説明

基板矯正装置

【課題】矯正力を解除する際にボールの移動を抑えることができる基板矯正装置を提供すること。
【解決手段】ボールが搭載される基板の反りを矯正する基板矯正装置9は、基板P1を支持部としての外枠支持部32、内枠支持部33、島状支持部34に対して当接するように吸引することで、基板P1に対して反りを矯正する矯正力を作用させる複数の吸引保持部30を有し、基板P1を複数の吸引保持部30により複数の部分において矯正することとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板矯正装置に関するものであり、特に、ボール搭載装置に備えられる基板の反りを矯正するのに適した基板矯正装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
導電性を有する複数個のボールを基板上に搭載することができる、いわゆるボール搭載装置を用いて基板上にボールを搭載する際に、基板の所定位置(例えば、電極位置等)にボールを搭載することができるように、例えば、特許文献1,2等に開示されるような基板矯正装置を用いて、基板の反りが強制的に矯正させられる。
【0003】
【特許文献1】特開2001−250832号公報
【特許文献2】特開2002−198380号公報
【0004】
しかしながら、基板が大判になるにつれて、基板の反り量も多くなり、基板矯正装置で反りを矯正した状態でボールを搭載しても、矯正力を解除する際に、基板が元の反り状態に復元する際の勢いで、折角搭載されたボールが移動してしまい、基板の所定位置からずれてしまうという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、矯正力を解除する際にボールの移動を抑えることができる基板矯正装置を提供することを目的とする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するため、ボールが搭載される基板の反りを矯正する基板矯正装置において、基板を支持部に対して当接するように吸引することで、基板に対して反りを矯正する矯正力を作用させる複数の吸引保持部を有し、基板を複数の吸引保持部により複数の部分において矯正することとする。
【0007】
上述の発明に加えて、基板矯正装置は、複数の吸引保持部の矯正力の解除は、それぞれ個別に行われることとするのが好ましい。
【0008】
上述の発明に加えて、基板矯正装置は、複数の各吸引保持部には、内周側と外周側に複数の吸引保持部を有することとするのが好ましい。
【0009】
上述の発明に加えて、基板矯正装置は、複数の吸引保持部は、基板面の8割以上の面積を吸引保持することとするのが好ましい。
【0010】
上述の発明に加えて、基板矯正装置は、基板は、複数の樹脂モールド部を有し、複数の吸引保持部は、複数の樹脂モールド部をそれぞれ吸引保持することとするのが好ましい。
【0011】
上述の発明に加えて、基板矯正装置は、吸引保持部は、樹脂モールド部面積の8割以上の面積を吸引保持することとするのが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための第1の実施の形態について説明する。
【0013】
(ボール搭載装置の全体構成)
図1を参照しながら、ボール搭載装置1の全体的な概略構成について説明する。図1は、ボール搭載装置1の構成要素の配置を示す平面配置図であり、各構成要素についてはブロックで示されている。図1に示されるX軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向として、以下の説明を行う。図1において紙面の表面側が上方とし、裏面側を下方とする。
【0014】
ボール搭載装置1は、ローダ2、基板搬送装置3、転写装置4、ボール吸着搭載装置5、ボール搭載検査装置6、アンローダ7等を備える。ボール搭載装置1では、先ず、ローダ2により基板P1が基板搬送装置3の基板搭載部8(図2参照)に搭載される。ローダ2には、基板P1が収容される図示を省略するマガジンが備えられ、このマガジンから基板P1を取り出し、基板搬送装置3に搭載する。基板搬送装置3には、後述する基板矯正装置9が備えられていて、基板搬送装置3に搭載された基板P1の反りを矯正することができる。基板搬送装置3には、図示を省略するXYZθ移動機構が備えられ、このXYZθ移動機構により基板矯正装置9と基板P1は共に、左右(X軸)方向、前後(Y軸)方向、上下(Z軸)方向の任意の位置に移動することができ、さらにZ軸の周り(θ)方向への回転を行うことができる。基板搬送装置3は、基板P1および基板矯正装置9を、転写装置4、ボール吸着搭載装置5、ボール搭載検査装置6へと搬送する。
【0015】
転写装置4は、転写ピンを有する転写ヘッド10と、転写ユニット11と、クリーニングユニット12等を備える。転写装置4においては、基板P1の電極位置にフラックスの塗布が行われる。転写ヘッド10は、Y軸スライダ13により前後方向Yに自由に移動でき、転写ヘッド10と基板搬送装置3に搭載された基板P1とは、Y軸スライダ13と、基板矯正装置9に備えられるXYZθ移動機構とにより相対的な位置合わせが行えるように構成されている。
【0016】
