説明

多機能入出力装置及びその制御方法、並びに多機能入出力装置制御プログラム及び記録媒体

【課題】設定情報を自動設定するための、二次元情報コードの読み込み時間を従来よりも短縮する。
【解決手段】原稿の予め定められた前記記号情報標示用の特定領域のみを読み取って、多機能入出力装置の所定動作指示を記号化した記号情報が記載されている場合に、復号手段が該読み取りデータより前記記号情報を解読して、実行制御手段は前記指示された所定動作を実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次元コードを含む原稿等のデータ入出処理を行う多機能のデジタル複写機等でデジタル複合機と称される多機能入出力装置及びその制御方法、多機能入出力装置制御プログラム、記録媒体入出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、デジタル複写機においては、多機能化によって、プリンタ,スキャナおよびファクシミリなどの複数機能を有する複合型のものが多く普及しており、デジタル複写機に有する機能を有効に使うためには、利用者が設定する必要がある画像形成条件等の設定項目が増大している。しかし、デジタル複写機に設定を入力するための入力手段として設けられている、例えば液晶表示装置の大きさやハードキーの個数には限りがあるため、液晶表示装置を用いた設定メニューの表示画面を切り替えるため表示する層が深くなる傾向があり、利用者にとって使い勝手が悪いものになっている。
【0003】
このような問題を解決するため、例えば特許文献1によると、画像形成条件をバーコード等の光学的に読取可能な状態で記録し、それをデジタル複写機のスキャナで読み取り認識し、画像形成条件を自動的に設定する技術が開示されている。
【0004】
また、このような画像形成条件を光学的に読み取る際に、読取り時間を大幅に短縮する目的で、特許文献2には、装置を構成するCPUが、CMOSイメージセンサに「行飛ばしスキャン」を実行させて、情報コードが含まれている位置を判別し、この情報コードが含まれている位置にかかる部分だけをCMOSイメージセンサに連続的にスキャンさせて、その際に出力される画像データをデコード処理するようにした、『情報コード読取装置及び情報コードの読取方法』が開示されている。
【0005】
なお、前述デジタル複合機は、近年においては、ネットワーク上の一端末として位置付けられ、手書き文書や紙の資料を電子化し、ネットワークで共有・活用することが可能となり、入力画像をデジタル複合機から所定のパーソナルコンピュータに配信するような機能を備えることも行われている。
【特許文献1】特開平9−261382号公報
【特許文献2】特開2006−23912号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術においては、原稿データの全面を読み込んで、その中から情報コード領域を認識して読み取るようにしているので、検索効率が悪く、読み込み時間が多くかかるという問題点があり、一層の読み込み時間高速化が望まれていた。また、全面を読み込み込むと、余計な矩形を抽出して誤検出する慮がある。
【0007】
従って、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、二次元情報コードの読み込み時間を従来よりも短縮することができ、また、誤検出の抑止もできる多機能入出力装置および制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するために、請求項1に記載した本発明の多機能入出力装置は、原稿データを取得するための光学読み取り手段と、画像形成した媒体を出力する画像形成手段とを有する多機能入出力装置であって、前記原稿中に、当該多機能入出力装置の所定動作指示を記号化した記号情報が記載されている場合に、前記記号情報に対応する読み取りデータより前記記号情報を解読する復号手段と、解読した前記所定動作を多機能入出力装置に実行させる実行制御手段とを備え、前記原稿の予め定められた前記記号情報標示用の特定領域のみを読み取って該読み取りデータより前記記号情報が得られた場合にこの記号情報を解読して前記指示された所定動作を実行することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の多機能入出力装置において、前記特定領域を、前記原稿の上下端及び左右端から等距離位置を中心に設定したことを特徴とする。また、請求項3に記載した発明は、請求項1に記載の多機能入出力装置において、前記特定領域を、前記原稿の上下端から等距離位置に、もしくは左右端から等距離位置に設定したことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載した発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多機能入出力装置において、原稿データの前記特定領域位置に、多機能入出力装置の所定動作指示を記号化した前記記号情報を付加する記号情報付加手段を更に備え、前記画像形成手段により、前記記号情報を前記特定領域に付加した原稿を出力可能にしたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載した発明は、請求項4に記載の多機能入出力装置において、前記特定領域に前記記号情報を付加した原稿データを、ネットワークを介しての電子メールとして送信、ネットワークを介しての外部機器への送信、ファクシミリ送信として送信、当該入出力装置が備える記憶手段への保存、当該入出力装置に接続した記憶手段に保存、のうち少なくとも1つの出力形態を備えていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