を用いて、それと隣接する上流側の枚葉シャトルJSU1/JSL1(または基板中継台)から1枚の基板Gを降ろす動作と、それと隣接する下流側の枚葉シャトルKSU1/KSL1(または基板中継台)に1枚の基板Gを積む動作とを同時または並行して行うことができる。
【0126】
図14Aに、各枚葉搬送機構48,52,56,60,136において、上流側の上部枚葉シャトルJSU1から1枚の基板Gjを卸し、これと同時に下流側の下部枚葉シャトルKSL1に1枚の基板Giを積む動作を示す。この場合、当該枚葉搬送機構は、図14Aの(a)に示すように、両枚葉搬送アームMU1,ML1を原位置または復動位置に引き戻した状態で、それぞれの搬送本体184U,184Lを昇降移動および回転移動させて、上流側の上部枚葉シャトルJSU1に上部枚葉搬送アームMU1を付け、下流側の下部シャトルKSL1に下部枚葉搬送アームML1を付ける。この時、上部枚葉搬送アームMU1は空の状態であり、下部枚葉搬送アームML1は基板Giを保持している。また、上流側の上部枚葉シャトルJSU1は基板Gjを積んでおり、下流側の下部枚葉シャトルKSL1は空の状態になっている。
【0127】
次に、当該枚葉搬送機構は、図14Aの(b)に示すように、上部枚葉搬送アームMU1を前進または伸長移動させて、上流側の上部枚葉シャトルJSU1から基板Gjを卸し(受け取り)、同時に下部枚葉搬送アームML1を前進または伸長移動させて、下流側の下部枚葉シャトルKSL1に基板Giを積む(渡す)。しかる後、図14Aの(c)に示すように、上部枚葉搬送アームMU1および下部枚葉搬送アームML1を原位置に引き戻す。
【0128】
図14Bに、枚葉搬送機構48,52,56,60,136において、上流側の下部枚葉シャトルJSL1から1枚の基板Gjを卸し、それと同時に下流側の上部枚葉シャトルKSU1に1枚の基板Giを積む動作を示す。この場合、当該枚葉搬送機構は、図14Bの(a)に示すように、両枚葉搬送アームMU1,ML1を原位置または復動位置に引き戻した状態で、それぞれの搬送本体184U,184Lを昇降移動および回転移動させて、上流側の下部枚葉シャトルJSL1に下部枚葉搬送アームML1を付け、下流側の上部枚葉シャトルKSU1に上部枚葉搬送アームMU1を付ける。この時、下部枚葉搬送アームML1は空の状態であり、上部枚葉搬送アームMU1は基板Giを保持している。また、上流側の下部枚葉シャトルJSL1は基板Gjを積んでおり、下流側の上部枚葉シャトルKSU1は空になっている。
【0129】
次に、当該枚葉搬送機構は、図14Bの(b)に示すように、下部枚葉搬送アームML1を前進または伸長移動させて、上流側の下部枚葉シャトルJSL1から基板Gjを卸し(受け取り)、同時に上部枚葉搬送アームMU1を前進または伸長移動させて、下流側の上部枚葉シャトルKSU1に基板Giを積む(渡す)。しかる後、図13Bの(c)に示すように、上部枚葉搬送アームMU1および下部枚葉搬送アームML1を原位置に引き戻す。
【0130】
また、この実施形態における各枚葉搬送機構48,52,56,60,136は、別の搬送形態として、2つの枚葉搬送アームMU1,ML1のうち、専ら一方たとえば上部枚葉搬送アームMU1を用いて上流側の枚葉シャトルJSU1/JSL1(または基板中継台)から1枚の基板Gを降ろす動作と、専ら他方つまり下部枚葉搬送アームML1を用いて下流側の枚葉シャトルKSU1/KSL1(または基板中継台)に1枚の基板Gを積む動作とを並行してまたは順次行うことができる。
【0131】
たとえば、上部枚葉搬送アームMU1を用いて上流側の上部枚葉シャトルJSU1から1枚の基板Gjを卸し、かつ下部枚葉搬送アームML1を用いて下流側の下部枚葉シャトルKSL1に1枚の基板Giを積むときは、図14Aと同様の並行的または同時的な動作を行うことができる。しかし、上部枚葉搬送アームMU1を用いて上流側の下部枚葉シャトルJSL1から1枚の基板Gjを卸し、かつ下部搬送アームML1を用いて下流側の上部枚葉シャトルKSU1に1枚の基板Giを積むときは、図15Aおよび図15Bに示すように順次的な動作になる。
【0132】
先ず、当該枚葉搬送機構は、図15Aの(a)に示すように、搬送本体184U,184Lを昇降移動および回転移動させて、下流側の上部シャトルKSU1に基板Giを保持している下部枚葉搬送アームML1を付ける。次に、図15Aの(b)に示すように、下部枚葉搬送アームML1を前進または伸長移動させて、下流側の上部枚葉シャトルKSU1に基板Gjを積む(渡す)。しかる後、図15Aの(c)に示すように、空になった下部枚葉搬送アームML1を原位置に引き戻す。
【0133】
次に、当該枚葉搬送機構は、図15Bの(d)に示すように、搬送本体184U,184Lを昇降移動および回転移動させて、上流側の下部枚葉シャトルJSL1に空状態の上部搬送枚葉アームMU1を付ける。次に、図15Bの(e)に示すように、上部枚葉搬送アームMU1を前進または伸長移動させて、上流側の下部シャトルJSL1から基板Gjを卸す(受け取る)。しかる後、図15Bの(f)に示すように、基板Gjを保持する上部枚葉搬送アームMU1を原位置に引き戻す。

[枚葉搬送機構の転送形態1]
【0134】
図16を参照して、各枚葉搬送機構48,52,56,60,136が、第1の転送形態によって、上流側の枚葉シャトルJSU1/JSL1から下流側の枚葉シャトルKSU1/KSL1へ基板Gを転送するまでの一連の動作を説明する。なお、上述したように、上流側枚葉シャトルJSU1/JSL1および下流側枚葉シャトルKSU1/KSL1は基板中継台(上部載置台/下部載置台)に置換可能である。
【0135】
この第1の転送形態は、当該枚葉搬送機構のアクセス可能な周囲に工程が連続する2種類の枚葉式処理ユニットA,B(たとえば枚葉式洗浄ユニット32および枚葉式パターニング・ユニット34)がそれぞれ1台ずつ設けられている場合に適用される。この場合、前工程の1台の枚葉式処理ユニットAおよび後工程の1台の枚葉式処理ユニットBは、いずれもタクト時間TSのサイクルで各基板Gnに対して所定の枚葉処理(枚葉洗浄処理および枚葉パターニング処理)をそれぞれ施す。図中、たとえば時点t0〜t4の期間および時点t4〜t8の期間は、タクト時間TSに相当する。
【0136】
図16において、時点t0では、上記連続する2種類(前工程および後工程)の枚葉処理を終えた1番目の基板G1が、枚葉搬送機構の下部枚葉搬送アームML1上で下流側の下部枚葉シャトルKSL1への積出を待っている。2番目の基板G2は、後工程を担う枚葉処理ユニットB内に滞在している。3番目の基板G3は、前(先)工程を担う枚葉処理ユニットA内に滞在している。この時、上流側の上部枚葉シャトルJSU1が4番目の基板G4を積んで上部荷卸位置WUに到着する。
【0137】
この直後に、当該枚葉搬送機構は、図14Aに示した動作により、上部枚葉搬送アームMU1を用いて上流側の上部枚葉シャトルJSU1から4番目の基板G4を卸すと同時に、下部枚葉搬送アームML1を用いて下流側の下部枚葉シャトルKSL1に1番目の基板G1を積む(t=t1〜t2)。
【0138】
次いで、当該枚葉搬送機構は、枚葉処理ユニットAにアクセスして、上流側の上部枚葉シャトルJSU1から卸したばかりの4番目の基板G4をこの時点で前工程が済んでいる3番目の基板G3と入れ替える(t=t2〜t3)。この場合、空になっている方の下部枚葉搬送アームML1を用いて処理済みの3番目の基板G3を枚葉処理ユニットAから搬出し、それと入れ替わりに上部枚葉搬送アームMU1を用いて処理前の4番目の基板G4を枚葉処理ユニットAに搬入する。
【0139】
次に、当該枚葉搬送機構は、枚葉処理ユニットBにアクセスして、枚葉処理ユニットAから搬出したばかりの3番目の基板G3をこの時点で後工程が済んでいる2番目の基板G2と入れ替える(t=t3〜t4)。この場合、空になっている方の上部枚葉搬送アームMU1を先に用いて処理済みの2番目の基板G2を枚葉処理ユニットBから搬出し、それと入れ替わりに下部枚葉搬送アームML1を用いて処理前の3番目の基板G3を枚葉処理ユニットBに搬入する。一方、上流側の下部枚葉シャトルJSL1が5番目の基板G5を積んで下部荷卸位置WLに到着する(t=t4)。
【0140】
この直後に、当該枚葉搬送機構は、図14Bに示した動作により、下部枚葉搬送アームML1を用いて上流側の下部枚葉シャトルJSL1から5番目の基板G5を卸すと同時に、上部枚葉搬送アームMU1を用いて下流側の上部枚葉シャトルKSU1に2番目の基板G2を積む(t=t5〜t6)。
【0141】
次いで、当該枚葉搬送機構は、枚葉処理ユニットAにアクセスして、上流側の下部枚葉シャトルJSL1から卸したばかりの5番目の基板G5をこの時点で前工程が済んでいる4番目の基板G4と入れ替える(t=t6〜t7)。この場合、空になっている方の上部枚葉搬送アームMU1を用いて処理済みの4番目の基板G4を枚葉処理ユニットAから搬出し、それと入れ替わりに下部枚葉搬送アームML1を用いて処理前の5番目の基板G5を枚葉処理ユニットAに搬入する。
【0142】
