外被冷却形回転電機およびそれに用いられるケーシング
【課題】この発明は、冷媒通路用の空洞の開口部をインロー凹部として用い、部品同士の径方向の位置決めと空洞の開口部のシールとを同時に行い、部品点数の削減、組立性の向上、さらには高剛性化を図ることができる外被冷却形回転電機およびそれに用いられるケーシングを得る。
【解決手段】センターフレーム5は、第1インロー突起13および第2インロー突起14を第1インロー凹部20および第2インロー凹部21にインロー嵌合されて、第1ブラケット3および第2ブラケット4に締着固定される。Oリング28が、第1インロー凹部20および第2インロー凹部21の外周側内壁面と反対側に、第1ブラケット3の端面とセンターフレーム5の軸方向の一端面との間、および第2ブラケット4の端面とセンターフレーム5の軸方向の他端面との間に挟持されて環状に配設されている。
【解決手段】センターフレーム5は、第1インロー突起13および第2インロー突起14を第1インロー凹部20および第2インロー凹部21にインロー嵌合されて、第1ブラケット3および第2ブラケット4に締着固定される。Oリング28が、第1インロー凹部20および第2インロー凹部21の外周側内壁面と反対側に、第1ブラケット3の端面とセンターフレーム5の軸方向の一端面との間、および第2ブラケット4の端面とセンターフレーム5の軸方向の他端面との間に挟持されて環状に配設されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、外被に冷媒を流通させて冷却を行う外被冷却形回転電機およびそれに用いられるケーシングに関し、特に自動車用に好適な小型、軽量の外被冷却形回転電機およびそれに用いられるケーシングに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の従来の誘導電動機では、ステータコアがステータフレームに保持され、ステータフレームとフロント側エンドブラケットとがインロー嵌合された後、ボルトにより締着固定され、ステータフレームとリヤ側エンドブラケットとがインロー嵌合された後、ボルトにより締着固定されている。そして、ステータフレームの内部に電動機の軸方向にジグザグ状の冷却媒体通路が形成されている。この冷却媒体通路は、ステータフレームを鋳造する際に、ステータフレームの内部にフロント側エンドブラケット側の端面に開口する空洞を形成し、その開口部を封止部材にて封止して構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−269143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の誘導電動機では、ステータフレームに形成された空洞の開口部を封止部材で封止して冷却媒体通路を構成しているので、封止部材が必要となり、部品点数が増大し、組立性が低下するという問題があった。
また、ステータフレームとエンドブラケットとがインロー嵌合されているが、そのインロー嵌合部は部品同士の径方向の位置合わせ用である。位置合わせ用のインロー嵌合部は、一般的に、底の浅い凹凸により構成されているので、ステータフレームとエンドブラケットとの組立体の剛性向上に対するインロー嵌合部の寄与が小さく、組立体の剛性が不足する。そこで、走行時の振動などにより、ステータフレームが変形して、冷却媒体が漏洩するという課題もあった。
【0005】
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、冷媒通路用の空洞の開口部をインロー凹部として用い、部品同士の径方向の位置決めと空洞の開口部のシールとを同時に行い、部品点数の削減、組立性の向上、さらには高剛性化を図ることができる外被冷却形回転電機およびそれに用いられるケーシングを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明による外被冷却形回転電機は、第1ブラケット、第2ブラケット、および軸方向両側から該第1ブラケットおよび該第2ブラケットの端面間に挟持されて締着固定されたセンターフレームを有するケーシングと、上記センターフレームに内嵌状態に保持された円環状の固定子鉄心、および該固定子鉄心に巻装された固定子巻線を有する固定子と、上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットに回転自在に支持されて、上記固定子の内側に回転可能に配設される回転子と、を備え、上記センターフレームに冷媒を流通させて冷却を行う。上記センターフレームは、内周面を円筒面とする筒状体に作製され、第1インロー凹部および第2インロー凹部が、切削加工により、内周側内壁面および外周側内壁面の一方の内壁面をインロー面とするように、上記センターフレームの軸方向の両端面のそれぞれに円環状に凹設され、上記冷媒を流通させる冷媒通路が、上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部の少なくとも一方に開口するように上記センターフレームの内部に形成され、第1インロー突起および第2インロー突起が、切削加工により、上記一方の内壁面とインロー嵌合する内周側壁面および外周側壁面の一方の壁面をインロー面とするように、上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットの端面のそれぞれに円環状に突設されている。そして、上記センターフレームは、上記第1インロー突起および上記第2インロー突起を上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部にインロー嵌合されて、上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットに締着固定され、弾性シール部材が、上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部のうちの上記冷媒通路が開口するインロー凹部の上記一方の内壁面と反対側に、上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットのうちの上記インロー凹部と相対するブラケットの端面と上記センターフレームの端面との間に挟持されて環状に配設されている。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、第1および第2インロー凹部の内周側内壁面および外周側内壁面の一方の内壁面がインロー面となるように、第1および第2インロー突起の内周側壁面および外周側壁面の一方の壁面がインロー面となるように、それぞれ切削により形成されている。そして、第1および第2インロー突起が第1および第2インロー凹部にインロー嵌合されているので、一方の内壁面と一方の壁面とが隙間なくインロー嵌合され、シール部として機能する。そこで、インロー嵌合部の軸方向長さを長くすることができ、ケーシングの高剛性化が図られる。
また、冷媒通路の開口部はインロー凹部にインロー嵌合されるインロー突起により塞口される。そこで、インロー突起が冷媒通路の開口部を塞口する塞口部材として機能するので、封止部材を別部材として用意する必要がなく、部品点数が削減され、組立性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1に係る車両用電動機を示す縦断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームを示す端面図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームを示す端面図である。
【図4】図2のIV−IV矢視断面図である。
【図5】図2のV−V矢視断面図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る車両用電動機における第1ブラケットとセンターフレームとの連結状態を示す要部断面図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係る車両用電動機における第2ブラケットとセンターフレームとの連結状態を示す要部断面図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係る車両用電動機における冷媒通路の形状を説明する斜視図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームの製造方法を説明する工程断面図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームの製造方法を説明する工程断面図である。
【図11】この発明の実施の形態2に係る車両用電動機におけるモータフレームの要部断面図である。
【図12】この発明の実施の形態2に係る車両用電動機における冷媒通路の形状を説明する斜視図である。
【図13】この発明の実施の形態3に係る車両用電動機における冷媒通路の形状を説明する展開図である。
【図14】この発明の実施の形態3に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームの製造方法における金型セット状態を説明する断面図である。