載した発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多機能入出力装置において、読み込んだ前記原稿データを、固定的に前記特定領域より読み出し可能な大きさに圧縮または伸張して前記記号情報を読み出す機能を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に記載した本発明の多機能入出力装置の制御方法は、多機能入出力装置の所定動作指示を記号化した記号情報の標示用領域で、原稿の予め定められた特定領域のみを読み取ってデータ化し、該読み取りデータが前記記号情報であるかを判定し、前記読み取りデータが前記記号情報であった場合に、該読み取りデータより前記記号情報を解読し、解読により得られた所定動作指示に対応した処理を多機能入出力装置に実行させる、ことを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に記載した発明は、多機能入出力装置制御プログラムであって、請求項7に記載の制御方法を多機能入出力装置に実行させることを特徴とする。また、請求項9に記載した発明は、記録媒体であって、請求項8に記載の多機能入出力装置制御プログラムを多機能入出力装置が読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、装置制御設定媒体に記載された記号情報(二次元情報コード)の読み込み時間を従来よりも短縮することができ、また、誤検出の抑止が可能となるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明にかかる第1の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態におけるデジタル複写機の概略構成を示すブロック図である。なお、本実施形態に於いては、多機能入出力装置としてデジタル複写機を例に説明する。本実施形態のデジタル複写機は、後で詳述するように、既に知られている、効果的な運用のために装置制御設定媒体(原稿)の作成と利用を行う機能を有したものである。
【0017】
図1に示すように、デジタル複写機1は、CPU2、ROMやRAMなどから構成されるメモリユニット3、FAX制御部4、LAN制御部5、入出力デバイス制御ユニット6、記憶装置制御ユニット7、画像処理制御ユニット8(明示しないが、文章方向認識部8a、原稿方向認識部8b及び画像変換部8cを有する)、入力制御ユニット9を備えており、さらに、記憶装置制御ユニット7に接続された内蔵ハードディスクドライブ(以下、HDDという)などで構成される記憶装置10、画像処理制御ユニット8に接続された印刷制御ユニット11,画像読取制御ユニット12,表示制御ユニット13を備え構成されている。
【0018】
FAX制御部4は、FAX回線21を介して他のファクシミリ装置とファクシミリデータの授受を行い、LAN制御部5は、インターネット22とモデム,ルータ等の通信制御ユニット23を介して外部機器と接続するとともに、有線,無線等によりパーソナルコンピュータ(以下、PCという)24,サーバーコンピュータ(以下、サーバーという)25と接続して情報の授受を行う。
【0019】
入出力デバイス制御ユニット6は、接続される外付けHDD等の外部記憶装置14、あるいは外部メディア入出力装置15により接続したマルチメディアカード(登録商標),スマートメディア(登録商標),メモリスティック(登録商標),SDメモリカード(登録商標),CD−ROM,フロッピー(登録商標)ディスク,USBメモリ(登録商標)などの各メディアから情報の入出力を行う。
【0020】
画像処理制御ユニット8は、印刷制御ユニット11を介してモノクロ,カラー,両面印刷が可能な、レーザープリンタ,インクジェットプリンタなどで構成される印刷装置16と、画像読取制御ユニット12を介して光学的処理等により原稿画像を読み取る(光学読み取り手段としての)画像読取装置17と、表示制御ユニット13を介してタッチパネル,CRT,液晶などで構成される表示装置18により情報の入出力を行う。
【0021】
また、同じ画像処理制御ユニット8は、図示を省略した文章方向認識部8a及び原稿方向認識部8bによって、メモリユニット3上で画像データ文字の方向を0°、90°、180°、270°のそれぞれの方向で認識することにより、原稿データ中の文章が縦書きか横書きか、及び原稿の天地を識別する。また、図示を省略した画像変換部(画像縮伸手段)8cで、画像データの圧縮・伸張を行う。
【0022】
さらに、入力制御ユニット9は、タッチパネルやキーボタンで構成された操作入力装置19であり、このタッチパネルやキーボタンを押すことにより、またマイクで構成された音声入力装置20の音声による入力により入出力操作を可能としている。
【0023】
CPU2は、メモリユニット3に格納された制御プログラムに従ってデジタル複写機1本体を制御し、記憶装置10に格納され必要に応じてメモリユニット3に展開される処理プログラムに従って、FAX制御部4,LAN制御部5,入出力デバイス制御ユニット6,記憶装置制御ユニット7,画像処理制御ユニット8,入力制御ユニット9を制御する。なお、多機能入出力装置制御プログラムの一部または全ては、多機能入出力装置が読み取り可能な形式で記録した記録媒体により供給することもできる。
【0024】
そして、本実施形態のデジタル複写機は、効果的な運用のために装置制御設定媒体としての原稿の作成と利用を行う既知機能を有している。ここでいう装置制御設定媒体(原稿)とは、印刷用紙等の光学読取可能な媒体に、デジタル複写機を制御するための設定情報(装置制御設定情報)を、QRコード(登録商標)等の二次元コードに符号化した記号情報として印刷したものを指す。この種の二次元コードとしては、本実施形態で採用しているQRコードの他、データマトリクス(登録商標)やバーコードのPDF417(登録商標)などが良く知られている。なお、ここでいう制御とは、デジタル複写機の所定動作のための設定および/または所定動作指示を指す。