次に、当該枚葉搬送機構は、枚葉処理ユニットBにアクセスして、枚葉処理ユニットAから搬出したばかりの4番目の基板G4をこの時点で後工程が済んでいる3番目の基板G3と入れ替える(t=t7〜t8)。この場合、空になっている方の下部枚葉搬送アームML1を先に用いて処理済みの3番目の基板G3を枚葉処理ユニットBから搬出し、それと入れ替わりに上部枚葉搬送アームMU1を用いて処理前の4番目の基板G4を枚葉処理ユニットBに搬入する。搬出された3番目の基板G3は、下部枚葉搬送アームML1上で下流側の下部枚葉シャトルKSL1への積出を待つ。一方、上流側の上部枚葉シャトルJSU1が6番目の基板G6を積んで上部荷卸位置WUに到着する(t=t8)。以後も、タクト時間TSを基準周期として上記のような一連の基板転送動作が繰り返し行われる。

[枚葉搬送機構の転送形態2]
【0143】
図17に、当該枚葉搬送機構が担当するエリア内に枚葉式処理ユニットA、Bがそれぞれ複数台たとえば2台(A1,A2)および3台(B1,B2,B3)ずつ設けられている場合に適用される第2の基板転送形態を示す。ここで、枚葉式処理ユニットA1,A2は、タクト時間TSの時間差で各々が2TSの基板滞在時間(この中に正味の処理時間が含まれる)を要する前工程の枚葉処理Aを繰り返し行うようになっている。一方、枚葉式処理ユニットB1,B2,B3は、タクト時間TSの時間差で各々が3TSの基板滞在時間を要する後工程の枚葉処理Bを繰り返し行うようになっている。
【0144】
この場合、時点t0では、上記連続する2種類(前工程および後工程)の枚葉処理を終えた1番目の基板G1が、下部枚葉搬送アームML1に保持され、下流側の下部枚葉シャトルKSL1への積出を待っている。2番目、3番目および4番目の基板G2,G3,G4は、後工程を担う枚葉処理ユニットB1,B2,B3内それぞれ滞在している。5番目および6番目の基板G5,G6は、前工程を担う枚葉処理ユニットA1,A2内に滞在している。この時、上流側の上部枚葉シャトルJSU1が7番目の基板G7を積んで上部荷卸位置WUに到着する。
【0145】
この直後に、当該枚葉搬送機構は、図14Aに示した動作により、上部枚葉搬送アームMU1を用いて上流側の上部枚葉シャトルJSU1から7番目の基板G7を卸すと同時に、下部搬送アームML1を用いて下流側の下部枚葉シャトルKSL1に1番目の基板G1を積む(t=t1〜t2)。
【0146】
次いで、当該枚葉搬送機構は、枚葉処理ユニットA1にアクセスして、上流側の上部枚葉シャトルJSU1から卸したばかりの7番目の基板G7をこの時点で間近に前工程が済んでいる5番目の基板G5と入れ替える(t=t2〜t3)。
【0147】
次に、当該枚葉搬送機構は、枚葉処理ユニットB1にアクセスして、枚葉処理ユニットA1から搬出したばかりの5番目の基板G5をこの時点で間近に後工程が済んでいる2番目の基板G2と入れ替える(t=t3〜t4)。一方、上流側の下部枚葉シャトルJSL1が8番目の基板G8を積んで下部荷卸位置WLに到着する(t=t4)。
【0148】
この直後に、当該枚葉搬送機構は、図14Bに示した動作により、下部枚葉搬送アームML1を用いて上流側の下部枚葉シャトルJSL1から8番目の基板G8を卸すと同時に、上部枚葉搬送アームMU1を用いて下流側の上部枚葉シャトルKSU1に2番目の基板G2を積む(t=t5〜t6)。
【0149】
次いで、当該枚葉搬送機構は、枚葉処理ユニットA2にアクセスして、上流側の下部シャトルJSL1から卸したばかりの8番目の基板G8をこの時点で間近に前工程が済んでいる6番目の基板G4と入れ替える(t=t6〜t7)。
【0150】
次に、枚葉搬送機構32は、枚葉処理ユニットB2にアクセスして、枚葉処理ユニットA2から搬出したばかりの6番目の基板G6をこの時点で間近に後工程が済んでいる3番目の基板G3と入れ替える(t=t7〜t8)。搬出された3番目の基板G3は、下部枚葉搬送アームML1上で下流側の下部枚葉シャトルKSL1への積出を待つ。一方、上流側の上部枚葉シャトルJSU1が9番目の基板G9を積んで上部荷卸位置WUに到着する(t=t8)。以後も、タクト時間TSを基準周期として上記のような一連の基板転送動作が繰り返し行われる。

[枚葉/バッチ搬送機構の構成]
【0151】
図18に、枚葉/バッチ搬送機構64の構成を示す。なお、バッチ/枚葉搬送機構72も枚葉/バッチ搬送機構64と同様の構成を有している。
【0152】
枚葉/バッチ搬送機構64は、方位角方向(θ方向)に回転可能かつ鉛直方向(Z方向)に昇降可能であって、水平の進退または伸縮移動を各々独立に行える上下2段のバッチ搬送アームMU10および枚葉搬送アームML1を有している。より詳細には、枚葉/バッチ搬送機構64は、図18に示すように、たとえばリニアモータまたはボールネジ機構を有する定置型の昇降駆動部186の昇降駆動軸188に上部および下部搬送本体190U,190Lを2段に重ねて昇降可能に取り付け、昇降駆動軸188上で各搬送本体190U,190Lを方位角方向(θ方向)で各々独立に任意の方角に回転移動できるように構成し、搬送本体190U,190L上で両搬送アームMU10,ML1をそれぞれ独立に進退または伸縮移動できるように構成している。ここで、バッチ搬送アームMU10は、一度に複数枚(たとえば10枚)の基板Gを着脱可能に載置、担持または保持できるように構成されている。一方、枚葉搬送アームML1は、一度に1枚の基板Gを着脱可能に載置、担持または保持できるように構成されている。
【0153】
かかる構成の枚葉/バッチ搬送機構64は、その周囲に配置されている枚葉シャトル搬送部58と、基板中継台62と、バッチ式熱処理装置40の第2のボート載置台82,84上に載置されている第2のボート88D,88E,88Fのいずれか2つと、バッチシャトル搬送部66とにアクセス可能であり、各アクセス先で基板Gのやり取りを1枚単位または10枚単位で行えるようになっている。

[枚葉/バッチ搬送機構の動作]
【0154】
図19Aおよび図19Bにつき、枚葉/バッチ搬送機構64がバッチ式熱処理装置40の第2のボート載置台82上に載置されている第2のボート88D,88E,88Fのいずれかに対して、一度に10枚の処理後の基板Gj〜Gj+9を取り出し、それと入れ替わりに処理前の基板Giを1枚装入する動作を説明する。
【0155】
先ず、図19Aの(a)に示すように、枚葉/バッチ搬送機構64は、両搬送アームMU10,ML1を原位置または復動位置に引き戻した状態で、それぞれの搬送本体190U,190Lを昇降移動および回転移動させて、アクセス先の第2のボート(図示せず)の手前に両搬送アームMU10,ML1を付ける。この時、枚葉搬送アームML1は、直前に基板中継台62より引き取った1枚の基板Giを保持している。バッチ搬送アームMU10は、基板Gの無い空の状態になっている。この空状態のバッチ搬送アームMU10の高さ位置をアクセス先の10個のスロット(図示せず)に合わせる。
【0156】
次に、枚葉/バッチ搬送機構は、図19Aの(b)に示すように、空状態のバッチ搬送アームMU10を往動位置まで前進または伸長移動させて、このアクセス先の第2のボート内の連続する10個のスロットから10枚の処理後の基板Gj〜Gj+9をバッチ搬送アームMU1の上に移載する。次いで、図19Aの(c)に示すように、10枚の処理後の基板Gj〜Gj+9を保持するバッチ搬送アームMU10を原位置まで後退または短縮移動させる。
【0157】
こうして一度に10枚の処理後の基板Gi〜Gj+9を搬出した直後に、枚葉/バッチ搬送機構64は、図19Bの(d)に示すように、昇降移動(図示の場合は上昇移動)を行って、今度は処理前の基板Gjを保持している枚葉搬送アームML1の高さ位置をアクセス先の1個のスロット(図示せず)に合わせる。次いで、図19Bの(e)に示すように、枚葉搬送アームML1を往動位置まで前進または伸長移動させて、当該スロット内に処理前の基板Gjを装入する。そして、図19Bの(f)に示すように、空の状態になった枚葉搬送アームML1を原位置まで後退または短縮移動させる。
【0158】
図20を参照して、枚葉/バッチ搬送機構64が、たとえば第2のボート88Dをアクセス先として、上記のような処理後の基板の取り出しと処理前の基板の装入とを繰り返し行う際の周囲の各部、特に基板中継台62(62U/62L)およびバッチシャトル搬送部66との連携動作を説明する。
【0159】
図20において、時点taでは、枚葉/バッチ搬送機構64のバッチ搬送アームMU10および枚葉搬送アームML1はいずれも基板が無い空の状態になっている。
【0160】
この直後に、枚葉搬送機構60(図2)が、処理前の基板G401を基板中継台62の上部載置台62Uに置く(t=ta)。この時、枚葉/バッチ搬送機構64は、バッチ搬送アームMU10を用いてボート88Dから10枚の処理後の基板G1〜G10を一括して取り出している(t=ta〜tb)。
【0161】
次に、枚葉/バッチ搬送機構64は、枚葉搬送アームML1を伸ばして上部載置台62U上の基板G401を受け取る一方で、バッチ搬送アームMU10を前進させて処理後の基板G1〜G10をバッチシャトル66に積む(t=tc)。
【0162】
10枚の処理後の基板G1〜G10を積んだバッチシャトル66は、直後に積出位置から荷卸位置へ移動する(t=tc)。枚葉/バッチ搬送機構64は、枚葉搬送アームML1に保持している1枚の処理前の基板G401をボート88Dの所定のスロットに装入する(t=te)。
【0163】
この直後に、枚葉搬送機構60(図2)が、次の処理前の基板G402を基板中継台62の下部載置台62Lに置く(t=tf)。一方、枚葉/バッチ搬送機構64は、バッチ搬送アームMU10を用いてボート88Dから次の10枚の処理後の基板G11〜G20を一括して取り出す(t=tg)。そして、枚葉搬送アームML1を用いて下部載置台62L上の基板G402を引き取るとともに、バッチ部搬送アームMU10を前進させて処理後の基板G11〜G20をバッチシャトル66に積む(t=th〜ti)。
