説明

多層プリント配線板及び多層金属張積層板

【課題】従来のエポキシ樹脂基板やポリイミド樹脂基板等と同様に加工することができ、高速信号の伝送損失を低減することができると共に、耐熱衝撃性を高めてスルーホールめっき等の断線を抑制することができる多層プリント配線板を提供する。
【解決手段】導体層1及び絶縁層2を交互に積層して形成された多層プリント配線板に関する。前記絶縁層2が、無機フィラーを含有する熱硬化性樹脂をガラスクロスに含浸して硬化させた熱硬化性樹脂層3と、液晶ポリマー樹脂層4とで形成されている。前記絶縁層2全体に対して前記液晶ポリマー樹脂層4が5〜80体積%を占めている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速信号を処理する電子機器に用いられる多層プリント配線板及び多層金属張積層板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ユビキタス社会の実現を目指し、情報伝達の高速化は継続して進展を続けている。高速信号を処理するプリント配線板としては、フッ素樹脂基板やポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂基板等が現在使用されている。このうちPPE樹脂基板の材料については、例えば、特表2006−516297号公報(特許文献1)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2006−516297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現状の最先端の高速信号を処理する電子機器用のプリント配線板としては、上述のようにフッ素樹脂基板やPPE樹脂基板が主流である。
【0005】
しかしながら、フッ素樹脂基板を製造するにあたっては、通常のエポキシ樹脂基板やポリイミド樹脂基板等と同様に加工することができず、特殊な加工工程が必要であるというコスト上の問題がある。また、フッ素樹脂基板は、熱膨張係数が大きく耐熱衝撃性が低いので、スルーホールめっき等の断線が発生しやすいという問題もある。
【0006】
一方、PPE樹脂基板を製造するにあたっては、通常のエポキシ樹脂基板やポリイミド樹脂基板等と同様に加工することはできるが、PPE樹脂基板は、フッ素樹脂基板に比べて高速信号の伝送特性に劣っているという問題がある。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、従来のエポキシ樹脂基板やポリイミド樹脂基板等と同様に加工することができ、高速信号の伝送損失を低減することができると共に、耐熱衝撃性を高めてスルーホールめっき等の断線を抑制することができる多層プリント配線板及び多層金属張積層板を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る多層プリント配線板は、導体層及び絶縁層を交互に積層して形成された多層プリント配線板において、前記絶縁層が、無機フィラーを含有する熱硬化性樹脂をガラスクロスに含浸して硬化させた熱硬化性樹脂層と、液晶ポリマー樹脂層とで形成されていると共に、前記絶縁層全体に対して前記液晶ポリマー樹脂層が5〜80体積%を占めていることを特徴とするものである。
【0009】
前記多層プリント配線板において、前記導体層の両側に前記液晶ポリマー樹脂層を積層して形成された三層構造を少なくとも1つ以上有していることが好ましい。
【0010】
前記多層プリント配線板において、前記熱硬化性樹脂がポリフェニレンエーテル樹脂を含有することが好ましい。
【0011】
本発明に係る多層金属張積層板は、導体層及び絶縁層を交互に積層し、一方又は両方の最外層に金属層を設けて形成された多層金属張積層板において、前記絶縁層が、無機フィラーを含有する熱硬化性樹脂をガラスクロスに含浸して硬化させた熱硬化性樹脂層と、液晶ポリマー樹脂層とで形成されていると共に、前記絶縁層全体に対して前記液晶ポリマー樹脂層が5〜80体積%を占めていることを特徴とするものである。
【0012】
前記多層金属張積層板において、前記導体層の両側に前記液晶ポリマー樹脂層を積層して形成された三層構造を少なくとも1つ以上有していることが好ましい。
【0013】
前記多層金属張積層板において、前記熱硬化性樹脂がポリフェニレンエーテル樹脂を含有することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、絶縁層が熱硬化性樹脂層と液晶ポリマー樹脂層とで形成されていることによって、従来のエポキシ樹脂基板やポリイミド樹脂基板等と同様に加工することができるものであり、また、絶縁層全体に対して液晶ポリマー樹脂層が5〜80体積%を占めていることによって、高速信号の伝送損失を低減することができるものであり、また、絶縁層の残りの部分がガラスクロスで強化され、かつ無機フィラーを含有する熱硬化性樹脂層で形成されていることによって、耐熱衝撃性を高めてスルーホールめっき等の断線を抑制することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】多層プリント配線板又は多層金属張積層板の一例を示す概略断面図である。
