説明

多嚢胞性卵巣症候群を治療するための方法および組成物

本発明は、多嚢胞性卵巣症候群に苦しむ対象に、エキセンディンまたはそのアナログまたはアゴニストを投与することを特徴とする多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願
本出願は、2002年12月11日に出願された米国出願番号第10/317,126号の一部継続出願であり、2002年12月11日に出願された米国出願番号第10/317,126号の継続出願である国際出願番号第PCT/US03/01109号の一部継続出願であり、2002年1月22日に出願された米国仮出願番号第60/350,395号に対して優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、内分泌学および薬理学に関する。特に、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に苦しむ対象を治療するための方法および組成物に関する。
【0003】
発明の背景
多嚢胞卵巣またはスタイン−レーベンタール症候群としても知られる多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、アメリカ合衆国における女性の推定6-10%に影響を及ぼす。PCOSは、無排卵(不規則または月経期欠落)およびアンドロゲン過剰症(高い血清テストステロンおよびアンドロステンジオン)によって特徴付けられる。この病気のさらなる病因的および臨床的症状は、異常な子宮出血、肥大した多濾胞性卵巣、不妊症、肥満、インスリン耐性、高インスリン血症、高血圧、高脂血症、2型糖尿病、過剰な顔の毛の成長、抜け毛およびアクネを含むことがある。
【0004】
インスリン耐性および高インスリン血症は、PCOSの患者において、高い有病率があり、この病気の病態生理を明確に示すと考えられる(Udoff, L., et al., Curr. Opin. Obstret. Gynecol. 7:340-343 (1995); Barbieri, R.L., Am. J. Obstet. Gynecol. 183:1412-8 (2000); Kim, L.H. et al., Fertility and Sterility 73:1097-1098 (2000); Iuorno, M.J. et al., Obstet. Gynecol. Clin. North Am. 28:153-164 (2001); Zacur, H.Z., Obstet. Gynecol. Clin. North Am. 28:21-33 (2001))。最近の研究は、PCOSに伴って起こるアンドロゲン過剰症は、高インスリン血症による、卵巣アンドロゲン生成(例えば、テストステロンおよびアンドロステンジオン)の増加および血清アンドロゲン結合グロブリン濃度の減少によって引き起こされることを示唆する。インスリンは、少なくとも部分的にP450c17α、卵巣莢膜細胞におけるテストステロンの生成に関与している酵素の活性を増加させることによって、卵巣によるアンドロゲンの生成を直接的に刺激することを示している(Iuorno, M.J. et al., supra)。下垂体軸のレベルにて、アンドロゲン過剰症は、卵胞刺激ホルモン(FSH)分泌を抑制し、ゴナドトロピン-放出ホルモン(GnRH)放出を改変し、黄体形成ホルモン(LH)分泌を増加させる。卵巣に対するアンドロゲンの局所的影響と共に、これらの異常は、卵胞退縮、無排卵、および不妊症を招く。同様に、過少月経および無月経が引き起こされ、激しい膣出血が頻発する。また、高インスリン血症は、高血圧および血栓形成の増加を招き、心疾患、脳梗塞および2型糖尿病の発達に関係していると見なされている(Iuorno, M.J. et al., supra; Zacur, H.A., supra)。
【0005】
慣用的に、PCOSの治療は、主に、根本的な症状を正すことに指向されていた。例えば、多毛症および生理不順は、経口避妊薬、スピロノラクトン、フルタミド(flutamide)、およびフィナステライド(finasteride)を含む抗アンドロゲン薬物で治療された。不妊症治療は、体重を減らす食生活、排卵医薬品(例えばクロミフェン、フォリスティン(follistim)、およびゴナール−F(Gonal-F))、いわゆる「卵巣の穿孔」手術、およびインビトロ受精を含んだ。PCOSのより最近の治療は、インスリンレベルを低下させることを対象としている。メトフォルミン(metformin)、D−chiro−イノシトール(inositol)、ジアゾキサイド(diazoxide)、およびPPARガンマ阻害剤(例えば、トログリタゾン(troglitazone)(リズリン(Rizulin))、ロシグリタゾン(rosiglitazone)(アバンジア(Avandia))、およびピオグリタゾン(pioglitazone)(アクトス(Actos))のようなインスリン感性化剤は、受精能を回復し、PCOS関連の内分泌腺異常を逆転させることを示している。メトフォルミン(metformin)およびPPARガンマ阻害剤は、妊娠と干渉しないが、胎児に対する安全性および(複数の)影響に関する懸念のため、妊娠の間は、一般的に中断される。さらに、妊娠したPCOS患者の女性は、30%ないし50%ほどの高い割合で、最初の3ヶ月間に自然流産を経験する(Iuorno, M.J. et al., supra; Zacur, H.A., supra; Phipps, W.R., Obstet. Gynecol. Clin. North Am. 28:165-182 (2001)。すなわち、PCOSを治療するための新規なかつより良い組成物および方法への必要性が存在する。
【0006】
発明の概要
出願人らは、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、エキセンディン、およびこれらの化合物のアゴニストおよびアナログが、インスリン耐性を低下する、あるいはインスリン感受性を増加させることができることを発見することによって、上記の問題を解決した。本発明は、GLP-1、GLP-1アゴニスト、エキセンディン、またはエキセンディンアゴニストを用いるPCOSを治療する方法に関する。1つの具体例において、本発明の方法は、患者に、治療上有効量のGLP-1、GLP-1アゴニスト、エキセンディン、またはエキセンディンアゴニストを投与することを特徴とする。もう1つの具体例において、方法は、PCOSに苦しむ対象においてインスリン耐性を減らすまたは予防することを特徴とする。さらにもう1つの具体例において、方法は、PCOSに苦しむ対象において、2型糖尿病の発病を予防することを特徴とする。さらなる具体例において、方法は、PCOSに苦しむ対象において、規則的な月経、排卵、または受精能を回復することを特徴とする。
【0007】
好ましい具体例において、GLP-1アゴニストは、アゴニスト活性を有するGLP-1アナログであり、エキセンディンアゴニストは、アゴニスト活性を有するエキセンディンアナログである。もう1つの好ましい具体例において、対象はヒトである。
【0008】
GLP-1アゴニストは、GLP-1がこの効果を引き起こす受容体または複数の受容体に結合することによって、PCOSに対してGLP-1の効果を模倣する化合物を意味する。アゴニスト活性を有する特定のGLP-1アナログは、Chenら, 1996年4月30日に出された、Glucagon-Like Insulinotropic Peptide Analogs, Compositions and Methods of Useと題された米国特許第5,512,549号に記載されている。アゴニスト活性を有する他のGLP-1アナログは、Johnsonら, 1996年11月12に発行された、Biologically Active Fragments of Glucagon-Like Insulinotropic ペプチドと題された米国特許第5,574,008号に記載されている。アゴニスト活性を有するさらに他のGLP-1アナログは、Buckleyら, 1996年8月13日に発行された、GLP-1 Analogs Useful for Diabetes Treatmentと題された、米国特許第5,545,618号に記載されている。全3つの言及された米国特許は、この引用によって、本明細書中に援用される。
【0009】
エキセンディンアゴニストは、エキセンディンがこの効果を引き起こす受容体または複数の受容体に結合することによって、PCOSに対してエキセンディンの効果を模倣する化合物を意味する。アゴニスト活性を有する特定のエキセンディンアナログは、本発明と共有であり、この引用によって本明細書中に援用される、1997年8月8日に出願された米国仮特許出願番号60/055,404に記載されている。アゴニスト活性を有する特定の他のエキセンディンアナログは、本発明と共有であり、この引用によって本明細書中に援用される、1997年11月14日に出願された米国仮特許2 5出願番号60/066,029および同第60/065,44に記載されている。アゴニスト活性を有する好ましいエキセンディンアナログは、米国仮特許出願番号60/055,404および同第60/065,442記載のものを含む。
【0010】
本発明の詳細な記載
特記しない限り、本明細書中で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を持つ。不一致の場合、定義を含む本出願が制御するだろう。本明細書中で言及される全公報、特許および他の引用文献は、引用によって援用される。
【0011】
本明細書中に記載されるものと同様または同等の方法および材料が、本発明の実施において使用されるが、適した方法および材料を下記する。材料、方法、および実施例は、説明的な目的のためだけのものであり、制限することを意図していない。本発明の他の特徴および利益は、詳細な記載から、および請求の範囲から明白であろう。
【0012】
本発明をさらに定義するために、次の用語および定義を、本明細書中に供する。
【0013】
本明細書中で使用される用語「脱毛」は、患者が頭皮または肌の感染症、神経質、またはPCOSのような特定の病気のために、髪の喪失を経験する状態を指す。髪は所々抜け落ちるか、あるいは1つの領域の完全なはげの代わりに、髪の広範性の喪失であり得る。
【0014】
用語「エキセンディン」は、ドクトカゲ(Gila-monster)の唾液分泌で見受けられる天然に生じるエキセンディンペプチドを指す。用語エキセンディンは、Heloderma harridumの唾液分泌中に存在するエキセンディン-3[配列番号7]、およびHeloderma suspectumの唾液分泌中に存在するペプチドであるエキセンディン-4[配列番号9]を含む(Eng, J.ら, J. Biol. Chem., 265:20259-62, 1990; Eng., J.ら., J. Biol. Chem., 267:7402-05, 1992)。ドクトカゲ(Gila monster)の唾液分泌中に生じるエキセンディン-4はアミド化されたペプチドである。しかしながら、用語「エキセンディン」、「エキセンディン-3」、および「エキセンディン-4」は、ペプチドのアミド化された形態およびペプチドの酸形態の両方を指すことは理解されるべきである。
【0015】
エキセンディン-4は、当初、(潜在的に有毒な)毒の成分であると考えられた。現在では、エキセンディン-4は有毒性を欠いており、代わりにドクトカゲ(Gila Monster)の唾液腺で作られると思われる。エキセンディンは、グルカゴン様ペプチド族のいくつかのメンバーと何らかの配列類似性を有し、最も高い相同性は、GLP-1[7-36]NH2に対する53%である(Gokeら , J. Biol. Chem., 268:19650-55, 1993)。「エキセンディンアゴニスト」は、エキセンディンがこの効果を引き起こす受容体または複数の受容体に結合することによって、エキセンディンの効果を模倣する化合物を指す。この文脈におけるエキセンディン「作用活性」は、エキセンディンの生物学的活性を有することを意味するが、アナログの活性は、天然のエキセンディンより強力であるか強力でないかのいずれかであり得ると理解される。他のエキセンディンアゴニストは、例えば、PCOSに対して効果を与える受容体または複数の受容体を活性化させるように特異的に設計された化学的化合物を含む。
【0016】
本発明による用語「GLP-1」、および「グルカゴン様ペプチド-1」は、両方ともGLP-1アミド[配列番号4]、ならびにプログルカゴン[78-107]とも知られるGLP-1の酸形態を指す。「GLP-1アゴニスト」は、GLP-1がこの効果を引き起こす受容体または複数の受容体に結合することによって、PCOSに対するGLP-1の効果を模倣する化合物を指す。好ましいGLP-1アゴニストは、アゴニスト活性を有するGLP-1アナログである。この文脈におけるGLP-1「アゴニスト活性」は、GLP-1(7-36)アミド(GLP-1(7-36)NH2)の生物学的活性を有することを意味するが、アナログの活性は、天然のGLP-1(7-36)アミドより強力でないか強力であるかのいずれかであり得ると理解される。他のGLP-1アゴニストは、例えば、GLP-1がPCOSに対して影響を及ぼす受容体または複数の受容体を活性化させるように特異的に設計された化学的化合物を含む。
【0017】
本明細書で使用されるように、用語「多毛症」は、患者が異常な毛深さを呈する状態を指す。
【0018】
本明細書中で使用されるように、用語「アンドロゲン過剰症」は、患者が、血清中のアンドロゲン(例えば、テストステロン、アンドロステンジオン)の上昇したレベルを呈する状態を指す。
【0019】
本明細書中で使用されるように、用語「高インスリン血症」は、患者が、上昇した血漿インスリンレベルを呈する状態を指す。
【0020】
本明細書中で使用されるように、用語「高脂血症」は、患者が、血漿中にいずれかのまたは全ての脂質の上昇した濃度を呈する状態を指す。
【0021】
本明細書中で使用されるように、用語「高血圧」は、患者が、持続的に、高血圧(つまり、140mm Hgと同等またはそれを超える収縮期圧および90mm Hgと同等またはそれを超える拡張期圧)を経験する状態を指す。
【0022】
本明細書中で使用されるように、用語「インスリントロピック」は、インスリンの循環への放出を刺激する能力を指す。
【0023】
本明細書中で使用されるように、用語「インスリン耐性」は、所与の濃度のインスリンに対する亜正常の生物学的応答(つまり、インスリンに応答した、細胞膜をわたるグルコース輸送の減少)を示す。
【0024】
本明細書中で使用されるように、用語「医薬上許容される担体またはアジュバント」は、本発明の化合物と一緒に患者に投与されてもよく、その薬理学的活性を破壊しない無毒の担体またはアジュバントを指す。
【0025】
本明細書中で使用されるように、用語「多嚢胞性卵巣症候群」、「PCOS」、「多嚢胞卵巣」または「スタイン-レーベンタール症候群」は、女性を冒す病気を指す。PCOSと診断された女性は、次の症状の1またはそれ以上を呈し得る:無排卵(不規則な月経または無月経)、アンドロゲン過剰症(上昇した血清テストステロンおよび/またはアンドロステンジオン)、異常な子宮出血、肥大した多濾胞性卵巣、不妊症、肥満、インスリン耐性、高インスリン血症、高血圧、高脂血症、2型糖尿病、過剰な顔の毛の成長、抜け毛、およびアクネ。
【0026】
用語「治療上または医薬上有効」または「治療上または医薬上有効な量」は、PCOSまたはその症状(例えば、いくらかの期間のインスリン耐性、高インスリン血症、2型糖尿病、肥満、高血圧、高脂血症、無排卵 または不規則な排卵、不妊症、アンドロゲン過剰症、多毛症、脱毛、アクネ、肥大した多濾胞性卵巣および異常な子宮出血)のいずれかの重症度を軽減するまたは緩和するのに必要な本発明の化合物の量を指す。また、治療上または医薬上有効な量は、患者の臨床的症状を改善するのに必要な量を意味する。
【0027】
本明細書中で使用されるように、用語「2型糖尿病」は、患者が、上昇した濃度の血糖値を有する非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)または成人発症型糖尿病(AODM)としても知られる病気を指す。
【0028】
本発明は、患者においてPCOSを治療する方法に関する。該方法は、対象に、治療上有効量のGLP-1、エキセンディン、およびこれらの化合物のアゴニストおよびアナログを投与することを含む。さらに、本発明の方法は、GLP-1、エキセンディン、およびこれらの化合物のアゴニストおよびアナログを用いて、インスリン耐性を低下させることに関する。PCOS関連の症状の多くは、根底にあるインスリン耐性が原因である。
【0029】
グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)
GLP-1は、血漿グルコースホメオスタシスの制御において重要な役割を演じる。それは、インスリン分泌を刺激し、膵臓によるグルカゴン放出を阻害すること、胃酸分泌および運動性を阻害すること、ならびに食欲および食物摂取を抑制することに関与している。GLP-1は、食物の摂取に応答して腸内分泌細胞から放出される分泌促進薬ホルモンのインクレチン群の一員である。GLP-1は、GLP-1受容体に結合し、これは膵臓のβ細胞上で発現する。GLP-1のその受容体への結合は、細胞内シグナル伝達経路を誘発し、これはグルカゴン生成の阻害と併せてインスリン分泌の刺激を招く。これは、次に、血糖値を低下させる肝臓でのグルコース生成の阻害を招く。血糖値を維持する際のGLP-1の役割は、本発明の前に、確立されているが、GLP-1がインスリン感受性を増加させることも可能であることは知られていなかった。
【0030】
哺乳類GLPペプチドおよびグルカゴンは、同じ遺伝子によってコードされている。回腸において、前駆体はGLPペプチドホルモンの2つの主なクラス、すなわちGLP-1およびGLP-2へと処理される。GLP-1(1-37)は、配列:His-Asp-Glu-Phe-Glu-Arg-His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-Gly[配列番号:1]を有する。GLP-1(1-37)は、ポスト翻訳的にアミド化されて、配列:His-Asp-Glu-Phe-Glu-Arg-His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg(NH2)[配列番号: 2]を有するGLP-1(1-36)NH2を得るか、あるいは、酵素的に処理されて、配列:His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-Gly [配列番号: 3]を有するGLP-1(7-37)を得る。また、GLP-1(7-37)は、アミド化されて、配列:His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg(NH2) [配列番号: 4]を有するGLP-1(7-36)アミドを得てもよい。同様に、GLP-1(1-36)アミドはGLP-1(7-36)アミドへとプロセッシングされる。
