説明

多孔性反応射出成形ケミカルメカニカル研磨パッドを形成するための装置

【課題】ケミカルメカニカル研磨パッドを形成するための装置を得る。
【解決手段】装置は、ポリマー材料を有するタンク、微小球を有する貯蔵サイロ、イソシアネートを有するイソシアネート貯蔵タンク、及びポリマー材料と微小球との予備混合物を形成するためのプレミックス準備タンクを含む。さらに、予備混合物を貯蔵するためのプレミックス実行タンク、予備混合物とイソシアネートとの混合物を形成するためのミキサ、混合物を反応射出成形するための密閉された型、及びタンク、イソシアネート貯蔵タンク又は型の少なくとも一つを脱気するための真空を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケミカルメカニカルプラナリゼーションのための研磨パッドに関し、特に、反応射出成形法(RIM)によって形成される研磨パッドに関する。さらに、本発明は、RIM法によって多孔性研磨パッドを形成するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路及び他の電子素子の製造においては、導体、半導体及び絶縁材料の多数の層を半導体ウェーハの表面に付着させたり同表面から除去したりする。導体、半導体及び絶縁材料の薄い層は、多数の付着技術によって付着させることができる。最新の加工で一般的な付着技術としては、スパッタリングとも知られる物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD)、プラズマ化学蒸着法(PECVD)及び電気化学的めっき法(ECP)がある。
【0003】
材料層が順次付着され、除去されるにつれ、ウェーハの一番上の表面が非平坦になる。後続の半導体加工(たとえばメタライゼーション)はウェーハが平坦面を有することを要するため、ウェーハは平坦化されなければならない。望ましくない表面トポグラフィーならびに表面欠陥、たとえば粗面、凝集した材料、結晶格子の損傷、スクラッチ及び汚染された層又は材料を除去する際にはプラナリゼーションが有用である。
【0004】
ケミカルメカニカルプラナリゼーション又はケミカルメカニカルポリッシング(CMP)は、半導体ウェーハのような基材を平坦化するために使用される一般的な技術である。従来のCMPでは、ウェーハがキャリヤアセンブリに取り付けられ、CMP装置中で研磨パッドと接する状態に配置される。キャリヤアセンブリが制御可能な圧力をウェーハに供給して、ウェーハを研磨パッドに押し当てる。パッドは外部駆動力によってウェーハに対して動かされる(たとえば回転させられる)。それと同時に、化学組成物(「スラリー」)又は他の研磨溶液がウェーハと研磨パッドとの間に供給される。このようにして、ウェーハ表面は、パッド表面及びスラリーの化学的かつ機械的作用によって研磨され、平坦化される。
【0005】
Hishikiの米国特許第6,837,781号は、RIM法によって製造される当該技術で公知の研磨パッドを開示している。Hishikiの研磨パッドは、不活性ガスをポリウレタンの混合物中に溶解させて気孔を形成することによって形成される。残念ながら、Hishikiの研磨パッドは、気孔率における大きなばらつきを有し、ある研磨パッドと次の研磨パッドとで予測不能かつおそらくは有害な研磨性能を生じさせるおそれがある。たとえば、表2における例1及び2(11〜12列目を参照)は、それぞれ15μm及び3μmの平均セル直径を有する研磨パッドを提供している。さらには、表2における例3及び4は、それぞれ30μm及び150μmの平均セル直径を有する研磨パッドを提供している。換言するならば、これらの研磨パッドは、研磨性能に悪影響を及ぼすおそれのある、約80%までの気孔率のばらつきを有している。そのうえ、この気孔率のばらつきは、パッドそのもの中で研磨性能にマイナスの影響を及ぼすかもしれない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、要望されているものは、改善された研磨性能を有する、反応射出成形法によって製造された研磨パッドである。そのうえ、要望されているものは、改善された研磨性能を有する多孔性のRIM研磨パッドを形成するための装置及び効率的な方法である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様で、ケミカルメカニカル研磨パッドを形成するための装置であって、ポリマー材料を有するタンク、微小球を有する貯蔵サイロ、イソシアネートを有するイソシアネート貯蔵タンク、ポリマー材料と微小球との予備混合物を形成するためのプレミックス準備タンク、予備混合物を貯蔵するためのプレミックス実行タンク、予備混合物とイソシアネートとの混合物を形成するためのミキサ、混合物を反応射出成形するための密閉された型、及びタンク、イソシアネート貯蔵タンク又は型の少なくとも一つを脱気するための真空を含む装置が提供される。
【0008】
本発明の第二の態様で、ケミカルメカニカル研磨パッドを形成するための装置であって、第一のポリマー材料を有する第一のポリオール貯蔵タンク、微小球を有する貯蔵サイロ、イソシアネートを有するイソシアネート貯蔵タンク、第一のポリマー材料と微小球との予備混合物を形成するためのプレミックス準備タンク、予備混合物を貯蔵するためのプレミックス実行タンク、予備混合物とイソシアネートとの混合物を形成するためのミキサ、所望のかさ密度に達するまで第二のポリマー材料を混合物に供給するための、第二のポリマー材料を有する少なくとも第二のポリオール貯蔵タンク、混合物を反応射出成形するための密閉された型、及び第一及び第二のポリオール貯蔵タンク、イソシアネート貯蔵タンク又は型の少なくとも一つを脱気するための真空を含む装置が提供される。
【0009】