転写ユニット11において、転写ヘッド10へのフラックスの付着が行われる。転写ヘッド10へのフラックスの付着は、図示を省略するフラックステーブル上に蓄えられるフラックスに転写ヘッド10に設けられる転写ピンを接触させることにより行われる。なお、転写ヘッド10へのフラックスの付着に先立ち、スキージ14によりフラックステーブルに蓄えられるフラックスの表面が均される。これにより、転写ヘッド10(転写ピン)にフラックスを均一に付着させることができる。フラックスが付着された転写ヘッド10は、基板P1上に移動し、付着されているフラックスを基板P1の電極上に転写(塗布)する。基板P1にフラックスの塗布を行った転写ヘッド10は、クリーニングユニット12において付着しているフラックスの除去が行われる。なお、転写装置4にはCCDカメラ15が備えられ、CCDカメラ15により得られる画像に基づいて転写ヘッド10と基板P1との位置合わせを行うことができるように構成されている。
【0017】
ボール吸着搭載装置5は、ボール吸着ヘッド16と、ボール供給ユニット17等を備える。ボール吸着ヘッド16は、X軸スライダ18とY軸スライダ13により水平面内を自由に移動できるようになっている。また、図示を省略するZ軸駆動装置とθ方向駆動装置を有し、上下移動と回転ができるように構成されている。ボール供給ユニット17は、ボール振動容器19と、このボール振動容器19を振動させボール振動容器19内のボールを跳躍させる振動装置20と、パーツフィーダ21と、ボール量検出センサ22等を備える。
【0018】
ボール供給ユニット17においては、ボール吸着ヘッド16をボール振動容器19の上方に位置され、ボール振動容器19内で跳躍するボールをボール吸着ヘッド16に対して吸着させる。ボール吸着ヘッド16には図示を省略する多数の小孔部が形成されていて、同じく図示を省略するポンプにより小孔部内が負圧とされ、小孔部にボールが吸着されるように構成されている。そして、ボール吸着搭載装置5においては、ボール搭載位置23において、ボール吸着ヘッド16に吸着されているボールが、基板P1上の所定の位置(例えば、電極位置等)に搭載される。
【0019】
ところで、基板P1へのフラックスの塗布やボールを搭載する際に、基板P1が反っていると(湾曲していると)、フラックスの塗布やボールの搭載を所定位置(例えば、電極位置等)に行えないという問題が発生する。しかしながら、基板P1は上述したように、基板矯正装置9により反りが矯正されている。そのため、所定位置に、フラックスの塗布やボールの搭載を行うことができる。
【0020】
ボールの搭載が行われた基板P1は、基板矯正装置9による矯正を解除された状態で、ボール搭載検査装置24に搬送され、基板P1のすべての所定位置にボールが搭載されているかどうかを検査される。そして、この検査の後、基板P1はアンローダ7へと送られ、更にリフロー炉へ送られる。
【0021】
なお、本実施の形態におけるボール搭載装置1では、例えば、直径200μmのボールが取り扱われる。また、ボールとしては、例えば、半田ボールや金ボール、銀ボール、銅ボール、ニッケルボール等の導電性を有する金属製の微小ボールである。ボールの直径は、200μmの他、50μmから500μmのものを対象とすることもできる。また、ボールは、上述の金属製のものの他に、例えば、プラスチックやガラス、石英等の絶縁部材からなる絶縁ボールの表面に、半田や金、銀、銅等の導電性材料をコーティングしたものであっても良い。
【0022】
(基板矯正装置9の構成)
次に、上述した基板矯正装置9について、図2から図4を参照しながら説明する。図2は、基板矯正装置9の構成を概略的に示すもので、図1に示すボール搭載装置1のXYZθ移動機構(図示省略)に取り付けられ、XYZθ移動機構によりXYZ方向への移動とθ方向への回転が可能な構成となっている。なお、図2は、基板矯正装置9を右方から見たときの構成を示している。
【0023】
基板矯正装置9は、基板P1を吸引保持する吸引治具25と、吸引治具25を支持する吸引治具支持部26と、吸引治具支持部26を上下に昇降させる昇降装置27等を備える。昇降装置27は、油圧あるいは空気圧により駆動されるシリンダ装置であり、ガイド部28に沿って吸引治具支持部26を上下方向に移動することができる。ガイド部28は、吸引治具支持部26を前後方向および左右方向の4か所においてガイドするように設けられている。
【0024】
(吸引治具25の構成)
図3は、吸引治具25を斜め上方から見た図である。吸引治具25は、平面視において長方形を呈し、長手方向が左右方向に沿う向きで吸引治具支持部26の上面に取り付けられている。吸引治具25は、ベース部29と、ベース部29上に設けられ、それぞれ同一の構成となっている4つの吸引保持部30,30,30,30とを有し、一枚の基板P1を4つの吸引保持部30,30,30,30により4か所で吸引保持する構成になっている。図4に示すように、各吸引保持部30は、シール部31と、外枠支持部32と、内枠支持部33と、複数の島状支持部34と、複数の吸引孔35等を有する。図4は、1つの吸引保持部30を上方から見た平面図である。
【0025】
シール部31は、例えば、フッ素ゴムスポンジ等の気密性を有すると共に弾性を有する材質形から形成され、平面視において、正方形の枠状を呈している。シール部31の上面31Aは、平坦面に形成されている。
【0026】
