説明

多段圧縮自着火内燃機関

【課題】圧縮自着荷内燃機関の運転出力帯域を拡大すると同時に他の運転モードとの切り替えを容易にする。
【解決手段】ガソリンを燃料とする4サイクル圧縮自着火内燃機関において、副燃焼室103を設け、主燃焼室106との連通部を連通弁105で仕切る。副燃焼室には混合気供給のための吸気弁と点火プラグ104を設ける。吸気工程では連通弁を開放して後半で副燃焼室の吸気弁102を開弁して副燃焼室にプラグ点火のためのリッチな混合気を供給し、圧縮比9相当CA付近で連通弁を閉じる。主燃焼室では更に圧縮されて前炎反応が開始する。しかし、圧縮比が自着火手前の圧力に設定されている。上死点付近で副燃焼室の点火プラグで点火する。副燃焼室の圧力が主燃焼室の圧力を超えると連通弁が開き、主燃焼室に燃焼後ガスが流入して主燃焼室の混合気を再圧縮する。前炎反応が進んでいるため短時間で着火して圧力が上昇し、連通弁が閉じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
予混合圧縮自着火内燃機関の着火制御方法及び、運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、排気をECUで適量循環させるEGRや、燃焼室にプラズマを噴射するプラズマジェット、やパルスジェット方式などがある。更に、発明者の下記出願のごとく、回転位相が異なる低圧縮比の気筒で点火プラグにより着火した燃焼後ガスを燃焼室に開放して着火点手前まで圧縮された予混合気に圧縮着火させる方法が示されている。
【0003】
【特許文献】特願2006−111596
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在エネルギー効率が良く、しかもクリーンであるということから、均一に混合された混合気を圧縮により自着火させる予混合圧縮自着火(HCCI)内燃機関が注目されている。しかし、負荷の変動や回転数などの運転条件の変化により着火条件が変化するため、確実な着火が困難であり、また、パワー出力帯域が狭いため自動車などに応用するためには、プラグ点火やディーゼル着火方式と併用する必要がある。しかし、HCCIの運転に最適な圧縮比と他の着火方式での圧縮比が異なるため、運転の切り替えが困難であった。
【0005】
HCCIの着火方式では、現在主流になっているEGR方式は、圧力や温度センサとマイコンによって次のサイクルの排ガス還流量を制御している。しかし、本方式では急激な出力や回転数の変化には対応が困難であり、特に出力帯域が狭いため期待するほど省エネ効果は高くない。更に、プラズマジェットやパルスジェットなどの熱や化学変化による着火トリガー方式においても、出力帯域が多少広がるが、運転モード切替時の問題は未解決のままである。また、前記特許文献では、点火プラグで着火した混合気がHCCI気筒の燃焼室への移動時、及び、着火後のHCCI気筒のガスが点火プラグ側気筒に逆流時に、連通口表面との摩擦で圧力損失が発生する。そのため本方式においては圧力損失を低減する方法が求められる。
【0006】
運転モードの切り替えでは、ガソリンを用いた機関で、弁制御で負のオーバーラップ期間を設けて排気を気筒内に残留させることで低い圧縮比での自着火を可能にしてプラグ点火モードとの切り替えを機械的圧縮比の変更なしで実現する方法があるが、本方式では、圧縮比が低く抑えられるため、効率があまり高くない。そこで、効率を下げることなく、よりいっそうのHCCIモードの運転可能出力帯域の拡大とより確実な着火方式とより簡便で確実な切り替え方式が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一の手段は、圧縮着火内燃機関において、圧縮自着火圧力近傍の圧縮比ではあるが、圧縮自着火圧力未満の圧縮比の燃焼室であり、この燃焼室に連通して他の多段圧縮手段を設け、気筒が上死点付近に在る時に該多段圧縮手段で燃焼室の容積を減少させ、混合気を圧縮自着火させることを特徴とする。