【図2】(a)〜(e)は絶縁層の複数の例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
本発明において多層プリント配線板(多層プリント回路板)は、例えば、図1に示すように導体層1及び絶縁層2を交互に積層し、一方又は両方の最外層に金属層5を設けて形成された多層金属張積層板を製造した後、最外層の金属層5を導体層1として形成することによって製造することができる。なお、実際の多層プリント配線板においては、導体層1は、信号層、電源層、グラウンド層等として各種の導体パターンを設けて形成されているが、図1では導体層1を簡略化して図示している。また、異なる導体層1同士を電気的に接続するためのスルーホールめっき等は図示省略している。
【0018】
まず多層金属張積層板について説明する。多層金属張積層板は、接着シート6、銅張積層板等の金属張積層板、銅箔等の金属箔を用いて製造することができる。
【0019】
接着シート6としては、プリプレグ及び接着フィルムのほか、これらを任意に積層して形成された複合シートを用いることができる。プリプレグは、無機フィラーを20〜60質量%含有する熱硬化性樹脂をガラスクロスに含浸して乾燥させることによって製造することができる。ここで、無機フィラーとしては、例えば、二酸化珪素等を用いることができる。また、熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂等を含有していてもよいが、伝送特性を重視すればポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂を含有することが好ましい。一方、接着フィルムは、液晶ポリマー(LCP)樹脂をフィルム状に成形することによって製造することができる。ここで、液晶ポリマー樹脂としては、例えば、エチレンテレフタレートとパラヒドロキシ安息香酸との重縮合体、フェノール及びフタル酸とパラヒドロキシ安息香酸との重縮合体、2,6−ヒドロキシナフトエ酸とパラヒドロキシ安息香酸との重縮合体等を用いることができる。
【0020】
接着シート6は、最終的には図2に示すような絶縁層2を形成するものである。すなわち、図2(a)は熱硬化性樹脂層3で形成された絶縁層2を示すものであり、この絶縁層2は、プリプレグを加熱硬化させて形成することができる。この場合、プリプレグは、1枚のみを用いたり、2枚以上重ねて用いたりすることができる。また、図2(b)は液晶ポリマー樹脂層4で形成された絶縁層2を示すものであり、この絶縁層2は、接着フィルムを加熱硬化させて形成することができる。この場合、接着フィルムは、1枚のみを用いたり、2枚以上重ねて用いたりすることができる。また、図2(c)は熱硬化性樹脂層3の両側に液晶ポリマー樹脂層4を積層して形成された絶縁層2を示すものであり、この絶縁層2は、プリプレグの両側に接着フィルムを積層して複合シートを形成し、これを加熱硬化させて形成することができる。また、図2(d)は液晶ポリマー樹脂層4の両側に熱硬化性樹脂層3を積層して形成された絶縁層2を示すものであり、この絶縁層2は、接着フィルムの両側にプリプレグを積層して複合シートを形成し、これを加熱硬化させて形成することができる。また、図2(e)は熱硬化性樹脂層3及び液晶ポリマー樹脂層4を積層して形成された絶縁層2を示すものであり、この絶縁層2は、プリプレグ及び接着フィルムを積層して複合シートを形成し、これを加熱硬化させて形成することができる。図2(c)〜図2(e)の場合、プリプレグや接着フィルムは、それぞれ1枚のみを用いたり、2枚以上重ねて用いたりすることができる。
【0021】
金属張積層板は、プリント配線板7に加工した後にコア材として用いられるものであり、接着シート6の片面又は両面に銅箔等の金属箔を重ねて加熱加圧成形することによって製造することができる。具体的には、図2(a)〜図2(e)に示す絶縁層2の片面又は両面に金属箔が貼着された金属張積層板を得ることができる。
【0022】
そして、多層金属張積層板は、次のようにして製造することができる。
【0023】
まず、金属張積層板の金属箔の不要部分をエッチングにより除去して導体層1を形成し、金属張積層板をプリント配線板7に加工する。このとき導体層1として、高速信号の伝送が必要な回路や伝送距離の長い回路を含むものを形成する場合には、この導体層1は、液晶ポリマー樹脂層4に接触して形成するのが好ましい。これにより、高速信号の伝送損失を低減することができるものである。また導体層1として、高速信号の伝送が不要な回路、つまりやや低速の信号の伝送回路や伝送距離の短い回路を含むものを形成する場合には、この導体層1は、熱硬化性樹脂層3に接触して形成するのが好ましい。これにより、耐熱衝撃性を高めてスルーホールめっき等の断線を抑制することができるものである。また、ほとんど伝送特性を必要としない層が存在する場合には、その層にエポキシ樹脂等の低コスト材料を用いてもよい。
【0024】