【図15】この発明の実施の形態3に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームの製造方法を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明による回転電機の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る車両用電動機を示す縦断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームを示す端面図、図3はこの発明の実施の形態1に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームを示す端面図、図4は図2のIV−IV矢視断面図、図5は図2のV−V矢視断面図、図6はこの発明の実施の形態1に係る車両用電動機における第1ブラケットとセンターフレームとの連結状態を示す要部断面図、図7はこの発明の実施の形態1に係る車両用電動機における第2ブラケットとセンターフレームとの連結状態を示す要部断面図、図8はこの発明の実施の形態1に係る車両用電動機における冷媒通路の形状を説明する斜視図、図9はこの発明の実施の形態1に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームの製造方法を説明する工程断面図、図10はこの発明の実施の形態1に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームの製造方法を説明する工程断面図である。
【0011】
図1乃至図7において、外被冷却形回転電機としての車両用電動機1は、第1ブラケット3と第2ブラケット4によりセンターフレーム5を挟持して、取付ボルト12により締着固定されて構成されるケーシングとしてのモータフレーム2と、第1ブラケット3と第2ブラケット4とに軸受6を介して回転可能に支持されたシャフト7と、シャフト7に固定されてモータフレーム2内に配設された回転子8と、円環状の固定子鉄心10、および固定子鉄心10に装着された固定子巻線11を有し、固定子鉄心10をセンターフレーム5に内嵌状態に保持されて、所定のギャップを介して回転子8を囲繞するように配設される固定子9と、を備える。
【0012】
第1ブラケット3、第2ブラケット4およびセンターフレーム5は、例えばアルミニウム製であり、ダイカストにより作製されている。そして、第1ブラケット3および第2ブラケット4の相対する端面は、切削加工により軸方向(シャフト7の軸心方向)と直交する環状の平坦面に形成されている。そして、それぞれ所定の径方向幅を有する円環状の第1および第2インロー突起13,14が、切削加工により、第1ブラケット3および第2ブラケット4の相対する端面に同軸に突設されている。第1および第2インロー突起13,14の外周側壁面13a,14aがインロー面となる。また、環状のシール溝15,16が、第1インロー突起13を挟んで第1ブラケット3の端面に凹設されている。
【0013】
センターフレーム5は、内周面を円筒面とする筒状体に作製されている。そして、8つの肉厚のリブ部17が、それぞれ、軸方向の一端から他端に至るように軸方向に延在して、センターフレーム5の外周面に突設されて、周方向に等角ピッチに配列されている。締結用のねじ穴18が、穴方向を軸方向として、リブ部17の両端面に形成されている。また、センターフレーム5の両端面は、切削加工により、軸方向(シャフト7の軸心方向)と直交する環状の平坦面に形成されている。そして、それぞれ所定の径方向幅を有する環状の第1および第2インロー凹部20,21が、切削加工により、センターフレーム5の両端面に同軸に凹設されている。さらに、冷媒通路30が、センターフレーム5の内部に形成されている。また、環状のシール溝22,23が、第2インロー凹部21を挟んでセンターフレーム5の他端面に凹設されている。
【0014】
冷媒通路30は、図8に示されるように、それぞれ、軸方向に所定の長さLを有し、かつ1つのリブ部17の真下位置から周方向一側に延びて当該リブ部17の真下位置に近づくC状に形成され、軸方向に並んで同軸に配列された第1通路31および第2通路32と、第1通路31の一端部と第2通路32の一端部とを軸方向に連通する連通路33と、から構成されている。そして、冷媒流入ポート24が第1通路31の他端部に連通するようにセンターフレーム5のリブ部17に取り付けられ、冷媒流出ポート25が第2通路32の他端部に連通するようにセンターフレーム5のリブ部17に取り付けられている。
【0015】
なお、第1および第2通路31,32を構成する空洞は、第1および第2インロー凹部20,21に開口し、センターフレーム5の軸心を含む断面形状が開口側から軸方向中央に向って先細り形状、すなわち軸方向に関してアンダーカット部を有しない空洞形状に形成されている。第1および第2通路31,32の一端部と他端部とが、周方向幅d1を有する第1隔壁部19aにより分離されている。第1通路31と第2通路32とが、軸方向幅d2を有する第2隔壁部19bにより分離されている。
【0016】
ここで、センターフレーム5の製造方法について図9および図10に基づいて説明する。
【0017】
先ず、図9の(a)に示されるように、一対の金型40,41をダイカストマシーン(図示せず)に取り付ける。そして、一対の金型40,41内に形成されたキャビティ42に、例えばアルミニウムなどの溶融金属を高圧で注入する。溶融金属が硬化後、図9の(b)に示されるように、一対の金型40,41を軸方向に移動させ、センターフレーム5を取り出す。作製されたセンターフレーム5には、周方向の一部が第1隔壁部19a(図示せず)で分離されたC字状の第1および第2通路31,32が、それぞれ端面に開口して、第2隔壁部19bを挟んで軸方向に並んで配列されている。ついで、切削加工により第1および第2通路31,32の一端部同士を連通させる。これにより、図9の(c)に示されるように、第1および第2通路31,32が連通路33により連結され、冷媒通路30が構成される。
【0018】
ついで、センターフレーム5の一端面に切削加工が施され、軸方向と直交する環状の平坦面が形成される。ついで、第1通路31の開口部および第1隔壁部19aの一端面に切削加工が施され、図10の(a)に示されるように、円環状の第1インロー凹部20が形成される。このとき、第1インロー凹部20の外周側内壁面20aを切削加工の基準面、すなわちインロー面とする。
【0019】
また、センターフレーム5の他端面に切削加工が施され、軸方向と直交する環状の平坦面が形成される。ついで、第2通路32の開口部および第1隔壁部19aの他端面に切削加工が施され、図10の(b)に示されるように、円環状の第2インロー凹部21が形成される。さらに、センターフレーム5の他端面に切削加工が施され、円環状のシール溝22,23が第2インロー凹部21の内周側と外周側とに形成される。このとき、第2インロー凹部21の外周側内壁面21aを切削加工の基準面、すなわちインロー面とする。
【0020】
さらに、図10の(c)に示されるように、径方向外側から第1および第2通路31,32の他端部に開口するように貫通穴34,35をセンターフレーム5に形成する。そして、冷媒流入ポート24が貫通穴34に挿入されて溶接などによりセンターフレーム5に接合される。さらに、冷媒流出ポート25が貫通穴35に挿入されて溶接などによりセンターフレーム5に接合される。
【0021】
このように構成された車両用電動機1を組立てるには、まず、固定子鉄心10を圧入などによりセンターフレーム5に内嵌状態に嵌め込み、固定ボルト26によりセンターフレーム5に締着固定して、固定子9をセンターフレーム5に保持させる。
ついで、弾性シール部材としてのOリング28をセンターフレーム5のシール溝22,23に装着し、第2インロー突起14を第2インロー凹部21に圧入して、第2ブラケット4をセンターフレーム5に組み付ける。そして、取付ボルト12をねじ穴18に螺着し、取付ボルト12を締め付けて、第2ブラケット4とセンターフレーム5とを連結一体化する。
【0022】
ついで、シャフト7の一端を第2ブラケット4に装着された軸受6に挿入する。さらに、Oリング28をシール溝15,16に装着し、シャフト7の他端を第1ブラケット3に装着された軸受6に挿入しつつ、第1インロー突起13を第1インロー凹部20に圧入して、第1ブラケット3をセンターフレーム5に組み付ける。そして、取付ボルト12をねじ穴18に螺着し、取付ボルト12を締め付けて、第1ブラケット3とセンターフレーム5とを連結一体化し、車両用電動機1が組立てられる。
【0023】
そして、車両用電動機1の動作時には、冷媒、例えば冷却水が冷媒流入ポート24から流入され、図8中矢印で示されるように、第1通路31内を周方向一側に流れ、連通路33を介して第2通路32内に流入し、第2通路32内を周方向他側に流れ、冷媒流出ポート25から流出する。これにより、固定子9で発生した熱は、固定子鉄心10を介してセンターフレーム5に伝達され、冷媒通路30を流れる冷却水に放熱される。また、軸受6での摩擦熱は、第1および第2ブラケット3,4に伝達され、第1および第2インロー突起13,14から冷媒通路30を流れる冷却水に放熱される。
【0024】