【0164】
こうして10枚の処理後の基板G11〜G20を積んだバッチシャトル66は、直後に積出位置から荷卸位置へ向かう。一方、枚葉/バッチ搬送機構64は、枚葉搬送アームML1に保持している処理前の基板G402をボート88Dの対応するスロットに装入する(t=tj)。
【0165】
以後も、ボート88Dに対して上記と同様な複数枚単位での処理後の基板の取り出しと1枚単位での処理前の基板の装入とが同時に繰り返される。ただし、このバッチ取り出し/枚葉装入の複合動作が10回繰り返されると、ボート88Dの中は、処理後の基板G1〜G100が全部(100枚)取り出されて無くなり、代わって新たに10枚の処理前の基板G401〜G410が格納された状態になる。
【0166】
この後、枚葉搬送機構60よりタクト時間TSの周期で基板中継台62(上部載置台62U/下部載置台62)を介して送られてくる後続(90枚)の処理前の基板G411〜G500について、枚葉/バッチ搬送機構64は、枚葉部搬送アームML1を用いて1枚ずつボート88Dの対応する各スロットに装入する(つまり枚葉装入動作だけを繰り返す)。

[バッチ式熱処理装置内の動作]
【0167】
図21Aおよび図21Bを参照して、バッチ式熱処理装置49内の全体的な動作の手順を説明する。なお、図21Aおよび図21Bでは、第1のボート80A,80B,80Cおよび第2のボート88D,88E,88FをA,B,CおよびD,E,Fとそれぞれ略記している。
【0168】
図21Aの(a)は、第1のボート80Aが縦型バッチ熱処理炉114内に入れられ、このボート80Aに保持されているバッチ処理枚数(100枚)の基板Gが一括的な熱処理を受けているときの各部の状態を示す。ここで、第1のボート80Aは、第2のボート88Fの後にそれと入れ替わりで熱処理炉114に入れられている。したがって、第2のボート88Fに保持されているバッチ処理枚数(100枚)の基板Gは、熱処理を終えた直後であり、冷却用の第2のボート載置台86上に置かれている。
【0169】
第1のボート移載機116回りにおいて、ボート載置台75,76上には、第1のボート80B,80Cがそれぞれ載置されている。枚葉搬送機構56は、タクト時間TSの1サイクル毎に、ボート80Cの各スロットから処理後の基板Gを1枚ずつ取り出して枚葉シャトル搬送部58に送り出すとともに、処理前の基板Gを1枚ずつ基板中継台54から引き取ってボート80Bの各対応するスロットに装入する動作を行う。ボート80Aが熱処理炉114内に入っている期間中、ボート80Cからは前半部(50枚)の処理後の基板Gが順次1枚ずつ取り出され、ボート80Bには前半部(50枚)の処理前の基板Gが順次1枚ずつ装入される。
【0170】
一方、第2のボート移載機118回りにおいて、ボート載置台82,84上には、第2のボート88D,88Eがそれぞれ載置されている。枚葉/バッチ搬送機構64は、タクト時間TSの1サイクル毎に、処理前の基板Gを1枚ずつ基板中継台62から引き取ってボート88Eの各対応するスロットに装入する。ボート80Aが熱処理炉114内に入っている間は、ボート88Eにはそこに収納されるべきバッチ処理枚数(100枚)の後半部(50枚)の処理前の基板Gが順次1枚ずつ装入される。ボート載置台82上に載置されているボート88Dは、ボート80Aの次に熱処理炉114に入れられる順番にあり、バッチ処理枚数(100枚)の処理前の基板Gの格納を既に完了している。
【0171】
第1のボート80A上の基板Gに対するバッチ方式の熱処理が終了すると、昇降機構168(図7)が作動して、ボート80Aを熱処理炉114の外に抜き出す。すると、第1のボート移載機116が、ボート80Aをボート支持アーム164から引き取って冷却用の第1のボート載置台78の上に移す。そして、これと入れ替わりに、第2のボート移載機118が、第2のボート88Dを第2のボート載置台82からボート支持アーム164に移す。直後に、昇降機構168が作動して、第2のボート88Dを熱処理炉114の中に入れる。
【0172】
第2のボート88Dが熱処理炉114の中に入れられると、このボート88Dに保持されているバッチ処理枚数(100枚)の基板Gに対する熱処理が即座に開始される。一方で、第2のボート移載機118は、図21の(b)に示すように、ボート88Eをボート載置台84からボート載置台82に移すとともに、ボート88Fをボート載置台86からボート載置台84に移す。
【0173】
熱処理炉114のヒータは、熱処理の期間中はもちろんボートの出し入れを行っている間も常に一定の発熱温度でオンしており、故障でも起こらない限りバッチ式熱処理装置40の稼働中にオフ状態になることはない。
【0174】
こうして第2のボート88Dが熱処理炉114に入っている期間中に、枚葉/バッチ搬送機構64は、ボート載置台84上のボート88Fに対して、図19Aおよび図19Bに示すようなバッチ取り出し/枚葉装入の複合動作によりボート88Fから処理後の基板Gを複数枚(10枚)ずつ取り出してバッチシャトル搬送部66へ渡す。そして、処理後の基板Gをバッチ式焼成装置42へ全部(100枚)送り出した後は、ボート88Fに処理前の基板Gを1枚ずつ装入する動作だけを繰り返し行う。ボート載置台82上に移された第2のボート88Eは、次に熱処理炉114に入れられる第2のボートであり、バッチ処理枚数(100枚)分の処理前の基板Gの装入を既に完了している。
【0175】
一方、枚葉搬送機構56は、第2のボート88Dが熱処理炉114に入っている期間中も、タクト時間TSの1サイクル毎に、ボート80Cの各スロットから処理後の基板Gを1枚ずつ取り出して枚葉シャトル搬送部58に送り出すとともに、処理前の基板Gを1枚ずつ基板中継台54から引き取ってボート80Bの各対応するスロットに装入する動作を行う。この期間中は、ボート80Cから後半部(50枚)の基板Gが順次1枚ずつ取り出され、ボート80Bには後半部(50枚)の基板Gが順次1枚ずつ装入される。
【0176】
第2のボート88D上の基板Gに対するバッチ方式の熱処理が終了すると、上記と同様に昇降機構168が作動して、ボート88Dを熱処理炉114の外に出す。そうすると、第2のボート移載機118が、ボート88Dをボート支持アーム164から引き取って冷却用の第2のボート載置台86の上に移す。そして、これと入れ替わりに、第1のボート移載機116が、第1のボート80Bをボート載置台75からボート支持アーム164の上に移す。この直後に、昇降機構168が第1のボート80Bを熱処理炉114の中に入れる。
【0177】
第1のボート80Bが熱処理炉114の中に入れられると、このボート80Bに保持されているバッチ処理枚数(100枚)の基板Gに対する熱処理が即座に開始される。一方で、第1のボート移載機116は、図21Aの(c)に示すように、ボート80Cをボート載置台76からボート載置台75に移すとともに、ボート80Aをボート載置台78からボート載置台76に移す。
【0178】
こうして第1のボート80Bが熱処理炉114に入っている期間中に、枚葉搬送機構56は、タクト時間TSの1サイクル毎に、ボート80Aの各スロットから処理後の基板Gを1枚ずつ取り出して枚葉シャトル搬送部58に送り出すとともに、処理前の基板Gを1枚ずつ基板中継台54から引き取ってボート80Cの各対応するスロットに装入する動作を行う。この期間中は、ボート80Aからは前半部(50枚)の処理後の基板Gが順次1枚ずつ取り出され、ボート80Cには前半部(50枚)の処理前の基板Gが順次1枚ずつ装入される。
【0179】
一方、枚葉/バッチ搬送機構64は、タクト時間TSの1サイクル毎に処理前の基板Gを1枚ずつ基板中継台62から引き取ってボート載置台84上のボート88Fの各対応するスロットに装入する動作を継続する。この場合、ボート88Fには後半部(50枚)の処理前の基板Gが順次1枚ずつ装入される。ボート載置台82上のボート88Eは、バッチ処理枚数(100枚)の処理前の基板Gを格納した状態で待機する。
【0180】
第1のボート80B上の基板Gに対するバッチ方式の熱処理が終了すると、上記と同様に昇降機構168がボート80Bを熱処理炉114の外に出す。そうすると、図21Bの(d)に示すように、第1のボート移載機116が、ボート80Bをボート支持アーム164から引き取って冷却用の第1のボート載置台78の上に移す。そして、これと入れ替わりに、第2のボート移載機118が、第2のボート88Eをボート載置台82からボート支持アーム164の上に移す。直後に、第2のボート88Eは熱処理炉114の中に入れられる。
【0181】
第2のボート88Eが熱処理炉114の中に入れられると、このボート88Eに保持されているバッチ処理枚数(100枚)の基板Gに対する熱処理が即座に開始される。こうして第2のボート88Eが熱処理炉114に入っている期間中に、枚葉/バッチ搬送機構64は、ボート載置台84上のボート88Dにアクセスして、バッチ取り出し/枚葉装入の複合動作によりボート88Dから処理後の基板Gを複数枚(10枚)ずつ取り出してバッチシャトル搬送部66へ渡す。そして、処理後の基板Gをバッチ式焼成装置42へ全部(100枚)送り出した後は、ボート88Fに処理前の基板Gを1枚ずつ装入する動作だけを繰り返し行う。ボート載置台82上に移された第2のボート88Fは、次に熱処理炉114に入れられる第2のボートであり、バッチ処理枚数(100枚)分の処理前の基板Gの装入を既に完了している。