次に、プリント配線板7及び接着シート6を交互に積層し、一方又は両方の最も外側のプリント配線板7に接着シート6を介して、金属層5となる金属箔を重ね、これを加熱加圧成形することによって、図1に示すような多層金属張積層板を得ることができる。この場合、絶縁層2が熱硬化性樹脂層3と液晶ポリマー樹脂層4とで形成されるように、かつ絶縁層2全体に対して液晶ポリマー樹脂層4が5〜80体積%を占めるように、あらかじめ、使用するプリント配線板7及び接着シート6の種類を決め、これらの厚み及び使用枚数を調整しておく。またこの場合も、高速信号の伝送が必要な回路や伝送距離の長い回路を含む導体層1は、液晶ポリマー樹脂層4に接触させるようにするのが好ましい。これにより、高速信号の伝送損失を低減することができるものである。特に、導体層1の両側に液晶ポリマー樹脂層4を積層して形成された三層構造を少なくとも1つ以上有していることが好ましい。このように、液晶ポリマー樹脂層4で挟まれた導体層1を信号層として使用すると、高速信号の伝送損失をさらに低減することができるものである。また、高速信号の伝送が不要な回路、つまりやや低速の信号の伝送回路や伝送距離の短い回路を含む導体層1は、熱硬化性樹脂層3に接触させるようにするのが好ましい。これにより、耐熱衝撃性を高めてスルーホールめっき等の断線を抑制することができるものである。なお、多層化は、1回のみで行ったり、2回以上に分けて行ったりすることができるが、層数は特に限定されるものではない。
【0025】
次に多層プリント配線板について説明する。多層プリント配線板は、図1に示すように、多層金属張積層板の最外層の金属層5の不要部分をエッチングにより除去して導体層1を形成することによって製造することができる。
【0026】
上記のように、多層プリント配線板は、導体層1及び絶縁層2を交互に積層して形成されているが、絶縁層2が、特殊加工が必要なフッ素樹脂層ではなく、熱硬化性樹脂層3と液晶ポリマー樹脂層4とで形成されていることによって、従来のエポキシ樹脂基板やポリイミド樹脂基板等と同様に加工することができるものである。また、絶縁層2全体に対して液晶ポリマー樹脂層4が5〜80体積%を占めていることによって、高速信号の伝送損失を低減することができるものである。また、絶縁層2の残りの部分がガラスクロスで強化され、かつ無機フィラーを含有する熱硬化性樹脂層3で形成されていることによって、耐熱衝撃性を高めてスルーホールめっき等の断線を抑制することができるものである。しかし、液晶ポリマー樹脂層4が5体積%未満であると、高速信号の伝送が必要な導体層1を十分に確保することができない。逆に液晶ポリマー樹脂層4が80体積%を超えると、厚み方向の熱膨張係数(z−CTE)が高くなり、耐熱衝撃性が低下してスルーホールめっき等の断線を抑制することができなくなる。
【実施例】
【0027】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0028】
実施例1〜8及び比較例1、2において、図1に示すような14層プリント配線板を製造した。説明の便宜上、14層の導体層1(導体パターンを設ける前の銅箔も含む)は、一方の最外層から順にL1〜L14と名付けて区別することにする。なお、表1中、「PCB構成」は14層プリント配線板の層構成を意味し、「PP 0.15」は厚み0.1〜0.15mmの絶縁層2を意味し、「CCL 0.15 18−18」は厚み18μmの銅箔が両面に貼着された厚み0.15mmの両面銅張積層板を意味する。また、以下において、例えば、「L2/L3の銅張積層板(又はプリント配線板)」等の表現は、L2、L3の導体層1を含む銅張積層板(又はプリント配線板7)を意味し、また、「L1〜L3の3層プリント配線板」等の表現は、L1〜L3の導体層1を全て含む3層プリント配線板を意味する。
【0029】
(実施例1)
厚み50μmの液晶ポリマーフィルム((株)クラレ製「Vecstar」)を3枚重ね、さらにこの両側に厚み18μmの銅箔を重ねた後、これを310℃で10分間加熱加圧成形することによって、L2/L3の銅張積層板を製造した。これと同様にしてL12/L13の銅張積層板を製造した。次に、これらの銅張積層板のL2、L13に信号層を形成し、このL2、L13にそれぞれ厚み50μmの液晶ポリマーフィルム((株)クラレ製「Vecstar」)を3枚重ね、さらにそれぞれL1、L14の厚み18μmの銅箔を重ねた後、これを295℃で10分間加熱加圧成形した。その後、L3、L12にグラウンド層を形成することによって、L1〜L3、L12〜L14の3層プリント配線板を得た。
【0030】
また、無機フィラーを含有するポリフェニレンエーテル樹脂ワニスをガラスクロス(#1078)に含浸して乾燥させた樹脂量64質量%のプリプレグ(パナソニック電工(株)製「R−5670KC 0.06」、絶縁層2の厚みは75μm)を2枚重ね、さらにこの両側に厚み18μmの銅箔を重ねた後、これを200℃で120分間加熱加圧成形することによって、L4/L5の銅張積層板を得た。これと同様にしてL6/L7、L8/L9、L10/L11の銅張積層板を得た。次に、これらの銅張積層板のL4、L6、L9、L11に信号層を形成し、L5、L7、L8、L10にグラウンド層を形成することによって、L4/L5、L6/L7、L8/L9、L10/L11のプリント配線板7を得た。