【0008】
第二の手段は、圧縮着火モードと、点火プラグで着火させるプラグ点火モードとを運転中に切り替えて運転する内燃機関において、圧縮着火モード時、圧縮自着火圧力近傍の圧縮比ではあるが、該自着火圧力よりも低い圧縮比に設定した主気筒のピストン位置が上死点近傍時で、該ピストン以外の手段で再度圧縮し、着火させる多段圧縮着火機関であり、該多段圧縮手段により主気筒の燃焼室の容積を圧縮着火運転に必要な圧縮比と、プラグ点火モードに必要な圧縮比相当の容積に変更可能としたことを特徴とする。
【0009】
第三の手段は、比較的均一な混合気を圧縮自着火する圧縮自着火モードと、高圧中に燃料噴射して着火させるディーゼル着火モードとを運転中に切り替えて運転する内燃機関において、圧縮自着火モード時、圧縮自着火圧力近傍の圧縮比ではあるが、該自着火圧力よりも低い圧縮比に設定した主気筒のピストン位置が上死点近傍時で、該ピストン以外の手段で再度圧縮し、着火させる多段圧縮着火機関であり、該多段圧縮手段により主気筒の燃焼室の容積を圧縮自着火運転に必要な圧縮比と、ディーゼル着火モードに必要な圧縮比相当の容積に変更可能としたことを特徴とする。
【0010】
第四の手段は、前記多段圧縮手段が、前記気筒の燃焼室に連通した他の気筒で構成したことを特徴とする。
【0011】
第五の手段は、前記多段圧縮手段が、前記気筒の燃焼室に副燃焼室を設け、該副燃焼室に点火手段と燃焼室との境界に弁を設け、圧縮自着火モードでは副燃焼室で独立に燃焼させ、開弁して 燃焼後ガスで主燃焼室の混合気を圧縮着火し、運転モード切り替え時に該弁を開閉して圧縮比を変更することを特徴とする。
【0012】
第六の手段は、前期多段圧縮手段が、圧縮自着荷気筒の燃焼室に副燃焼室を設け、該副燃焼室に点火プラグを設け、主燃焼室と副燃焼室の境界に弁を設け、圧縮工程途中でプラグ点火モードに適した圧縮比まで圧縮した時点で、該弁を閉弁し、副燃焼室に点火プラグで点火して、副燃焼室の圧力が主燃焼室の圧力よりも高くなった時点で開弁して、燃焼後ガスで主燃焼室の混合気を圧縮着火し、プラグ点火モードへの切り替え時には弁を開放して圧縮比を低減させることを特徴とする。
【0013】
第七の手段は、前記圧縮自着火圧力近傍の圧縮比が、温度上昇で燃料成分が分解及び酸化反応を起こす前炎反応を開始する圧力以上に相当する圧縮比であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
従来のHCCIエンジンでは、着火前の圧縮による圧力の最大点が上死点付近であったため、大幅な着火遅角を行うことが困難であり、高負荷時や比較的に濃い混合気に対応することが困難であった。また、同様の理由で従来は低濃度の混合気での着火も困難であった。本発明では、任意の時期に再圧縮ができるため上死点以降での圧縮も可能で、大幅な遅角が可能となり空燃比の濃い側への運転域を大幅に拡大することができる。更に実効圧縮比を自由に変更することが可能なため、高い実効圧縮比で低濃度の混合気を自着火させることが可能となる。更に、燃焼室に連通して設けた多段圧縮手段の空間容積を利用することで、他の運転モードの圧縮比に変更することができるため、複数の圧縮比での運転モードを切り替えすることが容易にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明では、多段圧縮で比較的に均一に混合された混合気を任意の時期に、比較的広い調整圧力幅で再圧縮して自着火させることができる4サイクル内燃機関を下記実施例で説明する。
【実施例1】
【0016】
本実施例は、本発明の一例を示すものである。図1は、本発明の一例を説明するための側面断面図である。101はシリンダヘッド、102は副燃焼室吸気弁、103は副燃焼室、104は点火プラグ、105は連通弁、106は主燃焼室、107はピストンである。