【0182】
一方、枚葉搬送機構56は、タクト時間TSの1サイクル毎に、ボート80Aの各スロットから処理後の基板Gを1枚ずつ取り出して枚葉シャトル搬送部58に送り出すとともに、処理前の基板Gを1枚ずつ基板中継台54から引き取ってボート80Cの各対応するスロットに装入する動作を継続する。この期間中は、ボート80Aからは後半部(50枚)の処理後の基板Gが順次1枚ずつ取り出され、ボート80Cには後半部(50枚)の処理前の基板Gが順次1枚ずつ装入される。
【0183】
第2のボート88E上の基板Gに対するバッチ方式の熱処理が終了すると、上記と同様にボート88Eは熱処理炉114の外に出される。そうすると、第2のボート移載機118が、ボート88Eをボート支持アーム164から引き取って冷却用の第2のボート載置台86の上に移す。そして、これと入れ替わりに、第1のボート移載機116が、第1のボート80Cをボート載置台75からボート支持アーム164の上に移す。そして、第1のボート80Cは縦型バッチ熱処理炉114の中に入れられる。
【0184】
第1のボート80Cが熱処理炉114の中に入れられると、このボート80Cに保持されているバッチ処理枚数(100枚)の基板Gに対する熱処理が即座に開始される。一方で、第1のボート移載機116は、図21Bの(e)に示すように、ボート80Aをボート載置台76からボート載置台75に移すとともに、ボート80Bをボート載置台78からボート載置台76に移す。
【0185】
こうして第1のボート80Cが熱処理炉114に入っている期間中に、枚葉搬送機構56は、タクト時間TSの1サイクル毎に、ボート80Bの各スロットから処理後の基板Gを1枚ずつ取り出して枚葉シャトル搬送部58に送り出すとともに、処理前の基板Gを1枚ずつ基板中継台54から引き取ってボート80Aの各対応するスロットに装入する動作を行う。この期間中は、ボート80Bからは前半部(50枚)の処理後の基板Gが順次1枚ずつ取り出され、ボート80Aには前半部(50枚)の処理前の基板Gが順次1枚ずつ装入される。
【0186】
一方、枚葉/バッチ搬送機構64は、タクト時間TSの1サイクル毎に処理前の基板Gを1枚ずつ基板中継台62から引き取ってボート88Dの各対応するスロットに装入する動作を継続する。この場合、ボート88Dには後半部(50枚)の処理前の基板Gが順次1枚ずつ装入される。
【0187】
第1のボート80C上の基板Gに対する熱処理が終了すると、上記と同様にボート80Cは熱処理炉114の外に出される。すると、図21Bの(f)に示すように、第1のボート移載機116が、ボート80Cをボート支持アーム164から引き取って冷却用の第1のボート載置台78の上に移す。そして、これと入れ替わりに、第2のボート移載機118が、第2のボート88Fをボート載置台82からボート支持アーム164の上に移す。直後に、第2のボート88Fは縦型バッチ熱処理炉114の中に入れられる。
【0188】
第2のボート88Fが熱処理炉114の中に入れられると、このボート88Fに保持されているバッチ処理枚数(100枚)の基板Gに対する熱処理が即座に開始される。こうして第2のボート88Fが熱処理炉114に入っている期間中に、枚葉/バッチ搬送機構64は、ボート載置台84上のボート88Eにアクセスして、バッチ取り出し/枚葉装入の複合動作によりボート88Eから処理後の基板Gを複数枚(10枚)ずつ取り出してバッチシャトル搬送部66へ渡す。そして、処理後の基板Gをバッチ式焼成装置42へ全部(100枚)送り出した後は、ボート88Eに処理前の基板Gを1枚ずつ装入する枚葉装入動作のみを継続する。ボート載置台82上に移された第2のボート88Dは、次に熱処理炉114に入れられる第2のボートであり、バッチ処理枚数(100枚)分の処理前の基板Gの装入を既に完了している。
【0189】
一方、枚葉搬送機構56は、タクト時間TSの1サイクル毎に、ボート80Bの各スロットから処理後の基板Gを1枚ずつ取り出して枚葉シャトル搬送部58に送り出すとともに、処理前の基板Gを1枚ずつ基板中継台54から引き取ってボート80Aの各対応するスロットに装入する動作を継続する。この期間中は、ボート80Bからは後半部(50枚)の処理後の基板Gが順次1枚ずつ取り出され、ボート80Aには後半部(50枚)の処理前の基板Gが順次1枚ずつ装入される。
【0190】
以後も、図21Aおよび図21Bの(a)→(b)→(c)→(d)→(e)→(f)に示す動作ないし状態が繰り返される。上述したように、熱処理炉114には、枚葉式作用極成膜処理を受けた直後のバッチ処理枚数(100枚)の基板Gを保持する第1のボート80A,80B,80Cの中から順番に選ばれるいずれか1つと、枚葉式グリッド配線成膜処理を受けた直後のバッチ処理枚数(100枚)の基板Gを保持する第2のボート88D,88E,88Fの中から順番に選ばれるいずれか1つが交互に入れられる。熱処理炉114のヒータは常時一定の発熱温度でオンしており、熱処理炉114の中に入れられるボートが第1のボートであるのか第2のボートであるのかに関係なく、ボートの入れ替え時間を挟んで同一プロセスのバッチ式熱処理が連続的に繰り返される。
【0191】
なお、この実施形態では第1のボート載置台75,76,78の各々および第2のボート載置台82,84,86の各々に特定の役割を分担させたが、必ずしもそのような役割固定方式に限定する必要はない。たとえば、第1のボート載置台75,76の役割を共通化することより、それらの間で第1のボートを移す手間を省くことも可能である。同様に、第2のボート載置台82,84の役割を共通化することより、それらの間で第2のボートを移す手間を省くことも可能である。また、可動のボート載置台を用いることにより、ボート移載機116,118のタスクを減らすことも可能である。

[バッチ式焼成装置の動作手順]
【0192】
バッチ式焼成装置42は、上述したように4台の縦型バッチ焼成炉120,122,124,126が一定の時間差を置いて同一の焼成処理を繰り返し行うようになっている。
【0193】
バッチ式熱処理装置40で2回目の熱処理を終えた基板Gは、複数枚(10枚)単位でバッチシャトル搬送部66を介してバッチ式焼成装置42に送られて来る。バッチ搬送機構68は、バッチ搬送アームMU10を用いて、バッチシャトル搬送部66より卸した複数枚(10枚)の基板Gをそのまま一括して第1〜第4の焼成炉120,122,124,126のいずれかに割り振る。
【0194】
より詳細には、バッチ搬送機構68は、受け取ったそれら複数枚(10枚)の基板Gを第1の焼成炉120に割り振るときは、それら複数枚(10枚)の基板Gを第3のボート載置台90,92上に載置されている第3のボート94A,94Bのいずれかに一括して装入する。また、第2の焼成炉122に割り振るときも、自らそれら複数枚(10枚)の基板Gを第4のボート載置台96,98上に載置されている第4のボート100A,100Bのいずれかに一括して装入する。
【0195】
しかし、焼成炉124,126のいずれかに割り振るときは、バッチ搬送機構68は、それら複数枚(10枚)の基板Gをバッチシャトル搬送部70を介してバッチ/枚葉搬送機構72に渡す。バッチ/枚葉搬送機構72は、バッチシャトル搬送部70からそれら複数枚(10枚)の基板Gを卸し、第3の焼成炉124に割り振るときは、第5のボート載置台102,104上に載置されている第5のボート106A,106Bのいずれかにそれら複数枚(10枚)の基板Gをまとめて装入し、第4の焼成炉126に割り振るときは、第6のボート載置台108,110上に載置されている第6のボート112A,112Bのいずれかにそれら複数枚(10枚)の基板Gを一括して装入する。
【0196】
上記のような複数枚(10枚)単位の基板Gの割り振りは、所定回数(10回)連続して行われる。たとえば、第3のボート載置台92上に載置されている第3のボート94Bに、バッチ処理枚数(100枚)の基板Gを装入するときは、10枚単位の一括割り当てないし一括装入が10回連続して行われる。この場合、第3のボート94Bから第1の焼成炉120で焼成処理を終えているバッチ処理枚数(100枚)の処理後の基板Gをいったん全部取り出して空にした後に、複数枚(10枚)ずつの処理前の基板Gの搬入を繰り返し行ってもよいが、複数枚(10枚)ずつの処理後の基板Gの取り出しと複数枚(10枚)ずつの処理前の基板Gの装入とを並行して交互に行うことも可能である。
【0197】
一方、バッチ/枚葉搬送機構72は、たとえば第5のボート載置台102上に載置されている第5のボート106Aにバッチ処理枚数(100枚)の基板Gを装入するときは、バッチ搬送機構68と同様にバッチ搬送アームMU10を用いて複数枚(10枚)単位の一括装入を繰り返す。しかし、ボート106Aから処理後の基板Gを取り出すときは、枚葉搬送アームML1を用いて1枚ずつの枚葉取り出しを行い、取り出した1枚の基板Gを枚葉シャトル搬送部74に送り出す。
【0198】
また、第1または第2の焼成炉124,126で焼成処理を受けた基板Gは、複数枚(10枚)単位でバッチ搬送機構68よりバッチシャトル搬送部70を介してバッチ/枚葉搬送機構72に送られてくる。バッチ/枚葉搬送機構72は、枚葉搬送アームML1を用いて、バッチシャトル搬送部70の荷卸位置に着いたバッチシャトル(SU10もしくはSL10)から処理後の基板Gを1枚ずつ卸して枚葉シャトル搬送部74に転送する。

[実施形態における主な作用効果]
【0199】