シール部31の内周には、外枠支持部32が配置されている。外枠支持部32は、シール部31の内周の側面に添うように形成され、シール部31と同様に、平面視において、正方形の枠状を呈している。外枠支持部32の上面32Aは、シール部31の上面31Aよりも若干低い位置に形成されている。例えば、外枠支持部32の上面32Aのベース部29からの高さは、シール部31の上面31Aのベース部29からの高さの3分の2程度に設定されている。
【0027】
また、上面32Aは、シール部31の上面31Aと同様に平坦面に形成されている。内枠支持部33は、外枠支持部32の内側に形成され、外枠支持部32と同様に、正方形の枠状を呈している。内枠支持部33の上面33Aは、外枠支持部32の上面32Aと同様に平坦面に形成されている。外枠支持部32および内枠支持部33は、中心CPが同一位置となるように配置されている。
【0028】
外枠支持部32と内枠支持部33との間、および内枠支持部33の内側には島状支持部34が複数設けられている。外枠支持部32と内枠支持部33との間に設けられる島状支持部34は、外枠支持部32と内枠支持部33との中間位置に、内枠支持部33の周囲に等間隔で配置されている。また、本実施の形態では、外枠支持部32と内枠支持部33との間に設けられる島状支持部34については、外枠支持部32のコーナー部の内側と内枠支持部33のコーナー部の外側の間となる4か所と、外枠支持部32の辺部と内枠支持部33の辺部の間となる4か所の合計8か所に設けられている。内枠支持部33の内側に設けられる島状支持部34は、中心CPと内枠支持部33のコーナー部の間の4か所に設けられている。各島状支持部34の上面34Aは、外枠支持部32の上面32Aおよび内枠支持部33の上面33Aと同様に平坦面に形成されている。したがって、外枠支持部32の上面32A、内枠支持部33の上面33Aおよび各島状支持部34の上面34Aは、ベース部29の上面からの高さが同一となっている。
【0029】
すなわち、上面32A、上面33Aおよび上面34Aは同一の平面上に位置していることになる。なお、上面32A、上面33Aおよび上面34Aの高さは、各吸引保持部30間においても、同一での高さとなっている。また、シール部31の上面31Aの高さについても、各吸引保持部30間で同一の高さとなっている。
【0030】
外枠支持部32と内枠支持部33との間、および内枠支持部33の内側には吸引孔35が複数設けられている。外枠支持部32と内枠支持部33との間に設けられる吸引孔35は、外枠支持部32と内枠支持部33との間に設けられる島状支持部34と外枠支持部32との間に、外枠支持部32の内側(中心CP側)に沿って配置されている。また、外枠支持部32と内枠支持部33との間に設けられる吸引孔35は、等間隔で外枠支持部32の内側に沿って配置されている。そして、内枠支持部33の内側に設けられる吸引孔35については、中心CPの位置に設けられている。
【0031】
上述のベース部29、各外枠支持部32、各内枠支持部33および各島状支持部34は、基板P1の矯正を行うにあたり十分な剛性が確保できるように、硬質ウレタン等の硬質の樹脂あるいはアルミ、鋼材等の金属を用いて、一体に形成されている。シール部31は、シール部31の内周面に外枠支持部32の外周面が接触するように、外枠支持部32の外側に嵌め込まれている。シール部31は、ベース部29との当接部において接着剤によりベース部29に対して接着固定されている。シール部31と外枠支持部32との間は、接着されていない。また、各吸引孔35は、吸引治具支持部26内に設けられるパイプ36(図5参照)を介して、図示を省略する真空ポンプに接続されている。
【0032】
(吸引治具支持部26の構成)
吸引治具支持部26は、昇降装置27のロッド部37に連結されている。吸引治具支持部26は、上面に吸引治具25が全面で支持される支持面38を有し、吸引治具25は、この支持面38に載置されている。本実施の形態では、吸引治具支持部26は、略直方体を呈し、支持面38は、吸引治具25が全面で当接することができる大きさの長方形を呈している。また、吸引治具支持部26は剛性の高いアルミや鋼材等により形成されるブロック体あるいは筐体として構成されている。吸引治具支持部26の剛性を高くすることで、支持面38に載置されている吸引治具25に対して外力が作用した場合でも、吸引治具25に撓みが発生することを抑えることができるように構成されている。なお、吸引治具支持部26内には、上述したように、吸引治具25に形成されている各吸引孔35を図示を省略する真空ポンプに接続される空気流路であるパイプ36が備えられている。
【0033】
(基板矯正装置9の矯正動作)
次に、上述のように構成される基板矯正装置9による基板P1の矯正動作について説明する。
【0034】
図2に示すように、ローダ2により基板搬送装置3の基板搭載部8に基板P1を搭載する。図5は、基板搭載部8に基板P1が搭載されたときの、吸引治具25と基板P1の部分について、上下方向に沿う面における断面の構成を概略的に示すものである。吸引治具25については、図3に示す切断線A−Aにおける断面図として示されている。図5の(A)は、基板P1の矯正を行う前の状態を示し、図5の(B)は、基板P1を吸引治具25に対して矯正している状態を示している。
【0035】