本発明の第三の態様で、ケミカルメカニカル研磨パッドを形成するための装置であって、ポリマー材料を有するポリオール貯蔵タンク、微小球を有する貯蔵サイロ、イソシアネートを有するイソシアネート貯蔵タンク、ポリマー材料と微小球との予備混合物を形成するためのプレミックス実行/準備タンク、予備混合物とイソシアネートとの混合物を形成するためのミキサ、混合物を反応射出成形するための密閉された型、及びポリオール貯蔵タンク、イソシアネート貯蔵タンク又は型の少なくとも一つを脱気するための真空を含む装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、反応射出成形研磨パッドを提供する。さらに、本発明は、多孔性の反応射出成形研磨パッドを形成するための新規なRIM装置及び方法を提供する。特に、本発明は、独特のプレミックス装置を使用して多孔性の反応射出成形研磨パッドを製造する。プレミックス装置は、微小球とポリマー材料(たとえばポリオール)とをプレミックスして均質な予備混合物を形成するための新規なプレミックス準備タンクを含む。プレミックス装置はさらに、機械的連行ガス又は溶存ガスを除去又は脱気するための真空を含む。加えて、新規な反応射出成形装置は、製造スケールの増大及びパッドタイプのバリエーションにおいて驚くべき融通性を提供する。換言するならば、新規な反応射出成形装置は、たとえば、本発明の研磨パッドを製造するための、連続的な反応射出成形及び種々のポリマー材料のほぼ際限のない組み合わせの使用を可能にする。
【0011】
まず図1を参照すると、本発明の研磨パッド1が示されている。研磨パッド1は、研磨層又はパッド4及び随意選択可能な下層又はパッド2を含む。下層2は、フェルト地のポリウレタン、たとえば米デラウェア州NewarkのRohm and Haas Electronic Materials CMP社(「RHEM」)製のSUBA-IV(商標)パッドでできていることができる。研磨パッド4は、ポリウレタンパッド、たとえばRHEM製のOXP4150(商標)パッドを含むことができる。場合によっては、研磨パッド4は、所望により、テキスチャーを施されていてもよい。感圧接着剤層6の薄い層が研磨パッド4と下層2とを合わせて保持することができる。接着剤6は、米ミネソタ州St, Paulの3M Innovative Properties社から市販されているものであってもよい。加えて、研磨パッド4は、終点検出を容易にするためにその中に設けられた透明な窓14を有してもよい。
【0012】
次に図2を参照すると、本発明の研磨パッド4を形成するためのプレミックス装置100が示されている。プレミックス装置100は、十分な量の微小球又は微小要素48を保持するサイズの充填材貯蔵サイロ1を含む。プレミックス装置100はさらに、プレミックス準備タンク10及び十分な量のポリマー材料52(たとえばポリオール)を保持するサイズの貯蔵タンク3を含む。加えて、プレミックス装置100は、有利には、プレミックス準備タンク10中の予備混合物51のかさ密度を制御するための再循環ループ16を含む。このプレミックス装置100は「1タンク」システムを参照して説明されるが、本発明がそのように限定されないことに注意されたい。たとえば、所望により、いかなる数の貯蔵サイロ1、ポリオール貯蔵タンク3及びプレミックス準備タンク10を本発明で使用してもよい。
【0013】
稼働中、所定の量のポリマー材料52がプレミックス準備タンク10に加えられる。プレミックス準備タンク10に加えられるポリマー材料52の量は、トータライザ(図示せず)を備えたマスフロー計量供給装置4によって制御することができる。プレミックス準備タンク10に加えられるポリオール52の量はまた、プレミックス準備タンク10に取り付けられたロードセルを使用することによって制御してもよい。
【0014】
ポリマー材料52がプレミックス準備タンク10に加えられたのち、攪拌機18がポリマー材料52を攪拌して、ポリマー材料52の、攪拌機18の軸に沿う上向きの軸方向流を提供して、その結果、材料52をプレミックス準備タンク10の内壁に沿って下向きに流れさせる。あるいはまた、所望により、ポリマー材料52を反対方向に流れさせてもよい。好ましくは、攪拌機は、1〜500rpmの速度で回転させる。より好ましくは、攪拌機は、1〜250rpmの速度で回転させる。もっとも好ましくは、攪拌機は、1〜50rpmの速度で回転させる。
【0015】
攪拌機18が起動すると、充填材貯蔵サイロ1中の微小球48をプレミックス準備タンク10に加えることができる。本発明の典型的な実施態様では、プレミックス準備タンク10に加えられる微小球48の量は、「減量」乾燥原料計量供給システム2によって実行することができる。乾燥原料計量供給システム2は、貯蔵サイロ1の中に含まれた微小球48を含めた、充填材貯蔵サイロ1の初期総重量を設定する。その後、プレミックス準備タンク10に加えられる微小球48の所定量が乾燥原料計量供給システム2にセットされる。すると、乾燥原料計量供給システム2は、充填材貯蔵サイロ1の重量変化が微小球48の所望の所定量に一致するまで、微小球48をプレミックス準備タンク10に加えることができる。
【0016】
適切な量の微小球48が量り分けられたのち、微小球48は、ポリマー材料52に加えられ、ブレンドされて、攪拌機18の攪拌によって支援されながら予備混合物51を形成する。有利には、ポリマー材料52の量に対する微小球48の量の比率は0〜50容量%である。より有利には、ポリマー材料52の量に対する微小球48の量の比率は0〜40容量%である。もっとも有利には、ポリマー材料52の量に対する微小球48の量の比率は0.1〜30容量%である。
【0017】
有利には、ひとたび微小球48がポリマー材料52にブレンドされると、予備混合物51を再循環ループ16で再循環させて、予備混合物51が本質的に均質なままであることを確実にする。再循環ループ16は、予備混合物51をプレミックス準備タンク10中でより均一に分散させるのに役立ち、密度層別化の危険性を減らす。換言するならば、再循環ループ16は、予備混合物51のかさ密度を制御又は安定化する効率的な方法を可能にしている。
【0018】
有利には、再循環ポンプ21がプレミックス準備タンク10から予備混合物51を抜き取り、その予備混合物51を方向制御弁22に通すと、この弁22が予備混合物51をプレミックス準備タンク10に戻す。再循環ポンプ21は、接触潤滑を要しないダイアフラム型、ぜん動型、サイン型、ピストン型、スクリュー型、プログレッシブキャビティ型、ローブ型又はギヤ型ポンプであることができる。予備混合物51のかさ密度は、重量計(図示せず)を併用しながら予備混合物51(容量比重量)を手作業で周期的にサンプリングすることによってモニタすることができる。
【0019】
