説明

塗布方法

【課題】現像ローラ用の基体である円筒状又は円柱状基体の表面に粗さ粒子を含有する塗布液を相対的に塗布液の液面と円筒状又は円柱状基体とに速度差を付与する塗布方により均一に塗布する塗布方法の提供。
【解決手段】現像ローラ用の基体である円筒状又は円柱状基体の軸方向が垂直となるように保持しながら垂直方向に相対的に塗布液の液面と前記基体とに速度差を付与する塗布方式により、前記円筒状又は円柱状基体の表面に粗さ粒子を含有する塗布液を塗布する塗布方法において、前記円筒状又は円柱状基体を引き上げる速度(Vs)と、前記円筒状又は円柱状基体の近傍の塗布槽A部での前記塗布液の流速(Vi)との関係が0.015≦|(Vi/Vs)−1|<0.35とすることを特徴とする塗布方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像ローラ用の基体の円筒状又は円柱状基体の表面に粗さ粒子を含有する塗布液を塗布する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在広く用いられている電子写真画像形成方法は、電荷付与されたトナーを静電潜像担持体(通常電子写真感光体)の上に形成した静電潜像に接触、或いは狭い間隙を介して対向させ、静電潜像をトナーにより顕像化する現像過程を経て形成された静電潜像担持体の上のトナー画像を、普通紙等に転写した後、定着して最終画像を形成するものである。
【0003】
トナー画像を形成するための現像方法として、キャリアとトナーとから構成される二成分現像剤を用いてトナーを帯電させ現像する二成分現像方式や、現像ローラによりトナーのみからなる現像剤を搬送し、現像剤規制部材などとの摩擦で帯電させ現像する一成分現像方式がある。この一成分現像方式ではキャリアを使用しないため、現像装置が簡略化出来るため、近年ではかなり幅広く使用されている。特に、近年のカラー化の流れに伴い、磁性体を含有しないトナーを用いる非磁性一成分方式がカラー化も可能であるため、注目されている。
【0004】
この方式は、二成分現像方式とは異なり、キャリアを使用せず、トナーのみを帯電部材と摩擦させ、或いは、現像ローラの面等に押圧することにより帯電させるものであり、現像器の機構が複雑でなく、且つコンパクトに出来るという大きなメリットがある。その結果、通常、現像機構を4個以上必要とするカラー画像形成装置にも適用し易いと言う特徴も有する。
【0005】
この非磁性一成分現像方式における現像ローラとしては、従来、例えば、導電性の円筒状又は円柱状基体の外周に摩擦帯電性制御、搬送性制御の改善及び画像欠陥防止のために、表面に導電性微粒子が分散した樹脂層を形成していることが知られている。この導電性微粒子により被膜の抵抗値や表面粗さが調整されているため、現像ローラに担持された現像剤の帯電量及び搬送量が適切な値に制御され、現像ゴースト等の画像欠陥の発生が抑制される。
【0006】
これまでに導電性の円筒状又は円柱状基体の外周に塗布膜(樹脂層)を形成する方法が検討されて来た。例えば、特開平10−90995号公報にされている、円筒状基体を回転させながらその表面に塗布液を噴霧するエアスプレー塗布法、特開2001−183900号公報に記載されている、円筒状基体を塗布液の入った塗布槽中に浸漬した後に引き上げる、所謂、浸漬塗布法で塗布する方法、特開2005−246277号公報に記載されている、アプリケーションロールと、ピックアップロールとを有するロールコータ塗布装置で円筒状基体の表面に塗布液を塗布する方法、特開2005−295052号公報に記載されている、円筒状基体を回転させながロールコータを上下方向に移動することで円筒状基体の表面に塗布液を塗布する方法が知られている。
【0007】
これらエアスプレー法、浸漬塗布法、ロールコータ塗布法の中で浸漬塗布法が異物混入による塗布故障の影響が比較的少ない、装置構成が比較的簡単である、生産性が高い等の点で他の塗布方法より有利であることから広範にわたり使用されている。
【0008】
現像ローラの製造に用いられる塗布液は、樹脂層に導電性や適切な表面粗さを持たせるために、比較的多量のフィラーや、乾燥後の樹脂層(塗布膜)の厚さ(数μm〜数十μm)に対して同等かそれ以上の大きさを持つ粒子等を含むことが多い。このため、塗布ムラやスジが生じ易く、そのような現像ローラを用いた電子写真装置では、現像ローラ表面に担持される現像剤にムラが生じるため当然ながら画像欠陥が生じる。
【0009】
又、浸漬塗布を行う場合、被塗布物の引き上げ速度と濃度や粘度といった塗布液の液性は、得られる塗膜の厚みと密接な関係があり、所望の塗膜を得ようとする場合、条件によっては塗布ムラやスジが出易いという問題があった。
【0010】
浸漬塗布法により導電性の円筒状又は円柱状基体の外周に塗布膜(樹脂層)を形成する時の塗布ムラやスジに対してこれまでに対策が検討されてきた。例えば、被塗布物を、塗布槽中の塗布液に浸漬することにより該被塗布物の外周面に塗膜を形成する塗布方法において、被塗布物を塗布槽中から引き上げるに際して、塗布槽側壁と被塗布物との間に存在している塗布液の平均流速と、被塗布物の引き上げ線速度とを一定の範囲内となるように塗布液を塗布槽に送り込み、循環させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0011】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、塗布液がニュートン流体の場合は好ましい方法であるが、塗布液が非ニュートン流体の場合、或いは塗布液中に大きな粒子を含んでいる場合は塗布ムラやスジに対しては十分な対策となっていない。
【0012】
円柱状又は円筒状の基体を、その仮想軸線が液面に対して略垂直になるようにして浸漬した後に、塗布溶液の液面に対して相対的に上昇させて塗布を行う浸漬塗布方法において、基体の液面に対する上昇速度と、基体の外径、基体上昇中の塗布用溶液の供給速度とを一定の関係式の範囲内で行う方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0013】
しかしながら、特許文献2に記載の方法は、塗布液中に大きな粒子を含んでいる場合は、塗布槽内での粗さ粒子沈降が懸念され塗布ムラやスジに対しては十分な対策となっていない。
【0014】
この様な状況から、現像ローラ用の基体である円筒状又は円柱状基体の表面に粗さ粒子を含有する塗布液を相対的に塗布液の液面と円筒状又は円柱状基体とに速度差を付与する塗布方式により塗布する際、均一に塗布する塗布方法の開発が求められている。
【特許文献1】特開2005−177717号公報
【特許文献2】特開2005−224743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記状況に鑑み成されたものであり、その目的は、現像ローラ用の基体である円筒状又は円柱状基体の表面に粗さ粒子を含有する塗布液を相対的に塗布液の液面と円筒状又は円柱状基体とに速度差を付与する塗布方により均一に塗布する塗布方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
【0017】
1.現像ローラ用の基体である円筒状又は円柱状基体の軸方向が垂直となるように保持しながら垂直方向に相対的に塗布液の液面と前記基体とに速度差を付与する塗布方式により、前記円筒状又は円柱状基体の表面に粗さ粒子を含有する塗布液を塗布する塗布方法において、前記円筒状又は円柱状基体を引き上げる速度(Vs)と、前記円筒状又は円柱状基体の近傍の塗布槽A部での前記塗布液の流速(Vi)との関係が0.015≦|(Vi/Vs)−1|<0.35とすることを特徴とする塗布方法。