【0031】
その後、L1〜L3の3層プリント配線板、L4/L5、L6/L7、L8/L9、L10/L11のプリント配線板7、L12〜L14の3層プリント配線板のそれぞれの間に、パナソニック電工(株)製「R−5670KC 0.06」を2枚重ねたものを介在させ、これを200℃で120分間加熱加圧成形することによって、14層金属張積層板を製造した。
【0032】
そして、14層金属張積層板のL1、L14にグラウンド層を形成することによって、14層プリント配線板を製造した。
【0033】
(実施例2)
厚み50μmの液晶ポリマーフィルム((株)クラレ製「Vecstar」)を3枚重ね、さらにこの両側に厚み18μmの銅箔を重ねた後、これを310℃で10分間加熱加圧成形することによって、L2/L3の銅張積層板を製造した。これと同様にしてL4/L5の銅張積層板を製造した。次に、これらの銅張積層板のL2、L4に信号層を形成し、L3にグラウンド層を形成することによって、L2/L3、L4/L5のプリント配線板7を得た。その後、L1の厚み18μmの銅箔、L2/L3、L4/L5のプリント配線板7のそれぞれの間に、厚み50μmの液晶ポリマーフィルム((株)クラレ製「Vecstar」)を3枚重ねたものを介在させ、これを295℃で10分間加熱加圧成形した。そして、L5にグラウンド層を形成することによって、L1〜L5の5層プリント配線板を得た。
【0034】
また、無機フィラーを含有するポリフェニレンエーテル樹脂ワニスをガラスクロス(#1078)に含浸して乾燥させた樹脂量64質量%のプリプレグ(パナソニック電工(株)製「R−5670KC 0.06」、絶縁層2の厚みは75μm)を2枚重ね、さらにこの両側に厚み18μmの銅箔を重ねた後、これを200℃で120分間加熱加圧成形することによって、L6/L7の銅張積層板を得た。これと同様にしてL8/L9、L10/L11、L12/L13の銅張積層板を得た。次に、これらの銅張積層板のL6、L9、L11、L13に信号層を形成し、L7、L8、L10、L12にグラウンド層を形成することによって、L6/L7、L8/L9、L10/L11、L12/L13のプリント配線板7を得た。
【0035】
その後、L1〜L5の5層プリント配線板、L6/L7、L8/L9、L10/L11、L12/L13のプリント配線板7、L14の厚み18μmの銅箔のそれぞれの間に、パナソニック電工(株)製「R−5670KC 0.06」を2枚重ねたものを介在させ、これを200℃で120分間加熱加圧成形することによって、14層金属張積層板を製造した。
【0036】
そして、14層金属張積層板のL1、L14にグラウンド層を形成することによって、14層プリント配線板を製造した。
【0037】
(実施例3)
無機フィラーを含有するポリフェニレンエーテル樹脂ワニスをガラスクロス(#1035)に含浸して乾燥させた樹脂量65質量%のプリプレグを厚み12μmの銅箔2枚の間に挟んで加熱加圧成形して得られた銅張積層板(パナソニック電工(株)製「R−5775K 0.05 12−12」)の両面の銅箔をエッチングにより除去したもの(絶縁層2の厚みは50μm)の両側に、厚み50μmの液晶ポリマーフィルム((株)クラレ製「Vecstar」)を1枚ずつ重ね、さらにこの両側に厚み18μmの銅箔を重ねた後、これを310℃で10分間加熱加圧成形することによって、L2/L3の銅張積層板を製造した。これと同様にしてL12/L13の銅張積層板を製造した。これらの銅張積層板の絶縁層2は、図2(c)のようになり、表1中では「LCP/PPE(1)」と記載した。次に、これらの銅張積層板のL2、L13に信号層を形成し、このL2、L13にそれぞれ厚み50μmの液晶ポリマーフィルム((株)クラレ製「Vecstar」)を3枚重ね、さらにそれぞれL1、L14の厚み18μmの銅箔を重ねた後、これを295℃で10分間加熱加圧成形した。その後、L3、L12にグラウンド層を形成することによって、L1〜L3、L12〜L14の3層プリント配線板を得た。
【0038】
また、無機フィラーを含有するポリフェニレンエーテル樹脂ワニスをガラスクロス(#1078)に含浸して乾燥させた樹脂量64質量%のプリプレグ(パナソニック電工(株)製「R−5670KC 0.06」、絶縁層2の厚みは75μm)を2枚重ね、さらにこの両側に厚み18μmの銅箔を重ねた後、これを200℃で120分間加熱加圧成形することによって、L4/L5の銅張積層板を得た。これと同様にしてL6/L7、L8/L9、L10/L11の銅張積層板を得た。次に、これらの銅張積層板のL4、L6、L9、L11に信号層を形成し、L5、L7、L8、L10にグラウンド層を形成することによって、L4/L5、L6/L7、L8/L9、L10/L11のプリント配線板7を得た。
【0039】