場合によっては、インライン濃度計17を再循環ループ16中に設けて、予備混合物51の均質性(すなわち密度)をモニタしてもよい。有利には、インライン濃度計17は、予備混合物51の連続的なかさ密度を計測し、表示するための自動化方法を提供する。インライン濃度計17は、密度を計測し、計測値を表示することができる。インライン濃度計17は、たとえば、オーストリアGrazのAnton Paarから購入することができる。インライン濃度計17は、予備混合物51のかさ密度(ポリマー材料52に対する微小球48の比率)を計測する。かさ密度が所定の許容可能範囲外であるならば、インライン濃度計17を使用して微小球48又はポリマー材料52の添加をモニタして、予備混合物51のかさ密度を所望の範囲内に調節することができる。
【0020】
稼働中、インライン濃度計17は、方向制御弁22からの予備混合物51の進入かさ密度を計測する。計測されたかさ密度が許容可能な所定の公差内であるならば、予備混合物51は、方向制御弁22によって移送ライン20に送られて、さらなる処理に回される。計測されたかさ密度が高すぎるか低すぎるならば、予備混合物51は、方向制御弁22によって再循環ループ16に送られてプレミックス準備タンク10に戻され、移送ライン20には回されない。正確にいうなら、予備混合物51は再循環し続ける。所望により、濃度計17から得られる予備混合物51の密度計測値を使用して、さらなるポリオール52又は微小球48を供給する。予備混合物51は、プレミックス準備タンク10の底からの予備混合物51の排出を妨げないいかなるレベルでプレミックス準備タンク10に戻してもよいことに注意されたい。好ましくは、予備混合物51は、たとえば、予備混合物51をタンク10中の予備混合物51の貯蔵分の表面下に戻すことにより、又は予備混合物51をタンク10の内壁に沿って戻すことにより、予備混合物51に導入される連行ガスの量を減らすようなやり方で戻される。
【0021】
有利には、より正確なかさ密度計測値を得るため、プレミックス準備タンク10に真空供給源19を設けて、ポリマー材料52への微小球48の添加からの連行ガスを除去又は脱気してもよい。好ましくは、プレミックス準備タンク10は、1〜10torrの圧力で脱気する。より好ましくは、プレミックス準備タンク10は、1〜5torrの圧力で脱気する。もっとも好ましくは、プレミックス準備タンク10は、2torr未満の圧力で脱気する。加えて、プレミックス装置100はさらに、プレミックス準備タンク10が真空供給源19からの真空下にない場合、「ブランケット」不活性ガスを予備混合物51に供給するための不活性ガス供給源60を含むことができる。不活性ガスは、気孔を形成するために使用されるものではなく、むしろ、真空供給源19がオフであるとき気孔を減らすために使用されるということに注意されたい。
【0022】
好ましくは、ポリマー微小球48の少なくとも一部は一般に可撓性である。適当なポリマー微小球48としては、無機塩、糖及び水溶性粒子がある。このようなポリマー微小球48(又は微小要素)の例は、ポリビニルアルコール、ペクチン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシエーテルアクリライト、デンプン、マレイン酸コポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリウレタン、シクロデキストリン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン及びアクリロニトリルと塩化ビニリデンとのコポリマーならびにこれらの組み合わせを含む。微小球48を、たとえば分枝化、ブロッキング及び架橋によって化学的に改変して溶解度、膨潤度及び他の性質を変化させてもよい。好ましくは、微小球48は、150μm未満の平均直径を有し、より好ましくは、50μm未満の平均直径を有する。もっとも好ましくは、微小球48は、15μm未満の平均直径を有する。微小球の平均直径は異なってもよく、所望により、様々なサイズの微小球又は様々な微小球48の混合物をポリマー材料52に含浸してもよいことに注意されたい。微小球に好ましい材料は、ポリアクリロニトリルとポリ塩化ビニリデンとのコポリマー(たとえば、スウェーデンSundsvallのAkzo NobelのExpancel(商標))である。
【0023】
さらには、本発明の典型的な実施態様では、研磨パッド4のポリマー材料52は、ポリヒドロキシル含有材料から製造される。有利には、ヒドロキシル含有材料はポリオールである。典型的なポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ヒドロキシ終端化ポリブタジエン(部分的/完全に水素化された誘導体を含む)、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール及びこれらの混合物があるが、これらに限定されない。
【0024】
一つの好ましい実施態様では、ポリオールはポリエーテルポリオールを含む。例は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(「PTMEG」)、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。炭化水素鎖は、飽和又は不飽和結合を有することもできるし、置換又は非置換の芳香族及び環式基を有することもできる。好ましくは、本発明のポリオールとしてはPTMEGがある。適当なポリエステルポリオールとしては、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリブチレンアジペートグリコール、ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール、o−フタレート−1,6−ヘキサンジオール、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)グリコール及びこれらの混合物があるが、これらに限定されない。炭化水素鎖は、飽和又は不飽和結合を有することもできるし、置換又は非置換の芳香族及び環式基を有することもできる。適当なポリカプロラクトンポリオールとしては、1,6−ヘキサンジオール誘導ポリカプロラクトン、ジエチレングリコール誘導ポリカプロラクトン、トリメチロールプロパン誘導ポリカプロラクトン、ネオペンチルグリコール誘導ポリカプロラクトン、1,4−ブタンジオール誘導ポリカプロラクトン、PTMEG誘導ポリカプロラクトン及びこれらの混合物があるが、これらに限定されない。炭化水素鎖は、飽和又は不飽和結合を有することもできるし、置換又は非置換の芳香族及び環式基を有することもできる。適当なポリカーボネートとしては、ポリフタレートカーボネート及びポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコールがあるが、これらに限定されない。
