説明

基板搬出入装置

【課題】 クリーンルームの高さに余裕がない場合でも能率的な基板処理に資する基板搬出入装置を提供する。
【解決手段】 複数段に段積みされたトレイに対する基板の搬出入を行う基板搬出入装置であって、第1のパレット201上に載置された複数段のトレイ202を作業対象トレイとして供給する作業対象トレイ供給手段203と、前記複数段のトレイのうち、最下段のトレイ202a以外のトレイを持ち上げるトレイ持上げ手段205と、前記最下段のトレイを前記第1のパレットから分離して取り出して移動させるトレイ切出移動手段と、前記取り出されたトレイに対して基板の取り出し又は格納動作を実行する基板挿抜手段と、前記基板の取り出し又は格納動作が完了したトレイを、第2のパレットの上に載置するトレイ段積み手段と、前記トレイ段積み手段によって前記第2のパレット上に積まれた所定数のトレイを排出するトレイ排出手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数段に段積みされたトレイから基板を取り出し、及び/又は、そのトレイに基板を収納するための基板搬出入装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の基板搬出入装置においても、複数段に段積みされたトレイから基板を取り出すことのできるものがある。
【0003】
例えば、特許文献1に開示された基板搬出入装置では、複数段の各トレイには複数の開口部が設けられており、下から複数の昇降ピンが突き抜けられるようになっている。そして、最下段から順に、基板取り出し対象のトレイ以外をトレイ保持ユニットによって適当な高さまで上昇させる。その後、下から昇降ピンが上昇してきてトレイに格納されている基板を持ち上げ、それをロボットハンドによって外に取り出し、所定の工程に移行される。
【特許文献1】特開2004−186249号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された基板搬出入装置では、段積みされたトレイの全てを相当程度の高さまで上昇させなければならないため、クリーンルームの高さに余裕がない場合には使用できない。
【0005】
よって、特許文献1の基板搬出入装置を用いるためにはクリーンルーム自体を大きく設計しなければならず、コストアップにつながるという問題がある。
【0006】
一方、クリーンルームの大きさを抑えれば、段積みできるトレイの数に限界があるため、一度に処理できる基板の数も制限されることになり、基板処理の能率化を量ることができないという問題もある。
【0007】
本発明は上記問題点を鑑みて為されたものであり、クリーンルームの高さに余裕がない場合でも能率的な基板処理に資することのできる基板搬出入装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の問題を解決するために、本発明による基板搬出入装置は、複数段に段積みされたトレイに対する基板の搬出入を行う基板搬出入装置であって、第1のパレット上に載置された複数段のトレイを作業対象トレイとして供給する作業対象トレイ供給手段と、前記複数段のトレイのうち、最下段のトレイ以外のトレイを持ち上げるトレイ持上げ手段と、前記最下段のトレイを前記第1のパレットから分離して取り出して移動させるトレイ切出移動手段と、前記取り出されたトレイに対して基板の取り出し又は格納動作を実行する基板挿抜手段と、前記基板の取り出し又は格納動作が完了したトレイを、第2のパレットの上に載置するトレイ段積み手段と、前記トレイ段積み手段によって前記第2のパレット上に積まれた所定数のトレイを排出するトレイ排出手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明による基板搬出入装置は、第2のパレットを何も載置されていない空パレットとして、前記第1のパレットとは別に供給する空パレット供給手段を備える。
【0010】
そして、前記作業対象トレイ供給手段によって供給されるトレイの段数と前記トレイ排出手段によって排出されるトレイの段とが同じ場合には、前記空パレット供給手段は、基板搬出入動作開始時の一回のみ前記空パレットを供給する。
【0011】
また、前記作業対象トレイ供給手段によって供給されるトレイの段数が前記トレイ排出手段によって排出されるトレイの段数よりも多い場合には、前記空パレット供給手段は、前記トレイ段積み手段によって載置されたトレイの数に基づいて、適宜前記空パレットを供給する。
【0012】
さらに、本発明による基板搬出入装置は、前記第1のパレット上に載置された複数段のトレイの全てが取り出された場合、残された前記第1のパレットを前記トレイ段積み手段まで移動させるパレット移動手段を備え、前記トレイ段積み手段は、前記パレット移動手段によって移動されてきた前記第1のパレット上に、前記基板の取り出し又は格納動作が完了したトレイを載置する。
【0013】