【0017】
本実施例は、ガソリンを燃料としたHCCIとプラグ点火運転を切り替え可能な自動車用多気筒エンジンである。シリンダヘッド(101)には副燃焼室(103)が設けられ、該副燃焼室(103)と主燃焼室(106)は連通弁(105)で連通/閉鎖可能に仕切られている。シリンダヘッド(101)には主燃焼室への吸気弁(図示せず)、排気弁(図示せず)、が設けられ、更に各気筒の吸気ポートに燃料を噴射する電子燃料噴射装置(図示せず)が設けられている。副燃焼室(103)には点火プラグ(104)と副燃焼室用吸気ポート(102)が設けられている。
【0018】
吸気工程時は主燃焼室の吸気弁(図示せず)と連通弁(105)を開く。副燃焼室用吸気弁(102)は吸気工程中ピストン(107)が下死点に着くまでの期間に副室(103)を充填するのに必要な混合気を確保できる時間だけ開弁する。副室用吸気ポート(102)には別途副燃焼室用に混合されたリッチな混合気が供給される。圧縮工程では、ピストン(107)が上昇し、圧縮比が9付近で連通弁(105)を閉弁し、主燃焼室(106)と隔離する。ピストン(107)は更に上昇し、主燃焼室(106)は自着火圧縮比位置の90%まで圧縮される。通常の圧縮自着火では、断熱圧縮の温度上昇によって燃料が化学変化を起こして分解及び酸化反応(前炎反応)が進行して冷炎形成、その後、熱炎が形成され着火に至るが、本実施例では、圧縮比が自着火に至らないように設定されているため、前炎反応の化学変化は起こるが、そのままでは熱炎形成にまで至らない。本主燃焼室中(106)の混合気では前炎反応によって着火準備が整った状態にあり、上死点付近で副室(103)内の点火プラグ(104)で副室内混合気に点火し、火炎伝播で副燃焼室(103)内の圧力が上昇して、圧縮された主燃焼室(106)内の混合気圧力よりも大きくなると連通弁(105)が開き、副燃焼室(103)内の燃焼後ガスが主燃焼室(106)に流入して主燃焼室(106)内の前炎反応が進行している混合気を圧縮し、自着火温度を超えるため短時間で着火する。着火後は主燃焼室(106)内の圧力が副燃焼室(103)内の圧力を上回るため、連通弁(105)が閉弁し主燃焼室(106)内の圧力損失を最小限にする。排気工程では、連通弁(105)を開弁して主燃焼室(106)の排気ポートから排気する。圧縮自着火を点火プラグ(104)の点火時期と混合気濃度及び連通弁の開く時期を変えることで制御することができる。低負荷で空燃比の大きな領域では副燃焼室(103)内の燃料濃度を上げて、二段圧縮時の圧力を上昇させることで運転出力領域を下側に広げることが可能となる。更に、副燃焼室内のプラグ点火時期を遅角させることで高出力側に広げることができる。
【0019】
また、ストイキ付近からリッチ側では、連通弁(105)を常時開いた状態とすることで、副燃焼室(103)容積も含めた燃焼室容積となり、圧縮比が低下し、点火プラグによる火炎伝播燃焼が可能となる。
【実施例2】
【0020】
本実施例は、本発明の一例を示すものである。図2は、本発明の一例を説明するための上面断面図である。201は燃焼室、202はエンジン・シリンダ、203は連通窓、204は加減圧シリンダ、205は加減圧ピストン、206は摺動方向を示す矢印である。
【0021】
本実施例は、ガソリンを燃料としたHCCIとプラグ点火運転を切り替え可能な自動車用多気筒エンジンである。図2は、シリンダを上部から見た燃焼室を横に切った断面図である。シリンダ(202)には燃焼室(201)に連通するように多段圧縮用の加減圧シリンダ(204)が設けられている。該加減圧シリンダ(204)には連通用の窓(203)が設けられ燃焼室(201)に連通している。加減圧ピストン(205)が連通窓(203)の50%位置で自着火圧縮比位置の95%となるような両シリンダ(202、204)の容積関係となっている。