【0025】
さらには、ポリマー材料52はポリジアミンである。好ましいポリジアミンとしては、ジエチルトルエンジアミン(「DETDA」)、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン及びその異性体、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン及びその異性体、たとえば3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、4,4′−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジフェニルメタン、1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン、4,4′−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)、4,4′−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(「MCDEA」)、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート、N,N′−ジアルキルジアミノジフェニルメタン、p,p′−メチレンジアニリン(「MDA」)、m−フェニレンジアミン(「MPDA」)、メチレン−ビス2−クロロアニリン(「MBOCA」)、4,4′−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)(「MOCA」)、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)(「MDEA」)、4,4′−メチレン−ビス−(2,3−ジクロロアニリン)(「MDCA」)、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジエチル−5,5′−ジメチルジフェニルメタン、2,2′,3,3′−テトラクロロジアミノジフェニルメタン、トリメチレングリコールジ−p−アミノベンゾエート及びこれらの混合物があるが、これらに限定されない。好ましくは、本発明のポリマー材料としては、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン及びその異性体がある。適当なポリアミンとしては、第一級及び第二級アミンの両方がある。また、上記ポリオールとポリジアミンとのブレンドを使用してもよい。
【0026】
場合によっては、他のポリマー材料、たとえばジオール、トリオール、テトラオール又はヒドロキシ終端化イソシアネートを前述のポリウレタン組成物に加えてもよい。適当なジオール、トリオール及びテトラオールの類は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、低分子量ポリテトラメチレンエーテルグリコール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン、1,3−ビス−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、レソルシノール−ジ−(β−ヒドロキシエチル)エーテル、ヒドロキノン−ジ−(β−ヒドロキシエチル)エーテル及びこれらの混合物を含む。好ましいヒドロキシ終端化イソシアネートとしては、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン、1,3−ビス−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン、1,4−ブタンジオール及びこれらの混合物がある。ヒドロキシ終端化及びアミンイソシアネートは、いずれも、1個以上の飽和、不飽和、芳香族及び環式基を含むことができる。さらには、ヒドロキシ終端化及びアミンイソシアネートは、1個以上のハロゲン基を含むことができる。ポリウレタン組成物は、イソシアネートのブレンド又は混合物で形成することができる。しかし、望むならば、ポリウレタン組成物は、1種のイソシアネートで形成することもできる。
【0027】
次いで、以下さらに論じるように、ポリマー材料(たとえばヒドロキシル含有材料)をポリイソシアネート(たとえばジイソシアネート)と反応させる。ポリイソシアネートは、脂肪族又は芳香族であることができる。好ましいポリイソシアネートとしては、メチレンビス4,4′−シクロヘキシルイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネート、ドデカン−1,12−ジイソシアネート、シクロブタン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイソシアネートのトリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート(TDI)、TDIプレポリマー、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、粗MDI、ポリマーMDI、ウレトジオン変性MDI、カルボジイミド変性MDI及びこれらの混合物があるが、これらに限定されない。好ましいポリイソシアネートは芳香族である。好ましい芳香族ポリイソシアネートは、14%未満の未反応のイソシアネート基を有する。
【0028】
場合によっては、触媒を使用して重合反応時間、特にゲル化時間及び離型時間を減らすこともできる。しかし、反応が速すぎるならば、型が完全に充填される前に材料が固化又はゲル化するおそれがある。ゲル化時間は、好ましくは0.5秒〜1時間、より好ましくは約1秒〜5分、さらに好ましくは10秒〜5分、なおさらに好ましくは30秒〜5分の範囲である。もっとも好ましい触媒は、第三級アミン、たとえばジアゾ−ビシクロオクタンを含む。他の有用な触媒としては、選択される具体的な化学反応に依存して、有機酸、有機金属化合物、第一級アミン及び第二級アミンがある。触媒は、二官能性、三官能性などであることができる。