【0031】
腸内L細胞は、約1:5の割合で、GLP-1(7-37)およびGLP-1(7-36)NH2を分泌する。これらのGLP-1の不完全な形態は、短い半減期インビボ(10分未満)を有し、これは、アミノジペプチダーゼ(DPP IV)によって不活化されて、それぞれ、配列: Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-Gly [配列番号: 5]を有するGLP-1(9-37)、および配列: Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg(NH2) [配列番号: 6]を有するGLP-1(9-36)アミドを得る。ペプチドGLP-1(9-37)およびGLP-1(9-36)アミドが、肝臓でのグルコース生成に影響を及ぼしているかもしれないと推測されてきたが、明らかに、それらは膵臓からのインスリンの生成または放出を刺激しない。
【0032】
本明細書において使用されるように、用語「GLP-1アナログ」は、GLP-1(1-37)、GLP-1(1-36)NH2、GLP-1(7-37)、GLP-1(9-37)、GLP-1(9-36)NH2(「GLP-1(9-36)アミド」)を含む。本発明は、組換えまたは合成に拘わらず、他の種から由来する組換えヒトGLP-1アナログおよびGLP-1アナログの使用を含む。
【0033】
本明細書中で使用されるように、用語「GLP-1アゴニスト」は、ペプチド、ペプチドミメティクス、または他の化学化合物に拘わらず、GLP-1が、PCOSに対して作用するGLP-1(7-36)アミド受容体およびその二次メッセンジャーカスケードのようなGLP-1受容体または複数の受容体に結合またはそれらを活性化させるいずれかの分子を含む。例えば、GLP-1アゴニストは、インスリントロピック活性を有し、とりわけ、インスリン生産β-細胞に対するGLP-1受容体分子およびその二次メッセンジャー活性の(つまり、活性化させる)アゴニストである分子を含む。
【0034】
また、「GLP-1アナログ」は、本明細書において定義されるように、アゴニスト活性を有する生物学的に活性なGLP-1アナログを発現するポリヌクレオチドによってコードされるペプチドを含む。例えば、GLP-1アナログは、GLP-1(7-36)アミドと比較して、1またはそれを超えるアミノ酸置換、添加または欠失を含有するペプチドであってよい。1つの具体例において、置換、欠失、または添加の数は、30アミノ酸またはそれ未満、25アミノ酸またはそれ未満、20アミノ酸またはそれ未満、15アミノ酸またはそれ未満、10アミノ酸またはそれ未満、5アミノ酸またはそれ未満、あるいはこれらの量の間のいずれかの整数である。本発明の1つの態様において、置換は、1またはそれを超える保存的置換を含む。「保存的」置換は、もう1つの、生物学的に活性な同様の残基によるアミノ酸残基の置換を意味する。保存的置換の例は、イソロイシン、バリン、ロイシン、またはメチオニンのような1つの疎水性残基のもう一方への置換、あるいは、リシンへのアルギニンの、アスパラギン酸へのグルタミン酸の、アスパラギンへのグルタミンの置換等のような、1つの極性残基のもう一方への置換を含む。次の表は、説明的であるが、非限定的な、保存的アミノ酸置換をリストする。
【0035】
【表1】

【0036】
さらに、GLP-1アナログは、化学的に誘導体化または改変された上記のペプチド、例えば、非天然アミノ酸残基(例えば、タウリン、β-およびγ-アミノ酸残基およびD-アミノ酸残基)を有する、アミド、エステル、およびC-末端ケトン修飾のようなC-末端官能基修飾、およびアシル化アミン、シッフ塩基のようなN-末端官能基修飾を有する、または例えばアミノ酸ピログルタミン酸で見出される環化を有するペプチドを含むと理解される。
【0037】
(1)配列番号:1、2、3、および4に対して;および(2)その不完全な配列に対して50%以上の配列同一性、好ましくは90%以上の配列同一性を有するペプチド配列も、本発明に含まれる。本明細書において使用されるように、配列同一性とは、当該分野でよく知られた標準アルゴリズムを用いて、2つの分子の間でなされる比較を指す。本発明に関する配列同一性を計算する好ましいアルゴリズムは、配列番号:1[つまり、GLP-1(1-37)]を、参照配列として使用して、その長さにわたるホモログのパーセンテージ同一性を定義するSmith-Watermanアルゴリズムである。いくつかのパラメーター値が、他よりもより生物学的に現実的な結果を与えることが分かっているが、マッチ、ミスマッチ、および挿入または欠失に対するパラメーター値の選択は任意である。Smith-Watermanアルゴリズムに対するパラメーター値の1つの好ましい組は、マッチ残基に対して1およびミスマッチ残基(残基は単一のヌクレオチドまたは単一のアミノ酸のいずれかである)に対して-1/3の値を使用する「最大同様性セグメント」アプローチに記載されている。Waterman, Bull. Math. Biol. 46; 473 (1984).挿入および欠失(indels)、xは、xk = 1 + 1/3k[式中、kは所与のインサートまたは欠失における残基の数である]として重み付けされる。同文献。
【0038】
例えば、18のアミノ酸置換および3つのアミノ酸の挿入を除き、配列番号:1の37-アミノ酸残基配列に対して同一である配列は:
【数1】

によって与えられるパーセント同一性を有するだろう。
【0039】
GLP-1(7-36)アミド受容体を介して活性を呈するグルカゴン様ペプチドのアゴニストが記載されている。EP 0708179 A2; Hjorth et al., J. Biol. Chem. 269; 30121 (1994); Siegel et al., Amer. Diabetes Assoc. 57th Scientific Session, Boston (1997); Hareter et al., Amer. Diabetes Assoc. 57th Scientific Session, Boston (1997); Adelhorst et al., J. Biol. Chem. 269, 6275 (1994); Deacon et al., 16th International Diabetes Federation Congress Abstracts, Diabetologia Supplement (1997); Irwin et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94; 7915 (1997); Mojsov, Int. J. Peptide Protein Res. 40; 333 (1992)参照。 Goke & Byrne, Diabetic Medicine 13; 854 (1996).最近の出版物は、クロゴケグモGLP-1およびSer2 GLP-1を開示する。Holz & Hakner, Comp. Biochem. Physiol., Part B 121; 177 (1998) and Ritzel et al., J. Endocrinol 159; 93 (1998)参照。
【0040】
GLP-1受容体は、例えば、インスリン生産膵臓β-細胞上で見受けられる細胞表面蛋白質であり; GLP-1(7-36)受容体は当該分野で特徴付けられている。化学物質またはペプチドがGLP-1受容体に結合するまたはそれを活性化させるかを決定する方法は、当業者に知られている。
【0041】
GLP-1アゴニストの生物学的活性は、当業者によく知られているインビトロおよびインビボ動物モデルおよびヒト研究によって決定することができる。GLP-1生物学的活性は、標準的な方法によって、一般的に、例えばRINmSF細胞またはINS-1細胞のようなインスリノーマ細胞系統といった、その表面上にGLP-1受容体を発現する適当な細胞を提供することを含む受容体結合活性スクリーニング手順によって、決定することができる。Mojsov, Int. J. Peptide Protein Res. 40; 333 (1992)およびEP 0708179 A2参照。また、GLP-1受容体を発現するように作成された細胞を使用することもできる。ラジオイムノアッセイ方法を用いてトレーサーの膜への特異的な結合を測定することに加えて、cAMP活性またはグルコース依存性インスリン生産もまた測定できる。1つの方法において、GLP-1受容体をコードするポリヌクレオチドを使用して、細胞がGLP-1受容体蛋白質を発現するように該細胞をトランスフェクトする。すなわち、例えば、これらの方法は、そのような細胞をスクリーニングすべき化合物と接触させ、そのような化合物がシグナルを発生する(つまり、受容体を活性化させる)か否かを決定することによって、受容体アゴニストについてのスクリーニングで使用することができる。他のスクリーニング技術は、例えばトランスフェクトされたCHO細胞といったGLP-1受容体を発現する細胞の、受容体活性化によって引き起こされた細胞外pHまたはイオン変化を測定するシステムにおける使用を含む。例えば、潜在的なアゴニストは、GLP-1蛋白質受容体を発現する細胞と接触させてもよく、二次メッセンジャー応答(例えば、シグナル形質導入もしくはイオンまたはpH変化)を測定して、潜在的なアゴニストが効果的か否かを測定することができる。
【0042】
ポリクローナルおよびモノクローナル抗体を使用して、本明細書記載の方法において使用するために、GLP-1様ペプチドを検出、精製、および同定することができる。ABGA1178のような抗体は、無傷のGLP-1(1-37)またはN-末端が切形されたGLP-1(7-37)またはGLP-1(7-36)アミドを検出する。他の抗体は、前駆体分子のC-末端の端部を検出し、手順は、引き算によって、生物学的に活性な、切形されたペプチド(つまり、GLP-1(7-37)アミド)の量を計算することを可能にする。Orskov et al., Diabetes 42; 658 (1993); Orskov et al., J. Clin. Invest. 1991, 87; 415 (1991).
【0043】
本発明のGLP-1およびGLP-1アゴニストは、固体状態化学ペプチド合成によって作ることができるペプチドである。また、そのようなペプチドは、例えば、Sambrook & Maniatis, Molecular Cloning, A Laboratory Manualに記載の標準的な手順を用いる慣用的な組換え技術によって作成することができる。本明細書において使用されるように、「組換え」は、本明細書に記載のように、遺伝子が、GLP-1ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するように遺伝子的に修飾されている組換え(微生物または哺乳動物)発現システムから由来することを意味する。
【0044】
本発明のGLP-1およびGLP-1アゴニストは、天然に精製された生成物、または合成化学手順の生成物、あるいは原核宿主または真核宿主(例えば、培養液におけるまたはインビボの細菌、酵母、高等植物、昆虫、または哺乳類細胞)からの組換え技術によって生成されるペプチドである。組換え生成手順において使用される宿主に応じて、本発明のポリペプチドは、一般的に、非−グリコシル化されているか、グリコシル化されていてもよい。GLP-1ペプチドは硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマトグラフィーを含むが、これらに限定されるものではない方法によって、組換え細胞培養液から回収され精製され得る。高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)は、最終精製段階に使用することができる。
【0045】
エキセンディン
エキセンディン-4、39-アミノ酸ポリペプチドは、ドクトカゲ(Gila Monster)の唾液分泌から単離された天然に生じるペプチドである。エキセンディン-4の動物実験は、血中グルコースを低下させるその能力が、数時間、持続することを示している。ドクトカゲ(Gila Monster)の唾液分泌において生じるエキセンディン-4は、アミド化されたペプチドである。しかしながら、用語「エキセンディン」、および「エキセンディン-4」は、ペプチドのアミド化された形態およびペプチドの酸形態の両方を特異的に指すことは理解されるべきである。
【0046】
特定のエキセンディン配列を、表1において、GLP-1の配列と比較する。
【0047】
【表2】

【0048】
本明細書において記載されるように、エキセンディン-4の非臨床的薬理学が研究されてきた。脳において、エキセンディン-4は、主に、後脳の最後野および孤束核領域ならびに前頭の脳弓下器官に結合する。エキセンディン-4結合は、ラットおよびマウスの脳および腎臓において観察されている。腎臓においてエキセンディン-4が結合する構造は知られていない。
【0049】
様々な実験が、エキセンディン-4およびGLP-1の生物学的作用を比較し、エキセンディン-4に対する特性のより好都合なスペクトルを示している。エキセンディン-4の単一の皮下用量によって、db/db(糖尿病の)およびob/ob(糖尿病で肥満の)マウスにおける血漿グルコースが、最大40%低下した。Diabetic Fatty Zucker(ZDF)ラットにおいて、エキセンディン-4による5週間の治療は、HbA1c(血糖値を評価するのに使用されるグリコシル化ヘモグロビンの測定)を、最大41%低下させた。また、インスリン感受性は、肥満のZDFラットにおいて、5週間の治療後、76%改善された。また、グルコース不耐症の霊長類において、血漿グルコースにおける用量依存性の減少も観察された。
【0050】
また、エキセンディン-4のインスリントロピック作用が、齧歯類において観察され、絶食していないHarlan Sprague Dawley(HSD)ラットにおいて、100%以上、絶食していないdb/dbマウスにおいて、最大〜10倍、グルコースに対するインスリン応答を改善した。より高い前処理血漿グルコース濃度は、より大きいグルコース低下効果と関連付けられた。すなわち、観察されたエキセンディン-4のグルコース低下効果は、グルコース依存性、もし動物が既に正常血糖性であるならば、最小であるようである。
【0051】
エキセンディン-4用量は、HSDラットにおいて、胃内容排出を、用量依存的に遅くし、この作用について、GLP-1よりも、〜90倍より強力だった。また、エキセンディン-4は、末端投与に引き続いて、NIH/Sw(Swiss)マウスにおいて、食物摂取を減らすことを示し、それは、この作用については、GLP-1よりも少なくとも1000倍強力であった。エキセンディン-4は、高インスリン性、高血糖性固定状態の間、麻酔されたZDFラットにおいて、約40%だけ血漿グルカゴン濃度を下げたが、正常なラットにおいて、正常血糖状態の間、血漿グルカゴン濃度に影響しなかった。エキセンディン-4は、肥満のZDFラットにおいて、体重を、用量依存的に減少させることが示されたが、痩せたZDFラットにおいては、体重の観察された減少は一時的であるようである。
【0052】
エキセンディン-4の毒物学は、マウス、ラットおよびサルにおける単一用量試験、ラットおよびサルにおける反復用量(最大28の連続日用量)研究および変異原性および染色体改変のインビトロテストにおいて調べられている。現在のところ、死亡は起こっておらず、血液学、臨床化学、または全体的なまたは顕微鏡的な組織変化における治療関連の変化も見受けられていない。エキセンディン-4は、非変異原性であることを示し、試験された濃度(最大5000μg/mL)にて、染色体異常を引き起こさなかった。
【0053】
エキセンディン-4の非臨床的薬物動態学および代謝の調査に加えて、多数の免疫アッセイが開発されている。制限された感受性(〜100pM)を持つラジオイムノアッセイを、初期薬物動態学試験において使用した。引き続いて、エキセンディン-4に対する二部位IRMAアッセイを、15pMのより低い定量限界で、確認した。皮下に与えられたエキセンディン-4の生物学的利用能は、ラジオイムノアッセイを用いて、約50-80%であることが判明した。これは、腹腔内投与後に見られたものと同様であった(48-60%)。ピークの血漿濃度(Cmax)は、30および43分(Tmax)の間に起こった。CmaxおよびAUC値の両方は、単調に、用量に関連していた。皮下に与えられたエキセンディン-4の明白な最終半減期は、約90-110分であった。これは、静脈内用量後に見られる14-41分よりも有意に長かった。同様の結果を、IRMAアッセイを用いて入手した。GLP-1と比較したエキセンディン-4の分解試験は、エキセンディン-4が、比較的、分解に対して耐性があることを示す。
【0054】
本明細書において使用されるように、用語「エキセンディンアゴニスト」は、エキセンディンが、GLP-1(7-36)アミド受容体、およびその二次メッセンジャーカスケードのようなPCOSに対して、その効果を発揮する位置にて、受容体または複数の受容体に結合またはそれを活性化させるペプチド、ペプチドミメティクス、または他の化学化合物であるかに拘わらず、いずれの分子も含む。例えば、エキセンディンアゴニストは、インスリントロピック活性を有する分子およびGLP-1受容体分子およびとりわけインスリン生産β細胞に対するその二次メッセンジャー活性のアゴニスト(つまり、活性化する)であるものを含む。
【0055】
エキセンディンの構造活性相関(SAR)が、代謝に対する安定性、および物理的特徴の改良に関するエキセンディンの活性に関連し得る構造につき調査され、特にそれがペプチド安定性および代わりの送達系への服従に関係するため、様々なエキセンディンアゴニストペプチド化合物が発明されている。エキセンディンアゴニストは、1またはそれを超える天然に生じるアミノ酸が、もう1つの(複数の)アミノ酸によって挿入、排除または置換されるアゴニスト活性を有するエキセンディンアナログを含む。好ましいエキセンディンアナログは、エキセンディン-4のペプチドアナログである。
【0056】