エンジン・シリンダ(202)が上死点付近になった時点で、加減圧ピストン(205)はシャフトとカムで作動する高圧油圧ポンプ(図示せず)とコモンレール(図示せず)からなる油圧装置(図示せず)で圧縮され、燃焼室(201)に押し込まれる。燃焼室容積が減少して自着火圧力を超えて着火する。押し込み時期と押し込み量を加減することで着火制御が可能で、可変容積率を大きくすることができれば自着火運転出力帯域を拡大できる。また、点火プラグ着火モードと併用する時は、加減圧ピストン(205)を最大限引き抜いた状態で運転することで圧縮比を下げることができ、運転モードを切り替えることが可能となる。ディーゼルモードと併用する場合は、加減圧ピストン(205)を全て押し込んだ状態で運転することでより高圧縮比での運転が可能となる。
【実施例3】
【0022】
本実施例は、本発明の一例を示すものである。図3は、本発明の一例を説明するための斜視説明図である。301は連通開口部、302はHCCI気筒、303はHCCIピストン、304はSI気筒、305はSIピストンである。
【0023】
本実施例は、ガソリンを燃料としたHCCIとプラグ点火運転を切り替え可能な自動車用多気筒エンジンである。HCCI気筒(302)には、点火用の小型エンジン、SI気筒(304)が連通開口部(301)を通してHCCI気筒の燃焼室に連通している。SI気筒(304)には吸気弁(図示せず)、排気弁(図示せず)、点火プラグ(図示せず)が設けられ、膨張行程でSIピストン(305)がクランク角ATDC30度位置で連通開口部(301)が設けられている。連通前のHCCI気筒(302)の圧縮比は、圧縮自着火圧縮比の80%となる圧縮比である。両気筒(302、304)の容積比は20対1とし、SIピストン(305)はHCCIとは別のシャフトを用いて二軸で伝達し、車輪駆動に用いられている。SI気筒(304)には吸気弁からプラグ点火に適した濃度と同様の圧縮比で圧縮された圧力の混合気が供給されており、HCCIピストン(303)位置が上死点付近で、SI気筒(304)の点火プラグで点火してSIピストン(305)が30度CAで連通開口部(301)を通してHCCI気筒(302)の燃焼室に流入して混合気を二次圧縮し、着火温度を超えて着火する。
【0024】
着火用プラグ点火エンジンの気筒(304)に供給する混合気濃度と量及び該気筒の点火プラグでの点火時期の調整で、該混合気をリッチにすることでHCCI気筒(303)内の予混合気が希薄であっても着火が容易になる。更に、プラグ点火時期を遅角させることでHCCI側の濃い混合気でもノッキングを回避することができ、運転可能領域を拡大することができる。前炎反応生起圧力以上の範囲で、できるかぎり圧縮比を下げて自着火圧力との差を大きくすることで、HCCI運転領域の拡大を図ることができる。しかし、SI気筒(304)側の出力を上げすぎると、内部ガスの移動量が大きくなり、圧力損失が増大する。そこで、着火用プラグ点火エンジンの気筒(304)容積をHCCI気筒の20分の1にすることで内部のガスの移動を最小限にして、連通壁等との摩擦等で発生する圧力損失を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
圧縮自着火内燃機関。自動車用、船舶、発電等の動力用のガソリン、ディーゼル、ガス、アルコール、エーテルやその他バイオ燃料等のエンジンに利用される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一例で、実施例1の内燃機関を説明するための側面断面図である。
【図2】本発明の一例で、実施例2の内燃機関を説明するための上面断面図である。
【図3】本発明の一例で、実施例3の内燃機関を説明するための斜視説明図である。
【符号の説明】
【0027】
101 シリンダヘッド
102 副燃焼室吸気弁
103 副燃焼室
104 点火プラグ
105 連通弁