【0029】
次に図3を参照すると、プレミックス装置100、プレミックス実行タンク15及びイソシアネート装置101を含む反応射出成形装置103が示されている。イソシアネート装置101はさらに、イソシアネート実行タンク12及びイソシアネート貯蔵タンク6を含む。この実施態様は、1個のプレミックス実行タンク15及び1個のイソシアネート装置101がある状態で示すが、所望により、いかなる数のプレミック実行タンク及びイソシアネートタンクを使用してもよいことに注意されたい。稼働中、ひとたび許容可能なかさ密度を有する均質なブレンドがプレミックス装置100中で調製されたならば、予備混合物51を移送ライン20を介してプレミックス実行タンク15に移すことができる。移送ライン20は、防錆金属、プラスチック又はポリマー材料を含むことができる。この移送は、移送ポンプ21を使用してプレミックス準備タンク10の底から予備混合物51を抜き取り、その予備混合物51を、移送ライン20に流れを切り替える方向制御弁22に通し、予備混合物をプレミックス実行タンク15に送ることによって達成される。有利には、ひとたび予備混合物51がプレミックス準備タンク10からプレミックス実行タンク15に移されたならば、プレミックス準備タンク10を新たなバッチの予備混合物51の調製に利用することができる。加えて、プレミックス実行タンク15に収容された予備混合物51を今や反応射出成形に利用することができる。図示するように、本発明の別個のプレミックス調製工程を有することにより、途切れのない反応射出成形法が可能である。
【0030】
反応射出成形の際、プレミックス実行タンク15からの予備混合物51及びイソシアネート実行タンク12からのイソシアネート53をミキサ13に計量供給し、その中で、個々の成分51、53をブレンドし、密閉された型14で直接成形する。そして、成形品を硬化させて本発明の研磨パッド4を形成する。有利には、型14には、機械的連行ガスを除去又は脱気するために真空19を加える。プレミックス実行タンク15及びイソシアネート実行タンク12はまた、プレミックス準備タンク10の攪拌機18に類似した攪拌機18を具備している。さらなるイソシアネート53が液面調節器7によってイソシアネート貯蔵タンク6から供給される。残留する成分51、53は、さらなる処理のために、方向制御弁22によって再循環ループ16を介してそれぞれのタンク15、12に戻すことができることに注意されたい。
【0031】
有利には、研磨パッド4のかさ密度は、2種の個別成分51、53の混合比によって直接制御される。プレミックス実行タンク15及びイソシアネート実行タンク12からの成分51、53の混合比は、送り出しライン55の中に収容された流量計8と連係する個々の計量供給ポンプ9によって制御される。
【0032】
したがって、本発明は、ケミカルメカニカル研磨パッドを形成するための装置であって、ポリマー材料を有するタンク、微小球を有する貯蔵サイロ、イソシアネートを有するイソシアネート貯蔵タンク、ポリマー材料と微小球との予備混合物を形成するためのプレミックス準備タンク、及び予備混合物を貯蔵するためのプレミックス実行タンクを含む装置を提供する。本発明はさらに、予備混合物とイソシアネートとの混合物を形成するためのミキサ、混合物を反応射出成形するための密閉された型、及びタンク、イソシアネート貯蔵タンク又は型の少なくとも一つを脱気するための真空を提供する。
【0033】
次に図4を参照すると、ポリオール装置104を含む反応射出成形装置105が示されている。ポリオール装置104はさらに、ポリオール実行タンク11及び二次ポリオール貯蔵タンク5を含む。この実施態様では、ポリオール実行タンク11は、反応射出成形型14中の成形品のかさ密度のさらなる融通性のある制御を可能にしている。たとえば、微小球48とポリオール57との最終かさ密度比は、ポリオール実行タンク11からミキサ13への非充填ポリオール57の添加ならびにプレミックス実行タンク15及びイソシアネート実行タンク12からの成分添加によって調節することができる。ミキサ13への非充填ポリオール57の添加は、流量計8及び計量供給ポンプ9によって調整される。ポリオール実行タンク11はまた、プレミックス準備タンク10の攪拌機18に類似した攪拌機18を具備している。ポリオール実行タンク11へのさらなるポリマー材料57が液面調節器7によって二次ポリオール貯蔵タンク5から供給される。1個のポリオール実行タンク11しか示されていないが、所望により、本発明は、いかなる数のさらなるポリオール実行タンクを用いて実施してもよいことに注意されたい。加えて、所望により、ポリオール57は、ポリオール52又は他のポリマー材料と同じであってもよい。残留する成分51、57、53は、さらなる処理のために、方向制御弁22によって再循環ループ16を介してそれぞれのタンク15、11、12に戻すことができることに注意されたい。
【0034】
反応射出成形の際、プレミックス実行タンク15からの予備混合物51、イソシアネート実行タンク12からのイソシアネート53及びポリオール実行タンク11からのポリオール57をミキサ13に計量供給し、その中で、個々の成分51、53及び57をブレンドし、型14に射出する。そして、成形品を硬化させて本発明の研磨パッド4を形成する。有利には、研磨パッド4のかさ密度は、3種の個別成分51、53及び57の混合比によって直接制御される。プレミックス実行タンク15、イソシアネート実行タンク12及びポリオール実行タンク11からの成分51、53及び57の混合比は、送り出しライン55の中に収容された流量計8と連係する個々の計量供給ポンプ9によって制御される。
【0035】
有利には、ポリオール実行タンク11及び型14には、機械的連行ガスを除去又は脱気するために真空19を加える。さらには、プレミックス実行タンク15及びイソシアネート実行タンク12にも真空19を加えてもよい。好ましくは、プレミックス準備タンク10は、1〜10torrの圧力で脱気する。より好ましくは、プレミックス準備タンク10は、1〜5torrの圧力で脱気する。もっとも好ましくは、プレミックス準備タンク10は、2torr未満の圧力で脱気する。