ローダ2により基板P1を基板搭載部8に搭載した後、基板矯正装置9の昇降装置27を動作し吸引治具支持部26を上昇させ、図5の(A)に示すように、基板P1の底面P1Bに、吸引保持部30のシール部31の上面31Aを当接させる。図6に示すように、基板P1に対して、吸引治具25は、4ヵ所の当接位置P1Tにおいて各吸引保持部30のシール部31が当接させられる。図5の(A)に示すように、シール部31の上面31Aは、外枠支持部32の上面32A、内枠支持部33の上面33Aおよび島状支持部34の上面34Aよりも高い位置に位置している。そのため、吸引治具支持部26を上昇させると、外枠支持部32の上面32A、内枠支持部33の上面33Aおよび島状支持部34の上面34Aが基板P1の底面P1Bに当接する前に、吸引保持部30のシール部31の上面31Aが基板P1の底面P1Bに当接する。
【0036】
そして、シール部31の上面31Aを基板P1の底面P1Bに当接させた状態で、真空ポンプ(図示省略)を動作し、吸引孔35に負圧を発生させ、基板P1を吸引保持部30の側(下側)に吸引する。吸引保持部30のシール部31は、弾性を有するフッ素ゴムスポンジであるため、基板P1に対する吸引が開始されると、吸引保持部30のシール部31は基板P1の底面P1Bに密着し、基板P1と吸引保持部30との間が負圧となり、基板P1は、吸引保持部30に対して吸引された状態で保持される。
【0037】
上述したようにシール部31はフッ素ゴムスポンジにて形成され、弾性を有している。したがって、吸引孔35が負圧とされ、基板P1が吸引保持部30の側に吸引されると、基板P1は下方に移動し、基板P1の底面P1Bは、外枠支持部32の上面32A、内枠支持部33の上面33Aおよび島状支持部34の上面34Aに当接し、基板P1は、外枠支持部32、内枠支持部33および島状支持部34に支持される状態となる。つまり、基板P1は、吸引孔35の負圧により下方に吸引され、図5の(B)に示すように、外枠支持部32、内枠支持部33および島状支持部34に押圧された状態で支持され、上面32A、上面33Aおよび上面33Aを含む面に沿うよう矯正させられる。
【0038】
なお、各吸引保持部30の外枠支持部32および内枠支持部33は、平面視において正方形の枠体を呈し、上面32Aおよび上面33Aは連続している。したがって、基板P1を、外枠支持部32の上面32Aおよび内枠支持部33の上面33Aに対して全周に亘って均等な押圧力で当接させることができる。そのため、各吸引保持部30は、各吸引保持部30が基板P1を吸引保持する部分の反りの矯正の精度を向上させることができる。
【0039】
外枠支持部32と内枠支持部33の間には吸引孔35が等間隔で配置されている。したがって、外枠支持部32と内枠支持部33に対して、基板P1を均等な押圧力で支持することができる。また、外枠支持部32のコーナー部の内側に吸引孔35が設けられている。したがって、外枠支持部32のコーナー部についても基板P1を確実に矯正できる。内枠支持部33の内側に設けられる吸引孔35は、中心CPの位置に設けられている。したがって、内枠支持部33に対して、基板P1を均等な押圧力で支持することができる。また、各吸引保持部30に設けられる吸引孔35の数は、内枠支持部33の内側に設けられる吸引孔35の数よりも、シール部31に近い側となる外枠支持部32と内枠支持部33の間に設けられる吸引孔35の数を多く設定している。これにより、基板P1をシール部31の弾性力に抗して確実に下方に変位させることができ、外枠支持部32、内枠支持部33および島状支持部34に対して基板P1を確実に押圧させることができることになり、基板P1の矯正の精度を向上させることができる。
【0040】
吸引保持部30は、複数(本実施の形態では4つ)備えられ、複数の吸引保持部30により基板P1の底面を複数個所に分けて全体的に矯正力を作用させるように構成されている。したがって、基板P1が大判なものであっても、基板P1に対して矯正力を確実に作用させることができ、基板P1の矯正を精度高く確実に行うことができる。基板P1の底面の面積の8割以上、より好ましくは9割以上の領域について各吸引保持部30で吸引し矯正力を作用させることで、基板P1の矯正を精度高く確実に行うことができる。特に、各吸引保持部30は、シール部31と外枠支持部32が正方形の枠状を呈している。そのため、互いに隣接する吸引保持部30の間の間隔を狭めて、各吸引保持部30を配置することができる。つまり、基板P1に対してより広い範囲で矯正力を作用させることができる。なお、吸引治具支持部26は、アルミや鋼材等により形成され高い剛性を保持するように構成されている。そのため、基板P1の大判化につれて吸引治具25が大型化した場合でも、吸引治具25に撓みが発生し難く基板P1の矯正の精度を高いものとすることができる。
【0041】
また、基板P1の底面P1Bを所定面積の複数の領域に分けて、領域毎に基板P1の反りを矯正している。したがって、基板P1の反り方が、片面側にのみ湾曲した形状ではなく、基板P1の両面側に交互に湾曲した波状の形状であるときでも、領域毎に矯正を行うことにより矯正の精度を高いものとすることができる。
【0042】