106 主燃焼室
107 ピストン
201 燃焼室
202 エンジン・シリンダ
203 連通窓
204 加減圧シリンダ
205 加減圧ピストン
206 摺動方向を示す矢印
301 連通開口部
302 HCCI気筒
303 HCCIピストン
304 SI気筒
305 SIピストン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮着火内燃機関において、圧縮自着火圧力近傍の圧縮比ではあるが、圧縮自着火圧力未満の圧縮比の燃焼室であり、この燃焼室に連通して他の多段圧縮手段を設け、気筒が上死点付近に在る時に該多段圧縮手段で燃焼室の容積を減少させ、混合気を圧縮自着火させることを特徴とした多段圧縮自着火可能な内燃機関。
【請求項2】
圧縮着火モードと、点火プラグで着火させるプラグ点火モードとを運転中に切り替えて運転する内燃機関において、圧縮着火モード時、圧縮自着火圧力近傍の圧縮比ではあるが、該自着火圧力よりも低い圧縮比に設定した主気筒のピストン位置が上死点近傍時で、該ピストン以外の手段で再度圧縮し、着火させる多段圧縮着火機関であり、該多段圧縮手段により主気筒の燃焼室の容積を圧縮着火運転に必要な圧縮比と、プラグ点火モードに必要な圧縮比相当の容積に変更可能としたことを特徴とする多段圧縮着火可能な内燃機関。
【請求項3】
比較的均一な混合気を圧縮自着火する圧縮自着火モードと、高圧中に燃料噴射して着火させるディーゼル着火モードとを運転中に切り替えて運転する内燃機関において、圧縮自着火モード時、圧縮自着火圧力近傍の圧縮比ではあるが、該自着火圧力よりも低い圧縮比に設定した主気筒のピストン位置が上死点近傍時で、該ピストン以外の手段で再度圧縮し、着火させる多段圧縮着火機関であり、該多段圧縮手段により主気筒の燃焼室の容積を圧縮自着火運転に必要な圧縮比と、ディーゼル着火モードに必要な圧縮比相当の容積に変更可能としたことを特徴とする多段圧縮着火可能な内燃機関。
【請求項4】
前記多段圧縮手段が、前記気筒の燃焼室に連通した他の気筒で構成したことを特徴とする請求項1、2または3に記載の多段圧縮着火可能な内燃機関。
【請求項5】
前記多段圧縮手段が、前記気筒の燃焼室に副燃焼室を設け、該副燃焼室に点火手段と燃焼室との境界に弁を設け、圧縮自着火モードでは副燃焼室で独立に燃焼させ、開弁して 燃焼後ガスで主燃焼室の混合気を圧縮着火し、運転モード切替時に該弁を開閉して圧縮比を変更することを特徴とする請求項2または3に記載の多段圧縮着火可能な内燃機関。
【請求項6】
前期多段圧縮手段が、圧縮自着荷気筒の燃焼室に副燃焼室を設け、該副燃焼室に点火プラグを設け、主燃焼室と副燃焼室の境界に弁を設け、圧縮工程途中でプラグ点火モードに適した圧縮比まで圧縮した時点で、該弁を閉弁し、副燃焼室に点火プラグで点火して、副燃焼室の圧力が主燃焼室の圧力よりも高くなった時点で開弁して、燃焼後ガスで主燃焼室の混合気を圧縮着火し、プラグ点火モードへの切り替え時には弁を開放して圧縮比を低減させることを特徴とする請求項2に記載の多段圧縮着火可能な内燃機関。
【請求項7】
前記圧縮自着火圧力近傍の圧縮比が、温度上昇で燃料成分が分解及び酸化反応を起こす前炎反応を開始する圧力以上に相当する圧縮比であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5及び6に記載の多段圧縮着火可能な内燃機関。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−65673(P2010−65673A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−262263(P2008−262263)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(591011720)
【Fターム(参考)】