【0036】
したがって、本発明は、ケミカルメカニカル研磨パッドを形成するための装置であって、第一のポリマー材料を有する第一のポリオール貯蔵タンク、微小球を有する貯蔵サイロ、イソシアネートを有するイソシアネート貯蔵タンク、及び第一のポリマー材料と微小球との予備混合物を形成するためのプレミックス準備タンクを含む装置を提供する。本発明はさらに、予備混合物を貯蔵するためのプレミックス実行タンク、予備混合物とイソシアネートとの混合物を形成するためのミキサ、所望のかさ密度に達するまで第二のポリマー材料を混合物に供給するための、第二のポリマー材料を有する少なくとも第二のポリオール貯蔵タンク、混合物を反応射出成形するための密閉された型、及び第一及び第二のポリオール貯蔵タンク、イソシアネート貯蔵タンク又は型の少なくとも一つを脱気するための真空を提供する。
【0037】
次に図5を参照すると、プレミックス実行/準備装置106及びイソシアネート装置101を含む反応射出成形装置107が示されている。プレミックス実行/準備装置106はさらに、十分な量の微小球又は微小要素48を保持するサイズの充填材貯蔵サイロ1を含む。プレミックス実行/準備装置106はさらに、プレミックス実行/準備タンク59及び十分な量のポリマー材料52を保持するサイズのポリオール貯蔵タンク3を含む。加えて、プレミックス実行/準備装置106は、有利には、プレミックス実行/準備タンク59中の予備混合物51のかさ密度を制御するための再循環ループ16を含む。図2、3及び4の実施態様とは対照的に、図5(及び以下の図6)の実施態様は、プレミックス準備タンク及びプレミックス実行タンクを1個の実行/準備タンクとして提供することに注意されたい。換言するならば、図5(及び以下の図6)の実施態様は、プレミックス準備タンクとプレミックス実行タンクとの間の「移送工程」の必要性を除く。しかし、この実施態様は本発明の研磨パッドのバッチ反応射出成形を可能にしたものであるが、連続反応射出成形を可能にしたものではないことに注意されたい。
【0038】
稼働中、所定の量のポリマー材料52がプレミックス実行/準備タンク59に加えられる。プレミックス実行/準備タンク59に加えられるポリマー材料52の量は、マスフロー計量供給装置4によって制御することができる。プレミックス実行/準備タンク59に加えられるポリオール52の量はまた、プレミックス実行/準備タンク59に取り付けられたロードセルを使用することによって制御してもよい。
【0039】
ポリマー材料52がプレミックス実行/準備タンク59に加えられたのち、攪拌機18がポリマー材料52を攪拌して、ポリマー材料52の、攪拌機18の軸に沿う上向きの軸方向流を提供して、その結果、ポリマー材料52をプレミックス実行/準備タンク59の内壁に沿って下向きに流れさせる。好ましくは、攪拌機は、1〜500rpmの速度で回転させる。より好ましくは、攪拌機は、1〜250rpmの速度で回転させる。もっとも好ましくは、攪拌機は、1〜50rpmの速度で回転させる。
【0040】
攪拌機18が起動すると、充填材貯蔵サイロ1中の微小球48をプレミックス実行/準備タンク59に加えることができる。本発明の典型的な実施態様では、プレミックス実行/準備タンク59に加えられる微小球48の量は、「減量」乾燥原料計量供給システム2によって実行することができる。乾燥原料計量供給システム2は、貯蔵サイロ1の中に含まれた微小球48を含めた、充填材貯蔵サイロ1の初期総重量を設定する。その後、プレミックス準備タンク10に加えられる微小球48の所定量が乾燥原料計量供給システム2にセットされる。すると、乾燥原料計量供給システム2は、充填材貯蔵サイロ1の重量変化が微小球48の所望の所定量に一致するまで、微小球48をプレミックス準備タンク10に加えることができる。
【0041】
適切な量の微小球48が量り分けられたのち、微小球48は、ポリマー材料52に加えられ、ブレンドされて、攪拌機18の攪拌によって支援されながら予備混合物51を形成する。有利には、ポリマー材料52の量に対する微小球48の量の比率は0〜50容量%である。より有利には、ポリマー材料52の量に対する微小球48の量の比率は0〜40容量%である。もっとも有利には、ポリマー材料52の量に対する微小球48の量の比率は0.1〜30容量%である。
【0042】
有利には、ひとたび微小球48がポリマー材料52にブレンドされると、予備混合物51を再循環ループ16で再循環させて、予備混合物51が本質的に均質なままであることを確実にする。再循環ループ16は、予備混合物51をプレミックス実行/準備タンク59中でより均一に分散させるのに役立ち、密度層別化の危険性を減らす。換言するならば、再循環ループ16は、予備混合物51のかさ密度を制御する効率的な方法を可能にしている。予備混合物51のかさ密度は、重量計(図示せず)を併用しながら予備混合物51を手作業で周期的にサンプリングすることによってモニタすることができる。
【0043】
有利には、再循環ポンプ21がプレミックス実行/準備タンク59から予備混合物51を抜き取り、その予備混合物51を方向制御弁22に通すと、この弁22が予備混合物51をプレミックス実行/準備タンク59に戻す。再循環ポンプ21は、接触潤滑を要しないダイアフラム型、ぜん動型、サイン型又はローブ型ポンプであることができる。場合によっては、インライン濃度計17を再循環ループ16中に設けて、予備混合物51の均質性をモニタしてもよい。有利には、インライン濃度計17は、予備混合物51の連続的なかさ密度を計測するための自動化方法を提供する。インライン濃度計17は、密度を計測し、計測値を表示することができる。インライン濃度計17は、予備混合物51のかさ密度(ポリマー材料52に対する微小球48の比率)を計測する。かさ密度が所定の許容可能範囲外であるならば、インライン濃度計17を使用して微小球48又はポリマー材料52の添加をモニタして、予備混合物51のかさ密度を所望の範囲内に調節することができる。
【0044】