エキセンディンアナログは、本明細書において定義されるように、アゴニスト活性を有する生物学的に活性なエキセンディンアナログを発現するポリヌクレオチドによってコードされたペプチドを含む。例えば、エキセンディンアナログは、エキセンディン-4と比較して、1またはそれを超えるアミノ酸置換、添加または欠失を含有するペプチドであってよい。1つの具体例において、置換、欠失、または添加の数は、30アミノ酸またはそれ未満、25アミノ酸またはそれ未満、20アミノ酸またはそれ未満、15アミノ酸またはそれ未満、10アミノ酸またはそれ未満、5アミノ酸またはそれ未満、あるいはこれらの量の間のいずれかの整数である。本発明の1つの態様において、置換は、1またはそれを超える保存的置換を含む。「保存的」置換は、もう1つの、生物学的に活性な同様の残基によるアミノ酸残基の置換を意味する。保存的置換の例は、イソロイシン、バリン、ロイシン、またはメチオニンのような1つの疎水性残基のもう一方への置換、あるいは、リシンへのアルギニンの、アスパラギン酸へのグルタミン酸の、アスパラギンへのグルタミンの置換等のような、1つの極性残基のもう一方への置換を含む。次の表は、説明的であるが、非限定的な、保存的アミノ酸置換をリストする。
【0057】
【表3】

さらに、エキセンディンアナログは、化学的に誘導体化または改変された上記のペプチド、例えば、非天然アミノ酸残基(例えば、タウリン、β-およびγ-アミノ酸残基およびD-アミノ酸残基)を有する、アミド、エステル、およびC-末端ケトン修飾のようなC-末端官能基修飾、およびアシル化アミン、シッフ塩基のようなN-末端官能基修飾を有する、または例えばアミノ酸ピログルタミン酸で見出される環化を有するペプチドを含むと理解される。
【0058】
(1)配列番号:7および9に対して;および(2)その不完全な配列に対して50%以上の配列同一性、好ましくは90%以上の配列同一性を有するペプチド配列も、本発明に含まれる。本明細書において使用されるように、配列同一性とは、当該分野でよく知られた標準アルゴリズムを用いて、2つの分子の間でなされる比較を指す。本発明に関する配列同一性を計算する好ましいアルゴリズムは、配列番号:9[つまり、エキセンディン-4]を、参照配列として使用して、その長さにわたるホモログのパーセンテージ同一性を定義するSmith-Watermanアルゴリズムである。いくつかのパラメーター値が、他よりもより生物学的に現実的な結果を与えることが分かっているが、マッチ、ミスマッチ、および挿入または欠失に対するパラメーター値の選択は任意である。Smith-Watermanアルゴリズムに対するパラメーター値の1つの好ましい組は、マッチ残基に対して1およびミスマッチ残基(残基は単一のヌクレオチドまたは単一のアミノ酸のいずれかである)に対して-1/3の値を使用する「最大同様性セグメント」アプローチに記載されている。Waterman, Bull. Math. Biol. 46; 473 (1984).挿入および欠失(indels)、xは、xk = 1 + 1/3k[式中、kは所与のインサートまたは欠失における残基の数である]として重み付けされる。同文献。
【0059】
アゴニスト活性を有する新規のエキセンディンアナログは、1997年8月8日に出願された米国特許出願番号第60/055,404号の利益を主張する、1998年8月6日に出願された"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された共通して所有されたPCT出願番号第PCT/US98/16387号に記載されており、これらの両方は、本明細書において、援用される。
【0060】
アゴニスト活性を有する他の新規エキセンディンアナログは、1997年11月14日に出願された米国仮出願番号第60/065,442号の利益を主張する"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願された共通して所有されたPCT出願番号第PCT/US98/24210号に記載されており、これらの両方は、本明細書中に援用される。
【0061】
アゴニスト活性を有するさらなる他の新規エキセンディンアナログは、1997年11月14日に出願された米国仮出願番号第60/066,029号の利益を主張する"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願された共通して所有されたPCT出願番号第PCT/US98/24273号に記載されており、これらの両方は、本明細書中に援用される。
【0062】
アゴニスト活性を有するさらなる他のエキセンディンアナログは、1996年8月8日に出願された米国特許出願番号第08/694,954号の一部継続出願である、"Methods for Regulating Gastrointestinal Activity"と題された1997年8月8日に出願された共通して所有されたPCT出願番号第PCT/US97/14199号に記載されており、これらの両方は、本明細書中に援用される。
【0063】
アゴニスト活性を有するさらなる他のエキセンディンアナログは、1997年1月7日に出願された米国仮出願番号第60/034,90号に対して優先権を主張する、"Use of Exendins and Agonist Thereof for the Reduction of Food Intake"と題された1998年1月7日に出願された共通して所有されたPCT出願番号第PCT/US98/00449号に記載されており、これらの両方は、本明細書中に援用される。
【0064】
アゴニスト活性を有するさらなる他のエキセンディンアナログは、2000年1月10日に出願された米国仮出願番号第60/175,365号に対して優先権を主張する、"Use of Exendins and Agonist Thereof for Modulation of Triglyceride Levels and Treatment of Dyslipidemia"と題された2001年1月9日に出願された共通して所有されたPCT出願番号第PCT/US01/00719号に記載されており、これらの両方は本明細書中に援用される。
【0065】
アゴニスト活性を有するさらなる他のエキセンディンアナログは、1999年1月14日に出願された米国仮出願番号第60/116,380号に対して優先権を主張する、"Novel Exendin Agonist Formulations and Methods of Administration Thereof"と題された2000年1月14日に出願された共通して所有されたPCT出願番号第PCT/US00/00902号に記載されており、これらの両方は本明細書中に援用される。
【0066】
アゴニスト活性を有するさらなる他のエキセンディンアナログは、2002年5月28日に出願された米国出願番号第10/157,224号に対して優先権を主張する、"Novel Exendin Agonist Formulations and Methods of Administration Thereof"と題された2003年5月28日に出願された共通して所有されたPCT出願番号第PCT/US03/16699号に記載されており、これらの両方は本明細書中に援用される。
【0067】
アゴニスト活性を有するさらなる他のエキセンディンアナログは、1999年4月30日に出願された米国仮出願番号第60/132,017号に対して優先権を主張する、"Methods of Glucagon Suppression"と題された2000年1月14日に出願された共通して所有されたPCT出願番号第PCT/US00/00942号に記載されており、これらの両方は本明細書中に援用される。
【0068】
アゴニスト活性を有するさらなる他のエキセンディンアナログは、1999年6月1日に出願された米国出願番号第09/323,867号に対して優先権を主張する、"Use of Exendins and Agonist Thereof for the Treatment of Gestational Diabetes Mellitus"と題された2000年5月23日に出願された共通して所有されたPCT出願番号第PCT/US00/14231号に記載されており、これらの両方は本明細書中に援用される。
【0069】
アゴニスト活性を有するさらなる他のエキセンディンアナログは、1998年2月13日に出願された米国仮出願番号第60/075,122号に対して優先権を主張する"Inotropic and Diuretic Effects of Exendin and GLP-1"と題された1999年2月5日に出願された共通して所有されたPCT出願番号第PCT/US99/02554に記載されており、これらの両方は本明細書中に援用される。
【0070】
アゴニスト活性を有するエキセンディンアゴニストおよびエキセンディンアナログとしての活性は、例えば、下記のアッセイにおける活性によって示すことができる。PCOSに対する複数のエキセンディンまたはエキセンディンアゴニストの効果は、本明細書に記載の方法、あるいは他の分野で知られるまたは同等のPCOSに対する効果を決定するための方法を用いて、同定、評価、またはスクリーニングすることができる。陰性受容体アッセイあるいはGLP-1受容体アッセイのようなエキセンディンアゴニスト化合物または候補エキセンディンアゴニスト化合物用のスクリーニング/上記のスクリーニング、アミリン受容体アッセイ/内容が本明細書中に援用される1993年11月23日に発行された米国特許第5,264,372号に記載のように、アミリン受容体調製物を用いるスクリーニング、1またはそれを超えるカルシトニン受容体アッセイ/例えば、アデニル・シクラーゼ活性の刺激に結合したカルシウム受容体を含有するT47DおよびMCF7乳癌細胞を用いるスクリーニング、および/またはCGRP受容体アッセイ/例えば、SK-N-MC細胞を用いるスクリーニング。
【0071】
アゴニスト活性を有する特定の好ましいエキセンディンアナログは:
エキセンディン-4 (1-30) [配列番号 14: His Gly Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Leu Ser Lys Gln Met Glu Glu Glu Ala Val Arg Leu Phe Ile Glu Trp Leu Lys Asn Gly Gly];
エキセンディン-4 (1-30)アミド[配列番号 15: His Gly Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Leu Ser Lys Gln Met Glu Glu Glu Ala Val Arg Leu Phe Ile Glu Trp Leu Lys Asn Gly Gly-NH2];
エキセンディン-4 (1-28)アミド [配列番号 16: His Gly Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Leu Ser Lys Gln Met Glu Glu Glu Ala Val Arg Leu Phe Ile Glu Trp Leu Lys Asn-NH2];
14Leu,25Phe エキセンディン-4アミド[配列番号 17: His Gly Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Leu Ser Lys Gln Leu Glu Glu Glu Ala Val Arg Leu Phe Ile Glu Phe Leu Lys Asn Gly Gly Pro Ser Ser Gly Ala Pro Pro Pro Ser-NH2];
14Leu,25Phe エキセンディン-4 (1-28) アミド [配列番号 18: His Gly Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Leu Ser Lys Gln Leu Glu Glu Glu Ala Val Arg Leu Phe Ile Glu Phe Leu Lys Asn- NH2]; および
14Leu,22Ala,25Phe エキセンディン-4 (1-28)アミド [配列番号 19: His Gly Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Leu Ser Lys Gln Leu Glu Glu Glu Ala Val Arg Leu Ala Ile Glu Phe Leu Lys Asn-NH2]を含む。
【0072】
また、式(I-VIII)の化合物の医薬上許容される塩ならびに該化合物およびその塩を含む医薬組成物も、本発明の範囲内に含まれる。
【0073】
式I
また、アゴニスト活性を有するエキセンディンアナログは、式(I)[配列番号 20]:
Xaa1 Xaa2 Xaa3 Gly Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10
Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Ala Xaa19 Xaa20
Xaa21 Xaa22 Xaa23 Xaa24 Xaa25 Xaa26 Xaa27 Xaa28-Z1;
[式中:
Xaa1は、His、ArgまたはTyrであり;
Xaa2は、Ser、Gly、AlaまたはThrであり;
Xaa3は、AspまたはGluであり;
Xaa5は、AlaまたはThrであり;
Xaa6は、Ala、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa7は、ThrまたはSerであり;
Xaa8は、Ala、SerまたはThrであり;
Xaa9は、AspまたはGluであり;
Xaa10は、Ala、Leu、Ile、Val、ペンチルグリシンまたはMetであり;
Xaa11は、AlaまたはSerであり;
Xaa12は、AlaまたはLysであり;
Xaa13は、AlaまたはGlnであり;
Xaa14は、Ala、Leu、Ile、ペンチルグリシン、ValまたはMetであり;
Xaa15は、AlaまたはGluであり;
Xaa16は、AlaまたはGluであり;
Xaa17は、AlaまたはGluであり;
Xaa19は、AlaまたはValであり;
Xaa20は、AlaまたはArgであり;
Xaa21は、AlaまたはLeuであり;
Xaa22は、Ala、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa23は、Ile、Val、Leu、ペンチルグリシン、tert-ブチルグリシンまたはMetであり;
Xaa24は、Ala、GluまたはAspであり;
Xaa25は、Ala、Trp、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa26は、AlaまたはLeuであり;
Xaa27は、AlaまたはLysであり;
Xaa28は、AlaまたはAsnであり;
Z1は-OH、
-NH2
Gly-Z2
Gly Gly-Z2
Gly Gly Xaa31-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37-Z2または
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38-Z2であり;
Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、3Hyp、4Hyp、チオプロリン、N-アルキルグリシン、N-アルキルペンチルグリシンまたはN-アルキルアラニンであり;ならびに
Z2は-OHまたは-NH2であり;
但し、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa8、Xaa10、Xaa11、Xaa12、Xaa13、Xaa14、Xaa15、Xaa16、Xaa17、 Xaa19、Xaa20、Xaa21、Xaa24、Xaa25、Xaa26、Xaa27およびXaa28のうちの3つ以内がAlaである]の化合物を含む米国仮出願番号第60/065,442号記載のものを含む。
【0074】
N-アルキルグリシン、N-アルキルペンチルグリシンおよびN-アルキルアラニンに対する好ましいN-アルキル基は、好ましくは1ないし約6の炭素原子、より好ましくは1ないし4の炭素原子の低級アルキル基を含む。
【0075】
好ましいエキセンディンアナログは、Xaa1がHisまたはTyrであるものを含む。より好ましくは、Xaa1がHisである。
【0076】
Xaa2がGlyである化合物が好ましい。
【0077】
Xaa14がLeu、ペンチルグリシンまたはMetである化合物が好ましい。
【0078】
好ましい化合物は、Xaa25がTrpまたはPheであるものである。
【0079】
好ましい化合物は、Xaa6がPheまたはナフチルアラニンであり;Xaa22がPheまらはナフチルアラニンであり、Xaa23がIleまたはValであるものである。
【0080】
Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38が、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンおよびN-アルキルアラニンから選択される化合物が好ましい。
【0081】
好ましくは、Z1は-NH2である。
【0082】
好ましくは、Z2は-NH2である。
【0083】
1つの態様によると、式(I)[式中:Xaa1は、HisまたはTyrであり、より好ましくはHisであり;Xaa2は、Glyであり;Xaa6は、Pheまたはナフチルアラニンであり; Xaa14は、Leu、ペンチルグリシンまたはMetであり;Xaa22は、Pheまたはナフチルアラニンであり;Xaa23は、IleまたはValであり;Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンまたはN-アルキルアラニンから選択される]の化合物が好ましい。より好ましくは、Z1は、-NH2である。
【0084】