上述したように、この実施形態の基板処理装置は、搬送ライン46上に、または搬送ライン46に沿って、枚葉式の処理ユニット(処理装置)32,34,36,38,44とバッチ式処理装置40,42とを混在させて配置し、基板Gを1枚ずつ搬送する枚葉搬送と基板Gを複数枚ずつ一括搬送するバッチ搬送とを巧みに織り交ぜることにより、異なる枚葉式処理装置同士の間および異なるバッチ式処理装置同士の間だけでなく、枚葉式処理装置とバッチ式処理装置との間でも基板を連続的に効率よく搬送するようにしており、これによって枚葉/バッチ混載処理のスループットを大きく向上させている。
【0200】
特に、異なる枚葉式処理装置同士(たとえば34,36)の間では、それぞれの枚葉式処理装置(36,38)にアクセス可能な2つの枚葉搬送機構(48,52)を介して基板Gが1枚ずつ搬送される。一方、異なるバッチ式処理装置同士(たとえば40,42)の間では、それぞれのバッチ式処理装置(40,42)にアクセス可能な2つのバッチ搬送機構(64,68)を介して基板Gが複数枚ずつ搬送される。
【0201】
この場合、上流側のバッチ式処理装置(40)は、枚葉/バッチ搬送機構64を介して、それよりも上流側の枚葉式処理装置(38)から処理前の基板Gを1枚ずつ受け取るとともに、それよりも下流側のバッチ式処理装置(42)へ処理後の基板Gを複数枚ずつ渡す。また、下流側のバッチ式処理装置(42)は、バッチ搬送機構68を介してそれよりも上流側のバッチ式処理部(42)から処理前の基板Gを複数枚ずつ受け取るとともに、バッチ/枚葉搬送機構72を介してそれよりも下流側の枚葉式処理装置(44)へ基板Gを1枚ずつ渡す。
【0202】
また、枚葉式処理装置(たとえば36)→バッチ式処理装置(40)→枚葉式処理装置(たとえば38)の基板搬送においては、搬送ライン46上の各枚葉搬送機構52,56,60が、各担当のエリア内に設けられる処理装置が枚葉式またはバッチ式のいずれであっても、一律にタクト時間TSのサイクルで基板Gを1枚ずつ出し入れまたは入れ替えする。これによって、搬送ライン46上の各部における基板Gの枚葉搬送がすべてタクト時間TSを基準周期として繰り返され、高スループット化が達成される。
【0203】
また、この実施形態の基板処理装置においては、枚葉式作用極成膜処理を終えた基板Gに対する熱処理と枚葉式グリッド配線成膜処理を終えた基板Gに対する熱処理とを1台のバッチ式熱処理装置に交互にしかも連続的に行わせているので、熱処理装置のハードウェアコストを半減できるだけでなく、消費電力を著しく低減することができる。通常の熱処理装置は、ヒータのオン/オフを頻繁に繰り返すことによって、熱処理の時よりもいったん冷えた状態から設定加熱温度まで温める時に多大な電力を消費する。この実施形態におけるバッチ式熱処理装置40は、稼働中にヒータをオンし続け、ヒータの発生する熱を殆ど休みなく有効利用するので、電力使用効率を大幅に向上させることができる。
【0204】
さらに、この実施形態の基板処理装置においては、搬送ライン46上に枚葉シャトル搬送部50,58,74およびバッチシャトル搬送部66,70が設けられている。
【0205】
たとえば、枚葉搬送機構48と枚葉搬送機構52との間では、枚葉シャトル搬送部50の上部/下部枚葉シャトルSU1/SL1を交互に用いて上流側(48)から下流側(52)に基板Gをタクト時間TSのサイクルで1枚ずつ搬送する。この場合、枚葉搬送機構48は、上部/下部枚葉シャトルSU1/SL1のどちらかが積出位置FU/FLに滞在している間に基板Gを積めばよく、枚葉搬送機構52の出方を気にしなくてよい。一方、枚葉搬送機構52の方は、上部/下部シャトルSU1/SL1のどちらかが荷卸位置WU/WLに滞在している間に基板Gを卸せばよく、枚葉搬送機構48の状況を気にしなくてよい。
【0206】
同様の関係は、枚葉シャトル搬送部58を挟んで基板Gをやりとりする枚葉搬送機構56と枚葉搬送機構60との間でも成立する。上流側の枚葉搬送機構は、上部/下部枚葉シャトルSU1/SL1のどちらかが積出位置FU/FLに滞在している間に基板Gを積めばよく、下流側の枚葉搬送機構は、上部/下部シャトルSU1/SL1のどちらかが荷卸位置WU/WLに滞在している間に基板Gを卸せばよい。したがって、上流側の枚葉搬送機構が基板Gjを積むタイミングと下流側の枚葉搬送機構が基板Giを卸すタイミングが一致していてもよく、多少ずれていてもよい。
【0207】
また、各々の枚葉搬送機構48,52,56,60,136は、各々の担当エリア内で基板Gの転送を行うために、搬送本体184U,184Lの昇降移動・回転移動と枚葉搬送アームMU1,ML1の進退または伸縮移動を行えばよく、搬送本体184U,184Lの水平移動を必要としない。このため、各々の枚葉搬送機構48,52,56,60,136は、基板転送を高速かつ効率よく行えるうえ、パーティクルの発生または巻き上がりを少なくすることができる。
【0208】
一方、枚葉シャトル搬送部50,58,74は、基板Gを1枚積載するだけの軽量小型の荷台174を有する上部/下部枚葉シャトルSU1/SL1を一軸の搬送機構で水平移動させるだけなので、構造および動作が至って簡単であり、パーティクルを発生させることも少ない。
【0209】
さらに、各々の枚葉シャトル搬送部50,58,74は、同一構造および同一機能を有する上部枚葉シャトルSU1および下部枚葉シャトルSL1の定型動作(積出滞在→往路移動→荷卸滞在→復路移動)を逆サイクルまたは逆位相で繰り返し行えばよいので、搬送プログラム(ソフトウェア)を著しく簡易化し低コスト化することができる。
【0210】
この実施形態では、枚葉シャトル搬送部50,58,74の動作をすべて同期させることも可能であり、それによってシステム全体で搬送プログラム(ソフトウェア)の一層の簡易化・低コスト化さらには高スループットを実現することができる。
【0211】
また、バッチシャトル搬送部66,70は、複数枚の基板Gを一括搬送するので、異なるバッチ式処理装置間またはバッチ処理部内の基板の転送やボートに基板Gを出し入れする作業に時間的な余裕を作れるとともに、バッチ式処理部と枚葉式処理部との間で基板1枚当たりのタクトを揃えることも可能である。

[他の実施形態または変形例]
【0212】
上述した実施形態の基板処理装置において、搬送ライン46上の基板中継台54,62あるいはローダ12側の基板中継台20またはアンローダ14側の基板中継台26の一部または全部を枚葉シャトル搬送部に置き換えることも可能である。
【0213】
一般に、複数の搬送機構に定置の基板中継台を介して基板のやり取りを行わせる場合は、基板を渡す側の搬送機構が基板を基板中継台に載せた後に、基板を受け取る側の搬送機構が基板中継台から当該基板を持ち去るという手順になる。しかし、別な見方をすれば、基板を受け取る側の搬送機構が基板を基板中継台から持ち去った後に、基板を渡す側の搬送機構が別の基板を基板中継台に載せる手順でもある。要するに、基板を渡す側の搬送機構が基板を基板中継台に載せる動作と、基板を受け取る側の搬送機構が基板を基板中継台から持ち去る動作とは同時に実行できない。両搬送機構は、それぞれ固有の搬送タスクを独立に行いつつも、双方の間で基板のやり取りを行う時は基板中継台の空き状況を確認しなければならず、場合によっては割り込み制御も必要になる。これによって、搬送効率の低下を来すだけでなく、搬送機構の制御プラグラム(ソフトウェア)が膨大かつ高コストになることがある。基板中継台を枚葉シャトル搬送部に置き換えることにより、搬送プログラムの簡易化・低コスト化を推進することができる。
【0214】
上述した実施形態における基板処理装置の発展形として、たとえば図22に示すように、色素増感太陽電池(図23)の製造プロセスに使用する全ての処理ユニットを集約した処理システムを構築することも可能である。
【0215】
この処理システムでは、上記実施形態のように第1のプロセスステーション10により透明基板208側の第1積層アッセンブリ(308/300/304/312)を作製するとともに、第2のプロセスステーション200により対向基板310側の第2積層アッセンブリ(310/305/302/318)を作製し、貼り合わせユニット202において第1積層アッセンブリ(308/300/304/312)と第2積層アッセンブリ(310/305/302/318)とを貼り合わせるようにしている。
【0216】
ここで、第1のプロセスステーション10には、上記実施形態と同様に透明電極302がパターニングされる前のブランケットの透明導電層が形成されている透明基板308が未処理の基板Gとしてローダ12よりタクト時間TSのサイクルで投入される。一方、第2のプロセスステーション200には、下地電極305がパターニングされる前のブランケットの導電層(たとえばFTO)が形成されている対向基板310が未処理の基板Hとしてローダ204よりタクト時間TSのサイクルで投入される。ローダ204は、ローダ12と同様の構成および機能を有し、ローダ搬送機構206を備えている。
【0217】
第2のプロセスステーション200は、ローダ204から貼り合わせユニット202に向かってプロセスフローの順に配置された枚葉集中ブロック200Aおよび枚葉/バッチ混載ブロック200Bから構成されている。
【0218】