【0018】
2.前記流速(Vi)と、粗さ粒子の沈降速度(Vd)の関係が、10Vd<Vi<104Vdであることを特徴とする前記1に記載の塗布方法。
【0019】
3.前記粗さ粒子の濃度が、2.0質量%以上、5.0質量%以下であることを特徴とする前記1又は2に記載の塗布方法。
【0020】
4.前記塗布液の円筒状又は円柱状基体近傍の塗布槽A部での流速(Vi)が、30cm/min以上、45cm/min以下であることを特徴とする前記1〜3の何れか1項に記載の塗布方法。
【0021】
5.前記塗布液の粘度が10mPa・s以上、200mPa・s以下であることを特徴とする前記1〜4の何れか1項に記載の塗布方法。
【0022】
6.前記塗布方式が浸漬塗布方法であることを特徴とする前記1〜5の何れか1項に記載の塗布方法。
【0023】
7.前記塗布方式が環状塗布方法であることを特徴とする前記1〜6の何れか1項に記載の塗布方法。
【発明の効果】
【0024】
現像ローラ用の基体である円筒状又は円柱状基体の表面に粗さ粒子を含有する塗布液を相対的に塗布液の液面と円筒状又は円柱状基体とに速度差を付与する塗布方により均一に塗布する塗布方法を提供することが出来、安定した表面形状を有する現像ローラの生産が可能となり、生産効率の向上が可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の実施の形態を図1〜図8を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0026】
図1は現像機の模式図である。
【0027】
図中、1は現像機を示す。現像機1は、トナータンク101と、現像ローラ102と、トナー補給補助部材としての撹拌羽根103と、トナー補給補助部材としてのスポンジローラ104と、現像ローラ102上のトナーの厚さを規制する弾性ブレード105とを有している。次に現像機1による静電潜像担持体としての電子写真感光体ドラム(以下、感光体とも言う)3の表面に潜像が現像されるまでの概略を以下に説明する。
【0028】
トナータンク101に内蔵された非磁性一成分トナー2は、トナー補給補助部材としての撹拌羽根103により、同じくトナー補給補助部材としてのスポンジローラ104の上に強制的に搬送供給される。こうしてスポンジローラ104の上に送り込まれたトナーはこのスポンジローラ104の矢印方向の回転によりトナー搬送部材としての現像ローラ102の上に搬送され、この現像ローラ102との摩擦によりその表面に静電的、且つ物理的に吸着される。一方、こうして現像ローラ102の上に付着したトナーはこの現像ローラ102の矢印方向の回転及びトナー層厚規制部材としてのスチール製の弾性ブレード105により均一に薄層化されると共に摩擦帯電する。次に現像ローラ102の上のトナー薄層は静電潜像担持体としての感光体3の表面と接触、又は近接により感光体3の表面に形成されている静電潜像に応じてトナーが飛翔し、現像が行われて顕像化され、感光体3の表面にトナー像が形成される。
【0029】
図2は図1に示される現像ローラの概略図である。図2(a)は図1に示される現像ローラの概略斜視図である。図2(b)は図2(a)のA−A′に沿った概略断面図である。現像ローラ102は、本体102aと、本体102aの両側に取り付けられた取り付け軸102bとを有している。本体102aは現像ローラ用基体である円筒状基体(円柱状基体)102a1と、円筒状基体(円柱状基体)102a1の周面に形成された樹脂層(乾燥塗膜)102a2と、樹脂層(乾燥塗膜)102a2の周面に形成された表面層102a3とを有している。尚、樹脂層(乾燥塗膜)102a2は1層以上であればよく、表面層102a3は必要に応じて設けることが可能となっている。
【0030】
円筒状基体(円柱状基体)は直径が10mm〜30mmが好ましく、円筒状の場合は肉厚が0.5mm〜3.0mmが好ましい。中でも1.0mm〜2.0mmが好ましい。
【0031】
樹脂層(乾燥塗膜)の厚さは、算術平均粗さRa、抵抗等を考慮し、6.0μm〜11.0μmが好ましい。中でも7.0μm〜9.0μmが好ましい。樹脂層(乾燥塗膜)は単一層であっても複数層からなる多層構成であってもよく、必要に応じて適宜選択することが可能である。樹脂層(乾燥塗膜)の厚さは、塗膜の一部を剥離し、段差を東京精密(株)製表面粗さ測定器 SURFCOM 1400Dにより測定した値を示す。
【0032】
又、表面の算術平均粗さRaは、トナーの搬送量、感光体の現像性、トナーの消費量等を考慮し、表面層を形成した後、1.5μm〜3.0μmが好ましい。中でも、1.8μm〜2.5μmが好ましい。尚、算術平均粗さRaは、東京精密(株)製表面粗さ測定器 SURFCOM 1400Dにより測定した値である。
【0033】
表面層の厚さは、樹脂層に含まれる粗さ粒子の保護、表面の算術粗さ等を考慮し、4μm〜6μmが好ましい。表面層の厚さは、塗膜の一部を剥離し、段差を東京精密(株)製表面粗さ測定器 SURFCOM 1400Dにより測定した値を示す。
【0034】
図3は図2(a)に示される他の構成の現像ローラの概略断面図である。
【0035】
図中、102a′は図2(a)に示される現像ローラの本体を示す。本体102a′は円筒状基体(円柱状基体)102a′1と、円筒状基体(円柱状基体)102a′1の周面に形成された弾性層102a′4と、弾性層102a′4の周面に形成された樹脂層(乾燥塗膜)102a′2と、樹脂層(乾燥塗膜)102a′2の周面に形成された表面層102a′3とを有している。尚、表面層102a′3は必要に応じて設けることが可能 図4は図2に示される現像ロールの軸方向概略拡大断面図である。
【0036】
図中、102a4は樹脂層102a2に含まれている粗さ粒子を示す。102a3は表面層を示す。Eは樹脂層102a2の厚さを示し、Fは粗さ粒子の最大の径を示す。本図に示す如く、粗さ粒子102a4の径Fは、樹脂層102a2の厚さEより大きくなっている。本発明で言う樹脂層(乾燥塗膜)の厚さより大きい粗さ粒子とは、本図に示される状態の粗さ粒子を言う。
【0037】
図4は図2に示される現像ロールの軸方向の概略拡大断面図である。
【0038】
図中、102a4は樹脂層102a2に含まれている粗さ粒子を示す。102a3は表面層を示す。Eは樹脂層102a2の厚さを示し、Fは粗さ粒子の最大の径を示す。本図に示す如く、粗さ粒子102a4の径Fは、樹脂層102a2の厚さEより大きくなっている。本図に示す粗さ粒子102a4は円球形状の粒子を示し、径Fは粒子の最大の直径を示している。本発明で言う樹脂層(乾燥塗膜)の厚さより大きい粗さ粒子とは、本図に示される状態の粗さ粒子を言う。本発明に係わる粗さ粒子とは特に形状に限定はなく、例えば、本図に示す円球形状の他にも楕円球形状、立方体形状、断面形状が異径である粒子等を含む。又、本発明で言う樹脂層(乾燥塗膜)の厚さより大きい粗さ粒子とは、楕円球形状の粒子の場合は最大長径、立方体形状の粒子の場合は対角線の最大長さ、断面形状が異径である粒子の場合は最大径が樹脂層(乾燥塗膜)の厚さより大きいことを言う。
【0039】
図5は樹脂層の厚さを測定の方法を段階的に示す概略図である。
【0040】
図5(a)に付き説明する。本図は図2に示される現像ロールの粗さ粒子を含んだ樹脂層102a2が形成された段階の軸方向概略拡大断面図である。
【0041】