ここで、第1および第2インロー凹部20,21の外周側内壁面20a,21aおよび第1および第2インロー突起13,14の外周側壁面13a,14aが切削加工の基準面(インロー面)となっている。そこで、外周側内壁面20a,21aと外周側壁面13a,14aとの嵌合部は、寸法公差上、隙間をゼロとすることができ、インロー嵌合部の外周側の主シール部を構成する。さらに、Oリング28が、インロー嵌合部の外周側に形成されたシール溝16,23に装着されて、取付ボルト12の締着力により、第1および第2ブラケット3,4とセンターフレーム5との間に縮設されて、インロー嵌合部の外周側の補助シール部を構成する。
【0025】
一方、第1および第2インロー凹部20,21の内周側内壁面と第1および第2インロー突起13,14の内周側壁面との嵌合部は、寸法公差上、隙間をゼロとすることはできず、当該嵌合部には微小な隙間が生じる。そして、当該嵌合部の隙間は微小であるので、インロー嵌合部の内周側の補助シール部を構成する。さらに、Oリング28が、インロー嵌合部の内周側に形成されたシール溝15,22に装着されて、取付ボルト12の締着力により、第1および第2ブラケット3,4とセンターフレーム5との間に縮設されて、インロー嵌合部の内周側の主シール部を構成する。
【0026】
そこで、冷媒通路30内を流通する冷却水の漏洩は、外周側内壁面20a,21aと外周側壁面13a,14aとの嵌合部および第1および第2ブラケット3,4とセンターフレーム5との間のインロー嵌合部の内周側に縮設されているOリング28により阻止される。万一、冷却水が外周側内壁面20a,21aと外周側壁面13a,14aとの嵌合部から漏れ出ても、漏れ出た冷却水の外部への漏洩は、第1および第2ブラケット3,4とセンターフレーム5との間のインロー嵌合部の外周側に縮設されているOリング28により阻止される。
【0027】
この実施の形態1によれば、第1および第2インロー凹部20,21がセンターフレーム5の両端面に円環状に凹設され、冷媒通路30を構成する第1通路31および第2通路32がそれぞれ第1および第2インロー凹部20,21に開口するようにセンターフレーム5内に形成されている。そして、第1および第2ブラケット3,4が、端面に突設された円環状の第1および第2インロー突起13,14を第1および第2インロー凹部20,21にインロー嵌合し、取付ボルト12によりセンターフレーム5に締着固定されて、モータフレーム2を組み立てている。さらに、第1および第2インロー突起13,14の外周側壁面13a,14aと第1および第2インロー凹部20,21の外周側内壁面20a,21aとをインロー面とし、インロー面同士の嵌め合い部をシール部としている。
【0028】
そこで、第1および第2ブラケット3,4に形成された第1および第2インロー突起13,14が冷媒通路30の開口部を塞口する封止部材として機能するので、封止部材を別部材として用意する必要がなく、部品点数を削減でき、組立性を向上させることができる。
また、第1および第2インロー突起13,14と第1および第2インロー凹部20,21との嵌合部にシール機能を持たせているので、インロー嵌合面の軸方向長さを長くすることができる。そこで、センターフレーム5と第1および第2ブラケット3,4との組立体であるモータフレーム2の剛性を高めることができる。その結果、走行時の振動などにより、センターフレーム5が変形することが抑えられ、センターフレーム5の変形に起因する冷媒の漏洩の発生を抑制できる。
【0029】
また、冷媒通路30が軸方向に関してアンダーカット部を有しない流路形状となっているので、センターフレーム5を製造する際に中子が不要となり、センターフレーム5の量産性が向上される。
【0030】
冷媒通路30が、それぞれ、第1隔壁部19aにより周方向に分離されたC状に形成され、かつ第2隔壁部19bにより軸方向に分離されて軸方向に並んで配列された第1通路31および第2通路32と、第1通路31と第2通路32の端部同士を軸方向に連通する連通路33と、から構成されている。
そこで、第1通路31を流れる冷媒の流れと第2通路32を流れる冷媒の流れとが対向流となっているので、冷媒流入ポート24から連通路33に向って第1通路31を流れる冷媒の温度勾配と連通路33から冷媒流出ポート25に向って第2通路32を流れる冷媒の温度勾配とが逆勾配となる。そこで、周方向における冷媒温度の均一化が図られ、冷却効率が高められる。
【0031】
また、冷媒流ポート24と冷媒流出ポート25が軸方向に近接して周方向に並んで配設されているので、車両の冷却系配管との接続が簡易となる。
また、冷媒通路30における流路の折り返し部が連通路の1箇所となり、流路の圧損が低減され、冷媒を循環させる動力が軽減される。
【0032】
また、第2隔壁部19bがセンターフレーム5の軸方向中央部に略リング状に形成されているので、センターリング5の剛性が高められる。そこで、固定子鉄心10を圧入し、あるいは焼きばめすることによるセンターリング5の変形が抑えられる。
また、肉厚のリブ部17が周方向の等角ピッチで配列されているので、センターフレーム5の剛性が周方向に関して均一化される。そこで、固定子鉄心10をセンターフレーム5に圧入し、あるいは焼きばめした際に、センターフレーム5に発生する応力の周方向の分布が均一化され、コギングトルクや鉄損の局所的な発生を抑えることができる。さらに、周方向に等角ピッチで配列されたリブ部17の軸方向中央部が第2隔壁部19bにより周方向に連結されているので、センターフレーム5の剛性が一層高められる。
【0033】
また、取付ボルト12をリブ部17に締着しているので、締着力が高められ、耐振性を向上させることができる。
また、第1通路31および第2通路32がアンダーカット部を有しない空洞形状となっている。そこで、連通路33を切削加工する加工刃が第1通路31あるいは第2通路32に挿入しやすくなり、連通路33の形成が簡易となる。同様に、第1および第2インロー凹部20,21を切削加工する加工刃が第1通路31および第2通路32に挿入しやすくなり、第1および第2インロー凹部20,21の形成が簡易となる。
【0034】
なお、上記実施の形態1では、第1通路および第2通路を軸方向に関してアンダーカット部を有しない形状として、ダイカストにより一体に形成した後、切削加工により連通路を形成するものとしているが、第1通路および第2通路のみならず、連通路も軸方向に関してアンダーカット部を有しない形状とし、それらの通路をダイカストにより一体に形成してもよい。
【0035】
また、上記実施の形態1では、第1および第2インロー突起の外周側壁面、および第1および第2インロー凹部の外周側内壁面をインロー面としているが、第1および第2インロー突起の内周側壁面、および第1および第2インロー凹部の内周側内壁面をインロー面としてもよい。この場合、インロー嵌合部の外周側のOリングによる弾性シール部が必須の構成となり、内周側のOリングによる弾性シール部が補助シール部となる。
【0036】
また、上記実施の形態1では、冷媒が第1通路から連通路を通って第2通路に流通するものとしているが、冷媒が第2通路から連通路を通って第1通路に流通するようにしてもよい。
【0037】
実施の形態2.
図11はこの発明の実施の形態2に係る車両用電動機におけるモータフレームの要部断面図、図12はこの発明の実施の形態2に係る車両用電動機における冷媒通路の形状を説明する斜視図である。
【0038】
図11および図12において、センターフレーム5Aの第1隔壁部19aのインロー凹部21の深さが、インロー突起14の第2ブラケット4の端面からの延出量より深くなっており、インロー突起14とインロー凹部21の底面との間に微小な隙間を形成している。そこで、冷媒通路30Aは、第2通路32の始端部と終端部とを連通するバイパス通路36を有する。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0039】
このように構成されたセンターフレーム5Aを組み込んだ車両用電動機は、センターフレーム5Aの第1隔壁部19aが鉛直方向の上方に位置するように車両に搭載される。
そこで、エアが冷媒流入ポート24から冷媒に混じって第1通路31に流入すると、エアは、冷媒とともに第1通路31内を流れて第1通路31の一端部に到達する。そして、エアは、連通路33内を第2通路32側に流れる冷媒の流れによって、連通路33の第1隔壁部19a側の壁面に沿って第2通路32側に流れる。さらに、エアは、バイパス通路36を通って第2通路32の他端部に流入し、第2通路32を流れてきた冷媒とともに冷媒流出ポート25から流出される。
【0040】
この実施の形態2によれば、第2通路32の端部間を連通するバイパス通路36を有しているので、冷媒通路30A内に流入してきたエアを効果的に流出でき、冷媒通路30A内のエアの残留量を少なくできる。そこで、エアが冷媒通路30A内に残留することに起因する熱交換性能の低下を抑制できる。また、冷媒通路30A内に流入してきたエアを連続的に流出できるので、大量に溜まったエアが、冷媒流出ポート25から流出して冷媒循環ポンプに入り、冷媒循環ポンプの動作が不能となる事態を未然に回避できる。
【0041】
また、エア抜きバルブを設置した場合には、冷媒交換の度に、バルブの開閉作業が必要となる。しかし、バルブの開閉作業は、車両用電動機が搭載された狭隘な空間での作業となり、極めて繁雑な作業となる。この実施の形態2では、冷媒通路30A内に流入してきたエアを自動的に流出できるので、エア抜きバルブを設置する必要がなく、煩雑なバルブの開閉作業を不要にできる。
【0042】
実施の形態3.