その後、L1〜L3の3層プリント配線板、L4/L5、L6/L7、L8/L9、L10/L11のプリント配線板7、L12〜L14の3層プリント配線板のそれぞれの間に、パナソニック電工(株)製「R−5670KC 0.06」を2枚重ねたものを介在させ、これを200℃で120分間加熱加圧成形することによって、14層金属張積層板を製造した。
【0040】
そして、14層金属張積層板のL1、L14にグラウンド層を形成することによって、14層プリント配線板を製造した。
【0041】
(実施例4)
無機フィラーを含有するポリフェニレンエーテル樹脂ワニスをガラスクロス(#1035)に含浸して乾燥させた樹脂量65質量%のプリプレグ(パナソニック電工(株)製「R−5775K 0.05 12−12」に加工する前の半硬化状態のプリプレグ、絶縁層2の厚みは50μm)の両側に、厚み50μmの液晶ポリマーフレキシブル銅張積層板(パナソニック電工(株)製「両面板 R−F705」の片面の銅箔をエッチングにより除去したもの)を銅箔が除去された面を対向させて1枚ずつ重ねた後、これを200℃で120分間加熱加圧成形することによって、L2/L3の銅張積層板を製造した。これと同様にしてL12/L13の銅張積層板を製造した。これらの銅張積層板の絶縁層2は、図2(c)のようになり、表1中では「LCP/PPE(2)」と記載した。次に、これらの銅張積層板のL2、L13に信号層を形成し、このL2、L13にそれぞれ厚み50μmの液晶ポリマーフィルム((株)クラレ製「Vecstar」)を3枚重ね、さらにそれぞれL1、L14の厚み18μmの銅箔を重ねた後、これを295℃で10分間加熱加圧成形した。その後、L3、L12にグラウンド層を形成することによって、L1〜L3、L12〜L14の3層プリント配線板を得た。
【0042】
また、無機フィラーを含有するポリフェニレンエーテル樹脂ワニスをガラスクロス(#1078)に含浸して乾燥させた樹脂量64質量%のプリプレグ(パナソニック電工(株)製「R−5670KC 0.06」、絶縁層2の厚みは75μm)を2枚重ね、さらにこの両側に厚み18μmの銅箔を重ねた後、これを200℃で120分間加熱加圧成形することによって、L4/L5の銅張積層板を得た。これと同様にしてL6/L7、L8/L9、L10/L11の銅張積層板を得た。次に、これらの銅張積層板のL4、L6、L9、L11に信号層を形成し、L5、L7、L8、L10にグラウンド層を形成することによって、L4/L5、L6/L7、L8/L9、L10/L11のプリント配線板7を得た。
【0043】
その後、L1〜L3の3層プリント配線板、L4/L5、L6/L7、L8/L9、L10/L11のプリント配線板7、L12〜L14の3層プリント配線板のそれぞれの間に、パナソニック電工(株)製「R−5670KC 0.06」を2枚重ねたものを介在させ、これを200℃で120分間加熱加圧成形することによって、14層金属張積層板を製造した。
【0044】
そして、14層金属張積層板のL1、L14にグラウンド層を形成することによって、14層プリント配線板を製造した。
【0045】
(実施例5)
無機フィラーを含有するポリフェニレンエーテル樹脂ワニスをガラスクロス(#1035)に含浸して乾燥させた樹脂量65質量%のプリプレグ(パナソニック電工(株)製「R−5775K 0.05 12−12」に加工する前の半硬化状態のプリプレグ、絶縁層2の厚みは50μm)の両側に、厚み50μmの液晶ポリマーフレキシブル銅張積層板(パナソニック電工(株)製「両面板 R−F705」の片面の銅箔をエッチングにより除去したもの)を銅箔が除去された面を対向させて1枚ずつ重ねた後、これを200℃で120分間加熱加圧成形することによって、L2/L3の銅張積層板を製造した。これと同様にしてL12/L13の銅張積層板を製造した。これらの銅張積層板の絶縁層2は、図2(c)のようになり、表1中では「LCP/PPE(2)」と記載した。次に、これらの銅張積層板のL2、L13に信号層を形成し、このL2、L13にそれぞれ順に、無機フィラーを含有するポリフェニレンエーテル樹脂ワニスをガラスクロス(#1035)に含浸して乾燥させた樹脂量65質量%のプリプレグ(パナソニック電工(株)製「R−5775K 0.05 12−12」に加工する前の半硬化状態のプリプレグ、絶縁層2の厚みは50μm)、厚み50μmの液晶ポリマーフィルム((株)クラレ製「Vecstar」)、無機フィラーを含有するポリフェニレンエーテル樹脂ワニスをガラスクロス(#1035)に含浸して乾燥させた樹脂量65質量%のプリプレグ(パナソニック電工(株)製「R−5775K 0.05 12−12」に加工する前の半硬化状態のプリプレグ、絶縁層2の厚みは50μm)を重ね、さらにそれぞれL1、L14の厚み18μmの銅箔を重ねた後、これを200℃で120分間加熱加圧成形した。その後、L3、L12にグラウンド層を形成することによって、L1〜L3、L12〜L14の3層プリント配線板を得た。なお、L1とL2の間の絶縁層2及びL13とL14の間の絶縁層2は、図2(d)のようになり、表1中では「LCP/PPE(3)」と記載した。
【0046】