また、前記基板挿抜手段は、前記基板を昇降させる基板昇降手段と、前記基板を前記トレイから持ち上げた状態で平行移動させる基板移動手段と、を備える。そして、前記トレイのそれぞれには、複数個の開口部が設けられ、前記基板昇降手段は、前記トレイの開口部を貫通する昇降シャフトを有し、前記基板移動手段は、前記昇降シャフト先端に設けられた回転ローラを有する。
【0014】
さらなる本発明の特徴は、以下本発明を実施するための最良の形態および添付図面によって明らかになるものである。
【発明の効果】
【0015】
本願発明の基板搬出入装置によれば、クリーンルームの高さに余裕がない場合でも能率的な基板処理に資することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0017】
<基板搬出入装置の構成>
図1は、本実施形態に係る基板搬出入装置100の構成を示す図である。図1において、101はパレット投入部であり、この投入されるパレット上には、基板搬出(トレイからの取り出し)時は基板が収納された複数段のトレイが段積みされており、基板搬入(トレイに基板を収納する)時は空の複数段のトレイが段積みされている。
【0018】
102、111及び114はパレット移動部、103はパレット移載部である。パレット移動部102、111及び114はパレット1つ分の移動を実行するが、パレット移載部103は最大パレット3つ分の移動を実行するものである。パレット移載部103は2つのユニット103a乃至103bで構成されている。
【0019】
104はトレイ段ばらし部であり、最下段にあるトレイをその上のトレイから切り離し、順次にトレイを1つずつ基板挿抜部105に送り出す。なお、トレイ段ばらし部104の構成及び動作については後に詳述する。
【0020】
基板挿抜部105は、トレイ抜取り部105a、基板挿抜部105b及びトレイ挿入部105cで構成される。トレイ抜取り部105aは、トレイ段ばらし部104から最下段のトレイのみを受け取り、基板挿抜部105bにトレイを受け渡す。基板挿抜部105bはトレイ抜取り部105cからトレイを受け取り、基板のみの受け渡しをバッファコンベヤ106との間で行う。また、基板挿抜部105bは、空のトレイ若しくは基板が収納されたトレイをトレイ挿入部105cに受け渡す。トレイ挿入部105cはトレイ段積み部110にトレイを受け渡す。なお、基板挿抜部105bの構成及び動作については後に詳述する。
【0021】
107は旋回コンベヤであり、処理前基板を払い出しコンベヤ108を介して基板処理部(図示せず)に送り出したり、処理後基板を受入コンベヤ109を介して基板処理部(図示せず)より受け取る。
【0022】
トレイ段積み部110は、パレットの上に順次トレイ(空若しくは基板収納済トレイ)を積み上げる。そして、一定段数のトレイを積み上げたら、その複数段のトレイを載置したパレットは、パレット移載部103及びパレット移動部111を介して、パレット取出し部112に搬送される。
【0023】
113は空パレット受渡し部であり、トレイが載置されていない空パレットを投入したり、引き上げたりするためのものである。
【0024】
<基板搬出入装置の全体動作>
例えば、基板を収納した60段のトレイを投入し、基板を取り出して、空となった60段のトレイを引き上げるまでの動作の概要を説明する。
【0025】
まず、パレットに載置された60段のトレイが、パレット投入部101から投入され、パレット移動部102及びパレット移載部103aを介してトレイ段ばらし部104に搬入され、位置決めされる。
【0026】
一方、空パレット受渡し部113から投入された空パレットは、パレット移動部114、パレット移載部103b及び103cを介してトレイ段積み110に移動され、そこで待機する。
【0027】
トレイ段ばらし部104において、60段のうち下から2段目以上のトレイ(59段分)が持ち上げられる。そして、最下段のトレイがパレットから切り離されて、適当な高さまで持ち上げられ、そのまま基板挿抜部105のトレイ抜取り部105aを経由して基板挿抜部105bに搬送される。
【0028】
基板挿抜部105bでは、後述のような方法(図5参照)でトレイから基板を取り出し、バッファコンベヤ106を介して旋回コンベヤ107まで搬送される。
【0029】
送られてきた基板は処理前基板であるので、旋回コンベヤ107は、その基板を図示しない基板処理部に送り出すために払い出しコンベヤ108に基板を受け渡す。
【0030】
また、基板挿抜部105bにおいて、基板を取り出した後の空トレイはトレイ挿入部105cに移行する。そして、トレイ段積み部110において、空トレイは空パレットの上に載置される。
【0031】
続いて、最下段のトレイについて実行された工程が、下から2段目、3段目、・・・と順次実行される。そうすると、60段の空トレイがトレイ段積み部110に載置され、その一方において、空パレットが段ばらし部104に残る。
【0032】
この時点で、60段の空トレイは、パレット移載部103c及びパレット移動部111を経由して、パレット取出し部112に搬出される。一方、段ばらし部104にある空パレットは、60段のトレイがトレイ段積み部110から引き上げられた後、適当なタイミングにおいて、パレット移載部103a→103b→103cを経由してトレイ段積み部110に移動される。この空パレットは、次の60段トレイから基板を取り出した後の空トレイを段積みするために用いられる。