ローダ204に隣接する上流側の枚葉集中ブロック200Aには、1台または複数台の枚葉式洗浄ユニット208と、1台または複数台の枚葉式パターニング・ユニット210とが配備されている。各枚葉式洗浄ユニット208は、1枚ずつ基板Hの被処理面を洗浄するための装置構成を有している。各枚葉式パターニング・ユニット210は、1枚ずつ基板Gの被処理面上の透明導電層をパターニングして下地電極305を形成するための装置構成を有している。
【0219】
中間の枚葉/バッチ混載ブロック200Bには、1台または複数台の枚葉式対極成膜ユニット211と、1台または複数台の枚葉式グリッド配線成膜ユニット212と、バッチ式熱処理装置214と、バッチ式焼成装置216とが配備されている。枚葉式作用極成膜ユニット211は、1枚ずつ基板Gの被処理面上に対向電極導電層(対極)302をたとえば印刷塗布により成膜するための装置構成を有している。枚葉式グリッド配線成膜ユニット212は、1枚ずつ基板Hの被処理面上にグリッド配線314および保護膜318をたとえば印刷塗布により重ねて成膜するための装置構成を有している。バッチ式熱処理装置214は、所定のバッチ処理枚数(たとえば100枚)ずつ印刷塗布後の基板Gの被処理面(特に塗布膜)をベーキングするための装置構成を有している。バッチ式焼成装置216は、ベーキング後の基板Gの被処理面(特に対向電極導電層302)を焼成するための装置構成を有している。
【0220】
プロセスステーション200内には、プロセスフローの順に基板Gを搬送するために各ブロック200A,200Bの中を縦貫または巡回する搬送ライン218が設けられている。
【0221】
上流側の枚葉集中ブロック200Aでは、基板中継台220、枚葉搬送機構222および枚葉シャトル搬送部224がシステム長手方向(X方向)に一列に配置されて搬送ライン218の一区間を構成し、枚葉搬送機構222の左右両側に枚葉式洗浄ユニット208および枚葉式パターニング・ユニット210が配置されている。枚葉/バッチ混載ブロック200Bの内部は、詳細なレイアウトを図示省略するが、図2と実質的に同じである。
【0222】
第2のプロセスステーション200においては、基板Hが搬送ライン218を下りながら一連の枚葉処理またはバッチ処理を順次受ける。そして、第2積層アッセンブリ(310/305/302/314)となった処理済みの基板Hは、タクト時間TSのサイクルで、枚葉シャトル搬送部226の荷卸位置(WU/WL)から貼り合わせユニット202の搬送機構228に引き取られる。
【0223】
一方、第1のプロセスステーション10においては、上記実施形態のように基板Gが搬送ライン46を下りながら一連の枚葉処理またはバッチ処理を順次受ける。そして、第1積層アッセンブリ(308/300/304/312)となった処理済みの基板Gは、タクト時間TSのサイクルで、枚葉シャトル搬送部45の荷卸位置から貼り合わせユニット202の搬送機構228に引き取られる。
【0224】
貼り合わせユニット202は、第1のプロセスステーション10より取り込んだ第1積層アッセンブリ(308/300/304/312)と第2のプロセスステーション200より取り込んだ第2積層アッセンブリ(310/305/302/314)とをたとえば接着剤を用いて貼り合わせて、一体的な積層アッセンブリ(308/300/304//312/302/305/310/314)を形成する。
【0225】
この一体化された積層アッセンブリ(308/300/304//312/302/305/310/314)は、次段の電解液注入ユニット230に送られ、このユニット230内で一体化積層アッセンブリの中に、より詳細には多孔質半導体微粒子層304と対向電極302との間に、電解液が注入される。
【0226】
最後に、次段の封止ユニット232において、電解液が漏れないように一体化積層アッセンブリに封止(シール)が施されて、最終製品である図23の色素増感太陽電池モジュールG/Hが得られる。この色素増感太陽電池モジュールG/Hは、アンローダ14からカセットCS単位で払い出しされる。
【0227】
なお、貼り合わせユニット202、電解液注入ユニット230および封止ユニット232の間では、本発明における枚葉搬送機構およびシャトル搬送部は使用されず、従来公知または周知の搬送機構(図示せず)によって基板または各積層アッセンブリないし一体化積層アッセンブリ基板G/Hが1枚ずつ搬送される。
【0228】
別の変形例として、システムの仕様に応じて、枚葉シャトル搬送部においても、上部シャトルの往復動作(積出・往動移動・荷卸・復動移動)と下部シャトルの往復動作(積出・往動移動・荷卸・復動移動)とを独立または非同期で行わせることも可能である。
【0229】
上記実施形態のバッチ式熱処理装置40は、その後段のバッチ式の焼成装置42に基板Gを複数枚ずつ送るために枚葉/バッチ搬送機構64を備えた。しかし、バッチ式熱処理装置40の後段に枚葉処理装置が設けられている場合は、枚葉/バッチ搬送機構64をたとえば上記枚葉搬送機構56と同様の枚葉搬送機構に置き換えて、バッチ式熱処理装置40からその後段の枚葉処理装置に基板Gを1枚ずつ送るようにすればよい。
【0230】
同様に、バッチ式熱処理装置40の前段にバッチ式処理装置が設けられ場合は、枚葉搬送機構56をたとえば上記バッチ枚葉/搬送機構72と同様のバッチ枚葉/搬送機構に置き換えて、その前段のバッチ式処理装置から基板を複数枚ずつ受け取ってボートに一括搬入し、バッチ式熱処理装置40で熱処理の済んだ基板をボートから1枚ずつ取り出して後段の枚葉式処理装置(たとえば枚葉式グリッド配線成膜ユニット38)へ送るようにすればよい。
【0231】
本発明は、上記実施形態のように枚葉式の処理ユニットとバッチ式の処理ユニットとが混在するシステムに最も好適に適用できる。しかし、システム内の全ての処理ユニットが枚葉式の処理ユニットであるようなインラインシステム、あるいはシステム内の全ての処理ユニットがバッチ式の処理ユニットであるようなインラインシステムにも、本発明を適用することができる。さらには、インラインシステムに限らず、多数の処理ユニットをプロセスフローの順に概ね横に並べて配置する任意のシステムの一部または全体に本発明を適用することも可能である。
【0232】
したがって、本発明は、上記実施形態のような色素増感太陽電池の製造プロセス用の基板処理装置に限定されず、たとえば半導体デバイスやFPDを製造するための基板処理装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0233】
10,200 プロセスステーション
10A,10C,200A 枚葉集中ブロック
10B 枚葉/バッチ混載ブロック
12 ローダ
14 アンローダ
18 ローダ搬送機構
24 アンローダ搬送機構
40,214 バッチ式熱処理装置
42,216 バッチ式焼成装置
44 枚葉式色素吸着ユニット
46 搬送ライン
48,52,56,60 枚葉搬送機構
50,58,74 枚葉シャトル搬送部
32,208 枚葉式洗浄ユニット
34,210 枚葉式パターンニング・ユニット
36,211 枚葉式作用極成膜ユニット
38,212 枚葉式グリッド配線成膜ユニット
MU1,ML1 枚葉搬送アーム
MU10 バッチ搬送アーム
SU1 上部枚葉シャトル
SL1 下部枚葉シャトル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に投入される各々の基板に対して、第1の枚葉処理、第1のバッチ処理、第2の枚葉処理および前記第1のバッチ処理と同様の第2のバッチ処理をこの順序で連続的に施す基板処理装置であって、
所定のタクト時間のサイクルで前記第1の枚葉処理を繰り返し行う第1の枚葉式処理部と、
前記タクト時間のサイクルで前記第2の枚葉処理を繰り返し行う第2の枚葉式処理部と、
所定のバッチ処理時間のサイクルで前記第1および第2のバッチ処理を交互に繰り返し行う第1のバッチ式処理部と、
前記第1の枚葉処理の済んだ基板を前記第1の枚葉式処理部より1枚ずつ搬出し、前記第1の枚葉式処理部より搬出した基板を前記第1のバッチ式処理部に前記バッチ処理枚数ずつまとめて搬入し、前記第1のバッチ処理の済んだ前記バッチ処理枚数の基板を前記第1のバッチ式処理部よりまとめて搬出し、前記第1のバッチ式処理部より搬出した基板を1枚ずつ前記第2の枚葉式処理部に搬入し、前記第2の枚葉処理の済んだ基板を前記第2の枚葉式処理部より1枚ずつ搬出し、前記第2の枚葉式処理部より搬出した基板を前記第1のバッチ式処理部に前記バッチ処理枚数ずつまとめて搬入し、前記第2のバッチ処理の済んだ前記バッチ処理枚数の基板を前記第1のバッチ式処理部よりまとめて搬出し、前記第1のバッチ式処理部より搬出した基板を後段へ搬送する搬送部と
を有する基板処理装置。
【請求項2】
前記搬送部は、
前記第1のバッチ処理のために前記バッチ処理枚数の基板を一列に並べて保持する複数の第1のボートと、
前記複数の第1のボートに対して順番に、前記第1の枚葉処理が済んで前記第1のバッチ処理を受ける前の基板をいずれかのボートに前記バッチ処理枚数になるまで1枚ずつ装入するとともに、他のいずれかのボートから前記第1のバッチ処理が済んだ後の基板をそのボートが空になるまで1枚ずつ取り出す第1の搬送機構と、
前記第1の搬送機構と前記第1のバッチ式処理部との間に設けられ、前記複数の第1のボートに対して順番に、前記バッチ処理枚数までの基板の装入が完了したいずれかのボートを前記第1の搬送機構のアクセス可能な位置から前記第1のバッチ式処理部へ移し、前記第1のバッチ処理が済んだ前記バッチ処理枚数の基板を保持している他のいずれかのボートを前記第1のバッチ式処理部から前記第1の搬送機構のアクセス可能な位置へ移す第1のボート移送部と