また、無機フィラーを含有するポリフェニレンエーテル樹脂ワニスをガラスクロス(#1078)に含浸して乾燥させた樹脂量64質量%のプリプレグ(パナソニック電工(株)製「R−5670KC 0.06」、絶縁層2の厚みは75μm)を2枚重ね、さらにこの両側に厚み18μmの銅箔を重ねた後、これを200℃で120分間加熱加圧成形することによって、L4/L5の銅張積層板を得た。これと同様にしてL6/L7、L8/L9、L10/L11の銅張積層板を得た。次に、これらの銅張積層板のL4、L6、L9、L11に信号層を形成し、L5、L7、L8、L10にグラウンド層を形成することによって、L4/L5、L6/L7、L8/L9、L10/L11のプリント配線板7を得た。
【0047】
その後、L1〜L3の3層プリント配線板、L4/L5、L6/L7、L8/L9、L10/L11のプリント配線板7、L12〜L14の3層プリント配線板のそれぞれの間に、パナソニック電工(株)製「R−5670KC 0.06」を2枚重ねたものを介在させ、これを200℃で120分間加熱加圧成形することによって、14層金属張積層板を製造した。
【0048】
そして、14層金属張積層板のL1、L14にグラウンド層を形成することによって、14層プリント配線板を製造した。
【0049】
(実施例6)
L2の厚み18μmの銅箔、厚み50μmの液晶ポリマーフィルム((株)クラレ製「Vecstar」)を1枚、無機フィラーを含有するポリフェニレンエーテル樹脂ワニスをガラスクロス(#1035)に含浸して乾燥させた樹脂量65質量%のプリプレグ(パナソニック電工(株)製「R−5775K 0.05 12−12」に加工する前の半硬化状態のプリプレグ、絶縁層2の厚みは50μm)を2枚、L3の厚み18μmの銅箔をこの順に重ね、これを200℃で50分間、引き続き310℃で10分間加熱加圧成形することによって、L2/L3の銅張積層板を製造した。L2をL13に、L3をL12に置き換えて上記と同様にしてL12/L13の銅張積層板を製造した。L2とL3の間の絶縁層2及びL12とL13の間の絶縁層2は、図2(e)のようになり、表1中では「LCP/PPE(4)」と記載した。次に、L2/L3、L12/L13の銅張積層板のL2、L13に信号層を形成し、このL2、L13にそれぞれ順に、厚み50μmの液晶ポリマーフィルム((株)クラレ製「Vecstar」)を1枚、無機フィラーを含有するポリフェニレンエーテル樹脂ワニスをガラスクロス(#1035)に含浸して乾燥させた樹脂量65質量%のプリプレグ(パナソニック電工(株)製「R−5775K 0.05 12−12」に加工する前の半硬化状態のプリプレグ、絶縁層2の厚みは50μm)を2枚重ね、さらにそれぞれL1、L14の厚み18μmの銅箔を重ねた後、これを200℃で50分間、引き続き295℃で10分間加熱加圧成形した。その後、L3、L12にグラウンド層を形成することによって、L1〜L3、L12〜L14の3層プリント配線板を得た。なお、L1とL2の間の絶縁層2及びL13とL14の間の絶縁層2は、図2(e)のようになり、表1中では「LCP/PPE(5)」と記載した。
【0050】
また、無機フィラーを含有するポリフェニレンエーテル樹脂ワニスをガラスクロス(#1078)に含浸して乾燥させた樹脂量64質量%のプリプレグ(パナソニック電工(株)製「R−5670KC 0.06」、絶縁層2の厚みは75μm)を2枚重ね、さらにこの両側に厚み18μmの銅箔を重ねた後、これを200℃で120分間加熱加圧成形することによって、L4/L5の銅張積層板を得た。これと同様にしてL6/L7、L8/L9、L10/L11の銅張積層板を得た。次に、これらの銅張積層板のL4、L6、L9、L11に信号層を形成し、L5、L7、L8、L10にグラウンド層を形成することによって、L4/L5、L6/L7、L8/L9、L10/L11のプリント配線板7を得た。
【0051】
その後、L1〜L3の3層プリント配線板、L4/L5、L6/L7、L8/L9、L10/L11のプリント配線板7、L12〜L14の3層プリント配線板のそれぞれの間に、パナソニック電工(株)製「R−5670KC 0.06」を2枚重ねたものを介在させ、これを200℃で120分間加熱加圧成形することによって、14層金属張積層板を製造した。
【0052】
そして、14層金属張積層板のL1、L14にグラウンド層を形成することによって、14層プリント配線板を製造した。
【0053】
(実施例7)
厚み50μmの液晶ポリマーフィルム((株)クラレ製「Vecstar」)を3枚重ね、さらにこの両側に厚み18μmの銅箔を重ねた後、これを310℃で10分間加熱加圧成形することによって、L2/L3の銅張積層板を製造した。これと同様にしてL4/L5、L6/L7の銅張積層板を製造した。次に、これらの銅張積層板のL2、L4、L6に信号層を形成し、L3、L5にグラウンド層を形成することによって、L2/L3、L4/L5、L6/L7のプリント配線板7を得た。その後、L1の厚み18μmの銅箔、L2/L3、L4/L5、L6/L7のプリント配線板7のそれぞれの間に、厚み50μmの液晶ポリマーフィルム((株)クラレ製「Vecstar」)を3枚重ねたものを介在させ、これを295℃で10分間加熱加圧成形した。そして、L7にグラウンド層を形成することによって、L1〜L7の7層プリント配線板を得た。