ところで、基板P1が吸引保持部30の側に吸引され下方に移動すると、シール部31は、基板P1の下方への移動にしたがって圧縮されるように変形する。上述したように、シール部31は、ベース部29に対しては接着剤により固定されているのに対し、シール部31と外枠支持部32との間は接着されていない。したがって、シール部31は、上下方向(高さ方向)の全体に亘って変形することができるため、シール部31と基板P1とも密着状態を確保しつつ、外枠支持部32、内枠支持部33および島状支持部34に基板P1を確実に支持することができ、基板P1に対して確実に矯正力を作用させることができる。
【0043】
なお、本実施の形態では、基板P1が長方形であるため、吸引保持部30は基板P1の長手方向に沿って一列に配置されているが、例えば、吸引保持部30を、基板P1の短手方向に2列、長手方向に8列の配置としてもよい。また、基板P1が正方形であれば、吸引保持部30を前後方向と左右方向に同数配置することで、基板P1に対して全面的に矯正力を作用させることができる。
【0044】
上述したように吸引治具25に吸引保持され反りが矯正された基板P1は、吸引治具25に吸引保持されたまま基板搬送装置3により、ボール吸着搭載装置5に搬送され、ボール吸着搭載装置5において基板P1上にボールが搭載される。そして、ボールが搭載された後、真空ポンプ(図示省略)の吸引を停止し吸引治具25による基板P1に対する矯正力を解除する。これにより、基板P1は再び反った状態に復元する。
【0045】
吸引治具25は、複数の吸引保持部30により基板P1の複数の領域毎に矯正力を作用させている。したがって、真空ポンプ(図示省略)の吸引を停止し、矯正力を解除した場合でも、複数の領域毎に矯正力が解除されることになる。このように、基板P1は、複数の領域毎に矯正された状態から反った状態に復元させることにより、基板P1が復元する勢いを小さなものとすることができる。このため、基板P1が矯正状態から反り状態に復元する際の勢いで基板P1上に搭載されているボールが所定位置(例えば、電極位置等)から移動したり跳躍して位置ずれしてしまうことを防止することができる。
【0046】
また、基板P1は矯正された状態から反った状態に復元する際の復元力は、基板P1の場所により異なる。例えば、吸引治具25に搭載された状態で、基板P1の反りが長手方向の中央から両端側に向かって上方に向かうものである場合には、この基板P1は矯正した状態で、両端側ほど復元しようとする力が強く作用している。したがって、真空ポンプ(図示省略)の吸引を停止し吸引治具25による基板P1に対する矯正力を解除すると、両端側ほど早く(早いタイミングで)復元する。つまり、基板P1は、吸引保持部30に対応する領域毎に復元するタイミングが異なることになる。このため、基板P1の全体が一時に矯正された状態から元の反った状態に復元するのに対し、基板P1が復元する勢いを小さなものとすることができる。つまり、基板P1が矯正状態から反り状態に復元する際の勢いで基板P1上に搭載されているボールが所定位置から移動したり跳躍して位置ずれしてしまうことを防止することができる。
【0047】
吸引保持部30は、内枠支持部33が枠体とされることで、基板P1を吸引保持部30に吸引保持した状態で、内枠支持部33の内側の空間と、内枠支持部33と外枠支持部32との間の空間とは独立したものとなる。すなわち、基板P1は、内枠支持部33の内側の部分と、内枠支持部33と外枠支持部32との間の部分に吸引保持されていることになる。つまり、各吸引保持部30には、外枠支持部32の内側に、外周側と内周側に複数の吸引保持部が設けられていることになる。したがって、真空ポンプ(図示省略)の吸引を停止し、矯正力を解除した場合に、外周側の吸引保持部と内周側の吸引保持部とについてそれぞれ矯正力が解除されることになり、基板P1が復元する勢いを小さなものとすることができる。このため、基板P1が矯正状態から反り状態に復元する際の勢いで基板P1上に搭載されているボールが所定位置から移動したり跳躍して位置ずれしてしまうことを防止することができる。
【0048】
なお、基板P1の底面の面積の8割以上、より好ましくは9割以上の領域について各吸引保持部30で吸引し矯正力を作用させることで、基板P1の反りを広い面積に亘って矯正できるため、基板P1の反りが局部的に矯正されている場合に比べて、吸引保持を停止する際に、基板P1の反りが全体的に解除され、吸引保持が解除される際に基板P1上に搭載されているボールの所定位置からの移動や跳躍による位置ずれを効果的に抑えることができる。
【0049】
(樹脂モールド部Mを有する基板P2の矯正)
ところで、基板矯正装置9においては、図7に示すような、フレキシブル基板Fの一方の面(下側)に複数の樹脂モールド部Mが設けられた基板P2の反りを効果的に矯正することができる。図7の(A)は、基板P2の底面図を示し、図7の(B)は基板P2の正面図を示す。基板P2は、例えば、ICチップ等を樹脂モールド部Mにより封止するように構成されたものである。本実施の形態においては、基板P2は、長方形を呈し、樹脂モールド部Mは、正方形に形成され、同一形状で同一の大きさのものが4ヵ所に設けられている。そして、樹脂モールド部Mは、基板P2の底面の面積のほとんどの部分、例えば、9割以上の部分に形成されている。図8は、基板搭載部8に基板P2が搭載されたときの、吸引治具25と基板P1の部分について、上下方向に沿う面における断面の構成を概略的に示すものである。図8の(A)は、基板P2の矯正を行う前の状態を示し、図8の(B)は、基板P2を吸引治具25に対して矯正している状態を示している。
【0050】