を有する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
少なくともいずれかの前記第1のボートが前記第1のバッチ式処理部で前記第1のバッチ処理を受けている間は、前記第1の搬送機構が、他のいずれかの前記第1のボートに対して処理後の基板の取り出しまたは処理前の基板の装入を行う、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第1の搬送機構は、方位角方向に回転可能かつ鉛直方向に昇降可能であって、独立に水平の進退移動または伸縮移動を行える第1および第2の搬送アームを有し、
前記1および第2の搬送アームはそれぞれ一度に1枚の基板を保持可能であり、
前記第1の搬送機構は、前記タクト時間の1サイクル内に、前記1および第2の搬送アームの一方を用いて、前記第1の枚葉式処理部より送られて来た1枚の基板を受け取って、その受け取った基板をいずれかの前記第1のボートに装入するとともに、前記1および第2の搬送アームの他方を用いて、他のいずれかの前記第1のボートから前記第1のバッチ処理が済んでいる1枚の基板を取り出して、その取り出した基板を前記第2の枚葉式処理部に向けて送り出す、
請求項2または請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記搬送部は、
前記第2のバッチ処理のために前記バッチ処理枚数の基板を一列に並べて保持する複数の第2のボートと、
前記複数の第2のボートに対して順番に、前記第2の枚葉処理が済んで前記第2のバッチ処理を受ける前の基板をいずれかのボートに前記バッチ処理枚数になるまで1枚ずつ装入するとともに、他のいずれかのボートから前記第2のバッチ処理が済んだ後の基板をそのボートが空になるまで1枚または複数枚ずつ取り出す第2の搬送機構と、
前記第2の詰め替え部と前記第1のバッチ式処理部との間に設けられ、前記複数の第2のボートに対して順番に、前記バッチ処理枚数までの基板の装入が完了したいずれかのボートを前記第2の搬送機構のアクセス可能な位置から前記第1のバッチ式処理部へ移し、前記第1のバッチ処理が済んだ前記バッチ処理枚数の基板を保持している他のいずれかのボートを前記第1のバッチ式処理部から前記第2の搬送機構のアクセス可能な位置へ移す第2のボート移送部と
を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
少なくともいずれかの前記第2のボートが前記第1のバッチ式処理部で前記第2のバッチ処理を受けている間は、前記第2の搬送機構が、他のいずれかの前記第2のボートに対して処理後の基板の取り出しまたは処理前の基板の装入を行う、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記搬送部の後段に、第3のバッチ処理を繰り返し行う第2のバッチ式処理部が設けられ、
前記第2の搬送機構は、方位角方向に回転可能かつ鉛直方向に昇降可能であって、独立に水平の進退移動または伸縮移動を行える第3および第4の搬送アームを有し、
前記3の搬送アームは一度に1枚の基板を保持可能であり、前記4の搬送アームは一度に複数枚の基板を保持可能であり、
前記第2の搬送機構は、いずれかの前記第2のボートに処理前の基板を装入するときは、前記第3の搬送アームを用いてそのボートに基板を1枚ずつ装入し、いずれかの前記第2のボートから処理後の基板を取り出すときは、前記第4の搬送アームを用いてそのボートから基板を複数枚ずつ取り出し、その取り出した複数枚の基板を一括して前記第2のバッチ式処理部に向けて送り出す、
請求項5または請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第2の搬送機構は、
いずれかの前記第2のボートに前記第2のバッチ処理が済んでいる基板が残っている間は、前記タクト時間の1サイクル内に、前記第4の搬送アームを用いて、その第2のボートから前記第2のバッチ処理が済んでいる基板を一度に複数枚取り出して、その取り出した複数枚の基板を一括して前記第2のバッチ式処理部に向けて送り出すとともに、前記第3の搬送アームを用いて、前記第2の枚葉式処理部より送られて来た1枚の基板を受け取って、その受け取った基板を他のいずれかの前記第2のボートに装入し、
いずれかの前記第2のボートから前記第2のバッチ処理が済んでいる基板をすべて取り出した後は、前記タクト時間の1サイクル内に、前記第3の搬送アームを用いて、前記第2の枚葉式処理部より送られて来た1枚の基板を受け取って、その受け取った基板を他のいずれかの前記第2のボートに装入する、
請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記搬送部の後段に、第3の枚葉処理を繰り返し行う第3の枚葉式処理部が設けられ、
前記第2の搬送機構は、方位角方向に回転可能かつ鉛直方向に昇降可能であって、独立に水平の進退移動または伸縮移動を行える第3および第4の搬送アームを有し、
前記3および第4の搬送アームはそれぞれ一度に1枚の基板を保持可能であり、
前記第2の搬送機構は、前記タクト時間の1サイクル内に、前記3および第4の搬送アームの一方を用いて、いずれかの前記第2のボートから前記第2のバッチ処理が済んでいる1枚の基板を取り出して、その取り出した基板を前記第3の枚葉式処理部に向けて送り出すとともに、前記3および第4の搬送アームの他方を用いて、前記第2の枚葉式処理部より送られて来た1枚の基板を受け取って、その受け取った基板を他のいずれかの前記第2のボートに装入する、
請求項5または請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項10】
それぞれの一端が前記第1の枚葉式処理部に隣接するとともに、それぞれの他端が前記第1の搬送機構に隣接し、前記一端から前記他端まで水平方向に互いに平行に延びる第1および第2の搬送路と、
一度に1枚の基板を積載する荷台を有し、前記第1の搬送路の一端に設けられる第1の積出位置と、前記第1の搬送路の他端に設けられる第1の荷卸位置との間で前記第1の搬送路上を往復移動可能な第1のシャトルと、
一度に1枚の基板を積載する荷台を有し、前記第2の搬送路の一端に設けられる第2の積出位置と、前記第2の搬送路の他端に設けられる第2の荷卸位置との間で前記第2の搬送路上を往復移動可能な第2のシャトルと
を有し、
前記第1のシャトルによる前記第1の積出位置から前記第1の荷卸位置への基板の搬送と、前記第2のシャトルによる前記第2の積出位置から前記第2の荷卸位置への基板の搬送とを前記タクト時間のサイクルで交互に行う、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
それぞれの一端が前記第1の詰め替え部に隣接するとともに、それぞれの他端が前記第2の枚葉式処理部に隣接し、前記一端から前記他端まで水平方向に互いに平行に延びる第1および第2の搬送路と、
一度に1枚の基板を積載する荷台を有し、前記第1の搬送路の一端に設けられる第1の積出位置と、前記第1の搬送路の他端に設けられる第1の荷卸位置との間で前記第1の搬送路上を往復移動可能な第1のシャトルと、
一度に1枚の基板を積載する荷台を有し、前記第2の搬送路の一端に設けられる第2の積出位置と、前記第2の搬送路の他端に設けられる第2の荷卸位置との間で前記第2の搬送路上を往復移動可能な第2のシャトルと
を有し、
前記第1のシャトルによる前記第1の積出位置から前記第1の荷卸位置への基板の搬送と、前記第2のシャトルによる前記第2の積出位置から前記第2の荷卸位置への基板の搬送とを前記タクト時間のサイクルで交互に行う、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項12】
それぞれの一端が前記第2の枚葉式処理部に隣接するとともに、それぞれの他端が前記第2の搬送機構に隣接し、前記一端から前記他端まで水平方向に互いに平行に延びる第1および第2の搬送路と、
一度に1枚の基板を積載する荷台を有し、前記第1の搬送路の一端に設けられる第1の積出位置と、前記第1の搬送路の他端に設けられる第1の荷卸位置との間で前記第1の搬送路上を往復移動可能な第1のシャトルと、
一度に1枚の基板を積載する荷台を有し、前記第2の搬送路の一端に設けられる第2の積出位置と、前記第2の搬送路の他端に設けられる第2の荷卸位置との間で前記第2の搬送路上を往復移動可能な第2のシャトルと
を有し、
前記第1のシャトルによる前記第1の積出位置から前記第1の荷卸位置への基板の搬送と、前記第2のシャトルによる前記第2の積出位置から前記第2の荷卸位置への基板の搬送とを前記タクト時間のサイクルで交互に行う、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項13】
所定のタクト時間のサイクルで連続的に投入される基板に対して所望のバッチ処理を所定のバッチ処理枚数ずつ繰り返し行うバッチ式処理部と、
前記バッチ処理のために前記バッチ処理枚数の基板を一列に並べて保持する複数のボートと、
前記複数のボートに対して順番に、前記バッチ処理を受ける前の基板をいずれかのボートに前記バッチ処理枚数になるまで1枚ずつ装入するとともに、他のいずれかのボートから前記バッチ処理が済んだ後の基板をそのボートが空になるまで複数枚ずつ取り出す搬送機構と、