図5(b)に付き説明する。本図は図5(a)に示される現像ロールの粗さ粒子を含んだ樹脂層102a2の一部を円筒状基体(円柱状基体)102a1まで剥離した状態を示す。
【0042】
図5(c)に付き説明する。本図は図5(b)に示される状態の樹脂層102a2が形成された段階の現像ロールを軸方向(図5(b)に示す矢印方向)に東京精密(株)製表面粗さ測定器 SURFCOM 1400Dにより測定した結果を示す模式図である。図中、Eは粗さ粒子を含んでいない箇所(粗さ粒子と粗さ粒子との間)の円筒状基体(円柱状基体)の表面からの厚さを示す。即ち、図4に示す樹脂層102a2の厚さEはこの様にして測定して求めることが可能である。
【0043】
本発明は、図1〜図5に示される現像ローラの樹脂層を相対的に塗布液の液面と前記基体とに速度差を付与する塗布方式により形成する塗布方法に関するものである。
【0044】
図6は断面形状が逆円錐台形状の塗布槽を使用した浸漬塗布装置の模式図である。
【0045】
図中、4aは浸漬塗布装置を示す。浸漬塗布装置4aは、塗布部401と、現像ローラ用の基体の供給部402とを有している。塗布部401は塗布槽401aと、塗布槽401aの開口部401a3から溢れる塗布液を受けるため塗布槽401aの上部に配設されたオーバーフロー受け槽401bと、塗布液供給タンク401cと、送液ポンプ401dとを有している。
【0046】
塗布槽401aは底部401a1と、底部の周面から立ち上げられ側壁401a2を有し、上部が開口部401a3なった構造となっている。401a4は塗布槽401aの底部401a1に設けられた送液ポンプ401dから送られてくる塗布液の塗布液供給口を示す。塗布槽401aは開口部401a3の径が底部401a1の径よりも広い逆円錐台の形状をしている。
【0047】
401b1はオーバーフロー受け槽401bの蓋を示し、中央に孔401b2を有している。401b3はオーバーフロー受け槽401bの塗布液を塗布液供給タンク401cに戻す塗布液戻し口を示す。6は塗布液を示す。401c1は攪拌用の羽根を示す。
【0048】
供給部402は、ボールネジ402aと、ボールネジ402aを回転させる駆動部402bと、ボールネジの回転速度を制御する制御部402cと、ボールネジ402aに螺合されている昇降部材402dと、ボールネジ402aの回転に伴い昇降部材402dを上下方向(図中の矢印方向)に移動させるガイド部材402eとを有している。402fは昇降部材402dに取り付けられた現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5の保持部材を示す。保持部材402fは、保持された現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5が塗布槽401aのほぼ中央に位置する様に昇降部材402dに取り付けられている。
【0049】
ボールネジ402aの回転に伴い、昇降部材402dが上下方向に移動することで、昇降部材402dに取り付けられた保持部材402fに保持された現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5は、塗布槽401aの中の塗布液に浸漬され、その後引き上げられることで現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5の表面に塗布液が塗布される。
【0050】
現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5の引き上げる速度は、使用する塗布液の粘度により適宜変更する必要があり、例えば塗布液の粘度が10mPa・s〜200mPa・sの場合は、塗布均一性、塗布膜厚、乾燥等を考慮し、0.5mm/sec〜15mm/secが好ましい。図6に示す浸漬塗布装置を使用し、現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)の表面に塗膜形成用塗布液を塗布した後は、乾燥工程(不図示)及び加熱処理工程(不図示)で、塗膜形成用塗布塗膜の中の溶剤を除去することで塗膜が形成される。
【0051】
図7は円筒状の塗布槽を使用した浸漬塗布装置の模式図である。
【0052】
図中、4bは浸漬塗布装置を示す。浸漬塗布装置4bの構成は塗布槽の形状が図4に示される塗布槽401aと異なる他は全て図4に示される浸漬塗布装置4aと同じである。401eは塗布槽を示す。塗布槽401eは底部401e1と、底部の周面から立ち上げられ側壁401e2を有し、上部が開口部401e3なった構造となっている。開口部401e3より溢れる塗布液は塗布槽401eの上部に配設されたオーバーフロー受け槽401bで受け塗布液供給タンク401cに戻される様になっている。401e4は塗布槽401eの底部401e1に設けられた送液ポンプ401dから送られてくる塗布液の塗布液供給口を示す。塗布槽401eは開口部401e3の径と、底部401e1の径とが同じの円筒の形状をしている。開口部401e3の直径Mは、現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5の直径に対して、流速分布、置換時間、被塗布物の自由度、装置の大きさ等を考慮し、1.5倍〜5.0倍が好ましい。又、側壁401e2の上端から底部401e1までの高さは、現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)の長さに対して、塗布液の流れの乱れ、圧力分布、被塗布物の自由度等を考慮し、1.5倍〜2.5倍が好ましい。他の符号は図6と同義である。
【0053】
図8は環状塗布槽を使用した環状塗布装置の模式図である。
【0054】
図中、4cは環状塗布装置を示す。環状塗布装置4cは、塗布部401と、現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5の供給部402とを有している。塗布部401は塗布槽401fと、塗布液供給タンク401cと、送液ポンプ401dとを有している。
【0055】
環状塗布槽401fは、現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5を通す孔401f2を有する底部401f1と、底部401f1の周面から立ち上げられた側壁401f3と、上部が開口部401f4とを有する構造となっている。
【0056】
底部401f1に設けられた孔401f2の周辺には現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5の表面に当接する様に設けられた環状のシール材401f5が付けられており、塗布液の漏れを防止している。
【0057】
401f6は送液ポンプ401dから送られてくる底部401f1に設けられた塗布液の塗布液供給口を示す。塗布液の供給を均一にするための手段(例えば整流板、多供給口化)を設けるのが好ましい。
【0058】
401gは開口部401f4より溢れる塗布液を受ける環状塗布槽401fの周囲に設けられたオーバーフロー受け槽を示す。
【0059】
401g1は中央に現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5を通す開口部を有するオーバーフロー受け槽401gの蓋を示す。401g2はオーバーフロー受け槽401gの塗布液を塗布液供給タンク401cに戻す塗布液戻し口を示す。
【0060】