【0033】
もし、投入されるパレットが60段トレイを載置しているが、引き上げるときには例えば20段のトレイずつ行いたいときには、空パレット受渡し部113から20段トレイの引き上げのタイミングで空パレットを投入し、それをトレイ段積み部110で待機させるようにすれば良い。
【0034】
<トレイ段ばらし部104の構成及び動作>
図2乃至図4を用いてトレイ段ばらし部104の構成及び動作について説明する。
【0035】
図2は、トレイ段ばらし部104の構成を示す外観図である。トレイ段ばらし部104は、パレット201に積載された複数のトレイ202の下から順番にトレイを取り出す機能を有するものである。
【0036】
図2において、203は、積載されたトレイ202が載せられたパレット201を、ガラス基板206の取り出し位置に位置決め及び搬送するためのコンベアである。コンベア203は両端部に駆動用ローラを設け、搬送面中央にはフリーローラは設けられていない。
【0037】
204はトレイチャック駆動部であり、トレイチャック205を備えている。最下段より上の段のトレイ202がそのY方向の両側よりトレイチャック205によって抑えられ、その状態でそのトレイチャック205がトレイチャック駆動部204によって上下動作するようになされている。トレイチャック205には、各段のトレイ202を係止する係止部(把持爪)205aが設けられている。
【0038】
続いて、パレット201の位置決め動作について説明する。
【0039】
図3A乃至図3Cは、パレット201に載せられたトレイ202がコンベア上を搬送され、ガラス基板取り出し動作の定位置に到着した場合の位置決め動作を説明するための概略図である。
【0040】
まず、図3Aにおいて、トレイ202が載ったパレット201はコンベアの川上方向(X軸の正方向)から川下方向(X軸の負方向)に搬送され、コンベア203の一端(川下側の端)に設けられた位置決めブロック207に当接した場合、コンベア203は停止するように制御される。なお、コンベア203の停止動作は、本実施形態ではパレット201の位置決めストッパ201aが位置決めブロック111に当接したことを検知する図示しないセンサが設けられている。このセンサが、パレット201の位置決めブロック207への接触を検知すると、コンベア203のみを停止させる。また、このコンベア停止方法としては、センサを設けるほか、パレット201が位置決めブロック207に当接したことによって機械的なスイッチがONになるような機構を採用するようにしてもよい。
【0041】
コンベア203が停止すると、図3Bに示されるように、進行方向に対してパレット201の末尾方向から第1の位置決めユニット208がコンベア203の下面から突出し、パレット203を位置決めブロック207との間に挟み込み、進行方向(X軸方向)を位置決めしてパレットを固定する。
【0042】
そして、コンベア203は駆動(例えば、チェーン駆動)ローラが両端に設けられ、搬送面中央が空いたものとなっているため、図3Dで示される昇降ユニット210がコンベア203の下面からパレット201を数センチ持ち上げる。このとき第1の位置決めユニット208も、昇降ユニット210のリフト動作に従って、パレット201との当接面208aも数センチ持ち上がるような機構になっている。なお、昇降ユニット210は、上面がフリーローラ(回転方向がY軸方向)となっているため、パレット201は水平面内で移動しやすくなっている。
【0043】
X軸方向での位置決めが終わると続いて、図3Cで示されるように、コンベア203の川幅方向(X軸方向)から第2の位置決めユニット209が各々突出し、パレット201を(他方のユニットは図示されておらず、反対側の側面に突出している)コンベア203のY軸方向(川幅方向)の両側から挟み込むようにして、Y軸方向の位置決めが行われる。なお、図3Cで示されるように、昇降ユニット210でパレット201が下から持ち上げられているので、第1の位置決めユニット208と同様の構造である位置決めブロック207の当接面(ローラ部)207aも、数センチ追従し、上昇している。
【0044】
そして、以上のような位置決め動作により、最下段のトレイの取り出しに適切な位置にパレット201が位置決めされると、まず、第2の位置決めユニット209がパレット201から離れる。また、昇降ユニット210が下降し、トレイの搬出動作が開始される。なお、昇降ユニット210に下限センサが設けられており、上昇後再度下降したことでセンサがONとなるようになっており、それによって次の基板搬出入動作への開始のためのトリガー信号となる。
【0045】
なお、位置決めブロック207と第1の位置決めユニット208とによるパレット挟持動作は、パレット201に載置されている全てのトレイ202が搬出されるまで継続される。
【0046】