前記搬送機構と前記バッチ式処理部との間に設けられ、前記複数のボートに対して順番に、前記バッチ処理枚数までの基板の装入が完了したいずれかのボートを前記搬送機構のアクセス可能な位置から前記バッチ式処理部へ移し、前記バッチ処理が済んだ前記バッチ処理枚数の基板を保持している他のいずれかのボートを前記バッチ式処理部から前記搬送機構のアクセス可能な位置へ移すボート移送部と
を有する基板処理装置。
【請求項14】
前記搬送機構は、方位角方向に回転可能かつ鉛直方向に昇降可能であって、独立に水平の進退移動または伸縮移動を行える第1および第2の搬送アームを有し、
前記1の搬送アームは一度に1枚の基板を保持可能であり、前記2の搬送アームは一度に複数枚の基板を保持可能であり、
前記搬送機構は、いずれかの前記ボートに処理前の基板を装入するときは、前記第1の搬送アームを用いてそのボートに基板を1枚ずつ装入し、いずれかの前記第2のボートから処理後の基板を取り出すときは、前記2の搬送アームを用いてそのボートから基板を複数枚ずつ取り出す、
請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記搬送機構は、
前記バッチ処理が済んでいる基板がいずれかの前記ボートに残っている間は、所定のタクト時間の1サイクル内に、第2の搬送アームを用いて、そのボートから前記バッチ処理が済んでいる基板を一度に複数枚取り出して、その取り出した複数枚の基板を一括して後段の搬送部または処理部へ送り出すとともに、前記第1の搬送アームを用いて、前段の搬送部または処理部から送られて来る1枚の基板を受け取って、その受け取った基板を他のいずれかの前記ボートに装入し、
いずれかの前記のボートから前記バッチ処理が済んでいる基板をすべて取り出した後は、前記タクト時間の1サイクル内に、前記第1の搬送アームを用いて、前記前段の搬送部または処理部から送られて来る1枚の基板を受け取って、その受け取った基板を他のいずれかの前記ボートに装入する、
請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
所定の複数枚ずつ投入される基板に対して所望のバッチ処理を所定のバッチ処理枚数ずつ繰り返し行うバッチ式処理部と、
前記バッチ処理のために前記バッチ処理枚数の基板を一列に並べて保持する複数のボートと、
前記複数のボートに対して順番に、前記バッチ処理を受ける前の基板をいずれかのボートに前記バッチ処理枚数になるまで前記複数枚ずつ装入するとともに、他のいずれかのボートから前記バッチ処理が済んだ後の基板をそのボートが空になるまで1枚ずつ取り出す搬送機構と、
前記搬送機構と前記バッチ式処理部との間に設けられ、前記複数のボートに対して順番に、前記バッチ処理枚数までの基板の装入が完了したいずれかのボートを前記搬送機構のアクセス可能な位置から前記バッチ式処理部へ移し、前記バッチ処理が済んだ前記バッチ処理枚数の基板を保持している他のいずれかのボートを前記バッチ式処理部から前記搬送機構のアクセス可能な位置へ移すボート移送部と
を有する基板処理装置。
【請求項17】
前記搬送機構は、方位角方向に回転可能かつ鉛直方向に昇降可能であって、独立に水平の進退移動または伸縮移動を行える第1および第2の搬送アームを有し、
前記1の搬送アームは一度に1枚の基板を保持可能であり、前記2の搬送アームは一度に複数枚の基板を保持可能であり、
前記搬送機構は、いずれかの前記ボートに処理前の基板を装入するときは、前記第2の搬送アームを用いてそのボートに基板を前記複数枚ずつ装入し、いずれかの前記第2のボートから処理後の基板を取り出すときは、前記1の搬送アームを用いてそのボートから基板を1枚ずつ取り出す、
請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記搬送機構は、
いずれかの前記ボートに装入された処理前の基板が前記バッチ処理枚数に満たない間は、所定のタクト時間の1サイクル内に、前記第2の搬送アームを用いて、前段の搬送部または処理部から送られて来る前記複数枚の基板を受け取って、その受け取った前記複数枚の基板をそのボートに装入するとともに、前記第1の搬送アームを用いて、前記バッチ処理が済んだ基板を保持している他のいずれかのボートから基板を1枚取り出して、その取り出した基板を後段の搬送部または処理部へ送り出し、
いずれかの前記ボートに装入された処理前の基板が前記バッチ処理枚数に達した後は、前記タクト時間の1サイクル内に、前記第1の搬送アームを用いて、前記バッチ処理が済んだ基板を保持している他のいずれかのボートから基板を1枚取り出して、その取り出した基板を後段の搬送部または処理部へ送り出す、
請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項19】
任意の長さで水平方向に互いに平行に延びる第1および第2の搬送路と、
一度に所定枚数の基板を積載する荷台を有し、前記第1の搬送路の一端に設けられる第1の積出位置と、前記第1の搬送路の他端に設けられる第1の荷卸位置との間で前記第1の搬送路上を往復移動可能な第1のシャトルと、
一度に前記所定枚数の基板を積載する荷台を有し、前記第2の搬送路の一端に設けられる第2の積出位置と、前記第2の搬送路の他端に設けられる第2の荷卸位置との間で前記第2の搬送路上を往復移動可能な第2のシャトルと、
前記第1および第2の積出位置にアクセス可能に設けられ、第1のエリア内で基板を搬送するための1つまたは複数の第1の搬送アームを有する第1の搬送機構と、
前記第1および第2の荷卸位置にアクセス可能に設けられ、第2のエリア内で基板を搬送するための1つまたは複数の第2の搬送アームを有する第2の搬送機構と、
基板に所望の枚葉処理またはバッチ処理を施すために、前記第1および第2のエリアの少なくとも1つに配置される処理部と
を有し、
前記第1の搬送機構が、前記第1の搬送アームを用いて、前記第1および第2の積出位置で前記第1および第2のシャトルに前記所定枚数の基板を積み、
前記第2の搬送機構が、前記第2の搬送アームを用いて、前記第1および第2の荷卸位置で前記第1および第2のシャトルから前記所定枚数の基板を卸し、
前記第1のシャトルによる前記第1の積出位置から前記第1の荷卸位置への基板の搬送と、前記第2のシャトルによる前記第2の積出位置から前記第2の荷卸位置への基板の搬送とが独立に行われる、
基板処理装置。
【請求項20】
任意の長さで水平方向に互いに平行に延びる第1および第2の搬送路と、
一度に所定枚数の基板を積載する荷台を有し、前記第1の搬送路の一端に設けられる第1の積出位置と、前記第1の搬送路の他端に設けられる第1の荷卸位置との間で前記第1の搬送路上を往復移動可能な第1のシャトルと、
一度に前記所定枚数の基板を1枚積載する荷台を有し、前記第2の搬送路の一端に設けられる第2の積出位置と、前記第2の搬送路の他端に設けられる第2の荷卸位置との間で前記第2の搬送路上を往復移動可能な第2のシャトルと、
前記第1および第2の積出位置にアクセス可能に設けられ、第1のエリア内で基板を搬送するための1つまたは複数の第1の搬送アームを有する第1の搬送機構と、
前記第1および第2の荷卸位置にアクセス可能に設けられ、第2のエリア内で基板を搬送するための1つまたは複数の第2の搬送アームを有する第2の搬送機構と、
基板に所望の枚葉処理またはバッチ処理を施すために、前記第1および第2のエリアの少なくとも1つに配置される処理部と
を有し、
前記第1の搬送機構が、前記第1の搬送アームを用いて、前記第1および第2の積出位置で前記第1および第2のシャトルに前記所定枚数の基板を積み、
前記第2の搬送機構が、前記第2の搬送アームを用いて、前記第1および第2の荷卸位置で前記第1および第2のシャトルから前記所定枚数の基板を卸し、
前記第1のシャトルによる前記第1の積出位置から前記第1の荷卸位置への基板の搬送と、前記第2のシャトルによる前記第2の積出位置から前記第2の荷卸位置への基板の搬送とが交互に行われる、
基板処理装置。
【請求項21】
プロセスフローの上流側から下流側に向かって被処理基板を水平な方向で搬送する搬送ラインと、
前記搬送ライン上に設けられ、その周囲に配置されている第1の枚葉式処理部と基板の受け渡しを所定枚数ずつ行う第1の搬送機構と、
前記搬送ライン上の前記第1の搬送機構よりも下流側に設けられ、その周囲に配置されている第2の枚葉式処理部と基板の受け渡しを前記所定枚数ずつ行う第2の搬送機構と、
前記搬送ラインの一区間を構成し、前記第1の搬送機構に隣接する第1および第2の積出位置から前記第2の搬送機構に隣接する第1および第2の荷卸位置へ基板をそれぞれ前記所定枚数ずつ積んで個別に搬送する往復移動可能な第1および第2のシャトルと
を有する基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22】
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【図23】
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【図11】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−146862(P2012−146862A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4968(P2011−4968)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】