特に好ましい態様によると、特に好ましい化合物は、式(I)[式中: Xaa1は、HisまたはArgであり; Xaa2は、GlyまたはAlaであり; Xaa3は、AspまたはGluであり; Xaa5は、AlaまたはThrであり; Xaa6は、Ala、 Pheまたはネフチルアラニンであり; Xaa7は、ThrまたはSerであり; Xaa8は、Ala、SerまたはThrであり; Xaa9は、AspまたはGluであり; Xaa10は、Ala、Leuまたはペンチルグリシンであり; Xaa11は、AlaまたはSerであり; Xaa12は、AlaまたはLysであり; Xaa13は、AlaまたはGlnであり; Xaa14は、Ala、Leuまたはペンチルグリシンであり; Xaa15は、AlaまたはGluであり; Xaa16は、AlaまたはGluであり; Xaa17は、AlaまたはGluであり; Xaa19は、AlaまたはValであり; Xaa20は、AlaまたはArgであり; Xaa21は、AlaまたはLeuであり; Xaa22は、Pheまたはナフチルアラニンであり; Xaa23は、Ile、Valまたはtert-ブチルグリシンであり; Xaa24は、Ala、GluまたはAspであり; Xaa25は、Ala、 TrpまたはPheであり; Xaa26は、AlaまたはLeuであり; Xaa27は、AlaまたはLysであり; Xaa28は、AlaまたはAsnであり; Z1は、-OH、-NH2、Gly-Z2、Gly Gly-Z2、Gly Gly Xaa31-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38-Z2であり; Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro ホモプロリン、チオプロリンまたはN-メチルアラニンであり;ならびにZ2は-OHまたは-NH2であり;但し、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa8、Xaa10、Xaa11、Xaa12、Xaa13、Xaa14、Xaa15、Xaa16、Xaa17、Xaa19、Xaa20、Xaa21、Xaa24、Xaa25、Xaa26、Xaa27およびXaa28のうちの3つ以内がAlaである]のものを含む。特に好ましい化合物は、"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/24210に記載され、その中で、化合物2-23として同定されたものを含む。
【0085】
特に好ましい態様によると、Xaa14が、Leu、Ile、Valまたはペンチルグリシン、より好ましくはLeuまたはペンチルグリシンであり、ならびにXaa25が、Phe、Tyrまたはナフチルアラニン、より好ましくはPheまたはナフチルアラニンである化合物が提供される。これらの化合物は、インビトロおよびインビボの両方において、ならびに化合物の合成の間、酸化的分解反応に対して感受性がより低くなるだろう。
【0086】
式II
また、アゴニスト活性を有するエキセンディンアナログは、式(II)[配列番号 21]:
Xaa1 Xaa2 Xaa3 Xaa4 Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10
Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Ala Xaa19 Xaa20
Xaa21 Xaa22 Xaa23 Xaa24 Xaa25 Xaa26 Xaa27 Xaa28-Z1;
[式中:
Xaa1は、His、Arg、Tyr、Ala、Norval、ValまたはNorleuであり;
Xaa2は、Ser、Gly、AlaまたはThrであり;
Xaa3は、Ala、AspまたはGluであり;
Xaa4は、Ala、Norval、Val、NorleuまたはGlyであり;
Xaa5は、AlaまたはThrであり;
Xaa6は、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa7は、ThrまたはSerであり;
Xaa8は、Ala、SerまたはThrであり;
Xaa9は、Ala、Norval、Val、Norleu、AspまたはGluであり;
Xaa10は、Ala、Leu、Ile、Val、ペンチルグリシンまたはMetであり;
Xaa11は、AlaまたはSerであり;
Xaa12は、AlaまたはLysであり;
Xaa13は、AlaまたはGlnであり;
Xaa14は、Ala、Leu、Ile、ペンチルグリシン、ValまたはMetであり;
Xaa15は、AlaまたはGluであり;
Xaa16は、AlaまたはGluであり;
Xaa17は、AlaまたはGluであり;
Xaa19は、AlaまたはValであり;
Xaa20は、AlaまたはArgであり;
Xaa21は、AlaまたはLeuであり;
Xaa22は、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa23は、Ile、Val、Leu、ペンチルグリシン、tert-ブチルグリシンまたはMetであり;
Xaa24は、Ala、GluまたはAspであり;
Xaa25は、Ala、Trp、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa26は、AlaまたはLeuであり;
Xaa27は、AlaまたはLysであり;
Xaa28は、AlaまたはAsnであり;
Z1は、-OH、
-NH2
Gly-Z2
Gly Gly-Z2
Gly Gly Xaa31-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38-Z2あるいは
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38 Xaa39-Z2であり;
Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、3Hyp、4Hyp、チオプロリン、N-アルキルグリシン、N-アルキルペンチルグリシンまたはN-アルキルアラニンから選択され;ならびに
Z2は、-OHまたは-NH2であり;
但し、Xaa3、Xaa4、Xaa5、Xaa6、Xaa8、Xaa9、Xaa10、Xaa11、Xaa12、Xaa13、Xaa14、Xaa15、Xaa16、Xaa17、Xaa19、Xaa20、Xaa21、Xaa24、Xaa25、Xaa26、Xaa27およびXaa28のうちの3つ以内がAlaであり;また、但し、もしXaa1が、His、ArgまたはTyrならば、Xaa3、Xaa4 and Xaa9のうちの少なくとも1つがAlaである]の化合物を含む米国仮出願番号第60/066,029号記載のものを含む。
【0087】
N-アルキルグリシン、N-アルキルペンチルグリシンおよびN-アルキルアラニンに対する好ましいN-アルキル基は、好ましくは1ないし約6の炭素原子、より好ましくは1ないし4の炭素原子を有する低級アルキル基を含む。式(II)の適した化合物は、実施例1-89(それぞれ"化合物1-89")において同定された、"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願された出願番号第PCT/US98/24273号に記載のもの、ならびに実施例104および105において同定された対応する化合物を含む。
【0088】
好ましいそのようなエキセンディンアナログは、Xaa1がHis、AlaまたはNorvalであるものを含む。より好ましくは、Xaa1はHisまたはAlaである。最も好ましくはXaa1はHisである。
【0089】
式(II)[式中:Xaa2は、Glyである]の化合物が好ましい。
【0090】
式(II)[式中:Xaa3は、Alaである]の化合物が好ましい。
【0091】
式(II)[式中:Xaa4は、Alaである]の化合物が好ましい。
【0092】
式(II)[式中:Xaa9は、Alaである]の化合物が好ましい。
【0093】
式(II)[式中:Xaa14は、Leu、ペンチルグリシンまたはMetである]の化合物が好ましい。
【0094】
式(II)の好ましい化合物は、Xaa25がTrpまたはPheであるものである。
【0095】
式(II)の好ましい化合物は、Xaa6がAla、Pheまたはナフチルアラニン; Xaa22がPheまたはナフチルアラニン; ならびにXaa23がIleまたはValであるものである。
【0096】
式(II)[式中、Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンおよびN-アルキルアラニンから選択される]の化合物が好ましい。
【0097】
好ましくは、Z1は-NH2である。
【0098】
好ましくは、Z2は-NH2である。
【0099】
1つの態様によると、式(II)[式中、Xaa1はAla、HisまたはTyr、より好ましくはAlaまたはHisであり; Xaa2はAlaまたはGlyであり; Xaa6はPheまたはナフチルアラニンであり; Xaa14はAla、Leu、ペンチルグリシンまたはMetであり; Xaa22はPheまたはナフチルアラニンであり; Xaa23はIleまたはValであり; Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンまたはN-アルキルアラニンから選択され; およびXaa39はSerまたはTyr、より好ましくはSerである]の化合物が好ましい。より好ましくは、 Z1は-NH2である。
【0100】
特に好ましい態様によると、特に好ましい化合物は、式(II)[式中:Xaa1はHisまたはAlaであり; Xaa2はGlyまたはAlaであり; Xaa3はAla、AspまたはGluであり; Xaa4はAlaまたはGlyであり; Xaa5はAlaまたはThrであり; Xaa6はPheまたはナフチルアラニンであり; Xaa7はThrまたはSerであり; Xaa8はAla、SerまたはThrであり; Xaa9はAla、AspまたはGluであり; Xaa10はAla、Leuまたはペンチルグリシンであり; Xaa11はAlaまたはSerであり; Xaa12はAlaまたはLysであり; Xaa13はAlaまたはGlnであり; Xaa14はAla、Leu、Metまたはペンチルグリシンであり; Xaa15はAlaまたはGluであり; Xaa16はAlaまたはGluであり; Xaa17はAlaまたはGluであり; Xaa19はAlaまたはValであり; Xaa20はAlaまたはArgであり; Xaa21はAlaまたはLeuであり; Xaa22はPheまたはナフチルアラニンであり; Xaa23はIle、Valまたはtert-ブチルグリシンであり; Xaa24はAla、GluまたはAspであり; Xaa25はAla、TrpまたはPheであり; Xaa26はAlaまたはLeuであり; Xaa27はAlaまたはLysであり; Xaa28はAlaまたはAsnであり; Z1は-OH、-NH2、Gly-Z2、Gly Gly-Z2、Gly Gly Xaa31-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38-Z2またはGly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38 Xaa39-Z2であり; Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro ホモプロリン、チオプロリンまたはN-メチルアラニンであり;ならびにZ2は、-OHまたは-NH2であり; 但し、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa8、Xaa10、Xaa11、Xaa12、Xaa13、Xaa14、Xaa15、Xaa16、Xaa17、Xaa19、Xaa20、Xaa21、Xaa24、Xaa25、Xaa26、Xaa27およびXaa28のうちの3つ以内がAlaであり; また、但し、もしXaa1がHis、ArgまたはTyrならば、Xaa3、Xaa4およびXaa9のうちの少なくとも1つはAlaである]のものを含む。式(II)の特に好ましい化合物は、配列番号5-93のアミノ酸配列を有する、"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願された出願番号第PCT/US98/24273号に記載のものを含む。
【0101】
特に好ましい態様によると、式(II)[式中、Xaa14はAla、Leu、Ile、Valまたはペンチルグリシンであり、より好ましくは、Leuまたはペンチルグリシンであり、ならびにXaa25はAla、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり、より好ましくは、Pheまたはナフチルアラニンである]の化合物が提供される。これらの化合物は、インビトロおよびインビボの両方、ならびに化合物の合成の間、酸化的分解反応に対してより感受性でなくなるだろう。
【0102】
式III
また、例えば、それぞれ28、29または30アミノ酸残基の長さを有するペプチドを含まない化合物の属概念といった、様々な長さのペプチドを有する化合物のより狭い属概念も、本発明の範囲内である。加えて、本発明は、例えば式(III)[配列番号 22]:
Xaa1 Xaa2 Xaa3 Gly Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10
Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Ala Xaa19
Xaa20 Xaa21 Xaa22 Xaa23 Xaa24 Xaa25 Xaa26 Xaa27 Xaa28-Z1;
[式中:
Xaa1は、HisまたはArgであり;
Xaa2は、GlyまたはAlaであり;
Xaa3は、AspまたはGluであり;
Xaa5は、AlaまたはThrであり;
Xaa6は、Ala、Pheまたはナフチルアラニンであり;
Xaa7は、ThrまたはSerであり;
Xaa8は、Ala、SerまたはThrであり;
Xaa9は、AspまたはGluであり;
Xaa10は、Ala、Leuまたはペンチルグリシンであり;
Xaa11は、AlaまたはSerであり;
Xaa12は、AlaまたはLysであり;
Xaa13は、AlaまたはGlnであり;
Xaa14は、Ala、Leuまたはペンチルグリシンであり;
Xaa15は、AlaまたはGluであり;
Xaa16は、AlaまたはGluであり;
Xaa17は、AlaまたはGluであり;
Xaa19は、AlaまたはValであり;
Xaa20は、AlaまたはArgであり;
Xaa21は、AlaまたはLeuであり;
Xaa22は、Pheまたはナフチルアラニンであり;
Xaa23は、Ile、Valまたはtert-ブチルグリシンであり;
Xaa24は、Ala、GluまたはAspであり;
Xaa25は、Ala、Trp、またはPheであり;
Xaa26は、AlaまたはLeuであり;
Xaa27は、AlaまたはLysであり;
Xaa28は、AlaまたはAsnであり;
Z1は、-OH、
-NH2
Gly-Z2
Gly Gly -Z2
Gly Gly Xaa31-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37-Z2または
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38-Z2であり;
Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンおよびN-メチルイルアラニンから選択され; ならびに
Z2は、-OHまたは-NH2であり;
但し、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa8、Xaa10、Xaa11、Xaa12、Xaa13、Xaa14、Xaa15、Xaa16、Xaa17、Xaa19、Xaa20、Xaa21、Xaa24、Xaa25、Xaa26、Xaa27およびXaa28のうち3つ以内はAlaである]の化合物;およびその医薬上許容される塩といった、特定のアミノ酸配列を有する"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/24210号に記載の化合物のより狭い属概念を含む。
【0103】
式IV
加えて、本発明は、例えば、式[IV][配列番号 23]:
Xaa1 Xaa2 Xaa3 Xaa5 Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10
Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Ala Xaa19
Xaa20 Xaa21 Xaa22 Xaa23 Xaa24 Xaa25 Xaa26 Xaa27 Xaa28-Z1;
[式中:
Xaa1は、HisまたはAlaであり;
Xaa2は、GlyまたはAlaであり;
Xaa3は、Ala、AspまたはGluであり;
Xaa4は、AlaまたはGlyであり;
Xaa5は、AlaまたはThrであり;
Xaa6は、Pheまたはナフチルアラニンであり;
Xaa7は、ThrまたはSerであり;
Xaa8は、Ala、SerまたはThrであり;
Xaa9は、Ala、AspまたはGluであり;
Xaa10は、Ala、Leuまたはペンチルグリシンであり;
Xaa11は、AlaまたはSerであり;
Xaa12は、AlaまたはLysであり;
Xaa13は、AlaまたはGlnであり;
Xaa14は、Ala、Leu、Metまたはペンチルグリシンであり;
Xaa15は、AlaまたはGluであり;
Xaa16は、AlaまたはGluであり;
Xaa17は、AlaまたはGluであり;
Xaa19は、AlaまたはValであり;
Xaa20は、AlaまたはArgであり;
Xaa21は、AlaまたはLeuであり;
Xaa22は、Pheまたはナフチルアラニンであり;
Xaa23は、Ile、Valまたはtert-ブチルグリシンであり;
Xaa24は、Ala、GluまたはAspであり;
Xaa25は、Ala、TrpまたはPheであり;
Xaa26は、AlaまたはLeuであり;
Xaa27は、AlaまたはLysであり;
Xaa28は、AlaまたはAsnであり;
Z1は、-OH、
-NH2
Gly-Z2
Gly Gly-Z2
Gly Gly Xaa31-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38 Ser-Z2であり;
Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリン、またはN-メチルイルアラニンであり;ならびに
Z2は、-OHまたは-NH2であり;
但し、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa8、Xaa10、Xaa11、Xaa12、Xaa13、Xaa14、Xaa15、Xaa16、Xaa17、Xaa19、Xaa20、Xaa21、Xaa24、Xaa25、Xaa26、Xaa27、およびXaa28のうちの3つ以内はAlaであり; ならびに、もしXaa1が、His、ArgまたはTyrならば、Xaa3、Xaa4およびXaa9のうちの少なくとも1つは、Alaである]の化合物;およびその医薬上許容される塩といった特定のアミノ酸配列を有する"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/24273号に記載のペプチド化合物のより狭い属概念を含む。
【0104】