稼働中、インライン濃度計17は、方向制御弁22からの予備混合物51の進入かさ密度を計測する。計算されたかさ密度が許容可能な所定の公差内であるならば、計測された予備混合物51は、方向制御弁22によって送り出しライン55に送られる。計算されたかさ密度が高すぎるか低すぎるならば、計測された予備混合物51は、方向制御弁22によって再循環ループ16に送られてプレミックス実行/準備タンク59に戻されて再び攪拌される。換言するならば、かさ密度が高すぎるならば、さらなる攪拌が実施される。予備混合物51は、プレミックス実行/準備タンク59の底からの予備混合物51の排出を妨げないいかなるレベルでプレミックス実行/準備タンク59に戻してもよいことに注意されたい。
【0045】
有利には、より正確なかさ密度計測値を得るため、プレミックス実行/準備タンク59に真空19を加えて、ポリマー材料52への微小球48の添加からの連行ガスを除去又は脱気してもよい。好ましくは、プレミックス実行/準備タンク59は、1〜10torrの圧力で脱気する。より好ましくは、プレミックス準備タンク10は、1〜5torrの圧力で脱気する。もっとも好ましくは、プレミックス準備タンク10は、2torr未満の圧力で脱気する。
【0046】
なおも図5を参照すると、イソシアネート装置101はさらに、イソシアネート実行タンク12及びイソシアネート貯蔵タンク6を含む。この実施態様は、1個のイソシアネート装置101がある状態で示すが、所望により、いかなる数のイソシアネート装置を使用してもよいことに注意されたい。反応射出成形の際、プレミックス実行/準備タンク59からの予備混合物51及びイソシアネート実行タンク12からのイソシアネート53をミキサ13に計量供給し、その中で、個々の成分51、53をブレンドし、型14に直接成形する。そして、成形品を硬化させて本発明の研磨パッド4を形成する。有利には、型14には、機械的連行ガスを除去又は脱気するために真空19を加える。残留する成分51、53は、さらなる処理のために、方向制御弁22によって再循環ループ16を介してそれぞれのタンク59、12に戻すことができることに注意されたい。プレミックス実行/準備タンク59及びイソシアネート実行タンク12はまた、プレミックス準備タンク10の攪拌機18に類似した攪拌機18を具備している。さらなるイソシアネート53が液面調節器7によってイソシアネート貯蔵タンク6から供給される。有利には、研磨パッド4のかさ密度は、2種の個別成分51、53の混合比によって直接制御される。プレミックス実行/準備タンク59及びイソシアネート実行タンク12からの成分51、53の混合比は、再循環ポンプ21及び送り出しライン55の中に収容された流量計8と連係する計量供給ポンプによって制御される。
【0047】
次に図6を参照すると、二次ポリオール装置111を含む反応射出成形装置109が示されている。ポリオール装置111はさらに、二次ポリオール実行タンク11及び二次ポリオール貯蔵タンク5を含む。この実施態様では、ポリオール実行タンク11は、反応射出成形型14中の成形品のさらなる融通性のある制御を可能にしている。たとえば、微小球48とポリオール52との最終かさ密度比は、ポリオール実行タンク11からミキサ13への非充填ポリオール57の添加ならびにプレミックス実行/準備タンク59及びイソシアネート実行タンク12からの成分添加によって調節することができる。ミキサ13への非充填ポリオール57の添加は、流量計8及び計量供給ポンプ9によって調整される。ポリオール実行タンク11はまた、プレミックス準備タンク10の攪拌機18に類似した攪拌機18を具備している。ポリオール実行タンク11へのさらなるポリマー材料57の供給は二次ポリオール貯蔵タンク5から液面調節器7によって行われる。1個のポリオール実行タンク11しか示されていないが、本発明は、所望により、いかなる数のさらなるポリオール実行タンクを用いて実施してもよいことに注意されたい。加えて、所望により、ポリオール57は、ポリオール52又は他のポリマー材料と同じであってもよい。
【0048】
反応射出成形の際、プレミックス実行/準備タンク59からの予備混合物51、イソシアネート実行タンク12からのイソシアネート53及びポリオール実行タンク11からの非充填ポリオール57をミキサ13に計量供給し、その中で、個々の成分51、53及び57をブレンドし、型14中に直接成形する。そして、成形品を硬化させて本発明の研磨パッド4を形成する。有利には、研磨パッド4のかさ密度は、3種の個別成分51、53及び57の混合比によって直接制御される。プレミックス実行/準備タンク59、イソシアネート実行タンク12及びポリオール実行タンク11からの成分51、53及び57の混合比は、送り出しライン55の中に収容された流量計8と連係する個々の計量供給ポンプ9によって制御される。
【0049】
有利には、ポリオール実行タンク11及び型14には、機械的連行ガスを除去又は脱気するために真空19を加える。さらには、プレミックス実行/準備タンク59及びイソシアネート実行タンク12にも真空19を加える。好ましくは、プレミックス準備タンク10は、1〜10torrの圧力で脱気する。より好ましくは、プレミックス準備タンク10は、1〜5torrの圧力で脱気する。もっとも好ましくは、プレミックス準備タンク10は、2torr未満の圧力で脱気する。
【0050】
したがって、本発明は、ケミカルメカニカル研磨パッドを形成するための装置であって、ポリマー材料を有するポリオール貯蔵タンク、微小球を有する貯蔵サイロ、イソシアネートを有するイソシアネート貯蔵タンク、及びポリマー材料と微小球との予備混合物を形成するためのプレミックス実行/準備タンクを含む装置を提供する。加えて、装置はさらに、予備混合物とイソシアネートとの混合物を形成するためのミキサ、混合物を反応射出成形するための密閉された型、及びポリオール貯蔵タンク、イソシアネート貯蔵タンク又は型の少なくとも一つを脱気するための真空を含む。
【0051】