環状塗布槽401fは開口部401f4の径と、底部401f1の径とが同じの円筒の形状をしている。開口部401f4の直径は、現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5の直径に対して、流速分布、置換時間、被塗布物の自由度、装置の大きさ等を考慮し、1.5倍〜5.0倍が好ましい。又、側壁401f3の上端から底部401f1までの高さは、現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5の長さに対して、塗布液の流れの乱れ、圧力分布、被塗布物の自由度等を考慮し、0.1〜3.0倍が好ましく、中でも0.2倍〜0.9倍が好ましい。
【0061】
501は現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5の上端部に着脱可能に取り付けられた第1塗布補助部材を示し、502は現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5の下端部に着脱可能に取り付けられた第2塗布補助部材を示す。5′は塗布が終了した現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)を示す。5″は未塗布の現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)を示す。現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5′〜現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5″は第1塗布補助部材501及び第2塗布補助部材502により連続的に繋がっており、順次、押し上げ部402eのボールネジ402e1の回転により押し上げられることで塗布が行われる。塗布が終了した現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5′は第1塗布補助部材501を把持手段(不図示)で把持し取り外し、乾燥工程に搬送することが可能となっている。現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5′が外されると現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5″の下端に補助部材を介して新たな現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)か取り付けられることで連続的に塗布が行うことが可能となっている。
【0062】
供給部402は現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)の押し上げ部402eと、現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5の保持部402fと、制御部402gとを有している。押し上げ部402eはボールネジ402e1とボールネジ402e1を回転させる駆動部402e2とを有しており、ボールネジ402e1の回転により現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)を押し上げる様になっている。押し上げる速度(ボールネジ402d1の回転速度)は制御部402gにより制御可能となっている。保持部402fはボールネジ402f1と、ボールネジ402f1を回転させる駆動部402f2とを有している。ボールネジ402f1に螺合されている昇降部材402f3と、ボールネジ402f1の回転に伴い昇降部材402f3を上下方向(図中の矢印方向)に移動させるガイド部材402f4とを有している。402f5は昇降部材402f3に取り付けられた現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5の保持部材を示す。保持部材402f5により環状塗布槽401fから押し上げられてくる現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5の揺れ、倒れ等を防止している。ボールネジ402f1の回転速度は押し上げ部402eのボールネジ402e1の回転速度と同じになるように制御部402gにより制御されている。ボールネジ402f1の回転に伴い、昇降部材402f3が上下方向に移動し、昇降部材402f3に取り付けられた保持部材402f5に保持された現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5は、環状塗布槽401fから倒れることなく押し上げられることで現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5の表面に塗布液が塗布される。他の符号は図4と同義である。
【0063】
図6〜図8に示す塗布装置を使用し、現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5の表面に塗膜形成用塗布液を塗布した後は、乾燥工程(不図示)及び加熱処理工程(不図示)で、塗膜形成用塗布液中の溶剤を除去することで塗膜を形成する。
【0064】
図6、図7に示す浸漬塗布装置、図8に示す環状塗布装置では何れも現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5が移動する場合を示しているが、現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)が固定し、塗布槽を移動させる方式(不図示)及び現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)を固定し、塗布槽の液を抜く方式であっても構わない。
【0065】
本発明で相対的に塗布液の液面と前記基体とに速度差を付与する塗布方式とは、図6〜図8に示す塗布方式、現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)を固定し、塗布槽を移動させる方式及び現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)を固定し、塗布槽の液を抜く方式を含めて言う。
【0066】
図6〜図8に示す塗布装置を使用し、粗さ粒子を有する塗膜形成用の塗布液を使用し、現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5の表面に塗布する時、現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5を引き上げる速度(Vs)と、基体近傍の塗布槽A部での塗布液の流速(Vi)との比率Vi/Vsが0.1以上、0.5以下とすることで塗布ムラやスジ等の故障がない安定な塗布が行うことが可能となる。比率が0.1未満、若しくは0.5を超える場合は、塗布液の流速と現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)の引き上げ速度差(図8に示す環状塗布装置の場合は押し上げ速度)により安定した塗膜が形成され難くなり塗布ムラを発生させる懸念があるため好ましくない。
【0067】
基体近傍の塗布槽A部とは、現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)5の表面から0.1mm、且つ塗布槽中の塗布液の気液界面から10.0mmの領域を言う。
【0068】