図13はこの発明の実施の形態3に係る車両用電動機における冷媒通路の形状を説明する展開図、図14はこの発明の実施の形態3に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームの製造方法における金型セット状態を説明する断面図、図15はこの発明の実施の形態3に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームの製造方法を説明する断面図である。なお、図13はセンターフレームを軸心を含む平面で切り開いて平面上に広げた状態を示し、図14は金型を軸心を含む平面で切り開いて平面上に広めた状態を示し、図15はセンターフレームおよび金型を軸心を含む平面で切り開いて平面上に広めた状態を示している。また、図13中、矢印は冷媒の流れを示している。
【0043】
図13において、冷媒通路30Bは、センターフレーム5Bの両端面に円環状に凹設された第1および第2インロー凹部20,21に開口し、複数の隔壁部44により軸方向にジグザグ状の流路となるようにセンターフレーム5Bの内部に形成されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0044】
ここで、センターフレーム5Bの製造方法について図14および図15に基づいて説明する。
【0045】
まず、一対の金型45,46をダイカストマシーン(図示せず)に取り付ける。そして、図14に示されるように、一対の金型45,46内に形成されたキャビティ47に、例えばアルミニウムなどの溶融金属を高圧で注入する。溶融金属が硬化後、図15に示されるように、一対の金型45,46を軸方向に移動させ、センターフレーム5Bを取り出す。作製されたセンターフレーム5Bの内部には、両端面に開口し、隔壁部44により軸方向にジグザグ状の冷媒通路30Bが形成される。
【0046】
ついで、センターフレーム5Bの両端面に切削加工が施され、軸方向と直交する環状の平坦面が形成される。さらに、冷媒通路30Bの開口部および隔壁部44の端面に切削加工が施され、円環状の第1および第2インロー凹部20,21が形成される。また、センターフレーム5Bの端面に切削加工が施され、円環状のシール溝22,23が第2インロー凹部21の内周側と外周側とに形成される。また、冷媒流入ポート24、冷媒流出ポート25、ねじ穴18などがセンターフレーム5Bに形成される。
【0047】
このように作製されたセンターフレーム5Bは、図示していないが、Oリング28をシール溝22,23に装着し、第2インロー突起14を第2インロー凹部21に圧入して、取付ボルト12をねじ穴18に螺着し、取付ボルト12を締め付けて、第2ブラケット4に連結一体化される。さらに、Oリング28をシール溝15,16に装着し、第1インロー突起13を第1インロー凹部20に圧入して、取付ボルト12をねじ穴18に螺着し、取付ボルト12を締め付けて、第1ブラケット3に連結一体化される。
【0048】
これにより、第1および第2インロー突起13,14と第1および第2インロー凹部20,21とのインロー嵌合により冷媒通路30Bのセンターフレーム5Bの両端の開口部が塞口され、軸方向にジグザグ状の流路が構成される。そこで、冷媒は、図13中矢印で示されるように、冷媒流入ポート24から冷媒通路30Bに流入し、冷媒通路30B内を流通し、固定子9で発生した熱を吸熱した後、冷媒流出ポート25から流出される。
【0049】
この実施の形態3においても、第1および第2インロー突起13,14が冷媒通路30Bの開口部を塞口する封止部材として機能するので、封止部材を別部材として用意する必要がなく、部品点数を削減でき、組立性を向上させることができる。
また、第1および第2インロー突起13,14と第1および第2インロー凹部20,21との嵌合部にシール機能を持たせているので、モータフレームの剛性を高めることができる。その結果、走行時の振動などにより、センターフレーム5Bが変形することが抑えられ、センターフレーム5Bの変形に起因する冷媒の漏洩の発生を抑制できる。
また、冷媒通路30Bが軸方向に関してアンダーカット部を有しない流路形状となっているので、ステータフレーム5Bを製造する際に中子が不要となり、ステータフレーム5Bの量産性が向上される。
【0050】
なお、上記各実施の形態では、車両用電動機について説明しているが、この発明は、車両用電動機に限らず、車両用交流発電機、車両用発電電動機などの外被冷却形回転電機に適用しても、同様の効果を奏する。
また、上記各実施の形態では、弾性シール部材としてOリングを用いているが、弾性シール部材は、取付ボルトの締着力により弾性変形してシール機能を発揮できればよく、例えばリング状のゴムシートを用いることができる。
【0051】
また、上記各実施の形態では、シール溝を第1ブラケットの端面に形成しているが、センターフレームの第1ブラケット側の端面に形成してもよい。同様に、シール溝をセンターフレームの第2ブラケット側の端面に形成しているが、第2ブラケットの端面に形成してもよい。
また、上記各実施の形態では、冷媒通路がセンターフレームの両端面に開口しているが、冷媒通路はセンターフレームの少なくとも一方の端面に開口していればよい。
また、上記各実施の形態では、冷媒通路が軸方向に関してアンダーカット部を有しない空洞形状に形成されているが、冷媒通路の開口部をインロー凹部とすれば、冷媒通路はアンダーカット部を有する空洞形状でもよい。
【符号の説明】
【0052】
2 モータフレーム(ケーシング)、3 第1ブラケット、4 第2ブラケット、5,5A,5B センターフレーム、8 回転子、9 固定子、10 固定子鉄心、11 固定子巻線、13 第1インロー突起、13a 外周側壁面(インロー面)、14 第2インロー突起、14a 外周側壁面(インロー面)、17 リブ部、28 Oリング(弾性部材)、20 第1インロー凹部、20a 外周側内壁面(インロー面)、21 第2インロー凹部、21a 外周側内壁面(インロー面)、30,30A,30B 冷媒通路、31 第1通路、32 第2通路、33 連通路、36 バイパス通路。
【技術分野】
【0001】
この発明は、外被に冷媒を流通させて冷却を行う外被冷却形回転電機およびそれに用いられるケーシングに関し、特に自動車用に好適な小型、軽量の外被冷却形回転電機およびそれに用いられるケーシングに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の従来の誘導電動機では、ステータコアがステータフレームに保持され、ステータフレームとフロント側エンドブラケットとがインロー嵌合された後、ボルトにより締着固定され、ステータフレームとリヤ側エンドブラケットとがインロー嵌合された後、ボルトにより締着固定されている。そして、ステータフレームの内部に電動機の軸方向にジグザグ状の冷却媒体通路が形成されている。この冷却媒体通路は、ステータフレームを鋳造する際に、ステータフレームの内部にフロント側エンドブラケット側の端面に開口する空洞を形成し、その開口部を封止部材にて封止して構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−269143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の誘導電動機では、ステータフレームに形成された空洞の開口部を封止部材で封止して冷却媒体通路を構成しているので、封止部材が必要となり、部品点数が増大し、組立性が低下するという問題があった。
また、ステータフレームとエンドブラケットとがインロー嵌合されているが、そのインロー嵌合部は部品同士の径方向の位置合わせ用である。位置合わせ用のインロー嵌合部は、一般的に、底の浅い凹凸により構成されているので、ステータフレームとエンドブラケットとの組立体の剛性向上に対するインロー嵌合部の寄与が小さく、組立体の剛性が不足する。そこで、走行時の振動などにより、ステータフレームが変形して、冷却媒体が漏洩するという課題もあった。
【0005】
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、冷媒通路用の空洞の開口部をインロー凹部として用い、部品同士の径方向の位置決めと空洞の開口部のシールとを同時に行い、部品点数の削減、組立性の向上、さらには高剛性化を図ることができる外被冷却形回転電機およびそれに用いられるケーシングを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明による外被冷却形回転電機は、第1ブラケット、第2ブラケット、および軸方向両側から該第1ブラケットおよび該第2ブラケットの端面間に挟持されて締着固定されたセンターフレームを有するケーシングと、上記センターフレームに内嵌状態に保持された円環状の固定子鉄心、および該固定子鉄心に巻装された固定子巻線を有する固定子と、上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットに回転自在に支持されて、上記固定子の内側に回転可能に配設される回転子と、を備え、上記センターフレームに冷媒を流通させて冷却を行う。上記センターフレームは、内周面を円筒面とする筒状体に作製され、第1インロー凹部および第2インロー凹部が、切削加工により、内周側内壁面および外周側内壁面の一方の内壁面をインロー面とするように、上記センターフレームの軸方向の両端面のそれぞれに円環状に凹設され、上記冷媒を流通させる冷媒通路が、上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部の少なくとも一方に開口するように上記センターフレームの内部に形成され、第1インロー突起および第2インロー突起が、切削加工により、上記一方の内壁面とインロー嵌合する内周側壁面および外周側壁面の一方の壁面をインロー面とするように、上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットの端面のそれぞれに円環状に突設されている。そして、上記センターフレームは、上記第1インロー突起および上記第2インロー突起を上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部にインロー嵌合されて、上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットに締着固定され、弾性シール部材が、上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部のうちの上記冷媒通路が開口するインロー凹部の上記一方の内壁面と反対側に、上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットのうちの上記インロー凹部と相対するブラケットの端面と上記センターフレームの端面との間に挟持されて環状に配設されている。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、第1および第2インロー凹部の内周側内壁面および外周側内壁面の一方の内壁面がインロー面となるように、第1および第2インロー突起の内周側壁面および外周側壁面の一方の壁面がインロー面となるように、それぞれ切削により形成されている。そして、第1および第2インロー突起が第1および第2インロー凹部にインロー嵌合されているので、一方の内壁面と一方の壁面とが隙間なくインロー嵌合され、シール部として機能する。そこで、インロー嵌合部の軸方向長さを長くすることができ、ケーシングの高剛性化が図られる。
