説明

基板外観検査装置

【課題】ライン上を搬送されてくるガラス基板をラインから取り出すことなく、その全面にわたる詳細な外観検査を行うことを可能とし、タクトタイムの短縮、製造設備のコンパクト化を図ること。
【解決手段】基板外観検査装置1は、製造ライン52上を搬送されてくる基板50の表面に照射する照明光を発生する照明装置11と、照明装置11から発せられ基板50の表面において反射した反射光を撮影するカメラ13と、これら照明装置11およびカメラ13を、製造ライン52上の基板50の搬送方向に交差する方向に一体的に移動させる移動機構とを備え、カメラ13が、照明装置11からの照明光の、基板50の表面における正反射光の光束の範囲外に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板外観検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、LCD(液晶ディスプレイ)等のFPD(フラットパネルディスプレイ)を製造する際に、ガラス基板に発生する欠陥等を、目視により観察する基板外観検査装置が知られている。このように、目視による検査は一般的にマクロ観察とも呼ばれ、マクロ観察ユニットによる面光源をホルダに支持された被検査基板の表面に照射し、被検査基板表面の反射光の変化をテレビカメラで撮像することで、マクロ観察による外観検査が行われている(例えば、特許文献1の第6図参照)。
【特許文献1】特開平10−111253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の特許文献1では、LCDの製造工程において、製造ライン上を搬送されてくるガラス基板に対し、カメラによる外観検査を行う場合、ガラス基板を一旦ラインから取り出して検査する必要があり、タクトタイムを短縮できないという問題がある。さらに、製造ラインとは別に外観検査装置を配置する場合、その配置スペースや搬送ロボット等の機構が必要となって、製造設備の省スペース化を図ることが困難であるという問題もある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ライン上を搬送されてくるガラス基板をラインから取り出すことなく、その全面にわたる詳細な外観検査を行うことを可能とし、タクトタイムの短縮、製造設備のコンパクト化を図ることができる基板外観検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、ライン上を搬送されてくる基板の表面に照射する照明光を発生する照明部と、該照明部から発せられ前記基板の表面において反射した反射光を撮影する撮影部と、これら照明部および撮影部を、前記ライン上の前記基板の搬送方向に交差する方向に一体的に移動させる移動機構とを備え、前記撮影部が、前記照明部からの照明光の、前記基板の表面における正反射光の光束の範囲外に配置されている基板外観検査装置を提供する。
【0006】
本発明によれば、照明部から発生された照明光が基板の表面に照射され、その反射光が撮影部の作動により撮影される。これにより、例えば、撮影した基板表面の画像をモニタに表示させて、モニタ上で目視観察することができる。
【0007】
この場合に、撮影部が、正反射光の光束の範囲外に配置されているので、モニタ上に表示される画像に輝度の飽和する領域が発生しない。したがって、観察者は、画像の全体に表示された基板の外観を漏れなく観察することができる。
【0008】
また、移動機構の作動により、ラインの搬送方向に交差する方向に照明部および撮影部を一体的に移動させることによって、基板の幅方向全体にわたる詳細な観察を行うことができる。また、ラインの搬送方向については、ラインによって基板を移動させることにより、搬送方向全体にわたる基板の詳細な観察を行うことができる。したがって、基板が大型化しても、容易に基板全体の詳細な検査を行うことができる。
【0009】
また、ライン上に配置された状態の基板を観察するので、基板をラインから取り出す必要がない。したがって、タクトタイムの短縮を図ることができる。また、基板取り出し機構等の別個の装置が不要となり、設置スペースを低減して設備のコンパクト化を図ることができる。
【0010】
上記発明においては、前記照明部および前記撮影部を、前記ライン上の前記基板の搬送方向に一体的に移動させる第2の移動機構を備えることとしてもよい。
このように構成することで、第2の移動機構の作動により、ライン上に基板が停止している場合においても、照明部および撮影部を基板の搬送方向に一体的に移動させて、基板の全体にわたる詳細な観察を行うことができる。
【0011】
また、上記発明においては、前記第2の移動機構が、前記ラインの搬送方向に沿って配置される第2のレールと、前記照明部および前記撮影部を搭載して、前記第2のレール上に移動可能に支持された第2のスライダと、該第2のスライダを前記第2のレールに沿って駆動する第2の駆動装置とを備えることとしてもよい。
【0012】