【0054】
また、無機フィラーを含有するポリフェニレンエーテル樹脂ワニスをガラスクロス(#1078)に含浸して乾燥させた樹脂量64質量%のプリプレグ(パナソニック電工(株)製「R−5670KC 0.06」、絶縁層2の厚みは75μm)を2枚重ね、さらにこの両側に厚み18μmの銅箔を重ねた後、これを200℃で120分間加熱加圧成形することによって、L8/L9の銅張積層板を得た。次に、この銅張積層板のL9に信号層を形成し、L8にグラウンド層を形成することによって、L8/L9のプリント配線板7を得た。
【0055】
また、厚み50μmの液晶ポリマーフィルム((株)クラレ製「Vecstar」)を3枚重ね、さらにこの両側に厚み18μmの銅箔を重ねた後、これを310℃で10分間加熱加圧成形することによって、L10/L11の銅張積層板を製造した。これと同様にしてL12/L13の銅張積層板を製造した。次に、これらの銅張積層板のL11、L13に信号層を形成し、L12にグラウンド層を形成することによって、L10/L11、L12/L13のプリント配線板7を得た。その後、L10/L11、L12/L13のプリント配線板7、L14の厚み18μmの銅箔のそれぞれの間に、厚み50μmの液晶ポリマーフィルム((株)クラレ製「Vecstar」)を3枚重ねたものを介在させ、これを295℃で10分間加熱加圧成形した。そして、L10にグラウンド層を形成することによって、L10〜L14の5層プリント配線板を得た。
【0056】
その後、L1〜L7の7層プリント配線板、L8/L9のプリント配線板7、L10〜L14の5層プリント配線板のそれぞれの間に、パナソニック電工(株)製「R−5670KC 0.06」を2枚重ねたものを介在させ、これを200℃で120分間加熱加圧成形することによって、14層金属張積層板を製造した。
【0057】
そして、14層金属張積層板のL1、L14にグラウンド層を形成することによって、14層プリント配線板を製造した。
【0058】
(実施例8)
厚み50μmの液晶ポリマーフィルム((株)クラレ製「Vecstar」)を3枚重ね、さらにこの両側に厚み18μmの銅箔を重ねた後、これを310℃で10分間加熱加圧成形することによって、L2/L3の銅張積層板を製造した。これと同様にしてL12/L13の銅張積層板を製造した。次に、これらの銅張積層板のL2、L13に信号層を形成し、このL2、L13にそれぞれ厚み50μmの液晶ポリマーフィルム((株)クラレ製「Vecstar」)を3枚重ね、さらにそれぞれL1、L14の厚み18μmの銅箔を重ねた後、これを295℃で10分間加熱加圧成形した。その後、L3、L12にグラウンド層を形成することによって、L1〜L3、L12〜L14の3層プリント配線板を得た。
【0059】
また、L4/L5、L6/L7、L8/L9、L10/L11の銅張積層板として、パナソニック電工(株)製「R−2125 0.15 18−18」(ガラスクロススタイル#1501、樹脂量46質量%、銅箔の厚みは18μm)を用いた。なお、この銅張積層板は、無機フィラーを含有するエポキシ樹脂ワニスをガラスクロスに含浸して乾燥させてプリプレグを得ると共に、このプリプレグの両側に銅箔を重ねた後、これを加熱加圧成形することによって得られたものである。次に、これらの銅張積層板のL4、L6、L9、L11に信号層を形成し、L5、L7、L8、L10にグラウンド層を形成することによって、L4/L5、L6/L7、L8/L9、L10/L11のプリント配線板7を得た。
【0060】
その後、L1〜L3の3層プリント配線板、L4/L5、L6/L7、L8/L9、L10/L11のプリント配線板7、L12〜L14の3層プリント配線板のそれぞれの間に、パナソニック電工(株)製「R−2150GK 0.1」(ガラスクロススタイル#2116、樹脂量62質量%)を介在させ、これを200℃で120分間加熱加圧成形することによって、14層金属張積層板を製造した。
【0061】
そして、14層金属張積層板のL1、L14にグラウンド層を形成することによって、14層プリント配線板を製造した。
【0062】
(比較例1)
厚み50μmの液晶ポリマーフィルム((株)クラレ製「Vecstar」)を3枚重ね、さらにこの両側に厚み18μmの銅箔を重ねた後、これを310℃で10分間加熱加圧成形することによって、L2/L3の銅張積層板を製造した。これと同様にしてL4/L5、L6/L7、L8/L9、L10/L11、L12/L13の銅張積層板を製造した。次に、これらの銅張積層板のL2、L4、L6、L9、L11、L13に信号層を形成し、L3、L5、L7、L8、L10、L12にグラウンド層を形成することによって、L2/L3、L4/L5、L6/L7、L8/L9、L10/L11、L12/L13のプリント配線板7を得た。
【0063】