式(IV)の好ましい化合物は、Xaa1がHis、Ala、Norvalまたは4-イミダゾプロピオニルであるものを含む。好ましくは、Xaa1がHis、または4-イミダゾプロピオニルまたはAla、より好ましくはHisまたは4-イミダゾプロピオニルである。
【0105】
式(IV)の好ましい化合物は、Xaa2がGlyであるものを含む。
【0106】
式(IV)の好ましい化合物は、Xaa4がAlaであるものを含む。
【0107】
式(IV)の好ましい化合物は、Xaa9がAlaであるものを含む。
【0108】
式(IV)の好ましい化合物は、Xaa14がLeu、ペンチルグリシンまたはMetであるものを含む。
【0109】
式(IV)の好ましい化合物は、Xaa25がTrpまたはPheであるものを含む。
【0110】
式(IV)の好ましい化合物は、Xaa6がAla、Pheまたはナフチルアラニンであり; Xaa22がPheまたはナフチルアラニンであり; ならびにXaa23がIleまたはValであるものを含む。
【0111】
式(IV)の好ましい化合物は、Z1が-NH2であるものを含む。
【0112】
式(IV)の好ましい化合物は、Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38が、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンおよびN-アルキルアラニンよりなる群から選択されるものを含む。
【0113】
式(IV)の好ましい化合物は、Xaa39がSerまたはTyr、好ましくはSerであるものを含む。
【0114】
式(IV)の好ましい化合物は、Z2が-NH2であるものを含む。
【0115】
式(IV)の好ましい化合物は、Z1が-NH2であるものを含む。
【0116】
式(IV)の好ましい化合物は、Xaa21がLys-NH□-R[式中、Rは、Lys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルである]であるものを含む。
【0117】
式(IV)の好ましい化合物は、X1がLys Asn、Lys-NHε-R Asn、またはLys-NHε-R Ala[式中、RはLys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルである]であるものを含む。式(IV)の好ましい化合物は、配列番号95-110から選択される"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/24273号記載のアミノ酸配列を有するものを含む。
【0118】
式V
また、式(V)[配列番号 24]:
Xaa1 Xaa2 Xaa3 Gly Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10
Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Ala Xaa19 Xaa20
Xaa21 Xaa22 Xaa23 Xaa24 Xaa25 Xaa26 X1 -Z1;
[式中、
Xaa1は、His、ArgまたはTyrまたは4-イミダゾプロピオニルであり;
Xaa2は、Ser、Gly、AlaまたはThrであり;
Xaa3は、AspまたはGluであり;
Xaa5は、AlaまたはThrであり;
Xaa6は、Ala、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa7は、ThrまたはSerであり;
Xaa8は、Ala、SerまたはThrであり;
Xaa9は、AspまたはGluであり;
Xaa10は、Ala、Leu、Ile、Val、ペンチルグリシンまたはMetであり;
Xaa11は、AlaまたはSerであり;
Xaa12は、AlaまたはLysであり;
Xaa13は、AlaまたはGlnであり;
Xaa14は、Ala、Leu、Ile、ペンチルグリシン、ValまたはMetであり;
Xaa15は、AlaまたはGluであり;
Xaa16は、AlaまたはGluであり;
Xaa17は、AlaまたはGluであり;
Xaa19は、AlaまたはValであり;
Xaa20は、AlaまたはArgであり;
Xaa21は、Ala、LeuまたはLys-NHε-R[式中、Rは、Lys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルまたはシクロアルキルアルカノイルである]であり;
Xaa22は、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa23は、Ile、Val、Leu、ペンチルグリシン、tert-ブチルグリシンまたはMetであり;
Xaa24は、Ala、GluまたはAspであり;
Xaa25は、Ala、Trp、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa26は、AlaまたはLeuであり;
X1は、Lys Asn、Asn Lys、Lys-NHε-R Asn、Asn Lys-NHε-R、Lys-NHε-R Ala、Ala Lys-NHε-R(式中Rは、Lys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルまたはシクロアルキルアルカノイルである)であり、
Z1は、-OH、
-NH2
Gly-Z2
Gly Gly-Z2
Gly Gly Xaa31-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37-Z2または
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38-Z2であり;
Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、3Hyp、4Hyp、チオプロリン、N-アルキルグリシン、N-アルキルペンチルグリシンおよびN-アルキルアラニンでありよりなる群から選択され; ならびに
Z2は、-OHまたは-NH2であり;
但し、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa8、Xaa10、Xaa11、Xaa12、Xaa13、Xaa14、Xaa15、Xaa16、Xaa17、Xaa19、Xaa20、Xaa21、Xaa24、Xaa25、およびXaa26の3つ以内はAlaである]の化合物を含む"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/24210号記載の化合物が提供される。また、該化合物およびその塩を含む式(V)の化合物の医薬上許容される塩および医薬組成物も本発明の範囲内である。
【0119】
式(V)の好ましいエキセンディンアナログは、Xaa1 がHis、Tyrまたは4-イミダゾプロピオニルであるものを含む。より好ましくは、Xaa1はHisである。
【0120】
式(V)[式中、Xaa1は4-イミダゾプロピオニルである]の化合物が好ましい。
【0121】
式(V)[式中、Xaa2はGlyである]の化合物が好ましい。
【0122】
式(V)の好ましい化合物は、Xaa14がLeu、ペンチルグリシンまたはMetであるものである。
【0123】
式(V)の好ましい化合物は、Xaa25がTrpまたはPheであるものである。
【0124】
1つの態様によると、式(V)[式中、Xaa6はPheまたはナフチルアラニンであり; およびXaa22はPheまたはナフチルアラニンであり; ならびにXaa23はIleまたはValである]の化合物が好ましい。より好ましくは、Z1 は-NH2である。1つの態様によると、式(V)[式中、Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンおよびN-アルキルアラニンよりなる群から選択される]のそのような化合物が特に好ましい。より好ましくは、Z2は-NH2である。
【0125】
式(V)の好ましい化合物は、X1がLys Asn、Lys-NHε-R Asn、またはLys-NHε-R Ala[式中、Rは、Lys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルである]であるものを含む。式(V)の好ましい化合物は、化合物番号62-69として同定された、"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/24210号記載の化合物を含む。
【0126】
好ましいそのようなエキセンディンアナログは、Xaa1がHis、AlaまたはNorvalであるものを含む。より好ましくは、Xaa1はHisまたはAlaである。最も好ましくは、Xaa1はHisである。
【0127】
式(V)[式中、Xaa2はGlyである]の化合物が好ましい。
【0128】
式(V)[式中、Xaa3はAlaである]の化合物が好ましい。
【0129】
式(V)[式中、Xaa4がAlaである]の化合物が好ましい。
【0130】
式(V)[式中、Xaa9がAlaである]の化合物が好ましい。
【0131】
式(V)[式中、Xaa14は、Leu、ペンチルグリシンまたはMetである]の化合物が好ましい。
【0132】
式(V)の好ましい化合物は、Xaa25がTrpまたはPheであるものである。
【0133】
式(V)の好ましい化合物は、Xaa6がAla, Pheまたはナフチルアラニンであり; Xaa22がPheまたはナフチルアラニンであり; ならびにXaa23がIleまたはValであるものである。
【0134】
式(V)[式中、Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンおよびN-アルキルアラニンから選択される]の化合物が好ましい。
【0135】
好ましくは、Z1は-NH2である。
【0136】
好ましくは、Z2は-NH2である。
【0137】
1つの態様によると、式(V)[式中、Xaa1はAla、HisまたはTyr、より好ましくはAlaまたはHisであり; Xaa2は、AlaまたはGlyであり; Xaa6は、Pheまたはナフチルアラニンであり; Xaa14は、Ala、Leu、ペンチルグリシンまたはMetであり; Xaa22は、Pheまたはナフチルアラニンであり; Xaa23は、IleまたはValであり; Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンまたはN-アルキルアラニンから選択され; ならびにXaa39は、SerまたはTyr、より好ましくはSerである]の化合物が好ましい。より好ましくは、Z1は、-NH2である。
【0138】
特に好ましい態様によると、特に好ましい化合物は、式(V)[式中: Xaa1は、HisまたはAlaであり; Xaa2は、GlyまたはAlaであり; Xaa3は、Ala、AspまたはGluであり; Xaa4は、AlaまたはGlyであり; Xaa5は、AlaまたはThrであり; Xaa6は、Pheまたはナフチルアラニンであり; Xaa7は、ThrまたはSerであり; Xaa8は、Ala、SerまたはThrであり; Xaa9は、Ala、AspまたはGluであり; Xaa10は、Ala、Leuまたはペンチルグリシンであり; Xaa11は、AlaまたはSerであり; Xaa12は、AlaまたはLysであり; Xaa13は、AlaまたはGlnであり; Xaa14は、Ala、Leu、Metまたはペンチルグリシンであり; Xaa15は、AlaまたはGluであり; Xaa16は、AlaまたはGluであり; Xaa17は、AlaまたはGluであり; Xaa19は、AlaまたはValであり; Xaa20は、AlaまたはArgであり; Xaa21は、AlaまたはLeuであり; Xaa22は、Pheまたはナフチルアラニンであり; Xaa23は、Ile、Valまたはtert-ブチルグリシンであり; Xaa24は、Ala、GluまたはAspであり; Xaa25は、Ala、TrpまたはPheであり; Xaa26は、AlaまたはLeuであり; Xaa27は、AlaまたはLysであり; Xaa28は、AlaまたはAsnであり; Z1は、-OH、-NH2、Gly-Z2、Gly Gly-Z2、Gly Gly Xaa31-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37-Z2、Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38-Z2またはGly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38 Xaa39-Z2であり; Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro ホモプロリン、チオプロリンまたはN-メチルアラニンであり; ならびにZ2は、-OHまたは-NH2であり; 但し、Xaa3、Xaa5、Xaa6、Xaa8、Xaa10、Xaa11、Xaa12、Xaa13、Xaa14、Xaa15、Xaa16、Xaa17、Xaa19、Xaa20、Xaa21、Xaa24、Xaa25、Xaa26、Xaa27およびXaa28のうちの3つ以内はAlaであり; また、もしXaa1が、His、ArgまたはTyrならば、Xaa3、Xaa4およびXaa9のうちの少なくとも1つは、Alaである]のものを含む。式(V)の特に好ましい化合物は、配列番号5-93として同定されたアミノ酸配列を有する"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/24210号記載のものを含む。
【0139】
特に好ましい態様によると、式(V)[式中、Xaa14はAla、Leu、Ile、Valまたはペンチルグリシン、より好ましくはLeuまたはペンチルグリシンであり、Xaa25はAla、Phe、Tyrまたはナフチルアラニン、より好ましくはPheまたはナフチルアラニンである]の化合物が好ましい。これらの化合物は、インビトロおよびインビボの両方、ならびに化合物の合成の間、酸化的分解反応に対して、より感受性が低くなるだろう。
【0140】
式VI
また、式(VI)[配列番号 25]:
Xaa1 Xaa2 Xaa3 Xaa4 Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10
Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Ala Xaa19 Xaa20
Xaa21 Xaa22 Xaa23 Xaa24 Xaa25 Xaa26 X1-Z1;
[式中、
Xaa1は、His、Arg、Tyr、Ala、Norval、Val、Norleuまたは4-イミダゾプロピオニルであり;
Xaa2は、Ser、Gly、AlaまたはThrであり;
Xaa3は、Ala、AspまたはGluであり;
Xaa4は、Ala、Norval、Val、NorleuまたはGlyであり;
Xaa5は、AlaまたはThrであり;
Xaa6は、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa7は、ThrまたはSerであり;
Xaa8は、Ala、SerまたはThrであり;
Xaa9は、Ala、Norval、Val、Norleu、AspまたはGluであり;
Xaa10は、Ala、Leu、Ile、Val、ペンチルグリシンまたはMetであり;
Xaa11は、AlaまたはSerであり;
Xaa12は、AlaまたはLysであり;
Xaa13は、AlaまたはGlnであり;
Xaa14は、Ala、Leu、Ile、ペンチルグリシン、ValまたはMetであり;
Xaa15は、AlaまたはGluであり;
Xaa16は、AlaまたはGluであり;
Xaa17は、AlaまたはGluであり;
Xaa19は、AlaまたはValであり;
Xaa20は、AlaまたはArgであり;
Xaa21は、Ala、LeuまたはLys-NHε-R(式中、Rは、Lys、Arg、C1-10直鎖または分岐アルカノイルまたはシクロアレイル-アルカノイルである)であり;
Xaa22は、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa23は、Ile、Val、Leu、ペンチルグリシン、tert-ブチルグリシンまたはMetであり;
Xaa24は、Ala、GluまたはAspであり;
Xaa25は、Ala、Trp、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa26は、AlaまたはLeuであり;
X1は、Lys Asn、Asn Lys、Lys-NHε-R Asn、Asn Lys-NHε-R、Lys-NHε-R Ala、Ala Lys-NHε-R、(式中、Rは、Lys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルまたはシクロアルキルアルカノイルである)
Z1は、-OH、
-NH2
Gly-Z2
Gly Gly-Z2
Gly Gly Xaa31-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37-Z2
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38-Z2または
Gly Gly Xaa31 Ser Ser Gly Ala Xaa36 Xaa37 Xaa38 Xaa39-Z2であり;
Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38は、独立して、Pro、ホモプロリン、3Hyp、4Hyp、チオプロリン、N-アルキルグリシン、N-アルキルペンチルグリシンおよびN-アルキルアラニンよりなる群から選択され; ならびに
Z2は、-OHまたは-NH2であり;
但し、Xaa3、Xaa4、Xaa5、Xaa6、Xaa8、Xaa9、Xaa10、Xaa11、Xaa12、Xaa13、Xaa14、Xaa15、Xaa16、Xaa17、 Xaa19、Xaa20、Xaa21、Xaa24、Xaa25、Xaa26、のうちの3つ以内はAlaであり; また、もしXaa1が、His、Arg、Tyr、または4-イミダゾプロピオニルならば、Xaa3、Xaa4およびXaa9のうちの少なくとも1つはAlaである]の化合物を含む"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/24273号記載のペプチド化合物も提供される。
【0141】
式(VI)の好ましい化合物は、Xaa1がHis、Ala、Norvalまたは4-イミダゾプロピオニルであるものを含む。好ましくは、Xaa1は、His、または4-イミダゾプロピオニルまたはAla、より好ましくは、Hisまたは4-イミダゾプロピオニルである。
【0142】
式(VI)の好ましい化合物は、Xaa2がGlyであるものを含む。