このように構成することで、第2の駆動装置の作動により、第2のスライダをラインの搬送方向に沿って配置される第2のレール上を移動させることによって、照明部および撮影部をラインの搬送方向に一体的に移動させることができる。また、第2のレールをラインの搬送方向に沿って配置することとしたので、第2の移動機構をラインの位置を選ばずに設置することができる。また、すでに構築されたラインに第2の移動機構を後付することが可能となる。
【0013】
また、上記発明においては、前記移動機構が、前記ラインの幅方向に架け渡されるレールと、前記照明部および前記撮影部を搭載して、前記レール上に移動可能に支持されたスライダと、該スライダを前記レールに沿って駆動する駆動装置とを備えることとしてもよい。
【0014】
このように構成することで、駆動装置の作動により、スライダをラインの幅方向に架け渡されるレール上を移動させることによって、照明部および撮影部をラインの幅方向へ一体的に移動させることができる。また、レールをラインの幅方向に架け渡すこととしたので、移動機構をラインの位置を選ばずに設置することができる。また、すでに構築されたラインに移動機構を後付することが可能となる。
【0015】
また、上記発明においては、前記照明部から照射する照射光の照射範囲の中心位置回りに前記撮影部を回転させる回転機構を備えることとしてもよい。
このように構成することで、回転機構の作動により、撮影部が照明部から照射される照射光の照射範囲の中心位置回りに回転させられる。したがって、撮影部の視点を変えながら基板検査を行うことができる。これにより、直接的な目視観察に近い観察を行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ライン上を搬送されてくるガラス基板をラインから取り出すことなく、その全面にわたる詳細な外観検査を行うことを可能とし、タクトタイムの短縮、製造設備のコンパクト化を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態に係る基板外観検査装置について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る基板外観検査装置1は、主に、基板の製造ライン(ライン)に設けられ、コンベア等によって搬送されてくる基板の表面を検査するための装置である。
基板外観検査装置1は、図1および図2に示すように、製造ライン52上を搬送されてくる基板50の表面の外観を観察する検査装置ユニット3と、該検査装置ユニット3により撮像された画像を表示するモニタ5と、検査装置ユニット3を基板50の搬送方向に交差する方向に移動させる第1の移動機構(移動機構)7と、検査装置ユニット3を基板50の搬送方向に移動させる第2の移動機構9とを備えている。
【0018】
検査装置ユニット3は、図3に示すように、基板50の表面に照射する照明光を発生する照明装置(照明部)11と、該照明装置11から発せられ基板50の表面で反射した反射光を撮影するカメラ(撮影部)13とを備えている。これら照明装置11とカメラ13は、後述する第1の移動機構7に取り付けられている。
【0019】
照明装置11は、製造ライン52上の基板50の表面に対して、照明光の光軸を所定の傾斜角度に傾けて配置されている。また、照明装置11からは、図3に示されるように、収束光が出射されるようになっている。
【0020】
カメラ13は、例えば、CCD等の2次元的な画像を取得可能なカメラで、静止画または動画の少なくとも一方の画像を取得できるものである。カメラ13は、製造ライン52上の基板50の表面に対して、その光軸を所定の傾斜角度に傾けるとともに、照明装置11による照明範囲の中心に光軸を一致させるように配置されている。
【0021】
このカメラ13は、照明範囲の中心を回転支点にして前後左右方向、または、視点位置となるカメラ13の撮像位置を回転支点にして前後左右に回動できるように支持され、ジョイスティックなどの操作部を観察者が操作することにより、微小に揺動させるようにしてもよい。さらに、カメラ13は、ズーム機構を備え、このズームにより拡大された欠陥の中心にカメラ13の撮像光軸が向くように、前後左右に揺動させることも可能である。
【0022】
また、カメラ13は、照明装置11からの照明光の、基板50の表面における正反射光の光束の範囲外に位置するように支持されている。なお、鮮明な画像を得るために、正反射光の光束の範囲外であって、かつ、正反射光の光束範囲の近傍にカメラ13を設けることが望ましい。
モニタ5は、図2に示すように、カメラ13と接続され、カメラ13によって得られた基板50の表面の画像が表示されるようになっている。
【0023】
第1の移動機構7は、製造ライン52の幅方向に架け渡される第1のレール(レール)15と、該第1のレール15上に移動可能に支持される第1のスライダ(スライダ)17と、該第1のスライダ17を第1のレール15に沿って駆動させる、例えば、リニアモータなどの直接駆動機構からなる第1の駆動装置とを備えている。
【0024】