【0025】
本実施形態で利用する装置制御設定媒体としての原稿には、制御情報としての設定情報が記号情報としてQRコード(登録商標)で記録されている。図3は、原稿に記号情報を配置した構図を示す。ここでの制御情報としては、制御対象のユニット名と、該ユニットの動作に関する設定内容(設定項目と値)に加え、動作の実行指示を含むことができる。
【0026】
ちなみに、従来のこのような原稿(装置制御設定媒体)を利用した装置においては、エリアセンサ等を介して読取り原稿の全画素データを取り込んでメモリに書込み、しかる後に全画素データ(原稿全面)を対象に二次元コードの検索を行い、二次元コードの判定処理を行っていた。これに対し、本実施形態では、原稿上での二次元コードを読み込む位置を予め決めておくようにしている。これにより、原稿データ中の二次元コードの認識時間が短縮可能となり、誤検出の抑止にもなっている。
【0027】
図2は本実施形態のデジタル複写機における装置制御設定媒体(原稿)の利用方法を示すフローチャートであり、図1を参照しながらその動作を説明する。図2に示すように、まず、利用者はデジタル複写機1に具備される画像読取装置17を利用して原稿を読み込む(S1)。画像読取装置17(例えば光学原稿読取台)上に原稿を載置し、操作入力装置19より読み取り開始の操作を行う。これにより、入力制御ユニット9より、読み取り開始の操作が行われ指示信号がCPU2に伝達される。
【0028】
これを受けてCPU2は画像処理制御ユニット8に画像読取制御ユニット12の動作制御を実行させる。画像読取制御ユニット12は画像読取装置17を適切に制御し、原稿面を読み取りデータ化して、結果をメモリユニット3へ格納する(S2)。
【0029】
この時のメモリユニット3上の画像データの大きさは、横幅と高さで表現される。データの形式がビットマップ形式であれば、データ領域の左下を原点座標とした二次元の座表系で表され、横幅はx軸、高さはy軸となる。
例えば、300dpiのA4サイズ原稿データ(縦)であれば、
横幅:2480ピクセル、高さ:3508ピクセルであり、
座標領域はxy座標(0、0)〜(2480、3508)である。
この場合の、原稿画像データのxy座標系を図4に示す。
【0030】
原稿データの読み取り・格納が完了すると、画像処理制御ユニット8によって原稿データの解析が行われる。CPU2はこの原稿データ中の文字領域を切り出す。切り出された文字領域は画像処理制御ユニット8中の文章方向認識部8a及び原稿方向認識部8bによって文字の方向を0°、90°、180°、270°のそれぞれの方向で認識することにより、原稿データ中の文章が縦書きか横書きか、及び原稿の天地を識別する(S3)。
【0031】
なお、原稿内に文字データが存在しない場合や、文字データのかすれや、文字が濃すぎる等で文字として認識出来ない場合は、上述した天地識別に失敗することがあり得るが、この場合でも、本実施形態のように、原稿内での記号情報の位置を左右及び上下方向どちらからも中央に配置することで、たとえ原稿方向の天地判別に失敗したとしても後述する記号情報の取得は可能となる。また、左右及び上下方向どちらからも中央であるため、原稿のスキャン方向が、縦向き・横向きに関わらず、記号情報の検索取得は可能となっている。
【0032】
続いて、記号情報を検索する。記号情報は、図3に示したように原稿(装置制御設定媒体)の所定位置(本実施形態では原稿中央部の特定領域)に規定の大きさで記録されており、画像処理制御ユニット8は、原稿データ中の選択的に読み込んだ特定領域内に設定情報が記録されているか否かを検索する。
【0033】
すなわち、前述した原稿の画像データ(原稿データ)の天地識別(S3)を行った後、原稿データの上下左右を切り落とし(S4)、原稿データの向きに合わせて原稿データ内での、中央部の特定領域(予め固定的に定めた所定位置の読み取り領域)の画素データのみを読み出す (S5)。
【0034】
読み取る特定領域を固定的にするには、決められた座標領域を抜き出せば良い。本実施形態の場合、左右及び上下方向どちらからも中央の位置に記号情報が印刷(標示)されるように予め定められている為、読み取り動作範囲(領域内データに対応している)を規定するx軸座標値とy軸座標値の両方を固定領域(特定領域)に合わせ込む必要がある。
【0035】
仮に固定領域が、上下左右の四分の一をカットした残りの領域として規定されているのであれば、xy座標(620,877)〜xy座標(1860、2631)の領域のみの画素データを読み込めば良い。
【0036】
原稿データ中の上記固定領域について画素データの読み取りが完了すると、画像処理制御ユニット8によって上記固定領域データの解析が行われ記号情報が存在するか否かが判定される(S6)。本実施形態での規定に沿った原稿であれば、原稿の上記固定領域には、処理S6において解析され、本実施形態で利用する二次元コードであるQRコード(登録商標)を利用して設定情報が記録されている。
【0037】
具体的には、図3に示すように装置制御設定媒体となる原稿印刷用紙の所定位置(原稿の中心、すなわち、上下端及び左右端から等距離位置;特定領域)に記録されており、装置側では画像処理制御ユニット8が、原稿データ中この領域に所定の設定情報が記録されているか否かを検索する。
【0038】
記号情報の表現形態として、例えば二次元コードの代表例と言えるQRコード(登録商標)のサンプルを図5に拡大して示す。QRコードの場合、原稿内の記号情報を探すには、位置検出パターンと呼ばれる三隅の四角形を検索することでその位置及び向きを検出する。位置検出パターンとは、QRコードの三つの隅に配置される三個の位置検出要素から構成されるパターンであり、このパターンを基にQRコードの位置を検出する。