塗布槽A部とは、図6に示される塗布槽、図7に示される塗布槽、図8に示される塗布槽の場合も全て同じである。
【0069】
塗布槽A部での塗布液の流速(Vi)は、下記に定義される式1)〜3)より計算で求めることが可能である。
【0070】
式1) Vz=1/4μ×((P0−PL)/L)r2+C1Lnr+C2
式1)に下記に示す前提条件Aを代入することで式2)が得られる。
【0071】
前提条件A:r=KR KR:内筒半径 Vz=LS
式2) LS=1/4μ×((P0−PL)/L)K22+C1LnKR+C2
式1)に下記に示す前提条件Bを代入することで式3)が得られる。
【0072】
前提条件B:r=R R:外筒半径 Vz=0
式3)O=1/4μ×((P0−PL)/L)R2+C1LnR+C2
式2)、式3)よりC1及びC2を求め式1)にC1及びC2を代入し、塗布槽A部での塗布液の流速(Vi)は各塗布条件の塗布槽A部に当たるLとrとを代入することで求めることが出来る。
式中
μ:粘度
Vz:塗布槽内のある位置での流速
P0:塗布槽上端部の圧力
PL:塗布槽下端部の圧力
L:塗布槽の長さ
C1:定数
C2:定数
LS:引き上げ速度(押し上げ速度)
塗布槽A部での塗布液の流速(Vi)は、30cm/min以上、45cm/min以下であることが好ましい。30cm/min未満の場合は、粗さ粒子が沈降し易くなり、均一な塗膜が得られなくなる場合がある。45cm/minを超える場合は塗布槽の径にも夜が槽内で液の流れが乱れるため、均一な塗膜が得られなくなる場合がある。
【0073】
現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)の引き上げる速度(押し上げ速度)(Vs)は、変位センサー、光電センサーも用いて測定することが可能である。
【0074】
塗布槽A部での塗布液の流速(Vi)と、塗布液中に含まれる粗さ粒子の沈降速度(Vd)との関係は、10Vd<Vi<104Vdであることが好ましい。
【0075】
10Vd≧Viの場合、粗さ粒子の分布が塗布槽の中で発生し粗さが不均一になる場合がある。Vi≧104Vdの場合、引き上げる速度(押し上げ速度)を速くすることが必要となり、所望の膜厚が作製出来ない可能性がある。
【0076】
沈降速度(Vd)は以下の式より計算で求めることが可能である。
【0077】
沈降速度(Vd)=gDp2(ρd−ρl)/18μ
式中、gは重力、Dpは粗さ粒子の平均粒子径、ρdは粗さ粒子の密度、ρlは塗布液の密度、μは塗布液の粘度を示す。
【0078】
粗さ粒子の平均粒子径(直径)は、5μm以上、50μm以下であることが好ましい。5μm未満の場合は、所望の粗さを出すためには樹脂膜厚を薄くすることが必要になり所望の性能が得られなくなる場合がある。50μmを超える場合は、所望の粗さを出すためには樹脂膜厚を厚くすることが必要になり所望の性能が得られなくなる場合がある。尚、平均粒子径とは、コールターマルチサイザー3(ベックマン・コールター製)を使用し求めた体積メディアン径とする。
【0079】
塗布液の粘度μは、液の経時安定性、乾燥過程で発生するムラ等を考慮し、10mPa・s以上、200mPa・s以下であることが好ましい。粘度は、東京計器(株)製B型粘度計で20℃で測定した値を示す。
【0080】
塗布液中の粗さ粒子の濃度は、2.0質量%以上、5.0質量%以下であることが好ましい。2.0質量%未満の場合は、粒子量が不足することにより、RSm(粗さ曲線要素の平均長さ)が大きくなりトナー搬送量不足となる場合がある。5.0質量%を超える場合は、粒子量が過多になり塗布液中で凝集等が発生し易くなり、塗膜に粗さのムラが発生し、トナー搬送量にムラが生じ画像としてムラが発生する場合がある。
【0081】
塗布液中の粗さ粒子の密度(ρd)は、1.0g/cm3以上、2.5g/cm3以下であることが好ましい。1.0g/cm3未満の場合は、塗布液との粘度差が少ないため液に含有する粒子の均一化が困難になり粗さムラが生じる場合がある。2.5g/cm3を超える場合は、粗さ粒子の沈降をコントロールすることが難しくなり、塗布液中の粗さ粒子を均一にすることが困難となる。この結果、塗膜の粗さを均一化することが困難となる場合がある。粗さ粒子の密度(ρd)は、JISK5101に準拠して測定した値を示す。
【0082】
塗布液の密度(ρl)は、0.5g/cm3以上、1.5g/cm3以下であることが好ましい。0.5g/cm3未満の場合は、溶剤、溶解可能な固形分濃度が限定されることにより、液の自由度がなくなる場合がある。1.5g/cm3を超える場合は、溶解している物質の固形分濃度が高くする必要性が発生し、液の安定性が劣化する場合がある。塗布液の密度(ρl)は、標準比重計により測定した値を示す。
【0083】
図6〜図8に示される塗布装置を使用し、現像ローラ用の基体の円筒状又は円柱状基体を引き上げる速度(Vs)と、基体近傍の塗布槽A部での前記塗布液の流速(Vi)との比率Vi/Vsが0.1以上、0.5以下として塗布することで次の効果が得られた。
1)現像ローラ用の基体の円筒状又は円柱状基体の上に、表面の算術平均粗さRaが均一な樹脂層を形成することが可能となり、現像ローラ表面に担持されるトナーにムラがなくなり、これらの現像ローラを使用した電子写真装置での画像品質が向上した。
2)塗布液に使用される粗さ粒子の平均粒径、密度の幅が広がり、現像ローラ表面の算術平均粗さRaの設定範囲が広げることが可能となり、使用するトナーに合わせた現像ローラの設計が容易になり、電子写真装置での画像品質が向上した。
3)塗布液に使用される粗さ粒子の添加量の範囲が広がり、像ローラ表面の算術平均粗さRaの設定範囲が広げることが可能となり、使用するトナーに合わせた現像ローラの設計が容易になり、電子写真装置での画像品質が向上した。
4)現像ローラの良品率が向上し、生産効率の向上が可能となった。
【0084】
次に、本発明に係わる現像ローラを構成している材料に付き説明する。
【0085】
(現像ローラ用の基体の円筒状又は円柱状基体)
現像ローラ用の基体である円筒状又は円柱状基体は、現像ローラの表面に蓄積される電荷をリークさせる部材も兼ねるため、導電性の金属で構成されることが好ましい。代表的なものとして、直径1.0〜30mmのステンレス鋼(例えばSUS304)、鉄、アルミニウム、ニッケル、アルミニウム合金、ニッケル合金等の導電性金属があり、又金属の粉体物やカーボンブラック等の導電性材料をゴム中に充填させた導電性ゴムで金属基体を被覆し構成されるものでもよい。又、鉄部材等にメッキ処理を施しても構わない。
【0086】
(樹脂層)
樹脂層を構成する樹脂としては架橋性の樹脂が好ましい。架橋性の樹脂とは、熱や触媒、空気、湿気、電子線等により自己架橋する樹脂、或いは架橋剤や他の架橋性の樹脂との反応により架橋する樹脂を言う。例えば、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂、アミノ樹脂、尿素樹脂、及びこれらの樹脂の混合物等が挙げられる。又、樹脂−シリカハイブリッド体等が挙げられる。樹脂層中には、必要に応じて、導電剤、非導電性フィラー、粗さ粒子(無機粒子、有機粒子)、架橋剤、触媒、分散促進剤など、各種の添加剤を主成分の樹脂材料に適宜配合することが出来る。
【0087】