また、冷媒通路の開口部はインロー凹部にインロー嵌合されるインロー突起により塞口される。そこで、インロー突起が冷媒通路の開口部を塞口する塞口部材として機能するので、封止部材を別部材として用意する必要がなく、部品点数が削減され、組立性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1に係る車両用電動機を示す縦断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームを示す端面図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームを示す端面図である。
【図4】図2のIV−IV矢視断面図である。
【図5】図2のV−V矢視断面図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る車両用電動機における第1ブラケットとセンターフレームとの連結状態を示す要部断面図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係る車両用電動機における第2ブラケットとセンターフレームとの連結状態を示す要部断面図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係る車両用電動機における冷媒通路の形状を説明する斜視図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームの製造方法を説明する工程断面図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームの製造方法を説明する工程断面図である。
【図11】この発明の実施の形態2に係る車両用電動機におけるモータフレームの要部断面図である。
【図12】この発明の実施の形態2に係る車両用電動機における冷媒通路の形状を説明する斜視図である。
【図13】この発明の実施の形態3に係る車両用電動機における冷媒通路の形状を説明する展開図である。
【図14】この発明の実施の形態3に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームの製造方法における金型セット状態を説明する断面図である。
【図15】この発明の実施の形態3に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームの製造方法を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明による回転電機の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る車両用電動機を示す縦断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームを示す端面図、図3はこの発明の実施の形態1に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームを示す端面図、図4は図2のIV−IV矢視断面図、図5は図2のV−V矢視断面図、図6はこの発明の実施の形態1に係る車両用電動機における第1ブラケットとセンターフレームとの連結状態を示す要部断面図、図7はこの発明の実施の形態1に係る車両用電動機における第2ブラケットとセンターフレームとの連結状態を示す要部断面図、図8はこの発明の実施の形態1に係る車両用電動機における冷媒通路の形状を説明する斜視図、図9はこの発明の実施の形態1に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームの製造方法を説明する工程断面図、図10はこの発明の実施の形態1に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームの製造方法を説明する工程断面図である。
【0011】
図1乃至図7において、外被冷却形回転電機としての車両用電動機1は、第1ブラケット3と第2ブラケット4によりセンターフレーム5を挟持して、取付ボルト12により締着固定されて構成されるケーシングとしてのモータフレーム2と、第1ブラケット3と第2ブラケット4とに軸受6を介して回転可能に支持されたシャフト7と、シャフト7に固定されてモータフレーム2内に配設された回転子8と、円環状の固定子鉄心10、および固定子鉄心10に装着された固定子巻線11を有し、固定子鉄心10をセンターフレーム5に内嵌状態に保持されて、所定のギャップを介して回転子8を囲繞するように配設される固定子9と、を備える。
【0012】
第1ブラケット3、第2ブラケット4およびセンターフレーム5は、例えばアルミニウム製であり、ダイカストにより作製されている。そして、第1ブラケット3および第2ブラケット4の相対する端面は、切削加工により軸方向(シャフト7の軸心方向)と直交する環状の平坦面に形成されている。そして、それぞれ所定の径方向幅を有する円環状の第1および第2インロー突起13,14が、切削加工により、第1ブラケット3および第2ブラケット4の相対する端面に同軸に突設されている。第1および第2インロー突起13,14の外周側壁面13a,14aがインロー面となる。また、環状のシール溝15,16が、第1インロー突起13を挟んで第1ブラケット3の端面に凹設されている。
【0013】
センターフレーム5は、内周面を円筒面とする筒状体に作製されている。そして、8つの肉厚のリブ部17が、それぞれ、軸方向の一端から他端に至るように軸方向に延在して、センターフレーム5の外周面に突設されて、周方向に等角ピッチに配列されている。締結用のねじ穴18が、穴方向を軸方向として、リブ部17の両端面に形成されている。また、センターフレーム5の両端面は、切削加工により、軸方向(シャフト7の軸心方向)と直交する環状の平坦面に形成されている。そして、それぞれ所定の径方向幅を有する環状の第1および第2インロー凹部20,21が、切削加工により、センターフレーム5の両端面に同軸に凹設されている。さらに、冷媒通路30が、センターフレーム5の内部に形成されている。また、環状のシール溝22,23が、第2インロー凹部21を挟んでセンターフレーム5の他端面に凹設されている。
【0014】
冷媒通路30は、図8に示されるように、それぞれ、軸方向に所定の長さLを有し、かつ1つのリブ部17の真下位置から周方向一側に延びて当該リブ部17の真下位置に近づくC状に形成され、軸方向に並んで同軸に配列された第1通路31および第2通路32と、第1通路31の一端部と第2通路32の一端部とを軸方向に連通する連通路33と、から構成されている。そして、冷媒流入ポート24が第1通路31の他端部に連通するようにセンターフレーム5のリブ部17に取り付けられ、冷媒流出ポート25が第2通路32の他端部に連通するようにセンターフレーム5のリブ部17に取り付けられている。
【0015】
なお、第1および第2通路31,32を構成する空洞は、第1および第2インロー凹部20,21に開口し、センターフレーム5の軸心を含む断面形状が開口側から軸方向中央に向って先細り形状、すなわち軸方向に関してアンダーカット部を有しない空洞形状に形成されている。第1および第2通路31,32の一端部と他端部とが、周方向幅d1を有する第1隔壁部19aにより分離されている。第1通路31と第2通路32とが、軸方向幅d2を有する第2隔壁部19bにより分離されている。
【0016】
ここで、センターフレーム5の製造方法について図9および図10に基づいて説明する。
【0017】
先ず、図9の(a)に示されるように、一対の金型40,41をダイカストマシーン(図示せず)に取り付ける。そして、一対の金型40,41内に形成されたキャビティ42に、例えばアルミニウムなどの溶融金属を高圧で注入する。溶融金属が硬化後、図9の(b)に示されるように、一対の金型40,41を軸方向に移動させ、センターフレーム5を取り出す。作製されたセンターフレーム5には、周方向の一部が第1隔壁部19a(図示せず)で分離されたC字状の第1および第2通路31,32が、それぞれ端面に開口して、第2隔壁部19bを挟んで軸方向に並んで配列されている。ついで、切削加工により第1および第2通路31,32の一端部同士を連通させる。これにより、図9の(c)に示されるように、第1および第2通路31,32が連通路33により連結され、冷媒通路30が構成される。
【0018】
ついで、センターフレーム5の一端面に切削加工が施され、軸方向と直交する環状の平坦面が形成される。ついで、第1通路31の開口部および第1隔壁部19aの一端面に切削加工が施され、図10の(a)に示されるように、円環状の第1インロー凹部20が形成される。このとき、第1インロー凹部20の外周側内壁面20aを切削加工の基準面、すなわちインロー面とする。
【0019】
また、センターフレーム5の他端面に切削加工が施され、軸方向と直交する環状の平坦面が形成される。ついで、第2通路32の開口部および第1隔壁部19aの他端面に切削加工が施され、図10の(b)に示されるように、円環状の第2インロー凹部21が形成される。さらに、センターフレーム5の他端面に切削加工が施され、円環状のシール溝22,23が第2インロー凹部21の内周側と外周側とに形成される。このとき、第2インロー凹部21の外周側内壁面21aを切削加工の基準面、すなわちインロー面とする。
【0020】
さらに、図10の(c)に示されるように、径方向外側から第1および第2通路31,32の他端部に開口するように貫通穴34,35をセンターフレーム5に形成する。そして、冷媒流入ポート24が貫通穴34に挿入されて溶接などによりセンターフレーム5に接合される。さらに、冷媒流出ポート25が貫通穴35に挿入されて溶接などによりセンターフレーム5に接合される。
【0021】
このように構成された車両用電動機1を組立てるには、まず、固定子鉄心10を圧入などによりセンターフレーム5に内嵌状態に嵌め込み、固定ボルト26によりセンターフレーム5に締着固定して、固定子9をセンターフレーム5に保持させる。
ついで、弾性シール部材としてのOリング28をセンターフレーム5のシール溝22,23に装着し、第2インロー突起14を第2インロー凹部21に圧入して、第2ブラケット4をセンターフレーム5に組み付ける。そして、取付ボルト12をねじ穴18に螺着し、取付ボルト12を締め付けて、第2ブラケット4とセンターフレーム5とを連結一体化する。