【0039】
検索の結果、原稿データ内の所定位置に設定情報の二次元コード(記号情報)が発見された場合には(処理S6のYes)、この情報を読み取ってメモリユニット3に格納し(適宜別位置に)、原稿として規定の装置制御設定媒体が使用されている可能性があることをCPU2に通知する。メモリユニット3に再格納するのではなく、検出したQRコードの位置を伝達しても良い。
【0040】
なお、原稿データ内所定位置に記号情報(設定情報)を発見できなかった場合(処理S6のNo)、この原稿は通常原稿であったと判断して、検索処理は終了し、規定の原稿読み取り処理が行われることになる。なお、この規定処理を行う前に、原稿全面について設定情報を検索させる周知の検索処理を介在させるようにしてもよい。
【0041】
前述の装置制御設定媒体(原稿)が使用されている旨の通知を受けると、CPU2はメモリユニット3に格納された記号情報(二次元コード情報)の解析を行い記号情報内に装置制御設定情報が存在するか否かを判断する(S7)。設定情報は、図6に示すように、設定情報ヘッダ領域と、利用認証情報領域と、ユニット制御設定情報領域によって構成されている。このため、まずCPU2は設定情報ヘッダ領域に当たる部分を参照し、ここに格納されているデータが設定情報の識別子に合致するかを確認する。なお、これによって、この原稿が装置制御設定媒体であることが確認されると、次に設定情報の完全性を確認するために、設定情報のチェック等を行うのが好ましいが、本発明とは直接には関係しないので、ここでは図12に、原稿の記号情報内に設定情報が存在した場合(図2のS7でYes)の、以降の処理の一例を参考フローチャートとして示すに留め、その詳細説明は省略する。
【0042】
設定情報ヘッダ領域の解析によって二次元コード情報が設定情報であると判断されると(処理S7のYes)、装置制御設定情報を画像読取制御ユニットに設定し(S8)、画像読取制御ユニットが画像読取装置を制御して画像を読み取る(S9)。なお、処理S7の判断がYesの場合は、次に装置制御の制限として利用認証情報のチェックを実施するのが好ましい(図12の参考フローチャート参照)が、本発明とは直接には関係しないのでその詳細説明は省略する。もしも、記号情報内に設定情報を発見できなかった場合(処理S7のNo)、(デフォルトの設定+利用者の操作で)規定の原稿読み取り処理が行われる。
【0043】
ユニット制御設定情報領域には、複数のユニット制御設定情報を含むことができる。原則としてCPU2はユニット制御設定情報領域の先頭に配置されているユニット制御設定情報から順に設定・実行していくが、ここには実行順序を制御するようなスクリプトを配置して、実行順を変更することも可能である。
【0044】
CPU2は、ユニット制御設定情報を解釈し、適切なユニットに指示された設定を行い(前述の過程;S8)、要求された処理を実行する。具体例として、ここではユニット制御設定情報に画像の読み取り制御を行う場合を説明する。本実施形態で、画像の読み取りを行う際は、ユニット制御設定情報に基づいて画像処理制御ユニット8および画像読取制御ユニット12に設定を行い、この設定に従って各ユニットが動作し、原稿の読み取りを行う。すなわち、CPU2は設定情報内のユニット制御設定情報を解釈し、画像読取制御ユニットの制御下で画像読取装置が画像を読み取ることになる(S8)。
【0045】
上述過程を詳述すると、CPU2が、ユニット制御設定情報領域のユニット制御設定情報Aを読み取り、これが「画像読取制御ユニット設定:解像度=300dpi」であることを認識する。これは対象ユニットとして画像読取制御ユニット12を指定しているから、画像読取制御ユニット12に対して「解像度」の設定が可能かどうかを問い合わせる。画像読取制御ユニット12に「解像度」の設定項目が存在すれば、この設定項目に「300dpi」という情報を書込む。
【0046】
次に、ユニット制御設定情報Bを読み取り、これが「画像読取制御ユニット設定:カラーモード=フルカラー」であることを認識する。この設定情報も同様に画像読取制御ユニット12を対象とする設定なので、画像読取制御ユニット12に設定項目の問い合わせを行い、対応項目に設定情報の書込みを行う。
【0047】
そして、次の設定であるユニット制御設定情報Cを読み取り、これが「画像読取制御ユニット制御:読取実行」であることを認識する。このようにCPU2は、制御項目を認識して、いくつかの動作を順次選択し実行する。
【0048】
前述した例では光学原稿読取台に原稿を載置しているので、CPU2は表示制御ユニット13を利用して表示装置18上に「読み取り原稿をセットしてスタートボタンを押して下さい」との表示をするとともに、入力制御ユニット9から利用者の操作指示が通知されるまで待機することができる。
【0049】
別の例として、光学原稿読取台ではなく自動原稿読取装置に装置制御設定媒体である原稿が載置されていた場合には、次に載置されている原稿を自動的に給紙し、原稿において設定した条件に基づき原稿の読み取り処理を行うこともできる。
【0050】
実施形態では、上述のような流れで原稿内から記号情報を読み取り、設定情報を取得し、設定情報に従い順に所定の動作が実行されるのであるが、記号情報が二次元コードであるQRコードであるから、位置検出パターンを検索することでその位置を検索するが、限られた範囲を検索すれば良いため、原稿の全領域を検索する場合に比べて格段に高速に検出可能であり、且つ、二次元コードの誤検出も低減できて効率的である。これは、QRコードに限らず、その他の二次元コードを用いた場合でも、限られた範囲の検索ですむためにやはり高速に検出可能であり、且つ、二次元コードを誤検出も低減できる。