その後、L1の厚み18μmの銅箔、L2/L3、L4/L5、L6/L7、L8/L9、L10/L11、L12/L13のプリント配線板7、L14の厚み18μmの銅箔のそれぞれの間に、厚み50μmの液晶ポリマーフィルム((株)クラレ製「Vecstar」)を3枚重ねたものを介在させ、これを295℃で10分間加熱加圧成形することによって、14層金属張積層板を製造した。
【0064】
そして、14層金属張積層板のL1、L14にグラウンド層を形成することによって、14層プリント配線板を製造した。
【0065】
(比較例2)
無機フィラーを含有するポリフェニレンエーテル樹脂ワニスをガラスクロス(#1078)に含浸して乾燥させた樹脂量64質量%のプリプレグ(パナソニック電工(株)製「R−5670KC 0.06」、絶縁層2の厚みは75μm)を2枚重ね、さらにこの両側に厚み18μmの銅箔を重ねた後、これを200℃で120分間加熱加圧成形することによって、L2/L3の銅張積層板を得た。これと同様にしてL4/L5、L6/L7、L8/L9、L10/L11、L12/L13の銅張積層板を得た。次に、これらの銅張積層板のL2、L4、L6、L9、L11、L13に信号層を形成し、L3、L5、L7、L8、L10、L12にグラウンド層を形成することによって、L2/L3、L4/L5、L6/L7、L8/L9、L10/L11、L12/L13のプリント配線板7を得た。
【0066】
その後、L1の厚み18μmの銅箔、L2/L3、L4/L5、L6/L7、L8/L9、L10/L11、L12/L13のプリント配線板7、L14の厚み18μmの銅箔のそれぞれの間に、パナソニック電工(株)製「R−5670KC 0.06」を2枚重ねたものを介在させ、これを200℃で120分間加熱加圧成形することによって、14層金属張積層板を製造した。
【0067】
そして、14層金属張積層板のL1、L14にグラウンド層を形成することによって、14層プリント配線板を製造した。
【0068】
(z−CTE)
各14層プリント配線板について、50−150℃での厚み方向の熱膨張係数(z−CTE)を測定した。その結果を表1に示す。
【0069】
(伝送損失)
各14層プリント配線板について、L2、L4、L6、L9、L11、L13の信号層の10GHzでの伝送損失を測定した。その結果を表1に示す。
【0070】
【表1】

【0071】
表1にみられるように、各実施例は、比較例1に比べて厚み方向の熱膨張係数(z−CTE)が低く、耐熱衝撃性が高いことが確認された。また、実施例1〜7は、比較例2に比べて高速信号の伝送損失を低減することができることが確認された。また、実施例8は、L2、L13については、比較例2に比べて高速信号の伝送損失を低減することができることが確認された。なお、実施例8は、L4、L6、L9、L11については、比較例2に比べて伝送損失が大きいが、L2及びL13以外はほとんど伝送特性を必要としない層となるように回路設計すれば実用上特に問題はない。
【符号の説明】
【0072】
1 導体層
2 絶縁層
3 熱硬化性樹脂層
4 液晶ポリマー樹脂層
5 金属層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体層及び絶縁層を交互に積層して形成された多層プリント配線板において、前記絶縁層が、無機フィラーを含有する熱硬化性樹脂をガラスクロスに含浸して硬化させた熱硬化性樹脂層と、液晶ポリマー樹脂層とで形成されていると共に、前記絶縁層全体に対して前記液晶ポリマー樹脂層が5〜80体積%を占めていることを特徴とする多層プリント配線板。
【請求項2】
前記導体層の両側に前記液晶ポリマー樹脂層を積層して形成された三層構造を少なくとも1つ以上有していることを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板。
【請求項3】
前記熱硬化性樹脂がポリフェニレンエーテル樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の多層プリント配線板。
【請求項4】
導体層及び絶縁層を交互に積層し、一方又は両方の最外層に金属層を設けて形成された多層金属張積層板において、前記絶縁層が、無機フィラーを含有する熱硬化性樹脂をガラスクロスに含浸して硬化させた熱硬化性樹脂層と、液晶ポリマー樹脂層とで形成されていると共に、前記絶縁層全体に対して前記液晶ポリマー樹脂層が5〜80体積%を占めていることを特徴とする多層金属張積層板。
【請求項5】
前記導体層の両側に前記液晶ポリマー樹脂層を積層して形成された三層構造を少なくとも1つ以上有していることを特徴とする請求項4に記載の多層金属張積層板。
【請求項6】
前記熱硬化性樹脂がポリフェニレンエーテル樹脂を含有することを特徴とする請求項4又は5に記載の多層金属張積層板。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2011−216841(P2011−216841A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−168628(P2010−168628)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】