【0022】
ついで、シャフト7の一端を第2ブラケット4に装着された軸受6に挿入する。さらに、Oリング28をシール溝15,16に装着し、シャフト7の他端を第1ブラケット3に装着された軸受6に挿入しつつ、第1インロー突起13を第1インロー凹部20に圧入して、第1ブラケット3をセンターフレーム5に組み付ける。そして、取付ボルト12をねじ穴18に螺着し、取付ボルト12を締め付けて、第1ブラケット3とセンターフレーム5とを連結一体化し、車両用電動機1が組立てられる。
【0023】
そして、車両用電動機1の動作時には、冷媒、例えば冷却水が冷媒流入ポート24から流入され、図8中矢印で示されるように、第1通路31内を周方向一側に流れ、連通路33を介して第2通路32内に流入し、第2通路32内を周方向他側に流れ、冷媒流出ポート25から流出する。これにより、固定子9で発生した熱は、固定子鉄心10を介してセンターフレーム5に伝達され、冷媒通路30を流れる冷却水に放熱される。また、軸受6での摩擦熱は、第1および第2ブラケット3,4に伝達され、第1および第2インロー突起13,14から冷媒通路30を流れる冷却水に放熱される。
【0024】
ここで、第1および第2インロー凹部20,21の外周側内壁面20a,21aおよび第1および第2インロー突起13,14の外周側壁面13a,14aが切削加工の基準面(インロー面)となっている。そこで、外周側内壁面20a,21aと外周側壁面13a,14aとの嵌合部は、寸法公差上、隙間をゼロとすることができ、インロー嵌合部の外周側の主シール部を構成する。さらに、Oリング28が、インロー嵌合部の外周側に形成されたシール溝16,23に装着されて、取付ボルト12の締着力により、第1および第2ブラケット3,4とセンターフレーム5との間に縮設されて、インロー嵌合部の外周側の補助シール部を構成する。
【0025】
一方、第1および第2インロー凹部20,21の内周側内壁面と第1および第2インロー突起13,14の内周側壁面との嵌合部は、寸法公差上、隙間をゼロとすることはできず、当該嵌合部には微小な隙間が生じる。そして、当該嵌合部の隙間は微小であるので、インロー嵌合部の内周側の補助シール部を構成する。さらに、Oリング28が、インロー嵌合部の内周側に形成されたシール溝15,22に装着されて、取付ボルト12の締着力により、第1および第2ブラケット3,4とセンターフレーム5との間に縮設されて、インロー嵌合部の内周側の主シール部を構成する。
【0026】
そこで、冷媒通路30内を流通する冷却水の漏洩は、外周側内壁面20a,21aと外周側壁面13a,14aとの嵌合部および第1および第2ブラケット3,4とセンターフレーム5との間のインロー嵌合部の内周側に縮設されているOリング28により阻止される。万一、冷却水が外周側内壁面20a,21aと外周側壁面13a,14aとの嵌合部から漏れ出ても、漏れ出た冷却水の外部への漏洩は、第1および第2ブラケット3,4とセンターフレーム5との間のインロー嵌合部の外周側に縮設されているOリング28により阻止される。
【0027】
この実施の形態1によれば、第1および第2インロー凹部20,21がセンターフレーム5の両端面に円環状に凹設され、冷媒通路30を構成する第1通路31および第2通路32がそれぞれ第1および第2インロー凹部20,21に開口するようにセンターフレーム5内に形成されている。そして、第1および第2ブラケット3,4が、端面に突設された円環状の第1および第2インロー突起13,14を第1および第2インロー凹部20,21にインロー嵌合し、取付ボルト12によりセンターフレーム5に締着固定されて、モータフレーム2を組み立てている。さらに、第1および第2インロー突起13,14の外周側壁面13a,14aと第1および第2インロー凹部20,21の外周側内壁面20a,21aとをインロー面とし、インロー面同士の嵌め合い部をシール部としている。
【0028】
そこで、第1および第2ブラケット3,4に形成された第1および第2インロー突起13,14が冷媒通路30の開口部を塞口する封止部材として機能するので、封止部材を別部材として用意する必要がなく、部品点数を削減でき、組立性を向上させることができる。
また、第1および第2インロー突起13,14と第1および第2インロー凹部20,21との嵌合部にシール機能を持たせているので、インロー嵌合面の軸方向長さを長くすることができる。そこで、センターフレーム5と第1および第2ブラケット3,4との組立体であるモータフレーム2の剛性を高めることができる。その結果、走行時の振動などにより、センターフレーム5が変形することが抑えられ、センターフレーム5の変形に起因する冷媒の漏洩の発生を抑制できる。
【0029】
また、冷媒通路30が軸方向に関してアンダーカット部を有しない流路形状となっているので、センターフレーム5を製造する際に中子が不要となり、センターフレーム5の量産性が向上される。
【0030】
冷媒通路30が、それぞれ、第1隔壁部19aにより周方向に分離されたC状に形成され、かつ第2隔壁部19bにより軸方向に分離されて軸方向に並んで配列された第1通路31および第2通路32と、第1通路31と第2通路32の端部同士を軸方向に連通する連通路33と、から構成されている。
そこで、第1通路31を流れる冷媒の流れと第2通路32を流れる冷媒の流れとが対向流となっているので、冷媒流入ポート24から連通路33に向って第1通路31を流れる冷媒の温度勾配と連通路33から冷媒流出ポート25に向って第2通路32を流れる冷媒の温度勾配とが逆勾配となる。そこで、周方向における冷媒温度の均一化が図られ、冷却効率が高められる。
【0031】
また、冷媒流ポート24と冷媒流出ポート25が軸方向に近接して周方向に並んで配設されているので、車両の冷却系配管との接続が簡易となる。
また、冷媒通路30における流路の折り返し部が連通路の1箇所となり、流路の圧損が低減され、冷媒を循環させる動力が軽減される。
【0032】
また、第2隔壁部19bがセンターフレーム5の軸方向中央部に略リング状に形成されているので、センターリング5の剛性が高められる。そこで、固定子鉄心10を圧入し、あるいは焼きばめすることによるセンターリング5の変形が抑えられる。
また、肉厚のリブ部17が周方向の等角ピッチで配列されているので、センターフレーム5の剛性が周方向に関して均一化される。そこで、固定子鉄心10をセンターフレーム5に圧入し、あるいは焼きばめした際に、センターフレーム5に発生する応力の周方向の分布が均一化され、コギングトルクや鉄損の局所的な発生を抑えることができる。さらに、周方向に等角ピッチで配列されたリブ部17の軸方向中央部が第2隔壁部19bにより周方向に連結されているので、センターフレーム5の剛性が一層高められる。
【0033】
また、取付ボルト12をリブ部17に締着しているので、締着力が高められ、耐振性を向上させることができる。
また、第1通路31および第2通路32がアンダーカット部を有しない空洞形状となっている。そこで、連通路33を切削加工する加工刃が第1通路31あるいは第2通路32に挿入しやすくなり、連通路33の形成が簡易となる。同様に、第1および第2インロー凹部20,21を切削加工する加工刃が第1通路31および第2通路32に挿入しやすくなり、第1および第2インロー凹部20,21の形成が簡易となる。
【0034】
なお、上記実施の形態1では、第1通路および第2通路を軸方向に関してアンダーカット部を有しない形状として、ダイカストにより一体に形成した後、切削加工により連通路を形成するものとしているが、第1通路および第2通路のみならず、連通路も軸方向に関してアンダーカット部を有しない形状とし、それらの通路をダイカストにより一体に形成してもよい。
【0035】
また、上記実施の形態1では、第1および第2インロー突起の外周側壁面、および第1および第2インロー凹部の外周側内壁面をインロー面としているが、第1および第2インロー突起の内周側壁面、および第1および第2インロー凹部の内周側内壁面をインロー面としてもよい。この場合、インロー嵌合部の外周側のOリングによる弾性シール部が必須の構成となり、内周側のOリングによる弾性シール部が補助シール部となる。
【0036】
また、上記実施の形態1では、冷媒が第1通路から連通路を通って第2通路に流通するものとしているが、冷媒が第2通路から連通路を通って第1通路に流通するようにしてもよい。
【0037】
実施の形態2.
図11はこの発明の実施の形態2に係る車両用電動機におけるモータフレームの要部断面図、図12はこの発明の実施の形態2に係る車両用電動機における冷媒通路の形状を説明する斜視図である。
【0038】
図11および図12において、センターフレーム5Aの第1隔壁部19aのインロー凹部21の深さが、インロー突起14の第2ブラケット4の端面からの延出量より深くなっており、インロー突起14とインロー凹部21の底面との間に微小な隙間を形成している。そこで、冷媒通路30Aは、第2通路32の始端部と終端部とを連通するバイパス通路36を有する。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0039】
このように構成されたセンターフレーム5Aを組み込んだ車両用電動機は、センターフレーム5Aの第1隔壁部19aが鉛直方向の上方に位置するように車両に搭載される。
そこで、エアが冷媒流入ポート24から冷媒に混じって第1通路31に流入すると、エアは、冷媒とともに第1通路31内を流れて第1通路31の一端部に到達する。そして、エアは、連通路33内を第2通路32側に流れる冷媒の流れによって、連通路33の第1隔壁部19a側の壁面に沿って第2通路32側に流れる。さらに、エアは、バイパス通路36を通って第2通路32の他端部に流入し、第2通路32を流れてきた冷媒とともに冷媒流出ポート25から流出される。
【0040】
この実施の形態2によれば、第2通路32の端部間を連通するバイパス通路36を有しているので、冷媒通路30A内に流入してきたエアを効果的に流出でき、冷媒通路30A内のエアの残留量を少なくできる。そこで、エアが冷媒通路30A内に残留することに起因する熱交換性能の低下を抑制できる。また、冷媒通路30A内に流入してきたエアを連続的に流出できるので、大量に溜まったエアが、冷媒流出ポート25から流出して冷媒循環ポンプに入り、冷媒循環ポンプの動作が不能となる事態を未然に回避できる。
【0041】
また、エア抜きバルブを設置した場合には、冷媒交換の度に、バルブの開閉作業が必要となる。しかし、バルブの開閉作業は、車両用電動機が搭載された狭隘な空間での作業となり、極めて繁雑な作業となる。この実施の形態2では、冷媒通路30A内に流入してきたエアを自動的に流出できるので、エア抜きバルブを設置する必要がなく、煩雑なバルブの開閉作業を不要にできる。
【0042】
実施の形態3.