【0051】
続いて、原稿(装置制御設定媒体)について説明する。上述の原稿は、適宜の印刷装置等を用いても作成可能であるが、動作とコードの対応付けなど実際にはかなり煩雑な手続きとなってしまう。しかし、本実施形態のデジタル複写機は、原稿データの特定領域位置に、多機能入出力装置の所定動作指示を記号化した前記記号情報を付加する記号情報付加手段を備えており、これを利用して、装置制御設定媒体(原稿)を簡単に作成することができる。記号情報付加手段は、CPU2が、画像処理制御ユニット8を介して印刷制御ユニット11と配下の印刷装置16を協働させて実現され、本実施形態における特定領域として設定(規定)されている、原稿の上下端及び左右端から等距離位置に合わせて(中心にして)、二次元コードであるQRコード(登録商標)を適切なサイズで、媒体識別用等のその他の関連データとともに印刷する。図7は本実施形態のデジタル複写機1における装置制御設定媒体(原稿)の作成方法を示すフローチャートであり、図1を参照しながらその動作を説明する。
【0052】
デジタル複写機1において利用者が望む制御設定を行うような装置制御設定媒体(図3参照)を所持していない場合は、いくつかの方法により装置制御設定媒体(原稿)を作成することが可能である。ここでは一例として、紙原稿を読み取る際に設定した項目を装置制御設定媒体として出力する方法について説明する。
【0053】
利用者が、光学原稿読取台に紙原稿を載置し、デジタル複写機1の表示装置18および操作入力装置19を利用して原稿の読み取り条件を設定する(S11)。ここでは、今回の読み取り条件として「読取解像度:300dpi」,「カラーモード:モノクロ」を設定した場合を例とする。
【0054】
この設定条件は、CPU2によって画像読取制御ユニット12に格納され、読み取り実行時に利用される(S12)。条件の設定が終了すると、利用者は読み取り開始の操作を行って紙原稿の読み取りを開始する。入力制御ユニット9は、利用者の操作入力装置19の操作によって読み取り開始の指示が行われると、CPU2と画像処理制御ユニット8に読取開始通知を発行する。画像処理制御ユニット8は、画像読取制御ユニット12に読取開始通知を発行し、画像読取装置17(ここでは光学原稿読取台)によって紙原稿を読み取り、この読み取った原稿データをメモリユニット3に格納する。
【0055】
また、読取開始通知を受けたCPU2は表示制御ユニット13を利用して、装置制御設定媒体(原稿)の出力の有無、および装置制御設定制限の実施の有無を利用者に問い合わせる(S13)。この問い合わせには、例えば図8に示すようなメニューを用い、「装置制御設定媒体を作成」,「装置制御設定媒体を作成しない」のボタンおよびパスワードの入力フォームによって利用者に設定の選択を要求する。
【0056】
このメニューでは、パスワードの入力フォームに入力があると装置制御設定制限を有効にする、という方法で装置制御設定制限の有無を判断する。また、このメニューは表示時間を設定しておき、この設定時間が経過すると自動的にデフォルトとして設定した選択肢を選択したことにして表示を消去しても良い。
【0057】
この問い合わせによって「装置制御設定媒体を作成」が選択されると、CPU2は接続されている全ユニットに設定情報の問い合わせを行い、全てのユニット制御設定情報を取得する(S14)。CPU2は、取得した全てのユニット制御設定情報を、記憶装置10に格納されている全ユニット制御設定情報のデフォルト値リストと比較し、取得したユニット制御設定情報の中でデフォルト値から変更されている部分を抽出する(S15)。
【0058】
ここで、変更されたユニット制御設定情報を検出すると、CPU2はこのユニット制御設定情報を、設定情報に付加するためのコードに変換し、設定情報のユニット制御設定情報領域に格納する(設定情報変更)。
【0059】
前述したようにこの例では、「読取解像度:300dpi」、「カラーモード:モノクロ」、その他の設定はデフォルトのままで読取実行を行っている。変更されたユニット制御設定情報を更新し全てユニット制御設定情報を格納し終わると、その次のユニット制御設定情報として「画像読取制御ユニット制御:読取実行」を格納し、ユニット制御設定情報領域の作成を終了する。
【0060】
次に、図6に示すメニューにおいてパスワードの入力フォームを介して、パスワードが入力されているか否かを確認する(S16)。パスワードが入力されている場合(処理S16のYes)、このパスワードを入力制御ユニット9からCPU2に送信し(S17)、これを利用認証情報領域に格納する(S18)。このときパスワードを暗号化しても良く、これによりさらにセキュリティを向上させることができる。
【0061】
ここまでの処理により設定情報のデータ部分(ユニット制御設定情報領域、利用認証情報領域)の作成が終了したので、残りの装置制御設定情報ヘッダ領域の作成を行う(S19)。まず、利用認証情報領域とユニット制御設定情報領域のデータをまとめ、装置制御設定情報ヘッダ領域に格納する。
【0062】
次に、「ヘッダ領域のデータサイズ」,「利用認証情報領域のデータサイズ」,「ユニット制御設定情報領域のデータサイズ」を算出し、これらを装置制御設定情報ヘッダ領域に格納する。最後に、「装置制御設定情報の識別子」を格納することで、設定情報の作成が完了する。この「装置制御設定情報の識別子」は、この情報が設定情報(装置制御設定情報)であることを示すとともに、この装置制御設定情報のバージョンや扱い方を含むことができても良い。
【0063】