図4は、最下段のトレイ202aをパレット201から切り出す動作を説明するための図である。
【0047】
図4において、トレイチャック205によって最下段以外のトレイの耳部211が把持され(下から引っ掛けられ)、最下段以外のトレイがトレイチャック駆動部204によって持ち上げられる。この状態では、パレット201の上には最下段のトレイ202aのみが残されている。
【0048】
そして、トレイ切出し部301の切出しハンド301aが、パレット201と最下段トレイ202aとの間の隙間に進入する。次に、伸縮するシャフト301cが伸びることによって、切出しハンド301aが上昇し、トレイ耳部211に当接する。
【0049】
さらにシャフト301cが伸びて、切出しハンド301aによりトレイ202aをパレットから適当な高さ分浮かせる。そして、トレイ202aを浮かせた状態でトレイ切出し部301が基板挿抜部105の方向に進行して、トレイ抜取り部105aで待機しているトレイ移動ハンド(図示せず)に受け渡す。この受渡し動作が終了すると、切出しハンド301aは、下降してトレイ耳部211から離れ、トレイ移動ハンドとの干渉を防止するため90度旋回して後戻りをしてトレイ段ばらし部104の所定位置に配置される。
【0050】
このように、本実施形態では、トレイ段ばらし部104で段積みされたトレイを下から1つずつ抜き出して搬出するだけであるので、抜き出すトレイ以外の残りのトレイを上昇させる高さをそれ程必要がなくなる。よって、クリーンルームで必要となる高さはこのトレイ段ばらし部でのトレイ上昇の高さによって規定されるので、クリーンルーム自体の高さ制限にも柔軟に対応できる基板搬出入装置を提供することができるようになる。
【0051】
また、トレイに開口部202bが設けられている場合、直接トレイをコンベヤ上で移動させると、基板に塵が付着したり、傷がついたりするが、切出しハンド301aによってトレイ202aを浮かしながら移動させているので、そのような問題も生じる可能性が低くくなる利点がある。なお、パレットに載せた状態でトレイを移動させることも可能であるが、その場合、パレットを前進させたり、後退させたりしなければならず、処理の効率が良くない。また、トレイをパレットに載せて移動させると、基板取り出しの際に、本実施形態で説明する後述の昇降シャフト403及びその先端に設けられた回転ローラ402による機構を用いることができず、基板取り出し及び受け取りの機構がより複雑化する可能性が高く、コスト高につながり好ましくはないのである。
【0052】
<基板挿抜部105bの構成及び動作>
図5を用いて基板挿抜部105bの構成及び動作について説明する。
【0053】
トレイ段ばらし部104から切り出された(抜き取られた)トレイ202は、切出し部301によってトレイ抜取り部105aまで運ばれ、そこで切出し部301からトレイ搬送ハンド401に受け渡される。そして、トレイ202はトレイ運搬ハンド401によって基板挿抜部105bまで運ばれる。
【0054】
図5Aは、トレイ202がトレイ運搬ハンド401によって基板挿抜部105bまで運ばれ、そこで位置決めされた状態を示している。
【0055】
トレイ202が基板挿抜部105bで位置決めされると、回転ローラ402が取り付けられたシャフト403が上昇する。
【0056】
図5Bに示されるように、さらにシャフト403は上昇して、トレイに設けられた開口部201a(図2参照)を通過し、基板206のみを上昇させてトレイ202から分離する。なお、基板206は、回転ローラ402の高さがバッファコンベヤ106に設けられた回転ローラ404に合致するまで上昇するように制御される。
【0057】
その高さまで基板が上昇すると、回転ローラ402が回転し、基板206が矢印方向に搬送され、バッファコンベヤに受け渡される。
【0058】
基板206の受渡しが終了すると、シャフト403が下降し、図5Aの状態に戻る(基板はトレイにない状態)。そして、再度トレイ運搬ハンド401が動作し始め、空トレイがトレイ挿入部105cを介してトレイ段積み部110に搬送される。
【0059】
なお、トレイ段積み部110はトレイ段ばらし部104と同様の構成を有し、トレイ段ばらし部104とは逆の動作を実行して一段ずつ空トレイを積み上げていくのである。
【0060】
<実施形態の効果>
以上のような構成を有する実施形態に記載の基板搬出入装置によれば、パレット上に載置された複数段のトレイのうち、最下段のトレイ以外のトレイを持ち上げ、最下段のトレイをパレットから分離して取り出して移動させ、そのトレイに対して基板の取り出し又は格納動作を実行し、この取り出し又は格納動作が完了したトレイを、別に用意されたパレットの上に段積みして、所定数のトレイが積み上げられたら排出するようにしているので、最下段のトレイ取り出しタウトと動作完了のトレイの段積みタクトを略同時に実行でき、全体のタクトタイムを短縮できる結果、能率の良い基板搬出入動作を実現できるようになる。そして、最下段から順次トレイを取り出しているので、残りの複数段トレイを持ち上げる高さは最小限で済み、それによってクリーンルームの高さ制限にも対応できるようになっている。