基板矯正装置9は基板P2を矯正する場合も基板P1を矯正する場合も、基本的には同様な構成で対応できるが、基板P2を矯正する場合には、後述するように、基板P2の矯正を樹脂モールド部M毎に行うため、吸引治具25を次のように構成する。つまり、吸引治具25に設けられる吸引保持部30の数を、基板P2に設けられる樹脂モールド部Mの数と同一とし、そして、各吸引保持部30のシール部31を、図9に示すように、樹脂モールド部Mの底面(下面)の周囲位置P2Tに当接する大きさとすると共に、各吸引保持部30のシール部31がそれぞれ樹脂モールド部Mの底面に当接するように各吸引保持部30を配置する。
【0051】
このように吸引治具25を構成することで、基板P2を樹脂モールド部M毎に矯正することができる。樹脂モールド部Mは、フレキシブル基板Fに比べて剛性が高い。したがって、上述したように、外枠支持部32と内枠支持部33の間に吸引孔35を等間隔で配置することで、剛性の高い樹脂モールド部Mを、外枠支持部32と内枠支持部33に対して均等な押圧力で支持することができる。また、内枠支持部33の内側に設けられる吸引孔35を中心CPに設けることで、剛性の高い樹脂モールド部Mを、内枠支持部33に対して均等な押圧力で支持することができる。また、内枠支持部33の内側に設けられる吸引孔35の数よりも、シール部31に近い側となる外枠支持部32と内枠支持部33との間に設けられる吸引孔35の数を多くしている。これにより、剛性の高い樹脂モールド部Mを、シール部31の弾性力に抗して確実に下方に変位させることができ、外枠支持部32、内枠支持部33および島状支持部34に対して樹脂モールド部Mを確実に押圧させることができることになり、基板P1の矯正の精度を向上させることができる。また、外枠支持部32のコーナー部の内側に吸引孔35が設けられている。したがって、外枠支持部32のコーナー部についても樹脂モールド部Mを確実に矯正できる。
【0052】
各吸引保持部30は、基板P12の樹脂モールド部Mの面積の8割以上、より好ましくは9割以上の面積に対して矯正力を作用させることで、樹脂モールド部Mの矯正を精度高く確実に行うことができる。すなわち、周囲位置P2Tの内側の面積を樹脂モールド部Mの面積の8割以上、より好ましくは9割以上とすることで、樹脂モールド部Mの矯正を精度高く確実に行うことができる。
【0053】
また、基板P2は、隣接する樹脂モールド部Mと樹脂モールド部Mとの間はフレキシブル基板Fにより連結されている。樹脂モールド部Mは剛性が高く、フレキシブル基板Fは剛性が低い。したがって、基板P2は、剛性の高い部分と、剛性の低い部分とが存在することになる。そのため、例えば、隣接する樹脂モールド部Mと樹脂モールド部Mとの間のフレキシブル基板Fの部分を含めて基板P2の底面を一つの吸引保持部で吸引する構成とした場合には、剛性が異なる部分があるにも関わらず、基板P2の底面の全面に亘って同一の矯正力が作用してしまう。そのため、基板P2の矯正を十分に行うことができない。これに対し、樹脂モールド部Mが底面のほとんどを占める基板P2については、樹脂モールド部Mについて反りを矯正することで、効果的に基板P2の反りを矯正することができる。
【0054】
上述したように反りが矯正された基板P2は、上述した基板P1と同様に、吸引治具25に吸引保持されたまま基板搬送装置3により、ボール吸着搭載装置5に搬送され、ボール吸着搭載装置5において基板P2上にボールが搭載される。そして、ボールが搭載された後、真空ポンプ(図示省略)の吸引を停止し吸引治具25による基板P2に対する矯正力が解除される。これにより、基板P2は再び反った状態に復元する。
【0055】
吸引治具25は、複数の吸引保持部30により基板P2の複数の樹脂モールド部M毎に矯正力を作用させている。したがって、矯正力を解除した場合でも、複数の樹脂モールド部M毎に矯正力が解除されることになる。このため、基板P2は、樹脂モールド部M毎に、矯正された状態から反りが戻ることになるため、復元する勢いを小さなものとすることができる。つまり、基板P2が矯正状態から反り状態に復元する際の勢いで基板P2上に搭載されているボールが所定位置から移動したり跳躍して位置ずれしてしまうことを抑えることができる。
【0056】
樹脂モールド部Mは、樹脂の厚さやモールド成型の精度等の違いにより剛性が僅かに不均一となっていることがある。そのため、真空ポンプ(図示省略)の吸引を停止し吸引治具25による基板P2に対する矯正力が解除した際に、矯正状態から反り状態に復元する際のタイミングや速さが異なる。したがって、基板P2は、樹脂モールド部毎に矯正状態から反り状態に復元することになり、基板P2全体が一時に矯正状態から反り状態に復元する場合に比べて、復元する勢いが小さなものなり、基板P2上に搭載されているボールが所定位置から移動したり跳躍して位置ずれしてしまうことを抑えることができる。
【0057】