設定情報の作成が終了すると、CPU2はこの設定情報と、この情報の出力要求を画像処理制御ユニット8に送信する。出力要求を受信した画像処理制御ユニット8は、設定情報を二次元コード等の光学読取可能な媒体に出力可能な形式に変換し、出力用の設定情報(装置制御設定情報)を作成する(S20)。そして、出力用の設定情報を、画像処理制御ユニット8から印刷制御ユニット11に送信し(S21)、印刷制御ユニット11を用いて印刷装置16より出力することで、装置制御設定媒体を作成する(S22)。
【0064】
[第2実施形態]
次に、第2の実施形態のデジタル複写機(ハードウェア構成については、図1と同等)における処理について説明する。原稿内に配置される記号情報(二次元コード)は一つとは限らず、原稿内に記号情報を複数個配置することも有り得る。原稿に記号情報を複数箇所配置した構図を図9に示す。配置数が多ければ、当然ながら、上下左右のどちらからも中央に配置することは出来ない。その場合であっても、図9のように各記号情報を原稿の上下端辺から等距離に(中央に)一列に配置しておけば、原稿のスキャン方向さえ上記配置に対応させて一定とするならば、原稿方向の天地判別に失敗したとしても記号情報の取得は可能となる。なお、各記号情報を原稿の左右の端辺から等距離に(中央に)一列に配置しても同様である。
【0065】
本実施形態においても、原稿上のデータが読み取られ、その結果がメモリユニットへ格納される。メモリ上のデータの大きさは、横幅と高さで表現される。データの形式がビットマップ形式であれば、データ領域の左下を原点座標とした二次元の座表系で表され、横幅はx軸、高さはy軸となる。例えば、300dpiのA4サイズ原稿データ(縦)であれば、横幅:2480ピクセル、高さ:3508ピクセルであり、全座標領域はxy座標(0、0)〜(2480、3508)である(図4:xy座標系を参照)。
【0066】
読み取る特定領域を固定的にするには、決められた座標領域を抜き出せば良い。本実施形態の場合、上下方向の中央に記号情報が標示されている仕様の為、y軸座標値を固定領域(特定領域)に合わせ込む必要がある。仮に固定領域が、上下の四分の一をカットした残りの領域とするのであれば、xy座標(0,877)〜xy座標(2480、2631)の領域のみの画素データを読み込みメモリユニット3へ格納すれば良い。
【0067】
こうして選択的に読み込んだ領域内より記号情報を検索する。検索過程および以降の各過程は、既に説明したのと同様であるから、説明を省略する。上述の一連の流れを図10のフローチャートに示す。
【0068】
図10によれば、図2と同様の処理(S1〜S3)の後、原稿データの上下を切り落とし(S40)、残された原稿データ領域内より画素データを読み出す(S41)。その後、図2と全く同様な処理(S6〜S8)を行う。この実施形態の場合も、設定情報としての二次元コードであるQRコードを限られた範囲を検索すれば良いため、原稿の全領域を検索する場合に比べて格段に高速に検出可能であり、且つ、二次元コードの誤検出も低減できて効率的である。
【0069】
[第3実施形態]
ところで、これまでの説明においては、固定的に特定領域の記号情報を読み込むためには、原稿サイズと、原稿読み取り時の解像度が一致している必要がありこれを前提としている。例えば原稿サイズはA4サイズに固定、読み取り時の解像度は300dpiに固定とした。然しながら、このような制限があると使い勝手が良くない。しかし、読み取った原稿サイズと読み取り時の解像度が前述処理に用いている固定サイズとは異なっている場合でも、読み込んだデータを、縦横比率を維持して伸縮することで対応することができる。
【0070】
そのための、第3実施形態のデジタル複写機では、読み込んだ前記原稿データを、上述したと全く同様に固定的に前記特定領域(記号情報印刷位置周辺)より読み出し可能な大きさに圧縮または伸張するための画像縮伸手段として、画像処理制御ユニット8に画像変換部8c(図示なし)を更に備えている。原稿上のデータを読み取った結果は、メモリユニット3へ格納されているので、伸縮はメモリユニット3上で行う。
【0071】
先ず、本実施形態においては、前述実施形態と同様に、メモリユニット3へ格納されたデータ(原稿全面データ)を読み取る。その後、画像縮伸手段8cによってデータを圧縮または伸張することで、原稿サイズを合わせ、解像度を適合させる。例えば、読み取り済み原稿データを、A4サイズ/読み取り時の解像度は300dpiに伸縮する。
【0072】
この処理の後に、前述した実施形態と同様に、選択的な領域の読み込み、領域内での記号情報の検索を行う。圧縮または伸張処理以後の、固定的な特定領域を選択的に読み込む過程、領域内での記号情報の検索過程および以降の各過程は、既に説明したのと同様でよい。
【0073】
上記の処理の流れを図11のフローチャートに示し説明する。なお、既に説明した処理については詳細説明を省略する。図11によれば、図2と同様の処理(S1〜S3)の後、原稿データを所定のサイズに伸張する(S50)。そして、原稿データ内の所定位置より記号情報を読み出す(S51)。その後、図2と全く同様な処理(S6〜S8)を行う。
【0074】
これにより、入力制御ユニットより読み取り開始の操作が行われ、指示情報がCPUに伝達される。これを受けてCPUは画像処理制御ユニットに画像読取制御ユニットの動作制御を実行させる。
【0075】
この第3実施形態の場合も、前出例同様に、設定情報としての二次元コードであるQRコードを限られた範囲を検索すれば良いため、原稿の全領域を検索する場合に比べて格段に高速に検出可能であり、且つ、二次元コードの誤検出も低減できて効率的である。これに加えて、この実施形態では、読み込んだ前記原稿データを、固定的に前記特定領域(記号情報印刷位置周辺)より読み出し可能な大きさに圧縮または伸張して前記記号情報を読み出す機能を備えていて、種種のサイズの原稿や、異なる解像度で印刷された記号情報を含む原稿についても利用が可能になっており、使い勝手に優れている。
【0076】
[第4実施形態]