第1のスライダ17は、モニタ5上に映し出された動画が観察者の観察し易い画像の流れとなる一定の速度に移動させ、観察者が欠陥を発見したときに停止させるようにしてもよい。この場合、観察者が欠陥と判定すると、カメラ13により撮影された画像を静止画像として保存するとともに、その静止画像に対する基板50上の座標位置を求め、これを位置情報として保存する。このように、観察者が欠陥として判定した静止画像と位置情報のみを保存することにより、後に判定結果を再確認・検証する際のデータとして活用することができる。
【0025】
第1のレール15は、一対の平行するレール部材である。第1のレール15は、製造ライン52の上方に位置するように、長手方向の両端部をそれぞれ後述する第2の移動機構9に支持されている。また、第1のレール15は、一対のレール部材が、製造ライン52の搬送方向に間隔を空けて配置され、第1のスライダ17の両端部をそれぞれ支持するようになっている。
【0026】
第1のスライダ17は、中央に貫通孔を有する枠状に形成され、照明装置11およびカメラ13が搭載されている。これにより、第1のスライダ17の下方を搬送される基板50に対して、照明装置11からの照明光が貫通孔を通過して基板50に照射され、基板50の表面からの反射光が貫通孔を通過してカメラ13に撮影されるようになっている。また、第1のスライダ17を第1のレール15に沿って駆動させると、照明装置11とカメラ13とが製造ライン52の幅方向に一体的に移動するようになっている。
【0027】
第2の移動機構9は、製造ライン52の搬送方向に沿って配置される一対のベース19と、該ベース19上に取り付けられる第2のレール21と、該第2のレール21上に移動可能に支持される第2のスライダ23と、該第2のスライダ23を第2のレール21に沿って移動させる、例えば、リニアモータなどの直線駆動機構からなる第2の駆動装置とを備えている。
【0028】
ベース19は、製造ライン52に平行してその両側に配置される。また、ベース19は、製造ライン52の基板搬送高さに合わせて上下に位置調節可能となっている。これにより、コンベア54上を搬送させる基板50に対して製造ライン52の上方に位置するように支持される照明装置11とカメラ13との相対的な位置関係が最適になるように、検査装置ユニット3の高さを調節することが可能となっている。
【0029】
第2のレール21は、一対の平行するレール部材である。第2のレール21は、ベース19の上端面に沿って、製造ライン52の搬送方向と平行するように取り付けられている。
第2のスライダ23は、上記第1のレール15間の幅と同程度の長さの板状部材であり、第1のレール15の長手方向の両端部がそれぞれ第2のスライダ23に取り付けられている。
【0030】
すなわち、第1の移動機構7と第2の移動機構9は、互いに直交するように組み合わされ、検査装置ユニット3をXY方向の2次元方向に移動可能なXYステージに構成されている。これにより、検査装置ユニット3は、第1の移動機構7の作動により製造ライン52の搬送方向に交差する方向に移動可能とされつつ、第2の移動機構9の作動により製造ライン52の搬送方向に所定ピッチで移動させることにより、基板50の全面に対して所定ピッチごとに左右に蛇行する。
【0031】
また、本実施形態に係る基板外観検査装置1は、例えば、第1のレール15と第2のレール21にそれぞれXスケール、Yスケールを設け、これらスケールによって読み取られた検査装置ユニット3のXY座標に基づいて、モニタ5上に表示されている画像の中心位置を、基板50上の座標と対応付けて記憶する。また、この画像中の欠陥の中心位置をポインターで指示することにより、画像の中心位置から欠陥の中心位置までのX方向距離とY方向距離を補正し、基板50の座標原点に対応付けて記憶してもよい。
【0032】
このように構成された本実施形態に係る基板外観検査装置1の作用について説明する。
本実施形態に係る基板外観検査装置1により、製造ライン52上を搬送される基板50を検査するには、まず、基板外観検査装置1を製造ライン52の任意の位置に設置する。
【0033】
例えば、図4に示すように、第1の製造装置56から第2の製造装置58に基板50を搬送する製造ライン52においては、設置位置60,62,64のように基板50を直線移動させる直線搬送ラインの位置に、第1のレール15が製造ライン52の幅方向に架け渡されるように、ベース19を製造ライン52の両サイドに配置する。
【0034】
そして、例えば、基板50上にレジストを塗布する製造装置から搬出された基板50は、製造ライン52のコンベア54により、次の製造工程に設置された製造装置へと搬送される。ここで、搬送されてくる基板50は、基板外観検査装置1の検査領域内で一旦停止され、検査装置ユニット3を、図1の矢印Aに示すようにラスタスキャンするように移動させて、基板50の表面の全体にわたり照明装置11から照明光を照射して、その反射光をカメラ13で撮影する。
【0035】
例えば、図4に示すように、各製造装置56,58の搬出側または搬入側となる設置位置60,64に基板外観検査装置1を設置した場合、基板搬送路となるコンベア54の隙間に設けた位置検出センサにより、基板50が検査領域内に搬入されたことが検知されるとコンベア54の駆動を停止し、設置位置60,64に設置された基板外観検査装置1の検査領域内に基板50を停止させる。そして、第1の移動機構7の作動により、検査装置ユニット3を製造ライン52の幅方向に往復移動させることによって、基板50の短辺方向全体にわたる詳細な観察を行うことができる。