導電剤としては、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、銅、錫、ステンレス鋼などの各種導電性金属又は合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化チタン、酸化錫−酸化アンチモン固溶体、酸化錫−酸化インジウム固溶体などの各種導電性金属酸化物、これらの導電性材料で被覆された絶縁性物質などの微粉末を用いることが出来る。これらの内、カーボンブラックは、比較的容易に入手出来、又、主成分の樹脂材料の種類によらず、良好な帯電性が得られるため、好適に利用出来る。又導電性を付与する手段として、導電剤に代えて、或いは、導電剤とともに、導電性高分子化合物を添加する手法も利用出来る。例えば、導電性高分子化合物としては、ホストポリマーとして、ポリアセチレン、ポリ(p−フェニレン)、ポリピロール、ポリチオフェニン、ポリ(p−フェニレンオキシド)、ポリ(p−フェニレンスルフィド)、ポリ(p−フェレンビニレン)、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキサイド)、ポリ(ビスフェノールAカーボネート)、ポリビニルカルバゾール、ポリジアセチレン、ポリ(n−メチル−4−ビニルピリジン)、ポリアニリン、ポリキノリン、ポリ(フェニレンエーテルスルフォン)などを使用し、これらにドーパントして、AsF5、I2、Br2、SO3、Na、K、ClO4、FeCl3、F、Cl、Br、I、Kr等の各イオン、Li、TCNQ(7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン)等をドープしたものが、従来から用いられている。
【0088】
非導電性フィラーとしては、珪藻土、石英粉末、乾式シリカ、湿式シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミノケイ酸、炭酸カルシウム等を挙げることが出来る。
【0089】
粗さ粒子としての無機粒子としては、上記導電剤、非導電性フィラーに使用した各種無機粒子の使用が可能である。粗さ粒子としての樹脂粒子としては、SBR、BR、NBR、CR、EVA、EP、ACR、EPDM、シリコーンゴム等からなるゴム粒子、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド系等の熱可塑性エラストマー粒子、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリル樹脂等からなる樹脂粒子等を挙げることが出来る。
【0090】
架橋材としては、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリアルデヒド化合物、ポリアミン化合物、ポリエポキシ化合物などが挙げられる。又、触媒としては、過酸化物などのラジカル触媒、塩基触媒、酸触媒などが挙げられる。
【0091】
(表面層等)
表面側に用いられる樹脂としては、樹脂層に使用した樹脂を使用することが可能であり、これらの中でJIS A 硬度が60〜90°、100%モジュラスが5×106〜30×106Paのものが好ましい。
【0092】
(塗布液調製用の溶媒)
塗布液の調製に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ブタノンなどのケトン系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、水及びこれらの混合物などが挙げられる。必要に応じ、レベリング剤として高沸点溶媒やシリコーン化合物などを混合してもよい。
【0093】
尚、樹脂層と現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)との間に必要に応じて弾性層を配設しても構わない。弾性層としては一般的にシリコーンゴムが使用されており、例えば、オルガノポリシロキサンに無機充填剤や、過酸化ベンゾイルなどの硬化剤を添加してよく混練、成形後加熱して加硫し硬化させたものが挙げられる。例えば、ジメチルポリシロキサンとメチルビニルシロキサンからなるメチルビニルポリシロキサンを有機過酸化物により架橋させて得ることが出来る。架橋の度合いによりその弾性率は異なるが、JIS A硬度が10〜60°程度の弾性体であることが好ましい。
【0094】
又、この弾性層は抵抗を調整し、低抵抗化したものが使用される。低抵抗化するためには、カーボンブラック、グラファイト、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタンなどの低抵抗成分を含有させることが好ましい。この場合、これらの材料の抵抗としては1×10-4〜1×104Ω・cmの体積固有抵抗を有する材料を使用することが好ましい。特に好ましいものとして、グラファイト、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどを挙げることが出来る。又、添加量は特に限定されるものではないが、弾性層を構成するシリコーンゴム100質量部に対して10〜100質量部が好ましい。
【実施例】
【0095】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0096】
実施例1
(現像ローラ用の基体の円筒状基体の準備)
直径10mm、肉厚1mm、長さ300mmのステンレス鋼(SUS304)製の現像ローラ用の基体の円筒状基体を準備した。
【0097】
(樹脂層形成用の塗布液の調製)
以下に示す組成の樹脂層形成用の塗布液を調製した。
【0098】
樹脂層形成用の塗布液の組成
2−ブタノン 76.0質量部
シクロヘキサノン 4.0質量部
樹脂(シリカハイブリット体) 12.5質量部
カーボンブラック 5.0質量部
粗さ粒子(アクリル樹脂) 2.5質量部
分散剤 微量
粗さ粒子の平均粒子径(直径)(Dp)は、20μmであった。平均粒子径(直径)(Dp)は以下の測定方法により測定した値を示す。
【0099】
(平均粒子径の測定方法)
コールターマルチサイザー3(ベックマン・コールター製)に、データ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター製)を接続した装置を用いて測定、算出する。測定手順としては、粗さ粒子0.02gを、界面活性剤溶液20ml(粗さ粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、粗さ粒子分散液を作製する。この粗さ粒子分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター製)の入ったビーカーに、測定器表示濃度が5%〜10%になるまでピペットにて注入する。この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値が得られる。測定機において、測定粒子カウント数を25000個、アパチャー径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出する。体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積基準メディアン径とする。
【0100】
粗さ粒子の密度(ρd)は、1.2g/cm3であった。密度(ρd)は、JISK5101に準拠して測定した値を示す。
【0101】
塗布液の密度ρlは、0.8g/cm3であった。密度ρlは、標準比重計で測定した値を示す。
【0102】
塗布液の粘度(μ)は、50mPa・sであった。粘度(μ)は、東京計器(株)製、B型粘度計を使用し、20℃で測定した値を示す。
【0103】