これまでの実施形態では、記号情報は一列に配置されているが、これに限らない。図13に示すように、複数(図13では8個)の記号情報を原稿の上下方向略中央部位置に2列に配置しても良い。この場合には、デジタル複写機は、全ての記号情報を含む領域を特定領域として、この特定領域部分のみを読み込んで、記号情報の存在を判断し、見つかった8個のQRコード(登録商標)それぞれについて解析し、含まれる設定情報等に従って必要な設定を行い、指定された処理を実行すれば良い。これまでの実施形態とは、特定領域(切出し領域)の範囲が異なるのみで、個々の処理については同様である。多様・多数の装置制御設定が行えるが、設定情報の抽出に際して、特定の限られた領域のみ読み取っているので、やはり従来よりも高速な検出が可能である。
【0077】
[第5実施形態]
これまで説明した各実施形態のデジタル複写機においては、特定領域に記号情報を付加した原稿データを生成して用紙に印刷出力して原稿を作成しているが、本発明では、このような出力形態に加えて、生成した原稿データを別な形で自機へ出力する、また、別な同種のデジタル複写機に対して出力するといった出力形態を併せて備えるようにすることもできる。すなわち、本実施形態では、原稿データを、ネットワークを介しての電子メールとして送信、ネットワークを介しての外部機器への送信、ファクシミリ送信として送信、当該デジタル複写機が備える記憶手段への保存、当該デジタル複写機に接続した記憶手段に保存、等の出力形態を適宜組み合わせて備えるようにしたものである。また、逆に、上述のような形態の原稿データを他の装置から受け取った場合には、メモリユニット3上に展開して利用する機能を備える。
【0078】
なお、このための構成と関連技術は、当業者にとって理解容易であり、また、本出願人によりその他の発明内容とともに既に提案されており(出願2006−153295)、同提案で説明されていることから、ここでは詳細については触れない。なお、同提案には、図12として掲げた参考フローチャートに対応する、設定情報のチェック、装置制御の制限として利用認証情報のチェックについての技術開示もされている。
【0079】
このような原稿データを受け取った別なデジタル複写機(前述した設定情報による設定・実行機能と通信機能とを有するものとする)において、直ちに原稿に記載された制御を利用することができ、逆に、第4実施形態相当の他機から同様の原稿を受け取った場合に、本実施形態に係るデジタル複写機であれば、この原稿は直ちに利用できる。第4実施形態のデジタル複写機を含み複数台のデジタル複写機をネットワーク接続することで、有用なデジタル複写機システムとして運用することができる。
【0080】
これまで説明した実施形態では、原稿(設定媒体)全体を一度メモリユニット3に読み込んでから、対応する特定領域中の記号情報を検索しているが、最初の読み込みの際に、元の原稿(設定媒体)上の定められた特定領域のみを読み込んで、特定領域に対応したデータのみを処理対象にして、記号情報の有無の判定(検索)と、復号手段による記号情報の解読を行うような態様も本発明に含まれるものであり、説明した実施形態と同等の、装置制御設定媒体に記載された記号情報(二次元情報コード)の読み込み時間を従来よりも短縮することができるという効果を得ることができる。
【0081】
以上、本発明の実施形態としてデジタル複写機について説明したが、これに限らず、実施形態で詳述したような入出力機能を備えた多機能入出力装置に対して、本発明を同様に適用することができる。
【0082】
また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。すなわち、上記した実施形態におけるデジタル複合機は、プログラムの命令によりコンピュータで実行される処理、手段、機能によって動作する。当該プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、先に述べたような所定の処理や機能、例えば、画像処理制御ユニットにより、原稿面を読み取りデータ化した原稿データの上下左右を切り落として中央部の特定領域の画素データのみを読み出させ、該画素データを解析して記号情報(QRコード)が存在するか否かを判定させる処理を行う。また、該判定で記号情報が存在する場合、CPUにより、該記号情報内に装置制御設定情報が存在するか否かを判定させ、存在する場合に装置制御設定情報からユニット制御設定情報を取得させ、該ユニット制御設定情報を解釈させて指定ユニットに対して要求された処理を行う。このように、上記実施形態における各処理や手段は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段によって実現されるものである。
【0083】
そして、上記実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、すなわち記憶メディアを介して、例えばデジタル複合機のコンピュータ(CPU)が記憶メディアに格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、本発明の目的は達成される。また、プログラムは、記録メディアを介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもでき、これによっても同様に本発明の目的は達成される。
【0084】
この場合、記憶メディアから読み出された又は通信回線を通じてロードし実行されたプログラムコード自体が前述の実施形態の機能を実現することになる。そして、そのプログラムコードを記憶した記憶メディアは本発明を構成する。
【0085】