【0143】
式(VI)の好ましい化合物は、Xaa4がAlaであるものを含む。
【0144】
式(VI)の好ましい化合物は、Xaa9がAlaであるものを含む。
【0145】
式(VI)の好ましい化合物は、Xaa14がLeu、ペンチルグリシンまたはMetであるものを含む。
【0146】
式(VI)の好ましい化合物は、Xaa25がTrpまたはPheであるものを含む。
【0147】
式(VI)の好ましい化合物は、Xaa6がAla、Pheまたはナフチルアラニンであり; Xaa22がPhe or ナフチルアラニンであり; およびXaa23がIleまたはValであるものを含む。
【0148】
式(VI)の好ましい化合物は、Z1が-NH2であるものを含む。
【0149】
式(VI)の好ましい化合物は、Xaa31、Xaa36、Xaa37およびXaa38が、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンおよびN-アルキルアラニンよりなる群から選択されるものを含む。
【0150】
式(VI)の好ましい化合物は、Xaa39がSerまたはTyr、好ましくはSerであるものを含む。
【0151】
式(VI)の好ましい化合物は、Z2が-NH2であるものを含む。
【0152】
式(VI)の好ましい化合物は、Z1が-NH2であるものを含む。
【0153】
式(VI)の好ましい化合物は、Xaa21がLys-NHε-R[式中、RはLys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルである]であるものを含む。
【0154】
式(VI)の好ましい化合物は、X1がLys Asn、Lys-NHε-R Asn、またはLys-NHε-R Ala[式中、RはLys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルである]であるものを含む。
【0155】
式(VI)の好ましい化合物は、配列番号95-110として同定されたものから選択されるアミノ酸配列を有する"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年11月13日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/24273号記載のものを含む。
【0156】
式VII
本発明によると、特に有用な化合物は、式(VII)[配列番号 26]:
Xaa1 Xaa2 Xaa3 Gly Thr Xaa4 Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8
Ser Lys Gln Xaa9 Glu Glu Glu Ala Val Arg Leu
Xaa10 Xaa11 Xaa12 Xaa13 Leu Lys Asn Gly Gly Xaa14
Ser Ser Gly Ala Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18-Z
[式中:
Xaa1は、His、ArgまたはTyrであり;
Xaa2は、Ser、Gly、AlaまたはThrであり;
Xaa3は、AspまたはGluであり;
Xaa4は、Phe、Tyrまたはナフタラニンであり;
Xaa5は、ThrまたはSerであり;
Xaa6は、SerまたはThrであり;
Xaa7は、AspまたはGluであり;
Xaa8は、Leu、Ile、Val、ペンチルグリシンまたはMetであり;
Xaa9は、Leu、Ile、ペンチルグリシン、ValまたはMetであり;
Xaa10は、Phe、Tyrまたはナフタラニンであり;
Xaa11は、Ile、Val、Leu、ペンチルグリシン、tert-ブチルグリシンまたはMetであり;
Xaa12は、GluまたはAspであり; Xaa13は、Trp、Phe、Tyr、またはナフチルアラニンであり;
Xaa14、Xaa15、Xaa16およびXaa17は、独立して、Pro、ホモプロリン、3Hyp、4Hyp、チオプロリン、N-アルキルグリシン、N-アルキルペンチルグリシンまたはN-アルキルアラニンであり;
Xaa18は、Ser、ThrまたはTyrであり; ならびにZは、-OHまたは-NH2であり;
但し、該化合物は配列番号7または9のいずれの式も有さない]の化合物を含む"Use of Exendins And Agonists Thereof For The Reduction of Food Intake"と題された1998年1月7日に出願された米国特許出願番号第09/003,869号に記載のアゴニスト活性を有するエキセンディンアナログである。N-アルキルグリシン、N-アルキルペンチルグリシンおよびN-アルキルアラニンに好ましいN-アルキル基は、好ましくは1ないし約6の炭素原子、より好ましくは1ないし4の炭素原子を有する低級アルキル基を含む。また、式(VII)の化合物の医薬上許容される塩も、本発明において有用である。
【0157】
好ましいエキセンディンアナログは、Xaa1がHisまたはTyrであるものを含む。より好ましくは、Xaa1はHisである。
【0158】
Xaa2がGlyである化合物が好ましい。
【0159】
Xaa9が、Leu、ペンチルグリシンまたはMetである化合物が好ましい。
【0160】
好ましい化合物は、Xaa13がTrpまたはPheであるものを含む。
【0161】
また、Xaa4がPheまたはナフタラニン; Xaa11がIlまたはValであり、Xaa14、Xaa15、Xaa16およびXaa17が、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンまたはN-アルキルアラニンから選択される化合物が好ましい。好ましくは、N-アルキルアラニンは、1ないし約6の炭素原子のN-アルキル基を有する。
【0162】
特に好ましい態様によると、Xaa15、Xaa16およびXaa17は同一のアミノ酸残基である。
【0163】
Xaa18がSerまたはTyr、より好ましくはSerである化合物が好ましい。
【0164】
好ましくは、Zは-NH2である。
【0165】
1つの態様によると、式(VII)[式中、Xaa1は、HisまたはTyr、より好ましくはHisであり; Xaa2は、Glyであり; Xaa4は、Pheまたはナフタラニンであり; Xaa9は、Leu、ペンチルグリシンまたはMetであり; Xaa10は、Pheまたはナフタラニンであり; Xaa11は、IleまたはValであり; Xaa14、Xaa15、Xaa16 およびXaa17は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンまたはN-アルキルアラニンから選択され; ならびにXaa18は、SerまたはTyr、より好ましくはSerである]の化合物が好ましい。より好ましくはZは、-NH2である。
【0166】
特に好ましい態様によると、特に好ましい化合物は、式(VII)[式中: Xaa1は、HisまたはArgであり; Xaa2は、Glyであり; Xaa3は、AspまたはGluであり; Xaa4は、Pheまたはナフチルアラニンであり; Xaa5は、ThrまたはSerであり; Xaa6は、SerまたはThrであり; Xaa7は、AspまたはGluであり; Xaa8は、Leuまたはペンチルグリシンであり; Xaa9は、Leuまたはペンチルグリシンであり; Xaa10は、Pheまたはナフチルアラニンであり; Xaa11は、Ile、Valまたはt-ブチルチルグリシンであり; Xaa12は、GluまたはAspであり; Xaa13は、TrpまたはPheであり; Xaa14、Xaa15、Xaa16、およびXaa17は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリン、またはN-メチルアラニンであり; Xaa18は、SerまたはTyrであり: ならびにZは、-OHまたは-NH2であり; 但し、該化合物は配列番号 7または9のいずれの式も有さない]のものを含む。より好ましくは、Zは、-NH2である。
【0167】
特に好ましい態様によると、Xaa9がLeu、Ile、Valまたはペンチルグリシン、より好ましくはLeuまたはペンチルグリシンであり、Xaa13がPhe、Tyrまたはナフチルアラニン、より好ましくはPheまたはナフチルアラニンである化合物が提供される。これらの化合物は、作用の有利な持続を呈し、インビトロおよびインビボの両方、ならびに化合物の合成の間、酸化的分解反応の影響を受けにくいと考えられている。
【0168】
式VIII
また、 式(VIII)[配列番号 27]:
Xaa1 Xaa2 Xaa3 Gly Thr Xaa4 Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8
Ser Lys Gln Xaa9 Glu Glu Glu Ala Val Arg Leu
Xaa10 Xaa11 Xaa12 Xaa13 Leu X1 Gly Gly Xaa14
Ser Ser Gly Ala Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18-Z
[式中:
Xaa1は、His、Arg、Tyrまたは4-イミダゾプロピオニルであり;
Xaa2は、Ser、Gly、AlaまたはThrであり;
Xaa3は、AspまたはGluであり;
Xaa4は、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa5は、ThrまたはSerであり;
Xaa6は、SerまたはThrであり;
Xaa7は、AspまたはGluであり;
Xaa8は、Leu、Ile、Val、ペンチルグリシンまたはMetであり;
Xaa9は、Leu、Ile、ペンチルグリシン、ValまたはMetであり;
Xaa10は、Phe、Tyrまたはナフチルアラニンであり;
Xaa11は、Ile、Val、Leu、ペンチルグリシン、tert-ブチルグリシンまたはMetであり;
Xaa12は、GluまたはAspであり;
Xaa13は、Trp、Phe、Tyr,またはナフチルアラニンであり; X1は、Lys Asn、Asn Lys、Lys-NHε-R Asn、Asn Lys-NHε-R(式中、Rは、Lys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルまたはシクロアルキルアルカノイルである)であり;
Xaa14、Xaa15、Xaa16およびXaa17は、独立して、Pro、ホモプロリン、3Hyp、4Hyp、チオプロリン、N-アルキルグリシン、N-アルキルペンチルグリシンまたはN-アルキルアラニンであり;
Xaa18は、Ser、ThrまたはTyrであり; Zは、-OHまたは-NH2であり;
但し、該化合物は配列番号 7または9いずれの式も有さない]の化合物を含む"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年8月6日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/16387号に記載の化合物も提供される。式(VIII)の適した化合物は、配列番号 37-40のアミノ酸配列を有する"Novel Exendin Agonist Compounds"と題された1998年8月6日に出願されたPCT出願番号第PCT/US98/16387号に記載の化合物を含む。
【0169】
式(VIII)の好ましいエキセンディンアナログは、Xaa1が、His、Tyrまたは4-イミダゾプロピオニルであるものを含む。より好ましくは、Xaa1はHisまたは4-イミダゾプロピオニルである。
【0170】
式(VIII)[式中、Xaa2はGlyである]の化合物が好ましい。
【0171】
式(VIII)[式中、Xaa9はLeu、ペンチルグリシンまたはMetである]の化合物が好ましい。
【0172】
式(VIII)[式中、Xaa13はTrpまたはPheである]の化合物が好ましい。
【0173】
式(VIII)[式中、X1は、Lys Asn、またはLys-NHε-R Asn(式中、Rは、Lys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルである)である]の化合物が好ましい。
【0174】
また、式(VIII)[式中、Xaa4はPheまたはナフチルアラニンであり; Xaa10はPheまたはナフチルアラニンであり; Xaa11はIleまたはValであり、Xaa14、Xaa15、Xaa16およびXaa17は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンまたはN-アルキルアラニンから選択される]の化合物が好ましい。特に好ましい態様によると、Xaa18はSerまたはTyrである。Xaa18がSerである化合物が好ましい。好ましくは、Zは-NH2である。
【0175】
1つの好ましい態様によると、式(VIII)[式中、Xaa4はPheまたはナフチルアラニンでありであり; Xaa10は、Pheまたはナフチルアラニンであり; Xaa11は、IleまたはVal、X1は、Lys Asn、またはLys-NHε-R Asn(式中、Rは、Lys、Arg、C1-C10直鎖または分岐アルカノイルである)であり、Xaa14、Xaa15、Xaa16 およびXaa17は、独立して、Pro、ホモプロリン、チオプロリンまたはN-アルキルアラニンから選択される]の化合物が好ましい。
【0176】
もう1つの具体例において、本発明のエキセンディンおよびエキセンディンアナログは、配列番号 7-13のペプチドを含まない。この具体例において、好ましいエキセンディンアナログは、式(I-VIII)のアナログを含むが、但し、該アナログは配列番号: 7-13のペプチドを含まない。
【0177】
本明細書に記載されるエキセンディンアナログのようなエキセンディンおよびエキセンディンアゴニストは、例えば、本明細書中に援用されるEng, et al., J. Biol. Chem. 265:2025962, 1990; およびEng, et al., J. Biol. Chem. 267:740205, 1992に記載のペプチド精製を介して調製することができるペプチドである。別法として、エキセンディンおよびエキセンディンアゴニストは、例えば、標準の固定相ペプチド合成技術および自動または半自動ペプチド合成器を用いる、本明細書中に援用されるRaufman, et al., J. Biol. Chem. 267:2143237, 1992)に記載のような、当業者に知られる方法によって調製することができるペプチドである。本発明の処方および用量の活性成分を構成する化合物は、標準の固定相ペプチド合成技術および好ましくは自動または半自動ペプチド合成器を用いて調製することができる。典型的には、そのような技術を用いて、α-N-カルバモイル保護アミノ酸および樹脂上の成長するペプチド鎖に付着したアミノ酸は、ジイソプロピルエチルアミンのような塩基の存在下のジシクロヘキシルカルボジイミドおよび1-ヒドロキシベンゾトリアゾールのような結合剤の存在下で、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリジノンまたは塩化メチレンといった不活性な溶媒中で、室温にてカップリングする。α-N-カルバモイル保護基は、トリフルオロ酢酸またはピペリジンのような試薬を用いて、得られたペプチド-樹脂から除去され、ペプチド鎖に付加されるべき次の所望のN-保護アミノ酸にてカップリング反応を繰り返す。適したN-保護基は、当該分野でよく知られており、t-ブチルオキシカルボニル(tBoc)およびフルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)が本明細書において好ましい。
【0178】
ペプチド合成器において使用される溶媒、アミノ酸誘導体および4-メチルベンズヒドリル-アミン樹脂は、Applied Biosystems Inc. (Foster City, CA)から購入できる。次の側鎖保護アミノ酸は、Applied Biosystems, Inc.から購入できる: BSD-112344.1-Arg(Pmc)、Boc-Thr(Bzl)、Fmoc-Thr(t-Bu)、Boc-Ser(Bzl)、Fmoc-Ser(t-Bu)、Boc-Tyr(BrZ)、Fmoc-Tyr(t-Bu)、Boc-Lys(Cl-Z)、Fmoc-Lys(Boc)、Boc-Glu(Bzl)、Fmoc-Glu(t-Bu)、Fmoc-His(Trt)、Fmoc-Asn(Trt)、およびFmoc-Gln(Trt)。Boc-His(BOM)は、Applied Biosystems, Inc.またはBachem Inc. (Torrance, CA)から購入できる。アニソール、ジメチルスルフィド、フェノール、エタンジチオール、およびチオアニソールは、Aldrich Chemical Company (Milwaukee, WI)から入手可能である。Air Products and Chemicals (Allentown, PA)は、HFを供給する。エチルエーテル、酢酸およびメタノールは、Fisher Scientific (Pittsburgh, PA)から購入できる。
【0179】
固定相ペプチド合成は、NMP/HOBt(Option 1)システムおよびtBocまたはFmoc化学(Applied Biosystems User's Manual for the ABI 430A Peptide Synthesizer, Version 1.3B July 1, 1988, section 6, pp. 49-70, Applied Biosystems, Inc., Foster City, CA 参照)を使用して、蓋をして、自動ペプチド合成器で実施することができる。Boc-ペプチド-樹脂は、HF (-50℃ないし0℃, 1時間)で開裂することができる。ペプチドは、交互に水および酢酸で樹脂から抽出し、濾液を凍結乾燥することができる。Fmoc-ペプチド樹脂は、標準方法 (Introduction to Cleavage Techniques, Applied Biosystems, Inc., 1990, pp. 6-12)によって、開裂することができる。また、ペプチドは、Advanced Chem Tech Synthesizer (Model MPS 350, Louisville, Kentucky)を用いて組み立てることができる。
【0180】