図13はこの発明の実施の形態3に係る車両用電動機における冷媒通路の形状を説明する展開図、図14はこの発明の実施の形態3に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームの製造方法における金型セット状態を説明する断面図、図15はこの発明の実施の形態3に係る車両用電動機に適用されるセンターフレームの製造方法を説明する断面図である。なお、図13はセンターフレームを軸心を含む平面で切り開いて平面上に広げた状態を示し、図14は金型を軸心を含む平面で切り開いて平面上に広めた状態を示し、図15はセンターフレームおよび金型を軸心を含む平面で切り開いて平面上に広めた状態を示している。また、図13中、矢印は冷媒の流れを示している。
【0043】
図13において、冷媒通路30Bは、センターフレーム5Bの両端面に円環状に凹設された第1および第2インロー凹部20,21に開口し、複数の隔壁部44により軸方向にジグザグ状の流路となるようにセンターフレーム5Bの内部に形成されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0044】
ここで、センターフレーム5Bの製造方法について図14および図15に基づいて説明する。
【0045】
まず、一対の金型45,46をダイカストマシーン(図示せず)に取り付ける。そして、図14に示されるように、一対の金型45,46内に形成されたキャビティ47に、例えばアルミニウムなどの溶融金属を高圧で注入する。溶融金属が硬化後、図15に示されるように、一対の金型45,46を軸方向に移動させ、センターフレーム5Bを取り出す。作製されたセンターフレーム5Bの内部には、両端面に開口し、隔壁部44により軸方向にジグザグ状の冷媒通路30Bが形成される。
【0046】
ついで、センターフレーム5Bの両端面に切削加工が施され、軸方向と直交する環状の平坦面が形成される。さらに、冷媒通路30Bの開口部および隔壁部44の端面に切削加工が施され、円環状の第1および第2インロー凹部20,21が形成される。また、センターフレーム5Bの端面に切削加工が施され、円環状のシール溝22,23が第2インロー凹部21の内周側と外周側とに形成される。また、冷媒流入ポート24、冷媒流出ポート25、ねじ穴18などがセンターフレーム5Bに形成される。
【0047】
このように作製されたセンターフレーム5Bは、図示していないが、Oリング28をシール溝22,23に装着し、第2インロー突起14を第2インロー凹部21に圧入して、取付ボルト12をねじ穴18に螺着し、取付ボルト12を締め付けて、第2ブラケット4に連結一体化される。さらに、Oリング28をシール溝15,16に装着し、第1インロー突起13を第1インロー凹部20に圧入して、取付ボルト12をねじ穴18に螺着し、取付ボルト12を締め付けて、第1ブラケット3に連結一体化される。
【0048】
これにより、第1および第2インロー突起13,14と第1および第2インロー凹部20,21とのインロー嵌合により冷媒通路30Bのセンターフレーム5Bの両端の開口部が塞口され、軸方向にジグザグ状の流路が構成される。そこで、冷媒は、図13中矢印で示されるように、冷媒流入ポート24から冷媒通路30Bに流入し、冷媒通路30B内を流通し、固定子9で発生した熱を吸熱した後、冷媒流出ポート25から流出される。
【0049】
この実施の形態3においても、第1および第2インロー突起13,14が冷媒通路30Bの開口部を塞口する封止部材として機能するので、封止部材を別部材として用意する必要がなく、部品点数を削減でき、組立性を向上させることができる。
また、第1および第2インロー突起13,14と第1および第2インロー凹部20,21との嵌合部にシール機能を持たせているので、モータフレームの剛性を高めることができる。その結果、走行時の振動などにより、センターフレーム5Bが変形することが抑えられ、センターフレーム5Bの変形に起因する冷媒の漏洩の発生を抑制できる。
また、冷媒通路30Bが軸方向に関してアンダーカット部を有しない流路形状となっているので、ステータフレーム5Bを製造する際に中子が不要となり、ステータフレーム5Bの量産性が向上される。
【0050】
なお、上記各実施の形態では、車両用電動機について説明しているが、この発明は、車両用電動機に限らず、車両用交流発電機、車両用発電電動機などの外被冷却形回転電機に適用しても、同様の効果を奏する。
また、上記各実施の形態では、弾性シール部材としてOリングを用いているが、弾性シール部材は、取付ボルトの締着力により弾性変形してシール機能を発揮できればよく、例えばリング状のゴムシートを用いることができる。
【0051】
また、上記各実施の形態では、シール溝を第1ブラケットの端面に形成しているが、センターフレームの第1ブラケット側の端面に形成してもよい。同様に、シール溝をセンターフレームの第2ブラケット側の端面に形成しているが、第2ブラケットの端面に形成してもよい。
また、上記各実施の形態では、冷媒通路がセンターフレームの両端面に開口しているが、冷媒通路はセンターフレームの少なくとも一方の端面に開口していればよい。
また、上記各実施の形態では、冷媒通路が軸方向に関してアンダーカット部を有しない空洞形状に形成されているが、冷媒通路の開口部をインロー凹部とすれば、冷媒通路はアンダーカット部を有する空洞形状でもよい。
【符号の説明】
【0052】
2 モータフレーム(ケーシング)、3 第1ブラケット、4 第2ブラケット、5,5A,5B センターフレーム、8 回転子、9 固定子、10 固定子鉄心、11 固定子巻線、13 第1インロー突起、13a 外周側壁面(インロー面)、14 第2インロー突起、14a 外周側壁面(インロー面)、17 リブ部、28 Oリング(弾性部材)、20 第1インロー凹部、20a 外周側内壁面(インロー面)、21 第2インロー凹部、21a 外周側内壁面(インロー面)、30,30A,30B 冷媒通路、31 第1通路、32 第2通路、33 連通路、36 バイパス通路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ブラケット、第2ブラケット、および軸方向両側から該第1ブラケットおよび該第2ブラケットの端面間に挟持されて締着固定されたセンターフレームを有するケーシングと、
上記センターフレームに内嵌状態に保持された円環状の固定子鉄心、および該固定子鉄心に巻装された固定子巻線を有する固定子と、
上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットに回転自在に支持されて、上記固定子の内側に回転可能に配設される回転子と、を備え、上記センターフレームに冷媒を流通させて冷却を行う外被冷却形回転電機において、
上記センターフレームは、内周面を円筒面とする筒状体に作製され、
第1インロー凹部および第2インロー凹部が、切削加工により、内周側内壁面および外周側内壁面の一方の内壁面をインロー面とするように、上記センターフレームの軸方向の両端面のそれぞれに円環状に凹設され、
上記冷媒を流通させる冷媒通路が、上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部の少なくとも一方に開口するように上記センターフレームの内部に形成され、
第1インロー突起および第2インロー突起が、切削加工により、上記一方の内壁面とインロー嵌合する内周側壁面および外周側壁面の一方の壁面をインロー面とするように、上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットの端面のそれぞれに円環状に突設され、
上記センターフレームは、上記第1インロー突起および上記第2インロー突起を上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部にインロー嵌合されて、上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットに締着固定され、
弾性シール部材が、上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部のうちの上記冷媒通路が開口するインロー凹部の上記一方の内壁面と反対側に、上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットのうちの上記インロー凹部と相対するブラケットの端面と上記センターフレームの端面との間に挟持されて環状に配設されていることを特徴とする外被冷却形回転電機。
【請求項2】
上記冷媒通路は、軸方向に関してアンダーカット部を有しない空洞形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の外被冷却形回転電機。
【請求項3】
上記冷媒通路は、上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部に開口するように上記センターフレームの内部に形成されていることを特徴とする請求項2記載の外被冷却形回転電機。
【請求項4】
上記冷媒通路は、上記第1インロー凹部に開口して周方向に延在するC字状の第1通路と、上記第2インロー凹部に開口して周方向に延在し、上記第1通路と軸方向に離間して並んで配設されたC字状の第2通路と、上記第1通路と上記第2通路との一端部同士を軸方向に連通する連通路と、を有し、上記冷媒が上記第1通路の他端部から流入し、該第1通路、上記連通路、および上記第2通路を流通した後、該第2通路の他端部から流出するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の外被冷却形回転電機。
【請求項5】
上記第2インロー凹部の上記第2通路の一端部と他端部との間の部位の底部と、該第2インロー凹部にインロー嵌合された上記第2インロー突起との間に隙間が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の外被冷却形回転電機。
【請求項6】
複数の肉厚のリブ部が、それぞれ、上記センターフレームの外周面上に、軸方向の一端から他端に至るように軸方向に延在して、周方向に等角ピッチで配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の外被冷却形回転電機。
【請求項7】
第1ブラケット、第2ブラケット、および軸方向両側から該第1ブラケットおよび該第2ブラケットの端面間に挟持されて締着固定されたセンターフレームを有し、上記センターフレームに冷媒を流通させて冷却を行う外被冷却形回転電機のケーシングにおいて、
上記センターフレームは、内周面を円筒面とする筒状体に作製され、
第1インロー凹部および第2インロー凹部が、切削加工により、内周側内壁面および外周側内壁面の一方の内壁面をインロー面とするように、上記センターフレームの軸方向の両端面のそれぞれに円環状に凹設され、
上記冷媒を流通させる冷媒通路が、上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部の少なくとも一方に開口するように上記センターフレームの内部に形成され、
第1インロー突起および第2インロー突起が、切削加工により、上記一方の内壁面とインロー嵌合する内周側壁面および外周側壁面の一方の壁面をインロー面とするように、上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットの端面のそれぞれに円環状に突設され、