【0061】
さらに、取り出し又は格納動作完了のトレイを段済みするために空パレットを別に供給するので、基板の搬出入動作が完了して直ぐにトレイ引き上げ動作に移行することができるため、これによっても全体のタクトタイムを短縮することが可能となっている。
【0062】
処理されるトレイの段数と排出されるトレイの段とが同じ場合には、空パレットの供給は、基板搬出入動作開始時の最初の一回のみとしたり、処理されるトレイの段数が排出されるトレイの段数よりも多くする場合には、排出されるトレイの段数に応じて空パレットを適宜供給するようにするので、柔軟に色々な態様の基板搬出入動作に対応することができる。
【0063】
また、処理対象の複数段のトレイがパレットから全て取り出された場合、残されたパレットをトレイ段積み部まで移動させ、そのパレットを空トレイ段積み用に使用しているので、装置内での無駄な動作工程の発生を抑えることができ、能率の良い基板搬出入動作を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明による基板搬出入装置の構成の概略を示す図である。
【図2】基板搬出入装置のトレイ段ばらし部104の構成を示す図である。
【図3】トレイ段ばらし部104の位置決め動作を説明するための図である。
【図4】トレイ段ばらし部104における最下段トレイの取り出し動作を説明するための図である。
【図5】基板挿抜部105bにおける動作を説明するための図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数段に段積みされたトレイに対する基板の搬出入を行う基板搬出入装置であって、
第1のパレット上に載置された複数段のトレイを作業対象トレイとして供給する作業対象トレイ供給手段と、
前記複数段のトレイのうち、最下段のトレイ以外のトレイを持ち上げるトレイ持上げ手段と、
前記最下段のトレイを前記第1のパレットから分離して取り出して移動させるトレイ切出移動手段と、
前記取り出されたトレイに対して基板の取り出し又は格納動作を実行する基板挿抜手段と、
前記基板の取り出し又は格納動作が完了したトレイを、第2のパレットの上に載置するトレイ段積み手段と、
前記トレイ段積み手段によって前記第2のパレット上に積まれた所定数のトレイを排出するトレイ排出手段と、
を備えることを特徴とする基板搬出入装置。
【請求項2】
さらに、前記第2のパレットを何も載置されていない空パレットとして、前記第1のパレットとは別に供給する空パレット供給手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の基板搬出入装置。
【請求項3】
前記作業対象トレイ供給手段によって供給されるトレイの段数と前記トレイ排出手段によって排出されるトレイの段とが同じ場合には、前記空パレット供給手段は、基板搬出入動作開始時の一回のみ前記空パレットを供給することを特徴とする請求項2に記載の基板搬出入装置。
【請求項4】
前記作業対象トレイ供給手段によって供給されるトレイの段数が前記トレイ排出手段によって排出されるトレイの段数よりも多い場合には、前記空パレット供給手段は、前記トレイ段積み手段によって載置されたトレイの数に基づいて、適宜前記空パレットを供給することを特徴とする請求項2に記載の基板搬出入装置。
【請求項5】
さらに、前記第1のパレット上に載置された複数段のトレイの全てが取り出された場合、残された前記第1のパレットを前記トレイ段積み手段まで移動させるパレット移動手段を備え、
前記トレイ段積み手段は、前記パレット移動手段によって移動されてきた前記第1のパレット上に、前記基板の取り出し又は格納動作が完了したトレイを載置することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の基板搬出入装置。
【請求項6】
前記基板挿抜手段は、
前記基板を昇降させる基板昇降手段と、
前記基板を、前記トレイから持ち上げた状態で平行移動させる基板移動手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の基板搬出入装置。
【請求項7】
前記トレイのそれぞれには、複数個の開口部が設けられ、
前記基板昇降手段は、前記トレイの開口部を貫通する昇降シャフトを有し、
前記基板移動手段は、前記昇降シャフト先端に設けられた回転ローラを有する、ことを特徴とする請求項6に記載の基板搬出入装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−131388(P2006−131388A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−324708(P2004−324708)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(391032358)平田機工株式会社 (107)
【出願人】(597067873)新エスティーアイ テクノロジー株式会社 (6)
【Fターム(参考)】