ペプチドは、Waters Delta Prep 3000システムを用いて、RP-HPLC (調製用および分析用)によって精製することができる。C4、C8またはC18調製カラム(10μ, 2.2 x 25 cm; Vydac, Hesperia, CA) を使用して、ペプチドを単離することができ、純度は、C4、C8またはC18分析カラム(5μ, 0.46 x 25 cm; Vydac)を用いて決定することができる。溶媒(A=0.1% TFA/水およびB=0.1% TFA/CH3CN)は、1.0ml/分の流量の分析カラムおよび15ml/分の調製カラムに送達することができる。アミノ酸分析は、Waters Pico Tagシステムで実施し、Maximaプログラムを用いて処理することができる。ペプチドは、気相酸加水分解(115℃, 20-24時間)によって、加水分解することができる。加水分解物は、誘導体化され、標準方法によって分析することができる (Cohen, et al., The Pico Tag Method: A Manual of Advanced Techniques for Amino Acid Analysis, pp. 11-52, Millipore Corporation, Milford, MA (1989))。高速原子衝撃分析を、M-Scan, Incorporated (West Chester, PA)によって実施することができる。質量較正は、ヨウ化セシウムまたはヨウ化セシウム/グリセロールを使用して行うことができる。質量検出の時間を用いる血漿脱離イオン化分析は、Applied Biosystems Bio-Ion 20質量分光計で行うことができる。エレクトロスプレー質量分光法は、VG-Trioマシンで実施することができる。
【0181】
エキセンディンおよびエキセンディンアゴニストは、組換えDNA技術、当該分野で現在知られている方法を用いて調製することもできるペプチドである。例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2d Ed., Cold Spring Harbor (1989)参照。別法として、そのような化合物は、均一相ペプチド合成方法によって調製することができる。本発明において有用な非-ペプチド化合物は、当該分野で知られる方法によって調製可能である。例えば、リン酸塩含有アミノ酸およびそのようなアミノ酸を含有するペプチドは、当該分野で知られる方法によって調製することができる。例えば、Bartlett and Landen, Biorg. Chem. 14:356-377 (1986)参照。
【0182】
本発明の方法
本発明の方法および組成物を使用して、PCOSを治療することができる。PCOS関連の症状の多くは、根底にあるインスリン耐性が原因である。PCOS関連の症状は、インスリン耐性、高インスリン血症、アンドロゲン過剰症、2型糖尿病、不規則な月経、無排卵および不妊症を含む。従って、本発明は、GLP-1を投与する工程を含むPCOSに苦しむ対象において、インスリン耐性を治療する方法を提供する。
【0183】
インスリン耐性は、異常なレセプター前駆体(例えば、異常なリガンドまたは競合)、受容体(例えば、異常な構造、リガンドの受容体への親和性、または受容体の数)、またはポストレセプター(例えば、異常なシグナリング)事象を含むいずれかの1またはそれを超える事象の結果であり得る。インスリン耐性は、当該分野で知られる多くの方法によって決定することができる。例えば、正常血糖性の高インスリン性のクランプ技術を使用して、インスリン耐性を診断することができる(Rao, G., Am. Fam. Physician (2001) 63:1159-63)。この技術は、グルコースも投与することによって、同時にグルコースを正常範囲内の前設定レベルに維持しつつ、インスリン用量を静脈内投与することを含む。平衡にて、特定の用量のインスリンの存在下での特定の組織によるグルコース摂取の量を計算することができる。インスリン耐性を検出するのに使用される他の方法は、インスリン抑制テスト、静脈内グルコース耐性テスト、およびモデル評価によるグルコースの持続注入を含む(Rao, G.,上)。
【0184】
もう1つの具体例において、本発明は、GLP-1、エキセンディン、またはこれらの化合物のアゴニストまたはアナログを投与する工程を含む、PCOSに苦しむ対象において、2型糖尿病の発病を予防する方法を提供する。2型糖尿病は、しばしば、インスリン耐性によって引き起こされる高インスリン血症の結果である。従って、これらの患者においてインスリン耐性を治療することは、2型糖尿病の発症を予防するだろう。2型糖尿病を診断する方法は、当該分野でよく知られている。
【0185】
さらにもう1つの具体例において、本発明は、GLP-1、エキセンディンまたはこれらの化合物のアゴニストまたはアナログを投与する工程を含む、PCOSに苦しむ対象において、定期的な月経を回復させ、定期的な排卵を回復させおよび/または受精能を回復させる方法を提供する。PCOS患者は、しばしば、高インスリン血症によって引き起こされると考えられているアンドロゲン過剰症を呈する。アンドロゲン過剰症は、卵胞退縮、無排卵、および不妊症を招く。従って、GLP-1、エキセンディンまたはこれらの化合物のアゴニストまたはアナログを投与することによって、インスリン耐性を減少させることで、高インスリン血症を改善し、それにより、規則的な月経、排卵、および/または受精能を回復させることができる。
【0186】
もう1つの具体例において、本発明は、GLP-1、エキセンディンまたはこれらの化合物のアゴニストまたはアナログを、排卵を誘発する薬物(クロミフェン、フォリスティン(follistim)、およびゴナール−F(GonalF))と一緒に、それを必要とする患者に、共投与することを特徴とする、PCOSを治療する方法を提供する。
【0187】
さらにもう1つの具体例において、本発明は、GLP-1、エキセンディンまたはこれらの化合物のアゴニストまたはアナログを、経口避妊薬(例えば、プロゲストゲンおよびエストロゲン)、スピロノラクトン、フルタミド(flutamide)、およびフィナステライド(finasteride)を含むが、これらに限定されるものではない抗アンドロゲン剤と一緒に、それを必要とする患者に、共投与することを特徴とするPCOSを治療する方法を提供する。
【0188】
さらにもう1つの具体例において、本発明は、GLP-1、エキセンディンまたはこれらの化合物のアゴニストまたはアナログを、メトフォルミン(metformin)、D−chiro−イノシトール(inositol)ジアゾキサイド(diazoxide)、およびPPAR阻害剤(例えば、トログリタゾン(troglitazone)(リズリン(Rizulin))、ロシグリタゾン(rosiglitazone)(アバンジア(Avandia))、およびピオグリタゾン(pioglitazone)(アクトス(Actos))を含むが、これらに限定されるものではないインスリン感性化剤と一緒に、それを必要とする患者に、共投与することを特徴とするPCOSを治療する方法を提供する。
【0189】
もう1つの具体例において、本発明は、GLP-1、エキセンディンまたはこれらの化合物のアゴニストまたはアナログを、グルコースと一緒に、それを必要とする患者に共投与することを特徴とするPCOSを治療する方法を提供する。より好ましい具体例において、グルコースは、静脈内投与される。
【0190】
本発明の化合物が、上記のように、併用療法で投与される時、それらは、順次にまたは同時に、患者に投与してよい。別法として、本発明の医薬組成物は上記のように、これらの化合物分子およびもう1つの剤のGLP-1、エキセンディン、またはアゴニストまたはアナログの組合せよりなってもよい。
【0191】
好ましい具体例において、PCOSに苦しむ対象は、例えばイヌ、ネコ、齧歯類といった哺乳動物である。より好ましい具体例において、PCOSに苦しむ対象は、ヒトである。
【0192】
医薬組成物
GLP-1、エキセンディン、およびこれらの化合物のアゴニストまたはアナログは、ヒトを含む対象に投与するための医薬組成物へと処方することができる。これらの医薬組成物は、好ましくは、PCOSに苦しむ対象において、例えばインスリン耐性を治療し、2型糖尿病を予防し、定期的な月経および/または不妊症を治療するのに有効な、GLP-1、エキセンディンまたはこれらの化合物のアゴニストまたはアナログ、および医薬上許容される担体の量を含む。
【0193】
これらの医薬組成物において有用な医薬上許容される担体は、例えば、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンのような血清蛋白質、リン酸塩のような緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、塩または硫酸プロタミンのような電解質、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド・シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂を含む。
【0194】
本発明の組成物は、非経口的に、経口的に、吸引スプレーによって、局所的に、直腸的に、経鼻的に、口腔的に、経膣的に、または移植された容器を介して投与することができる。本明細書で使用されるように、用語「非経口」は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液内、胸骨内、外皮内、肝臓内、病巣内および頭蓋内注射または注入技術を含む。好ましくは、該組成物は、徐放性処方の注入ポンプまたは皮下注射によって投与される。
【0195】
本発明の組成物の無菌注射用形態は、水性または油性懸濁液であってよい。これらの懸濁液は、適した分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて、当該分野で知られる技術によって処方することができる。また、無菌注射用調製物は、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液といった無毒の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌注射用溶液または懸濁液であってもよい。使用してもよい許容可能なビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル溶液および生理食塩液がある。加えて、無菌の不揮発性油は、慣用的に、溶媒または懸濁媒体として使用される。この目的のため、合成モノ−またはジグリセリドを含むいずれのブランドの不揮発性油も使用できる。オレイン酸およびそのグリセリド誘導体のような脂肪酸は、オリーブ油またはヒマシ油のような天然の医薬上許容される油のように、注射剤の調製、特にそれらのポリオキシエチル化されたバージョンにおいて有用である。また、これらの油性溶液または懸濁液は、乳剤および懸濁剤を含む医薬上許容される用量形態の処方において一般的に使用されるカルボキシメチルセルロースまたは同様の分散剤のような、長鎖アルコール希釈剤または分散剤を含有し得る。Tweens、Spansおよび医薬上許容される固体、液体、他の乳化剤または他の用量形態の製造において一般的に使用される生物学的利用能エンハンサーのような、他の一般的に使用される界面活性剤も、処方の目的のために使用できる。
【0196】
非経口処方は、単一のボーラス用量、注入または負荷ボーラス用量、引き続いての維持用量とすることができる。これらの組成物は、1日に1回または「必要に応じて」投与され得る。
【0197】
本発明の医薬組成物は、カプセル剤、錠剤、水性懸濁液または溶液を含む、いずれの経口的に許容される用量形態で経口的に投与することもできる。経口使用のための錠剤の場合、一般的に使用される担体は、ラクトースおよびコーンスターチを含む。ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤も、一般的に添加される。カプセル形態での経口投与に関しては、有用な希釈剤は、ラクトースおよび乾燥コーンスターチを含む。水性懸濁液が、経口使用のために必要である時、活性成分は、乳化剤および懸濁剤と組み合わされる。所望により、特定の甘味剤、フレーバー剤または着色剤を添加してもよい。
【0198】
別法として、本発明の医薬組成物は、直腸投与のために、坐剤の形態で投与することができる。これらは、該剤を、室温では固体であるが、直腸温度では液体で、従って、直腸で融けて、薬物を放出する適した刺激のない賦形剤と混合することによって調製できる。そのような物質は、カカオバター、ミツロウおよびポリエチレングリコールを含む。
【0199】
また、本発明の医薬組成物は、局所的に投与することもできる。局所適用は、直腸坐剤処方(上記参照)または適した浣腸処方で実行することができる。
【0200】
局所適用のために、医薬組成物は、1またはそれを超える担体中で懸濁されたまたは溶解された活性成分を含有する適した軟膏において処方することができる。本発明の化合物の局所適用のための担体は、鉱油、流動ペテロラタム、白色ペテロラタム、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックスおよび水を含む。別法として、医薬組成物は、1またはそれを超える医薬上許容される担体中で懸濁または溶解された活性成分を含有する適したローションまたはクリームにおいて処方することができる。適した担体は、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2-オキシルドデカノール、、ベンジルアルコール、および水を含むが、これらに限定されるものではない。
【0201】
眼科使用に関して、医薬組成物は、塩化ベンザルコニウムのような保存料を含む、または含まない、等浸透圧の、pH-調整無菌生理食塩水中の微粉末化された懸濁液として、または、好ましくは等浸透圧の、pH-調整無菌生理食塩水として処方することができる。別法として、眼科使用のために、医薬組成物は、ペテロラタムのような軟膏中で処方されてもよい。
【0202】
また、本発明の医薬組成物は、鼻エアロゾルまたは吸引によって投与することもできる。そのような組成物は、医薬処方の分野でよく知られた技術によって調製され、生物学的利用能、フルオロカーボン、および/または他の慣用的溶解剤または分散剤を高めるために、ベンジルアルコールまたは他の適した保存剤、吸収プロモーターを使用して、生理食塩水中の溶液として調製することができる。
【0203】
担体材料と組み合わせて、単一用量形態を生産することができるGLP-1、エキセンディン、またはこれらの化合物のアゴニストまたはアナログの量は、治療される宿主および投与の特定のモードによって変動するだろう。該組成物は、GLP-1、エキセンディン、またはこれらの化合物のアゴニストまたはアナログの0.1-1000pmoles/kg 体重/分(注入によって投与時)の間の用量が、これらの組成物を受け取る患者に投与されるように処方することができる。本発明のいくつかの具体例において、用量は、1-10pmoles/kg 体重/分(注入による投与時)である。好ましい具体例において、静脈内注入による投与時、用量は、0.5-2.0pmoles/kg/分である。組成物は、単一用量、複数の用量、または注入の確立された期間にわたり投与され得る。
【0204】
好ましい具体例において、GLP-1、エキセンディン、またはこれらの化合物のアゴニストまたはアナログは、慢性の多嚢胞性卵巣症候群の患者に投与される。もう1つの好ましい具体例においてGLP-1、エキセンディン、またはこれらの化合物のアゴニストまたはアナログは、少なくとも1日に1回の注射によって、またはポンプを介する連続注入によって、投与される。さらにもう1つの好ましい具体例において、GLP-1、エキセンディン、またはこれらの化合物のアゴニストまたはアナログは、数日から数週間の期間にわたり、皮下沈着物からの投与、経口投与または間欠性吸引によって処方される。
【0205】
いずれの特定の患者のための特異的用量および治療計画は、特定のGLP-1、エキセンディン、またはこれらの化合物のアゴニストまたはアナログ、患者の年齢、体重、一般的健康、性別、および食事、および投与の時間、排泄の速度、薬物の組合せ、および治療されている特定の病気の重症度を含む様々な要因によって決定するだろう。医療介護人によるそのような要因の判断は、当該分野の通常の技術内である。また、GLP-1、エキセンディン、またはこれらの化合物のアゴニストまたはアナログの量も、治療される個々の患者、投与の経路、処方のタイプ、使用される化合物の特徴、病気の重症度、および所望の効果によって決まるだろう。GLP-1、エキセンディン、またはこれらの化合物のアゴニストまたはアナログの量は、当該分野でよく知られる薬理学的および薬物動態的原理によって決定することができる。
【0206】
本明細書において記載する発明が、より完全に理解できるように、次の実施例を記載する。これらの実施例は、説明的な目的のためだけのものであって、本発明を決して制限するように解釈されるべきでないことが、理解されるべきである。
【実施例】
【0207】
実施例
1.GLP-1によるPCOS患者の治療
PCOS患者は、女性のみである。典型的には、更年期前の女性は、不定期の月経、不妊症、体毛の過剰な成長、アクネおよび頭髪の喪失の病気を有する疾患を示す。更年期後の女性は、不定的な月経以外のこれらの病気の全てを有し得る。肥満、高血圧および糖尿病は、PCOSに一般に付随する障害である。
【0208】
PCOSの診断は、血清テストステロンのレベルおよび/または血清LH/FSHの比を測定することによって確認されるだろう。血清テストステロンの上昇したレベル(>60ng/ml)または異常な血清LH/FSH比(<2.5)は、PCOSの兆候である。
【0209】
慢性PCOS患者は、GLP-1で治療されるだろう。GLP-1は、1日に一度またはそれ以上の注射によって、あるいは一定量の薬物を送達するポンプを介する連続的注入によって投与されるだろう。別法として、GLP-1は、数日から数週間にわたる皮下沈着物からの、間欠性吸引または経口的な投与のために処方されるだろう。
【0210】
投与のモードに関係なく、PCOS患者の血液に送達されるGLP-1の総量は、720ないし2880ピコモル/kg/日の範囲内だろう。これは、静脈内注入による投与時の0.5-2.0pmoles/kg/分に同等である。
【0211】
GLP-1の効果は、月経の正常化、受精能の回復、過剰な体毛の喪失、アクネの解消および髪喪失の停止を含むがこれらに限定されるものではない主な病気の改善または好転を決定することによって確立されるだろう。血清テストステロンレベルおよびLH/FSH比を含むがこれらに限定されるものではないGLP-1効果の他の指標を使用してもよい。GLP-1効果は、血清テストステロンレベルの減少およびLH/FSH比の増加によって決定されるだろう。
【配列表】