次に図7を参照すると、本発明の反応射出成形研磨パッドを使用するCMP装置73が示されている。装置73は、半導体ウェーハ83を研磨プラテン91に対して保持する又は押し当てるためのウェーハキャリヤ81を含む。研磨プラテン91は、本発明の反応射出成形研磨パッド4を含む積層研磨パッド1を具備している。先に論じたように、パッド1は、プラテン91の表面と対面する下層2と、ウェーハ83を研磨するために化学研磨スラリーとともに使用される研磨パッド4とを有する。図示しないが、研磨流体又はスラリーを供給するためのいかなる手段をもこの装置とともに使用することができることに注意されたい。プラテン91は通常、その中心軸79を中心に回転する。加えて、ウェーハキャリヤ81は通常、その中心軸75を中心に回転し、移動アーム77によってプラテン91の表面を移動する。図7には1個のウェーハキャリヤしか示されていないが、CMP装置は、研磨プラテンの周囲に円周方向に離間した2個以上のウェーハキャリヤを有してもよいことに注意されたい。加えて、透明な穴87がプラテン91に設けられ、パッド1の窓14に重なっている。したがって、透明な穴87は、ウェーハ83の研磨中に、正確な終点検出のために窓14を介してウェーハ83の表面へのアクセスを提供する。すなわち、レーザ分光光度計89がプラテン91の下方に設けられ、このレーザ分光光度計が、ウェーハ83の研磨中に、正確な終点検出のためにレーザビーム85を投射して透明な穴87及び窓14に通過させ、それらを通って跳ね返らせる。
【0052】
したがって、本発明は、ケミカルメカニカル研磨パッドを形成するための装置であって、ポリマー材料を有するポリオール貯蔵タンク、微小球を有する貯蔵サイロ、イソシアネートを有するイソシアネート貯蔵タンク、及びポリマー材料と微小球との予備混合物を形成するためのプレミックス実行/準備タンクを含む装置を提供する。本発明はさらに、予備混合物とイソシアネートとの混合物を形成するためのミキサ、混合物を反応射出成形するための密閉された型、及びポリオール貯蔵タンク、イソシアネート貯蔵タンク又は型の少なくとも一つを脱気するための真空を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の研磨パッドを示す。
【図2】本発明の研磨パッドを形成するための装置を示す。
【図3】本発明の研磨パッドを形成するための装置のもう一つの実施態様を示す。
【図4】本発明の研磨パッドを形成するための装置のもう一つの実施態様を示す。
【図5】本発明の研磨パッドを形成するための装置のもう一つの実施態様を示す。
【図6】本発明の研磨パッドを形成するための装置のもう一つの実施態様を示す。
【図7】本発明の研磨パッドを使用するCMPシステムを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケミカルメカニカル研磨パッドを形成するための装置であって、
ポリマー材料を有するタンク、
微小球を有する貯蔵サイロ、
イソシアネートを有するイソシアネート貯蔵タンク、
前記ポリマー材料と前記微小球との予備混合物を形成するためのプレミックス準備タンク、
前記予備混合物を貯蔵するためのプレミックス実行タンク、
前記予備混合物と前記イソシアネートとの混合物を形成するためのミキサ、
前記混合物を反応射出成形するための密閉された型、及び
前記タンク、イソシアネート貯蔵タンク又は型の少なくとも一つを脱気するための真空
を含む装置。
【請求項2】
所望のかさ密度に達するまで前記予備混合物を再循環させるための、前記プレミックス準備タンク中の再循環ループをさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記予備混合物の密度をモニタするための、前記再循環ループ中のインライン濃度計をさらに含む、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記プレミックス準備タンクの中で前記予備混合物を攪拌するための攪拌機をさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記予備混合物を再循環させるための、前記プレミックス実行タンク中の再循環ループをさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記イソシアネートを再循環させるための、前記イソシアネート貯蔵タンク中の再循環ループをさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記タンク、イソシアネート貯蔵タンク又は型の少なくとも一つが1〜10torrの圧力で脱気される、請求項1記載の装置。
【請求項8】
ケミカルメカニカル研磨パッドを形成するための装置であって、
第一のポリマー材料を有する第一のポリオール貯蔵タンク、
微小球を有する貯蔵サイロ、
イソシアネートを有するイソシアネート貯蔵タンク、
前記第一のポリマー材料と前記微小球との予備混合物を形成するためのプレミックス準備タンク、
前記予備混合物を貯蔵するためのプレミックス実行タンク、
前記予備混合物と前記イソシアネートとの混合物を形成するためのミキサ、
所望のかさ密度に達するまで第二のポリマー材料を前記混合物に供給するための、第二のポリマー材料を有する少なくとも第二のポリオール貯蔵タンク、
前記混合物を反応射出成形するための密閉された型、及び
前記第一及び第二のポリオール貯蔵タンク、イソシアネート貯蔵タンク又は型の少なくとも一つを脱気するための真空
を含む装置。
【請求項9】
ケミカルメカニカル研磨パッドを形成するための装置であって、
ポリマー材料を有するポリオール貯蔵タンク、
微小球を有する貯蔵サイロ、
イソシアネートを有するイソシアネート貯蔵タンク、
前記ポリマー材料と前記微小球との予備混合物を形成するためのプレミックス実行/準備タンク、
前記予備混合物と前記イソシアネートとの混合物を形成するためのミキサ、
前記混合物を反応射出成形するための密閉された型、及び
前記ポリオール貯蔵タンク、イソシアネート貯蔵タンク又は型の少なくとも一つを脱気するための真空
を含む装置。
【請求項10】
さらなるポリマー材料を前記混合物に供給するためのもう一つのポリオール貯蔵タンクをさらに含む、請求項9記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−291202(P2006−291202A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−104876(P2006−104876)
【出願日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(504089426)ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ シーエムピー ホウルディングス インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】