粗さ粒子の沈降速度(Vd)は、1.74μm/secであった。沈降速度(Vd)は、以下の式より計算で求めた。
【0104】
沈降速度(Vd)=gDp2(ρd−ρl)/18μ
式中、gは重力、Dpは粒子径(直径)(μm)、ρdは粒子の密度(g/cm3)、ρlは塗布液の密度(g/cm3)、μは塗布液の粘度(mPa・s)を示す。
【0105】
(現像ローラの作製)
(樹脂層形成用塗布液の塗布)
図7に示す塗布装置で、準備した塗布液を使用し、塗布槽A部の流速(Vi)と、円筒状基体を引き上げる速度(Vs)との比を表1に示す様に変化させ、準備した円筒状基体に、調製した樹脂層形成用塗布液を浸漬塗布方法で塗布した後、150℃で、30分間乾燥し現像ローラを作製し、試料No.101〜106とした。
【0106】
尚、塗布槽A部での塗布液の流速(Vi)は、下記に定義される式1)〜3)より計算で求めた値を示す。
【0107】
式1) Vz=1/4μ×((P0−PL)/L)r2+C1Lnr+C2
式1)に下記に示す前提条件Aを代入することで式2)が得られる。
【0108】
前提条件A:r=KR KR:内筒半径 Vz=LS
式2) LS=1/4μ×((P0−PL)/L)K22+C1LnKR+C2
式1)に下記に示す前提条件Bを代入することで式3)が得られる。
【0109】
前提条件B:r=R R:外筒半径 Vz=0
式3)O=1/4μ×((P0−PL)/L)R2+C1LnR+C2
式2)、式3)よりC1及びC2を求め式1)にC1及びC2を代入し、塗布槽A部での塗布液の流速(Vi)は、各塗布条件の塗布槽A部に当たるLとrとを代入することで求めた。
【0110】
式中
μ:粘度
Vz:塗布槽内のある位置での流速
P0:塗布槽上端部の圧力
PL:塗布槽下端部の圧力
L:塗布槽の長さ
C1:定数
C2:定数
LS:引き上げ速度(押し上げ速度)
現像ローラ用の基体の円筒状基体を引き上げる速度(Vs)は、光電センサーで測定した値を示す。塗布槽A部とは、現像ローラ用の基体の表面から0.1mm、且つ塗布槽中の塗布液の界面から10.0mmの領域とした。流速の変化は送液ポンプの送液量を変化することで調整した。円筒状基体を引き上げる速度の変化は、ボールネジの回転速度を制御することで行った。
【0111】
【表1】

【0112】
評価
作製した各試料No.101〜106に付き、樹脂層の膜厚の差、樹脂層の表面の算術平均粗さ(Ra)を測定、実技評価を、以下に示す方法で行い、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。
【0113】
樹脂層の膜厚の差の測定方法
東京精密(株)SURFCOM 1400Dで、軸方向を3点、周方向を4点を測定し、最大膜厚と最小膜厚の差を求め膜厚差とした。
【0114】
樹脂層の膜厚の評価ランク
◎:膜厚の差が0.2μm未満
○:膜厚の差が0.2μm以上〜0.5μm未満
△:膜厚の差が0.5μm以上〜1.0μm未満
×:膜厚の差が1.0μm以上
樹脂層の表面の算術平均粗さ(Ra)の測定方法
現像ローラの軸方向に測定幅8.0mmで上端より4cm部分、中央部分、下端より4cm部分の3箇所を東京精密(株)製 表面粗さ測定器 SURFCOM 1400Dにて測定し、最大粗さと最小粗さとの差を求めた。
【0115】
樹脂層の表面の算術平均粗さRaの差の評価ランク
◎:算術平均粗さ(Ra)の差が0.2μm未満
○:算術平均粗さ(Ra)の差が0.2μm以上〜0.4μm未満
△:算術平均粗さ(Ra)の差が0.4μm以上〜0.6μm未満
×:算術平均粗さ(Ra)の差が0.6μm以上
実技評価方法
樹脂層の上に表面層を塗布し、150℃60min乾燥して得られたロールを用いて実技評価(白抜け、ハーフトーンの画像ムラ、白ベタ画像の点状故障の有無)を実施した。評価装置として、市販のカラーレーザプリンタ「Magicolor 2300DL(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)」を用い、作製した現像ローラNo.101〜105を現像装置に装填して、常温低湿環境(20℃、10%RH)にて画素率20%(シアンのみを使用し他はダミーとして使用)でA4サイズにて3000枚の連続プリントを行い、初期と3000枚プリント後に画素率が10%のオリジナル画像(ベタ画像(シアン)、ハーフトーン画像、ベタ白画像、細線画像)が、それぞれ1/4等分にあるA4サイズのオリジナル画像をプリントして10倍のルーペを用いて拡大し、ベタ画像での白抜け、ハーフトーンの画像ムラ、白ベタ画像の点状故障の有無を目視で評価することを実技評価として行った。
【0116】
白抜けの評価ランク
○:無し
△:わずかに見える
×:見える
画像ムラの評価ランク
○:無し
△:わずかに見える
×:見える
点状故障の評価ランク
○:無し
△:わずかに見える
×:見える
【0117】
【表2】

【0118】
本発明の有効性が確認された。
【0119】
実施例2
(円筒状の現像ローラ用の基体の準備)
実施例1と同じ現像ローラ用の基体を準備した。
【0120】
(樹脂層形成用の塗布液の調製)
実施例1と同じ組成で表3に示す様に粗さ粒子の沈降速度(Vd)を変えた塗布液を調整し、No.2−1〜2−5とした。尚、沈降速度(Vd)の変化は塗布液の粘度を調整(固形分を調整)することで行った。
【0121】
【表3】

【0122】
沈降速度(Vd)、塗布液の粘度(μ)は実施例1塗同じ方法で測定した値を示す。
【0123】
(現像ローラの作製)
(樹脂層形成用塗布液の塗布)
図7に示す塗布装置で、準備した塗布液を使用し、塗布槽A部の流速(Vi)と、円準備した沈降速度(Vd)との関係を表4に示す様に変化させ、準備した円筒状の現像ローラ用の基体に、調製した樹脂層形成用塗布液を浸漬塗布方法で塗布した後、150℃で、30分間乾燥し、現像ローラを作製し、試料No.201〜210した。尚、円筒状基体を引き上げる速度(Vs)と、基体近傍の塗布槽A部での前記塗布液の流速(Vi)との比率|(Vi/Vs)−1|が0となるように引き上げる速度(Vs)を調整した。
【0124】
【表4】

【0125】
評価
作製した各試料No.201〜212に付き、樹脂層の膜厚の差、樹脂層の表面の算術平均粗さ(Ra)の差、実技評価を実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表5に示す。
【0126】
【表5】

【0127】
本発明の有効性が確認された。
【0128】
実施例3
(現像ローラ用の基体である円筒状基体の準備)
実施例1と同じ円筒状基体を準備した。
【0129】
(樹脂層形成用の塗布液の調製)
実施例1と同じ組成の塗布液を調製する際、粗さ粒子の濃度を表6に示す様に変化して調製し、樹脂層形成用の塗布液No.3−1〜3−7とした。粗さ粒子は平均粒子径が20μm、密度が1.2g/cm3のアクリル粒子を使用した。尚、平均粒子径の測定は実施例1と同じ方法で行った。樹脂層形成用の塗布液の粘度は、50mPa・sであつた。粘度の測定は実施例1と同じ方法で行った。
【0130】
【表6】

【0131】
(現像ローラの作製)
(樹脂層形成用の塗布液の塗布)
図7に示す塗布装置で、準備した樹脂層形成用の塗布液No.3−1〜3−6を使用し、塗布槽A部の樹脂層形成用の塗布液の流速(Vi)を30cm/minとし、準備した円筒状基体に、調製した樹脂層形成用の塗布液No.3−1〜3−6を浸漬塗布方法で塗布した後、150℃で、30分間乾燥し現像ローラを作製し、試料No.301〜306とした。樹脂層形成用の塗布槽A部の塗布液の流速(Vi)の測定は実施例1と同じ方法で行った。円筒状基体を引き上げる速度(Vs)は、30cm/minとした。