【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号14−27記載の配列を有するエキセンディン、およびそのアゴニストおよびアナログよりなる群から選択される化合物を投与する工程を含み、対象がPCOSの少なくとも1つの症状を呈することを特徴とする、PCOSに苦しむ対象を治療する方法。
【請求項2】
該症状が、インスリン耐性、高インスリン血症、2型糖尿病、肥満、高血圧、高脂血症、無排卵または不規則な排卵、不妊症、アンドロゲン過剰症、多毛症、脱毛、アクネ、肥大した多濾胞性卵巣、異常な子宮出血、および自然流産よりなる群から選択される請求項1記載の方法。
【請求項3】
該対象がヒトである請求項1記載の方法。
【請求項4】
エキセンディン、またはそのアゴニストまたはアナログが、注入ポンプによって、または持続放出処方の皮下注射によって投与される請求項1記載の方法。
【請求項5】
エキセンディン、またはそのアゴニストまたはアナログが、排卵誘発剤、抗アンドロゲン剤、インスリン感性化剤およびグルコースよりなる群から選択される剤と投与される請求項1記載の方法。
【請求項6】
該排卵誘発剤が、クロミフェン、フォリスティン(follistim)、およびゴナール−F(Gonal-F)よりなる群から選択される請求項5記載の方法。
【請求項7】
抗アンドロゲン剤が、経口避妊薬、スピロノラクトン、フルタミド(flutamide)、およびフィナステライド(finasteride)よりなる群から選択される請求項5記載の方法。
【請求項8】
インスリン感性化剤が、メトフォルミン(metformin)、D−chiro−イノシトール(inositol)、ジアゾキサイド(diazoxide)、およびPPAR阻害剤(例えば、トログリタゾン(troglitazone)(リズリン(Rizulin))、ロシグリタゾン(rosiglitazone)(アバンジア(Avandia))、およびピオグリタゾン(pioglitazone)(アクトス(Actos))よりなる群から選択される請求項5記載の方法。
【請求項9】
グルコースが静脈内投与される請求項5記載の方法。
【請求項10】
エキセンディン、またはそのアゴニストまたはアナログが、順次にまたは同時にかのいずれかで投与される請求項5記載の方法。
【請求項11】
配列番号14−27記載の配列を有するエキセンディン、およびそのアゴニストおよびアナログよりなる群から選択される化合物を投与する工程を含む、PCOSに苦しむ対象において、インスリン耐性を減少させる方法。
【請求項12】
該対象がヒトである請求項11記載の方法。
【請求項13】
エキセンディン、またはそのアゴニストまたはアナログが、注入ポンプによって、または持続放出処方の皮下注射によって投与される請求項11記載の方法。
【請求項14】
エキセンディン、またはそのアゴニストまたはアナログが、排卵誘発剤、抗アンドロゲン剤、インスリン感性化剤およびグルコースよりなる群から選択される剤と投与される請求項11記載の方法。
【請求項15】
該排卵誘発剤が、クロミフェン、フォリスティン(follistim)、およびゴナール−F(Gonal-F)よりなる群から選択される請求項14記載の方法。
【請求項16】
抗アンドロゲン剤が、経口避妊薬、スピロノラクトン、フルタミド(flutamide)、およびフィナステライド(finasteride)よりなる群から選択される請求項14記載の方法。
【請求項17】
インスリン感性化剤が、メトフォルミン(metformin)、D−chiro−イノシトール(inositol)、ジアゾキサイド(diazoxide)、およびPPAR阻害剤(例えば、トログリタゾン(troglitazone)(リズリン(Rizulin))、ロシグリタゾン(rosiglitazone)(アバンジア(Avandia))、およびピオグリタゾン(pioglitazone)(アクトス(Actos))よりなる群から選択される請求項14記載の方法。
【請求項18】
グルコースが静脈内投与される請求項14記載の方法。
【請求項19】
エキセンディン、またはそのアゴニストまたはアナログが、順次にまたは同時にかのいずれかで投与される請求項14記載の方法。
【請求項20】
配列番号14−27記載の配列を有するエキセンディン、およびそのアゴニストおよびアナログよりなる群から選択される化合物を投与する工程を含む、PCOSに苦しむ対象において、2型糖尿病の発病を予防する方法。
【請求項21】
該対象がヒトである請求項20記載の方法。
【請求項22】
エキセンディン、またはそのアゴニストまたはアナログが、注入ポンプによって、または持続放出処方の皮下注射によって投与される請求項20記載の方法。
【請求項23】
エキセンディン、またはそのアゴニストまたはアナログが、排卵誘発剤、抗アンドロゲン剤、インスリン感性化剤およびグルコースよりなる群から選択される剤と投与される請求項20記載の方法。
【請求項24】
該排卵誘発剤が、クロミフェン、フォリスティン(follistim)、およびゴナール−F(Gonal-F)よりなる群から選択される請求項23記載の方法。
【請求項25】
抗アンドロゲン剤が、経口避妊薬、スピロノラクトン、フルタミド(flutamide)、およびフィナステライド(finasteride)よりなる群から選択される請求項23記載の方法。
【請求項26】
インスリン感性化剤が、メトフォルミン(metformin)、D−chiro−イノシトール(inositol)、ジアゾキサイド(diazoxide)、およびPPAR阻害剤(例えば、トログリタゾン(troglitazone)(リズリン(Rizulin))、ロシグリタゾン(rosiglitazone)(アバンジア(Avandia))、およびピオグリタゾン(pioglitazone)(アクトス(Actos))よりなる群から選択される請求項23記載の方法。
【請求項27】
グルコースが静脈内投与される請求項23記載の方法。
【請求項28】
エキセンディン、またはそのアゴニストまたはアナログが、順次にまたは同時にかのいずれかで投与される請求項23記載の方法。
【請求項29】
配列番号14−27記載の配列を有するエキセンディン、およびそのアゴニストおよびアナログよりなる群から選択される化合物を投与する工程を含む、PCOSに苦しむ対象において、規則的な月経を回復する方法。
【請求項30】
該対象がヒトである請求項29記載の方法。
【請求項31】
エキセンディン、またはそのアゴニストまたはアナログが、注入ポンプによって、または持続放出処方の皮下注射によって投与される請求項29記載の方法。
【請求項32】
エキセンディン、またはそのアゴニストまたはアナログが、排卵誘発剤、抗アンドロゲン剤、インスリン感性化剤およびグルコースよりなる群から選択される剤と投与される請求項29記載の方法。
【請求項33】
該排卵誘発剤が、クロミフェン、フォリスティン(follistim)、およびゴナール−F(Gonal-F)よりなる群から選択される請求項32記載の方法。
【請求項34】
抗アンドロゲン剤が、経口避妊薬、スピロノラクトン、フルタミド(flutamide)、およびフィナステライド(finasteride)よりなる群から選択される請求項32記載の方法。
【請求項35】
インスリン感性化剤が、メトフォルミン(metformin)、D−chiro−イノシトール(inositol)、ジアゾキサイド(diazoxide)、およびPPAR阻害剤(例えば、トログリタゾン(troglitazone)(リズリン(Rizulin))、ロシグリタゾン(rosiglitazone)(アバンジア(Avandia))、およびピオグリタゾン(pioglitazone)(アクトス(Actos))よりなる群から選択される請求項32記載の方法。
【請求項36】
グルコースが静脈内投与される請求項32記載の方法。
【請求項37】
エキセンディン、またはそのアゴニストまたはアナログが、順次にまたは同時にかのいずれかで投与される請求項32記載の方法。
【請求項38】
配列番号14−27記載の配列を有するエキセンディン、およびそのアゴニストおよびアナログよりなる群から選択される化合物を投与する工程を含む、PCOSに苦しむ対象において、規則的な排卵を回復する方法。
【請求項39】
該対象がヒトである請求項38記載の方法。
【請求項40】
エキセンディン、またはそのアゴニストまたはアナログが、注入ポンプによって、または持続放出処方の皮下注射によって投与される請求項38記載の方法。
【請求項41】
エキセンディン、またはそのアゴニストまたはアナログが、排卵誘発剤、抗アンドロゲン剤、インスリン感性化剤およびグルコースよりなる群から選択される剤と投与される請求項38記載の方法。
【請求項42】
該排卵誘発剤が、クロミフェン、フォリスティン(follistim)、およびゴナール−F(Gonal-F)よりなる群から選択される請求項41記載の方法。
【請求項43】
抗アンドロゲン剤が、経口避妊薬、スピロノラクトン、フルタミド(flutamide)、およびフィナステライド(finasteride)よりなる群から選択される請求項41記載の方法。
【請求項44】
インスリン感性化剤が、メトフォルミン(metformin)、D−chiro−イノシトール(inositol)、ジアゾキサイド(diazoxide)、およびPPAR阻害剤(例えば、トログリタゾン(troglitazone)(リズリン(Rizulin))、ロシグリタゾン(rosiglitazone)(アバンジア(Avandia))、およびピオグリタゾン(pioglitazone)(アクトス(Actos))よりなる群から選択される請求項41記載の方法。
【請求項45】
グルコースが静脈内投与される請求項41記載の方法。
【請求項46】
エキセンディン、またはそのアゴニストまたはアナログが、順次にまたは同時にかのいずれかで投与される請求項41記載の方法。
【請求項47】
配列番号14−27記載の配列を有するエキセンディン、およびそのアゴニストおよびアナログよりなる群から選択される化合物を投与する工程を含む、PCOSに苦しむ対象において、受精能を回復する方法。
【請求項48】
該対象がヒトである請求項47記載の方法。
【請求項49】
エキセンディン、またはそのアゴニストまたはアナログが、注入ポンプによって、または持続放出処方の皮下注射によって投与される請求項47記載の方法。
【請求項50】
エキセンディン、またはそのアゴニストまたはアナログが、排卵誘発剤、抗アンドロゲン剤、インスリン感性化剤およびグルコースよりなる群から選択される剤と投与される請求項47記載の方法。
【請求項51】
該排卵誘発剤が、クロミフェン、フォリスティン(follistim)、およびゴナール−F(Gonal-F)よりなる群から選択される請求項50記載の方法。
【請求項52】
抗アンドロゲン剤が、経口避妊薬、スピロノラクトン、フルタミド(flutamide)、およびフィナステライド(finasteride)よりなる群から選択される請求項50記載の方法。
【請求項53】
インスリン感性化剤が、メトフォルミン(metformin)、D−chiro−イノシトール(inositol)、ジアゾキサイド(diazoxide)、およびPPAR阻害剤(例えば、トログリタゾン(troglitazone)(リズリン(Rizulin))、ロシグリタゾン(rosiglitazone)(アバンジア(Avandia))、およびピオグリタゾン(pioglitazone)(アクトス(Actos))よりなる群から選択される請求項50記載の方法。
【請求項54】
グルコースが静脈内投与される請求項50記載の方法。
【請求項55】
エキセンディン、またはそのアゴニストまたはアナログが、順次にまたは同時にかのいずれかで投与される請求項50記載の方法。
【請求項56】
配列番号14−27記載の配列を有するエキセンディン、およびそのアゴニストおよびアナログよりなる群から選択される化合物を投与する工程を含む、PCOSに苦しむ対象において、自然流産を予防する方法。
【請求項57】
該対象がヒトである請求項56記載の方法。
【請求項58】
エキセンディン、またはそのアゴニストまたはアナログが、注入ポンプによって、または持続放出処方の皮下注射によって投与される請求項56記載の方法。
【請求項59】
エキセンディン、またはそのアゴニストまたはアナログが、排卵誘発剤、抗アンドロゲン剤、インスリン感性化剤およびグルコースよりなる群から選択される剤と投与される請求項56記載の方法。
【請求項60】
該排卵誘発剤が、クロミフェン、フォリスティン(follistim)、およびゴナール−F(Gonal-F)よりなる群から選択される請求項59記載の方法。
【請求項61】
抗アンドロゲン剤が、経口避妊薬、スピロノラクトン、フルタミド(flutamide)、およびフィナステライド(finasteride)よりなる群から選択される請求項59記載の方法。
【請求項62】
インスリン感性化剤が、メトフォルミン(metformin)、D−chiro−イノシトール(inositol)、ジアゾキサイド(diazoxide)、およびPPAR阻害剤(例えば、トログリタゾン(troglitazone)(リズリン(Rizulin))、ロシグリタゾン(rosiglitazone)(アバンジア(Avandia))、およびピオグリタゾン(pioglitazone)(アクトス(Actos))よりなる群から選択される請求項59記載の方法。
【請求項63】
グルコースが静脈内投与される請求項59記載の方法。
【請求項64】
エキセンディン、またはそのアゴニストまたはアナログが、順次にまたは同時にかのいずれかで投与される請求項59記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
GLP-1ペプチド、エキセンディン、およびそのアゴニスト活性を有するアゴニストおよびアナログよりなる群から選択される化合物を含み、但し、該化合物は配列番号:1-13のペプチドを含まないことを特徴とする多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を治療するための医薬組成物。
【請求項2】
GLP-1ペプチド、エキセンディン、およびそのアゴニスト活性を有するアゴニストおよびアナログよりなる群から選択される化合物を含み、但し、該化合物は配列番号:1-13のペプチドを含まないことを特徴とするPCOSを患っている対象においてインスリン抵抗性を減少させるための医薬組成物。
【請求項3】
GLP-1ペプチド、エキセンディン、およびそのアゴニスト活性を有するアゴニストおよびアナログよりなる群から選択される化合物を含み、但し、該化合物は配列番号:1-13のペプチドを含まないことを特徴とするPCOSを患っている対象において2型糖尿病の発症を予防するための医薬組成物であって、ここに該対象はPCOSの少なくとも1つの症状を呈する該医薬組成物。
【請求項4】
GLP-1ペプチド、エキセンディン、およびそのアゴニスト活性を有するアゴニストおよびアナログよりなる群から選択される化合物を含み、但し、該化合物は配列番号:1-13のペプチドを含まないことを特徴とするPCOSを患っている対象において規則的な生理を回復させるための医薬組成物であって、ここに該対象はPCOSの少なくとも1つの症状を呈する該医薬組成物。
【請求項5】
GLP-1ペプチド、エキセンディン、およびそのアゴニスト活性を有するアゴニストおよびアナログよりなる群から選択される化合物を含み、但し、該化合物は配列番号:1-13のペプチドを含まないことを特徴とするPCOSを患っている対象において規則的な排卵を回復させるための医薬組成物。
【請求項6】
GLP-1ペプチド、エキセンディン、およびそのアゴニスト活性を有するアゴニストおよびアナログよりなる群から選択される化合物を含み、但し、該化合物は配列番号:1-13のペプチドを含まないことを特徴とするPCOSを患っている対象において受精能を回復させるための医薬組成物。
【請求項7】
GLP-1ペプチド、エキセンディン、およびそのアゴニスト活性を有するアゴニストおよびアナログよりなる群から選択される化合物を含み、但し、該化合物は配列番号:1-13のペプチドを含まないことを特徴とするPCOSを患っている対象において自然流産を予防するための医薬組成物。
【請求項8】
該対象が、インスリン抵抗性、高インスリン血症、2型糖尿病、肥満、高血圧症、高脂血症、無排卵または不規則な排卵、不妊症、アンドロゲン過剰症、多毛症、脱毛症、にきび、肥大した多濾胞性卵巣、異常な子宮出血、および自然流産よりなる群から選択される少なくとも1つの症状を呈する請求項1記載の医薬組成物。
【請求項9】
該化合物が、配列番号:14-27よりなる群から選択される配列を有するアゴニスト活性を有するエキセンディンアナログである請求項1ないし7のいずれか1記載の医薬組成物。
【請求項10】
該化合物が、持続放出処方の注入ポンプによってまたは皮下注射によって投与される請求項1ないし7のいずれか1記載の医薬組成物。
【請求項11】
該化合物が、排卵誘発剤、抗アンドロゲン剤、インスリン感性化剤およびグルコースよりなる群から選択される剤と、順次にまたは同時にかのいずれかで投与される請求項1ないし7のいずれか1記載の医薬組成物。
【請求項12】
該排卵誘発剤が、クロミフェン、フォリスティン(follistim)、およびゴナール−F(Gonal-F)よりなる群から選択される請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
該抗アンドロゲン剤が、経口避妊薬、スピロノラクトン、フルタミド(flutamide)、およびフィナステライド(finasteride)よりなる群から選択される請求項11記載の医薬組成物。
【請求項14】
該インスリン感性化剤が、メトフォルミン(metformin)、D-chiro-イノシトール(inositol)、ジアゾキサイド(diazoxide)、およびPPAR阻害剤よりなる群から選択される請求項11記載の医薬組成物。
【請求項15】
グルコースが静脈内投与される請求項11記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2006−520747(P2006−520747A)
【公表日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−508433(P2005−508433)
【出願日】平成15年7月30日(2003.7.30)
【国際出願番号】PCT/US2003/023715
【国際公開番号】WO2004/052390
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(598133654)アミリン・ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド (38)
【氏名又は名称原語表記】AMYLIN PHARMACEUTICALS, INC.
【Fターム(参考)】