【0036】
また、第2の移動機構9の作動により、検査装置ユニット3を製造ライン52の搬送方向に照明光の照射幅よりも若干短い幅ピッチで移動させることによって、基板50の長辺方向全体にわたる詳細な観察を行うことができる。
【0037】
また、図4に示す設置位置62に基板外観検査装置1を設置した場合、搬送されてくる基板50は、設置位置60に対して90°回転した状態で搬送されることになる。次に、製造ライン52の設置位置62上に基板50を停止させる。そして、第1の移動機構7の作動により、搬送されてくる長方形の基板50に対して、検査装置ユニット3を製造ライン52の幅方向に往復移動させることによって、基板50の長辺方向全体にわたる詳細な観察を行うことができる。
【0038】
また、第2の移動機構9の作動により、検査装置ユニット3を製造ライン52の搬送方向に照明光の照射幅よりも若干短いピッチで移動させることによって、基板50の短辺方向全体にわたる詳細な観察を行うことができる。
【0039】
このようにして、カメラ13により全面走査された基板50の表面の画像は、モニタ5上に表示され、観察者の目視観察により基板50の外観検査が行われる。したがって、基板50が大型化しても、容易に基板50全体の詳細な検査を行うことができる。
【0040】
この場合に、図3に示すように、カメラ13が、基板50から反射される正反射光の光束の範囲外に位置するように支持されているので、モニタ5上に表示される画像に輝度の飽和する領域が発生しない。したがって、観察者は、モニタ5の画像の全体に表示された基板50の外観を漏れなく観察することができる。
【0041】
また、記憶部には、モニタ5上に表示されている画像の中心位置25と欠陥27の位置が基板50上の座標と対応付けて記憶されるので、この欠陥27の座標を、例えば、ミクロ観察装置などの別な検査装置で読み出すことにより、レビュー検査を行うことができる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態に係る基板外観検査装置1によれば、製造ライン52の搬送方向と直交する幅方向に架け渡すだけで、既存の製造ラインの基板搬送スペースに容易に設置できるとともに、基板50を製造ライン52外に取り出すことなく製造ライン中にて基板50の目視によるマクロ検査を行うことができる。
【0043】
したがって、製造ライン52の基板搬送路上で目視によるマクロ検査を行うことで、従来のように製造ライン外に基板を搬送する基板取り出し機構等の別個の装置を不要とし、タクトタイムの短縮を図るとともに、製造ライン52の上方のスペースを有効に活用することで、製造設備のコンパクト化を図ることができる。また、既存の製造ライン52の基板搬送路に沿って基板外観検査装置1を配置するので、すでに構築された製造ライン52に基板外観検査装置1を簡単に後付することも可能となる。
【0044】
なお、本実施形態に係る基板外観検査装置1は、第1の移動機構7および第2の移動機構9を備えることとしたが、これに代えて、第1の移動機構7のみを備え、第2の移動機構9を基板50を搬送するコンベアに兼用させることで、基板50の搬送方向全体にわたる詳細な観察を行うことができる。また、第2の移動機構9を省くことにより、基板外観検査装置1をよりコンパクト化することができる。
【0045】
また、例えば、本実施形態に係る基板外観検査装置1は、モニタ5による目視検査を行うこととしたが、さらに基板外観検査装置1の下流側に、上流側で検出された欠陥をさらに拡大して詳細な検査を行うミクロ検査装置を備えることとし、目視検査(マクロ検査)による表面検査で欠陥の座標を得て、そのままミクロ検査装置による欠陥の詳細検査を行うこととしてもよい。
【0046】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態に係る基板外観検査装置31について、図5および図6を参照して説明する。
本実施形態に係る基板外観検査装置31は、検査装置ユニット3が、ガイド(回転機構)33をさらに備える点で、第1の実施形態と異なる。
以下、第1の実施形態に係る基板外観検査装置1と構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
【0047】
ガイド33は、照明装置11から照射する照明光の照射範囲の中心位置35周りにカメラ13を回転させるものである。具体的には、ガイド33は、半円弧状のレールであって、カメラ14は、ガイド33に沿って移動可能に取り付けられている。
【0048】
また、ガイド33は、カメラ13の光軸と基板50に対する角度が徐々に小さくなるように約45°の角度に傾斜させて設けられている。これにより、中心位置35回りに約180°の範囲内でカメラ13を回転移動させることができるようになっている。
【0049】