【0132】
評価
作製した各試料No.301〜307に付き、樹脂層の膜厚の差、樹脂層の表面の算術平均粗さ(Ra)の差、実技評価を実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表7に示す。
【0133】
【表7】

【0134】
本発明の有効性が確認された。
【0135】
実施例4
(現像ローラ用の基体である円筒状基体の準備)
実施例1と同じ円筒状基体を準備した。
【0136】
(樹脂層形成用の塗布液の調製)
実施例3で調製した樹脂層形成用の塗布液No.3−3と同じ組成の樹脂層形成用の塗布液を調製した。
【0137】
(現像ローラの作製)
(樹脂層形成用の塗布液の塗布)
図8に示す塗布装置で、準備した塗布液を使用し、塗布槽の樹脂層形成用の塗布液の基体近傍の塗布槽A部での流速を表8に示す様に変化し、準備した円筒状基体に塗布した後、150℃で、30分間乾燥し現像ローラを作製し、試料No.401〜406とした。流速の変化は循環量を変えることで行った。樹脂層形成用の塗布液の流速の測定は実施例1と同じ方法で行った。塗布槽A部としては、円筒状基体の表面から0.1cm、塗布液界面から10mmの領域とした。円筒状基体を押し上げる速度は、30cm/minとした。
【0138】
評価
作製した各試料No.401〜407に付き、樹脂層の膜厚の差、樹脂層の表面の算術平均粗さ(Ra)の差、実技評価を実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表8に示す。
【0139】
【表8】

【0140】
本発明の有効性が確認された。
【0141】
実施例5
(現像ローラ用の基体である円筒状基体の準備)
直径15mm、肉厚1.0mm、長さ300mmのステンレス鋼(SUS304)製の円筒状基体を準備した。
【0142】
(樹脂層形成用の塗布液の調製)
以下に示す樹脂層形成用の塗布液を調製する際、粘度を表9に示す様に変化して調製し、樹脂層形成用の塗布液No.5−1〜5−7とした。
【0143】
粗さ粒子は平均粒子径が15μm、密度1.2g/cm3のアクリル樹脂を使用した。平均粒子径及び塗布液の粘度の測定は実施例1と同じ方法で行った。尚、粘度の調整は溶剤量を変化させて調整した。
【0144】
樹脂層形成用塗布液の組成
メチルエチルケトン 76.0質量部
シクロヘキサノン 4.0質量部
樹脂(シリカハイブリット体) 12.5質量部
カーボンブラック 5.0質量部
粗さ粒子 2.5質量部
分散剤 微量
【0145】
【表9】

【0146】
(現像ローラの作製)
(樹脂層形成用の塗布液の塗布)
図7に示す塗布装置で、準備した樹脂層形成用の塗布液No.5−1〜5−7を使用し、準備した円筒状基体に、調製した樹脂層形成用の塗布液No.5−1〜5−7を浸漬塗布方法で塗布した後、150℃で、30分間乾燥し現像ローラを作製し、試料No.501〜507とした。塗布槽の樹脂層形成用塗布液の流速は各塗布液の粘度に対応して塗布膜厚が一定になるように変化させた。樹脂層形成用塗布液の流速の測定は実施例1と同じ方法で行った。円筒状基体を引き上げる速度は、各塗布液の粘度に対応して塗布膜厚が一定になるように変化させた。
【0147】
評価
作製した各試料No.501〜507に付き、樹脂層の膜厚の差、樹脂層の表面の算術平均粗さ(Ra)差、実技評価を実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表10に示す。
【0148】
【表10】

【0149】
本発明の有効性が確認された。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】現像機の模式図である。
【図2】図1に示される現像ローラの概略図である。
【図3】図2(a)に示される他の構成の現像ローラの概略断面図である。
【図4】図2に示される現像ロールの軸方向の概略拡大断面図である。
【図5】樹脂層の厚さを測定の方法を段階的に示す概略図である。
【図6】断面形状が逆円錐台形状の塗布槽を使用した浸漬塗布装置の模式図である。
【図7】円筒状の塗布槽を使用した浸漬塗布装置の模式図である。
【図8】環状塗布槽を使用した環状塗布装置の模式図である。
【符号の説明】
【0151】
1 現像機
102 現像ローラ
102a1、102a′1 現像ローラ用の基体
102a2、102a′2 樹脂層(乾燥塗膜)
102a3、102a′3 表面層
102a′4 弾性層
4a、4b、4c 浸漬塗布装置
401 塗布部
401a、401e 塗布槽
401b、401g オーバーフロー受け槽
401c 塗布液供給タンク
401d 送液ポンプ
401f 環状塗布槽
401f1 底部
401f2 孔
401f3 側壁
401f5 シール材
402 供給部
402a、402e1、402f1 ボールネジ
402c、402g 制御部
402d、402f3 昇降部材
402e 押し上げ部
402f 保持部
5 現像ローラ用の基体(円筒状又は円柱状基体)
6 塗布液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像ローラ用の基体である円筒状又は円柱状基体の軸方向が垂直となるように保持しながら垂直方向に相対的に塗布液の液面と前記基体とに速度差を付与する塗布方式により、前記円筒状又は円柱状基体の表面に粗さ粒子を含有する塗布液を塗布する塗布方法において、
前記円筒状又は円柱状基体を引き上げる速度(Vs)と、前記円筒状又は円柱状基体の近傍の塗布槽A部での前記塗布液の流速(Vi)との関係が0.015≦|(Vi/Vs)−1|<0.35とすることを特徴とする塗布方法。
【請求項2】
前記流速(Vi)と、粗さ粒子の沈降速度(Vd)の関係が
10Vd<Vi<104Vd
であることを特徴とする請求項1に記載の塗布方法。
【請求項3】
前記粗さ粒子の濃度が、2.0質量%以上、5.0質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布方法。
【請求項4】
前記塗布液の円筒状又は円柱状基体近傍の塗布槽A部での流速(Vi)が、30cm/min以上、45cm/min以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の塗布方法。
【請求項5】
前記塗布液の粘度が10mPa・s以上、200mPa・s以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の塗布方法。
【請求項6】
前記塗布方式が浸漬塗布方法であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の塗布方法。
【請求項7】
前記塗布方式が環状塗布方法であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の塗布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−136898(P2008−136898A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−323313(P2006−323313)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】