上記センターフレームは、上記第1インロー突起および上記第2インロー突起を上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部にインロー嵌合されて、上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットに締着固定され、
弾性シール部材が、上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部のうちの上記冷媒通路が開口するインロー凹部の上記一方の内壁面と反対側に、上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットのうちの上記インロー凹部と相対するブラケットの端面と上記センターフレームの端面との間に挟持されて環状に配設されていることを特徴とする外被冷却形回転電機のケーシング。
【請求項8】
上記冷媒通路は、軸方向に関してアンダーカット部を有しない空洞形状に形成されていることを特徴とする請求項7記載の外被冷却形回転電機のケーシング。
【請求項9】
上記冷媒通路は、上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部に開口するように上記センターフレームの内部に形成されていることを特徴とする請求項8記載の外被冷却形回転電機のケーシング。
【請求項10】
上記冷媒通路は、上記第1インロー凹部に開口して周方向に延在するC字状の第1通路と、上記第2インロー凹部に開口して周方向に延在し、上記第1通路と軸方向に離間して並んで配設されたC字状の第2通路と、上記第1通路と上記第2通路との一端部同士を軸方向に連通する連通路と、を有し、上記冷媒が上記第1通路の他端部から流入し、該第1通路、上記連通路、および上記第2通路を流通した後、該第2通路の他端部から流出するように構成されていることを特徴とする請求項9記載の外被冷却形回転電機のケーシング。
【請求項11】
上記第2インロー凹部の上記第2通路の一端部と他端部との間の部位の底部と、該第2インロー凹部にインロー嵌合された上記第2インロー突起との間に隙間が形成されていることを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載の外被冷却形回転電機のケーシング。
【請求項12】
複数の肉厚のリブ部が、それぞれ、上記センターフレームの外周面上に、軸方向の一端から他端に至るように軸方向に延在して、周方向に等角ピッチで配設されていることを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれか1項に記載の外被冷却形回転電機のケーシング。
【請求項1】
第1ブラケット、第2ブラケット、および軸方向両側から該第1ブラケットおよび該第2ブラケットの端面間に挟持されて締着固定されたセンターフレームを有するケーシングと、
上記センターフレームに内嵌状態に保持された円環状の固定子鉄心、および該固定子鉄心に巻装された固定子巻線を有する固定子と、
上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットに回転自在に支持されて、上記固定子の内側に回転可能に配設される回転子と、を備え、上記センターフレームに冷媒を流通させて冷却を行う外被冷却形回転電機において、
上記センターフレームは、内周面を円筒面とする筒状体に作製され、
第1インロー凹部および第2インロー凹部が、切削加工により、内周側内壁面および外周側内壁面の一方の内壁面をインロー面とするように、上記センターフレームの軸方向の両端面のそれぞれに円環状に凹設され、
上記冷媒を流通させる冷媒通路が、上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部の少なくとも一方に開口するように上記センターフレームの内部に形成され、
第1インロー突起および第2インロー突起が、切削加工により、上記一方の内壁面とインロー嵌合する内周側壁面および外周側壁面の一方の壁面をインロー面とするように、上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットの端面のそれぞれに円環状に突設され、
上記センターフレームは、上記第1インロー突起および上記第2インロー突起を上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部にインロー嵌合されて、上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットに締着固定され、
弾性シール部材が、上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部のうちの上記冷媒通路が開口するインロー凹部の上記一方の内壁面と反対側に、上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットのうちの上記インロー凹部と相対するブラケットの端面と上記センターフレームの端面との間に挟持されて環状に配設されていることを特徴とする外被冷却形回転電機。
【請求項2】
上記冷媒通路は、軸方向に関してアンダーカット部を有しない空洞形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の外被冷却形回転電機。
【請求項3】
上記冷媒通路は、上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部に開口するように上記センターフレームの内部に形成されていることを特徴とする請求項2記載の外被冷却形回転電機。
【請求項4】
上記冷媒通路は、上記第1インロー凹部に開口して周方向に延在するC字状の第1通路と、上記第2インロー凹部に開口して周方向に延在し、上記第1通路と軸方向に離間して並んで配設されたC字状の第2通路と、上記第1通路と上記第2通路との一端部同士を軸方向に連通する連通路と、を有し、上記冷媒が上記第1通路の他端部から流入し、該第1通路、上記連通路、および上記第2通路を流通した後、該第2通路の他端部から流出するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の外被冷却形回転電機。
【請求項5】
上記第2インロー凹部の上記第2通路の一端部と他端部との間の部位の底部と、該第2インロー凹部にインロー嵌合された上記第2インロー突起との間に隙間が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の外被冷却形回転電機。
【請求項6】
複数の肉厚のリブ部が、それぞれ、上記センターフレームの外周面上に、軸方向の一端から他端に至るように軸方向に延在して、周方向に等角ピッチで配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の外被冷却形回転電機。
【請求項7】
第1ブラケット、第2ブラケット、および軸方向両側から該第1ブラケットおよび該第2ブラケットの端面間に挟持されて締着固定されたセンターフレームを有し、上記センターフレームに冷媒を流通させて冷却を行う外被冷却形回転電機のケーシングにおいて、
上記センターフレームは、内周面を円筒面とする筒状体に作製され、
第1インロー凹部および第2インロー凹部が、切削加工により、内周側内壁面および外周側内壁面の一方の内壁面をインロー面とするように、上記センターフレームの軸方向の両端面のそれぞれに円環状に凹設され、
上記冷媒を流通させる冷媒通路が、上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部の少なくとも一方に開口するように上記センターフレームの内部に形成され、
第1インロー突起および第2インロー突起が、切削加工により、上記一方の内壁面とインロー嵌合する内周側壁面および外周側壁面の一方の壁面をインロー面とするように、上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットの端面のそれぞれに円環状に突設され、
上記センターフレームは、上記第1インロー突起および上記第2インロー突起を上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部にインロー嵌合されて、上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットに締着固定され、
弾性シール部材が、上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部のうちの上記冷媒通路が開口するインロー凹部の上記一方の内壁面と反対側に、上記第1ブラケットおよび上記第2ブラケットのうちの上記インロー凹部と相対するブラケットの端面と上記センターフレームの端面との間に挟持されて環状に配設されていることを特徴とする外被冷却形回転電機のケーシング。
【請求項8】
上記冷媒通路は、軸方向に関してアンダーカット部を有しない空洞形状に形成されていることを特徴とする請求項7記載の外被冷却形回転電機のケーシング。
【請求項9】
上記冷媒通路は、上記第1インロー凹部および上記第2インロー凹部に開口するように上記センターフレームの内部に形成されていることを特徴とする請求項8記載の外被冷却形回転電機のケーシング。
【請求項10】
上記冷媒通路は、上記第1インロー凹部に開口して周方向に延在するC字状の第1通路と、上記第2インロー凹部に開口して周方向に延在し、上記第1通路と軸方向に離間して並んで配設されたC字状の第2通路と、上記第1通路と上記第2通路との一端部同士を軸方向に連通する連通路と、を有し、上記冷媒が上記第1通路の他端部から流入し、該第1通路、上記連通路、および上記第2通路を流通した後、該第2通路の他端部から流出するように構成されていることを特徴とする請求項9記載の外被冷却形回転電機のケーシング。
【請求項11】
上記第2インロー凹部の上記第2通路の一端部と他端部との間の部位の底部と、該第2インロー凹部にインロー嵌合された上記第2インロー突起との間に隙間が形成されていることを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載の外被冷却形回転電機のケーシング。
【請求項12】
複数の肉厚のリブ部が、それぞれ、上記センターフレームの外周面上に、軸方向の一端から他端に至るように軸方向に延在して、周方向に等角ピッチで配設されていることを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれか1項に記載の外被冷却形回転電機のケーシング。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−228105(P2012−228105A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94746(P2011−94746)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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