また、吸引保持部30は、内枠支持部33が枠体とされることで、基板P1を吸引保持部30に吸引保持した状態で、内枠支持部33の内側の空間と、内枠支持部33と外枠支持部32との間の空間とは独立したものとなる。すなわち、各樹脂モールド部Mは、内枠支持部33の内側の部分と、内枠支持部33と外枠支持部32との間の部分に吸引保持されていることになる。つまり、各吸引保持部30には、外枠支持部32の内側に、外周側と内周側に複数の吸引保持部が設けられていることになる。したがって、真空ポンプ(図示省略)の吸引を停止し、矯正力を解除した場合に、外周側の吸引保持部と内周側の吸引保持部とについてそれぞれ矯正力が解除されることになり、樹脂モールド部Mが復元する勢いを小さなものとすることができる。このため、基板P2が矯正状態から反り状態に復元する際の勢いで基板P2上に搭載されているボールが所定位置から移動したり跳躍して位置ずれしてしまうことを防止することができる。
【0058】
なお、樹脂モールド部Mの底面の面積の8割以上、より好ましくは9割以上の領域について各吸引保持部30で吸引し矯正力を作用させることで、樹脂モールド部Mの反りを広い面積に亘って矯正できるため、樹脂モールドMの反りが局部的に矯正されている場合に比べて、吸引保持を停止する際に、樹脂モールド部Mの反りが全体的に解除され、吸引保持が解除される際に基板P2上に搭載されているボールが所定位置から移動したり跳躍して位置ずれしてしまうことを抑えることができる。
【0059】
(変形例1)
上述の基板矯正装置9において、真空ポンプ(図示省略)の吸引を停止、基板P1あるいは基板P2の矯正力を解除する際に、吸引保持部30毎に時間差で吸引を停止するようにしてもよい。このように吸引保持部30毎に時間差で吸引を停止することで、基板P1(基板P2)全体に対して同時に吸引を停止する場合に比べて、基板P1(基板P2)が矯正状態から反り状態に復元する際の勢いを抑えることができ、ボールが所定位置から移動したり跳躍して位置ずれしてしまうことについても抑えることができる。なお、吸引保持部30毎に別々に真空ポンプに接続されるパイプにリリーフバルブを設け、各リリーフバルブの開放タイミングを変えることで、吸引保持部30毎に時間差で吸引を停止することができる。
【0060】
(変形例2)
また、外枠支持部32と内枠支持部33の間に設けられる吸引孔35と、内枠支持部33の内側に設けられる吸引孔35とについて、時間差で吸引を停止するようにしてもよい。このように外枠支持部32と内枠支持部33の間に設けられる吸引孔35と、内枠支持部33の内側に設けられる吸引孔35とについて、時間差で吸引を停止することで、基板P1(基板P2)の外枠支持部32と内枠支持部33の間に対応する部分と、基板P1(基板P2)の内枠支持部33の内側に対応する部分とで、矯正力が解除されるタイミングを異なるようにすることができる。
【0061】
例えば、外枠支持部32と内枠支持部33の間に設けられる吸引孔35の吸引を、内枠支持部33の内側に配置される吸引孔35の吸引よりも早いタイミングで停止することにより、一つの吸引保持部30において、外側(外枠支持部32と内枠支持部33の間)から内側(内枠支持部38の内側)に向かって矯正力の解除に時間差を設けることができる。これにより、一つの吸引保持部30により作用されている矯正力を同時に解除する場合に比べて、一つの吸引保持部30に矯正されている部分の矯正状態から反り状態に復元する際の勢いを抑えることができ、ボールが所定位置から移動したり跳躍して位置ずれしてしまうことについても抑えることができる。なお、内枠支持部33の内側に配置される吸引孔35の吸引を、外枠支持部32と内枠支持部33の間に設けられる吸引孔35の吸引よりも早いタイミングで停止するようしてもよい。
【0062】
外枠支持部32と内枠支持部33の間に設けられる吸引孔35と、内枠支持部33の内側に設けられる吸引孔35とについて、別々に真空ポンプに接続されるパイプにリリーフバルブを設け、各リリーフバルブの開放タイミングを変えることで、外枠支持部32と内枠支持部33の間に設けられる吸引孔35と、内枠支持部33の内側に設けられる吸引孔35毎に時間差で吸引を停止することができる。
【0063】
以上のように本発明の実施の形態に係る基板矯正装置9は、基板P1を支持部としての外枠支持部32、内枠支持部33、島状支持部34に対して当接するように吸引することで、基板P1に対して反りを矯正する矯正力を作用させる複数の吸引保持部30を有し、基板P1を複数の吸引保持部30により複数の部分において矯正することとする。
【0064】
このように基板矯正装置9を構成することで、吸引保持を停止し、吸引保持部30による基板P1の矯正力を解除する際に、吸引保持部30毎に基板P1の矯正力が解除される。そのため、矯正力が解除される際に基板P1上に搭載されているボールが所定位置から移動したり跳躍して位置ずれしてしまうことについても抑えることができる。
【0065】
なお、支持部は、外枠支持部32のみとしてもよく、また、外枠支持部32と内枠支持部33としてもよい。また、外枠支持部32と島状支持部34としてもよい。また、基板は、いわゆるフレキシブル基板や電気基板の他、ウエハを基板としてもよい。
【0066】
また、基板矯正装置9は、複数の吸引保持部30の矯正力の解除を、それぞれ個別に行われることとするのが好ましい。
【0067】
このように基板矯正装置9を構成することで、吸複数の吸引保持部30の吸引保持の解除をそれぞれ個別に行うことで、基板P1の反りが徐々に復元されるため、吸引保持が解除される際に基板P1上に搭載されているボールが所定位置から移動したり跳躍して位置ずれしてしまうことについても抑えることができる。
【0068】
また、基板矯正装置9は、複数の各吸引保持部30には、内周側と外周側に複数の吸引保持部を有することとするのが好ましい。