また、プログラムコードを供給するための記憶メディアとしては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、不揮発性のメモリカード、ROM、磁気テープ等を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の一実施形態であるデジタル複写機の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態のデジタル複写機における装置制御設定媒体(原稿)の利用方法を示すフローチャートである。
【図3】本実施形態の原稿(装置制御設定媒体)を示す図である。
【図4】メモリ上の原稿画像データのxy座標系を示す説明図である。
【図5】二次元コード(記号情報)であるQRコードのサンプルを拡大して示す説明図である。
【図6】本実施形態の設定情報例を示す図である。
【図7】本実施形態の原稿の作成方法を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態の原稿の作成を問い合わせる画面表示例を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態の設定情報例を示す図である。
【図10】第2実施形態における装置制御設定媒体(原稿)の利用方法を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第3実施形態における装置制御設定媒体(原稿)の利用方法を示すフローチャートである。
【図12】記号情報(二次元コード情報)の解析例を示した参考フローチャート(部分)である。
【図13】本発明の第4実施形態の設定情報例を示す図である。
【符号の説明】
【0087】
1 デジタル複写機(多機能入出力装置)
2 CPU
3 メモリユニット
4 FAX制御部
5 LAN制御部
6 入出力デバイス制御ユニット
7 記憶装置制御ユニット
8 画像処理制御ユニット
8a 文章方向認識部
8b 原稿方向認識部
8c 画像変換部(画像縮伸手段)
9 入力制御ユニット
10 記憶装置
11 印刷制御ユニット
12 画像読取制御ユニット
13 表示制御ユニット
14 外部記憶装置
15 外部メディア入出力装置
16 印刷装置
17 画像読取装置
18 表示装置
19 操作入力装置
20 音声入力装置
21 FAX回線
22 インターネット
23 通信制御ユニット
24 PC
25 サーバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿データを取得するための光学読み取り手段と、画像形成した媒体を出力する画像形成手段と、を有する多機能入出力装置であって、
原稿中に、当該多機能入出力装置の所定動作指示を記号化した記号情報が記載されている場合に、前記記号情報に対応する読み取りデータより前記記号情報を解読する復号手段と、
解読した前記所定動作を多機能入出力装置に実行させる実行制御手段とを備え、
前記原稿の予め定められた前記記号情報標示用の特定領域のみを読み取って該読み取りデータより前記記号情報が得られた場合にこの記号情報を解読して前記指示された所定動作を実行することを特徴とする多機能入出力装置。
【請求項2】
前記特定領域を、前記原稿の上下端及び左右端から等距離位置を中心に設定したことを特徴とする請求項1に記載の多機能入出力装置。
【請求項3】
前記特定領域を、前記原稿の上下端から等距離位置に、もしくは左右端から等距離位置に設定したことを特徴とする請求項1に記載の多機能入出力装置。
【請求項4】
原稿データの前記特定領域位置に、多機能入出力装置の所定動作指示を記号化した前記記号情報を付加する記号情報付加手段を更に備え、
前記画像形成手段により、前記記号情報を前記特定領域に付加した原稿を出力可能にしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多機能入出力装置。
【請求項5】
前記特定領域に前記記号情報を付加した原稿データを、ネットワークを介しての電子メールとして送信、ネットワークを介しての外部機器への送信、ファクシミリ送信として送信、当該入出力装置が備える記憶手段への保存、当該入出力装置に接続した記憶手段に保存、のうち少なくとも1つの出力形態を備えていることを特徴とする請求項4に記載の多機能入出力装置。
【請求項6】
読み込んだ前記原稿データを、固定的に前記特定領域より読み出し可能な大きさに圧縮または伸張して前記記号情報を読み出す機能を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多機能入出力装置。
【請求項7】
多機能入出力装置の所定動作指示を記号化した記号情報の標示用領域で、原稿の予め定められた特定領域のみを読み取ってデータ化し、
該読み取りデータが前記記号情報であるかを判定し、
前記読み取りデータが前記記号情報であった場合に、該読み取りデータより前記記号情報を解読し、
解読により得られた所定動作指示に対応した処理を多機能入出力装置に実行させる、ことを特徴とする多機能入出力装置の制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の制御方法を多機能入出力装置に実行させることを特徴とする多機能入出力装置制御プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の多機能入出力装置制御プログラムを多機能入出力装置が読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−55406(P2009−55406A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−220918(P2007−220918)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】