このようにすることで、例えば、カメラ位置13A,13B,13Cのようにカメラ13の視点を変えながら基板50の検査を行うことができる。したがって、観察者が基板50に対して首を左右に傾けるのと同様な目視観察者による直視に近い観察を行うことができる。
【0050】
なお、図7に示すように、カメラ13の光軸と基板50に対する鉛直方向の角度を任意に変えられる第2のガイド37をガイド33に取り付け、カメラ13の高さ方向の移動をガイドすることとしてもよい。
図6および図7に示すように、カメラ13を照明光の照射範囲の中心位置を回転支点にして左右方向と前後方向に回転させることで、基板50に対する多方向から視点を変えたカメラ13による撮像が可能となり、目視による基板50上の欠陥検出の精度を高めることができる。
【0051】
以上、本発明の各実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上記各実施形態に係る基板搬送装置1,31のベース19を製造ライン52の幅方向に架け渡す形状に形成することとしてもよい。このようにすることで、例えば、図4の設置位置のように製造ライン52のコーナー66,68に基板搬送装置1,31を設置することもできる。したがって、従来ではデッドスペースとなる製造ライン52のコーナー部分に基板外観検査装置1,31を設置することが可能になり、製造ライン52の形状に左右されずに基板外観検査装置1,31を構築することができ、更なる製造ライン52上方の図ペースを有効に活用し、製造設備のコンパクト化を図ることができる。
【0052】
また、検査装置ユニット3の照明走査領域となる検査領域をローラコンベアから基板50を所定の高さに浮上させるエアー浮上ステージに代えることもできる。この場合、基板50の浮上高さを一定に保つためにステージ上面にエアーを噴出させる噴出孔と、エアーを吸引する吸引孔とを設け、エアーの噴出圧と吸引圧により基板50を一定の高さに浮上させる。このように、基板50を浮上させることにより、基板50を完全に非接触で支持することができるため、マザーグラスのように透明な基板の裏面下の背景に起因する影響を小さくすることができ、擬似欠陥による誤検出を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る基板外観検査装置を上方から見た概略構成図である。
【図2】図1の基板外観検査装置の側面図である。
【図3】図1の基板外観検査装置の検査装置ユニットを示す概略製図である。
【図4】基板の製造ラインを示す該略図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る外観検査装置のガイドを示す概略図である。
【図6】図5の外観検査装置の検査装置ユニットを示す図である。
【図7】図5のガイドの変形例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0054】
1 基板外観検査装置
11 照明装置(照明部)
13 カメラ(撮影部)
50 基板
52 製造ライン(ライン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライン上を搬送されてくる基板の表面に照射する照明光を発生する照明部と、
該照明部から発せられ前記基板の表面において反射した反射光を撮影する撮影部と、
これら照明部および撮影部を、前記ライン上の前記基板の搬送方向に交差する方向に一体的に移動させる移動機構とを備え、
前記撮影部が、前記照明部からの照明光の、前記基板の表面における正反射光の光束の範囲外に配置されている基板外観検査装置。
【請求項2】
前記照明部および前記撮影部を、前記ライン上の前記基板の搬送方向に一体的に移動させる第2の移動機構を備える請求項1に記載の基板外観検査装置。
【請求項3】
前記第2の移動機構が、前記ラインの搬送方向に沿って配置される第2のレールと、
前記照明部および前記撮影部を搭載して、前記第2のレール上に移動可能に支持された第2のスライダと、
該第2のスライダを前記第2のレールに沿って駆動する第2の駆動装置と
を備える請求項2に記載の基板外観検査装置。
【請求項4】
前記移動機構が、前記ラインの幅方向に架け渡されるレールと、
前記照明部および前記撮影部を搭載して、前記レール上に移動可能に支持されたスライダと、
該スライダを前記レールに沿って駆動する駆動装置と
を備える請求項1から請求項3のいずれかに記載の基板外観検査装置。
【請求項5】
前記照明部から照射する照射光の照射範囲の中心位置回りに前記撮影部を回転させる回転機構を備える請求項1から請求項4のいずれかに記載の基板外観検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−14617(P2009−14617A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−178772(P2007−178772)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】