【0069】
このように基板矯正装置9を構成することで、吸引保持が解除される際に基板P1上に搭載されているボールが所定位置から移動したり跳躍して位置ずれしてしまうことをより一層抑えることができる。
【0070】
また、基板矯正装置9は、複数の吸引保持部30は、基板面の8割以上の面積を吸引保持することとするのが好ましい。
【0071】
このように基板矯正装置30を構成することで、基板P1の反りを広い面積に亘って矯正できるため、基板P1の反りが局部的に矯正されている場合に比べて、吸引保持を停止する際に、基板P1の反りが全体的に解除され、吸引保持が解除される際に基板P1上に搭載されているボールが所定位置から移動したり跳躍して位置ずれしてしまうことを効果的に抑えることができる。
【0072】
また、基板矯正装置9は、基板P2は、複数の樹脂モールド部Mを有し、複数の吸引保持部30は、複数の樹脂モールド部Mをそれぞれ吸引保持することとするのが好ましい。
【0073】
このように基板矯正装置30を構成することで、複数の樹脂モールド部Mを有する基板P2についても、吸引保持が解除される際に基板P2上に搭載されているボールが所定位置から移動したり跳躍して位置ずれしてしまうことを抑えることができる。
【0074】
また、基板矯正装置9は、吸引保持部30は、樹脂モールド部面積Mの8割以上の面積を吸引保持することとするのが好ましい。
【0075】
このように基板矯正装置9を構成することで、樹脂モールド部Mの反りを広い面積に亘って矯正できるため、樹脂モールド部の反りが局部的に矯正されている場合に比べて、吸引保持を停止する際に、樹脂モールド部Mの反りが全体的に解除され、吸引保持が解除される際に基板上に搭載されているボールが所定位置から移動したり跳躍して位置ずれしてしまうことを効果的に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るボール搭載装置の構成要素の配置を示す平面配置図である。
【図2】図1に示すボール搭載装置に備えられる基板矯正装置の構成を概略的に示す概略構成図である。
【図3】吸着治具を斜め上方から見た斜視図である。
【図4】1つの吸引保持部を拡大して上方から見た平面図である。
【図5】基板搭載部に基板が搭載されたときの、吸着治具と基板の部分について、上下方向に沿う面における断面の構成を概略的に示す断面構成概略図である。
【図6】基板へのシール部の当接位置を示す図である。
【図7】フレキシブル基板の一方の面(下側)に複数の樹脂モールド部が設けられた基板の外観を示す図であり、(A)は、基板の底面図を示し、(B)は基板の正面図を示す。
【図8】基板搭載部に樹脂モールド部が設けられた基板が搭載されたときの、吸着治具と基板の部分について、上下方向に沿う面における断面の構成を概略的に示す断面構成概略図である。
【図9】樹脂モールド部が設けられた基板へのシール部の当接位置を示す図である。
【符号の説明】
【0077】
9 ・・・ 基板矯正装置
30 ・・・ 吸引保持部
P1、P2 ・・・ 基板
M ・・・ 樹脂モールド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボールが搭載される基板の反りを矯正する基板矯正装置において、
上記基板を支持部に対して当接するように吸引することで、上記基板に対して反りを矯正する矯正力を作用させる複数の吸引保持部を有し、
上記基板を上記複数の吸引保持部により複数の部分において矯正する、
ことを特徴とする基板矯正装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板矯正装置において、
前記複数の吸引保持部の矯正力の解除は、それぞれ個別に行われる、
ことを特徴とする基板矯正装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板矯正装置において、前記複数の各吸引保持部には、内周側と外周側に複数の吸引保持部を有する、
ことを特徴とする基板矯正装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の基板矯正装置において、
前記複数の吸引保持部は、基板面の8割以上の面積を吸引保持する、
ことを特徴とする基板矯正装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の基板矯正装置において、前記基板は、複数の樹脂モールド部を有し、前記複数の吸引保持部は、上記複数の樹脂モールド部をそれぞれ吸引保持する、
ことを特徴とする基板矯正装置。
【請求項6】
請求項5に記載の基板矯正装置において、前記吸引保持部は、樹脂モールド部面積の8割以上の面積を吸引保持する、
ことを特徴とする基板矯正装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−147411(P2010−147411A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325890(P2008−325890)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(592141488)アスリートFA株式会社 (96)
【Fターム(参考)】